説明

構造化タンパク質製品を含むシーフード組成物

本発明は、シーフード肉組成物および疑似シーフード肉組成物を提供する。特に、シーフード肉組成物は、他の原料と共に、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年4月10日に出願された米国仮特許出願第60/910,903号、および2008年3月31日に出願された米国非仮特許出願第12/059,432号(参照によってこれらの全体が本明細書に援用される)からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、構造化タンパク質製品を含み、そして場合によりシーフード肉を含んでもよいシーフード組成物および疑似シーフード組成物を提供する。特に、シーフード組成物は通常、シーフード肉ならびに場合により主要栄養素、微量栄養素、および他の原料と共に、構造化タンパク質製品を含む。
【背景技術】
【0003】
食品科学者は、種々の源からの様々な種類のタンパク質から、魚および貝などの容認できるシーフード肉様食品を調製する方法の開発に時間と資産を費やしている。高タンパク質混合物の押出成形は、これらのシーフード肉類似品を形成するために広く用いられている。高タンパク質押出物によっては、他の高タンパク質押出物よりもはるかに多くのシーフード肉様の特徴を有するものもあるが、多くのものは薄ベージュ色または淡黄色であるという不都合を有する。多くの場合、シーフード肉類似品はシーフード肉と混合することができ、混合物は最終シーフード肉製品の色に似ているように着色することができるが、テクスチャおよび味覚は本物のシーフードに類似していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、シーフード肉の繊維構造をシミュレートし、全てのシーフード肉製品のテクスチャ、味覚、口あたり、および色を模倣するシーフード肉類似品の必要性はまだ満たされていない。例えば、魚ステーキ、パティ、スティック、ナゲット、フィレット、ひき肉、または任意の他のシーフード製品などのシーフード肉製品に類似し得るシーフード肉類似品を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、シーフード肉と、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化植物タンパク質製品とを含むシーフード肉組成物を提供する。
【0006】
シーフード肉および類似シーフード肉組成物は、一般に、強化剤(firming agent)も含み得る。
【0007】
本発明の別の態様は、構造化タンパク質製品を含む疑似シーフード肉組成物を提供する。構造化タンパク質製品は、植物タンパク質含有材料をダイアセンブリから押し出し、それにより、押出物が実質的に整列したタンパク質繊維を有することによって形成される。
【0008】
本発明のさらなる態様は、シーフード肉組成物または類似シーフード肉組成物の製造方法を提供する。この方法は、ある量のシーフード肉と、主要栄養素、微量栄養素、着色剤、および風味剤などの他の任意的な原料とを場合により含み得るある量のタンパク質製品を押し出して、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を製造することを含む。
【0009】
本発明のその他の態様および特徴は、以下でさらに詳細に説明される。
【0010】
カラー図面の参照
本出願書類はカラーで作成された少なくとも1枚の写真を含有する。カラー写真付きの本特許出願公報のコピーは、要求および必要な手数料の支払いに応じて特許庁により提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実質的に整列したタンパク質繊維を有する本発明の構造化タンパク質製品を示す顕微鏡写真の画像を示す。
【図2】本発明の方法で製造されなかったタンパク質製品を示す顕微鏡写真の画像を示す。タンパク質製品を構成するタンパク質繊維は、本明細書に記載されるように交差している。
【図3】タンパク質含有材料の押出成形法において使用することができる周囲ダイアセンブリの一実施形態の斜視図を示す。
【図4】ダイインサート、ダイスリーブ、およびダイコーンを示す周囲ダイアセンブリの分解図を示す。
【図5】ダイスリーブ、ダイインサート、およびダイコーン構成の間に画定された流路を示す断面図を示す。
【図5A】流路およびダイスリーブの排出口の間の相互作用を示す図5拡大断面図を示す。
【図6】ダイコーンのない周囲ダイアセンブリの一実施形態の断面図を示す。
【図7】ダイインサートの斜視図を示す。
【図8】ダイインサートの平面図を示す。
【図9】TiO2を含む(A)およびTiO2を含まない(B)本発明のシーフードパティのカラー写真の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、シーフード肉組成物または疑似シーフード肉組成物(シーフード肉類似組成物)と、シーフード肉組成物のそれぞれの製造方法とを提供する。シーフード肉組成物は、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を含む。構造化タンパク質製品は、押出物が実質的に整列したタンパク質繊維を有するように、タンパク質含有材料をダイアセンブリから押し出すことによって形成される。有利に、実施例で示されるように、本発明のシーフード肉組成物は改善された風味、テクスチャ、口あたり、芳香、および栄養特性を有する。
【0013】
付加的な実施形態では、構造タンパク質製品は、着色押出物が実質的に整列したタンパク質繊維を有するように、タンパク質含有材料および少なくとも1種の着色剤をダイアセンブリから押し出すことによって形成される。
【0014】
(I)シーフード肉組成物および疑似シーフード肉組成物
本発明の一態様は、構造化タンパク質製品およびシーフード肉を含むシーフード肉組成物を提供する。本発明の別の態様は、構造化タンパク質製品を含む疑似シーフード肉組成物を提供する。構造化タンパク質製品の組成および特性は、以下のセクション(I)Aにおいて詳述される。構造化タンパク質製品はシーフード肉と同様の形で実質的に整列したタンパク質繊維を有するので、通常、本発明の食肉組成物は、100%シーフード肉で構成された組成物のテクスチャおよび食味特性を有する。
【0015】
本発明のシーフード肉組成物および疑似シーフード肉組成物は、従来の方法で栽培された原料を含んでもよいし、あるいは食肉組成物は有機栽培された原料を含んでもよい。さらに、シーフード肉組成物は、kosherおよび/またはHalalの認定原料を含んでもよい。さらに、疑似シーフード肉組成物は完全に植物由来の原料を含み、従ってビーガンであってもよい。反対に、疑似シーフード肉組成物は植物、乳製品、および/または卵に由来する原料を含み、従って、ラクト−、オボ−、またはラクト−オボ−ベジタリアンであってもよい。
【0016】
A.構造化タンパク質製品
構造化タンパク質製品は、以下に記載されるように、実質的に整列したタンパク質繊維を有する。構造化タンパク質製品は、押出物が実質的に整列したタンパク質繊維を有するように、高い温度および圧力の条件下でタンパク質含有材料をダイアセンブリから押し出すことによって製造される。以下に記載されるように様々なタンパク質含有材料を使用して、構造化タンパク質製品を製造することができる。タンパク質含有材料は、植物、シーフード、または他の動物源に由来し得る。さらに、種々の源からのタンパク質含有材料の組み合わせを一緒に使用して、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を製造することができる。
【0017】
(a)タンパク質含有材料
上記のように、タンパク質含有材料は様々な源から得ることができ、そしてさらに、これらを熱プラスチック押出成形法で用いて、シーフード肉および疑似シーフード肉組成物中で使用するのに適した構造化タンパク質製品を製造することができる。その源または原料の分類に関係なく、押出成形法で用いられる原料は、通常、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を形成することができる。このような原料の適切な例は、以下にさらに十分に詳述される。
【0018】
使用される原料中に存在するタンパク質の量は用途によって異なることが可能であり、異なるであろう。例えば、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約40重量%〜約100重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約50重量%〜約100重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約60重量%〜約100重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約70重量%〜約100重量%の範囲であり得る。さらに別の実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約80重量%〜約100重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約90重量%〜約100重量%の範囲であり得る。
【0019】
タンパク質を含有する様々な原料を熱プラスチック押出成形法で用いて、シーフード肉疑似食肉組成物中で使用するのに適した構造化タンパク質製品を製造することができる。植物由来のタンパク質を含む原料が通常使用されるが、本発明の範囲から逸脱することなく動物源などの他の源に由来するタンパク質が使用され得ることも想定される。例えば、カゼイン、カゼイン塩、乳清タンパク質、およびこれらの混合物からなる群から選択される乳タンパク質が使用され得る。例示的な実施形態では、乳タンパク質は乳清タンパク質である。さらなる例として、オボアルブミン、オボグロブリン、オボムチン、オボムコイド、オボトランスフェリン、オボビテラ(ovovitella)、オボビテリン、アルブミン、グロブリン、ビテリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される卵タンパク質が使用され得る。さらに、コラーゲン、血液、内臓肉、機械的に分離した食肉、部分的に脱脂した組織、血清タンパク質、およびこれらの組み合わせからなる食肉タンパク質またはタンパク質原料が、構造化タンパク質製品の原料の1つまたは複数として含まれてもよい。
【0020】
タンパク質に加えて他の原料タイプが使用され得ることが想定される。このような原料の非限定的な例としては、糖、デンプン、オリゴ糖、大豆繊維、他の食物繊維、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0021】
いくつかの実施形態では、タンパク質としてグルテンが使用され得るが、タンパク質含有出発材料はグルテンを含まないことも想定される。さらに、タンパク質含有出発材料は小麦粉を含まないことも想定される。グルテンは通常押出成形法においてフィラメント形成で使用されるので、グルテンを含まない出発材料が使用される場合には、フィラメント形成を容易にするために食用架橋剤が使用されてもよい。適切な架橋剤の非限定的な例としては、コンニャクグルコマンナン(KGM)粉、Kirin Food−Tech Company(日本)製のベータグルカン、トランスグルタミナーゼ、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびこれらの組み合わせが挙げられる。当業者は、グルテンを含まない実施形態においてもしあれば、必要とされる架橋材料の量を容易に決定することができる。
【0022】
その源または原料の分類に関係なく、押出成形法で用いられる原料は、通常、実質的に整列したタンパク質繊維を有する押出物を形成することができる。このような原料の適切な例は、以下にさらに十分に詳述される。
【0023】
(i)植物タンパク質含有材料
例示的な実施形態では、植物に由来する少なくとも1種の原料を使用して、構造化タンパク質製品を形成することができる。一般的に言えば、原料はタンパク質を含み得る。植物に由来するタンパク質含有材料は、植物抽出物、植物ミール、植物由来粉、植物タンパク質単離物、植物タンパク質濃縮物、およびこれらの組み合わせであり得る。
【0024】
押出成形において使用される原料は、様々な適切な植物から得ることができる。植物は従来の方法で栽培されてもよいし、有機栽培されてもよい。非限定的な例として、適切な植物には、アマランス、クズウコン、大麦、ソバ、キャッサバ、キャノーラ、ヒヨコマメ(ガルバンゾ)、トウモロコシ、カムート、ヒラマメ、ルピナス、キビ、オート麦、エンドウ豆、ピーナツ、ポテト、キノア、米、ライ麦、モロコシ属、ヒマワリ、タピオカ、ライ小麦、小麦、またはこれらの混合物が含まれる。例示的な植物には、大豆、小麦、キャノーラ、トウモロコシ、ルピナス、オート麦、エンドウ豆、ポテト、および米が含まれる。
【0025】
一実施形態では、原料は小麦および大豆から単離され得る。別の例示的な実施形態では、原料は大豆から単離され得る。さらなる実施形態では、原料は小麦から単離され得る。適切な小麦由来タンパク質含有原料には、小麦グルテン、小麦粉、およびこれらの混合物が含まれる。本発明において使用することができる市販の小麦グルテンの例としては、Manildra Gem of the West Vital Wheat GlutenおよびManildra Gem of the West Organic Vital Wheat Glutenが挙げられ、これらはそれぞれManildra Millingから入手可能である。適切な大豆由来タンパク質含有原料(「大豆タンパク質材料」)は、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、およびこれらの混合物を含み、これらはそれぞれ以下で詳述される。
【0026】
例示的な実施形態では、上記で詳述したように、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、およびこれらの混合物を押出成形法で用いることができる。大豆タンパク質材料は、当該技術分野において一般に知られている方法に従って、全大豆から得ることができる。全大豆は、標準の大豆(すなわち、非遺伝子改変大豆)、有機大豆、商品化された大豆、遺伝子改変大豆、およびこれらの組み合わせでよい。
【0027】
一実施形態では、大豆タンパク質材料は、大豆タンパク質単離物(ISP)であり得る。一般に、大豆タンパク質単離物は、無水ベースで少なくとも約90%の大豆タンパク質のタンパク質含量を有する。一般的に言えば、大豆タンパク質単離物が使用される場合、好ましくは、高度に加水分解された大豆タンパク質単離物でない単離物が選択される。しかしながら、特定の実施形態では、他の大豆タンパク質単離物と併用して、高度に加水分解された大豆タンパク質単離物が使用されてもよいが、合わせた大豆タンパク質単離物のうちの高度に加水分解された大豆タンパク質単離物の含量は、通常、合わせた大豆タンパク質単離物の約40重量%未満であることを条件とする。さらに、使用される大豆タンパク質単離物は、好ましくは、押出成形の際に単離物中のタンパク質が実質的に整列した繊維を形成できるようにするために十分なエマルジョン強度およびゲル強度を有する。本発明において有用な大豆タンパク質単離物の例は、例えば、Solae,LLC(St.Louis、MO)から市販されており、SUPRO(登録商標)500E、SUPRO(登録商標)EX33、SUPRO(登録商標)620、SUPRO(登録商標)EX45、SUPRO(登録商標)595、およびこれらの組み合わせを含む。例示的な実施形態では、SUPRO(登録商標)620の形態は実施例3において詳述されるように用いられる。
【0028】
あるいは、大豆タンパク質材料源として、大豆タンパク質単離物の一部の代わりになるために、大豆タンパク質濃縮物が大豆タンパク質単離物とブレンドされてもよい。通常、大豆タンパク質濃縮物が大豆タンパク質単離物の一部の代わりに使用される場合、大豆タンパク質濃縮物は、最大でも大豆タンパク質単離物の約55重量%までの代わりに使用される。大豆タンパク質濃縮物は、大豆タンパク質単離物の約50重量%までの代わりに使用することができる。実施形態では、大豆タンパク質単離物の代わりに40重量%の大豆タンパク質濃縮物を使用することも可能である。別の実施形態では、代用される大豆タンパク質濃縮物の量は、大豆タンパク質単離物の約30重量%までである。本発明において有用な適切な大豆タンパク質濃縮物の例としては、PROCONTM2000、ALPHATM12、ALPHATM5800、およびこれらの組み合わせが挙げられ、これらはSolae,LLC(St.Louis、MO)から市販されている。
【0029】
さらに別の実施形態では、大豆タンパク質材料は、無水ベースで約49%〜約65%のタンパク質含量を有する大豆粉であってもよい。あるいは、大豆粉は、大豆タンパク質単離物または大豆タンパク質濃縮物とブレンドされてもよい。大豆粉が大豆タンパク質単離物の一部の代わりに使用される場合、大豆粉は、大豆タンパク質単離物の約35重量%までの代わりに使用される。大豆粉は、高タンパク質分散指数(PDI)の大豆粉でなければならない。大豆粉が使用される場合、出発材料は、好ましくは、脱脂した大豆の粉またはフレークである。全脂大豆は、約40重量%のタンパク質および約20重量%の油を含有する。これらの全脂全大豆は、脱脂大豆粉またはフレークが出発タンパク質材料を形成する場合には、従来の方法によって脱脂され得る。例えば、豆は洗浄され、皮が剥かれ、破砕され、一連のフレーキングロールを通過させられ、そして次に、油を抽出して「使用済フレーク」を製造するためにヘキサンまたは他の適切な溶媒の使用による溶媒抽出を受けることができる。脱脂フレークは大豆粉を製造するために粉砕されてもよい。この方法はまだ全脂大豆粉と共に使用されていないが、全脂大豆粉もタンパク質源として役立つことができると考えられている。しかしながら、全脂大豆粉が加工される場合、油を除去するために、3段階遠心分離などの分離工程を用いる必要がある可能性が最も高い。
【0030】
当該技術分野において既知の繊維はどれも、この用途における繊維源として使用することができる。大豆子葉繊維は、場合により、繊維源として使用され得る。一般に、大豆タンパク質および大豆子葉繊維の混合物が押し出される場合、適切な大豆子葉繊維は通常水と有効に結合し得る。これに関連して、「水と有効に結合する」は、一般に、大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも5.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有し、好ましくは大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも約6.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有することを意味する。大豆タンパク質材料中に存在する場合、大豆子葉繊維は、一般に、無水ベースで約1%〜約20%、好ましくは無水ベースで約1.5%〜約20%、そして最も好ましくは無水ベースで約2重量%〜約5重量%の範囲の量で大豆タンパク質材料中に存在し得る。適切な大豆子葉繊維は市販されている。例えば、FIBRIM(登録商標)1260およびFIBRIM(登録商標)2000は、Solae,LLC(St.Louis、MO.)から市販されている大豆子葉繊維材料である。
【0031】
(ii)動物タンパク質含有材料
シーフード肉組成物は、構造化植物タンパク質製品に加えて、動物肉も含むことができる。様々な動物肉がタンパク質源として適している。食肉が得られる動物は従来の方法で飼育されてもよいし、有機的に飼育されてもよい。例として、種々の構造化植物性タンパク質特許のために特に定義される食肉および食肉原料には、完全なままのあるいは挽いた牛肉、豚肉、子羊肉、羊肉、馬肉、ヤギ肉、家禽(ニワトリ、アヒル、ガチョウまたは七面鳥などの飼いならされた鳥)の肉、脂肪および皮、そしてより具体的には、任意の鳥(任意の鳥類)からの身の組織、淡水および海水の両方から得られる魚の身、貝類および甲殻類由来の動物の身、凍結した魚、チキン、牛肉、豚肉などの切断からの凍結残渣などの加工から得られる動物の身のトリムおよび動物組織、鶏皮、豚皮、魚皮、牛脂肪、豚脂肪、子羊脂肪、鶏脂肪、七面鳥脂肪などの動物性脂肪、ラードおよび獣脂などのレンダリングした動物性脂肪、風味強化動物性脂肪、分割またはさらに加工した動物性脂肪組織、微細テクスチャ化した牛肉、微細テクスチャ化した豚肉、微細テクスチャ化した子羊肉、微細テクスチャ化したチキン、低温レンダリングした牛肉および低温レンダリングした豚肉などの低温レンダリングした動物組織、機械的に分離した牛肉、機械的に分離した豚肉、機械的に分離した魚(すり身を含む)、機械的に分離したチキン、機械的に分離した七面鳥などの機械的に分離した食肉または機械的に脱骨した食肉(MDM)(種々の機械的手段によって骨から除去された肉の身)、任意の調理した動物の身、任意の動物種に由来する内臓肉、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。肉の身は、動物組織の塩分画から得られる筋肉タンパク質画分、動物筋肉または食肉の等電分画および沈殿から得られるタンパク質原料、および高温骨抜きした食肉、ならびに機械的に調製したコラーゲン組織およびゼラチンを含むように拡張されるべきである。さらに、水牛、シカ、ヘラジカ、ムース、トナカイ、カリブー、レイヨウ、ウサギ、クマ、リス、ビーバー、マスクラット、フクロネズミ、アライグマ、アルマジロおよびヤマアラシなどの狩猟動物、ならびにヘビ、カメ、トカゲなどの爬虫類生物、そしてこれらの組み合わせの食肉、脂肪、結合組織および内臓肉も食肉と考えられるべきである。
【0032】
さらなる実施形態では、動物肉は魚またはシーフードからのものでもよい。適切な魚の非限定的な例としては、バス、コイ、ナマズ、スギ、タラ、ハタ、カレイ、ハドック、ホキ、パーチ、ポラック、サケ、フエダイ、ヒラメ、マス、マグロ、ホワイトフィッシュ、ホワイティング、テラピア、およびこれらの組み合わせが挙げられる。シーフードの非限定的な例としては、ホタテガイ、エビ、ロブスター、クラム、カニ、イガイ、カキ、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
様々な食肉品質に加えて、魚種において見られるタンパク質分解酵素のために現在は使用されていない様々な魚種がシーフード組成物中で使用され得ることも想定される。特定の魚種は、ミオシンの急速な分解を引き起こす、ある量のタンパク質分解酵素を含有する。分解は、貯蔵(冷凍貯蔵を含む)中や、魚から製造された魚製品の調理時を含む魚の加工中にいつでも起こり得る。ミオシンの急速な分解は、調理済みまたは未調理の魚の組織および/または筋肉がやわらかいテクスチャおよび消費者にとって容認できない口あたりを有する魚製品を生じる。本発明のシーフード組成物の実施形態では、使用される魚またはシーフードは、業界で知られているタンパク質分解酵素を有する魚種(アロートゥース・フラウンダー(Arrowtooth flounder)を含むがこれに限定されない)であってもよい。
【0034】
本発明において様々な食肉品質が用いられ得ることも想定される。食肉は、筋肉組織、臓器組織、結合組織、皮、およびこれらの組み合わせを含むことができる。食肉は、人間が消費するのに適した任意の食肉であり得る。食肉は、レンダリングしていない非乾燥の生肉、生肉製品、生肉副産物、およびこれらの混合物でもあり得る。例えば、挽くかまたは厚切りにするか、もしくはステーキ形態の全食肉筋肉も用いることができる。別の実施形態では、食肉は、まず骨を破砕して動物組織を付着させ、次にふるいまたは同様のスクリーニング装置を通して動物組織(骨ではなく)を押し出すことによって、動物組織から骨を分離する高圧機械を用いて機械的に脱骨または分離された生肉であってもよい。この方法は、バターのような粘稠度を有する構造化されていないペースト様の柔らかい動物組織のブレンドを形成し、一般に、機械的に脱骨された食肉またはMDMと呼ばれる。付加的な実施形態では、シーフード肉は、典型的なMDM法、もしくは魚または貝などのシーフード肉を骨または貝殻から分離するために当該技術分野において知られている任意の方法によって得ることができる。あるいは、食肉は食肉副産物であってもよい。本発明との関連では、「食肉副産物」という用語は、屠殺された動物、魚、および貝の屠殺体のレンダリングしていない部分を指すことが意図される。食肉副産物の例は、肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、部分的に脱脂された低温脂肪組織、胃、その内容物を含まない腸などの臓器および組織である。
【0035】
タンパク質源は、動物組織以外の動物由来のタンパク質であってもよい。例えば、タンパク質含有材料は乳製品に由来してもよい。適切な乳タンパク質製品としては、脂肪を含まない乾燥乳粉末、全乳粉、液乳、乳タンパク質単離物、乳タンパク質濃縮物、カゼインタンパク質単離物、カゼインタンパク質濃縮物、カゼイン塩、乳清タンパク質単離物、乳清タンパク質濃縮物、およびこれらの組み合わせが挙げられる。乳タンパク質含有材料は、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ラクダ、ラクダ科動物、ヤク、または水牛に由来し得る。例示的な実施形態では、乳タンパク質は乳清タンパク質である。
【0036】
さらなる例として、タンパク質含有材料は卵製品に由来してもよい。適切な卵タンパク質製品には、粉末卵、乾燥卵固形分、乾燥卵白タンパク質、液体卵白タンパク質、卵白タンパク質粉末、単離オボアルブミンタンパク質、およびこれらの組み合わせが含まれる。適切な単離卵タンパク質の例としては、オボアルブミン、オボグロブリン、オボムチン、オボムコイド、オボトランスフェリン、オボビテラ、オボビテリン、アルブミン、グロブリン、ビテリン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。卵タンパク質製品は、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、または他の鳥の卵に由来し得る。
【0037】
(iii)タンパク質含有材料の組み合わせ
様々な源から単離されるタンパク質含有材料の非限定的な組み合わせは、表Aに詳述される。一実施形態では、タンパク質含有材料は大豆に由来する。好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆および小麦に由来する材料の混合物を含む。別の好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆およびキャノーラに由来する材料の混合物を含む。さらに別の好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆、小麦、および乳製品に由来する材料の混合物を含み、ここで、乳タンパク質は乳清である。
【0038】

【0039】
(表A続き)

【0040】
(表A続き)

【0041】
(b)付加的な原料
(i)炭水化物
タンパク質に加えて他の原料添加剤も構造化タンパク質製品中で使用され得ることが想定される。このような原料の非限定的な例としては、糖、デンプン、オリゴ糖、および食物繊維が挙げられる。一例として、デンプンは、小麦、トウモロコシ、タピオカ、ポテト、米などに由来し得る。適切な繊維源は、大豆子葉繊維であり得る。一般に、大豆タンパク質および大豆子葉繊維の混合物が同時押出成形される場合、適切な大豆子葉繊維は通常水と有効に結合し得る。これに関連して、「水と有効に結合する」は、一般に、大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも5.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有し、好ましくは大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも約6.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有することを意味する。大豆子葉繊維は、一般に、無水ベースで約1重量%〜約20重量%、好ましくは約1.5重量%〜約20重量%、そして最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の範囲の量で大豆タンパク質含有材料中に存在し得る。適切な大豆子葉繊維は市販されている。例えば、FIBRIM(登録商標)1260およびFIBRIM(登録商標)2000は、Solae,LLC(St.Louis,MO.)から市販されている大豆子葉繊維材料である。
【0042】
表Aに示される実施形態のそれぞれにおいて、タンパク質含有材料の組み合わせは、デンプン、小麦粉、グルテン、食物繊維、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種または複数の原料と混ぜ合わせることができる。一実施形態では、タンパク質含有材料は、タンパク質、デンプン、グルテン、および繊維を含む。例示的な実施形態では、タンパク質含有材料は、乾燥物質ベースで約45%〜約65%の大豆タンパク質、乾燥物質ベースで約20%〜約30%の小麦グルテン、乾燥物質ベースで約10%〜約15%の小麦デンプンおよび乾燥物質ベースで約1%〜約5%の繊維を含む。上述の実施形態のそれぞれにおいて、タンパク質含有材料は、リン酸二カルシウム、L−システイン、またはリン酸二カルシウムおよびL−システインの組み合わせを含んでもよい。
【0043】
(ii)pH調整剤
いくつかの実施形態では、タンパク質含有材料のpHを酸性pH(すなわち、約7.0よりも低い)に調整することが望ましいこともある。従って、タンパク質含有材料はpH低下剤と接触させることができ、次に、混合物は以下で詳述される方法に従って押し出される。一実施形態では、押し出されるタンパク質含有材料のpHは約6.0〜約7.0の範囲でよい。別の実施形態では、pHは約5.0〜約6.0の範囲でよい。代替の実施形態では、pHは約4.0〜約5.0の範囲でよい。さらに別の実施形態では、材料のpHは約4.0未満でよい。
【0044】
いくつかのpH低下剤は本発明で使用するのに適している。pH低下剤は有機でよい。あるいは、pH低下剤は無機でもよい。例示的な実施形態では、pH低下剤は食品グレードの食用酸である。本発明で使用するのに適した非限定的な酸としては、酢酸、乳酸、塩酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な実施形態では、pH低下剤は乳酸である。
【0045】
当業者により認識されるように、タンパク質含有材料と接触されるpH低下剤の量は、選択される薬剤および所望のpHを含むいくつかのパラメータに依存して異なることが可能であり、異なるであろう。一実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.1%〜約15%の範囲でよい。別の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.5%〜約10%の範囲でよい。代替の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約1%〜約5%の範囲でよい。さらに別の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約2%〜約3%の範囲でよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、タンパク質含有材料のpHを上昇させることが望ましいこともある。従って、タンパク質含有材料はpH上昇剤と接触させることができ、次に、混合物は以下で詳述される方法に従って押し出される。
【0047】
(iii)酸化防止剤
本発明の範囲から逸脱することなく、上述のタンパク質含有材料の組み合わせのいずれかに1種または複数の酸化防止剤が添加されてもよい。酸化防止剤は、貯蔵寿命を長くするため、あるいは構造化タンパク質製品を栄養的に強化するために含まれ得る。適切な酸化防止剤の非限定的な例としては、BHA、BHT、TBHQ、ビタミンA、CおよびEならびに誘導体、酸化防止剤特性を有するカロテノイド、トコフェロールまたはフラボノイドを含有するものなどの種々の植物抽出物、そしてこれらの組み合わせが挙げられる。酸化防止剤は合わせて、押出され得るタンパク質含有材料の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、そしてより好ましくは約0.1重量%〜約2重量%のレベルの存在量を有し得る。
【0048】
(iv)ミネラルおよびアミノ酸
タンパク質含有材料は、場合により、補足的なミネラルを含むこともできる。適切なミネラルは、1種または複数のミネラルまたはミネラル源を含み得る。ミネラルの非限定的な例としては、塩素、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、セレン、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。前述のミネラルのいずれかの適切な形態には、可溶性ミネラル塩、わずかに可溶性のミネラル塩、不溶性ミネラル塩、キレート化ミネラル、ミネラル錯体、カルボニルミネラルなどの非反応性ミネラル、還元ミネラル、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0049】
遊離アミノ酸もタンパク質含有材料中に含まれ得る。適切なアミノ酸には、必須アミノ酸、すなわち、アルギニン、システイン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、およびこれらの組み合わせが含まれる。アミノ酸の適切な形態には、塩およびキレートが含まれる。
【0050】
(v)着色剤
構造化タンパク質製品は少なくとも1種の着色剤を含むこともできる。着色剤は、押出成形機内に供給する前にタンパク質含有材料および他の原料と混合することができる。あるいは、着色剤は、押出成形機に供給した後でタンパク質含有材料および他の原料と混ぜ合わせてもよい。押出成形法で用いられる熱または熱および圧力の存在下で、着色剤およびタンパク質含有材料の組み合わせによっては予期しない色が生じることもある。一例として、カルミン(可溶性染料またはレーキ)が押出成形法でタンパク質含有材料と接触されると、色が赤色からスミレ色/紫色に変化する。
【0051】
着色剤は、天然着色剤、天然着色剤の組み合わせ、人工着色剤、人工着色剤の組み合わせ、または天然および人工着色剤の組み合わせであり得る。食品における使用が認可された天然着色剤の適切な例としては、アンナット(赤みを帯びたオレンジ)、アントシアニン(赤〜青、pHに依存)、ビートジュース、β−カロテン(オレンジ)、β−APO 8 カロテナール(オレンジ)、クロフサスグリ、バーントシュガー(burnt sugar)、カンタキサンチン(ピンク−赤)、カラメル、カルミン/カルミン酸(鮮やかな赤)、コチニール抽出物(赤)、クルクミン(黄−オレンジ)、ラック(深紅)、ルテイン(赤−オレンジ)、リコペン(オレンジ−赤)、混合カロテノイド(オレンジ)、モナスカス(monascus)(赤−紫、発酵赤米から)、パプリカ、赤キャベツジュース、リボフラビン(黄)、サフラン、二酸化チタン(白)、およびターメリック(黄−オレンジ)が挙げられる。米国において食品使用が認可された人工着色剤の適切な例としては、FD&C Red No.3(エリスロシン)、FD&C Red No.40(アルラレッド)、FD&C Yellow No.5(タートラジン)、FD&C Yellow No.6(サンセットイエロー FCF)、FD&C Blue No.1(ブリリアントブルー)、FD&C Blue No.2(インジゴチン)が挙げられる。他の国で使用され得る人工着色剤としては、CI Food Red 3(カルモイシン)、CI Food Red 7(ポンソー4R)、CI Food Red 9(アマランス)、CI Food Yellow 13(キノリンイエロー)、およびCI Food Blue 5(パテントブルーV)が挙げられる。食品着色剤は染料でもよく、これは水溶性の粉末、顆粒、または液体である。あるいは、天然および人工食品着色剤は、染料および不溶性材料の組み合わせであるレーキ顔料でもよい。レーキ顔料は油溶性ではないが、油に分散性であり、分散によって薄く着色する。
【0052】
適切な着色剤は様々な形態でタンパク質含有材料と混ぜ合わせることができる。非限定的な例としては、固体、半固体、粉末、液体、およびゼラチンが挙げられる。使用される着色剤の種類および濃度は、使用されるタンパク質含有材料および着色構造化タンパク質製品の所望の色に依存して異なり得る。通常、着色剤の濃度は、約0.001重量%〜約5.0重量%の範囲であり得る。一実施形態では、着色剤の濃度は、約0.01重量%〜約4.0重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、着色剤の濃度は、約0.05重量%〜約3.0重量%の範囲であり得る。さらに別の実施形態では、着色剤の濃度は、約0.1重量%〜約3.0重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、着色剤の濃度は、約0.5重量%〜約2.0重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、着色剤の濃度は、約0.75重量%〜約1.0重量%の範囲であり得る。
【0053】
(c)構造化タンパク質製品の製造
本発明の構造化タンパク質製品は、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を生じる高い温度および圧力の条件下で、タンパク質含有材料をダイアセンブリから押し出すことによって製造される。別の実施形態では、タンパク質含有材料は、押出成形機に入れられる前に少なくとも1種の着色剤と混ぜ合わせることができる。押出成形の後、得られる構造化タンパク質製品は実質的に整列したタンパク質繊維を含む。
【0054】
(i)含水量
当業者により認識されるように、タンパク質含有材料の含水量は押出成形法に依存して異なることが可能であり、異なるであろう。一般的に言えば、含水量は約1重量%〜約80重量%の範囲でよい。低水分の押出用途では、タンパク質含有材料の含水量は約1重量%〜約35重量%の範囲でよい。あるいは、高水分の押出用途では、タンパク質含有材料の含水量は約35重量%〜約80重量%の範囲でよい。例示的な実施形態では、押出物を形成するために用いられる押出用途は低水分である。実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を製造するための低水分押出成形法の例示的な例は、以下および実施例3において詳述される。
【0055】
(ii)タンパク質含有材料の押出成形
本発明の構造化タンパク質製品は、高い温度および圧力の条件下でタンパク質含有材料をダイアセンブリから押し出すことによって製造される。付加的な実施形態では、少なくとも1種の着色剤は、押出成形法の前または最中にタンパク質含有材料と混ぜ合わせることができる。タンパク質含有材料および着色剤が混ぜ合わせられる時点に関係なく、着色剤の濃度は、一般に、約0.001重量%〜約5.0重量%の範囲である。使用される着色剤の種類および濃度は、使用されるタンパク質含有材料、着色構造化タンパク質製品の所望の色、およびこの方法の着色剤が導入される時点に依存して異なり得る。
【0056】
構造化タンパク質製品を調製するために適切な押出成形法は、タンパク質含有材料および他の原料を混合タンク(すなわち、原料ブレンダ)内に導入し、原料を混ぜ合わせて、ブレンドされたタンパク質材料プレミックスを形成することを含む。ブレンドされたタンパク質材料プレミックスは次にホッパーに移され、ブレンドされた原料は、そこから水分と共に押出成形機内に導入され得る。別の実施形態では、ブレンドされたタンパク質材料プレミックスは、調整済タンパク質材料混合物を形成するために調整剤と混ぜ合わせることができる。次に、調整済材料は、押出成形機内に供給することができ、タンパク質材料混合物はそこで押出成形機のスクリューにより生じる機械的圧下で加熱されて、溶融押出塊を形成する。押出物は押出ダイを通って押出成形機を出て行き、実質的に整列したタンパク質繊維を含む。
【0057】
(iii)押出成形法の条件
本発明の実施において有用である適切な押出成形装置の中には、例えば、米国特許第4,600,311号明細書に記載されるようなダブルバレルのツインスクリュー押出成形機がある。適切な市販の押出成形装置のさらなる例としては、CLEXTRAL Model BC−72押出成形機(Clextral,Inc.(Tampa,Florida)により製造される)、WENGER Model TX−57押出成形機、WENGER Model TX−168押出成形機、およびWENGER Model TX−52押出成形機(全てWenger Manufacturing,Inc.(Sabetha,Kansas)により製造される)が挙げられる。本発明における使用に適した他の従来の押出成形機は、例えば、米国特許第4,763,569号明細書、米国特許第4,118,164号明細書、および米国特許第3,117,006号明細書に記載されており、これらは参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0058】
シングルスクリュー押出成形機も本発明において使用され得る。適切な市販のシングルスクリュー押出成形装置の例としては、WENGER Model X−175、WENGER Model X−165、およびWENGER Model X−85が挙げられ、これらは全て、Wenger Manufacturing,Inc.から入手可能である。
【0059】
ツインスクリュー押出成形機のスクリューは、バレル内で同一または反対方向に回転することができる。同一方向のスクリューの回転はシングルフローと呼ばれ、反対方向のスクリューの回転はダブルフローまたはカウンター回転と呼ばれる。押出成形機のスクリューの速度は特定の装置に依存して異なり得るが、通常は、約250〜約450回転/分(rpm)である。一般に、スクリュー速度が増大するにつれて、押出物の密度は低下し得る。押出成形装置は、植物タンパク質材料の押出のための押出成形装置の製造業者により推奨されるように、シャフトおよびウォームセグメントから組み立てられたスクリューと、混合ローブ(lobe)およびリング型せん断ロック要素とを含有する。
【0060】
押出成形装置は一般に複数の加熱ゾーンを含み、タンパク質混合物は、押出ダイを通って押出成形装置を出て行く前に、機械的な圧力下で加熱ゾーン内を搬送される。連続する加熱ゾーンのそれぞれの温度は、通常、前の加熱ゾーンの温度を約10℃〜約70℃だけ上回る。一実施形態では、調整済プレミックスは押出成形装置内の4つの加熱ゾーンを通って移動され、溶融押出塊が約100℃〜約150℃の温度で押出ダイに入るように、タンパク質混合物は約100℃〜約150℃の温度に加熱される。当業者は、所望の特性を達成するために温度を調整して加熱または冷却できるであろう。通常、温度変化は作業入力によるものであり、突然起こり得る。
【0061】
押出成形機バレル内の圧力は、通常、約50psig〜約500psigの間であり、好ましくは約75psig〜約200psigの間である。一般に、最後の2つの加熱ゾーン内の圧力は、約100psig〜約3000psigであり、好ましくは約150psig〜約500psigの間である。バレル圧力は、例えば、押出成形機スクリュー速度、混合物のバレルへの供給速度、水のバレルへの供給速度、およびバレル内の溶融塊の粘度を含む多数の因子に依存する。
【0062】
水は押出成形機バレル内に注入され、植物タンパク質材料混合物を水和させ、タンパク質のテクスチャ化(texturization)を促進する。溶融押出塊の形成の補助として、水は可塑剤の働きをすることができる。水は、加熱ゾーンと連通する1つまたは複数の注入ジェットを介して押出成形機バレルに導入することができる。通常、バレル内の混合物は、約15重量%〜約30重量%の水を含有する。加熱ゾーンのいずれかへの水の導入速度は、一般に、所望の特性を有する押出物の製造を促進するために制御される。水のバレルへの導入速度が低下するにつれて、押出物の密度は低下することが観察されている。通常、タンパク質1kgあたり約1kg未満の水がバレルに導入される。好ましくは、タンパク質1kgあたり約0.1kg〜約1kgの水がバレルに導入される。
【0063】
(iv)任意選択の予備調整
予備調整器において、タンパク質含有材料、還元糖および他の原料(タンパク質含有混合物)は予備加熱され、水分と接触され、そして制御された温度および圧力条件下に保持されて、水分が個々の粒子に浸透して軟化できるようにする。予備調整工程は微粒子繊維状材料混合物のバルク密度を増大させ、その流動特性を改善する。予備調整器は、タンパク質の均一の混合と、予備調整器を通るタンパク質混合物の移動とを促進するために、1つまたは複数のパドルを含有する。パドルの形状および回転速度は、予備調整器の容量、押出成形機のスループットおよび/または予備調整器または押出成形機バレル内での混合物の所望の滞留時間に依存して大きく異なる。一般に、パドルの速度は約100〜約1300回転/分(rpm)である。攪拌は均一な水和および良好な混合を得るため十分高くなければならない。
【0064】
通常、タンパク質含有混合物は、プレミックスを水分(すなわち、スチームおよび/または水)と接触させることによって、押出成形装置内に導入される前に予備調整される。好ましくは、タンパク質含有混合物は、適切な水温を用いて予備調整器内で約25℃〜約80℃、より好ましくは約30℃〜約40℃の温度に加熱される。
【0065】
通常、タンパク質含有プレミックスは、予備調整器の速度およびサイズに応じて、約30〜約60秒分間調整される。プレミックスは、スチームおよび/または水と接触され、所望の温度を達成するためにほぼ一定のスチーム流量で予備調整器内で加熱される。水および/またはスチームはプレミックスを調整し(すなわち、水和させ)、その密度を増大させ、そしてタンパク質がテクスチャ化される押出成形機バレルに導入される前に妨害されることなく乾燥ミックスの流動性を促進する。低水分プレミックスが所望される場合、調整済プレミックスは約1%〜約35%(重量による)の水を含有することができる。高水分プレミックスが所望される場合、調整済プレミックスは、約35%〜約80%(重量による)の水を含有することができる。
【0066】
調整済プレミックスは通常、約0.25g/cm3〜約0.6g/cm3のバルク密度を有する。一般に、予備調整済タンパク質混合物のバルク密度がこの範囲内で上昇するにつれて、タンパク質混合物は加工が容易になる。現在これはこのような混合物が押出成形機のスクリュー間の空間の全てまたは大部分を占め、それによりバレルを通る押出塊の搬送を容易にするためであると考えられている。
【0067】
(v)押出成形法
乾燥プレミックスまたは調整済プレミックスは次に押出成形機内に供給され、混合物は加熱、せん断、そして最後に可塑化される。押出成形機は、任意の市販の押出成形機から選択することができ、スクリュー要素により混合物を機械的にせん断するシングルスクリュー押出成形機または好ましくはツインスクリュー押出成形機でよい。
【0068】
プレミックスが一般に押出成形装置に導入される速度は、特定の装置に依存して異なるであろう。一般に、プレミックスは、約75キログラム/分以下の速度で導入される。一般に、プレミックスの押出成形機への供給速度が増大するにつれて押出物の密度は低下することが観察されている。どんな押出成形機が使用されても、約50%過剰のモーター負荷で作動させるべきである。プレミックスが一般に押出成形装置に導入される速度は、特定の装置に依存して異なるであろう。通常、調整済プレミックスは、約16キログラム/分〜約60キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。別の実施形態では、調整済プレミックスは、20キログラム/分〜約40キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。調整済プレミックスは、約26キログラム/分〜約32キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。一般に、押出成形機へのプレミックスの供給速度が増大するにつれて押出物密度が低下することが観察されている。
【0069】
プレミックスは押出成形機によるせん断および圧力を受けて、混合物が可塑化される。押出成形機のスクリュー要素は混合物をせん断すると共に、混合物を押出成形機およびダイを通って前方に押し出すことによって押出成形機内に圧力を生じる。スクリューモーター速度は、スクリューにより混合物に加えられるせん断および圧力の量を決定する。好ましくは、スクリューモーター速度は、約200rpm〜約500rpm、より好ましくは約300rpm〜約450rpmの速度に設定され、これにより混合物は、少なくとも約20キログラム/分、より好ましくは少なくとも約40キログラム/分の速度で押出成形機内を移動される。好ましくは、押出成形機は約500〜約3000psigの押出成形機バレルの出口圧力を生じ、より好ましくは、約600〜約1000psigの押出成形機バレルの出口圧力が生じる。
【0070】
押出成形機は、混合物が押出成形機を通過する際に混合物の温度を制御し、混合物中のタンパク質をさらに変性させる。押出成形機を通過すると、変性タンパク質は再構築または再構成されて、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質材料を生じる。押出成形機は、混合物を約100℃〜約180℃の温度に加熱するための手段を含む。好ましくは、押出成形機内で混合物を加熱するための手段は押出成形機バレルジャケットを含み、スチームまたは水などの加熱または冷却手段をジャケット内に導入して、押出成形機を通過する混合物の温度を制御することができる。押出成形機は、押出成形機内の混合物にスチームを直接注入するためのスチーム注入ポートも含む。押出成形機は、押出成形機内の混合物に着色剤を直接注入するための着色剤注入ポートも含むことができる。押出成形機は、好ましくは、独立した温度に制御することができる多数の加熱ゾーンを含み、加熱ゾーンの温度は好ましくは、押出成形機内を通る際に混合物の温度を上昇させるように設定される。1つの実施形態では、押出成形機は4つの温度ゾーン構成で設定することができ、第1のゾーン(押出成形機の入口ポートに隣接)は約80℃〜約100℃の温度に設定され、第2のゾーンは約100℃〜135℃の温度に設定され、第3のゾーンは135℃〜約150℃の温度に設定され、そして第4のゾーン(押出成形機の出口ポートに隣接)は150℃〜180℃の温度に設定される。押出成形機は、所望されるように他の温度ゾーン構成で設定されてもよい。例えば、押出成形機は、5つの温度ゾーン構成で設定されてもよく、第1のゾーンは約25℃の温度に設定され、第2のゾーンは約50℃の温度に設定され、第3のゾーンは約95℃の温度に設定され、第4のゾーンは約130℃の温度に設定され、そして第5のゾーンは約150℃の温度に設定される。さらなる例として、押出成形機は6つの温度ゾーン構成で設定することができ、第1のゾーンは約90℃の温度に設定され、第2のゾーンは約100℃の温度に設定され、第3のゾーンは約105℃の温度に設定され、第4のゾーンは約100℃の温度に設定され、第5のゾーンは約120℃の温度に設定され、そして第6のゾーンは約130℃の温度に設定される。
【0071】
混合物は、押出成形機において溶融可塑化塊を形成する。ダイアセンブリは可塑化混合物が押出成形機の出口ポートからダイアセンブリへ流れることができるような構成で押出成形機に取り付けられ、ダイアセンブリを通って流れる際に可塑化混合物内のタンパク質繊維の実質的な整列が生じる。ダイアセンブリは、面板ダイまたは周囲ダイのいずれかを含むことができる。
【0072】
ダイ孔の幅および高さ寸法は、混合物の押出の前に、所望の寸法を有する繊維状材料の押出物を提供するように選択および設定される。ダイ孔の幅は、押出物が立体の塊肉からステーキヒレ肉までに似ているように設定することができ、ダイ孔の幅を広くすると、押出物の立体の塊のような性質が低下し、押出物のヒレ肉のような性質が高まる。好ましくは、ダイ孔の幅は、約5ミリメートル〜約40ミリメートルの幅に設定される。
【0073】
ダイ孔の高さ寸法は、押出物の所望の厚さを提供するように設定することができる。孔の高さは、非常に薄い押出物または厚い押出物を提供するように設定することができる。好ましくは、ダイ孔の高さは、約1ミリメートル〜約30ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル〜約16ミリメートルに設定され得る。
【0074】
また、ダイ孔は円形であり得ることも考えられる。ダイ孔の直径は、押出物の所望の厚さを提供するように設定することができる。孔の直径は、非常に薄い押出物または厚い押出物を提供するように設定することができる。好ましくは、ダイ孔の直径は、約1ミリメートル〜約30ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル〜約16ミリメートルに設定され得る。
【0075】
図面(図3〜8)を参照すると、図3には周囲ダイアセンブリの一実施形態が例示され、概略的に10で示される。周囲ダイアセンブリ10は、以下により詳細に論じられるように、押出物のタンパク質繊維の実質的に平行な整列が生じるように植物タンパク質−水混合物などの押出物を押し出すために、押出成形法において使用することができる。代替例では、押出物は食肉および/または植物タンパク質−水混合物から製造され得る。
【0076】
図3および4に示されるように、周囲ダイアセンブリ10は、2つの部分からなる円筒形状スリーブダイ本体17を有するダイスリーブ12を含み得る。スリーブダイ本体17は、反対側の開口部72、74と連通する内部領域31を集合的に画定するエンドプレート20に結合された後方部分18を含み得る。ダイスリーブ12は、押出成形法において周囲ダイアセンブリ10からの実質的に平行な押出物の流れを容易にするのに必要な構造要素を提供するために、ダイインサート14およびダイコーン16を受け入れるように適合され得る。
【0077】
一実施形態では、ダイスリーブ12のエンドプレート20は、周囲ダイアセンブリ10の組み立て中にエンドプレート20がダイスリーブ12の後方部分18に固定されたときに、ダイインサート14と相互作用するように適合されたダイコーン16に固定され得る。さらに示されるように、ダイスリーブ12の後方部分18は、押出成形法において押出物が周囲ダイアセンブリ10から出るための導管を提供するように適合された複数の円形状の排出口24をスリーブ本体17に沿って画定する。代替例では、複数の排出口24は、正方形、矩形、スカラップ形または不規則形などの異なる形状を有することができる。さらに示されるように、ダイスリーブ12の後方部分18は円形フランジ37を含むことができ、円形フランジ37は開口部72を包囲し、そしてダイスリーブ12を押出成形装置(図示せず)に係合するときにダイスリーブ12を適切に位置合わせするために使用される一対の反対側のスロット82Aおよび82Bを画定する。
【0078】
図3〜8を参照すると、ダイインサート14の一実施形態は円筒形状のダイインサート本体19を含むことができ、これは、後面および前面27、29の間に画定されたスロート34を通して反対側の後面29と連通する前面27を有する。ダイインサート14の前面27は複数の隆起した分流器38と連通する傾斜底部64を画定することができ、分流器38はダイインサート本体19の前面27の周囲に離間されており、スロート34と連通する内部空間44を包囲する。一実施形態では、分流器38はパイ状の形状を有し得るが、他の実施形態は周囲ダイアセンブリ10の排出口24を通る押出物の流れをそらして一箇所に集めるように適合された他の形状を有することができる。さらに、ダイインサート14の前面27は、それぞれの排出口24と連通するように適合された複数の開口部70を画定し、開口部70は、ダイインサート14の周囲エッジの周囲に離間されている。
【0079】
図3および4を参照すると、ダイインサート14の後面および前面27、29の間に画定されたスロート34は、ダイインサート本体19の後面29に沿って画定されたウェル52と連通する開口部36(図5)と連通する。一実施形態では、ウェル52は、フランジ90によって包囲された略ボウル形の形状を有する。ウェル52は、押出物が押出成形装置(図示せず)からダイインサート14に入るときに、押出物がスロート34に入り、開口部36を通って内部空間44(図7)内に流れて、実質的に平行な流れを有するのを可能にするように適合され得る。他の実施形態では、ウェル52は、押出物がダイインサート14の前面29に入るときにスロート34を通る押出物の実質的に平行な流れを可能にするために、適切な大きさにして様々な形状に形作ることができる。
【0080】
図7および8に具体的に示されるように、各分流器38は、頂端部66で合致する反対側の側壁50と連通する斜めの周囲エッジ46を有する湾曲後部68を画定する隆起した形状を有する。さらに、各分流器38は、ダイコーン16と相互作用するように適合されたパイ状の表面48を画定する。さらに示されるように、隣接する流器38の反対側の側壁50およびダイインサート14の底部64は、周囲ダイアセンブリ10が完全に組み立てられたときに流路40の一部を形成するテーパー状の流れ経路42を集合的に画定する。流れ経路42は一方の端で入口84と、そして流れ経路42の末端部でそれぞれの排出口24と連通し得る。
【0081】
さらに示されるように、各流れ経路42は、隣接する分流器38の反対側の側壁50およびダイインサート14の底部64傾斜形状の間に集合的に画定された3面テーパー形状を有する。一実施形態では、この3面テーパー形状は、入口84から排出口24への流れ経路42の3つ全ての側面において内側に徐々に細くなる。
【0082】
実施形態では、ダイインサート14の前面27は、全部で8つの流れ経路42のために、隣接する分流器38の間にそれぞれの流れ経路42を画定する8つの分流器38を含むことができる。しかしながら、他の実施形態は、ダイインサート14の前面27に沿って少なくとも2つまたはそれ以上の流れ経路42を提供するために、ダイインサート14の76の周囲エッジの周囲に離間された少なくとも2つまたはそれ以上の分流器38を画定し得る。
【0083】
押出成形法において、周囲ダイアセンブリ10は、流路Aにより示されるように、ダイインサート14の後面29により画定されるウェル52と接触し、スロート34に流入して内部空間開口部36に入る押出物を生じる押出成形装置(図示せず)と作用的に係合され得る。押出物は、ダイインサート14により画定される内部空間44に入り、各テーパー状の流路42の入口84に入ることができる。上記のように、押出物は次に各流路42を通って流れ、周囲ダイアセンブリ10によって製造される押出物中の植物タンパク質繊維の実質的な整列が生じるように、それぞれの排出口24から出る。
【0084】
実質的に整列した構造化タンパク質繊維を製造するために本発明で使用するのに適した周囲ダイアセンブリの例は、米国特許出願第60/882,662号明細書、および米国特許出願第11/964,538号明細書に記載されており、これらは参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0085】
押出物は、ダイアセンブリを出た後に切断される。押出物を切断するために適切な装置としては、Wenger Manufacturing,Inc.(Sabetha,KS)およびClextral,Inc.(Tampa,FL)により製造されるフレキシブルナイフが挙げられる。通常、切断装置の速度は約1000rpm〜約2500rpmである。例示的な実施形態では、切断装置の速度は約1600rpmである。遅延切断が押出物に行われてもよい。このような遅延切断装置の一例はギロチン装置である。
【0086】
乾燥器(1つが使用される場合)は、一般に、空気温度が異なり得る複数の乾燥ゾーンを含む。当該技術分野において知られている例としては、対流乾燥器が挙げられる。押出物は、所望の含水量を有する押出物を生じるのに十分な時間、乾燥器内に存在するであろう。従って、空気の温度は重要ではなく、より低い温度が使用される(50℃など)場合には、より高い温度が使用される場合よりも長い乾燥時間が必要とされるであろう。一般に、1つまたは複数のゾーン内の空気の温度は、約100℃〜約185℃であろう。このような温度では、一般に、押出物は、少なくとも約45分間、より一般的には少なくとも約65分乾燥される。適切な乾燥器としては、CPM Wolverine Proctor(Lexington、NC)、National Drying Machinery Co.(Trevose、PA)、Wenger(Sabetha、KS)、Clextral(Tampa、FL)、およびBuehler(Lake Bluff、IL)により製造されるものが挙げられる。
【0087】
別の選択は、マイクロ波により補助される乾燥を使用することである。この実施形態では、対流およびマイクロ波加熱の組み合わせを使用して、製品を所望の水分まで乾燥させる。マイクロ波により補助される乾燥は、強制空気対流加熱および乾燥を製品の表面に同時に用い、同時に、製品中に残存する水分を表面に押し出すマイクロ波加熱に製品をさらし、これにより対流加熱および乾燥を継続して製品を乾燥させることによって達成される。対流乾燥器のパラメータは既に記載したものと同一である。追加はマイクロ波加熱要素であり、マイクロ波の出力は、乾燥させる製品および所望の最終製品の水分に応じて調整される。一例として、製品は、マイクロ波エネルギーを製品に供給するための導波管と、マイクロ波がオーブンから出るのを防止するように設計されたチョークとを備えたトンネルを含有するオーブンを通して搬送することができる。製品がトンネルを通って搬送されると、対流およびマイクロ波加熱が同時に作用して製品の含水量を低下させ、乾燥させる。通常、空気温度は50℃〜約80℃であり、マイクロ波出力は、製品、製品がオーブン内にある時間、および所望される最終含水量に応じて変更される。
【0088】
所望の含水量は、押出物の意図される用途に依存して大きく異なり得る。一般的に言うと、押出された材料は10%未満の水分の含水量を有し、さらなる例として、所望される場合には材料は通常約5重量%〜約13重量%の含水量を有することができる。繊維を分離するために必要ではないが、水が吸収されるまで水中で水和させることとは、繊維を分離するための1つの方法である。タンパク質材料が乾燥されずに、または完全に乾燥されずにすぐに使用される場合、その含水量はより高く、一般に約16重量%〜約30重量%であり得る。高い含水量を有するタンパク質材料が製造される場合、製品の鮮度を保証し、腐敗を最小限にするためにタンパク質材料は即時の使用または冷蔵が必要であり得る。
【0089】
押出物の平均粒径を小さくするために、押出物はさらに砕かれてもよい。通常、小さくされた押出物は約0.1mm〜約40.0mmの平均粒径を有する。1つの例では、小さくされた押出物は約5.0mm〜約30.0mmの平均粒径を有する。別の実施形態では、小さくされた押出物は約0.5mm〜約20.0mmの平均粒径を有する。さらなる実施形態では、小さくされた押出物は約0.5mm〜約15.0mmの平均粒径を有する。付加的な実施形態では、小さくされた押出物は約0.75mm〜約10.0mmの平均粒径を有する。さらに別の実施形態では、小さくされた押出物は約1.0mm〜約5.0mmの平均粒径を有する。粒径を小さくするために適切な装置には、Hosokawa Micron Ltd.(England)により製造されるMikro Hammer Millなどのハンマーミル、Fitzpatrick Company(Elmhurst、IL)により製造されるFitzmill(登録商標)、Urschel Laboratories、Inc.(Valparaiso、IN)により製造されるComitrol(登録商標)プロセッサ、およびRossKamp Champion(Waterloo、IL)により製造されるRossKamp Roller Millなどのローラーミルが含まれる。
【0090】
(e)構造化タンパク質製品の特徴
上記で製造された構造化タンパク質製品は、通常、実質的に整列したタンパク質繊維を含む。本発明との関連では、「実質的に整列した」は、一般に、水平面で見たときに構造化タンパク質製品を形成するタンパク質繊維の著しく高い割合が約45°よりも小さい角度で互いに隣接しているようなタンパク質繊維の配列を指す。通常、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも55%は実質的に整列している。別の実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも60%は実質的に整列している。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも70%は実質的に整列している。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも80%は実質的に整列している。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも90%は実質的に整列している。
【0091】
タンパク質繊維の整列の度合いを決定するための方法は当該技術分野において知られており、顕微鏡写真画像に基づく視覚的な決定を含む。例として、図1および2は、著しく交差したタンパク質繊維を有するタンパク質製品と比較して実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品の違いを説明する顕微鏡写真画像を示す。図1は、実質的に整列したタンパク質繊維を有する(I)A(d)に従って調製した構造化タンパク質製品を示す。対照的に、図2は、著しく交差し、実質的に整列していないタンパク質繊維を含有するタンパク質製品を示す。図1に示されるようにタンパク質繊維が実質的に整列しているので、本発明において使用される構造化タンパク質製品は概してシーフード肉のテクスチャおよび粘稠度を有する。対照的に、ランダムに配向された、あるいは交差されたタンパク質繊維を有する従来の押出物は概して柔らかいまたはスポンジ状のテクスチャを有する。
【0092】
実質的に整列したタンパク質繊維を有することに加えて、本発明の構造化タンパク質製品は、通常、全食肉筋肉と実質的に同様のせん断強度も有する。本発明との関連では、「せん断強度」という用語は、全筋肉のようなテクスチャおよび外観を構造化タンパク質製品に付与するために十分な繊維網の形成を定量化するための1つの手段を提供する。せん断強度は、所与のサンプルを貫通するために必要とされる最大力(グラム)である。せん断強度を測定するための方法は、実施例1に記載されている。一般的に言えば、本発明の構造化タンパク質製品は、少なくとも1400グラムの平均せん断強度を有するであろう。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品、約1500〜約1800グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、約1800〜約2000グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、約2000〜約2600グラムの平均せん断強度を有し得る。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2200グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2300グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2400グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2500グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2600グラムの平均せん断強度を有し得る。
【0093】
構造化タンパク質製品内に形成されたタンパク質繊維のサイズを定量化するための手段は、シュレッドキャラクタリゼーション(shred characterization)試験によって行うことができる。シュレッドキャラクタリゼーションは、構造化タンパク質製品中に形成される大きい断片の割合を大まかに決定する試験である。間接的な方法で、シュレッドキャラクタリゼーションの割合は、構造化タンパク質製品中のタンパク質繊維の整列の度合いを定量化するための付加的な手段を提供する。一般的に言えば、大きい断片の割合が増大するにつれて、構造化タンパク質製品内で整列したタンパク質繊維の度合いも通常増大する。反対に、大きい断片の割合が低下するにつれて、構造化タンパク質製品内で整列したタンパク質繊維の度合いも通常低下する。シュレッドキャラクタリゼーションを決定するための方法は、実施例2において詳述される。本発明の構造化タンパク質製品は通常、大きい断片が少なくとも10重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約10重量%〜約15重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約15重量%〜約20重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約20重量%〜約25%重量の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。別の実施形態では、平均シュレッドキャラクタリゼーションは、大きい断片が少なくとも20重量%、少なくとも21重量%、少なくとも22重量%、少なくとも23重量%、少なくとも24重量%、少なくとも25重量%、または少なくとも26重量%である。
【0094】
本発明の適切な構造化タンパク質製品は、一般に、実質的に整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも1400グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも10重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。より一般的には、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも1800グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも15重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。別の例では、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも2000グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも15重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。例示的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも2200グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも17%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。別の例示的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも2400グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも20重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。
【0095】
B.シーフード肉
シーフード肉組成物は、構造化植物タンパク質製品に加えて、淡水および海水の魚および貝などのシーフード肉も含むことができる。上記の(I)A(a)(ii)において詳述したように、多数の適切な食肉が使用可能である。一般的に言えば、シーフード肉は、人間が食べるのに適した様々な魚種および貝種から得ることができる。魚種の適切な例としては、カンパチ、アンチョビ、アミキリ、カツオ、バッファローフィッシュ、バーボット(burbot)、バターフィッシュ、コイ、ナマズ、ムナグロアジ、スギ、タラ、クローカー、カスク(cusk)、ウナギ、ハタ、カレイ(アロートゥース、サザン、スターリー、サマー、ウィンター、ウィッチ、イエローテール)、ハドック、ゴリアテ・グルーパー、キングフィッシュ、レイクチャブ、レイクヘリング、ミズウミチョウザメ、レイクホワイトフィッシュ、リングコッド、サバ、マヒマヒ、モンクフィッシュ、ボラ、カワカマス、オレンジラッフィー、パシフィックサンドダブ、パーチ、ポラック、コバンアジ、ロックフィッシュ、ギンダラ、サーモン、ソーガー(sauger)、スカルプ(sculp)、シーバス(ブラック、ジャイアント、ホワイト)、シーダブ(sea dab)、サメ、シープスヘッド(sheepshead)、スメルト、スナッパー(レッド、マングローブ、バーミリオン、イエローテール)、アカメ、ソール(ドーバー、イングリッシュ、ペトラーレ、レックス、ロック)、スポット(spot)、スポッティドカブリラ(spotted cabrilla)、ストライプドバス、メカジキ、トートグ(tautog)、アマダイ、ターボット、マス(カワマス、レイクトラウト、ニジマス、シートラウト、ホワイトシートラウト)、マグロ、ウォールアイ、ホワイトクラッピー、ホワイティング、およびオオカミウオが挙げられる。貝種の例としては、カニ、ザリガニ、ロブスター、イセエビ、アカザエビ、ウチワエビモドキ、小エビ、ヤビー(yabby)、アワビ(US)、ヘソトリアワビ(NZ)、ハマグリ、ザルガイ、イガイ、タコ、カキ、ピピ貝、カタツムリ、ホラガイ、ウェルク、タマビキガイ、イカ(カラマリ)、トゥアトゥア、ホタテガイ、ナマコ、およびウニなどの軟体動物(mulluses)、甲殻類、および棘皮動物が挙げられる。
【0096】
「食肉」という用語は、シーフードの身に適用されるだけでなく、食肉副産物も含むと理解される。例として、食肉には、例えば、舌、横隔膜、心臓、または食道において見られる、被覆する脂肪を伴ったまたは伴わない横紋筋(骨格筋である)または平滑筋、ならびに普通は肉の身を伴う皮、腱、神経および血管の部分が含まれる。食肉副産物の例は、肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、部分的に脱脂した低温脂肪組織、皮、胃、内容物を含まない腸、結合組織、浮袋、えらなどの臓器および組織である。シーフード副産物には、頭、脚、および糞便内容物および異物を含まない内臓などのレンダリングしていない屠殺体の清浄な部分が含まれる。「食肉副産物」という用語は、シーフードなどを含むがこれらに限定されず、そしてAssociation of American Feed Control Officials,Incorporatedにより刊行された飼料原料の定義(Definitions of Feed Ingredients)において「食肉副産物」という用語が包含するような構成要素を含む、屠殺体のレンダリングしていない部分を指すことが意図される。「食肉」および「食肉副産物」という用語は、関連して定義される海産物およびシーフード製品の全てに適用されるものと理解される。
【0097】
製品の目的とされる用途に応じて様々な食肉形態が本発明において使用され得ることが想定される。一実施形態では、本質的に完全なままの全筋肉の肉片が使用され得る。別の実施形態では、食肉は厚切りまたはステーキ形態であり得る。代替の実施形態では、食肉は粗挽きであり得る。別の実施形態では、食肉は細挽きされるかあるいは砕かれる。さらに別の実施形態では、機械的に脱骨された食肉(MDM)が使用され得る。本発明との関連では、MDMは、市販の装置を用いて回収される食肉ペーストを含む任意の機械的に脱骨された食肉である。さらに別の実施形態では、シーフード肉は、典型的なMDM法、もしくは魚または貝などのシーフード肉を骨または貝殻から分離するために当該技術分野において知られている任意の方法によって得ることができる。MDMは、一般に、完全なままの筋肉に見られる天然繊維組織がなくテクスチャ化されていない、砕いた製品である。まず骨を破砕してシーフード組織を付着させ、次にふるいまたは同様のスクリーニング装置を通してシーフード組織(骨ではなく)を押し出することによって、シーフード組織から骨を分離する高圧機械を用いて機械的に脱骨または分離した生肉を製造することは、当該技術分野においてよく知られている。
【0098】
食肉製品の組み合わせが使用され得ることも想定される。例えば、全食肉筋肉およびMDMが使用され得る。あるいは、粗挽き食肉筋肉および粗挽き食肉副産物が使用されてもよい。当業者は、種々のシーフード肉中の脂肪の量は大きく異なることも認識するであろう。従って、いくつかの実施形態では、付加的な脂肪源が含まれ得る。適切な脂肪源は以下のセクション(II)C(c)において提示される。
【0099】
他の食肉製品も使用され得ることも想定される。上記のI(A)(a)(ii)に記載される食肉源のいずれかを含む。
【0100】
C.他の原料
本発明のシーフード肉組成物および疑似シーフード肉組成物は、最終製品の風味、栄養的側面、および外観を高めるために様々な他の原料を含むこともできる。
【0101】
(a)硬化剤(curing agent)
いくつかの実施形態では、シーフード肉組成物はさらに、硬化剤を含むことができる。一般に、硬化剤は、亜硝酸塩または硝酸塩の形態だけからなる。一般に、硬化剤は一酸化窒素に還元され、ミオグロビンと結合して一酸化窒素ミオグロビンを形成することが認識される。一酸化窒素ミオグロビンは、顔料を定着させるために加熱されると、ニトロソヘモクロムになる。
【0102】
適切な硬化剤には、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸カリウムなどが含まれる。硬化剤の濃度は、約0.001重量%〜約0.02重量%の範囲でよい。好ましい実施形態では、硬化剤は、約0.015重量%の亜硝酸ナトリウムまたはカリウムを含む。
【0103】
(b)風味剤
シーフード肉組成物または疑似シーフード肉組成物はさらに、最終食品の風味を高めるために様々な風味料、スパイス、または他の原料を含むことができる。当業者に認識されるように、食肉組成物に添加される原料の選択は製造される食品に依存することが可能であり、依存するであろう。例えば、食肉組成物はさらに、動物またはシーフード肉フレーバー、動物またはシーフード肉オイル、スパイス抽出物、スパイスオイル、天然スモーク液、天然スモーク抽出物、酵母抽出物、マシュルーム抽出物、およびシイタケ抽出物などの風味剤を含むことができる。付加的な風味剤は、オニオン抽出物、オニオン粉末、ガーリック抽出物、またはガーリック粉末を含み得る。ハーブまたはスパイスが風味剤として添加されてもよい。適切なハーブおよびスパイスには、オールスパイス、バジル、ベイリーフ、黒コショウ、キャラウェイシード、トウガラシ、セロリリーフ、セロリシード、チャービル、チリペッパー、チャイブ、シラントロ、シナモン、クローブ、コリアンダー、クミン、ディル、フェンネル、ジンジャー、マージョラム、マスタード、ナツメグ、パプリカ、パセリ、オレガノ、ローズマリー、サフラン、セージ、セイバリー、シャロット、スモークピメント、タラゴン、タイム、および白コショウが含まれる。食肉組成物はさらに風味強化剤を含んでもよい。使用され得る風味強化剤の例としては、塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム)、グルタミン酸塩(例えば、グルタミン酸モノナトリウム)、グリシン塩、グアニル酸塩、イノシン酸塩、5’−リボヌクレオチド塩、加水分解タンパク質、および加水分解植物タンパク質が挙げられる。風味剤および/または風味強化剤の濃度は、約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の範囲でよい。
【0104】
最終製品の水分保持能力を増大するためにリン酸塩が添加されてもよい(0.5%までのリン酸塩)。適切なリン酸塩には、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、およびリン酸二ナトリウムが含まれる。
【0105】
(c)脂肪源
いくつかの実施形態では、シーフード肉組成物または疑似シーフード肉組成物はさらに、風味を付与し、テクスチャを改善するために脂肪源も含むことができる。一般に、食肉組成物の全脂肪濃度は約1重量%〜約40重量%の範囲であろう。従って、組成物に添加される脂肪源の量は使用される原料に依存して異なることが可能であり、異なるであろう。脂肪源は動物またはシーフード由来の脂肪であってもよいし、脂肪源は植物由来の油であってもよい。適切な脂肪の非限定的な例としては、獣脂、ラード、鶏脂、バター、魚油、およびこれらの混合物が挙げられる。適切な植物由来の油の非限定的な例としては、キャノーラ油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、アマニ油、グレープシード油、オリーブ油、ピーナッツ油、ヤシ油、大豆油、ヒマワリ種子油、およびこれらの混合物が挙げられる。植物由来の油は、非水素化、部分的に水素化、または完全に水素化されていてもよい。通常、疑似シーフード肉組成物は、ベジタリアン組成物として配合される場合には植物由来の脂肪物質を含むであろう。
【0106】
(d)酸化防止剤
酸化防止剤もシーフード肉組成物または疑似シーフード肉組成物中に含まれ得る。酸化防止剤は食肉製品中の多価不飽和脂肪酸の酸化を防止することができ、また酸化防止剤は構造化タンパク質製品および動物肉製品における酸化的な色の変化を防止することもできる。酸化防止剤は天然でも合成でもよい。適切な酸化防止剤としては、アスコルビン酸およびその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー(anoxomer)、N−アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸(PABA)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、カフェイン酸、カンタキサンチン、α−カロテン、β−カロテン、β−カラオテン(caraotene)、β−アポ−カロテン酸(carotenoic acid)、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸およびその塩、クローブ抽出物、コーヒー豆抽出物、p−クマル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリトルビン酸、エリトルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリ抽出物、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド(例えば、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、ポリフェノールエピガロカテキン−3−ガラート)、フラボン(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えば、ダチスセチン(datiscetin)、ミリセチン、ダエンフェロ(daemfero))、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、リンドウ抽出物、グルコン酸、グリシン、グアヤカムガム(gum guaiacum)、ヘスペレチン、α−ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシケイ皮酸(hydroxycinammic acid)、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N−ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシトリロソール(hydroxytryrosol)、ヒドロキシ尿素、米ぬか抽出物、乳酸およびその塩、レシチン、クエン酸レシチン、R−α−リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド、クエン酸モノイソプロピル、モリン、β−ナフトフラボン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、リン酸塩、フィチン酸、フィチルユビクロメル(phytylubichromel)、ピメント抽出物、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、トランス−リスベラトロール、ローズマリー抽出物、ローズマリー酸、セージ抽出物、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリング酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(すなわち、α−、β−、γ−およびδ−トコフェロール)、トコトリエノール(すなわち、α−、β−、γ−およびδ−トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(すなわち、Ionox 100)、2,4−(トリス−3’,5’−ビ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(すなわち、Ionox 330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、第3級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンKおよび誘導体、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
食肉組成物中の酸化防止剤の濃度は、約0.0001重量%〜約20重量%の範囲でよい。別の実施形態では、シーフード肉組成物中の酸化防止剤の濃度は、約0.001重量%〜約5重量%の範囲でよい。さらに別の実施形態では、シーフード肉組成物中の酸化防止剤の濃度は、約0.01重量%〜約1重量%の範囲でよい。
【0108】
(e)結合剤
シーフード肉組成物または疑似シーフード肉組成物はさらに、製品のテクスチャおよび/または外観を改善するために結合またはゲル化剤を含むこともできる。適切な結合剤には、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、乳製品タンパク質などのタンパク質、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、ポテトデンプンなどのデンプン、アルギン酸およびその塩、寒天、カラギナンおよびその塩、加工ユーケマ藻類、イナゴマメ、グアー、トラガカント、およびキサンタンなどのガム、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース(高粘度形態)、コンニャク粉、卵白、乾燥卵白、卵アルブミン、血液タンパク質、およびウシ血清アルブミンが含まれる。
【0109】
(f)pH低下剤
いくつかの実施形態では、シーフード肉組成物または疑似シーフード肉組成物はさらに、最終製品の噛み応えを増すためにpH低下剤を含むことができる。例示的な実施形態では、pH低下剤は食品グレードの食用酸である。本発明で使用するのに適した酸の非限定的な例としては、酢酸、乳酸、塩酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0110】
(g)ビタミンおよびミネラル
ビタミンおよびミネラルもシーフード肉組成物または疑似シーフード肉組成物中に含まれ得る。ビタミンは、脂溶性ビタミンでも水溶性ビタミンでもよい。適切なビタミンには、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸、およびビオチンが含まれる。ビタミンの形態には、ビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンと同一または類似の活性を有する化合物、およびビタミンの代謝産物が含まれる。
【0111】
適切なミネラルは、1つまたは複数のミネラルまたはミネラル源を含むことができる。ミネラルの非限定的な例としては、塩素、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、およびセレンが挙げられるが、これらに限定されない。前述のミネラルのいずれかの適切な形態には、可溶性ミネラル塩、わずかに可溶性のミネラル塩、不溶性ミネラル塩、キレート化ミネラル、ミネラル錯体、カルボニルミネラルなどの非反応性ミネラル、および還元ミネラル、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。
【0112】
(h)多価不飽和脂肪酸
シーフード肉組成物または疑似シーフード肉組成物はさらに、通常はシス配置の少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する脂肪酸である多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含むこともできる。PUFAは、少なくとも18個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸であり得る。例示的な実施形態では、PUFAは、第1の二重結合が炭素鎖のメチル末端(カルボキシル酸基の反対側)から3番目の炭素−炭素結合で生じるω−3脂肪酸であり得る。ω−3脂肪酸の例としては、α−リノレン酸(18:3、ALA)、ステアリドン酸(18:4)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5、EPA)、ドコサテトラエン酸(22:4)、n−3ドコサペンタエン酸(22:5、n−3DPA)、およびドコサヘキサエン酸(22:6、DHA)が挙げられる。PUFAは、第1の二重結合がメチル末端から6番目の炭素−炭素結合で生じるω−6脂肪酸であってもよい。ω−6脂肪酸の例としては、リノール酸(18:2)、γ−リノレン酸(18:3)、エイコサジエン酸(20:2)、ジホモ−γ−リノレン酸(20:3)、アラキドン酸(20:4)、ドコサジエン酸(22:2)、アドレン酸(22:4)、およびn−6ドコサペンタエン酸(22:5)が挙げられる。脂肪酸は、オレイン酸(18:1)、エイコセン酸(20:1)、ミード酸(20:3)、エルカ酸(22:1)、およびネルボン酸(24:1)などのω−9脂肪酸であってもよい。
【0113】
(II)シーフード肉組成物および疑似シーフード肉組成物の調製
食肉組成物を製造するための方法は、一般に、構造化タンパク質製品を水和させ、必要であれば着色剤を添加し、必要であればその粒径を小さくし、場合により動物肉またはシーフード肉と混合し、風味剤および他の原料を混合物に添加し、さらに混合物を食品に加工することを含む。
【0114】
A.構造化タンパク質製品の水和
構造化タンパク質製品は、水と混合して再水和させることができる。構造化タンパク質製品に添加される水の量は異なることが可能であり、異なるであろう。水対構造化タンパク質製品の比率は、約1.5:1〜約4:1の範囲であり得る。一実施形態では、水対構造化タンパク質製品の比率は約2.5:1でよい。別の実施形態では、水対構造化タンパク質製品の比率は約3:1でよい。
【0115】
食肉組成物中の水和構造化タンパク質製品の濃度は、製造される製品に応じて異なることが可能であり、異なるであろう。高い割合のシーフード肉を含む実施形態では、構造化タンパク質製品の割合は低くなるであろう。一方、シーフード肉が添加されない実施形態では、構造化タンパク質製品の割合は高くなるであろう。従って、種々の食肉組成物中の水和構造化タンパク質製品の濃度は、約1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、または99重量%であり得る。
【0116】
構造化タンパク質製品の粒径は、水和製品を粉砕する、細かく刻む、スライスする、切断する、またはたたき切ることによってさらに低下され得る。粒径は、製造される食肉組成物に応じて異なることが可能であり、異なるであろう。通常、小さくされた水和製品は、約0.1mm〜約40.0mmの平均粒径を有する。一実施形態では、小さくされた水和製品は、約5.0mm〜約30.0mmの平均粒径を有する。別の実施形態では、小さくされた水和製品は、約0.5mm〜約20.0mmの平均粒径を有する。さらなる実施形態では、小さくされた水和製品は、約0.5mm〜約15.0mmの平均粒径を有する。付加的な実施形態では、小さくされた水和製品は、約0.75mm〜約10.0mmの平均粒径を有する。さらに別の実施形態では、小さくされた水和製品は、約1.0mm〜約5.0mmの平均粒径を有する。粒径を小さくするために適切な装置には、Hosokawa Micron Ltd.により製造されるMikro Hammer Mill、She Hui Machinery Co.,Ltd.により製造されるFitz Mill、およびUrschel Laboratories、Inc.により製造されるComitrol(登録商標)などのミートグラインダー、ボウルチョッパー、およびハンマーミルが含まれる。
【0117】
B.シーフード肉との任意的なブレンド
水和構造化タンパク質製品は、場合により、上記のセクション(I)Bにおいて詳述した動物またはシーフード肉とブレンドされてもよい。一般に、水和構造化タンパク質製品は、同様の粒径を有するシーフード肉とブレンドされるであろう。いくつかの実施形態では、シーフード肉の濃度は約50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、または90重量%であり、構造化タンパク質製品の濃度は約20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、または1重量%であり得る。他の実施形態では、シーフード肉の濃度は約2重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%であり、構造化タンパク質製品の濃度は約50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、または5重量%であり得る。一実施形態では、シーフード肉の濃度は約60重量%〜約80重量%の範囲であり、構造化タンパク質製品の濃度は約1重量%〜約20重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、シーフード肉の濃度は約40重量%〜約60重量%の範囲であり、構造化タンパク質製品の濃度は約1重量%〜約40重量%の範囲であり得る。さらに別の実施形態では、シーフード肉の濃度は約20重量%〜約40重量%の範囲であり、構造化タンパク質製品の濃度は約1重量%〜約60重量%の範囲であり得る。
【0118】
シーフード肉組成物中で使用されるシーフード肉は生でもよい。生肉は、好ましくは、加工前の微生物腐敗を回避するために少なくとも実質的に凍結された形態で提供される。一実施形態では、シーフード肉の温度は約−40℃よりも低い。別の実施形態では、食肉の温度は約−20℃よりも低い。さらに別の実施形態では、食肉の温度は約−10℃〜約6℃である。さらなる実施形態では、食肉の温度は約−2℃〜約2℃である。冷蔵またはチルド食肉を使用することができるが、一般に、大量の凍結していない食肉をプラントサイトで長期間貯蔵することは実用的でない。凍結製品は、冷蔵またはチルド製品の場合よりも長い保管時間を提供する。凍結食肉は、約−18℃〜約0℃の温度で貯蔵することができる。凍結食肉は一般に20キログラムのブロックで供給される。使用の際、ブロックは約10℃まで解凍することができ、すなわち、調節された環境において凍結解除することができる。従って、例えば約1/4インチの深さまでのブロックの外層は凍結解除または解凍され得るがまだ約0℃の温度であり、まだ凍結しているブロックの残りの内側部分は解凍し続け、従って外側部分は約10℃より低く保持される。
【0119】
新しく調製されたシーフード肉が約10℃以下の温度で貯蔵される限りは、シーフード肉組成物を調製するために、冷凍シーフード肉の代わりに、シーフード肉は新たに調製されてもよい。
【0120】
生の凍結または非凍結食肉の含水量は、一般に、生肉の重量を基準として、少なくとも約50重量%であり、ほとんどの場合は約60重量%〜約75重量%である。本発明の実施形態では、生の凍結または非凍結食肉の脂肪含量は少なくとも1重量%、通常は約5重量%〜約20重量%でよい。本発明の他の実施形態では、約10重量%未満の脂肪含量を有する食肉製品および脱脂食肉製品が使用されてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、身を部分的に脱水し、さらなる加工用途(例えば、レトルト調理など)中にこれらの流体が放出されるのを防止するため、強い風味を有し得る天然油を除去するため、シーフードタンパク質を凝固させて食肉を骨格から外すため、あるいは望ましいテクスチャ風味特性を生み出すために、シーフード肉は予備調理されてもよい。予備調理法は、スチーム、水、油、ホットエア、スモーク、またはこれらの組み合わせにおいて実行され得る。通常、シーフード肉は、内部温度が60℃〜85℃の間になるまで加熱される。
【0122】
付加的な実施形態では、シーフード肉と類似しているがシーフード肉を含有しない疑似シーフード製品が製造される。一般に、水和構造化タンパク質製品は、疑似シーフード製品を製造するためにシーフード風味料とブレンドされる。
【0123】
C.他の原料とのブレンド
水和構造化タンパク質製品、または水和構造化タンパク質製品およびシーフード肉の混合物は、上記のセクション(I)Cで詳述したように、水および様々な風味料、スパイス、酸化防止剤、または他の原料とブレンドされ得る。当業者に認識されるように、シーフード肉組成物に添加される原料の選択は、製造される食品に依存することが可能であり、依存するであろう。
【0124】
原料が混合およびブレンドされる順序は、製造される製品によって異なることが可能であり、異なるであろう。一実施形態では、シーフード肉は風味料、着色料、および他の原料とブレンドされ、水和構造化タンパク質製品が最後に添加され得る。別の実施形態では、シーフード肉および水和構造化タンパク質は共にブレンドされ、次に付加的な原料が同時または順次添加され得る。さらに別の実施形態では、水和構造化タンパク質製品と混ぜ合わせる前に、シーフード肉は塩水溶液中でウェット硬化され得る。他の実施形態では、水和構造化タンパク質製品は、風味料および他の原料と同時または順次ブレンドされ得る(シーフード肉は添加されない)。
【0125】
原料が混ぜ合わせられる順序に関係なく、混合物は、均一な混合物を形成するのに十分な時間、原料をかき回す、攪拌する、または混合することによってブレンドされ得る。混合物をかき回す、攪拌する、ブレンドする、または混合するための従来の手段を用いて、混合物のブレンディングをもたらすことができる。ブレンド工程中、混合物が約10℃以下保持されるように、配合物の水の一部を氷片で置き換えてもよい。あるいは、ブレンディング中に混合物を約10℃以下に保持するために二酸化炭素スノー(carbon dioxide snow)が包含されてもよい。
【0126】
D.食肉製品への加工
通常、食肉混合物または疑似食肉混合物は次に様々な形状を有する様々な食品に加工されるであろう。製造される食品は、業界で知られているどのシーフード製品でもよい。例としては、カツレツ、パティ、スティック、ナゲット、およびフィレットが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、食品は、スモークサーモン、薫製ニシンなどの薫製した食肉製品であってもよい。さらに付加的な実施形態では、食品は、トッピングのために使用される乾燥魚製品などのウェット硬化またはドライ硬化された食肉製品であってもよい。食品は、白身魚のパティ、スティック、ナゲット、およびフィレットにおいて通常見られるような白色製品であってもよい。付加的な実施形態では、シーフード肉製品はバターで被覆されてもよく、そして/あるいはパン粉で被覆されてもよい。
【0127】
付加的な実施形態では、シーフード肉混合物または疑似シーフード肉混合物は、シーフードブロック製品に形成することができる。シーフードブロックは、場合によりケーシングに挿入される前に湿っていてもよい。ケーシングは、セルロースケーシング、繊維状ケーシング、コラーゲンケーシング、または天然膜などの透過性ケーシングであり得る。別の実施形態では、シーフード肉混合物は、さらに加工される前に、塊、ロール、カツレツ、パティ、リンク、または他の形状に形成されてもよい。形成されたシーフード混合物はバターで被覆されてもよく、そして/あるいはパン粉で被覆されてもよい。あるいは、形成されたシーフード混合物は次に、スライスする、さいの目に刻む、厚切りにする、または細断することができる。さらに別の実施形態では、シーフード混合物は、さらなる加工のために、密封可能なパッケージ、ポーチまたは缶内に導入されてもよい。
【0128】
混合物が所望の形状に形成されるか、あるいは所望のパッケージに導入された後、食品はさらに加工され得る。加工には、調理、部分調理、凍結、レトルト化、または貯蔵安定性の製品を製造するために当該技術分野において知られている任意の方法が含まれる。一実施形態では、形成食品は現場で調理され得る。最終食肉製品を調理するために当該技術分野において知られている任意の方法を使用することができる。調理方法の非限定的な例としては、熱湯調理、スチーム調理、湯通し、半フライ、フライ、レトルト調理、制御された湿度におけるホットスモーク調理、およびオーブン法(マイクロ波、従来式、および対流式を含む)が挙げられる。通常、食肉製品は、少なくとも70℃の内部温度まで調理される。調理の前に、食肉製品によっては、約10℃の温度に一定時間貯蔵することによって、ウェット硬化またはドライ硬化されることもある。さらに、食肉製品によっては、調理の前または調理中にスモーク期間を受けてもよい。
【0129】
一実施形態では、食肉製品は、好ましくは約80℃の熱湯調理器中で、約70℃〜約80℃の内部温度まで調理され得る。別の実施形態では、食肉製品は、約70℃〜約80℃の内部温度までスチーム調理され得る。代替の実施形態では、食肉製品は190℃の油中で半フライ処理され、次に、湿度制御されたオーブン内で約74℃の内部温度まで調理される。別の実施形態では、調理または未調理食肉製品は、従来の方法で、そしてレトルト化による殺菌のための調整における従来の密封手順を用いて、缶内にパッキングされて密封され得る。さらに別の実施形態では、最終食肉製品は後で仕上げるために部分調理されてもよいし、あるいは未調理状態、部分調理状態、または調理状態のいずれかで凍結されてもよい。構造化タンパク質製品を含む疑似シーフード肉製品は、動物肉を含有する製品と同じ内部温度まで調理される必要はないかもしれないが、通常は、任意的な結合剤を凝固させ、過剰な水分を除去し、あるいは製品を安定にするために十分な温度まで加熱される。前述の製品は、プラスチック内に密封する、上包装のあるトレイ内に置く、真空パックする、凍結する、あるいはレトルト化することができる。
【0130】
定義
本明細書で使用される「シーフード肉」という用語は、淡水または海水の魚または貝から得られる筋肉、臓器、およびこれらの副産物を指す。
【0131】
本明細書で使用される「砕いた食肉」という用語は、陸生または水生の動物屠殺体から回収された食肉ペーストを指す。骨上の食肉は、食肉が骨から分離されておよびサイズが小さくなるように、脱骨装置内を通して押し出される。骨から離れた食肉は、脱骨装置ではさらに処理されない。食肉は、小径の孔を有するシリンダーを通して押し出されることによって食肉/骨混合物から分離される。食肉は液体の役割を果たし、孔を通って押し出され、残存する骨材料は後に残されたままである。砕いた食肉の脂肪含量は、シーフード脂肪の添加によって上方に調整することができる。
【0132】
本明細書で使用される「押出物」という用語は、押出成形の生成物を指す。これに関連して、実質的に整列したタンパク質繊維を含む構造化タンパク質製品は、いくつかの実施形態では押出物であり得る。
【0133】
本明細書で使用される「繊維」という用語は、実施例2に詳述されるシュレッドキャラクタリゼーション試験が実施された後に、長さ約4センチメートルおよび幅0.2センチメートルのサイズを有する構造化タンパク質製品を指す。
【0134】
本明細書で使用される「グルテン」という用語は小麦などの穀物の粉のタンパク質部分を指し、これは、高い含量のタンパク質と、独特の構造および接着特性とを有する。
【0135】
本明細書で使用される「動物肉」という用語は、陸生動物および水生動物(さらに、牛肉、豚肉、鶏肉、野生狩猟動物肉、魚、貝、およびこれらの組み合わせを含む)を含む動物から得られる身、全食肉の筋肉、臓器、一部およびこれらの副産物を指す。
【0136】
本明細書で使用される「大きい断片」という用語は、構造化植物タンパク質製品のシュレッドの割合が特徴付けられる手段である。シュレッドキャラクタリゼーションの決定は、実施例2に詳述される。
【0137】
本明細書で使用される「食肉エマルジョン」または「乳化食肉」という用語は、食肉スラリーなどの流動性の食肉製品を指し、ここで、食肉は未加工の食肉よりも可鍛性である。
【0138】
本明細書で使用される「疑似」という用語は、動物肉を含有しない動物食肉組成物を指す。
【0139】
本明細書で使用される「タンパク質繊維」という用語は、本発明のタンパク質製品の構造を一緒に画定する様々な長さの個々の連続フィラメントまたは別個の長尺片を指す。さらに、本発明のタンパク質製品は実質的に整列したタンパク質繊維を有するので、タンパク質繊維の配列が完全な肉の筋繊維のテクスチャをタンパク質製品に付与する。
【0140】
本明細書で使用される「大豆子葉繊維」という用語は、少なくとも約70%の食物繊維を含有する大豆子葉の多糖類部分を指す。大豆子葉繊維は通常いくらか少量の大豆タンパク質を含有するが、100%繊維であってもよい。本明細書で使用される大豆子葉繊維は、大豆皮の繊維を指さないかまたは含まない。一般的に、大豆子葉繊維は、大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕してフレークまたは粉砕子葉から油を除去し、大豆子葉繊維を大豆材料および子葉の炭水化物から分離することによって大豆から形成される。
【0141】
本明細書で使用される「大豆粉」という用語は、全脂大豆粉、酵素活性大豆粉、脱脂大豆粉、およびこれらの混合物を指す。脱脂大豆粉は、粒子がNo.100メッシュ(米国基準)スクリーンを通過できるようなサイズを有する粒子で形成された、好ましくは約1%未満の油を含有する脱脂大豆材料の砕いた形態を指す。大豆ケーク、チップ、フレーク、ミール、または材料の混合物は、従来の大豆粉砕方法を用いて大豆粉に砕かれる。大豆粉は、無水ベースで約49%〜約65%の大豆タンパク質含量を有する。好ましくは、粉は非常に細かく粉砕され、最も好ましくは、300メッシュ(米国基準)スクリーン上に約1%未満の粉が保持されるように粉砕される。全脂大豆粉は、元の油を全て(通常、18%〜20%)含有する粉砕した全大豆を指す。粉は酵素活性でもよいし、あるいは熱加工またはトーストして酵素活性を最小限にしてもよい。酵素活性大豆粉は、その天然酵素を無効にしないために最小限に熱処理された全脂大豆粉を指す。
【0142】
本明細書で使用される「大豆タンパク質濃縮物」という用語は、無水ベースで約65%から約90%未満までの大豆タンパク質のタンパク質含量を有する大豆材料である。大豆タンパク質濃縮物は、無水ベースで通常約3.5重量%から約20重量%までの大豆子葉繊維も含有する。大豆タンパク質濃縮物は、大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕してフレークまたは粉砕子葉から油を除去し、大豆タンパク質および大豆子葉繊維を子葉の可溶性炭水化物から分離することによって大豆から形成される。
【0143】
本明細書で使用される「大豆タンパク質単離物」という用語は、無水ベースで少なくとも約90%の大豆タンパク質のタンパク質含量を有する大豆材料である。大豆タンパク質単離物は、子葉から大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕してフレークまたは粉砕子葉から油を除去し、子葉の大豆タンパク質および炭水化物を子葉繊維から分離し、次いで大豆タンパク質を炭水化物から分離することによって大豆から形成される。
【0144】
本明細書で使用される「デンプン」という用語は、任意の天然源から得られるデンプンを指す。通常、デンプン源は、シリアル、塊茎、根、および果物である。
【0145】
本明細書で使用される「ストランド」という用語は、実施例2で詳述されるシュレッドキャラクタリゼーション試験が実施された後に、長さが約2.5〜約4センチメートルであり、幅が約0.2センチメートルよりも広いサイズを有する構造化タンパク質製品を指す。
【0146】
本明細書で使用される「小麦粉」という用語は、小麦の製粉から得られる粉を指す。一般的に言えば、小麦粉の粒径は約14〜約120μmである。
【0147】
上記で一般的に説明された本発明は、以下に記載される実施例を参照することによって、より良く理解され得る。以下の実施例は、本発明の特定のしかし非限定的な実施形態を表す。
【実施例】
【0148】
以下の実施例は本発明の構造タンパク質製品および種々の食肉組成物の特性を説明する。
【0149】
実施例1.構造化タンパク質製品のせん断強度の決定
以下の手順によって、サンプルのせん断強度をグラムで測定して決定することができる。構造化タンパク質製品のサンプルを秤量し、ヒートシール可能なポーチに入れ、サンプル重量の約3倍の室温の水道水でサンプルを水和させる。約0.01バールの圧力までポーチを排気し、ポーチを密封する。サンプルを約12〜約24時間水和させる。水和サンプルを取り出し、テクスチャアナライザからのナイフがサンプルの直径を通って切断するように向けられたテクスチャアナライザの基板に置く。さらに、サンプルは、ナイフがテクスチャ化断片の長手軸に垂直に切断するようにテクスチャアナライザナイフの下側で向けられなければならない。押出物を切断するために使用される適切なナイフは、Texture Technologies(米国)により製造されるインサイザーブレード(incisor blade)のモデルTA−45である。この試験を実施するための適切なテクスチャアナライザは、25、50、または100キログラムの負荷を備えたStable Micro Systems Ltd.(英国)により製造されるモデルTA、TXT2である。この試験との関連では、せん断強度は、サンプルをせん断するために必要とされる最大力(グラム)である。
【0150】
実施例2.構造化タンパク質製品のシュレッドキャラクタリゼーションの決定
シュレッドキャラクタリゼーションを決定するための手順は以下のように実行することができる。丸ごとの片だけを用いて約150グラムの構造化タンパク質製品を秤量する。サンプルをヒートシール可能なプラスチックバッグに入れ、25℃で約450グラムの水を添加する。約150mmHgでバッグを真空密封し、内容物を約60分間水和させる。シングルブレードパドルを備えたKitchen AidミキサーモデルKM14G0の水和サンプルをボウルに入れ、内容物を130rpmで2分間混合する。パドルおよびボウルの側面をスクレイプし、スクレイプしたものをボウルの底に戻す。混合およびスクレイプを2回繰り返す。ボウルから約200gの混合物を取り出す。約200gの混合物を2つのグループの1つに分離する。グループ1は、長さが少なくとも4センチメートルであり、幅が少なくとも0.2センチメートルの繊維を有するサンプル部分である。グループ2は、長さが2.5cm〜4.0cmであり、幅が約0.2cmであるストランドを有するサンプル部分である。グループ3は、グループ1またはグループ2のパラメータ内に収まらないので廃棄される部分であり、グループ3の廃棄物として捨てられるサンプル量は最小限である。各グループを秤量し、重量を記録する。各グループの重量を合わせ、出発重量(例えば、約200g)で割る。これは、サンプル中の大きい断片の割合を決定する。得られた値が15%より低いか、20%よりも高ければ、試験は完了である。値が15%と20%の間であれば、ボウルからさらに約200gを秤量し、混合物をグループ1およびグループ2に分離し、再度計算を実施する。
【0151】
実施例3.着色構造化タンパク質製品の製造
以下の押出成形法を使用して、実施例1および2で使用されるものと同様の本発明の着色構造化タンパク質製品を調製することができる。一例として、表1に記載される原料をパドルブレンダ内で混ぜ合わせることによって赤色構造化タンパク質製品が製造される。
【0152】

【0153】
内容物を混合して、乾燥ブレンド大豆タンパク質混合物を形成する。次に、乾燥ブレンドをホッパーに移し、水と共に乾燥ブレンドをそこから予備調整器に導入して、調整済大豆タンパク質予備混合物を形成する。次に、調整済の大豆タンパク質予備混合物を75kg/分以下の速度でツインスクリュー押出成形装置に供給する。押出成形装置は5つの温度制御ゾーンを含み、タンパク質混合物は、第1のゾーンの約25℃から、第2のゾーンの約50℃、第3のゾーンの約95℃、第4のゾーンの約130℃、そして第5のゾーンの約150℃の温度に制御される。押出塊は、第1のゾーンの少なくとも約400psigから、第5のゾーンの約1500psigまでの圧力を受ける。加熱ゾーンと連通する1つまたは複数の注入ジェットを介して水を押出成形機バレルに注入する。溶融押出塊は、ダイおよび裏板からなるダイアセンブリを通って押出成形機バレルを出る。塊がダイアセンブリから流れ出る際、含有されるタンパク質繊維は、互いに実質的に整列して、繊維状押出物を形成する。繊維状押出物はダイアセンブリを出ると、フレキシブルナイフで切断され、切断された塊は次に約10重量%の含水量まで乾燥される。
【0154】
実施例4.白色構造化タンパク質製品(SPP)を含む魚パティ
粉砕魚肉および白色SPPを含む魚パティは、表2に示される配合に従って調製され得る。図9を参照されたい。魚肉は、テラピア、オヒョウ、タラ、または他の任意の白身魚からのものであり得る。
【0155】
魚パティは、表2の配合の割合を用いて調製される。ボウルおよびシングルブレードパドルを有するKitchen AidミキサーモデルKM14G0(または等価物)内で、300グラムの水道水に100グラムのSPPを添加し、低速で2分間混合する。SPPが水和し始めたら、繊維が分離されるまで混合物を高速で混合する。繊維を分離したら、572.7グラムの魚トリムをボウルに添加し、低速で1分間混合した後、残りの原料(10グラムの塩、10グラムの乾燥オニオン、5グラムの乾燥ディル、0.8グラムのHerbalox、および1.5グラムの白コショウ)を低速で1分間添加する。次に、得られた混合物をパティに形成して調理する。場合により、パティは、約27.4%(最終乾燥重量ベース)でバターが付けられてパン粉がまぶされ、調理されてもよい。
【0156】

【0157】
実施例5.構造化タンパク質製品を含む魚製品の製造
実施例1および2において用いられるものと同様に、以下の押出成形法を用いて魚製品を調製することができる。一例として、ある量の構造化タンパク質製品を含む魚製品の製造方法には、ある量のすり身肉が含まれる。魚製品は、表3の配合の割合を用いて調製される。ボウルおよびシングルブレードパドルを有するKitchen AidミキサーKM14GO(または等価物)において、300グラムの量の氷水(80:20)および0.3グラムのTiO2をボウル内で混ぜ合わせる。さらに、100グラムのSuproMax 5050を添加し、低速で2分間混合する。SuproMaxが水和し始めたら、繊維が分離されるまで混合物を高速で混合する。繊維を分離したら、450グラムのすり身(4℃)を添加し、低速で1分間混合する。次に、65グラムのSuproMax6010を添加し、低速で1分間混合する。最後に、残りの原料(11.2グラムの塩、70グラムの植物油、0.3グラムのエリソルビン酸ナトリウム、および3グラムの乳酸)を混合物に添加し、低速で1分間混合する。得られた混合物を形成および調理する。場合により、パティが形成される場合、約27.4%(最終乾燥重量ベース)でバターが付けられてパン粉がまぶされ、調理されてもよい。
【0158】

【0159】
実施例6.構造化タンパク質製品、魚肉、および他の動物肉を含む魚製品の製造
実施例1および2において用いられるものと同様に、以下の押出成形法を用いて魚製品を調製することができる。一例として、ある量の構造化タンパク質製品を含む魚製品の製造方法には、ある量のすり身肉が含まれる。魚製品は、表3の配合の割合を用いて調製される。ボウルおよびシングルブレードパドルを有するKitchen AidミキサーKM14GO(または等価物)において、300グラムの量の水を100グラムのSPPと混ぜ合わせ、低速で2分間混合する。SPPが水和し始めたら、繊維が分離されるまで混合物を高速で混合する。繊維を分離したら、500グラムの魚トリムおよび62.7グラムの3mmに挽いた鶏胸肉を添加し、低速で1分間混合する。次に、10グラムの塩および10グラムのISPを添加し、低速で1分間混合する。最後に、残りの原料(10グラムの乾燥オニオン、0.8グラムのHerbalox、および1.5グラムの白コショウ)を混合物に添加し、低速で1分間混合する。次に、得られた混合物をパティに形成し調理する。場合により、パティは、約27.4%(最終乾燥重量ベース)でバターが付けられてパン粉がまぶされ、調理されてもよい。
【0160】

【0161】
本発明は例示的な実施形態に関連して説明されたが、説明を読めばこれらの種々の変更は業者に明らかになり得ることは理解されるべきである。従って、本明細書に開示される本発明が、特許請求の範囲の範囲内に含まれるこのような変更を包含するように意図されることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.シーフード肉と、
b.実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品と
を含むシーフード肉組成物。
【請求項2】
前記構造化タンパク質製品が、図1の顕微鏡写真画像に示されるように実質的に整列したタンパク質繊維を含む請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項3】
前記構造化タンパク質製品が、少なくとも1400グラムの平均せん断強度と、少なくとも10%の平均シュレッドキャラクタリゼーションとを有する請求項2に記載のシーフード肉組成物。
【請求項4】
前記構造化タンパク質製品が、大豆、小麦、キャノーラ、トウモロコシ、ルピナス、オート麦、エンドウ豆、米、モロコシ属、乳製品、乳清、卵、およびこれらの混合物からなる群から選択されるタンパク質含有材料を含む請求項3に記載のシーフード肉組成物。
【請求項5】
前記構造化タンパク質製品が、乾燥物質ベースで約40%〜約75%のタンパク質を有する請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項6】
前記構造化タンパク質製品が、タンパク質、デンプン、グルテン、および繊維を含む請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項7】
前記構造化タンパク質製品が、
a.乾燥物質ベースで約45%〜約65%の大豆タンパク質と、
b.乾燥物質ベースで約20%〜約30%の小麦グルテンと、
c.乾燥物質ベースで約10%〜約15%の小麦デンプンと、
d.乾燥物質ベースで約1%〜約5%の繊維と
を含む請求項8に記載のシーフード肉組成物。
【請求項8】
カルミン、FD&C Red No.40、アンナット、カラメル、二酸化チタン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される着色剤をさらに含み、前記着色剤の濃度が約0.001重量%〜約5.0重量%の範囲である請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項9】
クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、リン酸、ソルビン酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される酸味料であるpH調節剤をさらに含む請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項10】
動物肉をさらに含み、前記動物肉が、牛肉、子牛肉、豚肉、子羊肉、鶏肉、鳥肉、野生狩猟動物肉、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項11】
前記シーフード肉が、淡水魚、海水魚、淡水貝、海水貝、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項12】
前記組成物が、約1重量%〜約20重量%の構造化タンパク質製品と、約20重量%〜約80重量%のシーフード肉とを含む請求項15に記載のシーフード肉組成物。
【請求項13】
硬化剤をさらに含む請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項14】
水と、糖、風味剤、酸化防止剤、結合剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤とをさらに含む請求項18に記載のシーフード肉組成物。
【請求項15】
前記組成物が白身肉製品であり、前記構造化タンパク質製品が白色に着色され、そして前記肉が、淡水魚、海水魚、淡水貝、海水貝、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される白身肉である請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項16】
水と、風味剤、酸化防止剤、結合剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される薬剤とをさらに含む請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項17】
前記シーフード肉が、ナゲット、スティック、フィレット、ステーキ、カツレツ、薫製肉製品、乾燥魚のトッピング、シーフードブロック、およびパティからなる群から選択される食品に形成される請求項1に記載のシーフード肉組成物。
【請求項18】
前記食品がバターおよびパン粉で被覆される請求項17に記載のシーフード肉組成物。
【請求項19】
構造化タンパク質製品を含む疑似シーフード肉組成物であって、前記構造化タンパク質製品が、実質的に整列したタンパク質繊維を有する組成物。
【請求項20】
前記組成物が茶色に着色された構造化タンパク質製品を含む疑似ダークミート製品である請求項19に記載の疑似シーフード肉組成物。
【請求項21】
風味剤、脂肪源、酸化防止剤、結合剤、pH調整剤、ビタミン、ミネラル、多価不飽和脂肪酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される原料をさらに含む請求項19に記載の疑似シーフード肉組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−523153(P2010−523153A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503132(P2010−503132)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/059373
【国際公開番号】WO2008/124569
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(504140299)ソレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (42)
【Fターム(参考)】