説明

既製杭の保護ソケット、既製杭の埋設方法

【課題】既製杭を吊り上げる際に下端部を保護し、突起部の損傷を防止できる。
【解決手段】鋼管1の軸方向の2つの円周位置に、ボルト孔15を穿設し、筒形状本体16を形成し、その下端1aに、剛性を有する円形の保持用盤12を固着し、ボルト孔15に中心に向けてボルト17螺合して、保護ソケット10とする(b、c)。突起部付きの既製杭22を角材41、41上に並列し(a)、下端23aから筒状本体16を被せる(b)。筒状本体16のボルト孔15にボルト17を螺合し、既製杭22の突起部25の上側に係止めする。上下の8箇所のボルト孔15、15にボルト17を挿入し、第1突起部25Aと第2突起部25Bにボルト17、17を掛止めし(c)、振れの防止のため緩衝材18挿入する(d)。既製杭22を吊り上げた際に、保護ソケット10の落下を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭打機やクレーン等によって地上に置かれた既製杭を吊り込む際に、該既製杭の下端部に損傷をきたすことを防止するための保護ソケット及び保護ソケットを使用した既製杭の埋設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既製杭を使用して基礎杭を構築する場合、工場で製造された既製杭を、トレーラー等で施工現場まで搬送され、既製杭はクレーン等でトレーラーの荷台から下ろして、施工現場内に横に並べて置いていた。施工時には、地上に置かれた既製杭を杭の施工位置まで搬送して、施工が行われる。
【0003】
一般に、杭を構築する段階では、施工現場に固定式の大型のクレーンなどは設置されていない為、既製杭の保管場所から杭の施工場所まで、既製杭を搬送する方法として、杭打ち機を既製杭の保管場所まで移動して既製杭を吊り下げた状態で、杭打ち機を施工位置まで移動する方法もあるが、杭打ち機は走行速度が遅く小廻りもできないため、施工効率が極めて悪かった。
【0004】
そこで、杭打ち機を施工場所付近に待機させ、既製杭にワイヤーをかけ、移動式のクレーンやパワーショベルやバックホウ等によって、杭打ち機で既製杭を扱える位置まで移動させる方法も採られている。
【0005】
また、並べる際には、杭の自重による杭のひび割れ防止等を主目的として、所定の位置に角材などを地面に敷き、角材上に既製杭を並べて、ワイヤーが通し易いように保管されていた。この際、全体を地面から浮かせる他、吊り込み側が地面から浮くように斜めに保管していた。
【特許文献1】特開平09−095940号公報
【特許文献2】特開平01−125427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の方法では、既製杭を吊り上げて移動する場合には、移動距離にもよるが、施工効率等を考慮して、下端側を地盤上で引きずりながら移動することも多く、杭端板やコンクリート部に損傷が生じることがあった。
【0007】
とりわけ、昨今の支持杭が大径化し(例えば、1mを超えるものもある)、長さも長くなる(10m程度もある)傾向にあるので、重量も10t程度にもなり、小型・中型の移動式クレーン等で吊り上げることは困難であり、地盤上を引きずらざるを得ない状況もあった。
【0008】
また、支持力を増すために、下端部に突起部を設けた支持杭も実施されており、突起部分が軸部より大径に形成されるため、吊り込む際には該突起部が引きずられる形となり、突起部のひび割れや欠損等が生じるおそれが問題となっていた。
【0009】
尚、従来から、いわゆる節杭と称する下端部をはじめ全長に亘り突起部を有する既製杭もあったが、いわゆる節杭は、改良地盤での摩擦杭としての利用が中心であり、軸部径(40cm程度)、長さ(10m以下)、重量(数トン程度)であり、重量が少ないので、一般に小型・中型のクレーンなどでも吊り上げて搬送でき、引きずっても大きな欠損が生じるおそれも少なかった。従って、従来のいわゆる節杭を扱っている限りにおいては上記問題点が比較的容易に回避できた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
然るにこの発明では、既製杭の下端部に着脱自在に保護ソケットを構成したので、杭打機やクレーン等によって既製杭を吊り込む際に杭下端部が引きずられても杭体に損傷を与えないようにでき、杭体を保護し、前記問題点を解決した。
【0011】
即ち、保護ソケットの発明は、下端部外面に突起部を有し、該突起部が軸部より大径に形成されたコンクリート製の既製杭であり、かつ杭穴の根固め部に前記突起部を位置させて使用する既製杭の前記突起部の形状を保護する筒状本体であって、該筒状本体は前記突起部に係止して取付けることができる形状とし、前記筒状本体は、少なくとも前記既製杭の最も下側の突起を覆う長さを有し、かつ前記突起部の上側に係止できる形状としたことを特徴とする既製杭の保護ソケットである。
【0012】
また、前記において、筒形状本体は、軸方向に沿って半割りにした2つの筒形状本体片から構成し、両筒形状本体片のフランジを、互いに着脱自在に固定して構成したことを特徴とする既製杭の保護ソケットである。
【0013】
また、前記において、既製杭の下端部を被うことができる内径を有する筒形状本体に、複数のボルト孔を穿設すると共に、該ボルト孔に螺合したボルトの先端を前記既製杭の外面に当接可能とし、前記複数ボルトを、前記既製杭の突起部を係止可能な位置に配置したことを特徴とする既製杭の保護ソケットである。
【0014】
また、方法の発明は、以下の手順で、下端部外面に突起部を有し、該突起部が軸部より大径に形成されたコンクリート製の既製杭を杭打ち機等に吊り込み埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法である。
(1) 前記既製杭は、杭穴の根固め部に前記突起部を位置させて使用する既製杭であって、前記既製杭の製造工場又は施工現場内の保管場所で、前記既製杭に、その下端部であって、少なくとも前記既製杭の最も下側の突起を覆う保護ソケットを、前記突起に係止して取付ける。
(2) 次に、吊り上げ手段等により、前記既製杭の上端部を係止して、前記既製杭を斜めに吊った状態で、杭施工場所に移動する。
(3) 杭施工場所で、前記既製杭の上端部を杭打ち機に取り付ける。
(4)その後、前記既製杭から前記保護ソケットを取り外す。
(5)続いて、前記既製杭を杭穴の根固め部の位置するように、杭穴内に埋設する。
【0015】
また、前記において、既製杭と筒状体との衝撃を防止するため、既製杭の外面と筒状体の内面との間隙に緩衝材を嵌め込むことを特徴とした既製杭の埋設方法である。更に、保護ソケットを取り付ける既製杭は、吊り上げ対象の既製杭及び/又は前記吊り上げ対象の既製杭の周囲に位置する他の既製杭とすることを特徴とする既製杭の埋設方法である。
【0016】
前記における「筒形状本体」とは、正面円形、四角形等の各種筒の他、正面半円状や「4分の1」円状などの部分筒の形状も含む。半円形等の部分円状筒形状本体の場合には、開放側をベルト等の係止手段を使用する。
【0017】
また、前記において「杭打ち機等」とは、杭打ち機やクレーン等既製杭を吊り込む際に使用する機器を指す。
【0018】
この発明は、円筒状の既製杭又は外面に突起を有する既製杭のいずれにも適用できる。また、ここでいう突起とは、長さ方向(軸方向)で外径が変化している既製杭で、凹部又は凸部が形成されている場合の凸側の部分を指す。即ち、長さ方向(軸方向)で外径が変化している既製杭の場合、外径の変化により周囲の杭表面との間に段差を生じており、その段差部分にも同様に適用できる。
【0019】
適用する既製杭がその下端部に突起物がない円筒状の既製杭の場合、既製杭を保護する保護ソケット等の手段は通常は不要であり、既製杭の変形や破損が懸念される特別な場合にのみ使用される。保護ソケットの抜け防止と衝撃防止を確実にするためには、そのソケットの内側に適宜の厚さの弾性体又は緩衝用の突起を形成し、既製杭に保護ソケットを固定する際に、保護ソケットの内面側を押圧して固定することが望ましい。
【0020】
また、従来のいわゆる節杭のように、既製杭の全長に亘って環状突起を形成し、地層全体からの周面摩擦力を利用する場合には、その多数の環状突起の一部が破損しても杭基礎全体の支持力等に与える影響は実用上少ない。
【0021】
しかし、既製杭の一部である下端部に、鉄筋構造、スパイラル形状あるいはコ
ンクリートの節形状等の環状突起等により、杭の軸方向で外径が変化して凹凸を形成している場合、即ち、斜面状に徐々に外径が変化している段差部又は直角状に急激に外径が変化する段差部を形成した場合、杭穴に形成した拡底部内に高固化強度のソイルセメントを充填して拡底根固め部とし、既製杭を、拡底根固め部にその環状突起等の凹凸(段差部)が位置するように埋設する場合がある。この場合には、高固化強度のソイルセメントを充填した拡底根固め部内にこの環状突起を位置させて沈設することにより、通常の約2倍程度の高い支持力を発揮でき、環状突起の破損、変形が支持力等に与える影響が大きく、環状突起の破損、変形しないような施工管理が重要となる。従って、このような既製杭の場合に、この発明の保護ソケット又は吊り込み方法を適用する利点が強く発揮される。
【発明の効果】
【0022】
地面上に置かれた既製杭において、該既製杭の上端部にワイヤーを巻回して、クレーン、杭打機等で引き寄せたり、吊り上げるような場合に、該既製杭の下端部を保護ソケットで防護しているため、既製杭が、並列した他の既製杭に衝突した場合、地面に当たった場合、石及び掘削装置等の障害物に当たった場合等であっても、既製杭自体の損傷、特に継手部の損傷を防止できる効果がある。また、既製杭の下端部を保護ソケットを覆うと、必然的に下端の継手部も保護することになり、継手部に泥土が付着することも防止でき、既製杭の溶接連結時の清掃作業を簡略化できる効果がある。
【0023】
また、保護ソケットの着脱作業は、通常の既製杭の施工作業とは別途に必要であるため、なるべく少ない数の保護ソケットとすることが望ましいので、通常は吊り上げ対象(移設対象)の既製杭のみに適用することにより、少ない作業で大きな効果が期待できる。吊り上げ対象の既製杭ではなく、吊り上げ対象の既製杭の周囲に位置して、地面に載置してある既製杭に保護ソケットを適用することもできる。この場合には、突起部自体を保護ソケットで覆う場合の他、突起部の一部である段差部を保護することが有効となる。また、保護ソケットの長さを長くする等調節すれば、突起部及び段差部の両方を保護することができ、有効な既製杭の保護を図ることができる。
【0024】
とりわけ、突起部付きの既製杭の場合、クレーン等で吊り上げる際に、地面に接触する突起部が保護ソケットによって保護されているため、突起部のひび割れ、破壊を防止できる効果がある。
【0025】
即ち、既製杭の下端部に突起等が形成され、特にその形状が単なる円筒状でなく変形しやすい突起物が形成されている場合、その形状保護に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、既製杭の下端部を被うことができる内径を有する筒形状本体に、既製杭との着脱手段を設けて、保護ソケットを構成する。
【0027】
着脱手段として、筒形状本体を軸方向に2分割して、フランジで接合して構成した場合には、筒形状本体の内径を既製杭の最大外径と略同一とすれば、フランジを強く締め付けることにより、保護ソケットを既製杭に密着して取り付けできる。また、筒形状本体の内径を既製杭の最大外径より十分大きくした場合、筒形状本体の内面にゴムなどのクッション材を、全面に、円周方向で環状に、軸に沿った筋状に、あるいは散点的に設けることにより、同様に密着し係止できる。
【0028】
尚、既製杭の表面に突起物等が形成されている場合は、その突起物を変形させない程度の厚さと強度のクッション材とするように選定することが必要である。
【0029】
また、着脱手段として、既製杭の最大外径より十分大きな内径を有する鋼管から筒形状本体を形成し、筒形状本体の中心に向かってボルトを貫通させて、ボルトを締めて既製杭に係止する構成も考えられる。この構成は、主に突起部付きの既製杭の場合に有効である。
【0030】
また、筒形状本体を軸に沿った方向に2分割した半筒形状体の一方だけを用いて、前記筒形状本体として、同様に既製杭との着脱手段を設けて、既製杭の下端部半面等の特定の外側面を覆う保護ソケットとして構成することもできる。
【0031】
また、前記における保護ソケット10の所定長さL(図1等)としては、既製杭の吊り上げ移設時における既製杭の吊り上げ高さH(図4)と、更にその吊り上げ時に地面を引きずる寸法を、実際の作業でのばらつき範囲等から考慮したとき、少なくとも既製杭の最大外径の約2倍以上の範囲で確保することが望ましい。また、所定長さLとして、既製杭の下端部に突起部(主に、支持力に寄与する)が形成されている場合には、既製杭の下端より少なくとも突起1個分を被うことができる長さが確保されていれば、更に保護ソケット10による既製杭の形状の保護は確実に実現される。
【0032】
また、吊り上げて移設する対象の既製杭で、移設時に最も破損し易い部分は、当該既製杭の突起部、即ち周囲に較べて外径が大きくなるように変化している段差部分の大径側であり、この部分を確実に保護することが肝要である。
【0033】
また、保護ソケットを多量に用意できる場合には、吊り上げ対象の既製杭には保護ソケットを取り付けずに、移設対象の既製杭の周囲に並べられた既製杭に保護ケースを取付けることもできる。この場合、保護ソケットを取付ける突起部の下側の面を保護するように装着することが必要となるので、突起物の全体を覆う保護ソケットが有効である。
【0034】
また、吊り上げる対象の既製杭及び、周囲の既製杭の両方に保護ソケットを取り付けることもできる。
【実施例1】
【0035】
図1〜3に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0036】
[1]保護ソケット10の構成
【0037】
使用する既製杭の下端部の最大外径Dより大径の内径D、長さLを有する鋼管1を、軸方向に半割りにし、断面半円状の鋼管片2、2の両切断線3、3に沿って接合用のフランジ4、4を連設する。フランジ4に透孔5、5を穿設して、筒形状本体片6、6を形成する。筒形状本体片6の内面にクッション材(各種合成ゴムなど)7、7を固定する。
【0038】
2つの筒形状本体片6、6を、フランジ4、4を合わせ、連通する透孔4、4に、夫々ボルト8を挿通してナット9を螺合緊結して、2つの筒形状本体片6、6を固定して、保護ソケット10を構成する(図1(a)(b))。
【0039】
鋼管1は、既製杭の外径D=600mm程度であった場合、
長さL=2m程度
内径D=630mm程度(外径は650mm程度)
に形成する。
【0040】
また、前記における透孔5は、着脱効率及び確実性を考慮して、1つのフランジに対して通常2つづつ形成するが、1つあるいは3つ以上とすることもできる。
【0041】
[2]既製杭の建て込み
【0042】
(1) 工場からトレーラーなどで搬送された既製杭としての円筒パイル(PHC杭、PRC杭、SC杭等)20、20は、構築現場の敷地内外の保管場所で、並べた角材41、41上に載せ、地面40から浮いた状態で並列する。この際、クレーンなどを使用して並べられる(図2)。
【0043】
(2) 角材41、41上に載置された円筒パイル20、20の下端部(吊り込み側とは反対側)21に保護ソケット10の一方の筒形状本体片6Aを既製杭の下端部の下方の地面41に、内面を上にして置く。次に、上方から内面を下に向けた他の筒形状本体片6Bを円筒パイル20の下端部に被せる。
【0044】
次に、地面に置いた筒形状本体片6Aを持ち上げ、両筒形状本体片6A、6Bのフランジ4、4を合わせ、連通した透孔5、5に下方からボルト8を挿通し、ナット9を螺合緊結して、両筒形状本体片6A、6Bを連結する。
【0045】
この際、筒形状本体片6A、6Bの内面にクッション材7、7を固着したので、筒形状本体片6A、6Bの内面と円筒パイル20の外面との間に、クッション材7が介在し、筒形状本体片6A、6Bの内面が円筒パイル20に当接することが無く、円筒パイルの外面を柔軟に包むことができ、保護ソケット10に衝撃が加えられた場合であっても、衝撃を吸収できる。
【0046】
(3) 次に、円筒パイル20を使用する際に、円筒パイル20の上端部(吊り込み側)に、ワイヤー29を巻き掛け、小型の吊り上げ装置等のフック28にワイヤー29の端を掛けて、円筒パイル20の上端部21aを持ち上げる(図4(a))。クレーン車で、円筒パイル20を引き出し、杭打ち機30が待機する円筒パイル20の施工位置まで搬送し、所定位置の地面40に横に寝かせて置く。この際。小型の吊り上げ装置は小廻りが利くので、円筒パイル20、20を効率良く引き上げ、搬送できる。
【0047】
この際、円筒パイル20の下端部21側は地面上にあり、引きずられることがあるが、保護ソケット10により、地面40あるいは隣接の円筒パイル20等からの衝撃を受けることが無いので、直接に円筒パイル20自体に損傷を与えることは無く、円筒パイル20の下端部21を保護できる。
【0048】
(4) 施工位置で、運ばれて地面40に横に置かれた円筒パイル20の吊りワイヤー29を杭打ち機30に支持して、円筒パイル20を立てながら、円筒パイル20の上端部21aを杭打機30のオーガー31の下部の杭保持キャップ32に嵌合する(図4(b))。この際にも、円筒パイル20の下端部21側を多少引きずるが、同様に、保護ソケット10により円筒パイル20の下端部21を保護できる。
【0049】
その後、円筒パイル20が杭打ち機30で縦に保持され、円筒パイル20の吊り込みに先だって掘削された杭穴34の上方に、円筒パイル20を位置させる。次に、円筒パイル20の下端部21に固定されている保護ソケット10のボルト8、8を外して、筒形状本体片6A、6Bを分離して取り外す(図4(c))。
【0050】
(5) 続いて、通常の円筒パイル20の施工と同様に、杭穴34に、円筒パイル20を挿入し、円筒パイル20を沈設する。この際、下杭が既に杭穴34に有る場合には、下杭の上端と円筒パイル20の下端とを連結する。
【0051】
また、多数の円筒パイル20、20を連結する場合においても、夫々の円筒パイル20を吊り込む際には、各円筒パイル20の下端部に保護ソケット10を取付けて作業をすると確実に円筒パイル20、20を保護できる。
【0052】
[3]他の実施例
【0053】
(1) 前記実施例において、施工面の状況及び挿入のし易さの都合から保護ソケット10の下端部21に、鋼管外径よりも大きい外径Dを有する中空又は閉塞の円盤状で剛性を有する保持用盤12を固着しておくこともできる(図1(a)(b)鎖線図示)。保持用筒12の材質は、必要によりゴム等のクッション性を有する材料とする場合もある。
【0054】
また、前記実施例において、ボルト8又はナット9を、フランジ4、4に予め係止した状態で、取付けておくこともできる(図示していない)。この場合には、ナット9又はボルト8の螺合作業を簡略化できる。
【0055】
(2) 前記実施例において、小型吊り上げ装置を使用したが、杭の保管場所と施工場所(杭打ち機の待機場所)とが近い場合には、杭打ち機30の杭吊りフック33を直接に円筒パイル20のワイヤー29に係止して、吊り上げることもできる。また、この場合でも、杭打ち機30の近くまで、円筒パイル20は下端部21が地面40にある状態で斜めに運ばれるが、保護ソケット10により同様に円筒パイル20の下端部21を保護できる。
【0056】
前記における保護ソケット10の円筒パイル20への装着は、工場出荷時、現場搬入時、保管場所で並べてある時、施工時直前等任意である。
【実施例2】
【0057】
本実施例では、突起部25付きの既製杭22を使用した例について示す(図5)。
【0058】
[1]保護ソケット10の構成
【0059】
使用する既製杭の下端部の最大外径(通常は最大の突起部)Dより大径の内径D、長さLを有する鋼管1の軸方向の2つの円周位置(鋼管1の下端1aからL、Lの位置)14、14aに、夫々ボルト孔15、15を穿設し、筒形状本体16を形成する。尚、長さLの寸法は、保護ソケットの係止め強度、装着作業の容易さ、及び既製杭の保護のために、少なくとも、その既製杭の最も下側の突起を覆う長さが必要であり、複数即ち2個以上の突起を覆う長さが確実性のためにより望ましい。1つの円周位置14(14a)夫々で、等間隔に4箇所に、ボルト孔15、15形成する。
【0060】
筒形状本体16の鋼管1の下端1aに、剛性を有する円形の保持用盤12を固着し、筒形状本体16のボルト孔15、15内に、外側から筒形状本体16の中心に向けて、ボルト17、17を螺合して、保護ソケット10を構成する(図1(b)(c))。
【0061】
この発明の実施に使用する突起部付きの既製杭22は、
杭長10m、
下軸部23の外径600mm
上軸部24の外径700mm
突起部25の径750mm(=D)で、
下軸部23の先端23aから500mm、1500mm、2500mmの位置に、夫々第1突起部25A、第2突起部25B、第3突起部25Cを設け、第2突起部25Bから連続して上軸部24、下軸部23が形成されている(図5(a))。
【0062】
この突起部付きの既製杭22を使用する場合、
既製杭22の下端部の最大径D=750mmとなる。
【0063】
この場合、例えば、
鋼管1の長さL=2m、内径D=800mm、
円周位置14、14aまでの距離
=700mm、
=1700mm
と設定する。尚、保持用盤12の径Dは、鋼管と略同径あるいは若干大径とし、施工する現場の状況により適宜使い分ける。
【0064】
[2]既製杭22の建て込み
【0065】
(1) 前記規格形状の突起部付きの既製杭22を、前記実施例1と同様の手順で、構築現場に搬入し、保管位置の角材41、41上に、地面から浮いた状態で並列する(図5(a))。
【0066】
(2) 角材41上に載置された突起部付きの既製杭22の下端(吊り込み側とは反対側)23aから保護ソケット10を被せる(図5(b))。
【0067】
保護ソケット10(鋼管1)のボルト孔15、15が、既製杭22の第1突起部25Aの上側と第2突起部25Bの上側とに、夫々位置するように、保護ソケット10を配置し、ボルト孔15、15にボルト17を夫々螺合挿入し、既製杭22の突起部の上側に掛止めする。上下の8箇所のボルト孔15、15にボルト17を挿入し、第1突起部25Aと第2突起部25Bにボルト17、17を掛止めし、既製杭22を吊り上げた際に保護ソケット10が落下することを防止する(図5(c))。
【0068】
また、保護ソケット10の鋼管1の上端側内面と既製杭20の外面との間隙が生じるため、鋼管1内で既製杭22が移動する(振れる)ことを防止するため、鋼管1の上端1bの内面と既製杭22の外面との間に断面三角形状の木材からなる緩衝材18、18を対称位置の2箇所に挿入する。以上のようにして、突起部付きの既製杭22に保護ソケット10を取付ける(図5(d))。
【0069】
尚、突起部が変形し易い形状である場合には、保護ソケットを突起で係止めできないため、緩衝材18として、保護ソケットの固定を目的として、滑り止めの密着機能も保有するゴム材等を使用して、突起を保護する厚さと強度を有する形状と材料を選定することが必要である。
【0070】
(3) 次に、下端部に保護ソケットを取付け覆った既製杭22を施工する際には、前記実施例1と同様に、突起部付きの既製杭22の上端部にワイヤー29を巻回し、杭打機30の杭吊りフック33を、ワイヤー29に係止し、既製杭22を吊り上げる(図6(a))。
【0071】
突起部付きの既製杭22の上端部を引上げ、杭打機30側に既製杭22を引き寄せる際に、既製杭22の下端部は引きずられることになるが、下端部には保護ソケット10が取付けられているため、既製杭22自体、特に突起部25、25に損傷を与えることがない。
【0072】
また、保護ソケット10の鋼管1の下端1aには、鋼管1の外径と略同径又は若干大径の保持用盤12が固着されているため、鋼管1の側面が引きずられるのではなく、保持用盤12が引きずられるため、さらに既製杭22の損傷を防止できる。
【0073】
吊り上げられた既製杭22の上端部を、杭打機30のオーガー31下部の杭保持キャップ32に嵌合した後、地面40上に既製杭22を接地させる(図6(b))。続いて、保護ソケット10のボルト17、17を外して、既製杭22を引上げる。このとき、鋼管1の上端1b側に挿入されている緩衝材18、18は、既製杭22の引上げと同時に抜け落ちる。続いて、既製杭22を引き上げて、下方から保護ソケット10を引抜く。
【0074】
(4) その後、既製杭22の吊り込みに先だって掘削された杭穴位置に、既製杭22を移動し、杭穴34に挿入する(図6(c))。
【0075】
これによって、既製杭の下端の外側面に形成されているため、損傷を受け易い突起部付きの既製杭22の突起部25、25を保護することができ、基礎杭の支持構造として支持力・摩擦力に重要な役割を担う突起部25、25が健全な状態で杭穴34内に埋設することができる。
【0076】
[3]他の実施例
【0077】
(1) 前記実施例において、ボルト孔15は、1つ円周位置14(14a)に4箇所づつ設けたが、少なくとも3箇所を略等間隔に設ければ、既製杭22の所定位置に保護ソケット10を保持できるので、少なくとも3箇所に形成すれば、ボルト孔15の数は問わない(図示していない)。
【0078】
また、前記実施例において、ボルト17(ボルト孔15)の位置は、既製杭22の2つの突起部25B、25Cの上側としたが、保護ソケット10が、既製杭22の下方から脱落しなければ、他の位置に設けることもできる。例えば、「1つの突起部25A(25B)を挟んで上側と下側」「第1突起部25Aの上側と第2突起部25Bの下側」「第1突起部25Aの下側と第2突起部25Bの上側」等に配置することもできる(図示していない)。
【0079】
また、ボルト孔15(ボルト17)は、既製杭22のいずれかの突起部25の上側で、1つの円周位置14(14a)に形成することもできる(図示していない)が、係け止めの位置及び確実性の観点から、上下の円周位置14、14aの2箇所に形成することが望ましい。
【0080】
また、ボルト孔15は、使用する複数種類の既製杭22の突起部25の位置に対応して、多数形成しておき、使う既製杭22に応じて、ボルト孔15、15を選択して使用して、ボルト17、17を螺合することもできる(図示していない)。
【0081】
また、前記実施例においてボルト17及びボルト孔15を使用したが、代わりに透孔及びピン等の止め部品を使用して、透孔にピン等を嵌挿することもできる(図示していない)。透孔及びピンの組合せは、ボルト孔(透孔)のメンテナンス及び作業性からも望ましい。
【0082】
(2) また、前記実施例において、半割り(正面半円状)の鋼管片2の一端を半円板26で塞ぎ、筒形状本体6を構成し、他端側の内面に弾性体を突設し、弾性体の上方に開口にベルト(着脱手段)36を取り付けて、保護ソケット10とすることもできる(図7)。この場合には、角材41の上に横に並べた既製杭22の下端部の突起部25の下側に、保護ソケット10を被せて、突起部25の下側を覆い、弾性体27を既製杭22の軸部に当接して、ベルト36を軸部に廻して、保護ソケット10を取付ける(図7(a)〜(c))。この際、ベルト36は、突起部25の近傍、既製杭22の先端から遠い側に配置されるので、突起部25に係止して、保護ソケット10が既製杭22から外れるおそれがない(図7(a)(b))。
【0083】
また、この場合、2つの突起部25、25の全体を覆う鋼管片2から筒形状本体6を形成し、保護ソケット10を構成することもできる(図8)。
【0084】
(3) また、前記実施例において、鋼管1や鋼管片2から筒形状本体6を構成したが、木質材料等他の材料から同様の形状に形成することもできる。これは、実施例1についても同様である。
【0085】
例えば、車両等のタイヤ43から筒形状本体6を構成することもできる(図9)。また、タイヤは種々の径があるので、適宜選択して利用できる。
【0086】
タイヤ43を使用済みの古タイヤとすれば、破棄物を再利用できるので、原価もかから無いと共に、環境保全に貢献できる。また、タイヤ43は軽量であるので、既製杭への着脱が容易である。
【0087】
この場合には、タイヤ43の一部を切欠いて、筒形状本体6を形成し、ベルト(着脱手段)44、44を取り付け、保護ソケット10を構成する(図9(c))。この場合、タイヤ43の内側に、緩衝材を入れることが望ましい(図示していない)。保護ソケット10を捻り、角材41、41の上に横設した既製杭22の軸部に嵌挿して、ベルト44、44を軸部に廻して縛り、保護ソケット10を取付ける(図9(b))。この場合、突起部25、25の間に取り付ければ、突起部25に係止して、保護ソケット10が外れるおそれがない。保護ソケット10は切欠きが形成されているので、多くの種類の口径の既製杭22に対応できる。
【0088】
また、ここで、既製杭22の突起部25より先端側に取り付ける場合には、突起部25を跨いでベルト44、44を係止する(図9(d))。また、保護ソケット10を突起部そのものに被せて、係止することもできる(図9(a)鎖線図示10)。
【0089】
また、ここで、着脱手段として、ベルト44を使用したが、ボルト等他の材料を使用することもできる(図示していない)。
【0090】
また、タイヤ43そのものから保護ソケット10を構成し、既製杭22の先端部に弾性嵌装することもできる(図9(b))。この場合には、タイヤ43の弾性力が着脱手段を構成する。
【0091】
また、保護ソケット10を適用する突起部25は、軸方向の長さが短い突起部25a、軸方向の長さが長い突起部25bの何れであっても適用できる(図11)。とりわけ、既製杭の22の下端側に長い突起部25bが形成されている場合、形成される段差部38のみに保護ソケット10を取付けることができる(図11(a))。あるいは、突起部25bの段差部38と共に、先端側の突起部25の段差部38a、38aを含めた全体に保護ソケット10を取付けることもできる(図11(b)(c))。
【0092】
(4) また、前記実施例において、端板49に連結用の環状凹部50及び環状凹部50の底に取付用のねじ穴51、51を有する既製杭22(図10(a))に適用する場合の保護ソケット10について説明する。
【0093】
この場合、ゴムバンド基材45の内側に環状凹部50に嵌合できる突条47を有し、突条47内面に、既製杭22のねじ穴51に対応した突起47、47を突設して保護ソケット10を構成する(図10(b))。ゴムバンド基材45は、既製杭22の外径円周長さに対応した長さLを有する。また、ゴムバンド基材45は、突条46を内側にして湾曲して、筒形状に形成すれば、取り付け易い。
【0094】
この保護ソケット10は、既製杭22の環状凹部50に巻き付けながら、突起47、47をねじ穴51,51に嵌挿しつつ、突条46を環状凹部50に嵌挿して取付ける(図10(c))。このようにして、筒形状の保護ソケットが形成される。この保護ソケット10を使用することにより、既製杭22の保護ができると共に、通常養生が必要な、ねじ穴51を保護ソケット10で覆うので、別途養生を施す手間が省ける。
【0095】
また、この保護ソケット10は、端板49に連結用の環状凹部50及び環状凹部50の底に取付用のねじ穴51、51を有する既製杭であれば、突起部25の有無に拘わらず適用できる(図示していない)。
【0096】
(5) また、前記実施例において、突起部を有する既製杭22は、上記構造に限らない。例えば、全長に亘り同径の軸部に、全長に亘り、所定間隔毎に突起部25を形成した突起部付きの既製杭とすることもできる(図示していない)。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】(a)は実施例1の平面図、(b)は同じく正面図、(c)は実施例2の平面図、(c)は同じく正面図である。
【図2】実施例1で、既製杭を保管位置で並べた状態の斜視図である。
【図3】実施例1で、(a)は保管位置の既製杭の一部正面図、(b)〜(c)は保護ソケットを装着する手順を表す正面図である。
【図4】(a)〜(b)は、実施例1で、既製杭を保管位置から杭打ち機に装着するまでを説明する正面図である。
【図5】実施例2で、(a)は保管位置の既製杭の一部正面図、(b)は保護ソケットを配置した状態の一部正面図、(c)は保護ソケットを装着後の保護ソケットを破切した一部正面図、(d)は緩衝材を使用した実施例で、保護ソケットを装着後の保護ソケットを破切した一部正面図を表す。
【図6】(a)〜(b)は、実施例2で、既製杭を保管位置から杭打ち機に装着するまでを説明する正面図である。
【図7】(a)はこの発明の他の実施例で、既製杭に保護ソケットを取り付けた状態の正面図、(b)は同じく保護ソケットのみを破切した正面図、(c)はA−A断面図である。
【図8】この発明の他の実施例で、既製杭に保護ソケットを取り付けた状態で、保護ソケットのみを破切した正面図である。
【図9】(c)はこの発明の他の保護ソケットの平面図、(a)(b)(d)は既製杭に保護ソケットを取り付けた状態の正面図である。
【図10】(a)はこの発明の他の実施例に使用する既製杭の正面図、(b)は既製杭に保護ソケットを取り付け途中の正面図、(c)は既製杭に保護ソケットを取り付けた状態の正面図である。
【図11】(a)〜(c)は、この発明の保護ソケットを付けた状態の他の既製杭の実施例の正面図である。
【符号の説明】
【0098】
1 鋼管
1a 鋼管の下端
1b 鋼管の上端
2 鋼管片
3 鋼管の切断線
4 フランジ
5 透孔
6 筒形状本体片
7 クッション材
8 ボルト
9 ナット
10 保護ソケット
12 保持用盤
12a 保持用盤片
13 保持用盤の開口
14、14a 円周位置
15 ボルト孔
16 筒形状本体
17 ボルト
18 緩衝材
20 円筒パイル(既製杭)
21 円筒パイルの下端部
22 突起部付きの既製杭
23 既製杭の下軸部
24 既製杭の上軸部
25、25A、25B、25C、25a、25b 既製杭の突起部
29 ワイヤー
30 杭打ち機
34 杭穴
36 ベルト
38、38a 段差部
40 地面
41 角材
43 タイヤ
44 ベルト
45 ゴムバンド基材
46 突条
47 突起
50 既製杭の環状凹部
51 既製杭のねじ穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部外面に突起部を有し、該突起部が軸部より大径に形成されたコンクリート製の既製杭であり、かつ杭穴の根固め部に前記突起部を位置させて使用する既製杭の前記突起部の形状を保護する筒状本体であって、該筒状本体は前記突起部に係止して取付けることができる形状とし、前記筒状本体は、少なくとも前記既製杭の最も下側の突起を覆う長さを有し、かつ前記突起部の上側に係止できる形状としたことを特徴とする既製杭の保護ソケット。
【請求項2】
筒形状本体は、軸方向に沿って半割りにした2つの筒形状本体片から構成し、両筒形状本体片のフランジを、互いに着脱自在に固定して構成したことを特徴とする請求項1記載の既製杭の保護ソケット。
【請求項3】
既製杭の下端部を被うことができる内径を有する筒形状本体に、複数のボルト孔を穿設すると共に、該ボルト孔に螺合したボルトの先端を前記既製杭の外面に当接可能とし、前記複数ボルトを、前記既製杭の突起部を係止可能な位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の既製杭の保護ソケット。
【請求項4】
以下の手順で、下端部外面に突起部を有し、該突起部が軸部より大径に形成されたコンクリート製の既製杭を杭打ち機等に吊り込み埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法。
(1) 前記既製杭は、杭穴の根固め部に前記突起部を位置させて使用する既製杭であって、前記既製杭の製造工場又は施工現場内の保管場所で、前記既製杭に、その下端部であって、少なくとも前記既製杭の最も下側の突起を覆う保護ソケットを、前記突起に係止して取付ける。
(2) 次に、吊り上げ手段等により、前記既製杭の上端部を係止して、前記既製杭を斜めに吊った状態で、杭施工場所に移動する。
(3) 杭施工場所で、前記既製杭の上端部を杭打ち機に取り付ける。
(4)その後、前記既製杭から前記保護ソケットを取り外す。
(5)続いて、前記既製杭を杭穴の根固め部の位置するように、杭穴内に埋設する。
【請求項5】
既製杭と筒状体との衝撃を防止するため、既製杭の外面と筒状体の内面との間隙に緩衝材を嵌め込むことを特徴とした請求項4記載の既製杭の埋設方法。
【請求項6】
保護ソケットを取り付ける既製杭は、吊り上げ対象の既製杭及び/又は前記吊り上げ対象の既製杭の周囲に位置する他の既製杭とすることを特徴とする請求項4記載の既製杭の埋設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−175058(P2008−175058A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54250(P2008−54250)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【分割の表示】特願2003−87656(P2003−87656)の分割
【原出願日】平成15年3月27日(2003.3.27)
【出願人】(000176512)三谷セキサン株式会社 (91)
【Fターム(参考)】