検査システムと、この検査システムで利用可能な管理装置および医用診断装置
【課題】 効率的に医用診断装置への検査データの読み込みを行うことを可能とする。
【解決手段】 検査データマネージャ1は、過去の検査により取得された検査データのうちの将来の検査で使用予定であるものを、複数の超音波診断装置2-1〜2-4のうちの少なくとも2つへ配信する。超音波診断装置2-1〜2-4は、検査データマネージャ1から配信された検査データを記憶しておく。超音波診断装置2-1〜2-4は、この記憶している検査データを用いた検査が他の超音波診断装置2-1〜2-4を使用して行われたことに応じてこの記憶している検査データを削除する。
【解決手段】 検査データマネージャ1は、過去の検査により取得された検査データのうちの将来の検査で使用予定であるものを、複数の超音波診断装置2-1〜2-4のうちの少なくとも2つへ配信する。超音波診断装置2-1〜2-4は、検査データマネージャ1から配信された検査データを記憶しておく。超音波診断装置2-1〜2-4は、この記憶している検査データを用いた検査が他の超音波診断装置2-1〜2-4を使用して行われたことに応じてこの記憶している検査データを削除する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用診断装置を用いて過去の検査により取得された検査データを新たな検査で使用する検査システムと、この検査システムで利用可能な管理装置および医用診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関での超音波診断装置を用いた検査においては、検査中に装置で取得した検査データを、専用のサーバに保存している。
【0003】
そして超音波診断装置を用いた検査では、過去に取得された検査データを利用して新たな検査が行われることがある。この場合には、上記のサーバから超音波診断装置へと必要な検査データを読み込む。
【特許文献1】特開平10−234730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検査データの読み込みには時間がかかるので、検査開始前に超音波診断装置に必要な検査データを読み込んでおくことが望ましい。しかし、複数ある超音波診断装置のいずれを用いて検査が実施されるかは、実際の検査を行うときにならないとわからないため、その時よりも前に検査データを超音波診断装置に読み込んでおくことができない。
【0005】
このため、超音波診断装置を用いた検査を実際に行う時点になってから、例えば患者IDなどをトリガとして当該超音波診断装置に必要な検査データを読み込むことが行われている(特許文献1を参照)。しかし、検査データを読み込み終えるまでの時間は超音波診断装置を用いた所望の診断を行うことができず、検査効率が低下するという不具合があった。
【0006】
なお、このような不具合は、超音波診断装置以外の様々な医用診断装置を備える検査システムにおいても起こり得る。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、効率的に医用診断装置への検査データの読み込みを行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するために本発明は、過去の検査により取得された検査データを記憶する記憶装置にアクセス可能な管理装置と、前記検査データを用いた検査に使用される複数の医用診断装置とを含んで検査システムを構成する。
【0009】
そして前記管理装置には、将来の検査で使用予定である前記検査データを複数の前記医用診断装置のうちの少なくとも2つへ配信する手段を備える。
【0010】
また前記医用診断装置には、前記管理装置から配信された前記検査データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記検査データを用いた前記検査が他の医用診断装置を使用して行われたことに応じて前記記憶手段に記憶された前記検査データを削除する削除手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、効率的に医用診断装置への検査データの読み込みを行うことを可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る検査システムの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように本実施形態の検査システムは、検査データマネージャ1と複数の超音波診断装置2を、ネットワーク3を介して接続して構成される。なお図1においては、4つの超音波診断装置2-1,2-2,2-3,2-4を含む検査システムを図示している。以下においては、超音波診断装置の個々を区別する必要がある場合には符号「2-1」「2-2」「2-3」または「2-4」を付して記し、区別する必要がない場合には符号「2」を付して記す。
【0013】
検査データマネージャ1は、当該検査システム内で検査データを管理する機能を持つ。超音波診断装置2は、医療機関内にて患者の診断を行うために使用される装置である。超音波診断装置2は、超音波を利用した周知の手法により医学的な検査データを取得する。また超音波診断装置2は、検査データマネージャ1と連携して動作する機能を有する。
【0014】
ネットワーク3は、例えば病院内LANであって、HIS/RISサーバ4が接続されている。HIS/RISサーバ4は、HIS(hospital information system)およびRIS(radiology information system)に属するサーバであり、病院内における各種の情報(例えば予約情報)を記憶している。HIS/RISサーバ4が記憶する情報には、超音波診断装置2を利用する検査の予約検査情報を含む。
【0015】
図2は検査データマネージャ1および超音波診断装置2の構成を示すブロック図である。
検査データマネージャ1は、予約検査情報取得部11、ユーザ情報取得部12、システム状態監視部13、スケジュール作成部14、ユーザ情報データベース18d、データ配信部15、データ削除要求部16、データ受信部17、予約検査情報データベース18a、装置情報データベース18b、ユーザ情報データベース18c、配信スケジュールデータベース18d、検査データデータベース18eおよび検査履歴データベース18fを含む。
【0016】
予約検査情報取得部11は、能動的もしくは受動的に、HIS/RISサーバ4から予約検査情報を取得し、予約検査情報データベース18aに保存する。
【0017】
図3は予約検査情報の一例を示す図である。予約検査情報には、予約された検査毎に、患者名および患者ID等の患者に関する情報と、検査種別等の検査に関する情報とが表されたレコードが記述される。
【0018】
ユーザ情報取得部12は、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報データベース18cに保存する。ユーザ情報は、例えば図示しない端末にてユーザによって入力される。ユーザ情報は、超音波診断装置2を使用するユーザに関する情報である。ユーザ情報は例えば、医師の名前と専門分野、医師が特定の超音波診断装置2を使う場合はその装置ID等が含まれる。
【0019】
システム状態監視部13は、能動的もしくは受動的に、ネットワーク3を介して超音波診断装置2から装置状態情報を取得し、装置情報データベース18bに保存する。装置状態情報は、超音波診断装置2が稼動しているか否か(故障の有無を含む)を示す情報、超音波診断装置2が検査中か否かを示す情報、超音波診断装置2に接続されているプローブの種類を表す情報、超音波診断装置2に装備されているデバイスの種類を表す情報、インストールされているアプリケーションの種類およびバージョンを表す情報などを含む。なお装置情報データベース18bは、システム内の全超音波診断装置2に関する装置情報も保持する。装置情報は、超音波診断装置2の機種名、装置ID、シリアルNo、適応検査種類等の超音波診断装置2固有で変更されない情報である。またシステム状態監視部13は、超音波診断装置2から検査開始通知を受信したことに応じて、次の3つの処理を行う。1つは、データ削除要求部16に対してデータ削除要求の送信を指示する。1つは、スケジュール作成部14に対して配信スケジュールの更新を指示する。もう1つは、データ配信部15に新たな配信を指示する。
【0020】
スケジュール作成部14は、予約検査情報データベース18a、装置情報データベース18bおよびユーザ情報データベース18dに記憶された予約検査情報、装置情報およびユーザ情報をもとに、配信スケジュールを作成する。スケジュール作成部14は、作成したスケジュール情報を配信スケジュールデータベース18dに保存する。これにより、データ配信部15が配信するデータに関する配信検査と配信装置とが決定される。スケジュール作成部14は、システム状態監視部13からの指示に応じて配信スケジュールを更新する。配信スケジュールは、配信装置、配信検査および配信順序等の要素からなる。配信装置は、検査種別等の検査情報と、超音波診断装置2の状態や超音波診断装置2の条件等の装置情報をもとに、どの超音波診断装置2でどの検査が開始可能かを考慮し決定する。配信検査は、配信装置を決定した後、同時に開始可能な検査数をもとに決定する。配信順序は例えば図4に示すように、超音波診断装置2のそれぞれについて、その装置への検査情報の配信順序を検査名の配列として記述している。
【0021】
データ配信部15は、システム状態監視部13からの指示に応じて、数人の患者の過去検査データおよび過去履歴データ(検査データデータベース18eおよび検査履歴データベース18fに保存されている検査データおよび履歴データ)を超音波診断装置2に対して送信する。データ配信部15は、上記数人の患者を、検査を予約していてその検査がまだ行われていない患者のうちから予約の早い順に選定する。データ配信部15は、各患者に対して行う検査に利用され得る超音波診断装置2を検査データの送信先とする。データ配信部15は、必要に応じて検査データを暗号化して送信する。
【0022】
データ削除要求部16は、システム状態監視部13からの指示に応じて、データ削除要求を超音波診断装置2に対して送信する。データ削除要求部16は、検査が開始された超音波診断装置2以外の超音波診断装置2を、データ削除要求の送信先とする。
【0023】
データ受信部17は、超音波診断装置2から送られてきた検査データを受信し、検査データデータベース18eに保存する。検査データは、画像(静止画、動画等)データ、3Dボリュームデータ、レポートデータ、計測データ等である。
【0024】
一方、超音波診断装置2は、周知の超音波診断装置が一般的に備える要素に加えて、装置状態通知部21、データ受信部22、検査開始通知部23、データ送信部24、データ削除部25、検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bを含む。
【0025】
装置状態通知部21は、検査データマネージャ1に対して装置状態情報をネットワーク3を介して通知する。
【0026】
データ受信部22は、検査データマネージャ1から送信される検査データおよび検査履歴を受信し、検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bに保存する。
【0027】
検査開始通知部23は、予定されていた検査が開始されたことを検査データマネージャ1に通知する。
【0028】
データ送信部24は、超音波診断装置2を利用した検査が終了すると、終了した検査の患者に関するデータを検査データマネージャ1に送信する。ここで送信するデータは、検査データマネージャ1から受信した過去検査データと今回の検査で新たに取得した検査データを含む。
【0029】
データ削除部25は、検査データマネージャ1よりデータ削除要求を受信したことに応じて、要求されたデータを検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bから削除する。また、超音波診断装置2での検査が終了すると、終了した検査の患者に関するデータ(検査データマネージャ1より受信した過去検査データ、過去履歴データおよび今回の検査で新たに取得したデータ)を検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bから削除する。ただし、データの削除は、そのデータをデータ送信部24が検査データマネージャ1に送信完了してから行う。
【0030】
次に以上のように構成された検査システムの動作について説明する。
[予約検査情報の取得]
図5は検査データマネージャ1が予約検査情報を取得する動作状態の概略図である。
【0031】
検査データマネージャ1において予約検査情報取得部11は、新たな検査の予約が発生した時、一定時間周期毎、あるいはユーザから要求された時などの所定のタイミングでHIS/RISサーバ4から予約検査情報を取得し、予約検査情報データベース18aに保存する。
【0032】
[装置状態の監視]
図6は検査データマネージャ1が超音波診断装置2の装置状態を監視する動作状態の概略図である。
【0033】
検査データマネージャ1においてシステム状態監視部13は、各超音波診断装置2から装置状態情報を収集して、装置情報データベース18bに記憶しておく。そしてシステム状態監視部13は、各超音波診断装置2の装置状態を判定する。ここで判定する装置状態は例えば、超音波診断装置2が稼動しているか否か(故障の有無を含む)、超音波診断装置2が検査中か否か、超音波診断装置2に接続されているプローブの種類、超音波診断装置2に装備されているデバイスの種類、インストールされているアプリケーションの種類およびバージョンなどである。
【0034】
[配信スケジュール作成およびデータ配信]
図7は検査データマネージャ1から超音波診断装置2へとデータ配信する動作状態の概略図である。
【0035】
検査データマネージャ1においてスケジュール作成部14は、予約検査情報および装置情報に基づいて配信スケジュールを作成し、配信スケジュールデータベース18dに格納する。検査スケジュールには、各超音波診断装置2が予約されている検査で利用され得るか否かを表す。例えば、「検査1」なる検査に4つの超音波診断装置2のいずれもが適応し、かつ4つの超音波診断装置2のいずれもが稼働しているならば、図4に示すように4つの超音波診断装置2の装置名「装置1」乃至「装置4」のそれぞれに関連付けて「検査1」を記述する。「検査2」なる検査に「装置1」および「装置2」なる装置名の超音波診断装置2のみが適応するならば、図4に示すように「装置1」および「装置2」に関連付けて「検査2」を記述する。同様に図4の例では、「検査3」なる検査は「装置3」および「装置4」なる装置名の超音波診断装置2のみが適応するために、「装置3」および「装置4」に関連付けて「検査3」を記述している。また例えば「検査6」なる検査は「装置1」なる装置名の超音波診断装置2のみが適応するために、「検査6」は「装置1」のみに関連付けて記述している。
【0036】
検査データマネージャ1においてデータ配信部15は、予定されている検査の対象となる患者に関する過去検査データおよび過去検査履歴データを、当該検査が開始されるのに先立って配信する。データ配信部15は、配信スケジュールにて配信装置として表されている超音波診断装置2、すなわち配信スケジュールにて当該検査の検査名が関連付けられている超音波診断装置2を、ここでの配信先とする。図7では、超音波診断装置2-1,2-2,2-3を配信先とする例を示している。
【0037】
超音波診断装置2では、このように過去検査データおよび過去検査履歴データが検査データマネージャ1から送られてきたならば、これをデータ受信部22が受信する。そしてデータ受信部22は、受信した過去検査データおよび過去検査履歴データを検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bに格納する。
【0038】
かくして、ある検査で利用され得る過去データ(過去検査データおよび過去検査履歴データ)D1が、当該検査が開始されるのに先立って、当該検査に利用され得る複数の超音波診断装置2のそれぞれで保持される。
【0039】
このデータ配信は、1つの検査が開始される毎に次の検査に関して行うようにしても良いし、常に何件かの検査に関するデータ配信が済んでいる状態を維持するように行うようにしても良い。前者によれば、超音波診断装置2は1件の検査に関する過去データD1のみを保持していれば良いから、それによる記憶リソースの使用量を低減できるが、複数の検査が並列的に開始されるような使用形態や、1つの超音波診断装置2で別々の検査を連続的に行うような使用形態には向かない。後者によれば、記憶リソースを多く使用するが、多量の検査を速やかに実施することが可能となる。
[検査開始の通知]
図8は超音波診断装置2から検査データマネージャ1へ検査開始を通知する動作状態の概略図である。
【0040】
いずれかの超音波診断装置2を利用した検査が開始されると、その超音波診断装置2の検査開始通知部23がその旨を検査データマネージャ1へ通知する。図8の例では、超音波診断装置2-1が利用されているので、超音波診断装置2-1から検査データマネージャ1へと検査開始を通知している。
検査データマネージャ1は、この通知をシステム状態監視部13により受信する。
【0041】
[不要データの削除]
図9は検査に利用されなかった超音波診断装置2が保持している不要となった過去データD1を削除する動作状態の概略図である。
【0042】
検査データマネージャ1においては、検査開始の通知を受信したシステム状態監視部13の指示の下にデータ削除要求部16が、開始された検査に関する配信装置のうちで検査開始の通知元以外の超音波診断装置2に対してデータ削除を要求する。ここでは、超音波診断装置2-1,2-2,2-3が配信装置であって、超音波診断装置2-1から検査開始が通知されているから、図9の例では超音波診断装置2-2,2-3へデータ削除を要求している。
【0043】
データ削除が要求された超音波診断装置2では、データ削除部25が検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bから過去データD1を削除する。
【0044】
[新たな検査データの転送]
図10は超音波診断装置2で新たに取得した検査データを検査データマネージャ1へ転送する動作状態の概略図である。
【0045】
検査に利用された超音波診断装置2は当該検査が終了したならば、当該検査で取得した検査データD2を過去データD1とともに検査データマネージャ1へ転送する。これは、データ送信部24によって行われる。なお、過去データD1は、検査の過程において改変されている場合もある。過去データD1が改変されていない場合には、検査データD2のみを転送しても良い。
【0046】
[新たな検査データの保存]
図11は新たに取得された検査データを検査データマネージャ1で保存する動作状態の概略図である。
【0047】
検査データマネージャ1では、超音波診断装置2から転送されたデータをデータ受信部17が受信する。そしてデータ受信部17は、転送された新たな検査データD2を検査データデータベース18eに格納する。なお、過去データD1が超音波診断装置2から転送された場合にデータ受信部17は、検査データデータベース18eや検査履歴データベース18fに記憶されている過去データD1に相当するデータを、転送された過去データD1で上書きしても良いし、あるいは転送された過去データD1を新たなデータとして検査データデータベース18eや検査履歴データベース18fに格納しても良い。
【0048】
以上のように本実施形態によれば、複数の超音波診断装置2のいずれを利用して検査を行う場合であっても、この利用する超音波診断装置2には予め過去データが保持されているので、この過去データを利用した新たな検査を速やかに開始することが可能である。
【0049】
そして、各超音波診断装置2では、他の超音波診断装置2で開始された検査に関する過去データを削除するので、超音波診断装置2の記憶リソースを有効使用することが可能である。特に本実施形態では、他の超音波診断装置2で開始されたことに応じて、不要な過去データを速やかに消去するため、検査に利用されなかった超音波診断装置2で過去データを記憶している期間を最小限に止めることが可能である。
【0050】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
検査データマネージャ1が備える機能を、超音波診断装置2の1つに備えるようにしても良い。
検査データや検査履歴データは、別のデータサーバに記憶されていても良い。
超音波診断装置2とは異なる医用診断装置を用いるシステムにも本発明の適用が可能である。
検査に利用されなかった超音波診断装置2からの過去データの消去は、該当検査が終了したことに応じて行うようにしても良い。この場合、この過去データの消去を、超音波診断装置2から検査データマネージャ1へ新たな検査データの転送がなされたことに応じて行うようにすれば、検査開始通知を省略することができる。あるいは、検査開始または検査終了を、検査に利用された超音波診断装置2から他の超音波診断装置2に対して直接的に行い、この通知に応じて過去データの消去を行うようにしても良い。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る検査システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】図1中の検査データマネージャ1および超音波診断装置2の構成を示すブロック図。
【図3】予約検査情報の一例を示す図。
【図4】配信スケジュールにおける配信順序の記述例を示す図。
【図5】検査データマネージャ1が予約検査情報を取得する動作状態の概略図。
【図6】検査データマネージャ1が超音波診断装置2の装置状態を監視する動作状態の概略図。
【図7】検査データマネージャ1から超音波診断装置2へとデータ配信する動作状態の概略図。
【図8】超音波診断装置2から検査データマネージャ1へ検査開始を通知する動作状態の概略図。
【図9】検査に利用されなかった超音波診断装置2が保持している不要となった過去データD1を削除する動作状態の概略図。
【図10】超音波診断装置2で新たに取得した検査データを検査データマネージャ1へ転送する動作状態の概略図。
【図11】新たに取得された検査データを検査データマネージャ1で保存する動作状態の概略図。
【符号の説明】
【0053】
1…検査データマネージャ、2(2-1〜2-4)…超音波診断装置、3…ネットワーク、4…HIS/RISサーバ、11…予約検査情報取得部、12…ユーザ情報取得部、13…システム状態監視部、14…スケジュール作成部、15…データ配信部、16…データ削除要求部、17…データ受信部、21…装置状態通知部、22…データ受信部、23…検査開始通知部、24…データ送信部、25…データ削除部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用診断装置を用いて過去の検査により取得された検査データを新たな検査で使用する検査システムと、この検査システムで利用可能な管理装置および医用診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関での超音波診断装置を用いた検査においては、検査中に装置で取得した検査データを、専用のサーバに保存している。
【0003】
そして超音波診断装置を用いた検査では、過去に取得された検査データを利用して新たな検査が行われることがある。この場合には、上記のサーバから超音波診断装置へと必要な検査データを読み込む。
【特許文献1】特開平10−234730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検査データの読み込みには時間がかかるので、検査開始前に超音波診断装置に必要な検査データを読み込んでおくことが望ましい。しかし、複数ある超音波診断装置のいずれを用いて検査が実施されるかは、実際の検査を行うときにならないとわからないため、その時よりも前に検査データを超音波診断装置に読み込んでおくことができない。
【0005】
このため、超音波診断装置を用いた検査を実際に行う時点になってから、例えば患者IDなどをトリガとして当該超音波診断装置に必要な検査データを読み込むことが行われている(特許文献1を参照)。しかし、検査データを読み込み終えるまでの時間は超音波診断装置を用いた所望の診断を行うことができず、検査効率が低下するという不具合があった。
【0006】
なお、このような不具合は、超音波診断装置以外の様々な医用診断装置を備える検査システムにおいても起こり得る。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、効率的に医用診断装置への検査データの読み込みを行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するために本発明は、過去の検査により取得された検査データを記憶する記憶装置にアクセス可能な管理装置と、前記検査データを用いた検査に使用される複数の医用診断装置とを含んで検査システムを構成する。
【0009】
そして前記管理装置には、将来の検査で使用予定である前記検査データを複数の前記医用診断装置のうちの少なくとも2つへ配信する手段を備える。
【0010】
また前記医用診断装置には、前記管理装置から配信された前記検査データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記検査データを用いた前記検査が他の医用診断装置を使用して行われたことに応じて前記記憶手段に記憶された前記検査データを削除する削除手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、効率的に医用診断装置への検査データの読み込みを行うことを可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る検査システムの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように本実施形態の検査システムは、検査データマネージャ1と複数の超音波診断装置2を、ネットワーク3を介して接続して構成される。なお図1においては、4つの超音波診断装置2-1,2-2,2-3,2-4を含む検査システムを図示している。以下においては、超音波診断装置の個々を区別する必要がある場合には符号「2-1」「2-2」「2-3」または「2-4」を付して記し、区別する必要がない場合には符号「2」を付して記す。
【0013】
検査データマネージャ1は、当該検査システム内で検査データを管理する機能を持つ。超音波診断装置2は、医療機関内にて患者の診断を行うために使用される装置である。超音波診断装置2は、超音波を利用した周知の手法により医学的な検査データを取得する。また超音波診断装置2は、検査データマネージャ1と連携して動作する機能を有する。
【0014】
ネットワーク3は、例えば病院内LANであって、HIS/RISサーバ4が接続されている。HIS/RISサーバ4は、HIS(hospital information system)およびRIS(radiology information system)に属するサーバであり、病院内における各種の情報(例えば予約情報)を記憶している。HIS/RISサーバ4が記憶する情報には、超音波診断装置2を利用する検査の予約検査情報を含む。
【0015】
図2は検査データマネージャ1および超音波診断装置2の構成を示すブロック図である。
検査データマネージャ1は、予約検査情報取得部11、ユーザ情報取得部12、システム状態監視部13、スケジュール作成部14、ユーザ情報データベース18d、データ配信部15、データ削除要求部16、データ受信部17、予約検査情報データベース18a、装置情報データベース18b、ユーザ情報データベース18c、配信スケジュールデータベース18d、検査データデータベース18eおよび検査履歴データベース18fを含む。
【0016】
予約検査情報取得部11は、能動的もしくは受動的に、HIS/RISサーバ4から予約検査情報を取得し、予約検査情報データベース18aに保存する。
【0017】
図3は予約検査情報の一例を示す図である。予約検査情報には、予約された検査毎に、患者名および患者ID等の患者に関する情報と、検査種別等の検査に関する情報とが表されたレコードが記述される。
【0018】
ユーザ情報取得部12は、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報データベース18cに保存する。ユーザ情報は、例えば図示しない端末にてユーザによって入力される。ユーザ情報は、超音波診断装置2を使用するユーザに関する情報である。ユーザ情報は例えば、医師の名前と専門分野、医師が特定の超音波診断装置2を使う場合はその装置ID等が含まれる。
【0019】
システム状態監視部13は、能動的もしくは受動的に、ネットワーク3を介して超音波診断装置2から装置状態情報を取得し、装置情報データベース18bに保存する。装置状態情報は、超音波診断装置2が稼動しているか否か(故障の有無を含む)を示す情報、超音波診断装置2が検査中か否かを示す情報、超音波診断装置2に接続されているプローブの種類を表す情報、超音波診断装置2に装備されているデバイスの種類を表す情報、インストールされているアプリケーションの種類およびバージョンを表す情報などを含む。なお装置情報データベース18bは、システム内の全超音波診断装置2に関する装置情報も保持する。装置情報は、超音波診断装置2の機種名、装置ID、シリアルNo、適応検査種類等の超音波診断装置2固有で変更されない情報である。またシステム状態監視部13は、超音波診断装置2から検査開始通知を受信したことに応じて、次の3つの処理を行う。1つは、データ削除要求部16に対してデータ削除要求の送信を指示する。1つは、スケジュール作成部14に対して配信スケジュールの更新を指示する。もう1つは、データ配信部15に新たな配信を指示する。
【0020】
スケジュール作成部14は、予約検査情報データベース18a、装置情報データベース18bおよびユーザ情報データベース18dに記憶された予約検査情報、装置情報およびユーザ情報をもとに、配信スケジュールを作成する。スケジュール作成部14は、作成したスケジュール情報を配信スケジュールデータベース18dに保存する。これにより、データ配信部15が配信するデータに関する配信検査と配信装置とが決定される。スケジュール作成部14は、システム状態監視部13からの指示に応じて配信スケジュールを更新する。配信スケジュールは、配信装置、配信検査および配信順序等の要素からなる。配信装置は、検査種別等の検査情報と、超音波診断装置2の状態や超音波診断装置2の条件等の装置情報をもとに、どの超音波診断装置2でどの検査が開始可能かを考慮し決定する。配信検査は、配信装置を決定した後、同時に開始可能な検査数をもとに決定する。配信順序は例えば図4に示すように、超音波診断装置2のそれぞれについて、その装置への検査情報の配信順序を検査名の配列として記述している。
【0021】
データ配信部15は、システム状態監視部13からの指示に応じて、数人の患者の過去検査データおよび過去履歴データ(検査データデータベース18eおよび検査履歴データベース18fに保存されている検査データおよび履歴データ)を超音波診断装置2に対して送信する。データ配信部15は、上記数人の患者を、検査を予約していてその検査がまだ行われていない患者のうちから予約の早い順に選定する。データ配信部15は、各患者に対して行う検査に利用され得る超音波診断装置2を検査データの送信先とする。データ配信部15は、必要に応じて検査データを暗号化して送信する。
【0022】
データ削除要求部16は、システム状態監視部13からの指示に応じて、データ削除要求を超音波診断装置2に対して送信する。データ削除要求部16は、検査が開始された超音波診断装置2以外の超音波診断装置2を、データ削除要求の送信先とする。
【0023】
データ受信部17は、超音波診断装置2から送られてきた検査データを受信し、検査データデータベース18eに保存する。検査データは、画像(静止画、動画等)データ、3Dボリュームデータ、レポートデータ、計測データ等である。
【0024】
一方、超音波診断装置2は、周知の超音波診断装置が一般的に備える要素に加えて、装置状態通知部21、データ受信部22、検査開始通知部23、データ送信部24、データ削除部25、検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bを含む。
【0025】
装置状態通知部21は、検査データマネージャ1に対して装置状態情報をネットワーク3を介して通知する。
【0026】
データ受信部22は、検査データマネージャ1から送信される検査データおよび検査履歴を受信し、検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bに保存する。
【0027】
検査開始通知部23は、予定されていた検査が開始されたことを検査データマネージャ1に通知する。
【0028】
データ送信部24は、超音波診断装置2を利用した検査が終了すると、終了した検査の患者に関するデータを検査データマネージャ1に送信する。ここで送信するデータは、検査データマネージャ1から受信した過去検査データと今回の検査で新たに取得した検査データを含む。
【0029】
データ削除部25は、検査データマネージャ1よりデータ削除要求を受信したことに応じて、要求されたデータを検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bから削除する。また、超音波診断装置2での検査が終了すると、終了した検査の患者に関するデータ(検査データマネージャ1より受信した過去検査データ、過去履歴データおよび今回の検査で新たに取得したデータ)を検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bから削除する。ただし、データの削除は、そのデータをデータ送信部24が検査データマネージャ1に送信完了してから行う。
【0030】
次に以上のように構成された検査システムの動作について説明する。
[予約検査情報の取得]
図5は検査データマネージャ1が予約検査情報を取得する動作状態の概略図である。
【0031】
検査データマネージャ1において予約検査情報取得部11は、新たな検査の予約が発生した時、一定時間周期毎、あるいはユーザから要求された時などの所定のタイミングでHIS/RISサーバ4から予約検査情報を取得し、予約検査情報データベース18aに保存する。
【0032】
[装置状態の監視]
図6は検査データマネージャ1が超音波診断装置2の装置状態を監視する動作状態の概略図である。
【0033】
検査データマネージャ1においてシステム状態監視部13は、各超音波診断装置2から装置状態情報を収集して、装置情報データベース18bに記憶しておく。そしてシステム状態監視部13は、各超音波診断装置2の装置状態を判定する。ここで判定する装置状態は例えば、超音波診断装置2が稼動しているか否か(故障の有無を含む)、超音波診断装置2が検査中か否か、超音波診断装置2に接続されているプローブの種類、超音波診断装置2に装備されているデバイスの種類、インストールされているアプリケーションの種類およびバージョンなどである。
【0034】
[配信スケジュール作成およびデータ配信]
図7は検査データマネージャ1から超音波診断装置2へとデータ配信する動作状態の概略図である。
【0035】
検査データマネージャ1においてスケジュール作成部14は、予約検査情報および装置情報に基づいて配信スケジュールを作成し、配信スケジュールデータベース18dに格納する。検査スケジュールには、各超音波診断装置2が予約されている検査で利用され得るか否かを表す。例えば、「検査1」なる検査に4つの超音波診断装置2のいずれもが適応し、かつ4つの超音波診断装置2のいずれもが稼働しているならば、図4に示すように4つの超音波診断装置2の装置名「装置1」乃至「装置4」のそれぞれに関連付けて「検査1」を記述する。「検査2」なる検査に「装置1」および「装置2」なる装置名の超音波診断装置2のみが適応するならば、図4に示すように「装置1」および「装置2」に関連付けて「検査2」を記述する。同様に図4の例では、「検査3」なる検査は「装置3」および「装置4」なる装置名の超音波診断装置2のみが適応するために、「装置3」および「装置4」に関連付けて「検査3」を記述している。また例えば「検査6」なる検査は「装置1」なる装置名の超音波診断装置2のみが適応するために、「検査6」は「装置1」のみに関連付けて記述している。
【0036】
検査データマネージャ1においてデータ配信部15は、予定されている検査の対象となる患者に関する過去検査データおよび過去検査履歴データを、当該検査が開始されるのに先立って配信する。データ配信部15は、配信スケジュールにて配信装置として表されている超音波診断装置2、すなわち配信スケジュールにて当該検査の検査名が関連付けられている超音波診断装置2を、ここでの配信先とする。図7では、超音波診断装置2-1,2-2,2-3を配信先とする例を示している。
【0037】
超音波診断装置2では、このように過去検査データおよび過去検査履歴データが検査データマネージャ1から送られてきたならば、これをデータ受信部22が受信する。そしてデータ受信部22は、受信した過去検査データおよび過去検査履歴データを検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bに格納する。
【0038】
かくして、ある検査で利用され得る過去データ(過去検査データおよび過去検査履歴データ)D1が、当該検査が開始されるのに先立って、当該検査に利用され得る複数の超音波診断装置2のそれぞれで保持される。
【0039】
このデータ配信は、1つの検査が開始される毎に次の検査に関して行うようにしても良いし、常に何件かの検査に関するデータ配信が済んでいる状態を維持するように行うようにしても良い。前者によれば、超音波診断装置2は1件の検査に関する過去データD1のみを保持していれば良いから、それによる記憶リソースの使用量を低減できるが、複数の検査が並列的に開始されるような使用形態や、1つの超音波診断装置2で別々の検査を連続的に行うような使用形態には向かない。後者によれば、記憶リソースを多く使用するが、多量の検査を速やかに実施することが可能となる。
[検査開始の通知]
図8は超音波診断装置2から検査データマネージャ1へ検査開始を通知する動作状態の概略図である。
【0040】
いずれかの超音波診断装置2を利用した検査が開始されると、その超音波診断装置2の検査開始通知部23がその旨を検査データマネージャ1へ通知する。図8の例では、超音波診断装置2-1が利用されているので、超音波診断装置2-1から検査データマネージャ1へと検査開始を通知している。
検査データマネージャ1は、この通知をシステム状態監視部13により受信する。
【0041】
[不要データの削除]
図9は検査に利用されなかった超音波診断装置2が保持している不要となった過去データD1を削除する動作状態の概略図である。
【0042】
検査データマネージャ1においては、検査開始の通知を受信したシステム状態監視部13の指示の下にデータ削除要求部16が、開始された検査に関する配信装置のうちで検査開始の通知元以外の超音波診断装置2に対してデータ削除を要求する。ここでは、超音波診断装置2-1,2-2,2-3が配信装置であって、超音波診断装置2-1から検査開始が通知されているから、図9の例では超音波診断装置2-2,2-3へデータ削除を要求している。
【0043】
データ削除が要求された超音波診断装置2では、データ削除部25が検査データデータベース26aおよび検査履歴データベース26bから過去データD1を削除する。
【0044】
[新たな検査データの転送]
図10は超音波診断装置2で新たに取得した検査データを検査データマネージャ1へ転送する動作状態の概略図である。
【0045】
検査に利用された超音波診断装置2は当該検査が終了したならば、当該検査で取得した検査データD2を過去データD1とともに検査データマネージャ1へ転送する。これは、データ送信部24によって行われる。なお、過去データD1は、検査の過程において改変されている場合もある。過去データD1が改変されていない場合には、検査データD2のみを転送しても良い。
【0046】
[新たな検査データの保存]
図11は新たに取得された検査データを検査データマネージャ1で保存する動作状態の概略図である。
【0047】
検査データマネージャ1では、超音波診断装置2から転送されたデータをデータ受信部17が受信する。そしてデータ受信部17は、転送された新たな検査データD2を検査データデータベース18eに格納する。なお、過去データD1が超音波診断装置2から転送された場合にデータ受信部17は、検査データデータベース18eや検査履歴データベース18fに記憶されている過去データD1に相当するデータを、転送された過去データD1で上書きしても良いし、あるいは転送された過去データD1を新たなデータとして検査データデータベース18eや検査履歴データベース18fに格納しても良い。
【0048】
以上のように本実施形態によれば、複数の超音波診断装置2のいずれを利用して検査を行う場合であっても、この利用する超音波診断装置2には予め過去データが保持されているので、この過去データを利用した新たな検査を速やかに開始することが可能である。
【0049】
そして、各超音波診断装置2では、他の超音波診断装置2で開始された検査に関する過去データを削除するので、超音波診断装置2の記憶リソースを有効使用することが可能である。特に本実施形態では、他の超音波診断装置2で開始されたことに応じて、不要な過去データを速やかに消去するため、検査に利用されなかった超音波診断装置2で過去データを記憶している期間を最小限に止めることが可能である。
【0050】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
検査データマネージャ1が備える機能を、超音波診断装置2の1つに備えるようにしても良い。
検査データや検査履歴データは、別のデータサーバに記憶されていても良い。
超音波診断装置2とは異なる医用診断装置を用いるシステムにも本発明の適用が可能である。
検査に利用されなかった超音波診断装置2からの過去データの消去は、該当検査が終了したことに応じて行うようにしても良い。この場合、この過去データの消去を、超音波診断装置2から検査データマネージャ1へ新たな検査データの転送がなされたことに応じて行うようにすれば、検査開始通知を省略することができる。あるいは、検査開始または検査終了を、検査に利用された超音波診断装置2から他の超音波診断装置2に対して直接的に行い、この通知に応じて過去データの消去を行うようにしても良い。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る検査システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】図1中の検査データマネージャ1および超音波診断装置2の構成を示すブロック図。
【図3】予約検査情報の一例を示す図。
【図4】配信スケジュールにおける配信順序の記述例を示す図。
【図5】検査データマネージャ1が予約検査情報を取得する動作状態の概略図。
【図6】検査データマネージャ1が超音波診断装置2の装置状態を監視する動作状態の概略図。
【図7】検査データマネージャ1から超音波診断装置2へとデータ配信する動作状態の概略図。
【図8】超音波診断装置2から検査データマネージャ1へ検査開始を通知する動作状態の概略図。
【図9】検査に利用されなかった超音波診断装置2が保持している不要となった過去データD1を削除する動作状態の概略図。
【図10】超音波診断装置2で新たに取得した検査データを検査データマネージャ1へ転送する動作状態の概略図。
【図11】新たに取得された検査データを検査データマネージャ1で保存する動作状態の概略図。
【符号の説明】
【0053】
1…検査データマネージャ、2(2-1〜2-4)…超音波診断装置、3…ネットワーク、4…HIS/RISサーバ、11…予約検査情報取得部、12…ユーザ情報取得部、13…システム状態監視部、14…スケジュール作成部、15…データ配信部、16…データ削除要求部、17…データ受信部、21…装置状態通知部、22…データ受信部、23…検査開始通知部、24…データ送信部、25…データ削除部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の検査により取得された検査データを記憶する記憶装置にアクセス可能な管理装置と、前記検査データを用いた検査に使用される複数の医用診断装置とを含む検査システムであって、
前記管理装置は、将来の検査で使用予定である前記検査データを複数の前記医用診断装置のうちの少なくとも2つへ配信する手段を備え、
前記医用診断装置は、
配信された前記検査データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記検査データを用いた前記検査が他の医用診断装置を使用して行われたことに応じて前記記憶手段に記憶された前記検査データを削除する削除手段とを具備したことを特徴とする検査システム。
【請求項2】
前記医用診断装置は、前記記憶手段に記憶された前記検査データを用いた前記検査を開始または終了したことを前記管理装置に通知する手段をさらに備え、
前記管理装置は、前記通知に応じて、この通知を行ったのとは別の前記医用診断装置に対して削除を指示する手段をさらに備え、
かつ前記削除手段は、前記指示に応じて前記検査データを削除することを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
過去の検査により取得された検査データを記憶する記憶装置にアクセス可能な管理装置において、
前記検査データを用いた検査に使用される複数の医用診断装置へ、将来の検査で使用予定である前記検査データを配信する手段を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項4】
過去の検査により取得された検査データを用いた検査に使用される医用診断装置であって、
前記管理装置から配信される、将来の検査で使用予定である前記検査データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記検査データを用いた前記検査が他の医用診断装置を使用して行われたことに応じて前記記憶手段に記憶された前記検査データを削除する削除手段とを具備したことを特徴とする医用診断装置。
【請求項1】
過去の検査により取得された検査データを記憶する記憶装置にアクセス可能な管理装置と、前記検査データを用いた検査に使用される複数の医用診断装置とを含む検査システムであって、
前記管理装置は、将来の検査で使用予定である前記検査データを複数の前記医用診断装置のうちの少なくとも2つへ配信する手段を備え、
前記医用診断装置は、
配信された前記検査データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記検査データを用いた前記検査が他の医用診断装置を使用して行われたことに応じて前記記憶手段に記憶された前記検査データを削除する削除手段とを具備したことを特徴とする検査システム。
【請求項2】
前記医用診断装置は、前記記憶手段に記憶された前記検査データを用いた前記検査を開始または終了したことを前記管理装置に通知する手段をさらに備え、
前記管理装置は、前記通知に応じて、この通知を行ったのとは別の前記医用診断装置に対して削除を指示する手段をさらに備え、
かつ前記削除手段は、前記指示に応じて前記検査データを削除することを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
過去の検査により取得された検査データを記憶する記憶装置にアクセス可能な管理装置において、
前記検査データを用いた検査に使用される複数の医用診断装置へ、将来の検査で使用予定である前記検査データを配信する手段を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項4】
過去の検査により取得された検査データを用いた検査に使用される医用診断装置であって、
前記管理装置から配信される、将来の検査で使用予定である前記検査データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記検査データを用いた前記検査が他の医用診断装置を使用して行われたことに応じて前記記憶手段に記憶された前記検査データを削除する削除手段とを具備したことを特徴とする医用診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−280446(P2006−280446A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−101159(P2005−101159)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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