説明

曲げ加工システム及びその方法

【課題】新しい曲げ製品に対し行われる試し曲げ加工等により変化する残加工枚数を修正しながらスケジュール運転を行う。
【解決手段】材料を収納した自動倉庫からブランク材を取り出し、曲げ加工機19により加工を行う曲げ加工システム1である。そして、所定量の加工を自動運転で実行するためのスケジュールデータに基づき、スケジュール運転を制御するスケジュール運転制御手段と、スケジュールデータに基づくスケジュール運転の実行中に、試し曲げ等の特定の曲げ加工処理を実行する試験加工モードに移行する移行制御手段とを備える。そしてスケジュール運転制御手段は試し曲げ等の特定の曲げ加工の結果に応じて変化する後続のスケジュールを管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は曲げ加工システム及びその方法に関し、特にスケジュールにより複数の製品を曲げ加工する際に好適な曲げ加工システム及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記(1)〜(5)に示すような作業が実施されていた。
【0003】
(1)新しい製品の加工の場合や、既に曲げ加工の実績のある製品の曲げ加工でも加工する材料のロット(例えば、ロール)が変わったりすると曲げ角度が変わるため曲げ角度の調整のために加圧力などのプログラム編集を行っている。
【0004】
(2)スケジュール加工では予め製品とする枚数を入力し枚数分曲げ加工を繰りかえしている。
【0005】
(3)スケジュール運転をするケースは、一枚取りする部分(例えばパレット上)に複数の種類のブランク加工済みの製品が積載されているかもしくは、その製品が積載されたパレットが自動的に交換される装置を装着している場合がある。また曲げロボットにも製品をハンドリングするためのハンドを製品に合わせて自動交換できる装置を装着している場合があった。
【0006】
(4)スケジュール運転する前に段取りとして曲げ加工を事前に行い、曲げ角度等を確認しておく必要がある。大半の場合、微調整のために曲げのための加工プログラムを修正している。
【0007】
(5)ブランク加工の場合、サイクルストップ、シングルストップ等と呼ばれる停止機能により、加工途中、または1枚の加工が終わった時に確認する手段がある。そして、異常の場合は、その製品はスキップ処理を行い、改めて加工プログラムを修正後、次のスケジュール加工のときに加工する。すなわち、途中で中断された加工材は現スケジュール運転中に加工されることはない。
【0008】
曲げ加工のときは、ほとんどが試し加工でプログラム修正する場合が多く、そのまま加工を続行することができない。また、曲げ加工の場合は、サイクルストップ、シングルストップ等が行われずに、単独で試し曲げ加工が行われるため、スケジュール運転から切り離された作業となっている。
【0009】
また、特許文献1参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平05−019828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
下記に説明する<1>〜<3>のような課題があった。
【0012】
<1>スケジュール運転する前に曲げ加工を行うためには、一旦オフラインにて段取りを行わなくてはいけない。
【0013】
<2>製品が変わる度に、この段取りを行わなくてはいけないのでスケジュール運転ができないという問題があった(繰り返しの枚数運転のみ可能)。
【0014】
<3>これらの対策として1日加工する複数種の製品を一度に確認しておくことがあるが以下の問題が発生する。
【0015】
すなわち、試し曲げのために曲げ金型交換を行う二重のロスタイムが発生するという問題がある。また、ブランク加工済み材料がその確認のときに揃っていなければならないという問題があった。また、棚などに格納されている場合、毎度材料を出庫する手間を必要とする問題があった。
【0016】
曲げ加工の際の一時停止することなどが考えられるが、何回試し曲げするか、これに合わせて何枚スクラップになるか、事前には不明である。また、ブランク加工とは違い、現場、その場でプログラムを修正することになり試し曲げと製品作りとを両立した仕組みが必要になるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上述の問題を解決するためのものであり、請求項1に係る発明は、積荷されている材料を取り、曲げ加工機により加工を行う曲げ加工システムにおいて、所定数量の加工を自動運転で実行させるためのスケジュールデータに基づき、スケジュール運転を制御するスケジュール運転制御手段と、前記スケジュールデータに基づき、前記スケジュール運転の実行中に試験加工モードへ移行する移行制御手段とを備え、前記スケジュール運転制御手段は、前記移行制御手段により移行した試験加工モード中の試験結果に応じてスケジュールを続行する曲げ加工システムである。
【0018】
請求項2に係る発明は、前記試験結果は試し曲げ加工の枚数であり、試し曲げ加工の枚数に対応し在庫枚数を減らす一方、加工実績枚数には加算しない補完手段を備えた請求項1に記載の曲げ加工システムである。
【0019】
請求項3に係る発明は、前記試験加工モード中に、試し曲げ加工、プログラム修正、及び加工トライを実行し残加工枚数の加工を行う請求項2に記載の曲げ加工システムである。
【0020】
請求項4に係る発明は、前記スケジュールデータには同一製品毎に加工枚数が設定されており、前記移行制御手段は製品関連情報が異なる場合に、前記試験加工モードへ移行する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の曲げ加工システムである。
【0021】
請求項5に係る発明は、試し曲げ加工の後の製品はアンローディング台車に積載され当該アンローディング台車を移動させアンローディングする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の曲げ加工システムである。
【0022】
請求項6に係る発明は、積荷されている材料を取り、曲げ加工機により加工を行う曲げ加工方法において、所定数量の加工を自動運転で実行させるためのスケジュールデータに基づき、スケジュール運転を制御するスケジュール運転制御工程と、前記スケジュールデータに基づき、前記スケジュール運転の実行中に試験加工モードへ移行する移行制御工程とを含み、前記スケジュール運転制御工程は、前記移行制御工程により移行した試験加工モード中の試験結果に応じてスケジュールを続行する曲げ加工方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、スケジュール運転中でも試し曲げが必要な製品は、そのジョブデータに設定した一枚目に自動的に試し曲げを行い、作業者が曲げられた製品を検証できる。問題がある場合は修正でき、何度でもこれを繰りかえすことができる。また、スクラップにした数は自動的に製品枚数を補うことで再度スケジュールを立てることなく加工を完了させることができるという効果を奏する。
【0024】
さらに、材料ロットや素材から同一部品でも異なる方向に割り付けられた製品も自動的に試し曲げモードが実行され加工不良を未然に防げる。また、初めて曲げる加工プログラムでも自動的に試し曲げモードが実行され、加工不良を未然に防げるという効果を奏する。
【0025】
そして、通常の段取りとして作業を行うことなく必要な枚数を加工するときに試し曲げを行えるので段取り時間や手間を削減できる。また、試し曲げによりスクラップになった製品が発生しブランク加工済み製品は自動倉庫等に置かれている他の場所をサーチし、不足分を補うことが出来かつ加工不足を発生させないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】曲げ加工システムの装置構成を示す概略図である。
【図2】曲げ加工システムの制御構成を説明する説明図である。
【図3】曲げ加工システムでのスケジュール動作を説明するフローチャートである。
【図4】図3の続きのフローチャートである。
【図5】ジョブを説明する説明図である。
【図6】加工スケジュールを説明する説明図である。
【図7】材料の選択を説明する説明図である。
【図8】材料の出庫を説明する説明図である。
【図9】製品確認を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照する。曲げ加工システム1の一実施の形態を示す。本例では、紙面に対し上(垂直)方向から見た場合に左右方向をX軸とし、前記X軸に対し直角に交わる上下方向をY軸方向とし、前記紙面に対し垂直な方向をZ軸方向とする。
【0028】
曲げ加工システム1は、自動倉庫3、パレット出庫ステーション5、一枚取り装置7、供給テーブル9、ハンド交換装置11、製品反転装置13、曲げロボット15a、スライダ15、レール17、曲げ加工機19、NC操作盤21、アンローディング装置23等を備えている。また、前記アンローディング装置23は第1アンローディング台車23a、第2アンローディング台車23b、第3アンローディング台車23cにより構成されている。
【0029】
前記自動倉庫3は、複数の材料(例えばブランク材)を積載したパレットをパレット毎に複数収納する倉庫であり、前記パレット出庫ステーション5によりパレット単位で自動で出庫される。また、前記一枚取り装置7は出庫されたパレットから曲げ加工が行われるブランク材Wを一枚毎取り出す装置である。取り出されたブランク材Wは、供給テーブル9に積置される。
【0030】
一方、曲げロボット15aは、通常の垂直アーム、水平アーム等に支持された移動・回転自在な把持手段を備えブランク材Wを把持するものである。さらに、当該曲げロボット15aはスライダ15上に備えられており、前記スライダ15はサーボモータ等の駆動により、X軸方向に延伸したレール17上をX軸方向に移動位置決め自在に構成されている。
【0031】
そして、前記供給テーブル9に積置されているブランク材Wを把持し、曲げ加工機19にブランク材Wを供給する。
【0032】
前記曲げ加工機19は、よく知られているように、上部テーブルに装着されたパンチPと、下部テーブルに装着されたダイDを有し、例えば油圧シリンダを作動して上部テーブルを下降させることにより、曲げ加工を行う下降式プレスブレーキである。そして、ブランク材Wをバックゲージに備えたポテンショメータに突き当てて位置決めした後にパンチPとダイDにより所定の曲げ加工を行う。
【0033】
一方、ハンド交換装置11は曲げロボット15aの把持手段を製品の大小、形状等に合わせて自動で交換するものである。また、製品反転装置13は、曲げ加工途中の製品Sを一旦載置して再度把持手段により把持させ当該把持手段を回転することにより製品を反転させる装置である。
【0034】
前記第1アンローディング台車23aは、曲げ加工機19で加工され曲げロボット15aによりアンロードされた製品Sが積置される。そして、第3アンローディング台車23cが矢印AR3方向に移動し、第2アンローディング台車23bが矢印AR2方向に移動し、製品Sが積置された第1アンローディング台車23aが矢印AR1方向に移動することにより作業者は製品Sを取り出すことができる。その後、矢印AR3方向に移動した第3アンローディング台車23cは矢印AR4方向に移動し、次に加工された製品Sが積置可能となる。すなわち、複数のアンローディング台車のつながりが回転しながら製品Sをアンローディングする装置である。
【0035】
図2に曲げ加工システム1の制御構成を示す。曲げ加工システム1は、コントローラ25、自動倉庫制御盤27、一枚取り装置制御盤29、曲げロボット制御盤31、曲げ加工機NC制御盤33、SDDサーバ35を備え、これらの各装置はLAN(Local Area Network)37により通信可能に接続されている。
【0036】
前記コントローラ25は一連のライン上の各装置の動作の全体等を管理するものである。自動倉庫制御盤27は自動倉庫3に収納されたブランク材Wのパレット毎の出庫を管理すると共に収納されたブランク材Wの製品Sの内容及びアドレス管理等も行う。前記一枚取り装置制御盤29は出庫されたパレットからブランク材Wの1枚を特定し取り出す動作を制御するものである。
【0037】
曲げロボット制御盤31はブランク材Wを把持し曲げ加工機19に曲げ加工のため供給する動作を制御する。曲げ加工機NC制御盤33はNC操作盤21を備えているもので曲げ工程に従い曲げ位置(L値)、曲げ深さ(D置)等を制御する。
【0038】
前記SDD(Sheetmetal Digital on Demand)サーバ35は、コンピュータにより構成され、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)、記憶装置等を備えているものである。そして、SDDサーバ35には、加工された製品の関連情報(加工に使用したプログラム、試し曲げの実行フラグ、製品Sのロール目、板厚、材料、曲げ角度、曲げ長さ、曲げ順等)が製品S毎に関連付けられ格納されている。
【0039】
図3〜図9を参照し曲げ加工システム1の動作を説明する。
【0040】
初めに、図5及び図6を参照しスケジュールデータの作成について説明する。図5にジョブデータを示す。図6に複数のジョブデータの集まりであるスケジュールデータを示す。図5に示すようにジョブデータはジョブ名JN(例えば「job5」)と、加工プログラム名PN(例えば「E」)と、材料名M(例えば「ブランク材」)と、加工枚数N(例えば「例えば「20」)と、サイクルストップSS(例えば「0又は1」)との各データを含むものである。そして、図6に示すように、これらのジョブデータを複数実行順に並べたものをスケジュールデータという。すなわち、スケジュールデータには新たなジョブデータが追加されスケジュールデータが作成される。例えば、ジョブ名JNが「job1」、「job2」、「job3」及び「job4」により構成されたスケジュールデータに、新たに「job5」が追加され作成される。
【0041】
ステップS301では、メニュースケジュール機能によりスケジュールデータを作成し、スケジュール運転を開始する。
【0042】
図7にメニュースケジュール機能釦を押下することによるスケジュールデータの作成方法を示す。コントローラ25の表示部に表示された画面G1に自動倉庫3内で保管されているパレット上のブランク材Wの積載内容が表示される。このパレットに、それぞれ種類の異なるブランク材W1(例えば20枚)、ブランク材W2(例えば30枚)、ブランク材W3(例えば50枚)が積載されていることが表示されている。ブランク材W1を選択し、画面G2に示すように「OK釦」を押下することによりブランク材W1のジョブデータが作成されスケジュールデータに追加される。このような作業を繰り返すことによりスケジュールデータを作成しスケジュール運転を開始する。
【0043】
ステップS303では、コントローラ25が、ブランク材Wを加工する金型データと曲げ加工機19の装着金型が一致するか否かの判断を行う。金型データと装着金型が一致すると判断した場合に処理はステップS319に進む。金型データと装着金型が一致しないと判断した場合に処理はステップS305に進む。
【0044】
ステップS305では、コントローラ25の表示部に金型交換ダイアログが表示される。そして、作業者は金型段取りを自動で行うか手動で行うか、又は行わないかを選択する。なお、選択されたデータはメモリに記憶される。
【0045】
ステップS307では、オペレータが、ステップS305で選択表示された内容に基づき、金型段取りを行うか否かを判断する(当該判断結果はメモリに記憶される)。金型段取りを行う場合に処理はステップS309に進む。金型段取りを行わない場合に処理はステップS315に進む。
【0046】
ステップS309では、曲げ加工機NC操作盤21により金型交換モードへの切替が行われる。プログラムが呼出され画面に表示された金型交換指示に従い金型交換を行う。
【0047】
ステップS311では、金型交換の作業が作動する。
【0048】
ステップS313では、コントローラ25、曲げ加工機NC制御盤33の制御により交換された金型データがSDDサーバ35のデータベースに記憶される。そして、ラインモードへの切換が行われる。
【0049】
ステップS315では、コントローラ25の表示部に金型交換ダイアログが表示され、「運転続行」、「キャンセル」又は「スキップ(処理を飛ばす)」のいずれかを選択させる。「キャンセル」の指定に基づき処理は終了する。「スキップ」の指定に基づき処理はステップS317に進む。「運転続行」の指定に基づき処理はステップS319に進む。
【0050】
ステップS317では、コントローラ25がスケジュールデータに含まれる次のジョブデータの設定を行う。
【0051】
ステップS319では、コントローラ25がパレットが異なるか否かを判断する。パレットが異なると判断した場合に処理はステップS321に進む。同一のパレットの場合に処理はステップS323に進む。
【0052】
ステップS321では、コントローラ25の指令を自動倉庫制御盤27が受信し該当する製品のブランク材Wを積載したパレットの出庫動作が行われる。
【0053】
図8を参照する。該当するパレットがパレット出庫ステーション5へ出庫される。例えば、パレットPが出庫され、積載されているブランク材W4、ブランク材W5、ブランク材W6、ブランク材W7のうちブランク材W5が選択されている場合にブランク材W5が1枚毎に加工される。
【0054】
ステップS323では、一枚取り装置制御盤29に制御され一枚取り装置5がブランク材Wの一枚取りを開始する。ここで、ブランク加工済みの製品が不足するかを確認し、不足する場合はワーニングとジョブのスキップが行われる。
【0055】
ステップS325では、コントローラ25がブランク在庫(これから曲げ加工を行おうとする材料)枚数の減算を行う。
【0056】
ステップS327では、一枚取り装置制御盤29に制御され一枚取り装置5がブランク材Wを供給テーブル9のローディング位置へ積載する。一枚取り装置制御盤29に制御されアンローディング台車(23a、23b、23c)が回転する。そして、ブランク材Wの加工及びアンローディング台車への製品積載動作を行う。
【0057】
なお、アンローディング台車(23a、23b、23c)を回転する回転条件は、加工済みの製品Sの積載高さが所定の高さを超えたとき(曲げロボット制御盤31が判断し、一枚取り装置制御盤29へ伝達し回転させる)、又は実行中のジョブデータか変わったときである(コントローラ25が判断し、一枚取り制御装置29へ伝達し回転させる)。これにより、試し曲げ製品の検査のための取り出しを容易に行うことができる。
【0058】
ステップS329では、コントローラ25が、ジョブデータに記憶された「サイクルストップ」が「オン(フラグ1)」か否かを判断する。「オン(フラグ1)」であると判断した場合に処理はステップS331に進む。「オフ(フラグ0)」であると判断した場合に処理はステップS355に進む。すなわち、サイクルストップとは、試験加工モードへ移行するか否かの識別子である。なお、試験加工モード中は、スケジュールデータによるライン運転は適宜停止する。
【0059】
続いて、ステップS331では、コントローラ25がSDDサーバ35から曲げ加工での加工実績を読み込む。これにより、過去の加工し登録された製品Sが全て呼び出される。
【0060】
ステップS333では、コントローラ25がSDDサーバ35から材料管理データ等の読込を行う。これにより、呼び出された製品Sのロール目、板厚、材料、曲げ角度、曲げ長さ、曲げ順等が特定できる。
【0061】
ステップS335では、コントローラ25が、SDDサーバ35からブランク加工履歴の読込を行う。これにより、同一材料割付形状に対しての曲げ加工か否かを判断できる。
【0062】
ステップS337では、コントローラ25が加工実績があるか否かを判断する。加工実績があると判断した場合に処理はステップS355に進む。加工実績が無いと判断した場合に処理はステップS339に進む。ここでの判断は、ステップS333、335で呼び出された製品Sのロール目、板厚、材料、曲げ角度、曲げ長さ、曲げ順及びブランク材Wの形状から予め設定された項目の一致で判断される。
【0063】
続いて、ステップS339では、ブランク材Wの試し曲げ加工を行った後に、コントローラ25の指示により当該製品Sを載せたアンローディング台車(23a、23b、23c)が回転する。これにより、試し曲げが行われた製品Sを作業者は容易に取り出すことができる。
【0064】
図9を参照する。第3アンローディング台車23c、第2アンローディング台車23b、第1アンローディング台車23aの順で台車が回転移動し加工後の製品Sが検査確認のため取り出される。
【0065】
ステップS341では、コントローラ25の表示部に継続確認ダイアログが表示される。
【0066】
ステップS343では、製品確認後にプログラムの修正を行うか否かの判断を行う。プログラムの修正を行う場合に処理はステップS345に進む。プログラムの修正を行わない場合に処理はステップS349に進む。
【0067】
ステップS345では、曲げ加工機NC制御盤33がモード切替を行う。続いてプログラムの呼出を行う。そして、プログラムの修正を行う。修正されたプログラムはメモリに記憶される。状況に応じオペレータは、修正したプログラムをSDDサーバ35へ更新させる(又は自動更新)。
【0068】
ステップS347では、修正されたプログラムがメモリから実行のために呼出される。これにより、修正されたプログラムで以後のブランク材Wの加工が行われる。
【0069】
ステップS349では、コントローラ25の表示部に継続確認ダイアログ釦の選択が行われる。「キャンセル」の場合に処理は終了する。「スキップ」の場合に次ぎのジョブデータに処理は進む。「OK」の場合に処理はステップS351に進む。「もう一回」の場合に処理はステップS353に進む。
【0070】
ステップS351では、コントローラが実行ジョブのサイクルストップを無効にする。そして、修正したプログラムにより曲げ加工機19での加工ができる様になりスケジュールが続行される。
【0071】
ステップS353では、曲げた製品Sをスクラップにするか否かを判断する。スクラップにする場合に処理はステップS323に戻る。製品Sをスクラップにしないと判断した場合に処理はステップS355に進む。これにより、試し曲げでも加工プログラムの修正をしていても正式な製品Sと扱うことができる。
【0072】
ステップS355では、コントローラ25が曲げ加工した製品Sの実績枚数の加算を行う。
【0073】
ステップS357では、コントローラ25が実行ジョブデータで設定の加工枚数に達したか否かの判断を行う。加工枚数に達したと判断した場合に処理はステップS359に進む。実行ジョブが加工枚数に達していない場合に処理はステップS323に戻る。
【0074】
ステップS359では、コントローラ25が最終ジョブデータか否かの判断を行う。最終ジョブデータと判断した場合に処理は終了する。最終ジョブデータでない場合に処理はステップS303に戻り、上記の処理を繰りかえす。
【0075】
この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0076】
例えば、ブランク加工材は、自動倉庫に収納されている場合を想定しているが、自動倉庫に限定されるものではなく、積荷されているブランク加工材を取り出し(例えば、1枚毎取り出す)可能であればよい。
【符号の説明】
【0077】
1 曲げ加工システム
3 自動倉庫
5 パレット出庫ステーション
7 一枚取り装置
9 供給テーブル
11 ハンド交換装置
13 製品反転装置
15 曲げロボット
15a スライダ
17 レール
19 曲げ加工機
21 曲げ加工機NC操作盤
23 アンローディング台車
23a 第1アンローディング台車
23b 第2アンローディング台車
23c 第3アンローディング台車
25 コントローラ
27 自動倉庫制御盤
29 一枚取り装置制御盤
31 曲げロボット制御盤
33 曲げ加工機NC制御盤
P パンチ
D ダイ
W ブランク材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積荷されている材料を取り、曲げ加工機により加工を行う曲げ加工システムにおいて、
所定数量の加工を自動運転で実行させるためのスケジュールデータに基づき、スケジュール運転を制御するスケジュール運転制御手段と、
前記スケジュールデータに基づき、前記スケジュール運転の実行中に試験加工モードへ移行する移行制御手段とを備え、
前記スケジュール運転制御手段は、前記移行制御手段により移行した試験加工モード中の試験結果に応じてスケジュールを続行することを特徴とする曲げ加工システム。
【請求項2】
前記試験結果は試し曲げ加工の枚数であり、試し曲げ加工の枚数に対応し在庫枚数を減らす一方、加工実績枚数には加算しない補完手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工システム。
【請求項3】
前記試験加工モード中に、試し曲げ加工、プログラム修正、及び加工トライを実行し残加工枚数の加工を行うことを特徴とする請求項2に記載の曲げ加工システム。
【請求項4】
前記スケジュールデータには同一製品毎に加工枚数が設定されており、前記移行制御手段は製品関連情報が異なる場合に、前記試験加工モードへ移行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の曲げ加工システム。
【請求項5】
試し曲げ加工の後の製品はアンローディング台車に積載され当該アンローディング台車を移動させアンローディングすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の曲げ加工システム。
【請求項6】
積荷されている材料を取り、曲げ加工機により加工を行う曲げ加工方法において、
所定数量の加工を自動運転で実行させるためのスケジュールデータに基づき、スケジュール運転を制御するスケジュール運転制御工程と、
前記スケジュールデータに基づき、前記スケジュール運転の実行中に試験加工モードへ移行する移行制御工程とを含み、
前記スケジュール運転制御工程は、前記移行制御工程により移行した試験加工モード中の試験結果に応じてスケジュールを続行することを特徴とする曲げ加工方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−150571(P2011−150571A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11813(P2010−11813)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(390014672)株式会社アマダ (548)
【Fターム(参考)】