説明

極短パルス発生装置

【課題】構成簡易化、低コスト化、高性能化を実現可能なマイクロ波・ミリ波帯の極短パルス発生装置を提供する。
【解決手段】一対の軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する第1,第2導体パッチ2a,2bの各先鋭部を近接させ、高速変化信号発生部1を直に電気的接続して高速に変化する電圧を印加することで、第1,第2導体パッチ2a,2bが放射パルス形成回路と放射アンテナとを兼ねて機能させ、第1,第2導体パッチ2a,2bの両側方に対称軸と平行に配置した第1,第2導体壁3a,3bの間隔aを、不要信号の波長λaの1/2未満に、第1,第2導体パッチ2a,2bの各端部から第1,第2導体壁3a,3bの各端部までの距離Lw1,Lw2および誘電体基板4の導体パッチ面から第1,第2導体壁3a,3bの突出端部までの距離Lw3を全てλa/2以上にすることで、不要信号抑制手段を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超広帯域(UWB:Ultra WideBand)の高周波パルス(極短パルス)信号を発生する極短パルス発生装置に関し、特に、複雑な回路構成を嫌うマイクロ波・ミリ波帯の装置において構成単純化、低コスト化、高性能化を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年注目されている通信技術として、UWB技術がある。この技術は、極めて広い周波数帯域を使うものの、電力スペクトル密度が非常に小さいため、すでに使用されている周波数を共用することができる利点がある。また、数百ピコ秒以下の短いパルスを使うことで、高分解能な位置検出などを行うことができる利点などがある。
【0003】
従来のマイクロ波・ミリ波帯UWB技術における高周波パルス信号発生装置は、高周波パルス信号発生器と超広帯域アンテナとを伝送線路にて接続した構成となっている(例えば、非特許文献1,非特許文献2,特許文献1を参照)。
【0004】
これら非特許文献1、非特許文献2、あるいは特許文献1に記載された高周波パルス信号発生器としては、高速に振幅が変化する信号(ベースバンド信号に応じて発生させるモノパルス信号やステップ信号等の高速変化信号)の周波数成分のある部分のみを超広帯域フィルタ回路によって通過させ、その通過した信号を無線信号として放射することで高周波パルス信号(放射パルス信号)とする方法、または、CW信号発振回路の出力を高速RFスイッチにて通過/阻止させるような変調を行う方法、または、それらの組み合わせで構成されている。
【0005】
一方、伝送線路や共振回路をアンテナで代用した高周波パルス信号発生装置が特許文献2、特許文献3に開示されている。特許文献2に開示されているアンテナの構造例は、電気長λg/2のマイクロストリップライン型の伝送線路の構造をしたパッチアンテナとなっている。特許文献3にはアンテナの具体的構造は開示されてない。特許文献2、特許文献3に開示されている高周波パルス信号発生装置は、伝送線路や共振回路であるアンテナに電荷を充電し、高速のスイッチ等を用いてその電荷を急速に放電させる方式である。この急速な放電により発生する高周波成分のうち、共振回路であるアンテナの共振周波数帯の周波数成分が放射される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Yun Hwa choi, “Gated UWB Pulse Signal. Generation,” Joint with Conference on Ultra wideband. Systems and Technologies Joint UWBST & IWUWBS. 2004 International Workshop on, pp.122−124
【非特許文献2】Ian Gresham, “Ultra−Wideband Radar Sensors for Short−Range Vehicular Applications”, MTT VOL.52, No.9, pp.2111−2113, Sep. 2004
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2003−515974号公報
【特許文献2】特開2004−186726号公報
【特許文献3】特開2007−124628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記非特許文献1、非特許文献2、特許文献1に記載された発明では、高周波パルス信号発生器と超広帯域アンテナとを伝送線路にて接続した構成であるため、伝送線路の伝送損失が問題になることに加えて、複雑な回路構成を嫌うマイクロ波ミリ波帯の装置にとって望ましい構成ではない。
【0009】
また、上記非特許文献1、非特許文献2、特許文献1に記載されている発明の装置構成では、装置内部のフィルタや増幅器やRFスイッチなど種々の回路それぞれに超広帯域特性が求められる。例えば、パルス信号やステップ信号などの高速変化信号の発生回路とフィルタ回路を伝送線路で接続する場合、それぞれの回路の入出力反射係数や接続部の反射係数が広帯域にわたって十分小さくないと、それぞれの回路間で多重反射が生じてしまう。さらに、それぞれの回路の郡遅延特性が広帯域にわたって平坦でないと、パルス波形に歪が生じてしまう。よって、このような超広帯域回路設計は、狭帯域回路設計に比べて困難であり、個々の回路全てに超広帯域特性が求められるような装置は高コストになってしまい、高品質な高周波パルス信号を得ることも難しい。
【0010】
また、特許文献2に記載された発明のマイクロストリップライン型の伝送線路のパッチアンテナでは、非常に広い帯域わたり高効率に高周波パルス信号を放射するためには、マイクロストリップラインを構成する基板の厚さを大きくする必要があり、接地導体部とストリップ導体部との距離が大きくなり、スイッチなどの他の回路との接続の整合性を考えると、広帯域にわたる高性能の実現に難がある。
【0011】
また、特許文献2、特許文献3に記載された発明では、放射させる所望の高周波パルス信号以外の、不要信号の放射を防止する構造が無い。近年の伝送情報の大容量化・高速化により、高速変化信号の発生部に高速変化信号発生タイミングを与えて駆動させるための駆動信号が高速化・高周波化しており、この駆動信号自体の周波数成分などの不要信号の発生放射の問題が生じ、簡易な装置構成の実現を困難にしている。この駆動信号の高速化・高周波化により、駆動信号自体の周波数成分が、無線信号として放射する高周波パルス信号(放射パルス信号)の周波数に近づきつつあり、特許文献2、特許文献3に記載された様な、伝送線路や共振回路をアンテナで代用した高周波パルス信号発生装置においては、本来放射させたくない駆動信号の周波数成分などの、放射パルス信号より低い周波数の不要信号が、アンテナ素子やパルス発生回路等から漏洩し、放射されてしまうという不都合が生じ易くなっている。
【0012】
このような不要周波数成分の放射という不都合を解決するために、例えばパッチアンテナ等のアンテナ素子の形状設計によって、放射パルス信号より低い周波数成分の放射を十分に抑えようとすると、一般にアンテナ素子の放射周波数特性が狭帯域化する傾向にあり、近年の伝送情報の大容量化・高速化に対応し難い。なお、ハイパスフィルタ回路をアンテナ素子の放射面側に追加して不要周波数成分の放射を抑制する方法も考えられるが、広帯域にわたり偏波面を乱さず、不要な交差偏波成分を生じさせることなく、放射信号より低い周波数成分の放射を抑える構造を簡易に実現するのは困難である。
【0013】
そこで、本発明は、構成簡易化、低コスト化、高性能化を実現可能なマイクロ波・ミリ波帯の極短パルス発生装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、請求項1に係る極短パルス発生装置は、一対の軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの先鋭部を近接させ、各軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの対称軸が共有されるように配置し、高速変化信号発生部を、前記先鋭部に直に電気的接続し、高速に変化する電圧を前記一対の近接させた先鋭部の端の間に印加するようにし、前記導体パッチは放射パルス形成回路と放射アンテナとを兼ねて機能し、前記導体パッチの等傾斜角で広がり角θの先鋭部に連なる幅Wの部分の長さをDとし、一対の導体パッチの両端間の長さをLとし、これらθ、W、D、Lおよび幅Wの部分の端部の形状を調整することにより、放射パルス信号のパルス波形形状、放射効率、放射パターン特性を調整可能とし、前記各軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの両側方には、前記対称軸と平行で少なくともパルス放射方向に突出する導体壁を各々配置し、両導体壁の間隔をaとし、前記一対の導体パッチの各端部から前記導体壁の端部までの各距離および前記導体パッチの形成面から前記導体壁の突出端部までの距離をLwとし、放射パルス信号の波長より長い波長の不要信号の波長をλaとした場合、間隔aをλa/2未満とし、距離Lwをλa/2以上とすることで、不要信号抑制手段を構成したことを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の極短パルス発生装置において、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチのそれぞれに、前記放射パルス信号の通過を阻止するチョーク回路を接続し、一方の導体パッチの先鋭部の端にステップリカバリダイオードのアノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端にカソードを接続し、駆動信号の発生部を前記チョーク回路に接続し、そのチョーク回路を通して前記導体パッチに入力した駆動信号により、前記ステップリカバリダイオードに高速ステップ信号を発生させるようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の極短パルス発生装置において、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力型ステップ信号発生回路の差動出力の一方のノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力の他方のノードを接続し、前記差動出力型ステップ信号発生回路に駆動信号を供給することで高速ステップ信号を発生させるようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載の極短パルス発生装置において、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力型パルス信号発生回路の差動出力の一方のノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力の他方のノードを接続し、前記差動出力型パルス信号発生回路に駆動信号を供給することで高速パルス信号を発生させるようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項5に係る発明は、請求項1に記載の極短パルス発生装置において、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路の接地側ノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、信号側ノードを接続し、前記シングルエンド出力型ステップ信号発生部に駆動信号を供給することで高速ステップ信号を発生させるようにしたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項6に係る発明は、請求項1に記載の極短パルス発生装置において、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、シングルエンド出力型パルス信号発生回路の接地側ノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、信号側ノードを接続し、前記シングルエンド出力型パルス信号発生部に駆動信号を供給することで高速パルス信号を発生させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によれば、一対の軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの先鋭部を近接させ、各軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの対称軸が共有されるように配置し、高速変化信号発生部を、前記先鋭部に直に電気的接続し、高速に変化する電圧を前記一対の近接させた先鋭部の端の間に印加するようにし、前記導体パッチは放射パルス形成回路と放射アンテナとを兼ねて機能し、前記導体パッチの等傾斜角で広がり角θの先鋭部に連なる幅Wの部分の長さをDとし、一対の導体パッチの両端間の長さをLとし、これらθ、W、D、Lおよび幅Wの部分の端部の形状を調整することにより、放射パルス信号のパルス波形形状、放射効率、放射パターン特性を調整可能とし、前記各軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの両側方には、前記対称軸と平行で少なくともパルス放射方向に突出する導体壁を各々配置し、両導体壁の間隔をaとし、前記一対の導体パッチの各端部から前記導体壁の端部までの各距離および前記導体パッチの形成面から前記導体壁の突出端部までの距離をLwとし、放射パルス信号の波長より長い波長の不要信号の波長をλaとした場合、間隔aをλa/2未満とし、距離Lwをλa/2以上とすることで、不要信号抑制手段を構成したので、高速変化信号発生部と空間との結合を広帯域にわたり実現し、広帯域の高周波パルス信号のパルス波形を形成すると同時に放射するので伝送損失がなく、広帯域にわたり不要な交差偏波成分が生じ難く、放射パルス信号より低い周波数の、駆動信号の周波数成分などの不要信号の放射を抑える構造を少ない構成要素にて実現でき、高品質な高周波パルス信号の発生放射を簡易な構成にて行える。
【0021】
また、超広帯域のフィルタや整合回路やアンテナを別途考える必要が無く、構造が単純であり、設計が簡易であり、小型集積化、低コスト化が容易である。この簡易で単純な構造という特徴は、特性のばらつきを抑制し、製造上の高い歩留まりを確保する上で有利であり、高信頼性を確保する上でも有利である。特に、精密で微細な薄膜加工技術を必要とするミリ波帯装置の製造においては、装置が単純構造であることが品質管理上非常に有利となる。
【0022】
以上の利点により、請求項1に係る極短パルス発生装置は、同機能の装置を従来技術で構成した場合に比べ、簡易構造、高性能、低コストを効果的に実現できる。
【0023】
また、請求項2に係る発明によれば、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチのそれぞれに、前記放射パルス信号の通過を阻止するチョーク回路を接続し、一方の導体パッチの先鋭部の端にステップリカバリダイオードのアノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端にカソードを接続し、駆動信号の発生部を前記チョーク回路に接続し、そのチョーク回路を通して前記導体パッチに入力した駆動信号により、前記ステップリカバリダイオードに高速ステップ信号を発生させるようにしたので、比較的簡易に極短パルス発生装置を実現できる。
【0024】
また、請求項3に係る発明によれば、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力型ステップ信号発生回路の差動出力の一方のノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力の他方のノードを接続し、前記差動出力型ステップ信号発生回路に駆動信号を供給することで高速ステップ信号を発生させるようにしたので、比較的簡易に極短パルス発生装置を実現できる。
【0025】
また、請求項4に係る発明によれば、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力型パルス信号発生回路の差動出力の一方のノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力の他方のノードを接続し、前記差動出力型パルス信号発生回路に駆動信号を供給することで高速パルス信号を発生させるようにしたので、比較的簡易に極短パルス発生装置を実現できる。
【0026】
また、請求項5に係る発明によれば、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路の接地側ノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、信号側ノードを接続し、前記シングルエンド出力型ステップ信号発生部に駆動信号を供給することで高速ステップ信号を発生させるようにしたので、比較的簡易に極短パルス発生装置を実現できる。
【0027】
また、請求項6に係る発明によれば、前記高速変化信号発生部は、前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、シングルエンド出力型パルス信号発生回路の接地側ノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、信号側ノードを接続し、前記シングルエンド出力型パルス信号発生部に駆動信号を供給することで高速パルス信号を発生させるようにしたので、比較的簡易に極短パルス発生装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る極短パルス発生装置の実施形態を示す模式図である。
【図2】極短パルス発生装置における導体パッチ部の説明図である。
【図3】高速変化信号発生部の第1構成例を示す概略構成図である。
【図4】高速変化信号発生部の第2構成例を示す概略構成図である。
【図5】高速変化信号発生部の第3構成例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、添付図面に基づいて、本発明に係る極短パルス発生装置の実施形態につき説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る極短パルス発生装置の実施形態を示すもので、図1(a)は極短パルス発生装置の平面図、図1(b)は極短パルス発生装置の側面図である。
【0031】
この極短パルス発生装置は、一対の軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する第1導体パッチ2aおよび第2導体パッチ2bの各先鋭部を近接させ、第1導体パッチ2aおよび第2導体パッチ2bの対称軸(図1においては、一点鎖線で示す)が共有されるように配置し、高速変化信号発生部1を、第1,第2導体パッチ2a,2bの各先鋭部に直に電気的接続し、高速に変化する電圧を第1,第2導体パッチ2a,2bの両先鋭部の端の間に印加するようにし、これら第1,第2導体パッチ2a,2bが放射パルス形成回路と放射アンテナとを兼ねて機能し、第1,第2導体パッチ2a,2bの両側方には、対称軸と平行で少なくともパルス放射方向に突出する第1導体壁3aおよび第2導体壁3bを各々配置し、第1,第2導体壁3a,3bの間隔をa(対称軸からa/2ずつ離隔した状態)とし、第1導体パッチ2aの端部(先鋭部を形成していない側)から第1,第2導体壁3a,3bの端部(第1パッチ2a配置側の端部)までの距離をLw1とし、第2導体パッチ2bの端部(先鋭部を形成していない側)から第1,第2導体壁3a,3bの端部(第2パッチ2b配置側の端部)までの距離をLw2とし、導体パッチの形成面(第1,第2導体パッチ2a,2bがパターニングされた誘電体基板4の導体パッチ面)から第1,第2導体壁3a,3bの突出端部までの距離をLw3とし、放射パルス信号の波長より長い波長(放射パルス信号より低い周波数)の不要信号の波長をλaとした場合、間隔aをλa/2未満とし、距離Lw1,Lw2,Lw3を全てλa/2以上とすることで、不要信号抑制手段を構成したものである。なお、不要信号抑制手段を構成するに際して、距離Lw1,Lw2,Lw3は全て同じ寸法に設定しても良いし、各々異なる寸法としても構わない。
【0032】
ここで、放射パルス形成回路と放射アンテナとを兼ねる第1,第2導体パッチ2a,2bと高速変化信号発生部1について、図2を用いて説明する。第1,第2導体パッチ2a,2bの等傾斜角で広がり角θの先鋭部に連なる幅Wの部分の長さをDとし、第1,第2導体パッチ2a,2bの両端間の長さをLとし、これらθ、W、D、Lおよび幅Wの部分の端部の形状を調整することにより、無線信号として放射する高周波パルス信号(放射パルス信号)のパルス波形形状、放射効率、放射パターン特性を調整することができる。なお、誘電体基板4の導体パッチ面と対する面には導体層5を設けてあるので、誘電体基板4の導体パッチ面側がパルス放射方向となる。
【0033】
上記のように構成した極短パルス発生装置の動作を説明する。高速変化信号発生部1から発生されるステップ波形信号やモノパルス波形信号、バーストパルス波形信号などの高速に振幅が変化する信号は、第1,第2導体パッチ2a,2bの先鋭部の端の間に印加される。第1,第2導体パッチ2a,2bは、放射パルス形成回路と放射アンテナとを兼ねて機能しており、高速変化信号発生部1から発生した高速に振幅が変化する信号により、無線信号として放射される高周波パルス信号(放射パルス信号)として波形形成され、導体パッチ面より空間に放射される。
【0034】
一対の軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する第1,第2導体パッチ2a,2bの先鋭部を近接させ、第1,第2導体パッチ2a,2bの対称軸が共有されるように配置したことで、より広帯域の周波数成分をもつ信号波形の形成が行われ、広帯域にわたり不要な交差偏波成分が生じ難く、広帯域にわたり効率よく放射される。
【0035】
そして、第1,第2導体パッチ2a,2bの対称軸の両側に、対称軸と平行な第1,第2導体壁3a,3bを各々配置して、不要信号抑制手段を構成したので、放射パルス信号の周波数よりも低い周波数の不要信号(高速変化信号発生部1における駆動信号の周波数成分など)は放射が妨げられ、不要な交差偏波成分の発生を最小に抑えることができる。なお、第1,第2導体壁2a,2bと第1,第2導体パッチ2a,2bの対称軸との平行度が悪くなると、不要な交差偏波成分も増えてしまい、放射パルス信号が低品質となるので、不要信号抑制手段の構成には注意が必要である。
【0036】
このように、本実施形態に係る極短パルス発生装置は、高速変化信号発生部と空間との結合を広帯域にわたり実現し、広帯域の高周波パルス信号のパルス波形を形成すると同時に放射するので伝送損失がなく、広帯域にわたり不要な交差偏波成分が生じ難く、放射パルス信号より低い周波数の不要信号の放射を十分抑える構造を少ない構成要素にて実現でき、高品質な高周波パルス信号の発生放射を簡易な構成にて行える。
【0037】
また、超広帯域のフィルタや整合回路やアンテナを別途考える必要が無く、構造が単純であり、設計が簡易であり、小型集積化、低コスト化が容易である。この単純構造という特徴は、特性のばらつきを抑制し、製造上の高い歩留まりを確保する上で有利であり、高信頼性を確保する上でも有利である。特に、精密で微細な薄膜加工技術を必要とするミリ波帯装置の製造においては、装置が単純構造であることが品質管理上非常に有利となる。
【0038】
以上の利点により、本実施形態に係る極短パルス発生装置は、同機能の装置を従来技術で構成した場合に比べ、単純構造、高性能、低コストを効果的に実現できる。
【0039】
なお、本実施形態の極短パルス発生装置においては、金属板(或いは金属ブロック)に断面コ字状の溝をエンドミル等で切削加工することで、第1,第2導体壁3a,3bと、誘電体基板4の導体パッチ面と対する面に設ける導電層5を一体に形成することができ、これを極短パルス発生装置の筐体やパッケージの一部を兼ねる構造とすれば、少ない要素にて装置を構成できる利点がある。例えば、第1,第2導体壁3a,3bおよび導電層5以外の空間に開いている部分をプラスチック等の誘電体壁で閉じた構造にし、第1,第2導体パッチ2a,2bと高速変化信号発生部1を気密封止することで、少ない要素にて装置を構成しつつも性能の維持をより確保できる。
【0040】
次に、極短パルス発生装置における高速変化信号発生部1の具体的な構成例を示す。
【0041】
図3に示す高速変化信号発生部10は、高速変化信号発生部の第1構成例であり、ステップリカバリダイオード11を用いて高速変化信号発生機能を実現したものである。第1,第2導体パッチ2a,2bのそれぞれに、放射パルス信号の通過を阻止するチョーク回路12を各々接続し、例えば、第2導体パッチ2bの先鋭部の端にステップリカバリダイオード11のアノードを接続し、第1導体パッチ2aの先鋭部の端にステップリカバリダイオード11のカソードを接続し、駆動信号の発生部13をチョーク回路12に接続し、そのチョーク回路12を通して第1,第2導体パッチ2a,2bに入力した駆動信号により、ステップリカバリダイオード10に高速ステップ信号を発生させ、それを高速変化信号として用いているのである。なお、チョーク回路12は、第1,第2導体パッチ2a,2bから駆動信号発生部13の方向へ、無線信号として放射する高周波パルス信号のエネルギーが漏洩してしまうのを防ぐチョークで、チョーク回路12は、コイルや1/4波長分布定数回路などにより構成できる。
【0042】
本構成例の高速変化信号発生部10は、ステップリカバリダイオード11を用いることで、チョーク回路12を適宜設ける必要はあるものの、駆動信号発生部13以外には、別途電源等のエネルギーの供給をせずに動作させることができ、比較的簡易に極短パルス発生装置を構成できる。
【0043】
図4に示す高速変化信号発生部20は、高速変化信号発生部の第2構成例であり、差動出力型ステップ信号発生回路21を用いて高速変化信号発生機能を実現したものである。第1,第2導体パッチ2a,2bの各先鋭部の端に、差動出力型ステップ信号発生回路21の差動出力の一方のノードと他方のノードを各々接続し、差動出力型ステップ信号発生回路21に駆動信号の発生部22を電気的に接続する。
【0044】
なお、図4においては、差動出力型ステップ信号発生回路21の電源は図示を省略している。また、差動出力型ステップ信号発生回路21は、誘電体基板4のパッチ面上に構成して、第1,第2導体パッチ2a,2bと接続されるようにする。この差動出力型ステップ信号発生回路21は、インバータやスイッチ、パワーアンプ等や、その組み合わせにより構成され、CMOSやGaAsなどの小型の集積回路で実現できる。また、高速信号発生部20の差動出力型ステップ信号発生回路21に代えて、差動出力型パルス信号発生回路を用いても良い。
【0045】
高速変化信号発生部20の差動出力型ステップ信号発生回路21や差動出力型パルス信号発生回路から発生する信号波形がステップ波形信号やモノパルス波形信号の場合、放射される高周波パルス信号の振動数は、基本的に第1,第2導体パッチ2a,2bにより波形形成されることで決まるが、差動出力型パルス信号発生回路の内部で任意の振動数のバーストパルス波形信号を発生させてもよい。例えば、差動出力型パルス信号発生回路の内部で任意の振動数のバーストパルス波形信号を発生させ、その振動数のバーストパルス波形信号が、その波形のまま効率よく放射されるように第1,第2導体パッチ2a,2bの形状と寸法を調整した場合、第1,第2導体パッチ2a,2bの機能としては、振動数を決定する波形形成機能よりも、空間と差動出力型パルス信号発生回路とのインピーダンス整合機能が優勢となる。
【0046】
本構成例の差動出力型ステップ信号発生回路21(或いは、差動出力型パルス信号発生回路)では、高速変化信号発生部20の高速変化信号発生機能が差動出力型であることから、バラン回路を設けることなく、高速変化信号発生部20と第1,第2導体パッチ2a,2bとを直に接続でき、比較的簡易に極短パルス発生装置を構成できる。
【0047】
図5に示す高速変化信号発生部30は、高速変化信号発生部の第3構成例であり、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路31を用いて高速変化信号発生機能を実現したものである。第1,第2導体パッチ2a,2bの一方の先鋭部の端にシングルエンド出力型ステップ信号発生回31の接地側ノードを、他方の先鋭部の端にシングルエンド出力型ステップ信号発生回31の信号側ノードを接続し、第1導体パッチ2aの先鋭部と駆動信号発生部33との間にチョーク回路32を挿入してある。
【0048】
なお、図5においては、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路31の電源は図示を省略している。また、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路31は、片面に信号側ノードが、他面に接地導体面の集積回路チップがあり、この集積回路チップの接地導体面がシングルエンド出力の接地側ノードである。本構成例では、第1導体パッチ2aの先鋭部の端の導体上にシングルエンド出力型ステップ信号発生回路31を搭載し、その接地導体面と第1導体パッチ2aが導電性接着剤や半田などにより電気的に接続された状態となるように固定した。さらに、駆動信号発生部33の一方のノードは、チョーク回路32を介してシングルエンド出力型ステップ信号発生回路31の接地側ノードに電気的に接続され、他方のノードは、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路31の駆動信号入力ノードに電気的に接続されている。チョーク回路32は、第1,第2導体パッチ2a,2bから駆動信号発生部33の方向へ、無線信号として放射する高周波パルス信号のエネルギーが漏洩してしまうのを防ぐチョークであり、コイルや1/4波長分布定数回路などにより構成できる。
【0049】
このシングルエンド出力型ステップ信号発生回路31は、インバータやスイッチ、パワーアンプ等や、その組み合わせにより構成され、CMOSやGaAsなどの小型の集積回路で実現できる。また、高速信号発生部20のシングルエンド出力型ステップ信号発生回路31に代えて、シングルエンド出力型パルス信号発生回路を用いても良い。
【0050】
高速変化信号発生部30のシングルエンド出力型ステップ信号発生回路31やシングルエンド出力型パルス信号発生回路から発生する信号波形がステップ波形信号やモノパルス波形信号の場合、放射される高周波パルス信号の振動数は、基本的に第1,第2導体パッチ2a,2bにより波形形成されることで決まるが、シングルエンド出力型パルス信号発生回路の内部で任意の振動数のバーストパルス波形信号を発生させてもよい。例えば、シングルエンド出力型パルス信号発生回路の内部で任意の振動数のバーストパルス波形信号を発生させ、その振動数のバーストパルス波形信号が、その波形のまま効率よく放射されるように第1,第2導体パッチ2a,2bの形状と寸法を調整した場合、第1,第2導体パッチ2a,2bの機能としては、振動数を決定する波形形成機能よりも、空間とシングルエンド出力型パルス信号発生回路とのインピーダンス整合機能が優勢となる。
【0051】
図5に示す高速変化信号発生部30では、第1導体パッチ2aの先鋭部の端の導体上に、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路31(或いはシングルエンド出力型パルス信号発生回路)を搭載接続しているので、バラン回路が必要なく、別途にシングルエンド出力型ステップ信号発生回路31(或いはシングルエンド出力型パルス信号発生回路)を搭載固定する領域を設けなくてもよく、その領域を設けることによる導体パッチ全体の不連続性が小さくて済み、また、第1導体パッチ2aの先鋭部の端と第2導体パッチ2bの先鋭部の端とを任意に接近させることができるため、より高い周波数まで交差偏波成分の発生が起こり難く、簡易な構造でありながら広帯域にわたり高品質な高周波パルス信号の発生放射を実現でき、比較的簡易に極短パルス発生装置を構成できる。
【0052】
なお、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路31(或いはシングルエンド出力型パルス信号発生回路)が、片面に信号側ノードと接地側ノードを併せ持つ集積回路チップで、集積回路チップの駆動信号入力部が接地側ノードと高周波的に分離されている場合は、上述した第3構成例のように第1導体パッチ2aを介して駆動信号を供給せずに、駆動信号発生部33から信号側ノードと接地側ノードに駆動信号を直接供給することで、チョーク回路32は不要となる。
【0053】
以上、本発明に係る極短パルス発生装置を幾つかの実施形態に基づき説明したが、本発明は、これらの実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての極短パルス発生装置を権利範囲として包摂するものである。
【0054】
上述した特徴的効果を奏する本発明の極短パルス発生装置は、UWB通信システム、UWB車載センサ(レーダ)システム、防犯・医療・看護等のためのUWB電波モニターシステム、UWBアクティブイメージングアレーなどにおける無線送信機の出力部として用いると、上記利点を生かすことができる。特に、部品コストが高く、伝送損失の増加やデバイス性能により低電力効率になるミリ波帯のシステムにおいて大きな優位性が見込まれる。
【0055】
前記UWB通信システムシステムは、家庭やオフィス環境でのPCや周辺機器、AV機器、携帯端末などに本発明に係る極短パルス発生装置を用いたインパルス型UWB送受信機を搭載し、それぞれの機器間のデータ通信を行うシステムである。本システムは、従来のUWB送受信機を用いたシステムに比べ、低コストにて機器間のケーブルレス化を行うことができる。
【0056】
前記車載センサシステムは、車体の前後左右に本発明に係る極短パルス発生装置を用いたUWBセンサ装置を複数搭載し、それぞれ適当な変調動作をさせるなどし、その複数のUWBセンサ装置の中の任意の装置から得た検知信号の位相情報や遅延時間差などを総合的に信号処理、信号解析し、自動制御や運転者への通知などを行うシステムである。これは、単独のセンサ装置を用いた場合に比べ、多角的で正確なセンシングや高解像度センシングが可能であり、また、モーターなどにより機械的にセンサの方角を振る必要が無く、電気的に高速に目標物の方角を特定することも可能である。特に、本発明に係る極短パルス発生装置で構成したUWBセンサ装置は簡易構造であり低コストで提供できるので、多数のセンサ装置を用いた高度な衝突防止等の安全走行機能、車庫入れ時の運転補助機能、車体周囲の死角に起因する事故防止機能などを有する車載センサシステムを普及価格帯にて実現できる。
【0057】
前記防犯・医療・看護等のための電波モニターシステムは、住宅の周囲の多数箇所に本発明に係る極短パルス発生装置で構成したUWBセンサ装置を設置し、それぞれの箇所のセンサ装置から得る検知信号から不審な侵入者の存在や場所、移動経路などの情報を警告するシステム、或いは病院内の多数の患者用ベッド上天井部に本発明に係る極短パルス発生装置で構成したUWBセンサ装置をそれぞれ設置してネットワークを構成し、それぞれの患者の存在、呼吸の様子などをモニターし、異常時に警告するシステムなどである。このような多数のセンサ装置を用いるシステムの構築には、単体のセンサ装置が低コストであることが重要であり、本発明の極短パルス発生装置で構成したUWBセンサ装置が有利である。
【0058】
前記アクティブイメージングアレーは、本発明に係る極短パルス発生装置で構成したUWBセンサ装置をN行M列のマトリックス状に多数配置して、マトリックス制御により任意のUWBセンサ装置あるいは全てのUWBセンサ装置を動作・スキャンさせ、それぞれのUWBセンサ装置より取得した検知信号を総合的に信号処理、信号解析することで、被測定物の形状や形状変動などのイメージングを行うものである。このような多数のセンサ装置を用いるシステムの構築には、単体のセンサ装置が低コストであることが重要であり、本発明の極短パルス発生装置で構成したUWBセンサ装置が有利である。
【符号の説明】
【0059】
1 高速変化信号発生部
2a 第1導体パッチ
2b 第2導体パッチ
3a 第1導体壁
3b 第2導体壁
4 誘電体基板
5 導体層
10 高速変化信号発生部(第1構成例)
11 ステップリカバリダイオード
12 チョーク回路
13 駆動信号発生部
20 高速変化信号発生部(第2構成例)
21 差動出力型ステップ信号発生回路(或いは差動出力型パルス信号発生回路)
22 駆動信号発生部
30 高速変化信号発生部(第3構成例)
31 シングルエンド出力型ステップ信号発生回路(或いはシングルエンド出力型パルス信号発生回路)
32 チョーク回路
33 駆動信号発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの先鋭部を近接させ、各軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの対称軸が共有されるように配置し、高速変化信号発生部を、前記先鋭部に直に電気的接続し、高速に変化する電圧を前記一対の近接させた先鋭部の端の間に印加するようにし、前記導体パッチは放射パルス形成回路と放射アンテナとを兼ねて機能し、前記導体パッチの等傾斜角で広がり角θの先鋭部に連なる幅Wの部分の長さをDとし、一対の導体パッチの両端間の長さをLとし、これらθ、W、D、Lおよび幅Wの部分の端部の形状を調整することにより、放射パルス信号のパルス波形形状、放射効率、放射パターン特性を調整可能とし、
前記各軸対称な等傾斜角の先鋭部を具備する導体パッチの両側方には、前記対称軸と平行で少なくともパルス放射方向に突出する導体壁を各々配置し、両導体壁の間隔をaとし、前記一対の導体パッチの各端部から前記導体壁の端部までの各距離および前記導体パッチの形成面から前記導体壁の突出端部までの距離をLwとし、放射パルス信号の波長より長い波長の不要信号の波長をλaとした場合、間隔aをλa/2未満とし、距離Lwをλa/2以上とすることで、不要信号抑制手段を構成したことを特徴とする極短パルス発生装置。
【請求項2】
前記高速変化信号発生部は、
前記一対の導体パッチのそれぞれに、前記放射パルス信号の通過を阻止するチョーク回路を接続し、一方の導体パッチの先鋭部の端にステップリカバリダイオードのアノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端にカソードを接続し、駆動信号の発生部を前記チョーク回路に接続し、そのチョーク回路を通して前記導体パッチに入力した駆動信号により、前記ステップリカバリダイオードに高速ステップ信号を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の極短パルス発生装置。
【請求項3】
前記高速変化信号発生部は、
前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力型ステップ信号発生回路の差動出力の一方のノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力の他方のノードを接続し、前記差動出力型ステップ信号発生回路に駆動信号を供給することで高速ステップ信号を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の極短パルス発生装置。
【請求項4】
前記高速変化信号発生部は、
前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力型パルス信号発生回路の差動出力の一方のノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、差動出力の他方のノードを接続し、前記差動出力型パルス信号発生回路に駆動信号を供給することで高速パルス信号を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の極短パルス発生装置。
【請求項5】
前記高速変化信号発生部は、
前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、シングルエンド出力型ステップ信号発生回路の接地側ノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、信号側ノードを接続し、前記シングルエンド出力型ステップ信号発生部に駆動信号を供給することで高速ステップ信号を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の極短パルス発生装置。
【請求項6】
前記高速変化信号発生部は、
前記一対の導体パッチの一方の導体パッチの先鋭部の端に、シングルエンド出力型パルス信号発生回路の接地側ノードを接続し、他方の導体パッチの先鋭部の端に、信号側ノードを接続し、前記シングルエンド出力型パルス信号発生部に駆動信号を供給することで高速パルス信号を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の極短パルス発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−283500(P2010−283500A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133969(P2009−133969)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】