説明

新規なジアザ二環式アリール誘導体及びその医薬用途

本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンド、並びにモノアミン受容体及び輸送体のモジュレータであることが分かった新規なジアザ二環式アリール誘導体に関する。その薬理学的プロファイルのために、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連するものなど多様な疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症、疼痛、及び化学物質乱用の中止に起因する禁断症状に関連する疾患又は障害の治療に有用である可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体におけるコリン作動性リガンド、並びにモノアミン受容体及び輸送体のモジュレータであることが分かった新規なジアザ二環式アリール誘導体に関する。その薬理学的プロファイルのために、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連するものなど多様な疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症、疼痛、及び化学物質乱用の中止に起因する禁断症状に関連する疾患又は障害の治療に有用である可能性がある。
【背景技術】
【0002】
内因性コリン作動性神経伝達物質、アセチルコリンは、2種のコリン作動性受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)を介して生物学的作用を及ぼす。
【0003】
ムスカリン性アセチルコリン受容体は、記憶及び認知に重要な脳領域中で、ニコチン性アセチルコリン受容体より量的に優位を占めることが十分に証明されているので、記憶に関連する障害の治療用薬剤の開発を目的とするより多くの研究が、ムスカリン性アセチルコリン受容体モジュレータの合成に集中している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、最近nAChRモジュレータの開発に関心が高まっている。いくつかの疾患は、コリン作動系の変性、即ち、アルツハイマー病タイプの老人性認知症血管性痴呆及びアルコール依存症に直接関連する器質性脳損傷疾患による認知障害に関係する。実際、いくつかのCNS障害は、コリン作動性欠損、ドーパミン作動性欠損、アドレナリン作動性欠損又はセロトニン作動性欠損に起因することがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)、セロトニン受容体(5−HTR)、ドーパミン受容体(DAR)及びノルエピネフリン受容体(NER)に関連する疾患又は障害の治療に有用である、ニコチン性及び/又はモノアミン受容体のモジュレータ、並びにセロトニン(5−HT)、ドーパミン(DA)及びノルエピネフリン(NE)に対する生体アミン輸送体の新規なモジュレータを提供することに関する。
【0006】
その薬理学的プロファイルのために、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連するものなど多様な疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症、疼痛、及び化学物質の乱用の中止に起因する禁断症状に関連する疾患又は障害の治療に有用である可能性がある。
【0007】
本発明の化合物は、種々の診断方法において診断用手段又は監視剤としても、特にin vivo受容体画像化(neuroimaging)用に有用であり、これらは標識されているか又は標識されていない形態で使用してよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の態様では、本発明は、式I
【化1】


の新規なジアザ二環式アリール誘導体、任意のそのエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩
[式中、
R’は、水素又はアルキルを表し、
Aは、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表し、
Bは、芳香族単環式又は二環式の炭素環基又は複素環基を表し、その炭素環基又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている]を提供する。
【0009】
第2の態様では、本発明は、本発明のジアザ二環式アリール誘導体、又は薬剤として許容されるその付加塩の治療有効量を、薬剤として許容される少なくとも1種の担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物を提供する。
【0010】
他の態様では、本発明は、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を治療、予防又は緩和する医薬組成物/薬物の製造のための、本発明のジアザ二環式アリール誘導体、又は薬剤として許容されるその付加塩の使用に関する。
【0011】
最後の態様では、本発明は、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答する、ヒトを含む動物生体の疾患、障害又は状態を治療、予防又は緩和する方法であって、その方法が、それを必要とする動物生体に本発明のジアザ二環式アリール誘導体の治療有効量を投与するステップを含む方法を提供する。
【0012】
本発明のその他の目的は、当業者であれば以下の詳細な説明及び実施例から明らかであろう。
【0013】
(ジアザ二環式アリール誘導体)
第1の態様において、新規な3、8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンアリール誘導体を提供する。本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、一般式I、
【化2】


任意のそのエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩
[式中、
R’は、水素又はアルキルを表し、
Aは、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表し、
Bは、芳香族単環式又は二環式の炭素環基又は複素環基を表し、その炭素環基又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている]で表すことができる。
【0014】
好ましい実施形態では、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン又は8−メチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンでない。
【0015】
本発明の他の好ましい実施形態では、R’は、水素又はアルキルを表す。
【0016】
より好ましい実施形態では、R’は水素を表す。
【0017】
より好ましい実施形態では、R’はアルキルを表す。
【0018】
より好ましい実施形態では、R’は、メチル又はエチルを表す。
【0019】
本発明の第3の好ましい実施形態では、Aは、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表す。
【0020】
より好ましい実施形態では、Aは、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族複素環基を表す。
【0021】
より好ましい実施形態では、Aは、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル又はピリダジニルを表す。
【0022】
より好ましい実施形態では、Aは、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニルを表す。
【0023】
より好ましい実施形態では、Aは、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、又はピリダジニルを表す。
【0024】
他の好ましい実施形態では、Aは、オキサジアゾリル、特に1,3,4−オキサジアゾリルを表す。
【0025】
他の好ましい実施形態では、Aは、チアジアゾリル、特に1,3,4−チアジアゾリルを表す。
【0026】
他の好ましい実施形態では、Aは、ピリジニル、特にピリジン−2,5−ジイル又はピリジン−2,6−ジイルを表す。
【0027】
他の好ましい実施形態では、Aは、ピリダジニル、特にピリダジン−3,6−ジイルを表す。
【0028】
他の好ましい実施形態では、Aは、ピリミジニル、特にピリミジン−2,4−ジイル又はピリミジン−2,5−ジイルを表す。
【0029】
他の好ましい実施形態では、Aは、ピラジニル、特にピラジン−2,5−ジイルを表す。
【0030】
他の好ましい実施形態では、Aは、チアゾリル、特にチアゾール−2,5−ジイルを表す。
【0031】
本発明の第4の好ましい実施形態では、Bは、芳香族単環式又は二環式の炭素環基又は複素環基を表し、その炭素環基又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている。
【0032】
より好ましい実施形態では、Bは、芳香族単環式又は二環式の炭素環基又は複素環基を表し、その炭素環基又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ及びニトロからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている。
【0033】
さらにより好ましい実施形態では、Bは、フラニル、チエニル及びピリジニルからなる群から選択される芳香族単環式複素環基を表し、その複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている。
【0034】
さらにより好ましい実施形態では、Bは、フラニル、チエニル及びピリジニルからなる群から選択される芳香族単環式複素環基を表す。
【0035】
さらに他の好ましい実施形態では、Bは、フラニル、特にフラン−2−イル又はフラン−3−イルを表す。
【0036】
さらに他の好ましい実施形態では、Bは、チエニル、特にチエン−2−イル又はチエン−3−イルを表す。
【0037】
さらに他の好ましい実施形態では、Bは、ピリジニル、特にピリジン−2−イル又はピリジン−3−イルを表す。
【0038】
第5の好ましい実施形態では、Bはフェニル又はナフチルを表し、その炭素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている。
【0039】
より好ましい実施形態では、Bはフェニル又はナフチルを表し、その炭素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ及びニトロからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている。
【0040】
さらにより好ましい実施形態では、Bはフェニル又はナフチルを表し、その炭素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている。
【0041】
さらにより好ましい実施形態では、Bはフェニルを表し、その炭素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、アミノ及びニトロからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている。
【0042】
さらにより好ましい実施形態では、Bは、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ又はアルキル−カルボニル−アミノにより任意選択で置換されたフェニル又はナフチルを表す。
【0043】
他の好ましい実施形態では、Bは、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、CF、アミノ又はアルキル−カルボニル−アミノにより任意選択で置換されたフェニル又はナフチルを表す。
【0044】
さらに他の好ましい実施形態では、Bは、アルコキシ、ハロ、アミノ又はアルキル−カルボニル−アミノにより任意選択で置換されたフェニル又はナフチルを表す。
【0045】
さらに他の好ましい実施形態では、Bは、メトキシ、フルオロ、クロロ、アミノ又はメチル−カルボニル−アミノ(アセトアミド)により任意選択で置換されたフェニル又はナフチルを表す。
【0046】
さらに他の好ましい実施形態では、Bは、メトキシ、フルオロ、クロロ、アミノ又はメチル−カルボニル−アミノ(アセトアミド)により任意選択で置換されたナフチルを表す。
【0047】
さらに他の好ましい実施形態では、Bはフェニル又はナフチルを表す。
【0048】
さらに他の好ましい実施形態では、Bはフェニルを表す。
【0049】
さらに他の好ましい実施形態では、Bはナフチルを表す。
【0050】
第6の好ましい実施形態では、炭素環基又は複素環基は、フェニル、ナフチル、フラニル、チエニル及びピリジニルからなる群から選択され、その複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている。
【0051】
より好ましい実施形態では、炭素環基又は複素環基は、フェニル、ナフチル、フラニル、チエニル及びピリジニルからなる群から選択され、その複素環基は、アルコキシ、ハロ、アミノ又はアルキル−カルボニル−アミノにより任意選択で置換されている。
【0052】
さらにより好ましい実施形態では、炭素環基又は複素環基は、フェニル、ナフチル、フラニル、チエニル及びピリジニルからなる群から選択され、その複素環基は、メトキシ、フルオロ、クロロ、アミノ又はメチル−カルボニル−アミノ(アセトアミド)により任意選択で置換されている。
【0053】
最も好ましい実施形態では、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、
8−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(6−フェニル−ピリジン−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(6−ピリジン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−フラン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(4−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニルアミン;
N−{3−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニル}−アセトアミド;
3−[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(4−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(3−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
2−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニルアミン;
8−メチル−3−(5−フェニル−ピリジン−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
N−{2−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニル}−アセトアミド;
3−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(4−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−チオフェン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−フラン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−フラン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(4−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(3−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(3−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−ピリミジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−ピラジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(2−フェニル−ピリミジン−4−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−チアゾール−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−チオフェン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;又は
3−(6−フラン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
又はエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、或いは薬剤として許容されるその塩である。
【0054】
本明細書に記載の2つ以上の実施形態の任意の組合せは、本発明の範囲内にあるものとみなされる。
【0055】
置換基の定義
本発明に関連して、ハロは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を表す。したがって、トリハロメチル基は、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基及び類似のトリハロ置換メチル基を表す。
【0056】
本発明に関連して、アルキル基は、一価で飽和の直鎖又は分枝炭化水素鎖を示す。この炭化水素鎖は、好ましくは1から18個の炭素原子(C1〜18アルキル)、より好ましくは、1〜6個の炭素原子(C1〜6アルキル;低級アルキル)を含み、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、3級ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルが含まれる。好ましい実施形態ではアルキルは、C1〜4アルキル基を表し、ブチル、イソブチル、2級ブチル、及び3級ブチルが含まれる。本発明の他の好ましい実施形態では、アルキルは、C1〜3アルキル基を表し、これらは特に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであり得る。
【0057】
本発明に関連して、シクロアルキル基は、環状アルキル基を示し、好ましくは3〜7個の炭素原子(C3〜7シクロアルキル)を含み、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。
【0058】
本発明に関連して、シクロアルキル−アルキル基は、上記に定義したシクロアルキル基を示し、このシクロアルキル基は、上記に定義したアルキル基で置換されている。本発明の好ましいシクロアルキル−アルキル基の例としては、シクロプロピルメチル及びシクロプロピルエチルがある。
【0059】
本発明に関連して、アルコキシ基は「アルキル−O−」基を示し、アルキルは上記に定義した通りである。本発明の好ましいアルコキシ基の例としては、メトキシ及びエトキシがある。
【0060】
本発明に関連して、シアノアルキル基は「−アルキル−CN」基を示し、アルキルは上記に定義した通りである。
【0061】
本発明に関連して、アルキル−カルボニル−アミノ基は、「アルキル−CO−NH−」基を示し、アルキルは上記に定義した通りである。本発明の好ましいアルキル−カルボニル−アミノ基としては、アセトアミドがある。
【0062】
本発明に関連して、芳香族単環式又は二環式炭素環基は、単環式又は多環式芳香族炭化水素基を示す。本発明の好ましいアリール基の例としては、フェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル、及びアントラセニルがある。
【0063】
本発明に関連して、芳香族単環式又は二環式複素環基は、その環構造中に1個又は複数のヘテロ原子を保持している、単環式又は二環式化合物である。「二−及びポリ−複素環基」という用語には、1個又は複数のヘテロ原子を含むベンゾ縮合5及び6員複素環が含まれる。好ましいヘテロ原子としては、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)がある。
【0064】
本発明に関連して、5〜6員芳香族単環式複素環は、1個又は複数のヘテロ原子をその環構造中に保持している、5又は6員ヘテロアリールを示す。好ましいヘテロ原子としては、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)がある。
【0065】
本発明の好ましい5員ヘテロアリール基としては、フラニル、特にフラン−2−イル又は3−イル;チエニル、特にチエン−2−イル又は3−イル;ピロリル(アゾリル)、特にピロール−2−イル又は3−イル;オキサゾリル、特にオキサゾール−2−イル,4−イル又は5−イル;チアゾリル、特にチアゾール−2−イル,4−イル又は5−イル;イソオキサゾリル、特にイソオキサゾール−3−イル、4−イル又は5−イル;イソチアゾリル、特にイソチアゾール−3−イル、4−イル又は5−イル;オキサジアゾリル、特に1,2,3−オキサジアゾール−4,5−ジイル又は1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル及びチアジアゾリル、特に1,2,3−チアジアゾール−4−イル若しくは5−イル、又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルがある。
【0066】
本発明のより好ましい5員ヘテロアリール基としては、オキサジアゾリル、特に1,2,3−オキサジアゾール−4,5−ジイル又は1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル及びチアジアゾリル、特に1,2,3−チアジアゾール−4−イル若しくは5−イル、又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルがある。
【0067】
本発明の好ましい6員ヘテロアリール基としては、ピリジニル、特にピリド−2−イル、3−イル又は4−イル;及びピラジニル、特にピラジン−2−イル又は3−イルがある。
【0068】
本発明の好ましい二環式ヘテロアリール基としては、インドリル、特にインドール−2−イル、5−イル又は6−イル;ベンゾ[b]フラニル、特にベンゾフラン−2−イル、5−イル又は6−イル;ベンゾ[b]チエニル、特にベンゾチエン−2−イル、5−イル又は6−イル;及びベンゾチアゾリル、特にベンゾチアゾール−2−イル、5−イル又は6−イルがある。
【0069】
薬剤として許容される塩
本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、所望の投与に適した任意の形態で提供してよい。適した形態には、本発明の化合物の薬剤として(即ち、生理的に)許容される塩、プレドラッグ又はプロドラッグの形態が含まれる。
【0070】
薬剤として許容される付加塩の例としては、これに限定することなく、非毒性の無機及び有機酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩等がある。このような塩は、当技術分野でよく知られている及び記載されている手順によって形成することができる。
【0071】
本発明の化合物の金属塩には、アルカリ金属塩、例えば、カルボキシ基を含む本発明の化合物のナトリウム塩が含まれる。
【0072】
本発明に関連して、N含有化合物の「オニウム塩」も、薬剤として許容される塩として企図される。好ましい「オニウム塩」としては、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩、及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩がある。
【0073】
立体異性体
本発明の化合物は、(+)及び(−)形並びにラセミの形で存在してよい。これらの異性体のラセミ化合物及び個々の異性体自体は、本発明の範囲内にある。
【0074】
ラセミ形は、既知の方法及び技術によって光学的対掌体に分割することができる。ジアステレオマー塩を分割する1つの方法は、光学活性な酸を使用し、塩基で処理することによって光学活性なアミン化合物を遊離することである。ラセミ化合物を光学的対掌体に分割する他の方法は、光学活性なマトリックスによるクロマトグラフィーに基づく。これによって、本発明のラセミ化合物は、例えば、d−又はl−塩(酒石酸塩、マンデル酸塩、又はカンファースルホン酸塩)の分別晶出によってその光学的対掌体に分割することができる。
【0075】
本発明の化合物はまた、本発明の化合物と光学活性な活性化カルボン酸、例えば、(+)又は(−)フェニルアラニン、(+)又は(−)フェニルグリシン、(+)又は(−)カンファン酸に由来するカルボン酸との反応によるジアステレオマーアミドの形成によって、或いは、本発明の化合物と光学活性なクロロギ酸塩等との反応によるジアステレオマーカルバミン酸塩の形成によって分割することができる。
【0076】
光学異性体を分割する他の方法は、当技術分野で既知である。このような方法には、Jaques J、Collet A、及びWilen Sにより「エナンチオマー、ラセミ化合物、及び分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」、John Wiley and Sons、ニューヨーク(1981)に記載されたものが含まれる。
【0077】
光学活性な化合物は、光学活性な出発材料から調製することもできる。
【0078】
(ジアザ二環式アリール誘導体を製造する方法)
本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、化学合成の従来の方法、例えば実施例中に記載の方法によって調製することができる。本出願に記載の方法のための出発材料は、知られているか又は市販されている化学薬品から従来の方法によって容易に調製することができる。
【0079】
また、本発明の1つの化合物は、従来の方法を用いて本発明の他の化合物に変換することができる。
【0080】
本明細書に記載の反応の最終生成物は、従来の技術、例えば、抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィー等によって単離することができる。
【0081】
(生物学的活性)
本発明は、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関連する疾患又は障害の治療に有用である、ニコチン性受容体の新規なリガンド及びモジュレータを提供することに関する。本発明の好ましい化合物は、顕著なニコチン性アセチルコリンα7受容体サブタイプ選択性を示す。
【0082】
本発明の化合物は、特に、ニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト、及び/又はアロステリックモジュレータであり得る。
【0083】
その薬理学的プロファイルのために、本発明の化合物は、CNSに関連する疾患、PNSに関連する疾患、平滑筋収縮に関連する疾患、内分泌障害、神経変性に関連する疾患、炎症、疼痛、及び化学物質の乱用の中止に起因する禁断症状に関連する疾患のような多様な疾患又は状態の治療に有用である可能性がある。
【0084】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、中枢神経系に関連する疾患、障害又は状態の治療のために使用される。このような疾患又は障害としては、不安、認知障害、学習障害、記憶障害及び機能障害、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥーレット症候群、鬱病、躁病、躁鬱病、統合失調症、強迫性障害(OCD)、パニック障害、摂食障害、例えば神経性食欲不振症、過食症及び肥満症、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老人性痴呆症、末梢神経障害、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、癲癇、過食症、外傷後症候群、対人恐怖、睡眠障害、仮性認知症ガンザー症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、及び時差ぼけがある。
【0085】
他の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、痙攣性疾患、狭心症、早産、痙攣、下痢、喘息、癲癇、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、早漏、及び勃起障害を含む平滑筋収縮に関連する疾患、障害又は状態の治療に有用である可能性がある。
【0086】
さらに他の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、内分泌障害、例えば、甲状腺機能亢進症、クロム親和細胞腫、高血圧症及び不整脈の治療に有用である可能性がある。
【0087】
さらに他の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、一過性酸素欠乏症及び誘発性神経変性を含む神経変性障害の治療に有用である可能性がある。
【0088】
さらに他の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、座瘡及び酒さなどの炎症性皮膚障害、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、及び下痢を含む炎症性の疾患、障害又は状態の治療に有用である可能性がある。
【0089】
さらに他の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、急性、慢性、又は反復性の特徴を持つ、軽度、中等度又は重度の疼痛、片頭痛に起因する疼痛、術後痛、幻肢痛、炎症性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経障害に、治療後神経痛に、又は末梢神経損傷に関連する疼痛の治療に有用である可能性がある。
【0090】
他の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、糖尿病性神経障害、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害又は注意欠陥、或いは鬱病の治療に有用である可能性がある。
【0091】
最後に、本発明の化合物は、嗜癖物質の使用の中止に起因する禁断症状の治療に有用である可能性がある。このような嗜癖物質としては、タバコなどのニコチン含有製品、オピオイド、例えばヘロイン、コカイン及びモルヒネ、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールがある。嗜癖物質からの禁断は、一般的には不安及び欲求不満、怒り、不安、集中困難、不穏状態、心拍数の減少及び食欲増進及び体重増加を特徴とする衝撃的な体験となる。
【0092】
これに関連して、「治療」とは、離脱症状及び禁断の治療、予防、予防及び緩和、並びに嗜癖物質の随意の減少した摂取量の結果となる治療を包含する。
【0093】
他の態様では、本発明の化合物は、例えば、種々の組織中のニコチン性受容体の同定用及び局在化用診断剤として使用される。
【0094】
(医薬組成物)
他の態様では、本発明は、本発明のジアザ二環式アリール誘導体の治療有効量を含む新規な医薬組成物を提供する。
【0095】
本発明の化合物は、治療に使用するために原料化合物の形態で投与してよいが、任意選択で生理的に許容される塩の形態の活性成分を、1種又は複数の補助剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又はその他の通例の薬剤用助剤と共に医薬組成物中に導入することが好ましい。
【0096】
好ましい実施形態では、本発明は、本発明のジアザ二環式アリール誘導体、又は薬剤として許容されるその塩若しくは誘導体を、1種又は複数の薬剤として許容されるその担体、及び任意選択で、当技術分野で既知であり使用されているその他の治療及び/又は予防用成分と共に含む医薬組成物を提供する。この担体(複数可)は、その製剤の他の成分と適合性があり、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0097】
本発明の医薬組成物は、所望の治療に適合する任意の好都合な経路によって投与してよい。投与の好ましい経路には、経口投与、特に、錠剤、カプセル剤、糖衣錠、散剤、液剤の形態、及び非経口投与、特に、皮膚、皮下、筋肉内、静脈内注射が含まれる。本発明の医薬組成物は、任意の当業者によって所望の製剤に適する標準的な方法及び従来の技術の使用により製造することができる。所望の場合は、活性成分が持続放出するようになされた組成物を使用してよい。
【0098】
配合及び投与のための技術についてのさらなる詳細は、「レミントンの製薬の科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」(Maack Publishing Co.、Easton、ペンシルバニア州)の最新版に見出される。
【0099】
実際の用量は、治療する疾患の性質及び重症度により決まり、医師の裁量に任されており、所望の治療効果を生じさせるために本発明の特定の状況に応じて用量を増減させることにより変化させることができる。しかし、単位用量当たり活性成分約0.1〜約500mg、好ましくは約1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgを含む医薬組成物が、治療の処置に適していると現在考えられる。
【0100】
活性成分を、1日1回又は数回の用量で投与することができる。ある場合は、満足のいく結果が、0.1μg/kg(静脈内)及び1μg/kg(経口)ほどの低用量で得られることがある。用量範囲の上限は、約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(経口)であると現在考えられている。好ましい範囲は、約0.1μg/kg〜約10mg/kg/日(静脈内)及び約1μg/kg〜約100mg/kg/日(経口)である。
【0101】
(治療法)
本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、有用なニコチン性及びモノアミン受容体モジュレータであり、したがって、コリン作動性機能障害に関する一連の疾病、並びにnAChRモジュレータの作用に応答する一連の障害の治療に有用である。
【0102】
他の態様では、本発明は、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答する、ヒトを含む動物生体の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和する方法であって、この方法が、本発明のジアザ二環式アリール誘導体の有効量を、これらを必要とするヒトを含む動物生体に投与することを含む方法を提供する。
【0103】
好ましい実施形態では、この疾患、障害又は状態は中枢神経系に関する。
【0104】
好ましい実施形態では、この疾患、障害又は状態は、不安、認知障害、学習障害、記憶障害及び機能障害、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥーレット症候群、鬱病、躁病、躁鬱病、統合失調症、強迫性障害(OCD)、パニック障害、摂食障害、例えば神経性食欲不振症、過食症及び肥満症、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老人性痴呆症、末梢神経障害、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、癲癇、過食症、外傷後症候群、対人恐怖、睡眠障害、仮性認知症ガンザー症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、及び時差ぼけである。
【0105】
他の好ましい実施形態では、この疾患、障害又は状態は、痙攣性疾患、狭心症、早産、痙攣、下痢、喘息、癲癇、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、早漏、及び勃起障害を含む、平滑筋収縮に関連する。
【0106】
第3の好ましい実施形態では、この疾患、障害又は状態は、内分泌系、例えば、甲状腺機能亢進症、クロム親和細胞腫、高血圧症及び不整脈に関連する。
【0107】
第4の好ましい実施形態では、この疾患、障害又は状態は、一過性酸素欠乏症及び誘発性神経変性を含む神経変性障害である。
【0108】
第6の好ましい実施形態では、この疾患、障害又は状態は、座瘡及び酒さなどの炎症性皮膚障害、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、及び下痢を含む炎症性障害である。
【0109】
第7の好ましい実施形態では、この疾患、障害又は状態は、急性、慢性、又は反復性の特徴を持つ軽度、中等度又は重度の疼痛、並びに片頭痛に起因する疼痛、術後痛、幻肢痛である。
【0110】
第8の好ましい実施形態では、この疾患、障害又は状態は、タバコなどのニコチン含有製品、オピオイド、例えばヘロイン、コカイン及びモルヒネ、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールを含む、嗜癖物質の使用の中止に起因する禁断症状に関連する。
【0111】
適当な用量は、通常、投与の厳密な方式、投与される形態、投与の対象となる適応症、当該患者及び当該患者の体重、及びさらに担当する医師又は獣医の好み及び経験に応じて、1日当たり0.1〜1000ミリグラム、1日当たり10〜500ミリグラム、特に1日当たり30〜100ミリグラムの範囲にあると現在考えられている。
【0112】
ある場合は、満足のいく結果が0.005mg/kg(静脈内)及び0.01mg/kg(経口)もの低い用量で得られる。用量の範囲の上限は、約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(経口)である。好ましい範囲は、約0.001〜約1mg/kg(静脈内)及び約0.1〜約10mg/kg(経口)である。
【0113】
(実施例)
本発明を以下の実施例を参照して例示するが、これは、決して特許請求する本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0114】
(調製例)
空気不安定性の試薬又は中間体が関与するすべての反応は、窒素下及び無水溶媒中で実施した。後処理において乾燥剤として硫酸マグネシウムを使用し、溶媒は減圧下で蒸発した。
【0115】
cis−1−メチルピロリジン−2,5−ジカルボン酸ジエチル(中間化合物)
mezo−2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(101.7g、0.283モル)をTHF(400ml)中にアルゴン下で加熱することによって溶解し、次いで0℃に冷却した。得られた溶液に、予め冷却したメチルアミン(27.3g、0.88モル)のTHF(150ml)溶液を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。分離された結晶物質をろ過して除去し、ろ液を濃縮し、残渣を、溶離液としてヘキサン−酢酸エチル4:1を用いたシリカゲルカラム(長さ10cm)によるクロマトグラフィーにかけて、58.9g(91%)を得た。
【0116】
【化3】

【0117】
3−ベンジル−8−メチル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン(中間化合物)
cis−1−メチルピロリジン−2,5−ジカルボン酸ジエチル(74.8g、0.383モル)のキシレン(150ml)溶液にベンジルアミン(41.0g、0.383モル)を添加し、混合物を16時間還流加熱した。減圧下でキシレンを除去し、残渣を220℃で18時間加熱した。得られた粗生成物を、180℃及び0.1ミリバールで蒸留するためにBuchiオーブンにより少しずつ(30〜40g)蒸留し、第1留分を回収した(約1時間後)。最初の留分を組み合わせ、ヘキサンと酢酸エチル1:1の混合物から結晶化して、30.6(34%)を得た。
【0118】
【化4】

【0119】
3−ベンジル−8−メチル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン(中間化合物)
3−ベンジル−8−メチル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン(28.3g、0.116モル)の無水ジオキサン(200ml)溶液に、LiAlH(7.6g、0.2モル)を添加し、混合物をアルゴン下で18時間沸騰した。次いで、水(7.5ml)とジオキサン(40ml)の混合物を、この反応混合物に滴下した。この懸濁液を20分間混合し、高密度ガラスフィルターを通してろ過した。ろ液を蒸発し、残渣を120℃及び0.1ミリバールで蒸留するためにBuchiオーブンにより蒸留した。収量17.6g(70%)。
【0120】
【化5】

【0121】
8−メチル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン(中間化合物)
3−ベンジル−8−メチル−3,8−ジアザビシクロ−[3.2.1]オクタン(17.6g、0.08モル)のメタノール(50ml)溶液をアルゴンにより脱気したものに、10%Pd/C(1.0g)を添加し、反応混合物中に水素を24時間通した。この触媒をろ過して除去し、ろ液を蒸発させ、残渣を100℃及び0.1ミリバールで蒸留するために、Buchiオーブンにより蒸留した。収量8.5g(85%)。
【0122】
【化6】

【0123】
中間化合物の調製に関する参考文献

【0124】
2−クロロ−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(中間化合物)
2−アミノ−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール硫酸塩(25.12g、142ミリモル)を濃塩酸(300ml)中で0℃で撹拌した。亜硝酸ナトリウム(12.7g、184ミリモル)を10分間かけて添加した。反応混合物を50℃で15時間撹拌した。塩酸は蒸発させた。水酸化ナトリウム水溶液(4M、250ml)を添加し、沈殿をろ過した。溶媒として酢酸エチルを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーにより、純粋な生成物を得た。収量15.5g(56%)。
【0125】
方法A
8−メチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物A1)
8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(2.0g、15.8ミリモル)と3−クロロ−6−フェニルピリダジン(3.0g、15.8ミリモル)の混合物を120℃で2.5時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(1M、50ml)を添加し、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(2×50ml)。溶媒としてジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーにより、表記化合物を結晶性固体として得た。収量1.5g(68%)。融点151℃。
【0126】
8−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩(化合物A2)
を、8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン及び2−クロロ−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾールから方法Aに従って調製した。フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノール混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。融点192〜200℃。
【0127】
2−メルカプトベンジル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(中間化合物)
5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−チオール(25.2g、141ミリモル)、トリエチルアミン(19.7ml、141ミリモル)及びエタノール(250ml)の混合物に、臭化ベンジル(16.8ml、141ミリモル)を室温で10分間かけて添加した。混合物を室温で3時間撹拌させた。水酸化ナトリウム水溶液(1M、250ml)を添加し、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(2×200ml)。溶媒としてジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーにより、表記化合物を油として得た。収量34.2g(90%)。
【0128】
方法B
8−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩(化合物B1)
8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(0.28g、2.23ミリモル)と2−メルカプトベンジル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(0.60g、2.23ミリモル)の混合物を120℃で2.5時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(1M、20ml)を添加し、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(2×20ml)。溶媒としてジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーより、この化合物を結晶性固体として得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノール混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。収量0.16g(19%)。融点170〜191℃。
【0129】
方法C
3−(6−ブロモ−ピリダジン−3−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(中間化合物)
3,6−ジブロモピリダジン(13.0g、54.6ミリモル)、8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(6.9g、54.6ミリモル)及びジオキサン(100ml)の混合物を室温で15時間、続いて70℃で12時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(1M、100ml)を添加し、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(2×100ml)。溶媒としてジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーにより、この化合物を結晶性固体として得た。融点118.5〜119.5℃。
【0130】
3−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩(中間化合物)
を方法Cに従って調製した。融点182.3℃。
【0131】
方法D
8−メチル−3−(6−フェニル−ピリジン−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩(化合物D1)
3−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(1.0g、3.45ミリモル)、フェニルトリメチルスズ(1.71g、7.09ミリモル)、PdCl(PPh(124mg、0.177ミリモル)とジオキサン(20ml)の混合物を還流で15時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を添加し、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(2×50ml)。溶媒としてジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーにより、この化合物を結晶性固体として得た。フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノール混合物(9:1)を添加することによって、対応する塩を得た。融点159〜160℃。
【0132】
方法E
8−メチル−3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E1)
3−(6−ブロモ−ピリダジン−3−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(0.50g、1.77ミリモル)、チオフェンボロン酸(339mg、2.65ミリモル)、パラダサイクル(33mg、0.035ミリモル)、1,3−プロパンジオール(403mg、5.30ミリモル)、炭酸カリウム(732mg、5.3ミリモル)、水(2.65ml)及び1,2−ジメトキシエタン(25ml)の混合物を還流で15時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(1M、20ml)を添加し、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(2×20ml)。溶媒としてジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーにより、この化合物を結晶性固体として得た。融点156℃。
【0133】
8−メチル−3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E2)
を方法Eに従って調製した。融点172〜173℃。
【0134】
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E3)
を方法Eに従って調製した。融点144℃。
【0135】
8−メチル−3−(6−ピリジン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E4)
を方法Eに従って調製した。融点131〜133℃。
【0136】
3−(6−フラン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E5)
を方法Eに従って調製した。融点152℃。
【0137】
3−[6−(4−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E6)
を方法Eに従って調製した。融点154〜155℃。
【0138】
3−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−ピリダジン−3イル]−フェニルアミン遊離塩基(化合物E7)
を方法Eに従って調製した。融点164℃。
【0139】
N−{3−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニル}−アセトアミド遊離塩基(化合物E8)
を方法Eに従って調製した。融点74℃。
【0140】
3−[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E9)
を方法Eに従って調製した。融点152℃。
【0141】
3−[6−(4−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E10)
を方法Eに従って調製した。融点164〜165℃。
【0142】
3−[6−(3−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E11)
を方法Eに従って調製した。融点149〜150℃。
【0143】
2−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニルアミンフマル酸塩(化合物E12)
を方法Eに従って調製した。融点186〜195℃。
【0144】
8−メチル−3−(5−フェニル−ピリジン−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E13)
を3−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンから方法Eに従って調製した。融点110.5℃。
【0145】
3−[6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E14)
を方法Eに従って調製した。融点170〜172℃。
【0146】
3−[6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E15)
を方法Eに従って調製した。融点92〜97℃。
【0147】
N−{2−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニル}−アセトアミドフマル酸塩(化合物E16)
を方法Eに従って調製した。融点219〜222℃。
【0148】
3−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E17)
を方法Eに従って調製した。融点159℃。
【0149】
3−[6−(4−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン遊離塩基(化合物E18)
を方法Eに従って調製した。融点180℃。
【0150】
3−[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩(化合物E19)
を方法Eに従って調製した。融点192〜200℃。
【0151】
3−[6−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタンフマル酸塩(化合物E20)
を方法Eに従って調製した。融点242℃。
【0152】
以下の化合物を方法Eに従って調製する:
8−メチル−3−(5−チオフェン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−フラン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−フラン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(4−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(3−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(3−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−ピリミジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−ピラジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(2−フェニル−ピリミジン−4−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−チアゾール−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−チオフェン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;及び
3−(6−フラン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン。
【実施例2】
【0153】
(ラット脳におけるH−α−ブンガロトキシン結合のin vitro阻害)
この実施例では、本発明の化合物のニコチン性受容体のα−サブタイプへの結合の親和力を決定する。
【0154】
α−ブンガロトキシンは、コブラ科(Elapidae)ヘビ、アマガサヘビ(Bungarus multicinctus)の毒液から単離されたペプチドである。これは神経及び神経筋のニコチン性受容体に高い親和力を有し、強力なアンタゴニストとして作用する。
【0155】
H−α−ブンガロトキシンは、脳中に見出されるαサブユニットアイソフォーム及び神経筋接合部中のαアイソフォームによって形成されたニコチン性アセチルコリン受容体を標識する。
【0156】
組織調製物
調製は0〜4℃で実施する。雄のウイスターラット(150〜250g)から得られた大脳皮質をUltra−Turraxホモジナイザーを用いて、118mM NaCl、4.8mM KCl、1.2mM MgSO及び2.5mM CaClを含有する20mM Hepes緩衝液(pH7.5)15ml中で10秒間ホモジナイズする。この組織懸濁液を27,000×gで10分間遠心分離にかける。上澄み液を捨て、ペレットを新しい緩衝液20ml中で27,000×g10分間の遠心分離によって2回洗浄し、次いで、最終ペレットを0.01%BSAを含有する新しい緩衝液(原組織1g当たり35ml)中に再懸濁し、結合アッセイに使用する。
【0157】
アッセイ
ホモジネートの500μlのアリコートを、25μlの試験溶液及び25μlのH−α−ブンガロトキシン(最終濃度、2nM)に加えて混合し、37℃で2時間インキュベートする。非特異的結合を(−)−ニコチン(最終濃度、1mM)を用いて測定する。インキュベーション後、試料を0.05%PEIを含有する氷冷Hepes緩衝液5mlに加え、吸引下のWhatman GF/Cガラス繊維フィルター(0.1%PEI中に少なくとも6時間予め浸漬した)上に直接注ぎ、直ちに氷冷緩衝液2×5mlで洗浄する。
【0158】
フィルター上の放射能量を従来の液体シンチレーション計数法によって測定する。特異的結合は、総結合−非特異的結合である。
【0159】
試験値はIC50H−α−ブンガロトキシンの特異的結合を50%だけ阻害するこの試験物質の濃度)として示される。
【0160】
当初から化合物E1、E2、E3、E5、E7、E8、E9及びE11をこのアッセイにかけ、これらすべてはマイクロモル未満(即ち、<1μM)の濃度の結果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


[式中、
R’は、水素又はアルキルを表し、
Aは、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表し、
Bは、芳香族単環式又は二環式の炭素環基又は複素環基を表し、前記炭素環基又は複素環基は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている]
で表されるジアザ二環式アリール誘導体、任意のそのエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬剤として許容されるその塩。
【請求項2】
R’が水素又はアルキルを表す、請求項1に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項3】
R’がアルキルを表す、請求項2に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項4】
Aが、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項5】
Aが、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族複素環基を表す、請求項4に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項6】
Aが、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニルを表す、請求項5に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項7】
Bが、芳香族単環式又は二環式の炭素環基又は複素環基を表し、前記炭素環基又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項8】
Bがフェニル又はナフチルを表し、その炭素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている、請求項7に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項9】
Bが、フェニル又はナフチルを表し、その炭素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノからなる群から選択される置換基で1回又は複数回任意選択で置換されている、請求項8に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項10】
Bが、フェニル又はナフチルを表す、請求項9に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項11】
8−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(6−フェニル−ピリジン−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(6−ピリジン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−フラン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(4−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニルアミン;
N{3−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニル}−アセトアミド;
3−[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(4−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(3−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
2−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニルアミン;
8−メチル−3−(5−フェニル−ピリジン−2−イル)−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
N−{2−[6−(8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニル}−アセトアミド;
3−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(4−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(2−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[6−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−8−メチル−3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−チオフェン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−フラン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−フラン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(4−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(3−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(3−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−[5−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−ピリミジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−ピラジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(2−フェニル−ピリミジン−4−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
8−メチル−3−(5−フェニル−チアゾール−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−チオフェン−2−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(5−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;又は
3−(6−フラン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
又はエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、或いは薬剤として
許容されるその塩である、請求項1に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体、又は薬剤として許容されるその付加塩の治療有効量を、少なくとも1種の薬剤として許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物。
【請求項13】
コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を治療、予防又は緩和する医薬組成物/薬物の製造のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体、又は薬剤として許容されるその付加塩の使用。
【請求項14】
前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系に関連する、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記疾患、障害又は状態が、不安、認知障害、学習障害、記憶障害及び機能障害、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥーレット症候群、鬱病、躁病、躁鬱病、統合失調症、強迫性障害(OCD)、パニック障害、摂食障害、例えば神経性食欲不振症、過食症及び肥満症、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS認知症、老人性痴呆症、糖尿病性神経障害、末梢神経障害、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、癲癇、過食症、外傷後症候群、対人恐怖、睡眠障害、仮性認知症ガンザー症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、及び時差ぼけである、請求項13に記載の使用。
【請求項16】
前記疾患、障害又は状態が、痙攣性疾患、狭心症、早産、痙攣、下痢、喘息、癲癇、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、早漏、及び勃起障害を含む平滑筋収縮に関連する、請求項13に記載の使用。
【請求項17】
前記疾患、障害又は状態が、甲状腺機能亢進症、クロム親和細胞腫、高血圧症及び不整脈のように、内分泌系に関連する、請求項13に記載の使用。
【請求項18】
前記疾患、障害又は状態が、一過性酸素欠乏症及び誘発性神経変性を含む神経変性障害である、請求項13に記載の使用。
【請求項19】
前記疾患、障害又は状態が、座瘡及び酒さなどの炎症性皮膚障害、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、及び下痢を含む炎症性障害である、請求項13に記載の使用。
【請求項20】
前記疾患、障害又は状態が、急性、慢性又は反復性の特徴を持つ軽度、中等度又は重度の疼痛、片頭痛に起因する疼痛、術後痛、幻肢痛、炎症性疼痛、慢性頭痛、中心性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経障害に、治療後神経痛に、又は末梢神経損傷に関連する疼痛である、請求項13に記載の使用。
【請求項21】
前記疾患、障害又は状態が、糖尿病性神経障害、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害又は注意欠陥、或いは鬱病である、請求項13に記載の使用。
【請求項22】
前記疾患、障害又は状態が、タバコなどのニコチン含有製品、オピオイド、例えばヘロイン、コカイン及びモルヒネ、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含む、嗜癖物質の使用の中止に起因する禁断症状に関連する、請求項13に記載の使用。
【請求項23】
コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答する、ヒトを含む動物生体の疾患又は障害又は状態を治療、予防又は緩和する方法であって、それを必要とする動物生体に請求項1〜11のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体の治療有効量を投与するステップを含む方法。

【公表番号】特表2008−517032(P2008−517032A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537263(P2007−537263)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055333
【国際公開番号】WO2006/045716
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】