説明

有料コンテンツ利用システム、有料コンテンツ利用システム制御方法およびその制御用プログラム

【課題】ネットワークに負荷をかけること無く大容量の有料コンテンツを配信する。
【解決手段】鍵情報によって復号可能な暗号化処理されたコンテンツを放送波に変換して放送局50が広域に送信し、この放送波をチューナ部13が受信して復調し、利用するコンテンツ情報と車両情報と課金対象者情報とをDSRCによって基地局30に送信し、この課金対象者情報に基づいて課金処理部34が課金処理を行い、車両情報に基づいて認証キー生成部32が鍵情報を暗号化し、暗号化された鍵情報をDSRCによってDSRC車載器20に送信し、DSRC車載器20はコンテンツ処理装置10に転送し、認証キー処理部11が暗号化された鍵情報を車両情報に基づいて復号し、チューナ部13で復調した暗号化されたコンテンツを鍵情報に基づいて暗号解読手段15が復号し、復号したコンテンツをコンテンツ処理部16が課金対象者用に利用可能に処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有料コンテンツ利用システム、特に放送波を介して送信される有料コンテンツの利用料をETC車載器またはDSRC車載器によって課金する有料コンテンツ利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、最先端の情報通信技術を用いて、交通事故の防止や交通渋滞の改善など交通環境を改善する目的で高度交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)が構築されている。人と道路と車両とを一体のシステムとして構築する高度交通システムの発達により、安全性、効率性、快適性等を飛躍的に向上させることができると期待されている。
【0003】
この高度交通システムの一環として、車載器と有料道路の出入口に設置されたゲートとが電波による通信を行い、有料道路の通行料金をノンストップで支払うことのできる自動料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System)が普及しつつある。
【0004】
前述したETCシステムは、狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)を利用しており、このDSRCで用いられる指向性の高いアンテナと高精度のキャリアセンスとによって、通信エリアを意図的に限定することができる。
【0005】
さらに、DSRCを用いることにより、前述したETCシステムのようにドライブスルーでの支払いのほか、地域の観光情報や気象情報といったコンテンツの提供など様々なサービスに応用することができると期待されている。
【0006】
これに対して、従来より具体的に知られている上記技術分野の内容としては、特許文献1乃至5がある。
【0007】
特許文献1に開示された技術は、DSRCの受信エリア外では地上デジタルテレビの放送波によって広域に配信されるコンテンツを表示部に表示し、DSRCの受信エリア内に入るとDSRCによって配信される地域限定のコンテンツと地上デジタルテレビ放送のコンテンツとを融合して表示部に表示する技術である。
【0008】
この特許文献1に開示された車載ECU(車載情報処理装置)100は、図7に示すように地上デジタルテレビの放送波を受信し復調する放送受信復調部120と、DSRC信号を受信し復号するDSRC受信復号部130と、データ送信用のコンテンツを蓄積するメモリ部140と、放送受信復調部120及びメモリ部140からデータをデコードするデコード部150と、このデコード部150からの信号をモニタに表示させる表示部160と、装置全体の動作を制御する制御部110とを備えている。
【0009】
これにより、受信位置の取得や負荷を増大する処理を行うこと無く、受信位置に応じた地域のコンテンツを受信することができる構成となっている。
【0010】
また、特許文献2に開示された技術は、CATV(Common Antenna TeleVisionおよびCommunity Antenna TeleVision)網とDSRC網とを相互に接続することによって、CATV網の提供するサービスとDSRC網の提供するサービスとを、CATV端末およびDSRC受信機能を有する移動通信端末のどちらでも受けることのできる技術である。
【0011】
さらに、特許文献3に開示された技術は、ETCの路側機を一般設備に設置し、POS(Point of sale)システムとの連携を図ることにより、料金処理のスピードアップと簡素化を実現し、より質の高いサービスを提供することのできる技術である。
【0012】
さらに、特許文献4に開示された技術は、暗号化されたコンテンツデータを復号するための復号鍵を送信する路側機と暗号化されたコンテンツデータを送信する路側機とを分離して設置することで、路側機ごとに認証処理と暗号鍵の送信処理と暗号化されたコンテンツデータの送信処理とを行う場合よりもコンテンツの送信データ量を増加させることのできる技術である。
【0013】
さらに、特許文献5に開示された技術は、携帯電話を介して車両状態を情報処理装置に送信し、情報処理装置の処理結果をDSRC介して車載器に送信することによって、車載装置の処理を制御することのできる技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−319400
【特許文献2】特開2009−278601
【特許文献3】特開2001−22836
【特許文献4】特開2008−271125
【特許文献5】特開2007−158630
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、暗号化された有料コンテンツデータを地上デジタル放送を介して受信し、この暗号化された有料コンテンツの復号に必要な復号鍵のデータを、DSRCを介して購入するというような課金システムには対応していないという不都合があった。
【0016】
また、特許文献2および4に開示された技術は、DSRC移動通信端末(車載器)内に受信したコンテンツを処理する処理部を備えているため、DSRC移動通信端末に該当する装置である例えばカーナビゲーションシステムを買い換えた場合に、決済を行うクレジットカード番号やDSRC移動通信端末を取り付ける車輌情報などを新たに登録し直す必要があり、手続きが煩雑になるという不都合があった。
【0017】
さらに、特許文献1および特許文献2に開示された技術は、DSRCの利用目的がコンテンツデータの取得であるのに対し、本発明のDSRCの利用目的は暗号化されたコンテンツを復号するための復号鍵の取得であるため発明の目的が異なる。
【0018】
また、特許技術3に開示された技術は、サービス提供者側ではPOSシステムとETCによる料金収受システムとを連携させるために新たなシステムの構築が必要となり、導入コストが大幅にかかってしまうという不都合があり、サービスを受ける側ではサービスを利用するための登録手続きが煩雑になるという不都合があった。
【0019】
また、特許技術5に開示された技術は、携帯電話網の利用を前提としているため、通信データ量が増加するにつれて通信料金も増加してしまうという不都合や、同じエリアで多数の携帯電話が通信状態にある場合に携帯電話の通信システムに負荷がかかり通信ができなくなってしまうという不都合があった。
【0020】
このように、これまでの有料コンテンツを利用する車載情報処理装置(ECU:Electronic Control Unit)では、携帯電話等の公共インフラを通して、有料コンテンツそのものをダウンロードすることが主流だったため、大量のデータを扱う場合や、利用者が同時に有料コンテンツをダウンロードした場合などに公共インフラの過負荷状態を招き、通信不良に至ってしまったり、あるいはそれに至らなくても電話利用者などの主なユーザの利用環境に影響を与えてしまう恐れがあった。
【0021】
また、利用者側としては、近年のコンテンツは文字だけでなく画像が動画なども含まれているためコンテンツのデータ量が多く、携帯電話を利用して大容量のデータを受信した場合、回線利用料が高くなってしまうという不都合があった。
【0022】
また、有料コンテンツの認証キーを入手する場合、これまでの方法では、有料コンテンツを取得するごとに、その都度、車載ECUを操作してクレジットカードの情報などを入力して課金する方法や、車載ECUを購入する際に、そのECUのシリアル番号や個人情報等を登録し、定額制などで課金する方法があったが、利用者の手続きが煩雑になることや、車載ECUを買い換えた場合、および故障した場合等には、その都度登録をし直さなければならないという不都合があった。
【0023】
さらに、公共インフラを使用して課金を行う場合、認証時のセキュリティの信頼性を確保するには、個別に環境を構築しなければならないという不都合があった。
【0024】
〔発明の目的〕
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、公共通信手段を使用せずに大容量の有料コンテンツデータを利用者に対して送信ことができ、この有料コンテンツの利用料金を利用者に煩雑な設定を行わせること無くセキュリティが確保された方法で課金させることができるシステムを、既に構築されたシステムを利用して実現することが可能な有料コンテンツ利用システムを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するため、本発明の有料コンテンツ利用システムは、予め設定された車両情報および課金対象者情報を中継局に対して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う中継局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置とを備えた有料コンテンツ利用システムにおいて、前記コンテンツ提供手段が、前記コンテンツを鍵情報によって復号可能に暗号化して当該暗号化したコンテンツを前記コンテンツ処理装置に送信すると共に前記鍵情報を前記中継局に提供するコンテンツ暗号化手段を備え、前記中継局が、前記コンテンツ提供手段から提供された前記鍵情報を前記車載器から受信した車両情報に基づいて暗号化して前記車載器に送信する認証キー生成部を備えると共に、前記車載器が、前記中継局から送信された前記暗号化された鍵情報を前記コンテンツ処理装置に対して転送する認証処理部を備え、前記コンテンツ処理装置が、前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号し当該鍵情報に基づいて前記暗号化されたコンテンツを復号するコンテンツ復号手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る有料コンテンツ利用システム制御方法は、予め設定された車両情報および課金対象者情報を基地局に対して狭域通信を介して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う基地局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置とを備えた有料コンテンツ利用システムにあって、前記コンテンツ提供手段によって暗号化されたコンテンツを復号するための鍵情報を前記車載器を介して前記基地局に対して要求すると共に前記車載器に対して前記車両情報を要求する鍵情報要求機能、前記車両情報に基づいて暗号化された鍵情報を前記基地局から前記車載器を介して受信する鍵情報受信機能、前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号する鍵情報復号機能、放送局によって広域に送信される前記暗号化されたコンテンツを含んだ放送波を受信し復調するチューナ部を制御する放送波受信制御機能、前記暗号化されたコンテンツを前記鍵情報に基づいて復号するコンテンツ復号機能、を実行可能にプログラム化し、これをコンテンツ処理装置が予め備えているコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする。
【0027】
更に、本発明に係る有料コンテンツ利用システム制御用プログラムは、予め設定された車両情報および課金対象者情報を基地局に対して狭域通信を介して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う基地局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置と、を備えた有料コンテンツ利用システムにあって、前記コンテンツ提供手段によって暗号化されたコンテンツを復号するための鍵情報を前記車載器を介して前記基地局に対して要求すると共に前記車載器に対して前記車両情報を要求する鍵情報要求機能、前記車両情報に基づいて暗号化された鍵情報を前記基地局から前記車載器を介して受信する鍵情報受信機能、前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号する鍵情報復号機能、
放送局によって広域に送信される前記暗号化されたコンテンツを含んだ放送波を受信し復調するチューナ部を制御する放送波受信制御機能、前記暗号化されたコンテンツを前記鍵情報に基づいて復号するコンテンツ復号機能を実行可能にプログラム化し、これをコンテンツ処理装置が予め備えているコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上述したように構成したので、これによると、コンテンツ利用料の課金処理を、車載器と中継局(基地局)とを介して行うことにより、コンテンツ処理装置内に課金処理を行う手段が不要となることでハードウェアを簡素化でき、さらに課金処理に必要となる煩雑な登録手続きが不要となりユーザの利便性が向上すると共にドキュメント類の削減につながる。また、利用者は、コンテンツを放送波によって取得することにより、公共インフラの混雑や、他の端末に影響を及ぼすこと無く大容量コンテンツを取得することができ、コンテンツの取得に伴う通信コストを削減することが可能な有料コンテンツ利用システム、有料コンテンツ利用システム制御方法および有料コンテンツ利用システム制御用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に有料コンテンツ利用システムの一実施形態を示したブロック図である。
【図2】図1に開示したブロック図におけるブロックの内容を詳細に示した図であり、(A)認証キー処理部11の内容を示した図、(B)認証キー生成部32の内容を示した図である。
【図3】図1に開示したブロック図における車載コンテンツ処理装置10の動作を示したフローチャートである。
【図4】図1に開示したブロック図におけるDSRC車載器20の動作を示したフローチャートである。
【図5】図1に開示したブロック図における基地局30の動作を示したフローチャートである。
【図6】本発明に係る有料コンテンツ利用システムのその他の実施形態を示した図である。
【図7】関連技術において放送波およびDSRCを介してコンテンツを受信し処理する車載情報処理装置100を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔実施形態〕
以下、本発明に係る有料コンテンツ利用システムの一実施形態を、図1乃至図5に基づいて説明する。
【0031】
まず最初に、本実施形態の有料コンテンツ利用システムは、図1に示すように、コンテンツを利用者に提供するコンテンツ提供手段40と、コンテンツ提供手段40から提供されたコンテンツを放送波に変換して送信する放送局50と、放送局50から送信された放送波を受信しコンテンツを利用可能に処理する車載コンテンツ処理装置10と、コンテンツの利用料金の課金に必要な情報を送信するDSRC車載器20と、DSRC車載器20から送信された情報に基づいて課金処理を行う中継局30とを備えている。
【0032】
前述した中継局30は、DSRC車載器20とDSRC方式の電波を介して通信を行う機能を有した基地局30であり、これにより、基地局30とDSRC車載器20とが高度なセキュリティで確保された状態で通信を行うことができる。
【0033】
前述したコンテンツ提供手段40は、コンテンツを鍵情報によって復号可能に暗号化処理するコンテンツ暗号化手段41と、この暗号化されたコンテンツの配信を放送局50に委託する手段と、コンテンツ利用者に対して鍵情報の提供を基地局30に委託する手段とを備えている。
【0034】
ここで、前記コンテンツ提供手段40が、前記コンテンツを前記放送局50に委託せずに車載コンテンツ処理装置10に対して直接送信する機能を備えてもよいものとする。
【0035】
前述したコンテンツ暗号化手段41は、コンテンツごとに異なる鍵情報によって暗号化処理する個別暗号化機能41aを有している。
【0036】
これにより、暗号化されたコンテンツを復号するためには、このコンテンツに1対1で対応する鍵情報を用いなければならないため、セキュリティが向上する。
【0037】
前述した放送局50は、コンテンツ提供手段40から配信を委託された暗号化されたコンテンツを地上デジタルテレビの放送波に変換して広域に送信する機能を有している。
【0038】
このようにコンテンツを地上デジタルテレビの放送波を介して配信することにより、これまでのような携帯電話網などの公共インフラへの接続および契約をせずにコンテンツを受信することができ、さらに、公共インフラの混雑回避、利用者の通信費の低減することができる。
【0039】
前述した車載コンテンツ処理装置10は、放送局50から送信される放送波を受信し復調するチューナ部13と、このチューナ部13で受信した暗号化されたコンテンツを鍵情報に基づいて復号するコンテンツ復号手段10aとを備えている。
【0040】
前述したコンテンツ復号手段10aは、チューナ部13で復調された放送データから暗号化されたコンテンツを抽出するコンテンツ解析部12と、処理装置側通信部14を介してDSRC車載器20に対して鍵情報(認証キー)を要求すると共に取得した鍵情報を処理する認証キー処理部11とを備えている。
【0041】
さらに、前述した車載コンテンツ処理装置10は、DSRC車載器20と鍵情報に係る通信を行う処理装置側通信部14と、暗号化されたコンテンツを認証キー処理部11の取得した鍵情報に基づいて復号する暗号解読部15と、コンテンツを利用者が利用可能に処理するコンテンツ処理部16とを備えている。
【0042】
前述した認証キー処理部11は、図2(A)に示すように、利用するコンテンツを特定するコンテンツ特定機能11aと、このコンテンツ特定機能11aで特定したコンテンツに係る情報をコンテンツ情報としてDSRC車載器20に対して送信することで当該コンテンツに対応した鍵情報を要求する認証キー要求機能11bと、図1に示すように、暗号化された鍵情報の復号のために必要となる車両情報をDSRC車載器20から取得する車両情報取得機能と、DSRC車載器20から送信される暗号化された鍵情報を受信する認証キー受信機能と、認証キー受信機能によって受信した暗号化された認証キーを車両情報取得機能によって取得した車両情報に基づいて復号する鍵情報復元機能とを有している。
【0043】
前述したチューナ部13は、放送局50から送信される暗号化されたコンテンツを含んだ地上デジタルテレビ放送の放送波を受信すると共に、この受信した放送波を復調し暗号化されたコンテンツを含んだ地上デジタルテレビの放送データを受信ファイルとして変換する放送波受信機能を有している。
【0044】
前述したコンテンツ解析部12は、チューナ部13によって変換された受信ファイルから暗号化されたコンテンツを抽出するコンテンツ抽出機能を有している。
【0045】
前述した暗号解読部15は、コンテンツ解析部12によって抽出された暗号化されたコンテンツを、認証キー処理部11の鍵情報復元機能で復号された鍵情報を用いて復号するコンテンツ復元機能を有している。
【0046】
これにより、コンテンツの暗号化のセキュリティを従来よりも強化することを可能とし、DSRC車載器20と連携して車両の固有情報を利用することにより、これまで必要とされていた車両固有の認証キーを得るための煩雑な登録を必要とせず、有料コンテンツを利用することができる。
【0047】
前述したコンテンツ処理部16は、コンテンツ処理装置10が予め有する機能により、コンテンツをストレージデバイスに保存、表示部がある場合にはコンテンツを表示、およびコンテンツを外部デバイスに送信することができる。
【0048】
例えば、車載コンテンツ処理装置10が動画ファイルを再生する機能を有する場合は、暗号解読部15で復号された動画ファイルを再生することができ、また、コンテンツ処理装置10がカーナビゲーション装置であった場合は、暗号解読部15で復号された更新用地図データに基づいて予め内部に記憶された地図データを更新することができる。
【0049】
ここで、本実施形態の車載コンテンツ処理装置10は、特にその形態を特定していないので、上記機能を有するものであれば、例えばカーナビゲーションシステムであったり、スマートフォンであったり、ノートパソコンであったりしてもよい。
【0050】
前述したDSRC車載器20は、車載コンテンツ処理装置10と通信を行う車載器側通信部21と、基地局30と狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)を介して通信を行うゲート通信部24と、予め車両情報が記憶された車両情報記憶部23と、課金対象者情報が記憶されたICカードから記憶内容を取得するICカードリーダ部25と、認証処理を行う認証処理部22とを備えている。
【0051】
前述した認証処理部22は、車載コンテンツ処理装置10から送信されたコンテンツ情報を車載器側通信部21を介して取得する認証キー要求受信機能と、車載コンテンツ処理装置10から送信された車両情報の取得要求を受けて車両情報記憶手段23に記憶された車両情報を取得する車両情報取得機能とを有している。
【0052】
また、前述した認証処理部22は、ICカードリーダ部25に挿入されたICカードから課金対象者情報を取得する課金対象者情報取得機能と、認証キー要求受信機能の取得したコンテンツ情報と、車両情報取得機能の取得した車両情報と、課金対象者情報取得機能の取得した課金対象者情報とを、ゲート通信部24を介して基地局30に対して送信する課金情報送信機能を有している。
【0053】
さらに、前述した認証処理部22は、基地局30から送信される暗号化された鍵情報をゲート通信部24を介して取得すると共に、この取得した認証キーをETC側通信部21を介して車載コンテンツ処理装置10に転送する認証キー転送機能を有している。
【0054】
前述した車両情報記憶手段23は、DSRC車載器20が搭載される車両を特定するための情報として、例えば車両番号を予め記憶している。
【0055】
前述したICカードリーダー部25は、課金対象者を特定するための情報として、例えばクレジットカード番号、クレジットカードの会社名、クレジットカードの名義人などを取得する機能を有している。
【0056】
前述した基地局30は、DSRC車載器20とDSRCを介して通信を行う基地局側基地局側通信部31と、有料コンテンツ情報に対応する認証キーを生成する認証キー生成部32と、コンテンツ提供者40から提供された鍵情報を記憶する鍵情報記憶部33と、クレジットカート会社に対して課金処理を行う課金処理部34とを備えている。
【0057】
前述した認証キー生成部32は、DSRC車載器20から送信され基地局側通信部31で受信したコンテンツ情報と車両情報と課金対象者情報とを取得する課金情報受信機能と、図2(B)に示すように、この課金情報受信機能取得した有料コンテンツ情報に1対1で対応する鍵情報を鍵情報記憶部33から検索し取得するする鍵情報取得機能32aとを有している。
【0058】
また、前述した認証キー生成部32は、鍵情報記憶部33から取得した鍵情報に対して、DSRC車載器20から取得した車両情報の車両固有の暗号化処理を行って認証キーを生成する認証キー生成機能と、生成した認証キーを基地局側通信部31を介してDSRC車載器20に対して送信する認証キー送信機能とを有している。
【0059】
前述した鍵情報記憶部33は、コンテンツ提供手段40から提供された1対1でコンテンツに対応する鍵情報を記憶している。
【0060】
前述した課金処理部34は、鍵情報が鍵情報記憶部33に存在した場合に、DSRC車載器20から取得したクレジットカード情報からクレジットカード会社を抽出するカード会社情報抽出機能と、抽出したクレジットカート会社にこのクレジットカードは有効なカードであるか否かを問い合わせる機能と、問い合わせの結果、有効なクレジットカードである場合に課金処理を行う課金処理機能とを有している。
【0061】
これにより、コンテンツ提供者40は、高度なセキュリティを持った有料コンテンツの配信を、自ら大きな設備投資を必要とせずに、既に確立されたインフラシステムを経由して可能とする。
【0062】
さらに、ゲートや路側通信機などの基地局との高度なセキュリティが確保された通信経路を経由して、認証キーを得ることができると共に、車両の固有情報と課金スキームをそのまま利用することで、煩雑な手続きや、車載コンテンツ処理装置10をリプレイスした場合の再登録などの手間を省くことができる。
【0063】
ここで、前述した車載コンテンツ処理装置10とDSRC車載器20とを、例えばUSB(Universal Serial Bus)やBluetooth(IEEE 802.15.1規格)などの汎用インターフェースによって接続しても良い。
【0064】
このように、汎用インターフェースの接続を可能にすることにより、民生機器を車両内に簡単に導入することができ、利用者の利便性の向上につながる。
【0065】
また、前述したように本実施形態では、基地局30および車載コンテンツ処理装置10との通信装置としてDSRC車載器20を用いているが、鍵情報の送受信と課金処理とを行うことのできる装置であれば、DSRC車載器20の代わりに広く普及しているETC車載器を用いてもよいものとする。
【0066】
〔実施形態の動作〕
次に、有料コンテンツ利用システムの全体的な動作を図3乃至図5に基づいて説明する。
【0067】
まず最初に、認証キー処理部11は、DSRC車載器20に対して、車両情報を要求する指令とコンテンツ情報と当該コンテンツを復号する鍵情報(認証キー)の取得要求指令とを、処理装置側通信部14を介して送信する(図3:ステップS101/認証キー要求工程)。
【0068】
続いて、認証処理部22は、コンテンツ処理装置10から送信された車両情報を要求する指令とコンテンツ情報とこのコンテンツを復号する鍵情報の取得要求指令とを、車載器側通信部21を介して受信する(図4:ステップS201/認証キー要求受信工程)。
【0069】
また、認証処理手段22は、前述の車両情報要求指令を受けて車両情報記憶部23から車両情報を取得し(図4:ステップS202/車両情報取得工程)、車両情報記憶部23から取得した車両情報を車載器側通信部21を介してコンテンツ処理装置10に送信する(図4:ステップS203/認証キー解除用車両情報送信工程)。
【0070】
さらに、認証処理手段22は、ICカードリーダー部25からクレジットカード情報を取得し(図4:ステップS204/クレジットカード情報取得工程)、コンテンツ情報と車両情報とクレジットカード情報とをゲート通信部24を介して基地局30に対して送信する(図4:ステップS205/課金情報送信工程)。
【0071】
次に、認証キー生成部32は、DSRC車載器20から送信されたコンテンツ情報と車両情報とクレジットカード情報とを、基地局側基地局側通信部31を介して受信する(図5:ステップS301/課金情報受信工程)
【0072】
また、認証キー生成部32は、受信したコンテンツ情報のコンテンツに1対1で対応する鍵情報を鍵情報記憶部33から検索し取得する(図5:ステップS302/鍵情報取得工程)。
【0073】
さらに、認証キー生成部32による鍵情報の検索の結果、該当する鍵情報が存在した場合は、課金処理部34は、受信したクレジットカード情報から発行元を抽出し(図5:ステップS303/カード会社情報抽出工程)、抽出したクレジットカート会社に問い合わせを行って課金処理を行う(図5:ステップS304/課金処理工程)。
【0074】
また、認証キー生成部32は、鍵情報記憶部33から取得した鍵情報に対して、基地局側通信部31を介して受信した車両情報の車両固有の暗号化処理を行って認証キーを生成する(図5:ステップS305/認証キー生成工程)。
【0075】
この認証キー生成部32は生成した認証キーを基地局側通信部31を介してDSRC車載器20に対して送信し(図5:ステップS306/認証キー送信工程)、認証処理手段25はゲート通信部24を介して受信した認証キーを車載コンテンツ処理装置10に対して車載器側通信部21を介して送信する(図4:ステップS206/認証キー転送工程)。
【0076】
前述の認証キー処理部11は、DSRC車載器20から送信された認証キーを処理装置側通信部14を介して受信し(図3:ステップS102/認証キー受信工程)、受信した認証キーを車両情報に基づいて復号しコンテンツと1対1で対応する鍵情報を取得する(図3:ステップS103/鍵情報復元工程)。
【0077】
一方、チューナ部13は放送局50から送信された暗号化された有料コンテンツを含んだ地上デジタルテレビの放送波を受信し(図3:ステップS104/放送波受信工程)、コンテンツ解析部12はチューナ部13で受信した地上デジタルテレビの放送データから目的のコンテンツを抽出する(図3:ステップS105/コンテンツ抽出工程)。
【0078】
また、暗号解読部15はコンテンツ解析部12で抽出された暗号化されたコンテンツを、認証キー処理部11で復号された鍵情報を用いて復号し(図3:ステップS106/コンテンツ復号工程)、コンテンツ処理部16は暗号解読部15で復号されたコンテンツデータを利用者が利用可能に処理する(図3:ステップS107/コンテンツ処理工程)。
【0079】
これにより、復号したコンテンツを、コンテンツ処理装置10の機能によりストレージデバイスに保存したり、ディスプレイがある場合には表示したり、外部デバイスに送信したりすることができる。
【0080】
ここで、コンテンツ処理装置10は、特にその形態を特定していないので、上記機能を有するものであれば、例えばカーナビゲーションシステムであったり、スマートフォンであったりしてもよい。
【0081】
上述した実施形態では、コンテンツの復元に必要な鍵情報を取得してからコンテンツを受信したが、コンテンツを受信してから鍵情報を取得するようにしても良い。
【0082】
ここで、上述した一実施形態における動作にあって、認証キー要求工程、認証キー受信工程、鍵情報復元工程、放送波受信工程、コンテンツ抽出工程、コンテンツ復号工程、およびコンテンツ処理工程で実行される各実行内容をプログラム化し、これをコンテンツ処理装置10が予め有しているコンピュータに機能させるように構成してもよい。
【0083】
また、上述した一実施形態における動作にあって、認証キー要求受信工程、車両情報取得工程、認証キー解除用車両情報送信工程、課金対象者情報取得工程、課金情報送信工程、および認証キー転送工程で実行される各実行内容をプログラム化し、これをDSRC車載器20が予め有しているコンピュータに機能させるように構成してもよい。
【0084】
さらに、上述した一実施形態における動作にあって、課金情報受信工程、鍵情報取得工程、カード会社情報抽出工程、課金処理工程、認証キー生成工程、および認証キー送信工程で実行される各実行内容をプログラム化し、これを基地局30が予め有しているコンピュータに機能させるように構成してもよい。
【0085】
なお、これらの場合、上記各プログラムは、非一時的な記録媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリなどに記録されてもよい。その場合、上記各プログラムは、記録媒体から上記各コンピュータによって読み出され、実行されるものとする。
【0086】
(実施形態の効果)
以上のように、コンテンツ処理装置10は、車両情報をDSRC車載器20の車両情報記憶部23から取得し、コンテンツ処理装置10には車両情報を記憶していないため、コンテンツ処理装置10を買い換えた場合においても新たに車両情報を登録しなおす必要はなく、ユーザの利便性が向上する。
【0087】
また、DSRC車載器20で実行される処理、基地局30で実行される処理、およびDSRC車載器20と基地局30との間の通信は、高度なセキュリティ技術によって既に確立しているシステムであり、本実施形態は当該システムを利用するので、信頼度の高い課金処理が可能となる。
【0088】
さらに、コンテンツ提供手段40は、課金の際に必要となるセキュリティを確保するためのシステムを構築するコストを削減することができる。
【0089】
また、放送局50から送信される放送波は、一方的に送信されるが、受信することは基本的に無料であり、チューナ部13を備えたコンテンツ処理装置10が無数にあった場合でも混信することがないため、放送波を受信することが可能であれば、無料でどんな大容量のファイルでも他の受信者に対して影響を与えることなく入手することができる。
【0090】
これにより、受信するコンテンツ処理装置10が無数にある場合、および大容量のファイルを受信する場合においても、これまでのネットワークを利用した配信システムのように回線が混雑して受信不能になることはなく、さらに通信時間によって通信料が増加することがなくなるため、ユーザの利用コストを削減することができる。
【0091】
また、これまでのように、暗号化されたコンテンツの受信と、この暗号化されたコンテンツの復号に必要となる鍵情報の受信とを別の通信経路で行い、さらに鍵情報に対して車両固有の暗号化処理を行うことにより、暗号化を解除したコンテンツを再配布されることや、暗号を解除する鍵情報を盗まれて悪用されることを防止することができ、強固なセキュリティを備えたシステムを実現することができる。
【0092】
さらに、コンテンツ提供手段40は、有料コンテンツを利用してもらう際、確実に利用料を回収したいと考えるが、このシステムを新たに構築することは、莫大な投資を覚悟しなければならない。放送波とDSRCというすでの確立されたシステムと連携することにより、ほとんど投資をすることなく、高度なセキュリティを、確実な料金回収を兼ね備えた環境を得ることができる。
【0093】
〔その他の実施形態〕
上述したように、一実施形態では、図1に示すように暗号化されたコンテンツを、放送局50から送信される地上デジタル放送を介して取得する場合を例示した。これに対し、有料コンテンツを可搬型の記憶媒体などに記憶させ、この記憶媒体をコンテンツ処理装置10が読み込むことでコンテンツを取得するようにしてもよい。
【0094】
図6に示すように、コンテンツ提供手段40がコンテンツ販売業者60に対して有料コンテンツの販売を委託し、コンテンツ配布手段60は暗号化された有料コンテンツをメモリーカードなどの可搬型記憶媒体であるカード媒体18に記憶させて配布する。
【0095】
利用者はコンテンツ配布手段60から配布されたカード媒体18をコンテンツ処理装置10に備えられた媒体読込部17に挿入する。
【0096】
コンテンツ解析部12は媒体読込部17に挿入されているカード媒体18からコンテンツを取得する。
【0097】
これにより、放送波では電波が届きにくい地域や、時間帯を限定して放送していて入手しにくいコンテンツ等を媒体の形で入手して使用することができる。
【0098】
このようにしても、前述した実施形態と同等の作用効果を備えた有料コンテンツ利用システムを得ることができる。
【0099】
上述した実施形態については、その新規な技術的内容の要点をまとめると、以下の付記のようになる。
尚、上記実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0100】
(付記1)予め設定された車両情報および課金対象者情報を中継局に対して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う中継局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置とを備えた有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ提供手段が、前記コンテンツを鍵情報によって復号可能に暗号化して当該暗号化したコンテンツを前記コンテンツ処理装置に送信すると共に前記鍵情報を前記中継局に提供するコンテンツ暗号化手段を備え、
前記中継局が、前記コンテンツ提供手段から提供された前記鍵情報を前記車載器から受信した車両情報に基づいて暗号化して前記車載器に送信する認証キー生成部を備えると共に、
前記車載器が、前記中継局から送信された前記暗号化された鍵情報を前記コンテンツ処理装置に対して転送する認証処理部を備え、
前記コンテンツ処理装置が、前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号し当該鍵情報に基づいて前記暗号化されたコンテンツを復号するコンテンツ復号手段とを備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0101】
(付記2)付記1に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ提供手段が、前記暗号化されたコンテンツを放送波に変換して広域に送信する放送局
を備えると共に、
前記コンテンツ処理装置が、前記放送波を受信し前記暗号化されたコンテンツを復調するチューナ部
を備え、
前記中継局を、前記車載器と狭域通信を行う基地局としたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0102】
(付記3)付記2に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記放送局に代えて、前記暗号化されたコンテンツを可搬型記憶媒体に配布用として記憶するコンテンツ記憶制御手段を備えると共に、
前記チューナ部に代えて、前記可搬型記憶媒体に記憶された前記暗号化されたコンテンツを読み込む可搬型記憶媒体読込部を備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0103】
(付記4)付記2又は3のいずれか1つに記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ復号手段が、前記車載器からの暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号する認証キー処理部と、
前記暗号化されたコンテンツを前記鍵情報に基づいて復号する暗号解読部とを備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0104】
(付記5)付記2又は3のいずれか1つに記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ暗号化手段が、前記コンテンツをコンテンツごとに異なる鍵情報で暗号化する個別暗号化機能を有する共に、
前記認証キー処理部が、暗号化の解除を希望するコンテンツを特定するコンテンツ特定機能と、前記特定したコンテンツ情報を前記基地局に対して送信して前記コンテンツ情報のコンテンツに対応する鍵情報を要求する認証キー要求機能とを有し、
前記基地局が、前記コンテンツ提供手段から提供される前記コンテンツごとに異なる鍵情報をそれぞれ記憶する鍵情報記憶部を備えると共に、
前記認証キー生成部が、前記コンテンツ情報のコンテンツに対応する鍵情報を前記基地局の前記鍵情報記憶部から取得する鍵情報取得機能を有することを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0105】
(付記6)付記5に記載された有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記基地局が、前記認証キー生成部によって前記鍵情報が取得されるごとに前記課金対象者に対して課金されるように処理する課金処理部を備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0106】
(付記7)付記2に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記放送波を地上デジタルテレビ方式の放送波とする共に、
前記コンテンツ復号手段が、前記チューナ部によって復調された前記地上デジタルテレビ方式の放送データから前記暗号化されたコンテンツを抽出するコンテンツ解析手段を備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0107】
(付記8)付記1に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ処理装置と前記車載器とを、汎用インターフェースで接続したことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0108】
(付記9)付記1に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ処理装置を、カーナビゲーション装置としたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【0109】
(付記10)予め設定された車両情報および課金対象者情報を基地局に対して狭域通信を介して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う基地局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置とを備えた有料コンテンツ利用システムにあって、
コンテンツ暗号化手段が前記コンテンツを鍵情報によって復号可能に暗号化すると共に前記鍵情報を前記基地局に提供し、
認証キー生成部が前記コンテンツ提供手段から提供された前記鍵情報を前記車載器から受信した車両情報に基づいて暗号化して前記車載器に送信し、
認証処理部が前記基地局から送信された前記暗号化された鍵情報を前記コンテンツ処理装置に対して転送し、
放送局が前記暗号化されたコンテンツを放送波に変換して広域に送信し、
チューナ部が前記放送波を受信し前記暗号化されたコンテンツを復調し、
コンテンツ復号手段が前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号し当該鍵情報に基づいて前記暗号化されたコンテンツを復号するようにしたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム制御方法。
【0110】
(付記11)予め設定された車両情報および課金対象者情報を基地局に対して狭域通信を介して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う基地局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置とを備えた有料コンテンツ利用システムにあって、
前記コンテンツ提供手段によって暗号化されたコンテンツを復号するための鍵情報を前記車載器を介して前記基地局に対して要求すると共に前記車載器に対して前記車両情報を要求する鍵情報要求機能、
前記車両情報に基づいて暗号化された鍵情報を前記基地局から前記車載器を介して受信する鍵情報受信機能、
前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号する鍵情報復号機能、
放送局によって広域に送信される前記暗号化されたコンテンツを含んだ放送波を受信し復調するチューナ部を制御する放送波受信制御機能、
前記暗号化されたコンテンツを前記鍵情報に基づいて復号するコンテンツ復号機能、
を実行可能にプログラム化し、これをコンテンツ処理装置が予め備えているコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム制御用プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、モバイルマルチメディア放送の車載用チューナが将来的に商品化される際、DSRC車載器とセットでシステムを構築することが可能ある。
【符号の説明】
【0112】
10 車載コンテンツ処理装置(コンテンツ処理装置)
10a コンテンツ復号手段
11 認証キー処理部
11a コンテンツ特定機能
11b 認証キー要求機能
12 コンテンツ解析部
13 チューナ部
15 暗号解読部
16 コンテンツ処理部
17 媒体読込部(可搬型記憶媒体読込部)
18 カード型記憶媒体(可搬型記憶媒体)
20 DSRC車載器(車載器)
22 認証処理部
30 基地局(中継局)
32 認証キー生成部
32a 鍵情報取得機能
33 鍵情報記憶部
34 課金処理部
40 コンテンツ提供手段
41 コンテンツ暗号化手段
41a 個別暗号化機能
50 放送局
60 コンテンツ配布手段(コンテンツ記憶制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された車両情報および課金対象者情報を中継局に対して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う中継局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置とを備えた有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ提供手段が、前記コンテンツを鍵情報によって復号可能に暗号化して当該暗号化したコンテンツを前記コンテンツ処理装置に送信すると共に前記鍵情報を前記中継局に提供するコンテンツ暗号化手段を備え、
前記中継局が、前記コンテンツ提供手段から提供された前記鍵情報を前記車載器から受信した車両情報に基づいて暗号化して前記車載器に送信する認証キー生成部を備えると共に、
前記車載器が、前記中継局から送信された前記暗号化された鍵情報を前記コンテンツ処理装置に対して転送する認証処理部を備え、
前記コンテンツ処理装置が、前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号し当該鍵情報に基づいて前記暗号化されたコンテンツを復号するコンテンツ復号手段とを備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ提供手段が、前記暗号化されたコンテンツを放送波に変換して広域に送信する放送局
を備えると共に、
前記コンテンツ処理装置が、前記放送波を受信し前記暗号化されたコンテンツを復調するチューナ部
を備え、
前記中継局を、前記車載器と狭域通信を行う基地局としたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【請求項3】
請求項2に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記放送局に代えて、前記暗号化されたコンテンツを可搬型記憶媒体に配布用として記憶するコンテンツ記憶制御手段を備えると共に、
前記チューナ部に代えて、前記可搬型記憶媒体に記憶された前記暗号化されたコンテンツを読み込む可搬型記憶媒体読込部を備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【請求項4】
請求項2又は3のいずれか1つに記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ復号手段が、前記車載器からの暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号する認証キー処理部と、
前記暗号化されたコンテンツを前記鍵情報に基づいて復号する暗号解読部とを備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【請求項5】
請求項2又は3のいずれか1つに記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ暗号化手段が、前記コンテンツをコンテンツごとに異なる鍵情報で暗号化する個別暗号化機能を有する共に、
前記認証キー処理部が、暗号化の解除を希望するコンテンツを特定するコンテンツ特定機能と、前記特定したコンテンツ情報を前記基地局に対して送信して前記コンテンツ情報のコンテンツに対応する鍵情報を要求する認証キー要求機能とを有し、
前記基地局が、前記コンテンツ提供手段から提供される前記コンテンツごとに異なる鍵情報をそれぞれ記憶する鍵情報記憶部を備えると共に、
前記認証キー生成部が、前記コンテンツ情報のコンテンツに対応する鍵情報を前記基地局の前記鍵情報記憶部から取得する鍵情報取得機能を有することを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【請求項6】
請求項5に記載された有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記基地局が、前記認証キー生成部によって前記鍵情報が取得されるごとに前記課金対象者に対して課金されるように処理する課金処理部を備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【請求項7】
請求項2に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記放送波を地上デジタルテレビ方式の放送波とする共に、
前記コンテンツ復号手段が、前記チューナ部によって復調された前記地上デジタルテレビ方式の放送データから前記暗号化されたコンテンツを抽出するコンテンツ解析手段を備えたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【請求項8】
請求項1に記載の有料コンテンツ利用システムにおいて、
前記コンテンツ処理装置と前記車載器とを、汎用インターフェースで接続したことを特徴とする有料コンテンツ利用システム。
【請求項9】
予め設定された車両情報および課金対象者情報を基地局に対して狭域通信を介して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う基地局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置とを備えた有料コンテンツ利用システムにあって、
コンテンツ暗号化手段が前記コンテンツを鍵情報によって復号可能に暗号化すると共に前記鍵情報を前記基地局に提供し、
認証キー生成部が前記コンテンツ提供手段から提供された前記鍵情報を前記車載器から受信した車両情報に基づいて暗号化して前記車載器に送信し、
認証処理部が前記基地局から送信された前記暗号化された鍵情報を前記コンテンツ処理装置に対して転送し、
放送局が前記暗号化されたコンテンツを放送波に変換して広域に送信し、
チューナ部が前記放送波を受信し前記暗号化されたコンテンツを復調し、
コンテンツ復号手段が前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号し当該鍵情報に基づいて前記暗号化されたコンテンツを復号するようにしたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム制御方法。
【請求項10】
予め設定された車両情報および課金対象者情報を基地局に対して狭域通信を介して送信する車載器と、前記車載器から送信された課金対象者情報に基づいて課金処理を行う基地局と、前記課金対象者向けのコンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記車載器に併設され前記コンテンツ提供手段によって提供された前記コンテンツを前記課金対象者用に利用可能に処理するコンテンツ処理装置とを備えた有料コンテンツ利用システムにあって、
前記コンテンツ提供手段によって暗号化されたコンテンツを復号するための鍵情報を前記車載器を介して前記基地局に対して要求すると共に前記車載器に対して前記車両情報を要求する鍵情報要求機能、
前記車両情報に基づいて暗号化された鍵情報を前記基地局から前記車載器を介して受信する鍵情報受信機能、
前記暗号化された鍵情報を前記車両情報に基づいて復号する鍵情報復号機能、
放送局によって広域に送信される前記暗号化されたコンテンツを含んだ放送波を受信し復調するチューナ部を制御する放送波受信制御機能、
前記暗号化されたコンテンツを前記鍵情報に基づいて復号するコンテンツ復号機能、
を実行可能にプログラム化し、これをコンテンツ処理装置が予め備えているコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする有料コンテンツ利用システム制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−195655(P2012−195655A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56401(P2011−56401)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】