説明

新規インドール誘導体

【課題】PPARα活性化作用、PPARγ活性化作用、またはPPARα/γ活性化作用を有し、インスリン抵抗性を改善し、安全性にも優れた、糖尿病予防または治療剤の供給。
【解決手段】式(1)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。


(環Aはアリール等、R1は水酸基等、R1aは水素原子等、Waは単結合、アルキレン等、Wbはアルキル等、R2はアルキル等、R3、R4およびR5は水素原子等、Xaは単結合等、Xcはアルキレン等、Xdは環状アミノカルボニル、テトラゾール等。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗糖尿病作用を有する新規なインドール化合物またはその塩に関する。詳しくはインスリン抵抗性を改善し、より安全に血糖値をコントロールする抗糖尿病作用を有する、および/または高脂血症、動脈硬化、メタボリックシンドロームといった代謝性疾患の予防・治療に対して有用である新規なインドール化合物に関する。さらに詳しくは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)γ活性化調節作用を有する新規なインドール化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の生活習慣の変化に伴い、糖尿病患者数は増加の一途を辿っている。2006年に我が国で行われた国民健康・栄養調査結果によると、糖尿病が強く疑われる人は約820万人、糖尿病の可能性が否定できない人は約1050万人、合わせて約1870万人と推定されている。
現在の糖尿病に使用される薬剤には、血糖降下薬とインスリンとがある。血糖降下薬には更にインスリン分泌型血糖降下薬と非インスリン分泌型血糖降下薬とに大別される。インスリン分泌型血糖降下薬と呼ばれるものには、膵β細胞のスルホニルウレア(SU)受容体に結合してインスリン分泌刺激作用を示すSU剤が広く使用されているが、重篤な副作用として低血糖の危険性があるほか、肥満が生じやすいことが知られている。
非インスリン分泌型血糖降下薬の一つとしてはチアゾリジンジオン系薬剤であるインスリン抵抗性改善薬が挙げられる。チアゾリジンジオン系薬剤はPPARγを活性化することにより、インスリン抵抗性を改善、抗糖尿病作用を発揮すると考えられている。チアゾリジンジオン系薬剤として最初に発売されたのはトログリタゾンであるが、重篤な肝障害を生じ、発売中止となった。我が国では、現在、ピオグリタゾンが臨床の場で使用されているが、重篤な副作用として、循環血漿量の増加による心不全が報告されたため、2004年10月に緊急安全性情報が出され、心不全、浮腫に対する注意が必要であることが示されている。欧米で用いられているロシグリタゾンについても、上気道感染、貧血、浮腫、体重増加などの副作用があるとされており、肝障害、循環器系の副作用などに対する懸念のないチアゾリジンジオン系薬剤は未だ発売されていない。
PPARにはα、γ、(δ)などのサブタイプがあることが知られているが、高脂血症治療薬として用いられているフィブラート系薬剤(クロフィブラート、フェノフィブラートなど)は、PPARαを活性化することにより、薬理作用を発現すると考えられている。動物モデルにPPARα活性化剤を投与することにより、インスリン抵抗性が改善されることが近年報告されており(例えば、非特許文献1参照)、PPARα活性化剤が、高脂血症のみならず糖尿病に対しても良好な作用を示す可能性が示されつつある。
PPARγあるいはαとγ両者を活性化する化合物は、チアゾリジンジオン系薬剤以外にもイソオキサゾリジンジオンなど多数報告されているが(例えば、非特許文献2参照)、臨床の場での有効性、安全性については、未だ不明である。現在、良好な抗糖尿病作用を示し、および/または高脂血症、動脈硬化症、メタボリックシンドロームといった代謝性疾患の予防・治療に対して有用であり、安全性の高いPPARαアゴニスト、PPARγアゴニスト、PPARα/γアゴニストまたはPPARα/γ活性化調節剤が切望されている。
また、インドール基を有する糖尿病治療剤が知られている(例えば特許文献1および2参照)が、臨床の場での有効性、安全性についての報告はない。
また、インドール基を有するアルツハイマー治療薬が知られている(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】国際公開第2008/028118号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006/099077号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6358992号明細書
【非特許文献1】ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(Jornal of Biological Chemistry)、Vol. 275、16638頁、2000年
【非特許文献2】ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Jornal of Medicinal Chemistry)、43、527頁、2000年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、PPARα活性化作用、PPARγ活性化作用、またはPPARα/γ活性化作用を有し、インスリン抵抗性を改善し、安全性にも優れた、糖尿病予防または治療剤を供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、鋭意研究した結果、新規インドール誘導体がPPARα、PPARγ、またはPPARα/γを活性化することにより、糖尿病・インスリン抵抗性を改善し、および/または高脂血症、動脈硬化症、メタボリックシンドロームといった代謝性疾患の予防・治療に対して有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は:
〔1〕
式(1):
【0006】
【化1】

(式中、環Aは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、または非芳香族複素環を表し、
1は、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、チオール、または、式:W1−R1bを表し、
1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、SO2、CO、CONH、または−O−アルキレンを表し、
1bは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表し、
1aは、水素原子、アルキル、アルコキシ、水酸基、ハロゲン原子、またはシアノを表すか;または
1とR1aは、一緒になって、式:−A1−A2−A3−、または−A1−A2−A3−A4−、(A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、CH2、CHCH3、C(CH32、CO、NH、NCH3、O、またはSを表す。)で表される基を表し、
Waは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、シクロアルキル−アルキレン、または-Ya-Yb-(式中、Yaは、酸素原子、硫黄原子、-SO-または-SO2-を表し、Ybは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、または置換されていてもよいアルケニレンを表す。)を表し、
Wbは、置換されていてもよいアルキル、または、式(2):
【0007】
【化2】

を表し、
環Bは、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または非芳香族複素環を表し、
7およびR7aは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、チオール、または、式:W2−R7bを表し、
2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、SO2、CO、CONH、または−O−アルキレンを表し、
7bは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表すか;または
7とR7aは、一緒になって、式:−A1−A2−A3−、または−A1−A2−A3−A4−、(A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、CH2、CHCH3、C(CH32、CO、NH、NCH3、O、またはSを表す。)で表される基を表し、
R2は、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキレン、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン原子、シアノ、含窒素飽和へテロ環基、または式:−W3−R2aを表し、
3は、酸素原子、CO、CONR2b、CONHSO2、SO2、SO2NR2b、NR2b、またはNHCOを表し、
2aおよびR2bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキル−アルキレンを表し、
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいアルキルを表し、
R5は、水素原子、水酸基、置換されていてもよいアルコキシ、−O−シクロアルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、または式:−W4−R5aを表し、
4は、酸素原子、CO、COO、CONR5b、CONHSO2、SO2、SO2NR5b、NR5b、またはNHCOを表し、
5aおよびR5bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アリール、アリール−アルキルを表し、
Xaは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、または置換されていてもよいアルケニレンを表し、
Xbは、酸素原子、-NR6-(R6は、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキル−アルキレンを表す。)、硫黄原子、-SO-、またはSO2-を表し、
Xcは、置換されていてもよいアルキレン、または置換されていてもよいアルケニレンを表し、
Xdは、置換されていてもよい環状アミノカルボニル、テトラゾール、または式:−W5−R8を表し、
5は、COO、CONR8a、CONHSO2、SO2、またはSO2NR8aを表し、
8およびR8aは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはアリール−アルキレン
を表す。)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩、
〔2〕
R2が、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン原子、またはシアノを表し、
R5が、水素原子、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン原子、またはシアノを表し、
Xaが、単結合、または置換されていてもよいアルキレンを表し、
Xbが、酸素原子、-NR6-(R6は、アルキルを表す。)、または硫黄原子を表し、
Xcが、置換されていてもよいアルキレンを表す、〔1〕記載の化合物、またはその薬学上許容される塩、
〔3〕
環Aが、アリールを表し、
Waが、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレンを表し、
Wbが、式(2):
【0008】
【化3】

を表し、
環Bが、アリール、ヘテロアリール、または非芳香族複素環を表し、
7およびR7aは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、チオール、または、式:W2−R7bを表し、
2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、SO2、CO、CONH、または−O−アルキレンを表し、
7bは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表すか;または
7とR7aは、一緒になって、式:−A1−A2−A3−、または−A1−A2−A3−A4−、(A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、CH2、CHCH3、C(CH32、CO、NH、NCH3、O、またはSを表す。)で表される基を表し、
R2が、置換されていてもよいアルキルまたはハロゲン原子を表し、
R5が、水素原子またはハロゲン原子を表し、
Xaが、単結合、または置換されていてもよいアルキレンを表し、
Xbが、酸素原子、または-NR6-(R6は、アルキルを表す。)を表し、
Xcが、置換されていてもよいアルキレンを表す、〔1〕記載の化合物、またはその薬学上許容される塩、
〔4〕
環Aが、アリールを表し、
Waが、置換されていてもよいアルキレンを表し、
Wbが、式(2):
【0009】
【化4】

を表し、
環Bが、アリール、またはヘテロアリールを表し、
7およびR7aは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、チオール、または、式:W2−R7bを表し、
2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、SO2、CO、CONH、または−O−アルキレンを表し、
7bは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表すか;または
7とR7aは、一緒になって、式:−A1−A2−A3−、または−A1−A2−A3−A4−、(A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、CH2、CHCH3、C(CH32、CO、NH、NCH3、O、またはSを表す。)で表される基を表し、
R2が、アルキルを表し、
R3およびR4が、水素原子を表し、
R5が、水素原子を表し、
Xaが、単結合、または置換されていてもよいアルキレンを表し、
Xbが、酸素原子を表し、
Xcが、置換されていてもよいアルキレンを表し、
Xdが、カルボキシを表す、〔1〕記載の化合物、またはその薬学上許容される塩、
〔5〕
環Aがフェニルを表し、環Bがフェニルを表す、〔4〕記載の化合物、またはその薬学上許容される塩、
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬、
〔7〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するPPARα、PPARγ、またはPPARα/γ活性化調節剤、
〔8〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する糖尿病または高脂血症の治療剤、
〔9〕
治療を必要とする患者に、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することからなる、糖尿病または高脂血症の治療方法、または
〔10〕
糖尿病または高脂血症の治療剤の製造のための、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物、またはその薬学上許容される塩の使用に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、インスリン抵抗性を改善し、より安全にコントロールする、糖尿病、および/または高脂血症、動脈硬化症、メタボリックシンドロームといった代謝性疾患に対する予防薬、治療薬として有用なインドール誘導体またはその塩の提供が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、新規なインドール誘導体およびその塩等に関する。
次に本発明に係る式(1)で表されるインドール誘導体の、該式中の定義につき具体的に説明する。
置換基の数としては、置換可能な位置に、1または複数存在し、また複数ある場合はそれぞれ独立して、同一または異なっていてもよい。
【0012】
「アリール」としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、または2-ナフチル等のC6〜C10アリール等が挙げられる。好ましくはフェニルが挙げられる。
「ヘテロアリール」としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなる群から任意に選ばれる1から3個のヘテロ原子を含む単環性または二環性のヘテロアリールが挙げられる。具体的には、例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル等の単環性5員環ヘテロアリール、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル等の単環性6員環ヘテロアリール、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、4-H-キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル等の二環性ヘテロアリール等が挙げられ、より好ましくは、チエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、インドリル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニルが挙げられる。
【0013】
「置換アリール」および「置換ヘテロアリール」における置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アミノ、C1〜C8アルキル、ハロゲン原子で置換されたC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C1〜C8アルコキシ、ハロゲン原子で置換されたC1〜C8アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル等が挙げられる。
【0014】
「アルキル」としては、例えば、直鎖状または分枝状のC1-C8アルキル等が挙げられ、具体的には、例えば、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、またはt-ブチル等が挙げられる。
「シクロアルキル」としては、例えば、C3〜C10シクロアルキル等が挙げられ、具体的には例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル等が挙げられる。好ましくは、シクロプロピル、シクロヘキシル、アダマンチルが挙げられる。
「アルケニル」としては、例えば、直鎖状または分枝状のC2-C8アルケニル等が挙げられ、具体的には例えば、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル等が挙げられ、好ましくはビニル、2-プロペニルが挙げられる。
【0015】
「置換アルキル」および「置換アルケニル」における置換基としては、例えば、水酸基、C1-C8アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、1-プロピルオキシ、2-プロピルオキシ等)、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたC1-C8アルコキシ等が挙げられ、好ましくは、例えば、メトキシ、エトキシ、2-プロピルオキシ、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ等が挙げられる。
【0016】
「アルコキシ」としては、例えば直鎖状または分枝状のC1-C8アルコキシが挙げられ、具体的には例えば、メトキシ、エトキシ、1-プロピロキシ、2-プロピロキシ、1-ブトキシ、2-ブトキシ、t-ブトキシ等が挙げられる。好ましくは、メトキシ、エトキシ、2-プロピルオキシが挙げられる。
「置換アルコキシ」における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ等が挙げられる。
【0017】
「非芳香族複素環」としては、例えば、構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有する炭素数2〜6の非芳香族複素環が挙げられ、具体的には例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピラノ、ピペリジノ、ピロリジノ、4-メチル-1-ピペラジノ等が挙げられ、好ましくはモルホリノ、テトラヒドロピラノ、ピペリジノ、ピロリジノが挙げられる。
【0018】
「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子が挙げられる。
【0019】
「アルキレン」としては、例えば直鎖状、または分枝状のC1-C10アルキレンもしくは環状構造を含むC3-C10アルキレンが挙げられ、好ましくは直鎖状、または分枝状のC1-C4アルキレンもしくは環状構造を含むC3-C4アルキレンが挙げられる。直鎖状、又は分枝状のC1-C4アルキレンとしては、具体的には例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、1-メチルメチレン、1,1-ジメチルメチレン、1-エチルメチレン、1-プロピルメチレン、1-メチルエチレン、2-メチルエチレン、または1-エチルエチレンなどが挙げられ、好ましくはメチレン、エチレン、または1,1-ジメチルメチレンが挙げられる。
環状構造を含むC3〜C10アルキレンとしては、例えば、C0〜C2アルキレン−C3〜C8シクロアルキル−C0〜C2アルキレン等が挙げられる。環状構造を含むC3-C4アルキレンとしては、具体的には例えば、式(3):
【0020】
【化5】

で表される基等が挙げられる。
「アルケニル」としては、例えばC2-C8アルケニレン等が挙げられ、好ましくはC2-C4アルケニレンが挙げられる。C2-C4アルケニレンとしては、具体的には例えば、シスまたはトランス−ビニレン、シスまたはトランス-1-プロペニレン、シスまたはトランス-2-プロペニレン、シスまたはトランス-1-ブテニレン、シスまたはトランス-2-ブテニレン、トランス-1-メチル−ビニレン、トランス-1-エチル-ビニレン、トランス-1-メチル-1-プロペニレン、トランス-2-メチル-1-プロペニレン等が挙げられ、好ましくはシスまたはトランス-ビニレンが挙げられる。
【0021】
「置換アルキレン」および「置換アルケニル」における置換基としては、例えば、C1〜C3アルキル、またはハロゲン原子等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、またはフッ素原子等が挙げられる。
【0022】
「含窒素飽和へテロ環基」としては、例えば、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジル、モルホリノ等が挙げられる。
【0023】
「環状アミノカルボニル」としては、例えば構成原子として酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでもよい5〜7員環状アミノカルボニルなどが挙げられる。具体的には例えば、ピロリジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、ピペラジニルカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニルなどが挙げられる。
「置換環状アミノカルボニル」における置換基としては、例えば、C1-C8アルキル、水酸基等が挙げられる。
置換されていてもよい環状アミノカルボニルとして、好ましくは例えば、ピロリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、4-ヒドロキシピペリジノカルボニル、4または-メチルピペラジニルカルボニル等が挙げられる。
【0024】
プロドラッグとしては、生体内で化学的または生化学的に加水分解されて本発明の化合物を再生するものを言う。例えば、本発明インドール化合物がカルボキシルを有する場合には、そのカルボキシルが適当なエステルに変換された化合物が挙げられる。このエステルの具体例としては、メチルエステル、エチルエステル、1-プロピルエステル、2-プロピルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、アセチルオキシメチルエステル、シクロヘキシルアセチルオキシメチルエステル、1-メチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチルエステル、エチルオキシカルボニルオキシ-1-エチルエステル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ-1-エチルエステル等が挙げられる。
【0025】
薬学上許容される塩としては、本発明のインドール化合物またはその薬学上許容される塩が酸性基を有する場合は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、亜鉛塩等の無機金属塩、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリヒドロキシメチルアミノメタン、アミノ酸等有機塩基塩等が挙げられる。本発明のヘテロアリール化合物またはその薬学上許容される塩が塩基性基を有する場合は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸塩、および酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
【0026】
本発明には、式(1)のインドール化合物のプロドラッグも含まれる。また、本発明には、式(1)のインドール化合物もしくはプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩の水和物、エタノール溶媒和物等の溶媒和物も含まれる
【0027】
本発明のインドール化合物は、例えば以下に詳述する製造法、もしくはこれらに準ずる方法によって製造することが出来る。
なお、原料化合物として用いられる化合物は、それぞれ塩として用いても良い。
本発明のインドール誘導体のインドール部分は自体公知の方法、例えば新実験化学講座14巻[IV](丸善、1977年発行)、新編へテロ環化合物基礎編(講談社、2004年発行)等に記載されている方法あるいはそれに準じた方法によって製造することが出来る。
なお、これらの反応は単なる例示であり、有機合成に習熟している者の知識に基づき、適宜他の方法で製造することも出来る。
以降の各反応において、必要に応じて、官能基を保護することが出来る。保護基およびその保護、脱保護の技術は例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York(1999)に詳しく述べられている。
【0028】
製造法(1)
【0029】
【化6】

【0030】
式(1)のインドール誘導体は、a〜cの部分で結合を形成することにより製造することが出来る。a〜c部分の結合形成反応は製造法(1-1〜1-2)のように例示することが出来る。a〜c部分の結合形成の順番については、適宜変更することが出来る。またb、c部分の結合は、製造法(3)におけるインドール環の構築方法のいずれかの工程でも形成することが出来る。また各製造法における出発物質は、公知の原料から製造することが出来る。
【0031】
式(1)のインドール誘導体は、aの部分で結合を形成することにより製造することが出来る。この結合形成方法は製造法(1)のように例示することが出来る。また各製造法における出発物質は、公知の原料から合成できる。
【0032】
製造法(1-1) a部分の結合形成方法
【0033】
【化7】

(式中、L1は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシラート等の脱離基を表し、R15は-Xa-Xb-Xc-Xdか、-Xa、または-Xa-Xbを表し、それぞれは末端部分に塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシラート等の脱離基、t-ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、ベンジル、メトキシメチル、t-ブトキシカルボニル等の保護基を有する場合もあり、末端がカルボキシなら、メチル、エチル、t-ブチル等の保護基を有する場合もある。その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
【0034】
化合物(100)は市販品や、例えば新実験化学講座14巻(丸善、1977年発行)、実験化学講座19〜26巻(丸善、1992年発行)などに記載されている方法あるいはそれに準じた方法を用いて製造したものを用いることが出来る。
化合物(101)の製造法は後述する方法で製造したものを用いることが出来る。
化合物(102)は、化合物(100)のWaが単結合の場合、例えば不活性溶媒中、銅塩、塩基、ジアミンリガンド存在下反応させることで製造することが出来る。例えばJournal of the American Chemical Society 124, 11684 (2002)、Angew. Chem. Int. Ed., 42, 5400 (2003)等記載のN-アリール化反応あるいはそれに準じた方法によって製造することが出来る。
不活性溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N, N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、2種類以上を適宜の割合で混合して用いても良い。
銅塩としてはヨウ化銅、酢酸銅等が挙げられる。
塩基としてはリン酸カリウム等の無機塩、t-ブトキシカリウム等の金属アルコキシド、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、酢酸セシウム等の金属酢酸塩等が挙げられる。
ジアミンリガンドとしては、エチレンジアミン、N-メチルエチレンジアミン、N, N'-ジメチルエチレンジアミン、N, N, N', N'-テトラメチルエチレンジアミン、1, 2-シクロヘキサンジアミン、N, N'-1, 2-ジメチルシクロヘキサンジアミン等が挙げられる。
反応温度は室温から沸点付近の範囲が選択され、好ましくは室温から130℃付近の範囲が上げられる。
【0035】
化合物(100) のWaが単結合で無い場合は、例えば不活性溶媒中、塩基存在下反応させることで製造することが出来る。すなわち実験化学講座20巻(丸善、1992年発行)、J. Org. Chem., 56, 1321 (1991)等記載のO-アルキル化反応あるいはそれに準じた方法によって製造することが出来る。
不活性溶媒としては、例えばエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、DMSO、DMF、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は2種類以上を適宜の割合で混合して用いても良い。
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属ヒドリド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等のアルキルアミン、ナトリウムメトキシド、t-ブトキシカリウム等の金属アルコキシド等が挙げられる。
反応温度は約-20℃から溶媒の沸点近くの範囲から選択され、好ましくは室温から約60℃の範囲が挙げられる。
【0036】
製造法(1-2) b部分、c部分の結合形成方法
【0037】
【化8】

(式中R16は水素原子、保護基(例えばメタンスルホニル、p-トルエンスルホニル等)、または-Wa-Wbを表し、L2、L3は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシラート等の脱離基を表す。Pg1は例えばXdがカルボキシの場合はメチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステルなどの保護基を表すが、Xdの表す置換基によっては、例えばカルバモイル、スルホンなどでは不必要となる場合もある。またその他の記号は前記と同じ意味を表す。)
【0038】
b部分、c部分の結合形成方法、および化合物(103)、(104)、(106)、(107)の製造方法については、例えば市販品を用いたり、a部分の結合形成方法、Organic Letters, 4, 973 (2002)、Tetrahedron Letters, 46, 2405 (2005)、Journal of the American Chemical Society, 124, 11684 (2002)、新実験化学講座14巻(丸善、1977年発行)、実験化学講座19〜26巻(丸善、1992年発行)などに記載されている方法あるいはそれに準じた方法を用いたりして製造することができる。
化合物(108)は化合物(105)から通常の脱保護の技術を用いることで製造することが出来る。例えば、酸または塩基存在下、加水分解反応によって得られる。
酸としては、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。
溶媒としては、例えばエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、DMSO、DMF、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は2種類以上を適宜の割合で混合して用いても良い。また無溶媒で反応を行っても良い。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩等が挙げられ、含水溶媒中で行われる。
含水溶媒としては、例えばエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、DMSO、DMF、アセトニトリル等の非プロトン溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒から選ばれる1種類以上の溶媒と適宜の割合の水との混合溶媒が用いられる。
反応温度は、約-10℃から溶媒の沸点付近の範囲から選択され、好ましくは室温から溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。
【0039】
製造法(2) Xd部分の変換
【0040】
【化9】

(式中Xdは前記定義のうち、置換されてもよいカルバモイル、置換されても良い環状アミノカルボニル、テトラゾールを表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
【0041】
化合物(108)は化合物(109)から自体公知の方法、例えば新実験化学講座14巻(丸善、1977年発行)、実験化学講座19〜26巻(丸善、1992年発行)、Organic Letters, 3, 193 (2001)、the Journal of Organic Chemistry, 57, 5285 (1992)等に記載されている方法あるいはそれに準じた方法によっても製造することが出来る。
本反応は-CO2Hから、置換されても良いカルバモイル、置換されても良い環状アミノカルボニル、テトラゾールへの変換反応、または-CO2Hからシアノ基への変換反応、シアノ基からテトラゾールへの変換反応を表す。
【0042】
製造法(3) インドール環の構築方法
インドール環を構築する場合、またインドール環にR2を導入する場合、例えば前記の新編へテロ環化合物基礎編(講談社、2004年発行)や、Journal of the American Chemical Society, 124, 15168 (2002)、J. Org. Chem., 62, 6507 (1997)、J. Org. Chem., 69, 1126 (2004)等に記載されている方法、あるいはそれに準じた方法によって製造することが出来る。
【0043】
【化10】

(式中X0はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシラート、トシラート、トリフラート等を表し、R17はt-ブトキシカルボニル、メタンスルホニル、p-トルエンスルホニル、o-ニトロスルホニル等を表す。その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
【0044】
化合物(113)は例えば化合物(110)に対して化合物(111)をパラジウムによってカップリングさせ、得られた化合物(112)に対し塩化チタン等の還元剤で還元することで製造することが出来る。
または化合物(114)のニトロ基を例えば鉄等で還元、得られたアミンをt-ブトキシカルボニル等で保護することで化合物(115)を得、続いて化合物(116)とパラジウムを用いた薗頭カップリングにより得られる化合物(117)をt-ブトキシカリウム等の塩基で処理することにより、化合物(113)を製造することが出来る。
【0045】
製造法(4) 化合物(101)の構築
化合物(101)を製造する場合、例えば新実験化学講座14巻(丸善、1977年発行)、実験化学講座19〜26巻(丸善、1992年発行)、Synthesis, 14, 2277 (2004)などに記載されている方法あるいはそれに準じた方法を用いたりして製造することができる。
【0046】
【化11】

(式中の記号は、前記と同様の意味を表す。)
化合物(101)は化合物(113)と化合物(118)を例えば塩化アルミニウムや塩化亜鉛等の無機金属、ジエチルアルミニウムクロライドやジメチルアルミニウムクロライド等のアルキルアルミニウムクロライド等で処理することにより、製造することが出来る。
【0047】
本発明化合物は、不斉が生じる場合または不斉炭素を有する置換基を有する場合があり、そのような化合物にあっては光学異性体が存在する。本発明化合物はこれらの各異性体の混合物や単離されたものを含む。そのような光学異性体を純粋に得る方法としては、例えば光学分割が挙げられる。
光学分割法としては、本発明化合物またはその中間体を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリルおよびこれらの混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N-ベンジルオキシアラニン、乳酸等のモノカルボン酸塩類、酒石酸、O-ジイソプロピリデン酒石酸、リンゴ酸等のジカルボン酸類、カンファースルホン酸、ブロモカンファースルホン酸等のスルホン酸類)と塩を形成させることも出来る。
本発明化合物またはその中間体がカルボキシ基等の酸性置換基を有する場合は、光学活性なアミン(例えばα-フェネチルアミン、1,2-ジフェニルエタノールアミン、(1R, 2S)-(-)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール、(1S, 2R)-(+)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニン、ストリキニーネ等の有機アミン類)と塩を形成させることもできる。
塩を形成する温度としては、室温から溶媒の沸点の範囲が挙げられる。光学純度を向上させるためには、一旦溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する前に、必要に応じて冷却し、収率を向上させることが出来る。光学活性な酸またはアミンの使用量は、基質に対し約0.5〜約2.0等量の範囲、好ましくは1等量前後の範囲が適当である。必要に応じ結晶を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリルおよびこれらの混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることも出来る。必要に応じ、得られた塩を通常の方法で酸または塩基で処理し、フリー体を得ることも出来る。
【0048】
本発明化合物は経口的または非経口的に投与することができる。経口的に投与する場合、通常用いられる投与形態で投与することが出来る。非経口的には、局所投与剤、注射剤、経皮剤、経鼻剤等の形で投与することが出来る。経口剤または直腸投与剤としては、例えば、カプセル、錠剤、ピル、散剤、カシェ剤、座剤、液剤等が挙げられる。注射剤としては、例えば、無菌の溶液または懸濁液が挙げられる。局所投与剤としては、例えば、クリーム、軟膏、ローション、経皮剤(通常のパッチ剤、マトリクス剤)等が挙げられる。
上記の剤形は通常の方法で、薬学的に許容される割賦剤、添加剤とともに製剤される。薬学的に許容される賦形剤、添加剤としては、担体、結合剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
薬学的に許容される担体としては、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバター等が挙げられる。カプセルは、本発明化合物を薬学的に許容される担体と共に中に入れることにより製剤できる。本発明化合物は薬学的に許容される賦形剤と共に混合し、または賦形剤なしにカプセルの中に入れることが出来る。カシェ剤も同様の方法で製造できる。
【0049】
注射用剤としては、溶液、懸濁液、乳剤等が挙げられる。例えば、水溶液、水-プロピレングリコール溶液等が挙げられる。液剤は、水を含んでよい、ポリエチレングリコールまたは/およびプロピレングリコールの溶液の形で製造することも出来る。経口投与に適切な液剤は、本発明化合物を水に加え、着色剤、香料、安定化剤、甘味料、溶解剤、増粘剤等を必要に応じて加え製造することが出来る。また経口投与に適切な液剤は、本発明化合物を分散剤とともに水に加え、粘重にすることによっても製造できる。増粘剤としては、例えば、薬学的に許容される天然または合成ガム、レジン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたは公知の懸濁化剤等が挙げられる。
局所投与剤としては、上記の液剤およびクリーム、エアロゾル、スプレー、粉剤、ローション、軟膏等が挙げられる。上記の局所投与剤は、本発明化合物と通常に使用される薬学的に許容される希釈剤および担体と混合し製造できる。軟膏およびクリームは、例えば、水性または油性の基剤に増粘剤および/またはゲル化剤を加えて製剤化して得られる。該基剤としては、例えば、水、液体パラフィン、植物油(ピーナッツ油、ひまし油等)等が挙げられる。増粘剤としては、例えばソフトパラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリンアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラノリン、水素添加ラノリン、蜜蝋等が挙げられる。
【0050】
ローションは、水性または油性の基剤に、一種類またはそれ以上の薬学的に許容される安定剤、懸濁化剤、乳化剤、拡散剤、増粘剤、着色剤、香料等を加えることが出来る。
散剤は、薬学的に許容される散剤の基剤と共に製剤化される。基剤としては、タルク、ラクトース、澱粉等が上げられる。ドロップは水性または非水性の基剤と一種またはそれ以上の薬学的に許容される拡散剤、懸濁化剤、溶解剤等と共に製剤化できる。
局所投与剤は、必要に応じて、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、ベンズアルコニウムクロリド等の防腐剤、細菌増殖防止剤を含んでもよい。
【0051】
本発明化合物は、糖尿病の患者、特に2型糖尿病またはインスリン非依存型糖尿病患者に対して投与できる。また、本発明化合物は、糖尿病の患者の血糖値をコントロールすることが出来る。その際の投与量、投与回数は症状、年齢、体重、投与形態等によって異なるが、経口投与する場合には、通常は成人に対し、1日あたり約1〜約500 mgの範囲、好ましくは約5〜約100 mgの範囲を1回または数回に分けて投与することが出来る。
本発明化合物は、その効果の増強を目的として、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤等の薬剤(以下併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることが出来る。本発明化合物および併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与しても良いし、時間差をおいて投与しても良い。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としても良い。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することが出来る。また、本発明化合物と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することが出来る。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
【0052】
なお、糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例えばウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤、大腸菌やイーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤等)、インスリン抵抗性改善薬(例えばピオグリタゾンまたはその塩酸塩、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩、リボグリタゾン(CS-011)、バラグリタゾン(DSR-2593)、MBX-2044、INT-131、ロベグリタゾン(CKD-501)、シグリタザール(CS-038)、アレグリタザール(R-1439)、CLX-0921、TAK-379、GSK-376501、ネトグリタゾン(MCC-555)、AVE-0897、AVE-5376、DRL-11605、DSP-8658等)、α-グリコシダーゼ阻害剤(例えばボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例えばメトホルミン等)、インスリン分泌促進剤(例えばトルプタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等のスルホニルウレア剤、レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド等)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例えばシタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン(BMS-477118)、アログリプチン(SYR-322)、P93/01、BI-1356-BS、GRC-8200、T-6666、ALS-2-0426等)、GLP-1、GLP-1アナログ(例えばエキセナチド、リラグルチド、タスポグルチド(BIM-51077)、AVE-0010等)、アミリンアゴニスト(例えばプラムリンチド等)、糖新生阻害剤(例えばグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、フルクトース−1、6−ビスホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤等)、GPR40アゴニスト、β3アゴニスト(例えばソラベグロン(GW-427353B)等)、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤(例えばバナジン酸ナトリウム等)、SGLUT阻害剤、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体作動薬等が挙げられる。
【0053】
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例えばトルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポレスタット、ミナレスタット、フィダレスタット(SK-860)、ラニレスタット(AS-3201)等)、神経栄養因子(例えばNGF、NT−3、BDNF等)、AGE阻害剤(例えばアラゲブリウム(ALT-766)等)、活性酸素消去薬(例えばチオクト酸等)、脳血管拡張剤(例えばチアプリド、メキシレチン等)が挙げられる。
抗高脂血症剤としては、HMG-CoA還元酵素阻害剤(例えばプラバスタチン、シンパスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチンまたはそれらのナトリウム塩等)、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブラート系剤(例えばフェノフィブラート等)、ACAT阻害剤、コレステロール吸収阻害剤(例えばエゼチミブ等)等が挙げられる。
【0054】
降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えばカプトリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、リジノプリル、ベナゼプリル、イミダプリル、シラザプリル、テモカプリル、トランドラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例えばオルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタン、シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン等)、カルシウム拮抗剤(塩酸ニカルジピン、塩酸マニジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、アムリジピン、エホニジピン等)等、ACE/NEP阻害剤(例えばオマパトリラート、ファシドトリル等)、β遮断薬(例えばアテノロール、ビソプロロール、ベタキソロール、メトプロロール等)、α遮断薬(例えばウラピジル、テラゾシン、ドキサゾシン、ブナゾシン等)、αβ遮断薬(例えばアモスラロール、アロチノロール、ラベタロール、カルベジロール等)、レニン阻害剤(例えばアリスキレン等)、アルドステロン受容体拮抗薬(例えばスピロノラクトン、エプレレノン等)等が挙げられる。
【0055】
抗肥満剤としては、中枢性抗肥満薬(例えばフェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、マジンドール等)、膵リパーゼ阻害剤(例えばオルリスタット等)、ペプチド性食欲抑制薬(例えばレプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト等が挙げられる。
【0056】
利尿剤としては、キサンチン誘導体(例えばサリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例えばエチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ペンチルヒドロクロロアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製薬(例えばスピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水素酵素阻害剤(例えばアセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例えばクロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
【0057】
併用薬剤は好ましくはGLP-1、GLP-1アナログ、α-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善薬等である。上記併用薬剤は2種以上を適宜の割合で組み合わせて用いても良い。
【0058】
本発明化合物が、併用薬剤と組み合わせて使用される場合には、これらの薬剤の使用量は、薬剤の副作用を考えて安全な範囲内で低減できる。特に、ビグアナイド剤は通常の投与量よりも低減できる。したがって、これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は安全に防止できる。それに加えて、糖尿病合併症剤、抗高脂血症剤、降圧剤などの投与量は低減でき、その結果これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は効果的に防止できる。
【0059】
本発明によって得られる一般式(1)を有する化合物の具体例としては、例えば以下に示した表中の化合物を挙げることが出来る。
【0060】
【化12】

【0061】
【化13】

【0062】
【化14】

【0063】
【化15】

【0064】
【化16】

【0065】
【化17】

【0066】
【化18】

【0067】
【化19】

【0068】
【化20】

【0069】
【化21】

【0070】
【化22】

【0071】
【化23】

【0072】
【化24】

【0073】
以下参考例、実施例および試験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の参考例および実施例において示された化合物の命名はACD Labs 7.0 Nameで行った。
【0074】
LC-MS分析条件
MS検出器:Waters micromass ZQ
HPLC:waters2790 separations module
カラム:Cadenza CD-C18 2.0 mm×20 mm(imtakt社)
イオン化法:ESI
A液:蒸留水
B液:アセトニトリル
C液:2%ギ酸/アセトニトリル
分析条件;
0.0-0.1 min:A 95%, B 2%, C 3%
0.1-3.1 min:A 95%, B 2%, C 3%→A 1%, B96%, C 3%
3.1-3.5 min:A 1%, B 96%, C 3%
R.T.=Retention Time
【0075】
また、本明細書において、記載の簡略化のために以下の略号を使用することもある。
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
【実施例1】
【0076】
参考例1
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}プロピオン酸エチル
参考例1-1
2-(4-ヨード-3-ニトロフェノキシ)-2-メチルプロピオン酸エチル
【0077】
【化25】

4-ヨード-3-ニトロフェノール(1.50 g, 5.66 mmol)のアセトニトリル(10 ml)溶液に2-ブロモイソ酪酸エチル(1.66 g, 8.49 mmol)、炭酸セシウム(3.69 g, 11.32 mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(210 mg, 0.57 mmol)を加え、窒素気流下、85℃で30分撹拌した。反応溶液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物を得た(1.57 g, 73%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.84-7.87(d, 1H), 7.37-7.38(d, 1H), 6.77-6.80(dd, 1H), 4.23-4.28(q, 2H), 1.64(s, 6H), 1.25-1.29(t, 3H).
【0078】
参考例1-2
2-メチル-2-[3-ニトロ-4-(2-オキソプロピル)フェノキシ]プロピオン酸エチル
【0079】
【化26】

トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム[0](147 mg, 0.16 mmol)、フェノール(624mg, 6.64 mmol)、リン酸カリウム(839 mg, 3.95 mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル(248 mg, 0.63 mmol)をフラスコに入れ、窒素気流下参考例1-1の化合物(600 mg, 1.58 mmol)のトルエン(5.0 ml)溶液、アセトン(0.7 ml, 9.49 mmol)を加え、50℃で4時間撹拌した。反応液をシリカゲルを用いて濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物を得た(439 mg, 90%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.60-7.61(d, 1H), 7.12-7.14(d, 1H), 7.05-7.08(dd, 1H), 4.23-4.29(q, 2H), 4.04(s, 2H), 2.31(s, 3H), 1.65(s, 6H), 1.26-1.29(t, 3H).
【0080】
参考例1-3
2-メチル-2-[(2-メチル-1H-インドール-6-イル)オキシ]プロピオン酸エチル
【0081】
【化27】

塩化チタン(20%水溶液、18.5 g, 24.20 mmol)にエタノール(5 ml)を加え、続いて氷浴下6.6 M酢酸アンモニウム(14.7 ml, 96.96 mmol)を加えた。そのまま5分撹拌後、参考例1-2の化合物(624 mg, 2.02 mmol)のエタノール(3 ml)、酢酸エチル(0.5 ml)溶液を加え、室温で40分撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物を得た(372 mg, 71%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.82(s, 1H), 7.33-7.35(d, 1H), 6.86(s, 1H), 6.70-6.73(dd, 1H), 6.14-6.15(d, 1H), 4.24-4.30(q, 2H), 2.41(s, 3H), 1.58(s, 6H), 1.28-1.31(t, 3H).
【0082】
参考例1-4
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イルl]オキシ}プロピオン酸エチル
【0083】
【化28】

参考例1-3の化合物(1.60 g, 6.12 mmol)のクロロホルム(20 ml)溶液に、氷浴下塩化時エチルアルミニウム(1M in hexane, 8.66 ml, 9.18 mmol)を加え、20分撹拌した。そこに塩化パラアニソイル(1.57 g, 9.18 mmol)のクロロホルム(2.0 ml)溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル、水を加え、1N水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた固体をヘキサン、酢酸エチルで洗浄し、表題化合物を得た(1.85 g, 76%)。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ11.70(s, 1H), 7.60-7.64(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.22-7.24(d, 1H, J=8.6 Hz), 7.00-7.05(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.79-6.80(d, 1H, J=2.2 Hz), 6.59-6.62(dd, 1H, J=8.6, 2.2 Hz), 4.15-4.21(q, 2H, J=7.1 Hz), 3.84(s, 3H), 2.35(s, 3H), 1.50(s, 6H), 1.18-1,22(t, 3H, J=7.1 Hz).
LC-MS: R.T. 2.37 min., m/z 396 (M+1).
【0084】
参考例2
2-メチル-2-{[2-メチル-3-(4-メチルベンゾイル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}プロピオン酸エチル
【0085】
【化29】

参考例1と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ11.75(s, 1H), 7.50-7.53(d, 2H, J=7.9 Hz), 7.28-7.30(d, 2H, J=7.9 Hz), 7.22-7.24(d, 1H, J=8.6 Hz), 6.78-6.80(d, 1H, J=2.2 Hz), 6.59-6.62(dd, 1H, J=8.6, 2.2 Hz), 4.15-4.20(q, 2H, J=7.1 Hz), 2.39(s, 3H), 2.32(s, 3H), 1.49(s, 6H), 1.18-1.22(t, 3H, J=7.1 Hz).
【0086】
参考例3
2-{[3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキサン-6-イルカルボニル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸エチル
【0087】
【化30】

参考例1と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ11.71(s, 1H), 7.24-7.27(d, 1H, J=8.7 Hz), 7.11-7.15(m, 2H), 6.92-6.95(d, 1H, J=8.2 Hz), 6.78-6.79(dd, 1H, J=2.2 Hz), 6.59-6.63(dd, 1H, J=8.7, 2.2 Hz), 4.26-4.30(m, 4H), 4.15-4.21(q, 2H, J=7.1 Hz), 2.35(s, 3H), 1.50(s, 6H), 1.18-1.22(t, 3H, J=7.1 Hz).
LC-MS: R.T. 2.26 min., m/z 424 (M+1).
【0088】
参考例4
2-{[3-(2-フルオロ-4-メトキシベンゾイル)-2メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸エチル
【0089】
【化31】

参考例1と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ11.85(s, 1H), 7.36-7.41(t, 1H, J=8.4 Hz), 7.29-7.33(d, 1H, J=8.6 Hz), 6.87-6.96(m, 2H), 6.78-6.80(d, 1H, J=2.2 Hz), 6.62-6.65(dd, 1H, J=8.6, 2.2 Hz), 4.14-4.20(q, 2H, J=7.1 Hz), 3.84(s, 3H), 2.30(s, 3H), 1.49(s, 6H), 1.17-1.22(t, 3H, J=7.1 Hz).
【0090】
参考例5
{[3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}酢酸エチル
【0091】
【化32】

参考例1と同様の方法で表題化合物を得た。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ11.69(s, 1H), 7.21-7.24(d, 1H, J=8.7 Hz), 7.01-7.04(d, J=8.8 Hz), 6.83-6.84(d, 1H, J=2.3 Hz), 6.68-6.71(dd, 1H, J=8.7, 2.3 Hz), 4.76(s, 2H), 4.14-4.20(q, 2H, J=7.1 Hz), 3.84(s, 3H), 2.36(s, 3H), 1.19-1.23(t, 3H, J=7.1 Hz).
【0092】
参考例6
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸エチル
参考例6-1
2-メチル-2-(4-メチル-3-ニトロフェノキシ)プロピオン酸エチル
【0093】
【化33】

4-メチル-3-ニトロフェノール(4.0 g, 26.12 mmol)のアセトニトリル(50 ml)溶液に2-ブロモイソ酪酸エチル(7.64 g, 39.18 mmol)、炭酸セシウム(17.02 g, 52.24 mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(964 mg, 2.61 mmol)を加え、窒素気流下、85℃で4時間撹拌した。反応溶液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物を得た(5.64 g, 81%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.50(s, 1H), 7.20-7.22(d, 1H), 7.01-7.04(dd, 1H), 4.24-4.29(q, 2H), 2.53(s, 3H), 1.63(s, 3H), 1.27-1.30(t, 3H).
【0094】
参考例6-2
2-(1H-インドール-6-イルオキシ)-2-メチルプロピオン酸エチル
【0095】
【化34】

参考例6-2の化合物(5.64 g, 21.10 mmol)のDMF(15 ml)溶液にジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.77 g, 23.21 mmol)を加え、140℃で8時間40分撹拌した。反応液に水、酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。続いて還元鉄(3.52 g, 63.0 mmol)、塩化アンモニウム(1.08 g, 20.0 mmol)、エタノール(200 ml)、水(100 ml)を加え、100℃で1時間30分撹拌した。反応液に酢酸エチル、水を加え、有機層を水、飽和食塩水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物を得た(411 mg, 8%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ8.34(s, 1H), 7.49-7.51(d, 1H), 7.10-7.11(m, 1H), 6.95(m, 1H), 6.78-6.81(dd, 1H), 6.47-6.49(m, 1H), 4.26-4.31(q, 2H), 1.61(s, 6H), 1.27-1.31(t, 3H).
LC-MS: R.T. 2.17 min., m/z 248 (M+1).
【0096】
参考例6-3
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸エチル
【0097】
【化35】

参考例1と同様にして表題化合物を得た。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ11.83(s, 1H), 8.05-8.07(d, 1H, J=8.6 Hz), 7.85-7.87(d, 1H, J=3.0 Hz), 7.76-7.81(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.03-7.08(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.91-6.92(d, 1H, J=2.2 Hz), 6.78-6.81(dd, 1H, J=8.6, 2.2 Hz), 4.16-4.23(q, 2H, J=7.1 Hz), 3.85(s, 3H), 1.53(s, 6H), 1.18-1.22(t, 3H, J=7.1 Hz).
【0098】
実施例1
2-{[1-(4-クロロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0099】
【化36】

参考例1-4の化合物(40 mg, 0.10 mmol)に、4-クロロベンジルブロミド(31 mg, 0.15 mmol)、炭酸セシウム(98 mg, 0.30 mmol)、アセトン(2 ml)を加え、65℃で2時間40分撹拌した。反応液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した (45 mg)。得られた化合物に2N水酸化ナトリウム水溶液(2.0 ml)、THF(1.0 ml)、メタノール(1.0 ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に5%KHSO4水溶液を加え酸性にし、酢酸エチルで抽出、有機層を水、飽和食塩水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮することで表題化合物を得た(37 mg, 87%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.79-7.82(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.35-7.38(d, 1H, J=8.6 Hz), 7.27-.31(d, 2H, J=8.5 Hz), 6.94-6.97(m, 4H), 6.81-6.82(d, 1H, J=2.0 Hz), 6.76-6.79(dd, 1H, J=8.6, 2.1 Hz), 5.28(s, 2H), 3.90(s, 3H), 2.49(s, 3H), 1.52(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.48 min., m/z 492 (M+1).
【0100】
実施例2
2-{[1-(4-フルオロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0101】
【化37】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.41 min., m/z 476 (M+1).
【0102】
実施例3
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0103】
【化38】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.38 min., m/z 488 (M+1).
【0104】
実施例4
2-{[1-(3,5-ジメトキシベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0105】
【化39】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.41 min., m/z 518 (M+1).
【0106】
実施例5
{[1-(4-クロロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}酢酸
【0107】
【化40】

参考例5の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ7.63-7.66(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.38-7.40(d, 2H, J=8.5 Hz), 7.16-7.19(d, 1H, J=8.7 Hz), 7.12-7.13(d, 1H, J=2.2 Hz), 7.07-7.10(d, 2H, J=8.5 Hz), 7.02-7.04(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.69-6.73(dd, 1H, J=8.7, 2.2 Hz), 5.48(s, 2H), 4.58(s, 2H), 3.84(s, 3H), 2.36(s, 3H).
LC-MS: R.T. 2.31 min., m/z 464 (M+1).
【0108】
実施例6
{[1-(4-フルオロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}酢酸
【0109】
【化41】

参考例5の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ7.63-7.64(d, 2H), 7.10-7.18(m, 5H), 7.02-7.05(d, 2H), 6.70-6.72(dd, 1H), 5.46(s, 2H), 4.59(s, 2H), 3.84(s, 3H), 2.37(s, 3H).
LC-MS: R.T. 2.25 min., m/z 448 (M+1).
【0110】
実施例7
{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}酢酸
【0111】
【化42】

参考例5の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ7.62-7.63(d, 2H), 7.11-7.16(m, 2H), 7.01-7.05(m, 4H), 6.87-6.90(d, 2H), 6.68-6.70(dd, 1H), 5.38(s, 2H), 4.54(s, 2H), 3.84(s, 3H), 3.70(s, 3H), 2.39(s, 3H).
【0112】
実施例8
2-{[1-(2-クロロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0113】
【化43】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (d-DMSO, 400 MHz) δ7.67-7.70(d, 2H, J=6.8 Hz), 7.54-7.56(dd, 1H, J=8.0,1.1 Hz), 7.30-7.34(dt, 1H, J=7.6, 1.6 Hz), 7.20-7.25(m, 2H), 7.03-7.06(d, 2H, J=6.8 Hz), 6.85-6.86(d, 1H, J=2.2 Hz), 6.67-6.70(dd, 1H, J=8.7, 2.2 Hz), 6.38-6.40(d, 1H, J=7.6 Hz), 5.48(s, 2H), 3.85(s, 3H), 2.33(s, 3H), 1.39(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.54 min., m/z 492 (M+1).
【0114】
実施例9
2-{[1-(3-クロロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0115】
【化44】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.77-7.81(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.19-7.32(m, 3H), 7.03(s, 1H), 6.92-6.96(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.83-6.87(d, 1H, J=7.0 Hz), 6.76(s, 1H), 6.65-6.68(d, 1H, J=8.4 Hz), 5.23(s, 2H), 3.88(s, 3H), 2.47(s, 3H), 1.45(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.52 min., m/z 492 (M+1).
【0116】
実施例10
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1-(2-メトキシベンジル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0117】
【化45】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.78-7.82(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.31-7.34(d, 1H, J=8.6 Hz), 7.21-7.25(t, 1H, J=6.7 Hz), 6.90-6.96(m, 3H), 6.74-6.80(m, 2H), 6.67-6.70(d, 1H, J=8.6 Hz), 6.41-6.43(dd, 1H, J=7.5, 1.2 Hz), 5.27(s, 2H), 3.92(s, 3H), 3.89(s, 3H), 2.48(s, 3H), 1.44(s, 6H)
LC-MS: R.T. 2.49 min., m/z 488 (M+1).
【0118】
実施例11
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1-(3-メトキシベンジル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0119】
【化46】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.76-7.80(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.28-7.31(d, 1H, J=8.6 Hz), 7.18-7.22(t, 1H, J=8.1 Hz), 6.92-6.96(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.77-6.82(m, 2H), 6.68-6.71(d, 1H, J=8.6 Hz), 6.57-6.59(m, 2H), 5.22(s, 2H), 3.88(s, 3H), 3.74(s, 3H), 2.49(s, 3H), 1.47(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.44 min., m/z 488 (M+1).
【0120】
実施例12
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0121】
【化47】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.17 min., m/z 426 (M+1).
【0122】
実施例13
2-{[1-(シクロヘキシルメチル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0123】
【化48】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.50 min., m/z 464 (M+1).
【0124】
実施例14
2-{[1-アダマンチルメチル-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0125】
【化49】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.63 min., m/z 516 (M+1).
【0126】
実施例15
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1-(3-メチルブチル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0127】
【化50】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.41 min., m/z 437 (M+1).
【0128】
実施例16
2-{[1-(2-シクロヘキシルエチル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0129】
【化51】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.58 min., m/z 477 (M+1).
【0130】
実施例17
2-{[1-(2-フルオロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0131】
【化52】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.75-7.79(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.21-7.25(m, 2H), 7.05-7.10(t, 1H, J=8.7 Hz), 6.90-6.98(m, 3H), 6.76-6.77(d, 1H, J=1.5 Hz), 6.58-6.66(m, 2H), 5.26(s, 2H), 3.87(s, 3H), 2.47(s, 3H), 1.38(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.36 min., m/z 476 (M+1).
【0132】
実施例18
2-{[1-(2,6-ジフルオロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0133】
【化53】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.72-7.76(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.22-729(m, 2H), 6.85-6.93(m, 5H), 6.63-6.66(dd, 1H, J=8.6, 1.8 Hz), 5.23(s, 2H), 3.87(s, 3H), 2.54(s, 3H), 1.44(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.32 min., m/z 494 (M+1).
【0134】
実施例19
2-{[1-(2,4-ジフルオロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0135】
【化54】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.74-7.78(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.24-7.27(m, 2H), 6.90-6.94(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.81-6.87(m 1H), 6.56-6.75(m, 4H), 5.20(s, 2H), 3.87(s, 3H), 2.45(s, 3H), 1.38(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.36 min., m/z 494 (M+1).
【0136】
実施例20
2-{[1-(2-クロロ-5-フルオロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0137】
【化55】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.80-7.84(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.40-7.44(dd, 1H, J=8.8,5.0 Hz), 7.35-7.38(d, 1H, J=8.6 Hz), 6.93-6.99(m, 3H), 6.75-6.79(m, 2H), 6.10-6.13(dd, 1H, J=8.9, 2.9 Hz), 5.33(s, 2H), 3.90(s, 3H), 2.48(s, 3H), 1.51(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.42 min., m/z 509 (M+1).
【0138】
実施例21
2-{[1-(2-シアノベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0139】
【化56】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.78-7.72(d, 2H), 7.69-7.70(d, 1H), 7.32-7.42(m, 3H), 6.92-6.96(d, 2H), 6.72-6.75(m, 2H), 6.64-6.60(d, 1H), 5.46(s, 2H), 3.88(s, 3H), 2.45(s, 3H), 1.43(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.27 min., m/z 483 (M+1).
【0140】
実施例22
2-{[1-(4-シアノベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0141】
【化57】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.28 min., m/z 483 (M+1).
【0142】
実施例23
2-({3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1-[2-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]-1H-インドール-6-イル}オキシ)-2-メチルプロピオン酸
【0143】
【化58】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.47 min., m/z 542 (M+1).
【0144】
実施例24
2-({3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1-[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]-1H-インドール-6-イル}オキシ)-2-メチルプロピオン酸
【0145】
【化59】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.49 min., m/z 542 (M+1).
【0146】
実施例25
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1-(ピリジン-2-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0147】
【化60】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 2.14 min., m/z 459 (M+1).
【0148】
実施例26
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0149】
【化61】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 1.97 min., m/z 459 (M+1).
【0150】
実施例27
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0151】
【化62】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
LC-MS: R.T. 1.90 min., m/z 459 (M+1).
【0152】
実施例28
2-{[1-(4-フルオロフェニル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0153】
【化63】

参考例1-4の化合物(80 mg, 0.20 mmol)、4-フルオロヨードベンゼン(54mg, 0.24 mmol)、N,N'-ジメチルシクロヘキサンジアミン(28 mg, 0.20 mmol)、ヨウ化銅(I)(19 mg, 0.10 mmol)、リン酸カリウム(85 mg, 0.40 mmol)にDMSO(3 ml)を加え、窒素雰囲気下100℃で10時間撹拌した。反応液に水、酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した(45 mg)。得られた化合物に2N水酸化ナトリウム水溶液(2.0 ml)、THF(1.0 ml)、メタノール(1.0 ml)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液に5%KHSO4水溶液を加え酸性にし、酢酸エチルで抽出、有機層を水、飽和食塩水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮することで表題化合物を得た(43 mg, 95%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.80-7.84(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.20-7.31(m, 5H), 6.92-6.96(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.64-6.67(dd, 1H, J=8.6, 1.8 Hz), 6.57-6.58(d, 1H, J=2.0 Hz), 3.88(s, 3H), 2.31(s, 3H), 1.43(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.37 min., m/z 461 (M+1).
【0154】
実施例29
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0155】
【化64】

参考例1-4の化合物を用いて実施例28と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.80-7.84(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.29-7.32(d, 1H, J=8.6 Hz), 7.18-7.21(d, 2H, J=6.9 Hz), 7.01-7.05(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.93-6.96(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.67-6.70(dd, 1H, J=8.6, 2.0 Hz), 6.59-6.60(d, 1H, J=2.1 Hz), 3.88(s, 6H), 2.31(s, 3H), 1.48(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.35 min., m/z 474 (M+1).
【0156】
実施例30
2-{[3-(4-メトキシベンゾイル)-1-(3-メトキシフェニル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0157】
【化65】

参考例1-4の化合物を用いて実施例28と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.81-7.85(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.41-7.46(t, 1H, J=8.1 Hz), 7.29-7.31(d, 1H, J=8.6 Hz), 7.01-7.04(dd, 1H, J=8.4, 2.0 Hz), 6.93-6.97(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.87-6.90(d, 1H, J=7.8 Hz), 6.83-6.85(t, 1H, J=2.1 Hz), 6.66-6.68(m, 2H), 3.88(s, 3H), 3.83(s, 3H), 2.35(s, 3H), 1.44(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.37 min., m/z 474 (M+1).
【0158】
実施例31
2-{[1-ベンジル-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0159】
【化66】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.76-7.80(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.23-7.29(m, 4H), 6.98-7.00(d, 2H, J=6.4 Hz), 6.91-6.94(d, 2H, J=8.8 Hz), 6.75(s, 1H), 6.57-6.63(br, 1H), 5.24(s, 2H), 3.87(s, 3H), 2.48(s, 3H), 1.37(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.35 min., m/z 458 (M+1).
【0160】
実施例32
2-{[1-(3,5-ジフルオロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0161】
【化67】

参考例1-4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.76-7.80(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.25-7.26(d, 1H, J=8.5 Hz), 6.66-6.72(m, 2H), 6.59-6.62(d, 1H, 8.5 Hz), 6.49-6.53(d, 2H, J=6.8 Hz), 5.19(s, 2H), 3.87(s, 3H), 2.43(s, 3H), 1.42(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.38 min., m/z 494 (M+1).
【0162】
実施例33
2-{[1-(4-クロロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0163】
【化68】

参考例6-3の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ8.24-8.27(d, 1H, J=8.7 Hz), 7.83-7.86(d, 2H, J=6.7 Hz), 7.59(s, 1H), 7.27-7.30(d, 2H, J=6.7 Hz), 7.03-7.06(d, 2H, J=8.4 Hz), 6.95-7.00(m, 3H), 6.82-6.83(d, 1H, J=2.0 Hz), 5.21(s, 2H), 3.90(s, 3H), 1.55(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.38 min., m/z 478 (M+1).
【0164】
実施例34
2-{[1-(3-クロロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0165】
【化69】

参考例6-3の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ8.26-8.29(d, 1H, J=8.7 Hz), 7.84-7.87(d, 2H, J=6.8 Hz), 7.61(s, 1H), 7.24-7.28(m 2H), 7.14(s, 1H), 6.97-7.01(m, 4H), 6.84-6.85(d, 1H, J=2.0 Hz), 5.23(s, 2H), 3.90(s, 3H), 1.54(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.37 min., m/z 478 (M+1).
【0166】
実施例35
2-{[1-(2-クロロベンジル)-3-(4-メトキシベンゾイル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0167】
【化70】

参考例6-3の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ8.28-8.31(d, 1H. J=8.7 Hz), 7.84-7.87(d, 2H, J=6.8 Hz), 7.64(s, 1H), 7.42-7.45(dd, 1H, J=8.0, 1.2 Hz), 7.23-7.28(dt, 1H, J=7.9, 1.5 Hz), 7.14-7.18(dt, 1H, J=7.6, 1.2 Hz), 6.96-7.01(m, 3H), 6.90-6.91(d, 1H, J=2.0 Hz), 6.78-6.81(d, 1H, J=7.6 Hz), 5.38(s, 2H), 3.89(s, 3H), 1.55(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.37 min., m/z 478 (M+1).
【0168】
実施例36
2-{[1-(4-クロロベンジル)-2-メチル-3-(4-メチルベンゾイル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0169】
【化71】

参考例2の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.68-7.70(d, 2H, J=8.1 Hz), 7.34-7.36(d, 1H, J=8.6 Hz), 7.26-7.30(m, 4H), 6.94-6.97(d, 2H, J=8.4 Hz),, 6.81-6.82(d, 1H, J=2.0 Hz), 6.75-6.78(dd, 1H, J=8.6, 2.1 Hz), 5.28(s, 2H), 2.49(s, 3H), 2.46(s, 3H), 1.52(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.50 min., m/z 477 (M+2).
【0170】
実施例37
2-{[1-(2-クロロベンジル)-2-メチル-3-(4-メチルベンゾイル)-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0171】
【化72】

参考例2の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.70-7.73(d, 2H, J=8.1 Hz), 7.45-7.48(dd, 1H, J=8.0,1.1 Hz), 7.38-7.40(d, 1H, J=9.2 Hz), 7.22-7.30(m, 3H), 7.08-7.13(dt, 1H, J=7.7, 1.1 Hz), 6.77-6.81(m, 2H), 6.38-6.41(d, 1H, J=7.7 Hz), 5.40(s, 2H), 2.47(s, 3H), 2.46(s, 3H), 1.51(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.48 min., m/z 476 (M+1).
【0172】
実施例38
2-{[1-(4-クロロベンジル)-3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキサン-6-イルカルボニル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0173】
【化73】

参考例3の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.41-7.44(d, 1H, J=9.4 Hz), 7.38-7.39(d, 1H, J=2.0 Hz), 7.32-7.35(dd, 1H, J=8.4, 2.0 Hz), 7.27-7.31(m, 2H), 6.90-6.96(m, 3H), 6.77-6.81(m, 2H), 5.28(s, 2H), 4.30-4.37(m, 4H), 2.49(s, 3H), 1.52(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.39 min., m/z 521 (M+2).
【0174】
実施例39
2-{[1-(2-クロロベンジル)-3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキサン-6-イルカルボニル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0175】
【化74】

参考例3の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.45-7.48(d, 2H, J=8.8 Hz), 7.40-7.72(d, 1H, J=2.0 Hz), 7.34-7.38(dd, 1H, J=8.4, 2.0 Hz), 7.22-7.27(t, 1H, J=7.5 Hz), 7.08-7.13(t, 1H, J=7.5 Hz), 6.92-6.95(d, 1H, J=8.4 Hz), 6.79-6.82(dd, 1H, J=8.6, 2.0 Hz), 6.77-6.79(d, 1H, J=2.0 Hz), 6.37-6.40(d, 1H, 6.6 Hz), 5.39(s, 2H), 4.30-4.37(m, 4H), 2.47(s, 3H), 1.51(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.38 min., m/z 520 (M+1).
【0176】
実施例40
2-{[1-(4-クロロベンジル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0177】
【化75】

参考例4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.53-7.57(t, 1H, J=8.4 Hz), 7.41-7.44(d, 1H, J=9.2 Hz), 7.27-7.30(m, 2H), 6.91-6.94(d, 2H, J=8.4 Hz), 6.78-6.81(m, 3H), 6.64-6.68(dd, 1H, J=11.8, 2.3 Hz), 5.26(s, 2H), 3.89(s, 3H), 2.50(s, 3H), 1.51(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.43 min., m/z 511 (M+2).
【0178】
実施例41
2-{[1-(2-クロロベンジル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシベンゾイル)-2-メチル-1H-インドール-6-イル]オキシ}-2-メチルプロピオン酸
【0179】
【化76】

参考例4の化合物を用いて実施例1と同様に表題化合物を合成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ7.55-7.60(t, 1H, J=8.4 Hz), 7.44-4.78(d, 2H, J=8.4 Hz), 7.21-7.27(dt, 1H, J=7.6, 1.6 Hz), 7.07-7.12(dt, 1H, J=7.6, 1.1 Hz), 6.76-6.80(d, 1H, J=2.0 Hz), 6.80-6.84(dt, 2H, J=8.6, 2.4 Hz), 6.65-6.70(dd, 1H, J=11.84, 2.4 Hz), 6.34-6.38(d, 1H, J=7.6 Hz), 5.38(s, 2H), 3.89(s, 3H), 2.49(s, 3H), 1.50(s, 6H).
LC-MS: R.T. 2.42 min., m/z 510 (M+1).
【0180】
試験例1
PPARαまたはγアゴニスト活性の評価
【0181】
レポータープラスミドの作成
ヒトPPARαのリガンド結合領域(アミノ酸残基167-468を含む)をコードする遺伝子断片、またはヒトPPARγのリガンド結合領域(アミノ酸残基204-505を含む)をコードする遺伝子断片を、酵母GAL4蛋白のDNA結合領域を含む発現ベクターpM(クローンテック)のマルチクローニングサイトに挿入し、GAL4蛋白DNA結合領域とヒトPPARαまたはγリガンド結合領域の融合蛋白を発現するベクタープラスミドを得た。
レポータープラスミドとして、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むpGL3-basicベクター(プロメガ)にGAL4蛋白応答配列UASとウサギβグロビンプロモーターを挿入したものを用いた。形質転換効率の補正用に、lacZ遺伝子を含むプラスミドpβgal control(クローンテック)を用いた。
【0182】
ルシフェラーゼアッセイ
COS-1細胞は、5%活性炭・デキストラン処理ウシ胎児血清(ギブコ)を含むフェノールレッド不含ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(ギブコ)を用い、5%二酸化炭素存在下、37℃で培養した。COS-1細胞を24ウェルプレートに5×104個/ウェルの密度で播種し、一晩培養した。培地を5%活性炭・デキストラン処理ウシ胎児血清不含培地に交換し、1ウェル当たり、GAL4-PPARαまたはγ発現プラスミド5 ng、レポータープラスミド50 ng、pβgal control 350 ngのDNAをリポフェクトアミンプラス試薬(ギブコ)を用いてトランスフェクションした。4時間培養後、培地を5%活性炭・デキストラン処理ウシ胎児血清含有培地に交換し、本発明化合物を最終濃度0.1μM、0.3μM、1μM、3μMまたは10μMとなるように添加した。24時間培養後、ルシフェラーゼアッセイシステム(プロメガ)添付の細胞溶解液を用いて細胞を溶解し、同添付のルシフェラーゼ測定試薬を用いて、ルミノメーターにてルシフェラーゼ活性を測定した。
PPARαまたはγアゴニスト性は、溶媒(DMSO)を添加したウェルのルシフェラーゼ活性を1とした相対活性で示した。各10μMでのPPARαアゴニスト活性、各10μM でのPPARγアゴニスト活性、ピオグリタゾンのPPARγアゴニスト最大活性値を100%とした場合の本発明化合物の最大活性値の割合(%)について、それぞれ以下の表1に示した。
【0183】
【表1】

N.T.=not tested
【0184】
試験例2
実施例に記載の被験物質を0.5%カルボメチルセルロース溶液に溶解し、7から8週齢の雄性db/dbマウスに最終投与量として、30 mg/kgとなるよう1日1回2週間強制経口投与した。最終日に、尾静脈より採取した血液に直ちに過塩素酸を添加して除蛋白処理を施した後、グルコースCIIテストワコー(和光純薬工業)を用いて血糖値を測定した。これを以下の表2に示した。
血糖降下作用は、以下の計算式により導いた。
血糖降下作用(%)=[{Vehicleの血糖値(最終日)-被験物質投与群の血糖値(最終日)}/Vehicleの血糖値(最終日)]×100
【0185】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明化合物は、糖尿病治療薬、または予防薬、あるいは血糖調節剤もしくは高脂血症等の治療剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

(式中、環Aは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、または非芳香族複素環を表し、
1は、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、チオール、または、式:W1−R1bを表し、
1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、SO2、CO、CONH、または−O−アルキレンを表し、
1bは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表し、
1aは、水素原子、アルキル、アルコキシ、水酸基、ハロゲン原子、またはシアノを表すか;または
1とR1aは、一緒になって、式:−A1−A2−A3−、または−A1−A2−A3−A4−、(A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、CH2、CHCH3、C(CH32、CO、NH、NCH3、O、またはSを表す。)で表される基を表し、
Waは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、シクロアルキル−アルキレン、または-Ya-Yb-(式中、Yaは、酸素原子、硫黄原子、-SO-または-SO2-を表し、Ybは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、または置換されていてもよいアルケニレンを表す。)を表し、
Wbは、置換されていてもよいアルキル、または、式(2):
【化2】

を表し、
環Bは、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または非芳香族複素環を表し、
7およびR7aは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、チオール、または、式:W2−R7bを表し、
2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、SO2、CO、CONH、または−O−アルキレンを表し、
7bは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表すか;または
7とR7aは、一緒になって、式:−A1−A2−A3−、または−A1−A2−A3−A4−、(A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、CH2、CHCH3、C(CH32、CO、NH、NCH3、O、またはSを表す。)で表される基を表し、
R2は、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキレン、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン原子、シアノ、含窒素飽和へテロ環基、または式:−W3−R2aを表し、
3は、酸素原子、CO、CONR2b、CONHSO2、SO2、SO2NR2b、NR2b、またはNHCOを表し、
2aおよびR2bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキル−アルキレンを表し、
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいアルキルを表し、
R5は、水素原子、水酸基、置換されていてもよいアルコキシ、−O−シクロアルキル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、または式:−W4−R5aを表し、
4は、酸素原子、CO、COO、CONR5b、CONHSO2、SO2、SO2NR5b、NR5b、またはNHCOを表し、
5aおよびR5bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アリール、アリール−アルキルを表し、
Xaは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、または置換されていてもよいアルケニレンを表し、
Xbは、酸素原子、-NR6-(R6は、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキル−アルキレンを表す。)、硫黄原子、-SO-、またはSO2-を表し、
Xcは、置換されていてもよいアルキレン、または置換されていてもよいアルケニレンを表し、
Xdは、置換されていてもよい環状アミノカルボニル、テトラゾール、または式:−W5−R8を表し、
5は、COO、CONR8a、CONHSO2、SO2、またはSO2NR8aを表し、
8およびR8aは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはアリール−アルキレン
を表す。)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
【請求項2】
R2が、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン原子、またはシアノを表し、
R5が、水素原子、置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン原子、またはシアノを表し、
Xaが、単結合、または置換されていてもよいアルキレンを表し、
Xbが、酸素原子、-NR6-(R6は、アルキルを表す。)、または硫黄原子を表し、
Xcが、置換されていてもよいアルキレンを表す、請求項1記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【請求項3】
環Aが、アリールを表し、
Waが、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレンを表し、
Wbが、式(2):
【化3】

を表し、
環Bが、アリール、ヘテロアリール、または非芳香族複素環を表し、
7およびR7aは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、チオール、または、式:W2−R7bを表し、
2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、SO2、CO、CONH、または−O−アルキレンを表し、
7bは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表すか;または
7とR7aは、一緒になって、式:−A1−A2−A3−、または−A1−A2−A3−A4−、(A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、CH2、CHCH3、C(CH32、CO、NH、NCH3、O、またはSを表す。)で表される基を表し、
R2が、置換されていてもよいアルキルまたはハロゲン原子を表し、
R5が、水素原子またはハロゲン原子を表し、
Xaが、単結合、または置換されていてもよいアルキレンを表し、
Xbが、酸素原子、または-NR6-(R6は、アルキルを表す。)を表し、
Xcが、置換されていてもよいアルキレンを表す、請求項1記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【請求項4】
環Aが、アリールを表し、
Waが、置換されていてもよいアルキレンを表し、
Wbが、式(2):
【化4】

を表し、
環Bが、アリール、またはヘテロアリールを表し、
7およびR7aは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ、チオール、または、式:W2−R7bを表し、
2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、SO2、CO、CONH、または−O−アルキレンを表し、
7bは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表すか;または
7とR7aは、一緒になって、式:−A1−A2−A3−、または−A1−A2−A3−A4−、(A1、A2、A3、およびA4は、それぞれ独立して、CH2、CHCH3、C(CH32、CO、NH、NCH3、O、またはSを表す。)で表される基を表し、
R2が、アルキルを表し、
R3およびR4が、水素原子を表し、
R5が、水素原子を表し、
Xaが、単結合、または置換されていてもよいアルキレンを表し、
Xbが、酸素原子を表し、
Xcが、置換されていてもよいアルキレンを表し、
Xdが、カルボキシを表す、請求項1記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【請求項5】
環Aがフェニルを表し、環Bがフェニルを表す、請求項4記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するPPARα、PPARγ、またはPPARα/γ活性化調節剤。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する糖尿病または高脂血症の治療剤。
【請求項9】
治療を必要とする患者に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することからなる、糖尿病または高脂血症の治療方法。
【請求項10】
糖尿病または高脂血症の治療剤の製造のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩の使用。

【公開番号】特開2010−126527(P2010−126527A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306522(P2008−306522)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】