説明

構造の運動を減衰させるための摩擦ダンパー

【課題】建物におけるほぼ水平な運動又はねじりを減衰させるためのダンパーを提供する。
【解決手段】ダンパーであり、また、建物及び同様な構造システムを地震、強風又は機械的振動などによって生じる負荷などの力学的負荷から保護する方法である。ダンパーは、摩擦パッド材料又は粘弾性材料の円形ディスクシム3,5で減衰させられる回転式ジョイント6、8で相互連結されている複数の構造部材1,2で作られている。ジョイントの減衰により、構造要素と構造要素の相対運動が減衰させられる。特に、ダンパーは、例えば、基部に関して減衰させられる運動で建物又は機械が運動しうるために、又は、橋上の固定地点に関して減衰させられる運動で斜張橋のケーブルステイが運動しうるために、基礎の絶縁に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、地震によって生じる負荷、大海の波からの衝撃、輸送、機械又は風からの衝撃によって生じる振動などによって生じる負荷などの動的負荷に対する構造的なシステムの保護に関する。
【背景技術】
【0002】
構造部材が水平な外力、ねじりなどによって励振させられる時、水平運動が生じうる。特に高い建物構造又はタワーにおいてねじりがあると、構造の状態に深刻な衝撃を与えるか、又は崩壊させることとなる。
【0003】
ダンパーは、例えば家又は同様な建物構造などの構造の保護において重要な役割を果たし、多数の変形例で存在する。ダンパーは、建物の構造部材の間に取り付けられた二つの可動部分の間の摩擦力によって、又は、制限された管を通して二つのチャンバの間において流れるように押される流体によって、運動を一般に減衰させる。いくつかのダンパーは、外的条件に対応する減衰効果を能動的に変え、他のダンパーは、一定の減衰特性を有する受動的なダンパーである。典型的なダンパーは、製造するのに高価であり、建物の構造部材内で組み立てるにはさらに高価である。典型的には、建物は、かさばる形状の現存のダンパーにより、又はダンパーの構造的な特徴と建物の特徴の間の相関により、特定のダンパーのために設計されなければならない。
【0004】
典型的には、現存のダンパーは、建物構造の垂直に取り付けられた構造部材の運動を個々に減衰させるのに適している。この結果、建物の個々の部分の同じ建物の他の部分に関する運動を減衰させる。この減衰は、例えば、建物が崩壊しないように保護しうる。しかしながら、建物全体が、例えば回転方向に水平に移動する場合、建物の個々の構造部材が個々に減衰させられる場合でも、建物は激しく損傷してしまう。例えば、建物の基部が地震によって又は地面を通して伝達される同様な振動によって移動する場合に、水平運動は生じうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、建物におけるねじりなどの、建物におけるほぼ水平な運動又はねじりを減衰させるためのダンパーを提供することである。本発明のさらなる目的は、非常に簡単な形状に基づいたダンパーであって、非常に製造及び組立てが容易であり、かつ現存の構造へ追加導入するのと新しい構造に嵌めるのが容易である、部品を備えているダンパーを提供することである。本発明は、確実な減衰要素を有する、費用効果のあるダンパーをさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の態様によれば、本発明は、第一構造部材の第二構造部材に関する相対的な運動を減衰させる装置において、第一構造部材は、第一群の要素の中の少なくとも二つの要素に回転可能に接合されており、第二構造部材は、第二群の要素の中の少なくとも二つの要素に回転可能に接合されており、第一群の要素の中の要素と第二群の要素の中の要素の相対運動を減衰させて第二構造部材に関する第一構造部材の運動を減衰させるための少なくとも四つの回転式ジョイントを形成するように、第一群の要素の中の要素の各々は、回転式ジョイントで第二群の要素の中の一要素へ個々に接合されている、第一構造部材の第二構造部材に関する相対的な運動を減衰させる装置に関する。
【0007】
第一構造部材及び/又は第二構造部材は、例えば、三角形又は四角形を形成するように接合されている例えば三つ又は四つの梁を備えている構造フレームとしうる。構造部材は、例えば建物の基部の一部として、例えば家又は複数階の建物などの建物構造を支持するのに役立ち、及び/又は、例えば建物の上部を減衰させるために、建物における特定レベルに挟まれる。例として、水タンク又は機械は、大きな建物の屋根上に配置され、ダンパーを通して建物に取り付けられうる。例として、消火装置、水泳プール、空調装置、換気システムなどがこのように建物に取り付けられうる。別の例として、建物は、ダンパーを通して基部へ固定されうる。
【0008】
二つの構造部材は、好ましくは、二つの鋼構造部材の形態で設けられうる。例えば四本の鋼製バーは、開いた四角形を形成するように共に溶接される。四角形の一方は構造又は建物の取り付けに役立ち、四角形の他方は基部に取り付けられる。構造部材は、コンクリート要素で作られうる。第一構造部材を建物構造の一部に取り付けて他の構造部材を建物構造の別の部分を取り付けることによってダンパーは建物構造内に一体とされている。例として、強固なコンクリート基部は、地面内に成形され、鋼製の四角形の第一構造部材は、基部の上部と一体であるか、又は基部の上部に例えばボルトによって取り付けられている。
【0009】
第二構造部材は、ジョイントによって回転方向に相互連結された二つの組の要素を通して第一構造部材へ取り付けられている。第二構造部材は、例えば、鋼の建物構造へボルト留めされるなど、建物構造の残りへ取り付けられているか、又は、建物構造は、単に第二構造部材の上部上に配置されて自重によって所定位置に保持されている。それにより、建物構造の重量は、例として、第二構造部材を摺動支持するコンクリートブロックによって担持されうる。
【0010】
ダンパーは、複数の回転式ジョイントにおける複数の要素の間の締め付け力を維持するように、複数の回転式ジョイントを共に締め付ける締め付け手段をさらに備えうる。締め付け手段は、二つの要素を通して延びているピン又はボルトによって構成され、回転式ジョイントを二つの要素の間で形成するか、又は、回転式ジョイントは、アキシアル玉軸受などの任意の他の方法で形成されうる。この場合、軸受の二つの要素は、二つの要素の各々と玉などの相互要素との間の固定係合によって共に保持される。複数の要素と構造部材の間の対応のジョイントは、同様に、通過ピンをもって、又は、例えばアキシアル玉軸受などの任意の方法で形成されうる。
【0011】
複数の回転式ジョイントの中の少なくとも一つ又は回転式ジョイントの全てには、少なくとも一つの減衰部材が設けられうる。減衰部材は、例えば、構造フレームと第一又は第二群の要素の中の一つの要素との間、又は、第一又は第二群の要素の中の二つの要素の間などの接合された要素の間の相互の運動を減衰させる一つ以上の片の材料によって構成されうる。
【0012】
好適な実施例によれば、複数の要素の相対運動が減衰させられるように、複数の要素と減衰部材の間で接触するように、第一群の要素の中の要素と第二群の要素の中の要素との間において少なくとも一つの減衰部材が配置されている。
【0013】
別の好適な実施例によれば、少なくとも一つの減衰部材は、複数の要素の構造部材に関する相対運動が減衰させられるように、複数の要素と減衰部材の間と構造部材と減衰部材の間において接触するように、第一構造部材と、第一群の要素の中の要素及び/又は第二群の要素の中の要素との間に配置されている。
【0014】
別の好適な実施例によれば、少なくとも一つの減衰部材が、複数の要素の構造部材に関する相対運動が減衰させられるように、複数の要素と減衰部材の間と構造部材と減衰部材の間で接触するように、第二構造部材と第一群の要素の中の複数の要素、及び/又は、第二群の要素の中の複数の要素との間において配置されている。
【0015】
減衰部材は、一つ以上の片の摩擦材料及び/又は一つ以上の片の粘弾性材料を備えうる。材料とジョイントの要素との間の接触を通して、それらの要素の相互運動は、摩擦によって又は材料の粘性によって減衰させられる。
【0016】
例として、装置は、回転式ジョイントの一部としての二つの要素の間において配置されている摩擦パッドを備えうる。摩擦パッドは、サンドウィッチ状に複数の要素の間に配置されうる。摩擦パッドは、乾いた摩擦潤滑を提供し、主に一様な摩擦係数を維持することが意図されている。同時に、摩擦パッドは、複数の要素の摩擦運動から生じるきしるノイズを減衰させることが意図されている。同様に、摩擦パッド材料はジョイント内に配置され、複数の要素が回転可能に構造部材に取り付けられる。
【0017】
同様に、少なくとも一つの減衰部材は、一片の粘弾性材料を備えうる。粘弾性材料は、ゴムと、アクリルポリマーと、コポリマーと、任意のガラス状物質と、3M粘弾性材料などの任意の粘弾性材料とからなる群から好ましくは選択されることができ、一般に、剪断変形を受ける時にエネルギを消散させる任意の材料としうる。
【0018】
運動の減衰は、ポリマーネットワークが変形させられた後にポリマーネットワークの緩和及び回復から生じる。
【0019】
より多くの片の粘弾性材料又は摩擦材料それぞれを分離するために、一片の第三材料が、少なくとも一つの減衰部材と第一群の要素の中の複数の要素との間において又は少なくとも一つの部材と第一群の要素の中の複数の要素との間において配置されうる。第三材料は、ポリテトラフルオルエチレン又はナイロン(登録商標)などの低摩擦材料としうる。さらに、複数のジョイントの中の一つに二つ以上の減衰部材が設けられている場合、一片の第三材料は、回転式ジョイントの少なくとも一つにおいてこれらの減衰部材の中の二つの間に配置されうる。
【0020】
好適な実施例によれば、一片の粘弾性材料は、ジョイントの少なくとも一つにおいて、第一構造部材と第二群の要素の中の少なくとも二つの要素の一つとの間において配置されている。一片の摩擦材料は、ジョイントの少なくとも一つにおいて、第一群の要素の中の要素と第二群の要素の中の要素との間において配置されうる。このように、摩擦材料及び粘弾性材料は、減衰装置の異なるジョイント内で完全に分離されたままである。
【0021】
複数のジョイントの中の一つにおける粘弾性材料と、複数のジョイントの中の別の一つにおける摩擦材料とを分離することは、減衰特性を容易に変えうるという利点を有する。例として、粘弾性材料のみを備えた唯一のジョイントは、固定装置によって回転するのが阻止されうる。このように、ダンパーは、粘弾性特性と摩擦特性の組み合わせの減衰から、単なる摩擦特性の減衰へ変化する。反対の状況も適用可能である。すなわち、摩擦材料のみを備えた一つのジョイントは、固定装置によって回転が阻止される。
【0022】
この装置は、締め付け力を変化させるのに適した手段をさらに備えうる。締め付け力を変えることによって、摩擦力と、それにより減衰特性は、変化させられ、例えば、特定の風力、地震などの運動と調和するために、特定の目的に適しうる。締め付け力を変える手段は、建物内のダンパーを実際の条件に能動的に調節しうる、電子機械的、電子流体的、空気的、又は同様な機械的に又は電気的に制御された装置としうる。
【0023】
本発明の好適な実施例において、ジョイントは、回転式ジョイントの複数の要素の各々を貫通するピンを備えている。ピンは、複数のジョイントを共に保持する唯一の要素として機能し、ダンパーを容易に嵌め、減衰効果を調節しうる。複数の要素の間、あるいは摩擦パッドの間の摩擦運動は、複数の要素のピン回りの回転から生じ、このピンは、ヒンジピンのように機能する。
【0024】
本発明の好適な実施例において、装置は、ボルトを備えることができ、ボルトの少なくとも一部分はピンを構成しており、ボルトは、ボルト頭を有するボルト要素と、ナット頭を有するナットとを有し、締め付け力はボルトのプレテンションによって決定される。これは、装置の組立てと締め付け力の調節に簡単な工具のみが必要である、本発明の簡単で確実な実施例である。
【0025】
装置は、時間を経てほぼ一定の締め付け力を維持する手段をさらに備えうる。これは、摩擦力が締め付け力の関数であるので、また、減衰条件に調和するように摩擦力が調節されるので、本質的である。
【0026】
ほぼ一定の締め付け力を維持する手段は、ボルト頭と複数の要素の中の一つの要素の表面との間において、及び/又は、ナット頭と複数の要素の中の一つの要素の表面との間において配置されている少なくとも一つのばねを備えうる。ばねは、好ましくは、一つのディスクばね、又は連続して配置されている二つ以上のディスクばねとしうるか、又は、ボルト頭と複数の要素の中の一つの要素の表面との間において配置されている一つ以上のばね、又は、ナット頭と複数の要素の中の別の要素の表面との間において配置されている別のディスクばね又は二つ以上のディスクばねとしうる。
【0027】
本発明の好適な実施例によれば、少なくとも一つの摩擦パッドは、複数のジョイントの中の少なくとも一つのジョイントの複数の要素の中の少なくとも一つと、少なくとも一つのジョイント板との間に配置されている。例として、ジョイントは、第一群の要素の中の要素を通したボルトと、シム又は金属製板と、円形パッド材料と、第二群の要素の中の要素とを適用することによって作られうる。全ての部分は、ボルトによって共に押され、このジョイントの複数の要素の中の一方が複数の要素の中の他方に関して回転するのに対して摩擦抵抗を提供する。
【0028】
摩擦パッドは、好ましくは、真鍮、アルミニウム、真鍮又はアルミニウムを備えた任意の合金、プラスチックとガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)などの繊維の複合材、又は任意のセラミック材料とガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)などの繊維の複合材で作られうる。このような複合材の多くは、例えば、クラッチ又はブレーキ用の材料で知られうる。
【0029】
摩擦パッドは、一定期間において、及び多くのサイクルの時間の後でも、一定の摩擦力を維持することが意図されている。このような材料は、市場においてすでに入手可能であり、例えば、ブレーキ又はクラッチ内の摩擦力を伝達させる目的で製造されている。
【0030】
シム又は金属板と複数の要素が鋼、錆止め鋼又は真鍮である装置が適切であるが、アルミニウム、アルミニウムを備えた任意の合金、又は任意の他の鋼材料、鋼とプラスチックの複合材、プラスチックとガラス、カーボン、ケブラー(登録商標)などの複合材、任意のセラミック材料とガラス、カーボン、ケブラー(登録商標)などの複合材などの他の材料も適切であるということが見出されていた。
【0031】
好ましくは、締め付け力は、300サイクルテストなどの200〜1000サイクルなどの長期間のテストにおいて、8%などの10%未満の変動、又は5%などの7%未満の変動を示している。このテストでは、0.5Hzなどの0.2〜1Hzの強制励振周波数、±1700KN.mm.などの+10.000KN.mm.から−10.000KN.mm.の付与モーメント力で42KNなどの1〜100KNの最初の締め付け力において、0.20ラジアンなどの0.01〜0.22ラジアンの少なくとも二つの要素の中の一つの要素の回転振幅である。特定のテストにおいて(実験結果の以下の説明を参照すると)、変動は300サイクルテストにおいて5%であった。
【0032】
ジョイントの少なくとも二つの要素の中の一つの要素の変位振幅と、摩擦ジョイント内のエネルギ消散の関係が実質的に線形であるということが好適である。これにより、ダンパーのモデル化がより容易となり、それにより、特定の目的のための設計がより容易となる。
【0033】
第二の態様によれば、本発明は、少なくとも二つの部材と、少なくとも二つの部材の間の相対運動を粘弾性的に減衰させるために、ジョイントにおいて、少なくとも二つの部材の間においてかつ少なくとも二つの部材と接触して配置された一片の粘弾性材料と、粘弾性材料に対して圧縮力を付与する締め付け力を提供するように、少なくとも二つの部材を共に締め付けるための締め付け手段と、少なくとも二つの部材の各々を構造要素の各々へ接続する手段とを備えている、土木構造物内の構造要素及び非構造要素の運動を減衰させる装置に関する。
【0034】
粘弾性材料は、ゴムと、アクリルポリマーと、コポリマーと、任意のガラス状物質と、3M粘弾性材料などの任意の粘弾性材料とからなる群から好ましくは選択されることができ、一般に、剪断変形を受ける時にエネルギを消散させる任意の材料としうる。
【0035】
運動の減衰は、ポリマーネットワークが変形させられた後にポリマーネットワークの緩和及び回復から生じる。
【0036】
土木工学的な構造要素は、例えば、家などの建物構造の梁、支柱及びスラブとしうる。ダンパーによって減衰させられる壁は、構造要素と非構造要素の組み合わせを備えることができ、その結果、ダンパーは、構造要素と非構造要素の両方の運動を減衰させることができる。非構造要素は、窓、ドア、煉瓦壁などの充填壁、パネル、仕切り壁としうる。
【0037】
したがって、
減衰装置は、例えばいくかの階の建物内において、二つ以上の方向に取り付けられうる。
減衰装置は、壁のある又は壁のない補強コンクリートフレーム構造内に取り付けられうる。
減衰装置は、摺動欠乏機構を低減するために、大きなパネル内に取り付けられうる。パネルは、典型的にコンクリートで作られるが、材木、鋼又は複合材料などの他の材料で作られうる。
減衰装置は、タンクの振動応答を低減するために、高い位置の水タンク内に取り付けられうる。
減衰装置は、橋及び高いハイウェイ内に取り付けられうる。減衰装置は、応答を減衰させるために、二つの方向で据え付けられうる。例として、多数のダンパーが第一の方向に配置され、多数のダンパーが第二の方向に配置されうる。第一方向のダンパーには、第二方向に配置されたダンパーの減衰構造とは異なる減衰構造が設けられうる。
減衰装置は、フレーム構造上に取り付けられた、高い位置の機械によって引き起こされる振動を低減するために使用されうる。
減衰装置は、例えば水又は風からの波形負荷による振動を低減させるために、多くの種類の海洋構造物に取り付けられうる。
減衰装置は、既製の車庫に取り付けられうる。
減衰装置は、テントの支柱及び梁の運動を減衰させるために、携帯可能な金属テントに取り付けられうる。
減衰装置は、フレーム構造内でジョイントの回転を低減させるように使用されうる。
減衰装置は、いくつかの階の工業用建物に取り付けられうる。
減衰装置は、材木フレーム構造に取り付けられうる。
減衰装置は、金属タワーに取り付けられうる。
減衰装置は、一階又は複数階の家に取り付けられうる。
減衰装置は、吊り橋又は斜張橋に取り付けられうる。
減衰装置は、例えばスタジアム又は例えばロンドンのミレニアムホールなどの大きなホールなどのプレテンション構造内のケーブルに取り付けられうる。
減衰装置は、ガラス嵌め建物の外面に使用されている大きなパネルに取り付けられうる。
減衰装置は、人又は機械によって生じる床の振動を減衰させるために、床に取り付けられうる。
減衰装置は、流体の運動中においていくつかの振動を生じさせる流体を移送させるパイプに取り付けられうる。
減衰装置は、油、気体、液体、燃料用のタンクに取り付けられうる。
減衰装置は、吊り天井又は重いシャンデリアを保持する屋根天井に取り付けられうる。
減衰装置は、例えば、彫像などを保持するテーブル又はプラットフォームの下において、博物館内に取り付けられうる。
減衰装置は、例えば食器戸棚などの多くのタイプの家具の背後に取り付けられうる。
減衰装置は、工場又は倉庫内の部品を保管するために使用されている棚の背後に取り付けられうる。
【0038】
ダンパーが運動を減衰させる時、少なくとも二つの部材が、相互に元の位置から、少なくとも二つの部材の一方が少なくとも二つの部材の他方に関して回転させられる、相互に変位した位置へもたらされる。ダンパーには、少なくとも二つの部材を元の位置へ戻す手段がさらに設けられうる。例として、ばね又は一組のばねは、複数の部材の間に設けられうる。ばねは、複数の部材が、元の位置から移動させられた後、相互に元の位置へ後退させられる。ばね又は一組のばねは、例えば、時計ばね、圧縮ばね、ねじりばね、又は回転ばね、又は前述のばねのいかなる組み合わせとしうる。
【0039】
本発明の好適な実施例によれば、ダンパーは、軽量鋼合金で作られたフレームなどの、材木又は軽量金属フレームで作られた、予め作られたパネル又は壁の運動を減衰させるのに適している。パネルは、例として、パネル工場で作られ、ダンパーが予め取り付けられうる。ダンパーは、パネルの特別な使用のために予め調節させることができる、又は、それらが例えば住宅構造に取り付けられる時に後期の段階において調節させることができる。
【0040】
このダンパーの性質により、概念の簡単さにより、現存の構造と共に、新しい構造の両方においてダンパーを使用することができる。
【0041】
ダンパー内の運動が開始する時、粘弾性材料は、弾性的に変形し、運動を減衰させるであろう。運動の振幅は、摩擦力が付与された力に抵抗できずに摺動が開始する程度に上昇する可能性がある。
【0042】
粘弾性材料と、二つの部材の間において、及び/又は、二つの部材の間に配置された一つ以上の片の粘弾性材料の間において配置された一つ以上の片の摩擦材料とを組み合わせることは好ましい。摩擦材料は、乾いた摩擦潤滑を提供し、二つの部材において配置された数片の材料が摺動し始める時に主に一定の摩擦係数を維持することが意図されている。
【0043】
この装置は、数片の粘弾性材料及び/又は数片の摩擦材料の間に配置されている数片の第三材料をさらに備えうる。例として、数片の真鍮などの金属は、異なる片の間における摩擦運動のために、優れた乾いた潤滑を提供しうる。
【0044】
装置は、締め付け力を変えるのに適した手段をさらに備えうる。締め付け力を変えることによって、摩擦力、それにより、減衰特性は、変えられ、例えば特定の風力、地震などの運動を調和させるための特定の目的に適しうる。締め付け力を変える手段は、建物内のダンパーを実際の条件に能動的に調節させうる、電子機械的、電子流体的、空気的、又は同様に機械的に又は電気的に制御された装置としうる。
【0045】
本発明の好適な実施例によれば、一つ以上の片の圧電材料は、二つの部材の間に挿入させられている。圧電要素は、いずれかに挿入され、他の挿入された要素のいずれかと接触させられうる。電圧をこれら要素に印加することによって、これらの要素の寸法、したがって、締め付け力を変えることができる。
【0046】
本発明の好適な実施例において、ジョイントは、少なくとも二つの部材の各々を貫通しているピンを備えている。ピンは、ダンパーを共に保持する唯一の部材として機能し、ダンパーの容易な取り付けと、減衰効果の調節とを提供する。複数の部材の間における、あるいは、摩擦パッドの間における摩擦運動は、ヒンジピンのように作用するピン回りの複数の部材の回転から生じる。
【0047】
本発明の好適な実施例において、装置は、ボルトを備えることができ、ボルトの少なくとも一部分はピンを構成し、ボルトは、ボルト頭を有するボルト部材と、ナット頭を有するナットとを有し、締め付け力は、ボルトのプレテンションによって決定される。これは、装置の組み立てと共に、締め付け力の調節のために唯一の簡単な工具が必要である、本発明の簡単で確実な実施例である。
【0048】
装置は、時間を経てほぼ一定の締め付け力を維持する手段をさらに備えうる。これは、摩擦力が締め付け力の関数であるので、また、摩擦力は減衰条件と調和するように調節させられるので、本質的である。
【0049】
ほぼ一定の締め付け力を維持する手段は、ボルト頭と複数の部材の中の一つの部材の表面との間において、及び/又は、ナット頭と複数の部材の中の一つの部材の表面との間において配置されている少なくとも一つのばねを備えうる。ばねは、好ましくは、一つのディスクばね、又は連続して配置されている二つ以上のディスクばねとしうるか、又は、ボルト頭と複数の要素の中の一つの要素の表面との間において配置されている一つ以上のばね、又は、ナット頭と複数の要素の中の別の要素の表面との間において配置されている別のディスクばね又は二つ以上のディスクばねとしうる。好ましくは、ワッシャは、摩擦又は粘弾性パッドにわたって一様に圧力を分布させるのに適している。ワッシャは、ほとんど変形することなくナット又はボルトから圧力をワッシャが持続させうる厚さを有する硬鋼ディスクとしうる。ワッシャを導入することによって、比較的に小さな壁厚さを有する部材が選択されることができ、したがって、ダンパーの重量が低減されうる。
【0050】
本発明の好適な実施例において、少なくとも二つの部材は、側板と、ほぼ平行な平面内で延びている中央板とを備えている。側板は、好ましくは、留めシステムのブレースの一つと固定的に又は回動可能に接続で配置されることができ、ブレースは、他端部においてフレーム構造の部材に固定的に又は回動可能に接続されており、中央板と構造要素の間の相対的な回転運動を阻止する又は可能とするように、中央板がフレーム構造の複数の部材の中の一つへ固定的に又は回動可能に取り付けられている。この設定条件において、数片の粘弾性材料及び/又は摩擦材料は、好ましくは、側板と中央板の間で配置され、これらの板の間で粘弾性減衰又は摩擦を提供する。さらなる好適な実施例において、二つの側板の各々は、中央板周りで対称に配置されている。二つの側板の各々は、構造部材の一つへ又は留めシステムのブレースへ回動可能に又は固定的に接続され、ブレースは、他端においてフレーム構造の複数の部材へ固定的に又は回動可能に接続されている。この設定条件において、各片が複数の側板の各一つと中央板の間において配置されている、二つの片の粘弾性材料又は数片の摩擦材料に適することが好ましい。
【0051】
摩擦材料は、一定期間及び多くのサイクルの運動の後でさえ、一定摩擦力を維持することが意図されている。鋼と、錆止め鋼と、真鍮と、アルミニウムと、アルミニウムを備えた任意の合金と、任意の他の鋼材料と、鋼とプラスチックの複合材と、プラスチックとガラス、カーボン、ケブラー(登録商標)の繊維の複合材と、任意のセラミック材料とガラス、カーボン、ケブラー(登録商標)の繊維の複合材とからなる群から選択される摩擦材料が好ましいということが見出された。
【0052】
同様に、第三の材料は、好ましくは、鋼と、錆止め鋼と、真鍮と、アルミニウムと、アルミニウムを備えた任意の合金と、任意の他の鋼材料と、鋼とプラスチックの複合材と、プラスチックとガラス、カーボン、ケブラー(登録商標)の繊維の複合材と、任意のセラミック材料とガラス、カーボン、ケブラー(登録商標)の繊維の複合材とからなる群から選択される材料又はこの材料の複合材としうる。
【0053】
さらに、側板及び/又は中央板は、好ましくは、鋼、錆止め鋼又は、真鍮で作られることが適切であるが、アルミニウムと、アルミニウムを備えた任意の合金と、任意の他の鋼材料と、鋼とプラスチックの複合材と、プラスチックとガラス、カーボン、ケブラー(登録商標)などの繊維の複合材と、任意のセラミック材料とガラス、カーボン、ケブラー(登録商標)の繊維の複合材などの他の材料も適切であるということが見出されている。
【0054】
好ましくは、留めシステムは、本発明のダンパーの特徴のいずれかを備えている。減衰のための装置は、以前に記載したように、かつ相互連結要素によってそれらの端部の少なくとも一つにおいて相互連結されている、少なくとも二つの側板を備え、ブレースが相互連結要素に取り付けられている。さらなる好適な実施例において、側板の少なくとも一つは、ブレースによって複数の構造要素の一つへ相互連結されており、中央板は、複数の構造要素の中の別の一つへ接続又は取り付けられている。さらに、側板の少なくとも一つは、二つのブレースによって複数の構造要素の中の一つへ接続されることができ、二つのブレースは側板の両端へ接続され、中央板は、複数の構造要素の別の一つへ接続又は取り付けられている。
【0055】
側板が二つのブレースによって複数の構造要素の一つへ接続されており、ダンパーがV字形状のブレーシングで配置されるように、留めシステムは配置されうる。いくつかの技術文献においては、この種のブレーシングは反転V形ブレーシング又はV形ブレーシングとして言及されている。同様に、側板の少なくとも一つが二つのブレースによって複数の構造要素の中の一つへ接続されており、かつダンパーがD形状のブレーシングに配置されるように、留めシステムは配置されうる。同様に、側板の少なくとも一つが二つのブレースによって複数の構造要素の中の一つへ接続され、かつダンパーがK形状のブレーシングに配置されるように、留めシステムは配置されうる。構成の選択は、実際の状況に依存し、専門の設計者によって選択されるであろう。
【0056】
本発明の好適な実施例は、図面を参照してここで詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】四つのダンパーを備えている、基礎絶縁用装置を示している。
【図2】構造システムを基部へ接続するダンパーを有するシステムの側面図を示している。
【図3】基部がねじりによって回転している時のダンパーの機構を示している。
【図4】基部がねじりによって回転している時のダンパーの機構を示している。
【図5】第一及び第二構造部材が互いの上方にある相互位置にある元の位置において第一構造部材を保持するためのばねを有する、図1に示すシステムと同様なシステムの側面図を示している。
【図6】機械の運動を減衰させる装置の特定の構成を示している。
【図7】図6に示す装置の別実施例を示している。
【図8】図6に示す装置の別実施例を示している。
【図9】図6に示す装置の別実施例を示している。
【図10】摺動部材を備えている装置の一実施例を示している。
【図11】図10に示す装置の別の実施例を示している。
【図12】図10に示す装置の別の実施例を示している。
【図13】本発明の摩擦ダンパー装置の斜視図である。
【図14】摩擦ダンパー装置を有する鋼フレームを示している。
【図15】フレームの運動を減衰させるためのダンパーの機構を示している。
【図16】異なるタイプの留めシステム内の摩擦ダンパーを使用する柔軟性を示している。
【図17A】二つの側部材及び中央板及び二片の粘弾性材料を有するダンパーを示している。
【図17B】二つの側部材及び中央板及び二片の粘弾性材料を有するダンパーを示している。
【図18】二片の摩擦材料を有する図17のダンパーを示している。
【図19】例えば真鍮製のディスクなどの二片の第三材料をさらに有する、図18のダンパーを示している。
【図20】二片の圧電材料をさらに有する、図18のダンパーを示している。
【図21】斜張橋において使用されるダンパー装置を示している。
【図22】強打を減衰させるためのダンパーを示している。
【図23】矩形パネルを減衰させるためのダンパーを示している。
【図24】摩擦材料の減衰部材は一つの回転式ジョイント内に配置され、かつ粘弾性材料の減衰部材が別のジョイント内に配置されている、ダンパーを示している。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1及び2に示すように、本発明の装置は、第一構造部材1と第二構造部材2とを備えている。第一構造部材は第一群の要素(図2においてこれらの要素の中の一つだけが示されている)の中の少なくとも二つの要素7に回転可能に接合されている。第二構造部材は、さらに、第二群の要素4(図2においてこれらの要素の中の一つだけが示されている)の中の少なくとも二つの要素に回転可能に接合されている。第一群の要素の中の要素は、回転式ジョイント6で第二群の要素の中の要素へ個々に接合されている。ジョイントの少なくとも一つにおいて、好ましくはジョイントの各々において、複数の部分が、例えば、ジョイントの両方の部分を通して延びているボルト8などの締め付け手段によって共に締め付けられる。
【0059】
ジョイントの一つにおいて又はジョイントの各々において、減衰部材3、5は、ジョイントの複数の部分の他方に関してジョイントの複数の部分の一方の運動を減衰させるために配置されうる。減衰部材3、5は、ジョイント部分の一つをジョイントの他の部分に関して移動させる能力を低減するのに適した材料の片としうる。例として、ゴム材料の片が、ジョイントの二つの部分の間において、両方の部分と接触して配置される。好ましくは、減衰部材は、例えば、ブレーキ又はクラッチで知られるアスベスト含有材料などの一片の摩擦材料であるか、減衰部材は、例えば、二つの部分の一方又は両方に接着された、二つの部分の間に配置された比較的に厚くて柔軟なシリコーンパッドなどの一片の粘弾性材料である。さらに、減衰部材は、例えば、一つ以上の層の粘弾性材料と一つ以上の層の摩擦材料のサンドイッチ構造などの、一つ以上の片の両方のタイプの材料を備えうる。減衰部材は、さらに、粘弾性がありかつその面において高い面摩擦を有する材料、すなわち、粘弾性材料と摩擦材料の組合わせで作られうる。
【0060】
ダンパーを異なる方法で配置しうる。図1に見られるように、ダンパーは、二つだけでなく四つ又はそれ以上の組の回転、摩擦、又は粘弾性式のジョイント又はダンパー11を有しうる。ダンパー11は、剛性構造1、10の両側の各々にある。各組のジョイントは、一要素と第一構造の間において少なくとも一つのジョイントを備え、一つのジョイントは、別の要素と第二構造の間にあり、最後に、一つのジョイントは二つの要素を接続している。別の好適な実施例によれば、ダンパーは、剛性構造の各側面において又は剛性構造の複数の側面の少なくともいくつかにおいて配置されている多数の摩擦又は粘弾性ダンパーを有しうる。例として、剛性構造の各側に沿って二つ、剛性構造の四つの側面の中の二つに沿って四つの摩擦ダンパを設けることが有利である。このように、剛性構造の四つの側面の中の他方の二つにおいて空間が節約される。剛性構造の四つの側面の各々に沿って二つ以上の回転式ダンパが設けられうる。
【0061】
図2において、装置が側面図で示されている。装置には第一構造部材1及び第二構造部材2が設けられている。第一構造部材は4、7である。第一構造部材1は、第一群の要素の中の要素7へ回転式ジョイント8によって取り付けられており、ジョイント6内の要素は、第二群の要素の中の要素へ接続されている。第一群の要素の中の要素及び/又は回転式ジョイント8のヒンジピンは、鋼、又はポリエステル又はエポキシ樹脂を含有するカーボン繊維複合材料などの任意の他の適切な材料、又はセラミックから作られうる。構造部材1、2は、例えば、建物の基部及び第一階などの、減衰させるべき建物構造の各部分へ接続されており、建物全体が水平面内で移動しうる。これら要素4、7は、ヒンジピン6を有するジョイントによって相互連結されている。構造要素(又は建物)10が移動する時、この移動により、要素4、7をヒンジピン回りで相互に反対方向に互いに対して回転させる。ジョイント内では、減衰部材3は、移動に対する摩擦抵抗又は粘弾性抵抗を生じ、建物10の移動を減衰させる。装置は、回転式ジョイントの複数の部分の間に配置された、例えば、摩擦パッド材料又は粘弾性材料の円形ディスクシム3、5の形態の任意の数の減衰部材をさらに有しうる。摩擦又は粘弾性パッドは、ジョイント部に作用する安定した摩擦力又は粘弾性力を保証する。摩擦パッド材料又は粘弾性材料が、第一群及び第二群の要素4、7を第一及び第二構造部材1、2に接続する回転式ジョイントの一方又は両方においてさらに配置されうる。
【0062】
本発明の好適な実施例において、ダンパーは二つの要素を備えており、これらの要素の各々が別個のプラットフォームに接続されている。図2に見られるように、要素7は、第一構造部材1、それにより、例えば建物の基部へ、ピン8を介して回動可能に接続されている。減衰部材5は、第一構造部材に関して要素7が回転する能力を低減する。例えば、要素7の高さ、それにより、第一構造要素に関する第二構造要素の高さを調節するために、さらなる要素が要素5と直列して又は要素5の代わりに配置されうる。
【0063】
同様に、要素4が減衰部材5を通して第二構造要素2へピン8を介して回動可能に接続されている。
【0064】
ジョイント6には、板4と板7を接続している、例えば、ボルトなどのヒンジピンが設けられうる。ボルトは、好ましくは、プレテンションボルトとしうる。
【0065】
いくつのディスクばねワッシャは、ジョイント6のボルトのヘッド又はナットと、各要素4及び7の中の一つとの間に挿入されうる。ディスクばねワッシャは、摩擦パッドへの一定圧力、したがって、ジョイントの複数の部分の相互の回転に対する比較的に一定の反力を保証する。
【0066】
第一構造部材及び第二構造部材は、好ましくは、非常に強固な構造としなければならない。これら構造部材は、異なるタイプのスライダ及びアイソレータ9によって互い上で摺動しうる。摺動材料又は絶縁材料として、ゴム、鋼、金属又は玉軸受が使用されうる。摺動材料又は絶縁材料は、移動又は摺動しうる任意の固形のブロックとしうる。一つの配置によれば、第二構造部材2は、上方で延びている自由な玉面を有する玉軸受を介して第一構造部材1上を摺動する。玉は、第一構造部材に取り付けられた軸受内に配置され、かつ回転自由にされている。第二構造部材には、玉が第二構造部材2を支持しうる上方に延びている円蓋形状を形成している放物線状面が設けられている。第二構造部材2が第一構造部材1に関して偏倚している場合。
【0067】
特定の目的のためにダンパーを形成する時、剛性構造の水平運動と回転ダンパーの回転運動の寸法の間に関係があるということが考慮されるべきである。好ましくは、剛性構造の非常に小さな水平運動でさえ回転ダンパーの相当な回転運動に作用してダンパーが可能な限り多くのエネルギを消散するように、ダンパーが形成されなければならない。要素4及び要素7を可能な限り小さく形成することにより、剛性構造の水平運動と回転式ダンパーの回転運動の可能な限り最も良好な関係を実現することができ、最も大きなエネルギが消散される。
【0068】
図3及び4は、システムが図1の負荷がかけられていない「元の」位置から移動した二つの状況を示している。
【0069】
図5は図1に示すシステムと同様なシステムの側面図である。このシステムは、四角形のフレームの形態の二つの構造部材を備えている。二つのフレームは、多数の回転式ジョイントを介して接続されている。回転式ジョイントには、減衰部材に対する一定の締め付け圧力を保証するために配置されている多数のディスクばねが設けられている。一方のフレームを他方のフレームに関して移動させうるように、また、「元の」相互位置において、フレームが少なくとも実質的に互いの上部上に時間を経て滞在するように、構造部材1、2は、構造部材1、2を「元の位置」に向けて押し込む一つ以上の強いばね52によって「元の」位置に向けて付勢される。
【0070】
図6は、第一構造部材61が重い基部ブロック62内で構成されており、かつ第二構造部材63が遠心分離機64、すなわち、振動を減衰させる必要がある機械用の基部内で構成されている、装置の構成を示している。示しているように、第一構造部材61は、第一及び第二の回転式ジョイント67、68を介して第一及び第二の要素65、66に接合されている。第一要素65は、再び、第三回転式ジョイント70を介して第三要素69へ接合されている。第二要素66は、第四回転式ジョイント71によって第三要素69へ接合されている。第二構造部材63は、第四及び第五要素72、73へ接合されている。これらの第四及び第五要素72、73は、第五回転式ジョイント74内で相互連結されている。第五回転式ジョイント及び第四回転式ジョイントは、第六要素75によって相互連結されている。図6に示すように、この装置により、遠心分離機が水平方向に移動しうる。ジョイント内の摩擦及び/又は粘弾性抵抗は、いかなる方向の運動も減衰させるであろう。
【0071】
図7及び8は、図6に示す装置の二つの別の実施例を示している。両方の図において、摺動部材81が、二つの要素82、83の間の摺動に対する摩擦抵抗又は粘弾性抵抗を提供するために設けられている。図9は、回転式ジョイント及び要素の数が低減されている、図6に示す装置のより簡単な実施例を示している。
【0072】
図10は、剛性ジョイント101が、減衰させるべき、例えば機械などの構造103に要素102を接続する、装置の実施例を示している。回転式ジョイント104、107が、各要素の間における相互の移動を減衰させるために設けられている。ジョイント104は、要素105と要素106と要素102の間の運動を減衰させ、その一方で、ジョイント107は、要素106と要素108の間の運動を減衰させる。ジョイント104及び107は、摩擦抵抗及び/又は粘弾性抵抗を提供するために減衰部材が設けられうる。このシステムに、構造103を移動後に元の位置へ戻しうるばね又は一組のばねをさらに設けうる。ばね又は一組のばねを、構造103と例えば基部の地点などの周囲の固定地点との間において設けることができ、ばね又は一組のばねが、回転式ジョイント104及び107の一方又は両方と一体に設けられうる。
【0073】
図11は、図10に示す別実施例の装置を示している。この実施例において、機械の水平移動が、ジョイント112内の摩擦抵抗及び/又は粘弾性抵抗によって減衰させられる。線形及び回転の組み合わせのジョイント111において、要素113は、水平に摺動してヒンジピン114回りで回転することが許容されうる。このシステムには、構造115を移動後に元の位置へ戻しうるばね又は一組のばねがさらに設けられうる。構造115と例えば基部の地点などの周囲の固定地点との間にばね又は一組のばねが設けられうる。ばね又は一組のばねが回転式ジョイント112と一体に設けられうる。
【0074】
図12は図10に示す別の実施例のダンパーを示している。この組立体では、機械は二つの回転式ジョイント121、122によって減衰させられる。ばね125が、回転式ジョイント123とジョイント124の間に接続されている。要素127及び128は、ジョイント124へ別個にヒンジによって接続されている。例えば機械などの構造126が回転しないように、構造は、好ましくは、例えば、二つ、三つ、四つ又はそれ以上の複数の示している種類の組立体によって支持されなければならない。
【0075】
残りの全ての図は、本発明の第二の態様の様々な実施例のダンパーを示している。
【0076】
図13及び14に見られるように、本発明のダンパーは、例えば構造システムの上側フレーム1418へ板を取り付けるための穴138が設けられている中央板131を有しうる。ダンパーには、二つの側板134がさらに設けられている。摩擦材料又は粘弾性材料のシム133は、中央板131と側板134の間で配置されている。ボルト132、ナット135及びディスクばね136は、粘弾性材料又は摩擦材料のパッド又はシムに対して圧縮の締め付け力を付与するのに役立つ。シムが粘弾性材料で製造されている場合、シムは、鋼板へ接着される又は任意の同様な方法で固定されるか、別体としうる。ディスクは、単に鋼板と鋼板の間に緩く配置されうる。鋼板とシムの間の摩擦が、鋼板の運動に対する粘弾性抵抗と比べて比較的に高い場合において、滑りが生じる時には、滑る前に運動が鋼板と粘弾性ディスクの間で粘弾性的に減衰させられるであろうということが保証される。ワッシャ137は、側板とディスクばねの間に挿入されうる。
【0077】
図14に示すように、ダンパーが構造フレーム内に据え付けられる時、図15に見られるように、ダンパーは、フレームの水平移動に追従する。図15に見られうるように、中央板と上側コラムの間のヒンジ接続と、側板とブレース1413のヒンジ接続は、再び、基コラム1417に回動可能に接続されており、構造フレームの運動の力は、回転可能に減衰部分へ移送される。構造フレームの運動が開始する時、ダンパーは、生成し始める粘弾性力によってエネルギを消散させるであろう。
【0078】
ダンパー内において付与される力が摩擦力を超える場合、板全体と粘弾性又は摩擦シムの間で摺動する。この時、板は、ヒンジピン又はボルト回りで円運動で摺動する。ブレーシング内の張力により、摩擦材料のシムと側板の間、又は、摩擦材料のシムと粘弾性材料のシムの間においても、摺動する。この摺動段階では、ダンパーは、摺動面間の摩擦によってエネルギを消散させるであろう。この段階は続き、負荷が方向を変える時に粘弾性段階に変わるであろう。
【0079】
ある段階から別の段階へ移る工程は、力のかかる方向が逆転する時に繰り返される。
【0080】
ダンパーの操作中において一定の締め付け力を維持するために、一つ以上のディスクばね136が、好ましくは、ボルト頭と側板との間で、ナットと側板との間で、又は両側で取り付けられている。ばねは、任意の種類としうるが、本発明の好適な実施例において、ディスクばね136と、皿ばねなどのワッシャ137との組み合わせが使用される。これらのばねは、圧縮の下で平坦にされる、最初に円錐形状である環状ディスクである。これらのワッシャは、ワッシャが圧縮している時にディスクばねによって鋼板上の任意の跡が生じることを防ぐように配置されている。
【0081】
ダンパーは、非常に簡単な形状に基づいており、容易に製造される部品を備えている。組立てが容易であると共に、構成が非常に柔軟である。図14、15及び16に見られるように、ダンパーは、異なる構成で配置しうると共に、異なるタイプの留めシステムで配置しうる。
【0082】
二つの側板134は、図14に見られるようにV形ブレーシングなどの留めシステム、又は、例えばD形状又はK形状などの同様な構成のブレースにダンパーを接続する。留めシステムは、圧縮力によってバーが歪むのを防ぐために予め張力がかけられているバー1413を有しうる。しかしながら、留めシステムは、圧縮を吸収しうる構造部材をさらに有しうる。図14に示すように、ブレースは、好ましくは、ブレーシングをダンパー1402及びコラム基部接続部1417へ接続するための簡単な支持部材を有することによって、両方の端部1401及び1403において回動可能に接続されている。フレーム1418は上側フレームコラムである。
【0083】
必要に応じて、二つの側板を用いる理由は、摩擦面積を増し、装置の平面方向の挙動を得るために必要な対称を提供するためである。全ての板及び摩擦パッドは、ナット135を有するボルト132又は同様な種類の閉じ込め型のヒンジピンを用いて組み立てるための中心の穴を有する。ボルト又は同様なヒンジピンは、ダンパーの三つの板131及び134と、ヒンジ状接続部内の粘弾性又は摩擦パッド133とを圧縮する。同時に、ボルト132は、粘弾性摩擦パッドディスク及び鋼板に付与される標準の力を制御するために使用されており、それにより、ダンパーの減衰特性が変えられる。
【0084】
図16は、いくつかのユニットを備えているダンパーを設計者が形成しうる、多数のユニットダンパーの一例を示している。ダンパーの形状が簡単であるので、設計される付与力及び空間の制限の要求に基づいて、多数のユニットを有する装置を構成することが可能となる。
【0085】
図17Aは図13のダンパーの側面図を示している。ダンパーは中央板131及び二つの側板134を有する。中央板と側板との間において、粘弾性材料又は摩擦材料のシム又はパッドが配置される。この材料は、その面上に摩擦抵抗を提供する、粘弾性材料との組み合わせとすることもできる。
【0086】
図17Bは、複数のディスクばね136が、側板134の一方又は両方に隣接して配置されている、図17Aの別実施例のダンパーを示している。又は、図17Bに示すようにディスクばね136がワッシャ137に隣接して配置されている。シム又はパッドが摩擦材料で作られている場合、又は、少なくともシム又はパッドが中央板と側板の間の相互の運動を摩擦によって減衰させるために使用されている摩擦面特性を有する場合において、ディスクばね136は重要である。
【0087】
図18に見られるように、粘弾性材料及び/又は摩擦材料からなるより多くの円形ディスクシム133は、例えば、中央板131などの鋼板と粘弾性材料のシム133との間において、又は粘弾性材料からなるより多くのシムの間において配置されうる。それにより、運動は、粘弾性材料の粘弾性減衰と摩擦材料の摩擦減衰との間の組み合わせによって減衰させられる。粘弾性減衰は、構造の非常に小さな振動で典型的に生じるであろう、その一方で、シム及び/又は鋼板の間で滑りが生じるほど運動が強くなる時に摩擦減衰が生じる。
【0088】
図19において見られるように、例えば鋼板からなるより多くの側板134及び/又はシム133が、粘弾性材料又は摩擦材料からなる他のシムのいずれかの間において、又は、シムの一つと鋼板の一つの間において配置されうる。板は、粘弾性シム及び/又は摩擦シムの面全体に一様な圧力を保証するために導入されている。
【0089】
図20に見られるように、圧電材料からなるより多くのシム2021が、他の板のいずれかの間において、この場合では、側板134と粘弾性シム133の間において配置されうる。電圧を圧電材料にかけることによって、これらの板の寸法が変わるであろう。それにより、粘弾性シムに対する圧力及び/又は摩擦シムに対する圧力は、変わり、したがって、減衰特性が変わるであろう。一般に、側板134と、摩擦材料からなる複数のシム又は粘弾性材料からなる複数のシムは、任意の順序で配置されうる。例として、中央板からワッシャ137に向けての順序は、板及びディスクは以下の通りである。
粘弾性、摩擦、粘弾性、第三材料(例えば、鋼ディスク)、及び側板、又は、粘弾性、第三材料(例えば、鋼ディスク)、摩擦、粘弾性、及び側板、又は摩擦、粘弾性、第三材料(例えば、鋼ディスク)、粘弾性、及び側板、又は摩擦、粘弾性、摩擦、第三材料(例えば、鋼ディスク)、及び側板
【0090】
材料の全てのありうる組み合わせが所望の減衰特性に依って使用しうる。
【0091】
図21は、橋のケーブルにおいて振動を減衰させるための三つの異なる状況におけるダンパー212を示している。橋のケーブル211は、数組の減衰させられる回転式ジョイントを通して橋の固定部分に接続されている。
【0092】
図22は、減衰させられる回転式ジョイント224で相互連結されている多数の要素223によって相互連結されている隣接する二つの建物構造221、222を示している。このように、二つの建物の両方の運動を減衰させることができる。減衰機構は、建物が互いに強打しないように保護する。
【0093】
図23は、例えば、自身の幅と比べて比較的に高い壁パネルなどの家又は強固なフレーム、すなわち、構造の他の側面232と比べて比較的に長い二つの側面231を有する構造などの、小さな構造の運動を減衰させるのに特に適した壁ダンパーを示している。ダンパー233は、上面及び/又は下面の一方又は両方において、すなわち、構造の比較的に長い側面の端部の一方又は両方において設けられている。複数のこのようなダンパーを、構造のこれらの領域内に設けうる。各ダンパーは、強固なパネル又は強固なフレームとしうる構造239に取り付けられる。こうして、ダンパーは、第一回転式ジョイント237及び第二回転式ジョイント238それぞれを介して、フレーム又はパネルを周囲のフレーム又はパネル240に接続する。回転式ジョイントの一方又は両方は、例えば粘弾性材料のパッド又は摩擦材料のパッドなどの減衰部材によって減衰させられうる。
【0094】
図24は、二つの減衰させられる回転式ジョイント241、242を備えた、摩擦及び粘弾性の組み合わせのダンパーを示している。第一のジョイント241は、中央板244と側板245、246の間で配置されている摩擦材料243によって減衰させられる。同様に配置された粘弾性材料が、第二のジョイント242を減衰させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一構造部材の第二構造部材に関する相対的な運動を減衰させる装置において、
前記第一構造部材は、第一群の要素の中の少なくとも二つの要素に回転可能に接合されており、
前記第二構造部材は、第二群の要素の中の少なくとも二つの要素に回転可能に接合されており、
前記第一群の要素の中の要素と前記第二群の要素の中の要素の相対運動を減衰させて前記第二構造部材に関する前記第一構造部材の運動を減衰させるための少なくとも六つの回転式ジョイントを形成するように、前記第一群の要素の中の要素の各々は、回転式ジョイントで前記第二群の要素の中の一要素へ個々に接合されている、第一構造部材の第二構造部材に関する相対的な運動を減衰させる装置。
【請求項2】
前記回転式ジョイントにおいて複数の要素の間で締め付け力を維持するように、前記回転式ジョイントの少なくとも一つを共に締め付ける締め付け手段をさらに備えている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも六つの回転式ジョイントの少なくとも一つにおいて配置された少なくとも一つの減衰部材をさらに備えている請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記要素の相対運動が減衰させられるように、前記第一群の要素の中の要素及び前記第二群の要素の中の要素と前記減衰部材の間で接触するように、前記第一群の要素の中の要素と前記第二群の要素の中の要素との間に前記少なくとも一つの減衰部材が配置されている請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記構造部材に関する前記要素の相対運動が減衰させられるように、前記要素と前記減衰要素の間と、前記構造部材と前記減衰部材の間とにおいて接触するように、前記第一構造部材と、前記第一群の要素の中の要素及び/又は前記第二群の要素の中の要素との間において、前記少なくとも一つの減衰部材が配置されている請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記構造部材に関する前記要素の相対運動が減衰させられるように、前記要素と前記減衰要素の間と、前記構造部材と前記減衰部材の間とにおいて接触するように、前記第二構造部材と、前記第一群の要素の中の要素及び/又は前記第二群の要素の中の要素との間において、前記少なくとも一つの減衰部材が配置されている請求項3〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記要素の相対運動が摩擦によって減衰させられるように、前記少なくとも一つの減衰部材は一片の摩擦材料を備えている請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記要素の相対運動が粘弾性によって減衰させられるように、前記少なくとも一つの減衰部材は一片の粘弾性材料を備えている請求項3〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの減衰部材と前記第一群の要素の中の要素との間において、又は前記少なくとも一つの減衰部材と前記第二群の要素の中の要素との間において配置されている一片の第三材料をさらに備えている請求項3〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記回転式ジョイントの少なくとも一つにおける少なくとも二つの減衰部材の間に配置された一片の第三材料をさらに備えている請求項3〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記一片の粘弾性材料は、前記ジョイントの少なくとも一つにおいて、前記第一構造部材と、前記第一群の要素の中の少なくとも二つの要素の一つとの間において配置されている請求項8〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記一片の粘弾性材料は、前記ジョイントの少なくとも一つにおいて、前記第二構造部材と、前記第二群の要素の中の少なくとも二つの要素の一つとの間において配置されている請求項8〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記一片の摩擦材料は、前記ジョイントの少なくとも一つにおいて、前記第一群の要素の中の要素と前記第二群の要素の中の要素との間において配置されている請求項7〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記締め付け手段は、締め付け力を変化させうるのに適している請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記ジョイントの少なくとも一つは、前記ジョイントの前記要素の各々を貫通しているピンを備えている請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
ボルト、前記ピンを構成する前記ボルトの少なくとも一部分とを備え、前記ボルトは、ボルト頭を有するボルト要素と、ナット頭を有するナットとを有し、前記締め付け力は、前記ボルトのプレテンションによって決定される請求項15に記載の装置。
【請求項17】
時間を経てほぼ一定の締め付け力を維持する手段をさらに備えている請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ほぼ一定の締め付け力を維持する手段は、前記ボルト頭と、前記ジョイントの少なくとも一つのジョイントの要素の中の一つの要素の一面との間において、及び/又は、前記ナット頭と、前記ジョイントの少なくとも一つのジョイントの要素の中の一つの要素の一面との間において配置されている少なくとも一つのばねを備えている請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ばねはディスクばねを備えている請求項18に記載の装置。
【請求項20】
少なくとも二つのディスクばねを備えている請求項19に記載の装置。
【請求項21】
少なくとも一つのディスクばねが、前記ボルト頭と前記第一群の要素の中の一つの要素の一面との間において配置されており、前記少なくとも一つのディスクばねが、前記ナット頭と前記第二群の要素の中の一つの要素の一面との間において配置されている請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ほぼ一定の締め付け力を維持する手段は、前記締め付け力を維持するために、流体手段、空気手段、及び/又は、電気手段を備えている請求項17〜21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも一つの減衰部材は、前記少なくとも六つのジョイントの少なくとも一つのジョイントの要素の少なくとも一つと、少なくとも一つのジョイント板との間において配置されている請求項3〜22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記一片の摩擦材料は、鋼、錆止め鋼、真鍮、アルミニウム、又は、アルミニウムを備えた任意の合金、又は、任意の他の鋼材料、又は、プラスチック、プラスチックの複合材、又は、ガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)などの繊維、又は、任意のセラミック材料とガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)などの繊維の複合材で作られている請求項7〜23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記一片の摩擦材料は、ケブラー(登録商標)及び真鍮を備えた、アスベストのない複合材である請求項7〜24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記第一群の要素の中の要素、及び/又は、前記第二群の要素の中の要素は、鋼、錆止め鋼、真鍮、アルミニウム、又は、アルミニウムを備えた任意の合金、又は、任意の他の鋼材料、又は、プラスチック、プラスチックの複合材、又は、ガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)などの繊維、又は、任意のセラミック材料とガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)などの繊維の複合材で作られている請求項1〜25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
0.5Hz±0.1Hzの強制励振周波数で、かつ±1700kN.mmの付与される励振モーメントで42kN±0.5kNの最初の締め付け力における、0.2ラジアンまでの少なくとも二つの構造部材の中の一つの部材の回転振幅である、300サイクルのテストにおいて、前記締め付け力は5%未満の変動を示す請求項2〜26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも二つの構造部材の一つの構造部材の変位振幅と、前記ジョイント内のエネルギ消散との間においてほぼ線形関係がある請求項1〜27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記第一構造部材は建物構造の第一の下側部分に取り付けられており、前記第二構造部材は建物構造の第二の上側部分に取り付けられている請求項1〜28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
第一構造部材の第二構造部材に関する相対運動を減衰させるためのダンパーにおいて、前記第一構造部材と前記第二構造部材の間の相対的な回転運動を摩擦減衰させるため、かつ前記第一構造部材の前記第二構造部材に関する回転運動を減衰させるために、前記第一構造部材が前記第二構造部材へ回転式ジョイントによって回転可能に取り付けられている、第一構造部材の第二構造部材に関する相対運動を減衰させるためのダンパー。
【請求項31】
少なくとも二つの部材と、
前記少なくとも二つの部材の間の相対運動を粘弾性的に減衰させるために、ジョイントにおいて、前記少なくとも二つの部材の間においてかつ前記少なくとも二つの部材と接触して配置された一片の粘弾性材料と、
前記粘弾性材料に対して圧縮力を付与する締め付け力を提供するように、前記少なくとも二つの部材を共に締め付けるための締め付け手段と、
前記少なくとも二つの部材の各々を前記構造要素の各々へ接続する手段とを備えている、土木構造物内の構造要素及び非構造要素の運動を減衰させる装置。
【請求項32】
前記少なくとも二つの部材の間の相対運動を摩擦及び粘弾性の組み合わせで減衰させるために、前記二つの部材の中の第一の部材と前記粘弾性材料との間においてかつ前記第一の部材及び前記粘弾性材料と接触して配置されている一片の摩擦材料をさらに備えている請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記締め付け手段は、前記締め付け力と、前記粘弾性材料に対する前記付与圧縮力とを変化させるのに適している請求項31又は32に記載の装置。
【請求項34】
前記粘弾性材料は、前記付与される圧縮力に基づいた前記減衰特性を変化させるのに適している請求項31〜33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
前記摩擦材料と前記二つの部材の中の第一の部材との間に配置された一片の第三の材料をさらに備えている請求項32〜34のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
前記摩擦材料と前記粘弾性材料との間に配置された一片の第三の材料をさらに備えている請求項32〜35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
前記粘弾性材料と前記二つの部材の一つとの間に配置された一片の第三の材料をさらに備えている請求項32〜36のいずれか1項に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも二つの部材の間に配置された一片の圧電材料をさらに備えている請求項31〜37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記粘弾性材料は、ゴムと、アクリルポリマーと、任意の粘弾性材料とからなる群から選択される請求項31〜38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項40】
前記摩擦材料は、鋼と、錆止め鋼と、真鍮と、アルミニウムと、アルミニウムを備えた任意の合金と、任意の他の鋼材料と、鋼とプラスチックの複合材と、プラスチックとガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)の繊維の複合材と、任意のセラミック材料とガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)の繊維の複合材とからなる群から選択されている請求項32〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
前記第三の材料は、鋼と、錆止め鋼と、真鍮と、アルミニウムと、アルミニウムを備えた任意の合金と、任意の他の鋼材料と、鋼とプラスチックの複合材と、プラスチックとガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)の繊維の複合材と、任意のセラミック材料とガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)の繊維の複合材とからなる群から選択されている材料で作られている請求項36〜40のいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも二つの部材は、鋼と、錆止め鋼と、真鍮と、アルミニウムと、アルミニウムを備えた任意の合金と、任意の他の鋼材料と、鋼とプラスチックの複合材と、プラスチックとガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)の繊維の複合材と、任意のセラミック材料とガラス、カーボン又はケブラー(登録商標)の繊維の複合材とからなる群から選択されている材料で作られている請求項31〜41のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
前記ジョイントは、回転式ジョイントを提供するように前記少なくとも二つの部材の各々を貫通しているピンを備えている請求項31〜42のいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
ボルトと、前記ピンを構成する、前記ボルトの少なくとも一部分とを備え、前記ボルトは、
ボルト頭を有するボルト部材と、
ナット頭を有するナットとを有し、
前記締め付け力は、前記ボルトのプレテンションによって決定される請求項43に記載の装置。
【請求項45】
時間を経てほぼ一定の締め付け力を維持する手段をさらに備えている請求項43又は44に記載の装置。
【請求項46】
前記ほぼ一定の締め付け力を維持する手段は、前記ボルト頭と前記少なくとも二つの部材の中の一つの部材の表面との間において及び/又は前記ナット頭と前記少なくとも二つの部材の中の一つの部材の表面との間において配置されている少なくとも一つのばねを備えている請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記ばねは少なくとも一つのディスクばねを備えている請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記少なくとも一つのディスクばねが前記ボルト頭と前記少なくとも二つの部材の中の一つの部材の表面との間において配置されており、前記少なくとも一つのディスクばねは、前記ナット頭と前記少なくとも二つの部材の中の別の一つの部材の表面との間において配置されている少なくとも一つのばねを備えている請求項45に記載の装置。
【請求項49】
少なくとも一つのワッシャが、前記ディスクばねの少なくとも一つと、前記少なくとも二つの部材の中の一つの部材の対応面との間において配置されている請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記締め付け手段は、能動的に調節可能な締め付けアクチュエータを備えている請求項31〜49のいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
前記能動的に調節可能な締め付けアクチュエータは、流体的に、空気的に、及び/又は電気的に作動させられる請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記能動的に調節可能な締め付けアクチュエータは、コントローラによって能動的に制御されている請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記コントローラは、少なくとも一つのセンサシステムからのフィードバックに基づいて前記調節可能な締め付けアクチュエータを制御する請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記少なくとも一つのセンサシステムは、前記構造システム内の加速度、速度、変位、前記構造システム内の温度、応力、及び/又は、前記構造システム内の歪みを示す測定値又は測定値の組み合わせを測定するのに適している請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記少なくとも二つの部材は、ほぼ平行な複数の平面内で延びている側板及び中央板を備えている請求項31〜54のいずれか1項に記載の装置。
【請求項56】
前記一片の粘弾性材料は前記側板と前記中央板との間において配置されている請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記一片の摩擦材料は前記側板と前記中央板との間において配置されている請求項55又は56に記載の装置。
【請求項58】
前記一片の第三材料は前記側板と前記中央板との間において配置されている請求項55〜57のいずれか1項に記載の装置。
【請求項59】
前記中央板の周りにおいて、対称に配置された二つの側板を備えている請求項31〜58のいずれか1項に記載の装置。
【請求項60】
二つの片の粘弾性材料を備え、各片は、前記側板の各一つと前記中央板との間において配置されている請求項59に記載の装置。
【請求項61】
二つの片の摩擦材料を備え、各片は、前記側板の各一つと前記中央板との間において配置されている請求項59〜60のいずれか1項に記載の装置。
【請求項62】
二つの片の前記第三材料を備え、各片は、前記側板の各一つと前記中央板の間において配置されている請求項59〜61のいずれか1項に記載の装置。
【請求項63】
前記中央板と前記構造要素の間における相対的な回転運動を可能とするように、前記中央板は、前記構造要素の一つへ回動可能に接続されるのに適している請求項55〜62のいずれか1項に記載の装置。
【請求項64】
前記中央板と前記構造要素の間における相対運動を阻止するように、前記中央板は、前記構造要素の一つへ固定で接続されるのに適している請求項55〜62のいずれか1項に記載の装置。
【請求項65】
前記側板と前記構造要素の間における相対的な回転運動を可能とするように、前記側板は、前記構造要素の一つへ回動可能に接続されるのに適している請求項55〜64のいずれか1項に記載の装置。
【請求項66】
前記側板と前記構造要素の間における相対運動を阻止するように、前記側板は、前記構造要素の一つへ固定で接続されるのに適している請求項55〜64のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−141033(P2011−141033A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−23988(P2011−23988)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【分割の表示】特願2002−587725(P2002−587725)の分割
【原出願日】平成14年5月9日(2002.5.9)
【出願人】(503412584)
【Fターム(参考)】