説明

架橋ニトロキシドポリマーの製造方法

本発明は、ニトロキシド基を有する架橋ポリマーの製造方法に関し、これは、原子転移ラジカル付加重合(ATRA)と頻繁に呼ばれている方法によって製造される。本発明の更なる態様は、熱及びUV光の有害な影響に対するポリマーにおける安定剤としての、ビニル芳香族モノマーの早期重合に対する安定剤としての、及び二次電池における活性電極材としてのそのようなポリマー架橋ニトロキシドの使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニトロキシド基を有する架橋ポリマーの製造方法に関し、これは、原子転移ラジカル付加(ATRA)と頻繁に呼ばれている方法によって製造される。本発明の更なる態様は、熱及びUV光の有害な影響に対するポリマーにおける安定剤としての、ビニル芳香族モノマーの早期重合に対する安定剤としての、及び二次電池における活性電極材としてのそのようなポリマー架橋ニトロキシドの使用である。
【0002】
モノマーアルコキシアミンの最近の製造方法は、例えば、Macromolecules 1996, 29, 7661及びWO00/61544に記載されている「原子転移ラジカル付加」(ATRA)に基づいている。この方法は、ニトロキシドと、ハロゲン又は疑ハロゲン含有有機化合物とを、適切な金属又は金属塩の存在下及び場合により錯化リガンドの存在下で反応させることに基づいている。
【0003】
WO2004/026915は、一般に、ATRA重合により製造されたポリマーも開示している。
【0004】
ペンダントニトロキシドラジカルを有する、架橋され、多くの溶媒で不溶性のポリマーは、二次電池の活性電極材として特に有用である。
【0005】
例えばニトロキシドラジカルのような多様なラジカルを、二次電池の電極材の活性成分として使用することが、EP1128453に開示されている。電池電解質中では低溶解性又は不溶性の電極材が好ましいので、不溶性ポリマー又はオリゴマーニトロキシドが特に興味深い。
【0006】
携帯電話及びモバイルパーソナルコンピューター(ラップトップ)のような電子機器の市場が急激に成長しているという事実のため、近年、小型及び大容量の高エネルギー密度二次電池に対する要求がますます増加している。
【0007】
現在、そのような用途に最も頻繁に使用される二次電池は、リチウムイオン二次電池である。そのようなリチウムイオン二次電池は、活性物質として、正極(陽極)にリチウムを含有し、負極(陰極)に炭素を含有する遷移金属酸化物を使用し、これらの活性物質にLiを挿入すること及びこれらからLiを排除することによって充電及び放電を行う。
【0008】
しかし、リチウムイオン二次電池は、特に正極において、大きな比重を有する遷移金属酸化物を使用するので、単位重量あたりの二次電池の容量は望ましいものではない。したがって、より軽量の電極材を使用して大容量の二次電池を開発する試みがなされてきた。例えば、米国特許第’4,833号及び同第2,715,778号は、正極にジスルフィド結合を有する有機化合物を使用する二次電池を開示しており、これは、二次電池の原理として、ジスルフィド結合の形成及び解離に関連する電気化学的酸化−還元反応を利用する。
【0009】
上記に記述したように、EP1128453は、同様に、例えば二次電池の電極材における活性成分としてニトロキシドラジカルを開示する。
【0010】
驚くべきことに、現在、架橋ポリマーラジカルが、高い電荷容量を有する活性電極材をもたらすことが見出されている。
【0011】
本発明の一つの態様は、ペンダントニトロキシド基を有する架橋ポリマーの製造方法であって、下記:
式(A):・ON−Ln−NO・(A)のビスニトロキシド又は式(B):Ln−〔NO・〕(B)のポリニトロキシド
〔式中、
Lnは、n価のスペーサー基であるか、又はニトロキシド基を接続する繰り返し単位であり;
nは、3〜50000の数である〕
と、二官能又は多官能有機ハロゲン含有化合物とを、遷移金属又は低酸化状態の遷移金属塩の存在下、及び場合により遷移金属又は遷移金属塩を錯化することができるリガンドの存在下で反応させる工程を含み、
式(A)又は(B)のビス−又はポリニトロキシド化合物と二官能又は多官能ハロゲン化合物のモル比が、5:1以上である、方法である。
【0012】
式(A)又は(B)のビス−又はポリニトロキシド化合物と、二官能又は多官能ハロゲン化合物のモル比は、好ましくは10:1を超える、より好ましくは50:1を超える、特に100:1を超える、最も好ましくは500:1を超えるものである。
【0013】
スペーサー基Ln及びニトロキシドラジカルは、例えば、構造(F):
【0014】
【化6】

【0015】
〔式中
及びGは、独立して、非置換C〜C18アルキル若しくはフェニル;又はCN、OH、COC〜C18アルキル、CO−フェニル、COOC〜C18アルキル、OC〜C18アルキル、NO、NHC〜C18アルキル若しくはN(C〜C18アルキルで置換されているC〜C18アルキル若しくはフェニルが結合している第三級炭素原子を表すか;或いは
及びGのうちの一方は、基−P(O)(OR22が結合している第二級炭素原子であり、他方は、上記で定義されたとおりであるか;或いは
及びGは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4つのC〜Cアルキル基又は2つのC〜C12スピロシクロアルキル基により窒素原子のオルト位置で置換されており、1つ以上のC〜C18アルキル、C〜C18アルコキシ又は=O基で更に置換されていてもよい、5〜8員複素環系又は多環式若しくはスピロ環式の5〜20員複素環系を形成し;そして
これらは、更なる酸素又は窒素原子で中断されていてもよく;
及びLは、結合基であり、これらは、例えばR101−Y若しくはR102−C(O)−Y−(ここでYは、G及び/又はGに結合している);C〜C25アルキレンか、−O−、−S−、−SO−、−SO−、下記:
【0016】
【化7】

【0017】
フェニレン若しくはC〜Cシクロアルキレンで中断されているC〜C25アルキレンであり;Yは、O又はNR109であり、
101は、C〜C18アルキレンであり、R102は、直接結合又はC〜C18アルキレンであり、R103及びR104は、独立して、水素又はC〜C18アルキルであり、そしてR109は、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アルキニル、フェニル、C〜Cフェニルアルキルであり、全て非置換又は1つ以上のヒドロキシ、ハロゲン若しくはC〜Cアルコキシ基で置換されていてもよい〕
で示されるものであることができる。
【0018】
18個までの炭素原子を有するアルキルは、分岐鎖又は非分岐鎖ラジカルであり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル又はオクタデシルである。
【0019】
酸素又は下記:
【0020】
【化8】

【0021】
で中断されているC〜C18アルキルは、例えば、CH−O−CHCH−、CH−S−CHCH−、CH−N(CH)−CH−CH、CH−O−CHCH−O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−又はCH−(O−CHCH−)O−CHCH−である。
【0022】
〜Cフェニルアルキルは、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル又は2−フェニルエチルである。好ましいものは、ベンジル及びα,α−ジメチルベンジルである。
【0023】
〜C25アルキレンは、分岐鎖又は非分岐鎖ラジカルであり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、デカメチレン、ドデカメチレン又はオクタデカメチレンである。
【0024】
−O−、−S−、−SO−、−SO−、下記:
【0025】
【化9】

【0026】
フェニレン又はC〜Cシクロアルキレンで中断されているC〜C25アルキレン。
【0027】
3〜18個の炭素原子を有するアルケニルは、例えば、ビニル、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−2,4−ペンタジエニル、3−メチル−2−ブテニル、n−2−オクテニル、n−2−ドデセニル、イソ−ドデセニル、オレイル、n−2−オクタデセニル又はn−4−オクタデセニルのような分岐鎖又は非分岐鎖ラジカルである。好ましいものは、3〜12個、例えば3〜6個、特に3〜4個の炭素原子を有するアルケニルである。
【0028】
3〜18個の炭素原子を有するアルキニルは分岐鎖又は非分岐鎖ラジカルであり、例えば、プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、イソブチニル、n−2,4−ペンタジイニル、3−メチル−2−ブチニル、n−2−オクチニル、n−2−ドデシニル、イソドデシニルである。
【0029】
ハロゲンは、例えば、塩素、臭素又はヨウ素である。好ましいものは、塩素及び臭素である。
【0030】
18個までの炭素原子を有するアルコキシは、分岐鎖又は非分岐鎖ラジカルであり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、テトラデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ又はオクタデシルオキシである。好ましいものは、1〜12個、特に1〜8個、例えば、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシである。
【0031】
18個までの炭素原子を有するアルカノイルオキシは、分岐鎖又は非分岐鎖ラジカルであり、例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、デカノイルオキシ、ウンデカノイルオキシ、ドデカノイルオキシ、トリデカノイルオキシ、テトラデカノイルオキシ、ペンタデカノイルオキシ、ヘキサデカノイルオキシ、ヘプタデカノイルオキシ、オクタデカノイルオキシ、イコサノイルオキシ又はドコサノイルオキシである。好ましいものは、2〜12個、例えば、2〜6個の炭素原子を有するアルカノイルオキシである。
【0032】
ヒドロキシル置換C〜C18アルキルは、例えば、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、4−ヒドロキシペンチル、3−ヒドロキシペンチル、2−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、5−ヒドロキシヘキシル、4−ヒドロキシヘキシル、3−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、6−ヒドロキシヘプチル、5−ヒドロキシヘプチル、4−ヒドロキシヘプチル、3−ヒドロキシヘプチル、2−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、7−ヒドロキシオクチル、6−ヒドロキシオクチル、5−ヒドロキシオクチル、4−ヒドロキシオクチル、3−ヒドロキシオクチル、2−ヒドロキシオクチル、9−ヒドロキシノニル、10−ヒドロキシデシル、11−ヒドロキシウンデシル、12−ヒドロキシドデシル、13−ヒドロキシトリデシル、14−ヒドロキシテトラデシル、15−ヒドロキシペンタデシル、16−ヒドロキシヘキサデシル、17−ヒドロキシヘプタデシル、18−ヒドロキシオクタデシルのような、好ましくは1〜3個、特に1又は2個のヒドロキシル基を含有する分岐鎖又は非分岐鎖ラジカルである。
【0033】
〜C12シクロアルキルは、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル又はシクロオクチルである。
【0034】
アリールは、フェニル、ナフチル又はビフェニル、好ましくはフェニルである。
【0035】
上記のニトロキシドは、既知の方法と同様に製造することができるか、又は部分的には市販品である。
【0036】
開鎖ニトロキシド及びアルコキシアミンの製造は、例えば、WO99/03894又はWO00/07981に記載されている。テトラアルキルピペリジンに基づいたニトロキシド及びアルコキシアミンは、例えば、GB23351290又はGB2361235に記載されている。さらに、複素環アルコキシアミンは、GB2342649に記載されている。
【0037】
例えば、リガンドは、式(I):
【0038】
【化10】

【0039】
〔式中、R10、R11、R13及びR14は、独立して、H、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキル又はアリールであり;
12は、H、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキル若しくはアリール、又は基−(CH)q−NR1011であり;
m、p及びqは、1〜4の数であり:
nは、0〜4の数である〕
で示されるものであるか、或いは
リガンドは、二環式又は多環式の脂肪族複素環である。
【0040】
個々のリガンドは、例えば、トリス〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕アミン、N,N,N′,N′,N′−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザシクロドデカン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、2,2′−ビピリジル、2,2′−ビ(4−t−ブチル)ピリジル及び2,2′,2′−テルピリジルからなる群より選択される。
【0041】
遷移金属は、少なくとも2つの酸化状態で存在する可能性を有さなければならない。
【0042】
遷移金属は、好ましくは、Cu、Fe、Mn、Mo、Cr、Ni及びRuからなる群より選択され、低酸化状態の遷移金属塩は、これらの金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩又はトリフルオロメタンスルホン酸塩である。
【0043】
遷移金属若しくは遷移金属塩の混合物、又は金属と塩の混合物の使用も可能である。
【0044】
好ましくは、遷移金属又は低酸化状態の遷移金属塩とハロゲン含有化合物のモル比は1:1〜3:1である。
【0045】
例えば、遷移金属又は低酸化状態の遷移金属塩とリガンドのモル比は、2:1〜1:5、特に1:1〜1:3である。
【0046】
この方法は、例えば、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜40℃の温度で実施される。
【0047】
典型的には、この方法は常圧で実施される。反応時間は、広範囲に変わることができ、例えば30分間から24時間である。
【0048】
例えば、二官能又は多官能ハロゲン化合物は、式(IIa)又は(IIb):
【0049】
【化11】

【0050】
〔式中、
15及びR16は、H、C〜C12アルキル、C〜C10アリール、C〜C12シクロアルキルであり;
アリールは、フェニル、ナフチル又はビフェニルであり;
Yは、O又はNR15であり;
17は、2〜10価の有機又は無機残基であり、
rは、2〜10の数であり;
sは、2〜6の数であり、そして
Xは、Cl又はBrである〕
で示されるものである。
【0051】
適切な個々の化合物は、例えば、下記である:
ブロモ−酢酸2−(2−ブロモ−アセトキシ)−エチルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸2−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−エチルエステル、
ブロモ−酢酸3−(2−ブロモ−アセトキシ)−プロピルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸3−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−プロピルエステル、
ブロモ−酢酸4−(2−ブロモ−アセトキシ)−ブチルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸4−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−ブチルエステル、
ブロモ−酢酸5−(2−ブロモ−アセトキシ)−ペンチルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸5−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−ペンチルエステル、
ブロモ−酢酸6−(2−ブロモ−アセトキシ)−ヘキシルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸6−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−ヘキシルエステル、
ブロモ−酢酸12−(2−ブロモ−アセトキシ)−ドデシルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸12−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−ドデシルエステル、
クロロ−酢酸2−(2−クロロ−アセトキシ)−エチルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸2−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−エチルエステル、
クロロ−酢酸3−(2−クロロ−アセトキシ)−プロピルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸3−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−プロピルエステル、
クロロ−酢酸4−(2−クロロ−アセトキシ)−ブチルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸4−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−ブチルエステル、
クロロ−酢酸5−(2−クロロ−アセトキシ)−ペンチルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸5−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−ペンチルエステル、
クロロ−酢酸6−(2−クロロ−アセトキシ)−ヘキシルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸6−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−ヘキシルエステル、
クロロ−酢酸12−(2−クロロ−アセトキシ)−ドデシルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸12−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−ドデシルエステル、
ブロモ−酢酸2,3−ビス−(2−ブロモ−アセトキシ)−プロピルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸2,3−ビス−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−プロピルエステル、
ブロモ−酢酸2,3,4−トリス−(2−ブロモ−アセトキシ)−ブチルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸2,3,4−トリス−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−ブチルエステル、
ブロモ−酢酸2,3,4,5−テトラキス−(2−ブロモ−アセトキシ)−ペンチルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸2,3,4,5−テトラキス−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−ペンチルエステル、
ブロモ−酢酸2,3,4,5,6−ペンタキス−(2−ブロモ−アセトキシ)−ヘキシルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸2,3,4,5,6−ペンタキス−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−ヘキシルエステル、
クロロ−酢酸2,3−ビス−(2−クロロ−アセトキシ)−プロピルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸2,3−ビス−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−プロピルエステル、
クロロ−酢酸2,3,4−トリス−(2−クロロ−アセトキシ)−ブチルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸2,3,4−トリス−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−ブチルエステル、
クロロ−酢酸2,3,4,5−テトラキス−(2−クロロ−アセトキシ)−ペンチルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸2,3,4,5−テトラキス−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−ペンチルエステル、
クロロ−酢酸2,3,4,5,6−ペンタキス−(2−クロロ−アセトキシ)−ヘキシルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸2,3,4,5,6−ペンタキス−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−ヘキシルエステル、
ブロモ−酢酸3−(2−ブロモ−アセトキシ)−2,2−ビス−(2−ブロモ−アセトキシメチル)−プロピルエステル、
2−ブロモ−プロピオン酸3−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−2,2−ビス−(2−ブロモ−プロピオニルオキシメチル)−プロピルエステル、
クロロ−酢酸3−(2−クロロ−アセトキシ)−2,2−ビス−(2−クロロ−アセトキシメチル)−プロピルエステル、
2−クロロ−プロピオン酸3−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−2,2−ビス−(2−クロロ−プロピオニルオキシメチル)−プロピルエステル、
1,2−ビス−ブロモメチル−ベンゼン、
1,3−ビス−ブロモメチル−ベンゼン、
1,4−ビス−ブロモメチル−ベンゼン、
1,3,5−トリス−ブロモメチル−ベンゼン、
1,2,3,4,5,6−ヘキサキス−ブロモメチル−ベンゼン、
2−ブロモ−N−[4−(2−ブロモ−プロピオニルアミノ)−フェニル]−プロピオンアミド、
2−ブロモ−プロピオン酸4−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−フェニルエステル、
2−ブロモ−N−[2−(2−ブロモ−プロピオニルアミノ)−エチル]−プロピオンアミド、
2−ブロモ−プロピオン酸2−(2−ブロモ−プロピオニルアミノ)−エチルエステル、
2−ブロモ−N−[6−(2−ブロモ−プロピオニルアミノ)−ヘキシル]−プロピオンアミド、
1,2−ビス−クロロメチル−ベンゼン、
1,3−ビス−クロロメチル−ベンゼン、
1,4−ビス−クロロメチル−ベンゼン、
1,3,5−トリス−クロロメチル−ベンゼン、
1,2,3,4,5,6−ヘキサキス−クロロメチル−ベンゼン、
2−クロロ−N−[4−(2−クロロ−プロピオニルアミノ)−フェニル]−プロピオンアミド、
2−クロロ−プロピオン酸4−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−フェニルエステル、
2−クロロ−N−[2−(2−クロロ−プロピオニルアミノ)−エチル]−プロピオンアミド、
2−クロロ−プロピオン酸2−(2−クロロ−プロピオニルアミノ)−エチルエステル及び
2−クロロ−N−[6−(2−クロロ−プロピオニルアミノ)−ヘキシル]−プロピオンアミド
【0052】
置換基の例は既に示されている。化合物は、大部分が市販されているか、又は標準的な方法により製造することができる。
【0053】
例えば、スペーサー基又は繰り返し単位に結合しているニトロキシド基は、下記式:
【0054】
【化12】

【0055】
〔式中、は、結合点を示す〕
で示されるものである。
【0056】
好ましくは、スペーサー基又は繰り返し単位に結合しているニトロキシド基は、下記式:
【0057】
【化13】

【0058】
で示されるものである。
【0059】
例えば、スペーサー基又は繰り返し単位(Ln)は、対応するカルボン酸から誘導される二価、三価若しくは四価のアシル残基の残基、対応するアルコールから誘導される二価、三価若しくは四価のアルコールの残基、又は対応するアミンから誘導される二価、三価若しくは四価のアミンの残基であるか、又は繰り返し単位としては、エチレン性不飽和カルボン酸若しくはカルボン酸誘導体の残基である。
【0060】
本発明の好ましい実施態様において、式(B)のポリニトロキシドは、繰り返し単位を有し、式(III):
【0061】
【化14】

【0062】
〔式中、
200は、H又はC〜Cアルキルであり、
Yは、O又はNR201であり、ここでR201は、H又はC〜C18アルキルであり;
Qは式(Ia)〜(Ip)の基から選択されるニトロキシドラジカルであり、そして
nは、10〜50000の数である〕
で示されるものである。
【0063】
三価又は四価アシル残基の例は、クエン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸又はブタンテトラカルボン酸のような対応するカルボン酸から誘導される。
【0064】
三価又は四価アルコール残基の例は、グリセリン、トリス(ヒドロキシメチル)−プロパン、ペンタエリトリトール、エリトリトール又はトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタンである。対応するアミンを同様に誘導することができる。
【0065】
重合/架橋は、多くの溶媒中で実施することができ、好ましいものは、脂肪族又は芳香族の炭化水素又はエーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジブチルエーテル又はメチル−t−ブチルエーテルである。
【0066】
ポリマーニトロキシドを、例えば適切な溶媒における沈殿のような標準的な手順によって単離することができる。適切な溶媒は、例えば、飽和炭化水素である。
【0067】
本発明の別の態様は、上記に記載された方法によって得られる架橋ポリマーである。
【0068】
本発明の更なる態様は、熱及びUV光の有害な影響に対するポリマーにおける安定剤としての、又はビニル芳香族モノマーの早期重合に対する安定剤としての上記の方法によって得られる架橋ポリマーの使用、及び二次電池における活性電極材としての上記の方法によって得られる架橋ポリマーの使用である。
【0069】
以下の実施例は本発明を説明する。
【0070】
実施例1:ポリ−(2−メチル−アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イルエステル)の架橋
【0071】
【化15】

【0072】
THF 25ml中のポリ−(2−メチル−アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イル)エステル(Mn=13334、MW=53048、ヨーロッパ特許出願番号05104974.9−2109に記載されたとおりに製造)2.40g(10mmol)の撹拌溶液に、アルゴン下、2−ブロモ−プロピオン酸12−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−ドデシルエステル(1,12−ドデカンジオールと2−ブロモプロピオニルブロミドとの反応により製造)0.188g(0.4mmol)、CuBr 0.228g(1.6mmol)及びN,N,N′,N′,N′−ペンタメチルジエチレントリアミン0.278g(1.6mmol)を加えた。混合物を室温で20時間撹拌し、次いで水400mlに注いだ。沈殿物を濾取し、水で洗浄し、乾燥して、THFに可溶性の赤色粉末2.49gを得た。GPC分析は、Mn=26036、Mw=752323を示した。
【0073】
実施例2:ポリ−(2−メチル−アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イルエステル)の架橋
【0074】
【化16】

【0075】
アセトン15ml中のポリ−(2−メチル−アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イル)エステル(Mn=15394、MW=33040、ヨーロッパ特許出願番号05104974.9−2109に記載のとおりに製造)1.20g(5mmol)の撹拌溶液に、アルゴン下、2−ブロモ−プロピオン酸2−(2−ブロモ−プロピオニルオキシ)−エチルエステル(Synth. Commun. 721 (2002)に記載されたとおりに製造)0.061g(0.2mmol)、CuBr 0.23g(1.6mmol)及びN,N,N′,N′,N′−ペンタメチルジエチレントリアミン0.33g(1.9mmol)を加えた。混合物を室温で168時間撹拌し、次いで水40mlに注いだ。沈殿物を濾取し、水で洗浄し、乾燥して、赤色粉末0.99gを得た。GPC分析は、Mn=18616、Mw=14264を示した。
【0076】
実施例3:ポリ−(2−メチル−アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イルエステル)の架橋
【0077】
【化17】

【0078】
アセトン25ml中のポリ−(2−メチル−アクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イル)エステル(Mn=15394、MW=39040、ヨーロッパ特許出願番号05104974.9−2109に記載されたとおりに製造)2.40g(10mmol)の撹拌溶液に、アルゴン下、2−クロロ−プロピオン酸3−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−2,2−ビス−(2−クロロ−プロピオニルオキシメチル)−プロピルエステル(ペンタエリトリトールと2−クロロプロピオニルクロリドとの反応により製造)0.10g(0.2mmol)、CuBr 0.43g(3mmol)及びN,N,N′,N′,N′−ペンタメチルジエチレントリアミン0.52g(3mmol)を加えた。混合物を室温で撹拌した。最初は流体の混合物は、濃密な深緑色のガム状塊に変わった。次いで水(100ml)を加え、混合物を3時間激しく撹拌した。沈殿物を濾取し、水で洗浄し、乾燥した。赤色の粉末残渣(2.44g)を、アセトン100mlで2回スラリー化し、遠心分離した。アセトン不溶性物質を乾燥して、橙色の粉末1.90gを得た。この物質は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン及びアセトンには完全に不溶性であった。
【0079】
実施例4:ポリ−(N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イル)−アクリルアミド)の架橋
【0080】
【化18】

【0081】
N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アクリルアミド
撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えた2500mlのフラスコに、ジクロロメタン1000ml、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アミン(EP838455A1に記載されたとおりに製造)147.75g(500mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン1.6gを投入した。次いで、アクリロイルクロリド47.5g(525mmol)を、温度を0〜2℃に保持しながら4時間かけて加えた。更に90分間撹拌した後、水100ml中のNaOH 21g(521mmol)の溶液をゆっくりと加えた。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。残渣(174.55g)をアセトニトリルから3回再結晶させて、標記化合物33.78gを白色の結晶、融点115〜118℃として得た。
【0082】
ポリ−(N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アクリルアミド)
電磁式撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた100mlの丸フラスコに、クロロベンゼン20ml、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アクリルアミド17.48g(50mmol)及びジ−t−ブチル−ペルオキシド0.75ml(3.75mmol)を投入した。混合物を、真空−アルゴンの3サイクルで脱酸素化し、次いで125℃で17時間撹拌した。濃密な反応塊を真空下で蒸発させ、ガラス状の残渣(19.65g)をTHF 50mlに溶解した。溶液を、ヘキサン2500mlに、撹拌しながらゆっくりと加えた。沈殿物を濾取し、乾燥して、標記ポリマー15.55gを白色の粉末として得た。
【0083】
ポリ−(N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イル)−アクリルアミド)
撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えた750mlフラスコに、NaHCO 30g(357mmol)及び氷−水(1:1)混合物200gを投入した。次いで、撹拌した混合物に、過酢酸(酢酸中40%溶液)45.63g(240mmol)をゆっくりと滴加した。次いで、得られた冷(−9℃)混合物に、ジクロロメタン150ml中のポリ−(N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アクリルアミド)13.98g(40mmol)の溶液を、温度を0〜2℃に保持しながら、30分間かけて滴加した。2時間撹拌した後に、追加のNaHCO 28.8g(343mmol)を注意深く加えた。次いで、赤色の混合物を、21時間撹拌している間に室温に温めた。赤色有機層を分離し、5%NaOH水溶液(200ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させた。赤色の残渣をジクロロメタン50mlに溶解し、ヘキサン800mlに、撹拌しながら、ゆっくりと注いだ。赤色の沈殿物を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、橙色の粉末12.56g(Mn=3015、Mw=6618)を得た。
【0084】
架橋
アセトン120ml中のポリ−(N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル−4−イル)−アクリルアミド)(Mn=3015、MW=6618)11.39g(30mmol)の撹拌溶液に、アルゴン下、2−クロロ−プロピオン酸3−(2−クロロ−プロピオニルオキシ)−2,2−ビス−(2−クロロ−プロピオニルオキシメチル)−プロピルエステル(ペンタエリトリトールと2−クロロプロピオニルクロリドとの反応により製造)0.60g(1.2mmol)、CuBr 2.58g(18mmol)及びN,N,N′,N′,N′−ペンタメチルジエチレントリアミン3.12g(18mmol)を加えた。混合物を室温で22時間撹拌した。最初は流体の混合物は、濃密な深緑色のガム状塊に変わった。次いで水(200ml)を加え、混合物を3時間激しく撹拌した。沈殿物を濾取し、水で洗浄した。褐色の残渣を、EDTA−二ナトリウム塩1gを含有する水200ml中でスラリー化し、3時間撹拌し、濾取し、水で十分に洗浄し、乾燥した。赤色の粉末残渣(12.37g)を、アセトン150gで4回スラリー化し、遠心分離した。アセトン不溶性物質を乾燥して、橙色の粉末9.57gを得た。この物質は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン及びアセトンには完全に不溶性であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンダントニトロキシド基を有する架橋ポリマーの製造方法であって、下記:
式(A):・ON−Ln−NO・(A)のビスニトロキシド又は式(B):Ln−〔NO・〕(B)のポリニトロキシド
〔式中、
Lnは、n価のスペーサー基であるか、又はニトロキシド基を接続する繰り返し単位であり;
nは、3〜50000の数である〕
と、二官能又は多官能有機ハロゲン含有化合物とを、遷移金属又は低酸化状態の遷移金属塩の存在下、及び場合により遷移金属又は遷移金属塩を錯化することができるリガンドの存在下で反応させる工程を含み、
式(A)又は(B)のビス−又はポリニトロキシド化合物と二官能又は多官能ハロゲン化合物のモル比が、5:1以上である、方法。
【請求項2】
リガンドが、式(I):
【化1】


〔式中、
10、R11、R13及びR14は、独立して、H、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキル又はアリールであり;
12は、H、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキル若しくはアリール、又は基−(CH)q−NR1011であり;
m、p及びqは、1〜4の数であり:
nは、0〜4の数である〕
で示されるものであるか、或いは
リガンドが、二環式又は多環式の脂肪族複素環である、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
リガンドが、トリス〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕アミン、N,N,N′,N′,N′−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザシクロドデカン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、2,2′−ビピリジル、2,2′−ビ(4−t−ブチル)ピリジル及び2,2′,2′−テルピリジルからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
遷移金属又は低酸化状態の遷移金属塩とハロゲン含有化合物のモル比が1:1〜3:1である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
遷移金属が、Cu、Fe、Mn、Mo、Cr、Ni及びRuからなる群より選択され、低酸化状態の遷移金属塩が、これらの金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩又はトリフルオロメタンスルホン酸塩である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
遷移金属又は低酸化状態の遷移金属塩とリガンドのモル比が2:1〜1:5である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
−20℃〜100℃の温度で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
二官能又は多官能ハロゲン化合物が、式(IIa)又は(IIb):
【化2】


〔式中、
15及びR16は、H、C〜C12アルキル、C〜C10アリール、C〜C12シクロアルキルであり;
アリールは、フェニル、ナフチル又はビフェニルであり;
Yは、O又はNR15であり;
17は、2〜10価の有機又は無機残基であり、
rは、2〜10の数であり;
sは、2〜6の数であり、そして
Xは、Cl又はBrである〕
で示されるものである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
スペーサー基又は繰り返し単位に結合しているニトロキシド基が、下記式:
【化3】


〔式中、は、結合点を示す〕
で示されるものである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
スペーサー基又は繰り返し単位に結合しているニトロキシド基が、下記式:
【化4】


で示されるものである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
スペーサー基又は繰り返し単位が、対応するカルボン酸から誘導される二価、三価若しくは四価のアシル残基の残基、対応するアルコールから誘導される二価、三価若しくは四価のアルコールの残基、又は対応するアミンから誘導される二価、三価若しくは四価のアミンの残基であるか、又は繰り返し単位では、エチレン性不飽和カルボン酸若しくはカルボン酸誘導体の残基である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
式(B)のポリニトロキシドが、繰り返し単位を有し、式(III):
【化5】


〔式中、
200は、H又はC〜Cアルキルであり、
Yは、O又はNR201であり、ここでR201は、H又はC〜C18アルキルであり;
Qは、請求項9記載の式(Ia)〜(Ip)の基から選択されるニトロキシドラジカルであり、そして
nは、10〜50000の数である〕
で示されるものである、請求項1記載の方法。
【請求項13】
請求項1の方法により得られる架橋ポリマー。
【請求項14】
熱及びUV光の有害な影響に対するポリマーにおける安定剤としての、又はビニル芳香族モノマーの早期重合に対する安定剤としての、請求項1記載の方法によって得られる架橋ポリマーの使用。
【請求項15】
二次電池における活性電極材としての、請求項1記載の方法によって得られる架橋ポリマーの使用。

【公表番号】特表2009−532544(P2009−532544A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503541(P2009−503541)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052973
【国際公開番号】WO2007/115939
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(597054253)パイオトレック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】