説明

新生物の治療のための薬物の併用方法

本発明は、患者を治療するのに十分な量でクロルプロマジンまたはクロルプロマジンアナログおよび抗増殖性薬剤を同時に、または互いに14日以内に患者に投与することによって、癌または他の新生物を有する患者を治療するための方法を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌のような新生物の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、異常な細胞の制御できない増殖によって特徴付けられる疾患である。癌細胞は、有限の寿命を有する通常の細胞において課せられる障壁を克服して無限に増殖する。癌細胞の増殖が継続するにつれて、より活動的な増殖表現型を続行するために癌細胞がそれ自体現れるまで、遺伝的な変化が持続し得る。治療されないまま放置された場合、転移、すなわち、リンパ系または血流経由の、身体の離れた領域への癌細胞の伝播が続いて起こり得、健常組織を破壊する。
【0003】
米国癌協会の最近の研究によると、2001年のみでも約1,268,000の新規な癌の症例が米国において診断されると予測された。肺癌は、男性および女性の間での癌に関連する最も一般的な死因であり、すべての癌関連の死の28%超を計上する。これは、男性および女性の間で2番目に一般的に発症する癌である;2001年には米国において169,000例を超える新規な肺癌の症例が米国で存在し、これはすべての新規な癌の13%を計上することが見積もられている。肺癌の症例の割合は米国において男性の間では減少しつつあるのに対して、女性の間では継続して増加している。米国癌協会によると、157,400例の米国人が2001年に肺癌によって死亡することが予測された。
【0004】
肺において開始する癌は、細胞が顕微鏡下でどのように見えるかによって、2つの主要な型である、非小細胞肺癌および小細胞肺癌に分類される。
【0005】
非小細胞肺癌(扁平上皮癌、腺癌、および大細胞癌)は、一般的に、小細胞癌よりも、よりゆっくりと他の器官に伝播する。小細胞肺癌は、より一般的ではない型であり、すべての肺癌の約20%を計上する。
【0006】
他の癌には、脳腫瘍、乳癌、子宮頚癌、大腸癌、胃癌、腎臓癌、白血病、リンパ腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、肉腫、皮膚癌、精巣癌、および子宮癌が含まれる。これらの癌は、肺癌と同様に、場合によっては化学療法を用いて治療される。
【0007】
多数の化学療法剤の利用可能性にも関わらず、特定の癌のための治療プログラムについての必要性、ならびに安全で、より効力のある化学療法プログラムのための一般的要望がなお存在する。
【発明の開示】
【0008】
発明の要旨
本発明は、新生物の治療のための、フェノチアジンまたはフェノチアジンのアナログまたは代謝物の、抗増殖性薬剤との併用を特徴とする。
【0009】
従って、第1の局面において、本発明は、(a)式(I):

を有する化合物またはその薬学的に許容される塩;
式中、R2はCF3、ハロゲン、OCH3、COCH3、CN、OCF3、COCH2CH3、CO(CH2)2CH3、またはSCH2CH3であり;
R9

より選択され;またはR9は式

を有し:
式中、nは0または1であり、ZはNR35R36またはOR37であり;R32、R33、R34、R35、R36、およびR37の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;または任意のR33、R34、R35、R36、およびR37は、介在性炭素または隣接しないO、S、もしくはN原子と一緒になって1つまたは複数の5〜7員環を形成してもよく、該環は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルによって置換してもよく;
各R1、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、独立して、H、OH、F、OCF3、またはOCH3であり;および
WはNO、

であり;ならびに
(b)グループA抗増殖性薬剤
を、新生物を有するか、または発症するリスクがあると診断された患者に投与することによって、この患者を治療するための方法を特徴とし、ここで、この方法は、この式(I)の化合物の投与の20日以内に、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターの投与を含まないという条件を伴う。
【0010】
式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤は、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で、互いに14日以内に投与される。好ましくは、2つの化合物は互いに10日以内に投与され、より好ましくは互いに5日以内に投与され、最も好ましくは、互いに24時間以内、または同時でさえで投与される。
【0011】
1つの態様において、この方法は、式(I)の化合物がトリフルオペラジンである場合には、抗増殖性薬剤がドキソルビシン、アクラシノマイシン、トリフルオロアセチルアドリアマイシン-14-吉草酸塩、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、コルヒチン、またはアドリアマイシンではなく、および式(I)の化合物がクロルプロマジンである場合には、抗増殖性薬剤がパクリタキセル、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、またはコルヒチンではなく、および式(I)の化合物がチオリダジンである場合には、抗増殖性薬剤がドキソルビシン、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、またはコルヒチンではないという条件を含む。
【0012】
式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤は、患者に全身的に投与され得、これは非限定的に、静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、吸入投与、直腸投与、口腔投与、経口投与、または局所的投与による投与を含む。
【0013】
本発明はまた、(a)キネシンインヒビターおよび(b)グループA抗増殖性薬剤を患者に投与することによって、新生物を有するか、または発症するリスクがあると診断された患者を治療するための方法を特徴とし、この方法は、キネシンインヒビターの投与の20日以内に、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼンヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターの投与を含まないという条件を伴う。
【0014】
キネシンインヒビターおよびグループA抗増殖性薬剤は、患者に全身的に投与され得、これは非限定的に、静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、吸入投与、直腸投与、口腔投与、経口投与、または局所的投与による投与を含む。
【0015】
1つの態様において、この方法は、キネシンインヒビターがトリフルオペラジンである場合には、抗増殖性薬剤がドキソルビシン、アクラシノマイシン、トリフルオロアセチルアドリアマイシン-14-吉草酸塩、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、コルヒチン、またはアドリアマイシンではなく、およびキネシンインヒビターがクロルプロマジンである場合には、抗増殖性薬剤がパクリタキセル、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、またはコルヒチンではなく、およびキネシンインヒビターがチオリダジンである場合には、抗増殖性薬剤がドキソルビシン、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、またはコルヒチンではないという条件を含む。
【0016】
本発明の任意の方法に従って治療され得る癌は、例えば、以下の癌を含む:白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキン病)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、ならびに肉腫および癌腫のような固形腫瘍(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原生癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫、子宮頚癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫)。好ましくは、治療される癌は肺癌、特に扁平上皮癌、腺癌、もしくは大細胞癌による肺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、特に卵巣腺癌、または前立腺癌である。
【0017】
本発明は、(a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、および(b)グループA抗増殖性薬剤を含む組成物を特徴とし、ここで、式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤は、患者に投与されるときに、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で、かつこの組成物は、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼンヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターを含まないという条件で存在する。
【0018】
本発明はまた、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤および抗新生物薬剤の混合物からなる組成物を特徴とし、ここでこの混合物は、(a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、および(b)グループA抗増殖性薬剤からなり、式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤は、患者に投与されるときに、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で存在する。
【0019】
本発明はさらに、(a)キネシンインヒビターまたはその薬学的に許容される塩、および(b)グループA抗増殖性薬剤を含む組成物を特徴とし、ここで、キネシンインヒビターおよびグループA抗増殖性薬剤は、患者に投与されるときに、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で、かつこの組成物は、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターを含まないという条件で存在する。
【0020】
本発明はまた、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤および抗新生物薬剤の混合物からなる組成物を特徴とし、ここでこの混合物は、(a)キネシンインヒビターまたはその薬学的に許容される塩、および(b)グループA抗増殖性薬剤からなり、キネシンインヒビターおよびグループA抗増殖性薬剤は、患者に投与されるときに、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で存在する。
【0021】
本発明の組成物は、以下にさらに説明されるように、丸薬、錠剤、散剤、液体などの任意の形態であり得、その結果、フェノチアジンおよび抗増殖性薬剤が、同時にまたはほぼ同時に患者に投与され得る。この併用は、静脈内で、筋肉内で、吸入により、直腸的に、または経口投与によって投与され得る。
【0022】
本発明は、(a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、および(b)式(I)の化合物をグループA抗増殖性薬剤とともに、新生物を有するかまたは新生物を発症するリスクがあると診断された患者に投与するための指示書を含むキットを特徴とし、このキットは、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターを含まないという条件を伴う。
【0023】
本発明はまた、(a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、(b)グループA抗増殖性薬剤;ならびに(c)式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤を、新生物を有するかまたは新生物を発症するリスクがあると診断された患者に投与するための指示書を含むキットを特徴とし、このキットは、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターを含まないという条件を伴う。
【0024】
このキットは、共にまたは別々に、および個々の投薬量で製剤化された、式(I)の化合物および少なくとも1種のグループA抗増殖性薬剤を含む。別々に製剤化された場合、各々が、同じかまたは異なる投与の経路のために製剤化されてもよく、これらの投与には、静脈内、筋肉内、吸入、直腸、局所的、または経口の投与が含まれる。このキットは、患者のための1用量(単回使用単位用量)、同じ患者のための複数用量、または複数の患者のための複数用量を含み得る。このキットはさらに、新生物を治療するために化合物を投与するための指示書を含んでもよく、単位用量を投与するための手段、例えば、シリンジ、粉末を再構築するためのバイアル、または計量式吸入器などの、投与を補助するためのデバイスを任意で含んでもよい。
【0025】
本明細書に記載される任意の方法、組成物、およびキットのための、式(I)の化合物またはキネシンインヒビターは、望ましくは、アセプロマジン、クロルフェネタジン(chlorfenethazine)、クロルプロマジン、N-メチルクロルプロマジン、シアメマジン、フルフェナジン、メパジン、メトトリメプラジン、メトキシプロマジン、ノルクロルプロマジン、ペラジン、ペルフェナジン、フェノチアジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、プロピオマジン、プタペラジン(putaperazine)、チエチルペラジン、チオプロパゼート、チオリダジン、トリフルオペラジン、またはトリフルプロマジンである。
【0026】
本明細書に記載される任意の方法、組成物、およびキットのための、グループA抗増殖性薬剤は、望ましくは、アルキル化剤(例えば、ダカルバジン)、アントラサイクリン(例えば、ミトキサントロン)、抗エストロゲン(例えば、ビカルタミド)、代謝拮抗物質(フロクスウリジン)、微小管結合安定化剤(例えば、ドセタキセル)、微小管結合脱安定化剤(例えば、ビノレルビン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、ヒドロキシカンプトテシン(SN-38))、またはキナーゼ阻害剤(例えば、AG1478などのチロホスチン)である。最も好ましくは、この薬剤は、アルトレタミン、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、メルファラン、マイトマイシン、テモゾロミド、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、アナストラゾール、ビカルタミド、エストラムチン、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、タモキシフェン、トレミフィン、カペシタビン、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ハイドロキシウレア、メトトレキサート、グリーバック、チロホスチン、ドセタキセル、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビノレルビン、アジュバント/増強剤(セレコキシブ、ガリウム、イソトレチノイン、ロイコボリン、レバミゾール、パミドロネート、スラミン)、またはサリドマイド、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、エトポシド、ヒドロキシカンプトテシン、イリノテカン、またはトポテカンなどの薬剤である。より好ましくは、グループA抗増殖剤は、カルムスチン、シスプラチン、エトポシド、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビノレルビン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ゲムシタビン、カペシタビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、ラルチトレケスド(raltitrexed)、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、レトロゾール、アナストラゾール、フォルメスタン、エキセメスタン、タモキシフェン、トレモフィン(toremofine)、ゴセレリン、リュープロレリン(leuporelin)、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、ヒペリシン、トラスツズマブ、リツキシマブ、またはこれらの任意の併用より選択される。表1に列挙される任意の抗増殖性薬剤が、本発明の方法、組成物、およびキットにおいて使用され得る。
【0027】
本発明は、本明細書に記載される組成物に対するインビボ研究を実行もしくは計画している企業、または本明細書に記載される組成物を販売することを実行もしくは計画している企業における投資を促進する方法を特徴とする。この方法は、薬学的組成物の、同一性、治療用途、毒性、効力、または政府の認可の予定日に関する情報を広める段階を含む。
【0028】
本発明はまた、本明細書に記載される治療方法に対するインビボ研究を実行または計画している企業における投資を促進する方法を特徴とする。この促進する方法は、治療方法の、投薬プログラム、毒性、効力、または政府の認可の予定日に関する情報を広める段階を含む。
【0029】
本明細書で使用される場合、「同一性」とは、本明細書に記載される化合物の同一性を有することが意図される識別子をいう。この識別子は、例えば、構造、図式、図面、化学名、一般名、商標名、式、参照ラベル、またはその化合物の同一性を人に伝える任意の他の識別子であり得る。
【0030】
「インビボ研究」は、例えば、毒性および効力に関するデータを収集するための非臨床研究、ならびに臨床研究を含むがこれらに限定されない、本発明の組成物が哺乳動物に投与される任意の研究を意味する。
【0031】
「政府の認可の予定日」は、本発明の組成物または治療プログラムを、例えば、患者、医者、または病院に販売するために、企業が政府機関からの認可を受け取る日付の任意の見積もりを意味する。政府の認可には、例えば、とりわけ、米国食品医薬品局による薬物適用の認可が含まれる。
【0032】
「グループA抗増殖性薬剤」は、表1に列挙される抗増殖性薬剤を含む任意の抗増殖性薬剤を意味するが、すべてのビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、およびPTP1Bインヒビターは除外される。
【0033】
(表1)グループA





【0034】
「キネシンインヒビター」は、統計学的に有意な量(例えば、少なくとも10%、20%、30%、またはそれ以上)有糸分裂のキネシン(例えば、HsEg5)の酵素活性を阻害する化合物を意味する。有糸分裂のキネシンは、紡錘体のアセンブリーおよび機能のために必須の酵素であり、有糸分裂のすべての相の間で必須の役割を果たす。有糸分裂のキネシン機能の変動は、紡錘体の奇形または機能不全を引き起こし、頻繁に細胞周期の停止および細胞死を生じる。キネシンインヒビターは、PCT公開WO02/057244において開示されるような種々の方法を使用して同定され得る。例えば、キネシンインヒビターは、細胞周期分布、細胞生存度、形態、活性についてのアッセイを使用して、または紡錘体の形成をモニターすることによって同定され得る。
【0035】
細胞集団の細胞周期分布をモニターするための方法には、例えば、フローサイトメトリーが含まれる。キネシンインヒビターには、非限定的に、クロルプロマジン、モナステロール、テルペンドールE、HR22C16、およびSB715992が含まれる。他の有糸分裂のキネシンインヒビターは、Hopkins et al., Biochemistry 39: 2805, 2000、Hotha et al., Angew Chem. Inst. Ed. 42: 2379, 2003、PCT公開番号WO01/98278、WO02/057244、WO02/079169、WO02/057244、WO02/056880、WO03/050122、WO03/050064、WO03/049679、WO03/049678、WO03/049527、WO03/079973、およびWO03/039460;米国特許出願公開番号2002/0165240、2003/0008888、2003/0127621、および2002/0143026、ならびに米国特許第6,437,115、6,545,004、6,562,831、6,569,853、および6,630,479号において開示されている化合物である。
【0036】
「エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター」は、エンド-エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の酵素活性を(例えば、少なくとも10%、20%、30%、またはそれ以上)阻害する化合物を意味する。このようなインヒビターには、ペンタミジン、ペンタミジンアナログ、およびペンタミジン代謝物が含まれるがこれらに限定されない。
【0037】
「肝臓を再生するホスファターゼのインヒビター」は、チロシンホスファターゼの肝臓を再生するホスファターゼ(PRL)ファミリーのメンバーの酵素活性を(例えば、少なくとも10%、20%、30%、またはそれ以上)阻害する化合物を意味する。このファミリーのメンバーには、PRL-1、PRL-2、およびPRL-3を含むがこれらに限定されない。インヒビターには、ペンタミジン、ペンタミジンアナログ、およびペンタミジン代謝物が含まれるがこれらに限定されない。
【0038】
「タンパク質チロシンホスファターゼ1Bインヒビター」は、タンパク質ホスファターゼ1Bの酵素活性を(例えば、少なくとも10%、20%、30%、またはそれ以上)阻害する化合物を意味する。インヒビターには、ペンタミジン、ペンタミジンアナログ、およびペンタミジン代謝物が含まれるがこれらに限定されない。
【0039】
「ビス-ベンズイミダゾール化合物」は、式(II):

の化合物を意味し、ここでAは

より選択され、XおよびYの各々は、独立して、O、NR19、またはSであり;R14およびR19の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;R15、R16、R17、およびR18の各々は、独立して、H、ハロゲン、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、またはC1-7ヘテロアルキルであり;pは両端を含む2から6までの間の整数であり;mおよびnの各々は、独立して、両端を含む0から2までの間の整数であり;R10およびR11の各々は、

であり、R21およびR22の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;R20は、H、OH、またはアシルであり、またはR20およびR21は、共に、

を表し、R23、R24、およびR25の各々は、独立して、H、ハロゲン、トリフルオロメチル、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、またはC1-7ヘテロアルキルであり;R26、R27、R28、およびR29の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;R30は、H、ハロゲン、トリフルオロメチル、OCF3、NO2、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アルコキシ、アリールオキシ、またはC1-7ヘテロアルキルであり;R12およびR13の各々は、独立して、H、Cl、Br、OH、OCH3、OCF3、NO2、およびNH2であり、またはR12およびR13は、共に単結合を形成する。ビス-ベンズイミダゾール化合物には、ペンタミジン、プロパミジン、ブタミジン(butamidine)、ヘプタミジン(heptamidine)、ノナミジン(nonamidine)、スチルバミジン(stilbamidine)、ヒドロキシスチルバミジン(hydroxystilbamidine)、ジミナゼン(diminazene)、ベレニル(berenil)、ベンズアミジン(benzamidine)、フェナミジン(phenamidine)、ジブロムプロパミジン(dibrompropamidine)、1,3-ビス(4-アミジノ-2-メトキシフェノキシ)プロパン、フェナミジン、アミカーバリド(amicarbalide)、1,5-ビス(4'-(N-ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)ペンタン、1,3-ビス(4'-(N-ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)プロパン、1,3-ビス(2'-メトキシ-4'-(N-ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)プロパン、1,4-ビス(4'-(N-ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)ブタン、1,5-ビス(4'-(N-ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)ペンタン、1,4-ビス(4'-(N-ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)ブタン、1,3-ビス(4'-(4-ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)プロパン、1,3-ビス(2'-メトキシ-4'-(N-ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)プロパン、2,5-ビス[4-アミジノフェニル]フラン、2,5-ビス[4-アミジノフェニル]フラン-ビス-アミドキシム、2,5-ビス[4-アミジノフェニル]フラン-ビス-O-メチルアミドキシム、2,5-ビス[4-アミジノフェニル]フラン-ビス-O-エチルアミドキシム、2,5-ビス(4-アミジノフェニル)フラン-ビス-O-4-フルオロフェニル、2,5-ビス(4-アミジノフェニル)フラン-ビス-O-4-メトキシフェニル、2,4-ビス(4-アミジノフェニル)フラン、2,4-ビス(4-アミジノフェニル)フラン-ビス-O-メチルアミドキシム、2,4-ビス(4-アミジノフェニル)フラン-ビス-O-4-フルオロフェニル、2,4-ビス(4-アミジノフェニル)フラン-ビス-O-4-メトキシフェニル、2,5-ビス(4-アミジノフェニル)チオフェン、2,5-ビス(4-アミジノフェニル)チオフェン-ビス-O-メチルアミドキシム、2,4-ビス(4-アミジノフェニル)チオフェン、2,4-ビス(4-アミジノフェニル)チオフェン-ビス-O-メチルアミドキシム、2,8-ジアミジノジベンゾチオフェン、2,8-ビス(N-イソプロピルアミジノ)カルバゾール、2,8-ビス(N-ヒドロキシアミジノ)カルバゾール、2,8-ビス(2-イミダゾリニル)ジベンゾチオフェン、2,8-ビス(2-イミダゾリニル)-5,5-ジオキソジベンゾチオフェン、3,7-ジアミジノジベンゾチオフェン、3,7-ビス(N-イソプロピルアミジノ)ジベンゾチオフェン、3,7-ビス(N-ヒドロキシアミジノ)ジベンゾチオフェン、3,7-ジアミノジベンゾチオフェン、3,7-ジブロモジベンゾチオフェン、3,7-ジシアノジベンゾチオフェン、2,8-ジアミジノジベンゾフラン、2,8-ジ(2-イミダゾリニル)ジベンゾフラン、2,8-ジ(N-イソプロピルアミジノ)ジベンゾフラン、2,8-ジ(N-ヒドロキシアミジノ)ジベンゾフラン、3,7-ジ(2-イミダゾリニル)ジベンゾフラン、3,7-ジ(イソプロピルアミジノ)ジベンゾフラン、3,7-ジ(N-ヒドロキシアミジノ)ジベンゾフラン、2,8-ジシアノジベンゾフラン、4,4'-ジブロモ-2,2'-ジニトロビフェニル、2-メトキシ-2'-ニトロ-4,4'-ジブロモビフェニル、2-メトキシ-2'-アミノ-4,4'-ジブロモビフェニル、3,7-ジブロモジベンゾフラン、3,7-ジシアノジベンゾフラン、2,5-ビス(5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル)ピロール、2,5-ビス[5-(2-イミダゾリニル)-2-ベンズイミダゾリル]ピロール、2,6-ビス[5-(2-イミダゾリニル)-2-ベンズイミダゾリル]ピリジン、1-メチル-2,5-ビス(5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル)ピロール、1-メチル-2,5-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]ピロール、1-メチル-2,5-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]ピロール、1-メチル-2,5-ビス[5-(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)-2-ベンズイミダゾリル]ピロール、2,6-ビス(5-アミジノ-2-ベンズイミダゾイル)ピリジン、2,6-ビス[5-(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)-2-ベンズイミダゾリル]ピリジン、2,5-ビス(5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル)フラン、2,5-ビス-[5-(2-イミダゾリニル)-2-ベンズイミダゾリル]フラン、2,5-ビス-(5-N-イソプロピルアミジノ-2-ベンズイミダゾリル)フラン、2,5-ビス-(4-グアニルフェニル)フラン、2,5-ビス(4-グアニルフェニル)-3,4--ジメチルフラン、2,5-ビス{p-[2-(3,4,,5,6-テトラヒドロピリミジニル)フェニル]}フラン、2,5-ビス[4-(2-イミダゾリニル)フェニル]フラン、2,5[ビス-{4-(2-テトラヒドロピリミジニル)}フェニル]-3-(p-トリルオキシ)フラン、2,5[ビス{4-(2-イミダゾリニル)}フェニル]-3-(p-トリルオキシ)フラン、2,5-ビス{4-[5-(N-2-アミノエチルアミド)ベンズイミダゾール-2-イル]フェニル}フラン、2,5-ビス[4-(3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)フェニル]フラン、2,5-ビス[4-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン-2-イル)フェニル]フラン、2,5-ビス(4-N,N-ジメチルカルボキシヒドラジドフェニル)フラン、2,5-ビス{4-[2-(N-2-ヒドロキシエチル)イミダゾリニル]フェニル}フラン、2,5-ビス[4-(N-イソプロピルアミジノ)フェニル]フラン、2,5-ビス{4-[3-(ジメチルアミノプロピル)アミジノ]フェニル}フラン、2,5-ビス{4-[N-(3-アミノプロピル)アミジノ]フェニル}フラン、2,5-ビス[(2-イミダゾリニル)フェニル]-3,4-ビス(メトキシメチル)フラン、2,5-ビス[4-N-(ジメチルアミノエチル)グアニル]フェニルフラン、2,5-ビス{4-[(N-2-ヒドロキシエチル)グアニル]フェニル}フラン、2,5-ビス[4-N-(シクロプロピルグアニル)フェニル]フラン、2,5-ビス[4-(N,N-ジエチルアミノプロピル)グアニル]フェニルフラン、2,5-ビス-{4-[2-(N-エチルイミダゾリニル)]フェニル}フラン、2,5-ビス{4-[N-(3-ペンチルグアニル)]}フェニルフラン、2,5-ビス[4-(2-イミダゾリニル)フェニル]-3-メトキシフラン、2,5-ビス[4-(N-イソプロピルアミジノ)フェニル]-3-メチルフラン、ビス[5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル]メタン、ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]メタン、1,2-ビス[5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル]エタン、1,2-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]エタン、1,3-ビス[5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル]プロパン、1,3-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]プロパン、1,4-ビス[5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル]プロパン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]ブタン、1,8-ビス[5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル]オクタン、トランス-1,2-ビス[5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル]エタン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]-1-ブテン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]-2-ブテン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]-1-メチルブタン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]-2-エチルブタン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]-1-メチル-1-ブテン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]-2,3-ジエチル-2-ブテン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]-1,3-ブタジエン、1,4-ビス[5-(2-イミダゾリル)-2-ベンズイミダゾリル]-2-メチル-1,3-ブタジエン、ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]メタン、1,2-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]エタン、1,3-ビス[5-アミジノ-2-ベンズイミダゾリル]プロパン、1,3-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]プロパン、1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]ブタン、1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]-1-ブテン、1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]-2-ブテン、1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]-1-メチルブテン、1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]-2-エチルブタン、1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]-1-メチル-1-ブテン、1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]-2,3-ジエチル-2-ブテン、1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]-1,3-ブタジエン、および1,4-ビス[5-(2-ピリミジル)-2-ベンズイミダゾリル]-2-メチル-1,3-ブタジエン、2,4-ビス(4-グアニルフェニル)ピリミジン、2,4-ビス(4-イミダゾリン-2-イル)ピリミジン、2,4-ビス[(テトラヒドロピリミジニル-2-イル)フェニル]ピリミジン、2-(4-[N-i-プロピルグアニル]フェニル)-4-(2-メトキシ-4-[N-i-プロピルグアニル]フェニル)ピリミジン、4-(N-シクロペンチルアミジノ)-1,2-フェニレンジアミン、2,5-ビス-[2-(5-アミジノ)ベンズイミダゾイル]フラン、2,5-ビス[2-{5-(2-イミダゾリノ)}ベンズイミダゾイル]フラン、2,5-ビス[2-(5-N-イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]フラン、2,5-ビス[2-(5-N-シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]フラン、2,5-ビス[2-(5-アミジノ)ベンズイミダゾイル]ピロール、2,5-ビス[2-{5-(2-イミダゾリノ)}ベンズイミダゾイル]ピロール、2,5-ビス[2-(5-N-イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]ピロール、2,5-ビス[2-(5-N-シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]ピロール、1-メチル-2,5-ビス[2-(5-アミジノ)ベンズイミダゾイル]ピロール、2,5-ビス[2-{5-(2-イミダゾリノ)}ベンズイミダゾイル]-1-メチルピロール、2,5-ビス[2-(5-N-シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]-1-メチルピロール、2,5-ビス[2-(5-N-イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]チオフェン、2,6-ビス[2-{5-(2-イミダゾリノ)}ベンズイミダゾイル]ピリジン、2,6-ビス[2-(5-アミジノ)ベンズイミダゾイル]ピリジン、4,4'-ビス[2-(5-N-イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]-1,2-ジフェニルエタン、4,4'-ビス[2-(5-N-シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]-2,5-ジフェニルフラン、2,5-ビス[2-(5-アミジノ)ベンズイミダゾイル]ベンゾ[b]フラン、2,5-ビス[2-(5-N-シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]ベンゾ[b]フラン、2,7-ビス[2-(5-N-イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]フルオリン、2,5-ビス[4-(3-(N-モルホリノプロピル)カルバモイル)フェニル]フラン、2,5-ビス[4-(2-N,N-ジメチルアミノエチルカルバモイル)フェニル]フラン、2,5-ビス[4-(3-N,N-ジメチルアミノプロピルカルバモイル)フェニル]フラン、2,5-ビス[4-(3-N-メチル-3-N-フェニルアミノプロピルカルバモイル)フェニル]フラン、2,5-ビス[4-(3-N,N8,N11-トリメチルアミノプロピルカルバモイル)フェニル]フラン、2,5-ビス[3-アミジノフェニル]フラン、2,5-ビス[3-(N-イソプロピルアミジノ)アミジノフェニル]フラン、2,5-ビス[3[(N-(2-ジメチルアミノエチル)アミジノ]フェニルフラン、2,5-ビス[4-(N-2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5-ビス[4-(N-チオエチルカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5-ビス[4-(N-ベンジルオキシカルボニル)アミジノフェニ
ル]フラン、2,5-ビス[4-(N-フェノキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5-ビス[4-(N-(4-フルオロ)-フェノキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5-ビス[4-(N-(4-メトキシ)フェノキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5-ビス[4(1-アセトキシエトキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、および2,5-ビス[4-(N-(3-フルオロ)フェノキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、または任意の上記のものの塩が含まれる。ビス-ベンズイミダゾール化合物にはまた、ネトプシン(netropsin)、ジスタマイシン(distamycin)、ブレオマイシン、アクチノマイシン、ダウノルビシンなどの、ペンタミジンの機能的アナログが含まれる。ビス-ベンズイミダゾール化合物はさらに、米国特許第5,428,051; 5,521,189; 5,602,172; 5,643,935; 5,723,495; 5,843,980; 6,008,247; 6,025,398; 6,172,104; 6,214,883; および6,326,395号のいずれかに提供される式の範囲に入る任意の化合物、ならびに米国特許出願US2001/0044468 Al号およびUS2002/0019437 Al号のいずれかにおいて提供される式の範囲に入る任意の化合物を含む。ビス-ベンズイミダゾール化合物は、ペンタミジンアナログとして同定されるか、または米国特許第6,569,853号および米国特許出願公開第20040116407Al号において提供されるペンタミジンを含む式に範囲に入る任意の化合物を含む。
【0040】
本明細書中で使用される場合、「癌」または「新生物」または「新生物細胞」という用語は、異常な様式で増殖する細胞の集まりを意味する。癌の増殖は、制御できずかつ進行性であり、および誘発されない条件下で起こり、または正常細胞の増殖の休止を引き起こす。この用語はまた、もともとの増殖の部位(「原発性腫瘍または癌」)および他の組織、すなわち、原発性部位を越えた器官へのそれらの侵襲(「転移」)における新生物、癌、または新生物細胞を含む。
【0041】
「新生物の増殖を阻害する」とは、インビトロまたはインビボにおいて、新生物または新生物細胞の増殖速度を、測定可能に、遅くするか、停止させるか、または逆転させることを意味する。望ましくは、増殖速度を遅くすることは、細胞増殖速度の決定のための適切なアッセイ(例えば、本明細書中に記載される細胞増殖アッセイ)を使用して決定される場合に、少なくとも20%、30%、50%、または70%でさえである。代表的には、増殖速度の逆転は、新生物細胞におけるネクローシスまたはアポトーシスの細胞死のメカニズムを開始または加速することによって達成され、新生物の収縮を生じる。
【0042】
「有効量」とは、臨床的に関連する様式で新生物の細胞の増殖を治療または予防するために必要とされる、本発明の併用における化合物の量を意味する。新生物の治療的処置のために、本発明を実施するために使用される活性化合物の十分な量は、投与の様式、年齢、体重、および患者の一般的健康に依存して変化する。最終的には、薬剤師が適切な量および投薬プログラムを決定する。さらに、十分な量は、監督機関(例えば、米国食品医薬品局)によって決定および認可されたような、各々の薬剤単独に対して、新生物を有するか、または新生物のリスクがある患者の治療において安全かつ効力がある本発明の併用における化合物の量であり得る。
【0043】
「投与」または「投与する」という用語は、非限定的に、吸入、眼投与、鼻点滴注入、非経口的投与、真皮投与、経皮投与、口腔投与、直腸投与、舌下投与、舌周囲投与、鼻投与、局所的投与、および経口投与より選択される経路によって、本発明の組成物を与える方法をいう。非経口投与には、静脈内、腹腔内、皮下、および筋肉内の投与が含まれる。好ましい投与の方法は、種々の要因、例えば、薬学的組成物の成分、潜在的または実際の疾患の部位、および疾患の重篤度に依存して変化し得る。
【0044】
本発明の化合物の一般的説明において、置換基における特定の型の原子の数は、一般的に、一定の範囲、例えば、1〜7個の炭素原子を含むアルキル基、すなわちC1-7アルキルとして与えられる。このような範囲に対する言及は、特定の範囲内の原子の各々の整数を有する基に対する特定の言及を含むことが意図される。例えば、1〜7個の炭素原子のアルキル基は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、およびC7の各々を含む。C1-7ヘテロアルキルは、例えば、1個または複数のヘテロ原子に加えて、1〜6個の炭素原子を含む。他の数の原子および他の型の原子が、同様の様式で示されてもよい。
【0045】
本明細書で使用される場合、「アルキル」および接頭語「アルク-」という用語は、直鎖および分枝鎖の基と、環状基、すなわちシクロアルキル基との両方を含む。環状基は、単環式または多環式であり得、好ましくは、包括的に3〜6員環炭素原子を有する。例示的な環状基には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基が含まれる。アルキル基は、置換されてもよく、または置換されていなくてもよい。例示的な置換基には、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、四級アミノ基、ヒドロキシルキル基、カルボキシルアルキル基、およびカルボキシル基が含まれる。例示的なアルキルには、非限定的に、以下が含まれる:メチル;エチル;n-プロピル;イソプロピル;シクロプロピル;シクロプロピルメチル;シクロプロピルエチル;n-ブチル;イソ-ブチル;sec-ブチル;tert-ブチル;シクロブチル;シクロブチルメチル;シクロブチルエチル;n-ペンチル;シクロペンチル;シクロペンチルメチル;シクロペンチルエチル;1-メチルブチル;2-メチルブチル;3-メチルブチル;2,2-ジメチルプロピル;1-エチルプロピル;1,1-ジメチルプロピル;1,2-ジメチルプロピル;1-メチルペンチル;2-メチルペンチル;3-メチルペンチル;4-メチルペンチル;1,1-ジメチルブチル;1,2-ジメチルブチル;1,3-ジメチルブチル;2,2-ジメチルブチル;2,3-ジメチルブチル;3,3-ジメチルブチル;1-エチルブチル;2-エチルブチル;1,1,2-トリメチルプロピル;1,2,2-トリメチルプロピル;1-エチル-1-メチルプロピル;1-エチル-2-メチルプロピル;およびシクロヘキシル。
【0046】
「アルケニル」は、1つまたは複数の二重結合を含む分枝状または分枝状でない炭化水素基を意味する。アルケニルは、単環または多環を任意で含んでもよく、ここでは、望ましくは、各々の環が3〜6個のメンバーを有する。アルケニル基は、置換されてもよく、または置換されなくてもよい。例示的な置換基には、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、およびカルボキシル基が含まれる。例示的なアルケニルには、非限定的に、以下が含まれる:ビニル;アリル;2-シクロプロピル-1-エテニル;1-プロペニル;1-ブテニル;2-ブテニル;3-ブテニル;2-メチル-1-プロペニル;2-メチル-2-プロペニル;1-ペンテニル;2-ペンテニル;3-ペンテニル;4-ペンテニル;3-メチル-1-ブテニル;3-メチル-2-ブテニル;3-メチル-3-ブテニル;2-メチル-1-ブテニル;2-メチル-2-ブテニル;2-メチル-3-ブテニル;2-エチル-2-プロペニル;1-メチル-1-ブテニル;1-メチル-2-ブテニル;1-メチル-3-ブテニル;2-メチル-2-ペンテニル;3-メチル-2-ペンテニル;4-メチル-2-ペンテニル;2-メチル-3-ペンテニル;3-メチル-3-ペンテニル;4-メチル-3-ペンテニル;2-メチル-4-ペンテニル;3-メチル-4-ペンテニル;1,2-ジメチル-1-プロペニル;1,2-ジメチル-1-ブテニル;1,3-ジメチル-1-ブテニル;1,2-ジメチル-2-ブテニル;1,1-ジメチル-2-ブテニル;2,3-ジメチル-2-ブテニル;2,3-ジメチル-3-ブテニル;1,3-ジメチル-3-ブテニル;1,1-ジメチル-3-ブテニル、および2,2-ジメチル-3-ブテニル。
【0047】
「アルキニル」は、1つまたは複数の三重結合を含む分枝状または分枝状でない炭化水素基を意味する。アルキニルは、単環、二環、または三環を任意で含んでもよく、ここでは、望ましくは、各々の環が5〜6個のメンバーを有する。アルキニル基は、置換されてもよく、または置換されなくてもよい。例示的な置換基には、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、およびカルボキシル基が含まれる。例示的なアルキニルには、非限定的に、以下が含まれる:エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、5-ヘキセン-1-イニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル;1-メチル-2-プロピニル;1-メチル-2-ブチニル;1-メチル-3-ブチニル;2-メチル-3-ブチニル;1,2-ジメチル-3-ブチニル;2,2-ジメチル-3-ブチニル;1-メチル-2-ペンチニル;2-メチル-3-ペンチニル;1-メチル-4-ペンチニル;2-メチル-4-ペンチニル;および3-メチル-4-ペンチニル。
【0048】
「C2-6ヘテロシクリル」は、安定な5〜7員環の単環式または7〜14員環の二環式複素環を意味し、これは、飽和、部分的に不飽和、または不飽和(芳香族)であり、2〜6個の炭素原子ならびにN、O、およびSからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子からなり、かつ上記に定義された任意の複素環がベンゼン環に融合されている任意の二環基を含む。ヘテロシクリル基は、置換されてもよく、または置換されなくてもよい。例示的な置換基には、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、およびカルボキシル基が含まれる。窒素ヘテロ原子および硫黄ヘテロ原子は、任意で酸化されてもよい。ヘテロ環は、安定な構造を生じる任意のヘテロ原子または炭素原子を介して共有結合されてもよく、例えば、イミダゾリニル環は、環の炭素原子の位置または窒素原子の位置のいずれかで連結されてもよい。ヘテロ環における窒素原子は、任意で四級化されてもよい。好ましくは、ヘテロ環中のS原子またはO原子の総数が1を超える場合には、これらのヘテロ原子は、互いに隣接しない。ヘテロ環には、非限定的に、以下が含まれる:1H-インダゾール、2-ピロリドニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、2H-ピロリル、3H-インドリル、4-ピペリドニル、4aH-カルバゾール、4H-キノリジニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキザゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダザロニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、b-カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニルペルイミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、キサンテニル。好ましい5〜10員環複素環には、以下が含まれるがこれらに限定されない:ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、1H-インダゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、オキシインドリル、ベンズオキサゾリニル、キノリニル、およびイソキノリニル。好ましい5〜6員環ヘテロ環には、非限定的に以下が含まれる:ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、およびテトラゾリル。
【0049】
「C6-12アリール」は、共役π電子を有する炭素原子から構成される環系を有する芳香族基(例えば、フェニル)を意味する。アリール基は、6〜12個の炭素原子を有する。アリール基は、任意で、単環、二環、または三環を含んでもよく、ここで、各環は、望ましくは、5個または6個のメンバーを有する。アリール基は、置換されてもよいし、置換されなくてもよい。例示的な置換基には、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン基、フルオロアルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、一置換アミノ基、二置換アミノ基、および四級アミノ基が含まれる。
【0050】
「C7-14アルカリル」は、7〜14個の炭素原子を有する、アリール基によって置換されたアルキル(例えば、ベンジル、フェネチル、または3,4-ジクロロフェネチル)を意味する。
【0051】
「C3-10アルクヘテロシクリル」は、1つまたは複数のヘテロ原子に加えて、7〜14個の炭素原子を有するアルキル置換ヘテロ環基(例えば、3-フラニルメチル、2-フラニルメチル、3-テトラヒドロフラニルメチル、または2-テトラヒドロフラニルメチル)を意味する。
【0052】
「ヘテロアルキル」は、N、O、S、およびPからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子に加えて、一定の数の炭素原子、例えば、1〜7個の炭素原子を有する、分枝状または分枝状でないアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を意味する。ヘテロアルキルには、非限定的に、以下が含まれる:三級アミン、二級アミン、エーテル、チオエーテル、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、ヒドラゾン、イミン、ホスホジエステル、ホスホルアミデート、スルホンアミド、およびジスルフィド。ヘテロアルキルは、任意で、単環、二環、または三環を含んでもよく、ここで各環は、望ましくは、3〜6個のメンバーを有する。ヘテロアルキル基は、置換されてもよく、または置換されなくてもよい。例示的な置換基には、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、ペルフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、およびカルボキシル基が含まれる。
【0053】
「アシル」は、式R-C(O)-を有する化学部分を意味し、ここで、Rは、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルより選択される。
【0054】
「ハロゲン」は、臭素、塩素、ヨウ素、またはフッ素を意味する。
【0055】
「フルオロアルキル」は、フッ素で置換されたアルキル基を意味する。
【0056】
「ペルフルオロアルキル」は、炭素原子およびフッ素原子のみからなるアルキル基を意味する。
【0057】
「カルボキシアルキル」は、式-(R)-COOHを有する化学部分を意味し、ここで、Rは、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルより選択される。
【0058】
「ヒドロキシアルキル」は、式-(R)-OHを有する化学部分を意味し、ここで、Rは、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルより選択される。
【0059】
「アルコキシ」は、式-ORの化学置換基を意味し、ここで、Rは、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルより選択される。
【0060】
「アリールオキシ」は、式-ORの化学置換基を意味し、ここで、RはC6-12アリールである。
【0061】
「アルキルチオ」は、式-SRの化学置換基を意味し、ここで、Rは、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、またはC1-7ヘテロアルキルより選択される。
【0062】
「アリールチオ」は、式-SRの化学置換基を意味し、ここで、RはC6-12アリールである。
【0063】
「四級アミノ」は、式-(R)-N(R')(R'')(R''')+の化学置換基を意味し、ここで、R、R'、R''、およびR'''は、各々独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基である。Rは、置換基として、別の部分に四級アミノ窒素原子を連結するアルキル基であってもよい。窒素原子Nは、アルキル基および/またはアリール基の4個の炭素原子に共有結合され、その窒素原子において正電荷を生じる。
【0064】
本発明において有用である化合物は、それらの任意の薬学的に許容される型である、本明細書に記載されるものを含み、そのジアステレオマーおよびエナンチオマーなどの異性体、塩、溶媒和化合物、および多形体、ならびに本明細書に記載の化合物のラセミ混合物を含む。
【0065】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から、および特許請求の範囲から明らかである。
【0066】
詳細な説明
本発明者らは、キネシンインヒビターおよびグループAの抗増殖性薬剤の併用が、いずれかの薬剤単独の投与を超える新生物に対する改善された抗増殖性活性を生じることを発見した。クロルプロマジンなどの、フェノチアジンクラスのキネシンインヒビターは、抗精神病薬として使用される。フェノチアジンは、それらの抗精神病効果および制吐効果を、それぞれ、脳の中脳辺縁系および脊髄の化学レセプタートリガー帯領域における中心的なドーパミン作動性経路の妨害を介して誘発すると考えられている。クロルプロマジンの構造的および機能的なアナログが公知であり、クロルプロマジンと、そのアナログおよび代謝物との間で共有されている公知の特性に基づいて、任意のこれらのアナログまたは代謝物が、本発明の抗増殖性の併用においてクロルプロマジンの代わりに置換され得る。
【0067】
フェノチアジン
本発明の抗増殖性の併用において有用であるフェノチアジンは、非限定的に、上記の構造式(I)に記載される化合物、例えば、アセプロマジン、シアメマジン、フルフェナジン、メパジン、メトトリメプラジン、メトキシプロマジン、ペラジン、ペリシアジン、ペリメタジン、ペルフェナジン、ピパマジン、ピパゼセート、ピペラセタジン、ピポチアジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、プロピオニルプロマジン、プロピオマジン、スルホリダジン、チアジナミニウム塩(thiazinaminiumsalt)、チエチルペラジン、チオプロパゼート、チオリダジン、トリフルオペラジン、トリメプラジン、チオプロペラジン、トリフルオメプラジン、トリフルオプロマジン、クロルプロマジン、クロルプロエタジン、PCT公開WO02/0572444における化合物、ならびに

における化合物であり、これらの各々は、参照により本明細書に組み入れられる。抗増殖性特性を有する構造的に関連するフェノチアジンもまた、このグループに含まれることが意図される。
【0068】
フェノチアジン化合物は、上記の式(I)によって記載される。
【0069】
フェノチアジンファミリーで最も一般的に処方されるメンバーはクロルプロマジンであり、これは以下の構造:

を有する。
【0070】
クロルプロマジンは、現在、以下の形態で利用可能である:錠剤、カプセル、坐剤、経口濃縮物およびシロップ、ならびに注射のための処方物。
【0071】
クロルプロマジンアナログと見なされるフェノチアジンには、フルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、チオリダジン、およびトリフロペラジンが含まれる。これらの多くはクロルプロマジンと抗精神病活性または抗嘔吐活性を共有する。参照により本明細書に組み入れられる、PCT公開第WO02/057244号における化合物もまた、クロルプロマジンアナログとして含まれる。
【0072】
フェノチアジンはまた、プロテインキナーゼCの活性を阻害することが知られている。プロテインキナーゼCは、多数のホルモンの効果を媒介し、細胞調節および発癌の多くの局面に関与する(Castagnaら、J. Biol. Chem. 1982, 257:7847-51)。この酵素はまた、癌の化学療法剤に対する特定の型の耐性において役割を果たすと考えられている。クロルプロマジンは、インビトロ(Aftabら、Mol. Pharmacology, 1991, 40:798-805)とインビボ(Dwivediら、J. Pharm. Exp. Ther., 1999, 291:688-704)の両方で、プロテインキナーゼCの阻害について研究されてきた。フェノチアジンはまた、カルモジュリンインヒビターおよび有糸分裂のキネシンインヒビターとして知られており、それらの良好なものは、分裂している細胞における紡錘体および染色体の動きを調節する。
【0073】
クロルプロマジンはまた、強力なαアドレナリン作動性ブロッキング活性を有し、および起立性低血圧を引き起こし得る。クロルプロマジンはまた、時折の口渇、視力障害、尿貯留、および便秘として認められるような中程度の抗コリン作動性活性を有する。クロルプロマジンは、下垂体および視床下部におけるそのドーパミン受容体ブロッキング作用が原因であるプロラクチン分泌を増加させる。
【0074】
クロルプロマジンは、胃腸管から容易に吸収される。その生物学的利用能は、肝臓による顕著な最初の通過代謝に起因して、変動する。液体濃縮物は錠剤よりもより大きな生物学的利用能を有し得る。継続して生物学的利用能に影響を与えるための食物は出現していない。筋肉内投与は、最初の通過効果の大部分を回避し、より高い血漿濃度が達成される。筋肉内投与の後の作用の発症は、通常、15〜30分間であり、経口投与後では30〜60分間である。直腸投与されたクロルプロマジンは、通常、経口投与されたクロルプロマジンよりもより長く作用する。
【0075】
クロルプロマジン代謝産物
クロルプロマジンは、治療的に活性であり得る多数の代謝産物への、広範な代謝的変換を受けるので、これらの代謝産物は、本発明の抗増殖剤の併用においてクロルプロマジンから置換され得る。クロルプロマジンの代謝は、例えば、対応する一級アミンおよび二級アミンを生じる酸化的N-脱メチル化、フェノールを生じる芳香族の酸化、N-オキシドを生じるN-酸化、スルホキシドまたはスルホンを生じるS-酸化、フェノチアジン核を生じるアミノプロピル側鎖の酸化的脱アミノ化、ならびに四級アンモニウムグルクロニドを生じるフェノール性水酸基および三級アミノ基のグルクロン酸抱合を生じる。
【0076】
本発明の抗増殖剤の併用において有用なクロルプロマジン代謝産物の他の例において、フェノチアジンの3位、7位、および8位の各々は、独立して、ヒドロキシル部分またはメトキシル部分で置換され得る。
【0077】
治療
本発明の併用は、新生物の治療のために有用である。治療は、単独で、または別の治療(例えば、外科手術、放射線療法、免疫療法、または遺伝子治療)と併用して実行され得る。さらに、新生物を発生するより大きなリスクを有するヒト(例えば、遺伝的な素因を有するヒト、または以前に新生物を有していたヒト)は、新生物形成を阻害または遅延させるために予防的処置を受容してもよい。併用療法の期間は、治療される疾患または障害の型、患者の年齢および状態、患者の疾患の段階および型、ならびに患者が治療にどの程度応答するかに依存する。治療は、患者の身体が、まだ予見されない何らかの副作用から回復する機会を有するように、休止期間を含む断続的(on-and-off)サイクルで与えられてもよい。
【0078】
本発明の方法および組成物を用いて治療されうる癌および他の新生物の例には、以下が含まれ得るがこれらに限定されない:白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキン病)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、ならびに肉腫および腫瘍のような固形腫瘍(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨形成性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原生癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫、子宮頚癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫)。
【0079】
併用治療は、化学療法が行われる場所であればどこでも:自宅で、医院で、診療所で、病院の外来患者部門で、または病院で提供され得る。医師が治療の効果を密接に観察可能なように、および必要とされる任意の適合を作製可能なように、治療は一般的に病院で開始される。併用治療の期間は、治療される疾患または状態の型、患者の年齢および状態、患者の疾患の段階および型、ならびに患者が治療にどの程度応答するかに依存する。併用治療は、患者の身体が、健常な新規な細胞を構築し、かつその強度を回復する機会を有するように、休止期間を含む断続的(on-and-off)サイクルで与えられ得る。
【0080】
癌の型およびその発症の段階に依存して、併用治療は、癌を治療するため、癌の伝播を遅延させるため、癌の増殖を遅延させるため、原発性腫瘍から身体の他の部分に伝播したかもしれない癌細胞を殺傷または静止させるため、癌によって引き起こされた徴候を軽減するため、または最初の場所における癌を予防するために使用され得る。併用治療はまた、痛みまたは不快感を引き起こす癌細胞を抹殺することによって、ヒトがより快適に生きることを手助けし得る。
【0081】
例えば、非小細胞癌腫または結腸腺癌に罹患している患者は、クロルプロマジンおよびグループA抗増殖性薬剤の併用によって治療され得る。抗増殖性薬剤の選択は、担当医によって決定され得る。従って、医師は、有糸分裂阻害剤が必要であることを決定し得、およびグループAに列挙された薬物を参照することによって、有糸分裂阻害剤の見出しの下に列挙されている薬剤の任意の1つ、より詳細には微小管結合安定化剤(例えば、ドセタキセル)を決定する。医師はさらに、治療される癌の段階および型に依存して特定の薬物を選択し得る。転移性癌については、クロルプロマジンと併用て使用される薬物の選択は、メタロプロテイナーゼインヒビター(例えば、ネオバスタット)であり得る。医師は、彼/彼女の裁量で、表1をさらに参照し得、さらに付加的な薬物を処方し得る。さらなる薬物は、新生物の増殖を停止させる際に補助するか、または患者の苦しみを最大限軽減する、別の有糸分裂阻害剤(例えば、ビンブラスチン)、または機構的経路インヒビターより選択される薬物(例えば、チロシンキナーゼインヒビター、例えば、チロホスチン)であり得る。
【0082】
本発明の併用投与は、各化合物のより少ない用量の投与を可能にし、いずれかの化合物単独の投与と比較して、同様の効力およびより少ない毒性を提供する。代替として、このような併用は、新生物を治療する際に、単一の薬剤のみよりも、中程度または高い用量において、同様のまたは減少した毒性を伴って、改善された効力を生じる。
【0083】
薬学的組成物の処方
併用療法の各化合物の投与は、他の成分と併用した場合に、標的領域に到達する際に抗新生物性である化合物の濃度を生じる任意の適切な手段であり得る。化合物は、任意の適切なキャリア物質中に任意の適切な量で含まれ得、一般的には、組成物の全体重量の1-95%(重量で)の量で存在する。この組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、筋肉内)、直腸、皮膚(cutaneous)、鼻、膣、吸入、皮膚(skin)(パッチ)、または眼の投与経路のために適切な投薬形態で提供され得る。従って、この組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸薬、散剤、顆粒剤、懸濁物、乳化物、溶液、ヒドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、プラスター、飲薬、浸透圧性送達デバイス、坐剤、浣腸、注射剤、移植片、スプレー剤、またはエアロゾルの形態であり得る。この薬学的組成物は、従来的な薬学的実務に従って処方され得る(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版、2000、A. R. Gennaro編、Lippincott Williams & Wilkins, PhiladelphiaおよびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、J. SwarbrickおよびJ. C. Boylan編、1988-1999、Marcel Dekker, New Yorkを参照されたい)。
【0084】
併用の各化合物は、当技術分野において公知である種々の方法で製剤化され得る。例えば、第1の薬剤および第2の薬剤は、共にまたは別々に製剤化され得る。望ましくは、第1の薬剤および第2の薬剤は、薬剤の投与と同時に、または薬剤の投与とほぼ同時に共に処方される。このような同時製剤化組成物は、同じ丸薬、カプセル、液体などの中に共に製剤化されたフェノチアジンおよび抗増殖性薬剤を含み得る。
【0085】
制御放出製剤中の各化合物の投与は、式(I)に化合物または抗増殖性薬剤が、(i)狭い治療指数を有する(例えば、有害な副作用または毒性反応をもたらす血漿濃度と、治療効果をもたらす血漿濃度との間の差が小さい;一般的に、治療指数TIは、メジアン有効用量(ED50)に対するメジアン致死用量(LD50)の比率として定義される)場合;(ii)胃腸管における狭い吸収ウィンドウを有する場合;(iii)短い生物学的半減期を有する場合;または(iv)各成分の薬物動態学的プロフィールが、治療的に有効である各薬剤の量に対して、共に、新生物の曝露を最大化するように修飾されなければならない場合に有用である。従って、持続放出製剤は、治療レベルにある両方の薬剤の血漿レベルを持続するために必要であり得る頻繁な投薬を回避するために使用され得る。
【0086】
多くのストラテジーが、放出の速度が治療剤の代謝の速度を上回る制御放出を得るために追求され得る。例えば、制御放出は、製剤化パラメーターおよび成分(例えば、適切な制御放出組成物およびコーティング)の適切な選択のためによって得られ得る。例としては、単回または複数回単位錠剤またはカプセル組成物、オイル溶液、懸濁物、乳化物、マイクロカプセル、ミクロスフェア、ナノ粒子、パッチ、およびリポソームが含まれる。制御放出機構は、式(I)の化合物が最初に放出され、続いてグループA抗増殖性薬剤が放出されるようなものであり得る。この放出機構はまた、2つの薬物が一定の間隔で放出されるように制御され得、この放出は、同時であるか、または特定の薬物が他方よりも好ましい場合に、一方が遅延した放出であり得る。
【0087】
制御放出製剤は、薬剤の生物吸収、半減期、または生物分解を改変する、分解可能なまたは分解可能でない、ポリマー、ハイドロゲル、オルガノゲル、または他の物質的構築物を含んでもよい。制御放出製剤は、内部的または外部的のいずれかで、罹患した部位に塗布されたか、またはさもなくば適用された物質であり得る。1つの例において、本発明は、腫瘍の外科的切除によって作製されたポケットに挿入されるか、または腫瘍それ自体に直接的に挿入される、生物分解可能なボーラスまたは移植物を提供する。別の例において、制御放出製剤は、基底細胞癌または扁平上皮癌に適用され得る。なお別の例において、米国特許第5,626,863号に記載されるものなどのハイドロゲルが、本発明の組成物の制御放出製剤において使用され得る。
【0088】
これらのポリマーは、適切なモノマー、調製の方法、および分子量を選択することによって、所望の速度で、および所望の反応速度論を有して分解するように調製され得る。モノマーの結晶化度の違いは、ポリマーの分解速度を変化させ得る。多くのポリマーの比較的疎水性の性質に起因して、実際の重量の損失は、水溶性であるために十分に小さなオリゴマー性フラグメントとともに開始し得;従って、最初の分子量でさえが、分解速度に影響を与え得る。
【0089】
個々にまたは別々に製剤化された薬剤は、キット中に共にパッケージされ得る。非限定的な例には、とりわけ、例えば、2つの丸薬、1つの丸薬および1つの散剤、1つの坐剤およびバイアル中の1つの液体、2つの局所用クリームを含むキットが含まれる。キットは、患者への単位用量の投与において補助する任意の成分、例えば、とりわけ、再構築する粉末型のためのバイアル、注射のためのシリンジ、特製静脈送達システム、吸入器を含み得る。さらに、単位用量キットは、組成物の調製および投与のための指示書を含み得る。このキットは、1人の患者のための単回使用単位用量として、特定の患者のための複数使用として(一定の用量で、または個々の化合物が、治療が進行するに従って効力が変化し得る場合)製造されてもよく;このキットは、複数の患者への投与のために適切である複数用量を含んでもよい(「バルクパッケージング」)。キット成分は、カートン、ブリスターパック、ボトル、チューブなどで組み立てられてもよい。
【0090】
投薬量
特許請求の範囲の併用の各化合物または薬剤の投薬量は、投与の方法、治療される新生物、新生物の重篤さ、新生物が治療されるかまたは予防されるかのいずれであるか、ならびに治療される患者の人種、性別、年齢、体重、新生物の部位、および健康状態を含むいくつかの要因に依存する。
【0091】
本発明の抗増殖性薬剤は、通常、単独療法としてそれを送達するために有効であることが知られている同じ投与の経路によって与えられる。本発明の方法に従って、キネシンインヒビターまたは式(I)の化合物との併用治療において使用される場合、抗増殖性薬剤は、Physician's Desk Reference、第57版(2003)によって推奨される投薬量で、または単独療法的使用のために推奨されるものより少ない量および頻度で投与され得る。
【0092】
クロルプロマジンの投薬量
クロルプロマジンについては、経口投薬量は、通常、1日〜1年の間、毎日1回〜4回、投与される用量あたり約0.1mg〜300mg(好ましくは約1mg〜100mg)であり、および患者の生涯にわたって投与され得る。投与はまた、クロルプロマジンが投与されない時間の期間が存在するように、サイクルで与えられてもよい。この期間は、例えば、約1日、1週間、1ヶ月、または1年間、またはそれ以上であり得る。
【0093】
クロルプロマジンの直腸投薬量は、経口投与されるクロルプロマジンについて記載されたものと同様である。
【0094】
クロルプロマジンの静脈内投与または筋肉内投与のために、約0.05mg/kg〜約20mg/kgの1日の用量が推奨され、約0.05mg/kg〜約10mg/kgの用量が好ましく、および約0.1mg/kg〜約4mg/kgの用量が最も好ましい。静脈内投与または筋肉内投与は、通常、約6〜12ヶ月以上まで毎日である。1〜3時間の時間にわたって化合物を投与することが望ましくあり得る;この時間は、24時間またはそれ以上まで延長され得る。経口投与のために記載されるように、その間に少なくとも1つの薬物が投与されない、約1日〜約1年またはそれより長い期間が存在し得る。
【0095】
吸入のために、クロルプロマジンは、約1mg〜1000mgの用量で、好ましくは、2mg〜600mgの用量で、毎日投与される。
【0096】
クロルプロマジンの局所的投与のために、1週間〜12ヶ月の間、毎日、1回〜10回、約1mg〜約5gの用量が通常好ましい。
【0097】
以下の実施例は、当業者に、本明細書において特許請求される方法および化合物が、いかにして実行、作製、および評価されるかの完全な開示および説明を提供するために記載され、純粋に本明細書の例示であることが意図されるものであって、本発明者らが、本発明者らの発明とみなしているものの範囲を限定することを意図しない。
【0098】
実施例
腫瘍細胞培養
ヒト非小細胞肺癌細胞A549(ATCC#CCL-185)またはHCT116(ATCC#CCL-247)結腸腺癌細胞は、10%FBS、2mMグルタミン、1%ペニシリン、および1%ストレプトマイシンを補充したRPMI 1640中で、37±0.5℃および5%CO2で増殖させた。
【0099】
試験化合物
クロルプロマジン、ダカルバジン、ビンブラスチン、ヒドロキシカンプトテシン、ロイコボリン、およびパクリタキセルはSigma Chemical Co.(St. Louis, MO)から入手した。ドセタキセルおよびビノレルビンは、Sequoia, Research Products, Inc., Oxford UKから入手した。フロクスウリジンは、MicroSource Discovery Systems, Inc. Gaylordsville, CTから入手した、チロホスチンAG1478は、Biomol, Plymouth Meeting, PAから入手した。
【0100】
各化合物のストック溶液(1000×)はDMSO中で調製し、-20℃で保存した。個々の化合物の2倍または4倍の段階希釈のマスターストックプレートは384ウェルプレート中で調製した。試験化合物の併用マトリックスは、上記の増殖培地への希釈によってこれらのマスターストックプレートから生成した。
【0101】
併用マトリックス中の試験化合物の最終濃度は、アッセイにおいて使用されるものよりも10倍高かった。これらの併用マトリックスはすぐに使用し、そして廃棄した。
【0102】
抗増殖アッセイ
抗増殖アッセイを384ウェルプレートにおいて実行した。腫瘍細胞を、0.25%トリプシンの溶液を使用して、培養フラスコから遊離させた。細胞を、1500個の細胞が40μLの培地中で、各アッセイウェルに送達されるように、培養培地中で希釈した。アッセイプレートを、16〜24時間、37℃±0.5℃で、5%CO2でインキュベートした。併用マトリックスからのの10×ストック溶液(4.5μL)を、アッセイウェル中の40μLの培養培地に加えた。アッセイプレートを、72〜80時間、37℃±0.5℃で、5%CO2でインキュベートした。37℃±0.5℃に温めた40マイクロリットルの105%Alamar Blueを、インキュベート時間後に各アッセイウェルに加えた。Alamar Blue代謝を、付加の3.5〜5.0時間後に蛍光強度の量によって定量した。LJL Analyst ADリーダー(LJL Biosystems)を使用して、定量を、高減衰(high attenuation)、100msec読み取り時間、530nmの励起フィルター、および575nmの発光フィルターを用いてウェルの中央において行った。ある実験については、定量を、Wallac Victor2リーダーを使用して実行した。測定を、安定化エネルギーランプ対照;100msec読み取り時間、530nm励起フィルター、および590nm発光フィルターを用いてウェルの上端において行った。プレートリーダー間で有意な差異は測定されなかった。
【0103】
各ウェルについての阻害パーセント(%I)を以下の式を使用して計算した:
%I=[(平均未処理ウェル−処理ウェル)]/(平均未処理ウェル)]×100
平均未処理ウェル値(平均未処理ウェル)は、ビヒクル単独で処理した同じアッセイプレートからの、プレート形式に依存して32〜90ウェルの算術平均である。負の阻害値は、未処理ウェルと比較した場合の処理ウェルにおける局所的バリエーションから生じる。
【0104】
実施例1:HCT116結腸腺癌細胞に対するクロルプロマジンおよびダカルバジンの抗増殖性活性
増殖の阻害を、以下に記載するように試験化合物との72時間のインキュベーション後に抗増殖性アッセイによって測定した。種々の濃度のクロルプロマジンおよびダカルバジンの併用の効果を、対照ウェル(HCT116細胞を播種したが、ビヒクルとはインキュベートしていない)と比較した。
【0105】
この実験の結果を表2に示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す。
【0106】
(表2)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0107】
実施例2:HCT116細胞に対するクロルプロマジンおよびフロクスウリジンの抗増殖性活性
表3は、クロルプロマジン、フロクスウリジン、またはクロルプロマジンおよびフロクスウリジンの併用を用いて処理したHCT116細胞を使用する抗増殖性アッセイの結果を示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す。
【0108】
(表3)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0109】
実施例3:ヒトHCT116細胞に対するクロルプロマジンおよびチロホスチン1486の抗増殖性活性
表4は、クロルプロマジン、チロホスチン、またはクロルプロマジンおよびチロホスチンの併用を用いて処理したHCT116細胞を使用する抗増殖性アッセイの結果を示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す。
【0110】
(表4)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0111】
実施例4:HCT116細胞に対するクロルプロマジンおよびビンブラスチンの抗増殖性活性
表5は、クロルプロマジン、ビンブラスチン、またはクロルプロマジンおよびビンブラスチンの併用を用いて処理したHCT116細胞を使用する抗増殖性アッセイの結果を示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す。
【0112】
(表5)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0113】
実施例5:HCT116細胞に対するクロルプロマジンおよびビノレルビンの抗増殖性活性
表6は、クロルプロマジン、ビノレルビン、またはクロルプロマジンおよびビノレルビンの併用を用いて処理したHCT116細胞を使用する抗増殖性アッセイの結果を示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す。
【0114】
(表6)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0115】
実施例6:HCT116細胞に対するクロルプロマジンおよびヒドロキシカンプトテシンの抗増殖性活性
HCT116細胞増殖に対するクロルプロマジンおよびヒドロキシカンプトテシンの併用の結果を表7に示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す。
【0116】
(表7)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0117】
実施例7:HCT116細胞に対するクロルプロマジンおよびロイコボリンの抗増殖性活性
HCT116細胞増殖に対するクロルプロマジンおよびロイコボリンの併用の結果を表8に示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す。
【0118】
(表8)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0119】
実施例8:HCT116細胞に対するクロルプロマジンおよびパクリタキセルの抗増殖性活性
表9は、クロルプロマジン、パクリタキセル、またはクロルプロマジンおよびパクリタキセルの併用を用いて処理したHCT116細胞を使用する抗増殖性アッセイの結果を示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す
【0120】
(表9)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0121】
実施例9:HCT116細胞に対するクロルプロマジンおよびドセタキセルの抗増殖性活性
表10は、クロルプロマジン、ドセタキセル、またはクロルプロマジンおよびドセタキセルの併用を用いて処理したHCT116細胞を使用する抗増殖性アッセイの結果を示す。単独でまたは併用したこれらの薬剤の効果を、細胞増殖の阻害パーセントとして示す
【0122】
(表10)HCT116細胞におけるAlamar Blue代謝の阻害パーセント

【0123】
実施例10:他の細胞株における抗増殖性活性
本発明において使用した腫瘍細胞株を用いて実証された抗増殖性効果は、以下の細胞株:NSC肺癌、MCF7乳腺癌、PA-1卵巣奇形癌、HT29結腸直腸腺癌、H1299大細胞癌、U-2 OS骨原性肉腫、U-373 MG神経膠芽腫、Hep-3B肝細胞癌、BT-549乳癌、T-24膀胱癌、C-33A子宮頚癌、HT-3転移性子宮頚癌、SiHa扁平上皮子宮頚癌、CaSki類表皮子宮頚癌、NCI-H292粘膜表皮肺癌、NCI-2030、非小細胞肺癌、HeLa、上皮子宮頚腺癌、KB上皮口腔癌、HT1080上皮線維肉腫、Saos-2上皮骨原性肉腫、PC3上皮前立腺腺癌、SW480結腸直腸癌、CCL-228、MS-751類表皮子宮頚癌、LOX IMVI黒色腫、MALME-3M黒色腫、M14黒色腫、SK-MEL-2黒色腫、SK-MEL-28黒色腫、SK-MEL-5黒色腫、UACC-257黒色腫、およびUACC-62黒色腫などの他の癌細胞株を使用して同様に実証されることが可能である。特異性は、対照細胞として、NHLF肺線維芽細胞、NHDF真皮線維芽細胞、HMEC乳房上皮細胞、PrEC前立腺上皮細胞、HRE腎臓上皮細胞、NHBE気管支上皮細胞、CoSmC結腸平滑筋細胞、CoEC結腸内皮細胞、NHEK上皮ケラチノサイト、および骨髄細胞などの細胞を使用することによって試験されることが可能である。
【0124】
他の態様
本明細書中に引用されるすべての刊行物および特許は、あたかも各々の個々の刊行物または特許が参照として組み入れられることが詳細にかつ個別に示されるように、参照として本明細書に組み入れられる。上記の発明は理解の明確化の目的のために例証および実例によっていくぶん詳細に記載されてきたが、特定の変化および改変が、本発明の精神または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく本発明になされ得ることは、本発明の教示に鑑みると当業者には容易に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新生物を有するか、または発症するリスクがあると診断された患者を治療するための方法であって、該患者へ以下を投与する段階を含む方法:
(a)式(I)を有する化合物またはその薬学的に許容される塩;

式中、R2はCF3、ハロゲン、OCH3、COCH3、CN、OCF3、COCH2CH3、CO(CH2)2CH3、またはSCH2CH3であり;
R9

より選択され、またはR9は式

を有し:
式中、nは0または1であり、ZはNR35R36またはOR37であり;R32、R33、R34、R35、R36、およびR37の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;または任意のR33、R34、R35、R36、およびR37は、介在性炭素または隣接しないO、S、もしくはN原子と一緒になって1つまたは複数の5〜7員環を形成してもよく、該環は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルによって置換してもよく;
各R1、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、独立して、H、OH、F、OCF3、またはOCH3であり;および
WはNO、

であり;ならびに
(b)グループA抗増殖性薬剤;
ここで、式(I)の化合物およびグループAの抗増殖性薬剤は、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で、かつ該方法が、式(I)の化合物の投与の20日以内に、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターの投与を含まないという条件で、同時に、または互いに14日以内に投与される、方法。
【請求項2】
式(I)の化合物がトリフルオペラジンである場合には、抗増殖性薬剤がドキソルビシン、アクラシノマイシン、トリフルオロアセチルアドリアマイシン-14-吉草酸塩、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、コルヒチン、またはアドリアマイシンではなく、および式(I)の化合物がクロルプロマジンである場合には、抗増殖性薬剤がパクリタキセル、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、またはコルヒチンではなく、および式(I)の化合物がチオリダジンである場合には、抗増殖性薬剤がドキソルビシン、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、またはコルヒチンではない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
グループA抗増殖性薬剤がダカルバジン、ミトキサントロン、ビカルタミド、フロクスウリジン、ロイコボリン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ヒドロキシカンプトテシン、チロホスチン、ドセタキセル、またはこれらの併用である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
抗増殖性薬剤がカルムスチン、シスプラチン、エトポシド、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビノレルビン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ゲムシタビン、カペシタビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、ラルチトレケスド(raltitrexed)、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、レトロゾール、アナストラゾール、フォルメスタン、エキセメスタン、タモキシフェン、トレモフィン(toremofine)、ゴセレリン、リュープロレリン(leuporelin)、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、ヒペリシン、トラスツズマブ、リツキシマブ、またはこれらの併用である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
式(I)の化合物がアセプロマジン、クロルフェネタジン(chlorfenethazine)、クロルプロマジン、N-メチルクロルプロマジン、シアメマジン、フルフェナジン、メパジン、メトトリメプラジン、メトキシプロマジン、ノルクロルプロマジン、ペラジン、ペルフェナジン、フェノチアジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、プロピオマジン、プタペラジン(putaperazine)、チエチルペラジン、チオプロパゼート、チオリダジン、トリフルオペラジン、またはトリフルプロマジンである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
式(I)の化合物および抗増殖性薬剤が互いに10日以内に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
式(I)の化合物および抗増殖性薬剤が互いに5日以内に投与される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
式(I)の化合物および抗増殖性薬剤が互いに24時間以内に投与される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
式(I)の化合物および抗増殖性薬剤が同時に投与される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
新生物を有するか、または発症するリスクがあると診断された患者を治療するための方法であって、該患者に以下を投与する方法:
(a)キネシンインヒビター;および
(b)グループA抗増殖性薬剤;
ここで、キネシンインヒビターおよびグループA抗増殖性薬剤は、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で、かつ該方法が、キネシンインヒビターの投与の20日以内に、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターの投与を含まないという条件で、同時に、または互いに14日以内に投与される、方法。
【請求項11】
キネシンインヒビターがトリフルオペラジンである場合には、抗増殖性薬剤がドキソルビシン、アクラシノマイシン、トリフルオロアセチルアドリアマイシン-14-吉草酸塩、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、コルヒチン、またはアドリアマイシンではなく、およびキネシンインヒビターがクロルプロマジンである場合には、抗増殖性薬剤がパクリタキセル、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、またはコルヒチンではなく、およびキネシンインヒビターがチオリダジンである場合には、抗増殖性薬剤がドキソルビシン、ビンブラスチン、ダクチノマイシン、またはコルヒチンではない、請求項10記載の方法。
【請求項12】
グループA抗増殖性薬剤がダカルバジン、ミトキサントロン、ビカルタミド、フロクスウリジン、ロイコボリン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ヒドロキシカンプトテシン、チロホスチン、ドセタキセル、またはこれらの併用である、請求項10記載の方法。
【請求項13】
キネシンインヒビターがクロルプロマジンまたはトリフルオペラジンである、請求項10記載の方法。
【請求項14】
新生物が癌である、請求項1または10記載の方法。
【請求項15】
癌が肺癌である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
癌が大腸癌である、請求項14記載の方法。
【請求項17】
癌が乳癌である、請求項14記載の方法。
【請求項18】
癌が前立腺癌である、請求項14記載の方法。
【請求項19】
癌が、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、真性赤血球増加症、ホジキン病、非ホジキン病、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原生癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫、子宮頚癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、または網膜芽細胞腫である、請求項14記載の方法。
【請求項20】
投与が静脈内、局所的、皮下、口腔、筋肉内、吸入、直腸、または経口である、請求項1または10記載の方法。
【請求項21】
以下を含む組成物:
(a)式(I)を有する化合物またはその薬学的に許容される塩;

式中、R2はCF3、ハロゲン、OCH3、COCH3、CN、OCF3、COCH2CH3、CO(CH2)2CH3、またはSCH2CH3であり;
R9

より選択され;またはR9は式

を有し:
式中、nは0または1であり、ZはNR35R36またはOR37であり;R32、R33、R34、R35、R36、およびR37の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;または任意のR33、R34、R35、R36、およびR37は、介在性炭素または隣接しないO、S、もしくはN原子と一緒になって1つまたは複数の5〜7員環を形成してもよく、該環は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルによって置換してもよく;
各R1、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、独立して、H、OH、F、OCF3、またはOCH3であり;および
WはNO、

であり;ならびに
(b)グループA抗増殖性薬剤;
ここで、式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤は、患者に投与されるときに新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で、かつ組成物がビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターを含まないという条件で存在する、組成物。
【請求項22】
1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤、および以下からなる抗新生物薬剤の混合物からなる組成物:
(a)式(I)を有する1つもしくは複数の化合物またはその薬学的に許容される塩;

式中、R2はCF3、ハロゲン、OCH3、COCH3、CN、OCF3、COCH2CH3、CO(CH2)2CH3、またはSCH2CH3であり;
R9

より選択され;またはR9は式

を有し:
式中、nは0または1であり、ZはNR35R36またはOR37であり;R32、R33、R34、R35、R36、およびR37の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;または任意のR33、R34、R35、R36、およびR37は、介在性炭素または隣接しないO、S、もしくはN原子と一緒になって1つまたは複数の5〜7員環を形成してもよく、該環は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルによって置換してもよく;
各R1、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、独立して、H、OH、F、OCF3、またはOCH3であり;および
WはNO、

であり;ならびに
(b)1つまたは複数のグループA抗増殖性薬剤;
ここで、式(I)の化合物およびグループAの抗増殖性薬剤は、患者に投与されるときに新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で存在する、組成物。
【請求項23】
グループA抗増殖性薬剤がダカルバジン、ミトキサントロン、ビカルタミド、フロクスウリジン、ビノレルビン、ロイコボリン、ビンブラスチン、ヒドロキシカンプトテシン、チロホスチン、またはドセタキセルである、請求項21または22記載の組成物。
【請求項24】
式(I)の化合物がアセプロマジン、クロルプロマジン、シアメマジン、フルフェナジン、メパジン、メトトリメプラジン、メトキシプロマジン、ペラジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、プロピオマジン、チエチルペラジン、チオプロパゼート、チオリダジン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、またはこれらの併用である、請求項21または22記載の組成物。
【請求項25】
抗増殖性薬剤がカルムスチン、シスプラチン、エトポシド、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビノレルビン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ゲムシタビン、カペシタビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、ラルチトレケスド、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、レトロゾール、アナストラゾール、フォルメスタン、エキセメスタン、タモキシフェン、トレモフィン、ゴセレリン、リュープロレリン、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、ヒペリシン、トラスツズマブ、リツキシマブ、またはこれらの併用である、請求項21または22記載の組成物。
【請求項26】
以下を含む組成物:
(a)キネシンインヒビター;および
(b)グループA抗増殖性薬剤;
ここで、キネシンインヒビターおよびグループAの抗増殖性薬剤は、患者に投与されるときに、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で、かつ組成物はビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターを含まないという条件で存在する、組成物。
【請求項27】
1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤、および以下からなる抗新生物剤の混合物からなる組成物:
(a)キネシンインヒビター;および
(b)グループA抗増殖性薬剤;
ここで、キネシンインヒビターおよびグループAの抗増殖性薬剤は、患者に投与されるときに、新生物の増殖を阻害するためにともに十分な量で存在する組成物。
【請求項28】
以下を含むキット:
(a)式(I)を有する化合物またはその薬学的に許容される塩;

式中、R2はCF3、ハロゲン、OCH3、COCH3、CN、OCF3、COCH2CH3、CO(CH2)2CH3、またはSCH2CH3であり;
R9

より選択され;またはR9は式

を有し:
式中、nは0または1であり、ZはNR35R36またはOR37であり;R32、R33、R34、R35、R36、およびR37の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;または任意のR33、R34、R35、R36、およびR37は、介在性炭素または隣接しないO、S、もしくはN原子と一緒になって1つまたは複数の5〜7員環を形成してもよく、該環は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルによって置換してもよく;
各R1、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、独立して、H、OH、F、OCF3、またはOCH3であり;および
WはNO、

であり;
(b)グループA抗増殖性薬剤;ならびに
(c)式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤を、新生物を有するかまたは新生物を発症するリスクがあると診断された患者に、キットが、ビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターを含まないという条件で、投与するための指示書。
【請求項29】
式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤が別々にかつ個々の投薬量で製剤化される、請求項28記載のキット。
【請求項30】
式(I)の化合物およびグループA抗増殖性薬剤が共にかつ個々の投薬量で製剤化される、請求項28記載のキット。
【請求項31】
以下を含むキット:
(a)式(I)を有する化合物またはその薬学的に許容される塩;

式中、R2はCF3、ハロゲン、OCH3、COCH3、CN、OCF3、COCH2CH3、CO(CH2)2CH3、およびSCH2CH3より選択され;
R9

より選択され、またはR9は式

を有し:
式中、nは0または1であり、ZはNR35R36またはOR37であり;R32、R33、R34、R35、R36、およびR37の各々は、独立して、H、C1-7アルキル、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルであり;または任意のR33、R34、R35、R36、およびR37は、介在性炭素または隣接しないO、S、もしくはN原子と一緒になって1つまたは複数の5〜7員環を形成してもよく、該環は、H、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C2-6ヘテロシクリル、C6-12アリール、C7-14アルカリル、C3-10アルクヘテロシクリル、アシル、またはC1-7ヘテロアルキルによって置換してもよく;
各R1、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は、独立して、H、OH、F、OCF3、またはOCH3であり;および
WはNO、

より選択され;ならびに
(b)式(I)の化合物を、グループA抗増殖性薬剤とともに、新生物を有するかまたは新生物を発症するリスクがあると診断された患者に、キットがビス-ベンズイミダゾール化合物、エンド-エキソヌクレアーゼインヒビター、PRLホスファターゼインヒビター、またはPTP1Bインヒビターを含まないという条件で、投与するための指示書。
【請求項32】
式(I)の化合物が静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、口腔投与、吸入投与、直腸投与、局所的投与、または経口投与のために製剤化される、請求項28または30記載のキット。
【請求項33】
式(I)の化合物がクロルプロマジンまたはトリフルオペラジンより選択される、請求項28または30記載のキット。
【請求項34】
グループA抗増殖性薬剤がカルムスチン、シスプラチン、エトポシド、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビノレルビン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ゲムシタビン、カペシタビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、ラルチトレケスド、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、レトロゾール、アナストラゾール、フォルメスタン、エキセメスタン、タモキシフェン、トレモフィン、ゴセレリン、リュープロレリン、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、ヒペリシン、トラスツズマブ、リツキシマブ、およびこれらの併用より選択される、請求項28または30記載のキット。

【公表番号】特表2007−505914(P2007−505914A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527024(P2006−527024)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/030368
【国際公開番号】WO2005/027842
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(501273808)コンビナトアールエックス インコーポレーティッド (21)
【Fターム(参考)】