説明

有効な抗高血糖活性および抗高脂血活性をもつPPARpanアゴニストとしての置換アリールアルカン酸誘導体

式Iの、環A、環B、R、R、R、R、R、X、Alk、Alk、Ar、およびArが本明細書中に定義される、置換アリールアルカン酸誘導体の調製方法および製薬上の使用を開示する。これらの化合物は、ペルオキシソーム増殖活性化レセプター(PPAR)、とくにRXR/PPARアルファ、RXR/PPARガンマ、およびRXR/PPARデルタヘテロダイマーを活性化する選択的作用物質として、従来のPPARガンマ作用物質に伴う副作用を改善し、2型糖尿病および関連する高血圧、肥満症、インシュリン抵抗症、高脂血症、高血糖症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、およびその他の心臓血管障害の治療および/または予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2002年11月26日に提出された、米国仮出願60/429,221号、および2003年5月9日に提出された、米国仮出願60/469,368号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、新規置換アリールアルカン酸誘導体の調製および薬剤用途に関する。さらに具体的には、本発明は一般式(I)の新規化合物、その調製方法、その薬剤組成物およびその特にRXRおよびPPARへテロダイマーのような核受容体が媒介する状態の治療および/または予防のための使用に関する。
【0003】
本化合物は、2型糖尿病および高血圧、肥満症、インシュリン抵抗症、高脂血症、高血糖症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、およびその他の心臓血管障害のような関連する代謝症候群の治療および/または予防に有用であり、従来のPPARガンマ作用物質に一般に伴う副作用を改善する。
【0004】
発明の背景
2型糖尿病並びに肥満症、心臓血管症状、および異常脂質血症などの関連する合併症を含む代謝症候群は、社会的および経済的に重要な大きな影響を与える。抗糖尿病治療はインシュリン抵抗を改善したが、2型糖尿病に伴うよく知られた心臓血管のリスクからは、ほとんど守られない。したがって、インシュリン増感およびコレステロール/トリグリセリド低下効果をもつ新しい治療の開発に一般的な関心が持たれている。
【0005】
糖尿病は、世界中のかなりの割合の人々に発症している多遺伝子病である。糖尿病は2つの型に分類される。1型糖尿病、またはインシュリン依存型糖尿病(IDDM)の場合、患者はほとんどもしくは全く、グルコース消費を調節するホルモンであるインシュリンを生成しない。2型糖尿病、または非インシュリン依存型糖尿病(NIDDM)の場合、患者はしばしば、糖尿病でない人と同程度の血漿インシュリンレベルを示す;しかしながら患者は主なインシュリンに敏感な組織、すなわち筋肉、肝臓、および脂肪組織におけるインシュリンの、グルコースおよび脂質の代謝を刺激する効果に対する抵抗性が発達しており、血漿インシュリンレベルでは高いインシュリン抵抗に打ち勝つには不十分である。2型糖尿病は糖尿病全体の90%以上を占める。2型糖尿病は、神経障害、腎症、網膜症、トリグリセリド過剰血、肥満症、およびその他の心臓血管疾患のような、一般的に代謝症候群と呼ばれる二次合併症をひきおこす高血糖を特徴とする代謝障害である。
【0006】
一般的に規定された2型糖尿病の治療方法は、食事療法、運動、および経口血糖降下薬、通常はスルホニル尿素およびビグアニドの組み合わせである。しかしながら、スルホニル尿素治療は一次的および二次的な薬効の失敗、低血糖症の発生、並びに肥満に伴うさまざまな問題がある。ビグアニド治療は乳酸アシドーシス、吐き気、および下痢を引き起こすことがある。したがって、大きな副作用がなく血漿グルコースを厳しく制御できる薬は、糖尿病治療に重要な進歩になるであろう。最近、チアゾリジンジオンと呼ばれる化合物群が、投薬量を多くした場合においても、さらなるインシュリン分泌をせずに、および望ましくない低血糖を起こさずに、インシュリンの作用を促進することによって、高血糖を緩和することが示された。それらの効果は、PPARガンマの作用物質活性による含脂肪細胞分化の開始および調節の結果であると考えられている。このPPARガンマを活性化しうる化合物群は、2型糖尿病の治療に臨床上の効果があることが示されている(GSKのAVANDIAおよびLilly/TekadaのACTOS)。しかしながら、PPARガンマの活性化がグルコース代謝に変化を与える厳密な関連は、最も有力なのは筋肉中のインシュリン抵抗の低下であるが、まだ明らかになっていない。これは、脂肪組織において起こるが筋肉細胞では起こらない、PPARガンマの活性化が、遊離脂肪酸からリポ蛋白リパーゼ、脂肪酸輸送蛋白質およびアシル−CoAシンセターゼへ誘導するような関連である。この効果は、順番に血漿中の遊離脂肪酸の濃度を劇的に低下させ、基質競合および経路補償のために、結果的に骨格筋およびその他の組織のような組織の高い代謝状態において、脂肪酸酸化からグルコース酸化への切り替えを行う。その結果、これらの組織ではインシュリン抵抗が減少する。さらに、PPARガンマの活性化は、グルコースおよびエネルギーホメオスタシスを制御する際に遺伝子の一部を調節し、血中グルコース濃度の低下を導く(T.M.Wilsonら、「PPAR:オーファンレセプターから創薬まで」J.Med.Chem.2000 43:527−50;A.Chawlaら、「核受容体と脂質生理:X−ファイルを開く」、Science 2001 294:1866−70)。
【0007】
チアゾリジンジオン群の抗糖尿病剤による進歩にもかかわらず、心臓肥大、血液希釈、および肝臓毒性を含む深刻な容認できない副作用により、その臨床使用は制限されていた。合衆国および日本では、肝臓の損傷および肝臓の損傷による薬が関連した死のいくつかの事例が報告されている。さらに、PPARガンマ選択的リガンドは、2型糖尿病の開始または結果に直接つながる重要な因子である肥満を導く、含脂肪細胞分化および白色脂肪の蓄積を引き起こす。このような望ましくない影響は、結局PPARガンマリガンドのインシュリン増感の利点で妥協するであろう。したがって、インシュリン増感効果および遊離脂肪酸およびトリグリセリドコンテンツを調節することによって白色脂肪の蓄積を減少させる効果の二元的な活性をもつ、2型糖尿病患者の治療のための安全で有効な薬剤が明らかに必要とされている。
【0008】
PPARガンマはリガンド活性化核ホルモン受容体超科に含まれ、主として脂肪組織に存在する。トリグリセリドおよびコレステロールを低下させる活性をもつことが知られているフィブレートと呼ばれるリガンド群は、この科に含まれる、主に肝臓のような組織に発現するPPARアルファを活性化する。PPARアルファは、脂肪酸の酸化を増進し、それによって血中脂肪酸レベルを減少させるペルオキシソームの増殖を促す。(Keller and Wahli;Trends Endocrin Metab 1993, 4:291−296)。ごく最近、PPARデルタが、広範囲の脂肪燃焼の制御因子としてPPARデルタがはたらく脂質代謝を調節することが報告された。インビトロで、含脂肪細胞および骨格筋細胞中におけるPPARデルタの活性化は、脂肪酸の酸化と利用を促進する。PPARアルファの発現が大幅に少ない動物の脂肪組織におけるPPARデルタの目的とされる活性化は、とくに脂肪酸の酸化およびエネルギー散逸に必要な遺伝子の発現を促し、結果的に脂質プロフィールの改善および脂肪過多症の緩和に導く。重要なことには、これらの動物は高脂肪食で誘発された肥満症および遺伝的にかかりやすい(Lepr(db/db))肥満症の両方に対して完全に抵抗力がある。Lepr(db/db)マウスのPPARデルタ作用物質による急性期治療は脂質の蓄積を激減させる。同時に、高脂肪食で試験されたPPARデルタ欠損マウスは、エネルギー放出の減少を示し、肥満の傾向がある。(Wang YX et al.,Cell 2003 Apr18;113(2):159−70)。また、さらに心臓血管疾患に効くPPARデルタの重要性を示す、リガンド活性化PPARデルタによる粥腫発生炎症の転写抑制も報告された(Lee,CH et al.,Science 302:453−457,2003)。
【0009】
PPARアルファ、ガンマ、およびデルタはレチノイドXレセプター(RXR)とともにヘテロダイマーを形成する。RXR/PPARヘテロダイマーは、したがって、脂質、グルコースのホメオスタシス、および含脂肪細胞分化のような細胞内事象の制御および調節に重要な役割を果たす。いくつかの新しい化合物が、動物およびヒトにおいて代謝症候群の治療および/または予防に有益な、PPARガンマ活性あるいはPPARアルファおよびガンマの二元的な活性をもつことが報告された。(国際公開第00/08002号パンフレット,国際公開第01/57001号パンフレット,米国特許第6054453号明細書,欧州特許第088317号明細書,国際公開第97/25042号パンフレット,国際公開第02/26729号パンフレット,および米国特許第6353018号明細書)。したがって、PPARアルファ、ガンマおよびデルタを活性化する新しいpanアゴニストは、糖尿病、高血圧、肥満症、インシュリン抵抗症、高脂血症、高血糖症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、およびその他の心臓血管障害などの代謝X症候群の総合的な管理をもたらす非常に重要な進歩になると思われる。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本発明の一形態は、式Iの化合物を与える。
【0011】
【化1】

【0012】
式中環Aおよび環BはXおよびNを含む環に融合した、それぞれ独立して、任意で酸素、硫黄、または窒素原子から選択される1以上のヘテロ原子を含み、任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換されうる、5〜6員環を表す;環Aおよび環Bは飽和または1以上の二重結合を含むまたは芳香族であってもよい;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、S、またはNRである;ここでRはH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールを表す;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
およびRは独立な、H、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;RおよびRは任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換された、5員環または6員環を形成してもよい;
AlkはC1−6アルキレンを表す;
AlkはC1−2アルキレンを表す;
Arは任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、または二価へテロ環基を表す;
Arは無置換または1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、アリール基;任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、ヘテロアリールまたはヘテロ環基を表す。
【0013】
本発明の他の形態は、活性成分、少なくとも1つの一般式(I)の化合物、および/またはその製薬上許容される塩を、製薬上許容される担体または希釈剤とともに含む、2型糖尿病並びに高血圧、肥満症、インシュリン抵抗症、高脂血症、高血糖症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、およびその他の心臓血管障害のような関連する代謝症候群の、治療および/または予防のための薬剤組成物に関する。
【0014】
式Iの化合物が、2型糖尿病に関連する高血糖症および高トリグリセリド血症を低下させうることは、予想されなかった発見であった。さらに、式Iの化合物が、2型糖尿病および関連する代謝症候群の治療および/または予防のためにグルコースおよびトリグリセリド値双方を低下させるための薬剤としてだけではなく、RXR/PPARアルファ、RXR/PPARガンマ、およびRXR/PPARデルタヘテロダイマーのpanアゴニストとして用いることができることも、予想されなかった発見であった。
【0015】
本明細書で参照される特許および文献の内容並びにそれらの特許および文献で参照される文書は、参照により可能なかぎり本明細書中に組み込まれる。
【0016】
図面の簡単な説明
図1は本発明の化合物によるRXR/PPARアルファヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例30)。
【0017】
図2は本発明の化合物によるRXR/PPARガンマヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例31)。
【0018】
図3は本発明の化合物によるRXR/PPARデルタヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例32)。
【0019】
図4は本発明の化合物によるRXR/PPARアルファヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例33)。
【0020】
図5は本発明の化合物によるRXR/PPARガンマヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例33)。
【0021】
図6は本発明の化合物によるRXR/PPARデルタヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例33)。
【0022】
図7は本発明の化合物によるインビボの血中グルコースの低下を示すグラフである(実施例34)。
【0023】
図8は本発明の化合物によるインビボのインシュリン感度の増加を示すグラフである(実施例35)。
【0024】
図9は本発明の化合物によるインビボのグルコース耐性の増加を示すグラフである(実施例36)。
【0025】
発明の詳細な説明
特記しない限り、本明細書で用いられる全ての技術および科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者により一般的に理解されるのと同一の意味を有する。本明細書で参照される全ての文献および特許は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0026】
好ましい実施形態においては、本発明の化合物が式Iで示され、式中
環Aは芳香族6員環である;
環Bは芳香族6員環である;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、またはSである;
はHまたはアルキルである;
はHまたはアルキルである;
はHまたはアルキルである;
およびRは独立な、Hまたはアルキルである;
AlkはC2−3アルキレンである;
AlkはC1−2アルキレンである;
Arはアリーレン基である;
Arは置換アリール基である。
【0027】
別の好ましい実施形態においては、本発明の化合物が式Iで示され、式中
環Aは芳香族6員環である;
環Bは芳香族6員環である;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、またはSである;
はHまたはアルキルである;
はHまたはアルキルである;
はHまたはアルキルである;
およびRは芳香族6員環を形成する;
AlkはC2−3アルキレンである;
AlkはC1−2アルキレンである;
Arは芳香族6員環である;
Arは置換アリール基である。
【0028】
別の好ましい実施形態においては、本発明の化合物が式Iで示され、式中
環Aはベンゼン環である;
環Bはベンゼン環である;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、またはSである;
はHである;
はHある;
はHである;
はメチルである;RはHである;
AlkはCHCHである;
AlkはCHである;
Arはベンゼン環である;
Arは無置換または1以上のフッ素で置換されたベンゼン環である。
【0029】
さらに好ましい実施形態においては、本発明の化合物が式Iで示され、式中
環Aはベンゼン環である;
環Bはベンゼン環である;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、またはSである;
はHである;
はHである;
はHである;
およびRはベンゼン環を形成する;
AlkはCHCHである;
AlkはCHである;
Arはベンゼン環である;
Arは無置換または1以上のフッ素で置換されたベンゼン環である。
【0030】
別の好ましい実施形態においては、本発明の化合物が式Iで示され、式中
環Aはベンゼン環である;
環Bはベンゼン環である;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、またはSである;
はHである;
はHである;
はHである;
はメチルである;RはHである;
AlkはCHCHである;
AlkはCHである;
Arはベンゼン環である;
Arは無置換または1以上のハロゲンで置換されたピリジン環である。
【0031】
さらに別の好ましい実施形態においては、本発明の化合物が式Iで示され、式中
環Aはベンゼン環である;
環Bはベンゼン環である;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、またはSである;
はHである;
はHである;
はHである;
およびRはベンゼン環を形成する;
AlkはCHCHである;
AlkはCHである;
Arはベンゼン環である;
Arは無置換または1以上のハロゲンで置換されたピリジン環である。
【0032】
本明細書で用いる場合、以下の用語は指示された意味をもつ:
本明細書で用いる場合、「アルキル」の用語は、直鎖かまたは分岐したまたは環状の構造のアルキル基を含めて意味する。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含むが、これらに限られない。
【0033】
本明細書で用いる場合、「アラルキル」の用語は、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルメチルなどのような芳香族炭化水素で置換された、1〜6個の炭素を含む直鎖または分岐した飽和炭素鎖を意味する。
【0034】
本明細書で用いる場合、「ヘテロアラルキル」の用語は、本明細書中では(2−フリル)メチル、(3−フリル)メチル、(2−ピリジル)メチルなどで定義されるヘテロアリールで置換された、1〜6個の炭素を含む直鎖または分岐した飽和炭素鎖を意味する。
【0035】
本明細書で用いる場合、「アミノアルキル」の用語は、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルなどのような、アミノ基がついた、本明細書中で定義されるアルキルを意味する。
【0036】
本明細書で用いる場合、「アルコキシアルキル」の用語は、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチルなどのような、本明細書中で定義されるアルコキシがついた、本明細書中で定義されるアルキルを意味する。
【0037】
本明細書で用いる場合、「アリールオキシアルキル」の用語は、フェノキシメチル、フェノキシドデシル、1−ナフチロキシエチルなどのような、本明細書中で定義されるアリールオキシがついた、本明細書中で定義されるアルキルを意味する。
【0038】
本明細書で用いる場合、「アラルコキシアルキル」の用語は、ベンジロキシメチル、3−フェニルプロポキシエチルなどのような、本明細書中で定義されるアラルコキシがついた、本明細書中で定義されるアルキルを意味する。
【0039】
本明細書で用いる場合、「ヒドロキシアルキル」の用語は、ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピルなどのような、ヒドロキシ基がついた、本明細書中で定義されるアルキルを意味する。
【0040】
本明細書で用いる場合、「チオアルキル」の用語は、チオメチル、メチルチオメチル、フェニルチオエチルなどのような、式−SR’;R’はH、アルキルまたはアリールである;の基がついた、本明細書中で定義されるアルキルを意味する。
【0041】
本明細書で用いる場合、「ヘテロサイクリル」の用語は、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、モルホリンなどのような、単環式であり、1以上のヘテロ原子を含む、一価の飽和または不飽和の基を意味する。
【0042】
本明細書で用いる場合、「ハロゲン」の用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を意味する。
【0043】
本明細書で用いる場合、「アルコキシ」の用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、シクロプロピロキシ、シクロヘキシロキシなどのような、エーテル酸素上に自由な原子価結合をもつエーテル酸素を介して結合した、直鎖かまたは分岐したまたは環状の構造のアルキル基を含めて意味する。
【0044】
本明細書で用いる場合、「アリール」の用語は、フェニル、ナフチルなどのような、任意でハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アルキル、またはアルコキシで置換された芳香環を含めて意味する。
【0045】
本明細書で用いる場合、「アリールオキシ」の用語は、フェノキシ、1−ナフチロキシ、2−ナフチロキシなどを意味する。
【0046】
本明細書で用いる場合、「アラルコキシ」の用語は、ベンジロキシ、フェネトキシ、1−ナフチルメトキシなどのような、芳香族炭化水素で置換された、本明細書中で定義されるアルキルを意味する。
【0047】
本明細書で用いる場合、「ヘテロアリール」の用語は、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、オキサゾール、キノリン、インドール、ベンズイミダゾールなどのような、窒素、酸素、および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含む、5〜6員の単環式芳香族系または9〜10員の二環式芳香族系を含む一価の置換基を意味する。
【0048】
本明細書で用いる場合、「ヘテロアリールオキシ」の用語は、酸素に結合したピロール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、オキサゾール、キノリン、インドール、ベンズイミダゾールなどのような、酸素原子上に自由な原子価結合をもつ酸素原子に結合した、本明細書中で定義されるヘテロアリールを意味する。
【0049】
本明細書で用いる場合、「ヘテロアラルコキシ」の用語は、酸素に結合した(2−フリル)メチル、(3−フリル)メチル、(2−ピリジル)メチルなどのような、酸素原子上に自由な原子価結合をもつ酸素原子に結合した、本明細書中で定義されるヘテロアラルキルを意味する。
【0050】
本明細書で用いる場合、「アシル」の用語は、アセチル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ピバロイル、バレリルなどのような、カルボニル基を介して結合したアルキル基を含む一価の置換基を意味する。
【0051】
本明細書で用いる場合、「アシロキシ」の用語は、アセチロキシ、プロピニロキシ、ブチリロキシ、イソブイリロキシ、ピバロイロキシ、バレリロキシなどのような、酸素原子上に自由な原子価結合をもつ酸素原子に結合した、本明細書中で定義されるアシルを意味する。
【0052】
本明細書で用いる場合、「アルキルアミノ」の用語は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノなどのような、窒素原子上に自由な原子価結合をもつアミノを介して結合したアルキル基を含む、直鎖かまたは分岐したまたは環状の一価の置換基を意味する。
【0053】
本明細書で用いる場合、「アリールアミノ」の用語は、フェニルアミノ、ナフチルアミノなどのような、窒素原子上に自由な原子価結合をもつアミノを介して結合した、本明細書中で定義されるアリールを意味する。
【0054】
本明細書で用いる場合、「アラルキルアミノ」の用語は、ベンジルアミノ、フェネチルアミノ、3−フェニルプロピルアミノ、1−ナフチルメチルアミノなどのような、窒素原子上に自由な原子価結合をもつアミノを介して結合した、本明細書中で定義されるアラルキルを意味する。
【0055】
式(I)の化合物は、スキーム1に示した合成経路で調製することができる;
【0056】
【化2】

【0057】
化合物1は、β−ジケトン2と反応し、ビニル性アミド類似体3が95〜98%の収率で得られた。3のO−アルキル化は、通常の方法でKOHおよび対応するジブロモアルカンでエタノール中で処理することによって行われ、エーテル4が15〜20%の収率で得られた。4のN−アルキル化はNaOHおよび化合物5を臭化テトラブチルアンモニウム存在下で処理することによって行われ、置換アリールアルカン酸誘導体6が20〜25%の収率で得られた。
【0058】
スキーム1に示された合成経路は、Arがベンゼン環である式(I)の化合物の調製にも適する。
【0059】
薬剤組成物は錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液、懸濁液、エアロゾルなどのような通常用いられる形態であってもよく、香料、着色料などを適当な固体もしくは液体の担体または希釈剤に、あるいは注射溶液または懸濁液をつくる適当な滅菌媒体に含んでもよい。好ましい実施形態においては、本薬剤組成物は、約65重量%まで、好ましくは約0.5〜約40%、より好ましくは約1〜約20%、および最も好ましくは約1〜約10%の式Iの化合物を含み、組成物の残りの部分が製薬上許容される担体、希釈剤または溶媒または塩の溶液である。
【0060】
本明細書で用いる場合、「製薬上許容される担体」または「希釈剤」の用語は、1986年10月にアメリカ薬学会から出版された「Handbook of Pharmaceutical Excipients」に開示されたものが含まれるがこの限りではない。内容は可能な限り参照により本明細書中に組み込まれる。
【0061】
上述のように定義される式(I)の化合物は、臨床的にヒトおよび動物を含む哺乳類に臨床的に、経口、経鼻、経皮、肺または非経口の経路で投与される。経口投与は簡便であり注射による痛みや刺激の可能性を避けられるので好ましい。好ましい実施形態においては、投与量は1日あたり約0.01〜約200mg/kg体重の範囲であり、好ましくは約0.01〜約100mg/kgおよびさらに好ましくは約0.1〜50mg/kgであり、1回でまたは分割して投与する。しかしながら、治療を受けるそれぞれの患者に最適な投与量は、治療の責任者によって決定され、一般にははじめは少ない量が投与され、その後最適な投与量を決定するために増量される。
【0062】
特別な作用理論を必要とすることなく、式Iの化合物を患者に投与することで、糖尿病および関連する合併症を、患者のグルコースおよびトリグリセリドレベルを下げることによって治療すると考えられている。このような二元的な活性は、たとえば患者の、2型糖尿病に伴う高血糖およびトリグリセリド過剰血を回避することを助けると考えられる。さらに、本治療によって、治療によるグルコース低下およびトリグリセリド低下の性質がみられた場合、2型糖尿病患者および関連する合併症の治療はより有効で望ましいものになりうると考えられている。
【実施例】
【0063】
以下の実施例は発明の例示として説明するためであって、開示の残部をいかようにも限定することはないと解されるべきである。特記しないかぎり、実施例および本明細書の開示の残部で用いられるすべての部分量およびパーセンテージは重量で与えられる。
【0064】
さらに、本明細書または後述する本発明の様々な形態の記述または請求項に挙げられる、たとえば特定の物性、測定単位、条件、物理状態またはパーセンテージを表すもののような、任意の数値範囲は、明確に文献として、本明細書に参照その他として組み込まれる。用語「約」は、変数の修正、または連結において、本明細書で開示される数値および範囲が柔軟であり、当業者が、範囲外または異なった値の温度、濃度、量、内容物、炭素数、および性質を用いて本発明を実施し望まれる結果に達することを表す。
【0065】
実施例1
2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0066】
【化3】

【0067】
L−チロシンメチルエステル(4.00g、20.51mmol)のメタノール(150ml)溶液に1−ベンゾイルアセトン(3.66g、22.56mmol)を加え、その後混合物を加熱して24時間還流する。溶媒を真空で蒸発させる。残留物にエタノール(50ml)を加え、その後エタノールを大気圧で蒸留して除く。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(6.80g、98%)。
【0068】
実施例2
2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0069】
【化4】

【0070】
水酸化カリウム(0.17g,2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.00g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.22g、17%)。
【0071】
実施例3
2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(化合物CS023)の調製
【0072】
【化5】

【0073】
2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.22g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.05g、20%)。C3330のHRMS計算値:518.6123。実測値:518.6125。C3330のMA計算値:C、76.43%;H、5.83%;N、5.40%。実測値:C、76.21%;H、5.85%;N、5.39%。
【0074】
実施例4
2−[1−メチル−3−オキソ−3−(4−フルオロフェニル)−プロペニルアミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0075】
【化6】

【0076】
L−チロシンメチルエステル(4.00g、20.51mmol)のメタノール(150ml)溶液に1−(4−フルオロベンゾイル)アセトン(4.06g、22.56mmol)を加え、その後混合物を加熱し、24時間還流する。溶媒を真空で蒸発させる。残留物にエタノール(50ml)を加え、次いでエタノールを大気圧で蒸留して除く。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(7.03g、96%)。
【0077】
実施例5
2−[1−メチル−3−オキソ−3−(4−フルオロフェニル)−プロペニルアミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0078】
【化7】

【0079】
水酸化カリウム(0.17g,2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−[1−メチル−3−オキソ−3−(4−フルオロフェニル)−プロペニルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.05g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.37g、27%)。
【0080】
実施例6
2−[1−メチル−3−オキソ−3−(4−フルオロフェニル)−プロペニルアミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸の調製
【0081】
【化8】

【0082】
2−[1−メチル−3−オキソ−3−(4−フルオロフェニル)−プロペニルアミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.23g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.06g、23%)。C3329FNのHRMS計算値:536.6027。実測値:536.6025。C3329FNのMA計算値:C、73.86%;H、5.45%;N、5.22%。実測値:C、73.63%;H、5.46%;N、5.20%。
【0083】
実施例7
2−[1−メチル−3−オキソ−3−(3−ピリジル)−プロペニルアミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0084】
【化9】

【0085】
L−チロシンメチルエステル(4.00g、20.51mmol)のメタノール(150ml)溶液に1−ニコチノイルアセトン(3.68g、22.56mmol)を加え、その後混合物を加熱して24時間還流する。溶媒を真空で蒸発させる。残留物にエタノール(50ml)を加え、その後エタノールを大気圧で蒸留して除く。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(5.51g、79%)。
【0086】
実施例8
2−[1−メチル−3−オキソ−3−(3−ピリジル)−プロペニルアミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0087】
【化10】

【0088】
水酸化カリウム(0.17g,2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−[1−メチル−3−オキソ−3−(3−ピリジル)−プロペニルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.00g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.20g、15%)。
【0089】
実施例9
2−[1−メチル−3−オキソ−3−(3−ピリジル)−プロペニルアミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸の調製
【0090】
【化11】

【0091】
2−[1−メチル−3−オキソ−3−(3−ピリジル)−プロペニルアミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.22g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.04g、16%)。C3229のHRMS計算値:519.6001。実測値:519.6003。C3229のMA計算値:C、73.97%;H、5.63%;N、8.09%。実測値:C、73.84%;H、5.65%;N、8.11%。
【0092】
実施例10
2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0093】
【化12】

【0094】
2−ベンゾイルシクロヘキサノン(90.9g、0.45mol)およびL−チロシンメチルエステル(78.0g、0.40mol)のアニソール(1000ml)溶液の混合物に5%のカーボン上パラジウム(20g)を加え、その後混合物を加熱して2時間還流し、その間に生成した水をDean−Stark装置で除く。混合物を80℃に冷却し、Pd/Cをろ過してアニソール(3x60ml)で洗浄する。混合物を40℃に冷却し、ヘキサン(1000ml)を加え、混合物を−20℃に48時間保つ。固体をろ過してヘキサン(5x200ml)で洗浄し、粗2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルを得る。粗生成物を250mlのメタノールと混合し、30分還流する。0℃に冷却した後、生成物をろ過し、メタノール(2x50ml)で洗浄し、真空乾燥して表題化合物を得る(60.2g、40.1%)。
【0095】
実施例11
2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0096】
【化13】

【0097】
水酸化カリウム(0.17g,2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.11g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.30g、21%)。
【0098】
実施例12
2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(化合物CS0381)の調製
【0099】
【化14】

【0100】
2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.24g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.06g、22%)。C3630のHRMS計算値:554.6453。実測値:554.6451。C3630のMA計算値:C、77.96%;H、5.45%;N、5.05%。実測値:C、77.83%;H、5.46%;N、5.07%。
【0101】
実施例13
2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0102】
【化15】

【0103】
2−(4−フルオロベンゾイル)シクロヘキサノン(99.0g、0.45mol)およびL−チロシンメチルエステル(78.0g、0.40mol)のアニソール(1000ml)溶液の混合物に5%のカーボン上パラジウム(20g)を加え、その後混合物を加熱して2時間還流し、その間に生成した水をDean−Stark装置で除く。混合物を80℃に冷却し、Pd/Cをろ過してアニソール(3x60ml)で洗浄する。混合物を40℃に冷却し、ヘキサン(1000ml)を加え、混合物を−20℃に48時間保つ。固体をろ過してヘキサン(5x200ml)で洗浄し、粗2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルを得る。粗生成物を250mlのメタノールと混合し、30分間還流する。0℃に冷却した後、生成物をろ過し、メタノール(2x50ml)で洗浄し、真空乾燥して表題化合物を得る(75.6g、48.1%)。
【0104】
実施例14
2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0105】
【化16】

【0106】
水酸化カリウム(0.17g,2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.16g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.56g、38%)。
【0107】
実施例15
2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(化合物CS038)の調製
【0108】
【化17】

【0109】
2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.25g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.10g、36%)。C3629FNのHRMS計算値:572.6357。実測値:572.6354。C3629FNのMA計算値:C、75.51%;H、5.11%;N、4.89%。実測値:C、75.83%;H、5.10%;N、4.90%。
【0110】
実施例16
2−((2−ニコチノイルフェニル)アミノ)−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0111】
【化18】

【0112】
2−ニコチノイルシクロヘキサノン(914.0g、0.45mol)およびL−チロシンメチルエステル(78.0g、0.40mol)のアニソール(1000ml)溶液の混合物に5%のカーボン上パラジウム(20g)を加え、その後混合物を加熱して2時間還流し、その間に生成した水をDean−Stark装置で除く。混合物を80℃に冷却し、Pd/Cをろ過してアニソール(3x60ml)で洗浄する。混合物を40℃に冷却し、ヘキサン(1000ml)を加え、混合物を−20℃に48時間保つ。固体をろ過してヘキサン(5x200ml)で洗浄し、粗2−((2−ニコチノイルフェニル)アミノ)−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルを得る。粗生成物を250mlのメタノールと混合し、30分間還流する。0℃に冷却した後、生成物をろ過し、メタノール(2x50ml)で洗浄し、真空乾燥して表題化合物を得る(58.6g、39.0%)。
【0113】
実施例17
2−((2−ニコチノイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0114】
【化19】

【0115】
水酸化カリウム(0.17g,2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−((2−ニコチノイルフェニル)アミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.10g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.40g、28.2%)。
【0116】
実施例18
2−((2−ニコチノイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸の調製
【0117】
【化20】

【0118】
2−((2−ニコチノイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.24g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.05g、18%)。C3529のHRMS計算値:555.6331。実測値:555.6329。C3529のMA計算値:C、75.66%;H、5.26%;N、7.56%。実測値:C、75.42%;H、5.27%;N、7.53%。
【0119】
実施例19
2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸のスケールアップのための調製方法
【0120】
【化21】

【0121】
炭酸カリウム(2kg)のアセトニトリル(5000ml)溶液に、2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(555g、1.48mol)および1,2−ジブロモエタン(1000ml)を加える。混合物を室温で24時間撹拌する。その後、反応混合物をろ過し、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルを得る(442g、62%)。
【0122】
2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(240g、0.49mol)およびカルバゾール(82g、0.49mol)のベンゼン(3000ml)溶液に臭化テトラブチルアンモニウム(80g)および40%のNaOH水溶液(105g、1.05mol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、上澄みの有機層を真空でエバポレーションする。粗生成物を、CHCl/MeOH(8:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(78g、28.7%)。
【0123】
実施例20
2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸のスケールアップのための調製方法
【0124】
【化22】

【0125】
炭酸カリウム(2kg)のアセトニトリル (5000ml) 溶液に、2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(581g、1.48mol)および1,2−ジブロモエタン(1000ml)を加える。混合物を室温で24時間撹拌する。その後、反応混合物をろ過し、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルを得る(429g、58%)。
【0126】
2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(250g、0.50mol)およびカルバゾール(83.5g、0.50mmol)のベンゼン(3000ml)溶液に臭化テトラブチルアンモニウム(80g)および40%のNaOH水溶液(108g、1.08mol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、上澄みの有機層を真空でエバポレーションする。粗生成物を、CHCl/MeOH(8:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(91.52g、32%)。
【0127】
実施例21
2−[(2−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0128】
【化23】

【0129】
2−(4−tert−ブチルベンゾイル)シクロヘキサノン(116.1g、0.45mol)およびL−チロシンメチルエステル(78.0g、0.40mol)のアニソール(1000ml)溶液の混合物に5%のカーボン上パラジウム(20g)を加え、その後混合物を加熱して2時間還流し、その間に生成した水をDean−Stark装置で除く。混合物を80℃に冷却し、Pd/Cをろ過してアニソール(3x60ml)で洗浄する。混合物を40℃に冷却し、ヘキサン(1000ml)を加え、混合物を−20℃に48時間保つ。固体をろ過してヘキサン(5x200ml)で洗浄し、粗2−[(2−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルを得る。粗生成物を250mlのメタノールと混合し、30分間還流する。0℃に冷却した後、生成物をろ過し、メタノール(2x50ml)で洗浄し、真空乾燥して表題化合物を得る(70.7g、41.0%)。
【0130】
実施例22
2−[(2−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0131】
【化24】

【0132】
水酸化カリウム(0.17g,2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−[(2−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.27g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.67g、42%)。
【0133】
実施例23
2−[(2−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(Lab code CS0130090)の調製
【0134】
【化25】

【0135】
2−[(2−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.26g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.14g、47%)。C4038のHRMS計算値:610.7496。実測値:610.7493。C4038のMA計算値:C、78.66%;H、6.27%;N、4.59%。実測値:C、78.85%;H、6.24%;N、4.61%。
【0136】
実施例24
2−[(2−(4−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0137】
【化26】

【0138】
2−(4−メチルベンゾイル)シクロヘキサノン(97.2g、0.45mol)およびL−チロシンメチルエステル(78.0g、0.40mol)のアニソール(1000ml)溶液の混合物に5%のカーボン上パラジウム(20g)を加え、その後混合物を加熱して2時間還流し、その間に生成した水をDean−Stark装置で除く。混合物を80℃に冷却し、Pd/Cをろ過してアニソール(3x60ml)で洗浄する。混合物を40℃に冷却し、ヘキサン(1000ml)を加え、混合物を−20℃に48時間保つ。固体をろ過してヘキサン(5x200ml)で洗浄し、粗2−[(2−(4−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルを得る。粗生成物を250mlのメタノールと混合し、30分間還流する。0℃に冷却した後、生成物をろ過し、メタノール(2x50ml)で洗浄し、真空乾燥して表題化合物を得る(59.1g、38%)。
【0139】
実施例25
2−[(2−(4−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0140】
【化27】

【0141】
水酸化カリウム(0.17g、2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−[(2−(4−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.15g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.78g、53%)。
【0142】
実施例26
2−[(2−(4−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(Lab code CS0130080)の調製
【0143】
【化28】

【0144】
2−[(2−(4−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.24g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.15g、54%)。C3732のHRMS計算値:568.6692。実測値:568.6693。C3732のMA計算値:C、78.15%;H、5.67%;N、4.93%。実測値:C、78.36%;H、5.64%;N、4.91%。
【0145】
実施例27
2−[(2−(2−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0146】
【化29】

【0147】
2−(2−メチルベンゾイル)シクロヘキサノン(97.2g、0.45mol)およびL−チロシンメチルエステル(78.0g、0.40mol)のアニソール(1000ml)溶液の混合物に5%のカーボン上パラジウム(20g)を加え、その後混合物を加熱して2時間還流し、その間に生成した水をDean−Stark装置で除く。混合物を80℃に冷却し、Pd/Cをろ過してアニソール(3x60ml)で洗浄する。混合物を40℃に冷却し、ヘキサン(1000ml)を加え、混合物を−20℃に48時間保つ。固体をろ過してヘキサン(5x200ml)で洗浄し、粗2−[(2−(2−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシルフェニル)−プロピオン酸メチルエステルを得る。粗生成物を250mlのメタノールと混合し、30分間還流する。0℃に冷却した後、生成物をろ過し、メタノール(2x50ml)で洗浄し、真空乾燥して表題化合物を得る(52.9g、34%)。
【0148】
実施例28
2−[(2−(2−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの調製
【0149】
【化30】

【0150】
水酸化カリウム(0.17g、2.95mmol)のエタノール(20ml)溶液に、2−[(2−(2−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチルエステル(1.15g、2.95mmol)および1,2−ジブロモエタン(5.54g、29.50mmol)を加える。その後混合物を加熱して8時間還流する。冷却した後、反応混合物をろ過して生成した固体を除き、ろ液を真空でエバポレーションする。粗生成物を、ヘキサン/EtOAc(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.83g、57%)。
【0151】
実施例29
2−[(2−(2−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(Lab code CS01300110)の調製
【0152】
【化31】

【0153】
2−[(2−(2−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−ブロモエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(0.24g、0.49mmol)およびカルバゾール(0.082g、0.49mmol)のベンゼン(10ml)溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.08g)および50%NaOH水溶液(0.084g、1.08mmol)を加え、混合物を加熱して10時間還流する。冷却した後、ベンゼン(30ml)を加え、混合物を水(3x30ml)で洗う。次いで溶媒を真空で蒸発させる。粗生成物を、CHCl/MeOH(4:1)を溶離剤に用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得る(0.11g、39%)。C3732のHRMS計算値:568.6692。実測値:568.6689。C3732のMA計算値:C、78.15%;H、5.67%;N、4.93%。実測値:C、77.96%;H、5.68%;N、4.90%。
【0154】
実施例30
化合物2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(化合物CS−023)、2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−0381)、および2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−038)の、インビトロでRXR/PPARアルファヘテロダイマー作用物質としてはたらく例。図1を参照。
【0155】
上記化合物のRXR/PPARアルファヘテロダイマーの活性化を、ルシフェラーゼレポーターアッセイで測定した。簡潔には、PPARアルファ全長をオリゴヌクレオチドプライマー(5’−acgtgcttcctgcttcataga−3’(SEQ ID NO:1)および5’−cctgagattagccacctccc−3’(SEQ ID NO:2))を用いてHepG2細胞からPCRで複製した。増幅されたcDNAを発現ベクター中に複製し、配列した。レポーターはPPAR応答要素(5’−gatcctctcctttgacctattgaactattacctacatttga−3’(SEQ ID NO:3))の3つの複製を含むアニールしたオリゴヌクレオチドを、pHD(X3)Lucベクター中のルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入して作製した。CV−1細胞を、96穴プレートで、作製したレポーターとともに、RXRおよびPPARアルファでトランスフェクションした。トランスフェクションの後、細胞を脱脂血清を含む培地で24時間培養し、DMSOに溶解したテスト化合物および陽性コントロールWY(WY14643)を加えた。最終的な培地(200ul)中のDMSO濃度は0.5%であった。上記のように、細胞を異なる化合物、異なる濃度で24時間処理し、その後プレートリーダー(Fluoroscan,Thermo Life Sciences)でルシフェラーゼアッセイを行った。
【0156】
実施例31
化合物2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(化合物CS−023)、2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−0381)、および2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−038)の、インビトロでRXR/PPARガンマヘテロダイマー作用物質としてはたらく例。図2を参照。
【0157】
上記化合物のRXR/PPARガンマヘテロダイマーの活性化を、ルシフェラーゼレポーターアッセイで測定した。簡潔には、PPARガンマの全長を、脂肪組織のオリゴヌクレオチドプライマー(5’−ggggtacctgcttcagcagcgtgrrcga−3’(SEQ ID NO:4)および5’−gctctagatgttggcagtggctcaggac−3’(SEQ ID NO:5))を用いて複製した。増幅したcDNAを発現ベクター中に複製し配列した。レポーターは、PPAR応答要素(5’−cgcgttcctttccgaacgtgacctttgtcctggtccccttttgct−3’ (SEQ ID NO:6))の1つの複製を含むアニールしたオリゴヌクレオチドをルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入して作製した。CV−1細胞を、96穴プレートで、作製したレポーターとともに、RXRおよびPPARガンマでトランスフェクションした。トランスフェクションの後、細胞を脱脂血清を含む培地で24時間培養し、DMSOに溶解したテスト化合物および陽性コントロールRos(Rosiglitazone)を加えた。最終的な培地(200ul)中のDMSO濃度は0.5%であった。上記のように、細胞を異なる化合物、異なる濃度で24時間処理し、その後プレートリーダー(Fluoroscan,Thermo Life Sciences)でルシフェラーゼアッセイを行った。
【0158】
実施例32
化合物2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(化合物CS−023)、2−((2−ベンゾイルフェニル)アミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−0381)、および2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−038)の、インビトロでRXR/PPARデルタヘテロダイマー作用物質としてはたらく例。図3を参照。
【0159】
上記化合物のRXR/PPARデルタヘテロダイマーの活性化を、ルシフェラーゼレポーターアッセイで測定した。簡潔には、PPARデルタの全長を、脂肪組織のオリゴヌクレオチドプライマー(5’−ggggtacctgcttcagcagcgtgttcga−3’(SEQ ID NO:4)および5’−gctctagatgttggcagtggctcaggac−3’(SEQ ID NO:5))を用いて複製した。増幅したcDNAを発現ベクター中に複製し配列した。レポーターは、PPAR応答要素(5’−cgcgttcctttccgaacgtgacctttgtcctggtccccttttgct−3’ (SEQ ID NO:6))の1つの複製を含むアニールしたオリゴヌクレオチドをルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入して作製した。CV−1細胞を、96穴プレートで、作製したレポーターとともに、RXRおよびPPARデルタでトランスフェクションした。トランスフェクションの後、細胞を脱脂血清を含む培地で24時間培養し、DMSOに溶解したテスト化合物および陽性コントロール2−Bro(2−ブロモヘキサデカン酸)を加えた。最終的な培地(200ul)中のDMSO濃度は0.5%であった。上記のように、細胞を異なる化合物、異なる濃度で24時間処理し、その後プレートリーダー(Fluoroscan,Thermo Life Sciences)でルシフェラーゼアッセイを行った。
【0160】
実施例33
化合物2−[(2−(4−メチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(Lab Code CS0130080)、および2−[(2−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(Lab Code CS0130090)の、インビトロでRXR/PPARヘテロダイマー作用物質としてはたらく例。図4(RXR/PPARアルファ)、図5(RXR/PPARガンマ)、および図6(RXR/PPARデルタ)を参照。
【0161】
実施例34
化合物2−(1−メチル−3−オキソ−3−フェニル−プロペニルアミノ)−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(化合物CS−023、以下の図でCS−98とも表す)、および2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−038を30mg/kg/bwおよびRosiglitazoneを4mg/kg/bw)が、db/dbマウスの血中グルコース値を下げる例(動物個体数=10)。図7を参照。
【0162】
実施例35
化合物2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−038)を用いた、実験的な肥満ラットモデルの治療によって、13日間の投薬治療後のインシュリン耐性試験においてインシュリン感度が増加した例(投与量は以下の図中にmg/kg/体重で示した;Rosは4mg/kg/bwのRosiglitazoneを、CS−4は4mg/kg/bwのCS−038を、CS−30は30mg/kg/bwのCS−038を意味する;Normaは正常のラットを意味する;コントロールは肥満のラットであり、すべての治療は肥満のラットで行った;動物個体数=10)。図8を参照。
【0163】
実施例36
化合物2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−038)を用いた、実験的な肥満ラットモデルの治療によって、13日間の投薬治療後の経口グルコース耐性試験においてグルコース耐性が増加した例(投与量は以下の図中にmg/kg/体重で示した;Rosは4mg/kg/bwのRosiglitazoneを、CS−4は4mg/kg/bwのCS−038を、CS−30は30mg/kg/bwのCS−038を意味する;Normaは正常のラットを意味する;コントロールは肥満のラットであり、すべての治療は肥満のラットで行った;動物個体数=10)。図9を参照。
【0164】
実施例37
化合物2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−038)を用いた、実験的な肥満ラットモデルの治療によって、13日間の投薬治療後の血中トリグリセリドが低下した例(投与量は以下の図中にmg/kg/体重で示した;Normaは正常のラットを意味する;コントロールは肥満のラットであり、すべての治療は肥満のラットで行った;動物個体数=10)。
【0165】
【表1】

【0166】
実施例38
化合物2−[(2−(4−フルオロベンゾイル)フェニル)アミノ]−3−[4−(2−カルバゾリルエトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(CS−038)を用いた、実験的な肥満ラットモデルの治療によって、15日間の投薬治療後の体重および腹部脂肪が増加しなかった例(投与量は以下の図中にmg/kg/体重で示した;コントロールは肥満のラットであり、すべての治療は肥満のラットで行った;動物個体数=10)。
【0167】
【表2】

【0168】
上記の明細書中で言及した全ての文献および特許は、参照により本明細書中に組み込まれる。記載された本発明の組成物および方法の種々の修正および変更は、当業者にとっては、本発明の範囲および思想を逸脱することなく明白であろう。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して記載されているものの、特許請求の範囲に記載の発明は特定の実施形態に過度に限定されるべきではないと理解されるべきである。実際に、本技術分野または関連する分野の当業者にとって明白な、記載の組成物および本発明を実施するための形態の種々の修正は、請求項の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の化合物によるRXR/PPARアルファヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例30)。
【図2】本発明の化合物によるRXR/PPARガンマヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例31)。
【図3】本発明の化合物によるRXR/PPARデルタヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例32)。
【図4】本発明の化合物によるRXR/PPARアルファヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例33)。
【図5】本発明の化合物によるRXR/PPARガンマヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例33)。
【図6】本発明の化合物によるRXR/PPARデルタヘテロダイマーの活性化の比較を示すグラフである(実施例33)。
【図7】本発明の化合物によるインビボの血中グルコースの低下を示すグラフである(実施例34)。
【図8】本発明の化合物によるインビボのインシュリン感度の増加を示すグラフである(実施例35)。
【図9】本発明の化合物によるインビボのグルコース耐性の増加を示すグラフである(実施例36)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物。
【化1】

式中環Aおよび環BはXおよびNを含む環に融合した、それぞれ独立して、任意で酸素、硫黄、または窒素原子から選択される1以上のヘテロ原子を含み、任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換されうる、5〜6員環を表す;環Aおよび環Bは飽和または1以上の二重結合を含むまたは芳香族であってもよい;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、S、またはNRである;ここでRはH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールを表す;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
およびRは独立な、H、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;RおよびRは任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換された、5員環または6員環を形成してもよい;
AlkはC1−6アルキレンを表す;
AlkはC1−2アルキレンを表す;
Arは任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、または二価へテロ環基を表す;
Arは無置換または1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、アリール基;任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、ヘテロアリールまたはヘテロ環基を表す。
【請求項2】
環Aが芳香族6員環である;
環Bが芳香族6員環である;
Xが原子価結合、CHCH、CH=CH、OまたはSである;
がHまたはアルキルである;
がHまたはアルキルである;
がHまたはアルキルである;
およびRが独立にHまたはアルキルである;
AlkがC2−3アルキレンである;
AlkがC1−2アルキレンである;
Arがアリーレン基である;
Arが置換アリール基である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aが芳香族6員環である;
環Bが芳香族6員環である;
Xが原子価結合、CHCH、CH=CH、OまたはSである;
がHまたはアルキルである;
がHまたはアルキルである;
がHまたはアルキルである;
およびRが芳香族6員環を形成する;
AlkがC2−3アルキレンである;
AlkがC1−2アルキレンである;
Arが芳香族6員環である;
Arが置換アリール基である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環Aがベンゼン環である;
環Bがベンゼン環である;
Xが原子価結合、CHCH、CH=CH、OまたはSである;
がHである;
がHである;
がHである;
がメチルである;RがHである;
AlkがCHCHである;
AlkがCHである;
Arがベンゼン環である;
Arが無置換または1以上のフッ素で置換されたベンゼン環である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
環Aがベンゼン環である;
環Bがベンゼン環である;
Xが原子価結合、CHCH、CH=CH、OまたはSである;
がHである;
がHである;
がHである;
およびRがベンゼン環を形成する;
AlkがCHCHである;
AlkがCHである;
Arがベンゼン環である;
Arが無置換または1以上のフッ素で置換されたベンゼン環である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
環Aがベンゼン環である;
環Bがベンゼン環である;
Xが原子価結合、CHCH、CH=CH、OまたはSである;
がHである;
がHである;
がHである;
がメチルである;RがHである;
AlkがCHCHである;
AlkがCHである;
Arがベンゼン環である;
Arが無置換または1以上のハロゲンで置換されたピリジン環である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
環Aがベンゼン環である;
環Bがベンゼン環である;
Xが原子価結合、CHCH、CH=CH、OまたはSである;
がHである;
がHである;
がHである;
およびRがベンゼン環を形成する;
AlkがCHCHである;
AlkがCHである;
Arがベンゼン環である;
Arが無置換または1以上のフッ素で置換されたピリジン環である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
a)化合物1およびβ−ジケトン2の縮合反応を開始して、ビニル性アミド類似体3を得;
【化2】

b)3のO−アルキル化を行って化合物4を得;
【化3】

c)4のN−アルキル化を行って置換アリールアルカン酸誘導体6を与える、
【化4】

段階を有する、式Iの化合物、
【化5】

式中環Aおよび環BはXおよびNを含む環に融合した、それぞれ独立して、任意で酸素、硫黄、または窒素原子から選択される1以上のヘテロ原子を含み、任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換されうる、5〜6員環を表す;環Aおよび環Bは飽和または1以上の二重結合を含むまたは芳香族であってもよい;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、S、またはNRである;ここでRはH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールを表す;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
およびRは独立な、H、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;RおよびRは任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換された、5員環または6員環を形成してもよい;
AlkはC1−6アルキレンを表す;
AlkはC1−2アルキレンを表す;
Arは任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、または二価へテロ環基を表す;
Arは無置換または1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、アリール基;任意で無置換または1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアリールで置換された、ヘテロアリーレンまたは二価へテロ環基を表す;
その立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、または製薬上許容される塩の調製方法。
【請求項9】
(a)前記縮合反応がエタノール中で還流温度で行われる;
(b)前記O−アルキル化が、3をエタノール中でKOHおよびジブロモアルカンで処理することによって達成される;
(c)前記N−アルキル化が、化合物4をNaOHおよび化合物5と臭化テトラブチルアンモニウムの存在下で処理することによって達成される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物がRXR/PPARアルファ、RXR/PPARガンマ、およびRXR/PPARデルタへテロダイマーを活性化するPPAR panアゴニストである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物がRXR/PPARアルファ、RXR/PPARガンマ、およびRXR/PPARデルタへテロダイマーを様々な程度で活性化する部分的なPPAR panアゴニストである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩の有効量を、少なくとも1つの製薬上許容される担体または希釈剤とともに含む、核受容体を活性化するための薬剤組成物。
【請求項13】
前記核受容体がレチノイドXレセプター(RXR)およびペルオキシソーム増殖活性化レセプター(PPAR)を含む、請求項11に記載の薬剤組成物。
【請求項14】
約0.05〜約200mgの前記化合物を含む単位剤形の、請求項12に記載の薬剤組成物。
【請求項15】
約0.1〜約100mgの前記化合物を含む単位剤形の、請求項14に記載の薬剤組成物。
【請求項16】
経口、経鼻、経皮、肺または非経口の経路での投与に適した、請求項12に記載の薬剤組成物。
【請求項17】
式Iの化合物の有効量を、投与を必要とする患者に対して投与することを含む、少なくとも1つの核受容体が媒介する状態を治療または予防するための方法。
【化6】

式中環Aおよび環BはXおよびNを含む環に融合した、それぞれ独立して、任意で酸素、硫黄、または窒素原子から選択される1以上のヘテロ原子を含み、任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換されうる、5〜6員環を表す;環Aおよび環Bは飽和または1以上の二重結合を含むまたは芳香族であってもよい;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、S、またはNRである;ここでRはH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールを表す;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
およびRは独立な、H、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;RおよびRは任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換された、5員環または6員環を形成してもよい;
AlkはC1−6アルキレンを表す;
AlkはC1−2アルキレンを表す;
Arは任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、または二価へテロ環基を表す;
Arは無置換または1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、アリール基;任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、ヘテロアリールまたはヘテロ環基を表す。
【請求項18】
前記核受容体がレチノイドXレセプター(RXR)およびペルオキシソーム増殖活性化レセプター(PPAR)を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式Iの化合物の有効量を、投与を必要とする患者に対して投与することを含む、少なくとも1つの核受容体の活性が低下することによって媒介される状態を治療または予防するための方法。
【化7】

式中環Aおよび環BはXおよびNを含む環に融合した、それぞれ独立して、任意で酸素、硫黄、または窒素原子から選択される1以上のヘテロ原子を含み、任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換されうる、5〜6員環を表す;環Aおよび環Bは飽和または1以上の二重結合を含むまたは芳香族であってもよい;
Xは原子価結合、CHCH、CH=CH、O、S、またはNRである;ここでRはH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールを表す;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
はH、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロサイクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
およびRは独立な、H、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、OH、ハロゲン、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノである;RおよびRは任意で1以上のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルケニニル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、ヘテロサイクリル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、アシル、アシロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、またはアラルキルアミノで置換された、5員環または6員環を形成してもよい;
AlkはC1−6アルキレンを表す;
AlkはC1−2アルキレンを表す;
Arは任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、または二価へテロ環基を表す;
Arは無置換または1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、アリール基;任意で1以上のハロゲン、C1−6アルキル、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、もしくはアリールで置換された、ヘテロアリールまたはへテロ環基を表す。
【請求項20】
前記状態が、1型糖尿病、2型糖尿病、異常脂質血症、X症候群、心臓血管病、アテローム性動脈硬化症、過コレステリン血症、および肥満症からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記化合物の有効量が1日当たり約0.05〜約200mg/キログラム体重の範囲内である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物の有効量が1日当たり約0.1〜約100mg/キログラム体重の範囲内である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記化合物の有効量が1日当たり約0.1〜約50mg/キログラム体重の範囲内である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記化合物の有効量を、投与を必要とする患者に対して、抗脂血剤、脂質低下剤、脂質調節剤、抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、および血小板凝集防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの薬剤と組み合わせて;同一の剤形で経口で、個々の剤形で経口で、または注射で投与することを含む、請求項19に記載の状態を治療または予防するための方法。
【請求項25】
前記抗脂血剤、脂質低下剤、または脂質調節剤が、少なくとも1つの;MTP阻害剤、HMG CoA還元酵素阻害剤、スクアレンシンセターゼ阻害剤、フィブリン酸誘導体、ACAT阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、回腸Na+/胆汁酸共輸送阻害剤、LDL受容体活性のアップレギュレーター、胆汁酸抑制剤、およびニコチン酸またはその誘導体からなる群から選択される、請求項24に記載の状態を治療または予防するための方法。
【請求項26】
少なくとも1つの抗糖尿病剤が、インシュリン分泌促進剤、インシュリン増感剤、ビグアニド、スルホニル尿素、グルコシダーゼ阻害剤、PPARγ部分的作用物質または拮抗薬、チアゾリジンジオン、P2阻害剤、ジペプチジルペプチターゼIV(DP4)阻害剤、SGLT2阻害剤、メグリチニド、インシュリン、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)からなる群から選択される、請求項24に記載の状態を治療または予防するための方法。
【請求項27】
少なくとも1つの薬剤が、抗肥満薬、ベータ3アドレナリン作用物質、リパーゼ阻害剤、セロトニン(およびドーパミン)再取り込み阻害剤、P2阻害剤、甲状腺受容体作用物質、および食欲抑制薬からなる群から選択される、請求項24に記載の状態を治療または予防するための方法。
【請求項28】
少なくとも1つの抗高血圧剤が、ACE阻害剤、アンギオテンシンII受容体拮抗薬、NEP/ACE阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、β−アドレナリン遮断薬、および利尿薬からなる群から選択される、請求項24に記載の状態を治療または予防するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−519171(P2006−519171A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510266(P2005−510266)
【出願日】平成15年11月21日(2003.11.21)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005371
【国際公開番号】WO2004/048333
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505192899)シンセン チップスクリーン バイオサイエンセズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】