説明

放射線源および発光物質を含む照明系

放射線源および該放射線源によって放射された光の一部を吸収し且つ吸収した光の波長とは異なる波長の光を放射し得る少なくとも1種の蛍光体を含む発光物質を含み、前記少なくとも1種の蛍光体が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有する黄色赤色発光性セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩であることを特徴とする照明系は、高い光度および演色指数を、とりわけ放射線源としての発光ダイオードと一緒に与え得る。一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有する赤色〜黄色発光性セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩は、電磁スペクトルの近UV〜青色範囲内の一次放射線により効率的に励起可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、放射線源と、蛍光体を含む発光物質とを含む照明系に関する。また、本発明は、そのような照明系において使用する蛍光体にも関する。
さらに詳細には、本発明は、紫外線および青色放射線発出放射線源に基づく発光ダウン変換および加法混色による、白色光のような特定の着色光の発生用蛍光体を含む照明系および発光物質に関する。放射線源としての発光ダイオードを、とりわけ意図する。
【背景技術】
【0002】
最近、可視着色発光ダイオードを放射線源として使用することによって白色発光照明系を製造する種々の試みがなされてきている。可視着色した赤色、緑色および青色発光ダイオードの配列によって白色光を発生させる場合、所望する色調の白色光を、可視着色発光ダイオードの色調、輝度および他の要因が変動するために発生できないような問題が存在している。
これらの問題を解決するために、蛍光体を含む発光物質によってUV〜青色発光ダイオードの放射線を変換させて可視白色光照明を与えるような種々の白色光照明系が以前から開発されている。
蛍光体変換白色光照明系は、詳細には、三色(RGB)法、即ち、三色、即ち、赤色、緑色および青色の混合法(この場合、出力光の後者の成分は、蛍光体によってまたは発光ダイオードの一次発光によって与え得る)に基づくか、或いは、第2の簡単な解決法においては、黄色と青色の混合による二色(BY)法(この場合、出力光の黄色二次成分は黄色蛍光体によって与え得、青色成分は蛍光体によってまたは青色発光ダイオードの一次発光によって与え得る)に基づくかのいずれかである。
詳細には、例えば、米国特許第5,998,925号に開示されているような二色法は、Y3Al5O12 :Ce (YAG-Ce3+)蛍光体と組合せたInGaN系半導体物質の青色発光ダイオードを使用している。YAG-Ce 3+蛍光体は、InGaN LED上のコーティーング中で使用されており、該LEDから放射された青色光の一部を上記蛍光体により黄色光に変換している。上記LEDから放射された青色光の他の一部は、上記蛍光体を介して伝送している。即ち、この系は、上記LEDから放射された青色光および上記蛍光体から放射された黄色光の双方を発光する。青色および黄色発光バンドの混合物を、観察者は、中央70連結における典型的なCRIおよび約6000K〜約8000Kの範囲にある色温度(Tc)によって白色光として感知する。
窒化物系LED類の製造における最近の進歩により高度に効率的な光源がもたらされてきており、それらLEDの効率性は、フィラメントおよび蛍光系光源を上回るものと期待されている。にもかかわらず、全体的な効率性は、蛍光体変換照明系、とりわけ、放射線源として発光ダイオードを含む系においては、認識されている問題である。
【発明の開示】
【0003】
従って、電磁スペクトルの近UV〜青色範囲の波長範囲の一次放射線を発出する放射線源により高効率でもって励起可能であり且つこの放射線を可視黄色〜赤色範囲に変換する新規な蛍光体を含む照明系を提供することが求められている。
即ち、本発明は、放射線源および該放射線源によって放射された光の一部を吸収し且つ吸収した光の波長とは異なる波長の光を放射し得る少なくとも1種の蛍光体を含む発光物質を含み、上記少なくとも1種の蛍光体が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩であることを特徴とする照明系を提供する。
そのような照明系は、一般的な照明目的において望ましい特性を有し、経済的コストで高輝度を提供する。
一次放射線源と蛍光体を使用し、一次放射線を二次放射線に変換する照明系の効率は、この発光変換過程にとりわけ依存している。
発光変換過程は、減衰係数、励起および発光スペクトル、ストークスシフト、および量子収量のような多くのパラメーターによって特性決定し得る。減衰係数は、蛍光体の吸収力の波長依存性の尺度である。励起スペクトルは、単一の一定発光波長で測定した励起波長での発光強度依存性である。発光スペクトルは、単一の一定励起波長による励起後に測定した発光の波長分布である。ストークスシフトは、発光スペクトルの最高値と吸収スペクトルの最高値間の波長の差である。量子収量は、発出した光子数対蛍光体によって吸収された光子数の比である。
放射線変換過程自体の効率は、一次放射線源と蛍光体の励起波長間の波長の差、即ち、ストークスシフトにとりわけ依存する。
【0004】
本発明に従う蛍光体は、電磁スペクトルの青色およびUVA範囲において、例のない広い連続した非構造化励起バンドを有する。
広い連続した励起スペクトルにより、本発明において説明する蛍光体系は、極めて小さいストークスシフトを有し、従って、200nmから500nmの波長までの波長範囲のポンプ光によって効率的に励起し得る。従って、放射線源によって発出された一時光子の二次黄色〜赤色光子への変換によって生じる量子損減は、最低限にし得る。
この広い励起スペクトルは、蛍光体を一般的なレザーおよびアーク灯並びに発光ダイオードのような波長限定光源による効率的な励起を可能にする。
本発明に従う照明系は、色合に関して良好に均衡化されている複合白色出力光を提供し得る。とりわけ、該複合白色出力光は、通常の照明系よりも多量の赤色範囲の発光を有する。この特性は、真の演色が高効率性と一緒に求められる用途において、装置を理想的なものにする。
本発明のそのような用途としては、交通信号、街路照明、警報照明、自動化工場の照明、並びに自動車および交通機関の信号照明がある。
放射線源としてとりわけ意図するのは、発光ダイオードである。発光ダイオードによって生じた発光は、その発光スペクトルのその狭いスペクトル半幅性故に、優れた単色性を典型的に有する。
にもかかわらず、現在入手し得る発光ダイオードは、その製造工程がデータシートに示された平均値辺りの性能の乱れをもたらすので、主波長、ピーク波長およびそれらの狭い帯域発光のx/y色座標において強い変動を示している。
従って、青色またはUV発光ダイオードと狭い励起帯域を有する通常の蛍光体との組合せは、白色LED製造においてビニング(binning)問題をもたらす;何故ならば、サンプル間で波長の異なるLED類は、蛍光体励起性に、ひいては広く拡散した色温度および効率を有する白色LED類に変化をもたらすからである。
青色またはUV発光ダイオードと一次放射線を広い周波数範囲で等しい効率でもって吸収して白色光を得ることのできる本発明の蛍光体との組合せは、より高効率の白色ソリッドステート光源をもたらし得る。
上記蛍光体の広帯域の励起バンドとLED類の狭い発光最高値とのより良好な適合性により、発光ダイオードが低めの減衰係数による長めの波長におけるよりはむしろその発光最高値において励起するのを可能にする。
【0005】
本発明の第1の局面によれば、白色光照明系は、放射線源としての400〜480nm範囲内にピーク発光波長を有する青色発光ダイオードと、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩である少なくとも1種の蛍光体を含む発光物質を含む。
そのような照明系は、操作中に白色光を提供する。上記LEDにより放射された青色光は上記蛍光体を励起して、蛍光体が黄色、琥珀色または赤色光を発光するようにする。上記LEDによって放射された青色光は、上記蛍光体を介して伝送され、蛍光体によって放射された黄色〜琥珀色または赤色光と混合する。観察者は、青色光と黄色〜琥珀色または赤色光との混合物を白色光として感知する。
本質的な要因は、上記セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩タイプの黄色〜赤色蛍光体の励起スペクトルが400〜480nm範囲にそのように広く帯域化されていること、これらの蛍光体が市場の全ての青色〜紫色発光ダイオードによって十分に励起されることである。本発明に従う蛍光体の励起スペクトルは450nmを中心とするので、その波長範囲内で発光する青色LEDが好ましい。
第1の局面の1つの実施態様によれば、本発明は、放射線源としての400〜480nm範囲においてピーク発光波長を有する青色発光ダイオードと、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩および少なくとも1種の第2蛍光体を含む発光物質を含む白色光照明系を提供する。
発光物質が上記セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩タイプの蛍光体と少なくとも1種の第2蛍光体との蛍光体混合物を含む場合、本発明に従う白色照明系の演色は、さらに改善され得る。
【0006】
とりわけ、この実施態様の発光物質は、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、そして、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩と赤色蛍光体を含む蛍光体混合物であり得る。
そのような赤色蛍光体は、(Ca1-xSrx) S:Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)および(Sr 1-x-yBaxCay)2-zSi5-aAlaN8-aOa:Euz (式中、0 ≦ a < 5、0 < x ≦ 1、0 ≦ y ≦ 1、0 < z ≦ 1である)を含む、Eu(II)活性化蛍光体の群から選択し得る。
また、上記発光物質は、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩と黄色〜緑色蛍光体とを含む蛍光体混合物であり得る。そのような黄色〜緑色蛍光体は、(Ba1-x Srx)2 SiO4:Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)、SrGa2S4:Eu、SrSi2N2O2:Eu、Ln3Al5O12:Ce (式中、Lnはランタンおよび全てのランタニド金属を含む)およびY3Al5O12:Ceを含む群から選択し得る。
追加の蛍光体を含むそのような発光物質の発光スペクトルは、LEDの青色光および本発明に従うセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩タイプの蛍光体の黄色〜赤色光と一緒に高品質の白色光を所定の色温度で良好な演色でもって得るための適切な波長を有する。
【0007】
本発明のもう1つの実施態様によれば、放射線源が、ピーク発光波長が200〜400nmのUV範囲内である発光を有する発光ダイオードから選ばれ、発光物質が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩である少なくとも1種の蛍光体、および第2蛍光体を含む、白色光照明系を提供する。
本質的な要因は、上記セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩タイプの黄色〜赤色蛍光体の励起スペクトルが200〜400nm範囲にそのように広く帯域化されていること、これらの蛍光体が市場の全てのUV-紫色発光ダイオードによって十分に励起されることである。
とりわけ、この実施態様に従う発光物質は、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩および青色蛍光体を含む白色光発光蛍光体混合物を含み得る。
そのような青色蛍光体は、BaMgAllo017:Eu、Ba5SiO4(C1,Br)6 :Eu、CaLn2S4:Ce (式中、Lnはランタンおよびランタニド金属を含む)および(Sr,Ba,Ca) 5(PO4)3Cl:Euを含む群から選択し得る。
【0008】
本発明の第2の局面は、黄色、琥珀色または赤色光をもたらす照明系を提供する。本発明の用途としては、警報照明並びに自動車および交通機関の信号照明がある。
とりわけ意図するのは、放射線源が、ピーク発光波長が400〜480nmの範囲内である発光を有する青色発光ダイオードから選ばれ、発光物質が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩である少なくとも1種の蛍光体を含む、黄色、琥珀色または赤色光照明系である。
また、放射線源が、ピーク発光波長が200〜400nmのUV範囲内である発光を有する発光ダイオードから選ばれ、発光物質が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩である少なくとも1種の蛍光体を含む、黄色〜赤色光照明系も意図する。
【0009】
本発明のもう1つの局面は、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩である、放射線源によって放射された光の一部を吸収し且つ吸収した光の波長とは異なる波長の光を放射し得る蛍光体を提供する。
上記発光物質は、200〜400nmのような波長を有するUV線によって励起可能であるが、400〜480nm辺りの波長を有する青色発光ダイオードによって放射された青色光によればより高効率でもって励起する。即ち、上記発光物質は、窒化物半導体発光成分の青色光の白色光への変換において理想的な特性を有する。
これらのセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体は、一次放射線によって励起させたときの可視スペクトルの赤色〜黄色スペクトル範囲内の広帯域において急速減衰性二次放射線を発出する。可視発光は、可視発光が主として位置する80nm波長範囲がないほど広い。
放射線変換過程は、本発明に従う蛍光体の励起スペクトルが電磁スペクトルのUVA/青色領域において広帯域を含むときに、極めて高い効率でもって生じる。吸収一次放射線に関連しての発出二次放射線の周波数の低下に伴うエネルギー損減は、最少に保ち得る。全体的変換効率は、90%までであり得る。
上記蛍光体のさらなる重要な特性としては、1) 典型的な装置操作温度(例えば、80℃)での発光の熱失活に対する抵抗性;2) 装置製造において使用した封入用樹脂および湿分との干渉的反応性のないこと;3) 可視スペクトル内でのデッド吸収を最小限にする適切な吸収プロフィール;4) 装置の操作寿命に亘っての経時的に安定な発光出力;および5) 蛍光体の励起および発光特性の組成的に制御されたチューニングがある。
とりわけ、本発明は、80〜90%の高量子効率、60〜80%の300nm〜500nm範囲における高吸光度、約560〜660nmのピーク波長を有する発光スペクトル、および室温から500℃までの熱失活による発光ルーメン出力の低い、即ち、10%未満の損減を示す、特定の蛍光体組成物 Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 に関する。
特定の蛍光体組成物 Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 は、低色温度および改良された演色性でもってLEDにより変換される白色光発光蛍光体中の蛍光体としてとりわけ価値がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体
本発明は、限定するものではないが、放電灯、発光灯、LED、LDおよびX線チューブのような放射線源を含む任意の形状の照明系中の蛍光体としてのセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩に焦点を合せる。本明細書において使用するとき、用語“放射線”は、好ましくは、電磁スペクトルのUVおよび可視領域内の放射線を包含する。
本発明に従う発光物質は、セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩を含む。該蛍光体は、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey に従い、式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である。
この群の蛍光体物質は、置換アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩の活性化発光に基づく。
一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有する蛍光体は、NaSi2N3 構造タイプのホスト格子を含む。この構造タイプは、単位セル内に、ケイ素またはアルミニウム原子に三配位結合している8個の窒素原子とケイ素またはアルミニウム原子に二配位結合している4個の窒素原子を含む。二配位窒素の結晶部位内の窒素は、酸素で置換して酸素含有相を形成し得る。カルシウムカチオンは、図3において示すように、六配位によって結晶部位を占めている。
【0011】
ホスト格子の格子部位内のカルシウムカチオンの一部は、アクチベーターイオンのセリウム(III)によって置換されている。Ce(III)によるCa(II)の置換は、格子内に電荷の発生をもたらす。電荷は、1価アルカリカチオンによる共ドーピング(1)、またはSiAlON相中のO/N比を変化させる(2)、またはSiAlON相中のSi/Al比を変化させる(3)のいずれかによって補正し得る:
(1) CeCa + NaCa'
(2) CeCa + NO'
(3) CeCa + AlSi'
また、カルシウムは、10モル%までの量でストロンチウムおよび/またはバリウムで一部置換し得、さらに、マグネシウムで完全に置換し得る。ストロンチウムおよびバリウムの取込みは発光の僅かな赤色シフトをもたらすが、マグネシウムの取込みは発光の青色シフトをもたらす。また、カルシウムカチオンの一部は、亜鉛またはマンガンで置換してもよい。
存在するアルミニウムの一部または全体は、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムで置換し得る。
さらなるドーピングもプラセオジム(III)、ユーロピウム(II)およびサマリウム(III)によって可能であり、赤色発光を増強させる。
セリウム(III)の割合yは、好ましくは、0.001 < y < 0.2の範囲にある。セリウム(III)の割合yが0.001以下である場合、発光は、セリウム(III)カチオンによる光ルミネセンスの励起発光中心数が減少するので低下し、yが0.2よりも大である場合は、密度クエンチングが生じる。密度クエンチングは、発光強度の低下を称し、発光物質の発光を増強させるために添加する活性化剤の濃度を最適レベルを超えて増大させたときに生じる。
【0012】
本発明のセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体の製造方法は、特に制約されるものではない。セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩は、本発明に従う蛍光体を調製し得る任意の方法によって製造し得る。1連の一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有する組成物を製造でき、これら組成物は、完全な固溶液を形成する。
本発明に従う蛍光体の好ましい製造方法は、ソリッドステート法と称する。この方法においては、蛍光体プレカーサー物質をソリッドステートで混合し、加熱して、プレカーサーが反応し蛍光体物質の粉末を形成するようにする。
特定の実施態様においては、これらの黄色〜赤色発光蛍光体を、下記の方法により、蛍光体粉末として調製する:
このためには、アルカリ土類金属窒化物を、ドーパントおよび融剤としての窒化ケイ素 Si3N4、窒化アルミニウムおよびフッ化セリウム(III)と所定の比率で混合する。
混合物を高純度アルミナるつぼに入れる。るつぼを管状炉内に置き、窒素/水素を数時間流すことによって掃気する。炉パラメーターは10℃/分であり、1450℃まで上昇し、1450℃での4時間の滞留と続き、その後、炉を室温にゆっくり冷却する。
サンプルは、1600℃での2回目のアニーリング工程を実施する前に微粉砕する。
発光出力は、アルゴン流中での僅かに低めの温度でのさらなる3回目のアニーリングにより改良し得る。
もう1つの方法においては、蛍光体粉末プレカーサー粒子または蛍光体粒子をスラリー中に分散させ、その後、これをスプレー乾燥させて液体を蒸発させる。次いで、粒子を昇温下にソリッドステートで焼結させて粉末を結晶化し、蛍光体を形成させる。その後、スプレー乾燥粉末を、昇温下に焼結させて粉末を結晶化し蛍光体を形成させることによって、オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体に転換する。焼成粉末を軽く破砕し、ミリングして所望粒度の蛍光体粒子を回収する。
その後、得られた発光物質を再度粉砕し、水およびエタノールで洗浄し、乾燥させ、篩分けする。
焼成後、粉末を粉末X線回折(Cu、Kα系)により特性決定したところ、全ての化合物が形成されていることが明らかとなった。
【0013】
セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩タイプ蛍光体は、そのアルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩ホスト格子故に、熱、光および湿分に対して耐性である。
熱によって増大した光分解に対する耐性は、操作中の発光ダイオードが極めて高温となり得、また、LEDを囲んでいるいずれの材料も高温となるので重要性を有する。熱は、LEDを囲む通常の蛍光体を劣化させ、LED光をダウン変換させるその能力を低下させる。本発明に従う蛍光体は、耐熱性であり、500℃までの用途において適している。
これらのセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体は、電磁スペクトルのUV-および可視青色部分内の電磁スペクトルの広いエネルギー部分に対して応答性である。
とりわけ、本発明に従う蛍光体は、UV-LEDのような、200〜400nmのような波長を有するUV発光をもたらす放射線源によりとりわけ励起可能であるが、青色発光LEDのような、400〜480nmの波長を有する青色光をもたらす放射線源によってより高効率的に励起する。図2に示すように、このタイプの蛍光体の励起スペクトルは、連続スペクトルに密接に類似している。即ち、上記発光物質は、窒化物半導体発光ダイオードの青色光を白色光に変換するのに理想的な特性を有する。
セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩タイプの各蛍光体は、電磁スペクトルのUVAまたは青色範囲の放射線により励起させたとき、黄色、琥珀色または赤色蛍光を発光する。
460nmの放射線により励起させたとき、セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体は、電磁スペクトルの黄色、琥珀色または赤色範囲内の広バンド発光の形でエネルギーを放出することが判明している。
本明細書に添付した図2においては、Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 の励起および発光スペクトルを示している。Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 は、615nmにおいてピーク波長を有する発光スペクトルと800nmまでの末端発光を有している。
【0014】
照明系
また、本発明は、放射線源と、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有する少なくとも1種のセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩を含む発光物質を含む照明系にも関する。
放射線源としては、半導体光学放射線エミッター、および電気的励起に応答して光学放射線を発出する他の装置がある。半導体光学放射線エミッターとしては、発光ダイオードLEDチップ類、発光ポリマー(LEP)類、有機発光装置(OLED)類、ポリマー発光装置(PLED)類、レーザーダイオード(LD)類等がある。
さらにまた、水銀低圧および高圧放電灯、イオウ放電灯、および分子ラジエーターをベースとする放電灯のような放電灯および発光灯において見出される成分のような発光コンポーネントも、本発明の蛍光体組成物と一緒の放射線源としての使用を意図する。
本発明の好ましい実施態様においては、放射線源は、発光ダイオード(LED)である。発光ダイオードが、種々の比率およびタイプの蛍光体混合物を1種以上の発光ダイオードとの組合せにおいて使用することにより、種々の色合および色調の光源を提供することは、本発明の利点の1つである。
発光ダイオードおよびセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体組成物を含むあらゆる形状の照明系を、本発明において、好ましくは、上述したようなLED発出一次UVまたは青色光によって照射したときに特定色または白色光を得るように組合せ得る他の周知の蛍光体と一緒に意図する。
図1に示すような放射線源および発光物質を含む照明系の1つの実施態様の詳細な構造を、以下に説明する。
【0015】
図1は、発光物質を含むコーティーングを有するチップタイプの発光ダイオードの概略図である。該装置は、放射線源としてチップタイプ発光ダイオード1を含む。該発光ダイオードダイスは、反射体カップリードフレーム2内に位置させている。ダイス1を、接続線7により第1端末6に連結し、第2電気端末6'には直接連結する。反射体カップの凹部に、本発明に従う発光物質を含有するコーティーング物質を充填して、反射体カップ内に埋込んだコーティーング層を形成させる。蛍光体は、別個にまたは混合物中で適用する。
コーティーング物質は、蛍光体または蛍光体混合物3を封入するためのポリマー5を典型的に含む。この実施態様においては、蛍光体または蛍光体混合物は、封入剤に対して高安定特性を示すべきである。好ましくは、ポリマーは、光学的透明であって如何なる有意の光散乱も防止する。種々のポリマーが、LED照明系を製造するLED工業において知られている。
1つの実施態様においては、ポリマーは、エポキシおよびシリコーン樹脂からなる群から選択する。蛍光体混合物をポリマープレカーサーである液体に添加することにより、封入を達成し得る。例えば、蛍光体混合物は、粒状粉末であり得る。蛍光体粒子をポリマープレカーサー液中に導入して、スラリー(即ち、粒子の懸濁液)を調製する。重合時に、蛍光体混合物は、封入によって適所に堅固に固定される。1つの実施態様においては、発光物質とLEDダイスの双方をポリマー中に封入する。
透明コーティーング物質は、光拡散性粒子4、有利にはいわゆる拡散剤を含み得る。そのような拡散剤の例は、無機充填剤、とりわけZrO2、CaF2、 TiO2、SiO2、CaCO3 またはBaSO4、または有機顔料である。これらの物質は、単純な方法で上記の樹脂に添加し得る。
【0016】
操作においては、電力をダイスに供給してダイスを活性化する。活性化したとき、ダイスは、一次光、例えば、青色光を発出する。発出一次光の一部は、コーティーング層中の上記発光物質によって完全にまたは部分的に吸収される。その後、上記発光物質は、二次光、即ち、一次光の吸収に応答しての十分に広帯域の主として黄色(とりわけ、有意の割合の赤色を含む)の長めのピーク波長を有する変換光を発光する。発出一次光の残りの吸収されていない一部は、上記発光層を介して、二次光と同調して伝送される。封入により、吸収されていない一次光および二次光は、出力光として、一般的方向に向けられる。即ち、出力光は、ダイスから発出した一次光と上記発光層から発出した二次光からなる複合光である。
本発明に従う照明系の出力光の色温度およびカラーポイント(color point)は、一次光と比較した二次光のスペクトル分布および強度に依存して変動する。
第1に、一次光の色温度またはカラーポイントは、発光ダイオードの適切な選択により変化させ得る。
第2に、二次光の色温度またはカラーポイントは、発光物質中の蛍光体、その粒度およびその濃度の適切な選択により変化させ得る。さらにまた、これらの配置も発光物質中での蛍光体混合物の使用の可能性を有利にもたらし、その結果として、有利には、所望の色調をさらにより正確に設定し得る。
【0017】
白色光蛍光体変換発光装置
本発明の1つの局面によれば、照明系の出力光は、“白色”光であるように見えるようなスペクトル分布を有し得る。
最も一般的な白色LEDは、青色放射線の一部を補色、例えば、黄色〜琥珀色発光に変換する蛍光体でコーティーングした青色発光LEDチップからなる。青色発光および黄色発光は、一緒になって白色光を発生させる。
また、UV発出チップとUV線を可視光に変換するように設計した蛍光体とを使用する白色LEDも存在する。典型的には、2以上の蛍光体発光バンドを必要とする。
【0018】
青色/蛍光体白色LED
(青色発光ダイオードを使用する二色性白色光蛍光体変換発光装置)
第1の実施態様においては、本発明に従う白色発光照明系は、有利には、青色発光ダイオードにより発出した青色放射線を補色波長範囲に変換して二色性(BY)白色光を形成させるような発光物質を選択することによって製造し得る。
この場合、黄色〜赤色光を、セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体を含む発光物質により発生させる。また、第2発光物質をさらに使用して、この照明系の演色性を改善することもできる。
とりわけ良好な結果は、発光最高値が400〜500nmにある青色LEDによって得られる。最適値は、とりわけセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩の励起スペクトルを考慮すると、445〜468nmにあることが判明した。
LED-蛍光体系の色出力は、蛍光体層の厚さ、換言すれば、蛍光体層中の蛍光体の量に極めて感受性である。蛍光体層が厚くて過剰の黄色〜赤色のセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体を含む場合、少なめの量の青色LED光しか厚い蛍光体層には浸透しない。組合せLED-蛍光体系は、その場合、操作において、蛍光体の黄色〜赤色の二次光が優勢であることから、黄色気味〜赤気味の白色に見えるであろう。従って、蛍光体層の厚さは、変動要因であり、系の色出力に影響する。広範囲の柔軟性を、所望の色度の取得および個々の装置の色出力の制御の双方において利用し得る。
【0019】
1つの特定の実施態様においては、本発明に従う白色発光照明系は、とりわけ好ましくは、種々の濃度の無機発光物質Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 を、440nm InGaN発光ダイオード用の発光変換封入体または層を製造するのに使用するシリコーン樹脂に混合することによって具現化し得る。
462nm InGaN発光ダイオードにより発出した青色放射線の一部は、無機発光物質Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 により、黄色、琥珀色または赤色スペクトル領域に、結果として、色合青に対して補色的着色する波長範囲にシフトする。ヒト観察者は、青色一次光と黄色、琥珀色または赤色発光蛍光体の二次光との組合せを白色光として感知する。
図4は、440nmで一次発光を有する青色発光InGaNダイおよび発光物質として種々の量のCa0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 を含み、これらが一緒になって、高品質の白色感覚を伝達する全体的スペクトルを形成するそのような照明系の発光スペクトルを示す。
光源によって発生した光の性質は、光源が真に演色しているかどうかを指標する演色指数(CRI)によって特性決定し得る。演色指数は、目視試験によって確立されている。先ず、評価すべき光源の色温度CCTを測定する。その後、8つの標準色サンプルをその光源で、次いで同じ色温度を有する黒体からの光で照射する。標準色サンプルが変色しない場合、その光源は、100の理論的に完全な演色指数値を有する。演色指数は、通常、“Ra”と称し、8つの標準色サンプル全ての演色指数値の平均である。
これらのデータおよび相応するカラーポイントを下記の表1に示す。
【0020】
【表1】

【0021】
第2の特定の実施態様においては、本発明に従う白色発光照明系は、とりわけ好ましくは、種々の量の無機発光物質Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 を、456nm InGaN発光ダイオードまたは468 nm InGaN発光ダイオード用の発光変換封入体または層を製造するのに使用するシリコーン樹脂に混合することによって具現化し得る。
図5は、456nmで一次発光を有する青色発光InGaNダイおよび発光物質としてのCa0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 を含み、これらが一緒になって、高品質の白色感覚を伝達する全体的スペクトルを形成するそのような照明系の発光スペクトルを示す。相応するデータを下記の表2に示す:
【表2】

【0022】
第3の特定の実施態様においては、本発明に従う白色発光照明系は、とりわけ好ましくは、種々の濃度の無機発光物質Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 を、462 nm InGaN発光ダイオード用の発光変換封入体または層を製造するのに使用するシリコーン樹脂に混合することによって具現化し得る。
図6は、468nmで一次発光を有する青色発光InGaNダイおよび発光物質としてのCa0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 を含み、これらが一緒になって、高品質の白色感覚を伝達する全体的スペクトルを形成するそのような照明系の発光スペクトルを示す。相応するデータを下記の表3に示す:
【表3】

【0023】
(青色発光ダイオードを使用する多色性白色光蛍光体変換発光装置)
もう1つの実施態様においては、本発明に従う白色光発光照明系は、有利には、発光物質を、青色発光ダイオードにより発出した青色放射線を補色波長範囲に変換して、多色性、とりわけ三色性(RGB)白色光を形成させるように選択することによって製造し得る。この場合、黄色〜赤色および緑色光を、セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体と第2蛍光体を含む蛍光体混合物を含む発光物質によって発生させる。
高演色性を有する白色光発光は、おそらくは、全体的スペクトル範囲をカバーする赤色および緑色広帯域エミッター蛍光体を青色発光LEDと一緒の使用することによって製造する。赤色広帯域エミッターとしては、黄色〜赤色発光性セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体を使用する。
有用な緑色蛍光体および第2赤色蛍光体並びにそれらの光学特性を下記の表4に要約する。
【表4】

【0024】
上記発光物質は、2種の蛍光体、即ち、黄色〜赤色セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体と、(Ba1-XSrx)2 SiO4: Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)、SrGa2S4 :EuおよびSrSi2N2O2:Euを含む群から選ばれた緑色蛍光体との混合物であり得る。
また、多色性白色光を得るための青色発光LEDを使用する照明系用の発光物質も、3種(またはそれ以上)の蛍光体、例えば、黄色〜赤色セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体;群(Ca1-xSrx) S:Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)および(Sr 1-x-yBaxCay )2Si5-aAlaN8-aOa:Eu (式中、 0 ≦ a < 5、 0 < x ≦ 1、0 ≦ y ≦ 1である) から選ばれた赤色蛍光体;および(Ba1-XSrx)2 SiO4: Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)、SrGa2S4 :EuおよびSrSi2N2O2:Euを含む群から選ばれた緑色蛍光体との混合物であり得る。
そのようにして発生させた白色光の色調(CIE色度図表におけるカラーポイント)は、この実施態様においては、各蛍光体をそれらの混合物および濃度に関して適切に選択することによって変化させ得る。
【0025】
UV/蛍光体白色LED
(UV発出発光ダイオードを使用する二色性白色蛍光体変換発光装置)
もう1つの実施態様においては、本発明に従う白色発光照明系は、有利には、発光物質を、UV発光ダイオードにより発出したUV放射線を補色波長範囲に変換して、二色性白色光を形成させるように選択することによって製造し得る。この場合、黄色光および青色は、上記各発光物質によって発生させる。黄色〜赤色光は、セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体を含む発光物質によって発生させる。青色光は、BaMgAl10017:Eu、Ba5SiO4(C1,Br)6 :Eu、CaLn2S4:Ceおよび(Sr,Ba,Ca) 5(PO4)3Cl:Euを含む群から選ばれた青色蛍光体を含む発光物質によって発生させる。
とりわけ良好な結果は、発光最高値が300〜400nmにあるUVA発光ダイオードを使用して得られる。最適値は、とりわけセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩の励起スペクトルを考慮すると、365nmにあることが判明した。
【0026】
UV発出LEDを使用する多色性白色蛍光体変換発光装置
特定の実施態様においては、本発明に従う白色光発光照明系は、有利には、発光物質を、UV発光ダイオードにより発出したUV放射線を補色波長範囲に変換して、多色性白色光を、例えば加色3色、例えば、青色、緑色および赤色によって形成させるように選択することによって製造し得る。
この場合、黄色〜赤色、緑色および青色光は、上記各発光物質により発生させる。
とりわけ高演色性を有する白色光発光は、全スペクトル範囲をカバーする青色および緑色広帯域エミッター蛍光体を、UV発光LEDおよび黄色〜赤色発光セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体と一緒に使用することによって可能である。
上記発光物質は、黄色〜赤色セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体;BaMgAl10017:Eu、Ba5SiO4(C1,Br)6 :Eu、CaLn2S4:Ceおよび(Sr,Ba,Ca) 5(PO4)3Cl:Euを含む群から選ばれた青色蛍光体;および(Ba1-XSrx)2 SiO4: Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)、SrGa2S4 :EuおよびSrSi2N2O2:Euを含む群から選ばれた緑色蛍光体の混合物であり得る。第2赤色発光物質をさらに使用して、この照明系の演色性を改良し得る。
それによって発生させた白色光の色調(CIE色度図表におけるカラーポイント)は、この場合、各蛍光体を混合物および濃度に関して適切に選択することによって変化させ得る。
【0027】
黄色〜赤色蛍光体変換発光装置
本発明のさらなる局面は、“黄色〜赤色”光であるように見えるようなスペクトル分布を有する出力光を発光する照明系に関する。
蛍光体としてセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩を含む発光物質は、例えば、UVA発光LEDまたは青色発光LEDのような一次UVAまたは青色放射線源による刺激用の黄色〜赤色成分としてとりわけ良好に適している。それによって、電磁スペクトルの黄色〜赤色領域内で発光する照明系を提供することが可能である。
本発明のこの局面の1つの実施態様においては、黄色発光照明系は、有利には、発光物質を、青色発光ダイオードにより発出した青色放射線を補色波長範囲に変換して二色性黄色光を形成させるように選択することによって製造し得る。
この場合、黄色光は、セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体を含む発光物質によって発生させる。
とりわけ良好な結果は、発光最高値が400〜480nmにある青色LEDによって得られる。最適値は、とりわけ上記アルカリ土類オキソニトリドアルミナシリケートの励起スペクトルを考慮すると、445〜465nmにあることが判明した。
【0028】
本発明に従う黄色発光照明系は、とりわけ好ましくは、過剰量の無機発光物質Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 を、発光変換封入体または層を製造するのに使用するシリコーン樹脂に混合することによって具現化し得る。462 nm InGaN発光ダイオードにより発出した青色放射線の一部を、無機発光物質Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02により、黄色スペクトル領域に、結果として、色合青に補色発色する波長範囲にシフトさせる。ヒト観察者は、青色一次光と黄色発光蛍光体の過剰の二次光の組合せを黄色光として感知する。
LED-蛍光体系の色出力は蛍光体層の厚さに極めて感受性であり、蛍光体層が厚くて過剰の黄色セリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩蛍光体を含む場合、少なめの量の青色LED光しか厚い蛍光体層には浸透しない。組合せLED-蛍光体系は、その場合、操作において、蛍光体の黄色〜赤色の二次光が優勢であることから、黄色〜赤色に見えるであろう。従って、蛍光体層の厚さは、変動要因であり、系の色出力に影響する。
それによって発生させた黄色光の色調(CIE色度図表におけるカラーポイント)は、この場合、蛍光体を混合物および濃度に関して適切に選択することによって変化させ得る。
本発明のこの局面のさらなる実施態様においては、発光物質を、UV発光ダイオードにより発出したUV放射線を全体的に単色性黄色〜赤色光に変換させるように選択することにより、本発明に従う黄色〜赤色発光照明系を有利に製造し得る。この場合、黄色〜赤色光は、上記発光物質によって発生させる。
本発明に従う黄色発光照明系は、とりわけ好ましくは、無機発光物質Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02 を、発光変換封入体または層を製造するのに使用するシリコーン樹脂と混合することによって具現化し得る。462 nm InGaN発光ダイオードにより発出した青色放射線の一部を、無機発光物質Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02により、黄色スペクトル領域にシフトさせる。ヒト観察者は、UVA一次放射線と黄色発光蛍光体の二次光の組合せを黄色光として感知する。
そのようにして発生させた白色光の色調(CIE色度図表におけるカラーポイント)は、蛍光体を混合物および濃度に関して適切に選択することによって変化させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】LED構造体により発出した光の通路内に位置させた本発明の蛍光体を含む二色性白色LED灯の概略図である。
【図2】Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02の励起および発光スペクトルである。
【図3】CaAl1+xSi1-xN3-xOxの結晶構造のモデルである。
【図4】青色440nm LEDと種々の濃度の発光物質としてのCa0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02を含む照明系のスペクトル放射輝度を示す。
【図5】青色456nm LEDと種々の濃度の発光物質としてのCa0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02を含む照明系のスペクトル放射輝度を示す。
【図6】青色468nm LEDと種々の濃度の発光物質としてのCa0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02を含む照明系のスペクトル放射輝度を示す。
【符号の説明】
【0030】
1 チップタイプ
2 反射体カップリードフレーム
3 蛍光体または蛍光体混合物
4 光散乱粒子
5 ポリマー
6 電気端末
7 接続線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源および該放射線源によって放射された光の一部を吸収し且つ吸収した光の波長とは異なる波長の光を放射し得る少なくとも1種の蛍光体を含む発光物質を含み、前記少なくとも1種の蛍光体が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩であることを特徴とする照明系。
【請求項2】
前記放射線源が、発光ダイオードである、請求項1記載の照明系。
【請求項3】
前記放射線源が、ピーク発光波長が400〜480nm範囲内である発光を有する発光ダイオードから選ばれる、請求項2記載の照明系。
【請求項4】
前記放射線源が、ピーク発光波長が400〜480nm範囲内である発光を有する発光ダイオードから選ばれ;前記発光物質が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩、および第2蛍光体を含む、請求項2記載の照明系。
【請求項5】
前記第2蛍光体が、群(Ca1-xSrx) S:Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)および(Sr1-x-yBaxCay)2-zSi5-aAlaN8-aOa:Euz (式中、0 ≦ a < 5.0 < x ≦ 1、 0 ≦ y ≦ 1、0 < z ≦ 0.1である)から選ばれた赤色蛍光体である、請求項4記載の照明系。
【請求項6】
前記第2蛍光体が、(Ba1-x Srx)2 SiO4:Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)、SrGa2S4:Eu、SrSi2N2O2:Eu、Ln3Al5O12:CeおよびYAG:Ce3+を含む群から選ばれた黄色〜緑色蛍光体である、請求項4記載の照明系。
【請求項7】
前記放射線源が、ピーク発光波長が200〜400nmのUV範囲内である発光を有する発光ダイオードから選ばれ;前記発光物質が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩を含む、請求項2記載の照明系。
【請求項8】
前記放射線源が、ピーク発光波長が200〜400nmのUV範囲内である発光を有する発光ダイオードから選ばれ;前記発光物質が、一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;そして、0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩、および第2蛍光体を含む、請求項2記載の照明系。
【請求項9】
前記第2蛍光体が、BaMgAllo017:Eu、Ba5SiO4(C1,Br)6 :Eu、CaLn2S4:Ce、(Sr,Ba,Ca) 5(PO4)3Cl:EuおよびLaSi3N5:Ceの群から選ばれた青色蛍光体である、請求項8記載の照明系。
【請求項10】
前記第2蛍光体が、群Ca1-xSrx) S:Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)および(Sr 1-x-yBaxCay)2-zSi5-aAlaN8-aOa:Euz (式中、0 ≦ a < 5.00 < x ≦ 1、0 ≦ y ≦ 1、0 < z ≦ 0.1である)から選ばれた赤色蛍光体である、請求項8記載の照明系。
【請求項11】
前記第2蛍光体が、(Ba1-x Srx)2SiO4:Eu (式中、0 ≦ x ≦ 1である)、SrGa2S4:Eu、SrSi2N2O2:Eu、Ln3Al5O12:CeおよびYAG:Ce3+を含む群から選ばれた黄色〜緑色蛍光体である、請求項8記載の照明系。
【請求項12】
一般式 Ca1-x-yAxAl1+a-bBbSi1-aN3-aOa:Cey (式中、Aは、ベリリウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、マンガン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、プラセオジム、サマリウムおよびユーロピウムを含む群から選ばれ;Bは、ホウ素、ガリウムおよびスカンジウムを含む群から選ばれ;0 ≦ x ≦ 1、0 < y ≦ 0.2、0.001 ≦ a ≦ 1、そして、0.001 ≦ b ≦ 1である)を有するセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩である、放射線源によって放射された光の一部を吸収し且つ吸収した光の波長とは異なる波長の光を放射し得る蛍光体。
【請求項13】
前記蛍光体が、一般式 Ca0.98Al1.01B0.01Si0.98N2.98O0.02:Ce0.02のセリウム(III)活性化アルカリ土類オキソニトリドアルミノケイ酸塩である、請求項12記載の蛍光体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−530334(P2008−530334A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555745(P2007−555745)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【国際出願番号】PCT/IB2006/050442
【国際公開番号】WO2006/087661
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】