説明

放熱構造と放熱材料

【課題】熱伝導率は170W/mKであり、熱放射率は0.85以上であるが、体積固有抵抗率は低く半導体的である炭化珪素粉末の表面に高固有抵抗層を設け絶縁性放熱フイラーとし、熱放射材料及びその応用製品を提供する。
【解決手段】高熱伝導率、高熱放射率を有しているが、半導体的な固有抵抗を持つ炭化珪素粒子の表面に高固有抵抗層を設け、炭化珪素粒子を絶縁物化し、樹脂中に充填した時、炭化珪素同士が接触しても絶縁性が保たれ、熱伝導率と熱放射率が増大するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放熱部材に関し、特に放熱性を向上させた放熱構造及びその応用製品に関する。
【背景技術】
【0002】
現状の放熱部材の主流はアルミナや窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許庁 電子図書館で下記のキーワードで検索した。特許&(公開+登録)&(実用新案)& 熱放射 & 熱吸収 & 熱伝導ヒット件数 は26 件であったが、本発明は26件のいずれにも抵触しない。 ヒット件数 26 件 項番 公報番号 発明の名称 出願人(登録公報・US和抄は権利者を表示)1 特開2010-086750ランプ装置および照明器具 東芝ライテック株式会社2 特開2009-286092機器筐体 新日本製鐵株式会社3 特開2009-283871リワークソルダリング方法及びその装置 富士通株式会社4 特開2006-244846発光素子、及びこれを備えた発光装置、並びに電子機器 セイコーエプソン株式会社5 特開2004-361386赤外線放射検出用装置 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ6 特開2004-303448光源装置 シャープ株式会社7 特開2004-037063太陽エネルギー収集装置及び水加熱装置 ルオ チン コアン8 特開2003-207849ランプ装置及びそれを備えたプロジェクタ セイコーエプソン株式会社9 特開2001-274145液体原料気化装置、半導体装置および半導体装置の製造方法 三菱電機株式会社10 特開2000-185697体安定型静止衛星の順次的熱除去 スペース システムズ/ローラル インコーポレイテッド11 特開2000-031119ドライエッチング装置及びドライエッチング方法 三菱電機株式会社12 特開平11-165715包装設備で熱変形可能なフィルムウェブを加熱するための装置 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテルハフツング13 特開平11-083202冷暖房システム及び方法 株式会社フジタ14 特開平09-192000電気炊飯器 シャープ株式会社15 特開平08-205995炊飯器 シャープ株式会社16 特開平08-033347インバータ装置の保守方式 株式会社日立製作所 他17 特開平06-037406金属蒸気レーザ装置 株式会社日立製作所18 特開平05-193592宇宙船の熱制御装置 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ19 特表2008-502431火を消すための方法および装置 ファイア−トレース ユーエスエー, エルエルシー20 特表2007-532004集積回路積層システムとその方法 スタクテック・グループ・エルピー21 特表2007-509344超高感度シリコンセンサのミリメートル波能動画像形成装置 ノースロップ グラマン コーポレーション22 特許3319885炊飯器 シャープ株式会社23 特許3212861電気炊飯器 シャープ株式会社24 特公平07-083131太陽電池モジユ−ル 京セラ株式会社25 特公平01-00954326 実登3093599電気器具 ルオチン コアン
【0004】
また下記のキーワードで検索した。
特許&(公開+登録)&(実用新案)& 熱放射 & 熱吸収 & 熱伝導
& (熱伝達+対流)
ヒット件数 は4件であったが、本発明は4件のいずれにも抵触しない。
ヒット件数 4 件
項番 公報番号 発明の名称 出願人(登録公報・US和抄は権利者を表示)

1 特開2004-361386 赤外線放射検出用装置
ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
2 特開2004-303448 光源装置
シャープ株式会社
3 特開2000-185697 体安定型静止衛星の順次的熱除去
スペース システムズ/ローラル インコーポレイテッド
4 特表2007-532004 集積回路積層システムとその方法
スタクテック・グループ・エルピー

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、たとえば筺体内の電子部品が発熱しているとき、如何にしてその熱を放散させるかということである。
またモーターなどが発熱しているときやLED照明が発熱しているときも、その放熱は重要である。なぜなら発熱している部品から放散する熱線(遠赤外線)は空気に向かって放射されるが、発熱している部品の熱放射率の多寡によって熱線の出方が大きく変わり、その結果発熱している部品の温度が大きく変わるからである。
【0006】
上記問題点に鑑みて為された本発明の目的は、発熱体の熱を効率よく放散させ、発熱体の温度上昇を抑える放熱構造を提供することにある。
発熱体の温度が10℃低下すればアレニウスの法則によりその寿命は2倍に延伸する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための手段は次の通りである。
すなわち発熱体または発熱体の熱を放散する放熱板の表面に高熱放射率を有する熱放射層を設ける。熱放射層は熱放射塗料であってもよいし、熱放射シート、熱放射板であってもよい。
【0008】
その結果発熱体または発熱体の熱を放散する放熱板の表面から熱線が効率よく放射されるが、発熱体または発熱体の熱を放散する放熱板の表面が外気に接している場合はそれでよいが、発熱体または発熱体の熱を放散する放熱板が筺体内に納められている場合は事情が異なる。
【0009】
このような場合は発熱体から放散された熱線や発熱体または発熱体の熱を放散する放熱板の表面近くの空気が熱せられ、発熱体または発熱体の熱を放散する放熱板から立ち上る熱気は筺体内に留まる。ここで筺体の内表面の熱吸収率が低いと発熱体から放散された熱線や発熱体から立ち上る熱気の熱量は筺体内表面に十分伝わらず、その結果筺体内の温度は大きく上昇する。
たとえば筺体がアルミニウム板や鉄板であるとき、アルミニウムや鉄の熱吸収率はキルヒホッフの法則により熱放射率(λ)に等しいので、アルミニウムのλ=0.03、鉄のλ=0.21と低いので、熱吸収率も低い。これらの熱放射率、熱吸収率は8〜14μの波長を有する熱線に対する値である。
【0010】
ここで筺体の内表面に密着した熱放射率の大きい(熱吸収率も大きい)熱放射層(熱吸収層)を設ける。熱放射層は熱放射塗料であってもよいし熱放射シート、熱放射板であってもよい。熱放射シートはアクリル、ポリプロピレンまたはシリコーン、ポリオレフイン、ウレタン、エポキシ他の樹脂に熱放射セラミック粉を分散させたシートである。また熱放射塗料は、シリカ系無機バインダー、シリコーン、ポリオレフイン、アクリル、ウレタン、エポキシ他の液状樹脂に熱放射セラミック粉を分散させた塗料である。
このようにすれば筺体内の発熱体または発熱体の熱を放散する放熱板の表面から放射される熱線(遠赤外線)は筺体内表面に設けた熱放射層(熱吸収層)に入射して吸収され、この熱は筺体の板面に伝わり、板面内での熱伝導により板面全体の温度は上昇する。ここで筺体の外表面にも熱放射層を設ける。熱放射層は熱放射塗料であってもよいし、熱放射シート、熱放射板であってもよい。
【0011】
このようにすれば筺体の外表面から熱線が放射されるので、筺体板面の温度は放射冷却により下がる。その結果筺体内の空気の温度も下がりそれに伴って筺体内の発熱体または発熱体の熱を放散する放熱板の温度も下がる。
【0012】
図1に上記の模式図を示す。
発熱体101は発熱体の熱を放散する放熱板102に装着されている。
発熱体101の表面および/または発熱体の熱を放散する放熱板102の表面には熱放射層103を設ける。熱放射層103は熱放射塗料であってもよいし、熱放射シートであってもよい。
【0013】
その結果発熱体101の表面および/または発熱体の熱を放散する放熱板102の表面からは熱線(遠赤外線)104が筺体106の内部に放射される。
放射された熱線104は筺体106の内表面に設けた熱放射層(熱吸収層)105によって吸収され、この熱量は筺体106の板107内を熱伝導により番号108に示す矢印のように熱伝導し、筺体106の板107の温度を上昇させる。筺体106の板107の温度が上昇すると筺体106の外表面に設けた熱放射層109の温度も上昇するので、熱放射層109からは番号110に示す熱線が放射され、熱放射層109の温度も筺体の板107の温度も放射冷却により低下する。
それに伴い筺体106内表面の熱放射層105の温度も低下する。
その結果発熱体101と発熱体の熱を放散する放熱板102の温度も放射冷却により低下する。このため発熱体101が電子部品である場合、電子部品の温度は低下し電子部品の寿命は延伸し、誤動作も起こりにくくなる。
【0014】
上記の熱輸送機構は発熱体101と発熱体の熱を放散する放熱板102内では熱伝導により熱輸送される、熱輸送された熱は発熱体101と発熱体の熱を放散する放熱板102の表面からは熱放射さる。そして熱放射された熱は筺体106内表面の熱放射層(熱吸収層)105に熱吸収され、熱吸収された熱は筺体の板107内を熱伝導により熱輸送され、筺106外表面の熱放射層109に達し、熱放射層109からは外気111に向かって熱放射される。同時に外気111の対流によって熱は放散される。筺体106が閉じている場合は筺体106内の空気による対流はそれほど大きくない。
そのため上記熱輸送機構は熱伝導―熱放射―熱吸収―熱伝導―熱放射―対流の多段機構により熱輸送されるのでこれを“タンデム熱輸送”と命名する。
タンデムとは“直列二頭立て(前後に二頭の馬を並べる)の馬車”の意であり上記熱輸送機構を表現する語として相応しい。
【0015】
上記熱輸送機構において対流熱伝達は筺体106内でも起こるが、筺体106が閉じられた系であるとき過渡的には対流が起こるが定常状態では対流熱伝達の寄与は小さい。
【0016】
熱伝導は下記の式により規定される。
W=λA(T1−T2)/L
ここでWは熱流(Joule/sec)、λは熱伝導率、Aは電熱断面積、Lは伝熱距離、T1は高温側温度、T2は低温側温度である。
筺体の板がアルミニウムであるとき、λ=236W/mK、板の面積はA平方メートル、板の厚さLメートル、板の高温側・絶対温度はT1(K)、低温側・絶対温度はT2(K)である。
【0017】
熱放射は下記の式で規定される。
絶対温度Tsの表面積Aの熱放射率εの物体が、熱放射によって放出する熱量は下の式になる。まわりの壁面の表面積A1、熱放射率ε1、周囲温度Ta、
Wは熱流(Joule/sec)

W=σA(Ts−Ta)/(1/ε+ A(1/ε―1)/A1

σ:シュテファン=ボルツマン定数=5.67×10-8 W m-2 K-4
A<< A1の時、すなわち遠くへ熱が広がっていく場合は

W=σεA(Ts−Ta
となる。
【0018】
シュテファン=ボルツマン定数は小さい値なので、温度が低い時、熱放射される熱量は小さいと従来は思われていた。
しかし120×50×0.5mmの銅板上に5Ωの金属抵抗器を取り付けて
1.5Aを通じ、金属抵抗器の表面温度を計測する実験を行った。
銅板だけのとき金属抵抗器の表面温度は145℃であった。
これに比べ銅板の表裏に熱放射シートを張り付けた場合の金属抵抗器の表面温度は100℃であった。金属抵抗器は銅板に直接ネジ止めし,いずれの金属抵抗器にも熱放射シートは張り付けなかった。その結果熱放射シートを張り付けた方は、実に45℃も温度が低下し放射冷却効果が観測できた。
【0019】
また熱放射シートの代わりにシリコーン樹脂を用い、シリコーン樹脂の中に30wt%の熱放射セラミック粉を分散させた塗料を造り30μだけ表裏に塗布し、同じ実験を行ったが結果は同一であった。各銅板はポリエチレン製の筺体(230W×170D×90H)に入れて測定した。樹脂製の筺体の板厚は2mmでこのポリエチレンの熱伝導率は0.2W/mKと低いが、熱放射率は0.8と比較的高い。
このため熱放射シートを張り付けた銅板から放射される熱線はポリエチレン容器の内壁に熱を与え、ポリエチレンの壁の温度を上昇させ、ポリエチレン容器の外壁から自由空間に向かって熱放射し、また対流によっても熱放散し、系全体の温度と金属抵抗器の温度が低下したのである。
しかし熱放射シートを張り付けない銅板だけのものは、銅板の熱放射率が0.03と低いため銅板から放射される熱線は少なく、そのため銅板の温度が上昇し銅板上の金属抵抗器の温度も上昇したのである。
それに比べ銅板上に張り付けた熱放射シート、熱放射塗料の熱放射率は0.85以上と高いので熱放射が大きく銅板上の金属抵抗器の温度が低下したのである。

ここで筺体表面上の対流による熱輸送は下記の式で規定される。

W=αA(T-Ta)

W;対流による熱流密度 α;熱伝達率 A;伝熱面積(筺体の表面積)
T;筺体の表面温度 Ta;外気温度

【0020】
熱放射シートはアクリル、ポリプロピレン、ポリオレフイン、ウレタンまたはシリコーンのいずれかに30wt%だけセラミック粉(5μ)を分散させた30μのシートを用いた。
セラミック粉自体の熱放射率は0.85以上のものを用いた。
ここで熱放射率εは黒体を1とした時の比率で
銅 0.03
アルミニウム 0.02
ゴム 0.95
セラミック 0.95
一般の樹脂 0.8
である。
また熱放射シートまたは熱放射塗料は、下記の樹脂を用いることもできる。
すなわち
熱放射セラミック粉を分散させた下記の熱可塑性プラスチックス;
即ちポリオレフイン系プラスチックス(ポリプロピレン、EVA)。
ポリビニル系プラスチックス(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ABS、ポリメチル・メタアクリレート)。
ポリエステル系プラスチックス(PET、PBT,PEN,ポリカーボネート、液晶ポリマー)。
ポリエーテル系プラスチックス。
特殊エーテル系プラスチックス(PPS)。
ポリアミド系プラスチックス(ナイロン、芳香族ポリアミド)。
も用いることができる。
また
熱放射セラミック粉を分散させた下記の熱硬化性プラスチックス;
即ちフェノール樹脂、アミノ樹脂、(尿素樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂)
不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂も用いることができる。
さらに熱放射セラミック粉を分散させた熱可塑性エラストマー(オレフイン系TPE、スチレン系TPE、ポリ塩化ビニル系TPE、エステル系TPE、アミド系TPE、ウレタン系TPE、シンジオタクチックー1、2ポリブタジェン系TPE)。
も用いることができる。
【0021】
また100×100×3mmのアルミ板の片面に熱放射率0.85以上の熱放射セラミック粉を分散させた耐熱塗料を20μ塗布し、塗布しないアルミ面を360Wの電気コンロに密着させて上面中心の温度を測定した。
30分後の未塗布のアルミの上面中心温度は386℃、耐熱塗料を20μ上面に塗布した上面中心温度は182℃であり、実に204℃も低く放射冷却効果が観測できた。
電気コンロに密着させた各アルミ面はヒーターから熱伝導を受けアルミに熱を伝える。上面に熱放射塗料を塗布しないアルミ面の熱放射率は0.02程度と低いため上面から放射される熱線は少なく、そのためアルミの温度は286℃まで上昇した。一方上面に熱放射塗料を塗布した場合は、上面から放射される熱線が多く放射冷却が起こり、温度は182℃にとどまったのである。
【0022】
また熱放射塗料を塗布したアルミ面を電気コンロに密着させた場合は、電気コンロのヒーターの熱は塗布した熱放射塗料に吸収されてアルミ板の温度を上昇させるので、アルミ上面の中心温度は30分後に415℃であるのに比べ、アルミだけのものは372℃と43℃も低くなり逆転した。これはアルミ面の熱吸収率(熱放射率)が0.02と低いため熱吸収が少ないからである。
【0023】
また熱放射塗料を塗布したアルミ面を電気コンロから五徳で4mm浮かした場合も、電気コンロのヒーターの熱は塗布した熱放射塗料に吸収されてアルミ板の温度を上昇させるので、アルミ上面の中心温度は20分後に329℃であるのに比べ、アルミだけのものは215℃と114℃も低くなった。これはアルミ面の熱吸収率(熱放射率)が0.02と低いため熱吸収が少ないからである。
【0024】
また熱放射に従来から多用されるブラック・アルマイト板100×100×1mmを用い、ブラック・アルマイト面を上面に向けたものと、100×100×1mmのアルミ板の上面に熱放射塗料を上面に20μ塗布したものを比較した。
双方ともアルミ面を電気コンロに密着させて測定した。
12分後のブラック・アルマイト上面の中心温度は241℃となったが、熱放射塗料を上面に20μ塗布したものの中心温度は179℃と低かった。
これはブラック・アルマイトのアルマイト層の厚さが薄いためブラック・アルマイトの熱放射率が低いためと思われる。
【0025】
この結果から本発明の熱放射塗料は従来、熱放射用に多用されているブラック・アルマイトよりも放射冷却効果が高いことが分かった。
12分を超えるとブラック・アルマイトからは煙が発生したので12分で実験を打ち切った。これは市販のブラック・アルマイト面につや出しのため有機塗料が薄く塗ってあるためと思われる。しかし本発明の熱放射塗料からは煙は発生しない。
本発明の熱放射塗料のベースは耐熱温度1000℃の耐熱塗料に熱放射率0.85以上の熱放射セラミックを65wt%分散させたものを造り、無機耐熱塗料としたものを用いた。
無機耐熱塗料のバインダー成分は特殊コロイダル・シリカであり、塗布後150℃で30分乾燥しただけで無機の被膜を形成できた。
【0026】
そのほかシリコーン・ベースで耐熱600℃の塗料に熱放射率0.85以上の熱放射セラミック粉を45wt%分散させたものを造り、同様な実験を行ったが類似の結果が得られた。無機耐熱塗料の場合は下地金属をサンドブラストして投錨効果で被膜の剥離強度を高める必要があるが、シリコーンベースの耐熱600℃の塗料はサンドブラストを必要としない。
【0027】
熱放射塗料や熱放射シートに分散する熱放射セラミック粉は、
窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、結晶シリカ、酸化チタン、マンガン・フェライト((FeMn)O3)、酸化第二鉄(Fe2O3)、高抵抗・炭化ケイ素、100nm前後のシリカ・ナノ粒子、アルミナ・ナノ粒子、などである。
通常の炭化ケイ素は半導体であるため、熱放射フイラーに用いることはできない。しかし高抵抗・炭化ケイ素は固有抵抗が10の13乗Ω・cm程度であるため熱放射フイラーとして用いうる。
窒化アルミニウムは極めて高価であり、また水分に出会うとアンモニアを生じ絶縁性が低下する。窒化ホウ素、窒化珪素についても熱伝導率は30W/mKと低い割には高価である。酸化亜鉛も熱伝導率が30W/mKと低く、かつ毒性がある。
【発明の効果】
【0028】
熱放射セラミックの内で熱伝導率が高いものは熱放射率は低く、熱放射率が高いものは熱伝導率が低い傾向がある。また高熱伝導率フイラーである炭素繊維や金属粉などは導電性であるので使い方に制約を受ける。
本発明の熱放射セラミックの種類は
窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、結晶シリカ、酸化チタン、マンガン・フェライト((FeMn)O3)、酸化第二鉄(Fe2O3)、高抵抗・炭化ケイ素、100nm前後のシリカ・ナノ粒子、アルミナ・ナノ粒子などであり、熱放射率が0.85以上であればその種類は問わない。
本発明の効果は熱輸送機構すなわち熱伝導―熱放射―熱吸収―熱伝導―熱放射―対流の多段機構により熱輸送され“タンデム熱輸送”によって発熱体の温度を低下させる機構である。その結果発熱体の温度は画期的に低下し、発熱部品の寿命を延伸できるだけでなく、熱交換器に用いると伝熱効率が向上し、省エネルギーに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】筺体内の発熱体から熱放射されるタンデム熱輸送の模式図。
【図2】LED照明の熱を放射冷却により放散させる断面図。
【図3】電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタ他のコンデンサの熱を放射冷却により放散させる見取り図。
【図4】リチウムイオン電池他の電池の熱を放射冷却により放散させる見取り図。
【図5】モーターの発熱を放射冷却により放散させる断面図。
【図6】熱交換器の伝熱効率を熱放射層により放散させる断面図。
【図7】自動車のマフラー等の熱を熱放射により放散させる断面図。
【図8】内燃機関エンジンの発熱を熱放射により放散させる断面図。
【図9】プリント基板上の電子部品の発熱を熱放射により放散させる断面図。
【図10】携帯電話、スマートフォン等の電池の発熱を熱放射により放散させる断面図。
【図11】物体または移動体表面のメタリック塗装または通常塗装の熱放射性を向上させ、物体または移動体の温度を放射冷却により低下させる断面図。
【図12】反射鏡に装着されたハロゲンランプ、HIDランプまたはLEDランプ
【図13】ボイラー
【図14】太陽熱温水器
【図15】繊維に放熱フイラーを分散した図。
【図16】図16(a)はスカイブ・フインと呼ばれるヒートシンクであり、図16(b)は従来の放熱板である。
【図17】加熱炉を表す断面図。
【図18】半田フロー装置他の加熱窯。
【図19】エアータオルを表す断面図。
【図20】ドライヤーや他の熱風乾燥機
【図21】送気用ブロアーまたは送液ポンプ
【図22】熱放射シートと熱伝導グリース。
【図23】熱放射シートとICなどの発熱部品。
【図24】ヒータ。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0030】
図1に本発明の代表的な実施例1を示した。請求項1で述べる構成は次のとおりである。
発熱体101の表面および/または発熱体の熱を放散する放熱板102の表面には熱放射層103を設け、発熱体101の表面および/または発熱体の熱を放散する放熱板102の表面からは熱線(遠赤外線)104が筺体106の内部に放射されるようにしたことを特徴とし、かつ放射された熱線104は筺体106の内表面に設けた熱吸収層(熱放射層)105によって吸収され、この熱は筺体106の板107内を熱伝導し板107の温度を上昇させ、筺体106の板107の温度が上昇すると筺体106の外表面に設けた熱放射層109の温度も上昇するので、熱放射層109からは番号110に示す熱線が放射される結果、熱放射層109の温度も筺体の板107の温度も放射冷却により低下し、それに伴い筺体106内表面の熱吸収層(熱放射層)105の温度も筺体内の気体の温度も低下するようにしたことを特徴とし、その結果発熱体101と発熱体の熱を放散する放熱板102の温度も放射冷却により低下するようにしたことを特徴とする発熱体の放射冷却機構とその断面図を示す。
【実施例2】
【0031】
図2に本発明の実施例2を示した。請求項2で述べる構成は次のとおりである。
電球型または直管型LED照明器具201においてLED素子202の下部にはアルミ基板があり発熱体であるLEDの熱はアルミ基板の下部、即ちLEDの反対側に密着して設けた熱放射層203に伝えられることを特徴とし、熱放射層203からは矢印のように熱線が放射され放熱板の内表面に設けた熱吸収層(熱放射層)204により熱吸収される。吸収された熱は放熱板の外表面に設けた熱放射層205に熱を与え、その結果熱放射層205からは熱線が矢印のように自由空間に向かって放射されるので、LED素子202の温度は放射冷却により低下しLEDの寿命を延伸し、かつLEDの輝度は増大するようにしたことを特徴とする電球型または直管型LED照明器具とその断面図を示す。
この構造は図2では一例として電球型LED照明器具で示したが、これに限らず直管型LED照明器具でも類似構造なので直管型LED照明器具にも適用できる。
【実施例3】
【0032】
図3に本発明の実施例3を示した。請求項3で述べる構成は次のとおりである。
電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子301において、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子301の表面にかぶせる樹脂フイルム302中に熱放射セラミック粉を分散させ、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子301が発生する熱を樹脂フイルム302中の熱放射セラミック粉に熱伝導により伝えることを特徴とし、かつ樹脂フイルム302中の熱放射セラミック粉から熱放射により熱線を放射させ、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子301の温度を放射冷却により低下させコンデンサの寿命を延伸させることを特徴とする電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子とその断面図を示す。プリント基板を303に示す。
【0033】
図4に本発明の実施例4を示した。請求項4で述べる構成は次のとおりである。
リチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池401において、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池401の表面にかぶせる樹脂フイルム402中に熱放射セラミック粉を分散させ、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池401が発生する熱を樹脂フイルム402中の熱放射セラミック粉に熱伝導により伝えることを特徴とし、かつ樹脂フイルム402中の熱放射セラミック粉から熱放射により熱線を放射させ、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池401の温度を放射冷却により低下させ電池の寿命を延伸させることを特徴とするリチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池とその断面図を示す。
【0034】
図5に本発明の実施例5を示した。請求項5で述べる構成は次のとおりである。
モータ501において、ロータ502の外表面に熱放射層503を設け、ステータ505の内表面にも熱吸収層(熱放射層)504を設け、またハウジング506の外表面に熱放射層507を設けたことを特徴とするモータの断面図を示す。
ロータ502の外表面の熱放射層503はロータ502の熱を吸収して、ロータ502とステータ505に間の空間に熱線を放射する。ステータ505の内表面の熱吸収層(熱放射層)504はこの熱線を吸収し、その熱は熱伝導によりステータ505に伝えられる。ステータ505の熱は熱伝導によりハウジング506に伝えられるが、この熱はハウジング506の外表面に設けた熱放射層507から熱放射されるので放射冷却によりモータ501の温度は低下する。
図5はアキシアル・ギャップ型モータで例示したが、ラジアル・ギャップ型モータについても同一原理なのでラジアルギャップ型モータも本発明に含まれる。
【0035】
図6に本発明の実施例6を示した。請求項6で述べる構成は次のとおりである。
冷暖房機器または空調機器などの熱交換器601において、熱交換用フイン602の外表面及び/または内表面に熱放射層603を設け、フイン602中を流れる第一の熱媒体(流体)605の熱を熱放射層603に伝え熱放射層603から熱線を放射させて第二の熱媒体(流体)604に第一の熱媒体(流体)605の熱を熱伝導と対流に加えて熱放射により伝え、伝熱効率を向上させたことを特徴とする冷暖房機器または空調機器などの熱交換器とその断面図を示す。
【0036】
図7に本発明の実施例7を示した。請求項7で述べる構成は次のとおりである。
車両のマフラー701において、マフラーへの排気ガス送気管702、マフラー701、排気管703の表面にそれぞれ熱放射層704を設けたことを特徴とし、マフラーへの排気ガス送気管702、マフラー701、排気管703の熱を熱放射層704に熱伝導で伝え、熱放射層704から熱放射により熱線を放射させ、放射冷却により排気ガス送気管702、マフラー701、排気管703の温度を低下させ排気される熱量を少なくすることを特徴とする排気ガス送気管、マフラー、排気管を有する車両の排気ガス送気管、マフラー、排気管の断面図を示す。
【0037】
図8に本発明の実施例8を示した。請求項8で述べる構成は次のとおりである。
内燃機関のエンジン801の外表面に熱放射層802を設け、エンジン801の熱を熱放射層802に熱伝導で伝え、熱放射層802から熱線を放射させ、放射冷却によりエンジン801の温度を低下させエンジンの効率と寿命を向上させることを特徴とする内燃機関のエンジンとその断面図を示す。
【0038】
図9に本発明の実施例9を示した。請求項9で述べる構成は次のとおりである。
プリント基板901において、プリント基板901の上面と下面に熱放射シートまたは熱放射塗料902からなる熱放射層を設け、プリント基板上の図示しない電子部品の熱を熱放射層902に熱伝導で伝え、熱放射層902から熱線を放射させ、プリント基板上の図示しない電子部品の温度を放射冷却により低下させ、電子部品の寿命を延伸させまた誤動作を防止したことを特徴とするプリント基板とその断面図を示す。
【0039】
図10に本発明の実施例10を示した。請求項10で述べる構成は次のとおりである。
携帯電話、携帯機器またはスマートフォン1001において、電池1002の表面に熱放射被覆層1003を設け、電池1002の熱を熱伝導により熱放射被覆層1003に伝え、熱放射被覆層1003から熱放射させ、放射された熱線をハウジング1005の内表面に設けた熱吸収層(熱放射層)1004により吸収させ、吸収された熱をハウジング1005に熱伝導で伝え、ハウジング1005の外表面からは対流と熱放射により熱を放散させ、電池の温度を低下させ、電池寿命を延伸し、また誤動作を防止したことを特徴とする携帯電話、携帯機器またはスマートフォンとその断面図を示す。
【0040】
図11に本発明の実施例11を示した。請求項11で述べる構成は次のとおりである。
静止物体または移動体1101の表面をメタリック塗料や通常塗料1102により塗装する際に、メタリック塗料や通常塗料1102の中に熱放射セラミック粉末を分散させ、メタリック塗料や通常塗料1102の熱放射率を増大させ、熱線を放射させることにより、静止物体または移動体1101の温度を低下させ静止物体または移動体1101を放射冷却し静止物体または移動体の温度を下げ、省エネルギーを行うことを特徴とするメタリック塗料または通常塗料とその塗布断面図を示す。
図12に本発明の実施例12を示した。請求項12で述べる構成は次のとおりである。
反射鏡1201に装着されるハロゲンランプ、HIDランプ、またはLEDランプ1202において、反射鏡1201の裏面に熱放射層1203を設け、ハロゲンランプ、HIDランプまたはLEDランプ1202から反射鏡への熱伝導による反射鏡1201の熱を熱放射層1203に伝え、放射冷却により放散させることを特徴とする反射鏡1201に装着されるハロゲンランプ、HIDランプ、またはLEDランプとその断面図を示す。
図13に本発明の実施例13を示した。請求項13で述べる構成は次のとおりである。
ボイラー1301の加熱面に熱吸収層(熱放射層)1302を設け伝熱効率を向上させたことを特徴とするボイラーとその断面図を示す。
図14に本発明の実施例14を示した。請求項14で述べる構成は次のとおりである。
太陽熱温水器のフイン1401の内外表面に熱放射層1402と熱媒体パイプ1403の内表面/及びまたは外表面に熱吸収層(熱放射層)1404を設け、太陽熱温水器の伝熱効率を向上させたことを特徴とする太陽熱温水器とその断面図を示す。
図15に本発明の実施例14を示した。請求項15で述べる構成は次のとおりである。
衣料の繊維1501の中に熱放射セラミック粉1502を分散させ、繊維1501の放熱性を増大させ、着用者の体温を熱放射セラミック粉1502に伝え、外界に放散させることを特徴とする放熱性繊維とその断面図を示す。
図16に本発明の実施例16を示した。請求項15で述べる構成は次のとおりである。
ヒートシンクのフインの表面に本発明の熱放射塗料を塗布し、ヒートシンクの放熱性を増大させたことを特徴とするヒートシンクとその断面図を示す。
図16(a)はスカイブ・フインと呼ばれるヒートシンクであり、アルミ板1601の表面を研削し先割れ放熱フイン1602と呼ばれるフインを設けたものである。この先割れフイン(スカイブ・フイン)の表面に本発明の放熱塗料1603を塗布し、放熱性を増大させたものである。スカイブ・フインは生のアルミ表面を持っており、何も塗布されていないアルミの熱放射率は0.02であるが、本発明の熱放射塗料を塗布した熱放射率は0.97である。
図16(b)は従来の放熱板1604で、フイン1605の表面には本発明の熱放射塗料1606を塗布している。番号1605は従来のアルミフインである。
図17に本発明の実施例17を示した。請求項17で述べる構成は次のとおりである。加熱炉1701において、ヒーター1702を収納する窪みの内面に本発明の熱放射・熱反射塗料1703が塗布されており、ヒーター背面から出る熱線は熱放射・熱反射塗料1703によって矢印1704のように反射されるので炉内の熱効率が高くなり、その結果少ないヒーター電力で炉を稼働させることを特徴とする加熱炉とその断面図を示す。
図18に本発明の実施例18を示した。請求項18で述べる構成は次のとおりである。半田フロー装置他の加熱窯において、加熱窯1801の外面に熱吸収(熱放射)塗料1802を塗布し、ヒーター1803の熱をより吸収させて、その熱を加熱窯1801に伝え、かつヒーターの下部1804の内面のヒーターに面する面には熱反射(熱放射)層1805を設け加熱窯の熱効率を高めた加熱窯とその断面図を示す。
図19に本発明の実施例19を示した。請求項19で述べる構成は次のとおりである。エアータオルなどの熱風乾燥装置1901において、スカイブ・フイン1902の背面にヒーター1903を設けてフインに熱を伝え、ファン1904により送風して熱風1905を送風するとき、スカイブ・フイン1902のフイン面に本発明の熱放射塗料を塗布して熱放射率を向上させ、熱風乾燥装置の熱効率を高めたことを特徴とする熱風乾燥装置とその断面図を示す。
図20に本発明の実施例20を示した。請求項20で述べる構成は次のとおりである。ドライヤーや他の熱風乾燥機2005において、熱風筒2001の内面に熱放射(熱吸収)塗料2004を塗布し/及びまたは熱風筒2001の外面に熱吸収(熱放射)塗料2003を塗布し、ヒーター2002の熱を熱風筒2001に伝え、内面の熱放射塗料2004から熱放射させて熱風筒2001内の気体2006を加熱して熱風乾燥機の熱効率を向上させることを特徴とする熱風乾燥機とその断面図を示す。
図21に本発明の実施例21を示した。請求項21で述べる構成は次のとおりである。ハウジング2101を持つ送気用ブロアーまたは送液ポンプにおいて、送気用ブロアーまたは送液ポンプのハウジング2101の外面に熱放射(熱吸収)塗料層2102及び/またはハウジング2101の内面に熱放射(熱吸収)塗料層2103を設け送気用ブロアーまたは送液ポンプの回転ベーン2104とハウジングの空隙にある気体または液体の摩擦抵抗により気体または液体が発熱し、気体または液体の温度は上昇するが、この熱を熱放射塗料層2103に吸収させてハウジング2101に伝え、ハウジングの熱を熱放射塗料層2102により外界へ放散させることにより、気体または液体の発熱を低下させることを特徴とする送気用ブロアーまたは送液ポンプとその断面図を示す。番号2104はダクトまたは送液パイプである。
図22に本発明の実施例22を示した。請求項22で述べる構成は次のとおりである。電子部品2206の上面の微細な凹凸を熱伝導グリース2205で埋め、グリース2205の上部に熱放射シート2203を設け、熱放射シート2203の上面には熱伝導グリース2202を塗布してヒートシンク2201下面の微細な凹凸を熱伝導グリース2202で埋めたことを特徴とし、ヒートシンク2201をネジで締めてつけて熱放射シート2203を圧縮したとき、熱放射シート2203中の熱放射セラミック粉2204同士は互いに固体接触して熱伝導性を高めるようにしたことを特徴とする熱放射シートと熱伝導グリースとその配置断面図を示す。
プリント基板は2208、ICなど電子部品のリードを2207に示す。
図23に本発明の実施例23を示した。請求項23で述べる構成は次のとおりである。
ICなどの発熱部品2301がプリント基板2302に装着されているとき、
ICなどの発熱部品2301の端子2303の先端はプリント基板2302の下部に半田付けされ露出しているが、この露出した端子2303を熱放射シート2304で覆い、ICなどの発熱部品2301の端子2303の熱を熱放射シート2304に伝え、熱放射シート2304から熱線を放射させ、ICなどの発熱部品2301の熱を放射冷却により低下させることを特徴とする熱放射シートとICなどの発熱部品とその断面図を示す。
熱放射シート2304中には熱放射セラミック粉2305を分散する。
矢印2306は熱放射シート2304が放射する熱線である。
図24に本発明の実施例24を示した。請求項24で述べる構成は次のとおりである。
ヒータ2402は金属製のヒータ外被2401内に収められており、ヒータ2402とヒータ外被2401の間の空間は酸化マグネシウム2403等の熱伝導性粉末で満たされている。加熱対象物2406はたとえば半田槽である。
ヒータ外被2401と加熱対象物2406の間に本発明の熱吸収層(熱放射層)2405を設けると、ヒータ外被2401の熱は効率よく加熱対象物2406に伝わる。一方熱吸収層(熱放射層)2405を設けていないヒータ外被面の表面に、たとえば酸化チタンなどを主体とする熱反射層2404を設けるとヒータ2402からの熱線は矢印のように熱反射層2404で反射され熱吸収層(熱放射層)2405に伝わり加熱対象物2406にも熱が伝わるのでヒータの加熱効率は増大し、より少ない電力で加熱対象物2406を加熱することを特徴とするヒータを構築できる。そのように構築したことを特徴とするヒータとその断面図を示す。

本発明の実施例25は請求項25に示す金属製・熱交換機の実施例である。
アルミまたはステンレス他の金属製・熱交換機で、下記の(1)から(20)に示す応用分野の熱交換機において、金属製・熱交換機の金属面の少なくとも一部に本発明の熱放射層(熱吸収層)を設けたことを特徴とする金属製・熱交換機。
(1)自動車においては
ラジエータ、ヒーター、エアコン用コンデンサ、エバポレータ等の
金属製・熱交換機。
(2)鉄道車両・ジーゼル車のラジエータ、インタークーラー、オイルクーラー等の金属製・熱交換機。
(3)鉄道車両・電気車の変圧器オイルクーラー、フロンコンデンサ等の金属製・熱交換機。
(4)
建設車両のラジエータ、オイルクーラー等の金属製・熱交換機。
(5)
航空機のオイルクーラー、空調用熱変換機、電子機器用熱交換機等の金属製・熱交換機。
(6)
特殊車両のラジエータ、空冷式オイルクーラー、インタークーラー等の
金属製・熱交換機。
(7)
産業用エアコンディショナーのエバポレータ、コンデンサの伝熱フイン
等の金属製・熱交換機
(8)油圧装置・空冷式オイルクーラーの金属製・熱交換機
(9)重電機の空冷式オイルクーラー、フロンコンデンサ、ガスクーラー、エ
アクーラーの金属製・熱交換機
(10)自動販売機のエバポレータ、コンデンサの伝熱フイン等の金属製・熱交換機
(11)冷蔵庫の金属製・熱交換機
(12)ソーラーパネルの金属製・熱交換機
(13)風呂がまの金属製・熱交換機
(14)プラント用空気分離装置の金属製・熱交換機
(15)炭化水素分離装置・エチレンプラント、エタン回収プラント等の
金属製・熱交換機
(16)LNG(LPG)液化装置の金属製・熱交換機
(17)LNG蒸発装置の金属製・熱交換機
(18)排熱回収装置・ヒートパイプの金属製・熱交換機
(19)地熱発電装置・熱交換機の金属製・熱交換機
(20)太陽熱集光器の金属製・熱交換機

【0041】
また本発明の請求項と明細書中に記載の熱放射層としての熱放射セラミック粉を分散した熱放射シートは、たとえばアクリル、シリコーン等の粘着性樹脂シートついては、10から60ミクロンの厚みの粘着性樹脂シートであり、特にアクリルの場合は片面に10μ以上のPET等の非粘着シートを張り付けたものが好適である。
またポリプロピレンや請求項28中の非粘着性樹脂シートについては、片面に5μ程度の粘着層を設けたものが好適である。
さらに本発明の請求項と明細書中に記載の熱放射層としての熱放射セラミック粉を分散した熱放射塗料の場合は、その厚みは5μから60μの熱放射層であることが好適である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲内で均等の原則により、ここに述べなかった類似の実施例も本発明の範囲に入ることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明により、電子部品や機器の放熱は良くなり、また熱交換機では効率が向上しその温度は下がるので寿命は延伸し誤動作も防止できる。
また種々の電子部品や製品の放熱が良くなる結果、製品の熱劣化がアレニウス則により遅くなる。
【符号の説明】
【0043】
101;発熱体
102;放熱板
103;熱放射層
104;熱線
105;筺体内表面の熱吸収層
106;筺体
107;筺体を構成する板
108;筺体の板内の熱伝導
109;筺体外表面の熱放射層
110;熱線
111;外気

201;LED照明器具
202;LED素子
203;LED素子を装着しているアルミ基板の下面に設けた熱放射層
204;LED照明の放熱フインの内表面に設けた熱吸収層
205;LED照明の放熱フインの外表面に設けた熱放射層
206;LED照明機器のカバー

301;コンデンサ
302;コンデンサの表面に設けた熱放射層
303;プリント基板

401;電池
402;電池の表面に設けた熱放射層

501;モータ
502;ロータ
503;ロータの表面に設けた熱放射層
504;ステータの表面に設けた熱吸収層
505;ステータ
506;ハウジング
507;ハウジングの外表面に設けた熱放射層

601;熱交換器
602;熱交換機のフイン
603;フインの外表面や内表面に設けた熱放射層
604;第二の熱媒体(流体)
605;第一の熱媒体(流体)

701;車両の排気ガス・マフラー等
702;排気ガス流入管
703;排気管
704;排気ガスマフラー等の表面に設けた熱放射層

801;内燃機関のエンジン
802;エンジンの表面に設けた熱放射層

901;プリント基板
902;プリント基板の上面、下面に設けた熱放射層

1001;携帯電話やスマートフォン
1002;電池
1003;電池の表面に設けた熱放射層
1004;電池のハウジング内表面に設けた熱吸収層
1005;電池のハウジング

1101;物体または移動体
1102;物体または移動体の表面を塗装する塗料層で熱放射性を高めた塗料層

1201;反射鏡
1202;ハロゲンランプ、HIDランプまたはLEDランプ
1203;反射鏡の裏側に設けた熱放射層

1301;ボイラー
1302;ボイラーの加熱面に設けた熱吸収層(熱放射層)

1401;太陽熱温水器のフイン
1402;太陽熱温水器のフインの内外表面に設けた熱吸収層(熱放射層)
1403;太陽熱温水器の熱媒体パイプ
1404;熱媒体パイプの内外表面に設けた熱吸収層(熱放射層)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体101の表面および/または発熱体の熱を放散する放熱板102の表面には熱放射層103を設け、発熱体101の表面および/または発熱体の熱を放散する放熱板102の表面からは熱線(遠赤外線)104が筺体106の内部に放射されるようにしたことを特徴とし、かつ放射された熱線104は筺体106の内表面に設けた熱吸収層(熱放射層)105によって吸収され、この熱は筺体106の板107内を熱伝導し板107の温度を上昇させ、筺体106の板107の温度が上昇すると筺体106の外表面に設けた熱放射層109の温度も上昇するので、熱放射層109からは番号110に示す熱線が放射される結果、熱放射層109の温度も筺体の板107の温度も放射冷却により低下し、それに伴い筺体106内表面の熱吸収層(熱放射層)105の温度も筺体内の気体の温度も低下するようにしたことを特徴とし、その結果発熱体101と発熱体の熱を放散する放熱板102の温度も放射冷却により低下するようにしたことを特徴とする発熱体の放射冷却機構。
【請求項2】
電球型または直管型LED照明器具201においてLED素子202の下部にはアルミ基板があり発熱体であるLEDの熱はアルミ基板の下部、即ちLEDの反対側に密着して設けた熱放射層203に伝えられることを特徴とし、熱放射層203からは熱線が放射され放熱板の内表面に設けた熱吸収層(熱放射層)204により熱吸収される。吸収された熱は放熱板の外表面に設けた熱放射層205に熱を与え、その結果熱放射層205からは熱線が自由空間に向かって放射されるので、LED素子202の温度は放射冷却により低下しLEDの寿命を延伸し、かつLEDの輝度は増大するようにしたことを特徴とする電球型または直管型LED照明器具。
【請求項3】
電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子301において、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子301の表面にかぶせる樹脂フイルム302中に熱放射セラミック粉を分散させ、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子301が発生する熱を樹脂フイルム302中の熱放射セラミック粉に熱伝導により伝えることを特徴とし、かつ樹脂フイルム302中の熱放射セラミック粉から熱放射により熱線を放射させ、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子301の温度を放射冷却により低下させコンデンサの寿命を延伸させることを特徴とする電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタまたはフイルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ素子。
【請求項4】
リチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池401において、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池401の表面にかぶせる樹脂フイルム402中に熱放射セラミック粉を分散させ、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池401が発生する熱を樹脂フイルム402中の熱放射セラミック粉に熱伝導により伝えることを特徴とし、かつ樹脂フイルム402中の熱放射セラミック粉から熱放射により熱線を放射させ、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池401の温度を放射冷却により低下させ電池の寿命を延伸させることを特徴とするリチウムイオン電池またはニッケル水素電池または乾電池。
【請求項5】
モータ501において、ロータ502の外表面に熱放射層503を設け、ステータ505の内表面にも熱吸収層(熱放射層)504を設け、またハウジング506の外表面に熱放射層507を設けたことを特徴とするモータ。
【請求項6】
冷暖房機器または空調機器などの熱交換器601において、熱交換用フイン602の外表面及び/または内表面に熱放射層603を設け、フイン602中を流れる第一の熱媒体(流体)605の熱を熱放射層603に伝え熱放射層603から熱線を放射させて第二の熱媒体(流体)604に第一の熱媒体(流体)605の熱を熱伝導と対流に加えて熱放射により伝え、伝熱効率を向上させたことを特徴とする冷暖房機器または空調機器などの熱交換器。
【請求項7】
車両のマフラー701において、マフラーへの排気ガス送気管702、マフラー701、排気管703の表面にそれぞれ熱放射層704を設けたことを特徴とし、マフラーへの排気ガス送気管702、マフラー701、排気管703の熱を熱放射層704に熱伝導で伝え、熱放射層704から熱放射により熱線を放射させ、放射冷却により排気ガス送気管702、マフラー701、排気管703の温度を低下させ排気される熱量を少なくすることを特徴とする排気ガス送気管、マフラー、排気管を有する車両。
【請求項8】
内燃機関のエンジン801の外表面に熱放射層802を設け、エンジン801の熱を熱放射層802に熱伝導で伝え、熱放射層802から熱線を放射させ、放射冷却によりエンジン801の温度を低下させエンジンの効率と寿命を向上させることを特徴とする内燃機関のエンジン。
【請求項9】
プリント基板901において、プリント基板901の上面と下面に熱放射シートまたは熱放射塗料902からなる熱放射層を設け、プリント基板上の電子部品の熱を熱放射層902に熱伝導で伝え、熱放射層902から熱線を放射させ、プリント基板上の電子部品の温度を放射冷却により低下させ、電子部品の寿命を延伸させまた誤動作を防止したことを特徴とするプリント基板。
【請求項10】
携帯電話、携帯機器またはスマートフォン1001において、電池1002の表面に熱放射被覆層1003を設け、電池1002の熱を熱伝導により熱放射被覆層1003に伝え、熱放射被覆層1003から熱放射させ、放射された熱線をハウジング1005の内表面に設けた熱吸収層(熱放射層)1004により吸収させ、吸収された熱をハウジング1005に熱伝導で伝え、ハウジング1005の外表面からは対流と熱放射により熱を放散させ、電池の温度を低下させ、電池寿命を延伸し、また誤動作を防止したことを特徴とする携帯電話、携帯機器またはスマートフォン。
【請求項11】
静止物体または移動体1101の表面をメタリック塗料や通常塗料1102により塗装する際に、メタリック塗料や通常塗料1102の中に熱放射セラミック粉末を分散させ、メタリック塗料や通常塗料1102の熱放射率を増大させ、熱線を放射させることにより、静止物体または移動体1101の温度を低下させ静止物体または移動体1101を放射冷却し静止物体または移動体の温度を下げ、省エネルギーを行うことを特徴とするメタリック塗料または通常塗料。
【請求項12】
反射鏡1201に装着されるハロゲンランプ、HIDランプ、またはLEDランプ1202において、反射鏡1201の裏面に熱放射層1203を設け、ハロゲンランプ、HIDランプまたはLEDランプ1202から反射鏡への熱伝導による反射鏡1201の熱を熱放射層1203に伝え、放射冷却により放散させることを特徴とする反射鏡1201に装着されるハロゲンランプ、HIDランプ、またはLEDランプ。
【請求項13】
ボイラー1301の加熱面に熱吸収層(熱放射層)1302を設け伝熱効率を向上させたことを特徴とするボイラー。
【請求項14】
太陽熱温水器のフイン1401の内外表面に熱放射層1402と熱媒体パイプ1403の内表面/及びまたは外表面に熱吸収層(熱放射層)1404を設け、太陽熱温水器の伝熱効率を向上させたことを特徴とする太陽熱温水器。
【請求項15】
衣料の繊維1501の中に熱放射セラミック粉1502を分散させ、繊維1501の放熱性を増大させ、着用者の体温を熱放射セラミック粉1502に伝え、外界に放散させることを特徴とする放熱性繊維。
【請求項16】
ヒートシンクのフインの表面に本発明の熱放射塗料を塗布し、ヒートシンクの放熱性を増大させたことを特徴とするヒートシンク。
【請求項17】
加熱炉1701において、ヒーター1702を収納する窪みの内面に本発明の熱放射・熱反射塗料1703が塗布されており、ヒーター背面から出る熱線は熱放射・熱反射塗料1703によって反射されるので炉内の熱効率が高くなり、その結果少ないヒーター電力で炉を稼働させることを特徴とする加熱炉。
【請求項18】
半田フロー装置他の加熱窯において、加熱窯1801の外面に熱吸収(熱放射)塗料1802を塗布し、ヒーター1803の熱をより吸収させて、その熱を加熱窯1801に伝え、かつヒーターの下部1804の内面のヒーターに面する面には熱反射(熱放射)層1805を設け加熱窯の熱効率を高めた加熱窯。
【請求項19】
エアータオルなどの熱風乾燥装置1901において、スカイブ・フイン1902の背面にヒーター1903を設けてフインに熱を伝え、ファン1904により送風して熱風1905を送風するとき、スカイブ・フイン1902のフイン面に本発明の熱放射塗料を塗布して熱放射率を向上させ、熱風乾燥装置の熱効率を高めたことを特徴とする熱風乾燥装置。
【請求項20】
ドライヤーや他の熱風乾燥機2005において、熱風筒2001の内面に熱放射(熱吸収)塗料2004を塗布し/及びまたは熱風筒2001の外面に熱吸収(熱放射)塗料2003を塗布し、ヒーター2002の熱を熱風筒2001に伝え、内面の熱放射塗料2004から熱放射させて熱風筒2001内の気体2006を加熱して熱風乾燥機の熱効率を向上させることを特徴とする熱風乾燥機。
【請求項21】
ハウジング2101を持つ送気用ブロアーまたは送液ポンプにおいて、送気用ブロアーまたは送液ポンプのハウジング2101の外面に熱放射(熱吸収)塗料層2102及び/またはハウジング2101の内面に熱放射(熱吸収)塗料層2103を設け送気用ブロアーまたは送液ポンプの回転ベーン2104とハウジングの空隙にある気体または液体の摩擦抵抗により気体または液体が発熱し、気体または液体の温度は上昇するが、この熱を熱放射塗料層2103に吸収させてハウジング2101に伝え、ハウジングの熱を熱放射塗料層2102により外界へ放散させることにより、気体または液体の発熱を低下させることを特徴とする送気用ブロアーまたは送液ポンプ。
【請求項22】
電子部品2206の上面の微細な凹凸を熱伝導グリース2205で埋め、グリース2205の上部に熱放射シート2203を設け、熱放射シート2203の上面には熱伝導グリース2202を塗布してヒートシンク2201下面の微細な凹凸を熱伝導グリース2202で埋めたことを特徴とし、ヒートシンク2201をネジで締めてつけて熱放射シート2203を圧縮したとき、熱放射シート2203中の熱放射セラミック粉2204同士は互いに固体接触して熱伝導性を高めるようにしたことを特徴とする熱放射シートと熱伝導グリース。
【請求項23】
ICなどの発熱部品2301がプリント基板2302に装着されているとき、
ICなどの発熱部品2301の端子2303の先端はプリント基板2302の下部に半田付けされ露出しているが、この露出した端子2303を熱放射シート2304で覆い、ICなどの発熱部品2301の端子2303の熱を熱放射シート2304に伝え、熱放射シート2304から熱線を放射させ、ICなどの発熱部品2301の熱を放射冷却により低下させることを特徴とする熱放射シートとICなどの発熱部品。
【請求項24】
ヒータ2402は金属製のヒータ外被2401内に収められており、ヒータ2402とヒータ外被2401の間の空間は酸化マグネシウム2403等の熱伝導性粉末で満たされている。
ヒータ外被2401と加熱対象物2406の間に本発明の熱吸収層(熱放射層)2405を設けると、ヒータ外被2401の熱は効率よく加熱対象物2406に伝わる。一方熱吸収層(熱放射層)2405を設けていないヒータ外被面の表面に、たとえば酸化チタンなどを主体とする熱反射層2404を設けるとヒータ2402からの熱線は熱反射層2404で反射され熱吸収層(熱放射層)2405に伝わり加熱対象物2406にも熱が伝わるのでヒータの加熱効率は増大し、より少ない電力で加熱対象物2406を加熱することを特徴とするヒータを構築できる。そのように構築したことを特徴とするヒータ。
【請求項25】
請求項1から請求項24の熱放射層に分散する熱放射セラミック粉は、炭化珪素粉末の表面に高固有抵抗層を設けた熱放射セラミック粉であることを特徴とする熱放射セラミック粉。
【請求項26】
請求項1から請求項24の熱放射層に分散する熱放射セラミック粉は、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、結晶シリカ、酸化チタン、マンガン・フェライト((FeMn)O3)、酸化第二鉄(Fe2O3)、高抵抗・炭化ケイ素、100nm前後のシリカ・ナノ粒子、アルミナ・ナノ粒子等のうち少なくとも1種類を含む熱放射セラミック粉であることを特徴とする熱放射セラミック粉。
【請求項27】
請求項1から請求項24の熱放射層に分散する熱放射セラミック粉は、100nm前後のシリカ・ナノ粒子、アルミナ・ナノ粒子等のうち少なくとも1種類を含む熱放射セラミック粉であることを特徴とする熱放射セラミック粉。
【請求項28】
請求項1から請求項27において熱放射層(熱吸収層)は熱放射セラミックを下記の(a)(b)(c)に示す樹脂に分散させた熱放射シートまたは熱放射塗料であることを特徴とする熱放射層。
(a)熱放射セラミック粉を分散させる下記の熱可塑性プラスチックス;
即ちポリオレフイン系プラスチックス(ポリプロピレン、EVA)。
ポリビニル系プラスチックス(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ABS、ポリメチル・メタアクリレート)。
ポリエステル系プラスチックス(PET、PBT,PEN,ポリカーボネート、液晶ポリマー)。ポリエーテル系プラスチックス。特殊エーテル系プラスチックス(PPS)。
ポリアミド系プラスチックス(ナイロン、芳香族ポリアミド)。
(b)熱放射セラミック粉を分散させる下記の熱硬化性プラスチックス;
即ちフェノール樹脂、アミノ樹脂、(尿素樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂)
不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂。
(c)熱放射セラミック粉を分散させる熱可塑性エラストマー(オレフイン系TPE、スチレン系TPE、ポリ塩化ビニル系TPE、エステル系TPE、アミド系TPE、ウレタン系TPE、シンジオタクチックー1、2ポリブタジェン系TPE)。
【請求項29】
請求項1から請求項28において熱放射層(熱吸収層)は熱放射セラミックを下記の(d)に示す無機塗料に分散させた熱放射シートまたは熱放射塗料であることを特徴とする熱放射層。
(d)コロイダル・シリカを主たるバインダーとする無機塗料。
【請求項30】
アルミまたはステンレス他の金属製・熱交換機で、下記の(1)から(20)に示す応用分野の熱交換機において、金属製・熱交換機の金属面の少なくとも一部に本発明の熱放射層(熱吸収層)を設けたことを特徴とする金属製・熱交換機。
(1)自動車においては
ラジエータ、ヒーター、エアコン用コンデンサ、エバポレータ等の
金属製・熱交換機。
(2)鉄道車両・ジーゼル車のラジエータ、インタークーラー、オイルクーラー等の金属製・熱交換機。
(3)鉄道車両・電気車の変圧器オイルクーラー、フロンコンデンサ等の金属製・熱交換機。
(8)
建設車両のラジエータ、オイルクーラー等の金属製・熱交換機。
(9)
航空機のオイルクーラー、空調用熱変換機、電子機器用熱交換機等の金属製・熱交換機。
(10)
特殊車両のラジエータ、空冷式オイルクーラー、インタークーラー等の
金属製・熱交換機。
(11)
産業用エアコンディショナーのエバポレータ、コンデンサの伝熱フイン
等の金属製・熱交換機
(8)油圧装置・空冷式オイルクーラーの金属製・熱交換機
(9)重電機の空冷式オイルクーラー、フロンコンデンサ、ガスクーラー、エ
アクーラーの金属製・熱交換機
(10)自動販売機のエバポレータ、コンデンサの伝熱フイン等の金属製・熱交換機
(11)冷蔵庫の金属製・熱交換機
(12)ソーラーパネルの金属製・熱交換機
(13)風呂がまの金属製・熱交換機
(14)プラント用空気分離装置の金属製・熱交換機
(15)炭化水素分離装置・エチレンプラント、エタン回収プラント等の
金属製・熱交換機
(16)LNG(LPG)液化装置の金属製・熱交換機
(17)LNG蒸発装置の金属製・熱交換機
(18)排熱回収装置・ヒートパイプの金属製・熱交換機
(19)地熱発電装置・熱交換機の金属製・熱交換機
(20)太陽熱集光器の金属製・熱交換機


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−4708(P2013−4708A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133912(P2011−133912)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(398034733)エス・ジー・ケイ有限会社 (7)
【Fターム(参考)】