説明

板金バルブ爪

【課題】板金バルブ爪の任意の各所に補強部材を設けることで強度を高めて、高圧力かつ大口径の管継手にも使用できる板金バルブ爪を提供する。
【解決手段】ガイド穴34aを中央に有する胴部33aと、該胴部の周縁に形成して屈曲部36aで一側へ折り曲げた複数のアーム部32aと、該アーム部と反対側に折り曲げたスプリング係止部31aとを具備する管継手の板金バルブ爪30aにおいて、アーム部と胴部の少なくとも一方に補強構造を設ける。前記アーム部の補強構造は、アーム部の先端近傍と前記屈曲部との間に位置して前記アーム部の長手方向に沿って形成されたリブ35a、または、前記アーム部の先端近傍と前記胴部の一部までの間に位置して前記アーム部の長手方向に沿って形成されたリブとする。また、前記胴部の補強構造は、ガイド穴の周縁を前記アーム部の折り曲げ方向、またはそれと反対方向に延ばした絞り部とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板金バルブ爪に関し、特に、バルブ機構を有する管継手のバルブ保持部材である板金バルブ爪に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、雄側継手(プラグ側継手)および雌側継手(ソケット側継手)の内部にそれぞれバルブを有する管継手において、両バルブをスプリングによって継手の先端開口部に向かって内側から付勢しておき、両継手が切離している際にはバルブによって流体の漏洩を防止し、両継手が連結される際には両バルブが開いて管路を連通させる管継手が知られている。上記の構造による管継手は、前記プラグおよびソケットの内部に、バルブを付勢するスプリングを保持するバルブ保持部材を有している。
【0003】
本出願人による下記の特許文献1には、バルブ爪(板金バルブ爪)と称するバルブ保持部材が開示されている。該板金バルブ爪は、胴部の中央にバルブ軸の一端が貫通する開口部を設け、前記胴部の周縁に、一側へ折り曲げた適数のアーム部を等間隔ごとに形成し、かつ前記アーム部間に位置させて前記アーム部と反対側に折り曲げたスプリング係止部を設けた形状とされる。該板金バルブ爪によると、バルブが開閉動作をしてもスプリングに遊びを生じることがないため、バルブ軸が傾くことで発生する動作不良を防ぐことができる。このバルブ保持部材は強度が弱いため、もっぱら、低圧力の管継手に使用されていた。
【特許文献1】実公昭55−33091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高圧力かつ大口径の管継手に対応すべく、バルブ保持部材には、管径の拡大に伴う大型化や、強いスプリング付勢力に耐え得る高い強度が求められている。また、継手部に想定外の荷重が加わった場合でも、バルブ保持部材の強度が高ければ、これが変形してバルブのシールが弱くなって流体が外部に漏洩するようなことが起きにくくなり、使用時の安全性をいっそう高めることができる。さて、上記特許文献1の板金バルブ爪においては、任意の形状に型抜きした鋼板に対して、継手内周に設けられた溝と係合するアーム部と、スプリング外径部を保持するスプリング係止部とを曲げ加工によって形成するため、強度を高める選択肢としては、鋼板の厚さを増すか、または全体の面積を拡大する手法が考えられる。しかしながら、鋼板の厚さを増したり全体の面積を拡大したりすると、アーム部の弾性力が損なわれて継手への挿入結合が困難となり、また、面積を拡大すれば流路抵抗が増大してしまうという課題があった。このため、上記特許文献1の板金バルブ爪は、低圧力の管継手のみに使用され、高圧力かつ大口径の管継手として使用されることは、全くなかった。
【0005】
そこで、従来は、高圧力かつ大口径の管継手の高強度のバルブ保持部材として、実開昭59−105683号公報に開示されるようなブロック型(管継手の流路方向に厚みを持つ)や、実開昭51−98825号公報に開示されるようなリング型(アーム部同士が外周部で連結される)が用いられてきた。しかし、これらの製作には、無垢材からの削り出し加工や焼結材を用いた成形加工等が必要となるため、鋼板のプレス加工で製作できる前記板金バルブ爪と比較すると、生産コストおよび重量が増大するという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、板金バルブ爪の任意の各所に補強構造を設けることで強度を高めて、高圧力かつ大口径の管継手にも使用できる板金バルブ爪を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明は、バルブ軸の一端が貫通するガイド穴を中央に有する胴部と、前記胴部の周縁に形成して屈曲部で一側へ折り曲げた複数のアーム部と、前記アーム部と反対側に折り曲げたスプリング係止部を具備する管継手の板金バルブ爪において、前記アーム部と前記胴部の少なくとも一方に補強構造を設けるようにした点に第1の特徴がある。
【0008】
また、前記補強構造は、前記アーム部の先端近傍と前記屈曲部との間に位置して、前記アーム部の長手方向に沿って形成されたリブであるようにした点に第2の特徴がある。
【0009】
また、前記補強構造は、前記アーム部の先端近傍と前記胴部の一部までの間に位置して、前記アーム部の長手方向に沿って形成されたリブであるようにした点に第3の特徴がある。
【0010】
また、前記補強構造は、前記ガイド穴の周縁を、前記アーム部の折り曲げ方向に延ばした絞り部であるようにした点に第4の特徴がある。
【0011】
また、前記補強構造は、前記ガイド穴の周縁を、前記アーム部の折り曲げ方向と反対の方向に延ばした絞り部であるようにした点に第5の特徴がある。
【0012】
さらに、前記アーム部の先端に、逃げ部を設けるようにした点に第6の特徴がある。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、前記アーム部と前記胴部の少なくとも一方に補強構造を設けるようにしたので、板金バルブ爪の強度が高まって、高圧力かつ大口径の管継手に使用することができるようになる。
【0014】
請求項2の発明によれば、前記補強構造は、前記アーム部の先端近傍と前記屈曲部との間に位置して、前記アーム部の長手方向に沿って形成されたリブであるようにしたので、流路抵抗を大きく増すことなく板金バルブ爪の強度を高めることができるようになる。また、特にアーム部の強度が高まるため、胴部とアーム部が成す内角の大きさを増すと共に、アーム部および胴部の面積を小さくすることで流路抵抗を低減することができるようになる。
【0015】
請求項3の発明によれば、前記補強構造は、前記アーム部の先端近傍と前記胴部の一部までの間に位置して、前記アーム部の長手方向に沿って形成されたリブであるようにしたので、流路抵抗を大きく増すことなく板金バルブ爪の強度を高めることができるようになる。また、特にアーム部の強度が高まるため、胴部とアーム部が成す内角の大きさを増すと共に、アーム部および胴部の面積を小さくすることで流路抵抗を低減することができるようになる。
【0016】
請求項4の発明によれば、前記補強構造は、前記ガイド穴の周縁を、前記アーム部の折り曲げ方向に延ばした絞り部であるようにしたので、流路抵抗を大きく増すことなく板金バルブ爪の強度を高めることができるようになる。また、特に胴部の強度が高まるため、胴部の面積を小さくして流路抵抗を低減することができるようになる。また、該絞り部がバルブガイドの役割を果たし、バルブの開閉動作をより正確に行うことができるようになる。
【0017】
請求項5の発明によれば、前記補強構造は、前記ガイド穴の周縁を、前記アーム部の折り曲げ方向と反対の方向に延ばした絞り部であるようにしたので、流路抵抗を大きく増すことがなく板金バルブ爪の強度を高めることができるようになる。また、特に胴部の強度が高まるため、胴部の面積を小さくして流路抵抗を低減することができるようになる。また、該絞り部がバルブガイドの役割を果たし、バルブの開閉動作をより正確に行うことができるようになる。また、該絞り部に前記スプリング係止部と同様にスプリングを係止する役割を兼ねさせることができるようになる。
【0018】
請求項6の発明によれば、前記アーム部の先端に、逃げ部を設けるようにしたので、万一、加工工程によってアーム部の先端に反りや歪みが生じた際にも、管継手の内周に設けられた固定用の溝との係合を点または線で複数持たせることで、板金バルブ爪を安定して管継手の内部に固定することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1に、本発明の一実施形態に係る板金バルブ爪を採用したプラグ側継手の構成を示す。図1(a)はプラグ側継手1の断面構成図、図1(b)は、図中Aの流路方向から見た側面図である。
【0020】
流体導通時には、プラグ本体10の図示右方向に管路(不図示)が接続され、図示左方向にてソケット側継手(不図示)と連結される。管状のプラグ本体10には、茸型のポペットバルブ20と、該ポペットバルブ20を付勢するスプリング40と、該スプリング40を保持する板金バルブ爪30aとが内包されている。このプラグ側継手1の組み立ては、前記プラグ本体10に前記ポペットバルブ20およびスプリング40を挿入した後、該スプリング40を縮めながら前記板金バルブ爪30aを図示左方向に押し込むことで行われる。該板金バルブ爪30aは、前記プラグ本体10の内周面と当接するアーム部32aの先端が形成する外径を狭めながら図示左方向に進む。そして、該アーム部32aの先端が前記プラグ本体10の内周面に設けられたアーム保持溝12まで来ると、弾性変形の範囲で狭められていたアーム部32aが、前記アーム保持溝12に係合するまで外側に開いて、前記ポペットバルブ20、スプリング40および板金バルブ爪30aの三者が所定の位置に固定されることになる。前記ポペットバルブ20は、前記スプリング40に付勢されて前記プラグ本体10の弁座面11に当接することで、流体の出入口となる流通口21を閉鎖している。したがって、前記ポペットバルブ20がスプリング40の弾発力に抗する力で流路方向に押されない限り、前記流通口21が開くことはない。
【0021】
前記ポペットバルブ20と一体的に形成されるバルブ軸22は、スプリング40の内周と摺動可能に当接している。また、前記板金バルブ爪30aの胴部33aの中央には、前記バルブ軸22と一体的に形成されるバルブガイド軸23が貫通するガイド穴34aが設けられると共に、ある1本のアーム部32aと他の1本のアーム部32aとの間には、スプリング40の外周面を保持するスプリング係止部31aが前記バルブ軸22側に折り曲げて設けられているため、前記バルブ軸22およびスプリング40の構成と合わせて、前記ポペットバルブ20の中心軸を維持して、正確なバルブ開閉動作を行わせるように構成されている。アーム部32aには、図2で詳述するように、補強構造としてのリブ35aが設けられている。
【0022】
上記したバルブの開閉構造は、前記ソケット側継手においても同様とされる。したがって、両者の連結時には、ポペットバルブの先端同士が当接した後に、さらにスプリングの付勢力に抗して押し込むことで、両者の流通路が共に開いて管路が連通することとなる。
【0023】
図1では、プラグ本体10に代表としての板金バルブ爪30aを固定した構成を説明したが、以下では板金バルブ爪の第1〜第5実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図2に、本発明の第1実施形態に係る板金バルブ爪の構成を示す。図2(a)は正面図、図2(b)はV−V線断面図である。なお、図1と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0025】
板金バルブ爪30aは、中央にガイド穴34aを有する胴部33aの周縁に、屈曲部36aにて一側へ折り曲げた3本のアーム部32aを等間隔に形成し、前記アーム部32a間に位置させて前記アーム部32aと反対側に折り曲げたスプリング係止部31aを有している。そして、前記板金バルブ爪30aには、前記屈曲部36aと、アーム先端部37aとの間に補強構造としてのリブ35aが設けられる。該リブ35aは、前記アーム部32a上に流路方向に沿って形成されるので、流路の抵抗増は非常に少なく抑えられる。また、該リブ35aの形成は、前記アーム部32aやスプリング係止部31aと同様にプレス加工で行うことができるため、コスト増をほとんど伴わずに強度を向上することができる。そして、該リブ35aを設けることで、該板金バルブ爪30aの強度を従来型に比して約15%高めることができる。ここで、従来型の形状と比較するために図7を参照する。
【0026】
図7に、従来型の板金バルブ爪の構成を示す。図7(a)は正面図、図7(b)はO−O線断面図である。板金バルブ爪30fは、中央にガイド穴34fを有する胴部33fの周縁に、屈曲部36fにて一側へ折り曲げた3本のアーム部32fを等間隔に形成し、前記アーム部32f間に位置させて前記アーム部32fと反対側に折り曲げたスプリング係止部31fを有している。この従来型の板金バルブ爪30fと、本発明の第1実施形態に係る前記板金バルブ爪30aを比較すると、板金バルブ爪30aのアーム部32aの幅Waは、従来型のアーム部32fの幅Wfに対して狭く形成することが可能となり、かつ、前記胴部33aと前記アーム部32aの成す内角の大きさを増すこともできるので、前記胴部33aの面積を従来型の胴部33fに比して小さくすることができるようになる。したがって、前記板金バルブ爪30aは、その強度を従来型より高めつつ、流路抵抗の低減をも可能としている。なお、従来型の板金バルブ爪30fでは、プラグ本体への挿入結合時に必要な弾性力を得るために、アーム部32f全体を弾性体として使用していたのに対し、該板金バルブ爪30aでは、その主な役割を前記屈曲部36aに持たせている。ところで、管継手の主なサイズには、1/8インチ、1/4インチ、3/8インチ、1/2インチ、3/4インチ、1インチ等が存在する。従来型の板金バルブ30fは、強度が不足するために3/8インチまでの使用に限られていたが、本発明に係る板金バルブ爪30aでは、3/8インチ以下のものに加えて1/2インチ以上の大口径への使用が可能とされる。
【0027】
また、前記板金バルブ爪30aのアーム先端部37aに設けられる逃げ部(または凹み部)としてのV字型の切り込みは、万一、加工工程によってアーム先端部37aに反りや歪みが生じた際にも、前記アーム保持溝12内周への係合を点または線で複数持たせることで、前記板金バルブ爪30aを安定して前記アーム保持溝12に固定させるためのものである。
【0028】
図3に、本発明の第2実施形態に係る板金バルブ爪の構成を示す。図3(a)は正面図、図3(b)はW−W線断面図である。この実施形態は、リブ35bを屈曲部36bまで延長して設けた点に特徴がある。
【0029】
板金バルブ爪30bは、中央にガイド穴34bを有する胴部33bの周縁に、屈曲部36bにて一側へ折り曲げた3本のアーム部32bを等間隔に形成し、前記アーム部32b間に位置させて前記アーム部32bと反対側に折り曲げたスプリング係止部31bを有している。また、アーム先端部37bには、V字型の切り込み(逃げ部)が設けられる。そして、前記板金バルブ爪30bには、前記胴部33bと、アーム先端部37bとの間に補強構造としてのリブ35bが設けられる。該リブ35bは、前記アーム部32b上に流路方向に沿って形成されるので、流路の抵抗増は非常に少なく抑えられる。また、該リブ35bはプレス加工で形成することができるため、コスト増をほとんど伴わずに強度を向上することができる。そして、該リブ35bは、前記第1実施形態の板金バルブ爪30aにおいては、弾性体としての主な役割を持っていた屈曲部36b上にも形成されるため、前記弾性体としての主な役割が胴部33b寄りに移行するとともに、前記板金バルブ爪30b全体の強度を、前記板金バルブ爪30aに比して約5%、従来型の板金バルブ爪30fに比しては約20%高めることができる。また、前記板金バルブ爪30bのアーム部32bの幅Wbを、前記従来型のアーム部32fの幅Wfに対して狭く形成することが可能となり、かつ、前記胴部33bと前記アーム部32bの成す内角の大きさを増すこともできるので、前記胴部33bの面積を従来型の胴部33fに比して小さくすることができるようになる。
【0030】
図4に、本発明の第3実施形態に係る板金バルブ爪の構成を示す。図4(a)は正面図、図4(b)はX−X線断面図である。
【0031】
板金バルブ爪30cは、中央にガイド穴34cを有する胴部33cの周縁に、屈曲部36cにて一側へ折り曲げた3本のアーム部32cを等間隔に形成し、前記アーム部32c間に位置させて前記アーム部32cと反対側に折り曲げたスプリング係止部31cを有している。また、アーム先端部37cには、V字型の切り込み(逃げ部)が設けられる。そして、該板金バルブ爪30cには、前記ガイド穴34cの周縁に、前記アーム部32cを折り曲げる方向に伸びるスリーブ状の補強構造としての絞り部35cが設けられる。該絞り部35cは、流路方向に沿って形成されるので、流路の抵抗増は非常に少なく抑えられる。また、該絞り部35cはプレス加工で形成することができるため、コスト増をほとんど伴わずに強度を向上することができる。そして、該絞り部35cを設けることで、アーム部32cの弾力性を維持したまま胴部33cの強度を高めることができるので、該胴部33cの面積を従来型の胴部33fに比して小さくすることができるようになる。
【0032】
図5に、本発明の第4実施形態に係る板金バルブ爪の構成を示す。図5(a)は正面図、図5(b)はY−Y線断面図である。
【0033】
板金バルブ爪30dは、中央にガイド穴34dを有する胴部33dの周縁に、屈曲部36dにて一側へ折り曲げた3本のアーム部32dを等間隔に形成し、前記アーム部32d間に位置させて前記アーム部32dと反対側に折り曲げたスプリング係止部31dを有している。また、アーム先端部37dには、V字型の切り込み(逃げ部)が設けられる。そして、前記板金バルブ爪30dには、前記ガイド穴34dの周縁に、前記アーム部32dを折り曲げる方向と反対の方向に伸びるスリーブ状の補強構造としての絞り部35dが設けられる。該絞り部35dは、流路方向に沿って形成されるので、流路の抵抗増は非常に少なく抑えられる。また、該絞り部35dはプレス加工で形成することができるため、コスト増をほとんど伴わずに強度を向上することができる。そして、該絞り部35dを設けることで、アーム部32dの弾力性を維持したまま胴部33dの強度を高めることができるので、該胴部33dの面積を従来型の胴部33fに比して小さくすることができるようになる。なお、該絞り部35dは、前記スプリング係止部31dの代わりに、前記スプリング40の内周を保持するスプリング係止部として利用することもでき、この場合には、前記スプリング係止部31dは不要となるため、流路抵抗をよりいっそう低減することができる。
【0034】
上記の実施形態では、補強構造であるリブと絞り部を個別に設けたものであったが、これらを互いに組み合わせてもよいことは勿論である。
【0035】
図6に、本発明の第5実施形態に係る板金バルブ爪の構成を示す。図6(a)は正面図、図6(b)はZ−Z線断面図である。胴部33e、屈曲部36e、スプリング係止部31e、アーム先端部37e等から成る板金バルブ爪30eの全体の構成は、図1の板金バルブ爪30aと同様であるため説明を省略する。該板金バルブ爪30eの特徴は、前記第1実施形態に示したリブと前記第3実施形態に示した絞り部の両方、すなわち、アーム部32eのリブ35e1と、胴部33eの絞り部35e2とを組み合わせて使用したことにある。本実施形態のように、前記リブおよび絞り部を任意に組み合わせて使用することによって、要求される強度に応じた板金バルブ爪が簡単に得られるようになる。
【0036】
上記したように、本発明によれば、板金バルブ爪の各所に補強構造を設けたので、板金バルブ爪の強度を高めて、高圧力かつ大口径の管継手にも使用できる板金バルブ爪が得られるようになる。また、流路方向に沿って補強構造を形成するため、流路抵抗を大きく増すことがなく板金バルブ爪の強度を高めることができる。また、各補強構造はプレス加工によって形成するので、コスト増をほとんど伴わずに強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る板金バルブ爪を適用した管継手のプラグ側継手の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る板金バルブ爪の正面図とV−V線断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る板金バルブ爪の正面図とW−W線断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る板金バルブ爪の正面図とX−X線断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る板金バルブ爪の正面図とY−Y線断面図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る板金バルブ爪の正面図とZ−Z線断面図である。
【図7】従来型の板金バルブ爪の正面図とO−O線断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1…プラグ側継手、10…プラグ本体、20…ポペットバルブ、30a…板金バルブ爪、40…スプリング、31a…スプリング係止部、32a…アーム部、33a…胴部、34a…ガイド穴、35a…リブ、37a…アーム先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ軸の一端が貫通するガイド穴を中央に有する胴部と、
前記胴部の周縁に形成して屈曲部で一側へ折り曲げた複数のアーム部と、
前記アーム部と反対側に折り曲げたスプリング係止部とを具備する管継手の板金バルブ爪において、
前記アーム部と前記胴部の少なくとも一方に補強構造を設けたことを特徴とする板金バルブ爪。
【請求項2】
請求項1に記載の板金バルブ爪において、
前記補強構造は、前記アーム部の先端近傍と前記屈曲部との間に位置して、前記アーム部の長手方向に沿って形成されたリブであることを特徴とする板金バルブ爪。
【請求項3】
請求項1に記載の板金バルブ爪において、
前記補強構造は、前記アーム部の先端近傍と前記胴部の一部までの間に位置して、前記アーム部の長手方向に沿って形成されたリブであることを特徴とする板金バルブ爪。
【請求項4】
請求項1に記載の板金バルブ爪において、
前記補強構造は、前記ガイド穴の周縁を、前記アーム部の折り曲げ方向に延ばした絞り部であることを特徴とする板金バルブ爪。
【請求項5】
請求項1に記載の板金バルブ爪において、
前記補強構造は、前記ガイド穴の周縁を、前記アーム部の折り曲げ方向と反対の方向に延ばした絞り部であることを特徴とする板金バルブ爪。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の板金バルブ爪において、
前記アーム部の先端に、逃げ部を設けたことを特徴とする板金バルブ爪。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−125490(P2006−125490A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313806(P2004−313806)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000227386)日東工器株式会社 (158)
【Fターム(参考)】