説明

樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法

【課題】電磁波シールド性能、耐擦傷性、透明性に優れた樹脂積層体を提供する。
【解決手段】樹脂基材の少なくとも一面に、導電メッシュ層を有し、さらに該導電メッシュ層の上に、硬化性混合物の硬化層を有する樹脂積層体であって前記硬化層が紫外線によって硬化された硬化層であり、前記樹脂基材がアクリル系樹脂から構成される基材である樹脂積層体及び該樹脂積層体の製造方法であり、導電メッシュ層を有する転写フィルムを使用して型上に硬化層、導電メッシュ層を積層し、該型を用いて鋳型を作製し、鋳型に注入した樹脂原料を注型重合する樹脂積層体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性、電磁波シールド性能、耐擦傷性に優れた板状等の形状の樹脂積層体及び、樹脂積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、無線LAN(Local Area Network)及びITS(Intelligent Transport Systems)などの無線通信システムの発達により、通信情報の保護及び混信・誤通信の防止をする必要が生じている。主に、通信情報の保護を目的とする場合には、外来電波の遮蔽と通信機器自身からの放射電波の遮蔽のために、電磁波シールド材によって室内外の電波を遮断することが行われている。
【0003】
一方、アクリル樹脂等の透明樹脂は、工業用資材、建築用資材等として広く使用されている。特に近年では、その透明性と耐衝撃性の点から、アクリル樹脂が液晶テレビ等の各種ディスプレイの前面板として使用されるに至っている。しかし、他の樹脂と同様に、アクリル樹脂はガラスと比較して柔らかいため、引掻き等による傷が発生し易い場合がある。また、アクリル樹脂は表面固有抵抗が高いため、電磁波シールド性能を示さない。
【0004】
耐擦傷性と電磁波シールド性能の両方を満足させる方法として電磁波シールド層を架橋樹脂層と樹脂基材の間に埋め込んで積層体を形成する方法も提案されている。例えば、カーボンナノチューブを有する電磁波シールド層の上にハードコート層(被膜)を積層する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、カーボンナノチューブを含有する電磁波シールド層を積層した場合、透明性が著しく低下したり、電磁波シールド性能が不足するという問題があった。また、ハードコート層と電磁波シールド層との密着性が不足していた。さらに、生産性が乏しいという問題あった。
【特許文献1】特開2006−54377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、透明性、電磁波シールド性能、密着性、耐擦傷性に優れた板状等の形状の樹脂積層体及び、生産性に優れた樹脂積層体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、樹脂基材の少なくとも一面に、導電メッシュ層を有し、さらに該導電メッシュ層の上に、硬化性混合物の硬化層を有する樹脂積層体である。
【0007】
また、本発明の硬化層は紫外線によって硬化された硬化層であることが好ましい。
【0008】
また、本発明の樹脂基材はアクリル系樹脂から構成される基材であることが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る樹脂積層体の製造方法は、透明基材フィルムの少なくとも片面に導電メッシュ層を有する転写フィルムの該導電メッシュ層を型側とし、硬化性混合物を含む塗料で形成した塗布層を介在させて、前記転写フィルムを型に貼り付ける第1の工程、前記塗布層中の硬化性混合物を硬化させて硬化層とする第2の工程、前記型上に積層された硬化層および該硬化層に積層された導電メッシュ層を残して前記透明基材フィルムを剥がす第3の工程、前記硬化層および該硬化層上に積層された該導電メッシュ層を有する前記型を用いて鋳型を作製する第4の工程、前記鋳型に樹脂基材原料を注入し注型重合を行う第5の工程、および、重合終了後、該重合により形成された樹脂基材上に、該導電メッシュ層と、該硬化層とが順次積層された樹脂積層体を鋳型から剥離する第6の工程、を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電磁波シールド性能、耐擦傷性、透明性に優れた機能を有する樹脂積層体を提供することができる。また、本発明によれば、異物等による欠陥が無い優れた表面を有する樹脂積層体を高い生産性で製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、樹脂基材の少なくとも一面に、導電メッシュ層を有し、さらに該導電メッシュ層の上に、硬化性混合物の硬化層を有する樹脂積層体である。
【0012】
まず、硬化層について説明する。
【0013】
硬化層は、樹脂積層体表面の耐擦傷性を向上させるものであり、この耐擦傷性をもたらす各種の硬化性化合物からなる硬化性混合物を膜状に硬化させたものである。硬化性混合物としては、後述する紫外線硬化性混合物のようなラジカル重合系の硬化性化合物からなる硬化性混合物や、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシランなど、縮重合系の硬化性化合物からなる硬化性混合物を挙げることができる。これらの硬化性化合物は、例えば、電子線、放射線、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより硬化するか、或いは加熱により硬化するものである。これらの硬化性化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数の硬化性を有する化合物を組み合わせて用いてもよい。場合によっては、ラジカル重合系の硬化性化合物と熱重合系の硬化性化合物とを組み合わせてもよい。なお、硬化性化合物単独で用いる場合も便宜的に「硬化性混合物」という。
【0014】
本発明において、硬化層は生産性、物性の観点から紫外線によって硬化された硬化層であることが好ましい。以下、紫外線硬化性混合物を硬化させてなる硬化層を形成する工程について説明する。
【0015】
紫外線硬化性混合物としては、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、及び光開始剤からなる紫外線硬化性混合物を用いることが生産性の観点から好ましい。
【0016】
例えば、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物、多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物等が挙げられる。
【0017】
前記の、1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物の具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキルジオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等の3官能以上のポリオールのポリ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
【0018】
さらに、多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物において、多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸の好ましい組合せとしては、例えば、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これら各化合物の組み合わせから、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が得られる。
【0019】
分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物のその他の例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートの3量化により得られるポリイソシアネート1モル当たり、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の活性水素を有するアクリル系モノマー3モル以上を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチレン]イソシアヌレート;エポキシポリ(メタ)アクリレート;ウレタンポリ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。ここで「(メタ)アクリ」とは、「メタクリ」又は「アクリ」を意味する。
【0020】
光開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等のリン化合物;などが挙げられる。
【0021】
光開始剤の添加量は、紫外線硬化性混合物100質量%中、紫外線照射による硬化性の観点から0.1質量%以上が好ましく、紫外線による帯色の観点から10質量%以下が好ましい。また、前記光開始剤は2種類以上を併用してもよい。
【0022】
硬化性混合物は、該硬化性混合物を含む硬化層形成用の塗料として使用することが好ましい。前記塗料には、必要に応じて、レベリング剤、導電性物質、無機微粒子、光安定剤(紫外線吸収剤、HALS等)等の各種成分をさらに添加できる。積層体の透明性の観点から、その添加量は硬化性混合物100質量%中、10質量%以下が好ましい。
【0023】
硬化層としては、その膜厚が1μm〜100μmであることが好ましい。かかる範囲においては、十分な表面硬度を有し外観も良好となる。膜厚が1μm〜30μmであることがより好ましい。
【0024】
本発明で用いる導電メッシュ層は、電磁波シールド性能を有するもの、すなわち外部からの電磁波を遮断したり電磁波を外部に漏洩させないものであり、電磁波を反射したり、電磁波を吸収して熱に変換させるものを用いることができる。また、メッシュ状のものを用いることで透明性と電磁波シールド性能のバランスが良好となる。さらに、メッシュ状であると、硬化性混合物及び、後述する樹脂基材原料がお互いの層まで浸透し易いため、密着性が良好となる。
【0025】
導電メッシュ層としては、例えば、繊維布帛や合成樹脂フィルム等に無電解メッキ処理などにより金属皮膜を形成したものを用いることができる。
【0026】
本発明に用いる無電解メッキ処理を行う場合、その対象とする基材には特に限定はないが、耐久性、加工性の点から合成繊維から成る繊維布帛が用いられる。合成繊維の中でも、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維からなる布帛は耐久性および加工性が良く、好ましく用いられる。
【0027】
カチオン性高分子と電子供与性基を有する樹脂等付与前の基材を、精練などの洗浄処理をした後に、ヒートセットなどの熱処理により形態を安定化させ、さらにエッチング処理を行う。その後、本発明の処理を行うことにより、均一で密着性の良い金属皮膜を形成することの出来る無電解メッキ用基材となる。精練、ヒートセット、エッチングの各処理は、公知の技術により行えばよい。
【0028】
前記基材に対する無電解メッキ処理は公知の条件で行えば良く、また、付与する金属は銅、ニッケル、コバルト、金、銀などが挙げられ、特に限定はされないが、高い導電性を低コストで得られることから、銅の無電解メッキが好ましく、更に電気メッキを併用することにより、メッキ厚を大きくしたり、異種の金属皮膜を積層することも可能である。
【0029】
メッシュの繊維径は20μm〜120μm、メッシュの開口率としては20%〜75%であることが好ましい。かかる範囲においては、透明性、電磁波シールド性能のバランスが良好となる。
【0030】
導電メッシュは、導電性繊維から構成されるものが好ましい。この導電性繊維の材質としては特に限定されないが、例えばポリエステル繊維の表面を銅などの金属で無電解メッキ処理されたものが挙げられ、これを用いると、屈曲耐久性が良好となる。
【0031】
表面抵抗値は0.01Ω/sq〜0.15Ω/sqであることが好ましい。かかる範囲であると電磁波シールド性能が良好となる。
【0032】
電磁波シールド性能を有する導電メッシュとしては、市販されているものを用いることが可能で、例えばセーレン(株)製導電メッシュ(品番「Su−4G−13227」「Su−4X−13540」「Sui−10−168L」「Su−10−33」)などが用いられる。
【0033】
樹脂基材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸メチル単位を主構成成分とする共重合体、ポリスチレン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体の成形品が挙げられる。透明性、耐候性の観点から、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸メチル単位を主構成成分とする共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などのアクリル系樹脂から構成される樹脂基材が好ましい。また、樹脂基材に着色剤や光拡散剤などを添加しても良い。樹脂積層体の厚みは、通常1mm〜15mm程度である。
【0034】
また、この樹脂積層体には、必要に応じて、硬化層の表面に更に反射防止層などの他の機能層を設けることもできる。例えば、反射防止層を形成する場合、市販の反射防止用塗料を前記樹脂積層体の表面に塗布、乾燥させて形成する方法(湿式法)、あるいは、蒸着法やスパッタリング法などの物理気相堆積法により形成する方法などが挙げられる。また、硬化層の表面は平坦でもマット状でも良い。また防汚膜をさらに積層してもよい。
【0035】
本発明における樹脂基材への、導電メッシュ層、硬化層の積層方法としては、(1)樹脂基材へ直接導電メッシュ層、硬化層を順次形成する方法、(2)導電メッシュ層、硬化層が予め形成されたフィルムを用いて接着層を介して樹脂基材へ転写する方法、(3)型に予め硬化層、導電メッシュ層(これらを併せて「導電メッシュ積層膜」と呼ぶことがある。)を形成した後、樹脂基材原料を注入して注型重合を行い、重合終了後、型から剥離する方法、(4)転写フィルムにより型へ導電メッシュ積層膜を形成した後、樹脂基材原料を注入して注型重合を行い、重合終了後、型から剥離する方法が挙げられる。これらの中では生産性の観点から(4)の方法が好ましい。ここでは、この方法について詳細に説明する。
【0036】
転写フィルムは、透明基材フィルム上に剥離可能な導電メッシュ層が積層された(仮固定化された状態)構成からなる。より好ましくは、転写フィルムは、転写を容易にするために、透明基材フィルムと導電メッシュ層の間に離型層を有する。導電メッシュ層の透明基材フィルムへの仮固定化の方法として、後述するシロップを接着剤として用いて固定化する方法が挙げられる。
【0037】
本発明の樹脂積層体の製造方法において、第1の工程として導電メッシュ層を透明基材フィルムの少なくとも片面に有する転写フィルムの導電メッシュ層を型側とし、硬化性混合物を含む塗料で形成した塗布層を介在させて、前記転写フィルムを型に貼り付ける。前記硬化性混合物としては、紫外線硬化性混合物が好ましい。以下、紫外線硬化性混合物を硬化させて硬化層とする樹脂積層体の製造方法について説明する。第1の工程で転写フィルムを型に貼付ける方法としては、例えば、型もしくはフィルムに紫外線硬化性混合物を含む塗料を塗布し、ゴムロールで圧着する方法が挙げられる。特に、貼り合わせる際のエアーの巻き込みを防ぐためには、型上に過剰量の紫外線硬化性混合物を含む塗料を塗布し、フィルムを介してゴムロールで過剰な塗料をしごき出しながら貼り付ける方法が好ましい。
【0038】
前記第1の工程で転写フィルムを型に貼り付けた後、第2の工程として、型または転写フィルムを介して紫外線を照射し、前記塗布層中の紫外線硬化性混合物を硬化させて硬化層とする。この紫外線照射には、紫外線ランプを使用すればよい。紫外線ランプとしては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、蛍光紫外線ランプ等が挙げられる。紫外線照射による硬化は、転写フィルムを介して1段階で行っても良いし、あるいは、転写フィルムを介して1段目の硬化を行い(第2の工程)、透明基材フィルムを剥離し(第3の工程)、その後更に紫外線を照射して2段目の硬化を行うなど、2段階に分けて硬化を実施しても良い。紫外線硬化性混合物以外の硬化性混合物を用いる場合は、例えば、電子線、放射線などのエネルギー線を転写フィルムを介して照射することにより硬化するか、あるいは加熱により硬化すればよい。
【0039】
本発明においては、第2の工程の硬化の後、第3の工程として型上に設けた硬化層上に積層された導電メッシュ層を残して転写フィルムの透明基材フィルムを剥がす。すなわち転写フィルムの導電メッシュ層は、型上の硬化層側に転写されたものとなる。
【0040】
第4の工程として硬化性混合物を硬化させてなる硬化層および該硬化層上に積層された導電メッシュ層(導電メッシュ積層膜)を有する前記型を用いて鋳型を作製する。
【0041】
型を構成する部材としては、例えば、鏡面を有するステンレス板、ガラス板、もしくは表面に所望の凹凸形状を有するステンレス板、ガラス板等を使用できる。鋳型の作製は、例えば、2枚の型の間に、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合物、ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合物等からなる中空形状物をガスケットとしてはさみ込み、クランプで固定して、成形型から構成される鋳型を組立てる等の工程により行うことができる。また、連続的に注型重合(キャスト重合)する方法として、図1に示すような対向して走行する2枚のステンレス製エンドレスベルトを型として、それらエンドレスベルトの間で樹脂原料を注型重合して樹脂板を製造する方法が知られており、これは生産性の点で最も好ましい方法である。この場合においてはステンレス製エンドレスベルト表面に、例えば導電メッシュ積層膜を予め形成することにより、導電メッシュ積層膜を有する樹脂積層体を高い生産性で製造することができる。
【0042】
なお、図1の装置において、上下に配置した一対のエンドレスベルト1、2は、それぞれ主プーリ3、4、5、6で張力が与えられ、同一速度で走行する。上下対になったキャリアロール7は、走行するエンドレスベルト1、2を水平に支持し、ベルトの走行方向と直角かつベルト面の垂直方向からベルト面に対して線荷重をかける。
【0043】
さらに、第5の工程として前記鋳型に樹脂基材原料を注入し注型重合を行う。
【0044】
作製した鋳型内部にて、樹脂基材原料の注型重合を行う際、その樹脂原料としては、従来から知られる各種の原料を使用できる。例えば、アクリル系樹脂を注型重合で製造する場合は、その樹脂原料として、(メタ)アクリル酸のエステル類単独の単量体、またはこれを主成分とする単量体、あるいは、この単量体とこの単量体からなる重合物の混合物を含有するシロップ等を挙げることができる。
【0045】
また、このようなアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸のエステル類の単独重合物、あるいはこれを主成分とする共重合物を例示することができる。(メタ)アクリル酸のエステル類としては、メタクリル酸メチルを例示することができる。例えば、メタクリル酸メチルを主な単量体成分として共重合する場合、その他の単量体成分と
しては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;等が挙げられる。
【0046】
メタクリル酸メチル単量体あるいはメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物中に、メタクリル酸メチル単量体あるいはメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物の重合物を含むシロップとする場合は、メタクリル酸メチル単量体あるいはメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物に前記重合物を溶解させてもよいし、あるいはメタクリル酸メチル単量体あるいはメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物を一部重合させてもよい。アクリル系樹脂原料を重合するための開始剤としては一般的に用いられるアゾ系の開始剤、あるいはパーオキサイド系開始剤等が挙げられ、これらの開始剤を用いて公知の方法により注型重合を行う。アクリル系樹脂原料には、その他目的に応じ、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料等を添加することができる。
【0047】
注型重合する樹脂基材原料は、重合性原料注入装置14からエンドレスベルト1、2の間に供給される。エンドレスベルト1、2の両側端部付近は弾力性のある二個のガスケット12でシールされ、これにより鋳型の空間部が形成される。エンドレスベルト1、2の間に供給された重合性原料は、エンドレスベルト1、2の走行に伴い、第一重合ゾーン8において温水スプレー9による加熱によって重合を開始し、次いで第二重合ゾーン10において遠赤外線ヒーターで加熱されて重合を完結し、冷却ゾーン11で冷却された後、矢印13方向に成形品が取り出される。
【0048】
第一重合ゾーンの重合温度は30℃〜90℃が好ましく、重合時間は10分〜40分程度とすることが好ましい。ただし、この範囲の温度や時間に限定されるものではない。例えば、始めは低温で重合を行い、次いで温度を上昇させて重合を継続させる方法等も用いることができる。その後、第二重合ゾーンにおいて、100℃〜130℃程度の高温条件
で10分〜30分加熱して重合を完結させることも好ましい。
【0049】
第6の工程として、重合終了後、樹脂基材と、導電メッシュ層と、硬化層とが順次積層された樹脂積層体を鋳型から剥離する。このようにして得られる樹脂積層体は、型面を転写したものなので異物等による欠陥が無い優れた表面を有し、かつ耐擦傷性や電磁波シールド性能に優れている。
【実施例】
【0050】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ここで、実施例、比較例で使用した化合物の略称は以下の通りである。
【0051】
「MMA」:メタクリル酸メチル
「AIBN」:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
「C6DA」:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
「TAS」:コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合混合物(大阪有機化学工業(株)製)
「BEE」:ベンゾインエチルエーテル(精工化学(株)製)
「IRGACURE184」:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン(株)製)
「IRGACURE819」:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製)
なお、実施例における物性の評価は下記の方法に基づいて行った。
【0052】
<全光線透過率及びヘーズ>
日本電色製HAZE METER NDH2000(商品名)を用いてJIS K7361及びJIS K7136に示される測定法に準拠して、それぞれ全光線透過率及びヘーズを測定した。
【0053】
<耐擦傷性>
擦傷試験の前後におけるヘーズの変化(△ヘーズ)をもって評価した。即ち、#000のスチールウールを装着した直径25.4mmの円形パッドを積層体の硬化層表面上に置き、9.8Nの荷重下で、20mmの距離を100回往復擦傷し、擦傷前と擦傷後のヘーズ値の差を下式(1)より求めた。
【0054】
[△ヘーズ(%)]=[擦傷後ヘーズ値(%)]−[擦傷前ヘーズ値(%)]・・(1)
<異物による外観欠陥の評価>
後述する方法により得られた樹脂積層体中の異物数をカウントした。
【0055】
○:異物なし。
【0056】
×:異物が多数認められる。
【0057】
<電磁波シールド性の評価>
アドバンテスト法に準拠して評価した。プラスチックシールド材評価装置(アドバンテスト社製TR17301A)を用いて測定し、スペクトルアナライザー(アドバンテスト社製R3132)を用いてデータ解析を行い、100MHzにおける電磁波シールド効果(dB)を比較した。
【0058】
<導電メッシュの繊維径の測定方法>
得られた積層体の断面を微分干渉顕微鏡で観察し、繊維径を測定した。
【0059】
<積層体の密着性評価>
クロスカット試験(JIS K5600−5−6)により評価した。
【0060】
○:硬化層あるいは導電メッシュ層の樹脂基材からの剥離無し。
【0061】
×:硬化層あるいは導電メッシュ層の樹脂基材からの剥離有り。
【0062】
[実施例1]
(転写フィルムの作製)
東洋紡製剥離層付25μm厚のPETフィルム(TN100)の剥離層の上に、セーレン製導電メッシュ品番「Su−4G−13227」(繊維径:27μm、開口率:72%、厚み:60μm、表面抵抗値:0.13Ω/sq)を仮留めして転写フィルムとした。
【0063】
仮留めの方法は、重量平均分子量220000のMMA重合物20質量部とMMAモノマー80質量部との混合溶液を導電メッシュの四辺へ塗布し、80℃で10分乾燥させて行った。
【0064】
(導電メッシュ積層膜の作製)
1枚の型となるステンレス(SUS304)板上に、TAS50質量部、C6DA50質量部、BEE1.5質量部からなる紫外線硬化性混合物からなる塗料を塗布した。
【0065】
紫外線硬化性混合物を含む塗膜上に、前記転写フィルムの導電メッシュ層側を型側に向けて前記転写フィルムを重ね、JIS硬度40°のゴムロールを用い、紫外線硬化性混合物を含む塗膜の厚みが15μmとなるように過剰な塗料をしごき出しながら、気泡を含まないように圧着させた。尚、紫外線硬化性混合物を含む塗膜の厚みは、この紫外線硬化性混合物を含む塗料の供給量および展開面積から算出した。次いで、10秒経過後、前記転写フィルムを介して出力40Wの蛍光紫外線ランプ(東芝(株)製、商品名:FL40BL)の下20cmの位置を0.3m/minのスピードで通過させて、紫外線硬化性混合物の硬化を行った。
【0066】
その後、前記転写フィルムを剥離すると、導電メッシュ層は全て、硬化層側へ転写していた。次いで、ステンレス板の前記導電メッシュ積層膜のある面を上にして、出力9.6kWの高圧水銀灯の下20cmの位置を3.0m/minのスピードで通過させて、硬化層をさらに硬化させ、膜厚が13μmの導電メッシュ積層膜を得た。尚、導電メッシュ積層膜の膜厚は、得られた製品の断面の微分干渉顕微鏡写真から測定して求めた。
【0067】
(樹脂積層体の作製)
このようにして形成した導電メッシュ積層膜を有するステンレス板と、表面に何も積層していない通常のステンレス板を1枚づつ用意し、積層膜が内側になるように対向させ、周囲を軟質ポリ塩化ビニル製のガスケットで封じ、注型重合用の鋳型を作製した(面積300×300mm)。この鋳型内に、重量平均分子量220000のMMA重合物20質量部とMMA単量体80質量部の混合物100質量部、AIBN0.05質量部、ジオクチルスルフォサクシネートのナトリウム塩0.005質量部からなる樹脂基材原料を注入し、対向するステンレス板の間隔を2.5mmに調整し、80℃の水浴中で1時間、次いで130℃の空気炉で1時間重合した。その後、冷却して、ステンレス板から、得られた樹脂板を剥離することにより、片面に導電メッシュ積層膜、すなわち表面に硬化層を、内部に導電メッシュ層を有する板厚2mmのアクリル樹脂積層体を得た。
【0068】
得られたアクリル樹脂積層体の全光線透過率は65%、ヘーズは1.5%であり、透明性に優れていた。さらに、異物による外観欠陥も無く、良好な外観を有するものであった。電磁波シールド性の評価を行った結果、100MHzでの電磁波シールド効果は40dBであった。
【0069】
さらに、導電メッシュ積層膜の擦傷後のヘーズ増分は0.0%であり、電磁波シールド性、耐擦傷性に優れるものであった。また、密着性評価を行った結果、密着性は良好であった。結果を表1に示す。
【0070】
[実施例2]
実施例1において、セーレン製導電メッシュ品番「Su−4X−13540」(繊維径:35μm、開口率:59%、厚み:75μm、表面抵抗値:0.14Ω/sq)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
【0071】
[実施例3]
実施例1において、セーレン製導電メッシュ品番「Sui−10−168L」(繊維径:95μm、開口率:47%、厚み:200μm、表面抵抗値:0.05Ω/sq)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
【0072】
[実施例4]
実施例1において、セーレン製導電メッシュ品番「Su−10−33」(繊維径:28μm、開口率:22%、厚み:62μm、表面抵抗値:0.02Ω/sq)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
【0073】
[比較例1]
「アクリライトL001」:ポリメチルメタクリレート板(三菱レイヨン(株)製)の評価結果を表1に示す。
【0074】
[比較例2]
「アクリライトMR200001」:両面に硬化層を有するポリメチルメタクリレート板(三菱レイヨン(株)製)の評価結果を表1に示す。
【0075】
[実施例5]
厚さ2mmのアクリライトL001の片面に、セーレン製導電メッシュ品番「Su−4G−13227」を置き、次いで、TAS50質量部、C6DA50質量部、IRGACURE184を4質量部、IRGACURE819を0.2質量部からなる紫外線硬化性混合物からなる塗料をバーコーターを用いて塗膜の厚みが15μmとなるように塗布した。尚、塗膜の厚みは、この紫外線硬化性混合物を含む塗料の供給量及び展開面積から算出した。次いで、空気下で出力9.6kWの高圧水銀灯の下10cmの位置を2m/minのスピードで通過させて、塗膜を硬化させ、膜厚が13μmの硬化層を得た。尚、硬化層の膜厚は、得られた製品の断面の微分干渉顕微鏡写真から測定して求めた。上記の作業をクリーン度クラス1000の環境下で実施した。結果を表1に示す。
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の樹脂積層体は、各種電気機器の銘板、間仕切り等の各種グレージング、CRT、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクションテレビ等の各種ディスプレイの前面板、及び携帯電話、携帯ミュージックプレイヤー、モバイルパソコンなどの情報端末の情報表示部の前面板等に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の方法に使用可能なベルト式連続キャスト製板装置を例示する模式的断面図である。
【図2】本発明の方法に使用可能な積層体の形成装置を例示する模式的断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1、2 エンドレスベルト
3、4、5、6 主プーリ
7 キャリアロール
8 第一重合ゾーン
9 温水スプレー
10 第二重合ゾーン
11 冷却ゾーン
12 ガスケット
13 樹脂積層体の取り出し方向
14 樹脂基材原料注入装置
15 転写フィルム
16 紫外線硬化性混合物を含む塗料
17 ゴムロール
18 蛍光紫外線ランプ
19 高圧水銀灯
20 導電メッシュ積層膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材の少なくとも一面に、導電メッシュ層を有し、さらに該導電メッシュ層の上に、硬化性混合物の硬化層を有する樹脂積層体。
【請求項2】
前記硬化層が紫外線によって硬化された硬化層である請求項1に記載の樹脂積層体。
【請求項3】
前記樹脂基材がアクリル系樹脂から構成される基材である請求項1または2に記載の樹脂積層体。
【請求項4】
透明基材フィルムの少なくとも片面に導電メッシュ層を有する転写フィルムの該導電メッシュ層を型側とし、硬化性混合物を含む塗料で形成した塗布層を介在させて、前記転写フィルムを型に貼り付ける第1の工程、前記塗布層中の硬化性混合物を硬化させて硬化層とする第2の工程、前記型上に積層された硬化層および該硬化層に積層された導電メッシュ層を残して前記透明基材フィルムを剥がす第3の工程、前記硬化層および該硬化層上に積層された該導電メッシュ層を有する前記型を用いて鋳型を作製する第4の工程、前記鋳型に樹脂基材原料を注入し注型重合を行う第5の工程、および、重合終了後、該重合により形成された樹脂基材上に、該導電メッシュ層と、該硬化層とが順次積層された樹脂積層体を鋳型から剥離する第6の工程、を含む樹脂積層体の製造方法。
【請求項5】
硬化性混合物が紫外線硬化性であって、転写フィルムを介して紫外線を照射し、塗布層中の硬化性混合物を硬化させる請求項4に記載の樹脂積層体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−46948(P2010−46948A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214213(P2008−214213)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】