説明

映像音声管理装置、再生装置、及び映像音声管理システム

【課題】仕様が異なる複数の映像音声管理装置が、縮小コンテンツを格納した映像音声画像再生装置から実体コンテンツに、認証が必要な環境において、アクセスすることを可能にする。
【解決手段】第一及び、第二の不揮発性記憶装置が接続された映像音声画像管理装置は、第一の不揮発性記憶装置から第二の不揮発性記憶装置に映像音声画像コンテンツの複写を行う取り込み手段と、取り込んだ映像音声画像コンテンツの容量を小さくした縮小コンテンツを生成する縮小コンテンツ生成手段と、第二の不揮発性記憶装置にアクセスするための手順を記載したアクセススクリプトを生成するアクセススクリプト生成手段とを具備し、前記取り込み手段は、前記縮小コンテンツ生成手段によって生成された縮小コンテンツの中に前記アクセススクリプトを埋め込んだコンテンツを第一の不揮発性記憶装置に記録することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像音声管理装置、再生装置、及び映像音声管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルデータを読み書き可能な不揮発性記憶装置としてSDメモリカードやメモリースティック、コンパクトフラッシュ(登録商標)といった半導体メモリが普及してきている。これらの半導体メモリを使ってデータを処理するデータ処理装置は、パーソナルコンピュータ、映像機器、携帯電話、デジタルカメラなどの電化製品を始め、多岐に渡っている。半導体メモリ等の着脱可能で可搬性に優れた不揮発性記憶装置はデータ処理装置間のデータのやり取りを担うブリッジメディアとして特に有用である。ブリッジメディアとしての着脱可能な不揮発性記憶装置は、ハードディスクドライブ等の固定記憶装置よりも小さいことが多いため、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像・再生装置によって記録された映像・音声・静止画像などのコンテンツは、映像・音声・静止画像を管理するデータ処理装置である映像音声画像管理装置内のより大容量の固定記憶装置にバックアップを行うことがある。
【0003】
撮像・再生装置でコンテンツを記憶容量の限られた撮像・再生装置で記録するためには、映像音声画像管理装置を用いてバックアップを行った後、記憶可能な空き容量を増やすために不揮発性記憶媒体からコンテンツの削除処理を行っていた。しかし、削除をしてしまうとデジタルカメラやポータブルプレーヤなどに不揮発性記憶媒体を格納し、閲覧しようとしても実体が削除されると不可能になる課題があった。そのため、デジタルカメラなどの撮像機器が画像を撮影すると同時にその縮小画像を同時に記録し、縮小前のコンテンツである実体コンテンツと縮小コンテンツを一意に特定できる識別情報で紐付けを行い、バックアップ時は実体コンテンツのみを削除することで解決する方法が提案されている(特許文献1)。あるいは、映像音声管理装置がバックアップ時に縮小コンテンツを生成した上で不揮発性記憶媒体に書き戻し、縮小コンテンツに実体コンテンツのバックアップ先の位置を示すアドレスタグを記録することで、紐付けを行う方法も提案されている(特許文献2)。
【0004】
特許文献1、特許文献2は撮像・再生装置側か管理装置側か、紐づける方法として識別情報かアドレスタグかの違いはあるが、縮小画像とそれを紐づけるための情報を用いることで、縮小画像を元にデジタルカメラやポータブルプレーヤなどの解像度の低い液晶表示面などでバックアップ後も閲覧することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−236345号公報
【特許文献2】特開2008−228244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1記載の方法では、識別情報で紐付けを行うため、縮小コンテンツに記録されている識別情報を元に実体コンテンツを探し出そうとすると、撮像・再生装置で撮影されたコンテンツのリストが画像管理装置に存在している必要があり、複数の画像管理装置にバックアップしようとすると、全ての識別情報の一覧が分散してしまうため、管理不能となる。そのため、実体コンテンツは一カ所で管理されることが強いられる。
【0007】
特許文献2に記載の方法では縮小画像の中に実体コンテンツの位置を示すアドレスタグが埋め込まれているため、バックアップ箇所が分散していてもコンテンツ実体の位置を把握することができる。しかし、アドレスタグが示す位置の表記方法について実体コンテンツを取ってこようとする装置は理解しておく必要がある。そのため、屋外に持ち出した再生機器に格納されている縮小コンテンツを元に屋内の映像音声画像管理装置内の実体コンテンツを取得しようとしても、個人情報である撮影画像を保護するため、何らかの認証手段が必要となる。認証方法や位置を表す表現方法は、時代を重ねるごとに変化することが多く、最新の映像音声画像管理装置が縮小画像に書き戻したアドレスタグを古い再生機器が理解できなかったり、認証プロトコルに対応していなかったりする問題点がある。
【0008】
バックアップ先がPicasaWebAlbum(商標)、Flickr(商標)などのインターネット上の写真共有サービスの場合、WebAPI(Application Programming Interface)と呼ばれる個々のサービス提供者が個別に定めた手続き手順に従ってアクセスする必要があるが、特許文献1に記載の方法や、特許文献2に記載の方法では、実体コンテンツを取得しようとする装置が全てのアクセス方法を理解しておく必要があり、未来に規定される認証方法には追従できない問題点があった。
【0009】
ここで図10を用いて、従来の再生装置が前述した紐付け方法での課題を詳述する。まず再生装置1050に格納された映像音声画像コンテンツに紐づけられたアドレスタグを使って外部の記憶装置に格納されたコンテンツにアクセスしようとした場合、格納先がサーバ1000のような場合、誰でも閲覧可能な公開領域に格納されているため、HTTPプロトコルなど汎用的なアドレス表記を使って取得することが可能である。しかし、個人が撮像した映像音声画像コンテンツはプライバシーの問題があり、誰でも閲覧可能な場所においておかないケースも考えられる。アドレスタグを使った場合例えば、サーバ1010へHTTPプロトコル上でBASIC認証を行い、ユーザIDやパスワードを埋め込むような方法も考えられる。しかし、この方法では、認証方法は1つに限定されてしまう上、ユーザIDやパスワードといった重要な情報がインターネット上に暗号化されず流れてしまう可能性がある。そのため、多くの場合サーバ1020のようにWebAPIを用いてアクセスするような方法がある。この場合、サーバ1020が指定するWebAPIでのアクセス手順に従う必要があるがアドレスタグといった方法では、アクセスすることができない。家庭外から家庭内のデジタルビデオレコーダ1030やデジタルビデオレコーダ1040にアクセスする場合も同様にインターネット上にユーザIDやパスワードが流れないような方法で、認証を行う必要があるが、デジタルビデオレコーダ1030とデジタルビデオレコーダ1040で発売時期が異なったり、メーカが異なると認証方法も異なったりする場合がある。この場合も同様にアドレスタグといった方法ではアクセスすることができない。
【0010】
本発明では上記問題点に鑑み、仕様が異なる複数の映像音声管理装置であっても、映像音声画像管理装置にアクセスするに当たって、認証が必要な環境においても縮小コンテンツを格納した映像音声画像再生装置から実体コンテンツにアクセスすることを可能とするために、実体コンテンツへアクセスするためのスクリプトが埋め込まれた縮小コンテンツを生成する映像音声画像管理装置、映像音声画像管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明における映像音声画像管理装置は、第一の不揮発性記憶装置と第二の不揮発性記憶装置が接続された映像音声画像管理装置であって、映像音声画像管理装置は第一の不揮発性記憶装置から第二の不揮発性記憶装置に映像音声画像コンテンツの複写を行う取り込み手段と、取り込み手段によって第一の不揮発性記憶装置から取り込んだ映像音声画像コンテンツの容量を小さくした縮小コンテンツを生成する縮小コンテンツ生成手段と、第二の不揮発性記憶装置にアクセスするための手順を記載したアクセススクリプトを生成するアクセススクリプト生成手段とを具備し、前記取り込み手段は、前記縮小コンテンツ生成手段によって生成された縮小コンテンツの中に前記映像音声画像コンテンツの中にアクセススクリプト生成手段によって生成された前記アクセススクリプトを埋め込み、前記アクセススクリプトが埋め込まれた前記縮小コンテンツを第一の不揮発性記憶装置に記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による映像音声画像管理装置を用いれば、実体コンテンツを小容量の着脱可能な不揮発性記憶装置から、大容量の不揮発性記憶装置にバックアップを行った後も、縮小コンテンツが記録されているため、小容量の着脱可能な不揮発性記憶装置の空き容量を増やしつつ、簡易的にコンテンツの閲覧を可能にすると同時に、実体コンテンツへアクセスするアクセススクリプトを用いることで、ネットワーク等を経由して、認証が必要な箇所にある実体コンテンツへアクセスすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に於ける映像音声画像管理システムの概念図
【図2】本発明に於ける映像音声画像管理装置の構成例を示したブロック図
【図3】本発明に於ける映像音声画像コンテンツの一例を示した図
【図4】本発明に於ける縮小コンテンツの一例を示した図
【図5】本発明に於ける平文スクリプトの一例を示した図
【図6】本発明に於ける映像音声画像管理装置が映像音声画像コンテンツ、アクセススクリプトを含んだ縮小コンテンツを第1の不揮発性記憶装置に書き戻す動作例を示したフローチャート
【図7】本発明に於ける撮像・再生装置の構成例を示したブロック図
【図8】再生装置が不揮発性記憶装置に格納されたコンテンツを表示、印刷する手順を示したフローチャート
【図9】本発明に於ける映像音声画像管理システムであって、サーバが外部にある場合の概念図
【図10】従来の場合の映像音声化像管理システムの概念図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明による映像音声管理システムについて説明する。図1は映像音声管理システムの概念図である。
【0015】
図1において、100は映像音声画像管理装置であるデジタルビデオレコーダであり屋内に設置されている。110は映像音声画像管理装置100内に内蔵された第二の不揮発性記憶装置(ここでは、ハードディスクドライブ)。200は着脱可能な第一の不揮発性記憶装置(ここでは、メモリカード)。101は第一の不揮発性記憶装置200を映像音声画像管理装置100に装着し、読み書きを行うためのスロットである。300は撮像・再生装置(ここではデジタルスチルカメラ)。500は撮像・再生装置300に接続して、映像音声画像を表示する表示デバイス(ここではテレビ)である。
【0016】
撮像・再生装置300によって記録された映像音声画像コンテンツ900は撮像・再生装置300に装着された不揮発性記憶装置200に格納される。その後、不揮発性記憶装置200は内部に格納された映像音声画像コンテンツを映像音声画像管理装置100にバックアップを取るため、ユーザによって撮像・再生装置300から抜去された後、映像音声画像管理装置100のスロット101に装着される。映像音声画像管理装置100は不揮発性記憶装置200に格納された映像音声画像コンテンツ900を映像音声画像管理装置100内に内蔵された第二の不揮発性記憶装置110に複写する。複写された映像音声画像コンテンツを901とする。映像音声画像管理装置100は、バックアップ後不揮発性記憶装置200から映像音声画像コンテンツ900を消去し、映像音声画像コンテンツ900を縮小した縮小コンテンツ902不揮発性記憶装置200に格納する。縮小コンテンツ902は映像音声画像コンテンツ901を取得するために必要な手続きを記載したアクセススクリプト910を内部に含む。不揮発性記憶装置200はバックアップ完了後、ユーザは映像音声画像装置100から抜去し、撮像・再生装置300に装着される。撮像・再生装置300の表示部301で不揮発性記憶装置200に格納されたコンテンツを見る際、縮小コンテンツ902の場合は、縮小コンテンツ902をそのまま表示する。撮像・再生装置300を表示デバイス500や印刷装置600に接続するような場合、縮小コンテンツ902では荒すぎて閲覧に耐えない品質の場合がある。その際、撮像・再生装置300は、縮小コンテンツ902に含まれるアクセススクリプト910に記載されている手順にしたがってネットワークを経由し、不揮発性記憶装置100の第2の不揮発性記憶装置110に複写されている像音声画像コンテンツ901を取得し、表示デバイス500に表示ないしは、印刷装置600に出力することが可能となる。
【0017】
図3は映像音声画像コンテンツ900・901を表した図である。本実施例において、映像音声画像コンテンツ900及び縮小コンテンツ902は、Exif規格に基づいた静止画像として説明する。映像音声画像コンテンツ900は、主に撮像画像に関する情報であるメタデータと、圧縮された撮像画像で構成される。メタデータは、APP1マーカ内に格納され、画像の縦横の大きさや、撮影日時、絞り、露出値などの撮影条件などの情報が格納される。撮像・再生装置300のCCDなどを通して撮影されたデータは、デジタル化された後、JPEG圧縮を用いて圧縮され、Compressed Dataに格納される。映像音声画像コンテンツ901は映像音声画像コンテンツ900のコピーであり、その構造はおなじである。
【0018】
図5は、映像音声画像コンテンツ901が格納された第2の不揮発性記憶装置110の格納位置にアクセスするため手順をスクリプトを解釈する手段が理解可能な形式で記録されている平文スクリプト913の一例である。
【0019】
図5では、映像音声画像コンテンツ901は映像音声画像管理装置100、すなわち“Djehuty.panasonic.com”の“/dcim/100pana/p1000001.jpg”に格納されており、アクセスするためには、ユーザ識別情報(UserID)とパスワード(Passoword)が必要であり、それぞれが”Etoh“、”abc123“であるとする。本手順に従うと、まずOpenコマンドによって、“Djehuty.panasonic.com”を開き、UserIDとPasswordを送信する。その後、“/dcim/100pana/p1000001.jpg”の映像音声画像コンテンツをGetコマンドによって取得する。各コマンドが失敗した場合は、例外が投げられ、throw内に入り、返却するイメージがない旨を返す。本例は、一例であり、もちろん手順はこれに縛られない。映像音声画像管理装置100からの要求を受けて、UserIDとPasswordを送信するような手順でもよいし、UserIDやPasswordを送信しなくてもよい場所であれば、その手順をいれなくてもよい。より厳格な認証を必要としているのであれば、認証鍵交換のような手順をいれてもよいし、映像音声画像管理装置100が必要としているアクセス手順を記載すればよい。
【0020】
図4は縮小コンテンツ902を表した図である。縮小コンテンツ902では、CompressedData内に縮小コンテンツ生成手段によって縮小された縮小画像が格納される。メタデータを格納するAPP1マーカ内のExifIFDには、メーカが独自に使用してもよいMakerNote領域があり、MakerNote領域にアクセススクリプト910が格納されている。図5で説明したようにアクセス手順の中には映像音声画像管理装置100にアクセスする権利を有しているユーザが他人には隠しておきたいUserIDやPasswordが記録されている場合がある。また、アクセススクリプトを改竄し不正にアクセスされることを防ぎたい場合がある。そのため、アクセススクリプト910は、平文スクリプト913を暗号化した情報である暗号化スクリプト911と、スクリプトが改竄されていないかどうかを検知するための情報としてスクリプト署名912で構成される。
【0021】
図2は不揮発性記憶装置100の機能構成を示すブロック図である。第一の不揮発性記憶装置200を装着するためのスロット101と、第1の不揮発性記憶装置のコンテンツを第2の不揮発性記憶装置にバックアップした上で、第1の不揮発性記憶装置に第2の不揮発性記憶装置110にアクセスするための手順であるアクセススクリプトを埋め込んだ縮小コンテンツを書き戻す取り込み手段120と、取り込み手段120から指示を受け映像音声画像コンテンツを縮小し、縮小コンテンツを生成する縮小コンテンツ生成手段140と、第2の不揮発性記憶装置110に格納された映像音声画像コンテンツにアクセスするための手順である平文アクセススクリプト913を生成するスクリプト生成手段130と、平文アクセススクリプト913を外部ユーザから隠蔽するために暗号化を行う暗号化手段150と、平文アクセススクリプト913が改竄されていないことを検知するために署名情報であるスクリプト署名912を付与する署名付与手段160とで構成される。
【0022】
図6は、映像音声管理装置100において、ユーザが第1の不揮発性記憶装置200から映像音声画像管理装置100内の不揮発性記憶装置110にバックアップをとる手順を示したものである。各手段間を受け渡す線の上には、「要求内容(引き渡す情報)」を記載している。戻り側の線の上には「処理結果」を記載している。
【0023】
(S701)ユーザは取り込み手段120にバックアップの開始を要求し、次のステップに進む。
【0024】
(S702)要求を受けて取り込み手段120は、第1の不揮発性記憶装置200からバックアップの対象となる映像音声画像コンテンツ900をひとつ取り出し、取り込み手段120に返却し、次のステップに進む。
【0025】
(S703)取り込み手段120は映像音声画像コンテンツ900を第2の不揮発性記憶装置110に複写する。第2の不揮発性記憶装置110から格納完了通知を受けると次のステップに進む。ここで、第2の不揮発性記憶装置110に格納された映像音声画像コンテンツを901とする。
【0026】
(S704)取り込み手段120は、スクリプト生成手段130に対して、映像音声画像コンテンツ901の格納位置を通知後、 アクセススクリプト910の生成を要求し、次のステップに進む。
【0027】
(S705)スクリプト生成手段130は、映像音声画像コンテンツ901の格納位置情報を元に、映像音声画像コンテンツ901を送受信手段102経由にて取得するために必要な手順を記載した平文スクリプト913を生成し、次のステップに進む。
【0028】
(S706)スクリプト生成手段130は、必要に応じて、暗号化手段150に平文スクリプト913の暗号化要求を行う。暗号化手段150は平文スクリプト913を暗号化し、暗号化スクリプト911をスクリプト生成手段130に返却する。必要なければ本ステップは省略できる。
【0029】
(S707)スクリプト生成手段130は、必要に応じて、署名付与手段160に平文スクリプト913の署名要求を行う。署名付与手段160は、平文スクリプト913に対して、MD5やSHA−1などのハッシュ演算を行い、ハッシュ値を算出した後、公開鍵で暗号化を行うなどの方法で、スクリプトに対する署名であるスクリプト署名912をスクリプト生成手段130に返却し、次ステップに進む。必要なければ本ステップは省略できる。
【0030】
(S708)スクリプト生成手段130は、暗号化スクリプト911とスクリプト署名912を元にアクセススクリプト910を生成し、取り込み手段120に返却し、次ステップに進む。
【0031】
(S709)取り込み手段120は、映像音声画像コンテンツ900の縮小コンテンツの作成を縮小コンテンツ生成手段140に要求する。縮小コンテンツ生成手段140は、映像音声画像コンテンツ910の縮小画像を生成し、縮小コンテンツ902を取り込み手段120に返却、次ステップに進む。
【0032】
(S710)取り込み手段120は、縮小コンテンツ902にアクセススクリプト910を埋め込み、次ステップに進む。
【0033】
(S711)取り込み手段120は縮小コンテンツ902を第1の不揮発性記憶装置200に複写し、複写が完了すると、次ステップに進む。
【0034】
(S712)取り込み手段120は、映像音声画像コンテンツ900を第1の福発性記憶装置200から削除する。削除が完了すると、次のバックアップ対象コンテンツがある場合は、S702に戻る。全てのバックアップ対象コンテンツがバックアップ完了すれば、S713に進む。
【0035】
(S713)ユーザに対して、バックアップ完了を通知し、処理を終了する。
【0036】
以上のように本発明による映像音声画像管理装置100は、着脱可能な第一の不揮発性記憶装置200から第2の不揮発性記憶装置110にバックアップする際、第1の不揮発性記憶装置200に第2の不揮発性記憶装置110にアクセスするためのスクリプトを含んだ縮小コンテンツを書き戻すことで、第1の不揮発性記憶装置110の空き容量を確保するとともに、他の機器が必要に応じて、第2の不揮発性記憶装置110にバックアップされた映像音声画像コンテンツへアクセスし、取得することを可能としている。
【0037】
図7は、縮小コンテンツが格納された撮像・再生装置300の構成を表したものである。このうち、撮像装置としての役割は本願の範囲の外にあるために記載しない。再生装置300として見たときの構成を表している。
【0038】
再生装置300は、第1の不揮発性記憶装置200を装着するためのスロット301と、第1の不揮発性記憶装置の映像音声画像コンテンツ及び縮小コンテンツを表示するためのコンテンツ表示手段320と、コンテンツ表示手段から与えられたコンテンツが圧縮されている場合、必要に応じてデコードを行い非圧縮映像音声画像に展開するデコード手段305と、デコード手段から渡された非圧縮映像音声画像を表示するための再生装置内の小型液晶モニタである表示部310と、縮小コンテンツに格納されているスクリプトに基づきスクリプトを実行するスクリプト実行手段330と、スクリプトが暗号化されている場合スクリプトの復号化を行う復号化手段350と、スクリプトに署名が付与されている場合、スクリプトが改竄されていないかどうかをスクリプトに付与された署名に基づいて検証を行う署名検証手段360と、スクリプトに基づき再生装置外の装置と通信を行うための送受信手段302で構成される。また、再生装置300はHDMIケーブルなどの伝送ケーブルを用いて表示装置500や、USBケーブル等の伝送ケーブルを用いて印刷装置600を接続することができる。接続された際、デコード手段305から非圧縮映像音声画像を表示装置500や印刷装置600に送信し、表示を行ったり、印刷したりすることが可能であるが、常に接続されていなくてもよいし、片方だけ接続されていてもよい。
【0039】
図8は再生装置300が不揮発性記憶装置に格納されたコンテンツを表示ないしは印刷する手順を示したものである。
【0040】
(S801)ユーザからの再生要求に応じて、コンテンツ表示手段320は、ユーザが所望する再生対象コンテンツを第1の不揮発性記憶装置から取得する。ユーザが所望する再生対象コンテンツが、縮小されていないないしは、アクセススクリプトが付与されていない映像音声画像である映像音声画像コンテンツ900の場合はS802に進む。縮小コンテンツ902の場合、表示対象が表示部であれば、S806に進み、それ以外の場合は、S808に進む。
【0041】
(S802)映像音声画像コンテンツ900の再生要求をデコード手段に対して行う。デコード手段はそれを受け手映像音声画像コンテンツ900のデコードを行い、非圧縮映像音声画像を生成する。表示対象が表示部310の場合は、S803へ進む。表示対象が印刷装置600の場合は、S804に進む。表示対象が表示装置500の場合は、S805に進む。
【0042】
(S803)デコード手段305は非圧縮映像音声画像を表示部310に出力し処理を終了する。
【0043】
(S804)デコード手段305は非圧縮映像音声画像を印刷装置600に出力し処理を終了する。
【0044】
(S805)デコード手段305は非圧縮映像音声画像を表示装置500に出力し処理を終了する。
【0045】
(S806)再生対象コンテンツが縮小コンテンツ900の場合、表示対象に応じて処理が分かれる。表示対象が表示部310の場合、デコード手段305に対して、縮小コンテンツ902のデコードを要求し、デコード手段305はそれを受けて、縮小コンテンツ902を展開し、非圧縮映像音声画像を生成し、次ステップに進む。
【0046】
(S807)デコード手段305はS806で生成された非圧縮映像音声画像を表示部310に出力し、処理を終了する。
【0047】
(S808)再生対象コンテンツが縮小コンテンツ900で表示対象が外部の表示装置500ないしは印刷装置600の場合、縮小コンテンツ900をそのまま出力すると非常に荒い画像となるため、不向きである。そのため、縮小前のコンテンツが取得を行う。コンテンツ表示手段320は縮小コンテンツに付与されているアクセススクリプト910を取り出し、スクリプト実行手段330に送り、スクリプトの実行を要求、次ステップに進む。
【0048】
(S809)アクセススクリプト910が暗号化されている場合、スクリプト実行手段330は、アクセススクリプト910内の暗号化スクリプト911を復号化手段350に渡し、復号要求する。復号化手段350は、要求を受けて、暗号化スクリプト911を復号し、平文スクリプト913をスクリプト実行手段330に返却、次ステップに進む。
【0049】
(S810)アクセススクリプト910にスクリプト署名が付与されている場合、平文スクリプト913を前記S707で行ったハッシュ演算とおなじ演算方法でハッシュ値を算出したものと、スクリプト署名912を前記ステップ707で使用した公開鍵とペアになる秘密鍵で復号化したものとを比較し、同一であれば、改竄されていないと判断、違っていればどこかで改竄がおこなわれたと判断し、改竄有無結果をスクリプト実行手段330に返却する。改竄が行われていた場合は処理を中断する。
【0050】
(S811)スクリプト実行手段330は平文スクリプト913に記載の手順を実行する。スクリプト実行手段330は、送受信手段302を経由し、映像音声画像管理装置100に対して、スクリプトに記載の手順に従ってアクセスを行い、映像音声画像管理装置100から映像音声画像コンテンツ901を取得する。取得した映像音声画像コンテンツ901は、コンテンツ表示手段320に返却する。
【0051】
(S812)コンテンツ表示手段320は、デコード手段305に対して、映像音声画像コンテンツ901のデコードを要求する。デコード手段305は、コンテンツ表示手段320からの要求を受けて、映像音声画像コンテンツ901の圧縮を展開し、非圧縮映像音声画像を生成し、次ステップに進む。
【0052】
(S813)表示対象が印刷装置600の場合、印刷装置600に対して、非圧縮映像音声画像を出力し、処理を終了する。
【0053】
(S814)表示対象が表示装置500の場合、表示装置500に対して、非圧縮映像音声画像を出力し、処理を終了する。
【0054】
以上のように本発明による再生装置300は、着脱可能な第一の不揮発性記憶装置200から取得したコンテンツが縮小コンテンツ902だった場合、縮小コンテンツ902に付与された第2の不揮発性記憶装置110にバックアップされた縮小前の映像音声画像コンテンツ901にアクセスすることが可能となる。
【0055】
なお、本発明を上記の実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されないのはもちろんである。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施変更することができる。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0056】
(1)本実施例では静止画像で説明したがデジタル化されたデータであればなんでもよい。動画データであっても、音楽データであってもよい。
【0057】
(2)本実施例に於ける署名検証方法は一例であり、演算方法が外部に非公開のハッシュ演算を用いる方法でもよいし、改竄が検知できる方法であれば何でもよい。
【0058】
(3)本実施例では第2の不揮発性記憶装置110は映像音声画像装置100の内部にあることを想定したが、映像音声画像管理装置100の外部にあってもよい。例えば、図9のように外部ネットワーク上のサーバ400上の不揮発性記憶装置410でもよい。その場合、アクセススクリプト910はサーバ400上の不揮発性記憶装置410に格納されている映像音声画像コンテンツへのアクセス手順を記載したスクリプトとなる。
【0059】
(4)本実施例では撮像・再生装置300として、デジタルスチルカメラを例に記録したが、撮像は主眼ではない。ポータブルビデオプレーヤのような再生専用装置であってもよいし、スクリプトを実行し、再生装置外に格納されている縮小されていない映像音声画像コンテンツを取得することが可能であれば、何でもよい。
【0060】
(5)本実施例では第1の不揮発性記憶装置200は映像音声画像管理装置100のスロット110に装着するとしたが、映像音声画像管理装置100に接続された読み取り装置経由でもよいし、撮像・再生装置300と映像音声画像管理装置100を直接接続し、撮像・再生装置300に第1の不揮発性記憶装置100を装着したまま、ないしは撮像・再生装置300の着脱不能な固定記憶装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明にかかる映像音声画像管理装置と再生装置は限られた容量の不揮発性記憶装置であっても実体画像へのアクセス方法を付与することで、必要に応じて実体画像へアクセスする方法を提案したものであり、2つの不揮発性記憶装置間でデータのやりとりを行う静止画管理装置、動画管理装置、デジタルビデオレコーダや携帯電話、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラにおいて有益である。
【符号の説明】
【0062】
100 映像音声画像管理装置
101,301 スロット
102,302 送受信手段
110 第2の不揮発性記憶装置
120 取り込み手段
130 スクリプト生成手段
140 縮小コンテンツ生成手段
150 暗号化手段
160 署名付与手段
200 第1の不揮発性記憶装置
300 撮像・再生装置
305 デコード手段
310 表示部
320 コンテンツ表示手段
330 スクリプト実行手段
350 復号化手段
360 署名検証手段
400 サーバ
500 表示装置
600 印刷装置
900,901 コンテンツ
902 縮小コンテンツ
910 アクセススクリプト
911 暗号化スクリプト
912 スクリプト署名
913 平文スクリプト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の不揮発性記憶装置と第二の不揮発性記憶装置が接続された映像音声画像管理装置であって、
第一の不揮発性記憶装置から第二の不揮発性記憶装置に映像音声画像コンテンツの複写を行う取り込み手段と、
取り込み手段によって第一の不揮発性記憶装置から取り込んだ映像音声画像コンテンツの容量を小さくした縮小コンテンツを生成する縮小コンテンツ生成手段と、
第二の不揮発性記憶装置にアクセスするための手順を記載したアクセススクリプトを生成するアクセススクリプト生成手段と、
を備え、
前記取り込み手段は、前記縮小コンテンツ生成手段によって生成された縮小コンテンツの中に前記映像音声画像コンテンツの中にアクセススクリプト生成手段によって生成された前記アクセススクリプトを埋め込み、前記アクセススクリプトが埋め込まれた前記縮小コンテンツを第一の不揮発性記憶装置に記録することを特徴とした映像音声画像管理装置。
【請求項2】
前記アクセススクリプト生成手段の要求処理に応じ、前記アクセススクリプトを暗号化する暗号化手段、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の映像音声画像管理装置。
【請求項3】
前記アクセススクリプト生成手段の要求処理に応じ、前記アクセススクリプトの電子署名を付与する署名付与手段、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の映像音声画像管理装置。
【請求項4】
前記映像音声画像コンテンツは、Exif形式の静止画像であって、MakerNote領域に前記アクセススクリプトを格納すること、
を特徴とした請求項1から3に記載の映像音声画像管理装置。
【請求項5】
第1の不揮発性記憶装置が接続された再生装置であって、
第1の不揮発性記憶装置内の映像音声画像コンテンツの表示を制御するコンテンツ表示手段と、
前記映像音声画像コンテンツに前記第2の不揮発性記憶装置に記録された映像音声画像コンテンツへアクセスするための前記アクセススクリプトが付与されていた場合に、スクリプトを解釈し、実行を行い第2の不揮発性記憶装置から映像音声画像コンテンツを取得するスクリプト実行手段と、
を備えたことを特徴とした再生装置。
【請求項6】
前記スクリプト実行手段の要求に応じ、前記アクセススクリプトが暗号化されていた場合に復号化を行う復号化手段、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の再生装置。
【請求項7】
前記スクリプト実行手段の要求に応じ、前記アクセススクリプトに署名が付与されていた場合にアクセススクリプトが改竄されていないかどうかを、署名を検証することによって確認を行う署名付与手段、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の再生装置。
【請求項8】
請求項1から4のいずれかに記載の映像音声画像管理装置が、前記第1の不揮発性記憶装置に前記アクセススクリプトが埋め込まれた前記縮小コンテンツを格納し、
請求項5から7のいずれかに記載の再生装置が前記第1の不揮発性記憶装置の前記縮小コンテンツに含まれるアクセススクリプトを解釈し、実行することで前記第2の不揮発性記憶装置に格納された前記映像音声画像コンテンツを取得する、
ことを特徴とする映像音声画像管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−35494(P2011−35494A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177360(P2009−177360)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】