説明

新規な置換イソキノリン及びイソキノリノン誘導体

本発明は、Rhoキナーゼ及び/又はミオシン軽鎖ホスファターゼのRhoキナーゼ媒介リン酸化に関連する疾患の治療及び/又は予防に対して有用な、式(I)の6−置換イソキノリン及びイソキノロン誘導体、及びそのような化合物を含む組成物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲に記載の新規なイソキノリン及びイソキノリノン誘導体、それらの製造、及びRhoキナーゼ及び/又はミオシン軽鎖ホスファターゼのRhoキナーゼ媒介リン酸化の阻害に関連する疾患の治療及び/又は予防におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アゴニスト刺激による小分子GTPアーゼRhoAの活性化は、不活性GDP結合型から活性GTP結合型へのRhoAの変換をもたらし、それに続くRhoキナーゼへの結合及び活性化を引き起こす。2つのアイソフォームとして、Rhoキナーゼ1及びRhoキナーゼ2が公知である。Rhoキナーゼ2は血管平滑筋細胞及び内皮細胞に発現する。活性GTP結合RhoAによるRhoキナーゼ2の活性化は、ミオシン軽鎖ホスファターゼ活性のリン酸化媒介阻害を通して平滑筋細胞のカルシウム感作を引き起こし、それによってミオシン調節軽鎖の活性のアップレギュレーションを導く(非特許文献1)。
【0003】
Rhoキナーゼが、筋原性緊張及び平滑筋高収縮性の発生(非特許文献2)、気管支平滑筋収縮(非特許文献3)、喘息(非特許文献4、5)及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)(非特許文献6)、高血圧症、肺高血圧症(非特許文献7、8)及び高眼圧症及び眼圧の調節(非特許文献9)、内皮機能不全(非特許文献10)、アンギナ(非特許文献11、12)、高血圧誘発性、非高血圧誘発性及び糖尿病性腎症を含む腎症、腎不全及び末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)(非特許文献13)、心筋梗塞(非特許文献14、15)、心肥大及び心不全(非特許文献16、17、18)、冠状動脈性心疾患、アテローム性動脈硬化症、再狭窄(非特許文献19、20、21)、糖尿病、糖尿病合併症、グルコース利用及びメタボリックシンドローム(非特許文献22、23)、性的機能不全、例えば陰茎勃起障害(非特許文献24)、網膜症、炎症、免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症、内分泌機能異常、例えば高アルドステロン症、神経変性及び脊髄損傷などの中枢神経系障害(非特許文献25)、脳虚血(非特許文献26、27、28、29)、脳血管攣縮(非特許文献30、31)、疼痛、例えば、神経因性疼痛(非特許文献32、33)、細菌による消化管感染症(特許文献1)、癌発生及び進行、Rhoキナーゼの阻害が腫瘍細胞増殖と転移を阻害することが示されている新形成(非特許文献34、35)、血管新生(非特許文献36、37)、血管平滑筋細胞増殖と運動性(非特許文献38、39)、内皮細胞増殖、内皮細胞退縮及び運動性(非特許文献40)、ストレス線維形成(非特許文献41、42)、血栓疾患(非特許文献43、44、45、46)及び白血球凝集(非特許文献47、48、49)、及び骨吸収(非特許文献50)、NaH交換輸送系活性化(非特許文献51)、アルツハイマー病(非特許文献52)、アデュシン活性化(非特許文献53)を含む血管収縮に、並びにSREB(ステロール応答結合要素)シグナル伝達及び脂質代謝に対するその作用(非特許文献54)に、関与することは公知である。
【0004】
従って、Rhoキナーゼ及び/又はミオシン軽鎖ホスファターゼのRhoキナーゼ媒介リン酸化に対して阻害作用を有する化合物は、高血圧、肺高血圧、高眼圧、網膜症及び緑内障、末梢循環障害、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、冠状動脈性心疾患、狭心症、心肥大、心不全、虚血性疾患、虚血性臓器不全(末端器官障害)、肺線維症、肝線維症、肝不全、高血圧誘発性、非高血圧誘発性及び糖尿病性腎症を含む腎症、腎不全、腎線維症、腎糸球体硬化症、臓器肥大、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、血栓疾患、発作、脳血管攣縮、脳虚血、疼痛、例えば神経因性疼痛、神経変性、脊髄損傷、アルツハイマー病、早産、勃起障害、内分泌機能異常、動脈硬化症、前立腺肥大、糖尿病及び糖尿病合併症、メタボリックシンドローム、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症などの骨障害、細菌による消化管感染症、敗血症、がん発生及び進行、例えば乳房、結腸、前立腺、卵巣、脳及び肺のがん並びにそれらの転移のように、一次及び二次疾患の原因としてRhoキナーゼを含む心血管及び非心血管疾患の治療及び/又は予防に有用である。
【0005】
特許文献2には、神経保護剤として有用な、−(CH21-6−O−(CH20-6−、−(CH20-6−S−(CH20-6−又は−(CH20-6−が結合したヘテロ環基で、場合により置換されたイソキノリン−5−スルホンアミド誘導体が記載されている。
【0006】
特許文献3には、イソキノリン環の1位に、エーテル又はエステル基を有する、Rho−キナーゼ阻害剤ファスジルのプロドラッグが記載されている。
【0007】
特許文献4には、細菌感染の治療に有用な、−O−(C0−C10)アルキル−ヘテロアリールで置換したシクロヘキシル誘導体が一般的に記載されている。
【0008】
特許文献5には、胃炎、癌又は潰瘍などの、Helicobacter pylori菌で引き起こされる疾患の治療用として有用なイソキノリン誘導体が記載されている。このイソキノリン誘導体は、1位がOHで置換され、そして好ましくは、5位がX−[(C1−C6)アルキレン)]0-1−Y(ここで、Xは酸素であり、Yはアリール又はヘテロ環基である)で置換されてもよい。
【0009】
Hagiharaらは、Helicobacter pylori菌で引き起こされる感染症の治療用として、6−ベンジルオキシ−イソキノリンを開示している(非特許文献55)。
【0010】
特許文献6には、細胞増殖を阻害するのに有用なEGF及び/又はPDGF受容体阻害剤としての、式「ArI−X−ArII」(ここで、Xは、(CHR1m−Z−(CHR1n、例えばZ−CH2であり、そしてZは、Oであり、R1は水素又はアルキルであり、ArIはとりわけ場合により置換されるイソキノロンであり、そしてArIIはとりわけ場合により置換されるC3−C7単環飽和ヘテロ環系である)の化合物が、一般的に記載されている。
【0011】
特許文献7では、心不整脈、脳卒中、うっ血性心不全などの治療用カリウムチャンネル阻害剤として、イソキノロン誘導体が一般的に記載されており、この誘導体は、6位において場合により(CRefpOR43基[ここで、pは0であってよく、そしてR43は、例えば場合によりNR5152で置換された(C3−C10)シクロアルキル残基であり、ここでR51及びR52は、水素、(C1−C6)アルキルなどであってよく;又はR43は、1、2、3又は4個のヘテロ原子を有する4〜6員環の不飽和又は飽和で単環のヘテロ環として定義されるR81基である]で置換され;そして、4位において直接結合した、場合により置換されたアリール又はヘテロアリール環により置換されたものである。
【0012】
特許文献8には、心不整脈、脳卒中、うっ血性心不全の治療用カリウムチャンネル阻害剤として、イソキノリン誘導体が一般的に記載されており、この誘導体は、1位においてヒドロキシル基で置換されてもよく、そして、6位において、場合により(CRefpOR43基[ここで、pは0であってもよく、そしてR43は、例えば場合によりNR5152で置換された(C3−C10)シクロアルキル残基であり、ここでR51及びR52は、水素、(C1−C6)アルキルなどであってよく;又は、R43は、1、2、3又は4個のヘテロ原子を有する4〜6員環の、不飽和又は飽和で単環のヘテロ環として定義されたR81基である]で置換され;そして、4位において、直接結合した、場合により4位で置換されたアリール又はヘテロアリール環により置換されたものである。
【0013】
特許文献9には、Rho−キナーゼ阻害剤として、以下の式:
【化1】

のイソキノロン誘導体が、一般的に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開公報第98/06433号
【特許文献2】国際公開公報第01/64238号
【特許文献3】国際公開公報第2004/106325号(Schering AG)
【特許文献4】国際公開公報第2001/039726号
【特許文献5】特開平10−第087629号
【特許文献6】米国特許第5480883号
【特許文献7】国際公開公報第2005/030791号(Merck & Co.)
【特許文献8】国際公開公報第2005/030130号(Merck & Co.)
【特許文献9】国際公開公報第03/053330号(Ube)
【特許文献10】国際公開公報第00/24718号(Akzo)
【特許文献11】欧州特許出願第541559(A1)号(Asahi)
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Uehata et al., Nature 1997, 389, 990-994
【非特許文献2】Gokina et al. J. Appl. Physiol. 2005, 98, 1940-8
【非特許文献3】Yoshii et al. Am. J. Resp. Cell MoI. Biol. 20, 1190-1200
【非特許文献4】Setoguchi et al. Br J Pharmacol. 2001, 132, 111-8
【非特許文献5】Nakahara, et al. Eur J 2000, 389, 103
【非特許文献6】Maruoka, Nippon Rinsho, 1999, 57, 1982-7
【非特許文献7】Fukumoto et al. Heart, 91, 391-2, 2005
【非特許文献8】Mukai et al. Nature 1997, 389, 990-4
【非特許文献9】Honjo et al. Invest. Ophthalmol. Visual Sci. 2001, 42, 137-144
【非特許文献10】Steioff et al. Eur. J. Pharmacol. 2005, 512, 247-249
【非特許文献11】Masumoto et al. Circ 2002, 105, 1545-47
【非特許文献12】Shimokawa et al. JCP, 2002, 40, 751-761
【非特許文献13】Wakino et al. Drug News Perspect. 2005, 18, 639-43
【非特許文献14】Demiryurek et al. Eur J Pharmacol. 2005, 527, 129-40
【非特許文献15】Hattori et al. Circulation, 2004, 109, 2234-9
【非特許文献16】Yamakawa, et al. Hypertension 2000, 35, 313-318
【非特許文献17】Liao et al. Am J Physiol Cell Physiol. 2006, 290, C661-8
【非特許文献18】Kishi et al. Circ 2005, 111, 2741-2747
【非特許文献19】Pacaud et al. Arch. MaI. Coeur 2005, 98, 249-254
【非特許文献20】Retzer, et al. FEBS Lett 2000, 466, 70
【非特許文献21】Negoro, et al. Biochem Biophys Res Commun 1999, 262, 211
【非特許文献22】Sandu, et al. Diabetes 2000, 49, 2178
【非特許文献23】Maeda et al. Cell Metab. 2005, 2, 119-29
【非特許文献24】Chitaley et al. Nature Medicine 2001, 7, 119-122
【非特許文献25】Hara, et al. JNeurosurg 2000, 93, 94
【非特許文献26】Uehata, et al. Nature 1997, 389, 990
【非特許文献27】Satoh et al. Life Sci. 2001, 69, 1441-53
【非特許文献28】Hitomi, et al. Life Sci 2000, 67, 1929
【非特許文献29】Yamamoto, et al. J Cardiovasc Pharmacol. 2000, 35, 203-11
【非特許文献30】Sato, et al. Circ Res 2000, 87, 195
【非特許文献31】Kim, et al. Neurosurgery 2000, 46, 440
【非特許文献32】Tatsumi, et al. Neuroscience 2005, 131, 491
【非特許文献33】Inoue, et al. Nature medicine 2004, 10, 712
【非特許文献34】Itoh, et al. Nature Medicine 1999, 5, 221
【非特許文献35】Somlyo, et al. Res Commun 2000, 269, 652
【非特許文献36】Uchida, et al. Biochem Biophys Res 2000, 269, 633-40
【非特許文献37】Gingras, et al. Biochem J 2000, 348, 273
【非特許文献38】Tammy et al. Circ. Res. 1999, 84, 1186-1193
【非特許文献39】Tangkijvanich et al. Atherosclerosis 2001, 155, 321-327
【非特許文献40】Oikawa et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 2000, 269, 633-640
【非特許文献41】Kimura et al. Science 1997, 275, 1308-1311
【非特許文献42】Yamashiro et al. J. Cell Biol. 2000, 150, 797- 806
【非特許文献43】Kikkawa, et al. FEBS Lett. 2000, 466, 70-74
【非特許文献44】Bauer et al. Blood 1999, 94, 1665-1672
【非特許文献45】Klages, et al. J Cell Biol 1999, 144, 745
【非特許文献46】Retzer, et al. Cell Signal 2000, 12, 645
【非特許文献47】Kawaguchi, et al. Eur J Pharmacol.2000, 403,203-8
【非特許文献48】Sanchez-Madrid, et al. J Immunol. 2003, 171, 1023-34
【非特許文献49】Sanchez-Madrid, et al. J Immunol. 2002, 168, 400-10
【非特許文献50】Chellaiah, et al. J Biol Chem. 2003, 278, 29086-97
【非特許文献51】Kawaguchi, et al. Eur J Pharmacol. 2000, 403, 203-8
【非特許文献52】Zhou et al. Science 2003, 302, 1215-1217
【非特許文献53】Fukata et al. J. Biol. Chem., 1998, 273, 5542-5548
【非特許文献54】Lin et al. Circ. Res., 92, 1296-304, 2003
【非特許文献55】Hagihara et al. Bioorg. Med. Chem. 1999, 7, 2647-2666
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の実施態様は、式(I):
【化2】

〔式中、
1は、H、OH又はNH2であり;
2は、
R’;
(C7−C8)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C2−C6)アルキニル;
(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−O−R’;
(C1−C6)アルキレン−CH[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C16)アルキル]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)OR’;
C(O)(C1−C6)アルキル;
C(O)R’;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルケニル;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;,
C(O)N[(C1−C6)アルキル]R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)−(C1−C6)アルキレン−R’;
C(O)O(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は、(C1−C6)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素が、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合する(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、アミン環の異なる炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になって、第二の4〜8員環を形成し;
【0017】
3は、
H;
ハロゲン;
(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
OH;
O−R’’;
NH2
NHR’’;
NR’’R’’;又は
NH−C(O)−R’’;
であり;
4は、
H;
ハロゲン;
ヒドロキシ;
CN;
(C1−C6)アルキル;
R’;
(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
5は、
H;
ハロゲン;
CN;
NO2
(C1−C6)アルキル;
(C2−C6)アルケニル;
R’;
(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール;
(C2−C6)アルケニレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;
CH(OH)−(C1−C6)アルキル;
NH2
NH−R’;
NH−SO2H;
NH−SO2−(C1−C6)アルキル;
NH−SO2−R’;
NH−C(O)−(C1−C6)アルキル;
NH−C(O)−R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)OH;又は
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
であり;
【0018】
6は、
H;
R’;
(C1−C8)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−O−R’;
(C1−C6)アルキレン−CH[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)OR’;
C(O)(C1−C6)アルキル;
C(O)R’;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)−(C1−C6)アルキレン−R’;又は
C(O)O(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
7は、
H;
ハロゲン;
CN;
NO2
(C1−C6)アルキル;
O−(C1−C6)アルキル;
(C2−C6)アルケニル;
R’;
(C1−C6)アルケニレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキレン−R’;
CH(OH)−(C1−C6)アルキル;
NH2
NH−R’;
NH−SO2H;
NH−SO2−(C1−C6)アルキル;
NH−SO2−R’;
SO2−NH2
SO2−NHR’;
NH−C(O)−(C1−C6)アルキル;
NH−C(O)−R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)OH;又は
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
であり;
【0019】
8は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルであり;
nは、1、2、3又は4であり;
mは、1、2、3、4又は5であり;そして
Lは、O(CH2p、S(CH2p、S(O)(CH2p、SO2(CH2p、NH(CH2p、N(C1−C6)アルキル−(CH2p、N(C3−C6)シクロアルキル−(CH2p、N[CO(C1−C6)アルキル]−(CH2p又はN[(C1−C3)アルキレン−R’]−(CH2pであり;
pは、0、1、2、3又は4であり;
ここで、
R’は、
(C3−C8)シクロアルキル;
(C5−C10)ヘテロ環;
(C6−C10)アリール;
であり;
R’’は、
(C3−C8)シクロアルキル;
(C5−C10)ヘテロ環;
(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−O−R’;又は
(C1−C6)アルキレン−NRxy
であり;そして
ここで、
x及びRyは、互いに独立に、
(C1−C6)アルキル;
(C5−C10)ヘテロ環;
(C6−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;
(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−NH(C1−C6)アルキル;
(C1−C4)アルキレン−N[(C1−C6)アルキル]2
(C1−C4)アルキレン−N[(C6−C10)アリール]2;又は
(C1−C4)アルキレン−N[(C5−C10)ヘテロ環]2
であり;
ここで、残基R4、R5、R6、R7及びR8における、アルキル、アルキレン又はシクロアルキルは、場合により、1回又はそれ以上、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換されても良く;
ここで、残基R2〜R8におけるアルキル又はアルキレンは、場合により、1回又はそれ以上ハロゲンで置換されても良く;
ここで、残基R2〜R8における(C6−C10)アリール及び(C5−C10)ヘテロ環は、無置換、又は1回若しくはそれ以上、ハロゲン、OH、NO2、N3、CN、C(O)−(C1−C6)アルキル、C(O)−(C1−C6)アリール、COOH、COO(C1−C6)アルキル、CONH2、CONH(C1−C6)アルキル、CON[(C1−C6)アルキル]2、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−OH、(C1−C6)アルキレン−NH2、(C1−C6)アルキレン−NH(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−N[(C1−C6)アルキル]2、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、O−(C1−C6)アルキル、O−C(O)−(C1−C6)アルキル、PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1−C6)アルキル、SO2N[(C1−C6)アルキル]2、S−(C1−C6)アルキル;SO−(C1−C6)アルキル、SO2−(C1−C6)アルキル、SO2−N=CH−N[(C1−C6)アルキル]2、C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1−C6)アルキル、N[(C1−C6)アルキル]2、NH−C(O)−(C1−C6)アルキル、NH−C(O)O−(C1−C6)アルキル、NH−SO2−(C1−C6)アルキル、NH−SO2−(C6−C10)アリール、NH−SO2−(C5−C10)ヘテロ環、N(C1−C6)アルキル−C(O)−(C1−C6)アルキル、N(C1−C6)アルキル−C(O)O−(C1−C6)アルキル、N(C1−C6)アルキル−C(O)−NH−(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−(C6−C10)アリール、O−(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロ環、(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はO−(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環から独立に選択される好適な基で置換され、
ここで、(C6−C10)アリール又は(C5−C10)ヘテロ環は、1〜3回、ハロゲン、OH、NO2、CN、O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル、NH2、NH(C1−C6)アルキル、N[(C1−C6)アルキル]2、SO2CH3、COOH、C(O)O−(C1−C6)アルキル、CONH2、(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−O−(C6−C10)アリール又はO−(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリールから独立に選択される基で置換されても良く;
又はここで、(C6−C10)アリールは、隣接してO−(C1−C4)アルキレン−O基で置換され、それにより、酸素原子が結合している炭素原子と一緒になり5〜8員環を形成し;
そしてここで、(C6−C10)アリール及び(C5−C10)ヘテロ環基のアリール又はヘテロ環置換基は、更に、アリール又はヘテロ環を含む基で置換されなくてもよい];
の化合物、又はそれらの立体異性体及び/又は互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩である。
【0020】
本発明の1つの実施態様において、R1はHであり、従って、化合物は式(II):
【化3】

で特徴付けられる。
【0021】
別の実施態様において、R1はOHであり、従って、化合物は、式(III):
【化4】

で特徴付けられる。
【0022】
式(III)の化合物は、式(III’)の互変異性体を有する。
【化5】

【0023】
この互変異性体も、また、本発明の実施態様である。
【0024】
更なる実施態様において、R1はNH2であり、そして化合物は、式(IV):
【化6】

を有する。
【0025】
1は、好ましくは、H又はOHである。
【0026】
3は、好ましくは、H、ハロゲン、(C1−C4)アルキレン−R’、O−R’’又はNHR’’である。より好ましくは、R3は、H又はNHR’’である。最も好ましくは、R3は、H、NH−(C5−C6)ヘテロ環又はNH−フェニルであり、特に好ましくは、H、N原子を1つ若しくはそれ以上含むNH−(C5−C6)ヘテロアリール又はNH−フェニルである。最も特に好ましくは、R3はHである。
【0027】
3置換基の例は、以下の基:
【化7】

である。
【0028】
好ましくは、R4は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルである。より好ましくは、R4は、H、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルである。最も好ましくは、R4はHである。
【0029】
好ましくは、R5は、H、ハロゲン、CN、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、R’、NH−(C6−C10)アリール又は(C1−C6)アルキレン−R’である。より好ましくは、R5は、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、R’、NH−(C6−C10)アリール又は(C1−C6)アルキレン−R’ある。最も好ましくは、R5は、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C6−C10)アリール、NH−(C6−C10)アリール、(C1−C2)アルキル−(C6−C10)アリール又は(C5−C10)ヘテロアリールである。特に好ましくは、R5は、H、ハロゲン、フェニル、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C6−C10)アリール又は(C5−C6)ヘテロアリールである。最も特に好ましくは、R5は、H、ハロゲン、メチル、エチル、ビニル、フェニル、チエニル又はピリジルである。
【0030】
5の例は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、ビニル、フェニル、チエニル又はピリジル、ニトリル、ニトロ、(p−メトキシ)−フェニル、N−アニリン、ベンジル、2−プロペニル、s−ブテニル、シクロプロピル、テトラゾール、アミノ、4−メトキシ−アニリン又はN−アセチルであり、好ましくは水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、ビニル、フェニル、チエニル又はピリジルである。より好ましくは、R5は、H、ハロゲン、メチル又はエチルであり、最も好ましくは、R5はHである。
【0031】
好ましくは、R6は、H、(C1−C6)アルキル、R’、(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)アリール、(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環、(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C4)アルキレン−C(O)−(C5−C10)ヘテロ環、(C1−C4)アルキレン−C(O)−(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)R’、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、又はC(O)(C1−C6)アルキレン−R’である。
【0032】
更なる好ましい実施態様において、R6は、H、(C1−C6)アルキル、(C5−C10)ヘテロ環、(C3−C8)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環、(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)−(C5−C10)ヘテロ環、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はC(O)(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリールである。
【0033】
更なるより好ましい実施態様において、R6は、H、(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル、(C5−C10)ヘテロ環、(C5−C10)アリール、(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環、(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)−(C5−C10)ヘテロ環、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はC(O)(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリールである。
【0034】
より好ましい実施態様において、R6は、H、(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環、(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C1−C4)アルキレン−O−(C1−C4)アルキル、C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)−(C5−C10)ヘテロ環、C(O)(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はC(O)(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリールである。
【0035】
更なるより好ましい実施態様において、R6は、
H;
(C1−C6)アルキル;
(C3−C8)シクロアルキル;
(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環、ここで、ヘテロ環は、無置換、又は1回若しくはそれ以上、より好ましくは1回又は2回、(C1−C4)アルキルにより置換される;
(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、ここで、アリールは、無置換、又は1回若しくはそれ以上、より好ましくは1回〜3回、ハロゲン;(C1−C4)アルキル、特にCH3又はCF3;O−(C1−C4)アルキル、特にOCH3;SO2−(C1−C4)アルキル、特にS(O)2CH3又はSO2CF3;又はSO2−N =CH−N[(C1−C6)アルキル]2、特にSO2−N=CH−N(CH32で置換される;
である。
【0036】
特に好ましいR6は、H、(C1−C6)アルキル又は(C3−C8)シクロアルキルである。更に特に好ましい実施態様において、R6はHであり、好ましくは、無置換(C1−C6)アルキル、又は好ましくは無置換(C3−C8)シクロアルキルである。最も好ましいR6は、Hである。
【0037】
これらの実施態様の例として、R6は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、3−メチル−ブチル、2−メチル−プロピル、1−エチル−プロピル、ブチル、ペンチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、又は以下の基:
【化8】

【0038】
【化9】

【0039】
【化10】

から成るグループから選択される置換基である。
【0040】
アステリスク(*)は、結合が環のN原子に連結する位置を示す。
【0041】
好ましくは、R7は、H、ハロゲン、CN、(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、R’又は(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキルである。より好ましくは、R7は、H、ハロゲン、CN、(C1−C4)アルキル、O−(C1−C4)アルキル、(C2−C4)アルケニル、フェニル、シクロプロピル又は(C5−C6)ヘテロアリールである。最も好ましくは、R7は、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ、プロピル、フェニル、ニトリル、シクロプロピル、チエニル又はビニルであり、最も特に好ましくは、R7は、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、プロピル又はメトキシである。最も好ましいR7は、Hである。
8は、好ましくは、H、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルである。より好ましいR8は、H、Cl、F、メチル又はエチルである。最も好ましいR8は、Hである。
【0042】
好ましくは、R2は、
R’;
(C7−C8)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルケニル;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)−(C1−C6)アルキレン−R’;
C(O)O(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は(C1−C6)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素が、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合した(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり第二の4〜8員環を形成し;
より好ましくは、R2は、
R’;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は(C1−C3)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素が、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合した(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成しそして環状アミンの炭素原子と一緒になり第二の4〜8員環を形成する。
【0043】
最も好ましいR2は、
R’;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は、環状アミンに結合した(C1−C2)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成しそして、環状アミンの炭素原子と一緒になり第二の4〜8員環を形成する。
【0044】
2は、連結基Lが結合する位置を含んで環のいかなる炭素原子にも結合することができる。
【0045】
これらの実施態様の例として、R2は、以下の基:
【化11】

である。
【0046】
アステリスク(*)は、結合が環のC−原子に連結する位置を示す。
【0047】
2がC1−C4アルキレンであり、それが環状アミンと第二の環系を形成する実施態様の例としては、以下の基:
【化12】

が挙げられる。
【0048】
好ましい実施態様において、作出される環系は、以下の基:
【化13】

から選択される。より好ましい実施態様は、以下の基:
【化14】

の内の1つである。
【0049】
好ましくは、nは、1、2又は3である。より好ましくは、nは、1又は2である。最も好ましくは、nは1である。
【0050】
好ましくは、mは、2、3又は4である。より好ましくは、mは3である。
【0051】
連結基Lは、環炭素原子を経由して環のいかなる位置にも結合可能である。好ましい実施態様において、mは3であり、そしてLは、全ての立体化学形態において、ピペリジン環の4位に結合し、
【化15】

又はLは、ピペリジン環の3−位に結合する。
【化16】

【0052】
特に好ましい実施態様において、Lはピペリジン環の4−位に結合する。
【0053】
別の実施態様において、Lは、O(CH2pである。Lの更なる実施態様において、Lは、S(CH2p、S(O)(CH2p又はSO2(CH2pである。別の実施態様において、Lは、NH(CH2p、N(C1−C6)アルキル−(CH2p、N(C3−C6)シクロアルキル−(CH2p、N[CO(C1−C6)アルキル]−(CH2p、N[(C1−C3)アルキレン−アリール]−(CH2p又はN[(C1−C3)アルキレン−(C5−C6)ヘテロ環]−(CH2pであり、NH(CH2p、N(C1−C6)アルキル−(CH2pはより好ましい。好ましいN(C1−C6)アルキルは、N(C1−C4)アルキルであり、より好ましくは、NCH3又はNCH2CH3であり、NCH3は、より好ましい。更に好ましくは、Lは、O(CH2p、S(CH2p又はNH(CH2pである。最も好ましくは、Lは、O、S又はNHであり、Oは特に好ましい。
【0054】
好ましくは、pは、0、1、2又は3であり、より好ましくは、0又は1であり、0が最も好ましい。
【0055】
より好ましくは、mは、3であり、そしてLは、O、S又はNHであり、そしてピペリジン環の4−位に結合する。
【0056】
残基R2〜R8において、アルキル又はアルキレンは、場合により、ハロゲンで1回又はそれ以上置換され得る。好ましくは、アルキル又はアルキレンは、クロロ又はブロモから選択されるハロゲンで1〜3回置換されるが、しかし、フルオロで1回又はそれ以上置換されても良く、例えば、ペルフルオロ化されても良い。好ましくは、ハロゲンはフルオロである。より好ましいアルキル又はアルキレンは、ハロゲン化されていない。
【0057】
残基R2、R4、R5、R6、R7及びR8における、アルキル、アルキレン又はシクロアルキルは、場合により、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32から独立に選択される基により1回又はそれ以上置換されても良い。
【0058】
置換される場合、置換基の数は、好ましくは、1、2、3又は4個の間にある。より好ましくは、1又は2個であり、1個は更により好ましい。好ましくは、アルキレン又はシクロアルキルは、置換されない。より好ましくは、アルキル、アルキレン又はシクロアルキルは、置換されない。好ましくは、R4、R5、R7及びR8において、アルキル、アルキレン又はシクロアルキルは置換されない。より好ましくは、R4、R5、R6、R7及びR8において、アルキル、アルキレン又はシクロアルキルは置換されない。
【0059】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物に含まれる1つ又はそれ以上又は全ての基は、互いに独立に、上記で特定された基の、任意の好ましい、より好ましい若しくは最も好ましい定義、又はその基の定義及び上記で特定された好ましい定義の全ての組合せによって構成される、任意の1つ若しくはいくつかの特定された意味、本発明の主題であるより好ましい黙示区最も好ましい意味及び/若しくは特定された意味を有することがきる。また、全ての好ましい実施態様に関して、本発明には、式(I)の化合物の全ての、及び任意の比率での混合物、及びそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0060】
上記に例示された置換基において、記号「*−」は、置換基の結合点を示し、例えばR3置換基が以下の基:
【化17】

であり、そしてmが3であり、R1がHの場合、下式:
【化18】

の化合物を意味する。
【0061】
好ましい実施態様は、式(I)の化合物であって、ここで、
1は、H、OH又はNH2であり;
2は、
R’;
(C7−C8)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルケニル;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)−(C1−C6)アルキレン−R’;
C(O)O(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は(C1−C6)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素が、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合した(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり第二の4〜8員環を形成し;
3は、H、ハロゲン、(C1−C4)アルキレン−R’、O−R’’又は NHR’’であり;
4は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルであり;
5は、H、(C1−C6)アルキル、ハロゲン、CN、(C2−C6)アルケニル、(C6−C10)アリール、NH−(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロ環又は(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環であり;
6は、H、R’、(C1−C8)アルキル、(C1−C6)アルキレン−R’、(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−O−R’、(C1−C6)アルキレン−CH[R’]2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C4)アルキル]2、C(O)(C1−C4)アルキル又は(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2、C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はC(O)(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリールである。
7は、H、ハロゲン、CN、(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル又はR’であり;
8は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルであり;
mは、2、3又は4であり;
nは、1、2又は3であり;
Lは、S(CH2p、NH(CH2p又はN(C1−C6)アルキル−(CH2pであり;そして
pは、0、1又は2である;
化合物、又はそれらの立体異性体及び/又はそれらの互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩である。
【0062】
更なる好ましい実施態様は、式(I)の化合物であって、ここで、
1は、H又はOHであり;
2は、
R’;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
C(O)−NH(C2−C6)アルケニル;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
であり;
又はR2は(C1−C4)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素が、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合した(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり第二の4〜8員環を形成し;
3は、H、ハロゲン又はNHR’’であり、ここで、R’’は、上記で定義した通りであり;
4は、H、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルであり;
5は、H、(C1−C6)アルキル、ハロゲン、(C2−C4)アルケニル、(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール又は(C5−C10)ヘテロ環であり;
6は、H、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルキル、(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C3)アルキレン−R’、C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)−(C5−C10)ヘテロ環、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)(C1−C3)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、C(O)(C1−C3)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はC(O)(C1−C3)アルキレン−(C6−C10)アリールであり;
7は、H、ハロゲン、CN、(C1−C6)アルキル、O(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル又はR’であり;
8は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルであり;
mは、2、3又は4であり;
nは、1、2又は3であり;
Lは、O(CH2p、S(CH2p又はNH(CH2pであり;そして
pは、0又は1である;
化合物、又はそれらの立体異性体及び/又はそれらの互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩である。
【0063】
特に好ましい実施態様は、式(I)の化合物であって、ここで、
1は、H又はOHであり;
2は、
(C1−C6)アルキレン−R’;
2アルケニル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は、環状アミンに結合した(C1−C2)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり第二の4〜8員環を形成し;
3は、H、NH−(C5−C6)ヘテロアリール又はNH−フェニルであり;
4は、H、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルであり;
5は、H、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルケニル、(C6−C10)アリール、(C1−C2)アルキル−(C6−C10)アリール又は(C5−C6)ヘテロアリールであり;
6は、H、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルキル、(C1−C3)アルキレン−R’;C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)−(C5−C10)ヘテロ環、C(O)(C1−C3)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はC(O)(C1−C3)アルキレン−(C6−C10)アリールである。
7は、H、ハロゲン、CN、(C1−C4)アルキル、O(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルケニル、フェニル、シクロプロピル、(C5−C6)ヘテロアリールであり;
8は、H、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルであり;
mは3であり;
nは1であり;そして
Lは、O、S又はNHである;
化合物、又はそれらの立体異性体及び/又はそれらの互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩である。
【0064】
1つの実施態様において、本発明は、以下の化合物:
4)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル;
8)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−2−o−トリルカルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
9)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸o−トリルアミド;
10)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸イソブチル−アミド;
11)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸3−メトキシ−ベンジルアミド;
12)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸2−クロロ−ベンジルアミド;
13)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸フェネチル−アミド;
14)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
15)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
16)(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
17)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
18)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
19)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド;
20)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸プロパ−2−イニルアミド;
21)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸フェネチル−アミド;
22)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸2−クロロ−ベンジルアミド;
23)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸イソブチル−アミド;
24)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(4−エチル−フェニル)−アミド;
25)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸((R)−1−フェニル−エチル)−アミド;
26)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
27)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
28)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−メトキシ−エチル)−アミド;
29)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
30)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド;
【0065】
31)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸プロパ−2−イニルアミド;
32)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル;
34)(2S,4R)−2−(4−エチル−フェニルカルバモイル)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
35)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(4−エチル−フェニル)−アミド;
38)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
39)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−メトキシ−エチル)−アミド;
40)(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
41)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
42)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
43)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド;
44)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(4−エチル−フェニル)−アミド;
45)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸フェネチル−アミド;
46)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸2−クロロ−ベンジルアミド;
47)(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸イソブチル−アミド;
48)(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−3−カルボン酸3−メトキシ−ベンジルアミド;
49)(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−3−カルボン酸(2−メトキシ−エチル)−アミド;
50)(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−3−カルボン酸o−トリルアミド;
51)(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−3−カルボン酸イソブチル−アミド;
52)6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−イソキノリン;又は
69)6−(1−ベンジル−4−フェニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−クロロ−イソキノリン;
から選択される式(I)の化合物、又はそれらの立体異性体及び/又は互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩に関する(参照のため、化合物番号が与えられている)。
【0066】
別の実施態様において、本発明は、以下の化合物:
53)6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン;
72/73) 6−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン;
74)6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン;
75)7−クロロ−6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン;
76)7−メチル−6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン;又は
77)N6−(4−アミノ−4−フェニル−シクロヘキシル)−イソキノリン−1,6−ジアミン;
から選択される化合物、又はそれらの立体異性体及び/又は互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩に関する。
【0067】
本発明のいずれかの実施態様におけると同様に、本発明化合物の、好ましい、より好ましい、最も好ましい定義、又は典型的な定義を含む前述の実施態様において、1つ又はそれ以上の又は全ての基は、上記で特定された任意の好ましい、より好ましい、最も好ましい定義、又はその定義によって構成され、及び上記で特定された任意の1つ又はいくつかの意味を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0068】
イソキノリンの置換パターンは、IUPACの規則に基づいて付番される。
【化19】

【0069】
「式(I)の化合物」という全ての言及は、これ以降、上で記載した式(I)、(II)、(III)、(III’)及び(IV)の化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩、及び/又はそれらの立体異性体、多形体及び溶媒和物を意味する。本明細書に記載した生理学的機能性誘導体もまた含まれる。
【0070】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、RemingtonのPharmaceutical Sciences (17th edition, page 1418 (1985))に記載されている有機及び無機の両方の塩を意味する。物理的、化学的安定性及び溶解性の故に、酸性基にとっては、とりわけ、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウム塩が好ましく;塩基性基にとっては、とりわけ、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、メチルスルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸の塩、又はカルボン酸若しくはスルホン酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩、及び天然の塩基又はカルボン酸のアミノ酸の塩が好ましい。立体異性体を含んで、塩の生成が可能な式(I)の化合物からの薬学的に許容される塩の製造は、それ自体公知の方法で行われる。式(I)の化合物は、水酸化物、カーボネート、ビカーボネート、アルコラート及びアンモニアなどの塩基性試薬と安定なアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩、又は場合により置換されるアンモニウム塩を形成し、又は有機塩基、例えばトリメチル−又はトリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン若しくはトリエタノールアミン、トロメタモール、又はその他塩基性アミノ酸、例えばリシン、オルニチン若しくはアルギニンと塩を形成する。式(I)の化合物が塩基性基を有する場合、安定な酸付加塩は、また、強酸で製造することができる。本発明の化合物の薬学的に許容される好適な酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸などの無機酸の塩、及び例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸などの有機酸の塩がある。
【0071】
薬学的に許容されないアニオンとの塩、例えば、トリフルオロ酢酸塩も、同様に、薬学的に許容される塩の製造又は精製のための、及び/又は非治療用途、例えば、イン・ビトロ用途への使用のための有用な中間体として、本発明の構成の範囲内に属する。
【0072】
本明細書で使用される用語「生理学的機能性誘導体」は、本発明の式(I)の化合物の生理学的に許容される任意の誘導体、例えばヒトのような哺乳類に投与した場合、式(I)の化合物又はその活性代謝物を(直接に又は間接に)形成することができる、N−オキシド体を意味する。
【0073】
生理学的機能性誘導体としては、例えばH. Okada et al., Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 57-61に記載されているような、本発明の化合物のプロドラッグも含まれる。その様なプロドラッグは、生体内で本発明の化合物に代謝され得る。これらのプロドラッグは、それ自身活性であっても、そうでなくても良い。
【0074】
本発明は、それらの立体異性体の形態における、式(I)、(II)、(III)、(III’)又は(VI)の化合物に関し、これらの化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物、純粋エナンチオマー及びジアステレオマー及びそれらの混合物を含む。
【0075】
本発明の化合物は、また、種々の多形の形態、例えば非晶性、結晶性の多形の形態として存在し得る。本発明の化合物の全ての多形の形態は、本発明の構成の範囲内に属し、そして本発明の更なる側面でもある。
【0076】
基又は置換基が、式(I)の化合物内に1回以上現われる場合、それらは、全て、互いに独立に、記載の意味を有し、そして同一であっても、異なっていても良い。
【0077】
用語(C1−C2)アルキル、(C1−C4)アルキル、(C1−C6)アルキル、(C1−C8)アルキル、及びそれらに対応するアルキレン置換基は、線状、即ち、直鎖状又は分枝鎖状であっても良く、そして1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を、それぞれ有する炭化水素残基として当然に理解される。このことは、また、アルキル基が別の基の置換基として存在する場合、例えばアルコキシ基(O−アルキル)、S−アルキル又は−O(C1−C6)アルキレン−O−、アルコキシカルボニル基又はアリールアルキル基の場合にも、当てはまる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル;全てのこれらの基のn−異性体:イソプロピル、イソブチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシル、sec−ブチル、tert−ブチル又はtert−ペンチルがある。アルキル又はアルキレン基は、特に他の記述のない限り、1回又はそれ以上ハロゲン化されても良く、例えばアルキル基はフッ素化、例えばペルフルオロ化されても良い。ハロゲン化アルキルの例としては、CF3及びCH2CF3、OCF3、SCF3又は−O−(CF22−O−がある。
【0078】
用語(C2−C6)−アルケニルは、その炭素鎖が直鎖状又は分枝鎖状であって、2〜6個の炭素原子を含有し、そして鎖長に応じて1、2又は3個の二重結合を有する炭化水素残基を意味し、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、5−ヘキセニル又は1,3−ペンタジエニルがある。二重結合は、可能であれば、E又はZ配向を有しても良い。二重結合は、内部及び末端のいずれのものでも良い。
【0079】
用語(C2−C6)−アルキニルは、その炭素鎖が直鎖状又は分枝鎖状であって、2〜6個の炭素原子を有し、そして鎖長に応じて1又は2個の三重結合を有する炭化水素残基を意味し、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル(=プロパルギル)又は2−ブチニルがある。三重結合は、内部及び末端のいずれのものでも良い。
【0080】
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
【0081】
(C3−C8)シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロオクチルなどの、3、4、5、6、7又は8個の環炭素原子を有するシクロアルキル基であり、それはまた置換されていても良く、及び/又は例えばシクロペンテニル又はシクロヘキセニルのように1又は2個の二重結合(不飽和シクロアルキル基)を含んでいてもよく、任意の炭素原子を経由して結合可能である。
【0082】
(C6−C10)アリール基は、芳香族環、又は縮合した、さもなくば連結した2つの芳香族環を含む環系、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、α−又はβ−テトラロン−、インダニル−又はインダン−1−オン−イル基を意味する。好ましい(C6−C10)アリール基は、フェニルである。
【0083】
(C5−C10)ヘテロ環基は、1個又はそれ以上の炭素原子が、1個又はそれ以上のヘテロ原子、例えば1、2又は3個の窒素原子、1又は2個の酸素原子、1又は2個の硫黄原子、又は異なったヘテロ原子の組合せで置き換えられ得る単環又は二環系を意味する。ヘテロ環残基は、いかなる位置においても、例えば1−位、2−位、3−位、4−位、5−位、6−位、7−位又は8−位においても結合可能である。(C5−C10)ヘテロ環基は、(1)芳香族[=ヘテロアリール基]又は(2)飽和型、又は(3)芳香族/飽和混合型であっても良い。
【0084】
好適な(C5−C10)ヘテロ環基としては、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾモルホリニル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、フラニル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、クロマニル、クロメニル、クロメン−2−オンイル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラン、フリル、フラザニル、ホモモルホリニル、ホモピペラジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル,1,2,5−オキサジアゾリル,1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プロリニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアダジニル、チアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル及びキサンテニルが挙げられる。ピリジルは、2−、3−及び4−ピリジルのいずれをも意味する。チエニルは、2−チエニル及び3−チエニルの両者を意味する。フリルは、2−及び3−フリルの両者を意味する。また、含まれるものにはこれらの化合物の対応するN−オキシド体、例えば1−オキシ−2−、3−又は4−ピリジルがある。
【0085】
(C5−C10)ヘテロ環残基における置換は、空いている炭素原子又は窒素原子上で起こり得る。
【0086】
(C5−C10)ヘテロ環残基の好ましい例は、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チエニル、ベンゾフリル、キノリニル、テトラゾリル及びトリアゾリルである。
【0087】
(C6−C10)アリール及び(C5−C10)ヘテロ環基は、無置換、又は特に他の記述がない限り、ハロゲン、OH、NO2、N3、CN、C(O)−(C1−C6)アルキル、C(O)−(C1−C6)アリール、COOH、COO(C1−C6)アルキル、CONH2、CONH(C1−C6)アルキル、CON[(C1−C6)アルキル]2、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−OH、(C1−C6)アルキレン−NH2、(C1−C6)アルキレン−NH(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−N[(C1−C6)アルキル]2、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、O−(C1−C6)アルキル、O−C(O)−(C1−C6)アルキル、PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1−C6)アルキル、SO2N[(C1−C6)アルキル]2、S−(C1−C6)アルキル;SO−(C1−C6)アルキル、SO2−(C1−C6)アルキル、SO2−N=CH−N[(C1−C6)アルキル]2、C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1−C6)アルキル、N[(C1−C6)アルキル]2、NH−C(O)−(C1−C6)アルキル、NH−C(O)O−(C1−C6)アルキル、NH−SO2−(C1−C6)アルキル、NH−SO2−(C6−C10)アリール、NH−SO2−(C5−C10)ヘテロ環、N(C1−C6)アルキル−C(O)−(C1−C6)アルキル、N(C1−C6)アルキル−C(O)O−(C1−C6)アルキル、N(C1−C6)アルキル−C(O)−NH−(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−(C6−C10)アリール、O−(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C6−C10)ヘテロ環、(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環、O−(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環から独立に選択される好適な基で、1回又はそれ以上、好ましくは1〜3回置換され、ここで、(C6−C10)アリール又は(C5−C10)ヘテロ環は、ハロゲン、OH、NO2、CN、O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル、NH2、NH(C1−C6)アルキル、N[(C1−C6)アルキル]2、SO2CH3、COOH、C(O)O−(C1−C6)アルキル、CONH2、(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−O−(C6−C10)アリール、O−(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリールから独立に選択される基で1〜3回置換されても良く;又はここで(C6−C10)アリールは、O−(C1−C4)アルキレン−O基で、隣接して置換され、それにより、酸素原子が結合する炭素原子と一緒になり5〜8員環を形成する。(C6−C10)アリール及び(C5−C10)ヘテロ環基のアリール又はヘテロ環置換基は、アリール又はヘテロ環を含む基で更に置換されなくともよい。
【0088】
(C6−C10)アリール基に対する好ましい置換基としては、(C1−C4)アルキル、O−(C1−C4)アルキル、O−フェニル、フェニル、C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)OH、C(O)−(C1−C4)アルキル、ハロゲン、NO2、SO2NH2、CN、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2N=CH−N[(C1−C6)アルキル]2、NH−SO2−(C1−C4)アルキル、NH2、NHC(O)(C1−C4)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C4)アルキル−OH、C(O)N[(C1−C4)アルキル]2、CONH(C1−C6)アルキル、C(O)NH2、N[(C1−C4)アルキル]2、(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリールがあり、ここで、(C6−C10)アリールは、更に1〜3回、好ましくは1回、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリール、O(C1−C6)アルキル(C6−C10)アリールで置換されても良く、又はO−(C1−C4)アルキレン−O基で隣接して置換されても良く、それにより、酸素原子が結合する炭素原子と一緒になって5〜8員環を形成する。(C6−C10)アリールに対するより好ましい置換基は、ハロゲン、CN、フェニル、O−フェニル;NH−C(O)−(C1−C4)アルキル、特にNH−C(O)−CH3;C(O)−(C1−C4)アルキル、特にC(O)−CH3;(C1−C4)アルキル、特にCH3又はCF3;O−(C1−C4)アルキル、特にO−CH3;SO2−NH2、SO2−(C1−C4)アルキル、特にSO2−CH3若しくはSO2−CF3;又はSO2N=CH−N[(C1−C4)アルキル]2、特にSO2N=CH−N(CH32である。
【0089】
一置換フェニル基において、置換基は、2−位、3−位、4−位に位置することが可能であり、3−位及び4−位が好ましい。フェニル基が2個の置換基を有る場合、それらは、2,3−位、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,4−位、又は3,5−位に位置することが可能である。3個の置換基を有するフェニル基において、置換基は、2,3,4−位、2,3,5−位、2,3,6−位、2,4,5−位、2,4,6−位又は3,4,5−位に位置することが可能である。
【0090】
フェニル基に関する上記の説明は、フェニル基から誘導される二価の対応する基、例えば無置換、又は置換された1,2−フェニレン、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレンであるフェニレン基にも当てはまる。上記の説明は、また、アリールアルキレン基におけるアリールサブ基にも、対応して当てはまる。無置換、又はアリールサブ基及びアルキレンサブ基に置換されたアリールアルキレン基の例としては、ベンジル、1−フェニルエチレン、2−フェニルエチレン、3−フェニルプロピレン、4−フェニルブチレン、1−メチル−3−フェニル−プロピレンがある。
【0091】
(C5−C10)ヘテロ環基についての好ましい置換基は、(C1−C4)アルキル、O−(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキレン−フェニル、ハロゲン、(C1−C4)アルキレン−O−(C1−C4)アルキル、(C5−C10)ヘテロ環、(C1−C4)アルキレン−N[(C1−C4)アルキル]2又は(C6−C10)アリールであり、ここで、(C6−C10)アリールは、更に、(C1−C4)アルキル、O−(C1−C6)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6)アルキル−(C6−C10)アリールで置換されても良く、又はO−(C1−C4)アルキレン−O基により、隣接して置換されても良く、それにより、酸素原子に結合する炭素原子と一緒になって5〜8員環を形成する。(C5−C10)ヘテロ環基に対するより好ましい置換基は、(C1−C4)アルキル、ハロゲン又はフェニルであり、ここで、フェニルは、更に1〜3回、好ましくは1回、ハロゲン、(C1−C4)アルキル又はO−(C1−C4)アルキルで置換されても良い。
【0092】
(C6−C10)アリール及び(C5−C10)ヘテロ環基の、一般的な及び好ましい置換基は、上に記載したR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、n、m、L及びpの一般的な及び好ましい定義と組み合わせても良い。
【0093】
従って本発明は、また、医薬(又は薬剤)として使用するための、式(I)の化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩及び/又はそれらのプロドラッグに関し、そしてまた、Rhoキナーゼ及び/又はミオシン軽鎖ホスファターゼのRhoキナーゼ媒介リン酸化に関連する疾患、即ち高血圧、肺高血圧、高眼圧、網膜症及び緑内障、末梢循環障害、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、冠状動脈性心疾患、狭心症、心肥大、心不全、虚血性疾患、虚血性臓器不全(末端器官障害)、肺線維症、肝線維症、肝不全、高血圧誘発性、非高血圧誘発性及び糖尿病性の腎症を含む腎症、腎不全、腎線維症、腎糸球体硬化症、臓器肥大、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、血栓疾患、発作(stroke)、脳血管攣縮、脳虚血、疼痛、例えば神経因性疼痛、神経変性、脊髄損傷、アルツハイマー病、早産、勃起障害、内分泌機能異常、動脈硬化症、前立腺肥大、糖尿病及び糖尿病合併症、メタボリックシンドローム、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症、自己免疫疾患、AIDS、骨粗鬆症などの骨障害、細菌による消化管感染症、敗血症、がん発生及び進行、例えば乳房、結腸、前立腺、卵巣、脳及び肺のがん、及びそれらの転移を治療及び/又は予防する薬剤を製造するための、式(I)の化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩及び/又はそれらのプロドラッグの使用に関する。
【0094】
更に本発明は、少なくとも1つの式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩の有効量、並びに薬学的に許容される担体、即ち1つ又はそれ以上の薬学的に許容される担体物質(又はビヒクル)及び/又は添加物(又は添加剤)を含む医薬製剤(又は医薬組成物)に関する。
【0095】
薬剤は、例えばピル、錠剤、ラッカー錠剤(lacquered tablets)、コーティング錠、顆粒剤、ゼラチン硬カプセル剤及びゼラチン軟カプセル剤、液剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤又はエアゾール混合物の形態で、経口投与することができる。また一方、投与は直腸経由で、例えば坐剤の形態で、又は非経口的に、例えば静脈内、筋肉内若しくは皮下経由で、注射用液剤若しくは注入用液剤、マイクロカプセル剤、インプラント剤若しくはロッド剤、又は経皮的に若しくは局所的に、例えば軟膏剤、液剤若しくはチンキ剤の形態で、又は他の方法により、例えばエアゾール剤若しくは鼻スプレー剤の形態でも実施可能である。
【0096】
本発明の薬剤は、それ自体公知で当業者によく知られた方法で製造されるが、薬学的に許容される不活性な無機及び/又は有機担体物質及び/又は添加物が式(I)の化合物及び/又はその(それらの)薬学的に許容される塩及び/又はその(それらの)プロドラッグに加えて使用される。丸剤、錠剤、コーティング錠及びゼラチン硬カプセルの製造では、例えば乳糖、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを使用することが可能である。ゼラチン軟カプセル及び坐剤の担体物質は、例えば脂肪、ろう、半固体及び液体ポリオール、天然油又は硬化油などである。液剤、例えば注射用液剤、又は乳剤若しくはシロップ剤の製造に好適な担体物質は、例えば水、生理食塩水、アルコール、グリセリン、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖、植物油などである。マイクロカプセル、インプラント剤又はロッド剤に好適な担体物質は、例えばグリコール酸と乳酸との共重合体である。薬剤は、通常約0.5から90質量%の式(I)の化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩及び/又はそれらのプロドラッグを含む。薬剤中の式(I)の活性成分及び/又はその薬学的に許容される塩及び/又はそのプロドラッグの量は、通常約0.5から約1000mg、好ましくは約1から約500mgである。
【0097】
式(I)の活性成分及び/又はそれらの薬学的に許容される塩及び担体物質に加えて、薬剤は、例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、保存剤、甘味剤、着色剤、着香剤、芳香剤、増粘剤、希釈剤、緩衝物質、溶剤、可溶化剤、デポ効果を達成する物質、浸透圧を変える塩、コーティング剤又は抗酸化剤などの1つ又はそれ以上の添加物を含む。それらは、2つ又はそれ以上の式(I)の化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩を含むこともできる。薬剤が2つ又はそれ以上の式(I)の化合物を含む場合には、個々の化合物の選択は薬剤の特定の全体の薬理学的プロファイルを目標とすることができる。例えば、より短時間作用型の高活性化合物はより低活性の長時間作用型化合物と併用してもよい。式(I)の化合物における置換基の選択に関して許容される柔軟性は、化合物の生物学的又は物理化学的性質の少なからぬコントロールを可能にし、それゆえこのような所望化合物の選択を可能にする。更に、少なくとも1つの式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩に加えて、薬剤は1つ又はそれ以上の他の治療的又は予防的活性成分を含むこともできる。
【0098】
式(I)の化合物を使用する場合、医師には通例で知られているようにその用量は広い限界内で変動可能であり、各個体の症例において個体の状態(condition)に適しているものでなければならない。それは、例えば使用される特定の化合物、治療しようとする疾患の性質と重症度、投与様式とスケジュール、又は急性若しくは慢性状態を治療するのか、若しくは予防を行なうのかに依存する。適切な用量は、医学分野で公知の臨床的方法を用いて確立することができる。一般的に、約75kgの体重の成人で所望する結果を達成するための1日用量は、約0.01から約100mg/kgであり、好ましくは約0.1から約50mg/kg、特に約0.1から約10mg/kgである(各場合で体重kg当りのmgとして)。1日用量は分割することができ、特に比較的大量の投与のケースでは、幾つかの、例えば2、3又は4回の部分投与に分割可能である。例によって、個体の挙動に依存して、適応の1日用量から上方又は下方にずらすことが必要なこともあり得る。
【0099】
更に、式(I)の化合物は、他の化合物、特に式Iの化合物から得られる他の薬剤活性成分の、製造用の合成中間体として使用することができ、その成分は、例えば置換基の導入又は官能基の修飾によって式(I)の化合物から取得することができる。
【0100】
一般に、カップリング反応で得られる生成物中になお存在する保護基は、次いで標準操作によって除去される。例えば、tert−ブチル保護基、特にアミノ基を保護する形態の1つであるtert−ブトキシカルボニル基は、トリフルオロ酢酸による処理で脱保護することができ、即ちアミノ基に変換することができる。既に説明したように、カップリング反応後は、官能基も好適な前駆体基から生成し得る。加えて、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩又はプロドラッグへの変換も、次いで公知の方法により行うことができる。
【0101】
一般に、式(I)の最終化合物又は中間体を含む反応混合物は後処理され、所望の場合、生成物は次いで当業者に公知の通常の方法で精製される。例えば、合成化合物は、結晶化、クロマトグラフィー若しくは逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)、又は例えば化合物のサイズ、電荷又は疎水性に基づく他の分離法などの既知の方法を用いて精製することができる。同様に、アミノ酸配列解析、NMR、IR及び質量分析法(MS)などのよく知られた方法を、本発明の化合物を確認するのに使用することができる。
【0102】
従って、以下の実施例は本発明の一部であり、本発明を説明することを目的とするものであるが、本発明を限定することを目的とするものではない。
【0103】
当然ながら、本発明の様々な実施態様の活性に実質的に影響を与えない変更も、本明細書に開示された発明の範囲内に含まれる。
【0104】
方法A:
固定相: Col YMC Jsphere、33×2
グラジエント: ACN+0.05% TFA:H2O+0.05% TFA
5:95(0分)〜95:5(3.4分)〜95:5(4.4分)
流速: 1mL/分
方法B:
固定相: Col YMC Jsphere、33×2
グラジエント: ACN+0.05% TFA:水+0.05% TFA
5:95(0分)〜95:5(2.5分)〜95:5(3.0分)
流速: 1mL/分
方法C:
固定相: Col YMC Jsphere ODS H80、20×2
グラジエント: ACN:水+0.05% TFA
4:96(0分)〜95:5(2.0分)〜95:5(2.4分)
流速: 1mL/分
方法D:
固定相: Col YMC Jsphere、33×2.1
グラジエント: グラジエント ACN+0.08%FA:水+0.1%FA(ギ酸)
5:95(0分)〜95:5(2.5分)〜95:5(3分)
流速: 1.3mL/分
方法E:
固定相: Col YMC Jsphere、33×2
グラジエント: ACN+0.05% TFA:水+0.05% TFA
5:95(0分)〜95:5(2.5分)〜95:5(3.2分)
流速: 1.3mL/分
方法F:
固定相: Col YMC-Pack Pro C18 RS、33×2.1
グラジエント: グラジエント ACN+0.01%FA:水+0.1%FA(ギ酸)
5:95(0分)〜95:5(2.5分)〜95:5(3分)
流速: 1.3mL/分
方法G:
固定相: Col Waters × Bridge 4
グラジエント: グラジエント水+0.1% FA:ACN+0.08%FA(ギ酸)
97:3(0分)〜40:60(3.5分)〜2:95(5分)
流速: 1.3mL/分
【0105】
(4−ブロモ−ベンジル)−(2,2−ジメトキシ−エチル)−アミン(1)
【化20】

4−ブロモベンズアルデヒド(50g、270.2ミリモル)をトルエン(200ml)に溶解し、アミノアセトアルデヒド・ジメチルアセタール(28.4g、270.2ミリモル)を加えた。p−トルエンスルホン酸・一水和物(5.1g、27.0ミリモル)を加えた後、反応混合物をディーン・スターク装置で還流下にて加熱した。4時間後、反応液を室温に冷却し、飽和NaHCO3溶液(2×)及びH2Oで洗浄した。水層を合わせてトルエンで抽出し、有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、蒸発させた。残留物をエタノール(200ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(5.11g、135.1ミリモル)を少量ずつ加えた。室温で2時間攪拌して一夜放置した後、酢酸(5.0ml)を加え、溶媒を減圧下で除去した。残留物をジクロロメタンに溶解し、H2Oで洗浄(2×)した。MgSO4を用いて乾燥し、蒸発させた後、標題の化合物(60.5g)を得、この化合物を更に精製することなく使用した。Rt=0.80分(方法C)。検出質量:274.1/276.1(M+H+)。
【0106】
N−(4−ブロモ−ベンジル)−N−(2,2−ジメトキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(2)
【化21】

(4−ブロモ−ベンジル)−(2,2−ジメトキシ−エチル)−アミン(1、粗生成物)(60.5g)をジクロロメタン/ピリジン(8:1)(270ml)に溶解した。0℃でジクロロメタン(100ml)中p−トルエンスルホン酸クロリド(76.0g、386.4ミリモル)の溶液を加え、この溶液を室温で攪拌した。3時間後、この反応混合物を2NのHCl及び飽和NaHCO3溶液で2回洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、蒸発させた。最終的なシリカゲルクロマトグラフィー(へプタン/酢酸エチル=4:1)により、標題の化合物(59.9g)を得た。Rt=1.82分(方法C)。検出質量:396.1/398.1(M−OMe-)。
【0107】
6−ブロモ−イソキノリン(3)
【化22】

ジクロロメタン(400ml)中AlCl3(95.2g、699.5ミリモル)の懸濁液を機械攪拌しながら、ジクロロメタン(400ml)中N−(4−ブロモ−ベンジル)−N−(2,2−ジメトキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(2)(59.9g、139.8ミリモル)の溶液を加え、反応液を室温で4時間攪拌した。一夜放置した後、反応混合物を氷上に注ぎ、有機層を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。ジクロロメタン溶液を合わせて1NのNaOH(2×)及び飽和NaHCO3溶液(2×)で洗浄した。MgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発させた後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(へプタン/酢酸エチル=1:1)により精製して、標題の化合物(17.5g)を得た。Rt=0.68分(方法C)。検出質量:208.1/210.1(M+H+)。
【0108】
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(4)
【化23】

6−ヒドロキシイソキノリン(145mg)、(2R,4S)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(311mg)、及びトリフェニルホスフィン(341mg)をTHF(3.5ml)に懸濁させ、DIPEA(171μl)を加えた。0℃でDEAD(261mg)をゆっくり加え、混合物を放置して室温に戻し、生成物の増大がこれ以上確認されなくなるまで攪拌した。蒸発後、混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(50〜80%酢酸エチル/ヘプタン)に付して、(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステルを無色の油状物質として得た。
【0109】
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(5)
【化24】

メタノール(100ml)中の粗製の(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(4)(6.9g)を2NのNaOH(10ml)で処理し、一夜攪拌した。蒸発後、混合物を分取型HPLCに付した。凍結乾燥により、(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルを白色固形物のトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0110】
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(6)
【化25】

6−ヒドロキシイソキノリン及び(2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステルを出発物質として、(5)の合成について記載したのと類似の方法を用いて、(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸塩として得ることができた。
【0111】
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(7)
【化26】

6−ヒドロキシイソキノリン及び(2R,4S)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステルを出発物質として、(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸塩として得ることができた。
【0112】
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−2−o−トリルカルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(8)
【化27】

2−メチルアニリン(28mg)及び(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(5)(98mg)をDMF(0.5ml)に溶解した。HOBT(32mg)及びN−メチルモルホリン(88.0μl)を加え、続いてジクロロメタン(2モル)中EDC(遊離塩基)(44mg)を加えた。一夜攪拌後、揮発性物質を全て除去し、混合物を分取型HPLCに付した。凍結乾燥により、(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−2−o−トリルカルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0113】
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸o−トリルアミド(9)
【化28】

(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−2−o−トリルカルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル・トリフルオロ酢酸塩(8)を4NのHClジオキサン溶液に溶解し、室温で2時間攪拌した。蒸発により、(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸o−トリルアミドを塩酸塩として得た。Rt=0.77分(方法B)。検出質量:362.2(M+H+)。
【0114】
化合物8及び化合物9についてそれぞれ記載された方法と同様にして、以下の表に記載された化合物を得た。全ての化合物は、方法Aを用いて測定した(表1)。
【0115】
【表1】

【0116】
【表2】

【0117】
【表3】

【0118】
【表4】

【0119】
【表5】

【0120】
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(32)
【化29】

6−ブロモイソキノリン(3)(124mg)、炭酸セシウム(488mg)、及び(2S,4R)−4−アミノ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル・塩酸塩(202mg)をDMF(6ml)に溶解し、脱気した。酢酸パラジウム(46mg)及びキサントホス(132mg)を加え、混合物を100℃で5時間攪拌した。室温に冷却後、混合物を濾過し、蒸発させ、残留物をシルカゲルクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘプタン〜100%酢酸エチル)で精製した。(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステルを無色の油状物質として得た。
【0121】
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(33)
【化30】

(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(32)(1.4g)をメタノール(15ml)に溶解し、鹸化が完了するまで2NのNaOH(3.4ml)で室温で処理した。蒸発後、残留物を分取型HPLCに付し、凍結乾燥して、(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0122】
(2S,4R)−2−(4−エチル−フェニルカルバモイル)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1−カルボン酸−tert−ブチルエステル(34)
【化31】

(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(33)(94mg)及び4−エチルアニリン(32mg)をDMF(0.5ml)に溶解し、DMF(0.5ml)中HOAT(33mg)の溶液及びDIPEA(100μl)を加え、続いてジクロロメタン(2ml)中PyBroP(112mg)を加えた。一夜攪拌後、揮発性物質を全て蒸発させ、混合物を分取型HPLCで精製して、(2S,4R)−2−(4−エチル−フェニルカルバモイル)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【0123】
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(4−エチル−フェニル)−アミド(35)
【化32】

(2S,4R)−2−(4−エチル−フェニルカルバモイル)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル・トリフルオロ酢酸塩を4NのHClジオキサン溶液に溶解し、室温で2時間攪拌した。蒸発により(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(4−エチル−フェニル)−アミドを塩酸塩として得た。Rt=1.05分(方法A)。検出質量:361.2(M+H+)。
【0124】
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(36)
【化33】

化合物(33)の製造と同様にして、6−ブロモイソキノリン(3)及び(2S,4S)−4−アミノ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル・塩酸塩から、(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸塩として製造した。
【0125】
(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(37)
【化34】

化合物(33)の製造と同様にして、6−ブロモイソキノリン及び(3S,4R)−4−アミノ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステルから、(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸塩として製造した。
化合物34及び化合物35について記載したのと類似の方法で、以下の表2に記載した化合物を得た。全ての化合物は、方法Aを用いて測定した。
【0126】
【表6】

【0127】
【表7】

【0128】
【表8】

【0129】
【表9】

【0130】
6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−イソキノリン(52)
【化35】

トリフェニルホスフィン(625mg)を無水ジクロロメタン(20ml)に溶解し、アゾジカルボン酸ジエチル(0.095mL)を加え、そして溶液を20分間振盪した。トリエチルアミン(69μL)、6−ヒドロキシイソキノリン(72.6mg)及びトロピン(67.1mg)を加え、混合物を一夜振盪した。反応混合物を濾過し、残留物をジクロロメタンで完全に洗浄し、有機層を合わせて1Nの水酸化ナトリウム及び水でそれぞれ2回抽出した。有機層を乾燥し、蒸発乾固し、粗生成物をHPLCで精製した。生成物を2NのHClに溶解し、凍結乾燥して、6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−イソキノリン(52)(23mg)を塩酸塩として得た。Rt=0.52分(方法A)。検出質量:269.2(M+H+)。
【0131】
6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(53)
【化36】

無水ジクロロメタン(8ml)をポリスチレン結合トリフェニルホスフィン(814mg、1.73ミリモル)に加えた。0℃で、アゾジカルボン酸ジエチル(234μL、1.48ミリモル)を加えた。6−ヒドロキシ−2H−イソキノリノン(66)(200mg、1.24ミリモル)、トロピン(210mg、1.49ミリモル)及びトリエチルアミン(261μL)を加え、反応混合物を放置して室温に戻し、一夜攪拌した。更にPS−トリフェニルホスフィン(279mg)、トロピン(43mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(26μL)及び無水ジクロロメタン(2mL)を加え、そして攪拌を一夜継続した。固形物を濾別し、THFで洗浄した。混合物を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン(53)(158mg)を得た。Rt=0.79分(方法B)。検出質量:279.2(M+H+)。
【0132】
3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−(2,2−ジメトキシ−エチル)−アミン(54)
【化37】

3−クロロ−4−フルオロ−ベンズアルデヒド(100g、0.63モル)をトルエン(300ml)に溶解し、アミノアセトアルデヒド−ジメチルアセタール(66.3g、0.63モル)を室温で加えた。p−トルエンスルホン酸・一水和物(12.0g、0.06モル)を加えた後、反応混合物をディーン・スターク装置で3時間加熱した。溶液を室温に冷却し、飽和NaHCO3溶液及び水で2回洗浄した。水溶液をトルエンで抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、蒸発させた。得られたイミン−中間体をエタノール(300mL)に直接溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(11.93g、032モル)を少量ずつ加えた。一夜攪拌後、酢酸(10mL)を加え、溶媒を減圧下で除去した。残留物をジクロロメタンに溶解し、水で2回洗浄した。MgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発させた後、粗生成物(147.0g)を黄色の油状物質として得、この生成物を更に精製することなく使用した。Rt=0.81分(方法C)。検出質量:248.2(M+H+)。
【0133】
N−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−N−(2,2−ジメトキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼン−スルホンアミド(55)
【化38】

(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−(2,2−ジメトキシ−エチル)−アミン(54、粗生成物)(147.0g)をジクロロメタン/ピリジン(8:1)(540ml)に溶解した。0℃で、ジクロロメタン(200ml)中p−トルエンスルホニルクロリド(145.8g、1.04モル)の溶液を加えた。室温で5時間後、更にピリジン(20ml)、p−トルエンスルホニルクロリド(29.16g、0.15モル)及びDMAP(触媒量)を加えた。この溶液を室温で7時間攪拌し、その後、更に4時間還流した。再びp−トルエンスルホニルクロリド(29.16g、0.15モル)及びDMAP(触媒量)を加え、混合物を一夜攪拌した。後処理のため、溶液を2NのHClで2回、飽和NaHCO3溶液で2回洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、蒸発させた。最終的なシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=4:1)により、標題の化合物を黄色の油状物質として得た。Rt=1.80分(方法B)。検出質量:370.2(M−OMe-)。
【0134】
7−クロロ−6−フルオロ−イソキノリン(56)
【化39】

AlCl3(343.6、2.54モル)をジクロロメタン(1.1l)に懸濁し、機械式攪拌器で30分間攪拌した。この懸濁液に、N−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−N−(2,2−ジメトキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼン−スルホンアミド(55)(204g、0.51モル)の溶液を加え、混合物を室温で5時間攪拌した。一夜放置した後、反応懸濁液を氷上に注ぎ、有機層を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせて1NのNaOH及び飽和NaHCO3溶液で2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発させた。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=1:1)により精製し、標題の化合物(61.3g)を得た。Rt=0.73分(方法B)。検出質量:182.1(M+H+)。
【0135】
7−クロロ−6−フルオロ−イソキノリン2−オキシド(57)
【化40】

7−クロロ−6−フルオロ−イソキノリン(56)(25g、137.7ミリモル)をジクロロメタン(500ml)に溶解した。室温で3−クロロ−過安息香酸(70%)(50.9g、206.5ミリモル)を加え、変換が完全に達成されるまで混合物を室温で攪拌した。後処理のため、沈殿物を濾別し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液をNaHCO3溶液で2回洗浄した。層を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、蒸発させた。このように得られた固形物質(18.4g)を、更に精製することなく使用した。Rt=0.87分(方法C)。検出質量:198.1/200.1(M+H+)。
【0136】
6−メトキシ−イソキノリン2−オキシド(58)
【化41】

7−クロロ−6−フルオロ−イソキノリン2−オキシド(57)について記載した方法と同様の経路に従い、4−メトキシ−ベンズアルデヒドを出発物質として、6−メトキシ−イソキノリン2−オキシド(58)を製造した。Rt=0.70分(方法C)。検出質量:176.1(M+H+)。
【0137】
1,7−ジクロロ−6−フルオロ−イソキノリン(59)
【化42】

7−クロロ−6−フルオロ−イソキノリン2−オキシド(57)(2.6g、12.0ミリモル)を、POCl3(40ml)中、還流下で4時間加熱した。混合物を室温に冷却した後、氷上に注いだ。水溶液をジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、蒸発させて、標題の化合物(2.91g)を得、この化合物を更に精製することなく使用した。Rt=2.34分(方法A)。検出質量:216.0/218.0(M+H+)。
【0138】
7−クロロ−6−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オン(60)
【化43】

1,7−ジクロロ−6−フルオロ−イソキノリン(59)(41.1g)を酢酸(670ml)に溶解した。酢酸アンモニウム(148.8g)を加えた後、この溶液を100℃で攪拌した。3時間後、減圧下で溶媒を除去し、残留物を水中に注いだ。水相をジクロロメタンで3回抽出し、有機層を合わせて飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。粗製の生成物を酢酸エチル:ヘプタンから結晶化し、所望の生成物(14.85g)を得た。母液を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィーを行って、更に4.5gを得た。沈殿物を濾過し、乾燥して、標題の化合物(9.91g、83%)を得た。Rt=1.33分(方法B)。検出質量:198.0(M+H+)。
【0139】
1−ベンジルオキシ−7−クロロ−6−フルオロ−イソキノリン(61)
【化44】

7−クロロ−6−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オン(60)(14.74g、74.6ミリモル)をトルエン(150ml)に溶解した。炭酸銀(30.86g、111.9ミリモル)及び臭化ベンジル(15.31g、89.5ミリモル)を加えた後、混合物を80℃で3時間攪拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。残留物をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。MPLCによる最終的な精製により、標題の化合物(11.63g)を得た。Rt=2.51分(方法B)。検出質量:288.1/290.1(M+H+)。
【0140】
7−クロロ−6−フルオロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−イソキノリン−1−オン(62)
【化45】

7−クロロ−6−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オン(60)(10g)をDMF(100mL)に懸濁した。炭酸セシウム(19.75g)及びp−メトキシベンジルクロリド(7.55mL)を続けて加え、混合物を2時間攪拌した。混合物を氷/水に注ぎ、生じた沈殿物を濾別し、水で洗浄し、減圧下で乾燥して、標題の化合物(13.67g)を得た。Rt=1.96分(方法B)。検出質量:318.1(M+H+)。
【0141】
6−フルオロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(63)
【化46】

3−メチル−4−フルオロベンズアルデヒドを出発物質として、7−クロロ−6−フルオロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−イソキノリン−1−オン(62)について記載したのと類似の順序に従い、標題の化合物を製造した。Rt=1.83分(方法B)。検出質量:298.1(M+H+)。
【0142】
6−フルオロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−イソキノリン−1−オン(64)
【化47】

4−フルオロベンズアルデヒドを出発物質として、7−クロロ−6−フルオロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−イソキノリン−1−オン(62)について記載したのと類似の順序に従い、標題の化合物を製造した。Rt=1.72分(方法B)。検出質量:284.1(M+H+)。
【0143】
6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(65)
【化48】

6−メトキシ−イソキノリン2−オキシド(58)(5.2g)を、無水酢酸(120mL)中、100℃で3時間加熱した。反応混合物を蒸発させ、残留物を2MのNaOHに溶解し、100℃でさらに1時間加熱した。混合物を放置して冷却し、2NのHClを加えてpHを6に調整した。水層をメチルtert−ブチルエーテルで数回抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。粗製の物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(3.26g)を得た。Rt=0.93分(方法C)。検出質量:176.1(M+H+)。
【0144】
6−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−オン(66)
【化49】

6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(65)(2.54g)を無水ジクロロメタン(50mL)に溶解し、0℃で三臭化ホウ素(2.74mL)を注意深く加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、その後、氷/水に注いだ。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。粗製の物質をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.96g)を得た。Rt=0.64分(方法C)。検出質量:162.2(M+H+)。
【0145】
1−ベンジル−4−フェニル−ピペリジン−4−オール(67)
【化50】

フェニルマグネシウムクロリドのTHF溶液(25%、33mL)を−10℃で1−ベンジルピペリドン溶液(10g、THFに溶解)に加えた。混合物を室温に温め、4時間攪拌し、20%塩化アンモニウム溶液を加えてクエンチした。混合物をメチルtert−ブチルエーテルで3回抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(14.3g)をオレンジ色の油状物質として得た。Rt=1.09分(方法B)。検出質量:268.1(M+H+)。
【0146】
1−ベンジルオキシ−6−(1−ベンジル−4−フェニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−クロロ−イソキノリン(68)
【化51】

1−ベンジル−フェニル−ピペリジン−4−オール(67)(566mg)を無水ジメチルアセトアミド(6ml)に溶解した。水素化ナトリウム(95%)(48mg)を加え、1時間攪拌後、無水ジメチルアセトアミド(6ml)に溶解した1−ベンジルオキシ−7−クロロ−6−フルオロ−イソキノリン(61)(580mg)を加えた。反応の経過をLCMSにより監視し、更なる変換が見られなくなるまで水素化ナトリウム(50mg)を数回加えた。水(10mL)を加えた。得られた沈殿物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(930mg)を得た。この化合物は、以降の変換に十分な純度であった。Rt=1.62分(方法C)。検出質量:536.2(M+H+)。
【0147】
6−(1−ベンジル−4−フェニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン(69)
【化52】

1−ベンジルオキシ−6−(1−ベンジル−4−フェニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−クロロ−イソキノリン(68)(920mg)を1MのHClに懸濁させ、メタノールを加えて溶解した。一夜攪拌した後、この溶液を水で希釈し、メチルtert−ブチルエーテルで抽出し、そして水層を凍結乾燥した。生成物を結晶化により精製して、所望の生成物(98mg)を白色固形物の塩酸塩として得た。Rt=1.46分(方法A)。検出質量:445.3(M+H+)。
【0148】
3−ヒドロキシ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(70)
【化53】

メタノール(50mL)中N−Boc−ノルトロピノン(2.00g)の0℃の冷溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(672mg)を少量ずつ加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物をジクロロメタンに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理した。相を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。有機相を合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、3−ヒドロキシ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(70)をジアステレオマー混合物として得た。Rt=1.11分、1.17分(方法C)。検出質量:128.0(M−Boc+H+)。
【0149】
3−[7−クロロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ]−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(71)
【化54】

水素化ナトリウム(60%)(528mg)をジメチルアセトアミド(8mL)に懸濁し、ジメチルアセトアミド(4mL)に溶解した3−ヒドロキシ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(70)(1.00g)を滴下しながら加えた。1時間後、別のジメチルアセトアミド(8mL)に溶解した7−クロロ−6−フルオロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−2H−イソキノリン−1−オン(62)を加えた。反応混合物を反応が完了するまで室温で攪拌した。水(30mL)を加え、得られた懸濁液をジクロロメタンと2−プロパノールの混合物(3:1)で3回抽出し、有機層を合わせて蒸発させた。水を加え、粗生成物を凍結乾燥して、残留するジメチルアセトアミドを除去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題の化合物(1.85g)をジアステレオマーの混合物として得た。Rt=1.95分(方法C)。検出質量:525.0(M+H+)。
【0150】
6−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン(72,73)
【化55】

3−[7−クロロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ]−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(71)(1.70g)をTFA(6mL)に溶解し、マイクロ波オーブン中、150℃で1時間加熱した。メタノールを加え、反応混合物を蒸発させた。分取型HPLCにより混合物を分離し、2NのHCl及び水からの残留物を凍結乾燥して、純粋なジアステレオマーをそれぞれ得た。立体異性体1(72):Rt=0.81分(方法A)。検出質量:305.2(M+H+)。立体異性体2(73):Rt=0.88分(方法A)。検出質量:305.2(M+H+)、346.2(M−NH3+H+)。
【0151】
出発物質として示したイソキノリノン及びアミノアルコール成分としてトロピノンを使用し、72/73の合成について記載したのと類似の方法により、以下の生成物を合成した。蒸発して得られた粗生成物又はクロマトグラフィーに付した物質を1MのHClに溶解し、水相をジクロロメタンで洗浄し、続いて凍結乾燥し、水に2回溶解し、再び凍結乾燥し、最後にイソプロパノールから再結晶化することにより、これらの化合物のHCl塩を得ることができた。
【0152】
【表10】

【0153】
N6−(4−アミノ−4−フェニル−シクロヘキサン)−イソキノリン−1,6−ジアミン(77)
【化56】

(6−アミノ−イソキノリン−1−イル)−ジ−カルバミン酸tert−ブチルエステル(100mg、0.278ミリモル)をメタノール(0.5ml)に溶解した。4オングストロームのモレキュラーシーブを加えた後、トリエチルアミン(56.3mg、0.57ミリモル)、酢酸(167mg、2.78ミリモル)、及び(4−オキソ−1−フェニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(241mg、0.835ミリモル)を加え、混合物を1時間攪拌した。その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(52.4mg、0.835ミリモル)の溶液を滴下しながら加え、更なる変換が見られなくなるまで混合物を70℃で攪拌した。溶液を濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残留物をジクロロメタンに溶解し、1NのNaOH及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗生成物を4NのHCl/ジオキサン溶液中で攪拌し、蒸発させ、水に溶解し、凍結乾燥して、所望の生成物(2.7mg)を塩酸塩として得た。Rt=2.22分(方法G)。検出質量:333.3(M+H+)。
【0154】
Rhoキナーゼ阻害の測定
Rhoキナーゼ阻害を測定するために、IC50値を以下のプロトコールに従って測定した。
活性ヒト組換えROCK II(N−末端His6標識組換えヒトROCK−II残基11−552)は、Upsate Ltd.社(Dundee、英国)から購入した。ペプチド基質、フルオレセイン−AKRRRLSSLRA−COOHはJPT Peptide Technologies社(Berlin、ドイツ)から入手した。アデノシン−5′−三リン酸(ATP)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(Hepes)、Brij−35及びジチオスレイトール(DTT)は、Sigma‐Aldrich社(Munich、ドイツ)から購入した。トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(Tris)、塩化マグネシウム、NaOH、1MのHCl及びEDTAはMerck Biosciences社(Darmstadt、ドイツ)から入手した。「完全」プロテアーゼ阻害剤は、Roche Diagnostics社(Mannheim、ドイツ)からのものであった。
【0155】
試験化合物を、緩衝液1(25mMのTris−HCl、pH7.4、5mMのMgCl2、2mMのDTT、0.02%(w/v)BSA及び3%DMSO)中で適切な濃度に希釈した。ROCK II酵素は、緩衝液2(25mMのTris−HCL、pH7.4、5mM MgCl2、2mMのDTT及び0.02%(w/v)BSA)中で100ng/mlの濃度に希釈した。ペプチド基質及びATPを緩衝液2中で、それぞれ3μM及び120μMの濃度に希釈した。2μlの化合物を、384ウェルの小容量マイクロタイタープレート(Greiner社(Bio‐One、Frickenhausen、ドイツ))中で2μlの希釈酵素と混合し、そしてペプチド基質とATPを含有する2μlの溶液の添加によって酵素反応を開始した。32℃で60分インキュベーションした後、100mMのHepes−NaOH、pH7.4、0.015%(v/v)Brij−35、45mMのEDTA及び0.227%のチップコーティング試薬1(Caliper Lifescience Inc社(Hopkinton、M
A))を含有する溶液(20μl)の添加により反応を停止した。次いで基質ペプチドのリン酸化を、基本的にPommereau et al (J.Biomol. Screening 9 (5), 409-416, 2004)によって記述された通りCaliper 3000装置で検出した。分離条件は以下の通りである:圧力−1.3psi、上流電圧−1562V、下流電圧−500V、試料シップ時間−200ms。
【0156】
陽性対照(化合物の代わりに緩衝液1)及び陰性対照(化合物の代わりに緩衝液1及びROCK IIの代わりに緩衝液2)を各プレートで並列に作動させた。
【0157】
以下の生成物/化合物を、上記実施例で得られたそれぞれの形態(塩又は遊離塩基)を用いることによって上記のアッセイで試験し、以下の活性を測定した。
【表11】

【0158】
得られた活性は、以下のようにIC50の負の10を底とする対数(pIC50)で表示される。
+: pIC50 ≦ 3.0
++: 3.0 ≦ pIC50 < 4.0
+++: 4.0 ≦ pIC50 < 5.0
++++: 5.0 ≦ pIC50 < 6.0
+++++: 6.0 ≦ pIC50

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
1は、H、OH又はNH2であり;
2は、
R’;
(C7−C8)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C2−C6)アルキニル;
(C1−C6)アルキレン−O−R’;
(C1−C6)アルキレン−CH[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C16)アルキル]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)OR’;
C(O)(C1−C6)アルキル;
C(O)R’;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルケニル;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;,
C(O)N[(C1−C6)アルキル]R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)−(C1−C6)アルキレン−R’;
C(O)O(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は、(C1−C6)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素が、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合する(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、アミン環の異なる炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になって、第二の4〜8員環を形成し;
3は、
H;
ハロゲン;
(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
OH;
O−R’’;
NH2
NHR’’;
NR’’R’’;又は
NH−C(O)−R’’;
であり;
4は、
H;
ハロゲン;
ヒドロキシ;
CN;
(C1−C6)アルキル;
R’;
(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
5は、
H;
ハロゲン;
CN;
NO2
(C1−C6)アルキル;
(C2−C6)アルケニル;
R’;
(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルケニレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;
CH(OH)−(C1−C6)アルキル;
NH2
NH−R’;
NH−SO2H;
NH−SO2−(C1−C6)アルキル;
NH−SO2−R’;
NH−C(O)−(C1−C6)アルキル;
NH−C(O)−R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)OH;又は
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
であり;
6は、
H;
R’;
(C1−C8)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−O−R’;
(C1−C6)アルキレン−CH[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)OR’;
C(O)(C1−C6)アルキル;
C(O)R’;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)−(C1−C6)アルキレン−R’;又は
C(O)O(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
7は、
H;
ハロゲン;
CN;
NO2
(C1−C6)アルキル;
O−(C1−C6)アルキル;
(C2−C6)アルケニル;
R’;
(C2−C6)アルケニレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキレン−R’;
CH(OH)−(C1−C6)アルキル;
NH2
NH−R’;
NH−SO2H;
NH−SO2−(C1−C6)アルキル;
NH−SO2−R’;
SO2−NH2
SO2−NHR’;
NH−C(O)−(C1−C6)アルキル;
NH−C(O)−R’;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)OH;又は
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
であり;
8は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルであり;
nは、1、2、3又は4であり;
mは、1、2、3、4又は5であり;そして
Lは、O(CH2p、S(CH2p、S(O)(CH2p、SO2(CH2p、NH(CH2p、N(C1−C6)アルキル−(CH2p、N(C3−C6)シクロアルキル−(CH2p、N[CO(C1−C6)アルキル]−(CH2p又はN[(C1−C3)アルキレン−R’]−(CH2pであり;
pは、0、1、2、3又は4であり;
ここで、
R’は、
(C3−C8)シクロアルキル;
(C5−C10)ヘテロ環;
(C6−C10)アリール;
であり;
R’’は、
(C3−C8)シクロアルキル;
(C5−C10)ヘテロ環;
(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−O−R’;又は
(C1−C6)アルキレン−NRxy
であり;そして
ここで、
x及びRyは、互いに独立に、
(C1−C6)アルキル;
(C5−C10)ヘテロ環;
(C6−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;
(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−NH(C1−C6)アルキル;
(C1−C4)アルキレン−N[(C1−C6)アルキル]2
(C1−C4)アルキレン−N[(C6−C10)アリール]2;又は
(C1−C4)アルキレン−N[(C5−C10)ヘテロ環]2
であり;
ここで、残基R4、R5、R6、R7及びR8における、アルキル、アルキレン又はシクロアルキルは、場合により、1回又はそれ以上、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換されても良く;
ここで、残基R2〜R8におけるアルキル又はアルキレンは、場合により、1回又はそれ以上ハロゲンで置換されても良く;
ここで、残基R2〜R8における(C6−C10)アリール及び(C5−C10)ヘテロ環は、無置換、又は1回若しくはそれ以上、ハロゲン、OH、NO2、N3、CN、C(O)−(C1−C6)アルキル、C(O)−(C1−C6)アリール、COOH、COO(C1−C6)アルキル、CONH2、CONH(C1−C6)アルキル、CON[(C1−C6)アルキル]2、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−OH、(C1−C6)アルキレン−NH2、(C1−C6)アルキレン−NH(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−N[(C1−C6)アルキル]2、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、O−(C1−C6)アルキル、O−C(O)−(C1−C6)アルキル、PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1−C6)アルキル、SO2N[(C1−C6)アルキル]2、S−(C1−C6)アルキル;SO−(C1−C6)アルキル、SO2−(C1−C6)アルキル、SO2−N=CH−N[(C1−C6)アルキル]2、C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1−C6)アルキル、N[(C1−C6)アルキル]2、NH−C(O)−(C1−C6)アルキル、NH−C(O)O−(C1−C6)アルキル、NH−SO2−(C1−C6)アルキル、NH−SO2−(C6−C10)アリール、NH−SO2−(C5−C10)ヘテロ環、N(C1−C6)アルキル−C(O)−(C1−C6)アルキル、N(C1−C6)アルキル−C(O)O−(C1−C6)アルキル、N(C1−C6)アルキル−C(O)−NH−(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−(C6−C10)アリール、O−(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロ環、(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はO−(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環から独立に選択される好適な基で置換され、
ここで、(C6−C10)アリール又は(C5−C10)ヘテロ環は、1〜3回、ハロゲン、OH、NO2、CN、O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル、NH2、NH(C1−C6)アルキル、N[(C1−C6)アルキル]2、SO2CH3、COOH、C(O)O−(C1−C6)アルキル、CONH2、(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−O−(C6−C10)アリール又はO−(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリールから独立に選択される基で置換されても良く;
又はここで、(C6−C10)アリールは、隣接してO−(C1−C4)アルキレン−O基で置換され、それにより、酸素原子が結合している炭素原子と一緒になり5〜8員環を形成し;
そしてここで、(C6−C10)アリール及び(C5−C10)ヘテロ環基のアリール又はヘテロ環置換基は、更に、アリール又はヘテロ環を含む基で置換されなくてもよい〕
の化合物、又はそれらの立体異性体及び/又は互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)の化合物であって、ここで、R1はHであり、式(II):
【化2】

で特徴付けられる化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の式(I)の化合物であって、ここで、R1はOHであり、式(III):
【化3】

で特徴付けられる化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物であって、ここで、R1はOHであり、式(III’):
【化4】

で特徴付けられる化合物。
【請求項5】
1がNH2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
3がH、ハロゲン、(C1−C4)アルキレン−R’、O−R’’又はNHR’’である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
3がH又はNHR’’である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
3がH;NH−(C5−C6)ヘテロ環又はNH−フェニルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
3がHである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
8がH、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
8がH、Cl、F、メチル又はエチルである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
8がHである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
4がH、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
4がH、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
4がHである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
5がH、ハロゲン、CN、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、R’、NH−(C6−C10)アリール又は(C1−C6)アルキレン−R’である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
5がH、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、R’、NH−(C6−C10)アリール又は(C1−C6)アルキレン−R’である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
5がH、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C6−C10)アリール、NH−(C6−C10)アリール、(C1−C2)アルキル−(C6−C10)アリール又は(C5−C10)ヘテロアリールである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化
合物。
【請求項19】
5がH、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C6−C10)アリール又は(C5−C10)ヘテロアリールである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
5がH、ハロゲン、メチル、エチル、ビニル、フェニル、チエニル又はピリジルである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
5がH、ハロゲン、メチル又はエチルである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
5がHである、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
7がH、ハロゲン、CN、(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、R’又は(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
7がH、ハロゲン、CN、(C1−C4)アルキル、O−(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルケニル、フェニル、シクロプロピル又は(C5−C6)ヘテロアリールである、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
7がH、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ、フェニル、ニトリル、シクロプロピル、チエニル又はビニルである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
7がH、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル又はメトキシである、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
7がHである、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
mが2、3又は4である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
mが3である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、
2はR’、(C7−C8)アルキル、(C1−C6)アルキレン−R’、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2;(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)NHR’、C(O)−NH(C2−C6)アルケニル、C(O)−NH(C2−C6)アルキニル、C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’、C(O)N[(C1−C6)アルキル]R’、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)−(C1−C6)アルキレン−R’、C(O)O(C1−C6)アルキレン−R’であり;
又はR2は(C1−C6)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素は、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合する(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり、第二の4〜8員環を形成する;
化合物。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、
2は、
R’;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルケニル;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は(C1−C3)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素は、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合する(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり、第二の4〜8員環を形成する;
化合物。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、
2は、
R’;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;,
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は、環状アミンに結合する(C1−C2)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり、第二の4〜8員環を形成する;
化合物。
【請求項33】
nが1、2又は3である、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
nが1又は2である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
nが1である、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】
請求項1〜35のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、
6は、
H;
(C1−C6)アルキル;
R’;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;
(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル;
(C1−C4)アルキレン−C(O)−(C5−C10)ヘテロ環;
(C1−C4)アルキレン−C(O)−(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)(C1−C6)アルキル;
C(O)R’;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2;又は
C(O)(C1−C6)アルキレン−R’;
である化合物。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、
6は、
H;
(C1−C6)アルキル;
(C5−C10)ヘテロ環;
(C3−C8)シクロアルキル;
(C6−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;
(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)(C1−C6)アルキル;
C(O)(C5−C10)ヘテロ環;
C(O)(C3−C8)シクロアルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル;
C(O)(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;又は
C(O)(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール;
である化合物。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、
6は、
H;
(C1−C6)アルキル;
(C3−C8)シクロアルキル;
(C5−C10)ヘテロ環;
(C5−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;
(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)O−(C1−C6)アルキル;
C(O)(C1−C6)アルキル;
C(O)(C3−C8)シクロアルキル;
C(O)−(C5−C10)ヘテロ環;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)N[(C1−C6)アルキル]2
C(O)(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル;
C(O)(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;又は
C(O)(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール;
である化合物。
【請求項39】
請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、
6は、
H;
(C1−C6)アルキル;
(C3−C8)シクロアルキル;
(C6−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;
(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール;
(C1−C4)アルキレン−O−(C1−C4)アルキル;
C(O)(C1−C6)アルキル;
C(O)(C3−C8)シクロアルキル;
C(O)−(C5−C10)ヘテロ環;
C(O)(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環;又は
C(O)(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール;
である化合物。
【請求項40】
請求項1〜39のいずれか1項に記載の化合物であって、ここで、
6は、
H;
(C1−C6)アルキル;
(C3−C8)シクロアルキル;
(C1−C4)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル;
(C1−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環、ここで、ヘテロ環は、無置換、又は1回若しくはそれ以上、(C1−C4)アルキル;(C1−C4)アルキレン−(C6−C10)アリールで置換され、ここで、アリールは無置換、又は1回若しくはそれ以上、ハロゲン、(C1−C4)アルキル、O−(C1−C4)アルキル、SO2−(C1−C4)アルキル又はSO2−N[(C1−C6)アルキル]2で置換される;
である化合物。
【請求項41】
6がH、(C1−C6)アルキル又は(C3−C8)シクロアルキルである、請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
6がH、無置換(C1−C6)アルキル又は無置換(C3−C8)シクロアルキルである、請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
6がHである、請求項1〜42のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項44】
mが3であり、そしてLがピペリジン環の3−位又は4−位に結合する、請求項1〜43のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項45】
mが3であり、そしてLがピペリジン環の4−位に結合する、請求項1〜44のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項46】
LがS(CH2p、S(O)(CH2p又はSO2(CH2pである、請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項47】
LがNH(CH2p又はN(C1−C6)アルキル−(CH2pである、請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項48】
LがO(CH2pである、請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項49】
pが0である、請求項1〜48のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項50】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
1は、H又はOHであり;
2は、R’、(C7−C8)アルキル、(C1−C6)アルキレン−R’、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2;(C1−C6)アルキレン−C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)NHR’、C(O)−NH(C2−C6)アルケニル、C(O)−NH(C1−C6)アルキニル、C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’、C(O)N[(C1−C6)アルキル]R’、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)−(C1−C6)アルキレン−R’、C(O)O(C1−C6)アルキレン−R’であり;
又はR2は(C1−C6)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素が、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合する(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり、第二の4〜8員環を形成し;
3は、H、ハロゲン、(C1−C4)アルキレン−R’、O−R’’又は NHR’’であり;
4は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルであり;
5は、H、(C1−C6)アルキル、ハロゲン、CN、(C2−C6)アルケニル、(C6−C10)アリール、NH−(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロ環 又は(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環であり;
6は、H、R’、(C1−C8)アルキル、(C1−C6)アルキレン−R’、(C1
6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキレン−O−R’、(C1−C6)アルキレン−CH[R’]2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[(C1−C4)アルキル]2、(C1−C6)アルキレン−C(O)N[R’]2;C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環、又はC(O)(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリールであり;
7は、H、ハロゲン、CN、(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル又はR’であり;
8は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルであり;
mは、2、3又は4であり;
nは、1、2又は3であり;
Lは、O(CH2p、S(CH2p、NH(CH2p又はN(C1−C6)アルキル−(CH2pであり;そして
pは、0、1又は2である;
化合物。
【請求項51】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
1は、H又はOHであり;
2は、R’、(C1−C6)アルキレン−R’、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH2、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’、C(O)−NH(C2−C6)アルキニル、(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)NHR’、C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’であり;
又はR2は(C1−C3)アルキルであるが、該アルキル残基において、少なくとも1つの水素が、OH、OCH3、COOH、COOCH3、NH2、NHCH3、N(CH32、CONH2、CONHCH3又はCON(CH32で置換され;
又はR2は、環状アミンに結合する(C1−C4)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり、第二の4〜8員環を形成し;
3は、H、ハロゲン又はNHR’’であり、ここで、R’’は、上記で定義した通りであり;
4は、H、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルであり;
5は、H、(C1−C6)アルキル、ハロゲン、(C2−C4)アルケニル、(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリール又は(C5−C10)ヘテロ環であり;
6は、H、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルキル、(C1−C3)アルキレン−R’、C(O)O−(C1−C6)アルキル、C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)−(C5−C10)ヘテロ環、C(O)NH−(C1−C6)アルキル、C(O)N[(C1−C6)アルキル]2、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C3−C8)シクロアルキル、C(O)(C1−C6)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はC(O)(C1−C6)アルキレン−(C6−C10)アリールであり;
7は、H、ハロゲン、CN、(C1−C6)アルキル、O(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル又はR’であり;
8は、H、ハロゲン又は(C1−C6)アルキルであり;
mは、2、3又は4であり;
nは、1、2又は3であり;
Lは、O(CH2p、S(CH2p又はNH(CH2pであり;そして
pは、0又は1である:
化合物。
【請求項52】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
1は、H又はOHであり;
2は、
R’;
(C1−C6)アルキレン−R’;
(C2−C6)アルケニル;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−R’;
(C1−C6)アルキレン−C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NH−(C1−C6)アルキル;
C(O)NHR’;
C(O)−NH(C2−C6)アルキニル;
C(O)−NH(C1−C6)アルキレン−R’;
であり;
又はR2は、環状アミンに結合する(C1−C2)アルキレンであり、ここで、(C1−C4)アルキレンは、環状アミンの別の炭素原子と第二の結合を形成し、そして環状アミンの炭素原子と一緒になり、第二の4〜8員環を形成し;
3は、H、NH−(C5−C6)ヘテロアリール又はNH−フェニルであり;
4は、H、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルであり;
5は、H、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C2−C4)アルケニル、(C6−C10)アリール、(C1−C2)アルキル−(C6−C10)アリール又は(C5−C6)ヘテロアリールであり;
6は、H、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルキル、(C1−C3)アルキレン−R’;C(O)(C1−C6)アルキル、C(O)(C3−C8)シクロアルキル、C(O)−(C5−C10)ヘテロ環、C(O)(C1−C3)アルキレン−(C5−C10)ヘテロ環又はC(O)(C1−C3)アルキレン−(C6−C10)アリールであり;
7は、H、ハロゲン、CN、(C1−C4)アルキル、O(C1−C4)アルキル、(C2−C4)アルケニル、フェニル、シクロプロピル、(C5−C6)ヘテロアリールであり;
8は、H、ハロゲン又は(C1−C4)アルキルであり;
mは3であり;
nは1であり;そして
Lは、O、NH又はSである;
化合物。
【請求項53】
請求項1に記載の化合物であって、以下の化合物:
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル;
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−2−o−トリルカルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸o−トリルアミド;
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸イソブチル−アミド;
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸3−メトキシ−ベンジルアミド(11);
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸2−クロロ−ベンジルアミド(12);
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸フェネチル−アミド;
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
(2R,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸プロパ−2−イニルアミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸フェネチル−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸2−クロロ−ベンジルアミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピペリジン−2−カルボン酸イソブチル−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(4−エチル−フェニル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸((R)−1−フェニル−エチル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−メトキシ−エチル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸プロパ−2−イニルアミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル;
(2S,4R)−2−(4−エチル−フェニルカルバモイル)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(4−エチル−フェニル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−メトキシ−エチル)−アミド;
(2S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸(4−エチル−フェニル)−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸フェネチル−アミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸2−クロロ−ベンジルアミド;
(2S,4S)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−2−カルボン酸イソブチル−アミド;
(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−3−カルボン酸3−メトキシ−ベンジルアミド;
(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−3−カルボン酸(2−メトキシ−エチル)−アミド;
(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−3−カルボン酸o−トリルアミド;
(3S,4R)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−ピロリジン−3−カルボン酸イソブチル−アミド;
6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−イソキノリン;又は
6−(1−ベンジル−4−フェニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−クロロ−イソキノリン;
から選択される化合物、又はそれらの立体異性体及び/又は互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項54】
請求項1に記載の化合物であって、以下の化合物:
6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン;
6−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン;
6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン;
7−クロロ−6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン;
7−メチル−6−(8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ)−2H−イソキノリン−1−オン;又は
N6−(4−アミノ−4−フェニル−シクロヘキシル)−イソキノリン−1,6−ジアミン;
から選択される化合物、又はそれらの立体異性体及び/又は互変異性体及び/又はそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項55】
請求項1〜54のいずれか1項に記載の少なくとも1つの式(I)の化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩の、薬剤を製造するための使用。
【請求項56】
請求項1〜54のいずれか1項に記載の少なくとも1つの式(I)の化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩の、薬剤を製造するための使用であって、高血圧、肺高血圧、高眼圧、網膜症、緑内障、末梢循環障害、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、冠状動脈性心疾患、狭心症、心肥大、心不全、虚血性疾患、虚血性臓器不全(末端器官障害)、肺線維症、肝線維症、肝不全、腎症、腎不全、腎線維症、腎糸球体硬化症、臓器肥大、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、血栓疾患、発作、脳血管攣縮、脳虚血、疼痛、神経変性、脊髄損傷、アルツハイマー病、早産、勃起障害、内分泌機能異常、動脈硬化症、前立腺肥大、糖尿病及び糖尿病合併症、メタボリックシンドローム、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症、自己免疫疾患、AIDS、骨障害、細菌による消化管感染症、敗血症又はがん発生及び進行を治療及び/又は予防する薬剤を製造するための使用。
【請求項57】
請求項1〜54のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩の有効量、生理学的に許容される添加剤及び担体、並びに必要に応じて更なる添加物及び/又は他の活性成分を含む薬剤。

【公表番号】特表2010−514720(P2010−514720A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543376(P2009−543376)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/011168
【国際公開番号】WO2008/077555
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】