説明

有機薄膜の製造方法、積層体及び基板

【課題】真空中で、有機薄膜層と無機薄膜層が積層され、該有機薄膜層中への異物の混入が抑制された積層体の提供。
【解決手段】真空中でイオン液体モノマーを重合させて成膜することを特徴とする有機薄膜の製造方法;かかる製造方法で得られた有機薄膜層13と、無機薄膜層(第一の無機薄膜層12及び第二の無機薄膜層14)とが積層されたことを特徴とする積層体1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いたフレキシブル照明、有機薄膜太陽電池、液晶ディスプレイ、医薬品の包装容器等への適用に好適な積層体及び基板、並びにこれらへの使用に好適な有機薄膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子や有機薄膜太陽電池等の電子デバイス用のガスバリア性フィルムには、飲食品、化粧品、洗剤等の各種物品の充填包装に使用するガスバリア性フィルムよりも、ガスを遮断する能力が高いハイバリア性を有することが求められる。
このようなハイバリア性を有するガスバリア性フィルムとして従来は、例えば、真空環境下で、有機薄膜層と無機薄膜層が積層された積層体が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2002−532850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のガスバリア性フィルムは、真空チャンバー内でフラッシュ蒸着等を行う真空蒸着で有機薄膜層を成膜して製造しており、原料である有機化合物の蒸気が真空チャンバー内で拡散し、その結果、微細な異物(パーティクル)が生じて、これが有機薄膜層中に混入してしまうという問題点があった。このような異物が混入した薄膜を有する積層体は、ガスバリア性フィルムをはじめ、フィルムとして種々の用途に適さないものとなってしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、真空中で、有機薄膜層と無機薄膜層が積層され、該有機薄膜層中への異物の混入が抑制された積層体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、
本発明は、真空中でイオン液体モノマーを重合させて成膜することを特徴とする有機薄膜の製造方法を提供する。
本発明の有機薄膜の製造方法においては、前記重合がラジカル重合であることが好ましい。
本発明の有機薄膜の製造方法においては、前記イオン液体モノマーがイミダゾリウム系カチオンを含むことが好ましい。
本発明の有機薄膜の製造方法においては、前記イオン液体モノマーが、アクリレート骨格又はスチレン骨格をカチオン部に有することが好ましい。
また、本発明は、上記本発明の製造方法で得られた有機薄膜層と、無機薄膜層とが積層されたことを特徴とする積層体を提供する。
また、本発明は、樹脂基材上に、無機薄膜層及び透明導電膜層が積層され、これら層の間にさらに有機薄膜層が積層された積層体であって、前記有機薄膜層が上記本発明の製造方法で得られたものであることを特徴とする積層体を提供する。
また、本発明は、上記本発明の製造方法で得られた有機薄膜層、無機薄膜層及び透明導電膜層が、樹脂基材上に積層されたことを特徴とする基板を提供する。
本発明の基板においては、前記樹脂基材の材質が、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、真空中で、有機薄膜層と無機薄膜層が積層され、該有機薄膜層中への異物の混入が抑制された積層体を提供できる。かかる積層体は、優れたガスバリア性を有するガスバリア性積層体として好適である。さらに、有機薄膜層中への異物の混入が抑制されていることに加え、有機薄膜層が無機薄膜層表面の凹凸部位を被覆して平坦化するので、ガスを遮断する能力が高いハイバリア性を有する積層体とすることもできる。また、有機薄膜層を含んでいることにより柔軟性を有するので、屈曲させても優れたガスバリア性を維持でき、耐屈曲性に優れる。したがって、かかる積層体を備えた基板は、フレキシブル基板として、有機EL素子や有機薄膜太陽電池等の電子デバイス用として特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の積層体を例示する概略断面図である。
【図2】本発明の積層体の製造装置を例示する概略構成図である。
【図3】本発明の他の積層体を例示する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
<有機薄膜の製造方法>
本発明の有機薄膜の製造方法は、真空中でイオン液体モノマーを重合させて成膜することを特徴とする。
本発明の製造方法では、有機薄膜の形成材料として、蒸気圧が極めて低いイオン液体モノマーを使用することで、真空チャンバー内等の真空成膜環境中へ、原料である有機化合物が拡散せず、有機薄膜層中への異物の混入が顕著に抑制される。
【0010】
本発明において、イオン液体とは、カチオン部とアニオン部とから構成され、25℃の常温において液状でかつ安定した塩のことを言い、難燃性、不揮発性、高耐熱性などの性質を有するものである。
そして、前記イオン液体モノマーとは、イオン液体を構成するカチオン部又はアニオン部に、重合性官能基を有するモノマーであり、カチオン部に重合性官能基を有するものが好ましい。
【0011】
イオン液体を構成する好ましいカチオン部としては、下記一般式(1)で表されるイミダゾリウム系カチオン、下記一般式(2)で表されるピロリジニウム系カチオン、下記一般式(3)で表されるアンモニウム系カチオン、下記一般式(4)で表されるホスフォニウム系カチオン、下記一般式(5)で表されるグアニジニウム系カチオン、下記一般式(6)で表されるイソウロニウム系カチオン、下記一般式(7)で表されるピリジニウム系カチオンが例示できる。
【0012】
【化1】

(式中、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり、少なくとも一方は炭化水素基であり;R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり、少なくとも一方は炭化水素基であり;R31、R32、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり、少なくとも一つは炭化水素基であり;R41、R42、R43及びR44はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり、少なくとも一つは炭化水素基であり;R51、R52、R53、R54、R55及びR56はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり;R61、R62、R63、R64及びR65はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり;R71は炭化水素基である。)
【0013】
前記一般式(1)中、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり、少なくとも一方は炭化水素基である。
前記一般式(2)中、R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり、少なくとも一方は炭化水素基である。
前記一般式(3)中、R31、R32、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり、少なくとも一つは炭化水素基である。
前記一般式(4)中、R41、R42、R43及びR44はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基であり、少なくとも一つは炭化水素基である。
前記一般式(5)中、R51、R52、R53、R54、R55及びR56はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基である。
前記一般式(6)中、R61、R62、R63、R64及びR65はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基である。
前記一般式(7)中、R71は炭化水素基である。
11、R12、R21、R22、R31、R32、R33、R34、R41、R42、R43、R44、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R61、R62、R63、R64、R65及びR71における炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基が例示できる。
【0014】
前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基が例示できる。なかでも、炭素数が1〜5であるものがより好ましく、1〜3であるものが特に好ましい。
前記環状のアルキル基は、単環構造及び多環構造のいずれでも良く、炭素数が3〜10であることが好ましく、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基が例示できる。
【0015】
前記アルケニル基としては、前記アルキル基において炭素原子間の一つの単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
前記アリール基は、単環構造及び多環構造のいずれでもよく、炭素数が6〜10であることが好ましく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が例示できる。
前記アリールアルキル基としては、前記アルキル基から一つの水素原子を除いたアルキレン基に前記アリール基が結合した一価の基が例示できる。
前記アルキルアリール基としては、前記アリール基から一つの水素原子を除いたアリーレン基に前記アルキル基が結合した一価の基が例示できる。
【0016】
前記炭化水素基は置換基を有していても良い。ここで置換基を有するとは、炭化水素基の炭素原子が炭素原子以外の原子又は基で置換されているか、炭化水素基の水素原子が水素原子以外の原子又は基で置換されていることを指す。
炭素原子が置換される置換基としては、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、窒素原子(−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)、式「−NH−C(=O)−」で表される基が例示できる。
水素原子が置換される置換基としては、上記と同様のアルキル基又はアリール基や、水酸基、シアノ基、アミノ基、アミド基が例示できる。
【0017】
前記一般式(1)、(2)及び(7)で表されるカチオン部は、さらに、R11、R12、R21、R22及びR71に含まれない炭素原子に結合している水素原子が、置換基で置換されていてもよい。ここで、前記水素原子が置換される置換基としては、上記と同様の炭化水素基が例示できる。
【0018】
イオン液体を構成する好ましいアニオン部としては、Cl、Br、AlCl、AlCl、BF、PF、ClO、NO、CHCOO、CFCOO、CHSO、CFSO、(CFSO、(CFSO、AsF、SbF、NbF、TaF、F(HF)(式中、nは1以上の整数である)、(CN)、CSO、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N等が例示できる。
【0019】
前記重合性官能基としては、ビニル基(−CH=CH)が例示できる。前記重合性官能基は、イオン液体を構成するカチオン部又はアニオン部に直接又は連結基を介して結合しており、イオン液体一分子中の重合性官能基の数は1以上であればよく、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。前記連結基は二価の基であればよく、特に限定されない。
そして、前記一般式(1)、(2)及び(7)で表されるカチオン部の場合、前記重合性官能基は、R11、R12、R21、R22及びR71のいずれかを構成する一つ以上の水素原子を置換して結合していてもよいし、R11、R12、R21、R22及びR71に含まれない炭素原子に結合している一つ以上の水素原子を置換して結合していてもよい。
【0020】
前記イオン液体モノマーは、イミダゾリウム系カチオンを含むものが好ましく、重合性官能基を有するイミダゾリウム系カチオンを含むものがより好ましい。
また、前記イオン液体モノマーは、調製が容易で重合が進行し易いことから、(メタ)アクリレート骨格(CH=CH−C(=O)−O−、CH=C(CH)−C(=O)−O−)又はスチレン骨格(CH=CH−C−、)をカチオン部に有することが好ましく、アクリレート骨格又はスチレン骨格をカチオン部に有することがより好ましい。
【0021】
特に好ましい前記イオン液体モノマーとして、アクリレート骨格又はスチレン骨格をカチオン部に有するものを、以下に例示する。
【0022】
【化2】

【0023】
前記イオン液体モノマーは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に設定できるが、相容性が良好なものを選択することが好ましい。
【0024】
有機薄膜は、例えば、イオン液体モノマーを形成対象の基材上に塗布し、真空中で重合させることで成膜できる。
イオン液体モノマーの塗布方法は、特に限定されず、例えば、各種コーターを使用する常法でよい。
イオン液体モノマーの塗布量は、目的とする有機薄膜の厚みに応じて適宜調節すれば良い。
【0025】
イオン液体モノマーの重合は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等、いずれでもよいが、反応が速やかに進行し、光照射でも容易に反応が進行することからラジカル重合が好ましい。照射する光は、紫外線又は電子線が好ましい。
本発明においては、真空中で重合させることで、水分や酸素等の反応阻害要因の影響を低減できるので、速やか且つ確実に有機薄膜を形成できる。
【0026】
イオン液体モノマーは、重合開始剤の存在下で重合させることが好ましい。このようにすることで、有機薄膜を速やかに形成できる。
前記重合開始剤は、公知のものを使用すればよく、特に限定されない。
ラジカル重合に好適な光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類等が例示できる。より具体的には、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−[4−(メチルチオ)メチル−1−フェニル]−2−モルフォリノプロパノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンジルメチルベンゾイルギ酸塩、2−エチルアントラキノン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(市販品:商品名「LUCIRIN TPO」(BASF社)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルエトキシホスフィンオキシド(市販品:「LUCIRIN TPO−L」(BASF社))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(市販品:「イルガキュア(IRGACURE)819」(チバ・ガイギー社(Ciba−Geigy Co.))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(市販品:「DAROCURE1173」(チバ・ガイギー社))、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(市販品:「イルガキュア2959」(チバ・ガイギー社))、4−(2−アクリル酸オキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(市販品:「イルガキュア184」(チバ・ガイギー社))、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン(市販品:「イルガキュア907」(チバ・ガイギー社))、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(市販品:「IRGACURE369」(チバ・ガイギー社))、N,N’−オクタメチレンビスアクリジン(市販品:「アデカオプトマー(ADEKA OPTOMER)N1717」(アデカ社(ADEKA Corp.))が例示できる。
【0027】
重合時の真空度は特に限定されないが、水分や酸素等による重合反応の阻害を抑制するためには、高いほど好ましい。また、例えば、後述する積層体製造時の無機薄膜層の成膜条件を考慮して設定すると、積層体を効率的に製造できる点で好ましい。以上のような観点から、重合時の圧力は、10Pa以下であることが好ましい。
【0028】
重合時の温度、時間等、その他の条件は、前記イオン液体モノマーの種類等に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
【0029】
本発明の製造方法で得られた有機薄膜は、使用した前記イオン液体モノマーの種類と重合時の条件により、組成を調節できる。
【0030】
<積層体>
(第一の実施形態)
本発明の積層体は、上記本発明の製造方法で得られた有機薄膜層と、無機薄膜層とが積層されたことを特徴とする。
本発明の積層体は、前記有機薄膜層中への異物の混入が抑制され、さらに前記有機薄膜層が前記無機薄膜層表面の凹凸部位を被覆して平坦化するので、ガスを遮断する能力が高く、ガスバリア性積層体として好適であり、その組成を調節することでハイバリア性を有するものとなる。また、有機薄膜層を含んでいることにより柔軟性を有するので、屈曲させても優れたガスバリア性を維持でき、耐屈曲性に優れる。
【0031】
図1は、本発明の積層体を例示する概略断面図である。
ここに示す積層体1は、樹脂基材(以下、単に基材と略記する)11上に、第一の無機薄膜層12、有機薄膜層13及び第二の無機薄膜層14が、この順に積層されてなる。本発明においては、このような、二層の無機薄膜層の間に有機薄膜層が挟まれたものを好ましい構成として例示できる。
【0032】
基材11としては、無色透明な樹脂からなるフィルム状又はシート状のものが例示できる。
前記樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物;ポリアクリロニトリル系樹脂;アセタール系樹脂;ポリイミド系樹脂が例示できる。これらの樹脂の中でも、耐熱性が高く、線膨張率が低いという観点から、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、PET、PENが特に好ましい。
また、前記樹脂は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
【0033】
基材11の厚みは、積層体1製造時の安定性を考慮して適宜設定できる。例えば、真空中でもフィルム状の基材11の搬送が容易であるという観点からは、5〜500μmであることが好ましい。また、プラズマCVD法で第一の無機薄膜層12を形成する場合には、基材11を通して放電しつつ形成することを考慮すると、50〜200μmであることが好ましく、50〜100μmであることがより好ましい。
【0034】
また、後述する第一の無機薄膜層12との密着性の観点から、基材11に対してその表面を清浄化するための表面活性処理を施すことが好ましい。このような表面活性処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理が例示できる。
【0035】
第一の無機薄膜層12及び第二の無機薄膜層14は、ガスバリア性を有するものが好ましく、互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
例えば、無機ガスバリア層であれば、その材質はガスバリア性を有するものであれば特に限定されず、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、コバルト、亜鉛、金、銀、銅等の金属;酸化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の無機酸化物;窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化マグネシウム等の窒化物等が例示できる。
【0036】
第一の無機薄膜層12及び第二の無機薄膜層14の厚みは、それぞれ独立に5〜1000nmであることが好ましく、10〜700nmであることより好ましく、20〜500nmであることが特に好ましい。下限値以上とすることで、積層体の酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性等のガスバリア性がより向上し、上限値以下とすることで、積層体の耐屈曲性がより優れる。
【0037】
第一の無機薄膜層12及び第二の無機薄膜層14の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であれば、いかなる方法でもよい。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等が例示できる。
【0038】
有機薄膜層13は、上記本発明の製造方法で成膜されたものである。
有機薄膜層13の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、1〜60μmであることがより好ましい。下限値以上とすることで、第一の無機薄膜層12の表面の凹凸部位を被覆することによる平坦化の効果がより向上する。さらに、第一の無機薄膜層12形成時に発生した微細な無機化合物の異物(無機パーティクル)が、第一の無機薄膜層12上に残存していても、これを埋没させて有機薄膜層13自体の表面を平坦化する効果がより向上する。
【0039】
本発明の積層体は、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を妨げない範囲内において、適宜一部構成を変更、追加又は削除してもよい。
例えば、図1では、基材の片面に有機薄膜層及び無機薄膜層が積層されたものを示しているが、有機薄膜層及び無機薄膜層は、基材の両面に積層されていてもよい。この場合、積層されている有機薄膜層及び無機薄膜層の組み合わせ及び積層順は、両面で同じでもよいし、異なっていてもよい。
また、図1では、積層体として、基材上に第一の無機薄膜層、有機薄膜層及び第二の無機薄膜層が、この順に積層されたものを示しているが、本発明の積層体は、有機薄膜層と無機薄膜層とが積層されていればよく、有機薄膜層及び無機薄膜層の積層順並びに積層数は、目的に応じて適宜設定すればよい。
【0040】
例えば、積層体1において、第一の無機薄膜層12及び第二の無機薄膜層14を含むすべての無機薄膜層の厚みの合計値は、通常10〜2000nmであることが好ましく、20〜1400nmであることがより好ましく、40〜1000nmであることがさらに好ましく、100〜600nmであることが特に好ましい。下限値以上とすることで、積層体の酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性等のガスバリア性がより向上し、上限値以下とすることで、積層体の耐屈曲性がより優れる。
【0041】
本発明の好ましい積層体としては、二層の無機薄膜層の間に有機薄膜層が挟まれた構成のものが例示でき、有機薄膜層は、最も上層の無機薄膜層よりも下層側(基材側)に積層されていることが好ましい。このような、積層体としては、図1に示すもの以外に、図1において、有機薄膜層13及び第二の無機薄膜層14を一つの積層単位とし、有機薄膜層13を下層側としてこの積層単位を第二の無機薄膜層14上に一回以上繰り返し積層したものが例示できる。
【0042】
また、本発明の積層体は、有機薄膜層及び無機薄膜層以外に、必要に応じて、プライマーコート層、ヒートシール性樹脂層、接着剤層等が積層されていてもよい。
前記プライマーコート層は、例えば、基材と無機薄膜層との接着性を向上させることが可能な公知のプライマーコート剤を用いて形成できる。
前記ヒートシール性樹脂層は、適宜公知のヒートシール性樹脂を用いて形成できる。
前記接着剤層は、適宜公知の接着剤を用いて形成でき、このような接着剤層により、複数の積層体同士を接着させてもよい。
【0043】
積層体1は、例えば、図2に示す製造装置を使用して製造できる。図2は、本発明の積層体の製造装置を例示する概略構成図であり、積層体1のうち、第一の無機薄膜層12及び第二の無機薄膜層14を、いずれも、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等で形成するためのものである。
【0044】
まず、製造装置について説明する。
ここに示す製造装置9は、真空チャンバー91の内部に、無機薄膜層を形成する第一の無機薄膜層形成室92及び第二の無機薄膜層形成室94、有機薄膜層を形成する有機薄膜層形成室93、並びに基材11を搬送するための第一のロール95及び第二のロール96を備える。なお、ここでは、基材11として長尺のものを例示している。
【0045】
第一の無機薄膜層形成室92、有機薄膜層形成室93及び第二の無機薄膜層形成室94は、この順に直列に配置されており、これら各室には、基材11を受け入れる入り口、送り出すための出口がそれぞれ設けられ、各室の内部を基材11が搬送されるようになっている。
また、基材11は、第一のロール95及び第二のロール96により、図中の矢印方向及びその逆方向に連続的に搬送可能となっている。
したがって、基材11は、矢印方向に搬送された場合、第一の無機薄膜層形成室92、有機薄膜層形成室93及び第二の無機薄膜層形成室94の内部をこの順に連続して通過可能となっている。
【0046】
真空チャンバー91には、給気及び排気を行うための給排気口(図示略)が設けられ、この給排気口には、さらに給気手段又は排気手段(いずれも図示略)が接続可能となっている。例えば、排気手段を接続し、稼動させることで、真空チャンバー91の内部を所望の圧力となるまで減圧し、真空状態とすることができ、このようにすることで、同時に、第一の無機薄膜層形成室92、有機薄膜層形成室93及び第二の無機薄膜層形成室94の内部も、同様に真空状態とすることができる。
【0047】
第一の無機薄膜層形成室92は無機薄膜層形成手段92aを、第二の無機薄膜層形成室94は無機薄膜層形成手段94aを、それぞれ内部に備えており、基材11上に無機薄膜層を形成できるようになっている。無機薄膜層形成手段92a及び94aは、無機薄膜層の形成方法に応じた構成を有する。
【0048】
有機薄膜層形成室93は、液体塗布手段93a及び硬化手段93bを内部に備える。そして、図中の矢印方向に(上流側から下流側へ向けて)、液体塗布手段93a及び硬化手段93bがこの順に直列に配置されており、液体塗布手段93aにより基材11上に塗布されたイオン液体モノマーを、直ちに硬化手段93bによって重合させることが可能となっている。なお、液体塗布手段93a及び硬化手段93bの配置順は、塗布及び硬化を速やかに行うことができれば、これに限定されない。
【0049】
液体塗布手段93aは、液体の塗布方法に応じた構成を有し、硬化手段93bは硬化手段に応じた構成を有する。例えば、イオン液体モノマーを光照射で重合させる場合には、硬化手段93bは、所望の波長の光を照射できるものであり、加熱で重合させる場合には、所望の温度で加熱できるものである。
【0050】
なお、図2では、無機薄膜層形成手段92a及び94a、液体塗布手段93a並びに硬化手段93bが、いずれも基材11の上方に配置された例を示しているが、配置形態はこれに限定されず、有機薄膜層及び無機薄膜層の形成方法に応じて適宜調節すれば良い。
【0051】
積層体1は、図2に示す製造装置を使用して、以下のように製造できる。
まず、真空チャンバー91の内部を所望の圧力となるまで減圧して、真空状態とする。そして、真空状態を維持したまま、基材11を第一のロール95から繰り出して矢印方向に搬送し、第一の無機薄膜層形成室92の内部に移動させ、無機薄膜層形成手段92aにより、基材11上に第一の無機薄膜層12を積層する。
【0052】
第一の無機薄膜層12は、例えば、ターゲットの種類、供給電力、真空チャンバー91の内部の圧力等を所望の条件に調節し、イオンプレーティング法で形成できる。
ターゲットの種類としては、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等が例示できる。また、製膜時に必要に応じて、酸素や窒素等のガスを所定量加えてもよい。
【0053】
次いで、基材11を矢印方向に搬送することで、基材11のうち、第一の無機薄膜層12の積層部位を、有機薄膜層形成室93の内部に移動させ、液体塗布手段93aにより、前記積層部位の上にイオン液体モノマーを塗布する。そして、塗布部位を移動させて、硬化手段93bを使用し、上記本発明の有機薄膜の製造方法により、イオン液体モノマーを重合させて、第一の無機薄膜層12の上に有機薄膜層13を積層する。有機薄膜層13の厚みは、イオン液体モノマーの塗布量で調節できる。
【0054】
この時、イオン液体モノマーは蒸気圧が極めて低いので、有機薄膜層形成室93の内部をはじめ、真空チャンバー91の内部に拡散することが無い。したがって、微細な異物の生成とその有機薄膜層13中への混入が顕著に抑制される。さらに、微細な異物は、第一の無機薄膜層12上や、第一の無機薄膜層12が積層される前の基材11上への落下も顕著に抑制される。
また、第一の無機薄膜層12の表面に凹凸部位があっても、これを被覆することにより平坦化できる。さらに、第一の無機薄膜層12形成時に発生した微細な無機化合物の異物(無機パーティクル)が、第一の無機薄膜層12上に残存していても、これを埋没させて有機薄膜層13自体の表面を平坦化できる。
【0055】
次いで、基材11を矢印方向に搬送することで、基材11のうち、第一の無機薄膜層12及び有機薄膜層13がこの順で積層された部位を、第二の無機薄膜層形成室94の内部に移動させ、この部位の上に、第二の無機薄膜層14を積層する。第二の無機薄膜層14は、第一の無機薄膜層12の場合と同様の方法で形成できる。これにより、所望の積層構造を有する積層体1が得られ、第二のロール96に巻き取られる。
【0056】
得られる積層体1は、有機薄膜層13への異物の混入が抑制されていることに加え、有機薄膜層13が第一の無機薄膜層12の表面の凹凸部位を被覆して平坦化するので、ガスを遮断する能力が高いハイバリア性積層体として好適である。また、柔軟性を有するので、屈曲させても優れたガスバリア性を維持でき、耐屈曲性に優れる。
【0057】
上記製造方法では、第一のロール95からの基材11の繰り出しから、第一の無機薄膜層12、有機薄膜層13及び第二の無機薄膜層14の積層、第二のロール96による積層体1の巻き取りまでを、真空中で一貫して行うことができ、工程を大幅に簡略化できる。なお、ここでは、第一のロール95及び第二のロール96が、真空チャンバー91の内部に配置されている例を示しているが、少なくとも第一の無機薄膜層形成室92、有機薄膜層形成室93及び第二の無機薄膜層形成室94が真空チャンバー91の内部に配置されていれば、真空中で第一の無機薄膜層12、有機薄膜層13及び第二の無機薄膜層14を一貫して連続的に形成でき、積層体1の製造工程を大幅に簡略化できる。
【0058】
積層体として、図1に示すものではなく、有機薄膜層及び無機薄膜層の積層順並びに積層数が異なるものを製造する場合には、これら有機薄膜層及び無機薄膜層を順次積層できるように、搬送する基材11の上流側から下流側(矢印方向)へ向けて、無機薄膜層形成室及び有機薄膜層形成室を順次真空チャンバー91の内部に配置し、上記と同様に有機薄膜層及び無機薄膜層を積層すればよい。
【0059】
なお、ここでは、第一の無機薄膜層12及び第二の無機薄膜層14をイオンプレーティング法で形成する例を示しているが、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、プラズマCVD法等、その他の公知の方法により形成してもよい。この場合には、例えば、図2に示す製造装置9に代えて、製造装置9において第一の無機薄膜層形成室92及び第二の無機薄膜層形成室94を省略した製造装置(図示略)と、上記その他の方法で使用する無機薄膜層の製造装置とを併用して、積層体を製造すればよい。
【0060】
(第二の実施形態)
また、本発明の積層体は、樹脂基材上に、無機薄膜層及び透明導電膜層が積層され、これら層の間にさらに有機薄膜層が積層された積層体であって、前記有機薄膜層が上記本発明の製造方法で得られたものであることを特徴とする。
図3は、かかる本発明の積層体を例示する概略断面図である。
【0061】
ここに示す積層体2は、第二の無機薄膜層14に代わり、透明導電膜層15が積層されたこと以外は、図1に示す積層体1と同様のものである。そして、ガスバリア性積層体として好適であり、その組成を調節することでハイバリア性を有するものとなる。なお、図3に示す構成要素のうち、図1に示すものと同じものには同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0062】
透明導電膜層15は、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)及びチタン(Ti)からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含んでいることが好ましい。特に、インジウム−スズ酸化物(ITO)、亜鉛−スズ酸化物(ZTO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−ガリウム酸化物(IGO)、インジウム−亜鉛−スズ酸化物(IZTO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、ガリウムドープ亜鉛酸化物(GZO)、アンチモンドープスズ酸化物(ATO)、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、ニオブドープ酸化チタン(NTO)、タンタルドープ酸化チタン(TTO)及びバナジウムドープ酸化チタン(VTO)からなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化物の膜であることが好ましい。
【0063】
透明導電膜層15の厚みは、10〜1000nmであることが好ましく、30〜500nmであることがより好ましく、50〜300nmであることがさらに好ましい。
【0064】
積層体2は、第二の無機薄膜層14に代えて、透明導電膜層15を積層すること以外は、図1に示す積層体1の場合と同様の方法で製造できる。
透明導電膜層15は、低抵抗のものを形成できることから、物理気相成長(PVD)法で形成することが好ましい。PVD法の具体例としては、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法(パルスレーザーディポシッション、PLD法)が挙げられるが、成膜速度、成膜面積の広さ、成膜面の均一性、エッチング特性等の観点から、イオンプレーティング法、スパッタ法が好ましい。また、イオンプレーティング法としては、屈曲しても導電性が低下し難く、成膜速度が速く、陰極がガス雰囲気にさらされないため長寿命であり、成膜を安定して長時間連続して行うことが可能であることから、圧力勾配型プラズマガン(浦本ガンと呼ばれる)を用いるイオンプレーティング法が好ましい。
【0065】
<基板>
本発明の基板は、上記本発明の製造方法で得られた有機薄膜層、無機薄膜層及び透明導電膜層が、樹脂基材上に積層されたことを特徴とする。
本発明の基板は、上記本発明の積層体を備えたものが好ましく、例えば、図3に示す積層体2をかかる基板としてもよく、有機薄膜層、無機薄膜層及び透明導電膜層の積層順並びに積層数を適宜変更して、基板としてもよい。
本発明の基板は、フレキシブル基板として好適であり、ガスを遮断する能力が高いハイバリア性を有するものとすることもでき、且つ耐屈曲性に優れるので、例えば、有機EL素子、有機薄膜太陽電池等の電子デバイス用として特に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いたフレキシブル照明、有機薄膜太陽電池、液晶ディスプレイ、医薬品の包装容器等に利用可能である。
【符号の説明】
【0067】
1,2・・・積層体、11・・・基材、12・・・第一の無機薄膜層、13・・・有機薄膜層、14・・・第二の無機薄膜層、15・・・透明導電膜層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空中でイオン液体モノマーを重合させて成膜することを特徴とする有機薄膜の製造方法。
【請求項2】
前記重合がラジカル重合であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜の製造方法。
【請求項3】
前記イオン液体モノマーがイミダゾリウム系カチオンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機薄膜の製造方法。
【請求項4】
前記イオン液体モノマーが、アクリレート骨格又はスチレン骨格をカチオン部に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機薄膜の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法で得られた有機薄膜層と、無機薄膜層とが積層されたことを特徴とする積層体。
【請求項6】
樹脂基材上に、無機薄膜層及び透明導電膜層が積層され、これら層の間にさらに有機薄膜層が積層された積層体であって、
前記有機薄膜層が請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法で得られたものであることを特徴とする積層体。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法で得られた有機薄膜層、無機薄膜層及び透明導電膜層が、樹脂基材上に積層されたことを特徴とする基板。
【請求項8】
前記樹脂基材の材質が、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項7に記載の基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−246467(P2012−246467A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121854(P2011−121854)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】