文字入力装置
【課題】文字を入力する操作回数を減らし、操作者の負担軽減を図った文字入力装置を提供する文字入力装置を提供する。
【解決手段】文字入力装置1は、操作者により操作される操作デバイス10と、ディスプレイ8と、単語がその音節の情報と共に登録された単語データ31を記憶する記憶部30と、文字の入力をその文字の音節が属する共通母音グループごとに受け付ける共通母音グループ入力手段と、入力された共通母音グループと同一の組み合わせで構成される文字列を単語データ31から抽出する文字列抽出手段と、抽出された文字列を含む変換候補をディスプレイ8にリスト表示する変換候補表示手段とを備える。
【解決手段】文字入力装置1は、操作者により操作される操作デバイス10と、ディスプレイ8と、単語がその音節の情報と共に登録された単語データ31を記憶する記憶部30と、文字の入力をその文字の音節が属する共通母音グループごとに受け付ける共通母音グループ入力手段と、入力された共通母音グループと同一の組み合わせで構成される文字列を単語データ31から抽出する文字列抽出手段と、抽出された文字列を含む変換候補をディスプレイ8にリスト表示する変換候補表示手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーションで目的地を検索したり、カーオーディオで再生したい曲名を検索したりする等の場合において、利用者がその目的地や曲名等の検索語を入力するための文字入力装置が用いられている。
【0003】
カーナビゲーションシステムにおいて従来用いられる文字入力装置の例としては、ディスプレイに表示されるキーボードの画像(ソフトキーボード)を利用者である操作者が見ながら文字入力を行うものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このような文字入力を行うために用いられる操作デバイスは、例えばジョイスティックや十字キー等のXY操作型の操作スイッチからなり、ディスプレイに隣接して、又は遠隔操作を可能とするために車両のセンターコンソールや無線通信接続されるリモコン装置に搭載される。
【0005】
従来の文字入力装置によれば、文字の入力に際して50音別に仮名文字が配列されたソフトキーボードの画像がディスプレイに表示され、操作者は入力しようとする検索語等の音節に対応する仮名文字をソフトキーボードから1文字ごとに順に選択することで、文字の入力を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−85083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来の方法で文字列を入力する場合、音節に対応する「あ」〜「ん」までの46個の仮名文字と、濁音及び反濁音等を含め50音以上の文字が配列されたソフトキーボードの中から対応する文字を逐一探して選択しなければならず、操作が煩雑であった。とりわけ、操作デバイスを使った遠隔での文字列の入力操作においては煩雑さが増し、操作者の負担が大きかった。
【0008】
また、仮名で音節を直接入力する場合に比較して選択する文字数が少ない入力方法としては、各音節に対応する文字をアルファベットで入力(いわゆるローマ字入力)する方法がある。しかし、ローマ字による入力方法では、音節を子音と母音とに2回に分けて入力する必要があり、仮名を直接入力する場合と比較して入力する操作回数が却って多くなってしまう。このため、操作入力の煩雑さを十分解消できる方法とはいえなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、文字を入力する操作回数を減らし、操作者の負担軽減を図った文字入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]上記目的を達成するため本発明に係る文字入力装置は、操作者により操作される操作入力部と、前記操作入力部を用いた操作の用に供せられる画像を表示する画像表示部と、複数の単語がその単語を構成する音節と共に登録された単語データを記憶する記憶部と、前記操作入力部を操作することによってなされる1つの音節に対応する文字の入力を、その音節が属する共通の音を有する音節群からなる音節グループごとに受け付ける音節グループ入力手段と、前記音節グループ入力手段が受け付けた音節グループの組み合わせと同一の組み合わせで構成される文字列を前記記憶部に記憶される前記単語データから抽出する文字列抽出手段と、前記文字列抽出手段が抽出した文字列を変換候補として前記画像表示部に表示する変換候補表示手段と、を備える。
【0011】
[2]また、前記音節グループ入力手段は、共通の母音を有する音節群からなる共通母音グループごとに文字の入力を受け付ける文字入力装置である。
【0012】
[3]また、前記音節グループ入力手段は、共通の子音を有する音節群からなる共通子音グループごとに文字の入力を受け付ける文字入力装置である。
【0013】
[4]また、前記操作入力部は、第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に操作可能な遠隔操作型の操作スイッチからなる文字入力装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、文字を入力する操作回数を減らし、操作者の負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、発明の実施の形態に係る文字入力装置に備えられる操作デバイスが車両内のセンターコンソールに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、発明の実施の形態に係る文字入力装置とカーナビゲーション及びカーオーディオを含むシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1の実施の形態の文字入力装置による文字入力動作及び操作者が行う手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、第1の実施の形態による初期の文字入力画面を例示する図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、第1の実施の形態による共通母音グループ入力手段が起動されたときに表示される文字入力画面をそれぞれ例示する図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態において音節構成「とうざいだい」の第1音節が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面を例示する図である。
【図7】図7は、第1の実施の形態において音節構成「とうざいだい」の第2音節が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面を例示する図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態において音節構成「とうざいだい」の最後の第6音節が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面を例示する図である。
【図9】図9は、第1の実施の形態による文字入力画面の変形例を示す図である。
【図10】図10は、第1の実施の形態による変換候補表示画面を例示する図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態による変換候補表示画面の変形例を示す図である。
【図12】図12は、第2の実施の形態において入力しようとする文字列の一部の音節が仮名文字で直接入力されたときに表示される文字入力画面を例示する図である。
【図13】図13は、第3の実施の形態の共通子音グループ入力手段による文字入力画面を例示する図である。
【図14】図14(a)及び(b)は、第3の実施の形態による文字入力画面の変形例をそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による文字入力装置に備えられる操作入力部としての操作デバイスが車両内のセンターコンソールに取り付けられた状態を示す斜視図である。なお、センターコンソール6は、運転席5の左方に隣接する車両の中央付近に設けられている。また、ステアリング7の左方のインスツルメントパネル9には、カーナビゲーションやカーオーディオシステムの画像表示部としてのディスプレイ8が設けられている。なお、ディスプレイ8は、後述する文字入力画面100等の画像を表示することにより、文字入力装置1の構成要素としても兼用される。
【0018】
また、図2は、本実施の形態による文字入力装置1と、カーナビゲーション及びカーオーディオを含むシステムの構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施の形態に係る文字入力装置1は、操作者によって操作がされる操作デバイス10と、入力装置ECU(ECU: Electric Control Unit)20と、単語データ31を記憶する第1の記憶部30と、上述したディスプレイ8とを備えて構成される。
【0020】
操作デバイス10は、第1の方向X及び第1の方向Xに直交する第2の方向Yに操作可能なXY操作型の操作スイッチからなる。また、操作デバイス10は、操作者がディスプレイ8に表示された画像を見ながら手元の操作で文字入力をできる遠隔操作型の操作入力部としてセンターコンソール6に設けられている。操作デバイス10は、詳細には図1の円内に示されるように円盤状の操作キープレート16と、操作キープレート16が左右(X)方向と前後(Y)方向にそれぞれ押され又はタッチされることで作動する4個のマイクロスイッチ11〜14と、操作キープレート16の中心部に設けられる小型のプッシュスイッチ15を作動させる決定ボタン17とを備えて構成されている。
【0021】
なお、文字入力装置1の操作デバイスとしては、上述したものに限定されず、例えばジョイスティック、スライド又はロータリー等の様々な操作タイプのスイッチであってもよい。また、操作デバイスは、ディスプレイ8の画面にマトリクス状に配置した透明なタッチパネルスイッチであってもよい。
【0022】
入力装置ECU20は、後述するようにディスプレイ8へ文字入力画面100等の画像表示、操作デバイス10の操作に基づくカーソルの移動、選択された音節グループの変換等の処理を行う。図2に示されるように入力装置ECU20には、操作デバイス10と、第1の記憶部30が接続されている。
【0023】
また、入力装置ECU20は、車両に備えられている車内LAN(LAN: Local area network)90に相互通信可能に接続している。車内LAN90には、ディスプレイ8と、スピーカ4が接続している。スピーカ4は、カーナビゲーション装置50による案内音声や、カーオーディオ装置60により再生された音楽や、ラジオの受信音などを出力する。
【0024】
本実施の形態では、文字入力装置1による文字入力の対象装置としてカーナビゲーション装置50を例に挙げて説明する。図2に示されるように、カーナビゲーション装置50は、カーナビゲーションECU51と、GPSセンサ52と、車速・方位センサ53と、第2の記憶部54を備えて構成されている。GPSセンサ52、車速・方位センサ53及び第2の記憶部54は、カーナビゲーションECU51にそれぞれ接続されている。
【0025】
また、カーナビゲーションECU51は、車内LAN90を介して文字入力装置1の入力装置ECU20と通信可能に接続している。第2の記憶部54には、マップデータ55が記憶されている。マップデータ55は、緯度経度、行政区画、道路などの路線、河川及び地形等の情報を基礎とする地図情報と、目的地として検索される施設、店舗、ランドマーク等が地図上の緯度経度に対応付けられたロケーション情報とにより構成される。ロケーション情報には、目的地として参照されるロケーション名称と、それが位置する緯度経度の他にそのロケーションの属性である例えばその施設の目的、店舗の種類及び住所などの情報が含まれる。
【0026】
カーナビゲーション装置50のカーナビゲーションECU51は、GPSセンサ52が検出する車両の現在位置情報と車速・方位センサ53からの速度情報とに基づいて、車両が位置する地図上の位置を正確に検出する。また、カーナビゲーションECU51は、第2の記憶部54に記憶されたマップデータ55とマッチング処理を行うことでより正確な位置検出も可能である。
【0027】
また、カーナビゲーションECU51は、現在地から後述する方法で入力された目的地までの最適ルートをマップデータ55を参照して検索し、その結果を地図画像とともにディスプレイ8に表示する。
【0028】
カーオーディオ装置60は、カーオーディオECU61と、CD・スマートメディア読取部62と、ラジオ受信部63などを備えて構成される。カーオーディオECU61は、車内LAN90を介して文字入力装置1の入力装置ECU20と通信可能に接続している。なお、ここでは詳述はしないが、カーオーディオECU61は、文字入力装置1を介して入力されたアルバム名や曲名等に基づいて、CD・スマートメディア読取部62にセットされているCD等の記憶媒体から音楽データを検索して再生をすることも可能である。
【0029】
(第1の実施の形態による文字入力動作)
図3は、文字入力装置1による文字入力動作及び操作者が行う手順を示すフローチャートである。以下、図3に示されるフローチャートを参照しながら、カーナビゲーション装置50によるルート検索をするために、その目的地を示す検索語として「東西大(とうざいだい)」を入力する場合を例に挙げながら文字入力の具体的な方法を説明する。なお、図3に示される文字入力装置1による各動作は、入力装置ECU20に備えられる例えば以下説明する音節グループ入力手段等の各手段がプログラムに従って演算処理をすることで実行される。
【0030】
図4は、カーナビゲーション装置50を用いてルートを検索する際にディスプレイ8に表示される、文字入力のための初期の文字入力画面100を示す図である。入力装置ECU20は、カーナビゲーションECU51から目的地の検索に必要な検索語入力の指令を受けると、はじめに図4に示されるような文字入力画面100をディスプレイ8に表示する(ステップS1)。そして、入力装置ECU20は、文字入力のカウント変数nに「1」をセットするなどのイニシャライズ処理を行う(ステップS2)。
【0031】
ここで、ディスプレイ8に表示される文字入力画面100は、50音配列表111と、入力された文字を表示する入力文字エリア112と、入力モードを適宜切り換えるためのモード切換アイコン113とを有して構成される。モード切換アイコン113は、「簡単モード」113a、「修正」113b、「小文字」113c、「カナ」113d、「検索開始」113eなどの複数のアイコンエリアから構成される。
【0032】
図4に示された初期の文字入力画面100で、モード切換アイコン113の「簡単モード」113aがクリックされると、入力装置ECU20に備えられる音節グループ入力手段が起動される。以下詳細に説明するように、音節グループ入力手段は、操作者が検索語等の文字列を入力するに際し、その文字列を構成する音節ごとにその音節が属する音節グループ単位での入力を受け付ける。
【0033】
ここで「音節グループ」とは、共通の音を有する音節群のグループのことをいう。以下説明する「共通母音グループ」とは、母音が共通する音節群からなるグループであり、「音節グループ」の下位概念である。また、後述する「共通子音グループ」とは、子音が共通する音節群からなるグループであり、同じく「音節グループ」の下位概念である。
【0034】
第1の実施の形態では、音節グループ入力手段の一例として共通母音グループ入力手段が起動された場合を説明する。
【0035】
図5(a)及び(b)は、「簡単モード」113aが選択され、共通母音グループ入力手段が起動したときにディスプレイ8に表示される文字入力画面101,102を示す図である。この「簡単モード」では、50音配列表111の「あ」〜「お」で代表される各共通母音グループの何れかの段を囲んで横長のカーソル114が表示される。図5(a)の文字入力画面101の例では、母音「あ」を共有する共通母音グループの段にカーソル114が表示されている。図5(b)の文字入力画面102の例では、母音「お」を共有する共通母音グループの段にカーソル114が表示されている。操作デバイス10の操作キープレート16が上下方向(第2の方向Y)に操作されるとマイクロスイッチ11,12が作動し、これに応じて50音配列表111のカーソル114が共通母音グループの段ごとに上下に移動する。そして、カーソル114で囲まれた共通母音グループの段が次の操作で選択決定可能な状態となる。なお、選択決定可能な状態にある共通母音グループの代表文字(図5(a)の例では「あ」、図5(b)の例では「お」)を入力文字エリア112に表示してもよい。
【0036】
なお、選択決定可能な共通母音グループの段を表示する方法としては、本実施の形態のようにカーソル114を用いなくても、例えば共通母音グループの段をより明るく表示したり、色を変えて表示したりする等の他の段と視覚的に区別できる方法であればどのような態様であってもよい。
【0037】
操作者は、文字入力画面101,102等を見ながら、入力しようとする文字列を構成する音節ごとに先頭から順に共通母音グループを選択してゆく。すなわち、本実施の形態による「簡単モード」では、操作者が入力しようとする文字列を音節ごとに共通母音グループ単位で入力することが可能とされている。
【0038】
図6は、図3に示されるフローチャートのステップS3において、操作者が目的地の検索語として入力しようとする文字列の例である「東西大」の音節構成「とうざいだい」の先頭(n=1)の第1音節「と」が属する共通母音グループの段が選択決定されたときに表示される文字入力画面103を示す図である。この場合、音節に対応する仮名文字「と」が属する共通母音グループを代表する文字(以下「代表文字」という。)である「お」が入力文字エリア112に表示される。共通母音グループの決定は、操作デバイス10の操作キープレート16が上下に操作されてカーソル114が示す50音配列表111の1つの段(図6では「お」)が選択可能な状態となり、その後、決定ボタン17が押されてプッシュスイッチ15が作動したとき、その段の共通母音グループが選択決定される。ある共通母音グループが選択決定されると、選択決定可能な状態と区別するために、図6に示されるような横矢印のマークM1がその代表文字(図6では「お」)と共に表示される。
【0039】
次に、共通母音グループ入力手段は、文字入力のカウント変数nをインクリメントし(ステップS5)、第2音節(n=2)が属する共通母音グループの選択を受け付ける。図7は、第2音節「う」が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面104を示す図である。操作者は、繰り返されるステップS3の処理において先頭文字の選択操作と同様に音節構成「とうざいだい」の第2音節「う」が属する共通母音グループの段を操作デバイス10の操作キープレート16を上下に操作して選択する。そして、カーソル114で当該段を選択した状態で決定ボタン17を押すことにより、図7に示されるように共通母音グループの「う」の段が決定され、その代表文字「う」と共に横矢印のマークM1が入力文字エリア112に表示される。
【0040】
操作者は、引き続き入力しようとする文字列の共通母音グループ単位の選択決定操作を同様の操作手順で繰り返す。図8は、音節構成「とうざいだい」の最後の第6音節「い」が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面105を示す図である。操作者は、最後の共通母音グループの「い」の段を選択決定した後、例えば操作デバイス10の決定ボタン17を長押し(例えば3秒以上)することで、共通母音グループの選択入力を終了したことを入力装置ECU20に伝える。なお、操作者が文字入力画面105の「検索開始」113eのアイコンをクリックすることで、選択入力終了の指示を行ってもよい。
【0041】
ここで、図9は、上述した文字入力画面100〜105の変形例を示す図である。共通母音グループ入力手段は、図9に示されるように50音配列表111に代えて、共通母音グループの代表文字だけを縦に配列した共通母音グループ配列表111aをディスプレイ8に表示してもよい。この文字入力画面の変形例によれば、共通母音グループの代表文字の表示エリアをディスプレイ8の画面上において広くとることができる。つまり、代表文字を大きく表示することで、操作者の視認性及び操作性を向上させることができる。
【0042】
入力装置ECU20は、決定ボタン17に連結するプッシュスイッチ15の作動を検知し、又は「検索開始」113eのクリックを検出して共通母音グループの選択入力の終了を認識すると(ステップS4:Yes)、文字列抽出手段による処理を開始させる。本実施の形態による文字列抽出手段は、ステップS3で選択決定された共通母音グループの組み合わせから第1の記憶部30に予め記憶された単語データ31を参照することで、対応する文字列を抽出する(ステップS6)。ここで、単語データ31は、登録される単語とその単語が有する音節構成に対応する共通母音グループの組み合わせが相互検索可能な関係を有して第1の記憶部30に記憶されている。
【0043】
本実施の形態の例では、選択決定された共通母音グループの組み合わせである「おうあいあい」(ここでは代表文字で表記する。)に対応する文字列として、例えば「東西大」(とうざいだい)、「東海河岸」(とうかいかし)、「東海菓子」(とうかいかし)、「国際会」(こくさいかい)、「国債買い」(こくさいかい)、「小倉北市」(こくらきたし)などが抽出される。ここで、抽出される文字列の各音節が属する共通母音グループの組み合わせは、ステップS3で選択された共通母音グループの組み合わせ「おうあいあい」に一致している。また、文字列を構成する単語(例えば「東西」、「東海」、「国際」、「大」、「菓子」、「会」、「買い」など)は、単語データ31に登録されたものから抽出される。
【0044】
このように、文字列抽出手段は、選択決定された共通母音グループの組み合わせと同一の共通母音グループの組み合わせからなる文字列を単語データ31から抽出する。
【0045】
続いて入力装置ECU20は、変換候補表示手段による処理を開始させる。ここで、図10は、図3に示されるフローチャートのステップS7においてディスプレイ8に表示される変換候補表示画面121を示す図である。本実施の形態による変換候補表示手段は、カーナビゲーション装置50と連携して、第2の記憶部54に記憶されているマップデータ55のロケーション情報として登録されている目的地の名称のうち、抽出された文字列を含むものを変換候補として変換候補文字列リスト115に表示する(ステップS7)。
【0046】
図10の例では、入力された共通母音グループの組み合わせである「おうあいあい」に対応して抽出される文字列を含み、かつ、ロケーション情報として登録されている名称(例えば「東西大学」、「東海河岸」、「国際会議場」など)がリスト表示される。
【0047】
なお、変換候補表示手段は、上述のステップS6で文字列抽出手段が抽出した文字列のうち、例えば「国債買い」などのようなマップデータ55のロケーション情報に登録されていないものは、変換候補文字列リスト115の表示から自動的に除外する。また、予め検索エリア(例えば現在位置から5km以内又は特定の県内など)を制限した場合や、目的地の属性(例えばレストラン、工場、大学など)を限定した場合は、その検索条件を満たすロケーションのみに絞り込んで変換候補をリスト表示することもできる。
【0048】
また、ステップS7において、操作者は、操作デバイス10の操作キープレート16を左右方向(第1の方向X)に操作しマイクロスイッチ13、14を作動させることで、図11に示される別の変換候補表示画面122にディスプレイ6の表示を切り換えることができる。
【0049】
図11の変換候補表示画面122には、文字列抽出手段が抽出した文字列を仮名文字で表記した変換文字列リスト118と、変換文字列リスト118の各文字列に対応して当該文字列を含むロケーション名称のヒット件数を示すヒット件数ボックス119が表示される。この変換候補表示画面122により、操作者は共通母音グループの選択により入力した文字列が正しかったのか確認することができる。
【0050】
操作者は、図10の変換候補文字列リスト115に表示された変換候補のうち、当初検索しようとしていた目的地の名称(検索語)が存在すれば(ステップS8:Yes)、操作デバイス10の操作キープレート16を上下に操作してカーソル116を移動させ、該当する変換候補の項目を選択する。そして、操作者が当該項目を選択した状態で決定ボタン17を押すことにより、最終的な文字列の入力操作が完了する(ステップS9)。なお、変換候補文字列リスト115に該当する名称がなければ(ステップS8:No)、文字の再入力または入力した文字のキャンセル処理に移る(ステップS10)。
【0051】
入力装置ECU20は、決定ボタン17に連結するプッシュスイッチ15の作動を検知し文字列入力の決定を認識すると、その文字列の情報を対象装置であるカーナビゲーション装置50に送信する(ステップS11)。
【0052】
上述した第1の実施の形態によれば、1つの音節に対応する文字の入力を、その音節が属する共通母音グループごとに受け付けることにより、文字入力の操作を簡略化して操作回数を従来よりも減らすことができる。特に、遠隔操作が可能な操作デバイス10として簡素な構成の操作スイッチを用いた場合でも操作が煩雑にならず、操作者の負担を軽減することができる。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、上述した第1の実施の形態の共通母音グループ入力手段による文字入力方法の一部を変形した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、図3に示された共通母音グループを選択するステップS3において、各音節に対応する共通母音グループを選択決定する操作だけでなく、操作者の任意で音節に対応する仮名文字の直接入力も許容するものである。
【0054】
図12は、第2の実施の形態において、入力しようとする文字列の一部の音節が仮名文字で直接入力されたときに表示される文字入力画面106を示す図である。図12の例では、操作者が入力しようとする音節構成「とうざいだい」の第1音節に対応する「と」と、第5音節「だ」に対応する「た」が仮名文字で選択決定された場合が示されている。
【0055】
操作者は、仮名文字を直接入力する場合には、はじめに入力しようとする音節である例えば「た」が属する共通母音グループである「あ」の段を、操作キープレート16を上下に操作しカーソル114で指示することにより選択する。続いて操作者が操作キープレート16を左右に操作すると、選択された共通母音グループの何れか1つの文字を丸囲いするサークルカーソル114bが表示される。操作者は、操作キープレート16を左右に操作して、直接入力したい仮名文字「た」をサークルカーソル114bで指示し、この状態で決定ボタン17を押す。これにより、図12に示されるように第5音節「だ」に対応する仮名文字「た」が選択決定される。このとき、仮名文字が直接入力されたことを示す丸囲いのマークM2が仮名文字「た」と共に入力文字エリア112に表示される。
【0056】
入力装置ECU20は、決定ボタン17が押され文字の選択入力の終了を認識すると、第1の実施の形態と同様の文字列抽出手段による処理を開始させる。本実施の形態による文字列抽出手段は、選択決定された共通母音グループの組み合わせと共に、直接入力された仮名文字を考慮して対応する文字列を抽出する。
【0057】
この第2の実施の形態によれば、直接入力された仮名文字は音節が確定しているため、第1の実施の形態で説明した共通母音グループの組み合わせのみに基づく場合に比較して、抽出される文字列や表示される変換候補を少なくすることができる。したがって文字列変換の精度をより向上させることができる。
【0058】
[第3の実施の形態]
次に、上述した第1の実施の形態による文字入力方法の更に別の変形例である第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態では、音節グループ入力手段として共通子音グループ入力手段が起動される。
【0059】
図13は、第3の実施の形態である共通子音グループ入力手段によりディスプレイ8に表示される文字入力画面107を示す図である。文字入力画面107の50音配列表111には、子音が共通する音節群からなる共通子音グループが右から「あ」「か」「さ」「た」「な」…の順に縦の列として配置されている。そして、何れかの共通子音グループの列を囲んで縦長のカーソル117が表示される。
【0060】
共通子音グループ入力手段によれば、操作者が操作デバイス10の操作キープレート16を左右に操作しマイクロスイッチ13,14を作動させると、カーソル117が50音配列表111の共通子音グループの列ごとに左右に移動する。そして、何れかの共通子音グループの列をカーソル117が囲んで選択可能な状態とした後、操作者が決定ボタン17を押しプッシュスイッチ15を作動させることにより、当該共通子音グループが選択決定される。このとき選択決定可能な状態と区別するために、図13に示されるような縦矢印のマークM3が代表文字と共に入力文字エリア112に表示される。
【0061】
操作者は、操作デバイス10をこのように繰り返し操作して、入力しようとする文字列を音節ごとに共通子音グループ単位で順次選択決定してゆく。
【0062】
なお、図13は、操作者が入力しようとする文字列の例である「東西大」の音節構成「とうざいだい」の第1音節から第5音節までの共通子音グループが選択決定されたときの表示例を示している。本実施の形態では、入力文字エリア112に表示される共通子音グループの代表文字を50音配列表111の最上段の文字としている。したがって、図13に示されるように、共通子音グループが選択された音節構成「とうざいだ」に対応して、代表文字「たあさあた」が入力文字エリア112に表示される。
【0063】
ここで、図14(a)及び(b)は、上述した文字入力画面107の変形例を示す図である。例えば図14(a)に示される文字入力画面108には、共通子音グループの代表文字だけを横一列に配置した共通子音グループ配列表111bが表示される。また、図14(b)に示されるように、共通子音グループの代表文字をマトリクス状に配置した共通子音グループ配列表111cを文字入力画面に表示してもよい。文字入力画面のこれらの変形例によれば、共通子音グループの代表文字の表示エリアをディスプレイ8の画面上において広くとることができる。つまり、代表文字を大きく表示することで、操作者の視認性や操作性を向上させることができる。
【0064】
第3の実施形態による文字列抽出手段は、選択決定された共通子音グループの組み合わせに基づいて、第1の記憶部30に予め記憶された単語データ31を参照して同一の共通子音グループの組み合わせからなる文字列を抽出する。
【0065】
そして、変換候補表示手段は、カーナビゲーション装置50のマップデータ55にロケーション情報として登録されている目的地の名称のうち、抽出された文字列を含む名称を変換候補として変換候補文字列リストに表示する。これにより、操作者が入力しようとしていた検索語等の文字列の最終的な入力を、変換候補文字列リストに表示される変換候補の選択により可能となる。
【0066】
上述した第3の実施の形態によれば、1つの音節に対応する文字の入力を、その音節が属する共通子音グループごとに受け付けることにより、文字を入力する操作回数を従来よりも減らすことができる。したがって、操作の煩雑さを解消して操作者の負担を軽減することができる。
【0067】
以上、本発明の好適な実施の形態を複数説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で更なる変形・応用が可能である。例えば、銀行のATMシステムで振込先等を入力する文字入力手段や、携帯電話におけるアドレスを検索等するための文字入力手段などへの応用が考えられる。
【0068】
また、上記実施の形態では、音節グループ入力手段、文字列抽出手段、変換候補表示手段をプログラムで実現する場合について説明したが、プログラムの全部又は一部をASIC(Application Specific IC)等のハードウェアによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…文字入力装置、4…スピーカ、5…運転席、6…センターコンソール、7…ステアリング、8…ディスプレイ、9…インスツルメントパネル、10…操作デバイス、11〜14…マイクロスイッチ、15…プッシュスイッチ、16…操作キープレート、17…決定ボタン、20…入力装置ECU、30…第1の記憶部、31…単語データ、50…カーナビゲーション装置、51…カーナビゲーションECU、52…GPSセンサ、53…車速・方位センサ、54…第2の記憶部、55…マップデータ、60…カーオーディオ装置、61…カーオーディオECU、62…CD・スマートメディア読取部、62…ラジオ受信部、90…車内LAN、100〜108…文字入力画面、111…50音配列表、111a…共通母音グループ配列表、111b,111c…共通子音グループ配列表、112…入力文字エリア、113…モード切換アイコン、114,114a…カーソル、114b…サークルカーソル、115…変換候補文字列リスト、116,116a,117,117a,117b…カーソル、118…変換文字列リスト、119…ヒット件数ボックス、121,122…変換候補表示画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーションで目的地を検索したり、カーオーディオで再生したい曲名を検索したりする等の場合において、利用者がその目的地や曲名等の検索語を入力するための文字入力装置が用いられている。
【0003】
カーナビゲーションシステムにおいて従来用いられる文字入力装置の例としては、ディスプレイに表示されるキーボードの画像(ソフトキーボード)を利用者である操作者が見ながら文字入力を行うものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このような文字入力を行うために用いられる操作デバイスは、例えばジョイスティックや十字キー等のXY操作型の操作スイッチからなり、ディスプレイに隣接して、又は遠隔操作を可能とするために車両のセンターコンソールや無線通信接続されるリモコン装置に搭載される。
【0005】
従来の文字入力装置によれば、文字の入力に際して50音別に仮名文字が配列されたソフトキーボードの画像がディスプレイに表示され、操作者は入力しようとする検索語等の音節に対応する仮名文字をソフトキーボードから1文字ごとに順に選択することで、文字の入力を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−85083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来の方法で文字列を入力する場合、音節に対応する「あ」〜「ん」までの46個の仮名文字と、濁音及び反濁音等を含め50音以上の文字が配列されたソフトキーボードの中から対応する文字を逐一探して選択しなければならず、操作が煩雑であった。とりわけ、操作デバイスを使った遠隔での文字列の入力操作においては煩雑さが増し、操作者の負担が大きかった。
【0008】
また、仮名で音節を直接入力する場合に比較して選択する文字数が少ない入力方法としては、各音節に対応する文字をアルファベットで入力(いわゆるローマ字入力)する方法がある。しかし、ローマ字による入力方法では、音節を子音と母音とに2回に分けて入力する必要があり、仮名を直接入力する場合と比較して入力する操作回数が却って多くなってしまう。このため、操作入力の煩雑さを十分解消できる方法とはいえなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、文字を入力する操作回数を減らし、操作者の負担軽減を図った文字入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]上記目的を達成するため本発明に係る文字入力装置は、操作者により操作される操作入力部と、前記操作入力部を用いた操作の用に供せられる画像を表示する画像表示部と、複数の単語がその単語を構成する音節と共に登録された単語データを記憶する記憶部と、前記操作入力部を操作することによってなされる1つの音節に対応する文字の入力を、その音節が属する共通の音を有する音節群からなる音節グループごとに受け付ける音節グループ入力手段と、前記音節グループ入力手段が受け付けた音節グループの組み合わせと同一の組み合わせで構成される文字列を前記記憶部に記憶される前記単語データから抽出する文字列抽出手段と、前記文字列抽出手段が抽出した文字列を変換候補として前記画像表示部に表示する変換候補表示手段と、を備える。
【0011】
[2]また、前記音節グループ入力手段は、共通の母音を有する音節群からなる共通母音グループごとに文字の入力を受け付ける文字入力装置である。
【0012】
[3]また、前記音節グループ入力手段は、共通の子音を有する音節群からなる共通子音グループごとに文字の入力を受け付ける文字入力装置である。
【0013】
[4]また、前記操作入力部は、第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に操作可能な遠隔操作型の操作スイッチからなる文字入力装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、文字を入力する操作回数を減らし、操作者の負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、発明の実施の形態に係る文字入力装置に備えられる操作デバイスが車両内のセンターコンソールに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、発明の実施の形態に係る文字入力装置とカーナビゲーション及びカーオーディオを含むシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1の実施の形態の文字入力装置による文字入力動作及び操作者が行う手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、第1の実施の形態による初期の文字入力画面を例示する図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、第1の実施の形態による共通母音グループ入力手段が起動されたときに表示される文字入力画面をそれぞれ例示する図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態において音節構成「とうざいだい」の第1音節が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面を例示する図である。
【図7】図7は、第1の実施の形態において音節構成「とうざいだい」の第2音節が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面を例示する図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態において音節構成「とうざいだい」の最後の第6音節が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面を例示する図である。
【図9】図9は、第1の実施の形態による文字入力画面の変形例を示す図である。
【図10】図10は、第1の実施の形態による変換候補表示画面を例示する図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態による変換候補表示画面の変形例を示す図である。
【図12】図12は、第2の実施の形態において入力しようとする文字列の一部の音節が仮名文字で直接入力されたときに表示される文字入力画面を例示する図である。
【図13】図13は、第3の実施の形態の共通子音グループ入力手段による文字入力画面を例示する図である。
【図14】図14(a)及び(b)は、第3の実施の形態による文字入力画面の変形例をそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による文字入力装置に備えられる操作入力部としての操作デバイスが車両内のセンターコンソールに取り付けられた状態を示す斜視図である。なお、センターコンソール6は、運転席5の左方に隣接する車両の中央付近に設けられている。また、ステアリング7の左方のインスツルメントパネル9には、カーナビゲーションやカーオーディオシステムの画像表示部としてのディスプレイ8が設けられている。なお、ディスプレイ8は、後述する文字入力画面100等の画像を表示することにより、文字入力装置1の構成要素としても兼用される。
【0018】
また、図2は、本実施の形態による文字入力装置1と、カーナビゲーション及びカーオーディオを含むシステムの構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施の形態に係る文字入力装置1は、操作者によって操作がされる操作デバイス10と、入力装置ECU(ECU: Electric Control Unit)20と、単語データ31を記憶する第1の記憶部30と、上述したディスプレイ8とを備えて構成される。
【0020】
操作デバイス10は、第1の方向X及び第1の方向Xに直交する第2の方向Yに操作可能なXY操作型の操作スイッチからなる。また、操作デバイス10は、操作者がディスプレイ8に表示された画像を見ながら手元の操作で文字入力をできる遠隔操作型の操作入力部としてセンターコンソール6に設けられている。操作デバイス10は、詳細には図1の円内に示されるように円盤状の操作キープレート16と、操作キープレート16が左右(X)方向と前後(Y)方向にそれぞれ押され又はタッチされることで作動する4個のマイクロスイッチ11〜14と、操作キープレート16の中心部に設けられる小型のプッシュスイッチ15を作動させる決定ボタン17とを備えて構成されている。
【0021】
なお、文字入力装置1の操作デバイスとしては、上述したものに限定されず、例えばジョイスティック、スライド又はロータリー等の様々な操作タイプのスイッチであってもよい。また、操作デバイスは、ディスプレイ8の画面にマトリクス状に配置した透明なタッチパネルスイッチであってもよい。
【0022】
入力装置ECU20は、後述するようにディスプレイ8へ文字入力画面100等の画像表示、操作デバイス10の操作に基づくカーソルの移動、選択された音節グループの変換等の処理を行う。図2に示されるように入力装置ECU20には、操作デバイス10と、第1の記憶部30が接続されている。
【0023】
また、入力装置ECU20は、車両に備えられている車内LAN(LAN: Local area network)90に相互通信可能に接続している。車内LAN90には、ディスプレイ8と、スピーカ4が接続している。スピーカ4は、カーナビゲーション装置50による案内音声や、カーオーディオ装置60により再生された音楽や、ラジオの受信音などを出力する。
【0024】
本実施の形態では、文字入力装置1による文字入力の対象装置としてカーナビゲーション装置50を例に挙げて説明する。図2に示されるように、カーナビゲーション装置50は、カーナビゲーションECU51と、GPSセンサ52と、車速・方位センサ53と、第2の記憶部54を備えて構成されている。GPSセンサ52、車速・方位センサ53及び第2の記憶部54は、カーナビゲーションECU51にそれぞれ接続されている。
【0025】
また、カーナビゲーションECU51は、車内LAN90を介して文字入力装置1の入力装置ECU20と通信可能に接続している。第2の記憶部54には、マップデータ55が記憶されている。マップデータ55は、緯度経度、行政区画、道路などの路線、河川及び地形等の情報を基礎とする地図情報と、目的地として検索される施設、店舗、ランドマーク等が地図上の緯度経度に対応付けられたロケーション情報とにより構成される。ロケーション情報には、目的地として参照されるロケーション名称と、それが位置する緯度経度の他にそのロケーションの属性である例えばその施設の目的、店舗の種類及び住所などの情報が含まれる。
【0026】
カーナビゲーション装置50のカーナビゲーションECU51は、GPSセンサ52が検出する車両の現在位置情報と車速・方位センサ53からの速度情報とに基づいて、車両が位置する地図上の位置を正確に検出する。また、カーナビゲーションECU51は、第2の記憶部54に記憶されたマップデータ55とマッチング処理を行うことでより正確な位置検出も可能である。
【0027】
また、カーナビゲーションECU51は、現在地から後述する方法で入力された目的地までの最適ルートをマップデータ55を参照して検索し、その結果を地図画像とともにディスプレイ8に表示する。
【0028】
カーオーディオ装置60は、カーオーディオECU61と、CD・スマートメディア読取部62と、ラジオ受信部63などを備えて構成される。カーオーディオECU61は、車内LAN90を介して文字入力装置1の入力装置ECU20と通信可能に接続している。なお、ここでは詳述はしないが、カーオーディオECU61は、文字入力装置1を介して入力されたアルバム名や曲名等に基づいて、CD・スマートメディア読取部62にセットされているCD等の記憶媒体から音楽データを検索して再生をすることも可能である。
【0029】
(第1の実施の形態による文字入力動作)
図3は、文字入力装置1による文字入力動作及び操作者が行う手順を示すフローチャートである。以下、図3に示されるフローチャートを参照しながら、カーナビゲーション装置50によるルート検索をするために、その目的地を示す検索語として「東西大(とうざいだい)」を入力する場合を例に挙げながら文字入力の具体的な方法を説明する。なお、図3に示される文字入力装置1による各動作は、入力装置ECU20に備えられる例えば以下説明する音節グループ入力手段等の各手段がプログラムに従って演算処理をすることで実行される。
【0030】
図4は、カーナビゲーション装置50を用いてルートを検索する際にディスプレイ8に表示される、文字入力のための初期の文字入力画面100を示す図である。入力装置ECU20は、カーナビゲーションECU51から目的地の検索に必要な検索語入力の指令を受けると、はじめに図4に示されるような文字入力画面100をディスプレイ8に表示する(ステップS1)。そして、入力装置ECU20は、文字入力のカウント変数nに「1」をセットするなどのイニシャライズ処理を行う(ステップS2)。
【0031】
ここで、ディスプレイ8に表示される文字入力画面100は、50音配列表111と、入力された文字を表示する入力文字エリア112と、入力モードを適宜切り換えるためのモード切換アイコン113とを有して構成される。モード切換アイコン113は、「簡単モード」113a、「修正」113b、「小文字」113c、「カナ」113d、「検索開始」113eなどの複数のアイコンエリアから構成される。
【0032】
図4に示された初期の文字入力画面100で、モード切換アイコン113の「簡単モード」113aがクリックされると、入力装置ECU20に備えられる音節グループ入力手段が起動される。以下詳細に説明するように、音節グループ入力手段は、操作者が検索語等の文字列を入力するに際し、その文字列を構成する音節ごとにその音節が属する音節グループ単位での入力を受け付ける。
【0033】
ここで「音節グループ」とは、共通の音を有する音節群のグループのことをいう。以下説明する「共通母音グループ」とは、母音が共通する音節群からなるグループであり、「音節グループ」の下位概念である。また、後述する「共通子音グループ」とは、子音が共通する音節群からなるグループであり、同じく「音節グループ」の下位概念である。
【0034】
第1の実施の形態では、音節グループ入力手段の一例として共通母音グループ入力手段が起動された場合を説明する。
【0035】
図5(a)及び(b)は、「簡単モード」113aが選択され、共通母音グループ入力手段が起動したときにディスプレイ8に表示される文字入力画面101,102を示す図である。この「簡単モード」では、50音配列表111の「あ」〜「お」で代表される各共通母音グループの何れかの段を囲んで横長のカーソル114が表示される。図5(a)の文字入力画面101の例では、母音「あ」を共有する共通母音グループの段にカーソル114が表示されている。図5(b)の文字入力画面102の例では、母音「お」を共有する共通母音グループの段にカーソル114が表示されている。操作デバイス10の操作キープレート16が上下方向(第2の方向Y)に操作されるとマイクロスイッチ11,12が作動し、これに応じて50音配列表111のカーソル114が共通母音グループの段ごとに上下に移動する。そして、カーソル114で囲まれた共通母音グループの段が次の操作で選択決定可能な状態となる。なお、選択決定可能な状態にある共通母音グループの代表文字(図5(a)の例では「あ」、図5(b)の例では「お」)を入力文字エリア112に表示してもよい。
【0036】
なお、選択決定可能な共通母音グループの段を表示する方法としては、本実施の形態のようにカーソル114を用いなくても、例えば共通母音グループの段をより明るく表示したり、色を変えて表示したりする等の他の段と視覚的に区別できる方法であればどのような態様であってもよい。
【0037】
操作者は、文字入力画面101,102等を見ながら、入力しようとする文字列を構成する音節ごとに先頭から順に共通母音グループを選択してゆく。すなわち、本実施の形態による「簡単モード」では、操作者が入力しようとする文字列を音節ごとに共通母音グループ単位で入力することが可能とされている。
【0038】
図6は、図3に示されるフローチャートのステップS3において、操作者が目的地の検索語として入力しようとする文字列の例である「東西大」の音節構成「とうざいだい」の先頭(n=1)の第1音節「と」が属する共通母音グループの段が選択決定されたときに表示される文字入力画面103を示す図である。この場合、音節に対応する仮名文字「と」が属する共通母音グループを代表する文字(以下「代表文字」という。)である「お」が入力文字エリア112に表示される。共通母音グループの決定は、操作デバイス10の操作キープレート16が上下に操作されてカーソル114が示す50音配列表111の1つの段(図6では「お」)が選択可能な状態となり、その後、決定ボタン17が押されてプッシュスイッチ15が作動したとき、その段の共通母音グループが選択決定される。ある共通母音グループが選択決定されると、選択決定可能な状態と区別するために、図6に示されるような横矢印のマークM1がその代表文字(図6では「お」)と共に表示される。
【0039】
次に、共通母音グループ入力手段は、文字入力のカウント変数nをインクリメントし(ステップS5)、第2音節(n=2)が属する共通母音グループの選択を受け付ける。図7は、第2音節「う」が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面104を示す図である。操作者は、繰り返されるステップS3の処理において先頭文字の選択操作と同様に音節構成「とうざいだい」の第2音節「う」が属する共通母音グループの段を操作デバイス10の操作キープレート16を上下に操作して選択する。そして、カーソル114で当該段を選択した状態で決定ボタン17を押すことにより、図7に示されるように共通母音グループの「う」の段が決定され、その代表文字「う」と共に横矢印のマークM1が入力文字エリア112に表示される。
【0040】
操作者は、引き続き入力しようとする文字列の共通母音グループ単位の選択決定操作を同様の操作手順で繰り返す。図8は、音節構成「とうざいだい」の最後の第6音節「い」が属する共通母音グループが選択決定されたときに表示される文字入力画面105を示す図である。操作者は、最後の共通母音グループの「い」の段を選択決定した後、例えば操作デバイス10の決定ボタン17を長押し(例えば3秒以上)することで、共通母音グループの選択入力を終了したことを入力装置ECU20に伝える。なお、操作者が文字入力画面105の「検索開始」113eのアイコンをクリックすることで、選択入力終了の指示を行ってもよい。
【0041】
ここで、図9は、上述した文字入力画面100〜105の変形例を示す図である。共通母音グループ入力手段は、図9に示されるように50音配列表111に代えて、共通母音グループの代表文字だけを縦に配列した共通母音グループ配列表111aをディスプレイ8に表示してもよい。この文字入力画面の変形例によれば、共通母音グループの代表文字の表示エリアをディスプレイ8の画面上において広くとることができる。つまり、代表文字を大きく表示することで、操作者の視認性及び操作性を向上させることができる。
【0042】
入力装置ECU20は、決定ボタン17に連結するプッシュスイッチ15の作動を検知し、又は「検索開始」113eのクリックを検出して共通母音グループの選択入力の終了を認識すると(ステップS4:Yes)、文字列抽出手段による処理を開始させる。本実施の形態による文字列抽出手段は、ステップS3で選択決定された共通母音グループの組み合わせから第1の記憶部30に予め記憶された単語データ31を参照することで、対応する文字列を抽出する(ステップS6)。ここで、単語データ31は、登録される単語とその単語が有する音節構成に対応する共通母音グループの組み合わせが相互検索可能な関係を有して第1の記憶部30に記憶されている。
【0043】
本実施の形態の例では、選択決定された共通母音グループの組み合わせである「おうあいあい」(ここでは代表文字で表記する。)に対応する文字列として、例えば「東西大」(とうざいだい)、「東海河岸」(とうかいかし)、「東海菓子」(とうかいかし)、「国際会」(こくさいかい)、「国債買い」(こくさいかい)、「小倉北市」(こくらきたし)などが抽出される。ここで、抽出される文字列の各音節が属する共通母音グループの組み合わせは、ステップS3で選択された共通母音グループの組み合わせ「おうあいあい」に一致している。また、文字列を構成する単語(例えば「東西」、「東海」、「国際」、「大」、「菓子」、「会」、「買い」など)は、単語データ31に登録されたものから抽出される。
【0044】
このように、文字列抽出手段は、選択決定された共通母音グループの組み合わせと同一の共通母音グループの組み合わせからなる文字列を単語データ31から抽出する。
【0045】
続いて入力装置ECU20は、変換候補表示手段による処理を開始させる。ここで、図10は、図3に示されるフローチャートのステップS7においてディスプレイ8に表示される変換候補表示画面121を示す図である。本実施の形態による変換候補表示手段は、カーナビゲーション装置50と連携して、第2の記憶部54に記憶されているマップデータ55のロケーション情報として登録されている目的地の名称のうち、抽出された文字列を含むものを変換候補として変換候補文字列リスト115に表示する(ステップS7)。
【0046】
図10の例では、入力された共通母音グループの組み合わせである「おうあいあい」に対応して抽出される文字列を含み、かつ、ロケーション情報として登録されている名称(例えば「東西大学」、「東海河岸」、「国際会議場」など)がリスト表示される。
【0047】
なお、変換候補表示手段は、上述のステップS6で文字列抽出手段が抽出した文字列のうち、例えば「国債買い」などのようなマップデータ55のロケーション情報に登録されていないものは、変換候補文字列リスト115の表示から自動的に除外する。また、予め検索エリア(例えば現在位置から5km以内又は特定の県内など)を制限した場合や、目的地の属性(例えばレストラン、工場、大学など)を限定した場合は、その検索条件を満たすロケーションのみに絞り込んで変換候補をリスト表示することもできる。
【0048】
また、ステップS7において、操作者は、操作デバイス10の操作キープレート16を左右方向(第1の方向X)に操作しマイクロスイッチ13、14を作動させることで、図11に示される別の変換候補表示画面122にディスプレイ6の表示を切り換えることができる。
【0049】
図11の変換候補表示画面122には、文字列抽出手段が抽出した文字列を仮名文字で表記した変換文字列リスト118と、変換文字列リスト118の各文字列に対応して当該文字列を含むロケーション名称のヒット件数を示すヒット件数ボックス119が表示される。この変換候補表示画面122により、操作者は共通母音グループの選択により入力した文字列が正しかったのか確認することができる。
【0050】
操作者は、図10の変換候補文字列リスト115に表示された変換候補のうち、当初検索しようとしていた目的地の名称(検索語)が存在すれば(ステップS8:Yes)、操作デバイス10の操作キープレート16を上下に操作してカーソル116を移動させ、該当する変換候補の項目を選択する。そして、操作者が当該項目を選択した状態で決定ボタン17を押すことにより、最終的な文字列の入力操作が完了する(ステップS9)。なお、変換候補文字列リスト115に該当する名称がなければ(ステップS8:No)、文字の再入力または入力した文字のキャンセル処理に移る(ステップS10)。
【0051】
入力装置ECU20は、決定ボタン17に連結するプッシュスイッチ15の作動を検知し文字列入力の決定を認識すると、その文字列の情報を対象装置であるカーナビゲーション装置50に送信する(ステップS11)。
【0052】
上述した第1の実施の形態によれば、1つの音節に対応する文字の入力を、その音節が属する共通母音グループごとに受け付けることにより、文字入力の操作を簡略化して操作回数を従来よりも減らすことができる。特に、遠隔操作が可能な操作デバイス10として簡素な構成の操作スイッチを用いた場合でも操作が煩雑にならず、操作者の負担を軽減することができる。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、上述した第1の実施の形態の共通母音グループ入力手段による文字入力方法の一部を変形した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、図3に示された共通母音グループを選択するステップS3において、各音節に対応する共通母音グループを選択決定する操作だけでなく、操作者の任意で音節に対応する仮名文字の直接入力も許容するものである。
【0054】
図12は、第2の実施の形態において、入力しようとする文字列の一部の音節が仮名文字で直接入力されたときに表示される文字入力画面106を示す図である。図12の例では、操作者が入力しようとする音節構成「とうざいだい」の第1音節に対応する「と」と、第5音節「だ」に対応する「た」が仮名文字で選択決定された場合が示されている。
【0055】
操作者は、仮名文字を直接入力する場合には、はじめに入力しようとする音節である例えば「た」が属する共通母音グループである「あ」の段を、操作キープレート16を上下に操作しカーソル114で指示することにより選択する。続いて操作者が操作キープレート16を左右に操作すると、選択された共通母音グループの何れか1つの文字を丸囲いするサークルカーソル114bが表示される。操作者は、操作キープレート16を左右に操作して、直接入力したい仮名文字「た」をサークルカーソル114bで指示し、この状態で決定ボタン17を押す。これにより、図12に示されるように第5音節「だ」に対応する仮名文字「た」が選択決定される。このとき、仮名文字が直接入力されたことを示す丸囲いのマークM2が仮名文字「た」と共に入力文字エリア112に表示される。
【0056】
入力装置ECU20は、決定ボタン17が押され文字の選択入力の終了を認識すると、第1の実施の形態と同様の文字列抽出手段による処理を開始させる。本実施の形態による文字列抽出手段は、選択決定された共通母音グループの組み合わせと共に、直接入力された仮名文字を考慮して対応する文字列を抽出する。
【0057】
この第2の実施の形態によれば、直接入力された仮名文字は音節が確定しているため、第1の実施の形態で説明した共通母音グループの組み合わせのみに基づく場合に比較して、抽出される文字列や表示される変換候補を少なくすることができる。したがって文字列変換の精度をより向上させることができる。
【0058】
[第3の実施の形態]
次に、上述した第1の実施の形態による文字入力方法の更に別の変形例である第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態では、音節グループ入力手段として共通子音グループ入力手段が起動される。
【0059】
図13は、第3の実施の形態である共通子音グループ入力手段によりディスプレイ8に表示される文字入力画面107を示す図である。文字入力画面107の50音配列表111には、子音が共通する音節群からなる共通子音グループが右から「あ」「か」「さ」「た」「な」…の順に縦の列として配置されている。そして、何れかの共通子音グループの列を囲んで縦長のカーソル117が表示される。
【0060】
共通子音グループ入力手段によれば、操作者が操作デバイス10の操作キープレート16を左右に操作しマイクロスイッチ13,14を作動させると、カーソル117が50音配列表111の共通子音グループの列ごとに左右に移動する。そして、何れかの共通子音グループの列をカーソル117が囲んで選択可能な状態とした後、操作者が決定ボタン17を押しプッシュスイッチ15を作動させることにより、当該共通子音グループが選択決定される。このとき選択決定可能な状態と区別するために、図13に示されるような縦矢印のマークM3が代表文字と共に入力文字エリア112に表示される。
【0061】
操作者は、操作デバイス10をこのように繰り返し操作して、入力しようとする文字列を音節ごとに共通子音グループ単位で順次選択決定してゆく。
【0062】
なお、図13は、操作者が入力しようとする文字列の例である「東西大」の音節構成「とうざいだい」の第1音節から第5音節までの共通子音グループが選択決定されたときの表示例を示している。本実施の形態では、入力文字エリア112に表示される共通子音グループの代表文字を50音配列表111の最上段の文字としている。したがって、図13に示されるように、共通子音グループが選択された音節構成「とうざいだ」に対応して、代表文字「たあさあた」が入力文字エリア112に表示される。
【0063】
ここで、図14(a)及び(b)は、上述した文字入力画面107の変形例を示す図である。例えば図14(a)に示される文字入力画面108には、共通子音グループの代表文字だけを横一列に配置した共通子音グループ配列表111bが表示される。また、図14(b)に示されるように、共通子音グループの代表文字をマトリクス状に配置した共通子音グループ配列表111cを文字入力画面に表示してもよい。文字入力画面のこれらの変形例によれば、共通子音グループの代表文字の表示エリアをディスプレイ8の画面上において広くとることができる。つまり、代表文字を大きく表示することで、操作者の視認性や操作性を向上させることができる。
【0064】
第3の実施形態による文字列抽出手段は、選択決定された共通子音グループの組み合わせに基づいて、第1の記憶部30に予め記憶された単語データ31を参照して同一の共通子音グループの組み合わせからなる文字列を抽出する。
【0065】
そして、変換候補表示手段は、カーナビゲーション装置50のマップデータ55にロケーション情報として登録されている目的地の名称のうち、抽出された文字列を含む名称を変換候補として変換候補文字列リストに表示する。これにより、操作者が入力しようとしていた検索語等の文字列の最終的な入力を、変換候補文字列リストに表示される変換候補の選択により可能となる。
【0066】
上述した第3の実施の形態によれば、1つの音節に対応する文字の入力を、その音節が属する共通子音グループごとに受け付けることにより、文字を入力する操作回数を従来よりも減らすことができる。したがって、操作の煩雑さを解消して操作者の負担を軽減することができる。
【0067】
以上、本発明の好適な実施の形態を複数説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で更なる変形・応用が可能である。例えば、銀行のATMシステムで振込先等を入力する文字入力手段や、携帯電話におけるアドレスを検索等するための文字入力手段などへの応用が考えられる。
【0068】
また、上記実施の形態では、音節グループ入力手段、文字列抽出手段、変換候補表示手段をプログラムで実現する場合について説明したが、プログラムの全部又は一部をASIC(Application Specific IC)等のハードウェアによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…文字入力装置、4…スピーカ、5…運転席、6…センターコンソール、7…ステアリング、8…ディスプレイ、9…インスツルメントパネル、10…操作デバイス、11〜14…マイクロスイッチ、15…プッシュスイッチ、16…操作キープレート、17…決定ボタン、20…入力装置ECU、30…第1の記憶部、31…単語データ、50…カーナビゲーション装置、51…カーナビゲーションECU、52…GPSセンサ、53…車速・方位センサ、54…第2の記憶部、55…マップデータ、60…カーオーディオ装置、61…カーオーディオECU、62…CD・スマートメディア読取部、62…ラジオ受信部、90…車内LAN、100〜108…文字入力画面、111…50音配列表、111a…共通母音グループ配列表、111b,111c…共通子音グループ配列表、112…入力文字エリア、113…モード切換アイコン、114,114a…カーソル、114b…サークルカーソル、115…変換候補文字列リスト、116,116a,117,117a,117b…カーソル、118…変換文字列リスト、119…ヒット件数ボックス、121,122…変換候補表示画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者により操作される操作入力部と、
前記操作入力部を用いた操作の用に供せられる画像を表示する画像表示部と、
複数の単語がその単語を構成する音節と共に登録された単語データを記憶する記憶部と、
前記操作入力部を操作することによってなされる1つの音節に対応する文字の入力を、その音節が属する共通の音を有する音節群からなる音節グループごとに受け付ける音節グループ入力手段と、
前記音節グループ入力手段が受け付けた音節グループの組み合わせと同一の組み合わせで構成される文字列を前記記憶部に記憶される前記単語データから抽出する文字列抽出手段と、
前記文字列抽出手段が抽出した文字列を変換候補として前記画像表示部に表示する変換候補表示手段と、を備える文字入力装置。
【請求項2】
前記音節グループ入力手段は、共通の母音を有する音節群からなる共通母音グループごとに文字の入力を受け付ける、請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記音節グループ入力手段は、共通の子音を有する音節群からなる共通子音グループごとに文字の入力を受け付ける、請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記操作入力部は、第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に操作可能な遠隔操作型の操作スイッチからなる、請求項1乃至3の何れかに記載の文字入力装置。
【請求項1】
操作者により操作される操作入力部と、
前記操作入力部を用いた操作の用に供せられる画像を表示する画像表示部と、
複数の単語がその単語を構成する音節と共に登録された単語データを記憶する記憶部と、
前記操作入力部を操作することによってなされる1つの音節に対応する文字の入力を、その音節が属する共通の音を有する音節群からなる音節グループごとに受け付ける音節グループ入力手段と、
前記音節グループ入力手段が受け付けた音節グループの組み合わせと同一の組み合わせで構成される文字列を前記記憶部に記憶される前記単語データから抽出する文字列抽出手段と、
前記文字列抽出手段が抽出した文字列を変換候補として前記画像表示部に表示する変換候補表示手段と、を備える文字入力装置。
【請求項2】
前記音節グループ入力手段は、共通の母音を有する音節群からなる共通母音グループごとに文字の入力を受け付ける、請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記音節グループ入力手段は、共通の子音を有する音節群からなる共通子音グループごとに文字の入力を受け付ける、請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記操作入力部は、第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に操作可能な遠隔操作型の操作スイッチからなる、請求項1乃至3の何れかに記載の文字入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−103912(P2012−103912A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252028(P2010−252028)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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