説明

有機化合物の新しい用途

本発明は、筋肉障害を予防および改善し、筋肉機能を改善するために、(特に食物および栄養補助食品、化粧品、ならびに医薬組成物である)組成物として使用する/組成物中で使用するための、上で定義される一般式Ia〜Ieの化合物に関する。その他の使用分野は、脂質代謝障害とグルコース代謝障害とインスリン作用不全と関係がある障害、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患、および/または骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患である。化合物はまた、ボディシェイピングをし、筋肉:脂肪比を改善し、または皮膚創傷治癒を促進するために使用されてもよい。本発明はまた、このような化合物を含有する(強化)食物、飲料、(強化)飼料、食品添加剤、飲料添加剤、飼料添加剤、臨床栄養物、栄養補助食品、機能性食品、機能性飼料、および栄養補給食品などの食品組成物と医薬組成物、ヒトを含む哺乳類において前述の障害/疾患を治療する方法、式Iの化合物それ自体に向けたものである。別の本発明の目的は、上述のこのような障害/疾患を治療する組成物を製造するためのこのような化合物の使用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、薬物として使用するための、特に筋肉障害を治療するための、および筋肉機能を改善するための、以下に定義される一般式IまたはIeの化合物、特に一般式Ia〜Igの化合物に関する。
【0002】
その他の使用分野は、脂質代謝障害とグルコース代謝障害とインスリン作用不全とに関係がある障害、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患、および骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患である。化合物はまた、皮膚創傷治癒を促進するために使用されてもよい。
【0003】
本発明はまた、このような化合物を含有する(強化)食物、飲料、(強化)飼料、食品添加剤、飲料添加剤、飼料添加剤、臨床栄養物、栄養補助食品、機能性食品、機能性飼料、および栄養補給食品などの食品組成物および医薬品およびボディケア組成物、ヒトを含む哺乳類において、筋肉障害を治療する方法、筋肉機能を改善する方法、脂質代謝障害とグルコース代謝障害とインスリン作用不全とに関係がある障害を治療する方法、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状などのその他の病状を治療する方法、皮膚創傷治癒を促進する方法、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患を治療する方法、および骨粗鬆症および骨減少症などの骨疾患を治療する方法に関する。
【0004】
本発明の別の目的は、筋肉障害を治療し、筋肉機能を改善し、脂質代謝障害とグルコース代謝障害とインスリン作用不全とに関係がある障害を治療し、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害を治療し、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷などの皮膚関連病状を治療し、皮膚創傷治癒を促進し、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)とアレルギー疾患などの呼吸障害を治療し、ならびに骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患を治療するためのこのような化合物の使用、ならびに以下でより詳細に定義され述べられている(優先度についてもそこで述べられている)、これらの適応症/応用分野のための化合物である。
【0005】
さらなる本発明の目的は、筋肉障害を治療し、筋肉機能を改善し、脂質代謝障害とグルコース代謝障害とインスリン作用不全とに関係がある障害を治療し、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害を治療し、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷などの皮膚関連病状を治療し、皮膚創傷の治癒を促進し、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)とアレルギー疾患などの呼吸障害を治療し、ならびに骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患を治療する組成物を製造するためのこのような化合物の使用である。
【0006】
「治療」と言う表現は、ここでは共同治療、制御、予防、および改善、ならびに健康な状態の維持もまた包含する。
【0007】
「障害」と言う表現は、疾患、ならびに現行の状態が改善されるべきであるという個人の主観的意見もまた包含する。
【0008】
我々は今や、一般式IまたはIeの化合物を発見し、
【化1】


(式中、Lが水素またはRであるとき、LはAまたはBのいずれかであり、
【化2】


またはLおよびLは残基CまたはDを形成し、
【化3】


はH、OHまたはRであり;LはHであり;LはH、OHまたはRであり;LはHであり;
好ましくはLがAであるとき、LはOHで、L、L、およびLはHであり;
好ましくはLがBであるとき、L、L、およびLはHで、LはRで、LはRであり;
好ましくはLおよびLが一緒になって残基Cを形成するとき、L、LはHで、LはRで、LはRであり;
好ましくはLおよびLが一緒になって残基Dを形成するとき、L、LはHで、LはRで、LはRであり;
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;R、R10はC1〜6−アルキルオキシであり;
はH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O(式中、x=1、2、3である)基を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)であり、
特に式Ia、Ib、Ic、Id、およびIe、
【化4】


(式中、
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、RおよびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;RおよびR10は互いに独立してC1−6−アルキルオキシであり;
はH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)の化合物は、筋肉障害の予防、制御、および/または治療、および筋肉機能の改善、および脂質代謝障害と関係がある障害やグルコース代謝障害および/またはインスリン作用不全と関係がある障害の治療/予防、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害の治療/予防、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状の治療/予防、皮膚創傷治癒の促進、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害の治療/予防、アレルギー疾患の治療/予防、ならびに骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患の治療/予防などのその他の使用分野で有効かもしれない。
【0009】
「筋肉機能の改善」という用語は、運動動作能力の向上、特に身体的持久力および疲労抵抗性の向上を包含する。
【0010】
骨格筋繊維は、一般にI型(酸化的/緩慢)またはII型(解糖作用の/迅速)繊維に分類される。それらは密度、代謝、およびに疲労に対する感受性に関して際立った違いを示す。I型繊維はミトコンドリアに富み、安定した持続性のATP供給を提供する酸化的代謝をエネルギー生成のために主に使用し、したがって疲労抵抗性である。II型繊維は、3種のサブタイプIIa、IIx、およびIIbを含んでなる。IIb型繊維は最低レベルのミトコンドリア含量および酸化酵素を有し、主要エネルギー源として解糖代謝に依存して疲労し易い一方、IIaおよびIIx型の酸化および収縮機能は、IとIIb型の間である。成人骨格筋は柔軟性を示し、運動訓練または運動ニューロン活性の調節に答えて異なる繊維タイプ間で変換できる(PLOS Biology 2004年、2(10)、e294)。
【0011】
運動選手における筋肉繊維組成物の判定は、一流の持久力運動選手が、訓練された筋肉組織中にII型繊維よりも比較的より多くのI型繊維を有することを明らかにした。マラソン選手もまた、より多くのI型繊維を有する傾向がある。I型繊維が身体的持久能力を司る要因であるかもしれないことが提案された。反対に加齢および運動不足は、I型繊維、酸化能力、およびインスリン感受性の減少と関連付けられている条件である。筋肉酸化能力は、持久力および疲労抵抗性を判定する上での重大な要素であるように見える。酸化的筋肉繊維(I型繊維)の数を制御することで、持久力運動に対する骨格筋の適応代謝反応があるように見える。
【0012】
骨格筋繊維IIb型のタイプIIaおよびI型への変換は、異なるシグナル伝達経路によって制御される。例えばRas/マイトジェン−活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、カルシニュリン、カルシウム/カルモジュリン−依存タンパク質キナーゼIV、およびペルオキシソーム増殖因子γ活性化補助因子1(PGC−1)。上述の化合物はこれらの経路を調節するかもしれず、骨格筋繊維に対して影響を有するかもしれない。
【0013】
筋肉障害と関係がある「疾患」は、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害である。「筋肉障害の治療」という用語は、筋肉性能および/または強度、および筋肉機能の維持もまた包含する。さらにこのような化合物は、健康な個人をはじめとするそうすることを望む個人において、持久力、ならびに筋肉:脂肪比を改善できる。
【0014】
筋肉消耗は、特に骨格または随意筋および心筋の進行性の筋肉量損失、筋肉の弱化および変性によって特徴づけられる。それによって萎縮および肥大が起きる過程は、哺乳類の種全体で保存されている。複数の研究が、齧歯類およびヒトの双方において、萎縮症中に同じ基本的な分子的、細胞的、および生理学的過程が起きていることを実証している。
【0015】
筋肉消耗は多様な原因に起因し、様々な病態、疾患、および病気と関連付けられている。これらとしては、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの遺伝的障害によって引き起こされる筋ジストロフィー、進行性筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、デジェリン−ランドゥジィ筋ジストロフィー、エルブ筋ジストロフィー、脊髄筋肉萎縮症、および幼児神経軸索性筋ジストロフィーが挙げられるが、これに限定されるものではない。筋肉消耗はまた、多様な慢性疾患および加齢過程によっても引き起こされる場合がある。身体が老化するにつれ、線維性組織によって置き換えられる骨格筋の比率が増大する。したがってヒトにおける正常な老化は、脆弱および転倒に寄与する筋肉減少症と称される病状である、骨格筋の量および強度の進行性低下と関連付けられている。
【0016】
さらに高血圧、グルコース不耐性および糖尿病、肥満症、異脂肪血症、アテローム硬化性、および心臓血管疾患などの加齢による障害もまた、筋肉量の損失と関連付けられている。
【0017】
さらに癌、自己免疫疾患、感染性疾患、HIV感染、AIDS、慢性炎症、関節炎、栄養失調、腎臓疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、骨軟化症、慢性腰痛、末梢神経損傷、脊髄損傷、化学損傷、中枢神経系(CNS)損傷などのその他の病状は、筋肉消耗に関係し、またはそれを引き起こす場合がある。最後に筋肉消耗をもたらす病状は、車椅子への拘束、長期の床上安静、骨折または外傷など、病気または身体障害に起因する長期固定化などの非活動条件から生じる場合がある。外科手術後の床上安静は、週あたりおよそ10%の骨格筋量の損失を引き起こすと推定される。
【0018】
未治療の筋肉消耗障害は、深刻な健康への悪影響を有する場合がある。筋肉消耗中に起こる変化は弱まった身体的状態をもたらし、貧弱な身体機能と、健康への有害な影響をもたらす場合がある。
【0019】
したがって筋肉萎縮症は、固定化後の患者のリハビリテーションを著しく制限する場合がある。慢性疾患に起因する筋肉消耗は、早発性運動機能喪失をもたらす場合があり、疾患−関連罹患率のリスクを増大させる。非活動に起因する筋肉消耗は、既に加齢による筋肉機能および量の欠損を患っているかもしれない高齢者において特に深刻な問題であり、恒久的な身体障害および時期尚早の死ならびに骨折率増大につながる。病状の臨床的重要性にもかかわらず、病状を予防するまたは逆転させる治療法はわずかしか存在しない。
【0020】
筋肉消耗は、一般にエネルギーまたは同化/異化経路の撹乱に起因すると考えられ、循環する炎症性サイトカイン、特に腫瘍壊死因子α(TNF−α)の慢性的上昇と関連付けられている。TNFαおよびインターロイキン1(IL−I)などの循環する炎症性メディエータのレベル上昇は、筋肉消耗につながる事象を始動させると考えられる。炎症性メディエータは、衛星細胞が損傷した筋繊維と融合し、またはそれを置き換えるそれらの能力を低下させまたはブロックすることでその機能を妨げ、この作用は究極的に骨格筋組織の損失をもたらす場合がある。
【0021】
本願明細書で述べられている化合物は、TNFαなどの炎症性メディエータ生成の減少を通じて部分的に仲介される抗炎症活性を有し、哺乳類、特にヒトにおいて筋肉損失および萎縮症および関連した筋肉障害につながる、筋肉消耗の予防および治療に有用かもしれない。
【0022】
脂質代謝障害と関係があるこのようなる疾患は、異脂肪血症と、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、および複合異脂肪血症などの関連脂質異常である。
【0023】
異脂肪血症は、脂質代謝の変更に起因する循環する脂質レベルの異常によって特徴づけられる。これらの異常としては、異なる循環する脂質画分(コレステロール、トリグリセリド、リポタンパク質)のいずれか1つ、またはいくつかが挙げられる。異脂肪血症としては、正常限界(正常な安全限界はヒト血液中でおよそ125〜200mg/dlの範囲内である)を超える血清コレステロールの上昇である高コレステロール血症、正常レベル(正常な安全限界はヒト血液中でおよそ30〜140mg/dlの範囲内である)を超える血清トリグリセリドの増大である高トリグリセリド血症、および複合脂質障害が挙げられる。血中コレステロールプールは、一般に、腸からのコレステロールの食餌性取り込み、および全身、特に肝臓のコレステロール生合成に依存する。トリグリセリドは、特に熱量摂取が推奨レベルを超えると、体内で食餌性脂肪から合成される。
【0024】
血漿中では、コレステロールおよびトリグリセリドは、リポタンパク質と称されるタンパク質−脂質粒子によって運搬される。乳状脂粒、乳状脂粒残遺物、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中密度脂質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、および高密度リポタンパク質(HDL)などの異なるクラスのリポタンパク質が同定されている。これらの様々なタイプは、それらが含有するコレステロール、トリグリセリド、リン脂質、およびアポリポタンパク質のサイズ、密度、および量の観点から互いに異なる。LDL、HDL、VLDL、および乳状脂粒は、異脂肪血症と最も頻繁に関連付けられている。各リポタンパク質は、それが輸送する脂質タイプ、およびそれらが輸送される部位の観点から特異的機能を果たす。血漿中のコレステロールの大部分は、アポリポタンパク質B−含有LDLおよびVLDL上で運搬される。トリグリセリドは主に乳状脂粒およびVLDLによって運搬される。それらの機能に基づいてLDLおよびVLDLが「悪玉コレステロール」とも称される一方、HDLは「善玉コレステロール」と称される。したがってコレステロールを測定する際、脂質代謝問題に関して診断を下す前に、その相減を特にLDL、HDL、およびVLDLについて測定することが重要である。
【0025】
異脂肪血症としては、高トリグリセリド血症および複合異脂肪血症(高脂血症)が挙げられる。高トリグリセリド血症がVLDLレベルの上昇を伴う一方、複合異脂肪血症(高脂血症)は高トリグリセリド血症および高コレステロール血症の双方の組み合わせを伴い、またHDLレベルの低下とも頻繁に関連付けられる。したがって異脂肪血症はまた、リポタンパク質の過剰生成または欠乏症をもたらすリポタンパク質代謝の障害である。異脂肪血症は、典型的に次のいずれか1つ以上によって特徴づけられる:血漿トリグリセリドの上昇、総血漿コレステロールの上昇、低い高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−c)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−c)レベルの上昇。例えば異脂肪血症は、次の1つ以上の病状であってもよい:低いHDL−c(<35または40mg/dl)、高いトリグリセリド(>200mg/dl)、高いLDL−c(>150mg/dl)、コレステロール(>200mg/dl)の上昇。異脂肪血症の症状発現はまた、国のガイドラインまたは専門家の奨励に従って定義されることが多い。例えば成人における高血中コレステロールの検出、評価、および治療に関する米国コレステロール教育プログラム(National Cholesterol Education Program)(NCEP)第三次報告専門家パネル(成人治療パネルIII[ATP III])がコレステロールレベルを定義している。ATP IIIガイドラインに従って、200〜239mg/dLの総血清コレステロールレベルは「高境界値」と見なされ、240mg/dL以上のレベルは「高い」と見なされる。
【0026】
異脂肪血症は、心臓血管疾患(CVD)およびアテローム発生の主要危険因子の1つとして広く認められている。臓血管障害は、世界的に身体障害および死亡の主要原因の1つである。高血清コレステロール、特にLDLおよびVLDLと関連付けられているコレステロールは、アテローム発生の主要な危険因子の1つである。高いトリグリセリド、小型LDLの増大、およびHDLレベルの低下は、全て独立してアテローム生成性であるように見える。血漿HDLとCVDリスクの間には、強い逆相関がある。LDLコレステロールとCVDリスクの間には、正の相関がある。したがってLDLおよびVLDLレベルが増大すると冠動脈疾患のリスクが増大する一方、HDL中で運搬されるコレステロールの高レベルは、冠動脈疾患から保護する。トリグリセリドはまた、CVDにおいて重要な役割を果たすように見える。高レベルの空腹時トリグリセリドは、高齢男性において、HDL−コレステロールをはじめとするその他の主要危険因子とは独立して、虚血性心疾患の強力な危険因子である。コレステロールおよびトリグリセリド双方の血清レベル上昇によって特徴づけられる高脂血症の組み合わせがある人々は、高いLDLコレステロールレベルのみがある人々よりも心疾患のリスクがより高い。したがって双方のレベルを低下させることが所望の目標である。
【0027】
高コレステロール血症は、通常、HMG−CoA還元酵素の阻害によってLDL−cの血漿濃度を低下させるが、HDL−cにはわずかな効果しかないスタチンで治療される。高トリグリセリド血症を治療するのにはフィブラートが使用される。しかし比較的高用量のフィブラートが必要であり、薬剤副作用につながる。さらにそれらはわずかなHDL−c上昇しか誘発しない。
【0028】
LDL−cを低下させることは、患者によっては、特にLDL−cレベルが正常な患者では、心臓血管疾患のリスクを低下させるのに十分でないことが示されている。しかしLDL−c低下およびHDL−c増大の双方に有効である良好な薬物療法がない。したがってLDL−cを低下させHDL−cを増大できる新しい治療に対する必要性がある。この必要性は、式IおよびIfの化合物、特に本発明の式Ia〜Ieの化合物によって満たされる。
【0029】
グルコース代謝障害およびインスリン作用不全と関係がある疾患は、糖尿病、特に糖尿病IおよびII型、より特には(非自己免疫)非インスリン依存性糖尿病(NIDDM;いわゆるII型糖尿病)である。別のこのような疾患は、シンドロームXである。
【0030】
糖尿病は、複数の原因因子に由来する代謝疾患複合体を定義し、通常損なわれたタンパク質および脂肪代謝と関連付けられている、グルコース代謝障害によって特徴づけられる。これは空腹時および食後血清グルコースの上昇をもたらし、それは未治療のままであれば合併症につながる。4つの異なる形態の糖尿病が知られている。(1)I型糖尿病、(2)II型糖尿病、(3)妊娠中に初めて発症するまたは認識されるいわゆる妊娠性糖尿病、および(4)主に遺伝的欠陥に基づくいくつかのその他の形態。
【0031】
「糖尿病」という用語は、血液グルコースレベル増大、肥満症関連病態、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性増大、高脂血症、異脂肪血症、コレステロール増大(高コレステロール血症、高トリグリセリド血症)、高インスリン血症、高血圧、およびミクロアルブミン尿症などの代謝異常を含むが、これに限定されるものではない。損なわれたグルコース耐性および損なわれた空腹時グルコースは、前糖尿病性と称される2つの症状である。この段階は、いわゆるインスリン抵抗性、「シンドロームX」または「代謝症候群」と称される一群の代謝疾患の1つと関連付けられている。II型糖尿病は、高トリグリセリド血症または異脂肪血症などの、シンドロームXからのその他の症状と関連付けられることが多いので、本発明に従った化合物は、シンドロームXの治療または予防にもまた有用である。
【0032】
糖尿病の2つの主要な形態はI型およびII型糖尿病であり、その中でII型糖尿病が最も一般的な形態である。I型およびII型糖尿病は、高血糖症、高コレステロール血症、および高脂血症と関連付けられている。I型およびII型糖尿病におけるインスリンへの非感受性および絶対的インスリン欠乏症は、肝臓、筋肉、および脂肪組織によるグルコース利用の減少、および血液グルコースレベルの増大をもたらす。制御されない高血糖症は、眼、心臓、血管、腎臓、および神経などの様々な臓器の機能障害および不全と関連付けられているので、いわゆる糖尿病の合併症である腎障害、神経障害、網膜症、脚と足の潰瘍化、脂肪肝疾患、高血圧、心臓血管疾患、および脳血管性疾患(脳卒中)をはじめとする微小血管および大血管疾患もリスク増大に起因する、早発性死亡率増大につながる。
【0033】
最近の証拠は、厳格な血糖コントロールが、I型およびII型糖尿病の双方におけるこれらの合併症の予防における主要な要因であることを示した。したがって薬剤または治療的な投与計画による最適の血糖コントロールが、糖尿病を治療するための重要なアプローチである。
【0034】
I型糖尿病は、通常、小児期または思春期に発症する糖尿病の形態であり、完全なインスリン分泌欠乏症につながるインスリン産生β細胞の自己免疫性破壊によって特徴づけられる。
【0035】
II型糖尿病は、成人において優性に起きる糖尿病の形態であり、疾患の初期段階ではインスリンの適切な生成が利用できるにもかかわらず、インスリン感受性、特に末梢組織におけるインスリン仲介性のグルコース利用および代謝に欠陥が存在する。II型糖尿病と関連付けられている様々な組織中の変化は、臨床症状が検知される前でさえ存在する。
【0036】
高脂血症の治療法は、食餌および生活習慣の変更とそれに続く薬理学的治療を伴う。主要な抗高脂血症薬としては、スタチンファミリー、ナイアシン(スタチンと組み合わさった)、フィブラートファミリーが挙げられる。スタチンファミリーの薬剤は、特定の薬剤および用量次第でLDLコレステロールを60%まで低下できる。スタチンはまた、トリグリセリドを低下させ、HDLを中程度に増大させる。特に治療開始時に、医師は肝臓機能を監視する必要がある。スタチン療法のまれな合併症は筋肉損傷である。したがって治療中の筋肉痛の発生は、医師に知らせるべき徴候である。米国で目下使用されているスタチンの例は、リピトール(Lipitor)、ゾコール(Zocor)、プラバコール(Pravachol)、レスコール(Lescol)、およびクレストン(Creston)である。ナイアシンをスタチン療法に加えてもよい。高投薬量のナイアシンは、HDLを上昇させてトリグリセリドを低下させる上で特に強力である。他方で、その副作用は厄介である場合がある。特にナイアシンは潮紅を引き起こす。ナイアシンはまた、血糖の増大も引き起こし、および肝臓に有毒である場合がある。フィブラートファミリーはトリグリセリドを低下させる上で特に効果的である。医師によっては、フィブラートを400mg/dlを超えるトリグリセリドレベルのための最適な薬剤と見なす。トリグリセリドレベルが低下するにつれて、HDLは増大することが多い。フィブラートの毒性としては、肝障害および筋肉損傷が挙げられる(スタチンとの併用時により高確率である)。米国で目下最も広く使用されるフィブラートは、ロピッド(Lopid)である。いくつかの薬剤は、腸からの脂肪吸収を低下させて血中コレステロールを低下させる。最も一般に使用される薬剤は、ゼチア(Zetia)、ベネコール(Benecol)、ウェルコール(Welcol)、コレスチラミン(Cholestyramine)、およびコレスチポール(Colestipol)である。
【0037】
したがって脂質代謝障害および高脂血症と関係がある障害の予防、管理および/または治療のために、および上述のようなそれ/それらと関連付けられている身体的合併症の予防のために、副作用が最小の化合物に対する必要性がある。多くの患者は、高用量の薬剤と関連付けられている副作用および薬剤抵抗性を最小化でき、追加的な臨床上の利点を生じることができる代案の治療法に関心を持っている。さらに肥満している人、II型糖尿病の家族歴がある人、および妊娠性糖尿病の病歴がある女性など、代謝症候群のいくつかの症状を発症するリスクが高い人々は、早期予防手段を必要とする。したがってリスクがある人々、特に高齢者そして肥満児において、異脂肪血症発症を予防するのに使用してもよい栄養補助食品の開発に対する関心もまた高まっている。
【0038】
我々は今や、一般式IおよびIeの化合物、特に上で定義される式Ia、Ib、Ic、Id、およびIeの化合物、ならびに以下で定義される式IfおよびIgの化合物が、筋肉障害の予防、制御および/または治療、筋肉機能および筋肉性能の改善、脂質代謝障害とグルコース代謝障害とインスリン作用不全と関係がある障害において、効果的な薬剤であるかもしれないことを発見した。
【0039】
これらの化合物の治療効果としては、次のものが挙げられるがこれに限定されるものではない。したがって本発明は、次のための一般式IおよびIeの化合物、特に上で定義される式Ia、Ib、Ic、Id、およびIeの化合物、および以下で定義される式IfおよびIgの化合物の使用に関する(優先度:化合物4および11>化合物3、4、6、および11>式IfおよびIgの化合物および化合物11>化合物1〜6および11>化合物1〜8および11)。
・フィットネス、身体的持久力、および運動動作能力を増大させる;すなわち化合物を投与されたヒトまたは動物が、化合物を投与されていないヒトまたは動物よりも身体活動をより長く行えてもよい。
・骨格筋持久力および疲労抵抗性の改善、化合物は筋肉改造剤であり、タイプI酸化的筋肉繊維の比率を増大させてミトコンドリアバイオジェネシスを刺激することで、筋肉持久力および筋肉疲労抵抗性の基本要因である筋肉酸化能力を増大させる。
・筋肉量の損失を予防する;筋肉異化作用を阻害して筋肉同化作用を増大させ、筋肉回復を増強し、慢性病に起因するタンパク質の損失を低下させ、悪液質を低下させる。
・筋肉減少症を予防する;加齢に起因する脆性または加齢による機能低下を予防し、高齢哺乳類において筋肉強度および機能を維持する。
・筋ジストロフィーを改善し、筋肉機能を制御する1つ以上の遺伝子中の欠陥によって引き起こされる筋肉障害を改善し、骨格筋消耗を低下させる。
・筋肉代謝を増大させてエネルギー動員を後押しする。
・同化経路を刺激することで骨格筋量を改善し、異化経路を阻害して損傷時に筋肉再生を促進する。
・血中トリグリセリドレベルを低下させる;血中脂質レベルを制御/調節することで、健康な/正常な血中脂質バランスおよび健康な/正常な血中脂質プロフィールを維持し、それによって血中脂質プロフィールを最適化する;コレステロールおよび血中脂質を代謝することで、血中脂質レベルの上昇および高い血中コレステロールレベルを治療する;高脂血症患者においてコレステロールレベルを低下させるのを助ける;異脂肪血症を改善する;すなわち式Iの化合物は血中脂質低下剤であってもよい。
・LDLおよびVLDコレステロール(「悪玉コレステロール)を低下させ、HDLコレステロール(「善玉コレステロール」)を増大させることで、血液中の血中コレステロールプロフィールを改善する。
・脂質低下性であり、すなわち血中脂質レベルを調節することで異脂肪血症を予防する。
・肥満症を予防するのを助ける;最適体重を維持し、肥満症抵抗状態を作り出すことで体重増加に抵抗し、食餌(脂肪)誘発性肥満症に抵抗し、肥満症抵抗性である。
・脂肪燃焼を促進する;脂肪燃焼の制御因子として作用し、脂肪酸酸化によってエネルギー消費量を増大させ、脂肪代謝を増大させ、脂肪酸化を促進して脂肪誘発性肥満症を予防し、体脂肪を低下させ筋肉量を増大させる。
・身体の酸化能力を増大させることで、食餌と運動によって達成される脂肪損失を支援する。
・哺乳類、特にヒトの身体中の脂肪貯蔵を低下させる。
・良好な輪郭を達成する(ボディシェイピング)のを助ける、体脂肪を低下させ除脂肪体重を増大させる、過体重を予防または低下させる。
・熱産生を増大させる;ヒトまたは動物の代謝を増大させてより多くのエネルギーを燃焼させる、肥満症から保護する。
・皮膚疾患を改善する、特にそれが望ましい病状において皮膚創傷治癒を改善する。
・炎症、および関連した症状を低下させる。
・エネルギー恒常性および脂質恒常性を維持して、例えば異脂肪血症を治療しまたはその進行を阻止する。
・血液糖レベルを管理するのを助ける、すなわち血液糖レベルを均衡させることで身体を助ける;特に糖尿病があるヒトにおいて平衡状態血液グルコースレベルを維持するのを助ける;細胞によるグルコース取り込みを増強し、血中(循環)糖レベルを低下させることにより、グルコース耐性を改善するまたは修復することで助ける;血液グルコースレベルを低下させる;血糖反応を最適化する;グルコース耐性を正常化する;すなわち式Iの化合物はα−グルコシダーゼ阻害剤、高血糖症治療および/または制御剤、および血液グルコース制御剤であってもよい。
・甘み欲求を低下させる。
・膵臓のβ−細胞機能を保存または改善し、それによって健康な膵臓機能を促進する;すなわち式Iの化合物は膵臓β−細胞機能改良剤であってもよい。
・例えば脂肪、肝臓、および骨格筋などの末梢組織においてインスリン感受性を復元/増強するのを助けることで、インスリン抵抗性/感受性を治療または制御する;すなわち式Iの化合物はインスリン増感剤であってもよい。
・インスリン抵抗性を低下させる。
・II型糖尿病、特にNIDDM、および異脂肪血症を遅らせて予防または制御し、それによって上述したものなどの糖尿病付随障害/合併症もまた予防する;すなわち式Iの化合物はII型糖尿病予防薬である。
・脂肪細胞を活性化し、それによってインスリン感受性を増大させる。
・脂肪分解内臓脂肪沈着から皮下脂肪沈着に脂肪を再配分し、それによって心臓血管疾患などの肥満症関連病態のリスクを低下させる。
・遊離脂肪酸(FFA)の循環を低下させ、それによって肥満の人々におけるインスリン感受性を改善する。
・内皮機能を維持する。
・骨の健康を改善し、骨粗鬆症および骨減少症などの骨関連障害を予防する。
【0040】
したがって本発明は、特に筋肉障害を治療し、筋肉機および筋肉性能能を改善し、ならびに脂質代謝障害とグルコース代謝障害および/またはインスリン作用不全と関係がある障害を治療する薬物として使用するための、
一般式IまたはIe、
【化5】


(式中、
が水素またはRであるとき、LはAまたはBのいずれかであり、
【化6】


またはLおよびLは残基CまたはDを形成し、
【化7】


はH、OHまたはRであり;LはHであり;LはH、OHまたはRであり;LはHであり;
好ましくはLがAであるとき、LはOHで、L、L、およびLはHであり;
好ましくはLがBであるとき、L、L、およびLはHで、LはRで、LはRであり;
好ましくはLおよびLが一緒になって残基Cを形成するとき、L、LはHで、LはRで、LはRであり;
好ましくはLおよびLが一緒になって残基Dを形成するときL、LはHで、LはRで、LはRであり;
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRとRが一緒になって−O−であり;R、R10はC1〜6−アルキルオキシであり;RはH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)の化合物に関する。
【0041】
好ましくは本発明は、特に筋肉障害を治療し、筋肉機および筋肉性能能を改善し、ならびに脂質代謝障害とグルコース代謝障害とインスリン作用不全と関係がある障害を治療する薬物として使用するための、
一般式Ia〜Ie、
【化8】


(式中、
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;RおよびR10は互いに独立してC1〜6−アルキルオキシであり;
はH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH)x−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)の化合物に関する。
【0042】
さらに式IおよびIeの化合物、特に上で定義される式Ia〜Ifの化合物はまた、次であってもよい。
・抗アテローム硬化性、すなわちアテローム動脈硬化を予防するのを助ける;例えば血漿HDLを増大させ、細胞内、とりわけマクロファージへの脂質取り込み低下させ、炎症促進性マーカーを低下させるなど、アテローム動脈硬化発生に関わる様々な過程を調節することで、抗アテローム生成効果を有する。
・抗炎症性である;すなわち炎症を予防する。
・皮膚健康を促進する、特に乾癬、座瘡、疣贅、色素沈着過剰、角化症、魚鱗癬、皮膚病変、白斑症、酒さを予防および/または減弱し、皮膚創傷治癒を促進/改善する。
【0043】
このような使用で特に好ましいのは式Ia〜Ieの化合物であり、式中、
・Rは水素、ヒドロキシルまたはメトキシであり;および/または
・RおよびRは互いに独立してヒドロキシルまたはメトキシであり;および/または
・Rはヒドロキシルまたはメトキシであり;および/または
・Rは水素またはメトキシであり;および/または
・Rは水素であり;または
・RおよびRは一緒になって−O−であり;および/または
・RおよびRはメトキシであり;および/または
・Rは水素、メトキシまたはシンナモイルオキシであり;または
・RおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(x=1または2である)を形成し;および/または
・R17はN−アセチル、N−メチル−2−アミノエチルである。
【0044】
本発明の特に好ましい実施態様では、化合物は、
・一般式Iaの化合物(式中、R1=R3=R4=OH、およびR2=Hである)(=化合物1;図1参照);
・一般式Iaの化合物(式中、R1=OH、R2=R3=R4=メトキシである)(=化合物2;図1参照);
・一般式Ibの化合物(式中、R5=R6=R8=R10=メトキシ、およびR7=R9=R17=Hである)(=化合物3;図2参照);
・一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=H、R6=R8=メトキシであり、R9およびR10は一緒になって−O−CH−O−を形成し、R17=N−アシル、N−メチル)−2−アミノエチルである)(=化合物4;図2参照);
・一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=R8=R10=R17=H、R6=メトキシ、およびR9=シンナミルオキシである)(=化合物5;図2参照);(CAS番号619313−14−3)
・一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=R8=R17=H、R6=R9=R10=メトキシである)(=化合物6;図2参照);
・一般式Ibの化合物(式中、R8=R9=R17=H、R6=OH、R5およびR7は一緒になってO、R10=メトキシである)(=化合物7;図参照2);(CAS番号20727−61−1)
・一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=R9=R17=H、R6=R8=R10=メトキシである)(=化合物8;図参照2);
・一般式Icの化合物(式中、R3=R4=OH、およびR2=R6=Hである)(=化合物9;図3参照);
・一般式Icの化合物(式中、R2=R3=R6=OH、およびR4=メトキシである)(=化合物10;図3参照);
・一般式Idの化合物(式中、R2=R3=H、およびR4=R6=メトキシである)(=化合物11;図4参照);
・一般式Ieの化合物(式中、R3=R4=メトキシであり、2個の水素は互いにシスである)(=化合物12;図5参照)次よりなる群から選択され;
またはそれらの混合物が使用される。
【0045】
さらにより好ましいのは、化合物1〜8および11、次に化合物1〜6および11、次に化合物11、以下で定義される一般式Igの化合物および一般式Ifの化合物(式中、X=HまたはCH、およびX=X、XまたはXである)、次に化合物3、4、6、および11(一般式If(式中、X=HまたはCH、およびX=X、XまたはXである)に該当する化合物、および一般式Igに該当する化合物)である。最も好ましいのは、化合物4および11、特に化合物11である。
【化9】

【0046】
「式Ia/Ib/Ic/Id/Ie/If/Igの化合物」という用語は、植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で(化合物1の場合を除く)、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で、式Ia/Ib/Ic/Id/Ie/If/Igの化合物を含有するあらゆる植物材料または抽出物もまた包含する。「植物の材料」および「植物材料」という用語は、本発明の文脈では植物のあらゆる部分の意味で使用される。
【0047】
化合物1(N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]−2−ヒドロキシベンズアミド),2Eまたは2Zまたは双方は、エンバク(Avena sativa)のような植物から単離できるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
したがって植物材料または抽出物総重量を基準にして、好ましくは少なくとも50重量%の量で、より好ましくは少なくとも70重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物1を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物、またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物1」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物1の双方を意味する。エンバク(Avena sativa)の抽出物または部分が化合物1それ自体の代案として使用される場合、これらの抽出物または部分は、好ましくは次の構成要素のいずれも本質的に含有しない:トコフェロール、トコール、フラボノイド、非フラボノイドフェノール酸(アベナンスラミド、コーヒー酸、フェルラ酸など)。
【0049】
化合物2(2−ヒドロキシ−N−[1−オキソ−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−プロペニルベンズアミド),2Eまたは2Zまたは双方は、アルストニア・レノルマンジイ(Alstonia lenormandii)のような植物から代謝産物として単離できるが、これに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物2を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物2」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物2の双方を意味する。
【0050】
化合物3(3−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン),2Eまたは2Zまたは双方は、タツナミソウ(Scutellaria indica)のような植物から微量代謝産物として単離できるが、これらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物3を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物3」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物3の双方を意味する。
【0051】
化合物4,2Eまたは2Zまたは双方は、パパヴェル・プソイド・オリエンターレ(Papaver pseudo orientale)のような植物およびケシ植物から極微量代謝産物として単離できるが、これらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物4を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物4」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物4の双方を意味する。
【0052】
化合物5(3−フェニル−2−プロペン酸3−[3−(4−メトキシフェニル)−3−オキソ−1−プロペニル]フェニルエステル),2E,1Eまたは2Z,1Zまたは双方は、カンゾウ(Glycyrrhiza glabra)(リコリス)のような植物の培養カルス細胞から単離できるが、これらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物5を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物5」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物5の双方を意味する。
【0053】
化合物6(3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン),2Eまたは2Zまたは双方は、カンゾウ(Glycyrrhiza glabra)(リコリス)のような植物から単離できるが、これらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物6を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物6」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物6の双方を意味する。
【0054】
化合物6の合成については、例えばLin,Chun−Nan;Lee,Tai−Hua;Hsu,Mei−Feng;Wang,Jih−Pyang;Ko,Feng−Nien;Teng,Che−Ming著、JPPMAB;J.Pharm.Pharmacol.;EN;49;5;1997年;530〜536頁、およびPatt,William C;Edmunds,Jeremy J.;Repine,Joseph T.;Berryman,Kent A.;Reisdorph,Billy R.ら著、JMCMAR;J.Med.Chem.;EN;40;7;1997年;1063〜1074頁で述べられている。
【0055】
化合物7(6−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)メチレン]−3(2H)−ベンゾフラノン)は、ダイズ(Glycine max)およびリゴス・ラエタム(Lygos raetam)のような植物から単離できるが、これらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物7を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物7」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物7の双方を意味する。
【0056】
化合物7の合成については、例えばGeissmanおよびHarborne著、JACSAT;J.Am.Chem.Soc;78;1956年;832、837頁で述べられている。
【0057】
化合物8(3−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン),2Eまたは2Zまたは双方は、スミノミザクラ(Prunus cerasus)のような植物から単離できるがこれらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物8を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物8」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物8の双方を意味する。
【0058】
化合物8の合成については、例えばKamat,Vinayak S.;Graden,David W.;Lynn,David G.;Steffens,John C;Riopel,James L著、TELEAY in Tetrahedron Lett.;EN;23;15;1982年;1541〜1544頁で述べられている。
【0059】
化合物9は、セイヨウサクラソウ(Primula officinalis)およびダイズのような植物から単離できるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物9を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物9」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物9の双方を意味する。
【0061】
化合物9の合成については、例えばNagarathnam,Dhanapalan;Cushman,Mark著、「ヒドロキシル化フラボンへの短く容易な合成経路。アピゲニン、トリシン、およびルテオリンの新しい合成(A short and facile synthetic route to hydroxylated flavones.New syntheses of apigenin,tricin,and luteolin)」、Journal of Organic Chemistry 1991年、56(16),4884〜7頁で述べられている。
【0062】
化合物10(ジオスメチン)はカノコソウ(Valeriana)種の地上部、ジギタリス(Digitalis)種の葉、レモン(Citrus limon)の皮からから単離できるが、これらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物10を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物10」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物10の双方を意味する。
【0063】
化合物10の合成については、例えばTeoule,R.;Chopin,J.;Mentzer,C著、「ジオスメチンおよびそのいくつかの誘導体の新しい合成(A new synthesis of diosmetin and some of its derivatives)」、Bulletin de la Societe Chimique de France 1959年、854〜5頁で述べられている。
【0064】
化合物11(4’,7−ジメトキシイソフラボン)は、ダルベルギア・ビオラセア(Dalbergia violacea)およびプテロドン・アパリシオイ・ハートウッズ(Pterodon apparicioi heartwoods)のような植物から単離できるが、これらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物11を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物11」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物11の双方を意味する。
【0065】
化合物11の合成については、例えばBalasubramanian,Sreenivasan;Nair,Muraleedharan G.著、「イソフラボンの効率的な「ワンポット」合成(An efficient“one pot”synthesis of isoflavones)」、Synthetic Communications 2000年、30(3),469〜484頁で述べられている。
【0066】
化合物12(メジカルピン)は、マメ科(Leguminosae)亜科、ソラマメ亜科(Papilionoideae)、オステオプロエウム・プラチスペルマム(Osteophloeum platyspermum)、ダルベルギア(Dalbergia)種、およびスワルトジア・マダガスカリエンシス(Swartzia madagascariensis)のような植物から単離できるが、これらに限定されるものではない。したがって植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量で化合物12を含有する、これらの植物のあらゆる材料または抽出物またはあらゆるその他の植物材料または抽出物もまた、この表現に包含される。「化合物12」は、「天然」(単離された)および「合成」(製造された)化合物12の双方を意味する。
【0067】
化合物12の合成については、例えばNabaei−Bidhendi,G.;Bannerjee,N.R.著、「7−デメチルホモプテロカルピンおよび7−デメチルプテロカルピンの便利な合成(Convenient syntheses of 7−demethylhomopterocarpin and 7−demethylpterocarpin)」、Indian Journal of Chemistry,Section B:Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry 1990年、29B(4),366〜8頁で述べられている。
【0068】
(純粋な)化合物1〜12の他に、好ましいのは植物材料および植物抽出物、特に植物材料/抽出物の総重量を基準にして、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のこれらの化合物を含有するものである。
【0069】
本発明は、筋肉障害を治療し、筋肉機能および筋肉性能、脂質代謝障害とグルコース代謝障害とインスリン作用不全と関係がある障害を改善する組成物を製造するための、上で定義される式Ia/Ib/Ic/Id/Ie/If/Igの化合物の使用にさらに関する。
【0070】
本発明の好ましい実施態様では、この組成物は、運動動作能力増強剤として、持久力増加剤として、筋肉損失低下剤として、HDLコレステロール増加剤として、トリグリセリドおよびコレステロール低下剤として、血液グルコース制御剤として、インスリン増感剤として、血中脂質低下剤として、膵臓のβ−剤棒機能改良剤として、II型糖尿病予防薬としておよび/またはシンドロームX予防薬として使用される。
【0071】
本発明はまた、少なくとも上で定義される式IまたはIeの化合物を含有する食品組成物、特に少なくとも式Ia/Ib/Ic/Id/Ie/If/Ig、
【化10】


Ifは上を参照、Igは以下を参照されたい。
(式中、
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、RおよびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;RおよびR10は互いに独立してC1〜6−アルキルオキシであり;
はH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O(式中、x=1、2、3である)基を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ,N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)の化合物を含有する食品組成物にも関する。
【0072】
は好ましくは水素、ヒドロキシルまたはメトキシである。
およびRは互いに独立して好ましくはヒドロキシルまたはメトキシである。
は好ましくはヒドロキシルまたはメトキシである。
は好ましくは水素またはメトキシである。
は好ましくは水素である。
およびR10は好ましくはメトキシである。
は好ましくは水素、メトキシまたはシンナモイルオキシである。
【0073】
式Ib(式中、RおよびRは一緒になって−O−である)の化合物を含有する食品組成物もまた好ましい。
【0074】
式Ib(式中、RおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1または2である)を形成し、特にRおよびR10は一緒になってO−CH−O基を形成する)の化合物を含有する食品組成物もまた好ましい。
【0075】
17は好ましくはN−アセチル,N−メチル−2−アミノエチルである。
【0076】
好ましい本発明の実施態様では、食品組成物は、少なくとも上で定義される化合物1〜8および11よりなる群から選択される化合物を含有し、好ましくは化合物1〜6および11からなり、より好ましくは一般式Ifの化合物および化合物11からなり、さらにより好ましくは化合物3、4、6、および11からなり、最も好ましくは化合物4および11からなる。
【0077】
「食品組成物」という用語は、臨床栄養物もまた栄養補助食品も含めた、あらゆるタイプの(強化)食物、(強化)(動物)飼料および飲料、ならびに対応する添加剤:食品添加剤、飲料添加剤、飼料添加剤を含んでなる。また機能性食品/飼料、すなわちビタミン、その他の微量栄養素または医薬品で強化されてさらなる特異的健康上の利点を提供する食物/飼料、ならびに栄養補給食品、すなわち栄養価を有する丸薬またはその他の医薬品も包含される。
【0078】
本発明に従った食品組成物は、保護親水コロイド(ガム、タンパク質、加工デンプンなど)、バインダー、塗膜形成剤、封入剤/材、壁/シェル材料、マトリックス化合物、コーティング、乳化剤、表面活性剤、可溶化剤(油、脂肪、ワックス、レシチンなど)、吸着材、キャリア、充填材、共同化合物、分散剤、湿潤剤、加工助剤(溶剤)、流動剤、味覚マスキング剤、増量剤、ゼリー化剤、ゲル形成剤、抗酸化剤、および抗菌剤をさらに含有してもよい。
【0079】
本発明はまた、少なくとも1つの式IまたはIeまたはIfの化合物を含有する医薬組成物、特に少なくとも1つの式Ia、Ib、Ic、IdまたはIeまたはIfの化合物(式中、R〜R17の定義および優先度は上述したとおり)および従来の医薬品キャリアを含有する医薬組成物にも関する。
【0080】
特に好ましいのは、式Ia〜Ieの化合物が、上で定義される化合物1〜8および11よりなる群から選択され、好ましくは化合物1〜6および11からなり、より好ましくは一般式Ifの化合物および化合物11からなり、さらにより好ましくは化合物3、4、6、および11からなり、最も好ましくは化合物4および11からなる、医薬組成物である。
【0081】
薬学的に許容可能なキャリアおよび式IまたはIe、特に式Ia〜Ie(式中、R〜R17の定義および優先度は上述したとおり)または上で定義される式Ifまたは以下で定義される式Igの少なくとも1つの化合物の他に、本発明に従った医薬組成物は、水、あらゆる起源からのゼラチン、植物ガム、リグニンスルホネート、滑石、糖、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール、着香剤、保存料、安定剤、乳化剤、緩衝液、潤滑剤、着色剤、湿潤剤、充填材などを含むがこれに限定されるものではない、従来の医薬品添加剤および補助剤、賦形剤または希釈剤をさらに含有してもよい。キャリア材料は、経口/非経口/注射用投与に適した有機または無機不活性キャリア材料であることができる。
【0082】
本発明に従った食餌性および医薬組成物は、人体を含む動物体に投与するのに適したあらゆるガレヌス製剤形態、特に例えば食物または飼料(のための添加剤/栄養補給剤)、食物または飼料プレミックス、強化食品または飼料、錠剤、丸薬、顆粒、糖衣丸、カプセルなどの固形と、粉末および錠剤などの発泡性製剤と、または例えば飲料、ペースト、および油性懸濁液のような溶液、エマルジョンまたは懸濁液などの液体形態などの経口投与に標準的なあらゆる形態であってもよい。ペーストは、例えば(魚、豚、家禽、牛)ゼラチン、植物タンパク質またはリグニンスルホネートのマトリックスを特色とする、硬質または軟質シェルカプセル内に充填されてもよい。その他の適用形態の例は、経皮、非経口または注射投与のための形態である。食餌性および医薬組成物は、制御放出(徐放)製剤の形態であってもよい。
【0083】
強化食品の例は、シリアルバーと、ケーキやクッキーなどのベーカリー製品である。
【0084】
飲料は、非アルコールおよびアルコール飲料と、ならびに飲用水および液体食物に添加される液体調製品を包含する。非アルコール飲料は、例えば清涼飲料、スポーツドリンク、果汁、レモネード、茶およびミルクベース飲料である。液体食物は、例えばスープおよび乳製品である。
【0085】
したがって式IおよびIeの化合物、特に式Ia〜Ieの化合物(式中、R〜R17の定義および優先度は上述の通りであり、または式Ifの化合物は上で定義され、または式Igの化合物は以下で定義される)ならびに植物材料(の混合物)、および植物材料または抽出物の総重量を基準にして好ましくは少なくとも1重量%の量で(化合物1を除く)、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量でそれらを含有する植物抽出物、およびそれらを含有する食餌性/医薬組成物は、ヒトを含む哺乳類の治療に適する。
【0086】
本発明はまた、少なくとも1つの式IまたはIeの化合物、特に式Ia、Ib、Ic、IdまたはIe(式中、R〜R17の定義および優先度は上述の通りである)の1つの化合物、または上で定義される式Ifの1つの化合物、または以下で定義される式Igの化合物を含有するボディケア組成物、および従来の化粧品キャリアに関する。ボディケア組成物は、スキンケア調製品、香料および/または芳香剤を含有する調製品、調製品、ヘアケア調製品、歯磨き剤(dentrifices)、デオドラントおよび制汗剤、装飾的調製品、光保護調製品、および機能性調製品、ならびに皮膚創傷治癒および/または皮膚再生を促進/改善するための調製品を包含する。
【0087】
スキンケア調製品の例は、特にボディオイル、ボディローション、ボディジェル、トリートメントクリーム、皮膚保護軟膏、シェービングフォームまたはジェルなどのシェービング調製品、スキンパウダー、保湿ジェル、保湿スプレー、再活性化ボディスプレー、およびピーリング調製品である。
【0088】
香料および/または芳香剤を含有する調製品は、特に香水、化粧水、およびシェービングローション(アフターシェーブ調製品)である。
【0089】
ヘアケア製品の例は、例えばヒトおよび動物用シャンプー、髪質改良剤、整髪およびトリートメント用製品、パーマ剤、ヘアスプレーおよびラッカー、ヘアジェル、毛髪固定剤、および染髪または漂白剤である。
【0090】
歯磨き剤の例は、特に歯クリーム、練り歯磨き、うがい薬、口内洗浄剤、抗プラーク調製品、および義歯洗浄剤である。
【0091】
装飾的調製品の例は、特に口紅、マニキュア液、アイシャドー、マスカラ、ドライおよびモイストメイクアップ、ルージュ、パウダー、脱毛剤、サンタンローションである。
【0092】
機能性調製品の例は、ホルモン製剤、ビタミン製剤、植物抽出物製剤、および抗菌剤などの活性成分を含有する化粧品または皮膚科組成物である。
【0093】
本発明に従った化粧品および皮膚科組成物などのボディケア製品は、液体、ローション、増粘ローション、ジェル、クリーム、ミルク、軟膏、ペースト、粉末、メイクアップ、または固体チューブスティックの形態であることができ、場合によりエアロゾルとしてパッケージ化でき、ムース、フォームまたはスプレーフォーム、スプレー、スティックまたはエアロゾルまたはワイプの形態で提供することができる。
【0094】
本発明に従ったボディケア製品は、溶剤または脂肪性物質中の懸濁液または分散体の形態、または代案としてはクリームまたはミルクなどのエマルジョンまたはマイクロエマルジョンの形態(特にO/WまたはW/O型、O/W/OまたはW/O/W型)、軟膏、ジェル、固体チューブスティックまたはエアロゾルムースの形態の小胞分散体であることができる。エマルジョンは、アニオン性、非イオン性、カチオン性または両性界面活性剤もまた含有できる。
【0095】
本発明に従ったボディケア製品または家庭用品は、保存料/抗酸化剤、脂肪性物質/油、水、有機溶剤、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、追加的遮断剤、消泡剤、保湿剤、芳香剤、界面活性剤、充填材、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性ポリマーまたはそれらの混合物、噴霧剤、酸性化または塩基性化剤、染料、着色剤、顔料またはナノ顔料、光安定剤、昆虫忌避剤、皮膚タンニング剤、皮膚美白剤、抗菌剤、保存料などの通常の補助剤および添加剤、または通常化粧品中に調合されるあらゆるその他の成分もまた含有できる。化粧品および皮膚科補助剤および添加剤の必要な量は、所望の製品に基づいて当業者により容易に選択でき、限定されることなしに実施例で例証される。
【0096】
追加的遮断剤は、有利には、限定されることなしに下に列挙される化合物から選択される。
【0097】
本発明の化合物との併用のために考察されるUV−Bまたは広域スペクトル遮断剤、すなわち約290〜340nmの間に最大吸収を有する物質の例は、例えば次の有機および無機化合物である。
・2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレン、パラソル(PARSOL)(登録商標)340)およびエチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのアクリレート;
・4−メチルベンジリデンショウノウ(パラソル(登録商標)5000)、3−ベンジリデンショウノウ、ショウノウベンザルコニウムメトサルフェート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ、スルホベンジリデンショウノウ、スルホメチルベンジリデンショウノウ、およびテレフタリデンジショウノウスルホン酸などのショウノウ誘導体;
・メトキシケイ皮酸オクチル(パラソル(登録商標)MCX),メトキシケイ皮酸エトキシエチル、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン(パラソル(登録商標)ヒドロ)、およびメトキシケイ皮酸イソアミルなどの桂皮酸誘導体、ならびにシロキサンに結合したケイ皮酸誘導体;
・p−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシルp−ジメチルアミノ安息香酸、N−オキシプロピレン化p−アミノ安息香酸エチル、およびp−アミノ安息香酸グリセリルなどのp−アミノ安息香酸誘導体;
・ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’、4、4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、および2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン;
・4−メトキシベンザルマロン酸ジ−(2−エチルヘキシル)などのベンザルマロン酸のエステル;
・欧州特許出願公開第0895776(A)号明細書で述べられているような2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパン二酸ジエチルエステルなどの2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパン二酸のエステル;
・欧州特許出願公開第0358584(A)号明細書、欧州特許出願公開第0538431(A)号明細書、および欧州特許出願公開第0709080(A)号明細書で述べられているようなベンズマロン酸基を含有するオルガノシロキサン化合物;
・ドロメトリゾールトリシロキサン(メキソリルXL);
・微粒子化されたTiO2などの顔料。「微粒子化された」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒度に言及する。TiO2粒子はまた、例えばアルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物で、または例えばポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機コーティングで被覆されていてもよい。このようなコーティングについては当該技術分野でよく知られている;
・例えば2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸およびその塩(パラソル(登録商標)HS)などのイミダゾール誘導体。2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の塩は、例えばナトリウム−またはカリウム塩、アンモニウム塩、モルホリン塩などのアルカリ塩と、モノエタノールアミン塩およびジエタノールアミン塩のような第一級、第二級、第三級アミン塩である;
・イソプロピルサリチル酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチル、サリチル酸オクチル(ネオへリオパン(NEO HELIOPAN)OS)、サリチル酸イソオクチルまたはサリチル酸ホモメンチル(ホモサラート、ヘリオパン(HELIOPAN))などのサリチル酸誘導体;
・オクチルトリアゾン(ユビヌル(UVINUL)T−150)、ジオクチルブタミドトリアゾン(ユバソーブ(UVASORB)HEB)、およびビスエトキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブ(Tinosorb)S)などのトリアジン誘導体。
【0098】
本発明の化合物との併用のために考察される広域スペクトルまたはUVA遮断剤、すなわち約320〜400nmの間に最大吸収を有する物質の例は、例えば次の有機および無機化合物である。
・4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイル−メタン(パラソル(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、およびイソプロピルジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体;
・2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−フェノール(チノソーブM)などのベンゾトリアゾール誘導体;
・2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(ネオヘリオパンAP)などのフェニレン−1,4−ビス−ベンゾイミダゾールスルホン酸または塩;
・欧州特許出願公開第1046391(A)号明細書で述べられているようなアミノ置換されたヒドロキシベンゾフェノンなどの2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル(ユビヌルAプラス);
・微粒子化されたZnOまたはTiO2などの顔料。「微粒子化された」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒度に言及する。粒子はまた、例えばアルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどのその他の金属酸化物で、または例えばポリオール、メチコン、アルミニウムステアリン酸、アルキルシランなどの有機コーティングで被覆されていてもよい。このようなコーティングについては当該技術分野でよく知られている。
【0099】
ジベンゾイルメタン誘導体は限定的な光安定性を有するので、これらのUV−A遮断剤を光安定化することが望ましいかもしれない。したがって「従来のUV−A遮断剤」という用語はまた、例えば次によって安定化された、例えばパラソル(登録商標)1789などのジベンゾイルメタン誘導体にも言及する。
・欧州特許出願公開第0514491(A)号明細書および欧州特許出願公開第0780119(A)号明細書で述べられているような3,3−ジフェニルアクリレート誘導体;
・米国特許第5,605,680号明細書で述べられているようなベンジリデンショウノウ誘導体;
・欧州特許出願公開第0358584(A)号明細書、欧州特許出願公開第0538431(A)号明細書、および欧州特許出願公開第0709080(A)号明細書で述べられているような、ベンズマロン酸基を含有するオルガノシロキサン基。
【0100】
本発明に基づいて、通常、ボディケア、家庭用および芳香剤製品中に調合される全ての既知の抗酸化剤が使用できる。特に好ましいのは、次よりなる群から選択される抗酸化剤である。アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)および誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよび誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、金チオグルコース、プロピルチオウラシル、およびその他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−,エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−、およびラウリル−、パルミトイル−;オレイル−、y−リノリル−、コレステリル−、およびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリールチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびに非常に低い適合用量(例えばpmol bis μmol/kg)のスルホキシイミン化合物(ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシイミンなど)、さらに(金属)−キレート剤(α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン(palmic)−、フィチン酸(phytic acid)、ラクトフェリンなど)、β−ヒドロキシ酸(クエン酸、乳酸、リンゴ酸など)、フミン酸(huminic acid)、没食子酸、没食子抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(γ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸など)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(パルミチン酸アスコルビルおよびテトライソパルミチン酸アスコルビル、Mg−アスコルビルリン酸、Na−アスコルビルリン酸、アスコルビル−酢酸など)、トコフェロールおよび誘導体(ビタミン−E−酢酸など)、天然ビタミンE、ビタミンA、および誘導体(ビタミン−A−パルミチン酸および−酢酸)の混合物、ならびにコニフェリル安息香酸、ルチン酸および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチル−ヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、尿素およびその誘導体、マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えばZnO、ZnS04)、セレンおよび誘導体(例えばセレン含有メチオニン)、スチルベンおよび誘導体(スチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシドなど)、および指名された活性成分の適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、および脂質)。
【0101】
1つ以上の保存料/抗酸化剤が、組成物総重量の少なくとも0.01重量%の量で存在してもよい。好ましくは本発明の組成物総重量の約0.01重量%〜約10重量%が存在する。最も好ましくは、1つ以上の保存料/抗酸化剤が約0.1重量%〜約1重量%の量で存在する。
【0102】
典型的に配合はまた、乳化剤、溶解剤などのような表面活性成分も含有する。乳化剤は2つ以上の不混合性の構成要素を均質に合わせることを可能にする。さらに乳化剤は組成物を安定化する役割を果たす。O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/Wエマルジョン/微小エマルジョンを形成するために本発明で使用してもよい乳化剤としては、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3、オレイン/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ヘキサリシン酸ポリグリセリル−6(hexaricinolate)、オレイン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−4/PEG−8プロピレングリコールココエート、オレアミドDEA、ミリスチン酸TEA、ステアリン酸TEA、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ナトリウムココエート、牛脂脂肪酸ナトリウム、ひまし油カリウム、オレイン酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。さらなる例示的な乳化剤は、リン酸セチル(アムフィソール(Amphisol)(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(アムフィソール(登録商標))、セチルリン酸カリウム(アムフィソール(登録商標)K)、オレイン酸リン酸グリセリルナトリウム、水素化植物性グリセリドリン酸などのリン酸エステルおよびその塩、およびそれらの混合物である。さらに乳化剤として1つ以上の合成ポリマーを使用してもよい。例えばPVPエイコセン共重合体、アクリル酸/C10〜30アクリル酸アルキル架橋ポリマー、アクリル酸/ステアレス−20メタクリル酸共重合体、PEG−22/ドデシルグリコール共重合体、PEG−45/ドデシルグリコール共重合体、およびそれらの混合物。好ましい乳化剤は、セチルリン酸(アムフィソール(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(アムフィソール(登録商標))、セチルリン酸カリウム(アムフィソール(登録商標)K)、PVPエイコセン共重合体、アクリル酸/C10〜30−アクリル酸アルキル架橋ポリマー、PEG−20イソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、およびそれらの混合物である。1つ以上の乳化剤は、組成物総重量の少なくとも0.01重量%の総量で存在する。好ましくは本発明の組成物総重量の約0.01重量%〜約20重量%が使用される。最も好ましいのは、約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤を使用することである。
【0103】
脂質相は、有利には次から選択できる。
・鉱物油およびミネラルワックス;
・カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、好ましくはヒマシ油;
・油またはワックスおよびその他の天然または合成油、好ましい実施態様では、脂肪酸と例えばイソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコールとのエステル、または脂肪アルコールと炭酸または脂肪酸とのエステル;
・アルキル安息香酸;および/または
・ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコンなどのシリコーン油、およびそれらの混合物。
【0104】
本発明のエマルジョン、微小エマルジョン、オレオゲル、ヒドロ分散体またはリポ分散体の油相に組み込むことができる例示的な脂肪性物質は、有利には3〜30個の炭素原子がある飽和および/または不飽和の直鎖または分枝アルキルカルボン酸と、3〜30個の炭素原子がある飽和および/または不飽和の直鎖および/または分枝アルコールとのエステル、ならびに芳香族カルボン酸と3〜30個の炭素原子がある飽和および/または不飽和の直鎖または分枝アルコールとのエステルから選択される。このようなエステルは、有利には次から選択できる。パルミチン酸オクチル、オクチルココエート、イソステアリン酸オクチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸セテアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、ヘプタン酸ステアリル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ステアリン酸トリデシル、トリメリット酸トリデシル、ならびに例えばホホバ油などのこのようなエステルの合成、半合成または天然混合物。
【0105】
本発明の配合で使用するのに適したその他の脂肪性構成要素としては、レシチンおよび脂肪酸トリグリセリド、すなわち8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子がある、飽和および/または不飽和の直鎖または分枝カルボン酸のトリグリセロールエステルなどの極性油と、例えば鉱物油、ワセリン(ペトロラタム);パラフィン、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィン、水素化ポリイソブテンおよびイソヘキサデカン、(好ましいポリオレフィンはポリデセンである);ジカプリリルエーテルなどのジアルキルエーテル;好ましくはシクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン;セチルジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン))などの直鎖または環式シリコーン油などの直鎖および/または分枝炭化水素およびワックスなどの無極性油と、それらの混合物とが挙げられ、一方、脂肪酸トリグリセリドは、好ましくは合成、半合成または天然油(例えばココグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、落花生油、ナタネ油、甘扁桃油、パーム油、ココナツ油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、小麦油、ブドウ種子油、マカダミアナッツ油、その他)から選択される。
【0106】
本発明の配合に有利に組み込むことができるその他の脂肪性構成要素は、イソエイコサン;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール;カプリル酸/カプリン酸/コハク酸ジグリセリル;カプリル酸/カプリン酸ブチレングリコール;C12〜13−アルキル乳酸;ジC12〜13−アルキル酒石酸;トリイソステアリン;ヘキサカプリル酸/ヘキサカプリン酸ジペンタエリスリチル;モノイソステアリン酸プロピレングリコール;トリカプリリン;ジメチルイソソルビドである。特に有益なのは、C12〜15−アルキル安息香酸とイソステアリン酸2−エチルヘキシルとの混合物、C12〜15−アルキル安息香酸とイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、ならびにC12〜15−アルキル安息香酸とイソステアリン酸2−エチルヘキシルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物の使用である。
【0107】
発明の配合の油相は、蜜ろう、シナろう、マルハナバチろう、およびその他の昆虫ワックスなどの天然の植物または動物性ワックス、ならびにシアバターおよびカカオ脂を含有することもできる。
【0108】
本発明の製品中に保湿剤を組み込んで、皮膚の潤いを保ち、または水分補給してもよい。保護コーティングを提供することで、水が皮膚から蒸発するのを予防する保湿剤は、皮膚軟化剤と称される。さらに皮膚軟化剤は、皮膚表面に軟化または緩和効果を提供し、一般に局所使用に安全であると見なされる。好ましい皮膚軟化剤としては、鉱物油、ラノリン、ワセリン、カプリン酸/カプリル酸トリグリセルアルデヒド、コレステロール、ジメチコンおよびシクロメチコンなどのシリコーン、アーモンド油、ホホバ油、アボカド油、ヒマシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ココナツ油およびブドウ種子油、カカオ脂、オリーブ油、アロエ抽出物、オレイン酸およびステアリン酸などの脂肪酸、セチルおよびヘキサデシル(ENJAY)などの脂肪酸アルコール、アジピン酸ジイソプロピル、ヒドロキシ安息香酸エステル、C9〜15−アルコールの安息香酸エステル、イソ−ノナン酸イソノニル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルおよびポリオキシプロピレンセチルエーテルなどのエーテル、およびC12〜15−アルキル安息香酸、およびそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい皮膚軟化剤は、ヒドロキシ安息香酸エステル、アロエベラ、C12〜15−アルキル安息香酸、およびそれらの混合物である。
【0109】
皮膚軟化剤は、製品総重量の約1重量%〜約20重量%の量で存在する。皮膚軟化剤の好ましい量は、約2重量%〜約15重量%、および最も好ましくは約4重量%〜約10重量%である。
【0110】
水に結合することで、それを皮膚表面に保持する保湿剤は湿潤剤と称される。本発明の製品に組み込むことができる湿潤剤の例は、グリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素、リン脂質、コラーゲン、エラスチン、セラミド、レシチンソルビトール、PEG−4、およびそれらの混合物である。追加的な適切な保湿剤は、水溶性および/または膨潤性ファミリーの、および/またはヒアルロン酸、キトサンなどの水ゲル化多糖類、および/または例えばソラビア(SOLABIA)株式会社が製造するフコジェル(Fucogel)(登録商標)1000(CAS番号178463−23−5)として入手できるフコースに富む多糖類などがあるポリマー性保湿剤である。
【0111】
1つ以上の湿潤剤は、場合により本発明の製品中に約0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%存在する。
【0112】
本発明の製品の水相は、アルコール、特に好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノールである低級アルコール、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル−またはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル−または−モノエチル−または−モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−またはモノエチルエーテルである低級ジオールまたはポリオールおよびそれらのエーテル、および類似製品、ポリマー、フォーム安定剤、電解質、および特に1つ以上の増粘剤などの通常の化粧品添加剤を含有できる。製品の粘稠性を適切にするのを助けるために本発明の配合中で使用してもよい増粘剤としては、カルボマー、二酸化シリシウム、マグネシウムおよび/またはアルミニウムシリケート、蜜ろう、ステアリン酸、ステアリルアルコール、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの多糖類およびそれらの誘導体、ポリアクリルアミド、好ましくはタイプ980、981、1382、2984、5984のカルボポル(carbopol)(登録商標)などのカルボマー単独またはそれらの混合物などのアクリレート架橋ポリマーが挙げられる。例えば乳化剤またはフォームビルダー/安定剤などの構成要素を中和するために本発明の製品中に含まれてもよい中和剤の例としては、水酸化ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ水酸化物;ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、アミノメチルプロパノールなどの有機塩基とそれらの混合物;アルギニンおよびリジンなどのアミノ酸、および前述のいずれかのあらゆる組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0113】
中和剤は、本発明の製品中に約0.01重量%〜約8重量%、好ましくは、1重量%〜約5重量%の量で存在できる。
【0114】
本発明の製品への電解質の添加は、疎水性乳化剤の動態を変化させるのに必要かもしれない。したがって本発明のエマルジョン/微小エマルジョンは、好ましくは塩素、硫酸、炭酸、ホウ素、およびアルミン酸などのアニオンを含むが、これに限定されるものではない、1つまたはいくつかの塩の電解質を含有してもよい。その他の適切な電解質は、乳酸、酢酸、安息香酸、プロピオネート、酒石酸、およびクエン酸などであるが、これに限定されるものではない有機アニオンベースであることができる。カチオンとして好ましくはアンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ−またはアルカリ土類金属、マグネシウム−、鉄−または亜鉛−イオンが選択される。特に好ましい塩は、塩化カリウムおよびナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、およびそれらの混合物である。
【0115】
電解質は、本発明の製品中に約0.01重量%〜約8重量%の量で存在できる。
【0116】
さらなる光安定剤の添加が望ましいかもしれない。このような光安定剤は、例えば立体的障害アミン光安定剤(HALS)として知られており、モノマー性またはポリマー性であることができる。それらは例えば、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ヘキサメチレンジアミン(ユビヌル(Uvinul)4050 H)、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(ユビヌル4077 H)、(ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート+メチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(ユビヌル4092 H)、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、n−ブチル−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンとの縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3、4−ブタン−テトラノエート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ−メチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−2,4−ジオン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2、5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピル−アミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン(CAS登録番号[136504−96−6])との縮合物、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシル−スクシンイミド、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3、8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物よりなる群から選択されるが、これに限定されるものではない。
【0117】
本発明に従ったボディケア製品中で使用できる昆虫忌避剤の例は、例えばN,N−ジエチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオールまたは昆虫忌避剤3535である。
【0118】
セルフタンニング成分の例は、例えば国際公開第01/85124号パンフレットで述べられているようなジヒドロキシアセトンおよび/またはエリトルロースまたはジヒドロキシアセトンおよび/またはジヒドロキシアセトン前駆物質、および/またはエリトルロースである。
【0119】
皮膚美白剤成分の例は、例えばビタミンC、リン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルマグネシウムである。
【0120】
考察される脱臭活性成分の例は、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムヒドロキシアセテート、酸性アルミニウム/ジルコニウム塩などの制汗剤である。エステラーゼ阻害剤をさらなる脱臭活性成分として添加してもよい。このような阻害剤は、好ましくはクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、特にクエン酸トリエチル(ヘンケル(Henkel)からのヒダゲン(Hydagen)CAT)などのトリアルキルシトレートであり、これらは酵素活性を阻害することで臭気形成を低下させる。エステラーゼ阻害剤として考察されるさらなる物質は、例えば硫酸またはリン酸ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、およびシトステロールなどの硫酸またはリン酸ステロール、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステルなどのジカルボン酸およびそのエステル、および例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルエステルなどのヒドロキシ−カルボン酸およびそのエステルである。微生物叢に影響して死滅させ、または汗を分解する細菌生育を阻害する抗菌活性成分も同様に調製品(特にスティック調製品)中に存在できる。その他の存在できる抗菌剤は、キトサン、フェノキシエタノールおよびクロルヘキシジングルコネート−5−クロロ−2−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド(Ciba Specialty Chemicals Inc.)からのトリクロサン(Triclosan)、イルガサン(Irgasan))である。
【0121】
使用してもよいフケ防止剤の例は、ディンバゾール、オクトピロックス、および亜鉛ピリチオンである。慣例的な皮膜形成剤としては、例えばアクリル酸、コラーゲン、ヒアルロン酸とその塩を高比率で含有する、キトサン、微晶質キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、四級セルロース誘導体のポリマー、および同様の化合物が挙げられる。
【0122】
保存料の例としては、メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−パラベン、塩化ベンザルコニウム、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、2−ジクロロベンジルアルコール、DMDMヒダントイン、ホルムアルデヒド溶液、メチルジブロモグルタロニトリル、フェノキシエタノール、ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、イミダゾリジニル尿素、トリクロサンおよび次の参考文献:K.F.DePoIo著、「美容術簡略テキストブック(A short textbook of cosmetology)」の第7章、表7−2、7−3、7−4、および7−5、210〜219頁で列挙されるさらなる物質クラスが挙げられる。
【0123】
典型的な細菌阻害剤の例は、グラム陽性細菌に対して特異的作用を有する、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6−ジ(4−クロロフェニル−ビグアニド)ヘキサン)またはTCC(3,4,4’−トリクロロ−カルボアニリド)などの保存料である。多数の芳香族物質およびエーテル油もまた、抗菌特性を有する。典型的な例は、丁子油、薄荷油、タイム油中の活性成分オイゲノール、メントール、およびチモールである。関心のある天然脱臭剤は、ライム花油中に存在するテルペンアルコールであるファルネソール(3,7,1l−トリ−メチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)である。グリセロールモノラウレートは静菌剤であることが立証されている。
【0124】
存在する追加的細菌阻害剤の量は、調製品の固形分を基準にして、通常0.1〜2重量%である。
【0125】
本安定剤組成物は、特に次のボディケア製品を安定化するのに適する。
・例えば錠剤形態または液体石鹸、ソープレス洗剤(sapless detergents)または洗浄ペーストの形態の皮膚−洗浄およびクレンジング調製品などのスキンケア調製品;
・例えば液体(フォームバス、ミルク、シャワー調製品)などの風呂用調製品、または例えばバスキューブおよびバスソルトなどの固体風呂用調製品;
・例えば皮膚エマルジョン、マルチ−エマルジョンまたはスキンオイルなどのスキンケア調製品;ボディオイル、ボディローション、ボディジェル;皮膚保護軟膏;
・例えば昼用クリームまたは粉末クリーム、おしろい(粉末または固形)、ルージュまたはクリームメイクアップの形態の顔用メイクアップなどの化粧パーソナルケア調製品;例えばアイシャドー調製品、マスカラ、アイライナー、アイクリームまたはアイフィックスクリームなどのアイケア調製品;例えば口紅、リップグロス、リップペンシルなどの口唇ケア調製品;アニキュア、除光液、爪硬化剤またはあま皮除去剤などのネイルケア調製品;
・例えば足浴、足用パウダー、足用クリームまたは足用バルサム、専用デオドラントおよび制汗剤または胼胝除去調製品などのフットケア調製品;
・サンミルク、ローション、クリームまたはオイル、アンブロックまたはトロピカル、プレタンニング調製品またはアフターサン調製品などの光保護調製品;
・例えばセルフタンニングクリームなどの皮膚タンニング調製品;
・例えば皮膚を漂白するための調製品または皮膚美白調製品などのシミ取り調製品;
・例えば昆虫忌避オイル、ローション、スプレーまたはスティックなどの昆虫忌避物質;
・デオドラントスプレー、ポンプ作動スプレー、デオドラントジェル、スティックまたはロールオンなどのデオドラント;
・例えば制汗剤スティック、クリームまたはロールオンなどの制汗剤;
・例えば合成洗剤(固体または液体)、ピーリングまたはスクラブ調製品またはピーリングマスクなどのにきび肌のためのクレンジングおよびケア調製品;
・化学薬品形態(脱毛)の除毛調製品、例えば除毛粉末、液体除毛調製品、クリームまたはペースト形態の除毛調製品、ゲル形態またはエアロゾルフォームの除毛調製品;
・例えばシェービング石鹸、発泡シェービングクリーム、非発泡シェービングクリーム、フォームおよびジェル、水を使わない髭剃りのためのプレシェイブ調製品、アフターシェーブまたはアフターシェーブローションなどのシェービング調製品;
・例えば香水、オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、オードトワレ、香油または練り香などの調製品を含有する、香料、芳香剤および/または着香剤成分などの香料または芳香調製品;
・例えばシャンプーおよびコンディショナーの形態の髪洗浄調製品などの美容ヘアトリートメント調製品、例えばプレトリートメント調製品、ヘアトニック、整髪クリーム、整髪用ジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強化ヘアトリートメントなどのヘアケア調製品、例えば恒久的なウェーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)のためのヘアウェービング調製品、ヘアストレートニング調製品、液体ヘアセッティング調製品、ヘアフォーム、ヘアスプレーなどのヘアストラクチャリング調製品、例えば過酸化水素溶液、ライトニングシャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペーストまたは油などの漂白調製品、一時的、半恒久的または恒久的毛髪着色剤、自己酸化染料を含有する調製品、またはヘンナまたはカモミールなどの天然の毛髪着色剤;
・歯磨き剤、特に歯磨きクリーム、練り歯磨き、うがい薬、うがい薬、抗プラーク調製品、および義歯用クレンジング剤;
・装飾的調製品、特に口紅、アニキュア、アイシャドー、マスカラ、ドライおよびモイストメイクアップ、ルージュ、パウダー、除毛剤、およびサンタンローション;
・特にホルモン調製品、ビタミン調製品、植物抽出物調製品、および抗菌調製品である活性成分を含有する化粧品調合物。
【0126】
列挙される最終調合物は、例えばW/O、O/W,OIW/O,W/O/WまたはPITエマルジョンのような液体調製品の形態、およびゲルの形態、油の形態、クリーム、ミルクまたはローション、スティックの形態、スプレー(噴霧剤ガス添加スプレーまたはポンプ作動スプレー)またはエアロゾルの形態、フォームの形態、またはペーストの形態のあらゆる種類のマイクロエマルジョンなどの多種多様な提示形態で存在してもよい。
【0127】
本発明に従った皮膚のための化粧品調製品として特に重要なのは、着色剤、染料、活性成分、香料、芳香剤またはそれらの混合物を含有する、サンミルク、ローション、クリーム、ワイプ、オイル、サンブロックまたはトロピカル、プレタンニング調製品またはアフターサン調製品、また例えばセルフタンニングクリームなどの皮膚タンニング調製品などの調製品である。
【0128】
髪のための化粧品調製品として特に重要なのは、上述のヘアトリートメントのための調製品、特にシャンプーの形態の髪洗浄調製品、髪質改良剤、例えばプレトリートメント調製品、ヘアトニック、整髪クリーム、整髪ジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強化ヘアトリートメント、ヘアストレートニング調製品、液体ヘアセッティング調製品、ヘアフォーム、ヘアスプレーなどのヘアケア調製品である。特に興味深いのは、シャンプーの形態の髪洗浄調製品である。
【0129】
置換基および優先度の定義が上述および下述のようである式IおよびIeの化合物、特に式Ia〜Igの化合物、ならびに植物材料または抽出物の総重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の量で、より好ましくは少なくとも50重量%の量で、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の量でそれらを含有する植物材料および植物抽出物(の混合物)、およびそれらを含有するボディケア組成物は、したがってヒトを含む哺乳類の局所療法に適する。
【0130】
したがって、本発明は、効果的な用量のここで定義されるような式IまたはIeの化合物、特に式Ia、Ib、Ic、IdまたはIeまたはIfまたはIgの化合物をそれを必要とするヒトを含む哺乳類に投与するステップを含んでなる、ヒトを含む哺乳類において、グルコース代謝障害およびインスリン作用不全と関係がある障害を治療する方法に関する。
【0131】
本発明の文脈で哺乳類とは、ヒトを含む。好ましい「哺乳類」はヒト、およびネコ、イヌ、ウマ、ヒトコブラクダ、およびゾウなどのペット、特にイヌである。
【0132】
本発明の文脈で「治療」とは、共同治療ならびに制御または予防もまた包含する。本発明の文脈で「障害」という用語は、疾患もまた包含する。さらに「治療」とは、より良いフィットネス、体形、または皮膚外観を求める健康な個人による使用もまた包含する。「予防」の文脈で本発明は、ここで言及される特定の障害/疾患にかかるリスクの低下、またはここで言及される特定の障害/疾患にかかる発生率の低下もまた包含する。
【0133】
ヒトでは、R〜R17の定義および優先度が上述のようである、式IまたはIe、特に式Ia〜Ieの合物、または上で定義される式Ifの化合物または以下で定義される式Igの化合物の適切な1日量は、本発明の目的では、1日あたり体重1kgあたり0.01mg〜体重1kgあたり50mg、すなわち70kgの人では0.7mg〜3500mgの範囲内であってもよい。より好ましいのは体重1kgあたり0.1〜25mg(すなわち70kgの人では7mg〜1750mg)の1日量であり、特に好ましいのは体重1kgあたり0.3〜15mg、すなわち70kgの人では21mg〜1050mgの1日量である。このような式Ia〜Ifの化合物を含有する植物材料または植物抽出物の量は、それに応じて計算できる。
【0134】
ヒトのための固体投薬単位製剤中では、R〜R17の定義および優先度が上述のようである、式IまたはIe、特に式Ia〜Ieの化合物、または上で定義される式Ifの化合物または以下で定義される式Igの化合物は、投薬単位量あたり0.25mg〜1000mg、好ましくは2mg〜200mgで適切に存在する。
【0135】
食品組成物中では、特にヒト用食物および飲料中では、R〜R17の定義および優先度が上述のようである、式IまたはIe、特に式Ia〜Ieの化合物、または上で定義される式Ifの化合物または以下で定義される式Igの化合物は、一食当たり(一人前の分量は、例えばロゼンジでは500mg、パンでは50gまたは飲料では250mLであることができる)7mg〜1750mg、好ましくは、20mg〜1000mgの量で適切に存在してもよい。
【0136】
好ましい本発明の実施態様では、食物および飲料中で、R〜R17の定義および優先度が上述のようである、式IまたはIe、特に式Ia〜Ieの化合物、または上で定義される式Ifの化合物または以下で定義される式Igの化合物の量は、一食当たり20mg〜1000mgであってもよい。
【0137】
イヌではR〜R17の定義および優先度が上述のようである、式IまたはIe、特に式Ia〜Ieの化合物、または上で定義される式Ifの化合物または以下で定義される式Igの化合物の適切な1日量は、本発明の目的では、1日あたり体重1kgあたり0.04mg〜体重1kgあたり500mgの範囲内であってもよい。より好ましいのは体重1kgあたり0.4mg〜100mgの1日量であり、特に好ましいのは、体重1kgあたり1mg〜50mgの1日量である。
【0138】
本発明はまた、薬物としての、上で定義される一般式IおよびIeの化合物の使用、特に一般式Ia〜Ieの化合物または上で定義される式Ifの化合物または以下で定義される式Igの化合物の使用に関する。
【化11】


(式中、
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシ(好ましくはメトキシ)であり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシ(好ましくはメトキシ)であり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシ(好ましくはHまたはメトキシ、より好ましくはメトキシ)であり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;RおよびR10は互いに独立してC1〜6−アルキルオキシ(好ましくはメトキシ)であり;
はH、C1〜6−アルキルオキシ(好ましくはメトキシ)またはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)(好ましくは(N−アシル,N−メチル)−2−アミノエチル)である)。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】化合物1及び2を表す化学式である。
【図2】化合物3〜8を表す化学式である。
【図3】化合物9及び10を表す化学式である。
【図4】化合物11を表す化学式である。
【図5】化合物12を表す化学式である。
【0140】
[発明の最も好ましい実施態様]
本発明の最も好ましい実施態様は、ヒトを含む哺乳類において筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させる、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善しおよび/または筋肉:脂肪比を改善するための、一般式Ig、
【化12】


(式中、
はHまたはCHであり、
およびXはX、XまたはXであり;またはXおよびXは一緒になって酸素結合を形成し(すなわち−X−X−=−O−);
はHまたはXであるが、
ただしX=X、XまたはXであるときX=XおよびX=Hであり;
さらにただしXおよびXが一緒になって酸素結合を形成するとき(すなわち−X−X−=−O−)、X=HおよびX=Xである)の化合物の使用、ならびにヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善しおよび/または筋肉:脂肪比を改善する組成物(定義および優先度が上述のようである、食餌性、ボディケアまたは医薬組成物)を製造するためのこのような一般式Igの化合物の使用に関する。
【0141】
前記使用に特に好ましいのは、一般式Igの分類に入る化合物3、4、6、および11(図2および図4参照)である。より好ましいのは、化合物4および11、最も好ましいのは化合物11である。
【0142】
列挙された用途の内、以下のものが特に好ましい:
ヒトを含む哺乳類において筋肉機能を増強し、
ヒトを含む哺乳類において持久力を増強し、
ヒトを含む哺乳類において体形を改善し、
ヒトを含む哺乳類において筋肉:脂肪比を改善する。
【0143】
本発明はさらに最も好ましくは、ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善し、および/または筋肉:脂肪比を改善するための、
一般式Ig、
【化13】


(式中、
はHまたはCHであり、および
はX、XまたはXであり;またはXおよびXは一緒になって酸素結合を形成し(すなわち−X−X−=−O−);および
はHまたはXであるが、
ただしX=X、XまたはXであるときX=XおよびX=Hであり;
さらにただしXおよびXが一緒になって酸素結合を形成するとき(すなわち−X−X−=−O−)、X=HおよびX=Xである)の化合物に関する。
【0144】
本発明のさらに最も好ましい実施態様は、本請求項4および5で定義されるような組成物、特に食餌性、ボディケアまたは医薬組成物、請求項6に記載のこのような組成物の使用、および優先度が上述のようであるこのような一般式Igの化合物の使用方法、または請求項7および8に記載の本発明の文脈で定義されるようなそれらを含有する組成物である。
【0145】
以下の実施例によって、本発明をさらに例証する。
【0146】
[実施例]
[実施例1:軟質ゼラチンカプセル]
式IまたはIeの化合物の200mgの用量を提供する軟質ゼラチンカプセルを従来の手順によって調製する。適切な1日量は1〜5個のカプセルである。その他の成分:グリセロール、水、ゼラチン、植物油。この投薬量で2ヶ月間にわたり年齢60〜75歳の男性または女性に投与すると、このような人の歩行距離が10%増大するかもしれない。
【0147】
[実施例2:硬質ゼラチンカプセル]
式IまたはIeの化合物の100mgの用量を提供する硬質ゼラチンカプセルを従来の手順によって調製する。適切な1日量は1〜5個のカプセルである。その他の成分:グリセロール、水、ゼラチン、植物油。この投薬量で2ヶ月間にわたり年齢30〜40歳の男性または女性に投与すると、このような人の走行距離が5%増大するかもしれない。
【0148】
その他の成分:
充填材:乳糖またはセルロースまたはセルロース誘導体、適量
潤滑剤:必要であればステアリン酸マグネシウム(0.5%)
【0149】
[実施例3:錠剤]
錠剤あたり式IまたはIeの化合物の50mgの用量を提供し、賦形剤として微晶質セルロース、シリコーン二酸化(SiO)、ステアリン酸マグネシウム、クロスポビドンNF(これは崩壊剤である)で500mgにした錠剤を従来の手順によって調製する。
【0150】
[実施例4:30mgのβ−カロテン10%CWSで着色したオレンジジュース飲料]
【表1】

【0151】
[調製]
撹拌しながら安息香酸ナトリウムを水に溶解する;
撹拌を継続して、糖シロップ、アスコルビン酸、クエン酸、ペクチン溶液、ジュース化合物を相次いで添加する。高速ミキサーは使用しないこと;
(炭酸)水で瓶詰シロップを希釈して1Lの飲料にする。
【0152】
【表2】

【0153】
[ジュース化合物の調製]
果汁濃縮物に脱イオン水を添加して穏やかに撹拌し、果汁濃縮物を水和させる。
油性香料とβ−カロテン10%CWS原液を添加して、ローターステーターホモジナイザー内で予備乳化する。
高圧ホモジナイザー内で200バールで均質化する。
【0154】
[β−カロテン10%CWSの添加]
β−カロテン10%CWSは、脱イオン水中の1〜10%原液としてジュース化合物に添加しなくてはならない。
オレンジジュース飲料は3ppmのβ−カロテンを含有する。
【0155】
[実施例5:マウスの走行性能、身体組成、および腓腹−足底−ヒラメ筋群に対する4’,7−ジメトキシイソフラボン(=化合物11)の影響]
5週齢の20匹のオスC57B1/6Jマウスを米国メイン州バーハーバーのジャクソン・ラボラトリー(Jackson Laboratory(BarHarbor,ME,USA))から得た。全てのマウスにスイス国カイザーアウグスト(Kaiseraugst,Switzerland)のProvimi Kliba AGからの高脂肪食(Kliba#2154)を8週間にわたり投与して、肥満症を誘発させた。その後、マウスを無作為に2つの群に分けた:
1群:対照(高脂肪食)
2群:4’,7−ジメトキシイソフラボン(アルファ・エイサー(Alfa Aesar)からの0.03%w/wの4’,7−ジメトキシイソフラボンを添加した高脂肪食)
【0156】
栄養補給期間は9週間であった。この期間中、全てのマウスは食物および水自由に与えられた。栄養補給期間の終わりに、独国バート・ホンブルク(Bad Homburg,Germany)のTechnical&Scientific Equipment GmbHからの齧歯類トレッドミル上での最大走行性能を判定した。スイス国Faellandenのブルカー・オプティクス・ゲーエムベーハー(Bruker Optics GmbH(Faellanden,Switzerland))からの定量的磁気共鳴(ミニスペック(Minispec)MQ1O)によって、意識のある動物で身体組成を測定した。研究の終わりに動物を屠殺して血液を除去し、腓腹−足底−ヒラメ筋群を切除して計量した。
【0157】
4’,7−ジメトキシイソフラボンでのマウスの栄養補給は、対照群のマウスと比較して、体重および体脂肪量百分率を低下させる一方、除脂肪体重百分率を増大させた(表1)。さらに腓腹−足底−ヒラメ筋群の重量は、4’,7−ジメトキシイソフラボン摂取により体重と比較して増大し、最大の走行距離が6%増大した(表1)。
【0158】
【表3】

【0159】
改善された持久力を実証するトレッドミル試験における最大走行距離の増大は、4’,7−ジメトキシイソフラボン摂取によって引き起こされる骨格筋の改善された酸化能力の指標である。解剖学的にこれは、I型とタイプIIa筋肉繊維との比率増大に反映される。さらに4’,7−ジメトキシイソフラボンの摂取は、対照動物と比較して体脂肪量を低下させて除脂肪体重を増大させ、それによって高脂肪食の悪影響を寛解させる。この効果は、より大きな酸化的I型およびタイプIIa筋肉繊維の比率に起因する、骨格筋中の脂肪酸化の増大によって引き起こされることができる。
【0160】
したがって4’,7−ジメトキシイソフラボンでの栄養補給は、哺乳類において筋肉機能および持久力を増強し、体形ならびに筋肉:脂肪比を改善する。
【0161】
[実施例6:脂肪燃焼を含む脂肪代謝に対する化合物1〜8の効果]
[細胞培養]
C2C12サブクローン細胞は、フランス国ニース大学のグリマルディ(Grimaldi)博士から得た。C2C12PPd細胞を0.1×106〜0.15×106で24ウェルプレートに播種して、維持培地(10%FBS、2mM L−グルタミン、1mM ナトリウムピルビン酸、100IU/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシンで調節したDMEM#41965)中で37℃に保った。90〜95%の密集度において細胞を1×PBSで洗浄し、分化培地(3%FBS、2mMグルタミン、および1mMナトリウムピルビン酸で調節したDMEM#41965)に変更した。4日間の分化後に細胞を1×PBSで洗浄し、試験化合物と共に処置培地(2%BSA、2mMグルタミン、および100 IU/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンで調節したDMEM#41965)で処置した。DMSO含量を最終濃度0.5%に調節した。
【0162】
試験化合物との24時間のインキュベーション後、細胞を1×PBSで洗浄して、キアシュレッダー(QIAshredder)(キアゲン(Qiagen)79656)中の300μlのRLT緩衝液(キアゲンRNイージーミニキット(RNeasy Mini Kit)#74106)で収集し、−20℃で保存した。
【0163】
[RNAの単離および分析]
製造業者のプロトコル(manufacture’s protocol)に従って、カラム内デオキシリボヌクレアーゼステップ(キアゲン#79254)を含むキアゲンRNイージーミニキットを使用して、全RNAを抽出した。製造業者のプロトコルに従って、米国ユージーンのモレキュラープローブス(Molecular Probes(Eugene,USA))からのリボグリーン(RiboGreen)(登録商標)RNA定量化アッセイ(#R11490)を使用して、RNA濃度を判定した。製造業者の使用説明書に従って、スイス国バーゼルのキアゲンからのオムニスクリプト(Omniscript)TMRTキット(#205113)を使用して、10μMのランダムプライマー(プロメガ(Promega)#C1181)で、逆転写による第1のストランドcDNA合成を200ngの全RNAに施した。最終容積を米国テキサス州オースチンのアンビオン(Ambion(Austin,TX,USA))からのDEPC処理水で400μlに調節し、−20℃で保存した。
【0164】
[遺伝子発現分析]
多重法に基づく定量的なリアルタイム・タックマン(TaqMan)RT−PCRを使用して、選択された遺伝子の発現レベルを定量化した。定量的タックマンRT−PCRでは、スイス国ロットクロイツのPEバイオシステムズ(PE biosystems(Rotkreuz,CH))からの12.5μlのタックマン2×マスターミックス(Master Mix)、300nM PCRプライマー(順方向および逆方向)、および関心のある遺伝子のための100nMのタックマンプローブからなる20μlの反応混合物に、5μlの希釈cDNAを添加した。使用した参照遺伝子は18S rRNAであり、プライマーおよびプローブはそれぞれ50nMおよび100nMであった。関心のある遺伝子のためのプローブは、5’末端においてFAMで、3’末端においてTamraで標識した。18S rRNAプローブは、5’末端においてVICで、3’末端においてTamraで標識した。プライマーおよびプローブのためのオリゴヌクレオチド配列を表2に示す。米国カリフォルニア州フォスターシティのPEバイオシステムズ(PE Biosystems(Foster City,CA,USA))からのAbi−プリズム(Prism)7700配列検出器を使用して、米国カリフォルニア州フォスターシティのPEバイオシステムズからのマイクロアンプ(MicroAmp)光学96ウェル反応プレート内で増幅を実施した。PCR増幅プログラムは、50℃で2分間、95℃で10分間、および40サイクルの95℃で15秒および60℃で60秒からなった。閾値CT値を0.05に設定した。ベースライン開始および停止値は、関心のある遺伝子ではそれぞれ3および15に、参照遺伝子(18SrRNA)ではそれぞれ3および7に設定した。製造業者のプロトコルに従ってΔCT法を使用し、mRNA発現量を判定した。簡単に述べると、参照遺伝子と関心のある遺伝子の間のCT値の差として、関心のある遺伝子のΔCTを判定した。次に未処置対照群と各処置群の間のdCTの差として、ΔΔCTを判定した。関心のある遺伝子誘導の増大(すなわち内示性基準に正規化され、標準物質と相対的な関心のある遺伝子のmRNA量)を2−ΔΔCTと判定した。グラフではデータは百分率として表される。
【0165】
[結果]
リアルタイムRT−PCRを使用して、脂肪酸β−酸化および脂質代謝に関与する遺伝子をチェックした。DMSO対照と比較した誘導の増大を次の表3に示す。
【0166】
【表4】

【0167】
脂肪、骨格筋、および肝臓などの末梢組織中の過剰な脂肪は、インスリン抵抗性、肥満症、異脂肪血症、およびこれらの臓器の機能障害をもたらす。骨格筋は、グルコースおよび脂質代謝の1つの主要な部位である。筋肉中の長期脂質蓄積は、機能低下だけでなく、筋肉タンパク質分解および加齢関連筋肉減少症(scarcopenia)と関連付けられている慢性炎症もまたもたらす。肥満症および糖尿病などの異常な脂質代謝と関連付けられている疾患は、筋肉消耗をもたらすことが多い。トリグリセリドの分解代謝産物である脂肪酸は、ミトコンドリア中においてTCA回路と称される過程でさらに酸化され、生物のエネルギー源としてのATPを発生させる。したがって筋肉中の脂肪酸酸化の増大は、脂質消費の増大、脂肪保存の低下、インスリン感受性の改善、および筋肉機能の改善につながる。
【0168】
マウス骨格筋棹脳モデルを使用して、脂質異化作用の重要な制御因子の発現に対する上述の天然化合物の効果を研究した。
【0169】
リポタンパク質リパーゼ(LPL)は、それらの輸送体であるリポタンパク質上で脂質を加水分解し、それらをさらなる異化作用のために遊離させる。化合物3、4、および6は、この酵素の発現を中程度に増大させる。さらにCD36およびFABP3(筋肉特異的形態)などの脂肪酸輸送体および保存酵素は、試験された化合物のほとんどによって誘発され、最も顕著な効果は化合物6、4、および3で見られた。長鎖脂肪酸のミトコンドリア酸化は、カルニチンパルミトイル基転移酵素I(外膜、洗剤の影響を被る)およびカルニチンパルミトイル基転移酵素II(内膜)の逐次作用によって開始される。CPT Iはミトコンドリア内膜を越えるカルニチン−依存輸送中の鍵酵素である。この酵素の筋肉特異的形態CPT1bは、筋肉細胞中で化合物4、5、および3によって誘発される。アシル−CoAカルボキシラーゼ(caboxylase)(ACO1)は、アシル−CoAの2−trans−エノイル−CoAへの不飽和化を触媒する、超長鎖脂肪酸β−酸化経路の第1の酵素である。これは分子酸素に電子を直接供与し、それによって過酸化水素を生じる。化合物1、4、および2は、ACO1の発現を約2倍に増大する一方、その他の試験された化合物は効果を示さなかった。最後にミトコンドリア脱共役タンパク質(UCP)は、ミトコンドリアアニオン担体タンパク質の大きなファミリーのメンバーであり、熱産生において重要な役割を果たす。UCPは、ミトコンドリア膜内面から外面へのアニオンの転移、およびミトコンドリア膜外面から内面へのプロトンのもどり転移を促進し、骨格筋は最も高いUCP発現レベルを有する。我々は全ての試験された化合物からUCP2の好ましい効果を観察し、化合物4、6、および3からUCP3発現の増大を観察した。
【0170】
要約すれば、化合物1〜8は、筋肉細胞中の脂肪酸酸化およびミトコンドリア脱共役に関与する遺伝子パネルの選択的活性化を示し、脂質代謝および筋肉機能の調節におけるそれらの機能が示唆された。
【0171】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善し、および/または筋肉:脂肪比を改善するための、
一般式、Ig、
【化1】


(式中、XはHまたはCHであり、
はX、XまたはXであり;またはXおよびXは一緒になって酸素結合を形成し;
はHまたはXであるが、
ただしX=X、XまたはXであるとき、X=XおよびX=Hであり;
さらにただしXおよびXが一緒になって酸素結合を形成するとき、X=HおよびX=Xである)
の化合物の使用。
【請求項2】
一般式Igの化合物が、化合物3、4、6、および11
【化2】


よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
一般式Igの化合物が化合物11であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの一般式Igの化合物を含有する、好ましくは食餌性、ボディケアまたは医薬組成物である組成物。
【請求項5】
乳製品(例えばヨーグルト)などの食物の形態、シリアルバー、およびケーキおよびクッキーなどのベーカリー製品などの強化食物の形態、錠剤、丸薬、顆粒、糖衣丸、カプセル、および発泡性製剤などの栄養補助食品の形態、清涼飲料、スポーツ飲料、果汁、レモネード、茶およびミルクベース飲料などの非アルコール飲料の形態、スープおよび乳製品(ミューズリー飲料)などの液体食物の形態の食物組成物である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善しおよび/または筋肉:脂肪比を改善するための、請求項4または5に記載の組成物の使用。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の一般式Igの化合物の効果的な用量をそれを必要とするヒトを含む哺乳類に投与するステップを含んでなる、ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィーおよび筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善しおよび/または筋肉:脂肪比を改善する方法。
【請求項8】
哺乳類がヒト、ペット動物または家畜である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、脂質代謝障害、グルコース代謝障害、インスリン作用不全と関係がある障害を治療し、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害を治療し、ボディシェイピングし、筋肉:脂肪比を改善し、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状を治療し、皮膚創傷治癒を促進し、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患を治療し、および/または骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患を治療するための、
一般式IまたはIe、
【化3】


(式中、
が水素またはRであるとき、LはAまたはBのいずれかであり、
【化4】


またはLおよびLは残基CまたはDを形成し、
【化5】


はH、OHまたはRであり;LはHであり;LはH、OHまたはRであり;LはHであり;
好ましくはLがAであるとき、LはOHで、L、L、およびLはHであり;
好ましくはLがBであるとき、L、L、およびLはHで、LはRで、LはRであり;
好ましくはLおよびLが一緒になって残基Cを形成するとき、L、LはHで、LはRで、LはRであり;
好ましくはLおよびLが一緒になって残基Dを形成するときL、LはHで、LはRで、LはRであり;
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRとRが一緒になって−O−であり;R、R10はC1〜6−アルキルオキシであり;RはH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)
の化合物の使用。
【請求項10】
一般式Iの化合物が、式Ia、Ib、IcまたはId、
【化6】


(式中、
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;RおよびR10は互いに独立してC1〜6−アルキルオキシであり;
はH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH)x−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)
の化合物であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
化合物の置換基RがH、OHまたはメトキシであり;および/またはR、R、およびRが互いに独立してOHまたはメトキシであり;および/またはRがHまたはメトキシであり;またはRがHであり;またはRおよびRが一緒になって−O−であり;Rおよび/またはR10がメトキシであり;またはRがH、メトキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10が一緒になってO−(CH−O基を形成し(式中、x=1、2である);および/またはR17がN−アシル、N−メチル)−2−アミノエチルである、請求項9または10に記載の使用。
【請求項12】
一般式Iの化合物が、化合物1〜12よりなる群から選択され、化合物1が一般式Iaの化合物であり(式中、R1=R3=R4=OH、およびR2=Hである);化合物2が一般式Iaの化合物であり(式中、R1=OH、R2=R3=R4=メトキシである);化合物3が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R6=R8=R10=メトキシ、およびR7=R9=R17=Hである);化合物4が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R7=H、R6=R8=メトキシであり、R9およびR10は一緒になって−O−CH−O−を形成し、R17=N−アシル、N−メチル)−2−アミノエチルである);化合物5が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R7=R8=R10=R17=H、R6=メトキシ、およびR9=シンナミルオキシである);化合物6が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R7=R8=R17=H、R6=R9=R10=メトキシである);化合物7が一般式Ibの化合物であり(式中、R8=R9=R17=H、R6=OHであり、R5およびR7は一緒になってOであり、R10=メトキシである);化合物8が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R7=R9=R17=H、R6=R8=R10=メトキシである);化合物9が一般式Icの化合物であり(式中、R3=R4=OH、およびR2=R6=H);化合物10が一般式Icの化合物であり(式中、R2=R3=R6=OH、およびR4=メトキシである);化合物11が一般式Idの化合物であり(式中、R2=R3=HおよびR4=R6=メトキシである);化合物12が一般式Ieの化合物である(式中、R3=R4=メトキシであり、2個の水素は互いにシスである)、請求項9に記載の使用。
【請求項13】
一般式IまたはIe、
【化7】


(式中、
が水素またはRであるときLはAまたはBのいずれかであり、
【化8】


またはLおよびLは残基CまたはDを形成し、
【化9】


はH、OHまたはRであり;LはHであり;LはH、OHまたはRであり;LはHであり;
LがAであるとき、好ましくはLはOHで、L、L、およびLはHであり;
LがBであるとき、好ましくはL、L、およびLはHで、LはRで、LはRであり;
LおよびLが一緒になって残基Cを形成するとき、好ましくはL、LはHで、LはRで、LはRであり;
LおよびLが一緒になって残基Dを形成するとき、好ましくはL、LはHで、LはRで、LはRであり;
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;R、R10はC1〜6−アルキルオキシであり;RはH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)の化合物の少なくとも1つを含有する、好ましくは食餌性、ボディケアまたは医薬組成物である組成物。
【請求項14】
一般式Iの化合物が、式Ia、Ib、IcまたはId、
【化10】


(式中、
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;RおよびR10は互いに独立してC1〜6−アルキルオキシであり;
はH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)の化合物であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
がH、OHまたはメトキシであり;および/またはR、R、およびRが互いに独立してOHまたはメトキシであり;および/またはRがHまたはメトキシであり;またはRがHであり;またはRおよびRが一緒になって−O−であり;Rおよび/またはR10がメトキシであり;またはRがH、メトキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10が一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2である)を形成し;および/またはR17がN−アシル、N−メチル)−2−アミノエチルである、好ましくは食餌性、ボディケアまたは医薬組成物である、請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
一般式Iの化合物が、一般式Iaの化合物(式中、R1=R3=R4=OH、およびR2=Hである)(=化合物1);一般式Iaの化合物(式中、R1=OH、R2=R3=R4=メトキシである)(=化合物2);一般式Ibの化合物(式中、R5=R6=R8=R10=メトキシ、およびR7=R9=R17=Hである)(=化合物3);一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=H、R6=R8=メトキシであり、R9およびR10は一緒になって−O−CH−O−を形成し、R17=N−アシル、N−メチル)−2−アミノエチルである)(=化合物4);一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=R8=R10=R17=H、R6=メトキシ、およびR9=シンナミルオキシである)(=化合物5);一般式Ibの化合物、(式中、R5=R7=R8=R17=H、R6=R9=R10=メトキシである)(=化合物6);一般式Ibの化合物(式中、R8=R9=R17=H、R6=OHであり、R5およびR7は一緒になってOであり、R10=メトキシである)(=化合物7);一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=R9=R17=H、R6=R8=R10=メトキシである)(=化合物8);一般式Icの化合物(式中、R3=R4=OH、およびR2=R6=Hである)(=化合物9);一般式Icの化合物(式中、R2=R3=R6=OH、およびR4=メトキシである)(=化合物10);一般式Idの化合物(式中、R2=R3=H、およびR4=R6=メトキシである)(=化合物11);一般式Ieの化合物、(式中、R3=R4=メトキシであり、2個の水素は互いにシスである)(=化合物12)よりなる群から選択されることを特徴とする、好ましくは食餌性、ボディケアまたは医薬組成物である、請求項13または14に記載の組成物。
【請求項17】
乳製品(例えばヨーグルト)などの食物の形態、シリアルバー、およびケーキおよびクッキーなどのベーカリー製品などの強化食物の形態、錠剤、丸薬、顆粒、糖衣丸、カプセル、および発泡性製剤などの栄養補助食品の形態、清涼飲料、スポーツ飲料、果汁、レモネード、茶およびミルクベース飲料などの非アルコール飲料の形態、スープおよび乳製品(ミューズリー飲料)などの液体食物の形態である、請求項13〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、脂質代謝障害、グルコース代謝障害、インスリン作用不全と関係がある障害を治療し、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害を治療し、ボディシェイピングし、筋肉:脂肪比を改善し、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状を治療し、皮膚創傷治癒を促進し、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患を治療し、および/または骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患を治療するための、請求項13〜17のいずれか一項に記載の食餌性または医薬組成物の使用。
【請求項19】
薬物として使用するための、請求項9に記載の一般式IまたはIeの化合物。
【請求項20】
一般式Iの化合物が、一般式Iaの化合物(式中、R1=R3=R4=OH、およびR2=Hである)(=化合物1);一般式Iaの化合物(式中、R1=OH、R2=R3=R4=メトキシである)(=化合物2);一般式Ibの化合物(式中、R5=R6=R8=R10=メトキシ、およびR7=R9=R17=Hである)(=化合物3);一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=H、R6=R8=メトキシであり、R9およびR10は一緒になって−O−CH−O−を形成し、R17=N−アシル、N−メチル)−2−アミノエチルである)(=化合物4);一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=R8=R10=R17=H、R6=メトキシ、およびR9=シンナミルオキシである)(=化合物5);一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=R8=R17=H、R6=R9=R10=メトキシである)(=化合物6);一般式Ibの化合物(式中、R8=R9=R17=H、R6=OHであり、R5およびR7は一緒になってOであり、R10=メトキシである)(=化合物7);一般式Ibの化合物(式中、R5=R7=R9=R17=H、R6=R8=R10=メトキシである)(=化合物8);一般式Icの化合物(式中、R3=R4=OH、およびR2=R6=Hである)(=化合物9);一般式Icの化合物(式中、R2=R3=R6=OH、およびR4=メトキシである)(=化合物10);一般式Idの化合物(式中、R2=R3=H、およびR4=R6=メトキシである)(=化合物11);一般式Ieの化合物、(式中、R3=R4=メトキシであり、2個の水素は互いにシスである)(=化合物12)よりなる群から選択されることを特徴とする、薬物として使用するための請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、脂質代謝障害、グルコース代謝障害、インスリン作用不全と関係がある障害を治療し、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害を治療し、ボディシェイピングし、筋肉:脂肪比を改善し、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状を治療し、皮膚創傷治癒を促進し、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患を治療し、および/または骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患を治療するのに使用される薬物として使用するための、請求項19または20に記載の化合物。
【請求項22】
筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、脂質代謝障害、グルコース代謝障害、インスリン作用不全と関係がある障害を治療し、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害を治療し、ボディシェイピングし、筋肉:脂肪比を改善し、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状を治療し、皮膚創傷治癒を促進し、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患を治療し、および/または骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患を治療する組成物を製造するための、請求項9に記載の一般式IまたはIeの化合物、好ましくは請求項10〜12のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項23】
運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、骨の健康および機能を改善し、筋肉損失を予防し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、脂肪酸化を増大させ、エネルギー収支を改善し、血中脂質プロフィールを改善し、悪玉コレステロール(LDL)を低下させて善玉コレステロール(HDL)を増大させ、肥満症から保護し、脂肪酸化を促進し、健康なグルコースおよびコレステロールレベルを維持し、心臓血管疾患を予防し、インスリン感受性を改善し、内皮機能を維持し、および/または関節機能を改善し、関節炎(arthrthitic)の疼痛および腫脹を低下させ、皮膚創傷治癒を改善し、および/または炎症性皮膚病状を改善するために薬物および組成物がそれぞれ使用される、請求項19に記載の化合物または請求項22に記載の使用。
【請求項24】
請求項9に記載の一般式IまたはIeの化合物、好ましくは請求項10〜12のいずれか一項に記載の化合物の効果的な用量をそれを必要とするヒトを含む哺乳類に投与するステップを含んでなる、ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療および/または予防し、筋肉機能および持久力を改善し、脂質代謝障害、グルコース代謝障害、インスリン作用不全と関係がある障害を治療し、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害を治療し、ボディシェイピングし、筋肉:脂肪比を改善し、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状を治療し、皮膚創傷治癒を促進し、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患を治療し、および/または骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患を治療する方法。
【請求項25】
哺乳類が、ヒト、ペット動物または家畜である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、脂質代謝障害、グルコース代謝障害、インスリン作用不全と関係がある障害を治療し、肥満症、過体重状態、過食症および神経性食欲不振症などの摂食障害を治療し、ボディシェイピングし、筋肉:脂肪比を改善し、心臓血管疾患、アテローム動脈硬化、血管疾患、心不全、関節炎と関節リウマチと骨関節炎と痛風などの炎症性疾患、炎症性腸症候群とクローン病と胃炎と過敏性腸症候群と潰瘍性結腸炎などの胃腸障害、乾癬と湿疹と火傷と皮膚炎とアレルギーなどの皮膚関連病状を治療し、皮膚創傷治癒を促進し、喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸障害、アレルギー疾患を治療し、および/または骨粗鬆症と骨減少症などの骨疾患を治療するための、
一般式IまたはIe、
【化11】


(式中、
が水素またはRであるときLはAまたはBのいずれかであり、
【化12】


またはLおよびLは残基CまたはDを形成し、
【化13】


はH、OHまたはRであり;LはHであり;LはH、OHまたはRであり;LはHであり;
LがAであるとき、好ましくはLはOHで、L、L、およびLはHであり;
LがBであるとき、好ましくはL、L、およびLはHで、LはRで、LはRであり;
LおよびLが一緒になって残基Cを形成するとき、好ましくはL、LはHで、LはRで、LはRであり;
LおよびLが一緒になって残基Dを形成するとき、好ましくはL、LはHであり、LはRでありLはRであり;
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;R、R10はC1〜6−アルキルオキシであり;RはH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)の化合物。
【請求項27】
一般式Iの化合物が、式Ia、Ib、IcまたはId、
【化14】


(式中、
はH、OHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;R、R、およびRは互いに独立してOHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;
はHまたはC1〜6−アルキルオキシであり;RはHであり;またはRおよびRは一緒になって−O−であり;RおよびR10は互いに独立してC1〜6−アルキルオキシであり;
はH、C1〜6−アルキルオキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10は一緒になってO−(CH−O基(式中、x=1、2、3である)を形成し;R17は(N−C1〜6−アシルオキシ、N−C1〜6−アルキルオキシ)−y−アミノ−C−アルキル(式中、y=1〜6である)である)の化合物であることを特徴とする、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
化合物の置換基RがH、OHまたはメトキシであり;および/またはR、R、およびRが互いに独立してOHまたはメトキシであり;および/またはRがHまたはメトキシであり;またはRがHであり;またはRおよびRが一緒になって−O−であり;Rおよび/またはR10がメトキシであり;またはRがH、メトキシまたはシンナミルオキシであり;またはRおよびR10が一緒になってO−(CH−O基を形成し(式中、x=1、2である);および/またはR17がN−アシル、N−メチル)−2−アミノエチルである、請求項26または27に記載の化合物。
【請求項29】
一般式Iの化合物が化合物1〜12よりなる群から選択され、化合物1が一般式Iaの化合物であり(R1=R3=R4=OH、およびR2=Hである);化合物2が一般式Iaの化合物であり(式中、R1=OH、R2=R3=R4=メトキシである);化合物3が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R6=R8=R10=メトキシ、およびR7=R9=R17=Hである);化合物4が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R7=H、R6=R8=メトキシであり、R9およびR10は一緒になって−O−CH−O−およびR17=N−アシル、N−メチル)−2−アミノエチルを形成し;化合物5が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R7=R8=R10=R17=H、R6=メトキシ、およびR9=シンナミルオキシである);化合物6が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R7=R8=R17=H、R6=R9=R10=メトキシである);化合物7が一般式Ibの化合物であり(式中、R8=R9=R17=H、R6=OHであり、R5およびR7は一緒になってOであり、R10=メトキシである);化合物8が一般式Ibの化合物であり(式中、R5=R7=R9=R17=H、R6=R8=R10=メトキシである);化合物9が一般式Icの化合物であり(式中、R3=R4=OH、およびR2=R6=Hである);化合物10が一般式Icの化合物であり(式中、R2=R3=R6=OH、およびR4=メトキシである);化合物11が一般式Idの化合物であり(式中、R2=R3=H、およびR4=R6=メトキシである);および化合物12が一般式Ieの化合物である(式中、R3=R4=メトキシであり、2個の水素が互いにシスである)、請求項26に記載の化合物。
【請求項30】
ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善しおよび/または筋肉:脂肪比を改善するための、4’,7−ジメトキシイソフラボンの使用。
【請求項31】
ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善しおよび/または筋肉:脂肪比を改善するための、4’,7−ジメトキシイソフラボン。
【請求項32】
ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善しおよび/または筋肉:脂肪比を改善する組成物を製造するための、4’,7−ジメトキシイソフラボンの使用。
【請求項33】
4’,7−ジメトキシイソフラボンの効果的な用量をそれを必要とするヒトを含む哺乳類に投与するステップを含んでなる、ヒトを含む哺乳類において、筋肉減少症、悪液質、筋肉損傷、筋ジストロフィー、および筋肉疲労などの筋肉消耗および関連障害を含む筋肉障害を治療し、筋肉機能および持久力を改善し、運動動作能力を増強し、持久能力を増強し、筋肉量を増大させ、筋肉損失を防止し、筋肉回復を増強し、筋肉疲労を低下させ、エネルギー収支を改善し、筋肉性能および/または筋肉強度および/または筋肉量および/または筋肉機能を維持し、および/または体形を改善しおよび/または筋肉:脂肪比を改善する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−537582(P2009−537582A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511412(P2009−511412)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004627
【国際公開番号】WO2007/134867
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】