説明

有機半導体素子の製造方法

【課題】高い精度で効率良くパターニングすることができる有機半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】有機半導体層形成用溶液に対して撥液性がある撥液部2を有する基体1を準備する第1工程、前記基体1の撥液部2上に遮蔽層5を形成する第2工程、前記基体1の撥液部2の一部を前記有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部7に変性する第3工程、及び、前記第1工程、前記第2工程、または前記第3工程の後に行い、前記基体1上にソース電極3及びドレイン電極4を形成する第4工程を有する有機半導体素子用基板6の形成工程と、有機半導体層8を親液部7上に形成する有機半導体層8の形成工程と、を有する有機半導体素子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機半導体素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有機半導体素子の製造方法として種々の手法が各種提案されている。
【0003】
特に、有機半導体をパターニングする手法としては、液体に対する表面の濡れ性が異なるパターンを形成して有機半導体をパターニングする手法が提案されている。
【0004】
例えば、基板上に透明導電膜をパターン状に形成し、透明導電膜の開口部に、液状薄膜材料に対する表面の濡れ性が光照射によって変化する材料を用いて絶縁膜を形成し、透明導電膜および絶縁膜の一部にフォトマスクを介して選択的に光照射して絶縁膜表面の光照射領域の液状薄膜材料に対する濡れ性を高くし、透明導電膜および絶縁膜の光照射領域上に液状薄膜材料を付与して薄膜をパターン状に形成する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によれば、絶縁膜への光照射によって、液状薄膜材料に対する濡れ性の異なる領域を膜表面に形成し、この膜表面の濡れ性の差異を利用して、高い精度で効率良く薄膜をパターン状に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−288469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の方法に関して、光照射による濡れ性変化は絶縁膜近傍における酸素の活性種と絶縁膜表面との反応による効果が大きく、真空紫外領域の光が好ましいとされている。また、光照射する際に基板とフォトマスクとを密着させると最も高い精度が得られるが、密着させるとフォトマスクが傷つけられたり汚染されたりするので、基板とフォトマスクとの間隙を可能な限り小さくすることが好ましいとされている。しかしながら、基板とフォトマスクとの間に空間があると、真空紫外線を照射した際に酸素の活性種が真空紫外線が照射されていない領域にも回りこみ、パターンがぼやけて精度が落ちるという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、高い精度で効率良くパターニングすることができる有機半導体素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、有機半導体材料を溶媒に含有させた有機半導体層形成用溶液に対して撥液性がある撥液部を有する基体を準備する第1工程、前記基体の撥液部上に遮蔽層を形成する第2工程、前記基体の撥液部の一部を前記有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部に変性する第3工程、及び、前記第1工程、前記第2工程、または前記第3工程の後におこない、前記基体上にソース電極及びドレイン電極を形成する第4工程を有する有機半導体素子用基板の形成工程と、前記遮蔽層を前記有機半導体素子用基板の基体の撥液部上から除去し、前記有機半導体素子用基板上に前記有機半導体層形成用溶液を塗布し、前記ソース電極及び前記ドレイン電極に接する有機半導体層を親液部上に形成する有機半導体層の形成工程と、を有する有機半導体素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、有機半導体素子用基板の形成工程では、基体上の撥液部の一部を親液部に変性するときに、撥液性を維持したい部分が遮蔽層で覆われていて、保護されているので、有機半導体を高い精度で効率良くパターニングすることが可能になるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の有機半導体素子の製造方法の一例(トップゲート・ボトムコンタクト型構造の第1工程の後に第4工程をおこなう場合)を示す工程図である。
【図2】本発明の有機半導体素子の製造方法の一例(トップゲート・ボトムコンタクト型構造の第2工程の後に第4工程をおこなう場合)を示す工程図である。
【図3】本発明の有機半導体素子の製造方法の一例(トップゲート・ボトムコンタクト型構造の第3工程の後に第4工程をおこなう場合)を示す工程図である。
【図4】本発明の有機半導体素子の製造方法の一例(ボトムゲート・ボトムコンタクト型構造の第1工程の後に第4工程をおこなう場合)を示す工程図である。
【図5】本発明の有機半導体素子の製造方法の一例(トップゲート・ボトムコンタクト型構造の第2工程の後に第4工程をおこなう場合)を示す工程図である。
【図6】本発明の有機半導体素子の製造方法の一例(ボトムゲート・ボトムコンタクト型構造の第3工程の後に第4工程をおこなう場合)を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の有機半導体素子の製造方法について詳細に説明する。
【0012】
本発明の有機半導体素子の製造方法は、有機半導体素子用基板の形成工程と有機半導体層の形成工程で少なくとも構成されている。有機半導体素子用基板の形成工程は、有機半導体材料を溶媒に含有させた有機半導体層形成用溶液に対して撥液性がある撥液部を有する基体を準備する第1工程、前記基体の撥液部上に遮蔽層を形成する第2工程、前記基体の撥液部の一部を前記有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部に変性する第3工程、及び、前記第1工程、前記第2工程、または前記第3工程の後におこない、前記基体上にソース電極及びドレイン電極を形成する第4工程を少なくとも有するものである。有機半導体層の形成工程は、前記遮蔽層を前記有機半導体素子用基板の基体の撥液部上から除去し、前記有機半導体素子用基板上に前記有機半導体層形成用溶液を塗布し、前記ソース電極及び前記ドレイン電極に接する有機半導体層を親液部上に形成するものである。
【0013】
本発明の有機半導体素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1(1a)〜(1h)は、本発明のトップゲート・ボトムコンタクト型構造の第1工程の後に第4工程をおこなう場合における有機半導体素子の製造方法の一例を示す工程図である。
【0015】
まず、有機半導体材料を溶媒に含有させた有機半導体層形成用溶液に対して撥液性がある撥液部を有する基体を準備する(図1(1a))(第1工程)。次に、基体上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する(図1(1b))(第4工程)。次いで、基体の撥液部上に遮蔽層を形成する(図1(1c))(第2工程)。次いで、基体の撥液部の一部を有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部に変性する(図1(1d))(第3工程)。上記の第1工程〜第4工程により、親液部を有する基体と遮蔽層とソース電極及びドレイン電極で構成される有機半導体素子用基板を作製する。続いて、遮蔽層を有機半導体素子用基板の撥液部上から除去する(図1(1e))。次に、有機半導体素子用基板上に有機半導体層形成用溶液を塗布し、ソース電極及びドレイン電極に接する有機半導体層を形成する(図1(1f))。続いて、有機半導体素子用基板に、有機半導体素子用基板のソース電極及びドレイン電極が形成されている側にゲート絶縁層を形成する(図1(1g))。次に、ゲート絶縁層上に、ゲート電極を形成する(図1(1h))。
【0016】
図2は、トップゲート・ボトムコンタクト型構造の第2工程の後に第4工程をおこなう場合における有機半導体素子の製造方法の一例を示す工程図であり、第2工程の後に第4工程をおこなう点以外は図1と同様である。
【0017】
図3は、トップゲート・ボトムコンタクト型構造の第3工程の後に第4工程をおこなう場合における有機半導体素子の製造方法の一例を示す工程図であり、第3工程の後に第4工程をおこなう点以外は図1と同様である。
【0018】
図4は、ボトムゲート・ボトムコンタクト型構造の第1工程の後に第4工程をおこなう場合における有機半導体素子の製造方法の一例を示す工程図であり、基体の構成にゲート絶縁層とゲート電極が含まれる点以外は図1と同様である。
【0019】
図5は、ボトムゲート・ボトムコンタクト型構造の第2工程の後に第4工程をおこなう場合有機半導体素子の製造方法の一例を示す工程図であり、基体の構成にゲート絶縁層とゲート電極が含まれる点と第2工程の後に第4工程をおこなう点以外は図1と同様である。
【0020】
図6は、ボトムゲート・ボトムコンタクト型構造の第3工程の後に第4工程をおこなう場合における有機半導体素子の製造方法の一例を示す工程図であり、基体の構成にゲート絶縁層とゲート電極が含まれる点と第3工程の後に第4工程をおこなう点以外は図1と同様である。
【0021】
本発明によれば、有機半導体素子用基板の形成工程では、基体上の撥液部の一部を親液部に変性するときに、撥液性を維持したい部分が遮蔽層で覆われていて、保護されているので、有機半導体を高い精度で効率良くパターニングすることが可能になる。
以下、本発明の有機半導体素子の製造方法における各工程について説明する。
1.有機半導体素子用基板の形成工程
本発明の有機半導体素子用基板の形成工程は、有機半導体材料を溶媒に溶解させた有機半導体層形成用溶液に対して撥液性がある撥液部を有する基体を準備する第1工程、前記基体の撥液部上に遮蔽層を形成する第2工程、前記基体の撥液部の一部を前記有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部にする第3工程、及び、前記第1工程、前記第2工程、または前記第3工程の後におこない、前記基体上にソース電極及びドレイン電極を形成する第4工程を有するものである。また、有機半導体素子用基板は、親液部を有する基体と遮蔽層とソース電極及びドレイン電極で構成されている。
【0022】
1−1.第1工程
本発明の第1工程は、有機半導体材料を溶媒に含有させた有機半導体層形成用溶液に対して撥液性がある撥液部を有する基体を準備するものである。
【0023】
1−1−1.有機半導体材層形成用溶液
有機半導体層形成用溶液は、有機半導体材料を溶媒に含有させたものである。有機半導体材料の全てが溶媒に溶解していても良いし、有機半導体材料の一部が溶媒に溶解せず分散していも良いし、有機半導体材料の全てが溶媒に分散していても良い。有機半導体層形成用溶液の有機半導体材料としては、ポリアセチレン誘導体、チオフェン環を有するポリチオフェン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ベンゼン環を有するポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、窒素原子を有するポリピリジン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリキノリン誘導体等の共役高分子化合物等が挙げられる。好ましくは、塗布形成に適しているポリチオフェン誘導体が良い。
【0024】
有機半導体層形成用溶液の溶媒としては、有機半導体が含有すれば水、ジクロロメタン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等、特に限定はされないが、有機半導体の溶解性が高いトリクロロベンゼンが好ましい。
【0025】
有機半導体層形成用溶液の製造方法は、溶媒に有機半導体材料を加える方法や有機半導体材料に溶媒を加える方法等、一般的な溶液の製造方法であれば特に限定されない。
【0026】
1−1−2.基体
基体は、有機半導体素子を支持する機能があれば特に限定されない。
【0027】
基体としては、樹脂、プラスチックフィルム、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素等のセラミック基体、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基体、紙、不織布等を用いることができる。その中でも、フレキシブル性を有機半導体素子に付与することができるため、樹脂やプラスチックフィルムからなることが好ましい。樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、ポリアミド樹脂、エチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。また、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。さらに、屈曲が可能な程度の厚みを有するステンレス、アルミ等の金属からなる薄膜も用いることができる。また、基体は、基体の有機半導体素子を形成する面と反対側に基材を有していても良い。基材としては、上記の撥液部と同様の材料の他に屈曲が可能な程度の厚みを有するステンレス、アルミ等の金属からなる薄膜も用いることができる。好ましくは、基材にガラスを用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できるプラスチックフィルムが好適である。また、プラスチックフィルムを基材として用いると、曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器への電界効果型トランジスタの組込みや一体化が可能となる。さらに、ボトムゲート型構造の場合には、基体はゲート絶縁層と兼ねていても良い。さらに、ゲート絶縁層の有機半導体素子を形成する面と反対側にゲート電極や基材を設けても良い。
【0028】
1−1−3.撥液部
撥液部は、有機半導体材料を溶媒に含有させた有機半導体層形成用溶液に対して撥液性があるものである。撥液性としては、撥液部表面の25℃での有機半導体層形成用溶液の溶媒の接触角が、有機半導体素子用基板の形成工程にて撥液部表面に形成される有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部表面の25℃での有機半導体層形成用溶液の溶媒の接触角よりも高いことが必要である。なぜならば、有機半導体層の形成工程で、有機半導体層をパターニングするために、有機半導体層形成用溶液を親液部上にのみ定着させる必要があるからである。好ましくは、撥液部表面の25℃での有機半導体層形成用溶液の溶媒の接触角は、後述する親液部との差を広げやすくなるため、80°以上であることが好ましく、特に100°以上であることが好ましい。
【0029】
なお、上記接触角は、例えば、基板上に1マイクロリットルの液体を滴下し、滴下した液滴の形状を側面より観測し、液滴と基板とのなす角を計測することにより測定することができる。このような測定は、例えば、井元製作所製接触角測定装置によって行うことができる。
【0030】
撥液部の形態は、撥液部が基体の有機半導体層を形成する側に設けられている形態であれば、特に限定されない。例えば、基体全体が撥液性を有する材料である形態であっても良いし、基体の有機半導体層を形成する側の表面の一部に撥液性を有する材料が形成されている形態でも良い。
【0031】
撥液部を有する基体の準備法としては、基体全体が撥液性を有する材料である形態である場合は、撥液性を有する材料を準備すれば良い。基体の有機半導体層を形成する側の表面の一部に撥液性を有する材料が形成されている形態の場合は、上記の基材上に撥液性を有する材料を形成すればよい。基材上に撥液性を有する材料を形成する方法は、基材上に撥液性を有する材料を形成できるのであれば特に限定されない。
【0032】
撥液部の材料としては、上記の基体の材料を用いる事ができる。好ましくは、撥液性が高いため、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂が好ましい。
【0033】
1−2.第2工程
本発明の第2工程は、基体の撥液部上に遮蔽層を形成するものである。
【0034】
1−2−1.遮蔽層
遮蔽層は、撥液部を親液部に変性させる際に撥液性を維持したい基体上の領域に設けるものである。また、遮蔽層の位置は、基体上のソース電極及びドレイン電極に離れて隣接している。遮蔽層としては、撥液部を親液部に変性させる際に、後述する物理的手法や化学的手法に安定であるものであれば、金属、樹脂等、特に限定されないが、好ましくは、取り扱いがし易すいため、フォトレジストが良い。
【0035】
遮蔽層に金属を用いる場合、材料に特に限定は無いが、Cu、Ag、Al、Zn、W,Mo,V,Cr,Ni、Mn,Co等を1種類以上含む金属粒子、もしくは金属酸化物粒子などが挙げられる。基体上に金属を形成する方法としては、スパッタ法や蒸着法で金属を蒸着させ、エッチング等によりパターニングをする。
【0036】
遮蔽層に樹脂を用いる場合、上記の撥液部と同様の材料を用いることができる。好ましくは、耐久性が高いため、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂が良い。基材上に樹脂を形成する方法としては、上記の撥液部と同様な方法を用いることができる。
【0037】
遮蔽層にフォトレジストを用いる場合、ポジ型フォトレジストおよびネガ型フォトレジストのいずれであってもよい。中でも、後述の遮蔽層を除去する工程でのフォトレジストの除去し易さを考慮すると、ポジ型フォトレジストが好ましい。フォトレジストとしては、一般的なものを用いることができる。中でも、フォトレジストがフッ素基を含む界面活性剤を含有することが好ましい。このようなフォトレジストであれば、フォトレジストの表面張力を効果的に低減することが可能なため、撥液部表面の撥液性が高くとも、撥液部上にフォトレジストを良好に塗布することができるからである。フッ素基を含む界面活性剤としては、フォトレジストに対して可溶であれば特に限定されるものではなく、高分子系および低分子系のいずれも用いることができ、一般的なフッ素系界面活性剤を使用することができる。
【0038】
また、フォトレジストは、撥液部表面のフォトレジストの接触角が15°以下となるものであることが好ましく、中でも10°以下となるものであることが好ましい。上記接触角が上記範囲であれば、撥液部上にフォトレジストを良好に塗布することができるからである。
【0039】
基体上にフォトレジストを形成する方法としては、基体上にフォトレジストを形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、通常、基体上にフォトレジストを塗布し、パターニングして、フォトレジストを形成する方法が用いられる。
【0040】
フォトレジストの塗布方法としては、撥液部上に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート、キャスティング、ディップコート、バーコート、ブレードコート、ロールコート、グラビアコート、スプレーコート、フレキソ印刷等が用いられる。
【0041】
フォトレジストの膜厚は、後述の第4工程で撥液部を保護できる厚みであれば特に限定されるものではない。
【0042】
フォトレジストのパターニングは、通常、フォトレジストをパターン露光し、現像する方法が用いられる。フォトレジストをパターン露光する方法としては、例えば、フォトマスクを介して露光する方法、レーザー描画法など、一般的な方法を用いることができる。フォトレジストを現像する方法としては、例えば現像液を用いる方法を適用することができる。現像液としては、一般的に使用されている有機アルカリ系現像液を使用できる。また、現像液として、無機アルカリ系現像液や、水溶液を使用することもできる。フォトレジストを現像した後は、水で洗浄するのが好ましい。フォトレジストは、所望の親液部を形成することができるパターンであれば特に限定されるものではなく適宜選択される。
【0043】
1−3.第3工程
本発明の第3工程は、基体の撥液部の一部を有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部にするものである。
【0044】
1−3−1.親液部
親液部は、有機半導体層形成用溶液に対して親液性があるものである。親液性としては、親液部表面の25℃での有機半導体層形成用溶液の溶媒の接触角が、第3工程前の撥液部表面の25℃での有機半導体層形成用溶液の溶媒の接触角よりも低いことが必要である。なぜならば、有機半導体層の形成工程で、有機半導体層をパターニングするために、有機半導体層形成用溶液を親液部上にのみ定着させる必要があるからである。好ましくは、親液部表面の25℃での有機半導体層形成用溶液の溶媒の接触角は、30°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましく、5°以下であることがさらに好ましい。また、親液部表面の25℃での有機半導体層形成用溶液の溶媒の接触角と、第3工程前の撥液部表面の25℃での機半導体層形成用溶液の溶媒の接触角との差は、50°以上であることが好ましく、より好ましくは70°以上、さらに好ましくは80°以上であり、特に好ましくは90°以上である。上記親液部の接触角および上記撥液部の接触角の差が上述の範囲であることにより、有機半導体素子を製造する場合に、有機半導体層形成用溶液をより選択性高く親液部上に付与させることができ、高精度で有機半導体層を形成することが可能になるからである。
【0045】
なお、上記接触角は、例えば、基板上に1マイクロリットルの液体を滴下し、滴下した液滴の形状を側面より観測し、液滴と基板とのなす角を計測することにより測定することができる。このような測定は、例えば、井元製作所製接触角測定装置によって行うことができる。
【0046】
基体の撥液部の一部を有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部にする方法は、濡れ性を向上させる方法であれば特に限定されない。好ましくは、撥液部の表面の粗さを大きくする方法(以下、物理的方法と呼ぶ)、及び/又は、撥液部表面の物質に極性基を修飾させる方法(以下、化学的方法と呼ぶ)が挙げられる。物理的方法としては、撥液部よりも硬質な材料で撥液部表面を削る方法、液体に勢いをつけて撥液部に照射することで撥液部表面を削る方法等が挙げられる。物理的方法であれば、撥液部表面の官能基を極性基に変化させることができない場合でも、基体の撥液部の一部を有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部にすることができる。化学的方法としては、撥液部表面の官能基にヒドロキシル基を修飾するために、大気下、真空中に酸素充填した状態下等の酸素雰囲気下で紫外光を撥液部表面に照射する方法または含酸素プラズマを撥液部表面に照射する方法等が挙げられる。紫外光の中で、真空紫外線が好ましい。真空紫外線はエネルギーが高く、より効果的に酸素の活性種を発生させることが可能であり、短時間で効率良く撥液部表面を親液部に変性することができるからである。真空紫外線の波長は、撥液部表面を親液部に変性することができる波長であればよく、撥液部の材料の種類に応じて適宜選択される。通常は、100nm〜250nmの範囲内であることが好ましく、中でも150nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。波長が上記範囲よりも長いと、酸素ラジカルの発生効率が低くなり、撥液部の材料の種類によっては感度が低くなってしまう場合があるからである。また、波長が上記範囲よりも短いと、安定した真空紫外線の照射が困難となる可能性があるからである。真空紫外線の照射に用いることできる光源としては、例えば、エキシマランプ、低圧水銀ランプ、その他種々の光源を挙げることができる。真空紫外線の照射量としては、撥液部の材料の種類に応じて適宜調整される。化学的方法であれば、高精細なパターンを形成することができる。また、物理的方法と化学的方法の両方を同時に行うこともできる。物理的方法と化学的方法の両方を同時に行う場合、撥液部の濡れ性を効果的に向上させることができる。
【0047】
1−4.第4工程
本発明の第4工程は、第1工程、第2工程、または第3工程の後におこない、基体上にソース電極及びドレイン電極を形成するものである。
【0048】
1−4−1.ソース電極及びドレイン電極
ソース電極及びドレイン電極の材料としては、導電性があれば特に限定されるものではないが、Au、Cu、Ag、Pt、Al、Zn、W,Mo,V,Cr,Ni、Mn,Co等を1種類以上含む金属粒子、もしくは金属酸化物粒子、酸化インジウム錫(ITO)、グラフェン、カーボンナノチューブ等の炭素材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料などが挙げられる。
【0049】
ソース電極及びドレイン電極の形成方法は、プラズマCVD法、熱CVD法、レーザーCVD法等のCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、電解メッキ法、浸漬メッキ法、無電解メッキ法、ゾルゲル法、有機金属分解(MOD)法などによって基体上に形成すれば特に限定されない。また、ソース電極及びドレイン電極は、フォトリソ法等でパターニングする場合もある。また、ソース電極及びドレイン電極は、互いに離れているが、離れる距離は特に限定されない。また、ソース電極及びドレイン電極は、基体を半導体素子の形成方向から見た断面では遮蔽層と接触していても良い。また、基体を半導体素子の形成方向の垂直方向から見た断面では遮蔽層から離れて形成するが、離れる距離は特に限定されない。
【0050】
1−4−2.第4工程の順序
第4工程は、第1工程、第2工程、または第3工程の後におこなえばいずれの工程の後でも良い。ソース電極及びドレイン電極の形成は、遮蔽層を形成する前でも遮蔽層を形成した後でも良い。好ましくは、ソース電極及びドレイン電極の形成の際に遮蔽層にダメージを与えない方が好ましいため、第1工程のあとに第4工程をおこなう方が良い。
2.有機半導体層の形成工程
本発明の有機半導体層の形成工程は、遮蔽層を有機半導体素子用基板の基体上から除去し、有機半導体素子用基板上に有機半導体層形成用溶液を塗布し、ソース電極及びドレイン電極に接する有機半導体層を形成するものである。
【0051】
2−1.遮蔽層の除去
遮蔽層を除去する方法は、遮蔽層を形成した材料を除去できれば特に限定されない。例えば、フォトレジストを用いて遮蔽層を形成したのであれば剥離液で除去すればよい。また、金属を用いて遮蔽層を形成したのであれば、エッチャントで除去すれば良い。
【0052】
2−2.有機半導体層形成用溶液の塗布方法
親液部上に有機半導体層形成用溶液を塗布する方法としては、有機半導体層形成用溶液を塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ディップコート、バーコート、LB、ロールコート、スプレーコート、ダイコート、ビードコート、スピンコート、インクジェット、ディスペンサ、キャスト、ブレードコート、フレキソ印刷、グラビア印刷等を挙げることができる。
【0053】
本発明の有機半導体層のパターニング方法では、親液部上にのみ定着するような有機半導体層形成用溶液を親液部と撥液部に分けられた基体に塗布するため、簡便にパターニングすることができる。
【0054】
本発明においては、遮光層を除去したあとに有機半導体層を形成することが好ましい。なぜならば、遮光層を除去する前に有機半導体層を形成すると有機半導体層形成用材料が遮蔽層に付着するが、遮蔽層は除去するため遮蔽層に付着した有機半導体層形成用材料は再利用することができない。一方、本発明のように、遮光層を除去したあとに有機半導体層を形成すると、有機半導体層形成用材料は、親液部以外ではじかれるため回収することができ、再利用することができる。上記のように、遮光層に付着する有機半導体層形成用材料を減らすことで、有機半導体層形成用材料を効率よく利用できる。
【0055】
2−3.ゲート絶縁層及びゲート電極
本発明の製造方法は、有機半導体素子用基板の形成工程及び有機半導体層の形成工程からなるが、下記のゲート絶縁層及びゲート電極の形成工程を含んでいてもよい。
【0056】
トップゲート・ボトムコンタクト構造及びトップゲート・トップコンタクト構造の有機半導体素子の製造方法において、有機半導体層の形成工程のあとに、ゲート絶縁層及びゲート電極の形成工程がある場合も考えられる。ゲート絶縁層及びゲート電極の形成工程は、少なくともソース電極及びドレイン電極の間の有機半導体層を覆うようにゲート絶縁層を形成し、ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するものである。例えば、有機半導体素子用基板に、有機半導体素子用基板のソース電極及びドレイン電極が形成されている側にスピンコート法でゲート絶縁層材料を形成し、フォトマスクを介して露光し、加熱硬化して、ゲート絶縁層を形成する。次に、ゲート絶縁層上に、メタルマスクを介してゲート電極材料を蒸着し、フォトリソ法でパターニングすることでゲート電極を形成する方法が挙げられる。
【0057】
ボトムゲート・ボトムコンタクト型構造及びボトムゲート・トップコンタクト型構造の有機半導体素子の製造方法において、基体中にゲート絶縁層及びゲート電極を形成するゲート絶縁層及びゲート電極の形成工程がある場合も考えられる。例えば、基板上に、メタルマスクを介してゲート電極材料を蒸着し、フォトリソ法でパターニングすることでゲート電極を形成する。次に、スピンコート法でゲート絶縁層材料を形成し、フォトマスクを介して露光し、加熱硬化して、ゲート絶縁層を形成することで基体中にゲート絶縁層及びゲート電極を形成することげできる。
【0058】
ゲート絶縁層材料は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、ポリアミド樹脂、エチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。ゲート電極材料は、導電性があれば特に限定されるものではないが、Au、Cu、Ag、ITO、Pt等の金属粒子もしくは金属酸化物粒子、グラフェン、カーボンナノチューブ等の炭素材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料などが挙げられる。
【0059】
ボトムゲート・ボトムコンタクト型構造の有機半導体素子の製造方法において、基体にゲート絶縁層及びゲート電極が含まれている場合も考えられる。基体にゲート絶縁層及びゲート電極が含まれている場合のゲート絶縁層及びゲート電極の形成工程は、基材を準備し、基材上にゲート電極を形成し、ゲート電極を覆うように撥液性を有するゲート絶縁層を形成するものである。基材は、上記したものを好適に使うことが出来る。
3.有機半導体素子の構造
本発明の有機半導体素子の構造を説明する。本発明の有機半導体素子は、基体、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極で構成される。なお、ゲート絶縁層とゲート電極は型によって適宜配置される。例えば、トップゲート・ボトムコンタクト型構造及びトップゲート・トップコンタクト型構造では、有機半導体層上にゲート絶縁層及びゲート電極が配置される。また、ボトムゲート・ボトムコンタクト型構造及びボトムゲート・トップコンタクト型構造では、基体の一部にゲート絶縁層及びゲート電極が配置される。
【0060】
有機半導体素子がゲート電極及びドレイン電極の形成時に用いられるエッチャントによって破壊される可能性があるため、トップゲート・ボトムコンタクト型構造又はボトムゲート・ボトムコンタクト型構造が好ましい。
4.用途
本発明の有機半導体素子の製造方法により製造される有機半導体素子の用途としては、例えば、液晶表示装置、電気泳動表示装置、有機EL表示装置等を挙げることができる。
【実施例】
【0061】
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0062】
以下に記すトップゲート・ボトムコンタクト型構造の有機半導体素子を作製した。二酸化ケイ素からなるガラス(厚さ;0.7mm)上に撥液性を有するアクリルシリコーン樹脂(信越化学製、KP-545)をスピンコートし、オーブン(ESPEC製 クリーンオーブン)で150℃で30分間加熱硬化させることで基材上に撥液性を有する基体(厚さ;5μm)を形成した。この基体表面に25℃のトリクロロベンゼンを1.2μリットル滴下し、液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の固体表面に対する角度から接触角を求める方法であるθ/2法にて接触角測定を行った結果、接触角は98.0°であった。次いで基体上にAu(40nm)をスパッタ法で成膜し金色の膜としてAu膜を得た。このAg膜上にポジ型のフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、AZ-5206)をスピンコートで成膜し、フォトマスクを介して露光装置(清和光学製 マスクアライナー)で露光をし、次いで水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(濃度2.38%)での現像でフォトレジストをパターニングした。この基板をエッチャント(関東化学製 混酸SEA−5)へ投入することで、エッチングをした。続いてAu上に残ったフォトレジストを剥離し、Auからなるソース電極及びドレイン電極を形成した。
【0063】
このソース電極及びドレイン電極を含む基板表面にポジ型のフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、AZ-5206)をスピンコートし、フォトマスクを介しての露光をし、次いで水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(濃度2.38%)での現像により、フォトレジストパターンを形成した。このフォトレジストのパターンはソース電極及びドレイン電極近傍のフォトレジストが除去され、電極付近はAuとその下の撥液性の樹脂層がむき出しとなったものであった。この状態で真空紫外線(波長172nm、照度3mW/cm2 )を60秒間照射し、フォトレジストの付いていないソースおよびドレイン電極近傍を親液化させた。なお、親液部上に25℃のトリクロロベンゼンを1.2μリットル滴下し、θ/2法にて接触角測定を行った結果、接触角は5°以下であった。
【0064】
次に、上記のフォトレジストを剥離除去(東京応化工業製 剥離液106)した。次に、有機半導体であるポリチオフェンをトリクロロベンゼンに0.2wt%の濃度で溶解させた溶液を親液化したソース電極及びドレイン電極近傍にインクジェット塗布(富士フィルム製 Dimatix)し、150℃のホットプレート上に10分置くことで乾燥させた。このとき顕微鏡観察からポリチオフェンからなる有機半導体層(厚さ;40nm)がソース電極及びドレイン電極近傍の親液部上のみに形成されており、フォトレジストの裏返しとなる形状にパターニングされていることを確認した。
【0065】
次に、ポリチオフェンをパターニングした側の基板上に樹脂(信越化学製、KP-545)をスピンコートし、露光と加熱硬化によりゲート絶縁層(厚さ;1 μm)を形成した。さらにゲート絶縁層上にメタルマスクを介してAlを蒸着してゲート電極を形成し、トップゲート・ボトムコンタクト型構造の有機半導体素子を完成させた。
【0066】
作製した有機半導体素子をソース・ドレイン電圧−50V、ゲート電圧を20 V〜−50 Vで変化させて電流−電圧特性を測定した結果、半導体素子の移動度は0.1cm2 /Vsと見積もられた。電流−電圧特性の測定は真空中、遮光下で測定を行った。また、ソース・ドレイン電圧およびゲート電圧に−50Vを1000秒間印加し、ソース・ドレイン電流の変化を観測するバイアスストレス試験を行った。結果、1000秒後ではソース電極とドレイン電極間の電流は85%維持され、良好なバイアスストレス耐性を示した。
【符号の説明】
【0067】
1 … 基体
2 … 撥液部
3 … ソース電極
4 … ドレイン電極
5 … 遮蔽層
6 … 有機半導体素子用基板
7 … 親液部
8 … 有機半導体層
9 … ゲート絶縁層
10 … ゲート電極
11 … 基材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機半導体材料を溶媒に含有させた有機半導体層形成用溶液に対して撥液性がある撥液部を有する基体を準備する第1工程、前記基体の撥液部上に遮蔽層を形成する第2工程、前記基体の撥液部の一部を前記有機半導体層形成用溶液に対して親液性がある親液部に変性する第3工程、及び、前記第1工程、前記第2工程、または前記第3工程の後におこない、前記基体上にソース電極及びドレイン電極を形成する第4工程を有する有機半導体素子用基板の形成工程と、
前記遮蔽層を前記有機半導体素子用基板の基体の撥液部上から除去し、前記有機半導体素子用基板上に前記有機半導体層形成用溶液を塗布し、前記ソース電極及び前記ドレイン電極に接する有機半導体層を親液部上に形成する有機半導体層の形成工程と、
を有する有機半導体素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−216683(P2012−216683A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80884(P2011−80884)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】