説明

来店者通知システム

【課題】多くの顔画像を取得することにより高い顔照合精度を有する来店者通報システムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の来店者通知システムは、撮像カメラ1で撮像した顔画像をデータベース12と照合し、登録された来店者である場合にそれを通知する来店者通知システムである。来店者通知システムは、撮像カメラ1の撮像画像を取得する画像取得部2と、撮像領域のうち1又は複数の所定領域を顔検出領域として設定する顔検出領域設定部3と、顔検出領域から顔画像を検出する顔検出部4と、顔検出部4で顔画像が検出された場合にのみ、画像取得部2が撮像画像を取得する速度を増加させる画像取得速度制御部5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来店者の顔画像を登録データベースと比較照合し、登録された来店者である場合にその旨を通知する顔照合を利用した来店者通知システムである。
【背景技術】
【0002】
一般的な来店者通知システムでは、来店者の動線に向けて撮像カメラを配設し、撮像カメラの全撮像領域に入ってきた来店者の顔画像を単位時間あたり数コマ撮影する。そして、撮像画像から来店者の顔画像を検出し、撮像画像における顔幅が所定の大きさ以上である場合に顔画像を同一人物につき複数枚取得して、後段の顔照合処理に供給している。
【0003】
例えば、顔照合システムの性能上、同一人物につき10枚の顔画像が必要な場合、撮像カメラの撮影速度が1秒あたり5コマとすれば、2秒以上も来店者の顔画像を後段の顔照合処理に供給しなければならない。
【0004】
ところが、通常、来店者は辺りを見回しながら歩行するものであり、歩行中に顔の向きが上下左右の任意の方向に向いたり、さらに歩行路に存在する照明の影響を受けて顔の明るさが刻々と変化する。そのため、上述のように全撮像領域範囲内で同じような照明条件下で2秒以上も同一人物の顔画像を取得し、後段の顔照合処理に供給することは困難であり、顔照合の精度が低下していた。
【0005】
この対策として、来店者の撮像通路上に来店者の注意を引く広告用ディスプレイを設置し、来店者を立ち止まらせ、広告用ディスプレイの側から撮影通路上の来店者を撮影することにより、同じ照明条件下で正面(撮像カメラ方向)を向いた顔画像をより多く取得しようとした顔検出システムがある(特許文献1参照)。
【0006】
また、来店者の撮像通路上に自動ドア等の開閉式ドアがある場合には、来店者の顔の向きが扉開の時点で前方を向くという人の特性に着目し、前方を向いた時に顔画像を取得すすることにより、後段の照合判定に適した画像の取得を図る生体照合システムがある(特許文献2参照)。
【0007】
さらに、撮像カメラからの取得画像を複数の領域に分けて、夫々の領域毎に検索条件を設定し、条件に該当しない処理を省くことで顔検索処理の効率化を図るとともに、顔の検出精度の向上をも図る顔検出装置がある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−243095号公報
【特許文献2】特開2002−140699号公報
【特許文献3】特開2008−234578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の顔検出システムでは、広告用ディスプレイの設置の開始時は来店者の注意を引き、来店者は足を止めるかもしれないが、すぐにディスプレイの表示内容に飽きてしまい、効果が継続しないという問題点がある。特許文献1には、さらに飽きさせないための方策についても言及しているが、効果を継続させることは困難である。
【0010】
特許文献2に記載の生体照合システムは、自動扉のような開閉スライド式ドアでは有効であるが、例えばガラス張りの店舗などで来店者の目的が明確である場合には、戸開の時点で前方を向くことは少なく、受付など目的の場所の方向に顔を向けることも考えられる。さらに、来店者が連続して扉が常に開いた状態となる場合は、来店者が扉の前で一瞬立ち止まり前を見るということはない。
【0011】
特許文献3に記載の顔検出装置は、検出対象とする顔の大きさを定める顔サイズ条件、検出対象とする顔の向きを定める顔向き条件、照明条件など、の様々な検索条件を選ぶことで撮像カメラの画像の中から適する画像を峻別するものである。しかし、検索条件を厳しくすればするほど、結果として取得できる画像枚数は減ってしまうし、条件が増えればそれに比例して処理負荷も増えるものと考えられる。
【0012】
これら以外にも、(1)複数の顔の向きから算出した顔の特徴量を予め登録しておいて照合する方法や、(2)歩行中の顔の向きのばらつきを補完して照合する方法、(3)複数の撮像カメラを用いて同一来店者の画像を撮影する方法などが考えられる。しかし、(1)、(2)では複数の顔画像から新たに画像データを作成するのに多くの処理時間が必要である。また、(3)ではカメラ毎の来店者の画像の同一性判断を行う必要があり、多くの処理時間が必要となるため、来店者を通知するようなリアルタイム処理が必要な用途への適用は困難である。
【0013】
以上のように、顔照合すべき対象が移動している状態にあり、顔照合の結果をその場で通知することが求められる来店者通知システムにおいて、上記の従来例では、ほぼ同一の環境下で、撮像カメラ方向を向いた顔画像を短時間で必要枚数取得することは困難であるし、取得した顔画像の補完処理を短期間で実行することも困難である。
【0014】
そこで、本発明は上述の問題点に鑑み、同一環境下の顔画像を多く取得することにより高い顔照合精度を有する来店者通報システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の来店者通知システムは、撮像カメラで撮像した顔画像をデータベースと照合し、登録された来店者である場合にそれを通知する来店者通知システムであって、撮像カメラの撮像画像を取得する画像取得部と、撮像領域のうち1又は複数の所定領域を顔検出領域として設定する顔検出領域設定部と、顔検出領域から顔画像を検出する顔検出部と、顔検出部で顔画像が検出された場合に、画像取得部が撮像画像を取得する速度を増加させる画像取得速度制御部とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の来店者通知システムは、撮像領域のうち1又は複数の所定領域を顔検出領域として設定する顔検出領域設定部と、顔検出部で顔画像が検出された場合に、画像取得部が撮像画像を取得する速度を増加させる画像取得速度制御部とを備えることにより、処理負担を大幅に増やすことなく多くの顔画像を取得することができ、顔照合の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】前提技術に係る来店者通知システムの構成図である。
【図2】実施の形態1に係る来店者通知システムの構成図である。
【図3】店舗入口に向けて設置された撮像カメラ1が来店者を撮影する様子を示した図である。
【図4】撮像カメラの撮像領域を示す図である。
【図5】撮像カメラの有効画素数と撮像面サイズの関係を示す図である。
【図6】日本人の頭部寸法データを示す図である。
【図7】撮像カメラの撮像領域を示す図である。
【図8】実施の形態2に係る来店者通知システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
<前提技術>
本発明の前提技術に係る来店者通知システムの構成を、図1に沿って説明する。図1に示すように、前提技術に係る来店者通知システムは、撮像カメラ1、画像取得部2、顔検出部4、顔追跡部6、顔画像切り出し正規化部7、特徴点抽出部8を備える。
【0019】
画像取得部2は撮像カメラ1から撮像画像を取得する。顔検出部4は、撮像画像中に顔があるか否かを検出する。顔追跡部6は、顔検出部が検出した顔画像の動きを予測して、顔画像毎に識別番号を付与する。顔画像切り出し正規化部7は、識別番号が付与された顔画像の特定の決められた数点を抽出し、これらを基準点として顔画像の傾きや大きさを補正し切り揃える(正規化する)。特徴点抽出部8は、正規化された顔画像から特徴点を抽出する。
【0020】
また、来店者通知システムは、照合部9、仮照合部10、通知部11、登録顔画像データベース(DB)12、仮登録顔画像データベース(DB)13、を備える。仮登録顔画像DB13には、特徴点抽出部8で抽出された特徴点が識別番号毎に仮登録される。さらにオペレータは、仮登録顔画像DB13の中からオペレータが登録しておきたい画像データを選択し、これに個別の情報(氏名、所属など)を追加して登録顔画像DB12に登録する。
【0021】
照合部9は特徴点抽出部8が抽出した特徴点と登録顔画像DB12を照合する。照合部9では画像の類似度が数値化され、予め設定した閾値を超えた場合に一致したと判定する。一致した場合、通知部11は一致したことを外部に通知する。一致しなかった場合、抽出した特徴点は仮照合部10において、仮登録顔画像DB13と照合される。
【0022】
仮照合部10でも照合部9と同様に、予め設定した閾値に基づいて一致/不一致を判定する。一致した場合は仮登録顔画像DBに当該特徴点の画像を追加し、一致しなかった場合は仮登録顔画像DBに当該特徴点の画像を仮登録する。
【0023】
<構成>
図2に沿って、本実施の形態の来店者通知システムの構成を説明する。図2において、図1に示した前提技術に係る来店者通知システムと同一の構成要素には同一の番号を付している。図2に示すように、本実施の形態の来店者通知システムは、前提技術に係る来店者通知システムの構成に加えて、撮像画像に顔検出領域を設定する顔検出領域設定部3と、画像取得速度を制御する画像取得速度制御部5とを備える。
【0024】
すなわち、本実施の形態の来店者通知システムは、撮像カメラ1の撮像画像を取得する画像取得部2と、撮像領域のうち1又は複数の所定領域を顔検出領域として設定する顔検出領域設定部3と、顔検出領域から顔画像を検出する顔検出部4と、顔検出部4で顔画像が検出された場合に、画像取得部2が撮像画像を取得する速度を増加させる画像取得速度制御部5とを備えるため、処理負担を大幅に増やすことなく多くの顔画像を取得することができ、顔照合の精度が向上するものである。
【0025】
顔検出領域設定部3は、画像取得部2から出力される画像の一部あるいは複数部に顔検出領域を設定する。画像取得速度制御部5は、顔検出領域に顔画像が検出された場合に撮像カメラ1から撮像画像を取得する画像取得部2の単位時間当たりの画像取得枚数を増やすよう制御する。画像取得部2の画像取得間隔を狭めても良いし、撮像カメラ1から画像取得部2への画像配信間隔を狭めても良い。
【0026】
これ以外の構成は図1に示した前提技術に係る来店者通知システムと同様であるため、説明を省略する。
【0027】
<撮像カメラの設定>
図3は、店舗の入口に向けて設置された撮像カメラ1が来店者を撮影する様子を示した図であり、上半分は平面図、下半分は斜視図である。
【0028】
撮像カメラ1の撮像素子の有効画素幅を640ピクセル(VGA)、撮像素子の縦横比を3:4(VGA)とする。顔検出する為に必要な画素幅を64ピクセルとし、人の顔幅を0.16mとすると、店舗入口での撮像面幅Hは1.6m、撮像面高さVは1.2mとなる(図4)。図5には、顔幅に64ピクセルを割り当てた場合の、他の撮像素子数における店舗入口での撮像面サイズを示している。撮像素子の有効画素数が1280×1024(SXGA)の場合は、店舗入口での撮像面幅Hは3.2m、撮像面高さVは2.56mとなる。撮像素子の有効画素数が1600×1200(UXGA)の場合は、店舗入口での撮像面幅Hは4.0m、撮像面高さVは3.0mとなる。撮像素子の有効画素数が1920×1080(HDTV)の場合は、店舗入口での撮像面幅Hは4.8m、撮像面高さVは2.7mとなる。なお、以下の説明において撮像素子の有効画素数は640×480(VGA)とする。
【0029】
来店者の顔が店舗入口で的確に撮影できるように、一般的な日本人の身体データに基づいて、入口における全撮像領域の高さを決定した上で、入口から奥行き方向にどこまで顔が撮影できるかを計算して撮像カメラ1の設置高さを決定する。
【0030】
図6に、日本人の身長及び頭部寸法のデータを示す。本データは「独立行政法人産業技術総合研究所、河内まき子・持丸正明、日本人頭部寸法データベース2001、H16PRO−212」から引用した。このデータによれば、青年群男性の平均身長は約1.70(m)、平均全頭高は約0.23(m)であり、ほとんどの日本人の身長は1.88(m)以下である。そこで、上記の店舗入口における撮像面の上端を床から1.88(m)とする。撮像面高さVは前述の通り1.2mであるから、床から撮像面下端までの高さh(m)を0.68(m)とすればよい(図7の上図)。
【0031】
今、図7の上図に示すように、撮像カメラ1の高さをH(m)、入口における撮像面下端までの高さをh(m)、入口から撮像カメラ1までの平面距離をD(m)、来店者の顎までの高さをM(m)とする。すると、撮像カメラ1が入口の真正面に設置されているとして、撮像カメラ1の俯角最大値θmaxはtan-1{(H−h)/D}、奥行き方向の顔撮像可能領域L(m)はD×(M−h)/(H−h)となる。
【0032】
カメラ高さH=2.3(m)、入口からカメラまでの平面距離D=13(m)とし、図6より青年群男性の平均身長、平均全頭高データより来店者の身長を1.70(m)、0.23(m)とすると、来店者の顎まで高さM=1.47(m)となるので、顔撮像可能領域L=6.34(m)となり、撮像領域の奥行き方向はこの範囲に制限されることがわかる。
【0033】
このように設置された撮像カメラ1の全撮像領域の画像を画像取得部2が取得するが、全撮像領域の中には、後段の顔照合に適した領域も存在する一方で、照明環境が暗かったり、照明が局所的に顔の一部だけを強く照らしている領域も存在する。有効画素数幅が640ピクセル程度であれば、撮像カメラ1設置時に撮像領域を慎重に選べば上記の様な後段の顔照合に不適切な領域はさほど多く含まれないが、有効画素数幅が1280ピクセル、1920ピクセルと増えると、全撮像領域に占める顔照合に不適切な領域の割合が多くなってくる。
【0034】
そこで、本実施の形態の来店者通知システムでは、全撮像領域の中の一部または複数部に顔検出領域を設定する顔検出領域設定部3を設けることにより、後段の顔照合処理に同一環境下で取得した画像を供給する。更に、撮像領域を顔検出領域に限定すれば顔検索領域も限定されるため、取得画像一枚あたりの顔検索処理の負荷を大きく軽減することができる。
【0035】
顔検出領域を設定することにはこのような利点がある一方、撮像領域を限定することで顔画像が取得可能な奥行き方向の領域が限定されてしまうという問題もある。図3に示すように、顔撮像可能領域が設定された検出領域に限定されてしまうので、単位時間あたりの画像取得枚数をこれまでと同じにしていたのでは、顔画像の取得枚数が減ってしまう。
【0036】
この対策として顔画像取得速度制御部5を設けることで、顔検出領域設定部3で設定された領域に顔画像が存在する場合に、単位時間あたりの画像取得枚数を増やすようにする。画像取得部2の画像取得間隔を狭めても良いし、撮像カメラ1から画像取得部2への画像配信間隔を狭めても良い。顔検出領域に顔画像が存在しなくなれば、顔画像取得速度制御部5は再度、通常の画像取得速度へ戻す。
【0037】
本実施の形態の来店者通知システムは、従来の顔照合を利用した来店者通知システムに顔検出領域設置得部3と顔画像取得速度制御部5を追加することで、後段の顔照合に適した顔画像の取得率を容易に、安価に向上させることができる。
【0038】
<効果>
本実施の形態の来店者通知システムによれば、以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の来店者通知システムは、撮像カメラで撮像した顔画像をデータベースと照合し、一致した場合に登録された来店者であることを通知する来店者通知システムであって、撮像カメラ1の撮像画像を取得する画像取得部2と、撮像領域のうち1又は複数の所定領域を顔検出領域として設定する顔検出領域設定部3と、顔検出領域から顔画像を検出する顔検出部4と、顔検出部4で顔画像が検出された場合に、画像取得部2が撮像画像を取得する速度を増加させる画像取得速度制御部5とを備える。顔検出領域から顔画像が検出されなくなると、撮像画像の取得速度を通常速度に戻すことによって、処理負担を大幅に増やすことなく多くの顔画像を取得することができ、顔照合の精度が向上する。
【0039】
また、画像取得速度制御部5は、画像取得部2の単位時間あたりの画像取得枚数を制御することにより、画像取得部2が撮像画像を取得する速度を増加させることを特徴とする。これにより、処理負担を大幅に増やすことなく多くの顔画像を取得することができ、顔照合の精度が向上する。
【0040】
あるいは、画像取得速度制御部は、撮像カメラ1の画像取得部2への画像配信速度を制御することにより、画像取得部2が撮像画像を取得する速度を増加させることを特徴とする。これにより、処理負担を大幅に増やすことなく多くの顔画像を取得することができ、顔照合の精度が向上する。
【0041】
(実施の形態2)
図8は実施の形態2の来店者通知システムの構成を示す図である。実施の形態2の来店者通知システムは、図1に示した実施の形態1の来店者通知システムの構成に加えて、顔検出領域重みづけ部14を設けたものである。
【0042】
顔検出領域設定部3は、撮像カメラ1の全撮像領域の複数部に顔検出領域を設定する。そして、顔検出領域重み付け部14は複数の顔検出領域の夫々に重み付けを行う。画像取得速度制御部5は、重み付けに従って画像取得部2の単位時間あたりの画像取得枚数を増減させる。
【0043】
例えば顔検出領域として第1領域と第2領域が設定されているとすると、第1領域に顔が現れた場合には撮像カメラ1からの画像取得枚数を通常設定のn倍にし、第2領域に顔が現れた場合には撮像カメラ1からの画像取得枚数を通常設定のm倍にする、というように領域を分けて重み付けを決定する。
【0044】
あるいは、第1領域と第2領域のいずれか一つの領域に顔が現れた場合には、撮像カメラ1からの画像取得枚数を通常設定のn倍にし、第1領域と第2領域の両方の領域に顔が現れた場合には、撮像カメラ1からの画像取得枚数を通常設定のm倍にする、というように、顔が検出されている設定領域の数によって重みづけの決定方法を変えてもよい。
【0045】
顔検出領域を2つ設定した場合の例を説明したが、顔検出領域が3つ以上設定された場合も同様にして重み付けを決定し、画像取得枚数を制御する。
【0046】
<効果>
本実施の形態の来店者通知システムによれば、以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の来店者通知システムにおいて、顔検出領域設定部3は、複数の所定領域を顔検出領域として設定し、複数の所定領域の夫々に重み付けを行う顔検出領域重み付け部14をさらに備え、画像取得速度制御部5は、当該重み付けに従って画像取得部2が撮像画像を取得する速度を増加させる。これにより、処理負担を大幅に増やすことなく多くの顔画像を取得することができ、顔照合の精度が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、店舗等の入り口に向けて設置され、来店者の顔を予め登録された来店者の登録顔画像データベースと照合し、照合一致した場合に来店者の来店を顔画像や登録時の付帯情報を付けて店内に通知するリアルタイム性を必要とする、来店者通知システムに適用可能であり、店舗管理を安価に支援するものである。
【符号の説明】
【0048】
1 撮像カメラ、2 画像取得部、3 顔検出領域設定部、4 顔検出部、5 画像取得速度制御部、6 顔追跡部、7 顔画像切出し正規化部、8 特徴点抽出部、9 照合部、10 仮照合部、11 通知部、12 登録顔画像データベース、13 仮登録顔画像データベース、14 顔検出領域重み付け部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像カメラで撮像した顔画像をデータベースと照合し、一致した場合に登録された来店者であることを通知する来店者通知システムであって、
前記撮像カメラの撮像画像を取得する画像取得部と、
撮像領域のうち1又は複数の所定領域を顔検出領域として設定する顔検出領域設定部と、
前記顔検出領域から顔画像を検出する顔検出部と、
前記顔検出部で顔画像が検出された場合に、前記画像取得部が前記撮像画像を取得する速度を増加させる画像取得速度制御部とを備える、来店者通知システム。
【請求項2】
前記画像取得速度制御部は、前記画像取得部の単位時間あたりの画像取得枚数を制御することにより、前記画像取得部が前記撮像画像を取得する速度を増加させることを特徴とする、請求項1に記載の来店者通知システム。
【請求項3】
前記画像取得速度制御部は、前記撮像カメラの前記画像取得部への画像配信速度を制御することにより、前記画像取得部が前記撮像画像を取得する速度を増加させることを特徴とする、請求項1に記載の来店者通知システム。
【請求項4】
前記顔検出領域設定部は、複数の所定領域を顔検出領域として設定し、
前記複数の所定領域の夫々に重み付けを行う顔検出領域重み付け部をさらに備え、
前記画像取得速度制御部は、前記重み付けに従って前記画像取得部が前記撮像画像を取得する速度を増加させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の来店者通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−221834(P2011−221834A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91088(P2010−91088)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】