説明

検査用プローブおよび検査用プローブの製造方法

【課題】 バンプ先端が所定の形状で作成することが出来る検査用プローブおよび検査用プローブの製造方法を提供すること。
【解決手段】 銅張りポリイミドフィルム基材を用いてセミアディティブ法により形成したニッケルバンプのうち被検査電極と接触するバンプ先端形状が所定寸法のものと、フイルム上に所定寸法で形成したニッケルパッドとを、金属接合によって接合したことを特徴とする検査用プローブおよび検査用プローブの製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハレベルバーイン検査に用いる、検査用プローブおよび検査用プローブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体、半導体パッケージ、液晶パネル、有機ELパネル等の電気的特性を検査する場合、金属製のニードルを被検査体の電極に接触させるニードル型プローブが用いられてきた。さらに、微細な検査電極にも対応できるようなプローブとして、シート状プローブと呼ばれているものも用いられるようになってきている。
【0003】
シート状プローブの構成は、図28に示すように、両面が銅張りのポリイミドフィルム60にレーザ加工機などでビアホール61を開けて、電解メッキ法によりニッケルメッキを行い、穴埋めし下側の銅層61と上側の面を導通させた後(ビアフィリング)、さらにバンプ端子63を電解メッキ法で形成し検査電極にしている。
【0004】
このようなシート状プローブは、ウエハの状態で行うウエハレベルバーイン(Wafer Level Burn In)検査にも適用されつつある。ウエハレベルバーイン検査は、ウエハに形成された数百以上の半導体チップの被検査電極全てに接触し、電源の供給および信号の入出力を高温下で行い、個々の半導体チップの良否を判断する検査である。特許文献1には、ウエハレベルバーイン検査に用いられるシート状プローブが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−338066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなシート状プローブは、ウエハの寸法が小さく、被検査電極の少ない間は、対応するバンプ端子の数が少ないため、電解メッキの工程がシート状プローブの製造歩止まりに影響を与えることが少なかった。しかし、近年の半導体チップの配線の微細化やウエハの大型化にともない、ウエハ一枚あたりの半導体チップ数が数万個のレベルにまで増加し、検査電極のピッチも100μm以下が要求されるようになっている。そのため、シート状プローブもバンプ端子の増加、バンプ形状の微細化、バンプ端子のピッチの微細化が要求され、数万個のバンプ端子を無欠陥で形成する必要がある。従来の一枚のポリイミドフィルム基材を使ってビアファイリングによるメッキを用いてバンプ端子を形成し、シート状プローブを作成する方法では、バンプ端子の形状の微細化と数の増加にともない、数万個のバンプ端子のなかにどうしても僅かであるが異常なバンプが形成されてしまうという問題があった。特にバンプ先端部の欠けや、電解メッキ法で積層する際に発生するマイクロボイドなどにより、数万個のバンプ端子のうちいくつかが所定のバンプ形状にならない問題が発生していた。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、バンプ先端が所定の形状で作成することが出来る検査用プローブおよび検査用プローブの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
銅張りポリイミドフィルム基材を用いてセミアディティブ法により形成したニッケルバンプのうち被検査電極と接触するバンプ先端形状が所定寸法のものと、
フイルム上に所定寸法で形成したニッケルパッドとを、
金属接合によって接合したことを特徴とする検査用プローブである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記金属接合が超音波接合である検査用プローブである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
銅張りポリイミドフィルム基材にセミアディティブ法により所定のニッケルバンプを複数個形成させる工程と、
形成されたニッケルバンプの被検査電極と接触するバンプ先端形状を測定し、所定の寸法精度に合格したニッケルバンプと不合格のニッケルバンプとを選別する工程と、
複数個のニッケルバンプを銅メッキで被覆する工程と、
銅メッキで被覆された銅表面を研磨もしくは研削により平坦化する工程と、
平坦化された銅メッキの表面を有するニッケルバンプを個片にダイシングしニッケルバンプブロックにする工程と、
前記ニッケルバンプブロックのうち、所定の寸法精度に合格したニッケルバンプをフイルム上に所定寸法で形成されたニッケルパッドに金属接合する工程と、
銅メッキで被覆されたニッケルバンプの表層の銅を選択的にエッチング除去してニッケルバンプを露出させる工程と、を有する検査用プローブの製造方法である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記金属接合が超音波接合である検査用プローブの製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、金属接合によって、バンプ先端形状が所定のバンプのみがフイルム上のニッケルパッドに実装されているので、検査用プローブの全てのバンプを所定の精度で作成することが出来る。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、金属接合に超音波接合を用いているのでニッケルパッドに確実にニッケルバンプを接合することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、セミアディテブ法で形成したニッケルバンプの被検査電極と接触するバンプ先端形状を個々に検査した後、良品のみをフイルム上のニッケルパッドに実装しているので全数のニッケルバンプが正常に機能する検査用プローブを提供することが出来る。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、金属接合に超音波接合を用いているのでニッケルパッドに確実にニッケルバンプを接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のポリイミドフィルムを説明する概略断面図である。
【図2】銅膜に開口をフォトリソエッチングした状態を説明する概略断面図である。
【図3】ポリイミドフィルムにビアホールを形成した状態を説明する概略断面図である。
【図4】ホールにニッケルメッキおよび金メッキした状態を説明する概略断面図である。
【図5】レジスト層を除去した状態を説明する概略断面図である。
【図6】ダイシングテープとガラスを貼る付けた状態を説明する概略断面図である。
【図7】銅膜をエッチングし除去した状態を説明する概略断面図である。
【図8】ポリイミドフィルムをエッチングし除去した状態を説明する概略断面図である。
【図9】ニッケルバンプブロックをダイシングした状態を説明する概略断面図である。
【図10】ガラスとダイシングテープを分離した状態を説明する概略断面図である。
【図11】ダイシングテープからニッケルバンプブロックを分離した状態を説明する概略断面図である。
【図12】良品のニッケルバンプブロックのみが実装工程に搬送されることを説明する概略断面図である。
【図13】パッドシートのポリイミドフィルムを説明する概略断面図である。
【図14】銅膜に開口をフォトリソエッチングした状態を説明する概略断面図である。
【図15】ポリイミドフィルムにビアホールを形成した状態を説明する概略断面図である。
【図16】ホールにニッケルメッキおよび金メッキした状態を説明する概略断面図である。
【図17】レジスト層を除去した状態を説明する概略断面図である。
【図18】下側のレジスト層に開口を形成した状態を説明する概略断面図である。
【図19】下側の開口にニッケルメッキおよび金メッキした状態を説明する概略断面図である。
【図20】レジスト層を除去した状態を説明する概略断面図である。
【図21】銅層を除去した状態を説明する概略断面図である。
【図22】ひとつのニッケルバンプブロックをニッケルパッドシートに実装した状態を示す概略断面図である。
【図23】ニッケルバンプブロックを、順次、ニッケルパッドシートに実装している状態を説明する概略断面図である。
【図24】銅層をエッチング除去したニッケルバンプブロックとニッケルパッドシートの接合体の状態を説明する概略断面図である。
【図25】ニッケルバンプの先端をR形状加工した状態を説明する概略断面図である。
【図26】ニッケルバンプブロックとニッケルパッドシートを接合するボンディング装置の概略平面図である。
【図27】ニッケルバンプブロックの先端をR形状加工した別の状態を説明する概略断面図である。
【図28】従来の検査用プローブの構成を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の検査用プローブの製造方法について、図1〜24を用いて説明する。図1〜12は、バンプ作成工程、図13〜21は、パッドシート作成工程、図22〜25はバンプとパッドシートとの実装工程を示す概略断面図である。
【0018】
まず、バンプ作成工程について説明する。
【0019】
図1に示すように、ポリイミドフィルム10を準備する。ポリイミドフィルム10は、例えば、厚みが25μmのシート状のものなどである。ポリイミドフィルム10の両面には、銅膜11,12が形成されている。銅膜11,12はスパッタ法により、厚さが0.4μmの銅膜を形成した後、更にスパッタ法で形成された銅膜の表面に電気メッキ法によって厚さが4μmの銅膜が形成されたものである。
【0020】
次に、図2に示すように、銅膜11上に感光性のレジスト層を形成し、そして、その後、所定のパターンを形成したフォトマスクを用いてレジスト層を露光・現像して所定位置に開口を設ける。次いで、開口を利用しアンモニアエッチングを行い銅膜11に開口15を設ける(フォトリソエッチングする)。
【0021】
次に、図3に示すように、ポリイミドフィルム10を開口15を用いてポリイミドエッチング液でエッチングし、ビアホール13を形成する。ビアホール13は、銅膜12に達するものであって、銅膜12から所定の傾斜角θtでポリイミドフィルム10がエッチングされるようになっている。
【0022】
次に、図4に示すように、銅膜11,12上に感光性のレジスト層16を形成する。このレジスト層16の形成はドライフィルムの貼付などにより行われる。次いで、所定のパターンを形成したフォトマスクを用いてレジスト層16を露光・現像してビアホール13の開口15よりも大きい開口17を形成する。次いで、電解メッキ法によりニッケル層4aを形成する。次いで、開口17内に、同じく、電解メッキ法によって金層4bを形成する。これにより、円錐状のニッケルバンプ4が形成されることになる。
【0023】
次に、図5に示すように、アルカリによりレジスト層16を除去する。
【0024】
次に、図6に示すように、金層4bにダイシングテープ18を貼り付ける。更に、ダイシングテープ18を介してガラス19を貼り付ける。これにより、円錐状のニッケルバンプ4を有するポリイミドフィルム10を固定する。
【0025】
次に、図7に示すように、銅膜12をアンモニアエッチングし除去する。
【0026】
次に、図8に示すように、ポリイミドフィルム10をポリイミドエッチング液でエッチングし除去する。これにより、銅膜11からニッケルバンプ4の先端が露出する。個々のニッケルバンプ4の先端形状が所定の精度で作成されているか検査を行う。特に、バンプ先端の欠けやキズはウエハレベルバーイン検査において致命的な欠陥となるのでニッケルバンプ4の良品および不良品の選別は、目視検査やCCDカメラを用いた画像処理などにより行う。不良品となったニッケルバンプ4の位置情報を図示していない記憶部に記憶しておく。
【0027】
次に、図9に示すように、銅膜12およびニッケルバンプ4を被うように電解メッキ法により銅層20を所定の厚みに形成しニッケルバンプ4を被覆保護する。次に、銅層20の表面を研磨し平坦化する。その後、検査対象となるウエハの個々の集積回路に備えられている被検査電極の配置に基づきニッケルバンプ4を個片にダイシングする。個片にされたニッケルバンプ4のブロックをニッケルバンプブロック21とする。一つのニッケルバンプブロック21は、ウエハ上の一つの集積回路の被検査電極に対応するようになっている。
【0028】
次に、図10に示すように、ガラス19の上部より紫外線を照射し、ガラス19とダイシングテープ18を分離する。ダイシングテープ18は紫外線により接着力が弱くなるタイプのものを用いる。
【0029】
次に、図11に示すように、ダイシングテープ18の上部より図示していないニードルによりニッケルバンプブロック21を突き出してダイシングテープ18から分離する。ニッケルバンプブロック21には良品および不良品を含むニッケルバンプブロック21が混在しているので、図8にて記憶した情報に基づいて、良品のみのニッケルバンプ4で構成されているニッケルバンプブロック21を突き出す。
【0030】
次に、図12に示すように、良品のニッケルバンプブロック21をピックアップし実装工程に搬送する。以上の工程で、バンプ作成工程が完了する。
【0031】
なお、上記のようにニッケルバンプブロック21は、ダイシングでより個片に裁断されたが、ダイシングを用いずに、銅層12にレジスト層を設け、ブロック単位でフォトリソエッチングし個片にしても良い。
【0032】
次に、パッドシート作成工程について説明する。
【0033】
図13に示すように、ポリイミドフィルム30を準備する。ポリイミドフィルム30は、例えば、厚みが25μmのシート状のものなどである。ポリイミドフィルム30の両面には、銅膜31,32が形成されている。銅膜31,32はスパッタ法により、厚さが0.4μmの銅膜を形成した後、更にスパッタ法で形成された銅膜の表面に電気メッキ法によって厚さが4μmの銅膜が形成されたものである。
【0034】
次に、図14に示すように、銅膜31上に感光性のレジスト層を形成し、そして、その後、所定のパターンを形成したフォトマスクを用いてレジスト層を露光・現像して所定位置に開口を設ける。次いで、開口を利用しアンモニアエッチングを行い銅膜31に開口35を設ける(フォトリソエッチングする)。
【0035】
次に、図15に示すように、ポリイミドフィルム30を開口35を用いてポリイミドエッチング液でエッチングし、ビアホール33を形成する。ビアホール33は銅膜32に達するように形成されている。
【0036】
次に、図16に示すように、銅膜31,32上に感光性のレジスト層36を形成する。このレジスト層36の形成はドライフィルムの貼付などにより行われる。次いで、所定のパターンを形成したフォトマスクを用いてレジスト層36を露光・現像してビアホール33の開口35よりも大きい開口37を形成する。次いで、電解メッキ法によりニッケル層34aを形成する。次いで、開口37内に、同じく、電解メッキ法によって金層34bを形成する。これにより、円錐状のニッケルパッド34の上側が形成されることになる。
【0037】
次に、図17に示すように、アルカリによりレジスト層36を除去する。
【0038】
次に、図18に示すように、銅膜31およびニッケルパッド34を被うように感光性のレジスト層38を形成する。さらに、銅膜32に感光性のレジスト層38を形成する。次いで、所定のパターンを形成したフォトマスクを用いて銅膜32側のレジスト層38を露光・現像して開口39を形成する。開口39の中心が、図17で形成した円錐状のニッケルパッド34の中心と一致するように開口39を形成する。
【0039】
次に、図19に示すように、電解メッキ法により開口39内にニッケル層40aを形成する。次いで、開口39内に、電解メッキ法によって金層40bを形成する。
【0040】
次に、図20に示すように、アルカリによりレジスト層38を除去する。
【0041】
次に、図21に示すように、銅層31およびニッケルパッド34の下側で保護されていない部分の銅層32をアンモニアエッチングし除去する。これにより、ポリイミドフィルム30の所定の位置に、貫通した金層34b/円錐状のニッケル層34a/銅層32/ニッケル層40a/金層40bからなるニッケルパッド34が形成される。これらのニッケルパッド34から構成されるシートをニッケルパッドシート41とする。次に、ニッケルパッド34の上面および下面を旋盤研磨などで平坦化する。次に、ニッケルパッドシート41を実装工程に搬送する。以上の工程でパッドシート作成工程が完了する。
【0042】
なお、パッドシート作成工程では、上記のようにセミアディティブ法によるニッケルパッド34の形成を行ったが、ポリイミドフィルム30にレーザー加工機で所定の位置に穴あけを行い、ブラインドビアー穴埋め、もしくはスルーホールメッキで表裏導通をさせてニッケルパッドシート34を作成してもよい。なお、ニッケルパッドシート34に用いる基材は、ウエハレベルバーイン検査が高温下で行われるため、ウエハの材料に用いられる二酸化ケイ素SiOのように熱膨張係数に近い基材(例えば、東レカプトンEN−Aもしくはアラミドフィルムなど)を用いる。
【0043】
次に、実装工程について説明する。
【0044】
バンプ作成工程で作成された良品のニッケルバンプブロック21とパッドシート作成工程で作成されたニッケルパッドシート41の接合は、図25に示すようなボンディング装置50を用いて行われる。
【0045】
図25に示すように、ボンディング装置50は、ニッケルパッドシート41を吸着保持する水平方向および回転方向に移動可能なステージ51と、ニッケルバンプブロック21の銅層面21a側を吸着保持して超音波振動を付与するヘッド52と、ヘッド52を上下移動可能な昇降手段53と、ニッケルバンプブロック21とニッケルパッドシート41の位置認識マークを画像認識する上下および水平方向に移動可能な2視野カメラ54とから構成されている。なお、図25において、図面の横方向を水平方向(XY)、縦方向を上下方向(Z)、縦方向の軸廻りを回転方向(θ)とした。
【0046】
まづ、パッドシート作成工程から搬送されたニッケルパッドシート41をステージ51に吸着保持する。次に、バンプ作成工程から搬送された良品のニッケルバンプブロック21をヘッド52に吸着保持する。
【0047】
次に、ヘッド52とステージ51の間に2視野カメラ54を挿入し、ニッケルバンプブロック21とニッケルパッドシート41を画像認識する。画像認識データに基づいてステージ51を水平方向および回転方向に移動させ位置合わせ(アライメント)を行い、所定の精度で位置合わせが完了したら、2視野カメラ54を待機位置(図25の点線で表記した位置)に移動させる。
【0048】
次に、昇降手段53を動作させて、ヘッド52を下降させニッケルバンプブロック21をニッケルパッドシート41に所定の加圧力で接触させる。次に、ヘッド52から所定時間だけ超音波振動が付与され、ニッケルバンプ4の金層4bと、ニッケルパッド40の金層40bが超音波接合により金属接合される。なお、金属接合は、超音波接合に加えてハンダ接合、常温接合など金属間接合する方法であればいずれの方法でも良い。
【0049】
次に、ニッケルバンプブロック21の吸着保持を解除し、昇降手段53がヘッド52を上昇させる。ニッケルバンプブロック21がニッケルパッドシート41に実装された状態を図22に示す。
【0050】
以上の工程で、ひとつの良品のニッケルバンプブロック21をニッケルパッドシート41に実装する工程が完了し、順次、ニッケルバンプブロック21をバンプ作成工程から搬送し実装を行う。この状態を、図23に示す。
【0051】
良品のニッケルバンプブロック21が、ニッケルパッドシート41の所定位置に実装完了すると、ニッケルバンプブロック21の銅層20をアンモニアエッチングし除去し、図24に示す検査用プローブ1を得る。次に、無電解ニッケルメッキを行い、図25に示すように、ニッケルバンプ4の先端4cを球面形状(R形状加工)にする。ニッケルバンプ4の先端の形状は、ウエハ上の被検査電極と接触する点の形状となる。特に、数万個のニッケルバンプ4がウエハ上の被検査電極と接触するため、個々のニッケルバンプ4は、被検査電極と点接触することが望ましい。点接触にすると検査用プローブ1をウエハ側に押圧する際に押圧加重を少なくすることができる。そのため、ニッケルバンプ4の先端4cが被検査電極と点接触となる球面形状にする。
【0052】
さらに、ニッケルバンプ4間の電気的な信頼性を高めるために、ポリイミドフィルム10,30に残存するする微量の金属を除去する。スパッタ法により銅膜が形成された基材では、下地のニッケルやクロム等の微量金属がポリイミドフィルム基材の中に残存しやすいので、アルカリ性のマンガン酸塩溶液、またはポリイミドエッチング液、さらには両者を併用することによってポリイミド樹脂を薄膜状に除去することが望ましい。この一連の工程で得られた検査用プローブ1は、寸法精度が良く、適度の可撓性がり、ウエハレベルバーイン検査での圧接部材との追従性が良好でウエハ上の半導体チップの被検査電極との接触性が良好のものとなる。
【0053】
なお、ニッケルバンプ4を形成する段階において(図7から図8に移行する途中段階)、ポリイミドエッチング液によるエッチングを、一旦、中断し、電解メッキ法によってニッケルバンプ4の先端のみを球面形状(R形状加工)にした後、中断していたポリイミドエッチング液によるエッチングを行い、図8〜図12の工程を行って良い。このようなニッケルバンプ4をニッケルバッドシート41の所定位置に実装し、ニッケルバンプブロック21の銅層20をアンモニアエッチングし除去した検査用プローブ1を得た状態を図27に示す。
【0054】
このように、検査用プローブ1は、個々のニッケルバンプ4の先端形状が所定の精度で作成されている。そのため、ウエハレベルバーイン検査において良好に動作する検査用プローブを歩止まり良く作成することが出来る。
【0055】
なお、実装工程において使用する良品のニッケルバンプブロック21は、ウエハの集積回路単位で供給しているが、複数の集積回路で一つのブロックとなるようにダイシングして実装しても良い。ニッケルバンプ4の先端形状の歩止まりの状況に合わせて適宜、ブロック化の単位を変更することもできる。
【符号の説明】
【0056】
1 検査用プローブ
4 ニッケルバンプ
10 ポリイミドフィルム
11 銅膜
12 銅層
12 銅膜
13 ビアホール
15 開口
16 レジスト層
17 開口
18 ダイシングテープ
19 ガラス
20 銅層
21 ニッケルバンプブロック
30 ポリイミドフィルム
31 銅層
31 銅膜
32 銅層
32 銅膜
33 ビアホール
34 ニッケルパッド
34 ニッケルパッドシート
35 開口
36 レジスト層
37 開口
38 レジスト層
39 開口
40 ニッケルパッド
41 ニッケルパッドシート
4a ニッケル層
4b 金層
4c 先端
50 ボンディング装置
51 ステージ
52 ヘッド
53 昇降手段
54 2視野カメラ
60 ホリイミドフィルム
61 銅膜
62 ビアホール
63 バンプ端子
34a ニッケル層
34b 金層
40a ニッケル層
40b 金層
11,12 銅膜
31,32 銅膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅張りポリイミドフィルム基材を用いてセミアディティブ法により形成したニッケルバンプのうち被検査電極と接触するバンプ先端形状が所定寸法のものと、
フイルム上に所定寸法で形成したニッケルパッドとを、
金属接合によって接合したことを特徴とする検査用プローブ。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、前記金属接合が超音波接合である検査用プローブ。
【請求項3】
銅張りポリイミドフィルム基材にセミアディティブ法により所定のニッケルバンプを複数個形成させる工程と、
形成されたニッケルバンプの被検査電極と接触するバンプ先端形状を測定し、所定の寸法精度に合格したニッケルバンプと不合格のニッケルバンプとを選別する工程と、
複数個のニッケルバンプを銅メッキで被覆する工程と、
銅メッキで被覆された銅表面を研磨もしくは研削により平坦化する工程と、
平坦化された銅メッキの表面を有するニッケルバンプを個片にダイシングしニッケルバンプブロックにする工程と、
前記ニッケルバンプブロックのうち、所定の寸法精度に合格したニッケルバンプをフイルム上に所定寸法で形成されたニッケルパッドに金属接合する工程と、
銅メッキで被覆されたニッケルバンプの表層の銅を選択的にエッチング除去してニッケルバンプを露出させる工程と、を有する検査用プローブの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発明において、前記金属接合が超音波接合である検査用プローブの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公開番号】特開2011−54630(P2011−54630A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199965(P2009−199965)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【出願人】(594066132)レイテック株式会社 (8)
【Fターム(参考)】