木竹系被解砕物の解砕処理バケット
【課題】樹木根、竹根を含む被解砕物の解砕処理、解砕された解砕片と泥、土砂との分離処理を容易に行うことができる木竹系被解砕物の解砕処理バケットの提供。
【解決手段】バックホー1のアーム先端に移動可能に設けられ、一方の側及び他方の側に、被解砕物を取り込み可能に開口している第1開口部10及び第2開口部11が形成されたバケット本体13と、バケット本体内に正逆回転可能に設けられた一対のロータ軸12と、一対のロータ軸の外周に着脱自在に設けられ、被解砕物を解砕するための複数の解砕歯18とからなる一対のロータと、一対のロータを回転駆動させるためのロータ駆動装置15とからなっている。バケット本体13の第2開口部を挟んだ両側には、解砕された被解砕物を排出可能であるとともに、一対のロータに被解砕物が詰まるのを防止する第1ロルトル22a、第2ロストル22bが形成されている。
【解決手段】バックホー1のアーム先端に移動可能に設けられ、一方の側及び他方の側に、被解砕物を取り込み可能に開口している第1開口部10及び第2開口部11が形成されたバケット本体13と、バケット本体内に正逆回転可能に設けられた一対のロータ軸12と、一対のロータ軸の外周に着脱自在に設けられ、被解砕物を解砕するための複数の解砕歯18とからなる一対のロータと、一対のロータを回転駆動させるためのロータ駆動装置15とからなっている。バケット本体13の第2開口部を挟んだ両側には、解砕された被解砕物を排出可能であるとともに、一対のロータに被解砕物が詰まるのを防止する第1ロルトル22a、第2ロストル22bが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホーのアーム先端に取り付けられ、木系の被解砕物、竹系の被解砕物等の解砕処理を行うのに好適な解砕処理バケットに関する。さらに詳しくは、山林、竹林等を造成する際などに発生する樹木根や竹根等を含む被解砕物を回転する一対のロータにより、効率的に解砕処理等を行えるようにした木竹系被解砕物の解砕処理バケットに関する。
【背景技術】
【0002】
道路補修や建物等の解体のときに、アスファルトのガラやコンクリート廃材で代表される種々の産業廃棄物が数多く排出され、社会問題になっていることは周知で、その解決のための提案も数多くなされている。その中には、土木工事等で使用されているバックホーのバケットを利用して原料を破砕させて処理する技術も提案されている。このバケットは土木工事においては現場で直接使用する手段であるので、有効に利用された場合には工事等を効率的に行うことができる。
【0003】
従来の破砕機能を有するバケットは、産業廃棄物の処理手段として特にコンクリート等の破砕に、又河川工事等においては岩石の破砕や土壌粒度分類等に使用されている。このバケットを使用する処理は、現場において同一のバックホーで行えることで、簡易に能率のよい作業が行え、メンテナンスをしやすいのが特徴である。特に土木・建設現場で破砕機能を有するバケットは、土壌収集に加え運搬、破砕、分類処理等の能力がある。このため最近現場で容易に処理できる装置として大きな役目を果たしている。
【0004】
一方、山林、竹林、雑木林等を平地、宅地に造成したり、樹木等を伐採することがある。この時発生する伐採樹木、樹木根、竹根、根株などは、枝葉、根が放射状に張り出している等、形状が特定されないことに加え、又根回りには土壌が付着しており、解砕処理し難い被解砕物である。従来の技術としては、バケット破砕機能のものではないが、バックホーのアームのアタッチメントとして、地中に深く伸びた根を切る機能を有し果樹木を掘りあげるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。又、バックホーに取り付けられた伐採樹木の切り株除去装置に関する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
又、システムとして、移動可能な専用の装置であるが、タブ内に投入した木材をハンマーミルでかじり取りながら破砕する木材破砕処理システムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
一方、バケットに設けられたドラムカッターで廃材を小片に破砕する木材破砕機およびこの破砕機による木材破砕方法に関する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
又、バックホウのアーム先端に取り付けられた破砕具で根株、樹木等をチップ化しスクリーンを通じて放出する根株処理機に関する技術が知られている(例えば、特許文献5参照)。
さらに、蓋付バケットで被破砕物(原料)の破砕を行うものに関して、本出願人は種々の提案を行っている。例えば、蓋付バケットの破砕ロータに無理な負荷を与えない構成のもの、バケット本体と破砕蓋との間から破砕物が飛散することを防止できる構成のもの等を提案している(例えば、特許文献6、7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−125650号公報
【特許文献2】特許第3038388号公報
【特許文献3】特開2008−229597号公報
【特許文献4】特開2002−113381号公報
【特許文献5】登録実用新案第3082712号公報
【特許文献6】特許第4044004号公報
【特許文献7】特許第4029067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の破砕バケットは、前述のとおりコンクリート等の原料を破砕対象とする構成のものが多く提案されており、建設・土木現場で破砕処理が行えるものとして活用されている。又、山林、竹林等の造成地では、伐採した樹木等をチップ化し、有効利用することが要望され、例えば、特許文献4、5等に記載されたような技術が提案されている。しかしながら、木材、根株を破砕することに関する特許文献4、5の技術は、まだ改良の余地が多くあるものであった。
【0009】
すなわち、特許文献4、5の技術はドラムカッター及び破砕歯、歯胴及び可動刃が一つの構成のものであり、又、樹木根や竹根等は、部分的には軟質のものということができ解砕が容易に行えないおそれがあるという問題点があった。さらに、樹木根や竹根等は、周囲の各方向に根が伸びたり、根同士が絡まったりしており、容易に解砕処理することが難しい被解砕物の一つであるということもできる。又、根の先端側には、細根が多く形成されており、樹木根や竹根等には、泥、土砂が大量に付着していて、処理し難いものであり、樹木根や竹根等の形状も一定していないので木材、根株をバケット内に容易に取り入れることができない場合もあり、解砕処理することが難しいのが現状であった。
【0010】
この樹木根や竹根等は一般的には地中からトレンチャーやバックホーで掘り出されるが、掘り出された直後の状態は、細根まで切断されておらずむしろ無数の細根が放射状にのびており、根元には大量の泥、土砂がこびりついている。現状は、カミカミ(小割り圧砕装置)等で根と泥、土砂とを分離している。又、チェーンソー等で掘り出した直後の根、細根を切断したりもしている。しかし、この作業は、時間と手間とを要する作業であり、作業者の負担も大きく、コストも高くなるなどの問題点がある。このようなことから、林間等の地面のように凹凸の激しい現場であっても、その現場で他の工程を経ることなく、伐採された樹木、竹、あるいは掘り出された樹木根、竹根等の解砕処理、樹木根、竹根と泥、土砂との分離処理を容易に行うことができる解砕処理バケットの開発が望まれている。
【0011】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたもので、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、伐採された樹木、竹、あるいは掘り出された樹木根、竹根等の解砕処理、樹木根、竹根と泥、土砂との分離処理を容易に行うことができる木竹系被解砕物の解砕処理バケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、木竹系の被解砕物を解砕処理するための解砕処理バケットであって、バックホーのアーム先端に移動可能に設けられ、一方の側に、前記被解砕物を取り込み可能に開口している第1開口部が、他方の側に、前記被解砕物を取り込み可能に開口している第2開口部が形成されたバケット本体と、前記バケット本体内に正逆回転可能に設けられた一対のロータ軸と、前記一対のロータ軸の外周に着脱自在に設けられ、前記被解砕物を解砕するための複数の解砕歯とからなる一対のロータと、前記バケット本体の側壁に設けられ前記一対のロータを回転駆動させるためのロータ駆動装置と、前記バケット本体に設けられ、前記被解砕物が解砕された解砕片を排出可能であるとともに、前記一対のロータの一方に前記被解砕物が詰まるのを防止する第1ロストルと、前記バケット本体に、前記第2開口部を挟んだ前記第1ロストルの反対側に設けられ、前記解砕片を排出可能であるとともに、前記一対のロータの他方に前記被解砕物が詰まるのを防止する第2ロストルとからなることを特徴とする。
【0013】
本発明2の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1において、前記解砕処理バケットは、前記第1開口部と前記第2開口部とを選択的に変更して前記被解砕物を取り込み、解砕処理が可能なものであることを特徴とする。
【0014】
本発明3の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1又は2において、前記被解砕物は、伐採樹木、伐採竹、樹木根、竹根、及び廃木材から選択される1種以上であることを特徴とする。
【0015】
本発明4の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1〜3において、前記解砕歯は、断面がT字状であるとともに、平面視で前記ロータ軸軸線と直交する方向の両先端部が前記被解砕物へ食い込み可能な鋭利な凸形状を有するものであることを特徴とする。
【0016】
本発明5の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1〜3において、前記バケット本体には、前記第1開口部に駆動体の駆動力で開閉自在な蓋部材が設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明6の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1〜3において、前記解砕歯は、前記ロータ軸に、前記解砕歯に過負荷が生じたときせん断力で破断可能な固定部材で固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、ロータ軸外周に木系被解砕物、竹系被解砕物の解砕処理用で先端部に鋭利な凹凸形状を有する解砕歯を着脱自在に設けた構成のものである。又、この構成を一対の対向する構成とし、ロータ軸と解砕歯とからなるロータを正転、逆転可能とし、これに第1ロストル、第2ロストル及び蓋部材を設け、木竹系被解砕物の解砕処理に適合する構成とした。さらに、バケット本体に被解砕物をすくい込み、取り込み可能な2つの開口部を形成し、解砕処理方法を選択的に変更できるようにした。
【0019】
従って、特に樹木根、竹根等の細根の多い軟質系の被解砕物、個々の形状が異なる被解砕物において、一対のロータで被解砕物を噛み込むようにして取り込み、根をほぐし、高能率に、かつ、容易に解砕片に解砕できる解砕処理バケットとすることができた。又、一対のロータは正逆回転できるため、解砕動作、戻し動作を繰り返すことで、解砕異常が生じにくく容易に解砕することができる。さらに、解砕片と、泥、土砂とを容易に分離できる解砕処理バケットとすることができた。この解砕片は、さらに細分化したチップ状とすることができるタブグラインダ等の前処理機として威力を発揮でき、木竹系被解砕物の資源リサイクル化に貢献できる。
【0020】
又、解砕処理作業においては、解砕歯をロータに対し、せん断力により破断が可能な固定部材による締結構成としたので、解砕処理時に過負荷が生じてもバケット本体、解砕歯、ロータ軸等を損傷させることが防止、保護できる構成のものとなった。さらに、木竹系被解砕物の解砕処理バケットを適用するバックホーの機能を活用することで、移動が自由で場所の設置条件もなくなった。又、形状は従来と大きく変わらず、この解砕処理バケットは機能向上にもかかわらずコンパクトで低コストな構成にすることができた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の木竹系被解砕物の解砕処理バケットを適用したバックホーの全体図である。
【図2】図2は、木竹系被解砕物の解砕処理バケットの平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A断面図である。
【図4】図4は、図3のB−B断面図である。
【図5】図5は、図4のE部を拡大して図示した断面図である。
【図6】図6は、木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおける第1の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物をすくい込む工程を説明するための断面図である。
【図7】図7は、解砕処理バケットにおける第1の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物を解砕処理している工程を説明するための断面図である。
【図8】図8は、木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおける第2の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物をすくい込む工程を説明するための断面図である。
【図9】図9は、解砕処理バケットにおける第2の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物を解砕処理している工程を説明するための断面図である。
【図10】図10は、木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおける第3の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物を解砕処理している工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の木竹系被解砕物の解砕処理バケットを適用するバックホー1の全体構成図である。バックホー1は、パワーショベルと同系統の掘削機で、主として穴掘り、溝掘り等の土壌掘削作業を行う公知の土木掘削機である。バックホー1は、公知の土木掘削機であるのでバックホー本体の構成に関する詳細説明は省略する。
【0023】
バックホー1は自走式でクローラ2を介し、所望の場所へ移動可能である。基体3に第1旋回アーム4が支軸を介して第1シリンダ5により垂直方向に揺動自在に設けられている。又、この第1旋回アーム4を支持している基体3が旋回可能に構成されていて、これに伴い第1旋回アーム4は地面に対し水平方向も旋回可能である。この第1旋回アーム4には、支軸を介して第2旋回アーム6が設けられている。この第2旋回アーム6は、第1旋回アーム4に設けられた第2シリンダ7により第1旋回アーム4に対して揺動自在になっている。
【0024】
第2旋回アーム6の先端に、支軸を介して、木竹系被解砕物の解砕処理バケット(以下「バケット」と称す)8が設けられている。このバケット8は被解砕物Mの解砕処理を行う部材であって、第2旋回アーム6に設けられたバケット用シリンダ9により揺動自在となっている。前述のように、基体3が水平方向に旋回自在となっているので、これに伴いバケット8も垂直方向に揺動可能であるとともに、水平方向にも向きを変えることができる。この結果、バケット8はどの位置へも移動可能である。本発明は、このバックホー1の第2旋回アーム6の先端に取り付けられ、木竹系被解砕物(木系の被解砕物、竹系の被解砕物等)Mの解砕処理を行うバケット8に関するものである。例えば、木竹系被解砕物Mは、伐採された樹木、竹、掘り出された樹木根、竹根、及び、廃木材等である。
【0025】
バケットは、一般的には、アスファルトのガラやコンクリートの塊等硬質系原料の破砕物(被掘削物)をすくい上げ、内部に取り込み破砕し、運搬等を行うためのものが主流である。本実施の形態のバケット8は、木竹系被解砕物Mの解砕処理を対象とするもので、上部に被解砕物Mを取り込み可能な第1開口部10が設けられている。底部にも被解砕物Mを取り込み可能な第2開口部11が設けられている。この第2開口部11は、第1開口部10側から投入され、バケット本体13内で解砕処理されたとき、解砕された解砕片Cを排出する排出部の役割も果たすものである。図2はバケット8の平面図、図3は図2のA−A断面図である。図4はバケット8のロータ軸12を中心に断面で示した図3のB−B断面図、図5は図4のE部を拡大して図示した断面図である。
【0026】
バケット本体13の内壁14は硬質材で被覆されている。一対のロータ軸12(第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12b)は、バケット本体13に回転可能に設けられ、バケット本体13の外部に配置されるロータ駆動装置15により駆動される。ロータ駆動装置15は、油圧モータにより回転駆動される装置であるが、この油圧モータは正転方向、逆転方向の2方向に回転制御されるものである。このロータ駆動装置15は、変速装置(例えば、減速装置)を備えている装置、油圧モータ以外の他の駆動体により回転駆動される装置であってもよい。
【0027】
又、Vベルト等を介して一対のロータ軸12を回転させる構成のものであってもよい。このバケット本体13は底部側も開口されていて前述のように第2開口部11を構成している。この第2開口部11近傍の壁部に支持部16が設けられ、バケット本体13内部に一対のロータ軸12が支持部16に回転自在に支持されている。この一対のロータ軸12は、中心軸線が相互に平行に対向して配置された第1ロータ軸12aと第2ロータ軸12bで構成されている。
【0028】
バケット本体13は、前述のように上部(一方の側)に被解砕物Mの第1の取り込み口としての第1開口部10が、底部(他方の側)に被解砕物Mの第2の取り込み口としての第2開口部11が形成されている。又、バケット本体13の内部であって、後述する第1ロストル22a、第2ロストル22b、バケット本体13の壁部等により囲まれた空間が解砕室13aを構成している。バケット本体13の外壁には、第1ロータ軸12a及び/又は第2ロータ軸12bの駆動のためロータ駆動装置15が設けられている。この実施の形態では、ロータ駆動装置15は油圧モータであり、第1ロータ軸12a又は第2ロータ軸12bの一方の両軸端に各々取り付けられている。
【0029】
第1ロータ軸12aと第2ロータ軸12bとは、相互に連結ギヤ17で連結しており、一対のロータ軸12の一方の回転駆動によりこの連結ギヤ17を介して一対のロータ軸12の他方も回転駆動するようになっている。連結ギヤ17の歯数比を変えることにより一対のロータ軸12(2つのロータ軸)の回転比を変えることができる。従って、ロータ駆動装置15が作動すると、例えば矢印R1方向(図3に示す時計回り方向)、矢印R2方向(図3に示す反時計回り方向)に、一対のロータ軸12の一方、一対のロータ軸12の他方が、連結ギヤ17を介して回転し、一対のロータ軸12が同期して回転することになる。
【0030】
この第1ロータ軸12aと第2ロータ軸12bの外周には、複数の第1解砕歯18A、複数の第2解砕歯18Bからなる一対の複数の解砕歯(以下、「一対の解砕歯」と称す)18が着脱自在に設けられている。この実施の形態においては、円周に4つの第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bが各々に等間隔に配置され、この4つの第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bが、第1ロータ軸12aと第2ロータ軸12bの長手方向(軸線方向)に7列にわたって配置されている。すなわち、円周方向に4つ、かつ、軸線方向に7列配置された複数の第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bがセット(一対)の形で取り付けられている。なお、この実施の形態では円周方向に配置される解砕歯の個数を4個として説明を行っているが、他の個数であってもよい。この解砕歯の個数により、解砕、排出される解砕片Cの大きさの調整を行うことができる。例えば、解砕片Cの大きさを小さくする場合には、円周方向に配置する解砕歯の個数を多くするとよい。
【0031】
回転時には第1ロータ軸12aの第1解砕歯18Aと第2ロータ軸12bの第2解砕歯18Bは、交互に相手解砕歯18の間に入り込むようになっている。又、2つのロータ軸の相対回転数が異なるときは、相互に第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの取り付け位置を長手方向にずらし、回転時の干渉を避けるようにする。この第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bの支持板19に2本のボルト20、ナット20aで固定されている。このボルト20は、被解砕物Mの解砕処理時に異常な過負荷が生じたときに、この過負荷によるせん断力で破断される強度となる直径dのものが使用されている。一対のロータ軸12と一対の解砕歯18(第1ロータ軸12aと第1解砕歯18A、及び、第2ロータ軸12bと第2解砕歯18B)とで一対のロータが構成されている。
【0032】
支持板19、支持板19間は溝部21を構成しており、解砕処理時に、解砕している被解砕物M、解砕片C等が滞留し詰まるおそれがある。このためこの溝部21の被解砕物M等は後述する第1ロストル22a、第2ロストル22bにより除去するようになっている。第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、樹木、根株、廃木材等被解砕物Mの解砕に適する形状に形成されている。第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、図4、5に示すように断面視において略T字形状をなし、フランジ部分18aがロータ軸12の外側に張り出し、樹木、根株、廃木材等被解砕物に直接接触し解砕処理する。このフランジ部分18aは、図2に示すように、平面視において第1ロータ軸12a(又は、第2ロータ軸12b)の軸線に対して直交する方向に、複数個(この形態では3個)、先端側が鋭利な形状になっている凸部が形成された歯部(変形した星形状の歯部)である凹凸状歯部18bを構成した形状となっている。この凹凸状歯部18bの凸部は、先端側が、被解砕物Mへ食い込み可能な鋭利な角度になっている凸部である。
【0033】
言い換えると、凹凸状歯部18bは、第1ロータ軸12a(又は、第2ロータ軸12b)の軸線方向と直交する方向に、中央部が一番高い中央凸部、その中央凸部の両端に中央凸部より低い凸部が形成されたものである。すなわち、凹凸状歯部18bは、3つの凸部が形成された凹凸状歯部である。第1解砕歯18Aは、第1ロータ軸12aの螺旋状の所定の位置に、第2解砕歯18Bは、第2ロータ軸12bの螺旋状の所定の位置に設けられており、解砕処理時の負荷変動が少なくなるように構成されている。このように構成することで、ねじれたのこぎり歯のような構成になっているとともに、支持部分18cに近い凸部が一番高い中央凸部となっている。
【0034】
又、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bの複数の支持板19に長手方向に位置をずらして配置されている。樹木、根株、廃木材等被解砕物Mは、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの凹凸状歯部18bに触れることにより、押しつぶされると同時に切り裂かれる。又、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、断面視がT字状になっているため、切り裂いた根の裏側に入り込み、根をほぐすような作用もする。
【0035】
さらに、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの支持部分18cの下部は、ロータ軸12の支持板19が挿入可能な溝が形成された支持溝形状となっている。第1解砕歯18A、及び第2解砕歯18Bは、支持部分18cの溝が第1ロータ軸12a、及び第2ロータ軸12bの支持板19に挿入された後、ボルト穴に2本のボルト20が挿通され、ボルト20のねじ部にナット20aをねじ込むことで固定できる(図5参照)。このことにより、第1解砕歯18A、及び第2解砕歯18Bが、第1ロータ軸12a、及び第2ロータ軸12bの支持板19にボルト20、ナット20aを介して締結されている。このボルト20は、前述したように第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bに過負荷が生じたとき、このボルト20はこの負荷のせん断力で破断する強度に相当する直径dのものとしている。
【0036】
この破断により第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bから無傷のまま、又は、解砕処理に影響を与えない軽微な損傷の状態で外れることになる。又、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bとともに、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12b、ロータ駆動装置15、バケット本体13等に損傷が生じることを防止できる。破断したボルト20は、新しいボルト20に交換し、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの再取り付け(再固定)を行えば、元の状態の作業環境にすぐ復帰させることができる。すなわち、メンテナンスが容易であり、メンテナンス時間も短縮でき生産効率を低下させることがない。
【0037】
被解砕物Mが、第1開口部10から破砕室13a内のロータ側に投入された場合、投入された被解砕物Mは、一対のロータ軸12に設けられた一対の解砕歯18(第1解砕歯18A、第2解砕歯18B)間に押し込まれ、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bの回転に伴い解砕処理される。すなわち、図3において、第1ロータ軸12aは反時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bは時計回り方向(矢印R1方向)に、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bとともに回転して、被解砕物Mを解砕する。解砕された解砕片Cは、第2開口部11、第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出される。
【0038】
さらに、バケット本体13には、第1ロータ軸12a(又は第2ロータ軸12b)の軸線と直交する方向の第2開口部11を挟んだ両方の縁部側に、第1ロストル22a、第2ロストル22bが設けられている。この第1ロストル22a、第2ロストル22bは、板状の硬質部材で、バケット本体13の全幅にわたって設けられ、第1解砕歯18Aは、第1ロストル22aの板と板との間を通過するようになっている。第2解砕歯18Bは、第2ロストル22bの板と板との間を通過するようになっている。
【0039】
これらの第1ロストル22a、第2ロストル22bは、複数の板を併設させた構成になっていて、この板間の空間が解砕片C及び第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの通過路となっている。又、逆に言うと、第1ロストル22a、第2ロストル22bは、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bの支持板19、19の間を通過する構成になっている。従って、一対のロータ軸12の支持板19、19間等に滞留した解砕片C等は、この第1ロストル22a、第2ロストル22bの板間を通過することにより除去される。従って、一対のロータ軸12と一対の解砕歯18からなる一対のロータに、解砕途中の被解砕物M、解砕された解砕片Cが詰まってしまうことが生じない。
【0040】
一方、バケット本体13の上部の第1開口部10には、蓋部材23が設けられている。この蓋部材23は、バケット本体13の一端に設けられた支軸24を介してバケット本体13の上下方向に揺動して第1開口部10を開閉するようにしている。この蓋部材23は、一方の側が軸25bを介してバケット本体13に固定され、他方の側が蓋部材23に固定された蓋開閉用シリンダ25により開閉駆動される。すなわち、蓋開閉用シリンダ25は、圧力流体(例えば、圧油)の供給によりピストンロッド25aが伸縮することで、蓋部材23を揺動させて開閉する。この蓋開閉用シリンダ25の圧力流体は、図示していないが他のシリンダ、油圧モータを含めバックホー本体の油圧供給源から供給される圧力流体である。
【0041】
従って、このバケット本体13に投入された被解砕物Mが第1開口部10より外部へはみ出しても、この蓋部材23により強制的にバケット本体13内へ押し込むことができる。被解砕物Mが、樹木根、竹根等軟質系の被解砕物Mの場合、この蓋部材23によって押し込むことにより、効率的に解砕処理することができる。以上がバケット8の基本的構成であるが、次に、種々の被解砕物の解砕処理に適用させた解砕方法について説明する。
【0042】
図6、7に従って、バケット8における第1の解砕処理方法について説明を行う。図6は、バケット本体13が地面に置かれた樹木根、竹根等被解砕物Mをすくい込む状態を示している。バケット本体13がバックホー1の操作により、被解砕物Mをすくい込む方向へ移動することで、先ずバケット本体13内の第1ロストル22a上に被解砕物Mは取り込まれる。このとき蓋部材23は開放状態にある。図7は、すくい込んだ被解砕物Mを解砕処理している状態を示している。
【0043】
第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを、各々、矢印の方向に回転させる。すなわち、図7において、第1ロータ軸12aを反時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bを時計回り方向(矢印R1方向)に回転させる。バケット本体13の姿勢を、すくい込む姿勢から、第2開口部11が地面側を向くように姿勢を変える。第1開口部10側にある被解砕物Mが一対のロータ軸12側に寄り、被解砕物Mの自重と、一対のロータの前述した回転方向側への回転で生じる噛み込み動作等により、被解砕物Mが一対のロータ軸12に、各々、固定された一対の解砕歯に噛み込まれた状態にする。被解砕物Mは、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bにより解砕処理されるとともに、被解砕物Mに付着していた泥、土壌が分離される。解砕された解砕片Cは、樹木根、竹根等の絡まりが解かれ、かつ、ほぐされるとともに細断化されてバケット本体13下方に落下する。又、解砕片Cと、泥、土壌との分離も同時に行うことができる。
【0044】
解砕された解砕片C、分離された泥、土壌は、大部分が矢印Xの方向に導かれ、第2開口部11から排出される。又、解砕片C、泥、土壌の一部は、第1ロストル22a、第2ロストル22bから排出される。排出された解砕片C、泥、土壌とは、容易に分離できる形態となる。さらに、解砕片Cは、第2開口部11、第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出され、四方八方に飛散することがないので後処理が容易である。
【0045】
この解砕処理の場合、蓋部材23は開放されたままの状態であり、常時この状態で解砕処理作業が行われる。もし、被解砕物Mが一対のロータ等に詰まりそうな場合、過負荷状態になりそうな場合には、第1ロータ軸12aを時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bを反時計回り方向(矢印R1方向)に回転させる。すなわち、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを、各々、解砕処理時の回転方向の反対方向に逆回転させた後、再度、第1ロータ軸12aを反時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bを時計回り方向(矢印R1方向)に回転させて解砕処理を行うとよい。又、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12b(一対のロータ軸12)を、時計回り方向(矢印R1方向)、反時計回り方向(矢印R2方向)に回転させる正逆回転方向への回転動作を繰り返すことでさらに容易な解砕処理が行える。
【0046】
図8、9に従って、このバケット8における第2の解砕処理方法について説明を行う。図8は、図6と同じバケット構成になるが、被解砕物Mが大きくすくい込みにくい場合等に適用される。この場合は、蓋部材23を常時使用する。即ち、蓋部材23を蓋開閉用シリンダ25の駆動で動作させ、強制的に被解砕物Mを第1開口部10からバケット8内部へ押し付け閉じ込めるようにする。大きな被解砕物Mはバケット本体13外にはみ出る場合が多いので、第1開口部10側にある被解砕物Mの一部を引っ掛け蓋部材23による強制的押し込みで、最終的には被解砕物M全体をバケット本体13内に取り込み解砕を行う。蓋部材23の形状は、先端部から支軸24側にかけて湾曲状になっていて、被解砕物Mを取り込みやすい形としている。従って、蓋部材23の先端で引っ掛けられた被解砕物Mはスムースにバケット本体13内に引きずり込み取り込むことができる。
【0047】
図9は、図8で示す蓋部材23を介して取り込んだ被解砕物Mを解砕処理する構成を示した断面図である。図8の取り込み状態のバケット本体13の姿勢を第2開口部11側が地面に対向する向きに変え、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを回転させ被解砕物Mを解砕し、第2開口部11、第1ロストル22a、第2ロストル22bより解砕片Cを排出する。このとき蓋部材23を強制的に駆動し、閉じるようにして被解砕物Mをバケット本体13内部に強制的に押し込む。押し込まれた被解砕物Mは、第1ロータ軸12aの反時計回り方向(矢印R2方向)の回転、第2ロータ軸12bの時計回り方向(矢印R1方向)の回転に伴い矢印Yに示す方向に導かれる。
【0048】
この解砕処理方法は、基本的に図7の場合と同一構成であるが、蓋部材23を常時使用するようにした点が異なる。なお、この第2の解砕処理方法でも、解砕途中の被解砕物M、解砕片Cが一対のロータ等に詰まりそうな場合、過負荷状態になりそうな場合には、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを、各々、解砕処理時の回転方向の反対方向に逆回転させた後、再度、第1ロータ軸12aを反時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bを時計回り方向(矢印R1方向)に回転させて解砕処理を行うとよい。このように解砕処理することにより、解砕された解砕片Cは、樹木根、竹根等の絡まりが解かれ、かつ、ほぐされるとともに細断化されてバケット本体13下方に落下する。又、被解砕物Cと、泥、土壌との分離も同時に行うことができる。さらに、解砕片Cは、第2開口部11、第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出され、四方八方に飛散することがないので後処理が容易である。
【0049】
図10に従って、このバケット8における第3の解砕処理方法を説明する。図10は、バケット8における第3の解砕処理方法を説明するための断面図である。この解砕処理方法は、地面等に置かれた被解砕物Mを第2開口部11から取り込み解砕処理する方法である。バケット本体13の第2開口部11側を地面に対向させ、バケット本体13を、地面に置かれた被解砕物Mに対し上方から地面側に移動させて押し付ける。バケット本体13の第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12b(一対のロータ軸12)は、前述した解砕処理方法とは逆の方向に回転するようにしている。すなわち、第1ロータ軸12aを図10における時計回り方向(矢印R1方向)に、第2ロータ軸12bを反時計回り方向(矢印R2方向)に回転させるようにしている。従って、被解砕物Mは、第2開口部11から図の矢印Zに示す方向に取り込まれ、バケット本体13の解砕室13a内において解砕処理されることになる。
【0050】
被解砕物は一対の解砕歯18により解砕されながら一対のロータ軸12間を通過し第1開口部10側に導かれる。取り込まれた被解砕物Mは、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bとともに回転している第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bにより解砕処理され、被解砕物Mが解砕された解砕片Cは、第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出される。なお、この第3の解砕処理方法でも、解砕途中の被解砕物M、解砕片Cが一対のロータ等に詰まりそうな場合、過負荷状態になりそうな場合には、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを、各々、解砕処理時の回転方向の反対方向に逆回転させた後、再度、第1ロータ軸12aを時計回り方向に、第2ロータ軸12bを反時計回り方向に回転させて解砕処理を行うとよい。
【0051】
解砕された解砕片Cは、樹木根、竹根等の絡まりが解かれ、かつ、ほぐされるとともに細断化されてバケット本体13下方に落下する。又、解砕片Cと、泥、土壌との分離も同時に行うことができる。この第3の解砕処理方法でも、解砕片Cは第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出され、四方八方に飛散することがないので後処理が容易である。
【0052】
このバケットは、山林、竹林等の造成地現場、伐採樹木、伐採枝葉を減容する現場等で使用する構成に特化している。又、このバケットは、第1開口部、第2開口部、第1ロストル、第2ロストルと備えているとともに、一対のロータ(ロータ軸及び解砕歯)を正転、逆転させ広範囲の解砕処理作業を行うことができるようにし、各種解砕処理作業を高能率で行えるようにしている。さらに、このバケットは、簡素な構成で低コストになっており、信頼性の高いものとなっている。このバケットで解砕処理れた解砕片は、タブグラインダ等でさらに細分化されたチップとすることが容易にでき、木系・竹系の被解砕物の資源リサイクル化に大いに貢献できる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、被解砕物の対象を樹木根、竹根を中心に説明したが、伐採された樹木や竹、廃木材、伐採された枝葉等の被解砕物であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…バックホー
8…木竹系被解砕物の解砕処理バケット
10…第1開口部
11…第2開口部
12…一対のロータ軸
12a…第1ロータ軸
12b…第2ロータ軸
13…バケット本体
15…ロータ駆動装置
18…一対の解砕歯
18A…第1解砕歯
18B…第2解砕歯
20…固定部材(ボルト)
22a…第1ロストル
22b…第2ロストル
23…蓋部材
25…蓋開閉用シリンダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホーのアーム先端に取り付けられ、木系の被解砕物、竹系の被解砕物等の解砕処理を行うのに好適な解砕処理バケットに関する。さらに詳しくは、山林、竹林等を造成する際などに発生する樹木根や竹根等を含む被解砕物を回転する一対のロータにより、効率的に解砕処理等を行えるようにした木竹系被解砕物の解砕処理バケットに関する。
【背景技術】
【0002】
道路補修や建物等の解体のときに、アスファルトのガラやコンクリート廃材で代表される種々の産業廃棄物が数多く排出され、社会問題になっていることは周知で、その解決のための提案も数多くなされている。その中には、土木工事等で使用されているバックホーのバケットを利用して原料を破砕させて処理する技術も提案されている。このバケットは土木工事においては現場で直接使用する手段であるので、有効に利用された場合には工事等を効率的に行うことができる。
【0003】
従来の破砕機能を有するバケットは、産業廃棄物の処理手段として特にコンクリート等の破砕に、又河川工事等においては岩石の破砕や土壌粒度分類等に使用されている。このバケットを使用する処理は、現場において同一のバックホーで行えることで、簡易に能率のよい作業が行え、メンテナンスをしやすいのが特徴である。特に土木・建設現場で破砕機能を有するバケットは、土壌収集に加え運搬、破砕、分類処理等の能力がある。このため最近現場で容易に処理できる装置として大きな役目を果たしている。
【0004】
一方、山林、竹林、雑木林等を平地、宅地に造成したり、樹木等を伐採することがある。この時発生する伐採樹木、樹木根、竹根、根株などは、枝葉、根が放射状に張り出している等、形状が特定されないことに加え、又根回りには土壌が付着しており、解砕処理し難い被解砕物である。従来の技術としては、バケット破砕機能のものではないが、バックホーのアームのアタッチメントとして、地中に深く伸びた根を切る機能を有し果樹木を掘りあげるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。又、バックホーに取り付けられた伐採樹木の切り株除去装置に関する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
又、システムとして、移動可能な専用の装置であるが、タブ内に投入した木材をハンマーミルでかじり取りながら破砕する木材破砕処理システムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
一方、バケットに設けられたドラムカッターで廃材を小片に破砕する木材破砕機およびこの破砕機による木材破砕方法に関する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
又、バックホウのアーム先端に取り付けられた破砕具で根株、樹木等をチップ化しスクリーンを通じて放出する根株処理機に関する技術が知られている(例えば、特許文献5参照)。
さらに、蓋付バケットで被破砕物(原料)の破砕を行うものに関して、本出願人は種々の提案を行っている。例えば、蓋付バケットの破砕ロータに無理な負荷を与えない構成のもの、バケット本体と破砕蓋との間から破砕物が飛散することを防止できる構成のもの等を提案している(例えば、特許文献6、7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−125650号公報
【特許文献2】特許第3038388号公報
【特許文献3】特開2008−229597号公報
【特許文献4】特開2002−113381号公報
【特許文献5】登録実用新案第3082712号公報
【特許文献6】特許第4044004号公報
【特許文献7】特許第4029067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の破砕バケットは、前述のとおりコンクリート等の原料を破砕対象とする構成のものが多く提案されており、建設・土木現場で破砕処理が行えるものとして活用されている。又、山林、竹林等の造成地では、伐採した樹木等をチップ化し、有効利用することが要望され、例えば、特許文献4、5等に記載されたような技術が提案されている。しかしながら、木材、根株を破砕することに関する特許文献4、5の技術は、まだ改良の余地が多くあるものであった。
【0009】
すなわち、特許文献4、5の技術はドラムカッター及び破砕歯、歯胴及び可動刃が一つの構成のものであり、又、樹木根や竹根等は、部分的には軟質のものということができ解砕が容易に行えないおそれがあるという問題点があった。さらに、樹木根や竹根等は、周囲の各方向に根が伸びたり、根同士が絡まったりしており、容易に解砕処理することが難しい被解砕物の一つであるということもできる。又、根の先端側には、細根が多く形成されており、樹木根や竹根等には、泥、土砂が大量に付着していて、処理し難いものであり、樹木根や竹根等の形状も一定していないので木材、根株をバケット内に容易に取り入れることができない場合もあり、解砕処理することが難しいのが現状であった。
【0010】
この樹木根や竹根等は一般的には地中からトレンチャーやバックホーで掘り出されるが、掘り出された直後の状態は、細根まで切断されておらずむしろ無数の細根が放射状にのびており、根元には大量の泥、土砂がこびりついている。現状は、カミカミ(小割り圧砕装置)等で根と泥、土砂とを分離している。又、チェーンソー等で掘り出した直後の根、細根を切断したりもしている。しかし、この作業は、時間と手間とを要する作業であり、作業者の負担も大きく、コストも高くなるなどの問題点がある。このようなことから、林間等の地面のように凹凸の激しい現場であっても、その現場で他の工程を経ることなく、伐採された樹木、竹、あるいは掘り出された樹木根、竹根等の解砕処理、樹木根、竹根と泥、土砂との分離処理を容易に行うことができる解砕処理バケットの開発が望まれている。
【0011】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたもので、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、伐採された樹木、竹、あるいは掘り出された樹木根、竹根等の解砕処理、樹木根、竹根と泥、土砂との分離処理を容易に行うことができる木竹系被解砕物の解砕処理バケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、木竹系の被解砕物を解砕処理するための解砕処理バケットであって、バックホーのアーム先端に移動可能に設けられ、一方の側に、前記被解砕物を取り込み可能に開口している第1開口部が、他方の側に、前記被解砕物を取り込み可能に開口している第2開口部が形成されたバケット本体と、前記バケット本体内に正逆回転可能に設けられた一対のロータ軸と、前記一対のロータ軸の外周に着脱自在に設けられ、前記被解砕物を解砕するための複数の解砕歯とからなる一対のロータと、前記バケット本体の側壁に設けられ前記一対のロータを回転駆動させるためのロータ駆動装置と、前記バケット本体に設けられ、前記被解砕物が解砕された解砕片を排出可能であるとともに、前記一対のロータの一方に前記被解砕物が詰まるのを防止する第1ロストルと、前記バケット本体に、前記第2開口部を挟んだ前記第1ロストルの反対側に設けられ、前記解砕片を排出可能であるとともに、前記一対のロータの他方に前記被解砕物が詰まるのを防止する第2ロストルとからなることを特徴とする。
【0013】
本発明2の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1において、前記解砕処理バケットは、前記第1開口部と前記第2開口部とを選択的に変更して前記被解砕物を取り込み、解砕処理が可能なものであることを特徴とする。
【0014】
本発明3の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1又は2において、前記被解砕物は、伐採樹木、伐採竹、樹木根、竹根、及び廃木材から選択される1種以上であることを特徴とする。
【0015】
本発明4の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1〜3において、前記解砕歯は、断面がT字状であるとともに、平面視で前記ロータ軸軸線と直交する方向の両先端部が前記被解砕物へ食い込み可能な鋭利な凸形状を有するものであることを特徴とする。
【0016】
本発明5の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1〜3において、前記バケット本体には、前記第1開口部に駆動体の駆動力で開閉自在な蓋部材が設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明6の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、本発明1〜3において、前記解砕歯は、前記ロータ軸に、前記解砕歯に過負荷が生じたときせん断力で破断可能な固定部材で固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の木竹系被解砕物の解砕処理バケットは、ロータ軸外周に木系被解砕物、竹系被解砕物の解砕処理用で先端部に鋭利な凹凸形状を有する解砕歯を着脱自在に設けた構成のものである。又、この構成を一対の対向する構成とし、ロータ軸と解砕歯とからなるロータを正転、逆転可能とし、これに第1ロストル、第2ロストル及び蓋部材を設け、木竹系被解砕物の解砕処理に適合する構成とした。さらに、バケット本体に被解砕物をすくい込み、取り込み可能な2つの開口部を形成し、解砕処理方法を選択的に変更できるようにした。
【0019】
従って、特に樹木根、竹根等の細根の多い軟質系の被解砕物、個々の形状が異なる被解砕物において、一対のロータで被解砕物を噛み込むようにして取り込み、根をほぐし、高能率に、かつ、容易に解砕片に解砕できる解砕処理バケットとすることができた。又、一対のロータは正逆回転できるため、解砕動作、戻し動作を繰り返すことで、解砕異常が生じにくく容易に解砕することができる。さらに、解砕片と、泥、土砂とを容易に分離できる解砕処理バケットとすることができた。この解砕片は、さらに細分化したチップ状とすることができるタブグラインダ等の前処理機として威力を発揮でき、木竹系被解砕物の資源リサイクル化に貢献できる。
【0020】
又、解砕処理作業においては、解砕歯をロータに対し、せん断力により破断が可能な固定部材による締結構成としたので、解砕処理時に過負荷が生じてもバケット本体、解砕歯、ロータ軸等を損傷させることが防止、保護できる構成のものとなった。さらに、木竹系被解砕物の解砕処理バケットを適用するバックホーの機能を活用することで、移動が自由で場所の設置条件もなくなった。又、形状は従来と大きく変わらず、この解砕処理バケットは機能向上にもかかわらずコンパクトで低コストな構成にすることができた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の木竹系被解砕物の解砕処理バケットを適用したバックホーの全体図である。
【図2】図2は、木竹系被解砕物の解砕処理バケットの平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A断面図である。
【図4】図4は、図3のB−B断面図である。
【図5】図5は、図4のE部を拡大して図示した断面図である。
【図6】図6は、木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおける第1の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物をすくい込む工程を説明するための断面図である。
【図7】図7は、解砕処理バケットにおける第1の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物を解砕処理している工程を説明するための断面図である。
【図8】図8は、木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおける第2の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物をすくい込む工程を説明するための断面図である。
【図9】図9は、解砕処理バケットにおける第2の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物を解砕処理している工程を説明するための断面図である。
【図10】図10は、木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおける第3の解砕処理方法の説明図であって、被解砕物を解砕処理している工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の木竹系被解砕物の解砕処理バケットを適用するバックホー1の全体構成図である。バックホー1は、パワーショベルと同系統の掘削機で、主として穴掘り、溝掘り等の土壌掘削作業を行う公知の土木掘削機である。バックホー1は、公知の土木掘削機であるのでバックホー本体の構成に関する詳細説明は省略する。
【0023】
バックホー1は自走式でクローラ2を介し、所望の場所へ移動可能である。基体3に第1旋回アーム4が支軸を介して第1シリンダ5により垂直方向に揺動自在に設けられている。又、この第1旋回アーム4を支持している基体3が旋回可能に構成されていて、これに伴い第1旋回アーム4は地面に対し水平方向も旋回可能である。この第1旋回アーム4には、支軸を介して第2旋回アーム6が設けられている。この第2旋回アーム6は、第1旋回アーム4に設けられた第2シリンダ7により第1旋回アーム4に対して揺動自在になっている。
【0024】
第2旋回アーム6の先端に、支軸を介して、木竹系被解砕物の解砕処理バケット(以下「バケット」と称す)8が設けられている。このバケット8は被解砕物Mの解砕処理を行う部材であって、第2旋回アーム6に設けられたバケット用シリンダ9により揺動自在となっている。前述のように、基体3が水平方向に旋回自在となっているので、これに伴いバケット8も垂直方向に揺動可能であるとともに、水平方向にも向きを変えることができる。この結果、バケット8はどの位置へも移動可能である。本発明は、このバックホー1の第2旋回アーム6の先端に取り付けられ、木竹系被解砕物(木系の被解砕物、竹系の被解砕物等)Mの解砕処理を行うバケット8に関するものである。例えば、木竹系被解砕物Mは、伐採された樹木、竹、掘り出された樹木根、竹根、及び、廃木材等である。
【0025】
バケットは、一般的には、アスファルトのガラやコンクリートの塊等硬質系原料の破砕物(被掘削物)をすくい上げ、内部に取り込み破砕し、運搬等を行うためのものが主流である。本実施の形態のバケット8は、木竹系被解砕物Mの解砕処理を対象とするもので、上部に被解砕物Mを取り込み可能な第1開口部10が設けられている。底部にも被解砕物Mを取り込み可能な第2開口部11が設けられている。この第2開口部11は、第1開口部10側から投入され、バケット本体13内で解砕処理されたとき、解砕された解砕片Cを排出する排出部の役割も果たすものである。図2はバケット8の平面図、図3は図2のA−A断面図である。図4はバケット8のロータ軸12を中心に断面で示した図3のB−B断面図、図5は図4のE部を拡大して図示した断面図である。
【0026】
バケット本体13の内壁14は硬質材で被覆されている。一対のロータ軸12(第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12b)は、バケット本体13に回転可能に設けられ、バケット本体13の外部に配置されるロータ駆動装置15により駆動される。ロータ駆動装置15は、油圧モータにより回転駆動される装置であるが、この油圧モータは正転方向、逆転方向の2方向に回転制御されるものである。このロータ駆動装置15は、変速装置(例えば、減速装置)を備えている装置、油圧モータ以外の他の駆動体により回転駆動される装置であってもよい。
【0027】
又、Vベルト等を介して一対のロータ軸12を回転させる構成のものであってもよい。このバケット本体13は底部側も開口されていて前述のように第2開口部11を構成している。この第2開口部11近傍の壁部に支持部16が設けられ、バケット本体13内部に一対のロータ軸12が支持部16に回転自在に支持されている。この一対のロータ軸12は、中心軸線が相互に平行に対向して配置された第1ロータ軸12aと第2ロータ軸12bで構成されている。
【0028】
バケット本体13は、前述のように上部(一方の側)に被解砕物Mの第1の取り込み口としての第1開口部10が、底部(他方の側)に被解砕物Mの第2の取り込み口としての第2開口部11が形成されている。又、バケット本体13の内部であって、後述する第1ロストル22a、第2ロストル22b、バケット本体13の壁部等により囲まれた空間が解砕室13aを構成している。バケット本体13の外壁には、第1ロータ軸12a及び/又は第2ロータ軸12bの駆動のためロータ駆動装置15が設けられている。この実施の形態では、ロータ駆動装置15は油圧モータであり、第1ロータ軸12a又は第2ロータ軸12bの一方の両軸端に各々取り付けられている。
【0029】
第1ロータ軸12aと第2ロータ軸12bとは、相互に連結ギヤ17で連結しており、一対のロータ軸12の一方の回転駆動によりこの連結ギヤ17を介して一対のロータ軸12の他方も回転駆動するようになっている。連結ギヤ17の歯数比を変えることにより一対のロータ軸12(2つのロータ軸)の回転比を変えることができる。従って、ロータ駆動装置15が作動すると、例えば矢印R1方向(図3に示す時計回り方向)、矢印R2方向(図3に示す反時計回り方向)に、一対のロータ軸12の一方、一対のロータ軸12の他方が、連結ギヤ17を介して回転し、一対のロータ軸12が同期して回転することになる。
【0030】
この第1ロータ軸12aと第2ロータ軸12bの外周には、複数の第1解砕歯18A、複数の第2解砕歯18Bからなる一対の複数の解砕歯(以下、「一対の解砕歯」と称す)18が着脱自在に設けられている。この実施の形態においては、円周に4つの第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bが各々に等間隔に配置され、この4つの第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bが、第1ロータ軸12aと第2ロータ軸12bの長手方向(軸線方向)に7列にわたって配置されている。すなわち、円周方向に4つ、かつ、軸線方向に7列配置された複数の第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bがセット(一対)の形で取り付けられている。なお、この実施の形態では円周方向に配置される解砕歯の個数を4個として説明を行っているが、他の個数であってもよい。この解砕歯の個数により、解砕、排出される解砕片Cの大きさの調整を行うことができる。例えば、解砕片Cの大きさを小さくする場合には、円周方向に配置する解砕歯の個数を多くするとよい。
【0031】
回転時には第1ロータ軸12aの第1解砕歯18Aと第2ロータ軸12bの第2解砕歯18Bは、交互に相手解砕歯18の間に入り込むようになっている。又、2つのロータ軸の相対回転数が異なるときは、相互に第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの取り付け位置を長手方向にずらし、回転時の干渉を避けるようにする。この第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bの支持板19に2本のボルト20、ナット20aで固定されている。このボルト20は、被解砕物Mの解砕処理時に異常な過負荷が生じたときに、この過負荷によるせん断力で破断される強度となる直径dのものが使用されている。一対のロータ軸12と一対の解砕歯18(第1ロータ軸12aと第1解砕歯18A、及び、第2ロータ軸12bと第2解砕歯18B)とで一対のロータが構成されている。
【0032】
支持板19、支持板19間は溝部21を構成しており、解砕処理時に、解砕している被解砕物M、解砕片C等が滞留し詰まるおそれがある。このためこの溝部21の被解砕物M等は後述する第1ロストル22a、第2ロストル22bにより除去するようになっている。第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、樹木、根株、廃木材等被解砕物Mの解砕に適する形状に形成されている。第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、図4、5に示すように断面視において略T字形状をなし、フランジ部分18aがロータ軸12の外側に張り出し、樹木、根株、廃木材等被解砕物に直接接触し解砕処理する。このフランジ部分18aは、図2に示すように、平面視において第1ロータ軸12a(又は、第2ロータ軸12b)の軸線に対して直交する方向に、複数個(この形態では3個)、先端側が鋭利な形状になっている凸部が形成された歯部(変形した星形状の歯部)である凹凸状歯部18bを構成した形状となっている。この凹凸状歯部18bの凸部は、先端側が、被解砕物Mへ食い込み可能な鋭利な角度になっている凸部である。
【0033】
言い換えると、凹凸状歯部18bは、第1ロータ軸12a(又は、第2ロータ軸12b)の軸線方向と直交する方向に、中央部が一番高い中央凸部、その中央凸部の両端に中央凸部より低い凸部が形成されたものである。すなわち、凹凸状歯部18bは、3つの凸部が形成された凹凸状歯部である。第1解砕歯18Aは、第1ロータ軸12aの螺旋状の所定の位置に、第2解砕歯18Bは、第2ロータ軸12bの螺旋状の所定の位置に設けられており、解砕処理時の負荷変動が少なくなるように構成されている。このように構成することで、ねじれたのこぎり歯のような構成になっているとともに、支持部分18cに近い凸部が一番高い中央凸部となっている。
【0034】
又、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bの複数の支持板19に長手方向に位置をずらして配置されている。樹木、根株、廃木材等被解砕物Mは、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの凹凸状歯部18bに触れることにより、押しつぶされると同時に切り裂かれる。又、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、断面視がT字状になっているため、切り裂いた根の裏側に入り込み、根をほぐすような作用もする。
【0035】
さらに、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの支持部分18cの下部は、ロータ軸12の支持板19が挿入可能な溝が形成された支持溝形状となっている。第1解砕歯18A、及び第2解砕歯18Bは、支持部分18cの溝が第1ロータ軸12a、及び第2ロータ軸12bの支持板19に挿入された後、ボルト穴に2本のボルト20が挿通され、ボルト20のねじ部にナット20aをねじ込むことで固定できる(図5参照)。このことにより、第1解砕歯18A、及び第2解砕歯18Bが、第1ロータ軸12a、及び第2ロータ軸12bの支持板19にボルト20、ナット20aを介して締結されている。このボルト20は、前述したように第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bに過負荷が生じたとき、このボルト20はこの負荷のせん断力で破断する強度に相当する直径dのものとしている。
【0036】
この破断により第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bは、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bから無傷のまま、又は、解砕処理に影響を与えない軽微な損傷の状態で外れることになる。又、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bとともに、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12b、ロータ駆動装置15、バケット本体13等に損傷が生じることを防止できる。破断したボルト20は、新しいボルト20に交換し、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの再取り付け(再固定)を行えば、元の状態の作業環境にすぐ復帰させることができる。すなわち、メンテナンスが容易であり、メンテナンス時間も短縮でき生産効率を低下させることがない。
【0037】
被解砕物Mが、第1開口部10から破砕室13a内のロータ側に投入された場合、投入された被解砕物Mは、一対のロータ軸12に設けられた一対の解砕歯18(第1解砕歯18A、第2解砕歯18B)間に押し込まれ、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bの回転に伴い解砕処理される。すなわち、図3において、第1ロータ軸12aは反時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bは時計回り方向(矢印R1方向)に、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bとともに回転して、被解砕物Mを解砕する。解砕された解砕片Cは、第2開口部11、第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出される。
【0038】
さらに、バケット本体13には、第1ロータ軸12a(又は第2ロータ軸12b)の軸線と直交する方向の第2開口部11を挟んだ両方の縁部側に、第1ロストル22a、第2ロストル22bが設けられている。この第1ロストル22a、第2ロストル22bは、板状の硬質部材で、バケット本体13の全幅にわたって設けられ、第1解砕歯18Aは、第1ロストル22aの板と板との間を通過するようになっている。第2解砕歯18Bは、第2ロストル22bの板と板との間を通過するようになっている。
【0039】
これらの第1ロストル22a、第2ロストル22bは、複数の板を併設させた構成になっていて、この板間の空間が解砕片C及び第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bの通過路となっている。又、逆に言うと、第1ロストル22a、第2ロストル22bは、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bの支持板19、19の間を通過する構成になっている。従って、一対のロータ軸12の支持板19、19間等に滞留した解砕片C等は、この第1ロストル22a、第2ロストル22bの板間を通過することにより除去される。従って、一対のロータ軸12と一対の解砕歯18からなる一対のロータに、解砕途中の被解砕物M、解砕された解砕片Cが詰まってしまうことが生じない。
【0040】
一方、バケット本体13の上部の第1開口部10には、蓋部材23が設けられている。この蓋部材23は、バケット本体13の一端に設けられた支軸24を介してバケット本体13の上下方向に揺動して第1開口部10を開閉するようにしている。この蓋部材23は、一方の側が軸25bを介してバケット本体13に固定され、他方の側が蓋部材23に固定された蓋開閉用シリンダ25により開閉駆動される。すなわち、蓋開閉用シリンダ25は、圧力流体(例えば、圧油)の供給によりピストンロッド25aが伸縮することで、蓋部材23を揺動させて開閉する。この蓋開閉用シリンダ25の圧力流体は、図示していないが他のシリンダ、油圧モータを含めバックホー本体の油圧供給源から供給される圧力流体である。
【0041】
従って、このバケット本体13に投入された被解砕物Mが第1開口部10より外部へはみ出しても、この蓋部材23により強制的にバケット本体13内へ押し込むことができる。被解砕物Mが、樹木根、竹根等軟質系の被解砕物Mの場合、この蓋部材23によって押し込むことにより、効率的に解砕処理することができる。以上がバケット8の基本的構成であるが、次に、種々の被解砕物の解砕処理に適用させた解砕方法について説明する。
【0042】
図6、7に従って、バケット8における第1の解砕処理方法について説明を行う。図6は、バケット本体13が地面に置かれた樹木根、竹根等被解砕物Mをすくい込む状態を示している。バケット本体13がバックホー1の操作により、被解砕物Mをすくい込む方向へ移動することで、先ずバケット本体13内の第1ロストル22a上に被解砕物Mは取り込まれる。このとき蓋部材23は開放状態にある。図7は、すくい込んだ被解砕物Mを解砕処理している状態を示している。
【0043】
第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを、各々、矢印の方向に回転させる。すなわち、図7において、第1ロータ軸12aを反時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bを時計回り方向(矢印R1方向)に回転させる。バケット本体13の姿勢を、すくい込む姿勢から、第2開口部11が地面側を向くように姿勢を変える。第1開口部10側にある被解砕物Mが一対のロータ軸12側に寄り、被解砕物Mの自重と、一対のロータの前述した回転方向側への回転で生じる噛み込み動作等により、被解砕物Mが一対のロータ軸12に、各々、固定された一対の解砕歯に噛み込まれた状態にする。被解砕物Mは、第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bにより解砕処理されるとともに、被解砕物Mに付着していた泥、土壌が分離される。解砕された解砕片Cは、樹木根、竹根等の絡まりが解かれ、かつ、ほぐされるとともに細断化されてバケット本体13下方に落下する。又、解砕片Cと、泥、土壌との分離も同時に行うことができる。
【0044】
解砕された解砕片C、分離された泥、土壌は、大部分が矢印Xの方向に導かれ、第2開口部11から排出される。又、解砕片C、泥、土壌の一部は、第1ロストル22a、第2ロストル22bから排出される。排出された解砕片C、泥、土壌とは、容易に分離できる形態となる。さらに、解砕片Cは、第2開口部11、第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出され、四方八方に飛散することがないので後処理が容易である。
【0045】
この解砕処理の場合、蓋部材23は開放されたままの状態であり、常時この状態で解砕処理作業が行われる。もし、被解砕物Mが一対のロータ等に詰まりそうな場合、過負荷状態になりそうな場合には、第1ロータ軸12aを時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bを反時計回り方向(矢印R1方向)に回転させる。すなわち、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを、各々、解砕処理時の回転方向の反対方向に逆回転させた後、再度、第1ロータ軸12aを反時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bを時計回り方向(矢印R1方向)に回転させて解砕処理を行うとよい。又、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12b(一対のロータ軸12)を、時計回り方向(矢印R1方向)、反時計回り方向(矢印R2方向)に回転させる正逆回転方向への回転動作を繰り返すことでさらに容易な解砕処理が行える。
【0046】
図8、9に従って、このバケット8における第2の解砕処理方法について説明を行う。図8は、図6と同じバケット構成になるが、被解砕物Mが大きくすくい込みにくい場合等に適用される。この場合は、蓋部材23を常時使用する。即ち、蓋部材23を蓋開閉用シリンダ25の駆動で動作させ、強制的に被解砕物Mを第1開口部10からバケット8内部へ押し付け閉じ込めるようにする。大きな被解砕物Mはバケット本体13外にはみ出る場合が多いので、第1開口部10側にある被解砕物Mの一部を引っ掛け蓋部材23による強制的押し込みで、最終的には被解砕物M全体をバケット本体13内に取り込み解砕を行う。蓋部材23の形状は、先端部から支軸24側にかけて湾曲状になっていて、被解砕物Mを取り込みやすい形としている。従って、蓋部材23の先端で引っ掛けられた被解砕物Mはスムースにバケット本体13内に引きずり込み取り込むことができる。
【0047】
図9は、図8で示す蓋部材23を介して取り込んだ被解砕物Mを解砕処理する構成を示した断面図である。図8の取り込み状態のバケット本体13の姿勢を第2開口部11側が地面に対向する向きに変え、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを回転させ被解砕物Mを解砕し、第2開口部11、第1ロストル22a、第2ロストル22bより解砕片Cを排出する。このとき蓋部材23を強制的に駆動し、閉じるようにして被解砕物Mをバケット本体13内部に強制的に押し込む。押し込まれた被解砕物Mは、第1ロータ軸12aの反時計回り方向(矢印R2方向)の回転、第2ロータ軸12bの時計回り方向(矢印R1方向)の回転に伴い矢印Yに示す方向に導かれる。
【0048】
この解砕処理方法は、基本的に図7の場合と同一構成であるが、蓋部材23を常時使用するようにした点が異なる。なお、この第2の解砕処理方法でも、解砕途中の被解砕物M、解砕片Cが一対のロータ等に詰まりそうな場合、過負荷状態になりそうな場合には、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを、各々、解砕処理時の回転方向の反対方向に逆回転させた後、再度、第1ロータ軸12aを反時計回り方向(矢印R2方向)に、第2ロータ軸12bを時計回り方向(矢印R1方向)に回転させて解砕処理を行うとよい。このように解砕処理することにより、解砕された解砕片Cは、樹木根、竹根等の絡まりが解かれ、かつ、ほぐされるとともに細断化されてバケット本体13下方に落下する。又、被解砕物Cと、泥、土壌との分離も同時に行うことができる。さらに、解砕片Cは、第2開口部11、第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出され、四方八方に飛散することがないので後処理が容易である。
【0049】
図10に従って、このバケット8における第3の解砕処理方法を説明する。図10は、バケット8における第3の解砕処理方法を説明するための断面図である。この解砕処理方法は、地面等に置かれた被解砕物Mを第2開口部11から取り込み解砕処理する方法である。バケット本体13の第2開口部11側を地面に対向させ、バケット本体13を、地面に置かれた被解砕物Mに対し上方から地面側に移動させて押し付ける。バケット本体13の第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12b(一対のロータ軸12)は、前述した解砕処理方法とは逆の方向に回転するようにしている。すなわち、第1ロータ軸12aを図10における時計回り方向(矢印R1方向)に、第2ロータ軸12bを反時計回り方向(矢印R2方向)に回転させるようにしている。従って、被解砕物Mは、第2開口部11から図の矢印Zに示す方向に取り込まれ、バケット本体13の解砕室13a内において解砕処理されることになる。
【0050】
被解砕物は一対の解砕歯18により解砕されながら一対のロータ軸12間を通過し第1開口部10側に導かれる。取り込まれた被解砕物Mは、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bとともに回転している第1解砕歯18A、第2解砕歯18Bにより解砕処理され、被解砕物Mが解砕された解砕片Cは、第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出される。なお、この第3の解砕処理方法でも、解砕途中の被解砕物M、解砕片Cが一対のロータ等に詰まりそうな場合、過負荷状態になりそうな場合には、第1ロータ軸12a、第2ロータ軸12bを、各々、解砕処理時の回転方向の反対方向に逆回転させた後、再度、第1ロータ軸12aを時計回り方向に、第2ロータ軸12bを反時計回り方向に回転させて解砕処理を行うとよい。
【0051】
解砕された解砕片Cは、樹木根、竹根等の絡まりが解かれ、かつ、ほぐされるとともに細断化されてバケット本体13下方に落下する。又、解砕片Cと、泥、土壌との分離も同時に行うことができる。この第3の解砕処理方法でも、解砕片Cは第1ロストル22a、第2ロストル22bからバケット本体13外に排出され、四方八方に飛散することがないので後処理が容易である。
【0052】
このバケットは、山林、竹林等の造成地現場、伐採樹木、伐採枝葉を減容する現場等で使用する構成に特化している。又、このバケットは、第1開口部、第2開口部、第1ロストル、第2ロストルと備えているとともに、一対のロータ(ロータ軸及び解砕歯)を正転、逆転させ広範囲の解砕処理作業を行うことができるようにし、各種解砕処理作業を高能率で行えるようにしている。さらに、このバケットは、簡素な構成で低コストになっており、信頼性の高いものとなっている。このバケットで解砕処理れた解砕片は、タブグラインダ等でさらに細分化されたチップとすることが容易にでき、木系・竹系の被解砕物の資源リサイクル化に大いに貢献できる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、被解砕物の対象を樹木根、竹根を中心に説明したが、伐採された樹木や竹、廃木材、伐採された枝葉等の被解砕物であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…バックホー
8…木竹系被解砕物の解砕処理バケット
10…第1開口部
11…第2開口部
12…一対のロータ軸
12a…第1ロータ軸
12b…第2ロータ軸
13…バケット本体
15…ロータ駆動装置
18…一対の解砕歯
18A…第1解砕歯
18B…第2解砕歯
20…固定部材(ボルト)
22a…第1ロストル
22b…第2ロストル
23…蓋部材
25…蓋開閉用シリンダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木竹系の被解砕物を解砕処理するための解砕処理バケットであって、
バックホーのアーム先端に移動可能に設けられ、一方の側に、前記被解砕物を取り込み可能に開口している第1開口部が、他方の側に、前記被解砕物を取り込み可能に開口している第2開口部が形成されたバケット本体と、
前記バケット本体内に正逆回転可能に設けられた一対のロータ軸と、前記一対のロータ軸の外周に着脱自在に設けられ、前記被解砕物を解砕するための複数の解砕歯とからなる一対のロータと、
前記バケット本体の側壁に設けられ前記一対のロータを回転駆動させるためのロータ駆動装置と、
前記バケット本体に設けられ、前記被解砕物が解砕された解砕片を排出可能であるとともに、前記一対のロータの一方に前記被解砕物が詰まるのを防止する第1ロストルと、
前記バケット本体に、前記第2開口部を挟んだ前記第1ロストルの反対側に設けられ、前記解砕片を排出可能であるとともに、前記一対のロータの他方に前記被解砕物が詰まるのを防止する第2ロストルとからなる
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項2】
請求項1に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記解砕処理バケットは、前記第1開口部と前記第2開口部とを選択的に変更して前記被解砕物を取り込み、解砕処理が可能なものである
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記被解砕物は、伐採樹木、伐採竹、樹木根、竹根、及び廃木材から選択される1種以上である
ことを特徴とする木竹系廃棄物の解砕処理バケット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記解砕歯は、断面がT字状であるとともに、平面視で前記ロータ軸軸線と直交する方向の両先端部が前記被解砕物へ食い込み可能な鋭利な凸形状を有するものである
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記バケット本体には、前記第1開口部に駆動体の駆動力で開閉自在な蓋部材が設けられている
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記解砕歯は、前記ロータ軸に、前記解砕歯に過負荷が生じたときせん断力で破断可能な固定部材で固定されている
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項1】
木竹系の被解砕物を解砕処理するための解砕処理バケットであって、
バックホーのアーム先端に移動可能に設けられ、一方の側に、前記被解砕物を取り込み可能に開口している第1開口部が、他方の側に、前記被解砕物を取り込み可能に開口している第2開口部が形成されたバケット本体と、
前記バケット本体内に正逆回転可能に設けられた一対のロータ軸と、前記一対のロータ軸の外周に着脱自在に設けられ、前記被解砕物を解砕するための複数の解砕歯とからなる一対のロータと、
前記バケット本体の側壁に設けられ前記一対のロータを回転駆動させるためのロータ駆動装置と、
前記バケット本体に設けられ、前記被解砕物が解砕された解砕片を排出可能であるとともに、前記一対のロータの一方に前記被解砕物が詰まるのを防止する第1ロストルと、
前記バケット本体に、前記第2開口部を挟んだ前記第1ロストルの反対側に設けられ、前記解砕片を排出可能であるとともに、前記一対のロータの他方に前記被解砕物が詰まるのを防止する第2ロストルとからなる
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項2】
請求項1に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記解砕処理バケットは、前記第1開口部と前記第2開口部とを選択的に変更して前記被解砕物を取り込み、解砕処理が可能なものである
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記被解砕物は、伐採樹木、伐採竹、樹木根、竹根、及び廃木材から選択される1種以上である
ことを特徴とする木竹系廃棄物の解砕処理バケット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記解砕歯は、断面がT字状であるとともに、平面視で前記ロータ軸軸線と直交する方向の両先端部が前記被解砕物へ食い込み可能な鋭利な凸形状を有するものである
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記バケット本体には、前記第1開口部に駆動体の駆動力で開閉自在な蓋部材が設けられている
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載された木竹系被解砕物の解砕処理バケットにおいて、
前記解砕歯は、前記ロータ軸に、前記解砕歯に過負荷が生じたときせん断力で破断可能な固定部材で固定されている
ことを特徴とする木竹系被解砕物の解砕処理バケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−281050(P2010−281050A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133319(P2009−133319)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000150291)株式会社中山鉄工所 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000150291)株式会社中山鉄工所 (35)
【Fターム(参考)】
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