説明

有機媒体へのポリマーディスパージョンとそれを含有する組成物

【課題】安定化ポリマーを添加しないで非水性の非シリコーン系媒体中で安定粒子を形成可能なポリマー粒子のディスパージョン及び該ディスパージョンを用いた組成物を提供する。
【解決手段】
非水性非シリコーン系有機媒体に、該媒体に不溶性である骨格と、該骨格に共有結合した側鎖からなる上記媒体に可溶性である部分とを含む少なくとも一のアクリルポリマーからなる粒子が分散したディスパージョンを調製する。上記ポリマーは、上記不溶性骨格を形成するための、少なくとも一のアクリルモノマーと、重合中に反応して上記側鎖を形成可能な末端基を含む少なくとも一の炭素ベースのマクロモノマーであって、200以上の重量平均分子量を持ちポリマーの0.05重量%から20重量%を占めるマクロモノマーとの上記媒体中でのフリーラジカル重合によって得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水性の非シリコーン系媒体へのアクリルポリマーからなる粒子の安定なディスパージョン(分散液)、並びにこれらディスパージョンの化粧品組成物における使用とこのようにして得られた組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機媒体へポリマー分子を分散させたポリマー分子ディスパージョンを、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ又はネイルラッカーのような様々な化粧品処方物中に皮膜形成剤として使用することは従来から行われている。
しかして、欧州特許出願公開第0749747号明細書は非水性媒体に不溶性であるポリマー分子のディスパージョンを含有する組成物を開示しており、そのディスパージョンは安定化ポリマーを添加することによって安定化されている。この文献に記載の安定化ポリマーは上述の不溶性ポリマーと物理的相互作用を介して非共有的に結合する。
【0003】
しかし、このタイプの組成物には次のような欠点がある:上記粒子の比較的安定なディスパージョンを得るには、不溶性ポリマー粒子に効果的に結合する量より多い量の「安定化」ポリマーを非水性媒体に添加することが必要となる。しかし、このような組成物に顔料のようなアジュバントを添加する際、安定化ポリマーの幾らかが不溶性ポリマー粒子から脱離して上記アジュバントと結合する傾向があり、このために、特にポリマー粒子間に凝集物が形成されることによって、ディスパージョンが不安定になる。
特開平11−181003号公報は、安定化ポリマーを添加しないで固形粒子を形成するのに適したポリマーを開示している。しかし、これらの粒子は非水性有機媒体中では不安定であった。
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0749747号明細書
【特許文献2】特開平11−181003号公報
【発明の開示】
【0005】
本出願人は驚いたことに安定化ポリマーを添加しないで非水性の非シリコーン系媒体中で安定粒子を形成可能な新規ポリマーを発見した。
しかして、本発明の目的の一つは、非水性の非シリコーン系有機媒体中に自己安定化した個々のポリマー粒子が分散したディスパージョンであって、例えば該ディスパージョンを室温(20℃)で一日(24時間)放置した後、目で見て不溶性沈殿物と粒子凝集物がないディスパージョンを提案することにある。
【0006】
本発明の第一の主題は、非水性非シリコーン系有機媒体に、該媒体に不溶性である骨格と、該骨格に共有結合した側鎖からなる上記媒体に可溶性である部分とを含む少なくとも一のアクリルポリマーからなる粒子が分散したディスパージョンであって、上記ポリマーが、
− 上記不溶性骨格を形成するための、少なくとも一のアクリルモノマーと;
− 重合中に反応して上記側鎖を形成可能な末端基を含む少なくとも一の炭素ベースのマクロモノマーであって、200以上の重量平均分子量を持ちポリマーの0.05重量%から20重量%を占めるマクロモノマーと;
からなる重合性混合物の上記媒体中でのフリーラジカル重合によって得ることが可能である、ディスパージョンにある。
本発明の他の主題は、化粧品的に又は製薬的に許容可能な媒体中に以下に記載するディスパージョンを含んでなる化粧品又は製薬組成物にある。
【0007】
本発明に係るディスパージョンはよって欧州特許出願公開第749747号に記載されたもののような安定化ポリマーを含んでおらず、本発明に係るポリマーは従ってそのような付加的な安定化ポリマーで表面が安定化されていない。
本発明に係るディスパージョンはよって非水性の非シリコーン系有機媒体、好ましくは液体を含有する。
上記及び以下の明細書において、「非水性有機媒体」という表現は以下に定義される一又は複数の有機又は非有機液体化合物から主としてなる媒体を意味し、該媒体は場合によっては1重量%まで水を含みうる。
【0008】
上記及び以下の明細書において、「非シリコーン系媒体」という表現は以下に定義される特に有機である一又は複数の非シリコーン系化合物を含有する媒体を意味し、該非シリコーン系化合物は、大部分を占める、つまり、媒体の全重量に対して、つまり「含まれうるシリコーン化合物+非シリコーン系有機化合物+含まれうる水」の混合物の全重量に対して、少なくとも50重量%、特に50重量%から100重量%、例えば60重量%から99重量%あるいは更には65重量%から95重量%を占める。
よって、上記媒体は、場合によっては、媒体の全重量に対して最大量で50重量%、特に0から40重量%あるいは更には1重量%から35重量%、なお更には5−30重量%で存在しうるシリコーン化合物を含有しうる。
【0009】
上記非水性非シリコーン系有機媒体中に存在しうる非水性非シリコーン系化合物としては、
− 17(MPa)1/2以下のハンセン溶解性空間の包括的溶解パラメータを有する非水性非シリコーン系液体化合物、
− 又は20(MPa)1/2以下のハンセン溶解性空間の包括的溶解パラメータを有するモノアルコール類、及び
− その混合物、
を挙げることができる。
【0010】
ハンセン溶解空間の包括的溶解パラメータδは、エリック・エー・グラルケ(Eric A. Grulke)の「ポリマーハンドブック」(第3版)のVII章、519-559頁の「溶解パラメータ値」の文献に、次の関係:
δ=(d+d+d)1/2
[上式中、
−dは、分子衝突中に誘発される双極子の形成により生じるロンドンの分散力を特性付け、
−dは、永久双極子間のデバイの相互作用の力を特性付け、
−dは、(水素結合、酸/塩基又は供与体/受容体等の)特定の相互作用の力を特性付ける]
によって定義されている。
ハンセンの溶解空間における溶媒の定義は、シー・エム・ハンセン(C.M. Hansen)の「3次元溶解パラメータ」[J. Paint Technol.39,105(1967)]の文献に記載されている。
【0011】
17(MPa)1/2以下のハンセン溶解性空間の包括的溶解パラメータを有する非水性非シリコーン系液体化合物としては、液状脂肪物質、特に、天然又は合成の、炭素ベース油、炭化水素ベース油及びフルオロ油で、分枝していてもよいものから単独で又は混合物として選択されうる油を挙げることができる。
これらの油としては、脂肪酸エステルとポリオールから形成された植物性油、特にトリグリセリド類、例えばヒマワリ油、ゴマ油又は菜種油、あるいは長鎖(つまり6から20炭素原子を含む鎖)を含むアルコール又は酸から誘導されたエステル、特にRが7から19の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表し、R'が3から20の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖を表す式RCOOR'のエステル、例えばパルミチン酸エステル、アジピン酸エステル及び安息香酸エステル、特にアジピン酸ジイソプロピルを挙げることができる。また、揮発性であってもよい直鎖状、分枝状及び/又は環状アルカン、特に流動パラフィン、流動ワセリン又は水添ポリイソブチレン、イソドデカン又は「アイソパー(Isopars)」、揮発性イソパラフィンを挙げることができる。
【0012】
17(MPa)1/2以下のハンセン溶解性空間の包括的溶解パラメータを有する液体化合物としては、特に、
− 6を越える炭素原子、特に6から30の炭素原子を含む直鎖状、分枝状又は環状エステル類;
− 6を越える炭素原子、特に6から30の炭素原子を含むエーテル類;
− 6を越える炭素原子、特に6から30の炭素原子を含むケトン類;
を挙げることができる。
【0013】
「20(MPa)1/2以下のハンセン溶解空間の包括的溶解パラメータを有するモノアルコール」という表現は、6から30の炭素原子を含む、炭化水素ベース鎖が置換基を含有していない脂肪族脂肪モノアルコールを意味する。挙げることができる本発明に係るモノアルコール類には、オレイルアルコール、デカノール、ドデカノール、オクタデカノール及びリノレイルアルコールが含まれる。
非水性非シリコーン系媒体中に少量で存在しうるシリコーン化合物としては、シリコーン油、例えばフッ化されていてもよい脂肪族及び/又は芳香族基で置換されていてもよく、又はヒドロキシル、チオール及び/又はアミン基のような官能基で置換されていてもよいポリジメチルシロキサン類及びポリメチルフェニルシロキサン類、及び特に環状である揮発性シリコーン油を挙げることができる。
【0014】
ポリマー骨格を形成するモノマーの選択、マクロモノマー、ポリマーと側鎖の分子量及びモノマーとマクロモノマーの割合の選択は、上記媒体中で安定なポリマー粒子ディスパージョンを得るように非水性非シリコーン系媒体の関数としてなされ、この選択は当業者によってなされうる。
本発明において、「安定なディスパージョン」という用語は、特に例えば4000rpmで15分間の遠心分離後に液/固相分離を生じたり又は固形沈殿物を形成することがないディスパージョンを意味する。
ディスパージョン中の粒子を形成するアクリルポリマーは、よって上記媒体に不溶性である骨格と上記媒体に可溶性である部分を含む。
これらのポリマーは様々な形態、特にランダムポリマーの形態をとりうる。
【0015】
本発明において、「アクリルポリマー」という用語は、
− 一又は複数のアクリルモノマーで、一又は複数の付加的な非アクリル系ビニルモノマーと混合されていてもよいものの、
− 一又は複数のマクロモノマーとの、
与えられた非水性非シリコーン系有機媒体中又は重合媒体中でのフリーラジカル重合によって得ることができるポリマーを意味する。
好ましくは、アクリルモノマーは、アクリルモノマー+任意成分の非アクリル系ビニルモノマーの混合物の50−100重量%、特に60−95重量%又は更には70−90重量%を占める。
好ましくは、アクリルモノマーは、ホモポリマーが考慮下の非水性有機媒体中に不溶性であるモノマー、つまりホモポリマーが上記非水性有機媒体中に室温(20℃)で5重量%以上の濃度で固形形態(又は未溶解形態)であるモノマーから選択される。
【0016】
本発明において、「マクロモノマー」という用語は、重合反応中にモノマーと反応して側鎖を形成することができる好ましくは重合性の末端基をその末端の一方のみに含むあらゆるポリマー、特にオリゴマーを意味し、上記基は骨格を構成するモノマーとフリーラジカル重合を受けることができるエチレン性不飽和基でありうる。
好ましくは、マクロモノマーは、そのホモポリマーが当該有機媒体に可溶性である、つまり上記非水性有機媒体中に室温で5重量%以上の濃度で十分に溶解するマクロモノマーから選択される。
【0017】
よって、本発明に係るポリマーは、考慮下の媒体に不溶性であるポリマーの形態であり、マクロモノマーの反応から誘導される側鎖(又はグラフト)と特に一又は複数のアクリルモノマーの重合から生じる単位、特にアクリル単位の配列からなる骨格(又は主鎖)を含み、上記側鎖は上記主鎖に共有結合している。
骨格(又は主鎖)は考慮下の媒体に不溶性である一方、側鎖(又はグラフト)は上記媒体に可溶性である。
【0018】
重合後にポリマーの不溶性骨格を構成するために使用することができるアクリルモノマーとしては、次のモノマーとその塩:
− (i)次の式(I):
【化1】

{上式中、
− Rは水素原子又はメチル基を示し;
− Rは、
− 1から6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状アルキル基であって、その鎖中にO、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を含むことができ;及び/又は−OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br又はI)及び−NR'R"(ここで、R'とR"は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状C1−C4アルキル基から選択される)から選択される一又は複数の置換基を含むことができ;及び/又は少なくとも一のポリオキシアルキレン基で5から30のオキシアルキレン単位の繰り返しからなるポリオキシアルキレン基、特にポリオキシエチレン基及び/又はポリオキシプロピレン基で置換されていてもよい基;
− 3から6の炭素原子を含む環状アルキル基であって、その鎖中にO、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を含むことができ、及び/又はOH及びハロゲン原子(F、Cl、Br又はI)から選択される一又は複数の置換基を含むことができる基;
から選択される基を表す}
の(メタ)アクリレート。
挙げることができるRの例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシポリオキシエチレン(350OE);トリフルオロエチル;2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル又はジメチルアミノプロピル基が含まれる;
− (ii)次の式:
【化2】

{上式中、
− Rは水素原子又はメチル基を示し;
− R及びRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は1から6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状アルキル基であって、−OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br又はI)及び−NR'R"(ここで、R'とR"は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状C1−C4アルキル基から選択される)から選択される一又は複数の置換基を含むことができ;あるいは
− Rは水素原子を表し、Rは1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表す}
の(メタ)アクリルアミド。
及びRを構成可能なアルキル基の例としては、n-ブチル、t-ブチル、n-プロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル及びジメチルアミノプロピルが挙げられる;
− (iii)少なくとも一のカルボン酸、リン酸又はスルホン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はアクリルアミドプロパンスルホン酸、及びその塩;
を単独で又は混合物として挙げることができる。
【0019】
最も好適なものとして挙げることができるこれらアクリルモノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、エチル、プロピル、ブチル及びイソブチル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル又はエトキシエチル;メタクリル酸トリフルオロエチル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル;ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド;及びその塩である。
【0020】
挙げることができる付加的なビニルモノマーは、
− 式R-COO-CH=CH(上式中、Rは1から6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状アルキル基、又は3から6の炭素原子を含む環状アルキル基及び/又は、例えばベンゼン、アントラセン又はナフタレンタイプの、芳香族基を表す)のビニルエステル;
− 少なくとも一のカルボン酸、リン酸又はスルホン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、例えば、クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸又はビニルリン酸、及びその塩;
− 少なくとも一の第3級アミン官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、例えば2-ビニルピリジン又は4-ビニルピリジン、
及びその混合物である。
【0021】
挙げることができる塩は、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化アンモニウム、又は有機塩基、例えばアルカノールアミン類、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン又は2−メチル−2−アミノ−1−プロパノールとの酸基の中和によって得られるものである。
例えば無機又は有機酸を用いて、第3級アミン基の中和によって形成されるものをまた挙げることができる。挙げることができる無機酸は硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸及びホウ酸である。挙げることができる有機酸は、一又は複数のカルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸基を含む酸である。それらは直鎖状、分枝状又は環状脂肪酸、あるいは芳香族酸でありうる。これらの酸はOとNから選択される一又は複数のヘテロ原子を、例えばヒドロキシル基の形態で含んでいてもよい。有機酸の例には、クエン酸、酒石酸、プロピオン酸、酢酸及びテレフタル酸が含まれる。
【0022】
これらの非重合アクリルモノマーは考慮下の媒体に可溶性であってもよいが、適切な量での重合後には不溶性になり、その後、本発明の目的である固形ポリマー粒子のディスパージョンが形成される。
反応後に本発明のポリマーの側鎖を構成するマクロモノマーは、重合中にアクリル及びビニルモノマーと反応して上記鎖を形成することができる末端基を鎖末端に含み、上記重合性末端基は特にビニル又は(メタ)アクリロイルオキシ基(アクリレート又はメタクリレート)である。
【0023】
マクロモノマーは好ましくは炭化水素ベースのマクロモノマー、特にホモポリマーが25℃以下、特に−100℃から25℃の範囲、好ましくは−80℃から0℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を持つものから選択される。
好ましくは、本発明に係るマクロモノマーは、200から100000、好ましくは300から50000、特に500から20000、より好ましくは800から10000、例えば1000から6000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0024】
特に、次のものを挙げることができる:
− (i)ビニル又は(メタ)アクリロイルオキシ基から選択される末端基を含む直鎖状又は分枝状のアクリル酸又はメタクリル酸C6−C22、好ましくはC8−C18の、アルキルのホモポリマー及びコポリマー、特に、
− モノアクリレート又はモノメタクリレート末端基を持つポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)マクロモノマー;
− モノアクリレート又はモノメタクリレート末端基を持つポリ(アクリル酸ドデシル)又はポリ(メタクリル酸ドデシル)マクロモノマー;
− モノアクリレート又はモノメタクリレート末端基を持つポリ(アクリル酸ステアリル)又はポリ(メタクリル酸ステアリル)マクロモノマー;
このようなマクロモノマーは特に欧州特許第895467号及び欧州特許第96459号、及び文献Gillman K.F. Polymer Letters, Vol 5, p477-481 (1967)の教唆に従って調製することができる;
− (ii)ビニル又は(メタ)アクリロイルオキシ基タイプのエチレン性不飽和末端基を含むポリオレフィン、特に、
− ポリエチレンマクロモノマー、ポリプロピレンマクロモノマー、ポリイソブチレンマクロモノマー及びポリブタジエンマクロモノマーで;これら全てのマクロモノマーはモノアクリレート又はモノメタクリレート末端基を含む;
− モノアクリレート又はモノメタクリレート末端基を含むポリイソプレンマクロモノマー;
− モノアクリレート又はモノメタクリレート末端基を含むポリ(エチレン/ブチレン)-ポリイソプレンマクロモノマー;
− モノアクリレート又はモノメタクリレート末端基を含むポリエチレン/ポリプロピレンコポリマー又はポリエチレン/ポリブチレンコポリマーのマクロモノマー。
このようなマクロモノマーは、特に、(メタ)アクリレート反応性末端基を含むエチレン/ブチレン及びエチレン/プロピレンマクロモノマーを記載する欧州特許出願公開第1347013号又は米国特許第5625005号に記載されている。
【0025】
そのようなマクロモノマーは次の式:
【化3】

(上式中、R1、R2及びR3は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は1から16、好ましくは1から6の炭素原子を含む直鎖状、環状又は分枝状アルキル基を表し;
Xはエチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシド部分を含む基を表す)
によって表されうる。
特に、Kraton Polymers社によってKraton Liquid L-1253なる名称で販売されているポリ(エチレン/ブチレン)を挙げることができる。
マクロモノマーは、好ましくは、上記ポリマーの全重量に対して1重量%から18重量%、好ましくは2重量%から16重量%、更に好ましくは4重量%から15重量%、更には6重量%から12重量%、最も好ましくは8重量%から10重量%の割合で本発明のポリマー中に存在する。
【0026】
本発明において特に好適なポリマーは、次のものの重合によって得られるものである:
− イソドデカン、イソノナン酸イソノニル、オクチルドデカノール、リンゴ酸ジイソステアリル又は安息香酸C12−C15アルキル(例えばFinsolv TN)のような溶媒中での、メタクリレート末端基を含むポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマーとアクリル酸メチルモノマー;
− イソドデカンのような溶媒中での、メタクリレート末端基を含むポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマーとアクリル酸メトキシエチルモノマー;
− イソドデカンのような溶媒中での、メタクリレート末端基を含むポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマーとアクリル酸メチル/メタクリル酸メチルモノマーの混合物;
− イソドデカンのような溶媒中での、メタクリレート末端基を含むポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマーとアクリル酸メチル/アクリル酸モノマーの混合物;
− イソドデカンのような溶媒中での、メタクリレート末端基を含むポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマーとアクリル酸メチル/メタクリル酸ジメチルアミノエチルモノマーの混合物;
− イソドデカンのような溶媒中での、メタクリレート末端基を含むポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマーとアクリル酸メチル/メタクリル酸2-ヒドロキシエチルモノマーの混合物。
ポリマーの重量平均分子量(Mw)は好ましくは10000から300000の間、特に20000と200000の間、更には25000と150000の間である。
【0027】
与えられた非シリコーン系有機媒体中における上述の特性によって、ポリマーはそれ自身の上に折り畳まれる能力を持っており、よって実質的に球状の形状の固形粒子を形成し、これら粒子の周囲には分散した側鎖があり、それがこれら粒子の安定性を担保する。本発明のポリマーの特性から生じるこのような粒子が、上記媒体中で凝集せず、よって自己安定化し、特に安定なポリマー粒子ディスパージョンを形成するという特定の特徴を有している。
特に、本発明に係るポリマーは10から400nm、好ましくは20から200nmの範囲の平均粒径を有するナノメータサイズの固形粒子を形成することができる。
【0028】
この非常に小さいサイズのために、ディスパージョンの成分の一部を形成する固形粒子は特に安定であり、よって凝集する恐れは殆どない。
よって、本発明のディスパージョンは、考慮下の媒体中で安定であり、長い期間の間(例えば24時間)室温(25℃)に置かれたとき沈殿を形成しないディスパージョンである。
好ましくは、粒子ディスパージョンは、固形物40重量%から70重量%、特に45重量%から65重量%の固形含量(又は乾燥抽出物)を持つ。
【0029】
上記ポリマー又は上記ポリマー粒子ディスパージョンは、上述した一又は複数のマクロモノマーと上述した一又は複数のアクリルモノマーの、上述の定義に対応する媒体中でのフリーラジカル共重合を実施することからなる工程を含む方法によって調製することができる。
共重合は重合開始剤の存在下で常套的に実施することができる。重合開始剤はフリーラジカル開始剤でありうる。一般に、そのような重合開始剤は有機過酸化化合物、例えば過酸化ジラウロイル、過酸化ジベンゾイル又はペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル;ジアゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル又はアゾビスジメチルバレロニトリルから選択することができる。
【0030】
反応はまた光開始剤を使用して又はUV又は中性子のような放射線又はプラズマで、開始させることができる。
一般に、このプロセスを実施するには、非水性非シリコーン系媒体の少なくとも一部、重合後に不溶性骨格を構成するアクリル及び/又は付加的モノマーの一部、マクロモノマーの全部(ポリマーの側鎖を構成)及び重合開始剤の一部を、そのサイズが調製するポリマー量に適した反応器中に導入する。この導入段階で反応媒体は比較的均質な媒体を形成する。
【0031】
ついで反応媒体を攪拌し所定の温度まで加熱してモノマーとマクロモノマーの重合を達成する。所定の時間後、最初は均一で透明な媒体は乳白色の外観のディスパージョンになる。ついで、重合開始剤とモノマーの残りの部分からなる混合物を添加する。十分な時間、攪拌しながら混合物を加熱すると、媒体は乳白色のディスパージョン形態で安定化し、ディスパージョンはつくり出された安定化したポリマー粒子を媒体中に含み、上記安定化は上記媒体に可溶性である側鎖の存在による。有機媒体とは異なる重合媒体中でポリマー粒子ディスパージョンを調製することもでき、その媒体は、重合後に、本発明に係る非水性有機媒体によって更に置き換えられる。
【0032】
本発明に係るポリマー粒子ディスパージョンはあらゆるタイプの組成物、特に化粧品的に又は製薬的に許容可能な媒体を含有する化粧品又は製薬組成物、例えば皮膚又はケラチン物質用のケア、クレンジング又はメークアップ組成物、ヘアケア組成物又は抗日光組成物に使用することができる。
ディスパージョンは組成物中に3重量%から95重量%、特に4−90重量%又は更には20−70重量%の割合で存在しうる。好ましくは、組成物は、組成物の全重量に対して、0.5重量%から25重量%、特に1重量%から20重量%、より特定的には4重量%から17重量%、最も好ましくは5重量%から15重量%の乾燥物質の本発明のポリマーを含有する。
【0033】
望まれる用途に応じて、組成物は化粧品又は製薬的組成物に通常導入されるアジュバントを含みうる。
挙げることができるこれらのアジュバントは、脂肪物質、特にロウ、油、ガム及び/又はペースト状脂肪物質で、炭化水素ベース及び/又はシリコーンベースであるもの;及び粉状化合物、例えば顔料、フィラー及び/又は真珠光沢剤である。
本発明に係る組成物中に存在しうるロウとしては、炭化水素ベースのロウ、例えばミツロウ;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オーリクリーロウ(ouricury wax)、モクロウ、コルク繊維ロウ又はサトウキビロウ、パラフィン、褐炭ロウ;マイクロクリスタリンワックス;ラノリンロウ;モンタンロウ;オゾケライト;ポリエチレンロウ;フィッシャー-トロプシュ合成により得られるロウ;水添油、25℃で固体のグリセリド及び脂肪エステルを、単独で又は混合物として挙げることができる。また、シリコーンロウを使用することもでき、このようなものとしては、アルキル及びアルコキシポリメチルシロキサン、及び/又はポリメチルシロキサンエステルを挙げることができる。
【0034】
本発明に係る組成物中に存在しうる油としては、炭化水素ベースの油、例えば流動パラフィン又は流動ワセリン;ペルヒドロスクワレン;アララ油;スイートアルモンド油、美葉(beauty-leaf)油、パーム油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリブ油又は穀類胚芽油;ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸又はステアリン酸のエステル類;アルコール類、例えばオレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イソステアリルアルコール又はオクチルドデカノールを単独で又は混合物として挙げることができる。またシリコーン油、例えばフェニル化されていてもよいPDMS類、特にフェニルトリメチコーンを挙げることもできる。揮発性油、例えば、シクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、メチルヘキシルジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン又はイソパラフィン類が挙げられる。
【0035】
顔料は白色又は有色で、無機及び/又は有機でありうる。無機顔料としては、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム又は二酸化セリウム、並びに、酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、及びフェリックブルーを挙げることができる。有機顔料としては、カーボンブラック及びバリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムのレーキ類を挙げることができる。
真珠光沢剤は、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、並びに有色のチタンマイカから選択することができる。
【0036】
フィラーは、ラメラ状又は非ラメラ状で、無機又は有機のものとできる。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、テフロン(登録商標)、デンプン、チタンマイカ、天然真珠光沢剤、窒化ホウ素、中空ミクロスフィア、例えばエクスパンセル(ノーベルインダストリー社)、ポリトラップ(Polytrap)(ダウコーニング社)及びシリコーン樹脂マイクロビーズ(例えば東芝のトスパール(Tospearls))を挙げることができる。
【0037】
組成物はまた化粧品に通常使用されている任意の添加剤、例えば、抗酸化剤、香料、精油、保存料、化粧品活性剤、保湿剤、ビタミン類、必須脂肪酸、スフィンゴ脂質、サンスクリーン剤、界面活性剤、脂溶性ポリマー、例えばポリアルキレン類、特にポリブテン、ポリアクリレート類及びシリコーンポリマーで脂肪物質と相容性のものを更に含みうる。言うまでもなく、当業者であれば、考えられる添加により、本発明に係る組成物の有利な特性が悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、この又はこれらの任意の更なる化合物及び/又はその量を選択するであろう。
【0038】
本発明に係る組成物は、化粧品、衛生又は製薬組成物に対して許容され一般的であるあらゆる形態をとり得、特に、水中油型又は油中水型エマルション、ローション、ムース又はスプレーの形態をとりうる。
本発明が好ましい標的とする用途としては、特に、
− ヘアケア製品(毛髪の洗浄、ケア又は美容)の分野、本発明に係る組成物は特にエアーゾル、ムース、シャンプー、コンディショナー、スタイリング又はトリートメントローション又はゲル、及びシェーピング、ヘアセット又は固定ラッカー又はローションの形態である;
− メークアップ製品、特に睫毛のメークアップの分野、該組成物はマスカラ又はアイライナー;口紅、リップグロス、ファンデーション、メークアップルージュ又はアイシャドウの形態である;
− 身体の皮膚及び顔の皮膚のためのケア製品、特に抗日光製品又は日焼け用製品の分野、
を挙げることができる。
本発明の主題はまた皮膚、頭皮、睫毛、眉、唇又は爪のようなケラチン物質のためのケア、クレンジング及び/又はメークアップのための美容処理方法であって、上述の組成物を上記ケラチン物質に適用することからなる方法である。
【実施例】
【0039】
以下に、本発明を、非限定的な例証のために記載する次の実施例によって更に詳細に説明する。
本実施例は、所定の媒体への粒子ディスパージョンを形成可能な本発明に係るポリマーの調製を例証する。
これらの実施例では、ポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)、ポリマーのガラス転移温度、ディスパージョンの固形含量(又は乾燥抽出物)及びポリマー粒子のサイズが、上記ディスパージョンの調製後に測定される。
重量平均(Mw)及び数平均(Mn)分子量は、ゲル透過液体クロマトグラフィー(THF溶媒、線形ポリスチレン標準物を用いて樹立した検量線、屈折検出器)によって測定される。
【0040】
ガラス転移温度(Tg)の測定は示差熱分析(DSC「示差走査熱量測定法」)によってASTM規格D3418−97に従って、150μlのアルミニウム坩堝中、10℃/分の加熱速度で−100℃と+150℃の間の温度範囲に対して熱量計にて実施される。
坩堝は次のようにして準備される:100μlの得られたディスパージョンを150μlのアルミニウム坩堝中に導入し、溶媒を室温及び50%RHにて24時間にわたって蒸発させる。操作を繰り返した後、坩堝をMettlerDSC30熱量計中に導入する。
固形含量(又は乾燥抽出物)、つまり非揮発性物質の量は、様々な方法で測定することができる:例えばオーブン乾燥による方法又は赤外線にさらすことによって乾燥させる方法を挙げることができる。
【0041】
固形含量は、好ましくは、2μmから3.5μmの波長の赤外線によって試料を加熱することによって測定する。高蒸気圧を有する組成物中に含まれる物質はこの照射の作用によって蒸発する。試料の重量損失を測定すると組成物の乾燥抽出物を測定することができる。これらの測定はMettlerから市販のLP16赤外線乾燥器を用いて実施される。この方法はMettlerによって供給される機器の説明書に詳細に記載されている。
測定プロトコールは次の通りである:約1gの組成物を金属カップ上に広げる。乾燥器にこのカップを導入し、120℃の名目温度に1時間さらす。初期質量に相当する試料の湿式質量と、照射に暴露した後の質量に対応する試料の乾燥質量を、精密天秤を用いて測定する。
固形含量は、次の式:
乾燥抽出物=100x(乾燥質量/湿潤質量)
によって計算される。
【0042】
粒子径は様々な方法によって測定することができる;特に光散乱式技術(動的及び静的)、コールター(Coulter)カウンター法、沈降速度測定法(ストークスの法則による粒径に関連)及び顕微鏡を挙げることができる。これらの技術により粒子の直径と、その幾つかの方法では粒径分布を測定することができる。
本発明に係る組成物中の粒子の粒径と粒径分布は、好ましくは、Malvern社のMasterSizer2000のような市販の粒度計を用いて静電光散乱法によって測定される。データはMie散乱理論をベースとして処理される。この理論は、等方性の粒子に対して正確であり、非球状粒子の場合には「有効」粒子径を決定することができる。この理論は特にVan de Hulst, H.C.,「Light Scattering by Small Particles」9章及び10章, Wiley, New York, 1957の刊行物に記載されている。
【0043】
組成物は次の式:
【数1】

(上式中、Vは有効直径dの粒子の体積を表す)
で定義される体積D[4.3]によるその平均「有効」直径によって特徴付けられる。このパラメータは特に粒度計の技術文献に記載されている。
【0044】
測定は次のようにして組成物から得られる希釈粒子ディスパージョンで25℃にて実施される:1)水での100倍希釈、2)溶液の均質化、3)18時間溶液を静置、4)やや白い均一な上清の回収。
「有効」直径は水の屈折率を1.33とし、粒子の平均屈折率を1.42とすることにより得られる。
【0045】
実施例1
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、200gのイソドデカン、28gのアクリル酸メチル、Mw=4000のメタクリレートモノ末端基を含む12gのポリエチレン/ポリブチレンオリゴマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、160gのアクリル酸メチルと2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、イソドデカンへのポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0046】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:119212
− 数平均分子量Mn:31896
− 多分散性指数(Mw/Mn)=3.74
− ガラス転移:MettlerDSCにて10℃
− 乾燥抽出物:熱バランスによって実施して、イソドデカン中49.8%
− 粒子径:Malvern Autosizer Lo-Cを用いて25℃で実施して、0.05の多分散性で46nm。
マクロモノマーはポリマー重量に対して6重量%を占める。
得られたディスパージョンの安定性を次の安定性プロトコールを実施することによって証明した:8mlの調製したディスパージョンを溶血チューブに入れ、Jouan C100-S5遠心分離器を用いて4000rpmで15分遠心分離した。15分後、相分離がないことが観察され、ディスパージョンが安定であることが証明された。
【0047】
実施例2
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メトキシエチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
75gのヘプタン、50gのイソドデカン、12.75gのアクリル酸メトキシエチル、Mw=4000のメタクリレートモノ末端基を含む2.25gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び0.8gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox21S)を500mlの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観への反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、35gのアクリル酸メトキシエチルと0.5gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、イソドデカン中においてこのようにして調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0048】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:71200
− 数平均分子量Mn:19300
− 多分散性指数(Mw/Mn)=3.7
− ガラス転移:MettlerDSCにて−40℃
− 乾燥抽出物:熱バランスによって実施して、イソドデカン中56.4%
− 粒子径:Malvern Autosizer Lo-Cを用いて25℃で実施して、0.05の多分散性で91.4nm。
マクロモノマーはポリマー重量に対して4.5重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0049】
実施例3
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、200gのイソノナン酸イソノニル、28gのアクリル酸メチル、メタクリレートモノ末端基を含む12gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、160gのアクリル酸メチルと2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、イソノナン酸イソノニル中においてこのようにして調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0050】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:98909
− 数平均分子量Mn:25731
− 多分散性指数(Mw/Mn)=3.84
− ガラス転移:MettlerDSCにて12℃
− 乾燥抽出物理論値:イソノナン酸イソノニル中50%
− 粒子径:Malvern Autosizer Lo-Cを用いて25℃で実施して、0.04の多分散性で220nm。
マクロモノマーはポリマー重量に対して6重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0051】
実施例4
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、Finsolv TNとして更に一般に知られている200gの安息香酸C12−C15アルキル、28gのアクリル酸メチル、メタクリレートモノ末端基を含む12gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、160gのアクリル酸メチルと2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、安息香酸C12−C15アルキル(Finsolv TN)中においてこのようにして調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0052】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:93984
− 数平均分子量Mn:29923
− 多分散性指数(Mw/Mn)=3.14
− ガラス転移:MettlerDSCにて12℃
− 乾燥抽出物理論値:安息香酸C12−C15アルキル(Finsolv TN)中50%
− 粒子径:Malvern Autosizer Lo-Cを用いて25℃で実施して、0.04の多分散性で50nm。
マクロモノマーはポリマー重量に対して6重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0053】
実施例5
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、200gのオクチルドデカノール、28gのアクリル酸メチル、メタクリレートモノ末端基を含む12gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、160gのアクリル酸メチルと2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、このようにしてオクチルドデカノール中で調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0054】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:95375
− 数平均分子量Mn:20109
− 多分散性指数(Mw/Mn)=4.74
− ガラス転移:MettlerDSCにて12℃
− 乾燥抽出物理論値:オクチルドデカノール中50%
マクロモノマーはポリマー重量に対して6重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0055】
実施例6
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、200gのリンゴ酸ジイソステアリル、28gのアクリル酸メチル、メタクリレートモノ末端基を含む12gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、160gのアクリル酸メチルと2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、このようにしてリンゴ酸ジイソステアリル中で調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0056】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:120224
− 数平均分子量Mn:32665
− 多分散性指数(Mw/Mn)=4.74
− ガラス転移:MettlerDSCにて12℃
− 乾燥抽出物理論値:リンゴ酸ジイソステアリル中50%
マクロモノマーはポリマー重量に対して6重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0057】
実施例7
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、メタクリル酸メチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、200gのイソドデカン、24gのアクリル酸メチル、メタクリレートモノ末端基を含む16gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、120gのアクリル酸メチルと40gのメタクリル酸メチルと2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、このようにしてイソドデカン中で調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0058】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:156900
− 数平均分子量Mn:19200
− 多分散性指数(Mw/Mn)=8.15
− ガラス転移:MettlerDSCにて35℃
− 乾燥抽出物理論値:イソドデカン中53.2%
マクロモノマーはポリマー重量に対して8重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0059】
実施例8
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、アクリル酸と、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、200gのイソドデカン、28gのアクリル酸メチル、メタクリレートモノ末端基を含む12gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、150gのアクリル酸メチルと10gのアクリル酸と2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、このようにしてイソドデカン中で調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0060】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:143639
− 数平均分子量Mn:23965
− 多分散性指数(Mw/Mn)=5.99
− 乾燥抽出物理論値:イソドデカン中51.3%
− 粒子径:Malvern Autosizer Lo-Cを用いて25℃で実施して、0.04の多分散性で48nm。
マクロモノマーはポリマー重量に対して6重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0061】
実施例9
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、200gのイソドデカン、24gのアクリル酸メチル、メタクリレートモノ末端基を含む16gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、120gのアクリル酸メチルと40gのメタクリル酸2-ヒドロキシエチルと2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、このようにしてイソドデカン中で調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0062】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 重量平均分子量Mw:178500
− 数平均分子量Mn:29700
− 多分散性指数(Mw/Mn)=6.01
− 乾燥抽出物理論値:イソドデカン中49.8%
マクロモノマーはポリマー重量に対して8重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0063】
実施例10
この実施例は炭素ベースの溶媒への粒子ディスパージョンを形成するポリマーの調製を例証し、該ポリマーは、アクリル酸メチルと、メタクリル酸ジメチルアミノエチルと、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L−1253)の重合によって得られる。
200gのヘプタン、200gのイソドデカン、24gのアクリル酸メチル、メタクリレートモノ末端基を含む16gのポリエチレン/ポリブチレンコポリマータイプのマクロモノマー(Kraton L−1253)及び3.2gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に仕込んだ。
反応混合物を攪拌し1時間かけて室温から90℃に加熱した。90℃で15分経つと、透明な外観から乳白色の外観へ変わる反応媒質の外観変化が観察された。攪拌をしながらの加熱を更に15分間継続した後、140gのアクリル酸メチルと20gのメタクリル酸ジメチルアミノエチルと2gのTrigonox21Sからなる混合物を1時間かけて滴下した。
ついで90℃で4時間加熱した後、反応媒質からヘプタンを蒸留した。この蒸留操作後、このようにしてイソドデカン中で調製されたポリマー粒子の安定なディスパージョンが得られた。
【0064】
ポリマーと該ポリマーによって形成された粒子の特性は次のとおりである:
− 乾燥抽出物理論値:イソドデカン中51.6%
マクロモノマーはポリマー重量に対して8重量%を占める。
実施例1の安定性プロトコールを実施したところ、得られたディスパージョンは安定であることが分かった。
【0065】
実施例11:マスカラ組成物
以下の組成を有するマスカラを調製した:
ミツロウ 8g
パラフィンロウ 3g
カルナウバロウ 6g
塩化ジステアリルジメチルベンジルアンモニウム 5.3g
で変性されたヘクトライト
(ElementisのBentone(登録商標)38V)
炭酸プロピレン 1.7g
フィラー 1g
顔料 5g
実施例4のポリマーディスパージョン 12g乾燥物質
イソドデカン 合計100gにする量
睫毛に塗布したところ、マスカラは非常に満足できるものであった。
【0066】
実施例12:口紅スティック
以下の口紅組成物を調製した:
ポリエチレンロウ 15%
実施例3のポリマーディスパージョン 10%AM*
水添ポリイソブテン(日本油脂のパールリーム) 26%
顔料 8.6%
イソドデカン 合計100gにする量
AM*:活性物質
唇に塗布したところ、得られた組成物は良好な化粧品特性を示した。
【0067】
実施例13:W/Oファンデーション
以下の化合物を含有するファンデーション組成物を調製した:
A相 セチルジメチコーンコポリオール 3g
(ゴールドシュミット社のAbil EM90)
コハク酸イソステアリルジグリセリル 0.6g
(Condea社のImwitor780K)
イソドデカン 18.5g
顔料(疎水性酸化鉄及び酸化チタン) 10g
実施例2のポリマーディスパージョン 8.7gAM
ポリアミド粉末(デュポンのナイロン-12) 8g
香料 適量
B相 水 計100gにする量
硫酸マグネシウム 0.7g
保存料(メチルパラベン) 適量
C相 水 2g
保存料(ジアゾリニル尿素) 適量
得られた組成物は良好な化粧品特性を示した。
【0068】
実施例14
以下の組成を有する圧密化パウダーを調製した:
組成物A:
− タルク 30g
− オキシ塩化ビスマス 10g
− ステアリン酸亜鉛 4g
− ナイロン粉末 20g
− 実施例1のディスパージョン 5g
組成物B:
− 酸化鉄 2g
− 流動ワセリン 6g
このパウダーは次のようにして得た:組成物Aを穏やかに攪拌しながらケンウッドミルで約5分間粉砕し、組成物Bを添加し、混合物を同じ速度で約2分間粉砕した後、更に高速で3分間粉砕した。ついで、調製物を0.16mmスクリーンを用いて篩にかけた後、この混合物をディシュに圧密化した。
良好な化粧品特性を持つ圧密化パウダーが得られた。
得られた組成物は塗布が容易で快適であった。数時間つけた後でさえ、皮膜は皮膚の細かいシワの中に入り込まないことが分かった。
【0069】
実施例15:フェイシャルゲル
以下の組成物を調製した:
・パルミチン酸イソプロピル 10g
・流動ワセリン(ロウ) 5g
・変性ヘクトライト(クレー) 0.15g
・オゾケライト(ロウ) 5g
・オキシエチレン化セプタオレイン酸 5g
ソルビタン(40OE)
・実施例4のディスパージョン(25%固形物) 75g
良好な化粧品特性を持つゲルを得た。
【0070】
実施例16:手入れ用オイル
以下の組成物を調製した:
・実施例3のディスパージョン(25%固形物) 70g
・ホホバ油 15g
・大豆油 15g
ボディ又はフェースに塗布できる手入れ用オイルが得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水性非シリコーン系有機媒体に、該媒体に不溶性である骨格と、該骨格に共有結合した側鎖からなる上記媒体に可溶性である部分とを含む少なくとも一のアクリルポリマーからなる粒子が分散したディスパージョンであって、上記ポリマーが、
− 上記不溶性骨格を形成するための、少なくとも一のアクリルモノマーと;
− 重合中に反応して上記側鎖を形成可能な末端基を含む少なくとも一の炭素ベースのマクロモノマーであって、200以上の重量平均分子量を持ちポリマーの0.05重量%から20重量%を占めるマクロモノマーと;
の上記媒体中でのフリーラジカル重合によって得られ、かつ、前記粒子が10から400nmの範囲の平均粒径を有する、ディスパージョン。
【請求項2】
非水性非シリコーン系有機媒体は、少なくとも50重量%が、
− 17(MPa)1/2以下のハンセン溶解性空間による包括溶解性パラメータを持つ非水性非シリコーン系液体化合物、
− 又は20(MPa)1/2以下のハンセン溶解性空間による包括溶解性パラメータを持つモノアルコール類、及び
− それらの混合物、
から選択される、少なくとも一の非水性非シリコーン系液体化合物からなる請求項1に記載のディスパージョン。
【請求項3】
17(MPa)1/2以下のハンセン溶解性空間による包括溶解性パラメータを持つ非水性非シリコーン系液体化合物が、単独での又は混合物としての、天然又は合成の、炭素ベース油、炭化水素ベース油及びフルオロ油;揮発性であってもよい直鎖状、分枝状及び/又は環状アルカン;エステル類;ケトン類;エーテル類から選択される請求項2に記載のディスパージョン。
【請求項4】
20(MPa)1/2以下のハンセン溶解性空間による包括溶解性パラメータを持つモノアルコール類が、6から30の炭素原子を含む、炭化水素ベース鎖が置換基を含有していない脂肪族脂肪モノアルコールから選択される請求項2に記載のディスパージョン。
【請求項5】
アクリルモノマーが、次のモノマーとその塩:
− (i)次の式(I):
【化1】

{上式中、
− Rは水素原子又はメチル基を示し;
− Rは、
− 1から6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状アルキル基であって、その鎖中にO、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を含むことができ;及び/又は−OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br又はI)及び−NR'R"(ここで、R'とR"は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状C1−C4アルキル基から選択される)から選択される一又は複数の置換基を含むことができ;及び/又は少なくとも一のポリオキシアルキレン基で5から30のオキシアルキレン単位の繰り返しからなるポリオキシアルキレン基で置換されていてもよい基;
− 3から6の炭素原子を含む環状アルキル基であって、その鎖中にO、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を含むことができ、及び/又はOH及びハロゲン原子(F、Cl、Br又はI)から選択される一又は複数の置換基を含むことができる基;
から選択される基を表す}
の(メタ)アクリレート;
− (ii)次の式:
【化2】

{上式中、
− Rは水素原子又はメチル基を示し;
− R及びRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は1から6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状アルキル基であって、−OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br又はI)及び−NR'R"(ここで、R'とR"は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状C1−C4アルキル基から選択される)から選択される一又は複数の置換基を含むことができ;あるいは
− Rは水素原子を表し、Rは1,1−ジメチル−3−オキソブチル基を表す}
の(メタ)アクリルアミド;
− (iii)少なくとも一のカルボン酸、リン酸又はスルホン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー;
から単独で又は混合物として選択される請求項1ないし4の何れか1項に記載のディスパージョン。
【請求項6】
アクリルモノマーが、(メタ)アクリル酸メチル、エチル、プロピル、ブチル及びイソブチル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル又はエトキシエチル;メタクリル酸トリフルオロエチル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル;ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド;及びその塩から選択される請求項5に記載のディスパージョン。
【請求項7】
アクリルポリマーが、一又は複数の付加的な非アクリル系ビニルモノマーとの混合物として一又は複数のアクリルモノマーをフリーラジカル重合させることによって得ることができる請求項1ないし6の何れか1項に記載のディスパージョン。
【請求項8】
付加的なビニルモノマーが、
− 式R-COO-CH=CH(上式中、Rは1から6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状アルキル基、又は3から6の炭素原子を含む環状アルキル基及び/又は芳香族基を表す)のビニルエステル;
− 少なくとも一のカルボン酸、リン酸又はスルホン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー;
− 少なくとも一の第3級アミン官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、
及びその混合物;
から選択される請求項7に記載のディスパージョン。
【請求項9】
反応後にポリマーの上記側鎖を構成するマクロモノマーが、(メタ)アクリロイルオキシ基(アクリレート又はメタクリレート)から選択される末端基を鎖末端に含む請求項1ないし8の何れか1項に記載のディスパージョン。
【請求項10】
マクロモノマーが200から100000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する請求項1ないし9の何れか1項に記載のディスパージョン。
【請求項11】
マクロモノマーが、
− (i)(メタ)アクリロイルオキシ基から選択される末端基を含む直鎖状又は分枝状のアクリル酸又はメタクリル酸C6−C22アルキルのホモポリマー及びコポリマー;
− (ii)(メタ)アクリロイルオキシ基タイプのエチレン性不飽和末端基を含むポリオレフィン
から選択される請求項1ないし10の何れか1項に記載のディスパージョン。
【請求項12】
マクロモノマーが上記ポリマーの全重量に対して2重量%から16重量%の割合でポリマー中に存在する請求項1ないし11の何れか1項に記載のディスパージョン。
【請求項13】
ポリマーの重量平均分子量(Mw)が10000から300000の間である請求項1ないし12の何れか1項に記載のディスパージョン。
【請求項14】
固形物40重量%から70重量%の固形含量(又は乾燥抽出物)である請求項1ないし13の何れか1項に記載のディスパージョン。
【請求項15】
化粧品的に又は製薬的に許容可能な媒体中に請求項1ないし14の何れか1項に記載のディスパージョンを含む化粧品又は製薬組成物。
【請求項16】
ディスパージョンが組成物中に3重量%から95重量%の割合で存在する請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
ロウ、油、ガム及びペースト状脂肪物質で、炭化水素ベース又はシリコーンベースであるものから選択される脂肪物質;及び/又は顔料、フィラー及び/又は真珠光沢剤等の粉状化合物;及び/又は抗酸化剤、香料、精油、保存料、化粧品活性剤、保湿剤、ビタミン類、必須脂肪酸、スフィンゴ脂質、サンスクリーン剤、界面活性剤、脂溶性ポリマーを更に含む請求項15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
皮膚又はケラチン物質のためのケア、クレンジング又はメークアップ組成物、ヘアケア組成物又は抗日光組成物の形態である請求項15ないし17の何れか1項に記載の組成物。
【請求項19】
皮膚、頭皮、睫毛、眉、唇及び爪等のケラチン物質をケアし、クレンジングし、及び/又はメークアップするための美容処理方法において、請求項15ないし18の何れか1項に記載の組成物を上記ケラチン物質に適用することからなる方法。

【公開番号】特開2008−138214(P2008−138214A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335931(P2007−335931)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【分割の表示】特願2003−415753(P2003−415753)の分割
【原出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】