説明

横型電気めっき装置

【課題】通電ロールと陽極電極との距離を従来よりも短くし、電気めっきを行う導電性帯状板の電圧損失を抑制することで、電源容量抑制による電源設備コストの削減並びに電気的エネルギーのランニングコストの削減を実現できる横型電気めっき装置を提供する。
【解決手段】導電性帯状板11を搬送する通電ロール12及び押圧ロール13と、導電性帯状板11表面に隙間を有して配置される陽極電極14、15を有し、導電性帯状板11と陽極電極14、15の間にめっき液16を供給して、導電性帯状板11に電気めっきを行う横型電気めっき装置10において、通電ロール12は、その軸方向両側の通電部21、22の外径Dが通電ロール12の他の部分の外径dよりも大きく、通電部21、22が導電性帯状板11の表面に当接し、通電部21、22の内側で通電ロール12と導電性帯状板11の表面とで形成される空間部23に、隙間を有して陽極電極14を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に搬送される導電性帯状板(例えば、鋼帯、銅箔、又はステンレス箔等)に連続的に電気めっきを行う横型電気めっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図8に示すように、水平方向に走行される鋼帯110の上側及び下側、又はその片側に、鋼帯110の表面とは近接して対向配置される陽極電極111と、この陽極電極111の上流側及び下流側に、陽極電極111とは間隔を有して配置される通電ロール(コンダクターロール又はCDRともいう)112とを有する横型電気めっき装置113が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。なお、114は、鋼帯110の押圧ロール(バックアップロールともいう)であり、115は、めっき液が流れるめっき槽、116は、めっき槽115にめっき液を供給するめっき液供給ヘッダーである。
この陽極電極111と鋼帯110の間に、めっき液供給ヘッダー116からめっき液を供給し、通電ロール112に給電することにより、鋼帯110に電気めっきを行うことができる。
【0003】
【特許文献1】特公昭61−21319号公報
【特許文献2】特開平11−256393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の横型電気めっき装置113に使用される通電ロール112は、一般的にその外径(直径)が大きいため(例えば、φ200〜500mm)、平面視して通電ロール112の中心位置から陽極電極111端部までの距離Xが長くなる。このように、距離Xが長くなれば、鋼帯110自体の電気抵抗による電圧損失が大きくなるため、大容量の電源が必要になり、その結果、電源設備コストが増大すると共に、電気的エネルギーのランニングコストも増大する問題が生じる。特に、電気抵抗率の高い導電性帯状板に対して電気めっきを行う場合、距離Xが長くなると、電源設備コスト及び電気的エネルギーのランニングコストは電気抵抗率の低い導電性帯状板と比較して著しく増大する。
【0005】
一方、通電ロール112と陽極電極111を近接配置して、距離Xを短くすると、通電ロール112と陽極電極111とが干渉するため、距離Xの短縮化には限界がある。ここで、通電ロールの外径を小さくし、距離Xを短くすることも考えられるが、この場合、通電ロールの剛性が低下する。通常、通電ロールから鋼帯へ、その幅方向に均一に給電できるように、通電ロールは鋼帯を介して押圧ロールにより押圧されている。このため、通電ロールの剛性が低下すると、通電ロールのたわみ量が増加するため、鋼帯に対して均一な通電が行えず、鋼帯の幅方向のめっき厚が不均一になる問題が生じる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、通電ロールと陽極電極との距離を従来よりも短くし、電気めっきを行う導電性帯状板の電圧損失を抑制することで、電源容量抑制による電源設備コストの削減並びに電気的エネルギーのランニングコストの削減を実現できる横型電気めっき装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う本発明に係る横型電気めっき装置は、導電性帯状板を挟持して水平方向に搬送する上下に対となる通電ロール及び押圧ロールと、前記導電性帯状板の表面に隙間を有して対向配置される陽極電極とを有し、前記導電性帯状板と前記陽極電極の間にめっき液を供給して、前記導電性帯状板に電気めっきを行う横型電気めっき装置において、
前記通電ロールは、その軸方向両側に設けられている通電部の外径が該通電ロールの他の部分の外径よりも大きく、しかも該通電部が前記導電性帯状板の表面に当接しており、両側の前記通電部の内側で前記通電ロールと前記導電性帯状板の表面とで形成される空間部に、隙間を有して前記陽極電極を配置した。
ここで、導電性帯状板の表面とは、導電性帯状板の片面(表側面又は裏側面)又は両面を意味する。
【0008】
本発明に係る横型電気めっき装置において、前記押圧ロールは、その軸方向両側に設けられている押圧部の外径が該押圧ロールの他の部分の外径よりも大きく、しかも該押圧部が前記導電性帯状板の表面に当接しており、両側の前記押圧部の内側で前記押圧ロールと前記導電性帯状板の表面とで形成される空間部に、隙間を有して前記陽極電極を配置することが好ましい。
本発明に係る横型電気めっき装置において、前記通電ロールの回転中心位置は、平面視して前記陽極電極の上流端位置から下流端位置の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る横型電気めっき装置において、前記陽極電極は、前記導電性帯状板の幅方向に3以上の電極部に分割され、しかも分割された前記電極部のうち、前記導電性帯状板の幅方向中央部に位置する電極部の電流値を、その両側に位置する電極部の電流値よりも大きくすることが好ましい。
【0009】
本発明に係る横型電気めっき装置において、前記陽極電極は断面V字状となって、前記陽極電極と前記導電性帯状板の間隔を、前記導電性帯状板の幅方向中央部から両側へ向けて徐々に広げることが好ましい。
本発明に係る横型電気めっき装置において、前記陽極電極の上流側又は下流側には、前記めっき液の供給量を個別に制御可能な複数のめっき液供給口が、前記導電性帯状板の幅方向に3グループ以上に分割して設けられ、しかも前記導電性帯状板の幅方向中央部に位置する前記めっき液供給口から供給される前記めっき液の流速を、その両側に位置する前記めっき液供給口から供給される前記めっき液の流速よりも速くすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜6記載の横型電気めっき装置は、通電ロールの軸方向両側に設けられている通電部の外径を通電ロール他の部分の外径よりも大きくし、両側の通電部の内側で通電ロールと導電性帯状板の表面とで形成される空間部に陽極電極を配置するので、陽極電極と通電ロールの距離を、従来よりも大幅に近づけることができる。
これにより、導電性帯状板の電圧損失を削減できるため、従来よりも電源容量を小さくでき、電源設備コスト及び電気的エネルギーのランニングコストの抑制を実現できる横型電気めっき装置を提供できる。また、通電ロールを幅方向に分割する(導電性帯状板の幅方向両側の通電部を独立した通電ロールにより通電する)方式と比較すると、通電ロールの取付け位置精度を確保するのが容易であり、幅方向両側の通電ロール(通電部)の回転が必ず同期する。この結果、導電性帯状板の通板性が悪くなり、シワや裂け等の欠陥が入ることを避けることができる。更に、通電ロールを幅方向に分割する方式では、幅方向両側の通電ロールの回転を同調させるための機器が別途必要になり、その構造が複雑になる。
【0011】
特に、請求項2記載の横型電気めっき装置は、押圧ロールの軸方向両側に設けられている押圧部の外径を押圧ロールの他の部分の外径よりも大きくし、両側の押圧部の内側で押圧ロールと導電性帯状板の表面とで形成される空間部に陽極電極を配置し、通電ロールの通電部と押圧ロールの押圧部とを、導電性帯状板を中心として対向する位置に配置するので、陽極電極と押圧ロールの距離を、従来よりも大幅に近づけることができる。
これにより、導電性帯状板の電圧損失を削減できるため、従来よりも電源容量を小さくでき、電源設備コスト及び電気的エネルギーのランニングコストの抑制を実現できる横型電気めっき装置を提供できる。
請求項3記載の横型電気めっき装置は、通電ロールの回転中心位置を、平面視して陽極電極の上流端位置から下流端位置の範囲内にするので、陽極電極と通電ロールとの距離を最短にできる。
【0012】
請求項4記載の横型電気めっき装置は、陽極電極を導電性帯状板の幅方向に3以上の電極部に分割するので、導電性帯状板の幅方向に、各電極部の電流値を変えることができる。
電気めっきに際しては、通電ロールから導電性帯状板に給電するため、通電ロールの幅方向両端部(通電部)を導電性帯状板の表面に当接させることにより、導電性帯状板を流れる電流が、導電性帯状板の幅方向中央部と比較して幅方向両側部に流れ易くなる。このため、導電性帯状板へのめっき厚は、その幅方向中央部よりも幅方向両側部の方が厚くなる傾向にある。
そこで、導電性帯状板の幅方向中央部に位置する電極部の電流値を、その両側に位置する電極部の電流値よりも大きくすることで、導電性帯状板の幅方向の通電量が略均一になるように制御でき、導電性帯状板の幅方向のめっき厚を略均一にすることが可能となる。
【0013】
請求項5記載の横型電気めっき装置は、陽極電極を断面V字状とし、陽極電極と導電性帯状板の間隔を、導電性帯状板の幅方向中央部から両側へ向けて徐々に広げるので、陽極電極と導電性帯状板の間に存在するめっき液による電圧損失を、導電性帯状板の幅方向両側から幅方向中央部へかけて小さくできる。これは、電圧損失が、陽極電極と導電性帯状板の間隔の広がりに比例して大きくなるためである。
これにより、めっき電流値を、導電性帯状板の幅方向両端部から幅方向中央部に向けて大きくできるので、導電性帯状板の幅方向の通電量を略均一にでき、導電性帯状板の幅方向のめっき厚を略均一にすることが可能となる。
【0014】
請求項6記載の横型電気めっき装置は、陽極電極の上流側又は下流側に、複数のめっき液供給口を、導電性帯状板の幅方向に3グループ以上に分割して設けるので、導電性帯状板の幅方向に、導電性帯状板に対するめっき液の供給流速を変えることができる。
めっき液の供給流速を高速にすると、単位時間当たりにめっきする金属イオン供給量が増加し、高電流によるめっきが可能となる。
そこで、導電性帯状板の幅方向中央部のめっき液の流速を、その両側のめっき液の流速よりも速くすることで、導電性帯状板の幅方向両端部から幅方向中央部に向けて、めっき電流値を大きくできるので、導電性帯状板の幅方向のめっき厚を略均一にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1(A)〜(C)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態に係る横型電気めっき装置の平面図、部分正断面図、部分側断面図、図2(A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態に係る横型電気めっき装置の平面図、部分正断面図、図3は本発明の第3の実施の形態に係る横型電気めっき装置の部分正断面図、図4(A)、(B)はそれぞれ本発明の第4の実施の形態に係る横型電気めっき装置の平面図、部分側断面図、図5(A)、(B)はそれぞれ本発明の第5の実施の形態に係る横型電気めっき装置の平面図、部分側断面図、図6(A)〜(E)は支持フイルム上に導電部によるメッシュ状パターンを形成する第1の方法の説明図、図7(A)、(B)は支持フイルム上に導電部によるメッシュ状パターンを形成する第2の方法の説明図である。
【0016】
図1(A)〜(C)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る横型電気めっき装置(以下、単にめっき装置ともいう)10は、導電性帯状板(以下、単に帯状板ともいう)11を挟持して水平方向に搬送する上下に対となる通電ロール12(コンダクターロールともいう)及び押圧ロール(バックアップロールともいう)13と、導電性帯状板11の両面(表側面と裏側面)にそれぞれ隙間を有して対向配置される陽極電極14、15とを有し、導電性帯状板11と陽極電極14、15の間にめっき液16を供給して、導電性帯状板11に電気めっきを行う装置である。以下詳しく説明する。
【0017】
横型電気めっき装置10は、導電性帯状板11の搬送方向及び逆方向に、めっき液16を流すめっき槽17を有している。
めっき槽17の上流側には、導電性帯状板11の進入口18が設けられ、また、めっき槽17の下流側には、導電性帯状板11の排出口(図示しない)が設けられている。このめっき槽17の導電性帯状板11の搬送方向中央部であって、導電性帯状板11の厚み方向両側(めっき槽17の上部及び下部)には、それぞれめっき槽17内にめっき液16を供給するめっき液供給口を備えるめっき液供給ヘッダー(めっき液供給手段)19、20が設けられている。
また、めっき槽17には、めっき槽17内に搬送される導電性帯状板11の上面に当接する通電ロール12と、その下面に当接する押圧ロール13が、回転可能に設けられている。
【0018】
通電ロール12は、導電性帯状板11に給電するものであり、その軸方向両側には通電部21、22が設けられており、通電部21、22の導電性帯状板11表面と当接する表面を除く通電ロール12の表面に、通電ロール12へのめっきを防止するための絶縁皮膜(図示しない)が形成されている。
この通電ロール12の軸方向長さW1、即ち両側の通電部21、22の外端間の長さは、導電性帯状板11の表面に当接できる長さであればよく、例えば、導電性帯状板11の幅Wと同一又はそれより例えば100mm以下の範囲で広いものである。なお、通電ロール12の通電部21、22の導電性帯状板11に当接する部分の長さ(幅)W2は、例えば、通電ロール12の通電部21、22の外端から、それぞれ0.05×W以上0.2×W以下の範囲内に調整されている。
また、通電ロール12の通電部21、22の外径Dは、通電ロール12の他の部分の外径dよりも大きくなっている。ここで、通電ロール12の他の部分の外径dは、例えば、0.2×D以上0.5×D以下の範囲内に調整されている。なお、通電ロール12の通電部21、22の外径Dは、例えば、200mm以上500mm以下程度である。
【0019】
このように、通電ロール12の通電部21、22は、導電性帯状板11の両端部に当接するため、両側の通電部21、22の内側で、通電ロール12と導電性帯状板11の上面とで囲まれる領域に、空間部23が形成される。なお、押圧ロール13も、その形状が、通電ロール12と実質的に同一となっており、軸方向両側にそれぞれ押圧部24、25が設けられ、両側の押圧部24、25の内側で、押圧ロール13と導電性帯状板11の下面とで囲まれる領域に、空間部26が形成される。
これらの空間部23、26には、それぞれ通電ロール12及び押圧ロール13とは接触しないように、隙間を有して陽極電極14、15が配置されている。この各陽極電極14、15は、めっき槽17に取付け固定され、その位置決めがなされている。
【0020】
このとき、通電ロール12の回転中心位置は、平面視して陽極電極14の上流端位置から下流端位置の範囲内に設定してある。即ち、平面視して、陽極電極14の上流端位置から通電ロール12の回転中心位置までの距離をLとした場合、その距離Lは、陽極電極14の上流端位置から下流端位置までの距離Lの範囲内にある。
なお、押圧ロール13についても同様である。
以上のように、通電ロール12の通電部21、22を導電性帯状板11に接触させ、この導電性帯状板11を介して陽極電極14、15間に電気回路を形成させて、通電ロール12から導電性帯状板11に給電することで、導電性帯状板11に電気めっきができる。
【0021】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る横型電気めっき装置10を使用して、電気めっきを行う方法について説明する。
まず、めっき液供給ヘッダー19、20のめっき液供給口からめっき槽17内に、濃度調整されためっき液16を連続的に供給し、通電ロール12から導電性帯状板11に給電する。このめっき液としては、例えば、硫酸亜鉛、硫酸銅等を使用できる。
次に、通電ロール12と押圧ロール13をお互いに逆方向に回転させることにより、導電性帯状板11を、進入口18を介してめっき槽17内に、連続的に進入させる。この導電性帯状板としては、例えば、鋼帯、銅箔、又はステンレス箔等を使用できる。
【0022】
これにより、通電ロール12と陽極電極14、15との距離を従来よりも短くし、電気めっきを行う導電性帯状板11の電圧損失を抑制することができ、電源容量抑制による電源設備コストの削減並びに電気的エネルギーのランニングコストの削減を実現できるので、めっき層を、導電性帯状板11の表面に経済性よく形成できる。
また、通電ロール12及び押圧ロール13と導電性帯状板11との接触面は、電気めっきがなされない、又はめっき厚が薄いため、めっき終了後の導電性帯状板11の当該両端部を切断して捨ててもよい。
なお、めっき層の厚みや性状は、導電性帯状板11の種類に応じて、例えば、めっき液16の濃度、めっき槽17内へのめっき液16の供給速度、陽極電極14、15の電流値、又は導電性帯状板11の搬送速度等を調整することにより制御できる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る横型電気めっき装置30について、図2(A)、(B)を参照しながら説明するが、前記した本発明の第1の実施の形態に係る横型電気めっき装置10と同一部材には同一番号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
導電性帯状板11の厚み方向両側に形成された空間部23、26には、それぞれ陽極電極31、32が配置されている。この各陽極電極31、32は、それぞれ導電性帯状板11の幅方向に3つの電極部33〜35、電極部36〜38に分割されている。なお、各電極部33〜35(電極部36〜38も同様)は、同一幅であるが異なる幅でもよい(例えば、中央に位置する電極部34の幅を、その両側に位置する電極部33、35の幅よりも広くする)。また、各電極部33〜35、36〜38間には、それぞれ絶縁体が挟み込まれている。
【0024】
このとき、導電性帯状板11の上方に配置された陽極電極31(陽極電極32も同様)を構成する電極部33〜35のうち、導電性帯状板11の幅方向中央部に位置する電極部34の電流値A1を、その両側に位置する電極部33、35の電流値A2よりも大きくする(例えば、電流値A1を、電流値A2の1倍を超え1.5倍以下)。これにより、導電性帯状板11の幅方向に渡って、均一な厚みのめっき層を形成できる。
なお、陽極電極を、導電性帯状板の幅方向に3つの電極部に分割した場合について説明したが、4以上の電極部に分割してもよい。例えば、陽極電極を4つの電極部に分割した場合、導電性帯状板11の幅方向中央部に位置する電極部とは、両側部を除く中央部の2つを意味する。また、陽極電極を5つ以上の電極部に分割した場合は、導電性帯状板11の幅方向両側部に位置する電極部から、中央部に位置する電極部にかけて、各電流値を徐々に大きくするとよい。これにより、導電性帯状板11の幅方向に渡って、更に均一な厚みのめっき層を形成できる。
【0025】
本発明の第3の実施の形態に係る横型電気めっき装置40について、図3を参照しながら説明するが、前記した本発明の第1の実施の形態に係る横型電気めっき装置10と同一部材には同一番号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
導電性帯状板11の厚み方向両側に形成された空間部23、26には、それぞれ陽極電極41、42が配置されている。この陽極電極41(陽極電極42も同様)は、断面V字状となっており、陽極電極41と導電性帯状板11の間隔を、導電性帯状板11の幅方向中央部(中心位置)から両側へ向けて徐々に広げている(例えば、最小間隔Gを、最大間隔Gの0.1倍以上0.8倍以下)。
これにより、導電性帯状板11の幅方向に渡って、更に均一な厚みのめっき層を形成できる。
【0026】
本発明の第4の実施の形態に係る横型電気めっき装置50について、図4(A)、(B)を参照しながら説明するが、前記した本発明の第1の実施の形態に係る横型電気めっき装置10と同一部材には同一番号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
めっき槽17の導電性帯状板11の搬送方向中央部であって、導電性帯状板11の厚み方向両側(めっき槽17の上部及び下部)には、それぞれめっき槽17内にめっき液16を供給する複数のめっき液供給口を備えるめっき液供給ヘッダー51、52が設けられている。従って、めっき液供給ヘッダー51、52は、めっき槽17の進入口18側に配置される陽極電極31、32に対しては、その下流側に配置され、排出口側に配置される陽極電極31、32に対しては、その上流側に配置されることになる。
なお、陽極電極には、導電性帯状板11の幅方向に分割された前記した陽極電極31、32を使用しているが、この陽極電極31、32の代わりに前記した陽極電極14、15を使用してもよい。
【0027】
また、図5(A)、(B)に示す本発明の第5の実施の形態に係る横型電気めっき装置60は、導電性帯状板11の厚み方向両側に形成された空間部23、26に、それぞれ陽極電極61、62が配置されている。この陽極電極61、62は、陽極電極31、32よりも、導電性帯状板11の搬送方向の長さが長いものである。
この陽極電極61、62の上流側(めっき槽17の進入口18側)であって、導電性帯状板11の厚み方向両側には、めっき槽17内にめっき液16を供給する複数のめっき液供給口63、64が設けられている。このため、めっき槽17の導電性帯状板11の搬送方向中央部には、めっき液供給ヘッダーが設けられていない。
【0028】
以上に示しためっき液供給ヘッダー51、52に設けられた複数のめっき液供給口、及び複数のめっき液供給口63、64は、例えば、バルブ(図示しない)により、めっき液16の供給量を個別に制御可能となっている。
これにより、複数のめっき液供給口を、導電性帯状板11の幅方向に3グループ(即ち、1グループが1又は複数のめっき液供給口を有する)に分割し、導電性帯状板11の幅方向中央部に位置するグループのめっき液供給口から供給されるめっき液の流速を、その両側に位置するグループのめっき液供給口から供給されるめっき液の流速よりも速くできる(例えば、最小流速を、最大流速の0.1倍以上0.8倍以下)。
なお、図4(A)、(B)に示すめっき液供給ヘッダー51、52からの矢印と、図5(A)、(B)に示すめっき液供給口63、64からの矢印は、それぞれめっき液が流れる方向を示している。
【0029】
ここでは、複数のめっき液供給口を、導電性帯状板の幅方向に3グループに分割した場合について説明したが、4グループ以上に分割してもよい。例えば、複数のめっき液供給口を4グループに分割した場合、導電性帯状板11の幅方向中央部に位置するめっき液供給口とは、両側部のグループを除く中央部の2つのグループのめっき液供給口を意味する。また、複数のめっき液供給口を5グループ以上に分割した場合は、導電性帯状板11の幅方向両側部に位置するグループのめっき液供給口から、中央部に位置するグループのめっき液供給口にかけて、各めっき液の流速を徐々に速くするとよい。
これにより、導電性帯状板11の幅方向に渡って、更に均一な厚みのめっき層を形成できる。
【0030】
以上説明した本発明の第1〜第5の実施の形態に係る横型電気めっき装置では、以下のようにして、めっき対象物である導電性帯状板11にめっきすることができる。
導電性帯状板11は、樹脂製の支持フィルムと、この支持フィルム上に形成された導電部とを有する。この導電部は、支持フィルム上の全面に形成されていてもよいが、その形状は用途により異なる。例えば、透光性電磁波シールドフィルム用途では、導電部がメッシュパターン形状である。
【0031】
導電性帯状板11が、表面抵抗:0.3Ω/sq.以上のものである場合、本発明の第1〜第5の実施の形態に係る横型電気めっき装置による電圧損失の抑制効果が大きい。特に、電気抵抗による電圧損失の抑制効果の観点からは、表面抵抗が1Ω/sq.以上、5Ω/sq.以上、更には10Ω/sq.以上といった高抵抗のものであるほど、本発明の効果が大きくなる。なお、導電性帯状板11の表面抵抗が500Ω/sq.を超えると、十分な導電性が得られないため、めっき処理でめっき層が不均一になるなどの問題が生じる虞がある。そこで、導電性帯状板11としては、表面抵抗が500Ω/sq.以下のものが好ましく、更には100Ω/sq.以下のものがより好ましい。
【0032】
導電性帯状板11は、通電ロール12及び押圧ロール13に挟持されて、めっき槽17内に搬送される。このとき、導電性帯状板11には、通電ロール12により給電が行われ、めっき槽17内にはめっき液が供給されることから、陽極電極14、15、31、32、41、42、61、62に対向する面には、めっき処理が行われる。
このめっき処理により、導電性帯状板11にめっき層が形成される。例えば、導電性帯状板が樹脂製の支持フィルムとその上に形成された導電部とを有する形態では、導電部上にめっき層が形成され、導電性帯状板の導電性を向上させることができる。
【0033】
ここで、支持フィルム(透明フイルム)上に導電部(金属細線)によるメッシュ状パターンを形成する第1〜第4の方法について、それぞれ説明する。
【0034】
第1の方法は、図6(A)〜(E)に示すように、透明フイルム70上に設けられた銀塩感光層88を露光し、現像、定着することによって形成された金属銀部92にて、メッシュ状パターン94を構成する方法である。
具体的には、図6(A)に示すように、ハロゲン化銀84(例えば、臭化銀粒子、塩臭化銀粒子、又は沃臭化銀粒子)をゼラチン86に混ぜてなる銀塩感光層88を、透明フイルム70上に塗布する。なお、図6(A)〜(C)では、ハロゲン化銀84を「粒々」として表記してあるが、あくまでも本発明の理解を助けるために誇張して示したものであって、大きさや濃度等を示したものではない。
【0035】
その後、図6(B)に示すように、銀塩感光層88に対してメッシュ状パターン94の形成に必要な露光を行う。このとき、ハロゲン化銀84は、光エネルギーを受けると感光して「潜像」と称される肉眼では観察できない微小な銀核を生成する。
次に、潜像を可視化された画像に増幅するため、図6(C)に示すように、現像処理を行う。具体的には、潜像が形成された銀塩感光層88を現像液(アルカリ性溶液と酸性溶液のどちらもあるが、通常はアルカリ性溶液が多い)にて現像処理する。この現像処理とは、ハロゲン化銀粒子ないし現像液から供給された銀イオンが、現像液中の現像主薬と呼ばれる還元剤により、潜像銀核を触媒核として金属銀に還元され、その結果として潜像銀核が増幅されて可視化された銀画像(現像銀90)を形成する。
【0036】
現像処理を終えたあと、銀塩感光層88中には、光に感光できるハロゲン化銀84が残存するので、これを除去するため、図6(D)に示すように、定着処理液(酸性溶液とアルカリ性溶液のどちらもあるが、通常は酸性溶液が多い)により定着を行う。
この定着処理を行うことによって、露光された部位には金属銀部92が形成され、露光されていない部位にはゼラチン86のみが残存し、光透過性部54となる。即ち、透明フイルム70上に金属銀部92と光透過性部54との組み合わせによるメッシュ状パターン94が形成されることになる。
【0037】
ハロゲン化銀84として臭化銀を用い、チオ硫酸塩で定着処理した場合の定着処理の反応式を以下に示す。
AgBr(固体)+2個のSイオン → Ag(S (易水溶性錯体)
即ち、2個のチオ硫酸イオンSとゼラチン86中の銀イオン(AgBrからの銀イオン)が、チオ硫酸銀錯体を生成する。このチオ硫酸銀錯体は、水溶性が高いので、ゼラチン86中から溶出されることになる。その結果、現像銀90が金属銀部92として定着されて残ることになる。
この金属銀部92にて、メッシュ状パターン94が構成されることになる。
【0038】
なお、現像工程は、潜像に対し還元剤を反応させて現像銀90を析出させる工程であり、定着工程は、現像銀90にならなかったハロゲン化銀84を水に溶出させる工程である。詳細は、T.H.James, The Theory of the Photographic Process, 4th ed., Macmillian Publishing Co.,Inc, NY,Chapter15, pp.438−442. 1977を参照されたい。
【0039】
もちろん、図6(E)に示すように、上述のようにして、金属銀部92を形成した後、更にめっき処理を行って、金属銀部92のみに導電性金属96を担持させることにより、金属銀部92と該金属銀部92に担持された導電性金属96にて、メッシュ状パターン94を形成するようにしてもよい。
【0040】
続いて、第2の方法について説明する。
この方法は、図7(A)に示すように、例えば、透明フイルム70上に形成された銅箔98上のフォトレジスト膜100を露光、現像処理して、レジストパターン102を形成し、図7(B)に示すように、レジストパターン102から露出する銅箔98をエッチングすることにより、銅箔98によるメッシュ状パターン94を形成する方法である。
【0041】
第3の方法は、透明フイルム上に金属微粒子を含むペーストを印刷することによって、メッシュ状パターンを形成する方法である。もちろん、印刷されたペーストに、金属めっきを行うことによって、ペーストと金属めっきによるメッシュ状パターンを形成するようにしてもよい。
また、第4の方法は、透明フイルムに金属薄膜を、スクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷して、メッシュ状パターンを形成する方法である。
これら第1〜第4の方法により、メッシュ状パターンの導電部を形成し、更に本発明の横型電気めっき装置を用いてめっき処理を行うことで、導電部の電気特性を向上させることができる。
【0042】
次に、本実施の形態に係る導電性帯状板において、特に好ましい態様であるハロゲン化銀写真感光材料を用いたメッシュ状パターンの形成方法を、より詳細に説明する。
メッシュ状パターンの形成方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの態様が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は物理現像して、金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を物理現像して、金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像し、金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
【0043】
上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に透光性電磁波シールド膜や光透過性導電膜等の透光性導電膜が形成される。得られる現像銀は、化学現像銀又は物理現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で、後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀が溶解されて現像核上に沈積することによって、感光材料上に透光性導電膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀の比表面は小さい球形である。
【0044】
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀が溶解されて拡散し、受像シート上の現像核上に沈積することによって、受像シート上に透光性導電膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。
【0045】
使用される感光材料について、以下に説明する。
[透明フイルム]
透明フイルムとしては、フレキシブルなプラスチックフイルムを用いることができる。
上記プラスチックフイルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、EVA等のポリオレフィン類、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、アクリル樹脂、ポリイミド、又はアラミド等を用いることができる。
本実施の形態においては、透光性、耐熱性、取り扱い易さ及び価格の点から、上記プラスチックフイルムにはポリエチレンテレフタレートフイルムが適しているが、耐熱性及び熱可塑性等の必要性により、適宜選択される。
【0046】
[保護層]
用いられる感光材料は、後述する乳剤層上に保護層を設けていてもよい。
保護層とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する乳剤層に形成される。上記保護層は、めっき処理する上では設けない方が好ましく、設けるとしても薄い方が好ましい。その厚みは0.2μm以下が好ましい。上記保護層の塗布方法の形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法を適宜選択することができる。
【0047】
[乳剤層]
感光材料は、透明フイルム上に、光センサとして銀塩を含む乳剤層(銀塩含有層)を有することが好ましい。
乳剤層には、銀塩のほか、必要に応じて、染料、バインダ、溶媒等を含有することができる。
【0048】
<銀塩>
本実施の形態で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩が好ましく、特に銀塩がハロゲン化銀写真感光材料用ハロゲン化銀粒子の形で用いられるのが好ましい。ハロゲン化銀は、光センサとしての特性に優れている。
本実施の形態では、光センサとして機能させるためにハロゲン化銀を使用することが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本実施の形態においても用いることができる。
【0049】
<バインダ>
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、且つ、乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダを用いることができる。
上記バインダとしては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれも用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって、中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
乳剤層中に含有されるバインダの含有量は、銀塩含有層中のAg/バインダ体積比が1/4以上になるように調節することが好ましく、1/2以上になるように調節することが更に好ましい。
【0050】
<溶媒>
上記乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0051】
なお、ハロゲン化銀写真感光材料及びそれを用いたメッシュ状パターンの形成方法は、以下の公開公報に開示の技術と適宜組合せて使用できる。
例えば、特開2004−221564号公報、特開2004−221565号公報、特開2007−200922号公報、特開2006−352073号公報、国際公開第2006/001461号パンフレット、特開2007−129205号公報、特開2007−235115号公報、特開2007−207987号公報、特開2006−012935号公報、特開2006−010795号公報、特開2006−228469号公報、特開2006−332459号公報、特開2007−207987号公報、特開2007−226215号公報、国際公開第2006/088059号パンフレット、特開2006−261315号公報、特開2007−072171号公報、特開2007−102200号公報、特開2006−228473号公報、特開2006−269795号公報、特開2006−267635号公報、特開2006−267627号公報、国際公開第2006/098333号パンフレット、特開2006−324203号公報、特願2007−84868、特願2007−91938、特願2007−93021、特願2007−93209、特願2007−134082、特願2007−134083、である。
【0052】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の横型電気めっき装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、陽極電極を、導電性帯状板の両面に対向配置した場合について説明したが、導電性帯状板の片面(上面又は下面)のみに対向配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(A)〜(C)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態に係る横型電気めっき装置の平面図、部分正断面図、部分側断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態に係る横型電気めっき装置の平面図、部分正断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る横型電気めっき装置の部分正断面図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第4の実施の形態に係る横型電気めっき装置の平面図、部分側断面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第5の実施の形態に係る横型電気めっき装置の平面図、部分側断面図である。
【図6】(A)〜(E)は支持フイルム上に導電部によるメッシュ状パターンを形成する第1の方法の説明図である。
【図7】(A)、(B)は支持フイルム上に導電部によるメッシュ状パターンを形成する第2の方法の説明図である。
【図8】従来例に係る横型電気めっき装置の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
10:横型電気めっき装置、11:導電性帯状板、12:通電ロール、13:押圧ロール、14、15:陽極電極、16:めっき液、17:めっき槽、18:進入口、19、20:めっき液供給ヘッダー、21、22:通電部、23:空間部、24、25:押圧部、26:空間部、30:横型電気めっき装置、31、32:陽極電極、33〜38:電極部、40:横型電気めっき装置、41、42:陽極電極、50:横型電気めっき装置、51、52:めっき液供給ヘッダー、54:光透過性部、60:横型電気めっき装置、61、62:陽極電極、63、64:めっき液供給口、70:透明フィルム、84:ハロゲン化銀、86:ゼラチン、88:銀塩感光層、90:現像銀、92:金属銀部、94:メッシュ状パターン、96:導電性金属、98:銅箔、100:フォトレジスト膜、102:レジストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性帯状板を挟持して水平方向に搬送する上下に対となる通電ロール及び押圧ロールと、前記導電性帯状板の表面に隙間を有して対向配置される陽極電極とを有し、前記導電性帯状板と前記陽極電極の間にめっき液を供給して、前記導電性帯状板に電気めっきを行う横型電気めっき装置において、
前記通電ロールは、その軸方向両側に設けられている通電部の外径が該通電ロールの他の部分の外径よりも大きく、しかも該通電部が前記導電性帯状板の表面に当接しており、両側の前記通電部の内側で前記通電ロールと前記導電性帯状板の表面とで形成される空間部に、隙間を有して前記陽極電極を配置したことを特徴とする横型電気めっき装置。
【請求項2】
請求項1記載の横型電気めっき装置において、前記押圧ロールは、その軸方向両側に設けられている押圧部の外径が該押圧ロールの他の部分の外径よりも大きく、しかも該押圧部が前記導電性帯状板の表面に当接しており、両側の前記押圧部の内側で前記押圧ロールと前記導電性帯状板の表面とで形成される空間部に、隙間を有して前記陽極電極を配置したことを特徴とする横型電気めっき装置。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の横型電気めっき装置において、前記通電ロールの回転中心位置は、平面視して前記陽極電極の上流端位置から下流端位置の範囲内であることを特徴とする横型電気めっき装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の横型電気めっき装置において、前記陽極電極は、前記導電性帯状板の幅方向に3以上の電極部に分割され、しかも分割された前記電極部のうち、前記導電性帯状板の幅方向中央部に位置する電極部の電流値を、その両側に位置する電極部の電流値よりも大きくしたことを特徴とする横型電気めっき装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の横型電気めっき装置において、前記陽極電極は断面V字状となって、前記陽極電極と前記導電性帯状板の間隔を、前記導電性帯状板の幅方向中央部から両側へ向けて徐々に広げたことを特徴とする横型電気めっき装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の横型電気めっき装置において、前記陽極電極の上流側又は下流側には、前記めっき液の供給量を個別に制御可能な複数のめっき液供給口が、前記導電性帯状板の幅方向に3グループ以上に分割して設けられ、しかも前記導電性帯状板の幅方向中央部に位置する前記めっき液供給口から供給される前記めっき液の流速を、その両側に位置する前記めっき液供給口から供給される前記めっき液の流速よりも速くしたことを特徴とする横型電気めっき装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−95783(P2010−95783A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270007(P2008−270007)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】