説明

樹脂および非鉄金属の抽出方法

鉱石、濃縮物、半製品および/または溶液のような原料からイオン交換によって非鉄金属(ニッケル、コバルト、銅など)を直接回収する方法が提供される。非鉄鉱石または濃縮物を鉱酸で浸出して、金属を溶解する。生成する浸出液スラリーのpHを、石灰石、水酸化ナトリウムなどの何らかのアルカリ性薬剤を用いて1.0-5.0に調整する。非鉄金属をこの浸出液スラリーからイオン交換樹脂を用いて吸着させ、このイオン交換樹脂は非鉄金属を選択的に装填し、式(1)
【化1】


(式中、N : M : P : Rの比は3-4 : 64-70 : 25-30 : 2-2.5の範囲である)
の構造を有する。装填した吸着物を、酸性またはアンモニア-炭酸アンモニウム溶液でストリッピングする。ストリッピングした樹脂を、装填サイクルに戻す。非鉄金属は、何らかの既知の方法によって溶出物から実質的に純粋に回収することができる。金属が涸渇したスラリーは、廃棄処理および処分へと進む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、イオン交換樹脂、および鉱石、濃縮物、半製品、溶液、パルプおよびスラリーなどの原料から非鉄金属を抽出する湿式精錬法に関する。本発明のイオン交換樹脂および方法を用いて、ニッケル、コバルトおよび銅など、これらに限定されない非鉄金属を抽出することができる。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
イオン交換樹脂を用いて鉱石や濃縮物から非鉄金属を抽出する湿式精錬法は、通常は貴重な金属を鉱酸溶液から浸出して浸出液スラリーを形成する浸出段階を含む。次に、スラリーを固体/液体分離装置に供給して、そこから固相と透明で肥沃な液相を放出する。続いて、液相を、金属回収段階でイオン交換樹脂と接触させる。これまで、固体/液体分離段階は、極めて微細な粒度分布を有する固相に由来する多数の理由により問題があることが明らかにされている。この特徴は貴重な金属からの不純物の選択的な分離と共に、抽出工程に経費と複雑さを加えることとなる。
【0003】
浸出液スラリーの微細さと挙動とにより、伝統的濾過手法は固体/液体分離段階に不適当となる。
【0004】
一層微細な粒子を処理する目的で開発された固体/液体分離装置の一つの型は、向流デカンテーション(CCD)サーキットである。CCDサーキットは一連の6-9種類のシックナーであって、それぞれの直径が50メートルを超え、金属損失を最小限にし且つ透明で肥沃な浸出液相を生成するものを含むことが多い。しかしながら、CCDサーキットの使用の難点は、処理を行う浸出液スラリーが沈降特性に乏しいときには低水準の回収率が得られる可能性があることである。
【0005】
もう一つの問題点は、CCDサーキットの資金と運転経費が比較的高いことである。運転経費は、CCDレーキ機構の電力消費、CCDシックナーに添加される水およびフロキュレント(flocculent)消費を含む。 フロキュレント消費は、抽出される固体1トン当たり200-800g以上の範囲になることが多く、総プラント運転経費の10%までとなることがある。
【0006】
これらの欠点を緩和する試みでは、酸化物鉱石浸出液スラリーからニッケルとコバルトを抽出する改良法は、米国特許第6,350,420号明細書に記載されている。この米国特許明細書には、ニッケルおよびコバルトを含ニッケルおよび/または含コバルト酸化物鉱石、パルプまたはスラリーから直接イオン交換によって抽出する方法が記載されている。
【0007】
具体的には、この方法は、含ニッケル鉱石から鉱酸を用いて貴重な金属を浸出してニッケル、コバルト、および銅、鉄、クロム、マグネシウムおよびマンガンのような不純物の混合物を含む肥沃な浸出液スラリーを形成することを含む。肥沃な浸出液スラリーをイオン交換樹脂と接触させることによって、吸着抽出段階においてニッケルおよびコバルトをスラリーから選択的に装填する。吸着/抽出段階前または中に、スラリーのpHを中和剤を加えることによって調整することができる。
【0008】
米国特許明細書に記載の方法の利点は、貴重な金属は透明で肥沃な浸出溶液からよりも浸出液スラリーから抽出されるので、従来の抽出法の固体/液体分離段階の困難が回避される。
【0009】
米国特許明細書に記載のイオン交換樹脂は、2-ピコリルアミン、ビス-(2-ピコリル)-アミン、 N-メチル-2-ピコリルアミン、 N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピコリルアミンおよびN-(2-ヒドロキシプロピル)-2-ピコリルアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される官能基を含む。
【0010】
樹脂は、浸出液残渣スラリーからスクリーニングによって分離される。装填された樹脂を、酸性溶液(0.5-5M)またはアンモニア溶液を用いてストリッピングする。脱着後、樹脂を装填サイクルに戻す。金属を除いたスラリーは、処分する。
【0011】
下表に、米国特許明細書に記載の方法による浸出液および溶出液中のニッケル濃度を示す。
【0012】
【表1】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明の概要
本発明によれば、鉱石、濃縮物、半製品、溶液、パルプおよびスラリーを含むがこれらに限定されない原料から非鉄金属を脱水するのに適したイオン交換樹脂であって、構造
【化1】


(式中、N : M : P : Rの比がそれぞれ3-4 : 64-70 : 25-30 : 2-2.5であり、X+がカチオンを表す)
を有する上記樹脂が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、鉱石、濃縮物、半製品、溶液、パルプおよびスラリーを含むがこれらに限定されない原料から非鉄金属を脱水するのに適したイオン交換樹脂であって、構造
【化2】


(式中、N : M : P : Rの比がそれぞれ3-4 : 64-70 : 25-30 : 2-2.5である)
を有することを特徴とする、樹脂も提供される。
【0015】
従って、N : M : P : Rの比は、
i) 3 : 70 : 25 : 2、または
ii) 4 : 64 : 30 : 2
であることができ、これらの値を排除しないことは、本発明の範囲内にある。
【0016】
本発明によれば、液体から非鉄金属を脱水する方法であって、非鉄金属を液体から樹脂に選択的に吸着する段階を含み、樹脂が上記した樹脂の構造を有することを特徴とする、方法も提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
液体は、テイリング溶液のような処理プラントで形成される溶液などの任意の形態であることができる。しかしながら、液体は鉱石、濃縮物、または任意の製品または半製品から形成される肥沃なスラリーの液相であるのが好ましい。
【0018】
本発明の樹脂および方法によって提供される利点は、樹脂を用いて、浸出液スラリーから透明浸出液相を形成するために固相と液相を分離することなく非鉄金属をスラリーから選択的に吸着することができることである。
【0019】
非鉄金属は鉛、銅などでよいが、非鉄金属はニッケルまたはコバルト、またはこれらの金属を含む鉱物であるのが好ましい。原料は酸化物材料、スルフィド材料、または酸化物-スルフィド材料であることもできる。
【0020】
原料を樹脂と接触させて、非鉄金属を樹脂に選択的に吸着させる段階は、樹脂の安定性温度の約100℃までの任意の適当な温度で行うのが好ましい。
【0021】
この方法は、原料を鉱酸またはアンモニア溶液で浸出して非鉄金属を溶解させ、肥沃なスラリーを形成する段階を伴うのが好ましい。鉱酸は、硫酸、塩酸、硝酸、およびそれらの混合物であることができる。浸出段階は、高圧浸出、攪拌浸出、堆積浸出、常圧浸出、生体酸化浸出、またはこれらの手法の組合せなど任意の既知の手法を用いて行うことができる。
【0022】
原料が非鉄金属を含む酸化物材料である場合には、浸出段階を高圧浸出、攪拌浸出、堆積浸出、または常圧浸出で行うのが好ましい。
【0023】
原料が非鉄金属を含むスルフィドまたは混合スルフィド-オキシド材料であるときには、浸出段階が穏和な温度および穏和な圧力での酸化または生体酸化浸出で行うのが好ましい。
【0024】
この方法は、イオン交換樹脂と接触させて吸着工程を最適化する前にまたは際に、アルカリ性薬剤を加えて肥沃な浸出液スラリーのpHを調整することを含むのが好ましい。スラリーのpHは、1.0-5.0の範囲であるのが好ましい。
【0025】
浸出液スラリーのpHは、3.5-4.5の範囲であるのが一層好ましい。
【0026】
アルカリ性薬剤は、石灰石、石灰、アルカリ水酸化物、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩、アルカリ土類酸化物、アルカリ土類水酸化物、アルカリ土類炭酸塩、アルカリ土類重炭酸塩、またはそれらの混合物であることができる。
【0027】
樹脂に非鉄金属を装填したならば、樹脂を水で洗浄してこれをスラリーの残渣から分離した後、ストリッピングを行うことができる。この方法は、使用し尽くした浸出液スラリーから分離して溶出物を形成した後、樹脂から酸性またはアンモニア溶液を用いてソーベント(sorbent)非鉄金属をストリッピングする段階を伴うのが好ましい。非鉄金属またはその化合物は、既知の方法によって溶出物から回収される。
【0028】
ストリッピング剤が酸である場合には、酸が硫酸、塩酸または硝酸であるのが好ましい。
【0029】
ストリッピング剤が酸であるときには、酸の濃度が0.5M-5.0Mの範囲であるのが好ましい。
【0030】
ストリッピング剤がアンモニア溶液であるときには、溶液のアンモニアが15-25%の範囲であり、二酸化炭素が15-25%の範囲であるのが好ましい。
【0031】
樹脂から非鉄金属をストリッピングしてしまったならば、これを洗浄して、樹脂に非鉄金属を選択的に吸着させる段階に樹脂を戻すことによって非鉄金属を再装填することができる。
【0032】
本発明は、鉱石、濃縮物、半製品、溶液、パルプおよびスラリーから非鉄金属を回収するための全般的機構および処理プラントを根本的に変革することができる。一般的にいえば、本発明は、従来のCCDサーキットをレジン・イン・パルプ(resin-in-pulp)法に代えることができる。更に、本発明を用いて、下記の利点が得られるこのような方向(tenor)および純度の溶出物を生成することができる。
【0033】
1. 下流部門での処理要件が、大幅に簡略化される。
【0034】
2. 複雑化した再循環サーキットの必要性がなくなる。
【0035】
3. 本発明によって提供される総抽出速度は、完全に最適化した従来の(CCDに基づく)処理機構を用いて得た速度に少なくとも匹敵し、場合によっては上回ることがある。
【0036】
4. ニッケル濃度は、生成する溶出物では40g/Lを上回ることができる。これらの溶液は、電解採取、水素還元などのような周知の方法を用いる非鉄金属の直接精錬装置に適している。
【0037】
5. 資本強度(capital intensity)が、著しく減少する。
【0038】
6. 運転経費が低くなる。
【実施例】
【0039】
詳細な説明
本発明の態様を、下記の非制限的実施例について説明する。それぞれの実施例は、本発明によるイオン交換樹脂を用いて行った。
【0040】
実施例1
この実施例は、ニッケル/コバルト製造プラントのテイリング溶液の形態での試験溶液からニッケルおよびコバルトの抽出を含む。
【0041】
この実施例は、上記の樹脂に準じるイオン交換樹脂を含む700mLのガラス固定床カラムで行った。試験溶液をカラムの最上部に送り、これが樹脂上を流下して、カラムの最下部で集まるにようにした。蠕動ポンプを用いて、溶液を所望の速度でカラムの最上部に送り、カラムの最下部の弁を用いて貧液がカラムから排出される速度を調節した。
【0042】
試験溶液をカラムの最上部に3-5容/容/時または2.1-3.5 l/時で40時間送り、pHは約5.5であった。カラムの最下部から排出される貧液のニッケル濃度を、問題とする試験溶液の濃度に対して200ppmと決定された所定値をニッケル濃度が超過するまで60分毎に観察した。予め選択した値に到達したならば、吸着抽出段階は完了した。
【0043】
吸着段階の後、樹脂を分析したところ、樹脂の四分の三(すなわち、総量700mLの510mL)は完全に飽和されていた。
【0044】
次に、樹脂を水で洗浄し、同一カラムでの脱着段階において8%硫酸を0.5容/容/時または250mL/時の速度でカラム中を流すことによって更に処理した。脱着段階は6時間行い、酸1.5リットルを消費し、カラムの基部から排出した溶出物溶液を生成した。
【0045】
試験溶液、貧液および溶出物溶液の組成を、下記の表1に示す。
【0046】
【表2】

【0047】
表1に示した組成は、入ってくるニッケルおよびコバルトの98%が試験溶液から除去されたことを示している。溶出物中のニッケル濃度は極めて高く、ニッケルは17g/Lにまたコバルトは0.5g/Lに達した。樹脂装填能は、ニッケルは24.7g/Lにまたコバルトは0.76g/Lに達した。
【0048】
潜在的な不純物の濃度は最小限であり、それらの影響は無視し得るものであった。
【0049】
実施例2
この実施例は、高圧ラテライト浸出液スラリーからのニッケルおよびコバルトの抽出を含む。
【0050】
浸出液スラリーは、220-230℃の範囲の温度のオートクレーブ中で硫酸溶液を用いて調製した。肥沃な浸出液スラリーのpHは約0.8であり、比重は約1.48であり、固形物濃度は約29.4w/w%であった。
【0051】
肥沃な浸出液スラリーのpHは、抽出段階前に石灰石パルプを数時間加えることによって調整した。中和後のスラリーのpHは約4.5であり、固形物濃度は約36.0w/w%であった。
【0052】
次に、金属抽出の第一段階は、直列に接続した10個の反応装置から構成される吸着サーキットに溶液を供給することであった。それぞれの反応装置は、ホウケイ酸ガラス製であり、上記樹脂に準じるイオン交換樹脂約100mLを含むステンレススチールメッシュ製のバスケットを収容していた。樹脂を満たしたバスケットをスラリーの流れの方向に対して向流で反応装置番号10から反応装置番号1へ移動させながら、スラリーを反応装置番号1から反応装置番号10へ送った。
【0053】
新鮮で肥沃な浸出液スラリーを、反応装置番号1へ蠕動ポンプによって吸着サーキット中のスラリーの速度を決定する約0.6 L/時の流速で送った。スラリーを約60℃の温度保持し、空気攪拌によって反応装置で混合した。
【0054】
工程中に、反応装置番号1からのバスケットを定期的に取り出し、完全に装填された樹脂を水道水で洗浄し、脱着カラムに入れた。反応装置番号2からのバスケットを反応装置番号1に移動させ、総ての残りのバスケットをスラリーの流れの方向で前の反応装置に移動させた。新鮮な樹脂を含むバスケットを、反応装置番号10に置いた。
【0055】
反応装置1から取り出したバスケットと樹脂を、装填した樹脂を満たした700mL脱着固定床カラム中を12%塩酸の溶液を0.5容/容/時または350mL/時の速度で通過させることを含む脱着段階で処理した。
【0056】
下記の表2に、試験溶液、貧液および溶出物溶液の組成を示す。
【0057】
【表3】

【0058】
実施例2の結果は、下記のような好ましい成果を有している。
(i) 供給スラリーの液相から実質的に完全にニッケルおよびコバルトが抽出され、すなわち、99.9%までの抽出率が得られ、
(ii) 標的金属の樹脂装填が高く、すなわち、ニッケルについて45g/Lまでとなり、
(iii) 溶出物溶液中のニッケルおよびコバルトの濃度が高く、すなわち、ニッケルは46g/Lであり、コバルトは1.21g/Lであり、
(iv) 不純物レベルが低い。
【0059】
実施例3
この実施例は、銅洗浄溶液から銅の抽出を含む。銅抽出前の洗浄溶液中の銅濃度は、50-80ppmの範囲であった。
【0060】
吸着段階は、イオン交換樹脂を満たした4リットルのガラス製移動床カラムで行った。洗浄溶液をカラムの最下部に供給し、20L/時の速度で最上部から排出した。
【0061】
樹脂は溶液に対して向流で移動し、カラムの最上部に供給され、基部から100mLバッチで2時間毎に採取した。
【0062】
出口溶液の銅濃度は、0.02ppm未満であった。樹脂の装填能は、洗浄溶液の銅濃度によって銅20-32g/Lに達した。
【0063】
脱着は、装填した樹脂を10%硫酸溶液と接触させることによって行った。溶出液中の銅濃度は、20-32g/Lに達した。
【0064】
この実施例によって生成した溶出物は、銅-電解槽に適する供給と考えられる。
【0065】
本発明の技術に熟練した者であれば、本発明の精神および範囲から上記の実施例に対して多くの変更および変化を行うことができることを理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱石、濃縮物、半製品、溶液、パルプおよびスラリーを含むがこれらに限定されない原料から非鉄金属を脱水するのに適したイオン交換樹脂であって、構造
【化1】


(式中、N : M : P : Rの比がそれぞれ3-4 : 64-70 : 25-30 : 2-2.5であり、X+がカチオンを表す)
を有する上記樹脂。
【請求項2】
鉱石、濃縮物、半製品、溶液、パルプおよびスラリーを含むがこれらに限定されない原料から非鉄金属を脱水するのに適したイオン交換樹脂であって、構造
【化2】


(式中、N : M : P : Rの比がそれぞれ3-4 : 64-70 : 25-30 : 2-2.5である)
を有する上記樹脂。
【請求項3】
N : M : P : Rの比がそれぞれ約3 : 70 : 25 : 2である、請求項1または2に記載のイオン交換樹脂。
【請求項4】
N: M : P : Rの比がそれぞれ約4 : 64 : 30 : 2である、請求項1または2に記載のイオン交換樹脂。
【請求項5】
ニッケル、コバルトまたは銅、またはこれらの金属を含む鉱物の抽出方法における、請求項1-4のいずれか一項に記載のイオン交換樹脂。
【請求項6】
液体から非鉄金属を脱水する方法であって、非鉄金属を液体から請求項1-4のいずれか一項に記載の樹脂に選択的に吸着する段階を含む、上記方法。
【請求項7】
液体が肥沃な浸出液スラリーの液相であり、樹脂を用いて、非鉄金属をスラリーから実質的な固体/液体分離前処理段階なしに直接選択的に吸着する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
非鉄金属がニッケル、コバルト、銅、またはこれらの金属を含む鉱物である、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
非鉄金属を樹脂に選択的に吸着させる段階を樹脂の安定性温度までの温度で行う、請求項6-8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
非鉄金属を樹脂に吸着させる温度が少なくとも100℃である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
方法が鉱酸またはアンモニア溶液と共に非鉄金属を固形原料から浸出して、肥沃なスラリーを形成する段階を更に含む、請求項6-10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
原料が非鉄金属を含む酸化物材料であり、浸出段階が高圧浸出、攪拌浸出、堆積浸出、または常圧浸出である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
原料が非鉄金属を含むスルフィドまたは混合スルフィド-オキシド材料であるときには、浸出段階が穏和な温度および穏和な圧力での酸化または生体酸化浸出である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
非鉄金属を樹脂に選択的に吸着させて吸着工程を最適化する前にまたは際に、アルカリ性薬剤を加えて肥沃な浸出液スラリーのpHを調整することを更に含む、請求項11-13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
浸出液スラリーのpHが3.5-4.5の範囲である、請求項11-14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
アルカリ性薬剤が石灰石、石灰、アルカリ水酸化物、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩、アルカリ土類酸化物、アルカリ土類水酸化物、アルカリ土類炭酸塩、アルカリ土類重炭酸塩、およびそれらの混合物のいずれか1つまたは組合せであることができる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
酸性またはアンモニア溶液を用いて非鉄金属を吸着するため樹脂をストリッピングして貴重な金属の溶出物を形成する段階を更に含む、請求項6-16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ストリッピング剤が酸であるとき、酸の濃度が0.5M-5.0Mの範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ストリッピング剤がアンモニア溶液であるとき、溶液のアンモニアが15-25%の範囲であり、二酸化炭素が15-25%の範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
非鉄金属をストリッピングした樹脂を非鉄金属を選択的に吸着する段階で再使用する、請求項17-19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
請求項17-20のいずれか一項に記載の方法によって生成した溶出物。

【公表番号】特表2006−526491(P2006−526491A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504036(P2006−504036)
【出願日】平成16年5月7日(2004.5.7)
【国際出願番号】PCT/AU2004/000605
【国際公開番号】WO2004/098775
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505414850)クリーン ティーイーキュー プロプライエタリー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】