説明

植物アルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質を含有する化粧品および/または皮膚薬調製物

【課題】化粧品またはその他の薬剤において使用することができ、ケア特性だけでなく、ヒト皮膚および/または毛髪に対して主に改善された水分調節および保護特性を有し、それと同時に、皮膚老化現象の場合に予防および治癒効果を示し、再活性化および活力付与効果を有することができ、UV放射に対する保護として使用することができる、化粧品および/または皮膚薬調製物を提供する。
【解決手段】植物アルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質を含んでなる調製物により上記課題が解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケア物質の分野に属するものであり、植物アルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質を含有する調製物、ならびに、新規な皮膚ケア剤および毛髪ケア剤としての植物アルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、化粧品調製物は、消費者にとって多数の組合せで利用可能である。これに関連して、これらの化粧品は、ある種のケア効果を示すかまたはある種の欠陥を克服することが期待されるだけでなく、いくつかの特性を同時に保持し、従って改善された性能スペクトルを示す製品に対する要求がますます増加している。特に重要なものは、例えば、ケア、活力付与特性(皮膚および/または毛髪の老化現象に対して保護する)を付与する活性成分であり、かつ同時に、化粧品製品の技術的特性(例えば、貯蔵安定性、光安定性および配合可能性)に陽性の影響を与えるかまたは少なくともそれらを損なうことがない物質である。これに関連して、良好な皮膚適合性および特に天然物の使用が、消費者によりさらに要求されている。加えて、既に知られている活性成分の組合せにより、あるいは、既に知られている物質群の新規な利用分野の発見により、有意に良好な製品を得るのが望ましい。しかし、この場合、活性成分の組合せは、異なる植物抽出物を異なる量比で同時に使用したときに得られるにすぎないという欠点が存在することが多い。
【0003】
植物からの抽出物およびその成分を、化粧品および薬剤において使用することがますます増加している。植物抽出物は、長年にわたり極めて多種多様の文化圏において、医薬として、さらに化粧目的にも使用されてきた。これら植物抽出物の極めて特殊な個々の効果だけが知られていたことが多く、その応用分野は極めて限られていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本特許出願の目的は、化粧品またはその他の薬剤において使用することができ、ケア特性だけでなく、ヒト皮膚および/または毛髪に対して主に改善された水分調節および保護特性を有し、それと同時に、皮膚老化現象の場合に予防および治癒効果を示し、再活性化および活力付与効果を有することができ、UV放射に対する保護として使用することができる、化粧品および/または皮膚薬調製物を提供することであった。
【0005】
本特許出願の他の目的は、再生可能な粗原料からの活性成分を含み、それと同時に、毛髪ケアおよび皮膚化粧品においてケア剤として広く使用することができる調製物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、皮膚および毛髪のケア剤として、植物アルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質を含んでなる調製物を提供するものである。
より具体的には、本発明の対象およびその好ましい態様は、以下の通りである:
1.pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を、皮膚および毛髪のケア成分として含有する化粧品および/または皮膚薬調製物;
2.アルガニア・スピノーザの脱脂種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有することを特徴とする上記1に記載の調製物;
3.pH12またはそれ未満の水で抽出し、次いで所望により乾燥することによって得られる天然タンパク質を含有することを特徴とする上記1または2に記載の調製物;
4.天然タンパク質の分子量が500,000Daより大きいことを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の調製物;
5.天然タンパク質の分子量が170,000〜250,000Daの範囲内であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の調製物;
6.天然タンパク質の分子量が10,000〜18,000Daの範囲内であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の調製物;
7.乾燥重量を基準に計算して、20〜85重量%の範囲内の活性物質含量を有する抽出物の形態の天然タンパク質を含有することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の調製物;
8.調製物を基準に計算して、0.01〜25重量%の量で天然タンパク質を含有する抽出物を含有し、その量が、水ならびに所望による他の助剤および添加剤により合計して100重量%になることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の調製物。
【0007】
驚くべきことに、植物アルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質を使用することにより、皮膚および毛髪に対する良好なケアおよび保護特性ならびに高い皮膚適合性を同時に有する生成物が得られることを見い出した。このようにして得られる組成物は、皮膚化粧品における特に良好な効果により特徴付けられる。水分調節効果および保護効果と共に、これら組成物は、皮膚老化現象に対して防止および治癒効果をも示し、また、皮膚および毛髪に対して活力付与および再活性化活性をも示す。
【0008】
植物アルガニア・スピノーザの再生可能な粗原料に由来する本発明の薬剤の上記のような複数の使用分野は、それを市場および消費者にとって極めて魅力的なものにする。即ち、本発明の錯綜した目的は、植物アルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質の使用によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の目的のためには、「調製物」なる用語は、「製剤」または「ケア剤」なる用語と同義に用いる。
【0010】
本発明の目的のためには、「植物」なる用語は、全植物および植物の部分(種子、葉、根、花)ならびにこれらの混合物を意味するものと解される。
【0011】
アルガニア・スピノーザ(Argania spinosa)
本発明に従って使用される抽出物は、アカテツ科(Sapotaceae family)の植物から、特にアルガニア・スピノーザから得られる。この植物は、オリーブの木を連想させる木であり、アトラス山脈の西側のモロッコにおいて多く見られる。この植物は、その節のある枝および棘のある小枝に、1〜2個の種子を含むオリーブの大きさおよび形状の果実を付ける。この種子からの油は、ナッツに似た味覚を持ち、特に食用油として使用される。
【0012】
タンパク質
本発明の目的のためには、タンパク質とは、植物アルガニア・スピノーザから単離しうるタンパク質を意味するものと解される。タンパク質は、全ての細胞核において活性酵素を構成し、新たな酵素の生成のための備蓄を与える。このため、タンパク質は植物の重要な構成成分であり、従って、植物の全ての部分において見い出される。種子(特に、脱脂した種子)の抽出が特に好ましい。従って、本発明の特定の態様は、アルガニア・スピノーザの種子(特に、脱脂した種子)の抽出物から得られる天然タンパク質を含んでなる調製物である。
【0013】
本発明の目的のためには、脱脂種子の好ましい抽出とは、好ましくは残留物(1種のケーキ)を、アルガニア・スピノーザの種子から油を得るための抽出によって、抽出することを意味するものと解される。油を得るための抽出からの残留物(これを抽出するのが好ましい)は、3〜10重量%の残留油を含有する。本発明に係るタンパク質は、この残留物からできるだけ完全に、なお残存する油から取り出す。タンパク質と共に、植物アルガニア・スピノーザ中に天然に存在するさらなる物質を、同時抽出することもできる(これら物質を同じ条件下で抽出することができる)。
【0014】
本発明の別の態様において、本発明の調製物は、pH12またはそれ未満、好ましくは3.5〜6.5、特に5.5〜6.5または3.5〜5.5での水性抽出によって、および所望により、その後の乾燥、例えば噴霧乾燥または凍結乾燥によって得られる天然タンパク質を含んでなる。選択されるpH範囲は、単離すべきタンパク質分画に依存する。
【0015】
植物アルガニア・スピノーザ(特に、この植物の種子)から抽出しうる天然タンパク質は、10,000Da〜500,000Da以上の分子量を有することができる。好ましくは、これらを、以下の群の分子量範囲に分けることができる。500,000Da以上の分子量を有する天然タンパク質、170,000〜250,000Daの範囲内の分子量を有する天然タンパク質、および10,000〜18,000Daの範囲内の分子量を有する天然タンパク質を抽出することができる。
【0016】
従って、本発明のさらなる態様の第1は、分子量が500,000Da以上である天然タンパク質を含んでなる調製物、分子量が170,000〜250,000Daの範囲内(好ましくは170,000〜210,000Daの範囲内)である天然タンパク質を含んでなる調製物、ならびに、分子量が10,000〜18,000Daの範囲内(好ましくは13,000〜16,000Daの範囲内)である天然タンパク質を含んでなる調製物に関する。
【0017】
抽出物の乾燥重量を基準に計算した天然タンパク質の割合は、20〜60重量%、特に35〜55重量%である。即ち、本発明のさらに具体的な態様は、抽出方法に依存して、乾燥重量を基準に計算して、20〜85重量%、特に35〜55重量%または60〜85重量%の範囲内の活性物質含量を有する抽出物の形態の天然タンパク質を含んでなる調製物である。
【0018】
抽出
本発明に従って使用する抽出物は、植物またはその部分を抽出する既知の方法によって製造する。適当な通常の抽出法、例えば、離解、再離解、温浸、撹拌離解、流動床抽出、超音波抽出、向流抽出、パーコレーション、再パーコレーション、エバコレーション(減圧下での抽出)、ジアコレーションおよび固体/液体抽出(ソックスレー抽出器において連続還流下に行う)(これらのそれぞれは、専門家にはよく知られており、原則的にこれらの全てを使用することができる)については、例えば、Hagers Handbuch der pharmazeutischen Praxis (第5版、第2巻、p.1026-1030、Springer Verlag、ベルリン-ハイデルベルグ-ニューヨーク、1991)を参照することができる。使用しうる出発物質は、新鮮なまたは乾燥した植物またはその部分であるが、通常の出発物質は、抽出前に機械的に細分した植物および/または植物部分である。これに関して、専門家には既知である全ての細分方法が適しており、例えば、刃付き装置を用いる細分が挙げられる。植物の種子から油を製造した残留物を抽出するのが好ましい。
【0019】
抽出を行うために使用しうる溶媒は、好ましくは、有機溶媒、水、または有機溶媒と水の混合物であり、特に、多かれ少なかれ水(蒸留水または非蒸留水)を含有する低分子量のアルコール、エステル、エーテル、ケトンまたはハロゲン含有の炭化水素、好ましくは、多かれ少なかれ水を含有する水性アルコール溶液である。水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびこれらの異性体、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物による抽出が特に好ましい。抽出は、通常は20〜100℃、好ましくは80〜100℃、特に溶媒または溶媒混合物の沸騰温度で行う。1つの可能な態様においては、抽出を、不活性ガス雰囲気下で行って、抽出物成分の酸化を回避する。抽出時間は、出発物質、抽出方法、抽出温度および溶媒と原料の比などに依存して専門家により調節される。抽出の後に、得られた粗抽出物を、所望により他の通常の工程、例えば精製、濃縮および/または脱色などに付すことができる。所望により、このように調製した抽出物を、例えば、個々の望ましくない成分の選択的除去に付すことができる。抽出を任意の所望の抽出程度まで行うことができるが、通常は枯渇するまで行う。
【0020】
本発明は、抽出条件および最終抽出物の収率を、所望の使用分野に応じて選択しうるという発見を包含する。
【0021】
調製物において使用する植物抽出物の量は、個々の成分の濃度および抽出物の応用の種類によって支配される。本発明の調製物中に存在する、天然タンパク質を含む植物抽出物の合計量は、調製物を基準に、通常は0.01〜25重量%、好ましくは0.03〜5重量%、特に0.03〜0.6重量%である(この量は、水ならびに所望によりさらなる助剤および添加剤によって合計100重量%になる)。
【0022】
助剤および添加剤の合計割合は、化粧品および/または皮膚薬調製物の最終調製物を基準に、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であってよい。調製物は、通常の冷間法または熱間法によって製造することができる。転相温度法を用いるのが好ましい。
【0023】
本発明の目的のためには、活性物質とは、追加で添加される水を除き、製剤中に存在する物質およびさらに助剤および添加剤の割合を意味する。
【0024】
本発明は、さらに、皮膚および/または毛髪のケア剤としての、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質の使用を提供するものである。この種の使用は、化粧効果およびさらに皮膚薬効果を有する製剤を包含する。
【0025】
ケア剤
本発明の目的のためには、ケア剤とは、皮膚および毛髪のケア剤と意味するものと解される。これらのケア剤は、特に、皮膚および毛髪に対する洗浄および回復作用を包含する。
【0026】
適用は、錠剤、糖衣錠、カプセル、ジュース、溶液および顆粒の形態で、局所的または経口的であってよい。
【0027】
また、本発明の調製物は、優れた皮膚ケア作用を、それと同時の高い皮膚適合性と共に示す。さらに、本調製物は、良好な安定性、特に製品の酸化分解に対する良好な安定性を示す。本調製物は、多数の化粧および皮膚薬効果を有する。即ち、本発明はさらに、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質の使用であって、
・皮膚および/または毛髪のケア剤;
・水分調節保湿剤;
・皮膚バリヤー機能の強化剤;
・皮膚平滑化および皮膚安定化剤;
・日焼け止め剤、特にUVA放射および/またはUVB放射に対する日焼け止め剤;
・皮膚老化に対する製剤;
・皮膚および/または毛髪の活力付与および再構築剤;
・代謝性G6PDH活性を増強するための組成物を製造するための活性成分;
としての使用を提供するものである。
【0028】
本発明の目的のために、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質は、水分調節保湿剤として作用する。本発明の目的のためには、皮膚ケア剤とは、皮膚の水分を調節するように働く製剤を包含するものと解される。本発明の目的のためには、これは保湿剤の定義に対応する。皮膚表面への適用および分布の後に、角質層の水分放出を減少させる性質を、化粧品および/または皮膚薬調製物に与える物質または物質混合物が存在する。
【0029】
本発明の保湿剤は、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質を含んでなる。別の保湿剤は、例えば、植物抽出物由来の天然タンパク質と組合せて、以下の成分を含むことができる:
・12〜18個の炭素原子を含む脂肪酸に基づくポリグリセロール脂肪酸エステル、例えば、テトラグリセリル モノオレエート、トリグリセリル ジイソステアレート;
・ピログルタミン酸またはL-アルギニン ピログルタメート、L-リシン ピログルタメート;
・アミノ酸、例えばL-アラニン、L-アルギニン、L-セリン、L-トレオニンなどの混合物;
・プロピレングリコール;
・アセトアミド;
・多糖またはヒアロロン酸;
・トウゴマ油エーテルおよびソルビタンエステル[日本特許出願公開JP60/149511(ライオン社)に記載]。
【0030】
日焼け止め剤またはUV光保護因子
本発明の目的のために、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質は、日焼け止め剤として作用する。
【0031】
本発明の目的のためには、日焼け止め剤またはUV光保護因子とは、直接および間接の日光放射の有害な影響に対してヒト皮膚を保護するのに有用な光保護剤に対して使用する用語である。皮膚の褐変(日焼け)の原因となる太陽からの紫外線放射は、UV-C(波長200〜280nm)、UV-B(280〜315nm)およびUV-A(315〜400nm)の部分に分けられる。
【0032】
日光放射の影響下での正常皮膚の色素沈着、即ち、メラニンの生成は、UV-BおよびUV-Aにより異なる方法で生じる。UV-A線(「長波長UV」)の照射は、明瞭な有害影響を伴わずに、表皮に既に存在するメラニン体の暗色化を与える。これは、いわゆる「短波長UV」(UV-B)の場合には異なる。これは、メラニン顆粒の新たな生成の結果として、いわゆる遅延色素の生成を生じる。しかし、この(保護性)色素が生成する前に、皮膚は、未フィルター放射の作用にさらされ、これが、暴露時間に依存して、皮膚の赤化(紅斑)、皮膚の炎症(日焼け)、さらには水疱の生成を導くことができる。
【0033】
使用するUV吸収剤または光フィルター(即ち、これらはUV放射を無害の熱に変換する)は、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質であり、このタンパク質は、さらに別の日焼け止め剤またはUV光保護因子と組合せて存在することができる。
【0034】
このようなさらに別のUV光保護因子は、例えば、室温で液体または結晶性であり、かつ、紫外線を吸収することができ、吸収したエネルギーを長波長放射(例えば、熱)の形態で再び放出することができる有機物質(光保護フィルター)である。UV-Bフィルターは、油溶性または水溶性であることができる。油溶性物質の例は以下の通りである:
・3-ベンジリデンカンファーまたは3-ベンジリデンノルカンファーおよびその誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)カンファー(欧州特許EP 0693471 B1に記載);
・4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-オクチルおよび4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミル;
・ケイ皮酸エステル、好ましくは4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、4-メトキシケイ皮酸プロピル、4-メトキシケイ皮酸イソアミル、2-シアノ-3,3-フェニルケイ皮酸2-エチルヘキシル(Octocrylene);
・サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;
・ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸エステル、好ましくは4-メトキシベンザルマロン酸ジ-2-エチルヘキシル;
・トリアジン誘導体、例えば2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジンおよびオクチルトリアゾン(欧州特許出願公開EP 0818450 A1に記載)またはジオクチルブタアミドトリアゾン(UvasorbR HEB);
・プロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)-プロパン-1,3-ジオン;
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体(欧州特許EP 0694521 B1に記載)。
【0035】
適当な水溶性物質は以下の通りである:
・2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、ならびに、そのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルクアンモニウム塩;
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;
・3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)-ベンゼンスルホン酸および2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸およびその塩。
【0036】
適当な通常のUV-Aフィルターは、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)、1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、およびエナミン化合物(ドイツ特許出願公開DE19712033A1に記載)(BASF)などである。勿論、これらUV-AおよびUV-Bフィルターを、混合物の形態で使用することもできる。
上記した可溶性物質に加えて、不溶性の光保護顔料(即ち、微細に分散させた金属酸化物または塩)も、この目的に適する。適当な金属酸化物の例は、特に、酸化亜鉛および二酸化チタン、さらに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、ならびにこれらの混合物である。使用しうる塩は、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛である。これらの酸化物および塩を、皮膚ケアおよび皮膚保護エマルジョンおよび装飾化粧品のための顔料の形態で使用する。これら粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に15〜30nmの平均直径を有しているべきである。これらは球の形状であってよいが、楕円形の形状または球の形状からいくらか外れた形状を有する粒子を使用することもできる。また、顔料を、表面処理すること、即ち親水性化または疎水性化することもできる。その代表例は、被覆した二酸化チタン、例えば、二酸化チタン T 805(Degussa)およびEusolexR T2000(Merck)である。ここで、適当な疎水性被覆剤は、第1にシリコーンであり、とりわけトリアルコキシオクチルシランまたはシメチコーンである。日焼け止め剤においては、ミクロまたはナノ顔料を使用するのが好ましい。ミクロ化した酸化亜鉛を使用するのが好ましい。他の適当なUV光保護フィルターは、P.Finkelの概説[SOEFW-Journal 122、543 (1996)]および[Parf.Kosm. 3、11 (1999)]中に見ることができる。
【0037】
植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質は、本発明の目的のために、UVA放射および/またはUVB放射による線維芽細胞および/またはケラチノサイトへの損傷に対して有効である。
【0038】
UVA線は真皮を貫通し、そこで酸化ストレスを導く(これは、細胞質膜のリポペルオキシド化によって示される)。リポペルオキシドは、マロナルジアルデヒド(malonaldialdehyde、MDA)に分解され、これが、多くの生物学的分子、例えばタンパク質および核塩基(酵素阻害または突然変異誘発)を架橋するであろう。本発明に係る植物アルガニア・スピノーザの抽出物は、UVA線によって誘発されるヒト線維芽細胞におけるMDAの程度を大きく低下させ、こうして、皮膚における酸化ストレスの有害作用を減少させる高い能力を示す。
【0039】
UVB線は、酵素(即ち、ホスホリパーゼA2またはPLA2)の活性化により炎症を開始させる。この炎症(紅斑、水腫)は、ホスホリパーゼにより、形質膜においてリン脂質からアラキドン酸が除去されることによって開始される。アラキドン酸は、炎症および細胞膜損傷を引き起こすプロスタグランジンの前駆体である[プロスタグランジンE2(=PGE2)がシクロオキシゲナーゼによって生成する]。ヒトケラチノサイトにおける細胞質酵素LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)の放出の程度が、細胞損傷のマーカーとして働く。
【0040】
本発明に係る植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質は、ケラチノサイトの数および放出されるLDHの量に及ぼすUVB放射の効果を低下させる。従って、この抽出物は、UVB放射によって引き起こされるある種の膜への損傷を低下させる能力を有する。
【0041】
本発明の目的のために、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質は、皮膚老化に対して、特に、あらゆる種類の線形成および皺形成に対して有効である。この種のケア剤の別の名称は老化防止剤である。その用途には、皮膚の老化過程の遅延化が含まれる。この老化現象は、極めて多種多様の原因を持ちうる。特に、これらの老化現象は、UV放射によって、または皮膚の内因性タンパク質(例えば、コラーゲンまたはエラスタンなど)の破壊により誘発される皮膚損傷によって引き起こされるアポプトシスに基づくことができる。
【0042】
本発明の目的のために、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質は、皮膚および/または毛髪に対する活力付与および再活性化活性を有する保護および回復ケア剤として有効である。これらケア剤のこの種の使用は、皮膚および/または毛髪の本来の機能を再活性化し、皮膚および/または毛髪をより耐性にすることによって、例えば皮膚および/または毛髪に及ぼす環境汚染の負の効果に対して、正の効果を有する。植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質の活力付与および再活性化活性は、アポプトシスを相殺する。本発明の教示には、植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質が、皮膚平滑化および皮膚安定化剤として作用するという発見が含まれる。
【0043】
本発明の目的のためには、アポプトシスとは、ある種の望ましくないかまたは損傷した細胞の標的化された細胞死であると解される。これは、活性な細胞過程である(命令による自殺)。アポプトシスは、酸化ストレス(UV放射、炎症)によって、成長因子の欠如によって、または毒性物質(汚染物質、遺伝毒性物質など)によって開始される。皮膚老化中に、皮膚における成長因子の欠如は、例えば、皮膚細胞のアポプトシスの誘導を導くことができる。アポプトシスの作用を受ける細胞においては、特異的な酵素エンドヌクレアーゼが、核DNAを分解し、DNA断片を細胞質中に閉じ込める。本発明の目的のためには、成長因子とは、原則的には、身体にとって内因性であるか、または外部から導入され、皮膚および毛髪細胞の増殖を刺激する全てのものを意味するものと解される。これらには、例えば、ホルモンおよび化学的媒介物質またはシグナル分子が含まれる。これらは、例えばポリペプチド成長因子または糖タンパク質成長因子である。ここで、表皮成長因子(EGF)[これは、53個のアミノ酸からなり、従ってポリペプチド成長因子である]、またはフィブリリン[これは、糖タンパク質の1つである]を挙げることができる。さらに別の成長因子は、例えば、ウロガストロン、ラミニン、フォリスタチンおよびヘレゲリンである。
【0044】
本発明に係る植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質を、代謝性G6PDH活性を増強する調製物のための活性成分として使用することができる。これは、これらタンパク質が、代謝にとって重要なこの酵素の酵素活性を、示されているように増強するためである。
【0045】
グルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼ(G6PDH)は、ペントースホスフェート経路の酸化分枝の第1工程を触媒する。この第1工程において、グルコース-6-ホスフェートは、NADPの作用のもとで、6-ホスホノ-δ-ラクトンにされる。この補酵素は、この酸化中にNADPH2に還元される。還元された形態のこの補酵素は、多くの酵素反応(例えば、脂質合成またはグルタチオンのリサイクルなど)を触媒することができる。さらに、ペントースホスフェート経路は、DNA構築の必須成分であるデオキシリボースを生じる。還元されたグルタチオンは、「SH」基を有する多くの酵素を保護し、従って、酸化ストレス(例えば、UV放射など)に対して生存する細胞の能力を高める。このような理由から、G6PDHは、皮膚の再生にとって、必須物質の合成にとって、ならびに、酸化ストレスに対する細胞保護にとって、極めて重要な酵素である。
【0046】
保護および回復ケア剤としての本発明に係る抽出物の使用は、原則的に、皮膚および/または毛髪の損傷の予防のために、またはそのような損傷の場合に、従って皮膚ケアおよび毛髪ケアにおいて使用される全ての調製物に対して可能である。この分野における別の使用は、アレルギーまたは他の原因によって損傷した敏感な皮膚における適用である。皮膚の損傷は、極めて多種多様の原因を有することができる。
【0047】
本発明の調製物を、化粧品および/または皮膚薬調製物の製造に使用することができる。これらは、例えば、ヘアシャンプー、ヘアローション、発泡浴剤、シャワー調製物、クリーム、ゲル、ローション、アルコール溶液および水/アルコール溶液、乳液、ワックス/油脂組成物、スティック調製物、粉末または軟膏などである。さらに、本発明の調製物を、経口適用のために、錠剤、糖衣錠、カプセル、ジュース、溶液および顆粒中に導入することもできる。
【0048】
これらの調製物は、さらなる助剤および添加剤として、穏やかな界面活性剤、油成分、乳化剤、真珠色化ワックス、増粘剤、濃厚剤、超脂肪化剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、油脂、ワックス、レシチン、リン脂質、生物起源の活性成分、UV光保護因子、酸化防止剤、脱臭剤、発汗防止剤、ふけ防止剤、皮膜形成剤、膨潤剤、虫忌避剤、自己褐変剤、チロシン抑制剤(脱色素剤)、ヒドロトロープ剤、可溶化剤、防腐剤、芳香油、染料などを、さらに含有することができる。
【0049】
界面活性剤
存在しうる界面活性物質は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および/または両性または双性イオン性界面活性剤である。組成物中のこれらの含量は、通常は約1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、特に10〜30重量%である。
陰イオン性界面活性剤の代表例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノおよびジアルキルスルホスクシネート、モノおよびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸(例えば、アシルラクチレート、アシルタルトレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテートなど)、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、コムギに基づく植物生成物)、および、アルキル(エーテル)ホスフェートである。陰イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有しているときには、これらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い同族体分布を有する。
非イオン性界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエーテル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルおよび混合ホルマール、所望により部分的に酸化したアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドまたはグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギに基づく植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有しているときには、これらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い同族体分布を有する。
陽イオン性界面活性剤の代表例は、第四アンモニウム化合物、例えばジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、およびエステルクアット(ester quat)、具体的には第四級化した脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。
両性または双性イオン性界面活性剤の代表例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
これらの界面活性剤は全て既知化合物である。これら物質の構造および製造については、関連の概説論文、例えば、J.Falbe(編)の「Surfactants in consumer Products」(Springer Verlag、Berlin、1987、p.54-124)またはJ.Falbe(編)の「Katalysatoren、Tenside und Mineraloeladditive (触媒、界面活性剤および鉱油添加物)」(Thieme Verlag、Stuttgart、1978、p.123-217)を参照することができる。
特に適する穏やかな(即ち、特に皮膚に適合する)界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノおよび/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンホアセタールおよび/またはタンパク質脂肪酸縮合物(好ましくは、コムギタンパク質に基づく)である。
【0050】
油成分
適当な油成分は、例えば、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6-C22脂肪酸と直鎖または分岐鎖C6-C22脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖C6-C13カルボン酸と直鎖または分岐鎖C6-C22脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルエルケート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネートおよびエルシルエルケートなどである。また適するのは、直鎖C6-C22脂肪酸と分岐鎖アルコール(特に2-エチルヘキサノール)とのエステル、C18-C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐鎖C6-C22脂肪アルコールとのエステル(ドイツ特許出願公開DE19756377A1を参照;特にジオクチルマレエート)、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6-C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6-C18脂肪酸に基づく液体のモノ、ジおよびトリグリセリド混合物、C6-C22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(特に安息香酸)とのエステル、C2-C12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を含むポリオールとのエステル、植物油、分岐鎖の第一アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分岐鎖のC6-C22脂肪アルコールカーボネート[例えば、ジカプリリルカーボネート(CetiolR CC)]、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐鎖C6-C22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv TN)、アルキル基あたりに6〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の対称または非対称のジアルキルエーテル[例えば、ジカプリリルエーテル(CetiolR OE)]、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油(シクロメチコーン、特にケイ素メチコーン型)および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素(例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサンなど)である。
【0051】
乳化剤
適当な乳化剤は、例えば、以下の群の少なくとも1つに由来する非イオン性界面活性剤である:
・8〜22個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコールへの、12〜22個の炭素原子を含む脂肪酸への、アルキル基に8〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノールへの、および、アルキル基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルアミンへの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
・アルキル(アルケニル)基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、ならびに、そのエトキシル化類似体;
・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド1〜15モルの付加生成物;
・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド15〜60モルの付加生成物;
・グリセロールおよび/またはソルビタンと、12〜22個の炭素原子を含む不飽和、直鎖または飽和、分岐鎖の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸との部分エステル、ならびに、エチレンオキシド1〜30モルを含むその付加物;
・ポリグリセロール(平均の自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えば、セルロース)と、12〜22個の炭素原子を含む飽和および/または不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸との部分エステル、ならびに、エチレンオキシド1〜30モルを含むその付加物;
・ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル(ドイツ特許DE1165574)および/または6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくは、グリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;
・モノ、ジおよびトリアルキルホスフェートならびにモノ、ジおよび/またはトリ-PEG-アルキルホスフェートおよびその塩;
・羊毛ワックスアルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
・ブロックコポリマー、例えば、ポリエチレングリコール-30 ジポリヒドロキシステアレート;
・ポリマー乳化剤、例えば、GoodrichのPemulenグレード(TR-1、TR-2);
・ポリアルキレングリコール;および
・グリセロールカーボネート。
【0052】
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノールへの、またはヒマシ油への、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、既知の市販生成物である。これらは同族体混合物であり、その平均のアルコキシル化度は、付加反応を行う基質とエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの量比に対応する。グリセロールへのエチレンオキシドの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品調製物のための再脂肪化剤として知られている(ドイツ特許DE2024051)。
【0053】
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、その製造およびその使用は、従来技術から既知である。これらは、特に、グルコースまたはオリゴ糖と8〜18個の炭素原子を含む第一アルコールとを反応させることによって製造される。グリコシド基については、モノグリコシド(環状糖基がグリコシド結合によって脂肪アルコールに結合している)ならびにオリゴマーグリコシド(好ましくは約8までのオリゴマー化度を有する)の両方が適している。ここで、オリゴマー化度とは統計学的平均値であり、これは、このような工業用グレードの製品に一般的な同族体分布に基づいている。
【0054】
適当な部分グリセリドの代表例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、ならびに、これらの工業用グレード混合物(これらは、製造方法に由来する副生成物として少量のトリグリセリドを含んでいることもある)である。また、これらの部分グリセリドへのエチレンオキシド1〜30モル、好ましくは5〜10モルの付加生成物も適している。
【0055】
適当なソルビタンエステルは、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレエート、ソルビタンセスキリシノレエート、ソルビタンジリシノレエート、ソルビタントリリシノレエート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタルトレート、ソルビタンセスキタルトレート、ソルビタンジタルトレート、ソルビタントリタルトレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエートならびにこれらの工業用グレード混合物である。また、これらのソルビタンエステルへのエチレンオキシド1〜30モル、好ましくは5〜10モルの付加生成物も適している。
【0056】
適当なポリグリセロールエステルの代表例は、ポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート(DehymulsR PGPH)、ポリグリセロール-3 ジイソステアレート(LameformR TGI)、ポリグリセリル-4 イソステアレート(IsolanR GI 34)、ポリグリセリル-3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3 ジイソステアレート(IsolanR PDI)、ポリグリセリル-3 メチルグルコース ジステアレート(Tego CareR 450)、ポリグリセリル-3 蜜蝋(Cera BellinaR)、ポリグリセリル-4 カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル(ChimexaneR NL)、ポリグリセリル-3 ジステアレート(CremophorR GS 32)、ポリグリセリル ポリリシノレエート(AdmulR WOL 1403)、ポリグリセリル ジメレート イソステアレートおよびこれらの混合物である。他の適当なポリオールエステルの例は、トリメチロールプロパンまたはペンタエリトリトールと、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとの、モノ、ジおよびトリエステルである(これらを、所望によりエチレンオキシド1〜30モルと反応させてもよい)。
【0057】
さらに、双性イオン性界面活性剤を、乳化剤として使用することができる。「双性イオン性界面活性剤」なる用語は、分子中に少なくとも1つの第四アンモニウム基および少なくとも1つのカルボキシレート基および1つのスルホネート基を保持する界面活性化合物を意味する。特に適する双性イオン性界面活性剤は、ベタインであり、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(アルキル基またはアシル基に8〜18個の炭素原子を含む)、およびヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタイン(Cocamidopropyl Betaine)のCTFA名称のもとで既知である脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
両性界面活性剤も適当な乳化剤である。「両性界面活性剤」なる用語は、分子中にC8/18アルキル基またはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの−COOH基または−SO3H基を含有し、内部塩を形成することができる界面活性化合物を意味する。適当な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(アルキル基に約8〜18個の炭素原子を含む)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。
最後に、陽イオン性界面活性剤も適当な乳化剤であり、エステルクアット(ester quat)型の乳化剤、好ましくはメチルで第四級化したジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
【0058】
油脂およびワックス
油脂の代表例は、グリセリド、即ち、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから本質的になる固体または液体の植物または動物産物である。適当なワックスは、特に天然ワックス、例えばカンデリラワックス、カルナバワックス、木蝋、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマ(guaruma)ワックス、コメ胚油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリー(ouricury)ワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛ワックス)、尾羽脂、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ペトロラタム、パラフィンワックス、微結晶ワックス;化学修飾したワックス(硬ワックス)、例えばモンタンエステルワックス、サゾール(sasol)ワックス、水素化ジョジョバワックス、ならびに、合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。
油脂に加えて、適当な添加剤は、油脂様の物質、例えばレシチンおよびリン脂質である。レシチンは、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって生成するグリセロリン脂質を意味するものと当業者には解される。従って、レシチンは、ホスファチジルコリン(PC)と称されることも多い。挙げることができる天然レシチンの例はケファリンである。これは、ホスファチジン酸とも称され、1,2-ジアシル-sn-グリセロール-3-リン酸の誘導体である。対照的に、リン脂質は、リン酸とグリセロールとのモノエステル、好ましくはジエステル(グリセロホスフェート)を意味するものと通常は理解されており、これは、一般に油脂とみなされている。さらに、スフィンゴシンおよびスフィンゴ脂質も適している。
【0059】
真珠色化ワックス
適当な真珠色化ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の所望によりヒドロキシ置換されたカルボン酸と、6〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;合計して少なくとも24個の炭素原子を含む脂肪物質、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;12〜22個の炭素原子を含むオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシル基を含むポリオールによる開環生成物;およびこれらの混合物である。
【0060】
増粘剤および濃厚剤
適当な増粘剤は、主に、12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を含む脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、さらに部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N-メチルグルカミド(同じ鎖長)および/またはポリグリセロール ポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。
適当な濃厚剤は、例えば、Aerosilグレード(親水性シリカ)、多糖、特にキサンタンゴム、グアール、寒天、アルギネートおよびチロース(Tylose)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに比較的高分子量の脂肪酸のポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート[例えば、CarbopolRおよびPemulenグレード(Goodrich);SynthalenR(Sigma);Keltrolグレード(Kelco);Sepigelグレード(Seppic);Salcareグレード(Allied Colloids)]、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤(例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド)、脂肪酸とポリオール(例えば、ペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭い同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、ならびに、電解質(例えば、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウム)である。
【0061】
超脂肪化剤
使用しうる超脂肪化剤は、例えば、ラノリンおよびレシチン、さらにポリエトキシル化またはアシル化したラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドなどの物質である。脂肪酸アルカノールアミドは、発泡安定剤としても働く。
【0062】
安定剤
使用しうる安定剤は、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛塩である。
【0063】
ポリマー
適当な陽イオン性ポリマーは、例えば、陽イオン性セルロース誘導体、例えば第四級化したヒドロキシエチルセルロース(AmercholからPolymer JR 400Rの名称で入手できる)、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化したビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquatR(BASF)、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、第四級化したコラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(LamequatR L/Gruenau)、第四級化したコムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(CartaretineR/Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(MerquatR 550/Chemviron)、ポリアミノポリアミド(例えば、フランス特許出願公開FR2252840Aに記載)およびその架橋した水溶性ポリマー、陽イオン性キチン誘導体、例えば第四級化したキトサン(所望により、微結晶分散している)、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)とビス-ジアルキルアミン(例えばビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン)との縮合生成物、陽イオン性グアールゴム(例えば、CelaneseからのJaguarR CBS、JaguarR C-17、JaguarR C-16)、第四級化したアンモニウム塩ポリマー(例えば、MiranolからのMirapolR A-15、MirapolR AD-1、MirapolR AZ-1)である。
【0064】
適当な陰イオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーは、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋のポリアクリル酸およびポリオール架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマーおよび所望により誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンである。他の適当なポリマーおよび増粘剤は、Cosm.Toil. 108、95 (1993)中に挙げられている。
【0065】
シリコーン化合物
適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環式シリコーン、ならびに、アミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-および/またはアルキル-修飾したシリコーン化合物である(これらは、室温で液体および樹脂様の両方であることができる)。他の適当なシリコーン化合物は、水素化シリケートおよび200〜300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンの混合物であるシメチコーンである。適当な揮発性シリコーンの詳細な概説は、さらにToddらのCosm.Toil. 91、27 (1976)中に見ることができる。
【0066】
酸化防止剤
上記した群の一次光保護物質に加えて、酸化防止剤型の二次光保護物質を使用することもできる。この二次光保護物質は、UV放射が皮膚を貫通したときに開始される光化学反応連鎖を遮断する。その代表例は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびその誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲニン酸およびその誘導体、リポン酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポン酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびに、そのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、およびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに、スルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-およびヘプタ-チオニンスルホキシイミン)[これらは、極めて少ない許容用量(例えば、pモル〜μモル/kg)で用いる]、さらに、(金属)キレート化剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシド ジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)、ならびに、本発明に従って適するこれら活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
【0067】
生物起源の活性成分
本発明の範囲内において、生物起源の活性成分とは、植物アルガニア・スピノーザに由来しない活性成分、例えば、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、レチノール、ビサボロール、アラントイン、ピタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、偽セラミド、精油、他の植物抽出物ならびに追加のビタミン複合体などを意味するものと解される。
【0068】
脱臭剤および抗微生物剤
化粧品用脱臭剤は、体臭を相殺するか、遮蔽するか、または除去する。体臭は、アポクリン発汗における皮膚細菌の作用の結果として生じ、これにより不快臭を有する分解生成物が生成することになる。従って、脱臭剤は、抗微生物剤、酵素抑制剤、臭気吸収剤または臭気遮蔽剤として作用する活性成分を含有する。基本的に、適当な抗微生物剤は、グラム陽性細菌に対して有効な全ての物質であり、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸およびその塩およびエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、抗細菌芳香物質、チモール、タイム油、オイゲノール、チョウジ油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド(例えば、n-オクチルサリチルアミドまたはn-デシルサリチルアミド)などである。
【0069】
適当な酵素抑制剤は、例えばエステラーゼ阻害剤である。エステラーゼ阻害剤は、好ましくはクエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、および特に、クエン酸トリエチル(HydagenR CAT)である。これら物質は、酵素活性を阻害し、こうして臭気の生成を減少させる。適当なエステラーゼ阻害剤となる他の物質は、ステロールスルフェートまたはホスフェート(例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびシトステロールスルフェートまたはホスフェートなど)、ジカルボン酸およびそのエステル(例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸、アジピン酸モノエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸およびマロン酸ジエチルなど)、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルなど)、ならびに亜鉛グリシネートである。
【0070】
適当な臭気吸収剤は、臭気生成化合物を吸収することができ、その大部分を保持することができる物質である。これらは、個々の成分の分圧を低下させ、こうしてその拡散速度を低下させる。この過程において、芳香物質が損なわれないまま保持されることが重要である。臭気吸収剤は、細菌に対して有効ではない。これらは、例えば主成分として、ラブダナムもしくはエゴノキの抽出物またはある種のアビエチン酸誘導体などの「保留剤」として当業者に知られている特定のほぼ臭気中性の芳香物質またはリシノール酸の錯亜鉛塩を含有する。
臭気遮蔽剤は、臭気遮蔽剤としての機能に加えて、その特定の芳香を脱臭剤に与える芳香物質または芳香油である。挙げることができる芳香油は、例えば天然および合成の芳香物質の混合物である。天然の芳香物質は、花、茎および葉、果実、果皮、根、木、ハーブおよび草、針状葉および枝、樹脂およびバルサムの抽出物である。また、動物原料、例えばジャコウおよびビーバーも適している。通常の合成芳香化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型の芳香化合物は、例えば、酢酸ベンジル、シクロヘキシル酢酸p-tert-ブチル、酢酸リナリル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えばベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには、例えば8〜18個の炭素原子を含む直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアルおよびボルゲオナールが含まれる。ケトンには、例えば、イオノンおよびメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールが含まれ、炭化水素には、主にテルペンおよびバルサムが含まれる。しかし、異なる芳香物質の混合物(これらは一緒になって快い芳香を生じる)を使用するのが好ましい。比較的低揮発性の精油(これらのほとんどは芳香成分として使用される)も芳香油として適している。その例は、セージ油、カミツレ油、チョウジ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、シナノキ花油、ビャクシン果実油、ベチベルソウ油、オリバヌム油、ガルバヌム油、ラブダナム油およびラベンジン油である。以下のものを、個々にまたは混合物で使用するのが好ましい:即ち、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアル、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(Boisambrene Forte)、アムブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール(cyclovertal)、ラベンジン油、サルビア油、β-ダマスコーン、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックス・ケウアー(Vertofix Coeur)、イソ-E-スーパー(Iso-E-Super)、フィクソリド(Fixolide)NP、エベルニル(evernyl)、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット(romillat)、イロチル(irotyl)およびフロラマット(floramat)。
【0071】
発汗防止剤は、エクリン汗腺の活性に影響を及ぼすことによって発汗を減少させ、こうして腋下の湿気および体臭を中和する。通常、水性または無水の発汗防止配合物は、以下の成分を含有する:
・収斂活性の成分;
・油成分;
・非イオン性乳化剤;
・共乳化剤;
・増粘剤;
・助剤、例えば濃厚剤または錯生成剤など;および/または
・非水性溶媒、例えばエタノール、プロピレングリコールおよび/またはグリセロールなど。
【0072】
適当な収斂性の発汗防止活性成分は、主に、アルミニウム、ジルコニウムまたは亜鉛の塩である。このような適当な抗ヒドロ(antihydrotic)活性成分は、例えば、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレート、および、これらと例えば1,2-プロピレングリコールとの複合化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、および、これらと例えばアミノ酸(グリシンなど)との複合化合物である。さらに、通常の油溶性および水溶性の助剤が、比較的少量で発汗防止剤に存在していてもよい。
【0073】
このような油溶性の助剤は、例えば、以下のものであってよい:
・炎症抑制性、皮膚保護性または芳香性の精油;
・合成の皮膚保護活性成分;および/または
・油溶性の芳香油。
【0074】
通常の水溶性の添加剤は、例えば、防腐剤、水溶性芳香物質、pH調節剤、例えば緩衝混合物、水溶性濃厚剤、例えば水溶性の天然または合成ポリマー、例えばキサンタンゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたは高分子量ポリエチレンオキシドである。
【0075】
皮膜形成剤
通常の皮膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系列のポリマー、第四セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩および同様の化合物である。
【0076】
ふけ防止活性成分
適当なふけ防止活性成分は、ピロクトン オラミン(pirocton olamine)[1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノン モノエタノールアミン塩]、BaypivalR(クリムバゾール)、KetoconazoleR(4-アセチル-1-{4-[2-(2,4-ジクロロフェニル) r-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキシラン-c-4-イルメトキシフェニル}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、セレンジスルフィド、コロイド状イオウ、イオウポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、イオウリシノールポリエトキシレート、イオウタールジスチレート、サリチル酸(または、ヘキサクロロフェンと組合せて)、ウンデシレン酸 モノエタノールアミド スルホスクシネートNa塩、LameponR UD(タンパク質/ウンデシレン酸縮合物)、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオンおよびマグネシウムピリチオン/ジピリチオンマグネシウムスルフェートである。
【0077】
膨潤剤
水相のための膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土無機物質、ペムレン(Pemulen)およびアルキル修飾したカルボポール(Carbopol)グレード(Goodrich)である。他の適当なポリマーおよび膨潤剤は、R.Lochheadの概説[Cosm.Toil. 108、95 (1993)]中に挙げられている。
【0078】
虫忌避剤
適当な虫忌避剤は、N,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオールまたはブチルアセチルアミノプロピオン酸エチルである。
【0079】
自己褐変剤および脱色素沈着剤
適当な自己褐変剤は、ジヒドロキシアセトンである。適当なチロシン抑制剤(メラニンの生成を妨げ、脱色素沈着剤において使用される)は、例えば、アルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、クマル酸およびアスコルビン酸(ビタミンC)である。
【0080】
ヒドロトロープ剤
流れ挙動を改善するために、さらにヒドロトロープ剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールを使用することができる。ここで適当なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を含有する。これらポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含有することができ、また、窒素で修飾することもできる。その代表例は、次の通りである:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および、ポリエチレングリコール(100〜1000ダルトンの平均分子量を有する);
・1.5〜10の自己縮合度を有する工業用グレードのオリゴグリセロール混合物、例えば40〜50重量%のジグリセロール含量を有する工業用グレードのジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えば特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を含むもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含む糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を含む糖、例えばグルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
【0081】
防腐剤
適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸およびKosmetikverordnung(化粧品指針)の付属書6のパートAおよびBに挙げられている他の群の物質である。
【0082】
芳香油
挙げることができる芳香油は、天然および合成の芳香物質の混合物である。天然の芳香物質は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、果実(アニス、コエンドロ、ヒメウイキョウ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ニクズク、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、カルムス)、木(マツ、ビャクダン、ユソウボク、シーダー材、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナックス)の抽出物である。また、動物原料、例えばジャコウおよびビーバーも適している。通常の合成芳香化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型の芳香化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、シクロヘキシル酢酸p-tert-ブチル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、エチル酢酸フェニル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えばベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには、例えば8〜18個の炭素原子を含む直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアルおよびボルゲオナールが含まれる。ケトンには、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールが含まれ、炭化水素には、主にテルペンおよびバルサムが含まれる。しかし、異なる芳香物質の混合物(これらは一緒になって快い芳香を生じる)を使用するのが好ましい。比較的低揮発性の精油(これらのほとんどは芳香成分として使用される)も、芳香油として適している。その例は、セージ油、カミツレ油、チョウジ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、シナノキ花油、ビャクシン果実油、ベチベルソウ油、オリバヌム油、ガルバヌム油、ラブダナム油およびラベンジン油である。以下のものを、単独でまたは混合物で使用するのが好ましい:即ち、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアル、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アムブロキサン(ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール(cyclovertal)、ラベンジン油、サルビア油、β-ダマスコーン、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックス・ケウアー(Vertofix coeur)、イソ-E-スーパー(iso-E-super)、フィクソリド(Fixolide)NP、エベルニル(evernyl)、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット(romilat)、イロチル(irotyl)およびフロラマット(floramat)。
【0083】
染料
使用することができる染料は、例えば、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaftの出版物「Kosmetische Faerbemittel(化粧品用着色剤)」[Verlag Chemie、Weinheim、1984、p.81-106]に挙げられているような、化粧品目的に認められかつ適している物質である。通常、これらの染料は、混合物全体を基準に、0.001〜0.1重量%の濃度で使用される。
【実施例】
【0084】
実施例1:蒸留水による植物の抽出
油製造のための抽出の残留物から得た脱脂アルガニア・スピノーザ種子(0.2kg)を、ガラス容器に移し、これに蒸留水(2L)を注いだ。混合物を室温で2時間撹拌した。溶液のpHは6.2〜6.0であった。次いで、混合物を、5000gの速度で15分間遠心した。上清液体を、450nmの平均多孔度を有する深床(deep-bed)フィルター(Seitz、Bordeaux、フランスから)で濾過することにより、残留物から分離した。乾燥重量を基準に計算した天然タンパク質の収率(N×6.25に従う)は、35〜55重量%であった。
【0085】
実施例2:熱清浄による抽出物の後処理
実施例1を繰り返したが、精製を熱清浄法によって行った。このために、上清液体を、実施例1の記載のように遠心した後、80〜100℃で30分間加熱した。これにより、熱的に不安定な天然タンパク質の沈殿を導き、次いで室温まで冷却した。次いで、混合物を5000gの速度で15分間遠心し、220nmの平均多孔度を有する深床フィルター(Seitz、Bordeaux、フランスから)で濾過することにより、残留物から分離した。
【0086】
Superose 12HRでのクロマトグラフィーにより、天然タンパク質の3つの主分画を単離することができた。これらは、以下の範囲の分子量を有していた。
【表1】

【0087】
実施例3:分画2の濃縮を伴う抽出
遠心に関しては実施例1を繰り返した。このタンパク質抽出物(1.6L)を反応器に入れ、4N硫酸を加えて撹拌することによりpH4.5に調節した。この混合物を15〜30分間撹拌した。次いで、混合物を5000gの速度で15分間遠心した。得られた残留物は、187,000〜210,000Daの分子量範囲の分画、特に200,000Daの分子量を有するタンパク質が豊富化されており、上清は、最も低い分子量を有するタンパク質分画を含んでいた。この残留物を水(160ml)に取り、4N NaOHを加えて撹拌することによりpHをpH6.1に調節した。得られた溶液を、再び記載した条件下で遠心し、凍結乾燥した。この濃縮の結果として、実施例2の分画2の天然タンパク質を70〜85重量%含んでなる抽出物を得ることができた。得られた乾燥抽出物中の全タンパク質含量は、この抽出法によって、60〜85重量であった。
【0088】
実施例4:分画3の濃縮を伴う抽出
実施例3からの残留物(1.48L)を、220nmの平均多孔度を有する深床フィルター(Seitz、Bordeaux、フランスから)で濾過することにより、残留物から分離し、次いで凍結乾燥した。この豊富化の結果として、実施例2の分画3の天然タンパク質を21〜40重量%含んでなる抽出物を得ることができた。得られた乾燥抽出物中の全タンパク質含量は、この抽出法によって、40〜50重量%であった(UVクロマトグラムによって示された)。
【0089】
実施例5:皮膚水分の調節試験
背景:ヒト皮膚の表皮には角質層(Stratum corneum)が存在し、その水含量が、一方においてその弾性を保障し、他方において、剥がれ落ちる角質片(これらは、顕微鏡的に小さい)の量および恐らくは大きさを決定する。
【0090】
方法:形成外科からの試料をこの水分調節試験に使用した。2つの異なる条件を試験した。第1に、正常皮膚を対照として調べ、第2に、表面が損傷した皮膚試料を処理し、調べた。これらの皮膚試料からの角質層を、ラウリル硫酸ナトリウムの5%濃度溶液中に1時間浸漬し、次いで室温で乾燥し、グリッドに載せ、規定した相対湿度を有する気密室(44%の炭酸カリウム飽和溶液)中に保存し、標準化した。角質層の各試料を、比較目的のために以下の3つの条件下で試験した。
(1)処理なし;
(2)プラシーボで処理;
(3)実施例4の抽出物を5重量%含み、バインダー[Laboratoire Serobiologique LSからのヒドロゲル(Hydrogel)LS]からなる調製物で処理。
【0091】
それぞれの場合に、2mg/cm2のプラシーボまたは(3)の調製物を、外部表面に適用した。使用したプラシーボは、記載した調製物を含まない、即ち植物抽出物を含まないバインダー(Laboratoire Serobiologique LSからのヒドロゲルLS)であった。
【0092】
上記の調製物中の本発明の天然タンパク質の水分調節活性を、24時間での角質層における水分の損失によって測定し、プラシーボ処理と比較してmg/時/cm2で示した。
【表2】

【0093】
この研究の結果は、アルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質の水分調節活性を示すものである。(3)のように処理した皮膚試料は、未処理の皮膚試料と比較して、24時間で有意に低い水分損失を示した。この差異は、損傷のない皮膚の場合と比較して、既に損傷した皮膚の場合の方がより顕著であった。
【0094】
実施例6:皮膚平滑化作用(動的ばね率)
背景:この方法の原理は、皮膚表面に平行して適用される小さな正弦力に対する皮膚の移動または転位を測定することにある。この力は、ガス生成(gas-bearing)力量計を用いて発生させる。調べたパラメーターは、適用した力と皮膚の移動との関係を表す「動的ばね率(dynamic spring rate)」(DSR)である。適用した力に対する皮膚の移動が大きくなるほど、皮膚はよりしなやかであり、逆の場合には逆の結果になる。
【0095】
被検試料で処理した後の皮膚の高い移動性は、DSRの減少によって表され、動的ばね率の増加は、皮膚における被検試料の平滑化、安定化の作用を示すものである。
【0096】
方法:皮膚試料を顕微鏡スライドに載せ、結合させた。この結合させた皮膚を、制御された大気湿度(33%)および一定温度(T=20℃)の大気中で、2時間にわたり平衡化させた。次いで、機械的特性を、比較目的のために以下の3つの条件下で測定した。これらの結果を、90分後のDSRの出現として示す。
【表3】

【0097】
プラシーボおよび対照の実験と比較して、アルガニア・スピノーザの抽出物を含むヒドロゲルのDSR値の増加は有意であった。これらの増加した値は、被検試料で処理した後に結合皮膚を移動させるために、アルガニア・スピノーザ由来の抽出物を含まないときと比較して、より大きな力を適用しなければならないことを示すものであり、従って、これらの値は、皮膚に対する本発明の抽出物の平滑化および安定化作用を示すものである。
【0098】
実施例7:ヒト線維芽細胞の生存活性に及ぼす効果
細胞活性を評価するために、基本的マーカーが存在する。これらには、MTT、タンパク質およびグルタチオンが含まれる。
生存を、以下の内容により評価した。
・代謝されたMTT(メチル チアゾリル テトラゾリウム)の割合:ミトコンドリア活性をMTT試験によって測定した。MTTは、呼吸鎖の酵素であるコハク酸デヒドロゲナーゼにより、ホルマザンに還元される[Denizot F、Lang R、"Rapid colorimetric assay for cell growth and survival"、J.Immunol.Methods、89、271-277、1986];
・タンパク質の割合:細胞のタンパク質濃度を、Bradfordに従って測定した[Bradford M.M.、"A rapid and sensitive method for the quantitation of microgram quantities of protein utilizing the principle of protein-dye binding"、Anal.Biochem.(1977)、Vol.72、pp.248-254];
・グルタチオン(GSH)の割合:これは、酸化ストレスまたは種々の汚染物質(例えば、重金属など)と闘うために、細胞により直接産生されるペプチドである。その合成は、エネルギー源としてATPを必要とする。GSHを、Hissinに従って測定した[Hissin P.J.、Hilf R、"A fluorometric method for determination of oxidised and reduced Glutathione in tissues"、Analytical Biochemistry (1977)、Vol.74、pp.214-226].
【0099】
グルタチオン(GSH)は、酸化ストレスまたは重金属(例えば、鉛または水銀など)に対して細胞を保護するために、細胞により産生されるペプチドである。次いで、GSHの還元形態に含まれる3つのアミノ酸が、特異的な細胞質酵素に結合し、これがATPを必要とする。
GSHレベルの増加は、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(これは脱汚染酵素である)の活性に正の影響を有する。
【0100】
方法:ヒト線維芽細胞を、10%ウシ胎仔血清(Dutcherから)を含む栄養培地(DMEM=Life Technologie Sarlからのダルベッコ最少必須培地)に接種し、5%CO2大気中、37℃で24時間インキュベートした。
次いで、この培地を、本発明の記載に従って種々の抽出物を変化濃度(0.01;0.03および0.1重量%)で含有する次(サブ)最適培地(SVFを含まない)により置換した。
【0101】
これらの結果を、抽出物を含まない配合物に対して、タンパク質、MTTおよびGSHの割合について示し、平均値±SEM(平均の誤差の種類)として、未処理の対照に対するパーセント(%)で表す。
【表4】

【0102】
この表は、それぞれの場合に、種々濃度の抽出物について3日後に測定した、MTTによるミトコンドリア活性、タンパク質含量およびGSH含量を示すものである。これによれば、0.03重量%の濃度を有する実施例4のアルガニア・スピノーザの天然タンパク質の分画は、ミトコンドリア活性を有意に増加させた(+18%)。わずか0.03%の濃度を有する実施例4のアルガニア・スピノーザ由来の天然タンパク質の分画は、ヒト線維芽細胞中のGSH含量を163%増加させることができる。
【0103】
これらの結果は、アルガニア・スピノーザの元のタンパク質抽出物または加水分解したタンパク質抽出物が、ヒト線維芽細胞による代謝(タンパク質の合成およびグルタチオンの合成)を大きく改善しうることを示すものであり、これは明らかに、これら抽出物のエネルギー付与、刺激および「老化防止」活性をもたらすものである。
【0104】
実施例8:インビトロ培養したヒト線維芽細胞におけるUVAに対する細胞保護作用
背景:UVA線は真皮を貫通し、そこで酸化ストレスを導き、これが細胞質膜のリポペルオキシド化によって検出される。
リポペルオキシドはマロナルジアルデヒドに分解され、多くの生物学的分子(例えば、タンパク質および核塩基)を架橋するであろう(酵素阻害または突然変異誘発)。
グルタチオン(GSH)は、酸化ストレスまたは有害な環境的影響(例えば、水銀または鉛含量の増加など)を相殺するために、細胞により直接産生されるペプチドである。GSH含量を、Hissinの方法[Anal.Biochem.、74、214-226、1976に記載]に従って測定した。
【0105】
方法:これらの試験を行うために、10%ウシ胎仔血清を含む規定の培養培地(DMEM)に線維芽細胞を接種し、接種の72時間後に植物抽出物(2%血清を含む規定培地中)を添加した。
37℃および5%CO2含量において48時間インキュベートした後、培養培地を塩化ナトリウム溶液により置換し、線維芽細胞に、UVA用量(20J/cm2;試験管:MAZDA FLUOR TFWN40)を照射した。
【0106】
照射が完了したときに、細胞タンパク質の含量およびGSHの割合を測定し、上清の食塩溶液中のMDAレベル(マロナルジアルデヒドのレベル)を、チオバルビツール酸との反応によって定量的に測定した。これらの結果を、対照(照射なし)と比較して、パーセント(%)で示す。
【表5】

【0107】
表5の結果は、本発明の植物アルガニア・スピノーザ由来の抽出物が、UVA線によって誘導されるヒト線維芽細胞中のMDAのレベルを有意に低下させることを示すものである。さらに、UVA放射の照射後に、ヒト線維芽細胞中のGSH含量を比較的一定に維持する高い活性が存在する。これらの結果は、皮膚に対する酸化ストレスの有害作用を減少させる、アルガニア・スピノーザ由来のタンパク質分画の高い能力を示すものである。
【0108】
実施例9:インビトロでの抗炎症特性(UVB光保護):インビトロ培養したヒトケラチノサイトにおけるUVBに対する細胞保護作用
背景:UVB線(280〜320nm)は、形質膜のリン脂質からアラキドン酸を除去する酵素(即ち、ホスホリパーゼA2またはPLA2)を活性化することによって、炎症(紅斑、水腫)を開始させる。アラキドン酸は、炎症および細胞膜損傷を引き起こすプロスタグランジンの前駆体である[プロスタグランジンE2(=PGE2)がシクロオキシゲナーゼによって生成する]。この膜ストレスは、細胞質酵素である乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の放出によって示される。UVB放射の作用を、細胞質酵素LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)の放出を測定することによって、インビトロでケラチノサイトにおいて調べた。この酵素は、細胞損傷のマーカーとして働く。
【0109】
方法:これらの試験を行うために、10%ウシ胎仔血清を含む規定の培地(DMEM)にケラチノサイトを接種し、接種の72時間後に植物抽出物(食塩水溶液で希釈)を添加した。
次いで、ケラチノサイトにUVB用量(50mJ/cm2;試験管:DUKE GL40E)を照射した。
37℃および5%CO2において1日間さらにインキュベートした後、上清中のLDHおよびPGE2含量を測定した。LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)の含量を、酵素反応(RocheからのLDH含量を調べるために使用するキット)を用いて測定した。PGE2の含量は、ELISA試験(RocheからのELISAキット)を用いて測定した。トリプシン処理した後、細胞を遠心し、計数した。
【表6】

【0110】
この試験の結果は、本発明の植物アルガニア・スピノーザのタンパク質分画が、ケラチノサイト数に対するUVB放射の作用を低下させることを示す。細胞質中の放出LDH含量の低下ならびにPGE2含量の低下が見い出された。即ち、記載したタンパク質抽出物は、UVB放射によって引き起こされる細胞膜損傷を低下させる能力を示し、UVB放射によって誘導される炎症に対して抑制作用を示す。
【0111】
実施例10:グルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼの酵素活性の測定
背景:この試験の目的は、皮膚老化を促進しうるグルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼ(G6PDH)の酵素活性に対する刺激特性を調べることである。グルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼは、ペントースホスフェート経路の酸化分枝の第1工程を触媒する。この第1工程において、グルコース-6-ホスフェートは、NADPの作用のもとで、6-ホスホノ-δ-ラクトンにされる。この補酵素は、この酸化中にNADPH2に還元される。還元された形態のこの補酵素は、多くの酵素反応(例えば、脂質合成またはグルタチオンのリサイクルなど)を触媒することができる。さらに、ペントースホスフェート経路は、DNA構築の必須成分であるデオキシリボースを生じる。還元されたグルタチオンは、「SH」基を有する多くの酵素を保護し、従って、酸化ストレス(例えば、UV放射など)に対して生存する細胞の能力を高める。このような理由から、G6PDHは、皮膚の再生にとって、必須物質の合成にとって、ならびに、酸化ストレスに対する細胞保護にとって、極めて重要な酵素である。
【0112】
G6PDH活性を、Natsuko OkadaおよびYukio Kitano[Arch.Dermatol.Res.、271(3): 341-346、1981]により記載された方法に従い、ヒト線維芽細胞におけるグルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼの酵素活性をインビトロ測定することによって測定した。
DNA含量を、Desaulniers[Toxic. in vitro、12(4)、409-422 (1998)]により記載された方法に従って測定した。線維芽細胞のインキュベート時間は、それぞれの場合に3日間および6日間であった。これらの結果を表7にまとめる。それぞれの場合に、3回測定した8実験の平均を示す。
【表7】

【0113】
表7の結果は、0.03および0.1重量%の濃度を有する植物アルガニア・スピノーザ由来のタンパク質分画が、6日後に、ヒト線維芽細胞におけるG6PDHの活性を相当に増加させたことを示す。この試験を用いて、アルガニア・スピノーザからの油製造の残留物に由来するタンパク質分画が、ストレス(例えば、UV、環境汚染など)に対するヒト皮膚の保護のために、あるいは、皮膚老化に対して有効であるために高い潜在性を有することを示すことができる。
【0114】
実施例11:植物アルガニア・スピノーザの抽出物由来の天然タンパク質を含有する化粧品組成物の例示配合物
実施例1〜4の記載のようにして得た抽出物を、本発明の以下の配合物K1〜K21、ならびに1〜30において使用した。このように調製した化粧品組成物は、比較配合物C1、C2およびC3と比較して、極めて良好な皮膚ケア特性を良好な皮膚適合性と同時に示した。さらに、本発明の組成物は、酸化分解に対して安定であった。
表8〜13に挙げ、使用した登録商標名()を有する全ての物質は、コグニス(COGNIS)グループの商標および製品である。
【0115】
【表8】

【0116】
【表9】

【0117】
【表10】

【0118】
配合物
(全てのデータは化粧品組成物を基準とする重量%であり、水、防腐剤が合計100重量%を構成する)
【表11】

【0119】
【表12】

【0120】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する化粧品調製物。
【請求項2】
皮膚ケアおよび毛髪ケアのために使用される請求項1に記載の化粧品調製物。
【請求項3】
皮膚の水分調節のために使用される請求項1に記載の化粧品調製物。
【請求項4】
皮膚バリヤー機能の強化のために使用される請求項1に記載の化粧品調製物。
【請求項5】
皮膚平滑化および皮膚安定化のために使用される請求項1に記載の化粧品調製物。
【請求項6】
皮膚の日焼け止めのために使用される請求項1に記載の化粧品調製物。
【請求項7】
皮膚老化の防止のために使用される請求項1に記載の化粧品調製物。
【請求項8】
皮膚および/または毛髪の活力付与および再構築のために使用される請求項1に記載の化粧品調製物。
【請求項9】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する、皮膚ケアおよび毛髪ケアのための皮膚薬調製物。
【請求項10】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する、皮膚の水分調節のための皮膚薬調製物。
【請求項11】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する、皮膚バリヤー機能の強化のための皮膚薬調製物。
【請求項12】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する、皮膚平滑化および皮膚安定化のための皮膚薬調製物。
【請求項13】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する、皮膚の日焼け止めのための皮膚薬調製物。
【請求項14】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する、皮膚老化の防止のための皮膚薬調製物。
【請求項15】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する、皮膚および/または毛髪の活力付与および再構築のための皮膚薬調製物。
【請求項16】
pH12またはそれ未満の水を溶媒として用いて抽出過程を行った植物アルガニア・スピノーザの種子の抽出物から得られる天然タンパク質を含有する、代謝におけるグルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼ活性を増強するための組成物。

【公開番号】特開2007−186527(P2007−186527A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107824(P2007−107824)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【分割の表示】特願2002−547512(P2002−547512)の分割
【原出願日】平成13年11月28日(2001.11.28)
【出願人】(502021660)コグニス・フランス・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ (21)
【氏名又は名称原語表記】COGNIS FRANCE, S.A.S
【Fターム(参考)】