説明

樹脂製熱交換器およびその製造方法

【課題】準備作業が楽に行え、接合信頼性が高く、チューブの潰れ等の不良品発生の懸念の少ない樹脂製熱交換器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の扁平多孔チューブと、これら扁平多孔チューブを定位置に保持連結する座板とを有する熱交換器を、樹脂材料の射出によって一体同時成形する。その際、扁平多孔チューブの各冷媒流通用孔を成形する複数の芯金22の両端部を芯金固定治具23で固定して中子20を作成し、この中子を、扁平多孔チューブと座板を一体に成形するキャビティ30を有した割金型50にセットし、型閉め後、キャビティ内に溶融樹脂を射出する。成形後、成形品から芯金固定治具23を取り外し、次いで全部の芯金22を抜くことで、樹脂製熱交換器を完成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車用のラジエータ、インタークーラ、ヒーターコア、エバポレータ、コンデンサ等として使用される樹脂製熱交換器およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境汚染を軽減する観点等から自動車の軽量化による省燃費ニーズが高まっている。その1つとして、自動車の冷却系においても、材料置換や形状の最適化によるラジエータ、インタークーラ、ヒーターコア、エバポレータ、コンデンサ等の熱交換器の小型化・軽量化が図られてきている。
【0003】
具体的には、全ての構成部品を樹脂化したオール樹脂熱交換器も多く検討されている。この場合、構成部品を樹脂化することによって形状の自由度が広がり、熱交換媒体である冷却水などを流通するチューブ断面積(つまり、流路の断面積)を確保することができれば、従来の熱交換器と同様な性能を保ちつつ、装置全体として小型化・軽量化を図ることができるメリットが大きいとされている。
【0004】
樹脂で熱交換器を構成する場合の例として、例えば特許文献1には、単一の冷媒流通孔を有する樹脂チューブを複数本、キャビティを貫通するように個別に金型にセットし、その状態で射出成形することにより、樹脂チューブと座板(装置)とを接続する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、樹脂製の溝付きシートを対面接合することにより、冷媒通路を有したチューブを形成すると共に、両端にタンクを形成する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3488470号公報
【特許文献2】特開2004ー108644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載の技術においては、単一の冷媒流通孔を有する多数本の樹脂チューブを、個別に金型にセットする必要があるため、成形に先立つ準備作業が大変であった。また、座板を射出成形する際に成形圧によって樹脂チューブが潰れてしまい、不良品を出すおそれもあった。また、先に成形してある樹脂チューブに、後から成形する樹脂を一体化させるため、樹脂チューブと座板の接合信頼性が低くなるおそれがあった。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術においては、シートを張り合わせてチューブを形成するので、接合信頼性が低く、内圧に弱くなる可能性があった。
【0008】
本発明は、上記事情を考慮し、成形に先立つ準備作業が楽に行えて量産化に好適であり、また、接合信頼性が高くて内圧に強く、しかも、チューブの潰れ等の不良品発生の懸念の少ない、良品質の樹脂製熱交換器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明の樹脂製熱交換器は、幅方向に列設された複数の冷媒流通用孔を有しており且つ広幅な外側面同士を間隔をおいて対向させた状態で互いに平行に並べられた複数の扁平多孔チューブと、これら扁平多孔チューブの長手方向の両端に位置して該各扁平多孔チューブを定位置に保持連結する座板とを、樹脂材料を射出することによって一体に同時成形してなることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、扁平多孔チューブの各冷媒流通用孔を成形するための複数の芯金を用意して、それら芯金の両端部を芯金固定治具で固定することにより、各冷媒流通用孔を成形可能な位置に芯金を保持した射出成形用の中子を作成する工程と、前記扁平多孔チューブと座板を一体に成形するためのキャビティを有すると共に、前記座板を成形するキャビティ部分よりも芯金の長手方向の外側に前記芯金固定治具をセットするための治具保持部を有した割金型を準備する工程と、前記治具保持部に前記芯金固定治具をセットしつつ、前記割金型に前記中子をセットして型閉めする工程と、前記割金型のキャビティ内に、溶融した樹脂材料を射出することで、前記扁平多孔チューブと座板とを一体に射出成形する工程と、射出成形した成形品から前記芯金固定治具を取り外す工程と、前記成形品から前記全部の芯金を抜く工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の樹脂製熱交換器の製造方法であって、前記芯金固定治具で、前記座板を成形するキャビティ部分の少なくとも一部を画成することにより、前記芯金固定治具の外面を座板成形面の一部として、前記座板を成形することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、扁平多孔チューブの各冷媒流通用孔を成形するための複数の芯金を用意して、それら芯金の両端部を芯金固定部材で固定することにより、各冷媒流通用孔を成形可能な位置に芯金を保持した射出成形用の中子を作成する工程と、前記扁平多孔チューブと座板を一体に成形するためのキャビティを有すると共に、前記座板を成形するキャビティ部分に、該座板の一部を構成する芯金固定部材をセットするための治具保持部を有した割金型を準備する工程と、前記治具保持部に前記芯金固定部材をセットしつつ、前記割金型に前記中子をセットして型閉めする工程と、前記割金型のキャビティ内に、溶融した樹脂材料を射出することで、前記扁平多孔チューブと座板とを一体に射出成形する工程と、
射出成形した成形品および前記芯金固定部材から前記全部の芯金を抜く工程とを有し、前記芯金固定部材を前記座板の一部として残すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、扁平多孔チューブと座板を一体に同時成形してなるものであるから、扁平多孔チューブ自体、および、扁平多孔チューブと座板との間に接合部が存在しない。従って、内圧に強く、製品信頼性の非常に高い熱交換器を提供できる。また、扁平多孔チューブと座板を同時一体成形するので、チューブの潰れの懸念が全くなく、製品品質の向上が図れる。
【0014】
請求項2の発明によれば、冷媒流通用孔を成形するための芯金を有した中子を使うことにより、多数の冷媒流通用孔を備える扁平多孔チューブと座板とを一体に同時成形することができ、接合信頼性の高い樹脂製熱交換器を製造することができる。また、芯金固定治具を用いることにより、複数の芯金を群として保持するので、中子としての取り扱いが楽になる。
【0015】
請求項3の発明によれば、芯金固定治具の外面を座板成形面の一部として利用しながら座板を成形するので、芯金固定治具を取り外した後の座板の成形面を平坦にすることができる。つまり、座板からの扁平多孔チューブの突出代を無くすことができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、芯金固定部材を座板の一部として残すので、芯金固定部材を取り外す手間を省くことができる。ただし、芯金固定部材は、射出成形によって形成する座板のあくまでも一部として残すだけであるから、座板と扁平多孔チューブの接合信頼性は変わらずに維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
「第1実施形態」
図1は第1実施形態の樹脂製熱交換器10の斜視図である。この樹脂製熱交換器10は、広幅な外側面11a同士を間隔をおいて対向させた状態で互いに平行に並べられた複数の扁平多孔チューブ11と、これら扁平多孔チューブ11の長手方向(図1中矢印Bで示すチューブ長手方向)の両端に位置して各扁平多孔チューブ11を定位置に保持連結する座板13、13とを有するもので、樹脂材料を射出することによって、全体が一体に同時成形されている。各扁平多孔チューブ11には、幅方向(図1中矢印Aで示すチューブ幅方向)に複数の冷媒流通用孔12が列設されている。また、各扁平多孔チューブ11の端部は、座板13から僅かに突出している。
【0019】
図1では、断面が円形の冷媒流通用孔12を4本だけ設けた場合を示してあるが、個数や断面形状は適宜に変更してよい。実際には、熱交換効率を十分に確保するために、より断面積の小さな孔を多数設けることが多い。
【0020】
このような樹脂製の熱交換器10を製造する方法について次に述べる。
【0021】
まず、図2(a)、(b)に示すように、図1の扁平多孔チューブ11の各冷媒流通用孔12を成形するための複数の芯金22を用意する。かかる芯金22には、後述の芯金引き抜き工程で成形品(チューブ及び座板の一体成形品)から容易に芯金22を引き抜くことができるように剥離剤を塗っておくことが望ましい。芯金22の断面や本数は、冷媒流通用孔12の断面や個数に合わせる。そして、これら芯金22を一定の配列で互いに平行に並べ、その状態で、それらの両端部を、直方体ブロック状の芯金固定治具23で固定する。これにより、各冷媒流通用孔12を成形可能な位置に芯金22を保持した射出成形用の中子20を完成させる。ここで、芯金固定治具23は半割構造としてあり、各半体23aの合わせ面には、芯金22を挟む溝24が形成されている。
【0022】
また、図3、図4に示すような一対の金型50A、50Bからなる割金型50を用意する。割金型50には、扁平多孔チューブ11と座板13を一体に成形するためのキャビティ30が形成されており、キャビティ30は、接離可能な金型50A、50Bの合わせ面51に開口している。この場合のキャビティ30は、扁平多孔チューブ11を成形するキャビティ部分31と、座板13を成形するキャビティ部分33とからなる。また、各金型50A、50Bには、座板13を成形するキャビティ部分33よりも芯金22の長手方向の外側に位置させて、芯金固定治具23をセットするための治具保持部40が設けられている。
【0023】
このように、割金型50と、必要な個数の中子20を用意したら、次に図4、図5に示すように、治具保持部40に芯金固定治具23を挿入しつつ、割金型50に中子20をセットする。ここで中子20の特に芯金22の表面には、予め離型材を塗布しておく。このように中子20をセットすると、図6に示すように、各芯金22が芯金成形用のキャビティ部分31の中で浮いた状態に保持される。
【0024】
全部の中子20をセットしたら、両金型50A、50Bを合わせて型閉めを行い、次に割金型50のキャビティ30内に、溶融した樹脂材料を射出することで、扁平多孔チューブ11と座板13とを一体に射出成形する。
【0025】
そして、射出成形が終了したら、脱型した成形品から芯金固定治具23を取り外し、続いて、成形品から全部の芯金22を抜き取る。それにより、図1に示した樹脂製熱交換器10が完成する。
【0026】
以上の工程にて製作した樹脂製熱交換器10は、扁平多孔チューブ11と座板13を一体に同時成形しているので、扁平多孔チューブ11自体、および、扁平多孔チューブ11と座板13との間に接合部が存在しない。従って、内圧に強くなり、製品信頼性が高くなる。また、1本の扁平多孔チューブ11の中に多数の冷媒流通用孔12が存在するから、成形の際の準備作業(芯金22の取り扱い)も楽になる。また、扁平多孔チューブ11と座板13を同時一体成形しているので、チューブ11の潰れの懸念が全くなく、製品品質の向上が図れる。
【0027】
また、上記の製造方法では、芯金固定治具23を用いることにより複数の芯金22を群として取り扱うので、成形に先立つ準備作業の効率化が図れる。
【0028】
「第2実施形態」
図7は本発明の第2実施形態の樹脂製熱交換器110の斜視図である。この樹脂製熱交換器110の上記第1実施形態の樹脂製熱交換器10との違いは、座板13の端面がフラットになっていて、扁平多孔チューブ11の端部が突出していない点である。その他の構成は第1実施形態のものと同様である。
【0029】
この樹脂製熱交換器110を製造する場合は、図8に示すように、芯金固定治具23をセットするための治具保持部140が、座板13を成形するキャビティ部分33に隣接して設けられている割金型150を利用する。つまり、一対の接離可能な金型150A、150Bには、座板13を成形するキャビティ部分33の隣に直接面するように、治具保持部140が形成されている。
【0030】
この治具保持部140に芯金固定治具23を挿入しながら、中子20を金型150A、150Bにセットすると、芯金固定治具23の外面123が、座板13を成形するキャビティ部分30の少なくとも一部を画成する。従って、キャビティ30に溶融樹脂を注入することにより、芯金固定治具23の外面123を座板成形面の一部として座板13を成形することができ、図7に示すような、座板13の端面がフラットな樹脂製熱交換器110を得ることができる。
【0031】
「その他の実施形態」
上記実施形態の製造方法では、芯金固定治具23を最終的に成形品より取り外す場合を説明したが、芯金固定治具23を、成形した座板13の一部として残すことも可能である。その場合は、芯金固定治具23というよりも芯金固定部材23と呼ぶ方が適切であると言える。
【0032】
この他、芯金固定治具23を座板13の一部として残す場合は、図8に示すように、治具保持部140を座板成形用のキャビティ部分33に隣接して設けるのもよいが、より一体性を持たせるために、座板成形用のキャビティ部分33の一部に含まれる形で治具保持部140を形成する(言い換えれば、芯金固定治具23の一部が座板成形用キャビティ部分33に入り込む形に治具保持部140を形成する)のがよい。そうすることで、インサート成形に近い形で芯金固定治具23を座板13の一部として埋め込むことができる。
【0033】
このように、芯金固定治具(芯金固定部材)23を座板13の一部として残すことにより、芯金固定治具23を取り外す手間を省くことができる。なお、芯金固定治具23は、射出成形によって形成する座板13のあくまでも一部として残すだけであるから、座板13と扁平多孔チューブ11の接合信頼性は変わらずに維持することができる。
【0034】
また、上記実施形態では、円形断面の冷媒流通用孔12が列設された扁平多孔チューブ11を例として示したが、扁平多孔チューブの形態としては、前記した形態の他に図9に示すような各種の形態が考えられる。
【0035】
図9(A)に示す扁平多孔チューブ211では、幅方向の両端が円弧形状になっており、楕円形状の冷媒流通用孔212が幅方向に沿って列設されている。
【0036】
図9(B)に示す扁平多孔チューブ311では、幅方向の両端が広幅面に対して垂直なカット形状になっており、正方形状の冷媒流通用孔312が幅方向に沿って列設されている。
【0037】
図9(C)に示す扁平多孔チューブ411では、幅方向の両端が広幅面に対して垂直なカット形状になっており、長方形状の冷媒流通用孔412が幅方向に沿って列設されている。
【0038】
図9(D)に示す扁平多孔チューブ511では、幅方向の両端が広幅面に対して垂直なカット形状になっており、三角形状の冷媒流通用孔512がその向きを逆にして交互に幅方向に沿って列設されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態の樹脂製熱交換器の外観斜視図である。
【図2】前記樹脂製熱交換器を製造するための射出成形用の中子の構成図で、(a)は組立前、(b)は組立後の状態を示す斜視図である。
【図3】前記樹脂製熱交換器を製造するための射出成形用の割金型の合わせ面の正面図である。
【図4】前記割金型と中子の関係を示す斜視図である。
【図5】割金型に中子を組み込んだ状態を示す部分拡大斜視図である。
【図6】割金型に中子を組み込んだ状態を、金型の合わせ面に向かって見た正面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の樹脂製熱交換器の外観斜視図である。
【図8】図7の樹脂製熱交換器を成形するべく、割金型に中子を組み込んだ状態を、金型の合わせ面に向かって見た正面図である。
【図9】前記樹脂製熱交換器における扁平多孔チューブの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10,110…樹脂製熱交換器
11…扁平多孔チューブ
11a…広幅な外側面
12…冷媒流通用孔
13…座板
20…中子
22…芯金
23…芯金固定治具(芯金固定部材)
30…キャビティ
31…扁平多孔チューブを成形するキャビティ部分
33…座板を成形するキャビティ部分
40,140…治具保持部
50,150…割金型
50A,50B,150A,150B…金型
51…合わせ面
123…芯金固定治具の外面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に列設された複数の冷媒流通用孔(12)を有しており且つ広幅な外側面(11a)同士を間隔をおいて対向させた状態で互いに平行に並べられた複数の扁平多孔チューブ(11)と、これら扁平多孔チューブ(11)の長手方向の両端に位置して該各扁平多孔チューブ(11)を定位置に保持連結する座板(13)とを、樹脂材料を射出することによって一体に同時成形してなる樹脂製熱交換器(10,110)。
【請求項2】
扁平多孔チューブ(11)の各冷媒流通用孔(12)を成形するための複数の芯金(22)を用意して、それら芯金(22)の両端部を芯金固定治具(23)で固定することにより、各冷媒流通用孔(12)を成形可能な位置に芯金(22)を保持した射出成形用の中子(20)を作成する工程と、
前記扁平多孔チューブ(11)と座板(13)を一体に成形するためのキャビティ(30)を有すると共に、前記座板(13)を成形するキャビティ部分(33)よりも芯金(22)の長手方向の外側に前記芯金固定治具(23)をセットするための治具保持部(40,140)を有した割金型(50,50A,50B,150,150A,150B)を準備する工程と、
前記治具保持部(40,140)に前記芯金固定治具(23)をセットしつつ、前記割金型(50,50A,50B,150,150A,150B)に前記中子(20)をセットして型閉めする工程と、
前記割金型(50,50A,50B,150,150A,150B)のキャビティ(30)内に、溶融した樹脂材料を射出することで、前記扁平多孔チューブ(11)と座板(13)とを一体に射出成形する工程と、
射出成形した成形品から前記芯金固定治具(23)を取り外す工程と、
前記成形品から前記全部の芯金(22)を抜く工程とを有する
ことを特徴とする樹脂製熱交換器(10,110)の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の樹脂製熱交換器の製造方法であって、
前記芯金固定治具(23)で、前記座板(13)を成形するキャビティ部分(33)の少なくとも一部を画成することにより、前記芯金固定治具(23)の外面(123)を座板成形面の一部として、前記座板(13)を成形する
ことを特徴とする樹脂製熱交換器(110)の製造方法。
【請求項4】
扁平多孔チューブ(11)の各冷媒流通用孔(12)を成形するための複数の芯金(22)を用意して、それら芯金(22)の両端部を芯金固定部材(23)で固定することにより、各冷媒流通用孔(22)を成形可能な位置に芯金(22)を保持した射出成形用の中子(20)を作成する工程と、
前記扁平多孔チューブ(11)と座板(13)を一体に成形するためのキャビティ(30)を有すると共に、前記座板(13)を成形するキャビティ部分(33)に、該座板(13)の一部を構成する芯金固定部材(23)をセットするための治具保持部(140)を有した割金型(150,150A,150B)を準備する工程と、
前記治具保持部(140)に前記芯金固定部材(23)をセットしつつ、前記割金型(150,150A,150B)に前記中子(20)をセットして型閉めする工程と、
前記割金型(150,150A,150B)のキャビティ(30)内に、溶融した樹脂材料を射出することで、前記扁平多孔チューブ(11)と座板(13)とを一体に射出成形する工程と、
射出成形した成形品および前記芯金固定部材(23)から前記全部の芯金(22)を抜く工程とを有し、
前記芯金固定部材(23)を前記座板(13)の一部として残す
ことを特徴とする樹脂製熱交換器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−200816(P2006−200816A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12740(P2005−12740)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】