説明

新規化合物

本発明は、式(I)を有する化合物、前記化合物の製造方法、前記化合物を含む医薬組成物及び前記組成物の製造、中間体、並びに前記化合物の治療上処置のため、特に炎症、アレルギー及び/または皮膚疾患を治療するための薬剤を製造するための使用を提供する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非ステロイド性化合物、前記化合物を含む医薬組成物、及び薬剤、特に炎症及び/またはアレルギー状態を治療するための薬剤を製造するための前記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
核内受容体は遺伝子発現の調節に関与する構造的に関連するタンパク質類である。ステロイドホルモン受容体は、典型的にはエストラジオール(エストロゲン受容体)、プロゲステロン(プロゲステロン受容体)及びコルチゾール(グルココルチコイド受容体)のような内因性ステロイドからなる天然リガンドを有するこのファミリーの部分集合である。これらの受容体に対する人工リガンドはヒトの健康において、特に広範囲の炎症状態を治療するためのグルココルチコイドアゴニストの使用において重要な役割を発揮している。
【0003】
グルココルチコイドは、グルココルチコイド受容体(GR)で少なくとも2つの細胞内メカニズム、すなわちトランス活性化及びトランスリプレッションによりその作用を発揮する(Schacke,H.,Docke,W-D.& Asadullah,K.(2002),Pharmacol and Therapeutics,96:23-43;Ray,A.,Siegel,M.D.,Prefontaine,K.E.& Ray,P.(1995),Chest,107:139S;及びKonig,H.,Ponta,H.,Rahmsdorf,H.J.& Herrlich,P.(1992),EMBO J,11:2241-2246参照)。トランス活性化は、グルココルチコイド受容体を遺伝子プロモーター内の別のデオキシリボ核酸(DNA)グルココルチコイド応答要素(GRE)に直接結合させて、必ずではないが通常下流遺伝子産物の転写を増加させることを含む。最近、GRは、GRがDNAに直接結合しない追加の経路(トランスリプレッション)を介して遺伝子発現を調節し得ることも判明した。このメカニズムは前転写活性を抑制をもたらすGRと他の転写因子、特にNFkB及びAP1との相互作用を含む(Schacke,H.,Docke,W-D.& Asadullah,K.(2002),Pharmacol and Therapeutics,96:23-43;及びRay,A.,Siegel,M.D.,Prefontaine,K.E.& Ray,P.(1995),Chest,107:139S)。炎症応答に関与する遺伝子の多くはNFkB及びAP1経路により転写的に活性化され、よってこの経路のグルココルチコイドによる抑制が抗炎症効果を解明し得る(Barnes,P.J.& Adcock,I.(1993),Trend Pharmacol Sci,14:436-441;及びCato,A.C.& Wade,E.(1996),Bioessays,18:371-378参照)。
【0004】
グルココルチコイドは広範囲の状態の治療において有効であるが、多数の副作用が内因性コルチゾールの病的上昇または外因性(特に全身投与した)グルココルチコイドの使用に関係している。これらには、骨密度の減少(Wong,C.A.,Walsh,L.J.,Smith,C.J.ら(2000),Lancet,355:1399-1403)、成長の遅れ(Allen,D.B.(2000),Allergy,55:suppl 62,15-18)、皮膚の挫傷(Pauwels,R.A.,Lofdahl,C.G.,Latinen,L.A.ら(1999),N Engl J Med,340:1948-1953)、白内障の発症(Cumming,R.G.,Mitchell,P.& Leeder,S.R.(1997),N Engl J Med,337:8-14)、並びに脂質及びグルコース代謝の調節不全(Faul,J.L.,Tormey,W.,Tormey,V.& Burke,C.(1998),BMJ,317:1491;及びAndrews,R.C.& Walker,B.R.(1999),Clin Sci,96:513-523)が含まれる。これらの副作用は、根底にある病理を治療するために使用され得るグルココルチコイドの用量を制限して治療効果を低下させるほどしばしば重大である。
【0005】
現在公知のグルココルチコイドは、炎症、組織拒絶、自己免疫、各種悪性疾患(例えば、白血病及びリンパ腫)、クッシング症候群、リウマチ熱、結節性多発動脈炎、肉芽腫性多発動脈炎、骨髄細胞株の抑制、免疫増殖/アポトーシス、HPA軸抑制及び調節、高コルチゾール血症、Th1/Th2サイトカインバランスのモジュレーション、慢性腎疾患、卒中及び脊髄損傷、高カルシウム血症、高血糖症、急性副腎不全症、慢性原発性副腎不全症、続発性副腎不全症、先天性副腎過形成、脳浮腫、血小板減少症及びリトル症候群治療において有用であることが判明している。
【0006】
グルココルチコイドは、全身性炎症、例えば炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、結節性多発動脈炎、ウェジナー肉芽腫症、巨細胞動脈炎、関節リウマチ、変形性関節症、季節性鼻炎、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、じんま疹、血管神経性浮腫、慢性閉塞性肺疾患、喘息、腱炎、滑液嚢炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性慢性活動型肝炎、臓器移植、肝炎及び肝硬変を含めた病的状態において特に有用である。グルココルチコイドは、免疫促進剤及び抑制因子として、並びに創傷治癒剤及び組織修復剤としても使用されている。
【0007】
グルココルチコイドは、炎症性頭皮脱毛症、皮下脂肪組織炎、乾せん、円板状エリテマトーデス、炎症性嚢胞、アトピー性皮膚炎、壊死性膿皮症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、妊娠ヘルペス、好酸球性筋膜炎、再発性多発軟骨炎、炎症性脈管炎、サルコイドーシス、スイート病、1型反応性らい病、毛細血管腫、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、扁平苔せん、剥脱性皮膚炎、結節性紅斑、アクネ、多毛症、中毒性表皮融解症、多形紅斑及び皮膚T細胞リンパ腫のような疾患の治療にも使用されている。
【発明の概要】
【0008】
1つの実施形態において、本発明は、
式(I):
【化1】

【0009】
[式中、
R1は5-フルオロ-2-メトキシ-フェニルまたは5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルを表し;
R2は-NR3R4を表し;
R3は水素を表し;
R4は水素、-CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2OH、-CH2CH(OH)CH3、-CH2CH(OH)CH2CH3、-CH2CH(OH)CH2OH、-CH(CONH2)CH2CH3、-CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(OH)CH3、-CH(CONH2)CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(CH3)2、-CH(CONH2)CH2CH2SCH3、シクロプロピル、シクロペンチル、2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル、3-フラニル-メチル、1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチル、(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メチル、1-メチル-2-オキソ-3-ピロリジニル、5-オキソ-3-ピロリジニル、2-アミノ-2-オキソ-1-フェニルエチル、1-(アミノカルボニル)シクロプロピルまたは1-(アミノカルボニル)シクロブチルを表し;或いは
R3及びR4はこれらが結合している窒素と一緒になって、
【化2】

【0010】
を形成する]
を有する化合物またはその塩(以下、“本発明の化合物”)を提供する。
【0011】
更なる実施形態において、本発明は、式(IA):
【化3】

【0012】
[式中、
R1は5-フルオロ-2-メトキシ-フェニルまたは5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルを表し;
R2は-NR3R4を表し;
R3は水素を表し、
R4は水素、-CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2OH、-CH2CH(OH)CH3、-CH2CH(OH)CH2CH3、-CH2CH(OH)CH2OH、-CH(CONH2)CH2CH3、-CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(OH)CH3、-CH(CONH2)CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(CH3)2、-CH(CONH2)CH2CH2SCH3、シクロプロピル、シクロペンチル、2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル、3-フラニル-メチル、1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチルまたは(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メチルを表し;或いは
R3及びR4はこれらが結合している窒素と一緒になって、
【化4】

【0013】
を形成する]
を有する化合物及びその塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1つの実施形態において、R1は5-フルオロ-2-メトキシ-フェニルを表す。更なる実施形態において、R1は5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルを表す。
【0015】
1つの実施形態において、R3は水素を表す。
【0016】
1つの実施形態において、R3は水素を表し、R4は水素、-CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2OH、-CH2CH(OH)CH3、-CH2CH(OH)CH2CH3、-CH2CH(OH)CH2OH、-CH(CONH2)CH2CH3、-CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(OH)CH3、-CH(CONH2)CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(CH3)2、-CH(CONH2)CH2CH2SCH3、シクロプロピル、シクロペンチル、2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル、3-フラニル-メチル、1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチルまたは(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メチルを表し;或いは
R3及びR4はこれらが結合している窒素と一緒になって、
【化5】

【0017】
を形成する。
【0018】
1つの実施形態において、R4は-CH2CH3、-CH2CH2OH、-CH2CH(OH)CH3、-CH(CONH2)CH2CH3、-CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(CH3)2、シクロプロピルまたは1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニルを表す。別の実施形態において、R4は-CH2CH3、-CH2CH2OH、-CH2CH(OH)CH3または1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニルを表す。別の実施形態において、R4は5-オキソ-3-ピロリジニルを表す。
【0019】
本発明は上記した置換基のすべての組合せを包含すると理解される。
【0020】
1つの実施形態において、式(I)を有する化合物は、
N-エチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-メチルプロピル)ベンズアミド、
N-シクロプロピル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-シクロペンチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシブチル)ベンズアミド、
N-[(2S)-2,4-ジヒドロキシブチル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[(2R)-2,4-ジヒドロキシブチル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-D-グルタムアミド、
N-[(1S,2R)-1-(アミノカルボニル)-2-ヒドロキシプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-L-アスパルトアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)-3-(メチルチオ)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[(1R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-2-ピペリジンカルボキサミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3R)-2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3S)-2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3S)-2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル]ベンズアミドエナンチオマー1、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3S)-2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル]ベンズアミドエナンチオマー2、
1,1,1-トリフルオロ-4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-4-メチル-2-[({6-メチル-1-[3-({(2S)-2-[(メチルオキシ)メチル]-1-ピロリジニル}カルボニル)フェニル]-1H-インダゾール-4-イル}アミノ)メチル]-2-ペンタノール、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(3-フラニルメチル)ベンズアミド、
N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
(3R)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-3-ピロリジノール、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メチル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
(4S)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリンアミド、
(4R)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリンアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3R)-1-メチル-2-オキソ-3-ピロリジニル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(5-オキソ-3-ピロリジニル)ベンズアミド、
4-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-2-ピペラジノン、
N-[(1R)-2-アミノ-2-オキソ-1-フェニルエチル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[1-(アミノカルボニル)シクロプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[1-(アミノカルボニル)シクロブチル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、または
その塩である。
【0021】
別の実施形態において、式(I)を有する化合物は、
N-エチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-メチルプロピル)ベンズアミド、
N-シクロプロピル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-シクロペンチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシブチル)ベンズアミド、
N-[(2S)-2,4-ジヒドロキシブチル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[(2R)-2,4-ジヒドロキシブチル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-D-グルタムアミド、
N-[(1S,2R)-1-(アミノカルボニル)-2-ヒドロキシプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-L-アスパルトアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)-3-(メチルチオ)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-[(1R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-2-ピペリジンカルボキサミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3R)-2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3S)-2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル]ベンズアミド、
1,1,1-トリフルオロ-4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-4-メチル-2-[({6-メチル-1-[3-({(2S)-2-[(メチルオキシ)メチル]-1-ピロリジニル}カルボニル)フェニル]-1H-インダゾール-4-イル}アミノ)メチル]-2-ペンタノール、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(3-フラニルメチル)ベンズアミド、
N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
(3R)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-3-ピロリジノール、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メチル]ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
(4S)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリンアミド、
(4R)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリンアミド、または
その塩である。
【0022】
別の実施形態において、式(I)を有する化合物は
N-エチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-シクロプロピル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-D-グルタムアミド、
N-[(1R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(5-オキソ-3-ピロリジニル)ベンズアミド、または
その塩である。
【0023】
更なる実施形態において、式(I)を有する化合物は、
N-エチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-シクロプロピル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、3
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-D-グルタムアミド、
N-[(1R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、または
その塩である。
【0024】
本発明の化合物はグルココルチコイド受容体のアゴニズムを与え得る。
【0025】
式(I)を有する化合物は各々1つ以上のキラル中心を含み、よって式(I)を有する各化合物の少なくとも2つの考えられる立体異性体(エナンチオマーまたはジアステレオマー)が存在する。更に、式(I)を有する各化合物の考えられるエナンチオマーまたはジアステレオマーの少なくとも1つはグルココルチコイド受容体をモジュレートする。
【0026】
用語「ジアステレオマーA」及び「ジアステレオマーB」は、本明細書中に記載されているキラルクロマトグラフィー方法を用いた溶離順序に基づいた式(I)を有する化合物のジアステレオマーを指すべく本明細書中で使用されている。ジアステレオマーAは最初に溶離したジアステレオマーを指し、ジアステレオマーBは2番目に溶離したジアステレオマーを指す。
【0027】
クロマトグラフィー上の絶対保持時間は異なり得るが、同じカラム及び条件を使用したときの溶離順序は同じままであることを当業者は認識している。しかしながら、別のクロマトグラフィーカラム及び条件を使用すると溶離順序が変わることがある。
【0028】
少なくとも1つの異性体(例えば、ラセミ化合物の1つのエナンチオマーまたは1つのジアステレオマー)が所望の活性を有していることを当業者は認識している。他の異性体は類似の活性またはより低い活性を有しているか、または活性を有していないことがあり、或いは機能アッセイにおいて若干のアンタゴニスト活性を有していることがある。
【0029】
本発明の1つの実施形態は、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマー、或いは異性体の混合物(例えば、ラセミ混合物)の形態の本発明の化合物を包含している。よって、1つの実施形態では、本発明の化合物はジアステレオマーまたはジアステレオマーの混合物の形態を有している。本発明の別の実施形態では、本発明の化合物はジアステレオマーAである。本発明の更なる実施形態では、本発明の化合物はジアステレオマーBである。
【0030】
“本発明の化合物”の範囲には、式(I)を有する化合物及びその塩の(水和物を含めた)溶媒和物、複合体、多形、プロドラッグ、放射標識した誘導体、立体異性体及び光学異性体のすべてが含まれる。
【0031】
本発明の化合物は固体または液体形態で存在し得る。固体の状態では、本発明の化合物は結晶または非結晶形態で、またはその混合物として存在し得る。結晶形の本発明の化合物に関して、当業者は結晶化中に溶媒分子が結晶格子に取り込まれた製薬上許容される溶媒和物が形成され得ることを認識している。溶媒には非水性溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン及び酢酸エチルが含まれ得、水も結晶格子中に取り込まれる溶媒として挙げられ得る。結晶格子中に取り込まれる溶媒が水である溶媒和物は典型的には「水和物」と称されている。水和物には化学量論的水和物及び異なる量の水を含有する組成物が含まれる。本発明は上記した溶媒和物のすべてを含む。
【0032】
当業者は更に、各種溶媒和物を含めた結晶形で存在している本発明の特定の化合物は多形(すなわち、異なる結晶構造で存在する能力)を示すことを認識している。これらの異なる結晶形は典型的には「多形」として公知である。本発明は上記多形をすべて含む。多形は同一の化学組成を有しているが、結晶性固体状態の充填、幾何学的配置及び他の性状の点で異なる。従って、多形は異なる物性(例えば、形状、密度、硬度、変形性、安定性及び溶解特性)を有し得る。多形は典型的には異なる融点、IRスペクトル及びX線粉末回折パターンを示し、これらは同定するために使用され得る。当業者は、例えば化合物を製造する際に使用する反応条件または試薬を変更または調節することにより異なる多形を生じさせ得ることを認識している。例えば、温度、圧力または溶媒を変化させると多形を生じ得る。加えて、1つの多形はある条件下で別の多形に自然に変換し得る。
【0033】
本発明の1つの実施形態は式(I)を有する化合物、並びにその塩及び溶媒和物を包含する。本発明の別の実施形態は式(I)を有する化合物及びその塩を包含する。本発明の別の実施形態は式(I)を有する化合物及びその溶媒和物を包含する。本発明の更なる実施形態は遊離塩基としての式(I)を有する化合物を包含する。
【0034】
薬剤中に使用するのに適した式(I)を有する化合物の塩及び溶媒和物は、対イオンまたは会合溶媒が製薬上許容されるものである。しかしながら、製薬上許容されない対イオンまたは会合溶媒を有している塩及び溶媒和物は、例えば式(I)を有する他の化合物、並びにその製薬上許容される塩及び溶媒和物の製造における中間体として使用するために本発明の範囲に入る。
【0035】
本発明に従う適当な塩には、有機及び無機の酸または塩基で形成される塩が含まれる。製薬上許容される酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフェニル酢酸、スルファミン酸、スルファニル酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アリールスルホン酸(例えば、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸またはナフタレンジスルホン酸)、サリチル酸、グルタル酸、グルコン酸、トリカルバリル酸、ケイ皮酸、置換ケイ皮酸(例えば、4-メチル及び4-メトキシケイ皮酸を含めたフェニル、メチル、メトキシまたはハロ置換ケイ皮酸)、アスコルビン酸、オレイン酸、ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸(例えば、1-または3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸)、ナフタレンアクリル酸(例えば、ナフタレン-2-アクリル酸)、安息香酸、4-メトキシ安息香酸、2-または4-ヒドロキシ安息香酸、4-クロロ安息香酸、4-フェニル安息香酸、ベンゼンアクリル酸(例えば、1,4-ベンゼンジアクリル酸)及びイセチオン酸から形成されるものが含まれる。製薬上許容される塩基性塩にはアンモニウム塩、例えば脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族ジアミン及びヒドロキシアルキルアミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、2-ヒドロキシエチルアミン、ジエチルアミン、TEA、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びシクロヘキシルアミン)を含めた製薬上許容される有機第1級、第2級及び第3級アミンを用いて形成されるアンモニウム塩;アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウムの塩)及びアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム及びマグネシウムの塩)、アルミニウム塩及び亜鉛塩;製薬上許容される金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛)の炭酸塩及び炭酸水素塩;並びに有機塩基(例えば、ジシクロヘキシルアミン及びN-メチル-D-グルカミン)との塩が含まれる。
【0036】
式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩は潜在的に有効な抗炎症または抗アレルギー効果を特に局所投与したときに有すると予想されており、このことは例えばグルココルチコイド受容体に結合し、この受容体を介して応答を引き出す能力により立証される。よって、式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩は炎症及び/またはアレルギー疾患の治療において使用され得る。
【0037】
式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩が使用されると予想される病的状態の例には、皮膚疾患、例えば湿疹、乾せん、アレルギー性皮膚炎、神経皮膚炎、そう痒症及び過敏反応;鼻、喉または肺の炎症状態、例えば(アレルゲン誘発性喘息反応を含めた)喘息、(枯草熱を含めた)鼻炎、鼻ポリープ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患及び線維症;炎症性腸状態、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病;及び自己免疫疾患、例えば関節リウマチが含まれる。
【0038】
用語「鼻炎」は、本明細書中でアレルギー性鼻炎、例えば季節性鼻炎(例えば、枯草熱)または多年生鼻炎、及び非アレルギー性鼻炎または血管運動性鼻炎を含めたあらゆるタイプの鼻炎を指すように使用されている。
【0039】
本明細書中の治療に対する言及は確立されている状態の予防及び治療に敷衍することを当業者は認識している。
【0040】
上記したように、式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩はヒトまたは動物用薬剤中に、特に抗炎症薬及び/または抗アレルギー薬として使用されると予想される。
【0041】
従って、本発明の更なる態様として、ヒトまたは動物用薬剤中に、特に炎症及び/またはアレルギー状態(例えば、関節リウマチ、喘息、COPD、アレルギー及び/または鼻炎)を有している患者の治療において使用するための式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩が提供される。
【0042】
更に、本発明の更なる態様として、鼻炎を有している患者の治療において使用するための式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩が提供される。
【0043】
更に、皮膚疾患(例えば、湿疹、乾せん、アレルギー性皮膚炎、神経皮膚炎、そう痒症及び/または過敏反応)を有している患者の治療において使用するための式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩が提供される。
【0044】
本発明の別の態様によれば、炎症及び/またはアレルギー状態(例えば、関節リウマチ、喘息、COPD、アレルギー及び/または鼻炎)を有している患者の治療用薬剤を製造するための式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩の使用が提供される。
【0045】
本発明の別の態様によれば、鼻炎を有している患者の治療用薬剤を製造するための式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩の使用が提供される。
【0046】
本発明の更に別の態様によれば、皮膚疾患(例えば、湿疹、乾せん、アレルギー性皮膚炎、神経皮膚炎、そう痒症及び/または過敏反応)を有している患者の治療用用薬剤を製造するための式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩の使用が提供される。
【0047】
更なるまたは代替態様において、炎症及び/またはアレルギー状態(例えば、関節リウマチ、喘息、COPD、アレルギー及び/または鼻炎)を有しているヒトまたは動物被験体に対して有効量の式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む前記ヒトまたは動物被験体の治療方法が提供される。
【0048】
更なるまたは代替態様において、鼻炎を有しているヒトまたは動物被験体に対して有効量の式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む前記ヒトまたは動物被験体の治療方法が提供される。
【0049】
更なるまたは代替態様において、皮膚疾患(例えば、湿疹、乾せん、アレルギー性皮膚炎、神経皮膚炎、そう痒症及び/または過敏反応)を有しているヒトまたは動物被験体に対して有効量の式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む前記ヒトまたは動物被験体の治療方法が提供される。
【0050】
式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩は慣用の方法で投与するために製剤化され得る。従って、本発明は、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を所望により1つ以上の生理学的に許容される希釈剤または担体と混合して含む医薬組成物をその範囲内に含む。
【0051】
更に、成分を混合することを含む上記医薬組成物の製造方法が提供される。式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物は、例えば周囲温度及び大気圧下で混合することにより製造され得る。
【0052】
式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物は、局所投与(この中には皮膚上、吸入、鼻腔内または眼内投与が含まれる)、経腸投与(この中には経口または直腸内投与が含まれる)、または非経口投与(例えば、注射または注入による)のために好適であり得る。式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩は、例えば経口、口腔内、舌下、非経口、局所直腸投与または他の局所投与のために製剤化され得る。
【0053】
医薬組成物は、投与ルートにより必要に応じて例えば溶液または懸濁液剤(水性または非水性)、錠剤、カプセル剤、経口液体製剤、散剤、顆粒剤、口内錠、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、フォーム剤、再構成可能な粉末または懸濁液の形態をとり得る。
【0054】
通常、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む組成物は、投与ルートに応じて該組成物の全重量に基づいて約0.1〜約99重量%(例えば、約10〜約60重量%)の式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含有し得る。上記した疾患の治療に使用される化合物の用量は、疾患の重症度、患者の重量及び他の類似の要因で通常通り異なる。しかしながら、一般的基準として、適当な単位用量は約0.001〜約100mg(例えば、約0.001〜約1mg)であり得、この単位用量を1日1回以上、例えば1日2〜3回投与し得る。こうした治療は数週間または数ヶ月に及び得る。
【0055】
式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩は、例えば経口、口腔内、舌下、非経口、局所直腸内投与または他の局所投与のために製剤化され得る。
【0056】
本明細書中で使用されている局所投与にはインサフレーション及び吸入による投与が含まれる。局所投与用製剤の各種タイプの例には、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、フォーム剤、経皮パッチによりデリバリーするための製剤、散剤、スプレー剤、エアゾール剤、吸入器またはインサフレーター中に使用するためのカプセルまたはカートリッジ、滴剤(例えば、点眼剤または点鼻剤)、ネブライゼーション用溶液/懸濁液、座剤、ペッサリー、停留浣腸、(例えば、アフタ性潰瘍を治療するための)チューアブルまたはサッカブル錠剤またはペレット剤、或いはリポソームまたはマイクロカプセル化製剤が含まれる。
【0057】
本発明の局所組成物中の式(I)を有する活性化合物またはその製薬上許容される塩の比率は、製造しようとする組成物の正確なタイプ及び投与ルートに依存するが、通常組成物の全重量に基づいて0.001〜10重量%の範囲である。通常、製剤の多くのタイプでは、使用される比率は組成物の全重量に基づいて0.005〜1%、例えば0.01〜1%(例えば、0.01〜0.5%重量%)の範囲である。しかしながら、吸入またはインサフレーション用途粉末において使用される比率は通常組成物の全重量に基づいて0.1〜5重量%の範囲である。
【0058】
1つの実施形態において、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物は局所投与のため、例えば鼻腔内または吸入投与のために好適であり得る。吸入投与は、例えばエアゾールまたは乾燥粉末組成物による肺への局所投与を含む。
【0059】
通常、鼻腔内または吸入投与に適した組成物は有利には、場合により1つ以上の生理学的に許容される希釈剤及び/または担体(例えば、水性または非水性ビヒクル、増粘剤、等張性調整剤、酸化防止剤及び/または保存剤)と一緒にエアゾール剤、溶液剤、懸濁液剤、滴剤、ゲル剤または乾燥粉末として製剤化され得る。
【0060】
鼻腔内または吸入投与に適した組成物の場合、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩は、例えば微粒子化及び粉砕により調製される微細化粒子形態を有していてもよい。通常、微細化(例えば、微粒子化)化合物は(例えば、レーザー回折を用いて測定して)約0.5〜約10ミクロンのD50値により規定され得る。
【0061】
1つの実施形態において、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物は鼻腔内投与に適している。例えば、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩は溶液組成物または懸濁液組成物として、例えば水溶液組成物のような溶液組成物としてヒトの鼻腔内に使用するために製剤化され得る。
【0062】
鼻腔内組成物のための適当な投与レジメによれば、患者はすっきりさせようとする鼻腔に続く鼻を介してゆっくり吸入し得る。吸入中、組成物は1つの外鼻孔を手で押さえながら、他の外鼻孔に投与してもよい。その後、この手順を他の外鼻孔に対して繰り返してもよい。通常、上記手順により1つの外鼻孔あたり1または2スプレーし、毎日最高2〜3回投与し得る。1つの実施形態において、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む鼻腔内組成物を1日1回投与するのに適している。典型的には、外鼻孔への各スプレーで約25〜約100μLの鼻腔内組成物がデリバリーされ得る。更に、通常外鼻孔への各スプレーで約1〜約100μg(例えば、約1〜約50μg)の式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩がデリバリーされ得る。
【0063】
式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む鼻孔内組成物により、化合物を鼻腔(標的組織)の全領域にデリバリーすることができ、更に化合物を標的組織に長時間接触させ続けることができる。鼻腔内投与に適した式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む組成物が場合により所望ならば1つ以上の懸濁剤、1つ以上の保存剤、1つ以上の湿潤剤及び/または1つ以上の等張性調整剤を含んでいてもよい。鼻腔内投与に適した組成物は、場合により更に他の賦形剤、例えば抗酸化剤(例:メタ重亜硫酸ナトリウム)、矯味剤(例:メントール)及び甘味剤(例:デキストロース、グリセロール、サッカリン及び/またはソルビトール)を含んでいてもよい。鼻腔内組成物中に使用され得る賦形剤には、例えばキシリトール、ソルビン酸カリウム、EDTA、クエン酸ナトリウム、クエン酸、ポリソルベート80及びAvicel CL611が含まれる。
【0064】
懸濁剤を配合させる場合、懸濁剤は典型的には鼻腔内組成物中に該組成物の全重量に基づいて約0.1〜5%重量%(例えば、約1.5〜2.4重量%)の範囲の量で存在している。懸濁剤の例には、アビセル、カルボキシメチルセルロース、ビーガム、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロース及びポリエチレングリコール、例えば結晶セルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。適切ならば、懸濁剤を例えば吸入、眼内及び経口投与に適した組成物中に配合してもよい。
【0065】
安定性の目的で、保存剤を配合することにより式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む鼻腔内組成物を微生物または真菌の汚染及び増殖から保護してもよい。製薬上許容される抗微生物剤または保存剤の例には、第4級アンモニウム化合物(例:塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド及び塩化セチルピリジニウム)、水銀系物質(例:硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀及びチメロサール)、アルコール系物質(例:クロロブタノール、フェニルエチルアルコール及びベンジルアルコール)、抗菌性エステル(例:p-ヒドロキシ安息香酸のエステル);キレート化剤、例えばエデト酸ジナトリウム(EDTA)及び他の抗微生物性物質、例えばクロルヘキシジン、クロロクレゾール、ソルビン酸及びその塩(例:ソルビン酸カリウム)、及びポリミキシンが含まれ得る。製薬上許容される抗真菌剤または保存剤の例には安息香酸ナトリウムが含まれ得る。1つの実施形態において、塩化ベンザルコニウム非含有の式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。保存剤を配合させる場合、保存剤は組成物の全重量に基づいて約0.001〜約1重量%の範囲(例えば、約0.015重量%)の量で存在させ得る。適切ならば、保存剤を他の投与ルートに適した組成物中に配合してもよい。
【0066】
懸濁状薬物を含有する組成物に、組成物の水相中に分散しやすくするために薬物の粒子を湿らすように働く製薬上許容される湿潤剤を配合してもよい。典型的には、混合中分散物を発泡させない量の湿潤剤を使用する。湿潤剤の例には、脂肪アルコール、エステル及びエーテル、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)が含まれる。湿潤剤は組成物中に該組成物の全重量に基づいて約0.001〜約1重量%(例えば、約0.005〜約1重量%)の範囲の量で存在させ得る。適切ならば、湿潤剤を他の投与ルートに適した組成物、例えば吸入または眼内投与用組成物中に配合してもよい。
【0067】
体液(例えば、鼻腔の流体)との等張性を達成して刺激レベルを低下させるように等張性調整剤を配合してもよい。等張性調整剤の例には、塩化ナトリウム、デキストロース、キシリトール及び塩化カルシウムが含まれる。等張性調整剤は組成物中に該組成物の全重量に基づいて約0.1〜10重量%(例えば、約4.5%重量%)の範囲の量で配合され得る。適切ならば、等張性調整剤を投与の吸入、眼内、経口及び非経口形態に適した組成物中に配合してもよい。
【0068】
更に、鼻腔内組成物を適当な緩衝剤、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸、(例えば、12水和物、7水和物、2水和物及び無水物形態の)リン酸ジナトリウムまたはリン酸ナトリウムのようなリン酸塩、及びその混合物を添加することにより緩衝させてもよい。適切ならば、緩衝剤を他の投与ルートに適した組成物中に配合してもよい。
【0069】
例えば鼻炎を治療するために鼻に局所投与するための組成物には、加圧エアゾール組成物及び加圧ポンプを用いて鼻に投与される水性組成物が含まれる。1つの実施形態において、本発明は加圧されておらず、鼻腔に局所投与するように作られた組成物を包含する。適当な組成物は水をこの目的の希釈剤または担体として含有している。肺または鼻に投与するための水性組成物には慣用の賦形剤、例えば緩衝剤、等張性調整剤等を配合してもよい。水性組成物をネブライゼーションにより鼻に投与してもよい。
【0070】
式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩は、流体ディスペンサー(例えば、分配ノズルまたは分配オリフィスを有し、流体ディスペンサーのポンプ機構に対して使用者が力を加えたとき定量の流体組成物が当該ノズルまたはオリフィスを介して分配される流体ディスペンサー)からデリバリーするための流体組成物として製剤化してもよい。流体ディスペンサーは通常定量の流体組成物を複数収容しているリザーバーを設けており、一連のポンプ作動により定量の組成物が分配され得る。分配ノズルまたはオリフィスは、流体組成物を鼻腔にスプレー分配するために使用者の外鼻孔に挿入されるように構成され得る。上記したタイプの流体ディスペクサーは、全内容を参照により本明細書に組み入れる国際特許出願公開第05/044354号に記載し、図示されている。このディスペクサーは、流体組成物を収容するための容器上に載置されている圧縮ポンプを有している流体排出デバイスが入っているハウジングを有している。ハウジングは、ポンプを圧縮し、ポンプの棹からハウジングの鼻ノズルを介して定量の組成物を圧送すべくハウジング内で容器を上方向にカムするようにハウジングに対して内向きに移動可能な指で操作するサイドレバーを少なくとも1つ有している。1つの実施形態において、流体ディスペンサーは国際特許出願公開第05/044354号の図30〜40に図示されている一般的タイプのものである。
【0071】
スプレー組成物は、例えば水性の溶液または懸濁液として、または適当な液化噴射剤を用いて圧縮パック(例えば、定量噴霧式吸入器)からデリバリーされるエアゾールとして製剤化され得る。吸入に適したエアゾール組成物は懸濁液または溶液であり得、通常式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩及び適当な噴射剤、例えばフルオロカーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボンまたはその混合物、特にヒドロフルオロアルカン、具体的には1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたはその混合物を含有している。エアゾール組成物は、場合により当業界で公知の追加の製剤化賦形剤、例えば界面活性剤(例えば、オレイン酸、レシチンまたはオリゴ乳酸、または国際特許出願公開第94/21229号及び国際特許出願公開第98/34596号に記載されているような誘導体)及び共溶媒(例えば、エタノール)を含有していてもよい。
【0072】
よって、本発明の更なる態様として、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩及び噴射剤としてフルオロカーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボンを場合により界面活性剤及び/または共溶媒と一緒に含む医薬エアゾール製剤が提供される。
【0073】
本発明の別の態様によれば、噴射剤が1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン及びその混合物から選択される医薬エアゾール製剤が提供される。
【0074】
本発明の製剤を適当な緩衝剤を添加することにより緩衝してもよい。
【0075】
エアゾール組成物は、1回または複数用量が滅菌形態で密封容器中に提供され得、前記容器はアトマイジングデバイスまたは吸入器と一緒に使用するためのカートリッジまたはレフィルの形態をとり得る。或いは、密封容器は一体型分配デバイス、例えば1回量経鼻吸入器または計量弁を備えたエアゾールディスペンサー(定量噴霧式吸入器)であってもよく、これらは容器の内容物が排出されたら廃棄するように意図されている。
【0076】
吸入器またはインサフレーター中に使用するための、例えばゼラチンからなるカプセル及びカートリッジは、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩及び適当な粉末ベース(例えば、ラクトースまたはデンプン)の吸入用パウダーミックスが含まれるように製剤化され得る。各カプセルまたはカートリッジは、通常20μg〜10mgの式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含有し得る。或いは、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を賦形剤(例えば、ラクトース)を使用することなく提供してもよい。
【0077】
場合により、特に乾燥粉末の吸入用組成物の場合、吸入投与に適した組成物は複数の(例えば、乾燥粉末組成物を収容している)密封投与容器中に導入され得、これらの複数の容器は適当な吸入デバイスの内側にストリップまたはリボン状に縦方向に載置されている。容器はオンデマンドで破壊することができたり、剥がして開けることができ、例えば乾燥粉末組成物の用量はGlaxoSmithKlineから販売されているDISKUS(商品名)デバイスのようなデバイスを用いて吸入投与され得る。DISKUS(商品名)吸入デバイスは、例えば英国特許出願公開第2242134号に記載されており、このデバイスでは、粉末状組成物のための少なくとも1つの容器(1つ以上の容器がストリップまたはリボン状に縦方向に載置されている複数の密閉投与容器であることが好ましい)が相互に剥離可能に固定された2つの部材間に規定されている。前記デバイスは、1つ以上の容器に対する開放ステーションを規定する手段、容器を開くために前記開放ステーションで前記部材を剥がすための手段、及び開いた容器と連通している出口を含んでおり、使用者は前記出口を介して開かれた容器から粉末状組成物を吸入し得る。
【0078】
本発明の局所組成物中の式(I)を有する活性化合物またはその製薬上許容される塩の比率は製造しようとする製剤の正確なタイプに依存するが、通常0.001〜10%重量%の範囲である。通常、多くのタイプの製剤に関して、使用される比率は0.005〜1%(例えば、0.01〜0.5%)の範囲である。しかしながら、吸入またはインサフレーション用粉末の場合、使用される比率は通常0.1〜5%の範囲である。
【0079】
エアゾール製剤は、エアゾールの各定量、すなわち“パフ”が20μg〜10mg、好ましくは20〜2000μg、より好ましくは20〜500μgの式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含有するように構成されることが好ましい。投与は1日1回であっても、または例えば各回あたり1、2または3用量と仮定して1日数回(例えば、2、3、4または8回)であってもよい。エアゾールでの全1日用量は100μg〜10mg、好ましくは200〜2000μgの範囲である。吸入器またはインサフレーター中のカプセルまたはカートリッジによりデリバリーされる全1日用量及び定量は通常エアゾール製剤を用いてデリバリーされる量の2倍である。
【0080】
懸濁液エアゾール製剤の場合、粒状(例えば、微粒子化)薬物の粒子サイズは、エアゾール製剤を投与したとき実質的にすべての薬物が肺に吸入され得るものでなければならず、よって100ミクロン未満、望ましくは20ミクロン未満、特に1〜10ミクロン(例えば、1〜5ミクロン)、より好ましくは2〜3ミクロンの範囲である。
【0081】
式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩の製剤は、薬物及び式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を適当な容器において特定噴射剤中に例えば音波処理または高専断ミキサーを用いて分散または溶解させることにより製造され得る。このプロセスを管理湿潤条件下で実施することが望ましい。
【0082】
本発明のエアゾール製剤の化学的及び物理的安定性並びに医薬許容性は当業者に公知の技術を用いて調べられ得る。例えば、成分の化学的安定性は、例えば製品を長期間保存後HPLCアッセイにより調べられ得る。物理的安定性のデータは他の慣用の分析技術から、例えば漏れ試験により、バルブデリバリーアッセイ(1作動あたりの平均ショット重量)により、用量再現性アッセイ(1作動あたりの活性成分)及びスプレー分布分析により得ることができる。
【0083】
本発明の懸濁液エアゾール製剤の安定性は慣用の技術により、例えばフロキュレーションサイズ分布をバックライト散乱器具を用いて測定することにより、または粒子サイズ分布をカスケード衝撃または「ツインインピンジャー」分析方法により測定することにより調べられ得る。本明細書中で使用されているとき、「ツインインピンジャー」アッセイに対する言及は英国薬局方1988,p.A204-207,Appendix XVII Cに規定されている“Determination of the deposition of the emitted dose in pressurised inhalations using apparatus A”を意味する。前記技術により、エアゾール製剤の“呼吸性画分”を計算することができる。“呼吸性画分”を計算するために使用される1つの方法は、1作動で下方インピンジメントチャンバ中に集まった活性成分の量である“微粒子画分”を指し、上記したツインインピンジャー方法を用いて1作動あたりにデリバリーされる活性成分の全量の%として表される。
【0084】
用語「定量噴霧式吸入器」、すなわちMDIは、缶、この缶を覆う固定されているキャップ及びこのキャップ中に配置されている製剤計量弁からなるユニットを意味する。MDIシステムは適当なチャネリングデバイスを含んでいる。適当なチャネリングデバイスは、例えばマウスピースアクチュエーターのように弁アクチュエーター及び円筒形または円錐様通路を含み、この通路を通じて薬剤は充填されているキャニスターから計量弁を介して患者の鼻または口にデリバリーされ得る。
【0085】
MDIキャニスターは通常使用される噴射剤の蒸気圧に耐えることができる容器、例えばプラスチックボトルまたはプラスチックがコーティングされているガラスボトル、または好ましくは金属缶からなり、この容器は計量弁で閉じられている。前記金属缶は例えば場合により陽極処理されている、ラッカーがコーティングされている及び/またはプラスチックがコーティングされていてもよい(例えば、参照により本明細書に組み入れる国際特許出願公開第96/32099号;内表面の一部または全部が場合により1つ以上の非フルオロカーボンポリマーと組み合わせて1つ以上のフルオロカーボンポリマーでコーティングされている)アルミニウムまたはその合金の缶である。キャップは缶上に超音波溶接、スクリューの取り付けまたはクリンプ加工により固定され得る。本明細書中で教示されているMDIは当業界の方法(例えば、上掲したByron及び国際特許出願公開第96/32099号参照)により作製され得る。薬物計量弁をキャップに配置し、そのキャップが適所にクリンプ加工されているキャップアセンブリをキャニスターに取り付けることが好ましい。
【0086】
本発明の1つの実施形態では、缶の金属内表面はフルオロポリマー、最も好ましくはフルオロポリマーと非フルオロポリマーのブレンドでコーティングされている。本発明の別の実施形態では、缶の金属内表面はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とポリエーテルスルホン(PES)のポリマーデレンドでコーティングされている。本発明の更なる実施形態では、缶の金属内表面の全体がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とポリエーテルスルホン(PES)のポリマーブレンドでコーティングされている。
【0087】
計量弁は、1作動あたりに定量の製剤がデリバリーされるように設計されており、噴射剤が弁を介して漏れるのを防止するためにガスケットを含んでいる。ガスケットは適当なエラストマー材料、例えば低密度ポリエチレン、クロロブチル、ブロモブチル、EPDM、黒色及び白色ブタジエン-アクリロニトリルゴム、ブチルゴム及びネオプレンからなり得る。適当な弁はエアゾール業界で公知の製造業者、例えばフランスのValois(例えば、DF10、DF30、DF60)、英国のBespak plc(例えば、BK300、BK357)及び英国の3M-Neotechnic Ltd(例えば、Spraymiser(商品名))から市販されている。
【0088】
各種実施形態において、MDIは他の構造物と組み合わせて使用してもよく、前記構造物としては、非限定例として米国特許第6,119,853号、同第6,179,118号、同第6,315,112号、同第6,352,152号、同第6,390,291号及び同第6,679,374号に記載されているものを含めたMDIを保存し、収容するためのオーバーラップパッケージ;及び非限定的に米国特許第6,360,739号及び同第6,431,168号に記載されているものを含めた投与カウンターユニットが挙げられる。
【0089】
充填キャニスターを大量生産すべく大規模バッチを製造するためには医薬エアゾール製造の業界の当業者に公知の慣用されているバルク製造方法及び機械が使用され得る。例えば、懸濁液エアゾール製剤を製造するための1つのバルク製造方法では、計量弁をアルミニウム缶にクリンプ加工して、空のキャニスターを形成する。粒状薬剤を装入容器に添加し、液化噴射剤を任意の賦形剤と一緒に装入容器を介して製造容器に加圧充填する。充填機に再循環させる前に薬物懸濁液を混合し、次いで薬物懸濁液のアリコートを計量弁を介してキャニスターに充填する。溶液エアゾール製剤を製造するためのバルク製造方法の1例では、計量弁をアルミニウム缶にクリンプ加工して、空のキャニスターを形成する。液化噴射剤を任意の賦形剤及び溶解状態の薬物と一緒に装入容器を介して製造容器に加圧充填する。
【0090】
代替方法では、製剤が絶対に蒸発しないように十分に低温の条件下で液化製剤のアリコートを開いたキャニスターに添加した後、キャニスター上に計量弁をクリンプ加工する。
【0091】
典型的には、医薬用途のために製造されるバッチでは、各々の充填キャニスターの重量をチェックし、バッチ番号を付し、放出試験前に保存用トレーに詰める。
【0092】
局所製剤は、患部域に対して1日1回以上適用することにより投与され得る。皮膚域上に密封包帯を使用することが有利であり得る。接着リザーバーシステムにより連続または持続的にデリバリーしてもよい。
【0093】
軟膏剤、クリーム剤(例えば、エマルジョンのような水中油型または油中水型組成物)及びゲル剤は、例えば適当な増粘及び/またはゲル化剤及び/または溶媒を添加して水性または油性ベースを用いて製剤化され得る。よって、前記ベースの例には水及び/または油、例えば流動パラフィン、植物油(例えば、アラキス油またはヒマシ油)、または溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)が含まれ得る。ベースの種類に従って使用され得る増粘剤及びゲル化剤には、軟パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、蜜ろう、カルボキシポリメチレン及びセルロース誘導体及び/またはモノステアリン酸グリセリル及び/または非イオン性乳化剤が含まれる。局所製剤は、場合により1つ以上の可溶化剤及び/または皮膚浸透強化剤及び/または界面活性剤及び/またはフレグランス及び/または保存剤及び/または乳化剤を含んでいてもよい。
【0094】
ローション剤は水性または油性ベースを用いて製剤化され得、通常1つ以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤または増粘剤を含んでいる。
【0095】
外部適用用散剤は適当な粉末ベース(例えば、タルク、ラクトースまたはデンプン)を用いて形成され得る。滴剤は、1つ以上の分散剤、可溶化剤、懸濁剤または分散剤をも含み得る水性または非水性ベースを用いて製剤化され得る。
【0096】
1つの実施形態において、眼内投与に適した式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。前記組成物は場合により1つ以上の懸濁剤、1つ以上の保存剤、1つ以上の湿潤/滑沢剤及び/または1つ以上の等張性調整剤を含んでいてもよい。眼科用湿潤/滑沢剤の例には、セルロース誘導体、デキストラン70、ゼラチン、液体ポリオール、ポリビニルアルコール及びポビドン、例えばセルロース誘導体及びポリオールが含まれ得る。
【0097】
内部投与のためには、式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩は、例えば経口、鼻腔内、非経口または直腸内投与のための慣用方法で製剤化され得る。経口投与用製剤にはシロップ剤、エリキシル剤、散剤、顆粒剤、錠剤及びカプセル剤が含まれ、これらは典型的には適当ならば慣用の賦形剤、例えば結合剤、充填剤、滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤、懸濁剤、乳化剤、保存剤、バッファー塩、着香料、着色料及び/または甘味料を含んでいる。下記する単位投与形態が好ましいことがある。
【0098】
式(I)を有する化合物及びその製薬上許容される塩は、通常全身グルココルチコイド受容体アゴニスト治療が適応される症例において内部投与により与えられ得る。
【0099】
徐放性または腸溶性製剤は、特に炎症性腸疾患を治療するために有利であり得る。
【0100】
非経口投与用の流体単位投与形態は、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩及び水性または油性ベースであり得る滅菌ビヒクルを用いて製造され得る。使用するビヒクル及び濃度に応じて、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩はビヒクル中に溶解乃至懸濁され得る。溶液を製造する際には、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を注射のために溶解させ、フィルター滅菌した後、適当なバイアルまたはアンプル中に充填し、密封する。場合により、佐剤(例えば、局所麻酔薬、保存剤及びバッファー剤)をビヒクル中に溶解させてもよい。安定性を高めるために、バイアルに充填し、水を真空下で除去した後組成物を凍結させてもよい。凍結乾燥した非経口組成物は投与直前に適当な溶媒を用いて再構成することができる。非経口懸濁液剤は、化合物をビヒクル中に溶解させるのではなく懸濁させ、濾過による滅菌を実施できないことを除いて実質的に同一の方法で製造され得る。化合物をエチレンオキシドにさらすことにより滅菌した後、滅菌ビヒクル中に懸濁させてもよい。化合物の均一分布を促進するために界面活性剤または湿潤剤を組成物中に配合してもよい。
【0101】
幾つかの実施形態では、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩は経口投与のために製剤化される。他の実施形態では、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩は吸入投与のために製剤化される。更なる実施形態では、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩は鼻腔内投与のために製剤化される。
【0102】
本発明の化合物及び医薬製剤を1つ以上の他の治療薬、例えば抗炎症薬、抗コリン作用薬(特に、M1/M2/M3受容体アンタゴニスト)、β2-アドレナリン受容体アゴニスト、抗感染薬(例えば、抗生物質または抗ウイルス薬)または抗ヒスタミン薬から選択される治療薬と一緒に使用しても、治療薬を含んでいてもよい。よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を1つ以上の他の治療活性物質、例えば抗炎症薬(例えば、コルチコステロイドまたはNSAID)、抗コリン作用薬、β2-アドレナリン受容体アゴニスト、抗感染薬(例えば、抗生物質または抗ウイルス薬)または抗ヒスタミン薬から選択される治療活性物質と一緒に含む配合剤を提供する。本発明の1つの実施形態は、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩をβ2-アドレナリン受容体アゴニスト及び/または抗コリン作用薬及び/またはPDE4阻害剤及び/または抗ヒスタミン薬と一緒に含む配合剤を包含する。
【0103】
本発明の1つの実施形態は1つ以上の他の治療薬を含む配合剤を包含する。
【0104】
適切ならば他の治療成分の活性及び/または安定性及び/または物性(例えは、溶解度)を最適とするために該治療成分を塩の形態で、例えばアルカリ金属またはアミン塩として、酸付加塩として、或いはプロドラッグとして、エステル(例えは、低級アルキル)として、または溶媒和物(例えは、水和物)として使用してもよいことは当業者には明白である。適切ならば治療成分を光学的に純粋な形態で使用してもよいことも明白である。
【0105】
β2-アドレナリン受容体アゴニストの例には、サルメテロール(例えば、ラセミ化合物またはR-エナンチオマーのような単一エナンチオマーとして)、サルブタモール(例えば、ラセミ化合物またはR-エナンチオマーのような単一エナンチオマーとして)、ホルモテロール(例えば、ラセミ化合物またはR,R-ジアステレオマーのような単一ジアステレオマーとして)、サルメファモール、フェノテロール、カルモテロール、エタンテロール、ナミンテロール、クレンブテロール、ピルブテロール、フレロブテロール、レプロテロール、バンブテロール、インダカテロールまたはテルブタリン並びにその塩、例えばサルメテロールのキシナホ酸(1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸)塩、サルブタモールの硫酸塩または遊離塩基、またはホルモテロールのフマル酸塩が含まれる。1つの実施形態において、β2-アドレナリン受容体アゴニストは長時間作用性のβ2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば約12時間以上効果的な気管支拡張を与える化合物である。
【0106】
β2-アドレナリン受容体アゴニストの例には、国際特許出願公開第02/066422A号、国際特許出願公開第02/070490号、国際特許出願公開第02/076933号、国際特許出願公開第03/024439号、国際特許出願公開第03/072539号、国際特許出願公開第03/091204号、国際特許出願公開第04/016578号、国際特許出願公開第04/022547号、国際特許出願公開第04/037807号、国際特許出願公開第04/037773号、国際特許出願公開第04/037768号、国際特許出願公開第04/039762号、国際特許出願公開第04/039766号、国際特許出願公開第01/42193号及び国際特許出願公開第03/042160号に記載されているものが含まれ得る。
【0107】
β2-アドレナリン受容体アゴニストの例には、
3-(4-{[6-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、
3-(3-{[7-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘプチル]オキシ}プロピル)ベンゼンスルホンアミド、
4-{(1R)-2-[(6-{2-[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、
4-{(1R)-2-[(6-{4-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}ヘキシル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、
N-[2-ヒドロキシル-5-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-[[2-4-[[(2R)-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル]アミノ]フェニル]エチル]アミノ]エチル]フェニル]ホルムアミド、
N-2{2-[4-(3-フェニル-4-メトキシフェニル)アミノフェニル]エチル}-2-ヒドロキシ-2-(8-ヒドロキシ-2(1H)-キノリノン-5-イル)エチルアミン、及び
5-[(R)-2-(2-{4-[4-(2-アミノ-2-メチル-プロポキシ)-フェニルアミノ]-フェニル}-エチルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、
並びにその塩が含まれる。
【0108】
β2-アドレナリン受容体アゴニストは、硫酸、塩酸、フマル酸、ヒドロキシナフトエ酸(例えば、1-または3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸)、ケイ皮酸、置換ケイ皮酸、トリフェニル酢酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ナフタレンアクリル酸、安息香酸、4-メトキシ安息香酸、2-または4-ヒドロキシ安息香酸、4-クロロ安息香酸及び4-フェニル安息香酸から選択される製薬上許容される酸を用いて形成される塩の形態であってもよい。
【0109】
適当な抗炎症薬にはコルチコステロイドが含まれる。式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩と一緒に使用され得るコルチコステロイドの例は、抗炎症活性を有する経口及び吸入コルチコステロイド、並びにそのプロドラッグである。その例には、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、フルチカゾンプロピオネート、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(フルチカゾンフロエート)、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-シアノメチルエステル及び6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-(1-メチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル、ベクロメタゾンエステル(例えば、17-プロピオネートエステルまたは17,21-ジプロピオネートエステル)、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾンエステル(例えば、モメタゾンフロエート)、トリアムシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニド(16α,17-[[(R)-シクロヘキシルメチレン]ビス(オキシ)]-11β,21-ジヒドロキシ-プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン)、ブチキソコートプロピオネート、RPR-106541及びST-126が含まれる。1つの実施形態では、コルチコステロイドにはフルチカゾンプロピオネート、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-シアノメチルエステル及び6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-(1-メチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルが含まれる。1つの実施形態では、コルチコステロイドは6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルである。
【0110】
コルチコステロイドの例には、国際特許出願公開第02/088167号、国際特許出願公開第02/100879号、国際特許出願公開第02/12265号、国際特許出願公開第02/12266号、国際特許出願公開第05/005451号、国際特許出願公開第05/005452号、国際特許出願公開第06/072599号及び国際特許出願公開第06/072600号に記載されているものが含まれ得る。
【0111】
トランス活性化よりもトランスリプレッションに対して選択性を有し得、併用治療において有用であり得るグルココルチコイドアゴニズムを有する非ステロイド性化合物には、以下の公開された特許出願及び特許:国際特許出願公開第03/082827号、国際特許出願公開第98/54159号、国際特許出願公開第04/005229号、国際特許出願公開第04/009017号、国際特許出願公開第04/018429号、国際特許出願公開第03/104195号、国際特許出願公開第03/082787号、国際特許出願公開第03/082280号、国際特許出願公開第03/059899号、国際特許出願公開第03/101932号、国際特許出願公開第02/02565号、国際特許出願公開第01/16128号、国際特許出願公開第00/66590号、国際特許出願公開第03/086294号、国際特許出願公開第04/026248号、国際特許出願公開第03/061651号、国際特許出願公開第03/08277号、国際特許出願公開第06/000401号、国際特許出願公開第06/000398号、国際特許出願公開第06/015870号、国際特許出願公開第06/108699号、国際特許出願公開第07/000334号及び国際特許出願公開第07/054294号に記載されているものが含まれる。
【0112】
抗炎症薬の例には非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が含まれる。
【0113】
NSAIDの例には、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤(例えば、テオフィリン、PDE阻害剤または混合PDE3/PDE4阻害剤)、ロイコトリエンアンタゴニスト、ロイコトリエン合成インヒビター(例えば、モンテルカスト)、iNOS阻害剤、トリプターゼ及びエラスターゼ阻害剤、β-2インテグリンアンタゴニスト、アデノシン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、アデノシン2aアゴニスト)、サイトカインアンタゴニスト(例えば、CCR3アンタゴニストのようなケモカインアンタゴニスト)またはサイトカイン合成のインヒビター、或いは5-リポキシゲナーゼ阻害剤が含まれる。経口投与のためにはiNOS(誘導型一酸化窒素シンターゼ阻害剤)が好ましい。適当なiNOS阻害剤には、国際特許出願公開第93/13055号、国際特許出願公開第98/30537号、国際特許出願公開第02/50021号、国際特許出願公開第95/34534号及び国際特許出願公開第99/62875号に開示されているものが含まれる。適当なCCR3インヒビターには国際特許出願公開第02/26722号に開示されているものが含まれる。
【0114】
1つの実施形態において、本発明は、例えば吸入に適した製剤の場合における式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩とホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤の併用を提供する。PDE4-特異的阻害剤は、PDE4酵素を阻害することが公知であるかまたはPDE4阻害剤として作用することが知られており、または唯一のPDE4阻害剤である化合物であり、PDEファミリーの他のメンバー(例えば、PDE3及びPDE5)及びPDE4を阻害する化合物ではない。
【0115】
上記化合物には、シス-4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン及びシス-[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]が含まれる。別の化合物は、1996年9月3日に付与された米国特許第5,552,438号に記載されているシス-4-シアノ-4-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]シクロヘキサン-1-カルボン酸(シロミラストとしても公知)並びにその塩、エステル、プロドラッグまたは物理的形態である。この特許及びここに開示されている化合物は参照により本明細書に組み入れる。
【0116】
他の化合物には、ElbionからのAWD-12-281(Hofgen,N.ら,1998年9月6〜10日にエジンバラで開催された第15回EFMC Int.Symp.Med.Chem,Abst.P.98;CAS参照番号247584020-9);NCS-613(INSERM)と呼ばれている9-ベンジルアデニン誘導体;Chiroscience and Schering-PloughからのD-4418;CI-1018(PD-168787)として同定され、Pfizerが製造しているベンゾジアゼピンPDE4阻害剤;協和発酵の国際特許出願公開第99/16766号に開示されているベンゾジオキソール誘導体;協和発酵からのK-34;Napp(Landells,L.J.ら,Eur.Resp.J[Annu Cong Eur Resp Soc(1998年9月19〜23日にジュネーブで開催)],1998,12(Suppl.28):Abst P2393)からのV-11294A;ロフルミラスト(CAS参照番号162401-32-3)及びByk-Guldenからのフタラジノン(国際特許出願公開第99/47505号,この開示内容は参照により本明細書に組み入れる);Byk-Gulden(現在Altana)に属し、公開している混合PDE3/PDE4阻害剤であるプマフェントリン、(-)-p-[(4aR*,10bS*)-9-エトキシ-1,2,3,4,4a,10b-ヘキサヒドロ-8-メトキシ-2-メチルベンゾ[c][1,6]ナフチリジン-6-イル]-N,N-ジイソプロピルベンズアミド;Almirall-Prodesfarmaが開発中のアロフィリン;VernalisからのVM554/UM565;またはT-440(田辺製薬;Fuji,K.ら,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1998,284(1):162)及びT2585が含まれる。
【0117】
更なる化合物は国際特許出願公開第04/024728号(Glaxo Group Ltd)、国際特許出願第EP2003/014867号(Glaxo Group Ltd)及び国際特許出願第EP2004/005494号(Glaxo Group Ltd)に開示されている。
【0118】
抗コリン作用薬の例は、ムスカリン受容体でアンタゴニストとして作用する化合物、特にM1またはM3受容体のアンタゴニスト、M1/M3またはM2/M3受容体の二重アンタゴニストまたはM1/M2/M3受容体の全アンタゴニストである化合物である。吸入により投与するための化合物の例には、イプラトロピウム(例えば、臭化物として,CAS 22254-24-6,“Atrovent”の名前で販売されている)、オキシトロピウム(例えば、臭化物として,CAS 30286-75-0)及びチオトロピウム(例えば、臭化物として,CAS 136310-93-5,“Spiriva”の名前で販売されている)が含まれる。レバトロペート(例えば、臭化水素酸塩として,CAS 262586-79-8)及び国際特許出願公開第01/04118号に開示されているLAS-34273も興味深い。経口投与のための化合物の例には、ピレンゼピン(例えば、CAS 28797-61-7)、ダリフェナシン(例えば、CAS 133099-04-4、または“Enablex”の名前で販売されている臭化水素酸塩に対してCAS 133099-07-7)、オキシブチニン(例えば、CAS 5633-20-5,“Ditropan”の名前で販売されている)、テロジリン(例えば、CAS 15793-40-5)、トルテロジン(例えば、CAS 124937-51-5、または“Detrol”の名前で販売されている酒石酸塩に対してCAS 124937-52-6)、オチロニウム(例えば、臭化物として,CAS 26095-59-0,“Spasmomen”の名前で販売されている)、塩化トロスピウム(例えば、CAS 10405-02-4)及びソリフェナシン(例えば、CAS 242478-37-1、またはCAS 242478-38-2、またはYM-905として公知であり、“Vesicare”の名前で販売されているコハク酸塩)が含まれる。
【0119】
他の抗コリン作用薬には米国特許出願第60/487981号に開示されている化合物が含まれ、例えば
(3-エンド)-3-(2,2-ジ-2-チエニルエテニル)-8,8-ジメチル-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタン臭化物、
(3-エンド)-3-(2,2-ジフェニルエテニル)-8,8-ジメチル-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタン臭化物、
(3-エンド)-3-(2,2-ジフェニルエテニル)-8,8-ジメチル-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタン4-メチルベンゼンスルホン酸塩、
(3-エンド)-8,8-ジメチル-3-[2-フェニル-2-(2-チエニル)エテニル]-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタン臭化物、及び/または
(3-エンド)-8,8-ジメチル-3-[2-フェニル-2-(2-ピリジニル)エテニル]-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタン臭化物
が挙げられる。
【0120】
更なる抗コリン作用薬には米国特許出願第60/511009号に開示されている化合物が含まれ、例えば
(エンド)-3-(2-メトキシ-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨウ化物、
3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオニトリル、
(エンド)-8-メチル-3-(2,2,2-トリフェニル-エチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、
3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオンアミド、
3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオン酸、
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨウ化物、
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタン臭化物、
3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロパン-1-オール、
N-ベンジル-3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオンアミド、
(エンド)-3-(2-カルバモイル-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨウ化物、
1-ベンジル-3-[3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-尿素、
1-エチル-3-[3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-尿素、
N-[3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-アセトアミド、
N-[3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-ベンズアミド、
3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-プロピオニトリル、
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨウ化物、
N-[3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-ベンゼンスルホンアミド、
[3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-尿素、
N-[3-((エンド)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-メタンスルホンアミド、及び/または
(エンド)-3-{2,2-ジフェニル-3-[(1-フェニル-メタノイル)-アミノ]-プロピル}-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタン臭化物.
が挙げられる。
【0121】
更なる化合物には、
(エンド)-3-(2-メトキシ-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨウ化物、
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨウ化物、
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタン臭化物、
(エンド)-3-(2-カルバモイル-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨウ化物、
(エンド)-3-(2-シアノ-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨウ化物、及び/または
(エンド)-3-{2,2-ジフェニル-3-[(1-フェニル-メタノイル)-アミノ]-プロピル}-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタン臭化物
が含まれる。
【0122】
抗ヒスタミン薬(H1-受容体アンタゴニストとも称される)の例には、H1-受容体を抑制し、ヒトに使用するために安全であることが公知の各種アンタゴニストの1つ以上が含まれる。第1世代アンタゴニストにはエタノールアミン、エチレンジアミン及びアルキルアミンの誘導体、例えばジェニルヒドラミン、ピリラミン、クレマスチン、クロルフェニラミンが含まれる。非鎮静性である第2世代アンタゴニストには、ロラチジン、デスロラチジン、テルフェナジン、アステミゾール、アクリバスチン、アゼラスチン、レボセチリジン、フェキソフェナジン及びセチリジンが含まれる。
【0123】
抗ヒスタミン薬の例には、ロラチジン、デスロラチジン、フェキソフェナジン、セチリジン、レボカバスチン、オロパタジン、アムレキサノクス及びエピナスチンが含まれる。
【0124】
1つの実施形態において、本発明は、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩をH1アンタゴニストと一緒に含む配合剤を提供する。H1アンタゴニストの例には、非限定的にアメレキサノックス、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、レボセチリジン、エフレチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、サイプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスカルボエトキシロラタジン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、オロパタジン、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジン及びトリプロリジン、特にセチリジン、レボセチリジン、エフレチリジン及びフェキソフェナジンが含まれる。更なる実施形態において、本発明は、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩をH3アンタゴニスト(及び/または逆アゴニスト)と一緒に含む配合剤を提供する。H3アンタゴニストの例には、例えば国際特許出願公開第2004/035556号及び国際特許出願公開第2006/045416号に開示されている化合物が含まれる。式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩と一緒に使用され得る他のヒスタミン受容体アンタゴニストにはH4受容体のアンタゴニスト(及び/または逆アゴニスト)、例えばJablonowskiら,J.Med.Chem.,46:3957-3960(2003)に開示されている化合物が含まれる。
【0125】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩をPDE4阻害剤と一緒に含む配合剤を提供する。
【0126】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩をβ2-アドレナリン受容体アゴニストと一緒に含む配合剤を提供する。
【0127】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩をコルチコステロイドと一緒に含む配合剤を提供する。
【0128】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を別の非ステロイド性GRアゴニストと一緒に含む配合剤を提供する。
【0129】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を抗コリン作用薬と一緒に含む配合剤を提供する。
【0130】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩を抗ヒスタミン薬と一緒に含む配合剤を提供する。
【0131】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物及び/またはその製薬上許容される塩をPDE4阻害剤及びβ2-アドレナリン受容体アゴニストと一緒に含む配合剤を提供する。
【0132】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物及び/またはその製薬上許容される塩を抗コリン作用薬及びPDE4阻害剤と一緒に含む配合剤を提供する。
【0133】
前記配合剤の個々の化合物は、別々のまたは配合医薬製剤でもって逐次または同時に投与され得る。1つの実施形態において、個々の化合物は配合医薬製剤でもって同時に投与される。公知の治療薬の適切な用量は当業者により容易に認識されるであろう。
【0134】
上記した配合剤を医薬製剤の形態で使用するために提供されることが好都合であり得、よって、上記した組合せを製薬上許容される希釈剤または担体と一緒に含む医薬製剤は本発明の更なる態様に相当する。
【0135】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩と別の治療活性物質の組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0136】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩とPDE4阻害剤の組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0137】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩とβ2-アドレナリン受容体アゴニストの組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0138】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩とコルチコステロイドの組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0139】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩と別の非ステロイド性GRアゴニストの組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0140】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩と抗コリン作用薬の組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0141】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩と抗ヒスタミン薬の組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0142】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩とPDE4阻害剤及びβ2-アドレナリン受容体アゴニストの組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0143】
よって、本発明は、更なる態様で、式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩と抗コリン作用薬及びPDE4阻害剤の組合せを含む医薬組成物を提供する。
【0144】
本発明に従う式(I)を有する化合物を製造するための方法は、式(II):
【化6】

【0145】
(式中、R1は式(I)を有する化合物に関して上に定義した通りである)
を有するカルボン酸をアミンHNR3R4(式中、R3及びR4は式(I)を有する化合物に関して上に定義した通りである)とカップリングすることを含む。
【0146】
このカップリングは、例えばHATU(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)を用いて適当な溶媒(例えば、DMF)中、適当な塩基(例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で実施され得る。カップリングは当業界で公知のアミド結合形成に関する別の一般的な条件を用いても実施され得る。
【0147】
或いは、式(I)を有するある化合物は、カルボン酸(II)からまずアミノ酸とカップリングし、次いでアンモニアとカップリングする2つの逐次アミドカップリングにより製造され得る。例えば、カルボン酸(II)を4-ヒドロキシプロリン、次いでアンモニアと逐次カップリングすると、R2
【化7】

【0148】
を表す化合物(I)が得られる。
【0149】
カルボン酸(II)は、適当な保護誘導体(III)
【化8】

【0150】
(式中、R1は式(I)を有する化合物に関して上に定義した通りであり、P1は適当なエステル保護基、例えばベンジルエステルを表す)
を脱保護することにより得られ得る。ベンジル保護基の場合、脱保護をエタノール中で炭素担持パラジウムを用いて水素化分解することにより実施することが好都合であり得る。本発明に従って使用するのに適した別の保護基は当業者に公知であり、都合の良い方法で使用され得る。例えば、T.W.Greene及びP.G.M.Wutsによる“Protective groups in organic synthesis”(John Wiley & sons,1999)及びP.J.Kocienskiによる“Protecting Groups”(Georg Thieme Verlag,1994)を参照されたい。
【0151】
式(III)を有する中間体は、式(IV):
【化9】

【0152】
(式中、R1は式(I)を有する化合物に関して上に定義した通りである)
を有するエポキシドを式(V):
【化10】

【0153】
(例えば、P1は式(III)を有する化合物に関して上に定義したエステル保護基である)
を有する4-アミノ-1-アリールインダゾールと反応させることにより得られ得る。
【0154】
エポキシド開環反応は、例えばエポキシド(IV)及びアミノインダゾール(V)をアセトニトリル溶液中、触媒としてのイッテルビウム(III)トリフレートの存在下で85℃で加熱することにより実施され得る(Synthetic Communications,2003,33,2989-2994及びBioorg.Med.Chem.Letters,2001,11,1625-1628)。
【0155】
式(IV)(式中、R1は5-フルオロ-2-メトキシ-フェニルを表す)を有する化合物は、ラセミ体で国際特許出願公開第04/063163号に記載されており、別々のエナンチオマーとして国際特許出願公開第05/234250号、国際特許出願公開第05/040145号及びBioorg.Med.Chem.Letters,2006,16,654-657に記載されている。
【0156】
式(V)を有する化合物は新規であり、本発明の別の態様を構成し、6-メチル-1H-インダゾール-4-アミン(VI):
【化11】

【0157】
を式(VII):
【化12】

【0158】
(式中、P1は式(III)を有する化合物に関して上に定義したエステル保護基である)
を有するヨウ化アリールと反応させることにより製造され得る。
【0159】
(VI)と(VII)の反応は、トルエン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドを含めた各種溶媒中、銅(I)触媒(例えば、ヨウ化銅(I))、弱塩基(例えば、炭酸カリウムまたはリン酸カリウム)及びアミンリガンド(例えば、L-プロリン、シクロヘキサンジアミン、N,N’-ジメチルシクロヘキサンジアミンまたはN,N’-ジメチルエチレンジアミン)の存在下で60〜160℃の範囲の温度、最も典型的には110℃の温度で実施され得る。代表的な手順は文献:Synthesis,2005,3,496-499,J.Org.Chem.,2004,69,5578-5587及びJ.Am.Chem.Soc.,2001,123,7727-7729に報告されている。
【0160】
或いは、式(V)を有する化合物は、6-メチル-4-ニトロ-1H-インダゾール(VIII)
【化13】

【0161】
をヨウ化アリール(VII)と同様に反応させた後、例えば炭素担持パラジウムを用いる水素化によりニトロ基を還元することにより製造され得る。
【0162】
本発明に従う式(III)を有する化合物を製造するための代替方法は、式(IX):
【化14】

【0163】
(式中、R1は式(I)を有する化合物に関して上に定義した通りである)
を有するアミンを式(X):
【化15】

【0164】
(式中、P1は式(III)を有する化合物に関して上に定義したエステル保護基である)
を有する4-ブロモ-1-アリールインダゾールと反応させることを含む。
【0165】
このカップリング反応は、Buchwald,Topics in Current Chemistry,2002,219,131-209に記載されているタイプのパラジウム触媒を用いて都合よく実施され得る。例えば、カップリング反応は、トルエン中でトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ラセミBINAP(2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル)及びナトリウムtert-ブトキシドを用いて還流温度でまたはマイクロ波加熱しながら実施され得る。
【0166】
式(IX)(式中、R1は5-フルオロ-2-メトキシ-フェニルを表す)を有する化合物はラセミ体で公知である(国際特許出願公開第05/003098号、国際特許出願公開第03/082827号)。式(IX)を有する化合物は、式(IV)を有するエポキシドをベンジルアミンを用いて開環した後水素化分解、例えば触媒として炭素担持パラジウムを用いる水素化分解によりベンジル基を除去することによっても製造され得る。
【0167】
式(IX)を有する化合物の個々のエナンチオマーは、例えばラセミ物質(IX)またはその保護形態(XI):
【化16】

【0168】
(式中、R1は式(I)を有する化合物に関して上に定義した通りであり、P2はエナンチオマー分離後除去される保護基を表す)
をキラルカラムを用いるHPLCにより分離することにより得られ得る。
【0169】
1つの実施形態において、P2はベンジルオキシカルボニル(CBZ)、すなわちベンジル保護基を表す。しかしながら、当業者は代わりに他の保護基を使用することも考えられ得る。CBZ、すなわちベンジル保護基は、例えば適当な触媒(例えば、炭素担持パラジウム)を用いる水素化分解により除去され得る。
【0170】
化合物(XI)中のこの保護基P2が例えば(R)-1-フェニルエチルアミン誘導体(XII):
【化17】

【0171】
(式中、R1は式(I)を有する化合物に関して上に定義した通りである)
の場合のように規定されている立体化学を有する追加のキラル中心を含んでいる場合には、生じたジアステレオマーは非キラルまたはキラル支持体を用いるクロマトグラフィーにより分離され得る。上記したように、異性体を分離した後水素化分解により脱保護すると、化合物(IX)の単一エナンチオマーが得られる。
【0172】
式(XI)を有する化合物は、ラセミアミン(IX)を保護することにより直接製造され得る。或いは、式(XI)及び(XII)を有する中間体はエポキシド(IV)をアミンP2-NH2と反応させることにより製造され得る。
【0173】
エポキシド開環反応は、例えばアミンをエタノール溶液中で50〜80℃で加熱することにより実施され得る。
【0174】
式(X)を有する化合物は新規であり、本発明の別の態様を構成し、式(XIII):
【化18】

【0175】
(式中、P1は式(III)を有する化合物に関して上に定義したエステル保護基である)
を有するヒドラゾンを環化することにより製造され得る。或いは、式(X)を有する化合物は、カルボン酸(XIII,P1=H)を環化した後エステル保護することにより得られ得る。
【0176】
この分子内N-アリール化は、Buchwald,Topics in Current Chemistry,2002,219,131-209に記載されているタイプのパラジウム触媒を用いて実施され得る。例えば、環化は、トルエンまたは1,4-ジオキサン中トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ラセミ-BINAP(2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル)及びリン酸トリカリウムを用いて還流温度で生起し得る。
【0177】
式(XIII)を有するヒドラゾンは、アルデヒド(XIV):
【化19】

【0178】
を式(XV):
【化20】

【0179】
(式中、P1は式(III)を有する化合物に関して上に定義したエステル保護基である)
を有するアリールヒドラジンと反応させることにより製造され得る。
【0180】
或いは、アルデヒド(XIV)を非保護カルボン酸(XV,P1=H)と反応させると、ヒドラゾン酸(XIII,P1=H)が生じ得る。これをエステル化した後環化するとインダゾール(X)が生じ得、または環化した後エステル保護するとインダゾール(X)が生じ得る。
【0181】
アルデヒド(XIV)は公知であり、Lulinski and Serwatowski,J.Org.Chem.,2003,68,5384-5387に記載されているように製造され得る。
【0182】
アリールヒドラジン(XV)は市販されているか、または一般文献記載の手順(例えば、J.Med.Chem.,1991,34,2895;J.Med.Chem.,2000,43:4707;J.Med.Chem.,2003.46:2012参照)に従って対応するアニリンから亜硝酸ナトリウムからその場で生成した亜硝酸で処理した後生じたアリールジアゾニウムイオンを塩化錫(II)を用いて還元することにより製造され得る。
【0183】
式(I)(式中、R1は5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルを表す)を有する化合物は、式(I)(式中、A1は5-フルオロ-2-メトキシ-フェニルを表す)を有する化合物を例えばジクロロメタン溶液中で三臭化ホウ素と反応させることにより、または220℃でマイクロ波加熱しながらN-メチルピロリジノン中でヨウ化リチウムで処理することにより製造され得る。
【0184】
式(I)を有する化合物は、異性体の混合物を合成における中間体として使用したときにはエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物の形態で製造され得る。例えば、式(IV)または(IX)を有する化合物をエナンチオマーのラセミ混合物として使用すると、最終生成物は異性体の混合物である。所望により、これらの異性体を慣用の方法(例えば、キラルカラムを用いるHPLC)により分離してもよい。
【0185】
或いは、異性体を合成の初期に分離してもよい。例えば、式(IV)または(IX)を有する化合物の個々の異性体を使用してもよく、こうすると合成の最終段階としての異性体の分離を不要とし得る。理論的には後者の方法がより効率的であり、従って好ましい。
【0186】
本発明の化合物を含む組成物も本発明の態様を構成する。
【0187】
加えて、式(I)を有する化合物を1つ以上含む製剤の製造も本発明の態様を構成する。
【0188】
生理学的に許容されない式(I)を有する化合物またはその塩の溶媒和物は式(I)を有する他の化合物またはその塩の製造における中間体として有用であり得る。
【0189】
本発明の化合物は予測できる薬物動態的及び薬力学的挙動で良好な抗炎症性を示すと予想され得る。本発明の化合物は、例えばプロゲステロン受容体よりもグルココルチコイド受容体に対する選択性が高いことにより立証される魅力的な副作用プロフィールを有していると予想され、ヒト患者の慣用の治療レジメに適合し得ると予想される。
【0190】
本発明を以下の非限定例により説明する。
【実施例】
【0191】
合成実験
略号
【表1】

【0192】
クロマトグラフィー精製
クロマトグラフィー精製は予め充填したシリカゲルカートリッジを用いて実施した。Flashmaster IIは、使い捨ての順相SPEカートリッジ(2〜100g)を用いるArgonaut Technologies Ltdから入手可能な自動マルチユーザーフラッシュクロマトグラフィーシステムである。勾配方法をランすることができるように四元オンライン溶媒混合を備えている。サンプルは、溶媒、流速、勾配プロフィール及び収集条件を管理する多機能的開架式ソフトウェアを用いて列を作る。このシステムには、Knauer可変波長UV検出器及び自動化ピークカッティング、収集及びトラッキングを可能にする2つのGilson FC204画分コレクターが備えられている。
【0193】
NMR
1H NMRスペクトルは、CDCl3またはDMSO-d6中でいずれも400MHzで作動させるBruker DPX 400、Bruker Avance DRXまたはVarian Unity 400分光計を用いて記録した。使用した内部標準はテトラメチルシランであるかまたはCDCl3の場合7.25ppmまたはDMSO-d6の場合2.50ppmの残留プロトン化溶媒であった。
【0194】
質量分析-分取(Mass Directed Autopreparative)HPLC
系A:
エレクトロスプレーポジティブモード(ES+ve)を用い、ケムステーション32精製ソフトウェアを実行するAgilent 1100シリーズLC/MSDハードウェア。
【0195】
カラム:Zorbax Eclipse XDB-C18 prep HT(直径212×100mm,5μm パッキング)、20ml/分の溶媒スピード。
【0196】
水性溶媒=水+0.1% TFA。
【0197】
有機溶媒=MeCN+0.1% TFA。
【0198】
使用した勾配:
1分間 70% 水(0.1% TFA):30% MeCN(0.1%TFA);化合物を溶離させるために9分間かけて5% 水(0.1%TFA):95% MeCN(0.1%TFA)に増加。
【0199】
系B:
精製はMicromass ZQプラットフォームを用いて実施した。カラムは、5μmの固定相粒子サイズを有する100mm×20mm Supelco LCABZ++であった。
【表2】

【0200】
LCMS系
使用したLCMS系は以下の通りであった:
系A:
カラム:3.3cm×4.6mm内径,3μm Supelco製ABZ+PLUS
流速:3ml/分
注入容量:5μl
温度:室温
UV検出範囲:215〜330nm。
【表3】

【0201】
系B:
カラム:50mm×2.1mm内径,1.7μm Acquity UPLC BEH C18
流速:1mL/分
注入容量:0.5μL
温度:40℃
UV検出範囲:220〜330nm。
【表4】

【0202】
中間体1: 3-(4-アミノ-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)安息香酸フェニルメチル
【化21】

【0203】
6-メチル-1H-インダゾール-4-アミン塩酸塩(0.5g,2.7ミリモル)、3-ヨード安息香酸フェニルメチル(0.9g,2.6ミリモル)、ヨウ化銅(I)(14mg,0.07ミリモル)、炭酸カリウム(1.2g,8.68ミリモル)及びトランス-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(20mg,0.14ミリモル)を一緒にDMF(5mL)中で一晩還流加熱した。混合物を冷却し、水と酢酸エチルの混合物に注ぎ、セライトを介して濾過した。有機相を分離し、第2の酢酸エチル抽出物と合わせ、水及びブラインで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン中1→5% 酢酸エチルの勾配で溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィー(75g)により精製して、標記化合物(0.3g)を得た。
【0204】
1H-NMR:(CDCl3,400MHz)δ 8.46(t,1H),8.10(s,1H),8.06(m,1H),7.96(m,1H),7.61(t,1H),7.49(m,2H),7.42(m,2H),7.38(m,1H),6.96(s,1H),6.31(s,1H),5.44(s,2H),4.15(m,2H),2.42(s,3H)。
【0205】
中間体2: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)安息香酸フェニルメチル
【化22】

【0206】
ラセミ2-{2-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-メチルプロピル}-2-(トリフルオロメチル)オキシラン(国際特許出願公開第04/063163号に従って製造され得る;350mg,1.2ミリモル)、3-(4-アミノ-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)安息香酸フェニルメチル(357mg,1.0ミリモル)及びイッテルビウム(III)トリフレート(124mg,0.2ミリモル)をアセトニトリル(2mL)中に含む混合物を85℃で18時間加熱した。このとき温度が還流温度に達したら、加熱を更に21時間継続した。混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(50mL)と水性炭酸水素ナトリウム(50mL)に分配した。水性層をジクロロメタン(50mL)で再抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をFlashmaster II(50gカートリッジ)を用い、40分間かけて1:1 シクロヘキサン:酢酸エチルの勾配で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を白色固体(424mg)として得た。
【0207】
1H-NMR:(CDCl3,400MHz)δ 8.40(t,1H),8.04-8.07(m,1H),7.97(s,1H),7.91(ddd,1H),7.60(t,1H),7.46-7.49(m,2H),7.35-7.43(m,4H),7.17(dd,1H),6.91-6.99(m,2H),6.85(dd,1H),5.70(幅広s,1H),5.42(s,2H),3.87(s,3H),3.35(d,1H),3.12(d,1H),2.88(d,1H),2.38(s,3H),2.28(d,1H),1.46(s,3H),1.43(s,3H)。
【0208】
中間体3: 3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)安息香酸
【化23】

【0209】
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)安息香酸フェニルメチル(2.33g,3.59ミリモル)をエタノール(75mL)中に懸濁し、炭素担持10% パラジウム(700mg)の存在下、5気圧下室温で16時間水素化した。混合物をセライトを介して濾過し、濾液を蒸発させて、標記化合物(1.85g)を得た。
【0210】
LCMS(系A):tRET=4.06分;MH+=560。
【0211】
中間体4: (4S)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリン
【化24】

【0212】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸(56mg,0.1ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.087mL,0.5ミリモル)及びHATU(40mg,0.105ミリモル)を添加し、混合物を5分間攪拌した。(4S)-4-ヒドロキシ-D-プロリン(26mg,0.2ミリモル)を添加し、混合物を室温で48時間攪拌した。DMFを窒素流下で一晩蒸発させ、残渣をメタノールと1滴の希塩酸を含有するDMSOの1:1混合物中に溶解し、溶液を質量分析-分取(系B)により精製した。生成物を含有する画分を水とジクロロメタン(各々50mL)に分配し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、標記化合物(20.7mg)を得た。
【0213】
LCMS(系A):tRET=3.54分;MH+=673。
【0214】
中間体5: (4R)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリン
【化25】

【0215】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(4R)-4-ヒドロキシ-D-プロリンから中間体4と同様にして製造した。
【0216】
LCMS(系A):tRET=3.63分;MH+=673。
【0217】
中間体6: 1-({[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロプロパンカルボン酸
【化26】

【0218】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸(65mg,0.116ミリモル)をDMF(2.1mL)中に含む溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.101mL)及びHATU(46.3mg)を添加し、混合物を窒素下で10分間攪拌した。1-アミノシクロプロパンカルボン酸(29.3mg)を添加し、混合物を一晩攪拌した。生じた懸濁液をメタノールで希釈し、濾過し、質量分析-分取(系B)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、ジクロロメタンと飽和水性炭酸水素ナトリウムに分配した。水性相を2M 塩酸を用いてpH1に調節し、ジクロロメタン(×3)で抽出し、合わせた有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、疎水性フリットを介して濾過し、蒸発させて、標記化合物(8.1mg)を得た。
【0219】
LCMS(系A):tRET=3.69分;MH+=643。
【0220】
最初のジクロロメタン層を水及びブラインで洗浄した後、疎水性フリットを介して濾過し、蒸発させると、更に28.2mgの標記化合物が得られた。
【0221】
中間体7: 1-({[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロブタンカルボン酸
【化27】

【0222】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸(50mg,0.0894ミリモル)を無水クロロホルム(0.1mL)中に含む溶液に1-クロロ-N,N,2-トリメチル-1-プロペン-1-アミン(11.94mg,0.0894ミリモル)を添加し、混合物を窒素下室温で5分間攪拌した。1-アミノシクロブタンカルボン酸(15.4mg)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.0233mL)を無水クロロホルム(0.1mL)中に含む溶液を添加し、混合物を窒素下室温で2.5時間攪拌した。クロロホルムを窒素流を用いて除去し、残渣をDMSO:メタノール(1:1)の混合物中に溶解し、質量分析-分取(系B)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、ジクロロメタンと水に分配した。水性相をジクロロメタンで再抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥し、蒸発させて、標記化合物(9.4mg)を得た。
【0223】
LCMS(系A):tRET=3.91分;MH+=657。
【0224】
実施例1: N-エチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化28】

【0225】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸(27mg,0.05ミリモル)及びHATU(19mg,0.05ミリモル)をDMF(0.1mL)中に含む溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.02mL,0.1ミリモル)を添加し、混合物を1分間振とうした。次いで、これをエチルアミン(3.38mg,0.075ミリモル)をDMF(0.1mL)中に含む溶液に添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を質量分析-分取(系A)により精製して、標記化合物(9.1mg)を得た。
【0226】
LCMS(系A):tRET=3.81分;MH+=587。
【0227】
実施例2: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-メチルプロピル)ベンズアミド
【化29】

【0228】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(2-メチルプロピル)アミンから実施例1と同様に製造した。
【0229】
LCMS(系A):tRET=3.97分;MH+=615。
【0230】
実施例3: N-シクロプロピル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化30】

【0231】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及びシクロプロピルアミンから実施例1と同様に製造した。
【0232】
LCMS(系A):tRET=3.81分;MH+=599。
【0233】
実施例4: N-シクロペンチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化31】

【0234】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸(21mg,0.0375ミリモル)及びHATU(14.3mg,0.0375ミリモル)をDMF(0.1mL)中に含む溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.007mL,0.0375ミリモル)を添加し、混合物をシクロペンチルアミン(8.09mg,0.095ミリモル)をDMF(0.1mL)中に含む溶液に添加し、室温で一晩攪拌した。次いで、DMSO(0.3mL)を添加し、混合物を質量分析-分取(系A)により精製して、標記化合物(10.4mg)を得た。
【0235】
LCMS(系A):tRET=4.04分;MH+=627。
【0236】
実施例5: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド
【化32】

【0237】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及びエタノールアミンから実施例4と同様に製造した。最初の質量分析-分取から得た粗な生成物を同一の系を用いて再精製し、生じた生成物を含有する画分を約半分の容量にブローダウンし、クロロホルムで希釈し、疎水性フリットに通して、標記化合物を得た。
【0238】
LCMS(系A):tRET=3.57分;MH+=603。
【0239】
実施例6: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド
【化33】

【0240】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(2S)-1-アミノ-2-プロパノールから実施例4と同様に製造した。
【0241】
LCMS(系A):tRET=3.67分;MH+=617。
【0242】
実施例7: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド
【化34】

【0243】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(2R)-1-アミノ-2-プロパノールから実施例4と同様に製造した。
【0244】
LCMS(系A):tRET=3.67分;MH+=617。
【0245】
実施例8: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシブチル)ベンズアミド
【化35】

【0246】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び1-アミノ-2-ブタノールから実施例4と同様に製造した。
【0247】
LCMS(系A):tRET=3.77分;MH+=631。
【0248】
実施例9: N-[(2S)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化36】

【0249】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(2S)-3-アミノ-1,2-プロパンジオールから実施例4と同様に製造した。
【0250】
LCMS(系A):tRET=3.51分;MH+=633。
【0251】
実施例10: N-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化37】

【0252】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(2R)-3-アミノ-1,2-プロパンジオールから実施例4と同様に製造した。
【0253】
LCMS(系A):tRET=3.51分;MH+=633。
【0254】
実施例11: N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化38】

【0255】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(2S)-2-アミノブタンアミドから実施例4と同様に製造した。
【0256】
LCMS(系A):Tret=3.61分;MH+=644。
【0257】
実施例12: N-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化39】

【0258】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及びβ-アラニンアミドから実施例1と同様に製造した。
【0259】
LCMS(系A):tRET=3.46分;MH+=630。
【0260】
実施例13: N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-D-グルタムアミド
【化40】

【0261】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及びD-グルタムアミドから実施例4と同様に製造した。
【0262】
LCMS(系A):tRET=3.34分;MH+=687。
【0263】
実施例14: N-[(1S,2R)-1-(アミノカルボニル)-2-ヒドロキシプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化41】

【0264】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び.L-トレオニンアミドから実施例4と同様に製造した。
【0265】
LCMS(系A):tRET=3.46分;MH+=660。
【0266】
実施例15: N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-L-アスパルトアミド
【化42】

【0267】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び.L-アスパルトアミドから実施例4と同様に製造した。
【0268】
LCMS(系A):tRET=3.34分;MH+=673。
【0269】
実施例16: N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)-3-(メチルチオ)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化43】

【0270】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及びL-メチオニンアミドから実施例4と同様に製造した。
【0271】
LCMS(系A):tRET=3.68分;MH+=690。
【0272】
実施例17: N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化44】

【0273】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及びL-バリンアミドから実施例4と同様に製造した。
【0274】
LCMS(系A):tRET=3.68分;MH+=658。
【0275】
実施例18: N-[(1R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化45】

【0276】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及びD-バリンアミドから実施例4と同様に製造した。
【0277】
LCMS(系A):tRET=3.68分;MH+=658。
【0278】
実施例19: 1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-2-ピペリジンカルボキサミド
【化46】

【0279】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び2-ピペリジンカルボキサミドから実施例4と同様に製造した。
【0280】
LCMS(系A):tRET=3.66分;MH+=670。
【0281】
実施例20: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3R)-2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル]ベンズアミド
【化47】

【0282】
(3R)-3-アミノジヒドロ-2(3H)-フラノン塩酸塩(約18mg,約0.13ミリモル)をN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.04mL)を含有するDMF(0.1mL)中に含む溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.007mL,0.0375ミリモル)、3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸(21mg,0.0375ミリモル)及びHATU(14.3mg,0.0375ミリモル)をDMF(0.15mL)中に含む混合物を添加し、混合物を室温で16時間放置した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣を質量分析-分取(系A)により精製して、標記化合物を得た。
【0283】
LCMS(系A):tRET=3.77分;MH+=643。
【0284】
実施例21: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3S)-2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル]ベンズアミド
【化48】

【0285】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(3S)-3-アミノジヒドロ-2(3H)-フラノン塩酸塩から実施例20と同様に製造した。
【0286】
LCMS(系A):tRET=3.77分;MH+=643。
【0287】
このジアステレオマーの混合物(311mg)を5cm×20cm Chiralpak ADカラム(20μm)を用い、ヘプタン:EtOH(2:8)で75mL/分の流速で溶離させるキラルHPLCにより分割して、実施例21-A(ジアステレオマーA,124.9mg)及び実施例21-B(ジアステレオマーB,115.4mg)を得た。
【0288】
実施例21-A(ジアステレオマーA):分析用キラルHPLC(25×0.46cm Chiralpak ADカラム,ヘプタン:EtOH(1:9)で1mL/分で溶離):tRET=8.7分。LCMS:tRET=3.71分;MH+=643。
【0289】
実施例21-B(ジアステレオマーB):分析用キラルHPLC(25×0.46cm Chiralpak ADカラム,ヘプタン:EtOH(1:9)で1mL/分で溶離):tRET=18.6分。LCMS:tRET=3.71分;MH+=643。
【0290】
実施例22: 1,1,1-トリフルオロ-4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-4-メチル-2-[({6-メチル-1-[3-({(2S)-2-[(メチルオキシ)メチル]-1-ピロリジニル}カルボニル)フェニル]-1H-インダゾール-4-イル}アミノ)メチル]-2-ペンタノール
【化49】

【0291】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(2S)-2-[(メチルオキシ)メチル]ピロリジンから実施例1と同様に製造した。
【0292】
LCMS(系A):tRET=3.85分;MH+=657。
【0293】
実施例23: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(3-フラニルメチル)ベンズアミド
【化50】

【0294】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(3-フラニルメチル)アミンから実施例1と同様に製造した。
【0295】
LCMS(系A):tRET=3.88分;MH+=639。
【0296】
実施例24: N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化51】

【0297】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)アミンから実施例1と同様に製造した。
【0298】
LCMS(系A):tRET=3.65分;MH+=677。
【0299】
実施例25: (3R)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-3-ピロリジノール
【化52】

【0300】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(3R)-3-ピロリジノールから実施例20と同様に製造した。
【0301】
LCMS(系A):tRET=3.60分;MH+=629。
【0302】
実施例26: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチル)ベンズアミド
【化53】

【0303】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチル)アミンから実施例5と同様に製造した。
【0304】
LCMS(系A):tRET=3.71分;MH+=641。
【0305】
実施例27: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メチル]ベンズアミド
【化54】

【0306】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び[(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メチル]アミンから実施例4と同様に製造した。
【0307】
LCMS(系A):tRET=3.54分;MH+=654。
【0308】
実施例28: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化55】

【0309】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及びアンモニアから実施例4と同様に製造した。
【0310】
LCMS(系A):tRET=3.68分;MH+=559。
【0311】
実施例29: (4S)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリンアミド
【化56】

【0312】
(4S)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリン(17.8mg,0.027ミリモル)及びHATU(10.6mg,0.028ミリモル)をDMF(0.3mL)中に含む溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.023mL,0.135ミリモル)を添加し、混合物を10分間攪拌した後、ジオキサン中アンモニア(5M,0.53mL,2.65ミリモル)を添加した。2時間後、更にジオキサン中アンモニア(5M,0.2mL,1ミリモル)を添加し、混合物を更に1時間攪拌し、次いで酢酸エチルと水性炭酸水素ナトリウムに分配した。水性相を酢酸エチルで再抽出し、合わせた有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥し、蒸発させた。残渣(19.8mg)を質量分析-分取(系B)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、ジクロロメタンと飽和水性炭酸水素ナトリウムに分配した。水性相をジクロロメタン(×2)で再抽出し、合わせた有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥し、蒸発させて、標記化合物(10.7mg)を得た。
【0313】
LCMS(系A):tRET=3.45分;MH+=672。
【0314】
実施例30: (4R)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリンアミド
【化57】

【0315】
(4R)-1-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-4-ヒドロキシ-D-プロリン及びアンモニアから実施例29と同様に製造した。
【0316】
LCMS(系A):tRET=3.49分;MH+=672。
【0317】
実施例31: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(3R)-1-メチル-2-オキソ-3-ピロリジニル]ベンズアミド
【化58】

【0318】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸(50mg,0.0894ミリモル)をDMF(1mL)中に含む溶液にHATU(34mg,0.0894ミリモル)を添加し、混合物を10分間攪拌した。次いで、(3R)-3-アミノ-1-メチル-2-ピロリジノン(10mg,0.0894ミリモル)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.031mL,0.179ミリモル)を添加し、混合物を室温で6時間攪拌した。混合物を窒素流下で蒸発乾固し、残渣を質量分析-分取(系A)により精製して、標記化合物(36mg)を得た。
【0319】
LCMS(系B):tRET=1.28分;MH+=656。
【0320】
実施例32: 3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(5-オキソ-3-ピロリジニル)ベンズアミド
【化59】

【0321】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸(30mg,0.0534ミリモル)をDMF(0.6mL)中に含む溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.0464mL)及びHATU(21.3mg)を添加し、混合物を窒素下で10分間攪拌した。4-アミノ-2-ピロリジノン(7.29mg)を添加し、混合物を一晩攪拌した後、メタノール(1.5mL)で希釈し、質量分析-分取(系B)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、ジクロロメタンと飽和水性炭酸水素ナトリウムに分配した。水性相をジクロロメタンで再抽出し、合わせた有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥し、蒸発させて、標記化合物(12.4mg)を得た。
【0322】
LCMS(系A):tRET=3.52分;MH+=642。
【0323】
実施例33: 4-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-2-ピペラジノン
【化60】

【0324】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び2-ピペラジノンから実施例32と同様に製造した。
【0325】
LCMS(系A):tRET=3.47分;MH+=642。
【0326】
実施例34: N-[(1R)-2-アミノ-2-オキソ-1-フェニルエチル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化61】

【0327】
3-[4-({4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2,4-ジメチルペンチル}アミノ)-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル]安息香酸及び(2R)-2-アミノ-2-フェニルエタンアミドから実施例32と同様に製造した。
【0328】
LCMS(系A):tRET=3.78分;MH+=692。
【0329】
実施例35: N-[1-(アミノカルボニル)シクロプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化62】

【0330】
1-({[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロプロパンカルボン酸及びアンモニアから実施例32と同様に製造した。
【0331】
LCMS(系A):tRET=3.56分;MH+=642。
【0332】
実施例36: N-[1-(アミノカルボニル)シクロブチル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
【化63】

【0333】
1-({[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}アミノ)シクロブタンカルボン酸(24mg,0.0365ミリモル)を無水DMF(0.6mL)中に含む溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.0318mL)及びHATU(14.6mg)を添加し、混合物を窒素下で10分間攪拌した。ジオキサン中アンモニア(0.5M,0.75mL)を添加し、混合物を一晩攪拌した後、ジクロロメタンと飽和水性炭酸水素ナトリウムに分配した。水性相をジクロロメタンで再抽出し、合わせた有機抽出物を水、飽和水性クエン酸、水(×2)及びブラインで順次洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥し、蒸発させ、残渣を質量分析-分取(系B)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、ジクロロメタンと飽和水性炭酸水素ナトリウムに分配した。水性相をジクロロメタンで再抽出し、合わせた有機抽出物を水及びブラインで順次洗浄し、疎水性フリットを介して濾過し、蒸発させて、標記化合物を白色固体(10.9mg)として得た。
【0334】
LCMS(系A):tRET=3.70分;MH+=656。
【0335】
生物学的実験
(グルココルチコイド受容体結合アッセイ)
化合物のグルココルチコイド受容体への結合能力を、化合物のAlexa 555蛍光標識したデキサメタゾン誘導体と競合する能力を評価することにより調べた。化合物をDMSO中で溶媒和し、希釈し、直接アッセイプレートに移した。このプレートに蛍光デキサメタゾン及び部分精製した完全長グルココルチコイド受容体をGRタンパク質を安定化させるためのバッファー成分(安定化ペプチド(Panveraカタログ番号P2815))を含む)と一緒に添加し、暗所において室温で2時間インキュベートした。各化合物の結合を、混合物由来の蛍光偏光シグナルの減少を測定して蛍光リガンドの移動を分析することにより評価した。
【0336】
実施例1〜21、21-A及び22〜36は、本アッセイにおいてpIC50>6.5でグルココルチコイド結合を示す。
【0337】
(NFkB活性のグルココルチコイド媒介トランスリプレッション)
ヒトA549肺上皮細胞を、Ray,K.P.,Farrow,S.,Daly,M.,Talabot,F.及びSearle,N.,“Induction of the E-selectin promoter by interleukin 1 and tumour necrosis factor alpha,and inhibition by glucocorticoids”,Biochemical Journal(1997),328:707-15に既に記載されているようにNFkB依存性ELAMプロモーターの末端領域のコントロール下で分泌胎盤アルカリホスファターゼ遺伝子を含むように操作した。
【0338】
DMSOの最終濃度が0.7%であるように化合物をDMSO中で溶媒和し、希釈し、直接アッセイプレートに移した。細胞(40K/ウェル)を添加したら、プレートを1時間インキュベートし、次いで3ng/mlのヒト組換えTNFαを添加した。16時間継続インキュベートした後、405nMでの光学密度の変化を0.7容量のアッセイバッファー(1M ジタノールアミン、0.28M NaCl、0.5mM MgCl2中に溶解させた1mg/mlのp-ニトロフェニルホスフェート)を添加してから経時的に測定することによりアルカリホスファターゼ活性を調べた。用量応答曲線を作成し、ここからEC50値を推定した。
【0339】
実施例1〜21、21-A及び22〜36は、本アッセイにおいてpEC50>8を示す。
【0340】
(プロゲステロン受容体活性のアッセイ)
80%集密度のCV-1細胞のT225フラスコをPBSで洗浄し、0.25% トリプシンを用いてフラスコから剥がし、Sysmex KX-21Nを用いてカウントした。細胞を10% Hyclone、2mM L-グルタメート及び1% Pen/Strepを含有するDMEMを用いて140細胞/μlで希釈し、10% PRb-BacMam及び10% MMTV-BacMamを用いて形質導入した。70mlの懸濁細胞を化合物を所要濃度で含有している白色Nunc 384ウェルプレートの各ウェルに分配した。24時間後、プレートの各ウェルに10μlのSteadyliteを添加した。プレートを暗所において10分間インキュベートした後、Viewluxリーダーを用いて測定した。用量応答曲線を作成し、ここからEC50値を推定した。
【0341】
実施例2〜34は、本アッセイにおいてpEC50<8を示す。
【0342】
上記アッセイにおける活性に従って実施例を記載している場合、例えば異性体の混合物(例えば、ラセミ化合物)中の少なくとも1つの異性体(例えば、エナンチオマー)が記載されている活性を有していると認められる。他のエナンチオマーは類似の活性またはより低い活性を有していたり、全く活性を有していないことがあり、或いは機能アッセイの場合には幾つかのアンタゴニスト活性を有していることがある。
【0343】
文脈が他の方法で必要としない限り、明細書及び以下の請求の範囲を通して単語「含む(comprise)」及び“comprises”及び“comprising”のような変形は指定されている整数またはステップ、或いは一群の整数を含むが、他の整数またはステップ、或いは一群の整数またはステップを排除しないと理解される。
【0344】
本明細書及び請求の範囲の出願は後願の優先権の基礎として使用され得る。後願の請求の範囲は本明細書中に記載されている要件または要件の組合せに向けられ得る。後願の請求の範囲は生成物、組成物、方法または使用クレームの形をとり得、例として、限定することなく以下の請求の範囲を含み得る。
【0345】
本明細書中に記載されている特許及び特許出願明細書は参照により本明細書に組み入れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
R1は5-フルオロ-2-メトキシ-フェニルまたは5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルを表し;
R2は-NR3R4を表し;
R3は水素を表し;
R4は水素、-CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH2CH2OH、-CH2CH(OH)CH3、-CH2CH(OH)CH2CH3、-CH2CH(OH)CH2OH、-CH(CONH2)CH2CH3、-CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(OH)CH3、-CH(CONH2)CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(CH3)2、-CH(CONH2)CH2CH2SCH3、シクロプロピル、シクロペンチル、2-オキソテトラヒドロ-3-フラニル、3-フラニル-メチル、1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチル、(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メチル、1-メチル-2-オキソ-3-ピロリジニル、5-オキソ-3-ピロリジニル、2-アミノ-2-オキソ-1-フェニルエチル、1-(アミノカルボニル)シクロプロピルまたは1-(アミノカルボニル)シクロブチルを表し;或いは
R3及びR4はこれらが結合している窒素原子と一緒になって
【化2】

を形成する]
を有する化合物またはその塩。
【請求項2】
R1が5-フルオロ-2-メトキシ-フェニルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R3が水素を表す請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
R4が-CH2CH3、-CH2CH2OH、-CH2CH(OH)CH3、-CH(CONH2)CH2CH3、-CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH2CH2CONH2、-CH(CONH2)CH(CH3)2、シクロプロピルまたは1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニルを表す請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R4が-CH2CH3、-CH2CH2OH、-CH2CH(OH)CH3または1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニルを表す請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
実施例1〜36のいずれか1つに記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
N-エチル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-シクロプロピル-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド、
3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)-N-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]ベンズアミド、
N-[(1S)-1-(アミノカルボニル)プロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N2-{[3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)フェニル]カルボニル}-D-グルタムアミド、
N-[(1R)-1-(アミノカルボニル)-2-メチルプロピル]-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド、
N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)-3-(4-{[4-[5-フルオロ-2-(メチルオキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチル]アミノ}-6-メチル-1H-インダゾール-1-イル)ベンズアミド
である化合物またはその塩。
【請求項8】
ヒトまたは動物用薬剤中に使用するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項9】
炎症及び/またはアレルギー状態の治療において使用するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項10】
関節リウマチ、喘息、COPD、アレルギー及び/または鼻炎の治療において使用するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項11】
皮膚疾患を有する患者の治療において使用するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項12】
湿疹、乾せん、アレルギー性皮膚炎、神経皮膚炎、そう痒症及び/または過敏反応を有する患者の治療において使用するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項13】
炎症及び/またはアレルギー状態を有する患者の治療用薬剤を製造するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
【請求項14】
関節リウマチ、喘息、COPD、アレルギー及び/または鼻炎を有する患者の治療用薬剤を製造するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
【請求項15】
皮膚疾患を有する患者の治療用薬剤を製造するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
【請求項16】
湿疹、乾せん、アレルギー性皮膚炎、神経皮膚炎、そう痒症及び/または過敏反応を有する患者の治療用薬剤を製造するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
【請求項17】
炎症及び/またはアレルギー状態を有するヒトまたは動物被験体に対して有効量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む前記ヒトまたは動物被験体の治療方法。
【請求項18】
関節リウマチ、喘息、COPD、アレルギー及び/または鼻炎を有するヒトまたは動物被験体に対して有効量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む前記ヒトまたは動物被験体の治療方法。
【請求項19】
皮膚疾患を有するヒトまたは動物被験体に対して有効量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む前記ヒトまたは動物被験体の治療方法。
【請求項20】
湿疹、乾せん、アレルギー性皮膚炎、神経皮膚炎、そう痒症及び/または過敏反応を有するヒトまたは動物被験体に対して有効量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む前記ヒトまたは動物被験体の治療方法。
【請求項21】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を所望により1つ以上の生理的に許容される希釈剤または担体と混合して含む医薬組成物。
【請求項22】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩及び噴射剤としてのフルオロカーボン、水素含有クロロフルオロカーボンまたはその混合物を場合により界面活性剤及び/または共溶媒と一緒に含む医薬エアゾール製剤。
【請求項23】
噴射剤が1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン及びその混合物から選択される請求項22に記載の医薬エアゾール製剤。
【請求項24】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を1つ以上の他の治療活性物質と一緒に含む配合剤。
【請求項25】
他の治療活性物質がβ2-アドレナリン受容体アゴニストである請求項24に記載の配合剤。
【請求項26】
他の治療活性物質が抗ヒスタミン薬である請求項24に記載の配合剤。
【請求項27】
式(II):
【化3】

(式中、R1は式(I)を有する化合物について上に定義した通りである)
を有するカルボン酸をアミンHNR3R4(ここで、R3及びR4は請求項1に定義した通りである)とカップリングすることを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)を有する化合物またはその製薬上許容される塩の製造方法。

【公表番号】特表2010−505910(P2010−505910A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531837(P2009−531837)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060776
【国際公開番号】WO2008/043788
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】