説明

有機エレクトロルミネセンス素子のための新規な材料

本発明は、式(1)の化合物と有機エレクトロルミネセンス、特に、青色発光素子に関し、これら化合物は、発光層でのホスト材料或いはドーパントとして、及び/または正孔輸送材料として及び/または電子輸送材料として使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機半導体と有機電子素子でのその使用に関する。
【0002】
有機半導体は、多くの異なる型の電子用途のために開発されている。これら有機半導体が、機能性材料として使用される有機エレクトロルミネセンス素子(OLED)の構造は、例えば、US 4539507、US 5151629、EP 0676461及びWO 98/27136に記載されている。しかしながら、これらの素子が高品質で長寿命の表示装置のために使用することができるまでには、更なる改善がなお必要とされる。このように、青色発光有機エレクトロルミネセンス素子の不十分な寿命と不十分な効率は、なお現在も未だ満足に解決されない問題である。更に、化合物は、高い熱安定性と高いガラス転移温度を有し、分解せずに昇華する必要がある。特に、高温での使用のためには、高いガラス転移温度は、長寿命を達成するために重要である。
【0003】
蛍光OLEDのために、主に縮合芳香族化合物、特に、アントラセン誘導体が、例えば、9,10-ビス(2-ナフチル)アントラセン(US 5935721)が、先行技術にしたがって、特別に、青色発光エレクトロルミネセンス素子のための、ホスト材料として使用される。WO 03/095445及びCN 1362464は、OLEDでの使用のための9,10-ビス(1-ナフチル)アントラセン誘導体を開示する。更なるアントラセン誘導体は、WO 01/076323、WO 01/021729、WO 04/013073、WO 04/018588、WO 03/087023またはWO 04/018587に開示されている。アリール置換ピレン及びクリセン系のホスト材料は、WO 04/016575に記載されている。高品質の用途のためには、入手可能な改善されたホスト材料を有する必要がある。
【0004】
青色発光化合物の場合に言及されてもよい先行技術は、アリールビニルアミンの使用である(例えば、WO 04/013073、WO 04/016575、WO 04/018587)。しかしながら、これら化合物は、熱的に不安定であり、分解せずに蒸発することはできず、OLED製造のための高度な技術的複雑性を必要とし、それゆえに工業的不利益を示している。したがって、高品質の用途のためには、特に、素子と昇華安定性と発光色に関して入手可能な改善されたエミッターを有する必要がある。
【0005】
したがって、有機電子素子において、熱的に安定で、良好な効率と同時に長い寿命をもたらし、素子の製造中と動作中に再現性のある結果を与え、合成的に簡単に入手可能である改善された材料、特に、蛍光エミッター、特に、青色蛍光エミッターと蛍光材料に対する需要が引き続き存在する。更なる改善が、正孔及び電子輸送材料の場合にも必要である。
【0006】
驚くべきことに、2,3,4,5或いは6位の少なくとも一つで、芳香族若しくは複素環式芳香族基により、ジアリールアミノ基により、または以下に定義されるその他の基のひとつにより置換されたベンゾ[a]アントラセン誘導体は、有機エレクトロルミネセンス素子での使用のために非常に適していることが見出された。これら化合物は、先行技術に従う材料と比べて、有機電子素子における効率と特に寿命における増加を可能とする。これは、特に、青色蛍光素子に適用される。更に、これら化合物は、高い熱安定性を有する。一般的に、これら材料は、高いガラス転移温度を有することから、有機電子素子での使用のために非常に高度に適している。したがって、本発明は、これら材料と有機電子素子でのそれらの使用に関する。
【0007】
これらの位置で、芳香族置換基により置換されたベンゾ[a]アントラセン誘導体は、既に散発的に文献に記載されてきた(例えば、Maruyama et al., Chem. Lett. 1975, (1), 87-88; C. L. L. Chai et al., Austr. J. Chem. 1995, 48(3), 577-591, M. C. Kloetzel et al., J. Org. Chem. 1961, 26, 1748-1754 等)。しかしながら、これらの化合物の合成と反応性が研究されてきただけである。有機電子素子におけるこれら化合物の使用は提案されてはこなかった。更に、WO 05/090365は、とりわけ、有機エレクトロルミネセンス素子での使用のための多環状芳香族基を含む種々の有機シラン化合物を開示しており、それは、他の多くの化合物に加えて、アリール置換ベンゾアントラセンを含んでいる。これら化合物の特別の効果は、ここで、有機シリル基の存在に帰するものであり、置換ベンゾアントラセン骨格に帰するものではない。
【0008】
明確さのために、ベンゾ[a]アントラセンの構造と番号付けが、以下に示される。
【化1】

【0009】
本発明は、式(1)の非荷電化合物に関する。
【化2】

【0010】
ここで、基ArまたはYは、ベンゾ[a]アントラセンの2,3,4,5或いは6位の一つを介して結合し、対応して基Rは、この位置には結合しておらず、使用される記号と添字は、以下が適用される:
Arは、出現毎に同一であるか異なり、1以上の基Rで置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有する二価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造であり、
Yは、添え字pに依存して、1以上の基Rで置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有する一、二、三、四、五或いは六価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造であるか;または、Yは、p=0ならば、N(Ar、C(=O)Ar或いはP(=O)(Ar基;または、Yは、p=1ならば、単結合或いはC=O、O、S、SO、SO、NR、NAr、PAr、P(=O)Ar、P(=S)Ar、O-B(Ar)O、O-BR-O、BAr、-CR=CR-、C≡C、1〜20個のC原子を有するアルキレン若しくはアルキリデン基であって、夫々は、1以上の基Rで置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S若しくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CN若しくはNOで置き代えられてよく;または、Yは、p=2ならば、B、B、CR、CAr、N、P、P=O或いはP=Sであり、
Rは、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、N(Ar、N(R、C(=O)Ar、P(Ar、P(=O)(Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OAr、B(OR、OSO、OH、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル若しくはチオアルコキシ基、2〜40個のC原子を有する直鎖アルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分岐或いは環状アルキル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基Rにより置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S若しくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN若しくはNOで置き代えられてよい。)、または1以上の非芳香族基Rにより置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族若しくは複素環式芳香族環構造、または1以上の非芳香族基Rにより置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシ若しくはヘテロアリールオキシ基、またはこれらの構造の組み合わせであり;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、互いにモノ-或いはポリ環状脂肪族環構造を形成してもよく;
Arは、出現毎に同一であるか異なり、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよい5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族若しくは複素環式芳香族環構造であり;同一の窒素或いは燐原子に結合する2個の基Arは、単結合により、または、B(R)、C(R、Si(R、C=O、C=NR、C=C(R、O、S、S=O、SO、N(R)、P(R)及びP(=O)Rから選ばれるブリッジにより互いに連結されてもよく、
は、出現毎に同一であるか異なり、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族、芳香族及び/または複素環式芳香族炭化水素基であり、加えて、1以上のH原子は、Fで置き代えられてよく;2以上の隣接する置換基Rは、互いにモノ-或いはポリ環状、脂肪族若しくは芳香族環構造を形成してもよく;
m、nは、出現毎に同一であるか異なり、0、1、2若しくは3であり、
pは、0、1、2、3、4若しくは5であり、
次の化合物は、除外される。
【化3】

【0011】
式(1)の化合物は、好ましくは、70℃より大きい、特に、好ましくは、100℃より大きい、非常に、特に、好ましくは、130℃より大きいガラス転移温度Tを有する。
【0012】
本発明の目的のために、アリール基は、6〜60個のC原子を含み;本発明の目的のために、ヘテロアリール基は、2〜60個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子を含むが、但し、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5個である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O及び/またはSから選ばれる。ここで、アリール基若しくはヘテロアリール基は、単純な芳香族環すなわちベンゼン、または、単純な複素環式芳香族環、例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等、または、縮合アリール若しくはヘテロリール基、例えば、ナフタレン、アントラセン、ピレン、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、フェナントレン等の何れかを意味するものと解される。
【0013】
本発明の目的のために、芳香族環構造は、6〜40個のC原子を環構造中に含む。本発明の目的のために、複素環式芳香族環構造は、2〜40個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子を環構造中に含むが、但し、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5個である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O及び/またはSから選ばれる。本発明の目的のために、芳香族若しくは複素環式芳香族環構造は、必ずしもアリール若しくはヘテロアリール基のみを含む構造ではなく、加えて、複数のアリール若しくはヘテロアリール基は、例えば、sp混成のC、N或いはO原子のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、好ましくは、10%より少ない)により中断されていてもよい構造を意味するものと解される。このように、例えば9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン、ベンゾフェノン等のような構造も、本発明の目的のための芳香族環構造を意味するものと解されることを意図されてもいる。芳香族若しくは複素環式芳香族環構造は、同様に、複数のアリール若しくはヘテロアリール基が互いに単結合により連結される構造、例えば、ビフェニル、テルフェニル若しくはビピリジンを意味するものと解される。
【0014】
本発明の目的のためには、C〜C40-アルキル基は、ここで、加えて、個々のH原子若しくはCH基は、上記した基により置換されていてよく、特に、好ましくは、基メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、シクロヘプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル或いはオクチニルを意味するものと解される。C〜C40-アルコキシ基は、特に、好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシまたは2-メチルブトキシを意味するものと解される。5〜40個の芳香族環原子を有する芳香族または複素環式芳香族環構造は、各場合に、上記した基Rにより置換されていてもよく、任意の所望の位置で、芳香族または複素環式芳香族系に連結していてもよいが、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランセン、ナフタセン、ペンタセン、ベンズアントラセン、ジベンズアントラセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、テルフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス-若しくはトランス-インデノフルオレン、トルクセン、イソトルクセン、スピロトルクセン、スピロイソトルクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5-ジアザアントラセン、2,7-ジアザピレン、2,3-ジアザピレン、1,6-ジアザピレン、1,8-ジアザピレン、4,5-ジアザピレン、4,5,9,10-テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン及びベンゾチアジアゾールから誘導される基を意味するものと解される。
【0015】
本発明の好ましい具体例は、式(2)の化合物である。
【化4】

【0016】
ここで、基ArまたはYは、ベンゾ[a]アントラセンの2,3,4,5或いは6位の一つを介して結合し、記号と添字は、上記に記載されるのと同じ意味を有する。式(2)中のベンゾ[a]アントラセン上の2個の置換基Rの一つだけが水素でないならば、これは、好ましくは、ベンゾ[a]アントラセンの7位の置換基である。
【0017】
上記記載のとおり、基ArまたはYは、2,3,4,5或いは6位を介してベンゾ[a]アントラセンに結合している。式(1)或いは(2)の化合物が、複数のベンゾ[a]アントラセン単位を含むならば、すなわち、添え字pが1以上であるならば、これら単位の各々は、ベンゾ[a]アントラセンの同一の位置を介してか、ベンゾ[a]アントラセンの異なる位置を介して結合し得る。ベンゾ[a]アントラセンの同一の位置を介する結合は、化合物がより容易に合成的に入手し得るという利点を有する。ベンゾ[a]アントラセンの異なる位置を介する結合は、非対称な化合物を生じ、より溶解性でより高いガラス転移温度を有するという利点を有する。
【0018】
本発明の好ましい具体例では、式(1)或いは(2)中の基ArまたはYは、ベンゾ[a]アントラセンの2或いは3位を介して結合し、これは、ベンゾ[a]アントラセンが、ArまたはYに対するペリ位に置換基かプロトンを有さないことを意味する。これらの場合には、例えば、アントラセンのような嵩高い基ArまたはYの場合でさえも、ベンゾ[a]アントラセン-Ar或いはベンゾ[a]アントラセン-Y結合に関するアトロプ異性体の形成は可能ではない。
【0019】
本発明の更に好ましい具体例では、式(1)或いは(2)中の基ArまたはYは、ベンゾ[a]アントラセンの4,5或いは6位を介して結合し、これは、ベンゾ[a]アントラセンが、ArまたはYに対するペリ位に置換基かプロトンのいずれかを有することを意味する。これらの場合には、例えば、アントラセンのような嵩高い基ArまたはYの場合には、ベンゾ[a]アントラセン-Ar或いはベンゾ[a]アントラセン-Y結合に関するアトロプ異性体の形成が可能である。
【0020】
本発明の目的のためには、ベンゾ[a]アントラセンのペリ位は、ナフタレンと同様に定義されることが意図されている。
【0021】
式(1)の構造の特に好ましい具体例は、式(3)〜(24)の構造である。
【化5−1】

【化5−2】

【化5−3】

【化5−4】

【化5−5】

【0022】
ここで、記号と添字は、上記記載されるのと同じ意味を有し、ベンゾ[a]アントラセン骨格は、水素に代えて重水素を有してもよく、ここで、式(3)〜(7)中の基Yは、一価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造またはN(Ar基を表す。
【0023】
式(3)〜(24)の構造において、12位での置換基Rは、好ましくは、水素或いは重水素であり、特に、水素である。両方の置換基R、すなわち、7位と12位での置換基が、水素或いは重水素であり、特に、水素であることが、特に好ましい。
【0024】
式(1)または式(3)〜(7)の更に好ましい化合物は、記号Yが、非芳香族基を含まず、縮合しても非縮合でもよい純粋な芳香族若しくは複素環式芳香族環構造または芳香族アミノ基を表す。基Yは、特に好ましくは、アリール若しくはヘテロアリール基であるベンゼン、ナフタレン、アントラセン、カルバゾール、フェナントレン、ベンズアントラセン、クリセン、ピレン、フェナントロリン、1,3,5-トリアジン、ベンズイミダゾール及びフェナントロイミダゾールから構築され、または、p=0ならばN(Ar基を表す。p=0または式(3)〜(7)の化合物に対する、特に好ましい基Yは、次の式(25)〜(33)の基である。
【化6】

【0025】
ここで、RとRは、上記に示される意味を有し、更に、
Arは、5〜16個の芳香族環原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基、好ましくは、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、9-アントリル、クリセニル、1-ピレニル、2-ピレニル、2-フェナントレニル、3-フェナントレニル、9-フェナントレニル、2-ベンズイミダゾール或いはフルオレニルであって、夫々は、1以上の基Rにより置換されてよいものであるか、または、式(25)においては、式(32)或いは(33)の基であり、
Arは、出現毎に同一であるか異なり、5〜20個の芳香族環原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基または15〜30個の芳香族環原子を有するトリアリールアミン基であって、夫々は、1以上の基Rにより置換されてよいものであり、好ましくは、6〜14個の芳香族環原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基または18〜30個の芳香族環原子、好ましくは、18〜22個の芳香族環原子を有するトリアリールアミン基であって、夫々は、1以上の基Rにより置換されてよいものであり、
Eは、単結合、O、S、N(R)またはC(Rを表し、2個の基は、環形成によりスピロ環を形成してもよく、
qは、1、2若しくは3であり、
sは、出現毎に同一であるか異なり、0若しくは1である。
【0026】
q=2に対する、好ましい構造は、オルト-ビフェニル、メタ-ビフェニル、パラ-ビフェニル、フェニレン-1-ナフチル、フェニレン-2-ナフチル、N-フェニル-2-ベンズイミダゾール、2-フルオレニル及び2-スピロビフルオレニルである。
【0027】
式(33)中のArは、特に、好ましくは、同一であるか異なり、夫々は、ナフチル或いはフェニル基を介して結合してよい、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-、3-或いは4-トリフェニルアミン、1-或いは2-ナフチルジフェニルアミンであり、または、夫々は、ナフチル或いはフェニル基を介して結合してよい1-或いは2-ジナフチルフェニルアミンを指す。これらの基は、それぞれ、1〜4個のC原子を有する1以上のアルキル基により、または、3〜8個のC原子を有する1以上の環状或いは二環状アルキル基によりまたはフッ素により置換されてよい。
【0028】
更に好ましい式(1)〜(24)の化合物は、記号Arは、出現毎に同一であるか異なり、1,2-フェニレン、1,3-フェニレン、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、9,10-アントリレン、2,7-フェナントレニレン、3,6-フェナントレニレン、1,6-ピレニレン、2,7-ピレニレン、2,6-ピリジニレン、2,5-ピリジニレン、2,2’-ビフェニル、3,3’-ビフェニル、4,4’-ビフェニル、2,7-フルオレニル及び2,7-スピロビフルオレニルから選ばれる二価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造を表す。式(1)または式(2)または式(8)〜(24)におけるAr基は、同一であるか異なって選択されることができることを現時点で明らかに強調されねばならない。
【0029】
p=1の式(1)及び式(2)及び式(8)〜(12)及び式(15)〜(24)の更に好ましい化合物における記号Yは、単結合またはC=O、O、NAr、POAr、O-B-(Ar)O、1〜6個のC原子を有する二価のアルキレン若しくはアルキリデン基、5〜14個の芳香族環原子を有する二価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造から選ばれる二価基を表す。p=2の式(1)及び式(2)及び式(13)または式(14)の更に、好ましい化合物における記号Yは、N或いは5〜14個の芳香族環原子を有する三価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造、特に、1,3,5-ベンゼン或いは1,3,5-トリアジンを表す。p>2の式(1)及び式(2)の化合物において、記号Yは、好ましくは、5〜14個の芳香族環原子を有する多価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造を対応して表す。
【0030】
式(1)または(2)または式(8)〜(24)の化合物において、全ての添え字m、nは、同一に選択されることができ、対称な化合物を生じ、または、異なって選択されることができ、非対称な化合物を生じる。上で既に言及したとおり、対称な化合物は、より容易に合成的に入手し得るという利点を有し、非対称な化合物は、より適切な物理的性質を有するという利点を有する。
【0031】
式(1)または(2)または式(3)〜(24)の更に好ましい化合物において、添え字m及びnは、0或いは1を表す。
【0032】
式(1)または(2)または式(3)〜(24)の更に好ましい化合物において、添え字pは、0、1或いは2を、特に、好ましくは、0或いは1を表す。
【0033】
基RがN(Arを表わすならば、この基は、好ましくは、上に示される式(32)或いは式(33)の基から選択される。
【0034】
式(1)の好ましい化合物の例は、以下に示される構造(1)乃至(338)である。
【化7−1】

【化7−2】

【化7−3】

【化7−4】

【化7−5】

【化7−6】

【化7−7】

【化7−8】

【化7−9】

【化7−10】

【化7−11】

【化7−12】

【化7−13】

【化7−14】

【化7−15】

【化7−16】

【化7−17】

【化7−18】

【化7−19】

【化7−20】

【化7−21】

【化7−22】

【化7−23】

【化7−24】

【化7−25】

【化7−26】

【化7−27】

【化7−28】

【化7−29】

【化7−30】

【化7−31】

【化7−32】

【化7−33】

【化7−34】

【化7−35】

【化7−36】

【化7−37】

【0035】
本発明による式(1)の化合物は、当業者に一般的な条件で知られる合成工程により調製することができる。出発化合物は、例えば、対応するブロモベンゾ[a]アントラセンであり得、その合成は知られている(2-及び3-ブロモベンゾ[a]アントラセン:Hallmark et al., J. Lab. Comp. Radiopharm. 1981, 18(3), 331; 4-ブロモベンゾ[a]アントラセン: Badgar et al., J. Chem. Soc. 1949, 799; 5-ブロモベンゾ[a]アントラセン: Newman et al., J. Org. Chem. 1982, 47(15), 2837)。塩素、ヨウ素、トリフレート或いはトシレートのような対応する脱離基により置換されたベンゾ[a]アントラセンは、同様に出発化合物として役立ち得る。一方、置換或いは非置換5-ブロモベンゾ[a]アントラセンも、2-ブロモベンゾ[a]アルデヒドと1-クロロメチルナフタレンからスキーム1にしたがって、得ることができる。スキーム1におけるRは、式(1)のために定義されるとおりの1以上の基を表す。リチウム化に代えて、別の反応性金属、例えば、マグネシウムとの反応も、第1工程で起こることができる。第一工程での鈴木カップリングは、有機化学の当業者に知られた標準的な条件下で、例えば、高温での塩基を添加したトルエン/水中のPd(PPhを使用して実行される。第二工程での臭素化は、例えば、元素状臭素を使用するか、NBSを使用して実行することができる。第三工程での閉環は、例えば、ポリ燐酸の作用により実行することができる。
【化8】

【0036】
置換ベンゾ[a]アントラセンへの更なるアクセスは、2-ブロモフェニルアセチレンへのナフタレン-2-ボロン酸のカップリングに存する。この方法で得られたアセチレンは、閉環反応で直接反応することができるか、ハロゲン化後に環化することができるか、ソノガシラカップリングで芳香族化合物と反応し引き続き環化することができる。アセチレンの閉環は、各場合に求電子試薬を使用して実行される。スキーム2における化合物は、1以上の基Rにより置換されてもよく、Rは、式(1)の元で上記定義されるの同じ意味を有する。Arは、芳香族基或いは複素環式芳香族環構造を示す。鈴木カップリングとソノガシラカップリングは、有機合成の当業者に知られた標準的な条件下で、実行される。閉環反応のための好ましい求電子試薬は、CFCOOHのような強酸、InCl或いはInBrのようなハロゲン化インジウム、PtClのようなハロゲン化白金若しくは、I-Clのようなハロゲン間化合物である。
【化9】

【0037】
本発明は、更に、随意に置換された2-(2’-アリールアセチレン)フェニルナフタレンと求電子試薬との反応による随意に置換された6-アリールベンゾ[a]アントラセンの調製方法に関する。存在する任意の置換基は、上記定義される基Rと同様に定義される。
【0038】
これら化合物由来のボロン酸或いはボロン酸誘導体は、4-ブロモベンゾ[a]アントラセンの例を参照して、スキーム3の例により示されているように、例えば、−78℃のTHF中のn-ブチルリチウムを使用する金属転移により、引き続き、中間体として生成されるリチオベンゾ[a]アントラセンとトリメチルボレートとの反応により、引き続き随意のエステル化により得ることができる。リチウム化化合物は、更に、ベンゾニトリルのような求電子試薬との反応と引き続く酸加水分解によりケトンに変換されるか、クロロジアリールホスフィンを使用し、引き続く酸化によりホスフィンオキシドに変換されることができる。他の求電子試薬とのリチウム化化合物の反応も可能である。
【化10】

【0039】
スキーム3における化合物は、1以上の基Rにより置換されもよく、Rは、式(1)の元で上記記載されるのと同じ意味を有する。ボロン酸或いはボロン酸誘導体のアリールブロミドへの鈴木カップリングは、非常に大きなクラスの異なる芳香族基或いは複素環式芳香族化合物を生じる。これは、ベンゾ[a]アントラセン-4-ボロン酸から出発するスキーム4a)からe)での例により示されるが、その他の置換パターンにも同様に適用される。更に、全構造は1以上の基Rにより置換されもよく、Rは、式(1)の元で上記記載されるのと同じ意味を有する。
【化11】

【0040】
一方、ブロモベンゾ[a]アントラキノン(Newman et al., J. Org. Chem. 1983, 48, 2926-8; Cho et al., J. Org. Chem. 1987, 52, 2668-78; Becker et al., J. Phys. Chem. 1993, 97, 344-にしたがい合成)は、スキーム5の5-ブロモベンゾ[a]アントラキノンの例により示されるようにまずカップリングし、次いで対応する炭化水素に還元され得る。単純な芳香族化に代えて、対応する7,12-置換ベンゾ[a]アントラセン誘導体も、有機金属試薬、例えば、有機リチウム化合物或いはグリニャール化合物の付加反応と引き続く芳香族化によりここで合成することができる。
【化12】

【0041】
スキーム5における化合物は、1以上の基Rにより置換されもよく、Rは、式(1)の元で上記記載されるのと同じ意味を有する。
【0042】
ハートビッヒ-ブッフバルト法によるパラジウム促進臭素のアミノ化は、対応するアミノ化されたベンゾ[a]アントラセンを生じる(スキーム6)。ベンゾ[a]アントラセンのその他の位置でのアミノ化は、対応して可能である。塩素、ヨウ素、トリフレート、トシレート等のような他の脱離基に対応する反応が、可能である。
【化13】

【0043】
スキーム6における化合物は、1以上の基Rにより置換されもよく、Rは、式(1)の元で上記記載されるのと同じ意味を有する。
【0044】
本発明は、なお更に、反応性脱離基、特に、塩素、臭素、ヨウ素、トリフレート、トシレート、ボロン酸或いはボロン酸エステルにより置換されたベンゾ[a]アントラセンを官能化された芳香族化合物へとまたはモノ或いはジ置換アミンへとカップリングすることによる式(1)の化合物の調製方法に関する。反応性脱離基は、好ましくは、臭素である。式(1)の骨格とアリール置換基との間の適切なカップリング反応は、特に、遷移金属触媒カップリング反応、特に、パラジウム触媒による鈴木カップリングであり、その結果、ボロン酸誘導体のハロゲン誘導体へのカップリングが、ここで、特に、適切である。適切なモノ或いはジ置換アミンへのカップリング反応は、特に、ハートビッヒ-ブッフバルト法によるパラジウム触媒カップリングである。このような反応の反応条件は、有機合成の分野の当業者に一般的な条件で知られている。
【0045】
ボロン酸誘導体は、更に、ジオール、オリゴオール及びポリオールとの反応によりボロン酸エステルへと、または、水分離機上のトルエン中で煮沸することにより無水物へと変換することができ(スキーム7)、ベンゾ[a]アントラセン上の2,3,5及び6位に対する反応が、対応して進行する。
【化14】

【0046】
スキーム7における化合物は、1以上の基Rにより置換されもよく、Rは、式(1)の元で上記記載されるのと同じ意味を有する。
【0047】
本発明は、更に、式(1)の化合物の重要な合成中間体である次の式(34)の化合物に関する。
【化15】

【0048】
ここで、R、R及びArは、式(1)の化合物の上記記載されるのと同じ意味を有し、Rは、ベンゾ[a]アントラセンの2,3,4,5或いは6位で結合し、対応して、Rは、この位置で結合せず、更に、
は、B(OR或いはB(OArを表す。
【0049】
WO 06/117052に一般的に記載されるとおりに、式(20)のボロン酸誘導体を、直接的に、有機電子素子での活性化合物として使用することも可能である
上記記載の本発明による化合物、特に、臭素、沃素、ボロン酸若しくはボロン酸エステルのような反応性脱離基により置換される化合物は、対応するオリゴマー、デンドリマー或いはポリマーの調製のためのモノマーとして使用することができる。ここで、オリゴマー化若しくは重合は、好ましくは、ハロゲン官能基若しくはボロン酸官能基を介して生じる。
【0050】
したがって、本発明は、更に、1以上の式(1)の化合物を含むオリゴマー、ポリマー或いはデンドリマーに関し、ここで、1以上の基R或いはAr或いはYは、ポリマー、オリゴマー或いはデンドリマーへの式(1)の化合物からの結合を表わす。したがって、式(1)の化合物の連結に依存して、ベンゾ[a]アントラセン単位は、オリゴマー或いはポリマーの側鎖を形成し、または、主鎖中で連結する。本発明の目的のために、オリゴマーは、少なくとも三つのベンゾ[a]アントラセン単位を含む化合物を意味するものと解される。ポリマー、オリゴマー若しくはデンドリマーは、共役、部分共役或いは非共役であり得る。オリゴマー若しくはポリマーは、線状或いは分岐状或いは樹状であり得る。線状で連結された構造においては、式(1)の単位は、互いに直接的に連結し得るか、2価の基を介して、例えば、置換或いは非置換アルキレン基を介してか、ヘテロ原子を介してか、2価の芳香族基或いは複素環式芳香族基を介して、互いに直接連結し得る。分岐状及び樹状構造においては、3個以上の式(1)の単位は、例えば、三価或いは多価基、例えば、三価或いは多価芳香族基或いは複素環式芳香族基を介して連結し、分岐状或いは樹状オリゴマー若しくはポリマーを生じる。式(1)の単位は、好ましくは、オリゴマー、デンドリマー或いはポリマー中に、ベンゾ[a]アントラセンの7及び12位を介して連結する。基Rへのまたは基Yへの二個の位置を介する連結が、更に、好ましい。
【0051】
オリゴマー、デンドリマー或及びポリマー中の式(1)の繰り返し単位に対して、上記記載と同じ選好が適用される。
【0052】
オリゴマー若しくはポリマーの調製のために、本発明によるモノマーは、更なるモノマーとホモ重合若しくは共重合される。適切で好ましいコモノマーは、(例えば、EP 842208若しくはWO 00/22026に従う)フルオレン、(例えば、EP 707020、EP 894107若しくはWO 06/061181に従う)スピロビフルオレン、(例えば、WO 92/18552に従う)パラ-フェニレン、(例えば、WO 04/070772若しくはWO 04/113468に従う)カルバゾール、(例えば、EP 1028136に従う)チオフェン、(例えば、WO 05/014689若しくはWO 07/006383に従う)ジヒドロフェナントレン、(例えば、WO 04/041901若しくはWO 04/113412に従う)シス-及びトランス-インデノフルオレン、(例えば、WO 05/040302に従う)ケトン、(例えば、WO 05/104264若しくはWO 07/017066に従う)フェナントレン若しくは複数のこれら単位から選択される。ポリマー、オリゴマー及びデンドリマーは、通常、更なる単位を、例えば、(例えば、WO 07/068325に従う)ビニルトリアリールアミン若しくは(例えば、WO 06/003000に従う)燐光金属錯体及び/または電荷輸送単位、特に、トリアリールアミン系のもののような、例えば、発光(蛍光或いは燐光)単位をも含む。
【0053】
式(1)の化合物と、対応するオリゴマー、デンドリマー及びポリマーは、電子素子での、特に、有機エレクトロルミネセンス素子(OLED、PLED)での使用のために適している。置換基に応じて、化合物は、異なる機能と層に使用される。
【0054】
したがって、本発明は、更に、特に、電子素子、特に、有機エレクトロルミネセンス素子での、式(1)の化合物と、対応するオリゴマー、デンドリマー及びポリマーの使用に関する。上記言及した式(2)〜(24)の好ましい化合物は、この目的のために特に適切である。
【0055】
本発明は、更に、少なくとも一つの式(1)の化合物または少なくとも一つの対応するオリゴマー、デンドリマー或いはポリマーを含む有機電子素子、特に、陽極、陰極及び少なくとも1つの発光層を含む有機エレクトロルミネセンス素子に関し、発光層若しくは他の層であり得る少なくとも一つの有機層が、少なくとも一つの式(1)の化合物または少なくとも一つの対応するオリゴマー、デンドリマー或いはポリマーを含むことを特徴とする。上記言及した式(2)〜(24)の好ましい化合物は、この目的のために特に適切である。
【0056】
陰極、陽極及び発光層に加えて、有機エレクトロルミネセンス素子は更なる層を含んでもよい。これらは、例えば、各場合に1以上の正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層及び/または電荷生成層から選択される(IDMC 2003, Taiwan; Session 21 OLED (5), T. Matsumoto, T. Nakada, J.Endo, K. Mori, N. Kawamura, A. Yokoi, J.Kido, Multiphoton Organic EL Device Having Charge Generation Layer)。しかしながら、これら層の夫々は、必ずしも存在する必要はないことが指摘されねばならない。
【0057】
有機エレクトロルミネセンス素子分野の当業者は、どの材料をこれら更なる層に使用できるかを知っている。一般的には、先行技術に従い使用されるような全ての材料が、更なる層のために適切であり、当分野の当業者は、創意を要さずに、これら材料と本発明による材料とを有機エレクトロルミネセンス素子中で組み合わせることができるであろう。本発明による有機エレクトロルミネセンス素子中の正孔輸送或いは正孔注入層に使用することのできる好ましい正孔輸送材料の例は、インデノフルオレンアミン及び関連誘導体(例えば、WO 06/122630若しくはWO 06/100896に従う)、EP 1661888に開示されたアミン誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体(例えば、WO 01/049806に従う)、縮合芳香族環を有するアミン誘導体(例えば、US5,061,569に従う)、WO 95/09147に開示されたアミン誘導体、モノベンゾインデノフルオレンアミン(例えば、WO 08/0406449に従う)若しくはジベンゾインデノフルオレンアミン(例えば、WO 07/140847に従う)である。
【0058】
本発明の更に好ましい具体例では、有機エレクトロルミネセンス素子は、複数の発光層を有し、少なくとも一つの有機層は、少なくとも一つの式(1)の化合物を含む。これらの発光層は、特に好ましくは、380nm〜750nm間に全体で複数の最大発光長を有し、全体として、白色発光が生じるものであり、換言すれば、蛍光若しくは燐光を発することができ、青色、黄色、オレンジ色若しくは赤色光を発光する種々の発光化合物が発光層に使用される。式(1)の化合物は、好ましくは、ここで青色発光層に使用される。特に好ましいものは、3層構造であり、すなわち3個の発光層を有する構造であり、これら層の少なくとも一つの層は、少なくとも一つの式(1)の化合物を含み、その3層は青色、緑色及びオレンジ色若しくは赤色発光を呈する(基本構造については、例えば、WO 05/011013参照。)。広帯域発光帯を有し、それゆえ白色発光を呈するエミッターも、同様に白色発光のために適している。
【0059】
本発明の具体例では、式(1)〜(24)の化合物は、蛍光ドーパント、特に、青色蛍光ドーパントのホスト材料として使用される。この場合に、式(1)及び(3)〜(7)中の1以上の基Ar及び/またはYは、好ましくは、単純或いは縮合アリール若しくはヘテロアリール、特に、フェニルアントリル若しくは、1-或いは2-ナフチルアントリルから選択される。式(1)及び(8)〜(24)中の1以上の基Ar及び/またはYは、更に好ましくは、縮合アリーレン基、特に、9,10-アントラセンから選択される
ホストとドーパントとを含む系中のホスト材料は、より高い割合で系中に存在する成分を意味するものと解される。1つのホストと複数のドーパントを含む系では、ホストは、混合物中で最も高い割合を有する成分を意味するものと解される。
【0060】
発光層中の式(1)のホスト材料の割合は、50.0〜99.9重量%、好ましくは、80.0〜99.5重量%、特に好ましくは90.0〜99.0重量%である。対応して、ドーパントの割合は、0.01〜50.0重量%、好ましくは、0.1〜20.0重量%、特に好ましくは、0.5〜15重量%、非常に特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。
【0061】
好ましいドーパントは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル及びアリールアミンのクラスから選択される。モノスチリルアミンは、1個の置換或いは非置換スチリル基と少なくとも1個の、好ましくは芳香族アミンを含む化合物を意味すると解される。ジスチリルアミンは、2個の置換或いは非置換スチリル基と少なくとも1個の、好ましくは芳香族アミンを含む化合物を意味すると解される。トリスチリルアミンは、3個の置換或いは非置換スチリル基と少なくとも1個の、好ましくは芳香族アミンを含む化合物を意味すると解される。テトラスチリルアミンは、4個の置換或いは非置換スチリル基と少なくとも1つの、好ましくは芳香族アミンを含む化合物を意味すると解される。スチリル基は、特に好ましくは、スチルベンであり、更に置換されていてもよい。対応するホスフィンとエーテルはアミンと同様に定義される。本発明の目的のために、アリールアミン若しくは芳香族アミンは、窒素に直接結合した3個の置換或いは非置換芳香族若しくは複素環式芳香族環構造を含む。少なくとも1個のこれら芳香族若しくは複素環式芳香族環構造は、好ましくは、縮合環構造、特に、好ましくは、少なくとも14個の芳香族環原子を有する縮合環構造である。それらの好ましい例は、芳香族アントラセンアミン、芳香族アントラセンジアミン、芳香族ピレンアミン、芳香族ピレンジアミン、芳香族クリセンアミン若しくは芳香族クリセンジアミンである。芳香族アントラセンアミンは、一個のジアリールアミノ基が、アントラセンに直接、好ましくは、9-位で結合する化合物を意味すると解される。芳香族ジアントラセンアミンは、二個のジアリールアミノ基が、アントラセンに直接、好ましくは、9.10-位で結合する化合物を意味すると解される。芳香族ピレンアミン、ピレンジアミン、クリセンアミン及びクリセンジアミンは、同様に定義され、ここで、ジアリールアミノ基は、好ましくは、ピレンに、1位若しくは1.6-位で結合する。更に好ましいドーパントは、例えば、WO 06/122630に従うインデノフルオレンアミン或いはインデノフルオレンジアミン、例えば、WO 08/006449に従うベンゾインデノフルオレンアミン或いはベンゾインデノフルオレンジアミン、例えば、WO 07/140847に従うジベンゾインデノフルオレンアミン或いはジベンゾインデノフルオレンジアミンから選択される。スチリルアミンのクラスからのドーパントの例は、置換或いは非置換トリスチルベンアミン若しくは例えば、WO 06/000388、WO 06/058737、WO 06/000389、WO 07/065549及びWO 07/115610に記載されるドーパントである。再度、更に、以下に記載される本発明のドーパントが好ましい。
【0062】
本発明の更なる具体例では、式(1)の化合物は、発光材料として使用される。式(1)及び(3)〜(7)の化合物中の少なくとも一つのAr及び/またはY基が、少なくとも一つのアリールアミノ単位を含むならば、化合物は、特に、発光化合物として適切である。好ましいアリールアミノ単位は、上記に示される式(32)及び(33)の基である。式(1)及び(8)〜(24)の化合物中の基Yが、N若しくはNArを表すならば、化合物は、更に、発光化合物として適切である
発光層混合物中の式(1)の化合物の割合は、0.1〜50.0重量%、好ましくは、0.5〜20.0重量%、特に好ましくは、1.0〜10.0重量%である。対応して、ホスト体材料の割合は、50.0〜99.9重量%、好ましくは、80.0〜99.5重量%、特に好ましくは、90.0〜99.0重量%である。
【0063】
この目的のために適切なホスト材料は、種々なクラスの物質からの材料である。好ましいホスト材料は、オリゴアリーレン(例えば、EP 676461に記載されるとおりの2,2’,7,7’-テトラフェニルスピロビフルオレン若しくはジナフチルアントラセン)、特に、縮合芳香族基を含むオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン(例えば、DPVBi若しくはEP 676461に記載されるとおりのスピロ-DPVBi)、ポリポダル金属錯体(例えば、WO 04/081017に記載されるとおり)、正孔伝導化合物(例えば、WO 04/058911に記載されるとおり)、電子伝導化合物、特に、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド等(例えば、WO 05/084081及びWO 05/084082に記載されるとおり)、アトロプ異性体(例えば、WO 06/048268に記載されるとおり)若しくはボロン酸誘導体(例えば、WO 06/177052に記載されるとおり)のクラスから選択される。適切なホスト材料は、さらに、上記記載のとおりの本発明によるベンゾ[a]アントラセン化合物でもある。本発明による化合物に加えて、特に好ましいホスト材料は、ナフタレン、アントラセン及び/またはピレンを含むオリゴアリーレン若しくはこれら化合物のアトロプ異性体、オリゴアリ−レンビニレン、ケトン、ホスフィンオキシド及びスルホキシドのクラスから選択される。本発明によるベンゾ[a]アントラセン化合物に加えて、非常に特に好ましいホスト材料は、アントラセン及び/またはピレンを含むオリゴアリーレン若しくはこれら化合物のアトロプ異性体、ホスフィンオキシド及びスルホキシドのクラスから選択される。本発明の目的のために、オリゴアリーレンは、少なくとも3個のアリール或いはアリーレン基が互いに結合する化合物を意味するものと解されることを意図している。
【0064】
本発明のなお別の具体例では、式(1)の化合物は、正孔輸送材料として若しくは正孔注入材料として使用される。そのとき、化合物は、好ましくは、少なくとも1個の基N(Arにより置換される;少なくとも一つの基Rは、特に、好ましくは、N(Arである。N(Ar基は、好ましくは、上記の式(32)及び(33)から選択される。式(1)及び(8)〜(24)の化合物中の基Yが、N或いはNArを表わすならば、化合物は、更に好ましい。化合物は、好ましくは、正孔輸送或いは正孔注入層中で使用される。本発明の目的のために、正孔注入層は、陽極に直接に隣接する層である。本発明の目的のために、正孔輸送層は、正孔注入層と発光層との間にある層である。式(1)の化合物が、正孔輸送或いは正孔注入材料として使用されるならば、それらは、電子受容体化合物、例えば、F-TCNQまたはEP 1476881若しくはEP 1596445に記載されるような化合物でドープされることが好まれてよい。
【0065】
本発明のなお別の具体例では、式(1)の化合物は、電子輸送材料として使用される。ここで、1以上の置換基R及び/またはRは、少なくとも1個のC=O、P(=O)及び/またはSO単位を含むことが好ましく、これは、好ましくは、ベンゾ[a]アントラセンに直接結合する。ここで、同様に、好ましいのは、1以上の置換基R及び/またはRは、例えば、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンゾチアジアゾール、フェナントロリン等のような貧電子複素環を含むものである。同様に、好ましいのは、式(1)及び(8)〜(24)の化合物中の1以上のAr基が、例えば、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンゾチアジアゾール、フェナントロリン等のような貧電子複素環を表し、及び/または基Yが、この型の貧電子複素環か、C=O、POAr、SO或いはSOを表すものである。化合物は、電子供与化合物でドープされていることが更に好ましい。
【0066】
式(1)の繰り返し単位が、ポリマー中で、ポリマーの幹として、発光単位として、正孔輸送単位として及び/または電子輸送単位としても使用され得る。好ましい置換パターンは、ここで、上記記載のものに対応する。
【0067】
更に好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、昇華プロセスにより適用され、材料は、10−5mbar未満、好ましくは10−6mbar未満、特に好ましくは10−7mbar未満の圧力で、真空昇華ユニット中で真空蒸着されることを特徴とする。
【0068】
同様に好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、OVPD(有機気相堆積)プロセス若しくはキャリアガス昇華により適用され、材料は、10−5mbar〜1barの圧力で、適用されることを特徴とする。
【0069】
更に、好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が、溶液から、例えば、スピンコーティングにより、若しくは、例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷或いはオフセット印刷、特に好ましくはLITI(光誘起熱画像化、熱転写印刷)或いはインクジェット印刷のような任意の所望の印刷プロセスにより製造されることを特徴とする。可溶性の化合物が、この目的のためには必要である。高い溶解度は、化合物の適切な置換により達成することができる。
【0070】
本発明による化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子での使用に関して、向上した効率と顕著により長い寿命を有し、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子を、先行技術に従う材料を含むものよりも、高品質で長寿命の表示装置での使用に、より適切とする。更に、本発明による化合物は、高い熱安定性と高いガラス転移温度を有し、分解せずに昇華することができる。
【0071】
本出願の明細書は、OLED及びPLEDと対応する表示装置に関する本発明による化合物の使用に向けられている。説明の制限にもかかわらず、当業者は、更なる発明性を要することなく、他の電子素子、例えば、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機集積回路(O-IC)、有機太陽電池(O-SC)、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)、有機レーザーダイオード(O-laser)及び有機光受容器で本発明の化合物を使用することができる。
【0072】
本発明は、同様に、対応する素子での本発明による化合物の使用とこれら素子自体に関する。
【0073】

次の合成は、他に断らない限り、保護ガス雰囲気下で行われる。出発材料は、アルドリッチ(ALDRICH)若しくはABCRから購入するか、文献記載の方法により調製することができる。2-及び3-ブロモベンゾ[a]アントラセンは、Hallmark et al., J. Lab. Comp. Radiopharm. 1981, 18(3), 331;で、4-ブロモベンゾ[a]アントラセンは、Badgar et al., J. Chem. Soc. 1949, 799で、5-ブロモベンゾ[a]アントラセンは、Newman et al., J. Org. Chem. 1982, 47(15), 2837である。全ての化合物のガラス転移温度をDSC測定器により測定することはできなかった。
【0074】
例1:5-ブロモベンゾ[a]アントラセンの合成
a)2-(1-ホルミルフェニル)-1-ナフチルメタン
【化16】

【0075】
対応するグリニャール化合物は、88.3g(500ミリモル)の1-クロロメチルナフタレンと500mlのエーテル中の12.2g(500ミリモル)のマグネシウムから調製される。グリニャール溶液は、−78℃まで冷却された後、59ml(530ミリモル)のトリメチルボレートが添加され、混合物は次いで室温まで暖められ、溶媒は真空除去され、500mlのトルエン、92.5g(500ミリモル)の2-ブロモベンズアルデヒド、2.9g(2.5ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)及び300mlの2モルの炭酸ナトリウム溶液が残渣に添加され、反応混合物は環流下16時間加熱される。冷却後、有機相が単離され、500mlの水でその度毎に2度洗浄され、シリカゲルによりろ過され、次いで蒸発幹固され、残留物は、トルエン/アセトニトリルから再結晶化される。収率:93.1g(378ミリモル)、75.6%、純度約97%(NMR)。
【0076】
b)2-(1-ホルミルフェニル)-1-(4-ブロモナフチル)メタン
【化17】

【0077】
19.5ml(380ミリモル)の臭素と300mlのジクロロメタンの混合物が、1500mlのジクロロメタン中の86.2g(350ミリモル)の2-(1-ホルミルフェニル)-1-ナフチルメタンの0℃に冷却された溶液に、遮光下滴下される。更に3時間攪拌後、1000mlの5%硫酸ナトリウム溶液が添加され、混合物は暫時攪拌され、有機相が単離され、3度500mlの水で洗浄され、蒸発幹固され、残留物は少量のアセトンで満たされる。24時間放置後、結晶は吸引ろ過され、アセトン:n-へキサン(1:1)で洗浄され、真空乾燥される。収率:90.7g(279ミリモル)、79.7%、純度約98%(NMR)。
【0078】
c)5-ブロモベンゾ[a]アントラセン
【化18】

【0079】
32.5g(100ミリモル)の2-(1-ホルミルフェニル)-1-(4-ブロモナフチル)メタンが、1000gのポリ燐酸に50℃で組み込まれる。塊は、100℃で2時間加熱され、冷却され、5lの氷水で満たされる、固形物は、吸引ろ過され、大量の水で洗浄され、乾燥され、次いで、トルエン中で酸化アルミニウムカラムによりろ過される。収率:25.5g(83ミリモル)、83.0%、純度約98%(NMR)。
【0080】
例2:ベンゾ[a]アントラセン-5-ボロン酸の合成
【化19】

【0081】
52ml(130ミリモル)のn-ブチルリチウム(n-ヘキサン中2.5M)が、1000mlのTHF中の30.7g(100ミリモル)の5-ブロモベンゾ[a]アントラセンの懸濁液に−78℃で激しく攪拌されながら滴下され、混合物は、さらに2時間攪拌される。16.7ml(150ミリモル)のトリメチルボレートが、激しく攪拌されながら一度に赤い溶液に添加され、混合物は−78℃で更に30分間攪拌され、次いで、3時間かけて室温まで暖められ、300mlの水が添加され、混合物は30分間攪拌される。有機相が単離され、真空中で蒸発幹固される。固形物は、100mlのn-へキサンで満たされ、吸引ろ過され、100mlのへキサンで1度洗浄され、真空乾燥される。収率:24.8g(91ミリモル)、91%、ボロン酸無水物とボロン酸の変動量でのボロン酸の純度約90%(NMR)。ボロン酸は、更なる純化をせずにこの形態で使用することができる。
【0082】
対応するボロンは、対応する臭素化物から例2と同様に得られる(例3〜6)。
【化20】

【0083】
例7:9-(ナフト-2-イル)-10-(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル)アントラセンの合成
【化21】

【0084】
913mg(3ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、300mlのトルエン、100mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の19.2g(50ミリモル)の9-ブロモ-10-(2-ナフチル)アントラセン、15.0g(55ミリモル)のベンゾ[a]アントラセン-4-ボロン酸、25.5g(120ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、DMF(約10ml/g)から3度再結晶化され。引き続き2度昇華される(p=5×10−5mbar、T=330℃)。収率:15.6g(29ミリモル)、58.8%、純度99.9%(HPLC)、T=168.9℃。
【0085】
次の本発明の化合物は、対応する臭素化物とボロン酸から例7と同様に得られる(例8〜13)。
【化22】

【0086】
例14:1,4-ビス(10-(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル)アントラセン-10-イル)ベンゼンの合成
【化23】

【0087】
例7と同様の調製。19.2g(50ミリモル)の9-ブロモ-10-(2-ナフチル)アントラセンは、14.7g(25ミリモル)の1,4-ビス(9-ブロモアントラセン-10-イル)ベンゼンに置き代えられる。NMP(約10ml/g)から3度再結晶化;昇華(p=5×10−5mbar、T=360℃)。収率:14.2g(16ミリモル)、64.3%、純度99.9%(HPLC)。
【0088】
例15:1,3,5-トリス(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンゼンの合成
【化24】

【0089】
例7と同様の調製。19.2g(50ミリモル)の9-ブロモ-10-(2-ナフチル)アントラセンは、5.0g(16ミリモル)の1,3,5-トリ-ブロモベンゼンに置き代えられる。o-ジクロロベンゼン(約25ml/g)から4度再結晶化;昇華(p=5×10−5mbar、T=350℃)。収率:8.4g(11ミリモル)、69.3%、純度99.9%(HPLC)。
【0090】
例16:5-(ベンゾ[a]アントラセン-5-イル)ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化25】

【0091】
例7と同様の調製。19.2g(50ミリモル)の9-ブロモ-10-(2-ナフチル)アントラセンは、15.4g(50ミリモル)の5-ブロモベンゾ[a]アントラセンに置き代えら、ベンゾ[a]アントラセン-4-ボロン酸は、ベンゾ[a]アントラセン-5-ボロン酸に置き代えられる。o-ジクロロベンゼン(約15ml/g)から4度再結晶化;昇華(p=5×10−5mbar、T=320℃)。収率:15.0g(33ミリモル)、66.0%、純度99.9%(HPLC)。
【0092】
例17:4-(ベンゾ[a]アントラセン-5-イル)ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化26】

【0093】
例7と同様の調製。19.2g(50ミリモル)の9-ブロモ-10-(2-ナフチル)アントラセンは、15.4g(50ミリモル)の5-ブロモベンゾ[a]アントラセンに置き代えられる。o-ジクロロベンゼン(約15ml/g)から4度再結晶化;昇華(p=5×10−5mbar、T=310℃)。収率:16.4g(36ミリモル)、72.1%、純度99.9%(HPLC)。
【0094】
例18:1-フェニル-2-(4-ベンゾ[a]アントラセン-4-イル-フェニル)ベンズイミダゾールの合成
【化27】

【0095】
例7と同様の調製。19.2g(50ミリモル)の9-ブロモ-10-(2-ナフチル)アントラセンは、17.5g(50ミリモル)の1-フェニル-2-(4-ブロモフェニル)ベンズイミダゾールに置き代えられる。反応混合物が冷却された後、有機層が単離され、300mlの水で3度洗浄され、シリカゲルでろ過され、蒸発幹固される。ガラス状残渣が50mlの煮沸クロロホルム中に溶解され、100mlのエタノールが溶液に添加される。12時間放置後、無色の結晶が吸引ろ過され、引き続きシリカゲル上で純粋ジクロロメタン(Rf=0.3)によりクロマトグラフされる。最後に、生成物は、クロロホルム/エタノールから再度再結晶化される。昇華(p=5×10−5mbar、T=310℃)。収率:15.5g(31ミリモル)、62.4%、純度99.9%(HPLC)、T=110.9℃。
【0096】
例19:4-(ビス(3-メチルフェニル)アミノ)ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化28】

【0097】
190μl(1ミリモル)のクロロ-ジ-tert-ブチルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、500mlのトルエン中の15.4g(50ミリモル)の4-ブロモ-ベンゾ[a]アントラセン、11.8g(60ミリモル)のビス(3-メチルフェニル)アミンと7.7g(80ミリモル)のナトリウムtert-ブトキシドの懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下5時間加熱される。混合物が60℃まで冷却された後、500mlの水が添加され、有機相が単離され、シリカゲルによりろ過され、80℃で実質的に蒸発幹固され、次いで300mlのエタノールが添加される。冷却後、固形物は、吸引ろ過される。ジオキサン(約8ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=280℃)。収率:11.9g(28ミリモル)、56.1%、純度99.9%(HPLC)。
【0098】
例20:9-(フェニル)-10-(ベンゾ[a]アントラセン-5-イル)アントラセンの合成
【化29】

【0099】
913mg(3ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、300mlのトルエン、100mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の16.7g(50ミリモル)の9-ブロモ-10-(フェニル)アントラセン、15.0g(55ミリモル)のベンゾ[a]アントラセン-5-ボロン酸、25.5g(120ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。混合物が冷却された後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、DMF(約7ml/g)から3度再結晶化され、引き続き2度昇華される(p=5×10−5mbar、T=320℃)。収率:16.3g(34ミリモル)、67.8%、純度99.9%(HPLC)、T=150.0℃。
【0100】
次の本発明の化合物は、対応する臭素化物とボロン酸から、例20と同様に得られる(例21〜26)。
【化30】

【0101】
例27:4-(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化31】

【0102】
例7と同様の調製。9-ブロモ-10-(2-ナフチル)アントラセンは、15.4g(50ミリモル)の4-ブロモベンゾ[a]アントラセンに置き代えられる。o-ジクロロベンゼン(約15ml/g)から4度再結晶化;昇華(p=5×10−5mbar、T=320℃)。収率:16.8g(37ミリモル)、74.0%、純度99.9%(HPLC)、T=130.3℃。
【0103】
例28:1,4-ビス(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンゼンの合成
【化32】

【0104】
例7と同様の調製。9-ブロモ-10-(2-ナフチル)アントラセンは、4.1g(25ミリモル)のベンゼン-1,4-ジボロン酸に置き代えられる。o-ジクロロベンゼン(約20ml/g)から5度再結晶化;昇華(p=5×10−5mbar、T=400℃)。収率:11.1g(21ミリモル)、84.0%、純度99.9%(HPLC)。
【0105】
例29:4-(7-フェニルベンゾ[a]アントラセン-4-イル)-7-フェニル-ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化33】

【0106】
19.6g(110ミリモル)のN-ブロモサクシンイミドが、1000mlのDMF中の22.7g(50ミリモル)の4-(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンズアントラセンの懸濁液に100℃で激しく攪拌されながら一度に添加される。懸濁液は、更に30分間100℃に維持され、冷却され、1000mlのエタノールが次いで添加される。沈殿した固形物は、吸引ろ過され、100mlのエタノールでその度毎に3度洗浄され、真空乾燥される。得られた固形物は例7と同様に、15.9g(130ミリモル)のベンゼンボロン酸と反応される。DMF(約6ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=360℃)。収率:21.8g(36ミリモル)、72.0%、純度99.9%(HPLC)、T=181.4℃。
【0107】
次の本発明の化合物は、対応するボロン酸から、例29と同様に得られる(例30〜34)。
【化34−1】

【化34−2】

【0108】
例35:4,7-ビス(ナフト-1-イル)ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化35】

【0109】
19.6g(110ミリモル)のN-ブロモサクシンイミドが、300mlのDMF中の15.4g(50ミリモル)の4-ブロモベンゾ[a]アントラセンの懸濁液に、100℃で激しく攪拌されながら一度に添加される。懸濁液は、更に30分間100℃に維持され、冷却され、1000mlのエタノールが添加される。沈殿した固形物は、吸引ろ過され、100mlのエタノールでその度毎に3度洗浄され、真空乾燥される。得られた固形物は例7と同様に、22.4g(130ミリモル)の1-ナフタレンボロン酸と反応される。DMF(約4ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=355℃)。収率:12.5g(26ミリモル)、52.0%、純度99.9%(HPLC)、T=137.1℃。
【0110】
次の本発明の化合物は、対応するボロン酸から、例35と同様に得られる(例36〜40)。
【化36】

【0111】
例41:9-(フェニル)-10-(7-フェニルベンゾ[a]アントラセン-4-イル)アントラセンの合成
【化37】

【0112】
913mg(3ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、300mlのトルエン、100mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の12.9g(50ミリモル)の9-ブロモアントラセン、15.0g(55ミリモル)のベンゾ[a]アントラセン-4-ボロン酸、25.5g(120ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最後に乾燥される。16.9g(95ミリモル)のN-ブロモサクシンイミドが、500mlのDMF中の18.2g(45ミリモル)の得られた9-ベンゾ[a]アントラセン-4-イルアントラセンの懸濁液に、100℃で一度に添加される。3時間後、500mlのエタノールが室温で添加され、固形物は、吸引ろ過され、エタノールで洗浄され、乾燥される。913mg(3ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、300mlのトルエン、100mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の22.5g(40ミリモル)の得られた9-ブロモ-10-(7-ブロモベンゾ[a]アントラセン-4-イル)アントラセン、12.2g(100ミリモル)の安息香酸、25.5g(120ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最後に乾燥される。DMF(約3ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=350℃)。収率:12.6g(23ミリモル)、46.0%、純度99.9%(HPLC)、T=171.8℃。
【0113】
次の本発明の化合物は、対応するボロン酸から、例41と同様に得られる(例42〜46)。
【化38】

【0114】
例48:1,4-ビス(7-フェニル(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル))ベンゼンの合成
【化39】

【0115】
500mlのo-ジクロロベンゼン中の26.5g(50ミリモル)の1,4-ビス(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンゼンと19.6g(110ミリモル)のN-ブロモサクシンイミドの懸濁液が、激しく攪拌されながら沸点までゆっくりと加熱される。引き続き混合物は、2時間還流下煮沸され、冷却され、沈殿物は、吸引ろ過され、100mlのエタノールでその度毎に3度洗浄され、真空乾燥される。913mg(3ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、300mlのトルエン、100mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の21.2g(40ミリモル)の得られた1,4-ビス(7-ブロモ(ベンゾ[a]アントラセン-4-イル))ベンゼン、12.2g(100ミリモル)の安息香酸、25.5g(120ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最後に乾燥される。o-ジクロロベンゼン(約7ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=400℃)。収率:16.4g(24ミリモル)、48.0%、純度99.9%(HPLC)、T=176.7℃。
【0116】
次の本発明の化合物は、対応するボロン酸から、例48と同様に得られる(例49〜53)。
【化40】

【0117】
例54:4-(ジフェニルアミノ)ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化41】

【0118】
190μl(1ミリモル)のクロロ-ジ-tert-ブチルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、500mlのトルエン中の15.4g(50ミリモル)の4-ブロモ-ベンズアントラセン、10.2g(60ミリモル)のジフェニルアミンと7.7g(80ミリモル)のナトリウムtert-ブトキシドの懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下5時間加熱される。混合物が60℃まで冷却された後、500mlの水が添加され、有機相が単離され、シリカゲルによりろ過され、80℃で実質的に蒸発幹固され、次いで300mlのエタノールが添加される。冷却後、固形物は、吸引ろ過される。ジオキサン(約8ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=280℃)。収率:12.7g(32ミリモル)、64.1%、純度99.9%(HPLC)、T=74.7℃。
【0119】
次の本発明の化合物は、対応するアミンから、例54と同様に得られる(例55〜59)。
【化42】

【0120】
例60:4,7-ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化43】

【0121】
380μl(2ミリモル)のクロロ-ジ-tert-ブチルホスフィンと、次いで224mg(1ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、500mlのトルエン中の19.3g(50ミリモル)の4,7-ジブロモ-ベンズアントラセン(例35に記載されるとおりに調製。)、20.4g(120ミリモル)のジフェニルアミンと15.4g(160ミリモル)のナトリウムtert-ブトキシドの懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下5時間加熱される。混合物が60℃まで冷却された後、500mlの水が添加され、有機相が単離され、シリカゲルによりろ過され、真空中80℃で実質的に蒸発幹固され、次いで300mlのエタノールが添加される。冷却後、固形物は、吸引ろ過される。ジオキサン(約8ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=300℃)。収率:16.9g(30ミリモル)、60.2%、純度99.9%(HPLC)、T=134.9℃。
【化44−1】

【化44−2】

【0122】
例66:2-,3-,4-,5-及び6-ブロモ-7,12-ジジューテロベンゾ[a]アントラセンの合成
【化45】

【0123】
O中の4mlの50%DPO、DO中の8mlの57%DIと18mlのCDCOODの混合物中の1.7g(5ミリモル)の対応する2-,3-,4-,5-或いは6-ブロモ-ベンゾ[a]アントラセンキノン(2-ブロモ、3-ブロモは、J. Org. Chem. 1983, 48(17), 2926参照;4-ブロモは、J. Org. Chem. 1987, 52(26), 5668参照;5-ブロモは、Bull. Chem. Soc. Jpn. 1976, 49(12), 3713参照。)は、還流下15時間加熱される。冷却後、固形物は、吸引ろ過され、水で十分に洗浄され、50mlの煮沸エタノールで1度洗浄され、最後に乾燥される。出発材料DPO、DI及びCDCOODの重水素化度に基づく重水素化度は、>99%である。
【化46】

【0124】
得られた2-,3-,4-,5-及び6-ブロモ-7,12-ジジューテロベンゾ[a]アントラセンは、例1〜60と同様にして、本発明の1〜60の7及び/または12重水素化合物アナログに変換することができる。
【0125】
例72:4,7-ビス(4-フェニル-1H-ベンズイミダゾリル)-ベンゾ[a]アントラセンの合成
【化47】

【0126】
913mg(3ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、300mlのトルエン、100mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の11g(31.5ミリモル)の1-フェニル-2-(4-ブロモフェニル)ベンズイミダゾール、4.4g(14ミリモル)のベンゾ[a]アントラセン-4,7-ジボロン酸、13g(65ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール/水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、DMF(約10ml/g)から3度再結晶化され、引き続き2度昇華される(p=5×10−5mbar、T=308℃)。収率:17.5g(23ミリモル)、41%、純度99.9%(HPLC)、T=111.4℃。
【0127】
例73:4-フェニル-7-(4-フェニル-1H-ベンゾイミダゾリル)-ベンゾ[a]アントラセンの合成
a)4-フェニルベンゾ[a]アントラセン
【化48】

【0128】
913mg(3ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、300mlのトルエン、100mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の7.8g(50ミリモル)のブロモベンゼン、15.0g(55ミリモル)のベンゾ[a]アントラセン-4-ボロン酸、25.5g(120ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。
【0129】
b)7-ブロモ-4-フェニルベンゾ[a]アントラセン
【化49】

【0130】
16.9g(95ミリモル)のN-ブロモサクシンイミドが、500mlのDMF中の18.2g(45ミリモル)の4-フェニルベンゾ[a]アントラセンの懸濁液に100℃で添加される。3時間後、500mlのエタノールが室温で添加され、固形物は、吸引ろ過され、エタノールで洗浄され、乾燥される。
【0131】
c)4-(4-フェニルベンゾ[a]アントラセン-7-イル)ベンズアルデヒド
【化50】

【0132】
913mg(3ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで112mg(0.5ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、300mlのトルエン、100mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の15.3g(40ミリモル)の7-ブロモ-4-フェニルベンゾ[a]アントラセン、7.5g(50ミリモル)の4-ホルミルフェニルボロン酸、25.5g(120ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。DMFから再結晶化。収率:14.3g(35ミリモル)、88%。
【0133】
d)7-(4-フェニル-1H-ベンズイミダゾリル)-4-フェニルベンゾ[a]アントラセン
【化51】

【0134】
加熱することにより充分に乾燥されたフラスコ中で、18g(45ミリモル)の4-(4-フェニルベンゾ[a]アントラセン-7-イル)ベンズアルデヒドと15.3g(81ミリモル)のN-フェニル-o-フェニレンジアミンが、900mlのDMF中に溶解され、104g(169ミリモル)のモノ過硫酸水素カリウムが滴下され、混合物は引き続きさらに1時間攪拌され、次いで60℃で1時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。DMF(約4ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=320℃)。収率:6g(11ミリモル)、26%、純度99.9%(HPLC)、T=130.4℃。
【0135】
例74:7-ナフト-1-イル-4-(4-フェニル-1H-ベンズイミダゾール)-ベンゾ[a]アントラセンの合成
a)4-ベンゾ[a]アントラセン-4-イルベンズアルデヒド
【化52】

【0136】
2.4g(7.9ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで300mg(1.3ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、500mlのトルエン、500mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の50g(333ミリモル)の4-ホルミルフェニルボロン酸、81g(266ミリモル)の4-ブロモベンゾ[a]アントラセン、118g(558ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。収率:49.7g(149ミリモル)、56%。
【0137】
b)4-(7-ブロモベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンズアルデヒド
【化53】

【0138】
29.4g(165ミリモル)のN-ブロモサクシンイミドが、800mlのDMF中の49g(150ミリモル)の4-ベンゾ[a]アントラセン-4-イルベンズアルデヒドの懸濁液に100℃で添加される。3時間後、500mlのエタノールが室温で添加され、固形物は、吸引ろ過され、エタノールで洗浄され、乾燥される。収率:49.3g(119ミリモル)、79%。
【0139】
c)4-(7-ナフト-1-イルベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンズアルデヒド
【化54】

【0140】
850mg(2.8ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで108mg(0.48ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、500mlのトルエン、500mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の49g(115ミリモル)のナフチル-1-ボロン酸、21g(126ミリモル)の4-(7-ブロモベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンズアルデヒド、36.6g(172ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。収率:76g(161ミリモル)、54%。
【0141】
d)7-ナフト-1-イル-4-(4-フェニル-1H-ベンズイミダゾール)-ベンゾ[a]アントラセン
【化55】

【0142】
加熱することにより充分に乾燥されたフラスコ中で、76g(116ミリモル)の4-(7-ナフト-1-イルベンゾ[a]アントラセン-4-イル)ベンズアルデヒドと112g(598ミリモル)のN-フェニル-o-フェニレンジアミンが、900mlのDMF中に溶解され、240g(359ミリモル)のモノ過硫酸水素カリウムが滴下され、混合物は引き続きさらに1時間攪拌され、次いで60℃で1時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。DMF(約4ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=320℃)。収率:60g(96ミリモル)、83%、純度99.9%(HPLC)、T=161.3℃。
【0143】
例75:7-(4-フェニル-1H-ベンズイミダゾール)-4-(9-フェニルアントラセン-10-イル)ベンゾ[a]アントラセンの合成
a)4-(9-フェニルアントラセン-10-イル)ベンゾ[a]アントラセン
【化56】

【0144】
3g(9.8ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで391mg(1.7ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、250mlのトルエン、50mlのジオキサンと250mlの水の混合物中の20g(60ミリモル)の9-ブロモ-10-フェニルアントラセン、19.8g(73ミリモル)の4-ブロモベンゾ[a]アントラセン、19g(89ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。収率:34g(71ミリモル)、97%。
【0145】
b)7-ブロモ-4-(9-フェニルアントラセン-10-イル)ベンゾ[a]アントラセン
【化57】

【0146】
20g(116ミリモル)のN-ブロモサクシンイミドが、500mlのDMF中の55g(116ミリモル)の4-(9-フェニルアントラセン-10-イル)ベンゾ[a]アントラセンの懸濁液に100℃で添加される。3時間後、500mlのエタノールが室温で添加され、固形物は、吸引ろ過され、エタノールで洗浄され、乾燥される。収率:63g(113ミリモル)、65%。
【0147】
c)7-(p-ベンズアルデヒド)-4-(9-フェニルアントラセン-10-イル)ベンゾ[a]アントラセン
【化58】

【0148】
1.05g(3.6ミリモル)のトリ-o-トリルホスフィンと、次いで130mg(0.58ミリモル)の酢酸パラジウム(II)が、500mlのトルエン、500mlのジオキサンと400mlの水の混合物中の21g(145ミリモル)の4-ホルミルフェニルボロン酸、66g(119ミリモル)の7-ブロモ-4-(9-フェニルアントラセン-10-イル)ベンゾ[a]アントラセン、49g(234ミリモル)の燐酸三カリウムの充分に攪拌された懸濁液に添加され、混合物は、引き続き還流下16時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのトルエンで3度、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。収率:44g(76ミリモル)、62%。
【0149】
d)7-(4-フェニル-1H-ベンズイミダゾール)-4-(9-フェニルアントラセン-10-イル)ベンゾ[a]アントラセン
【化59】

【0150】
加熱することにより充分に乾燥されたフラスコ中で、20g(34.2ミリモル)の7-(p-ベンズアルデヒド)-4-(9-フェニルアントラセン-10-イル)ベンゾ[a]アントラセンと23g(123ミリモル)のN-フェニル-o-フェニレンジアミンが、900mlのDMF中に溶解され、157.7g(256ミリモル)のモノ過硫酸水素カリウムが滴下され、混合物は引き続きさらに1時間攪拌され、次いで60℃で1時間加熱される。冷却後、沈殿した固形物は、吸引ろ過され、50mlのエタノール:水(1:1、v:v)で3度、100mlのエタノールで3度洗浄され、最終的に乾燥される。DMF(約4ml/g)から5度再結晶化。昇華(p=5×10−5mbar、T=320℃)。収率:10g(13ミリモル)、38%、純度99.9%(HPLC)。
【0151】
例76:OLEDの製造
OLEDが、WO 04/058911に記載されるとおりの一般的プロセスにより製造されるが、これは、特別な状況(例えば、最適な効率と色を達成するための層の厚さの変化)に対する個々の場合において適合される。
【0152】
以下の例21〜34は、種々のOLEDの結果を示す。構造化されたITO(インジウム錫酸化物)で被覆された硝子板が、OLEDの基板を形成する。改善された加工のために、20nmのPEDOT(水からスピンコート、H.C.Stack,Goslar独から購入。ポリ(3,4-エチレンジオキシ-2,5-チオフェン))が、基板に適用される。OLEDは、次の層配列から成る:基板/PEDOT/40nmの正孔輸送層(HTM)/30nmの発光層(EML)/20nmの電子輸送層(ETM)及び最後に陰極。PEDOTとは別の材料が、真空室で熱蒸着される。ここで発光層は、共蒸発によりホストと前混合されるマトリックス材料(ホスト)とドーパントとから常に成る。陰極は、1nm厚のLiF層とそこに堆積された100nmのAl層により形成される。表1は、OLEDを構築するために使用された材料の化学構造を示す。
【0153】
これらのOLEDは、標準方法により特性決定される;この目的のために、エレクトロルミネセンススペクトル、効率(cd/Aで測定)、電流/電圧/輝度特性線(IUL特性線)から計算した、輝度の関数としてのパワー効率(Im/Wで測定)及び寿命が測定される。寿命は、初期輝度が6000cd/mから半分に低下した時間として定義される。
【0154】
表2は、いくつかのOLED(例71〜82)の結果を示す。例7、8及び11の化合物が、本発明によるホスト材料として使用された。先行技術に従うホスト材料H1が比較例として使用される。
【0155】
表3は、例18からの化合物を本発明による電子輸送材料として含むOLED(例83及び84)の結果を示す。比較例として、AlQが、先行技術に従う電子輸送材料として使用される。
【表1】

【表2】

【表3】

【0156】
上記例から明らかなように、本発明による化合物をホスト材料として含む本発明によるエレクトロルミネッセンス素子は、先行技術に従う素子より、より高い効率とより長い寿命を有する。加えて、本発明による材料が、上記例84でのようにAlQに代えて、電子輸送材料として使用されるならば、素子の効率は更に改善され、電圧を減らすことができる。
【0157】
例91:変形層構造のOLEDの製造
種々のOLEDの結果が、以下の例86〜105に示される。OLEDは、ここで、次の層配列から成る:基板/5nmの正孔注入層(HIL1)/60nmの正孔輸送層(HTMx)/20nmの正孔輸送層(HTM3)/40nmの発光層(EML)/20nmの電子輸送層(ETM)及び最後に陰極。材料は、例70で示されるとおりに加工される。陰極は、1nm厚のLiF層とそこに堆積された150nmのAl層により形成される。表4は、OLEDを構築するために使用された材料の化学構造を示す。
【0158】
これらのOLEDは、標準方法により特性決定される;この目的のために、エレクトロルミネセンススペクトル、効率(cd/Aで測定)、電流/電圧/輝度特性線(IUL特性線)から計算した、輝度の関数としてのパワー効率(Im/Wで測定)及び寿命が測定される。寿命は、初期輝度6000cd/m(青の場合)若しくは25000cd/m(緑の場合)から半分に低下した時間として定義される。
【0159】
表5〜7は、いくつかのOLED(例86〜105)の結果を示す。表4に示される化合物は、本発明によるドーパント或いはホスト材料若しくは電子輸送材料として使用される。先行技術に従うドーパントD1及びホスト材料H1が比較例に使用される。
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の非荷電化合物。
【化1】

(ここで、基ArまたはYは、ベンゾ[a]アントラセンの2,3,4,5或いは6位の一つを介して結合し、対応して基Rは、この位置には結合しておらず、使用される記号と添字は、以下が適用される:
Arは、出現毎に同一であるか異なり、1以上の基Rで置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有する二価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造であり、
Yは、添え字pに依存して、1以上の基Rで置換されてよい5〜40個の芳香族環原子を有する一、二、三、四、五或いは六価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造であるか;または、Yは、p=0ならば、N(Ar、C(=O)Ar或いはP(=O)(Ar基;または、Yは、p=1ならば、単結合或いはC=O、O、S、SO、SO、NR、NAr、PAr、P(=O)Ar、P(=S)Ar、O-B-(Ar)-O、O-BR-O、-CR=CR-、C≡C、1〜20個のC原子を有するアルキレン若しくはアルキリデン基であって、夫々は、1以上の基Rで置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S若しくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CN若しくはNOで置き代えられてよく;または、Yは、p=2ならば、B、B、CR、CAr、N、P、P=O或いはP=Sであり、
Rは、出現毎に同一であるか異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、N(Ar、N(R、C(=O)Ar、P(Ar、P(=O)(Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OAr、B(OR、OSO、OH、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル若しくはチオアルコキシ基、2〜40個のC原子を有する直鎖アルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分岐或いは環状アルキル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基Rにより置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S若しくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CN若しくはNOで置き代えられてよい。)、または1以上の非芳香族基Rにより置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族若しくは複素環式芳香族環構造、または1以上の非芳香族基Rにより置換されてよい5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシ若しくはヘテロアリールオキシ基、またはこれらの構造の組み合わせであり;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、互いにモノ-或いはポリ環状脂肪族環構造を形成してもよく;
Arは、出現毎に同一であるか異なり、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよい5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族若しくは複素環式芳香族環構造であり;同一の窒素或いは燐原子に結合する2個の基Arは、単結合により、または、B(R)、C(R、Si(R、C=O、C=NR、C=C(R、O、S、S=O、SO、N(R)、P(R)及びP(=O)Rから選ばれるブリッジにより、ここで、互いに連結されてもよく、
は、出現毎に同一であるか異なり、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族、芳香族及び/または複素環式芳香族炭化水素基であり、加えて、1以上のH原子は、Fで置き代えられてよく;2以上の隣接する置換基Rは、ここで、互いにモノ-或いはポリ環状、脂肪族若しくは芳香族環構造を形成してもよく;
m、nは、出現毎に同一であるか異なり、0、1、2若しくは3であり、
pは、0、1、2、3、4若しくは5であり、
次の化合物は、除外される。
【化2】


【請求項2】
式(2)の請求項1記載の化合物。
【化3】

(ここで、基ArまたはYは、ベンゾ[a]アントラセンの2,3,4,5或いは6位の一つを介して結合し、記号と添字は、請求項1に記載されるのと同じ意味を有する。)
【請求項3】
式(3)〜(24)から選択される、請求項1または2記載の化合物。
【化4−1】

【化4−2】

【化4−3】

【化4−4】

【化4−5】

(ここで、記号と添字は、請求項1に記載されるのと同じ意味を有し、ベンゾ[a]アントラセン骨格は、水素に代えて重水素を有してもよく、ここで、式(3)〜(7)中の基Yは、一価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造またはN(Ar基を表す。)
【請求項4】
基Yは、基ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、カルバゾール、フェナントレン、ベンズアントラセン、クリセン、ピレン、フェナントロリン、フェナントロイミダゾール、1,3,5-トリアジン及びベンズイミダゾールから構築され、または、p=0ならばN(Ar基を表すことを特徴とする、請求項1〜3何れか1項記載の化合物。
【請求項5】
p=0または式(3)〜(7)の化合物におけるYは、次の式(25)〜(33)の群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項記載の化合物。
【化5】

(ここで、RとRは、請求項1に示される意味を有し、更に、
Arは、5〜16個の芳香族環原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基、好ましくは、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、9-アントリル、クリセニル、1-ピレニル、2-ピレニル、2-フェナントレニル、3-フェナントレニル、9-フェナントレニル、2-ベンズイミダゾール、2-フルオレニル、2-スピロビフルオレニル、フルオランセニル、2-ベンズアントラセニル、3-ベンズアントラセニル、4-ベンズアントラセニル、5-ベンズアントラセニル、6-ベンズアントラセニルであって、夫々は、1以上の基Rにより置換されてよいものであるか、または、式(25)においては、式(32)或いは(33)の基であり、
Arは、出現毎に同一であるか異なり、5〜20個の芳香族環原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基または15〜30個の芳香族環原子を有するトリアリールアミン基であって、夫々は、1以上の基Rにより置換されてよいものであり、好ましくは、6〜14個の芳香族環原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基または18〜30個の芳香族環原子、好ましくは、18〜22個の芳香族環原子を有するトリアリールアミン基であって、夫々は、1以上の基Rにより置換されてよいものであり、
Eは、単結合、O、S、N(R)またはC(Rを表し、2個の基Rは、環形成によりスピロ構造を形成してもよく、
qは、1、2若しくは3であり、
sは、出現毎に同一であるか異なり、0若しくは1である。)
【請求項6】
式(1)〜(24)の化合物における記号Arは、出現毎に同一であるか異なり、1,2-フェニレン、1,3-フェニレン、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、9,10-アントリレン、2,7-フェナントレニレン、3,6-フェナントレニレン、1,6-ピレニレン、2,7-ピレニレン、2,6-ピリジニレン、2,5-ピリジニレン、2,2’-ビフェニル、3,3’-ビフェニル、4,4’-ビフェニル、2,7-フルオレニル及び2,7-スピロビフルオレニルから選択されるアリーレン若しくはヘテロアリーレンを表すことを特徴とする、請求項1〜5何れか1項記載の化合物。
【請求項7】
p=1の式(1)及び式(2)または式(8)〜(12)及び式(15)〜(24)の化合物における記号Yは、単結合またはC=O、O、NAr、POAr、O-B(Ar)O、1〜6個のC原子を有する二価のアルキレン若しくはアルキリデン基、5〜14個の芳香族環原子を有する二価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造から選ばれる二価基を表し、及び、p=2の式(1)及び式(2)または式(13)及び式(14)の化合物における記号Yは、Nまたは5〜14個の芳香族環原子を有する三価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造、特に、1,3,5-ベンゼン或いは1,3,5-トリアジンを表し、及びp>2の式(1)及び式(2)の化合物における記号Yは、対応して、5〜14個の芳香族環原子を有する多価の芳香族若しくは複素環式芳香族環構造を表すことを特徴とする、請求項1乃至6何れか1項記載の化合物。
【請求項8】
基ArまたはYは、随意に置換された2-(2’-アリールアセチレン)フェニルナフタレンと求電子試薬との反応により、ベンゾ[a]アントラセンの6位に結合する、請求項1〜7何れか1項記載の化合物の調製方法。
【請求項9】
反応性脱離基、特に、塩素、臭素、ヨウ素、トリフレート、トシレート、ボロン酸及びボロン酸エステルにより置換されるベンズアントラセンが、官能化された芳香族化合物若しくは単或いは二置換アミンと、特に、パラジウム触媒によるスズキカップリングまたはくハートビッヒ-ブッフバルト(Hartwig-Buchwald)法によるパラジウム触媒カップリングにより、カップルすることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項記載の化合物の調製方法。
【請求項10】
式(34)の化合物。
【化6】

(ここで、R,R及びArは、請求項1に記載されるのと同じ意味を有し、Rは、ベンゾ[a]アントラセンの2,3,4,5或いは6位で結合し、対応して、基Rは、この位置で結合せず、更に:
は、B(OR或いはB(OArを表す。)
【請求項11】
1以上の基RまたはArまたはYは、請求項1〜7何れか1項記載の化合物からのポリマー、オリゴマー或いはデンドリマーへの結合を表す、請求項1〜7何れか1項記載の化合物を含むオリゴマー、ポリマー或いはデンドリマー。
【請求項12】
請求項1〜7何れか1項若しくは請求項10記載の化合物または請求項11記載のオリゴマー、デンドリマー或いはポリマーの、電子素子、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子での使用。
【請求項13】
少なくとも一つの請求項1〜7何れか1項若しくは請求項10記載の化合物または少なくとも一つの請求項11記載のオリゴマー、デンドリマー或いはポリマーを含む、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機集積回路(O-IC)、有機太陽電池(O-SC)、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)、有機レーザーダイオード(O-laser)若しくは有機光受容器から選ばれる有機電子素子。
【請求項14】
請求項1〜10何れか1項記載の化合物が、蛍光ドーパントのためのホスト材料として使用され、蛍光ドーパントは、好ましくは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル及びアリールアミン、特に、縮合芳香族基を含むアリールアミンから選ばれることを特徴とする、請求項13記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項15】
請求項1〜7何れか1項記載の化合物が、発光材料(ドーパント)として、正孔輸送材料として、正孔注入材料として、または電子輸送材料として使用されることを特徴とする、請求項13または14記載の有機エレクトロルミネセンス素子。

【公表番号】特表2010−528070(P2010−528070A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509698(P2010−509698)
【出願日】平成20年4月29日(2008.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003474
【国際公開番号】WO2008/145239
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】