説明

新規なステロイドおよびステロイド模倣物;それらの製造のための方法;ならびにそれらの使用

本発明は、新規な14β−アルキル−18−ノルステロイド、8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイド、スピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタンもしくはスピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ヘキサン、加えて14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−ステロイドの製造および用途に関し、その製造は、17−ヒドロキシ−14,15−エポキシ−ステロイドを、水を含まない酸または水を含まないLewis酸と反応させ、続いて誘導体化することによる。得られた化合物は、ヒト医薬および獣医学的医薬における医薬のための中間体生成物または医薬として使用され得、それによって、炎症性プロセスの改善、ホルモン補充療法の改善および腫瘍の処置における酵素インヒビターとしてのその用途に重点が置かれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式I:
【0002】
【化18】

を有する新規な14β−アルキル−18−ノルステロイドならびに硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸との塩およびエステルであって、
ここで
は、O、α−OHもしくはβ−OH、H、オキシアルキルオキシ(アルキルは2〜5個のC原子を含む)、17,2’−スピロオキシランであるか、または型:
【0003】
【化19】

を有し、式中、YはH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)、アルカノイル(1〜12個のC原子を含む)であり、Xは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素)、プソイドハロゲン(例えば、N、SCN、SeCN、CN)、またはアルキルオキシ(1〜6個のC原子を含む)、およびアルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル、シクロアルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、またはアルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、メチルまたはエチルであり;
は、O、OH、H、RおよびRがH、アルキル、シクロアルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、H、O、OH、1〜12個のC原子を含むO−アルキル、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)もしくはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル、シクロアルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)、RがH、アルキルもしくはシクロアルキル(アルキルは1〜7個のC原子を含む)である−OSOORであり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、αHもしくはβH、メチル、塩素、またはC5によって橋架けするメチレン基であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
そして、さらなる二重結合が、C原子4とC原子5との間;C原子5とC原子6との間;C原子9とC原子11との間;C原子8とC原子9との間;C原子13とC原子17との間およびC原子15とC原子16との間に存在し得る、14β−アルキル−18−ノルステロイドならびに硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸との塩およびエステル;
一般式I:
【0004】
【化20】

を有する新規な8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイドならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステルであって、
ここで
は、O、α−OHもしくはβ−OH、H、17−スピロ−2’−オキシランであるか、または型:
【0005】
【化21】

を有し、式中、YはH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)、アルカノイル(1〜12個のC原子を含む)であり、Xは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素)、プソイドハロゲン(例えば、N、SCN、SeCN、CN)、またはアルキルオキシ(1〜6個のC原子を含む)およびアルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、オキシアルキルオキシ(アルキルは2〜6個のC原子を含む)、S−CH−CHS、O−CH−CHS、トリアルキルシリルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、またはアルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、メチルまたはエチルであり;
は、H、O、OH、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、H、O、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、αHもしくはβH、塩素、またはC5によって橋架けするメチレン基であり;
は、α−メチル、α−エチルまたはα−メトキシメチルであり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
そして、さらなる二重結合が、C原子4とC原子5との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子10との間、C原子9とC原子11との間、C原子13とC原子17との間、C原子15とC原子16との間および/またはC原子16とC原子17との間に存在し得る、8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイドならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステル;
一般式I:
【0006】
【化22】

を有する新規なスピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(−ヘキサン)ならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステルであって、
ここで
は、H、OH、O、O−アルキル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、オキシアルキルオキシ(アルキルは2〜5個のC原子を含む)、S−CH−CH−S、O−CH−CH−S、17−スピロ−2’−オキシランであるか、型:
【0007】
【化23】

を有し、式中、YはH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)、アルカノイル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)であり、Xは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素)、プソイドハロゲン(例えば、N、SCN、SeCN、CN)またはアルキルオキシ(1〜6個のC原子を含む)、およびアルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、または、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、メチルまたはエチルおよびHであり;
は、Aが芳香族環を示さず、かつC原子5とC原子10との間もしくはC原子10とC原子9との間に二重結合が存在しない場合には、メチルまたはHであり;
は、H、OH、O、オキシアルキルオキシ(アルキルは2〜5個のC原子を含む)、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、H、OH、O、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルコキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
nは、1または2であり;
そして、さらなる二重結合が、C原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、C原子8とC原子9との間、C原子9とC原子10との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子11との間、および/またはC原子15とC原子16との間に存在し得る、スピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(−ヘキサン)ならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステルに関する。
【0008】
本発明は、一般式I:
【0009】
【化24】

を有する新規な14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−ステロイドならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換スルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステルであって、
ここで
は、メチルまたはエチルであり;
は、O、OH、O−アルキル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)、OSOH、OSO、OSOR[式中、Rは、アルキル残基またはシクロアルキル残基(アルキルは1〜7個のC原子を含む)である]であり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間およびC原子9とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、メチルまたはHであり;
Xは、H、SONR[式中、RおよびRは、H、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)である]、アルキル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチル(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、1〜12個のC原子を含むアルカノイル、アラルカノイル(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキル(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり;
nは、1または2であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
そして、さらなる二重結合が、C原子2とC原子3との間;C原子4とC原子5との間;C原子5とC原子6との間;C原子5とC原子10との間;C原子9とC原子10との間;C原子9とC原子11との間;およびC原子8とC原子9との間に存在し得る、14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−ステロイドならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換スルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステルに関する。
【0010】
残基(例えば、アラルカノイルオキシなど)における用語「アリール」は、特に、フェニルまたはアルキルフェニル(アルキルは1〜4個のC原子を含む)を意味する。
【0011】
N置換スルファミン酸は、モノアルキル置換基もしくはジアルキル置換基(アルキルは1〜6個のC原子を含む)またはアルカノイル置換基(アルキルは1〜8個のC原子を含む)を有する。
【0012】
上記新規化合物を調製するための方法およびまたそれらの薬学的処方物の調製のための方法もまた、記載される。
【0013】
出発物質である17β−ヒドロキシ−14α,15α−エポキシド(K Ponsoldら、J Prakt Chem 1981,323,819;G Schubertら、Pharmaz 1979,34,323)および17α−ヒドロキシ−14β,15β−エポキシドは先行技術から公知である。最後に、17−ケト−Δ14ステロイドは、過酸を用いて17−ケト−14β,15βエポキシドに変換され、そしてDIBAHを用いて、選択的還元によって17α−アルコールへ還元される(K Kuenzerら、Tet Lett 1995,36,1237)。
【0014】
さらには、17β−ヒドロキシ−14β,15β−エポキシドは先行技術から公知である(H Kasch、Tet Lett 1996,37,8349)。それらは、17β−ヒドロキシ−Δ14ステロイドから、過酸を用いるエポキシ化もしくはSharplessエポキシ化により製造されるか、またはそれらのオレフィンからクロラール水和物/Hを用いて製造される。
【0015】
さらには、出発物質であるWiechertケトンおよび8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイドの調製のためのアルキル化シントンは、先行技術から公知である。本化合物は、それらの最も広い意味において、19−ノルステロイドまたは19−ノルフシダンとして分類され得る、特に修飾された構造体である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の化合物およびそれらの調製のための方法は新規であり、それらの生物学的有効性が、以前に記載されたことはない。
【0017】
本発明の目的は、新規な14β−アルキル−18−ノルステロイド、8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイド、スピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(ヘキサン)および14β−フルオロ,15β−ヒドロキシステロイドを提供し、そしてそれらの調製のための方法を開示することであり、それらの化合物は、従来のステロイドホルモンに対して、異なる生物学的プロフィールおよび構造的プロフィールを有し、そしてそれらの化合物は、全身性効果を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、請求項1〜4に規定されるような、新規な14β−アルキル−18−ノルステロイドを提供する。
【0019】
本発明の文脈内の好ましい化合物の例は、以下のとおりである:
15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−14β−メチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−14β−メチル−13β−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジヒドロキシ−14β−メチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジスルファモイルオキシ−14β−メチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3−ヒドロキシ−14β−メチル−3−スルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
17β−ヒドロキシ−14β−メチル−3−スルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3−メトキシ−14β−メチル−17−オキソ−15α−スルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−メチル−17−オキソ−3−スルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−メチル−3,17β,14α−トリスルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
N−[15α−メチレンオキシカルボニルオキシ−3−メトキシ−15β−メチル−17−オキソ−13β−H−エストラ−1,3,5(10)−トリエン]−N,N,N−トリエチルアンモニウムヨージド;
15α,17β−ジヒドロキシ−14β−メチル−18−ノル−13α−H−エストラ−4−エン−3−オン;
15α,17β−ジスルファモイルオキシ−14β−メチル−18−ノル−13α−H−エストラ−4−エン−3−オン;
15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン;
3−メトキシ−17−オキソ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11),15−ペンタエン;
17β−ヒドロキシ−3−メトキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
17α−ヒドロキシ−3−メトキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジヒドロキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジヒドロキシ−8α,14β−ジメチル−13β−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジヒドロキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン;
3,17β−ジスルファモイルオキシ−8α,14β−ジメチル−13β−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
N−[17α−メチレンオキシカルボニルオキシ−3−メトキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン],N,N,N−トリエチルアンモニウムヨージド;
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−R−ヒドロキシ]−ペンタン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−]−ペンテン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−R−スルファモイルオキシ]−ペンタン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−]−ペンテン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−スルファモイルオキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−]−ペンテン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−スルファモイルオキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−R−スルファモイルオキシ]−ペンタン];
N−{スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−メチレンオキシカルボニルオキシ]−ペンタン},N,N,N−トリエチルアンモニウムヨージド;
14β−フルオロ−15β,17−ジヒドロキシ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−フルオロ−3,15β,17β−トリヒドロキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−19−ノル−アンドロステン−3−オン;
14β−フルオロ−3−メトキシ−15β,17β−ジスルファモイルオキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−3−スルファモイルオキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
N−[17β−メチレンオキシカルボニルオキシ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン]−N,N,N−トリエチルアンモニウムヨージド。
【0020】
本発明はまた、活性成分として、その対応する一般式Iを有する、少なくとも1つの14β−アルキル−18−ノルステロイド、8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイド、スピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(ヘキサン)または14β−フルオロ,15β−ヒドロキシステロイドを含む薬学的組成物に関し、ここでこの組成物は、適切な賦形剤、キャリアおよび添加剤ならびに/または安定剤を含み得る。
【0021】
本発明の化合物は、その14位および/または8位にアルキル基を含み、その化合物は、従来のエストロゲンおよび男性ホルモンに比べて改変されたプロフィールを有し、望ましくない全身的副作用の問題を有しない。このことは、とりわけ、それらがまた、他の薬学的用途のためのキャリアおよび活性成分として使用され得ることを意味する。本発明の構造体は、キャリア特性に関しては、例えば、コレステロール誘導体またはシトステロイド(sitosteroid)誘導体よりも適している。さらに、上記14β−フルオロ−15β−ヒドロキシステロイドおよび上記スピロシクロペンタンから誘導される構造体は、それらの特異的なアゴニスト性部分作用およびアンタゴニスト性部分作用に起因してホルモン補充療法(HRT)において使用され得る。本発明の化合物はまた、ラジカル捕捉剤として、および酵素インヒビターとして、宿主拒絶を強めそして刺激するために使用され得る。従って、疾患(例えば、アルツハイマー病、腫瘍または感染症)は、全身の状態と同様、処置され得、そして高齢者における身体的移動性および精神的移動性の保持が改善され得る。さらに、本発明の化合物の薬学的組成物は、有効性を増大させるために、他の活性成分(例えば、ステロイドスルファメート)と組み合わせて使用され得る。
【0022】
本発明の薬物は、所望の投与経路に依存して、通常の固体希釈剤または液体希釈剤、および通常の薬学的賦形剤を用いて、適切な用量で、公知の様式で製造される。好ましい組成物は、錠剤、糖衣錠、丸剤、散剤および徐放形態で経口投与のための投与形態にある。本発明の化合物は、経皮的システムにおける使用のための懸濁剤または液剤において使用され得る。本発明の化合物はまた、捕捉剤として、ステロイドヒドロゲナーゼインヒビター、カルボアンヒドラーゼ(carboanhydrase)インヒビター、および/またはスルファターゼインヒビターとして使用され得、それらの抗菌効果および抗黴効果に起因して、感染症を処置する際に使用され得る。さらに、それらは、さらに薬理学的に効果のある化合物の合成のための中間体として使用され得る。
【0023】
14β−アルキル−18−ノルステロイドの調製のために、一般式II:
【0024】
【化25】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、H、O、OH、1〜12個のC原子を含むO−アルキル、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、1〜12個のC原子を含むアルカノイルオキシ、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり、Rは、Aが芳香族環を示さない場合には、メチルまたはHであり、Aは、芳香族環、部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり、そしてC原子4とC原子5との間;C原子5とC原子6との間にさらなる二重結合を含み得る)を有する17β−ヒドロキシ−14α,15α−エポキシステロイドは、非プロトン性溶媒(例えば、トルエン)中、有機酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、HSOSO、HSOF、HSOCl、HB(HSO、HSbFまたはLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、ZnCl、SbFまたはSbI)の存在下で、加熱を伴って変換され、それによって一般式I:
【0025】
【化26】

(式中、R、R、RおよびAは、上に記載された意味を有し、C原子4とC原子5との間;C原子5とC原子6との間にさらなる二重結合を含み得る)
を有する14β−アルキル−18−ノルステロイドが単離され;
8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイド型の本発明の化合物の製造のために、Weichertケトン(II)は、エーテル(例えば、ジメトキシエタンもしくはテトラヒドロフラン)中で、塩基(例えば、水素化ナトリウムもしくはカリウムtert−ブチレート)を用いて前処理され、そしてアルキル化シントン(III)(例えば、2(3−アルキルオキシフェニル)−トシレートもしくは2(3−アルキルオキシフェニル)−ブロミド)と反応し、アルキル化剤(例えば、メチルヨージド、エチルヨージドもしくはメトキシメチルヨージド)を用いる塩基とのさらなる作用のあとで、17β−tert−ブトキシ−8α−アルキル−9−オキソ−9,10−seco−ゴナ−1,3,5(10),14−テトラエン(IV)に変換され:
【0026】
【化27】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)であり、Rは、メチル、エチルまたはアルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)であり、Xは、トシルオキシ、ブロミド、クロリドまたはヨージドである)
そして、これは、経路A:
非プロトン性溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素またはテトラヒドロフラン)中での有機酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)またはLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)を用いるアルドール縮合による、一般式(V)を有する17β−ヒドロキシ−8α−アルキル−ゴナ−1,3,5(10),9(11),14−ペンタエン(式中、RおよびRは、上に与えられた意味を有する)への変換であって、後者は、任意の溶媒(例えば、塩化メチレンもしくはトルエン)中での過酸(例えば、m−クロロ過安息香酸)を用いる選択的エポキシ化またはバナジルアセチルアセトネートおよびtert−ブチルヒドロペルオキシドを用いるSharplessエポキシ化により、一般式(VI)を有する14α,15α−エポキシドへ還元され、後者は、適切な無水の溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素もしくはテトラヒドロフラン)中でのLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)を用いた処理により、8α,14β−ジアルキル−15α−ヒドロキシ−17−オキソ−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン(RおよびRについて上で与えられた意味を有するIもしくはVIII)へと変換される、経路を介して;または経路B:
過酸を用いる選択的エポキシ化によるseco−14α,15α−エポキシド(VII)の還元であって、この化合物は、適切な無水溶媒(例えば、トルエン)中での有機酸またはLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)によって、8α,14β−ジアルキル−15α−ヒドロキシ−17−オキソ−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン(RおよびRについて上で与えられた意味を有するIもしくはVIII)に変換される、経路を介してのいずれかで単離され;
スピロ[シクロペンタノペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(−ヘキサン)型の本発明の化合物の製造のために、一般式II:
【0027】
【化28】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、OH、O、アルコキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり、Rは、Aが芳香族環を示さない場合およびC原子5とC原子10との間およびC原子9とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、メチルまたはHであり、nは1または2であり、Aは、芳香族環、部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり、そしてC原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子10との間、および/またはC原子9とC原子11との間にさらなる二重結合が存在し得る)を有する17α−ヒドロキシ−14β、15β−エポキシステロイドは、無水の非プロトン性溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、エーテル、ハロゲン化炭化水素)もしくは溶媒の混合物中で、酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、HSOSO、HSOF、HSOCl、HB(HSO、HSbFまたはLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、ZnCl、SbFもしくはSbCl)の存在下で変換され、それによって一般式Ia:
【0028】
【化29】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、OH、O、アルコキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり、Rは、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間およびC原子9とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、メチルまたはHであり;nは1または2であり;Aは、芳香族環、部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり、そしてC原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子10との間、および/またはC原子9とC原子11との間にさらなる二重結合が存在し得る)を有するスピロペンタン(ヘキサン)を単離し;
14β−フルオロ,15β−ヒドロキシステロイド型の本発明の化合物の製造のために、一般式II:
【0029】
【化30】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、O、OH、1〜12個のC原子を含むO−アルキル、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、1〜12個のC原子を含むアルカノイルオキシ、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり、Rは、Aが芳香族環を表さない場合には、メチルまたはHであり;nは1または2であり;Aは、芳香族環または部分的に水素化された環であり、そしてC原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、およびC原子9とC原子11との間にさらなる二重結合が存在し得る)を有する17β−ヒドロキシ−14β,15β−エポキシステロイドは、無水の非プロトン性溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、エーテルもしくはハロゲン化炭化水素)中または対応する溶媒の混合物中で、Lewis酸(例えば、BFEtO)を用いて変換され、そして得られる、一般式Ia:
【0030】
【化31】

(式中、R、RおよびR、nならびにAは、上に与えられた意味を有し、そしてC原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間ならびにC原子9とC原子11との間にさらなる二重結合が存在し得る)を有する14β−フルオロ,15β−ヒドロキシステロイドが単離され;
そして/あるいは、それは、必要な場合には、公知の様式で誘導体化もしくは変換され得;
ここで、アルコールは、酸化されるか、または塩基および適切な溶媒の存在下で、酸誘導体(例えば、塩素化炭化水素クロロアルキルアステル)もしくはアルキル化剤を用いて、アシル化、スルファモイル化、硫酸化、リン酸化、アルキル化またはシリル化され;
ケト基は、ケタール化もしくはチオケタール化により保護され、そしてこれらおよび二重結合は、そしてBirch還元の場合には芳香族A環も同様に、錯体水素化物を用いてかまたは触媒的水素化により公知の様式で還元され;
二重結合は、塩基もしくは酸を用いる処理によって公知の様式で異性化されるか、またはアルコールから水を脱離させることによって導入され、そしてエノールエーテルは、酸によって切断され;
上記芳香族A環の周辺の他の二重結合は、陽極酸化により公知の様式で導入されるか、またはさらなる二重結合は、臭素化/脱臭化水素化によって導入され;
芳香族エーテルは、三臭化ホウ素またはエチルメルカプタンおよびカリウムter−ブチレートまたはトリメチルシリルヨージドを用いて、公知の様式で切断され;
上記17−ケト官能基は、Li/アセトニトリルまたはトリメチルスルホニウムヨージドを用い、引き続く求核剤を用いた処理により、
【0031】
【化32】

基(Xは、求核剤である)を含む化合物へ公知の様式で変換され;
ここで連続的な誘導体化工程の反応の順序および反応工程の数は、変更されてもよくまたは調整されてもよく、必要に応じて官能基が、ケタール化、チオケタール化もしくはシリル化により一時的に保護され得る。
【0032】
以下の実施例は、本発明を例証する役割を果たすが、決してその範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0033】
(実施例1)
(15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−14β−メチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン)
0.5mlの17β−ヒドロキシ−14α,15α−エポキシ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエンを約3mlの乾燥トルエン中に溶解し、水の排除をともなって、65℃で、0.55molのBFEtOと反応させ、次いでこの温度で約1時間攪拌した。変換後、それを周囲温度まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を補った。生成物混合物を、トルエンを用いて徹底的に抽出し、その有機抽出物を水で中性になるまで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥した。その溶媒を除去した後、固体残渣を得、それより、トルエン−酢酸エーテル混合物(5:1〜3:1)を溶離液として用いるシリカゲルクロマトグラフィーおよび引き続くクロロホルム/メタノールからの再結晶の後で、30gの15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−14β−メチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエンを単離した。
【0034】
【化33】

(実施例2)
(15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン)
(工程1)
(17β−tert−ブトキシ−3−メトキシ−13β−メチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10),8(14)−テトラエン)
44mg(1.08mmole)の60%NaH油懸濁物および200mg(0.9mmole)の乾燥Wiechertケトンを、アルゴン下で、10mlの無水グライムに添加した。その混合物を、65℃で3時間攪拌し、次いで10mlの無水グライム中の335mg(1.08mmole)の2(3−メトキシフェニル)−エチルトシレートを補い、還流下、82℃〜85℃の温度で、3時間加熱した。その溶液を冷却した後、15mlの飽和塩化アンモニウム溶液でそれを加水分解し、そしてそのseco化合物をジエチルエーテルを用いて徹底的に抽出した。合わされたエーテル抽出物を重炭酸塩溶液および飽和塩溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下でその溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。その溶離液は、50:1と10:1との間のトルエン−酢酸エーテル混合物であった。287mg(0.74mmole)(理論収量の83%)の17β−tert−ブトキシ−3−メトキシ−13β−メチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10),8(14)−テトラエンを得た。
【0035】
【化34】

(工程2)
(17β−tert−ブトキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10),14−テトラエン)
50mg(0.14mmole)の17β−tert−ブトキシ−3−メトキシ−13β−メチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10),8(14)−テトラエンを、アルゴン下で、3.5mlの無水グライム中に溶解し、19mg(0.168mmole)のKtBを添加したあと、それを65℃まで加熱した。赤褐色の溶液を周囲温度まで冷却し、即座に11μl(0.17mmole)のヨウ化メチルを補った。反応後、飽和塩化アンモニウム溶液でそれを加水分解し、そしてジエチルエーテルを用いて徹底的に抽出した。そのエーテル抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして留去した。得られた粗生成物を、トルエン−酢酸エーテル混合物(20:1)を用いるシリカゲルでクロマトグラフィーにかけた。これは、34mg(0.092、64%収率)の17β−tert−ブトキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10),14−テトラエンを生成した。
【0036】
【化35】

(エポキシ化、バリエーションB(工程3))
(17β−tert−ブトキシ−14α,15α−エポキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン(a)
17β−ヒドロキシ−14α,15α−エポキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン(b))
130mg(0.675mmole)のm−クロロ過安息香酸を5ml中の塩化メチレン中に0℃で溶解し、50mg(0.135mmole)の17β−tert−ブトキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10),14−テトラエンを補い、この温度で24時間攪拌した。その遊離体の完全な反応のあと、反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、重炭酸塩溶液、および最後に水で加水分解し、次いでトルエンを用いて徹底的に抽出した。合わせた有機抽出物を中性になるまで重炭酸塩溶液および飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そしてエバポレートした。トルエン−酢酸エーテル混合物(50:1〜30:1)を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーの後、2つの生成物を単離した−29mg(理論収量の53%)の17β−tert−ブトキシ−14α,15α−エポキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン(a)および16mg(理論収量の35%)の17β−ヒドロキシ−14α,15α−エポキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン(b)。
【0037】
【化36】

(工程4)
(15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン)
12mg(0.031mmole)の17β−tert−ブトキシ−14α,15α−エポキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10)−トリエンを、0℃で、水を排除して、約3mlの乾燥トルエン中に溶解し、4.2μl(0.034mmole)のBFEtOを補った。2分の反応後、その脱離生成物は、完全に変換された;それを飽和重炭酸塩溶液で加水分解し、そして生成物をトルエンを用いて徹底的に抽出した。合わせた有機抽出物を中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。その溶媒を除去した後、8mgの生成物(14α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン)を、油状物の形態で単離した。
IR[cm−1]:1736(17−ケト);
MS[m/z]:331[M+H];353[M+Na]。
【0038】
(実施例2)
(3−メトキシ−17−オキソ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11),15−ペンタ−エン)
10mgの17β−ヒドロキシ−14α,15α−エポキシ−3−メトキシ−8α,13β−ジメチル−9(10)−seco−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン(b)を、Wiechertケトンを、工程1〜3に従って2(3−メトキシフェニル)−エチルトシレートまたは2(3−メトキシフェニル)−エチルブロミドで変換し、次いで工程4に従ってBFEtOを補うことにより、実施例1の様式と類似の様式で変換した。反応時間を2分から30分に変更し、引き続いてそれを飽和重炭酸塩溶液で加水分解し、そして生成物をトルエンを用いて徹底的に抽出した。その有機相を中性まで洗浄したあと、それを分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥するまでエバポレートした。8mgの油状の生成物を得た。
IR[cm−1]:1715。
【0039】
(実施例3)
(スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−R−ヒドロキシ]−ペンタン])
30mg(0.1mmole)の17β−ヒドロキシ−14β,15β−エポキシ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエンを、1mlのトルエンに懸濁させ、水の排除をともなって超音波浴中で前処理してそれをよりよく溶解させた。0℃で70μlのBFEtOを添加した後、その反応混合物を、攪拌しながら、ゆっくり周囲温度まで温めた。成功裏の変換の後、重炭酸塩溶液を添加し、そして生成物混合物をトルエンを用いて徹底的に抽出した。中性の有機溶液分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして乾燥するまでエバポレートした。シリカ(Merck)での分取薄層クロマトフラフィー(トルエン/酢酸エーテル 3:1)の後、24mgの上記スピロ−シクロペンタノ化合物を単離し、その化合物は、酢酸エーテルから結晶化し得、その構造は、X線分析により決定し得た。
【0040】
【化37】

(実施例4)
(スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−R−ヒドロキシ]−ペンタン)
30mg(0.1mmole)の17α−ヒドロキシ−14β,15β−エポキシ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)トリエンを、2mlのトルエンに懸濁させ、水の排除をともなって超音波浴中で前処理してそれをよりよく溶解させた。100μlのトルエン中の無水p−トルエンスルホン酸の飽和溶液を次いで添加し、その反応混合物を、周囲温度で攪拌した。脱離生成物の成功裏の変換の後、重炭酸塩溶液を添加し、そして生成物混合物をトルエンを用いて徹底的に抽出した。その有機溶液を、中性になるまで洗浄し、分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして乾燥するまでエバポレートした。シリカクロマトフラフィー(トルエン/酢酸エーテル 5:1〜3:1)の後、15mgの上記スピロ−シクロペンタノ化合物を単離し、その化合物は、酢酸エーテルから結晶化し得た。
IR[cm−1]:1726;
MS[m/z]:323[M+Na]。
【0041】
(実施例6)
15β,17β−ジヒドロキシ−14β−フルオロ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン
50mgの17β−ヒドロキシ−14β,15β−エポキシ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)トリエンを、水の排除をともなって、加熱しながら、1mlの、ナトリウムで乾燥したトルエンに溶解させ、0℃まで冷却した後、70μlのBFEtOを補充し、0℃で1時間攪拌した。成功裏の変換の後、それを重炭酸塩溶液で加水分解し、そして生成物混合物をトルエンを用いて抽出した。5:1〜3:1のトルエン/酢酸エーテル勾配を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーによる分離の後、非極性の画分のエバポレーションの後、15mgの上記フルオロ生成物を単離し、塩化メチレン/メタノールから結晶化させた。
【0042】
【化38】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

を有する14β−アルキル−18−ノルステロイドならびに硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸との塩およびエステルであって、
ここで
は、O、α−OHもしくはβ−OH、H、オキシアルキルオキシ(アルキルは2〜5個のC原子を含む)、17,2’−スピロオキシランであるか、または型:
【化2】

を有し、式中、YはH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)、アルカノイル(1〜12個のC原子を含む)であり、Xは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素)、プソイドハロゲン(例えば、N、SCN、SeCN、CN)、またはアルキルオキシ(1〜6個のC原子を含む)、およびアルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、または、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、メチルまたはエチルであり;
は、OH、H、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、H、O、OH、1〜12個のC原子を含むO−アルキル、アルキルオキシ−メチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)もしくはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)、RがH、アルキルもしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含むアルキル)である−OSOORであり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、αHもしくはβH、メチル、塩素、またはC5によって橋架けするメチレン基であり;
nは、1または2であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
そして、さらなる二重結合が、C原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、C原子9とC原子11との間、C原子8とC原子9との間、C原子13とC原子17との間およびC原子15とC原子16との間に存在し得る、14β−アルキル−18−ノルステロイド。
【請求項2】
一般式I:
【化3】

を有する8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイドならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステルであって、
ここで
は、O、α−OHもしくはβ−OH、H、17−スピロオキシランであるか、または型:
【化4】

を有し、式中、YはH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)、アルカノイル(1〜12個のC原子を含む)であり、Xは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素)、プソイドハロゲン(例えば、N、SCN、SeCN、CN)、またはアルキルオキシ(1〜6個のC原子を含む)およびアルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、オキシアルキルオキシ(アルキルは2〜6個のC原子を含む)、S−CH−CHS、O−CH−CHS、トリアルキルシリルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル、シクロアルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、またはアルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、メチルまたはエチルであり;
は、H、O、OH、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、H、O、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、αHもしくはβH、塩素、またはC5によって橋架けするメチレン基であり;
は、α−メチル、α−エチルまたはα−メトキシメチルであり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
そして、さらなる二重結合が、C原子4とC原子5との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子10との間、C原子9とC原子11との間、C原子13とC原子17との間、C原子15とC原子16との間および/またはC原子16とC原子17との間に存在し得る、8α、14β−ジアルキル−18−ノルステロイド。
【請求項3】
一般式I:
【化5】

を有するスピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(ヘキサン)ならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステルであって、
ここで
は、H、OH、O、O−アルキル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、オキシアルキルオキシ(アルキルは2〜5個のC原子を含む)、S−CH−CH−S、O−CH−CH−S、17−スピロ−2’−オキシラン、型:
【化6】

であり、YはH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)、アルカノイル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)であり、Xは、H、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素)、プソイドハロゲン(例えば、N、SCN、SeCN、CN)、またはアルキルオキシ(1〜6個のC原子を含む)、およびアルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、またはアルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、メチルまたはエチルおよびHであり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間もしくはC原子10とC原子9との間に二重結合が存在しない場合には、メチルまたはHであり;
は、H、OH、O、オキシアルキルオキシ(アルキルは2〜5個のC原子を含む)、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
は、H、OH、O、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルコキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
nは、1または2であり;
そして、さらなる二重結合が、C原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、C原子8とC原子9との間、C原子9とC原子10との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子11との間、および/またはC原子15とC原子16との間に存在し得る、スピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(ヘキサン)。
【請求項4】
一般式I:
【化7】

を有する14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−ステロイドならびにアミンとの塩および硫酸、スルファミン酸、N置換フルファミン酸またはリン酸のような酸とのエステルであって、
ここで
は、メチルまたはエチルであり;
は、O、OH、O−アルキル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、RおよびRがH、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)であるOSONR、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)、OSOH、OSO、OSOR(式中、Rは、アルキル残基またはシクロアルキル残基(アルキルは1〜7個のC原子を含む)である)であり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間およびC原子9とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、メチルまたはHであり;
Xは、H、SONR(式中、RおよびRは、H、アルキル(1〜6個のC原子を含む)もしくはシクロアルキル(1〜7個のC原子を含む)である)、アルカノイル(アルキルは1〜8個のC原子を含む)、アルキル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチル(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、1〜12個のC原子を含むアルカノイル、アラルカノイル(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキル(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり;
nは、1または2であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
そして、さらなる二重結合が、C原子2とC原子3との間、C原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子10との間、C原子9とC原子11との間、およびC原子8とC原子9との間に存在し得る、14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−ステロイド。
【請求項5】
請求項1に記載の14β−アルキル−18−ノルステロイド、すなわち:
15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−14β−メチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−14β−メチル−13β−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジヒドロキシ−14β−メチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジスルファモイルオキシ−14β−メチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3−ヒドロキシ−14β−メチル−3−スルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
17β−ヒドロキシ−14β−メチル−3−スルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3−メトキシ−14β−メチル−17−オキソ−15α−スルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−メチル−17−オキソ−3−スルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−メチル−3,17β,14α−トリスルファモイルオキシ−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
N−[15α−メチレンオキシカルボニルオキシ−3−メトキシ−15β−メチル−17−オキソ−13β−H−エストラ−1,3,5(10)−トリエン]−N,N,N−トリエチルアンモニウムヨージド;
15α,17β−ジヒドロキシ−14β−メチル−18−ノル−13α−H−エストラ−4−エン−3−オン;
15α,17β−ジスルファモイルオキシ−14β−メチル−18−ノル−13α−H−エストラ−4−エン−3−オン。
【請求項6】
請求項2に記載の8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイド、すなわち:
15α−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−オキソ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン;
3−メトキシ−17−オキソ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11),15−ペンタエン;
17β−ヒドロキシ−3−メトキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
17α−ヒドロキシ−3−メトキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジヒドロキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジヒドロキシ−8α,14β−ジメチル−13β−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
3,17β−ジヒドロキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン;
3,17β−ジスルファモイルオキシ−8α,14β−ジメチル−13β−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
N−[17α−メチレンオキシカルボニルオキシ−3−メトキシ−8α,14β−ジメチル−13α−H−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン],N,N,N−トリエチルアンモニウムヨージド。
【請求項7】
請求項3に記載のスピロ(シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’ペンタン(ヘキサン)、すなわち:
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−R−ヒドロキシ]−ペンタン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−]−ペンテン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−R−スルファモイルオキシ]−ペンタン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−]−ペンテン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−スルファモイルオキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−]−ペンテン];
スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−スルファモイルオキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−R−スルファモイルオキシ]−ペンタン];
N−{スピロ−[2,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メトキシ−1H−シクロペンタ[a]ナフタレン]−3,1’−[2’−S−メチル,3’−オキソ−5’−メチレンオキシカルボニルオキシ]−ペンタン},N,N,N−トリエチルアンモニウムヨージド。
【請求項8】
請求項4に記載の14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−ステロイド、すなわち:
14β−フルオロ−15β,17−ジヒドロキシ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−フルオロ−3,15β,17β−トリヒドロキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−19−ノル−アンドロステン−3−オン;
14β−フルオロ−3−メトキシ−15β,17β−ジスルファモイルオキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシ−3−スルファモイルオキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン;
N−[17β−メチレンオキシカルボニルオキシ−3−メトキシ−13β−メチル−ゴナ−1,3,5(10)−トリエン]−N,N,N−トリエチルアンモニウムヨージド。
【請求項9】
請求項1および請求項5に記載の、一般式Iを有する14β−メチル−18−ノルステロイドの調製のための方法であって、一般式II:
【化8】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、H、O、OH、1〜12個のC原子を含むO−アルキル、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり;
は、Aが芳香族環を示さない場合には、メチルまたはHであり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環であり;そして
C原子4とC原子5との間;C原子5とC原子6との間にさらなる二重結合を含み得る)を有する17β−ヒドロキシ−14α,15α−エポキシステロイドが、非プロトン性溶媒(例えば、トルエン)中、無水の酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)またはLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)の存在下で、加熱を伴って変換され、それによって一般式I:
【化9】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、H、O、OH、1〜12個のC原子を含むO−アルキル、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり;
は、Aが芳香族環を示さない場合には、メチルまたはHであり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環であり;そして
さらなる二重結合が、C原子4とC原子5との間;C原子5とC原子6との間に存在し得る)を有する14β−アルキル−18−ノルステロイドを単離し、そして/あるいは、適切である場合には、それ自体は公知の様式でそれらを誘導体化し;
それによって、アルコールは酸化されるか、または塩基および適切な溶媒の存在下で、酸誘導体、アルキル化剤、もしくはシリル化剤を用い、アシル化、スルファモイル化、硫酸化、リン酸化、アルキル化もしくはシリル化され;
ケト基、およびBirch還元の場合には芳香族A環も同様に、公知の様式で還元されるか、またはケタール化もしくはチオケタール化により保護され;
二重結合は、塩基もしくは酸を用いる処理によって置換され、エノールエーテルは、酸によって切断され、二重結合は、アルコールから水を脱離させることによって導入され;
該芳香族A環の周辺の他の二重結合は、陽極酸化により公知の様式で導入されるか、またはさらなる二重結合は、臭素化/脱臭化水素化によって導入され;
芳香族エーテルは、三臭化ホウ素またはエチルメルカプタンおよびカリウムter−ブチレートを用いて、公知の様式で切断され;
該17−ケト官能基は、Li/アセトニトリルまたはトリメチルスルホニウムヨージドを用いて、公知の様式で変換され、引き続く求核剤を用いた処理により、
【化10】

(Xは、求核剤である)を含む化合物を生成し;
ここで誘導体化における反応工程の順序および反応工程の数は、変更されてもよくまたは調整されてもよい点において特徴付けられる、方法。
【請求項10】
請求項2および請求項6に記載の、一般式Iを有する8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイドの製造のための方法であって、Weichertケトン(II)が、エーテル(例えば、ジメトキシエタンもしくはテトラヒドロフラン)中で、塩基(水素化ナトリウムもしくはカリウムter−ブチレート)を用いて前処理され、そしてアルキル化シントン(III)(例えば、2(3−アルキルオキシフェニル)−トシレートもしくは2(3−アルキルオキシフェニル)−ブロミド)と反応し、塩基を伴う、アルキル化剤(例えば、メチルヨージド、エチルヨージドもしくはメトキシメチルヨージド)を用いるさらなる作用のあとで、17β−tert−ブトキシ−8α−アルキル−9−オキソ−9,10−seco−ゴナ−1,3,5(10),14−テトラエン(IV)に変換される点において特徴付けられ:
【化11】

式中、
は、メチルまたはエチルであり;
は、アルキルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)であり;
は、メチル、エチルまたはアルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)であり;
Xは、トシルオキシ、ブロミド、クロリドまたはヨージドであり;
そして、これは経路A:
非プロトン性溶媒中での有機酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)またはLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)を用いるアルドール縮合による、一般式(V)を有する17β−ヒドロキシ−8α−アルキル−ゴナ−1,3,5(10),9(11),14−ペンタエンへの変換であって、ここでRおよびRは、上で定義された意味を有し、後者は、任意の溶媒(例えば、トルエン)中での過酸(例えば、m−クロロ過安息香酸)を用いる選択的エポキシ化またはバナジルアセチルアセトナートおよびtert−ブチルヒドロペルオキシドを用いるSharplessエポキシ化により、一般式(VI)を有する14α,15α−エポキシドへ還元され、この後者の化合物は、適切な無水溶媒(例えば、トルエン)中でのLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)を用いた処理により、8α、14β−ジアルキル−15α−ヒドロキシ−17−オキソ−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン(RおよびRについて上で定義された意味を有するIもしくはVIII)へと変換される、経路を介して;または経路B:
過酸を用いる選択的エポキシ化によるseco−14α,15α−エポキシド(VII)の還元であって、この化合物は、適切な無水溶媒(例えば、トルエン)中での有機酸またはLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)によって、8α、14β−ジアルキル−15α−ヒドロキシ−17−オキソ−ゴナ−1,3,5(10),9(11)−テトラエン(RおよびRについて上で定義された意味を有するIもしくはVIII))に変換される、経路を介してのいずれかで単離され;
そして/または、これは、適切な場合には、それ自体は公知の様式で変換または誘導体化され;
それによって、アルコールは酸化されるか、または塩基および適切な溶媒の存在下で、酸誘導体(例えば、塩素化炭化水素クロロアルキルエステル)、アルキル化剤、もしくはシリル化剤を用い、アシル化、スルファモイル化、硫酸化、リン酸化、アルキル化またはシリル化され得;
ケト基は、ケタール化もしくはチオケタール化により保護され、そしてこれらおよび二重結合は、Birch還元の場合には該芳香族A環も同様に、錯体水素化物を用いてか、あるいは触媒的水素化によりもしくは公知の様式で還元され;
二重結合は、塩基もしくは酸を用いる処理によって公知の様式で異性化されるか、またはアルコールから水を脱離させることにより導入され、そしてエノールエーテルは、酸によって切断され;
該芳香族A環の周辺の他の二重結合は、陽極酸化により公知の様式で導入されるか、またはさらなる二重結合は、臭素化/脱臭化水素化によって導入され;
芳香族エーテルおよび脂肪族エーテルは、三臭化ホウ素またはエチルメルカプタンおよびカリウムter−ブチレートもしくはトリメチルシリルヨージドを用いて、公知の様式で切断され;
該17−ケト官能基は、Li/アセトニトリルまたはトリメチルスルホニウムヨージドを用いて、公知の様式で変換され、引き続く求核剤を用いた処理により、
【化12】

基(Xは、求核剤である)を含む化合物を生成し;
ここで誘導体化工程における反応工程の順序および反応工程の数は、変更されてもよくまたは調整されてもよい点において特徴付けられる、方法。
【請求項11】
請求項3および請求項7に記載の、一般式Iを有するスピロ[シクロペンタノペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(−ヘキサン)の製造のための方法であって、一般式II:
【化13】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、OH、O、アルコキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間およびC原子9とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、メチルまたはHであり;
nは、1または2であり;
Aは、芳香族環、部分的に水素化された環もしくは完全に水素化された環であり;
そしてC原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子10との間、および/またはC原子9とC原子11との間にさらなる二重結合が存在し得る)を有する17α−ヒドロキシ−14β、15β−エポキシステロイドを、無水の非プロトン性溶媒(例えば、トルエン)中で、酸(例えば、p−トルエンスルホン酸)またはLewis酸(例えば、三フッ化ホウ素)の存在下で変換され、一般式Ia:
【化14】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、OH、O、アルコキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)、アラルキルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり;
は、Aが芳香族環を示さない場合またはC原子5とC原子10との間およびC原子9とC原子10との間に二重結合が存在しない場合には、メチルまたはHであり;
nは1または2であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環であり;
そしてC原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、C原子5とC原子10との間、C原子9とC原子10との間、および/またはC原子9とC原子11との間にさらなる二重結合が存在し得る)を有するスピロペンタン(ヘキサン)を単離し、そして/あるいは、適切である場合には、それらは、それ自体は公知の様式で変換され得;
それによって、アルコールは酸化されるか、または塩基および適切な溶媒の存在下で、酸誘導体、アルキル化剤、もしくはシリル化剤を用い、アシル化、スルファモイル化、硫酸化、リン酸化、アルキル化またはシリル化され;
ケト基、およびBirch還元の場合には芳香族A環も同様に、錯体水素化物を用いてか、または触媒的水素化により公知の様式で還元されるか、あるいはケタール化もしくはチオケタール化により保護され;
二重結合は、塩基もしくは酸を用いる処理によって異性化され、エノールエーテルは、酸によって切断され、そして二重結合は、アルコールから水を脱離させることにより導入され;
該芳香族A環の周辺の他の二重結合は、陽極酸化により公知の様式で導入されるか、またはさらなる二重結合は、臭素化/脱臭化水素化によって導入され;
芳香族エーテルおよび脂肪族エーテルは、三臭化ホウ素またはエチルメルカプタンおよびカリウムter−ブチレートまたはトリメチルシリルヨージドを用いて、公知の様式で切断され;
該17−ケト官能基は、Li/アセトニトリルまたはトリメチルスルホニウムヨージドを用いて、公知の様式で変換され、引き続く求核剤を用いた処理により、
【化15】

基(Xは、求核剤である)を含む化合物を生成し;
ここで誘導体化工程における反応工程の順序および反応工程の数は、変更されてもよくまたは調整されてもよい点において特徴付けられる、方法。
【請求項12】
請求項4および請求項8に記載の、一般式Iを有する14β−フルオロ,15β,17β−ジヒドロキシステロイドの製造のための方法であって、一般式II:
【化16】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、O、OH、1〜12個のC原子を含むO−アルキル、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり;
は、Aが芳香族環を表さない場合には、メチルまたはHであり;
nは、1または2であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環であり;
そしてC原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、およびC原子9とC原子11との間にさらなる二重結合が存在し得る)を有する17β−ヒドロキシ−14β,15β−エポキシステロイドが、無水の非プロトン性溶媒(例えば、トルエン)中で、BFEtOによって変換され、得られる一般式Ia:
【化17】

(式中、Rは、メチルまたはエチルであり;
は、O、OH、O−アルキル(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アルキルオキシメチルオキシ(アルキルは1〜3個のC原子を含む)、アルカノイルオキシ(アルキルは1〜12個のC原子を含む)、アラルカノイルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)またはアラルキルオキシ(アルキルは1〜4個のC原子を含む)であり;
は、Aが芳香族環を表さない場合には、メチルまたはHであり;
nは、1または2であり;
Aは、芳香族環または部分的に水素化された環であり;
そしてC原子4とC原子5との間、C原子5とC原子6との間、およびC原子9とC原子11との間にさらなる二重結合が存在し得る)を有する14β−フルオロ,15β−ヒドロキシステロイドが単離され;
そして/あるいは、それは、公知の様式で誘導体化もしくは変換され;
それによって、アルコールは、プロトンを引き抜く塩基および適切な溶媒の存在下で、酸誘導体もしくはアルキル化剤を用いて、アシル化、スルファモイル化、硫酸化、リン酸化またはアルキル化され;
該芳香族A環は、Birch還元を用いて、公知の様式で還元され、そして酸処理により3−ケト−Δ−化合物または3−ケト−5(10)化合物に変換され;
該芳香族A環の周辺の他の二重結合は、陽極酸化により公知の様式で導入されるか、またはさらなる二重結合は、臭素化/脱臭化水素化によって、3−ケト−5(10)化合物から導入され;
ケト基は、錯体水素化物を用いてか、または触媒的水素化により公知の様式で還元され;
芳香族エーテルおよび脂肪族エーテルは、三臭化ホウ素またはエチルメルカプタンおよびカリウムter−ブチレートもしくはトリメチルシリルヨージドを用いて、公知の様式で切断され;
ここで誘導体化工程における反応工程の順序および反応工程の数は、変更されてもよくまたは調整されてもよい点において特徴付けられる、方法。
【請求項13】
少なくとも1つの請求項1および請求項5に記載の14β−アルキル−18−ノルステロイド、請求項2および請求項6に記載の8α,14β−ジアルキル−18−ノルステロイド、請求項3および請求項7に記載のスピロ[シクロペンタノ−ペルヒドロナフタレン]−3,1’−ペンタン(ヘキサン)または請求項4および請求項8に記載の14β−フルオロ−15β,17β−ジヒドロキシステロイドを含む薬学的組成物であって、必要に応じて薬学的に受容可能な賦形剤、キャリアおよび/または安定剤をともなう、薬学的組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のうちの1項に記載の薬学的調製物であって、投与が全身的手段もしくは局所的手段、経口的手段、皮下的手段もしくは経皮的手段または注射による点において特徴付けられる、薬学的調製物。

【公表番号】特表2006−518715(P2006−518715A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501482(P2006−501482)
【出願日】平成16年1月28日(2004.1.28)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000152
【国際公開番号】WO2004/067547
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(500232695)ステリックス リミテッド (13)
【Fターム(参考)】