説明

機器システム及び画像形成機器システム

【課題】機能ユニットの特性や機能・仕様等に変更があった場合でもシステム全体としての制限動作を柔軟に行うことができる機器システム及び画像形成機器システムを提供すること。
【解決手段】電源を管理及び電力を供給するための電力供給ユニットと、該電力供給ユニットより電力を供給されることによって稼動する複数電力稼動ユニットとにより構成される機器システムにおいて、前記電力稼動ユニットは、複数の稼動モードに応じて必要な電力量を該電力供給ユニットに要求し、該電力供給ユニットは、該複数電力稼動ユニットからの電力要求量と予め定められた優先度に基づき、該電力稼動ユニットが使用可能電力量を算出し、該使用可能電力量を該電力稼動ユニットに通知し供給することを特徴とする電力供給ユニット及び電力稼動ユニットを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数電力稼動ユニット及び電力供給ユニットにより構成される機器システム及び画像形成機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の機器システムは、機器システム全体に対する電力を供給するための電力供給ユニットを有し、機器全体の動作に対して必要な電力を一括供給するようにしていた。従って通常は予め機器全体の動作によって必要となる電力量を見積もった上で電力供給ユニットの電力供給能力を決定し、機器設計を行っていた。
【0003】
しかしながら、機器動作を行う上で必要となる電力量は、機器システムの置かれている状況に応じて常に変動しており、例えば長時間に亘って或る動作を継続して行うような場合においては、機器システムが必要とする電力量が電力供給ユニットによって供給可能な電力量を超えてしまうことがあるため、そのような場合に通常機器システムは動作の続行が不可能となる。
【0004】
そこで、そのような場合であっても動作の継続を可能とするために、或る一部の機能を制限することによって機器システムの動作継続を可能とするような制限動作の実行が提案されている。
【0005】
例えば、電子写真機器システムにおいては、複数枚の記録媒体への連続定着にあっては、定着ローラから各記録媒体への吸熱量が累積されていくことから、連続定着によりメインヒータがフル点灯されても、定着ローラの温調温度からの低下の度合いが著しくなってくる。環境や紙種にもよるがそのまま連続定着を続けると、定着ローラ温度が定着下限温度を下回ってしまい、結果として定着性が確保できなくなることがある。定着ローラ温度が定着下限温度を下回らないように、定着下限温度に何度か加えた温度に達すると、時間当りの画像形成枚数を減らし、定着ローラから記録媒体への時間当りの吸熱量を減少させて定着ローラの温度低下を抑え、生産性を落として定着性を確保している(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−330313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、その場合に時間当たりの画像形成枚数を何枚にすることが妥当かどうかの判断は電子写真機器システムの全体動作を鑑み決定される必要があるため、十分な検討を行わなければならず、且つ、定着器ユニットや記録媒体搬送ユニット等、電子写真機器システムを構成している個々のユニットの組み合わせによって複雑に制約条件が変動するため、その制約に対して細かい対応を行っていくことは事実上不可能であり、そのため、定着性の低下や電力供給の制限等に対して或る程度のマージンを持った制限動作仕様を決定しなければならなかった。
【0008】
又、制限仕様に対しても操作者の目的等により制限される機能の優先順位は本来異なる筈であるが、従来の制限動作仕様は、機器システム全体としての動作に基づき決定しているため、制御仕様が硬直的であり、定着器の温度や消費電力量の変動に対して柔軟に動作を変化させるような制御は難しかった。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、機能ユニットの特性や機能・仕様等に変更があった場合でもシステム全体としての制限動作を柔軟に行うことができる機器システム及び画像形成機器システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明では、機器システムを機能毎に分割される個々の機能ユニットと各機能ユニットに対して供給する電力量を決定するための電力供給ユニットを構成に含むものとし、各々の機能ユニットは個別に複数の稼動モードとその動作に必要な稼動電力量を制御情報として保持する一方、その情報を電力供給ユニットに通知しておき、機器システムが動作する際には、個々の機能ユニットは要求される稼動モードに対応する使用電力を電力供給ユニットに通知し、電力供給ユニットは全ての機能ユニットからの使用電力要求に対して優先順位の高いものから順に電力供給を行うこととする。
【0011】
本発明は、各機能ユニットが各々分散された構成をとることにより、或る任意の機能ユニットが同様の機能を持つ同種のユニットに交換された場合であっても、新しいユニットにおける稼動モードと電力使用量に応じて優先順位を変更するだけで、比較的容易に柔軟な制限モードを含めるシステム機器としての動作を実現することができる。
【0012】
又、本発明の機器システムの代表例としては、電子写真画像形成システムが考えられる。この場合、機能ユニットとしては現像器ユニット、記録媒体転写ユニット、記録媒体給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニット、定着ユニット、レーザ制御ユニット等がそれに該当する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、本発明実施のために必須となる基本構成及び基本動作を請求項に示すものである。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、電力供給ユニットは電源投入時において機能ユニットから通知された稼動モードと予め定められた稼動モードに関する優先順位に応じた電力供給を行うことで、機能ユニットの特性や機能・仕様等に変更があった場合でも機器システム全体としての制限動作を柔軟に行うことができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、個別の機能ユニットは供給を許可された使用可能電力量に応じ最適な動作モードにて稼動することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、上記動作モードは特に機能制限モードであることを特徴としている。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、個別の機能ユニットが制限モードで動作することによってその組み合わせにより、機器システム全体は機器が置かれた状況や環境に応じて最適な制限モードに動的に切り替わることが可能となる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、各機能ユニットは動作が完了した時点で電力供給が不要であることが電力供給ユニットに通知されるため、機器システム全体としてより効率の良い電力利用を行うことが可能となる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、予め要求した電力量を供給されなかったユニットに対しては改めて供給可能になることで非制限モード(通常モード)への移行をスムーズに行うことが可能となる。
【0020】
請求項8記載の発明によれば、突発的にある機能ユニットで多くの電力量の供給が必要とされる場合において通常モード若しくは制限の少ないモードから、より制限の厳しいモードへの移行をスムーズに行うことが可能となる。
【0021】
請求項9記載の発明によれば、電力供給ユニットにおける電力供給の判断基準となる優先度の変更を行うことを可能とすることでより操作者及び操作状況に適した制限モードの実施形態に基づき機器システムを稼動させることが可能となる。
【0022】
請求項10記載の発明によれば、異なる機能ユニットが接続された場合であっても新たな稼動モードに関する優先順位に応じた電力供給を行うことで、機器システム全体の制限動作を柔軟に行うことができる。
【0023】
請求項11記載の発明によれば、本システムを電子写真画像形成機器システムに適用することを提案している。
【0024】
請求項12記載の発明によれば、電子写真画像形成機器システムにおける個別の機能ユニット(画像形成サブユニット)が特にレーザ制御ユニット、現像器ユニット、記録媒体転写ユニット、記録媒体給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニット、定着ユニット等であることを提案している。
【0025】
請求項13記載の発明によれば、電力供給ユニットは電源投入時において画像形成サブユニットから通知された稼動モードと予め定められた稼動モードに関する優先順位に応じた電力供給を行うことで、画像形成サブユニットの特性や機能・仕様等に変更があった場合でも電子写真画像形成機器システム全体としてダウンシーケンスなどの制限動作を柔軟に行うことができる。
【0026】
請求項14記載の発明によれば、個別の画像形成サブユニットは供給を許可された使用可能電力量に応じ最適な動作モードへの切り換えを動的に行うことができる。
【0027】
請求項15記載の発明によれば、上記動作モードは特に機能制限モードであることを特徴としている。
【0028】
請求項16記載の発明によれば、特に該画像形成サブユニットである給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニットにおける最適な記録媒体搬送速度への切り換えを動的に行うことができる。
【0029】
請求項17記載の発明によれば、特に該画像形成サブユニットである定着ユニットにおける最適な定着加熱温度への切り換えを動的に行うことができる。
【0030】
請求項18記載の発明によれば、特に画像形成サブユニットである現像器ユニットにおいて必要に応じてカラー・白黒両モードの切り換えを動的に行うことができる。
【0031】
請求項19記載の発明によれば、個別の画像形成サブユニットが制限モードで動作することによってその組み合わせにより、電子写真画像形成機器システム全体は機器が置かれた状況や環境に応じて最適な制限モードでの画像形成動作に動的に切り替わることが可能となる。
【0032】
請求項20記載の発明によれば、各機能ユニットは動作が完了した時点で電力供給が不要であることが電力供給ユニットに通知されるため、機器システム全体としてより効率のよい電力利用を行うことが可能となる。
【0033】
請求項21記載の発明によれば、予め要求した電力量を供給されなかったユニットに対しては改めて供給可能になることで通常モードでの画像形成動作への移行をスムーズに行うことが可能となる。
【0034】
請求項22記載の発明によれば、突発的にある画像形成サブユニットで多くの電力量の供給が必要とされる場合において通常モード若しくは制限の少ないモードから、より制限の厳しいモードへの移行をスムーズに行うことが可能となる。
【0035】
請求項23記載の発明によれば、電力供給ユニットにおける電力供給の判断基準となる優先度の変更を行うことを可能とすることでより操作者及び操作状況に適した制限モードの実施形態に基づき電子写真画像形成機器システムを稼動させることが可能となる。
【0036】
請求項24記載の発明によれば、異なる画像形成サブユニットが接続された場合であっても新たな稼動モードに関する優先順位に応じた電力供給を行うことで、電子写真画像形成機器システム全体の制限動作を柔軟に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明を実現するための機器システムの構成について図1を用いて説明する。
【0038】
本発明における機器システムは、機器制御ユニット101と機器内の各内部機能毎に分割された機能ユニットA103,B104,C105,D106により構成されている。機器制御ユニット101は、各機能ユニットA103,B104,C105,D106に対して何らかの機器動作を行う上で必要な機能ユニットに対する個々の機能動作を行うための指令を行う。
【0039】
その一方で機器制御ユニット101は電源部102をその構成に含んでおり、電源部102から各機能ユニットA103,B104,C105,D106に対して電力供給バスA107,B108,C109,D110を介した電力供給を可能としている。
【0040】
又、電源部102を含む機器制御ユニット101は、CPU112によって各機能ユニットA103,B104,C105,D106に対する電力供給量を判断する。即ち、機器制御ユニット101は、電力供給ユニットとしても機能していることとなる。その際、各機能ユニットに対する電力供給量の配分を判断するための判断情報を記憶する手段として、機器制御ユニット101は、各機能ユニットの機能優先順位情報を記録するための記録メモリ113を有している。又、CPU112は、論理系通信バス111を介して各機能ユニットA103,B104,C105,D106が有する論理制御部A114,B115,C116,D117に対する制御指示及び必要な情報通信を行う。
【0041】
以下、斯かる構成による発明における機器システムにおける電力制御について説明する。
【0042】
先ず、機器システムに対して電源投入されると、機器制御ユニット101は電源部102を介して各機能ユニットA103,B104,C105,D106の論理制御部A114,B115,C116,D117が動作可能なだけの電力を供給する。そして、各機能ユニットA103,B104,C105,D106の論理制御部A114,B115,C116,D117は各機能ユニットが行うことのできる1つ若しくは複数の動作モードを論理系通信バス111を介して予め機器制御ユニット101のCPU112に通知する。CPU112は、各機能ユニットA103,B104,C105,D106より通知された動作モードを記憶メモリ113に記憶する。
【0043】
機器制御ユニット101は各機能ユニットA103,B104,C105,D106に対して何らかの機器動作を行う場合、各機能ユニットに対し必要な機能動作を行うための指令を論理系通信バス111を介して行う。
【0044】
それに対して各機能ユニットA103,B104,C105,D106は、論理系通信バス111を介し、指令に応じた機能動作を行うに当たって必要な使用電力量を機器制御ユニット101に通知する。機器制御ユニット101は、各機能ユニットA103,B104,C105,D106より通知された機能動作を行うに当たって必要な使用電力量の総計が電源部102より供給し得る電力量以下であれば、図2に示すように各機能ユニットA103,B104,C105,D106の論理制御部A114,B115,C116,D117に対してその旨を通知した後に所望の電力を電源部102より電力供給バスA107,B108,C109,D110を介して供給される。
【0045】
一方、各機能ユニットA103,B104,C105,D106より通知された機能動作を行うに当たって必要な使用電力量の総計が電源部102が供給し得る電力量以上である場合には、図3に示すように、記憶メモリ113に記憶された各機能ユニットA103,B104,C105,D106へ指示した動作モードとその優先順位に応じて各機能ユニットA103,B104,C105,D106へ供給する電力量を決定し、各機能ユニットA103,B104,C105,D106の論理制御部A114,B115,C116,D117に対してその旨を通知した後に所望の電力を電源部102より電力供給バスA107,B108,C109,D110を介して供給する。その結果、要求した電力量よりも供給される電力量が少ない機能ユニットは、本来行うべき動作モードに比して緊急度が比較的低い機能を制限した動作モードにて動作する。制限動作を行うことによって機能ユニットで使用される電力量は、機器制御ユニット101に通知される。その結果、余剰した電力量については使用電力量を制限されている機能ユニットに対して、補充電力量として補充供給される。
【0046】
又、或る機能ユニットにおいて指示された動作が完了した場合には、その旨を論理系通信バス111を介して機器制御ユニット101に通知する。図4に示すように、機器制御ユニットは、その通知を受けて対象とする機能ユニットへの電力供給を停止する一方で、使用電力量を制限されている機能ユニットに対して補充電力量として補充供給される。
【0047】
又、或る動作モードにて動作中の状態において、後発的に新たな機器動作要求が発生した場合、機器制御ユニット101は各機能ユニットA103,B104,C105,D106に必要な機能動作を行うための指令を論理系通信バス111を介して行う。それに対して各機能ユニットA103,B104,C105,D106は、指令に応じた機能動作を現在実行中の機能動作と平行して行うに当たって必要な使用電力量を論理系通信バス111を介して機器制御ユニット101に通知する。
【0048】
機器制御ユニット101は、各機能ユニットA103,B104,C105,D106より通知された機能動作を現在実行中の機能動作と平行して行うに当たって必要な使用電力量の総計が電源部102が供給し得る電力量以下であれば各機能ユニットA103,B104,C105,D106の論理制御部A114,B115,C116,D117に対してその旨を通知した後に所望の電力を電源部102より電力供給バスA107,B108,C109,D110を介して供給される。
【0049】
一方、各機能ユニットA103,B104,C105,D106より通知された機能動作を行うに当たって必要な使用電力量の総計が電源部102が供給し得る電力量以上である場合には、図5に示すように記憶メモリ113に記憶された各機能ユニットA103,B104,C105,D106へ指示した動作モードとその優先順位に応じて各機能ユニットA103,B104,C105,D106へ供給する電力量を決定し、各機能ユニットA103,B104,C105,D106の論理制御部A114,B115,C116,D117に対してその旨を通知した後に所望の電力を電源部102より電力供給バスA107,B108,C109,D110を介して供給する。その結果、要求した電力量よりも供給される電力量が少ない機能ユニットは、本来行うべき動作モードに比して緊急度が比較的低い機能を制限した動作モードにて動作する。
【0050】
尚、調整後の使用電力量が電源部102が供給し得る電力量以上になっている場合、各機能ユニットA103,B104,C105,D106の何れかが指示通りの使用電力量を越えて動作を行っている可能性がある。その場合には、図6に示すように、各機能ユニットA103,B104,C105,D106の使用電力量を調査し、不正な電力使用を行っている機能ユニットを特定した後に、速やかに動作を停止する。
【0051】
図7〜図9は本発明の本発明の効果を説明する上で最適な実施形態である電子写真画像形成装置システムの機器構成を表す図面である。
(カラーリーダ部の構成)
先ず、カラーリーダ部の構成について説明する。
【0052】
図8は画像形成装置の全体構成を示すものである。ここで、801はCCD、811はCCD701の実装された基板、800は画像形成装置システム全体を制御する制御部、812は図7に示す画像処理部を除いた部分を含むプリンタ処理部、801は原稿台ガラス(プラテン)、802は原稿給紙装置(DF)(尚、この原稿給紙装置802の代わりに未図示の鏡面圧板を装着する構成もある)、803及び804は原稿を照明する光源(ハロゲンランプ又は蛍光灯)、805及び806は光源803・804の光を原稿に集光する反射傘、807〜809はミラー、810は原稿からの反射光又は投影光をCCD801上に集光するレンズ、814はハロゲンランプ803・804と反射傘805、813は他のデバイスとの外部インターフェース(I/F)である。
【0053】
尚、キャリッジ814は速度Vで、キャリッジ815は速度V/2で、CCD801の電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に駆動モータ816によって機械的に移動することによって、原稿の全面を走査(副走査)する。
【0054】
又、制御部800は、図9に示すようにデジタル画像処理部912と外部I/F813、プリンタ制御I/F817に対してそれぞれ制御を行うための情報をやり取りするI/Fを持つCPU901と操作部902、メモリ903によって構成されている。操作部302は操作者による処理実行内容の入力や操作者に対する処理に関する情報及び警告等の通知のためのタッチパネル付き液晶により構成される。
【0055】
又、外部I/F813は、画像情報やコード情報等を画像処理装置外部とやり取りするためのインターフェースであり、具体的には、図10に示すように、ファクシミリ装置1001やLANインターフェース装置1002等を接続することが可能である。尚、ファクシミリ装置1001やLANインターフェース装置1002との画像情報及びコード情報のやり取り手続き制御については、各接続装置であるファクシミリ装置1001やLANインターフェース装置1002と制御部800のCPU901との相互通信により行われる。
【0056】
次に、デジタル画像処理部の詳細な説明を行う。図7はデジタル画像処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【0057】
原稿台ガラス上の原稿は光源803,804からの光を反射し、その反射光はCCD801に導かれて電気信号に変換される(CCD701はカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったものでも、3ラインCCDで、それぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCDごとに並べたものでも構わず、フィルタがオンチップ化又はフィルタがCCDと別構成になったものでも構わない)。そして、その電気信号(アナログ画像信号)は、画像処理部712に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部702でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像信号のダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅され(上記処理順番は表記順とは限らない)、A/D変換されて、例えばRGB各8ビットのディジタル信号に変換される。
【0058】
続いて、RGB信号は、シェーディング部703で、シェーディング補正及び黒補正が施される。補正後のRGB信号は、更につなぎ&MTF補正補正&原稿検知部704で、CCD701が3ラインCCDの場合、つなぎ処理はライン間の読取位置が異なるため、読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正し、MTF補正は読取速度や変倍率によって読取のMTFが変るため、その変化を補正し、原稿検知は原稿台ガラス上の原稿を走査することにより原稿サイズを認識する。読取位置タイミングが補正されたデジタル信号は、入力マスキング部705によって、CCD701の分光特性及び光源803,804及び反射傘805,806の分光特性を補正する。入力マスキング部705の出力は、外部I/F信号との切り換え可能なセレクタ706に入力される。
【0059】
セレクタ706から出力された信号は、色空間圧縮&下地除去&LOG変換部707と下地除去部715に入力される。下地除去部715に入力された信号は、下地除去された後、原稿中の原稿の黒い文字かどうかを判定する黒文字判定部716に入力され、原稿から黒文字信号を生成する。又、もう1つのセレクタ706の出力が入力された色空間圧縮&下地除去&LOG変換部707では、色空間圧縮は読み取った画像信号がプリンタで再現できる範囲に入っているかどうか判断し、入っている場合はそのまま、入っていない場合は画像信号をプリンタで再現できる範囲に入るように補正する。そして、下地除去処理を行い、LOG変換でRGB信号からCMY信号に変換する。
【0060】
そして、黒文字判定部716で生成された信号とタイミングを補正するため、色空間圧縮&下地除去&LOG変換部707の出力信号は遅延708でタイミングを調整される。この2種類の信号はモワレ除去部709でモワレが除去され、710で主走査方向に変倍処理される。711はUCR&マスキング&黒文字反映部で、変倍処理部で処理された信号はCMY信号はUCR処理でCMYK信号が生成され、マスキング処理部でプリンタの出力にあった信号に補正されると共に黒文字判定部716で生成された判定信号がCMYK信号にフィードバックされる。UCR&マスキング&黒文字反映部711で処理された信号はγ補正部712で濃度調整された後フィルタ部713でスムージング又はエッジ処理される。
(プリンタ部の構成)
続いて、プリンタ部の構成について説明する。図8は本発明に係る画像形成装置システムの一例であるフルカラープリンタの要部構成図である。
【0061】
像担持体としての感光体ドラム(以下、単に「感光体」と言う)825は、図示しないモータで矢印Aの方向に回転できるように設けられている。感光体825の周囲には、一次帯電器821、露光装置818、黒現像ユニット819、カラー現像ユニット823、転写帯電器820、クリーナ装置822が配置されている。
【0062】
前記黒現像装置819は、モノクロ現像のための現像装置であり、感光体825上の潜像をKのトナーで現像する。又、前記カラー現像ユニット823は、フルカラー現像のための3台の現像装置823Y,823M,823Cから成る。現像装置823Y,823M,823Cは、感光体825上の潜像をそれぞれY,M,Cのトナーで現像する。各色のトナーを現像する際には、図示しないモータによって現像ユニット823を矢印R方向に回転させ、当該色の現像装置が感光体825に当接するように位置合わされる。
【0063】
感光体825上に現像された各色のトナー像は、転写帯電器820によって中間転写体として転写ベルト826に順次転写されて、4色のトナー像が重ね合わされる。転写ベルト826は、ローラ827,828,829に張架されている。これらのうち、ローラ827は、図示しない駆動源に結合されて転写ベルト826を駆動する駆動ローラとして機能し、ローラ828は、転写ベルト826の張力を調節するテンションローラとして機能し、ローラ829は2次転写装置としての転写ローラ831のバックアップローラとして機能する。
【0064】
又、転写ローラ脱着ユニット850は、転写ローラ831を転写ベルト826に接着させる、若しくは離脱させるための駆動ユニットである。転写ベルト826を挟んでローラ827と対向する位置にはクリーナブレード832が設けられている。
【0065】
クリーナブレード脱着ユニット868は、クリーナブレード832を転写ベルト826に接着させる、若しくは離脱させるための駆動ユニットである。クリーナブレード脱着ユニット868によってクリーナブレード832が着方向に動作することによって転写ベルト826上の残留トナーがブレードで掻き落とされる。
【0066】
カセット840,841及び手差し給紙部853に格納された記録媒体は、レジローラ855及び給紙ローラ対835,836,837によってニップ部、つまり、2次転写装置831と転写ベルト826との当接部に給送される。尚、その際2次転写装置831は、転写ローラ脱着ユニット850を当接方向に駆動させることによって転写ベルト826に当接されている。
【0067】
転写ベルト826上に形成されたトナー像は、このニップ部で記録媒体上に転写され、定着装置834で熱定着されて装置外へ排出される。尚、カセット840,841及び手差し給紙部853はそれぞれ、記録媒体の有無を検知するためのシートなし検センサ843,844,845を有している。又、カセット840,841及び手差し給紙部853は、それぞれ記録媒体のピックアップ不良を検知するための給紙センサ847,848,849を有している。
【0068】
上記構成によるカラープリンタでは、次のようにして画像形成が実行される。
【0069】
先ず、給紙部における記録媒体の搬送動作について説明する。カセット840,841及び手差し給紙部853に格納された記録媒体は、ピックアップローラ838,839及び854により1枚毎に給紙パス866上に搬送される。給紙パス866上の記録媒体は、給紙ローラ対835,836,837によりレジローラ855へと搬送されると、その直前のレジセンサ856により記録媒体の通過が検知される。レジセンサ856により記録媒体の通過が検知された時点で、本実施の形態では、適当な時間経過の後に一端搬送動作を中断する。
【0070】
その結果、記録媒体は停止しているレジローラ855に突き当たり搬送が停止されるが、その際、記録媒体の進行方向端部が搬送経路に対して垂直になるように位置固定がなされ、記録媒体の搬送方向が搬送経路に対してずれることにより斜行が発生している場合の給紙パス搬送方向補正がなされる。この処理を通常給紙レジ取りと称する。給紙レジ取りは以降の記録媒体に対する画像形成方向の傾きを最小化するために必須となる。給紙レジ取り後、レジローラ855を起動させることにより、記録媒体は、2次転写装置831へ供給される。
【0071】
続いて2次転写装置831へ供給された記録媒体の上へ画像を形成する手順について説明する。
【0072】
先ず、帯電装置821に電圧を印加して感光体825の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電させる。続いて、帯電された感光体825上の画像部分が予定の露光部電位になるようにレーザースキャナ部から成る露光装置818で露光を行い潜像が形成される。露光装置818は画像信号に基づいてオン・オフすることにより、画像に対応した潜像を形成する。
【0073】
図11に本実施の形態におけるレーザースキャナ部の構成を示す模式図を示す。
【0074】
レーザー1101から発せられた光は、集光レンズ1113(以下、コリメータとする)を経由してレーザー光L1となり、ドラムを走査するために駆動モータ1103にて回転している回転多面体1102により偏向される。偏向されたレーザー光L1は、ドラム1115上を均一密度で走査するために、結像レンズ1114を経由してドラム1115上を走査する。又、各ラインの画像書き出しタイミングを一定にするために、レーザー光L1を検知し水平同期信号を発生するためのセンサ1118(以下、BDセンサ1118とする)により構成されている。
【0075】
又、黒現像装置819及びカラー現像装置823の現像ローラには各色毎に予め設定された現像バイアスが印加されており、前記潜像は該現像ローラの位置を通過時にトナーで現像され、トナー像として可視化される。トナー像は、転写装置820で転写ベルト826に転写され、更に2次転写装置831で、給紙部より搬送された記録媒体に転写された後、定着搬送ベルト830を介して、定着装置834へと搬送される。定着装置834では、先ず、トナーの吸着力を補って画像乱れを防止するために、定着前帯電器851,852で帯電され、更に定着ローラ833でトナー画像が熱定着された後、排紙フラッパ857により排紙パス858側に搬送パスを切り換えられ、そのまま排紙トレー842に排紙される。
【0076】
フルカラープリント時は転写ベルト826上で4色のトナーが重ね合わされた後、記録媒体に転写される。感光体825上に残留したトナーは、予備清掃装置(不図示)でトナーの帯電を、クリーニングし易い状態にし、クリーナ装置822で除去・回収され、最後に、感光体825は、除電装置(不図示)で一様に0ボルト付近まで除電されて、次の画像形成サイクルに備える。
【0077】
上記カラープリンタの画像形成タイミングは、転写ベルト826上の所定位置を基準として制御されている。転写ベルト826は駆動ローラ827、テンションローラ828、バックアップローラ829から成るローラ類に掛け渡されていて、テンションローラ828によって所定の張力が与えられている。
【0078】
駆動ローラ827及びローラ829の間には、基準位置を検知する反射型センサ824(a),(b)が配置されている。反射型センサ824(a),(b)は、それぞれ転写ベルト826の外周面端部の両端に配置され、転写ベルト826の面上に丁度対向する位置に設けられた反射テープ等のマーキングを検知して、転写ベルト826が半周する毎に交互にI−top(a),(b)信号を出力する。
【0079】
前記感光体825の外周の長さと転写ベルト826の周長は、1:n(nは整数)で表される整数比になっている。このように設定しておくと、転写ベルト826が1周する間に、感光体825が整数回転し、転写ベルト826周前と全く同じ状態に戻るため、中間転写ベルト826上に4色を重ね合わせる際に(ベルトは4周回る)、感光体825の回転ムラによる色ズレを回避することが可能である。
【0080】
上記のような中間転写方式の画像形成装置においては、I−top(a),(b)信号の何れか検知した後、所定時間経過後にレーザースキャナから成る露光装置818で露光を開始する。ここで、I−top(a),(b)信号については特に区別はなく、どちらか一方でも先に検出された方をトリガとして露光は開始される。
【0081】
又、転写ベルト826は短い用紙サイズ画像の場合には、2画像分のトナー像を形成することが可能なベルト長になっており、特に4色重ね合わせたカラー画像を形成するために2枚分の画像をベルト4回転だけの時間で形成可能とすることによって生産性を向上させている。この画像形成手法を以下では2枚貼り動作と呼ぶ。
【0082】
本実施の形態における2枚貼り動作においては、2枚の画像がそれぞれ転写ベルト826のI−top(a),(b)信号の各々をトリガ信号として画像形成される(この場合の先行する画像をA画像、後続の画像をB画像と便宜上呼ぶこととする)。
【0083】
しかしながら、A画像及びB画像は転写ベルト826上で均等位置に配置される訳ではなく、画像A−B間の距離よりも画像B−A間の距離の方を広く取っている。なぜならば、画像形成の流れを考えると、画像B−A間においては、書き出されるトナー像の色が異なるため、途中でカラー現像ユニット823は、フルカラー現像のための3台の現像装置823Y,823M,823Cの切り換えを行わなければならず、その切り換えのための現像ユニット823の回転駆動を行うための時間的なマージンを確保する必要があるためである。2枚貼りの場合においても、画像の書き出しの開始はI−top(a),(b)信号のどちらを先に使用するのであっても良い。
【0084】
引き続いて記録媒体の裏面に画像を形成する場合の動作について詳細に説明する。
【0085】
記録媒体の裏面に画像を形成する際には、先ず、記録媒体の表面への画像形成が先んじて実行される。その表面への画像形成動作については先に詳細に述べたので、ここでは省略するが、表面のみの画像形成であれば、画像形成後定着器834でトナー画像を熱定着された後に排紙フラッパ857により排紙パス858側に搬送パスを切り換えられそのまま排紙トレー835に排紙されるが、引き続いて裏面の画像形成を行う場合には排紙フラッパ857により裏面パス859側に搬送パスが切り換えられ、それに併せた反転ローラ860の回転駆動によって記録媒体は両面反転パス861内に一旦搬送される。その後、記録媒体は、シート媒体の送り方向幅の分だけ両面反転パス861内に搬送された後に反転ローラの逆回転駆動及び両面パス搬送ローラ862の駆動により進行方向が切り換えられ、表面に画像形成された画像面を下向きにして両面パス863に搬送される。
【0086】
続いて記録媒体は両面パス863上を再給紙ローラ864に向かって搬送されると、その直前の再給紙センサ865により記録媒体の通過が検知される。再給紙センサ865により記録媒体の通過が検知された時点で、本実施の形態では、適当な時間経過の後に一端搬送動作を中断する。その結果、記録媒体は停止している再給紙ローラ864に突き当たり搬送が一時停止されるが、その際、記録媒体の進行方向端部が搬送経路に対して垂直になるように位置固定がなされ、記録媒体の搬送方向が再給紙パス内の搬送経路に対してずれることにより斜行が発生している場合の再給紙パス搬送方向補正がなされる。この処理を通常再給紙レジ取りと称する。再給紙レジ取りは以降の記録媒体裏面に対する画像形成方向の傾きを最小化するために必須となる。
【0087】
再給紙レジ取り後、再給紙ローラ864を起動させることにより記録媒体は、表裏が逆転した状態で再度給紙パス866上に搬送される。その後の画像形成動作については先に述べた表面の画像形成動作と同じであるためここでは省略する。こうして表裏両面に画像形成がなされた記録媒体は、そのまま排紙フラッパ857により排紙パス858側に搬送パスを切り換えられ、そのまま排紙トレー835に排紙される。
【0088】
以上のような動作により、本実施の形態では、操作者がシート媒体の表裏を改めてセットし直すことなく、自動的にシート媒体の両面へ画像形成を行うことが可能となっている。
【0089】
本実施の形態における電子写真画像形成システムの全体機能について説明したが、これらの各機能については、図12に示すような機能ごとに分割された複数の画像形成サブユニットの機能動作を複合的に組み合わせることによって実現される。各サブユニットについての機能を以下で説明する。
【0090】
リーダ制御ユニット1201は、電子写真画像形成システムにおけるカラーリーダ部の動作を制御するためのサブユニットである。
【0091】
デジタル画像処理ユニット1202は、カラーリーダ部からの画像信号をプリンタ部に引き渡すための画像処理動作を制御するためのサブユニットである。
【0092】
レーザースキャナ制御ユニット1203は、デジタル画像処理ユニット1202を介した画像信号に基づき露光処理を行い感光体825に潜像形成を行うためのサブユニットである。
【0093】
現像器ユニット1204は、レーザースキャナ制御ユニット1203によって形成された潜像よりトナー像をするためのサブユニットである。
【0094】
記録媒体転写ユニット1205は、トナー像を記録媒体に転写させるためのサブユニットである。
【0095】
記録媒体給紙ユニット1206は、記録媒体を画像形成のために給紙するためのサブユニットである。
【0096】
記録媒体搬送ユニット1207は、記録媒体に画像形成を行うために転写部に対して記録媒体を搬送するためのサブユニットである。
【0097】
両面記録媒体搬送ユニット1208は、画像形成を行った記録媒体の裏面に同様の画像形成を行うために一度画像形成した記録媒体を反転・再送するためのサブユニットである。
【0098】
定着ユニット1209は、画像形成した記録媒体上のトナー像を熱定着させるためのサブユニットである。
【0099】
これらのサブユニットへの電力供給は、画像形成装置システム全体を制御する制御部内にある電力供給ユニット1210によって行われる。
【0100】
これらのサブユニット1201〜1209と電力供給ユニット1210とについては、先に発明を実施するための最良の形態として説明した機器システム構成における機能ユニットA103,B104,C105,D106と電源部102を有する機器制御ユニット101と同様の構成及び関係を有し、電力供給に関して同様の機能を実現するものである。
【0101】
これらのサブユニット1201〜1208のうち幾つかのサブユニットは、動作時における使用電力量や実現機能が異なる複数の動作モードを有している。
【0102】
リーダ制御ユニット1201は、原稿の読み込み速度に関係した5段階の読み込みモードを有している。原稿の読み込み速度を高速にすれば、それと相対的に原稿の読み込み解像度が低下するので結果的に画像品位もより低いものとなり、又、キャリッジ814,815を駆動させるためのモータの駆動を高速に行う必要から使用電力量が増加することとなる。又、デジタル画像処理ユニット1202は、リーダ制御ユニット1201の動作モードに合わせた速度モードにて動作することが可能であり、その動作速度は常に同期が取れていることが必要となる。
【0103】
現像器ユニット1204は、トナー像の形成速度に関連した2段階の画像形成モードを有している。画像形成速度を高速にした場合には、トナー像形成を行う上での機器制約により白黒現像のみが可能となる(低速時は、カラー、白黒両方の現像が可能となる)。又、各現像に関する部材を高速で駆動させる必要から使用電力量が増加することとなる。又、レーザースキャナ制御ユニット1203及び記録媒体転写ユニット1205は、現像器ユニット1204の動作モードに合わせた速度モードにて動作することが可能であり、その動作速度は常に同期が取れている必要がある。
【0104】
記録媒体搬送ユニット1207は、トナー像を記録媒体に画像形成させるための記録媒体搬送速度に関連した5段階の記録媒体搬送モードを有している。この際、記録媒体搬送速度を高速にした場合には、記録媒体搬送に関するモータ等の部材を高速に駆動させる必要から使用電力量が増加することとなる。記録媒体転写ユニット1205は、記録媒体搬送ユニット1207の動作モードに合わせた速度モードで動作することが可能であり、その動作速度は常に同期が取れていることが必要となる。本実施の形態のような中間転写体による転写機構を持つ場合には、トナー像を一旦中間転写体に転写する際には現像器ユニット1204の動作速度に同期し、記録媒体へ転写する場合には記録媒体搬送ユニット1207の動作速度と同期が取れている必要がある。
【0105】
記録媒体給紙ユニット1206は、画像形成前の記録媒体を画像形成部まで搬送するための搬送速度に関連した5段階の記録媒体搬送モードを有している。この際、記録媒体搬送速度を高速にした場合には、記録媒体搬送に関する部材を高速に駆動させる必要から使用電力量が増加することとなる。これらの搬送モードにおける記録媒体の搬送速度は、記録媒体搬送ユニット1207に一対一対応するものであるが、先行紙の遅延等によって搬送時間に余裕がある場合には、遅い搬送速度で搬送しても画像形成に間に合う場合があるため、その場合は使用電力量の削減を優先し、記録媒体の搬送速度よりも遅い速度を選択することも可能である。
【0106】
両面記録媒体搬送ユニット1208は、表面に画像形成した記録媒体を再度画像形成部まで反転・再送するための搬送速度に関連した5段階の両面記録媒体搬送モードを有している。この際、記録媒体搬送速度を高速にした場合には、記録媒体搬送に関するモータ等の部材を高速に駆動させる必要から使用電力量が増加することとなる。これらの搬送モードにおける記録媒体の搬送速度は、記録媒体搬送ユニット1207に一対一対応するものであるが、先行紙の遅延等によって搬送時間に余裕がある場合には、遅い搬送速度で搬送しても裏面の画像形成に間に合う場合があるため、その場合は使用電力量の削減を優先し、記録媒体の搬送速度よりも遅い速度を選択することも可能である。
【0107】
定着器ユニット1209は、画像形成された記録媒体を熱定着させるための定着ヒータを加熱させるためのワッテージを切り換える5段階のヒータ加熱モードを有している。この際、最大のワッテージで加熱を行うことにした場合には、当然のことながら使用電力量が増加することとなる。
【0108】
サブユニットの動作モードの種別については、電源投入時に各サブユニットから電力供給ユニット1210を含む制御部800に通知される。これらの動作モードに関しては、各々の動作モードの優先順位が分かるようなテーブルデータとして制御部800におけるメモリ903に記録される。この際の優先順位の決め方としては、動作自体の即時性や実行不可能となることによる機能低下の程度から予め制御部800における判断アルゴリズムによって決定される。又、メモリ903には優先順位テーブルデータに加え、電力供給ユニット1210が供給可能な最大電力供給量を併せて情報として保持している。その優先順位テーブルデータの一実施例を図13に示す。
【0109】
本電子写真画像形成システムにおける機能制限動作への移行の一実施の形態を画像形成動作中の例を以下で詳細に説明する。
【0110】
先ず、操作者により通常の画像形成動作開始が指示される。本実施の形態では、先ず白黒印刷動作の指示がされるものとする。すると、先ず制御部800より各サブユニットに対して、白黒印刷を行う上で必要となる動作モードへの移行指示が各サブユニットに対してなされる。
【0111】
次に、各サブユニットより動作を行うに当たって必要となる使用電力量が制御部800へ通知される。もし、各サブユニットから通知される電力量の総計が最大供給電力量以上である場合には、電力量の調整を行うが、通常は印刷指示の開始時であることから各サブユニットから通知される電力量の総計が最大供給電力量を超えていることは考えにくく、そのため、通常は所望の画像形成動作を開始する。画像形成動作中におけるユニット毎の電力使用状況を図14に模式的に示す。
【0112】
本実施の形態での定着器ユニット1209の温調温度は印刷開始初期においては190℃であるが、複数枚の記録媒体への白黒連続定着にあっては、定着ローラから各記録媒体への吸熱量が累積されていくことから、連続定着により、定着ローラの温調温度からの低下の度合いが著しくなってくる。環境や紙種にもよるが、そのまま連続定着を続けると、定着ローラ温度が定着下限温度を下回ってしまい、結果として定着性が確保できなくなることがある。
【0113】
本実施の形態では、そのような場合に画像形成間隔を長く取ることによって定着ローラの温度低下を抑えて印刷が不能となることを防ぐ一種の機能制限動作、いわゆるダウンシーケンスを実施している。
【0114】
従来の電子写真画像形成機器システムにおいては、定着ローラが低下した状態でも定着性が維持できるような生産性を低下させた印刷状態に予め移行可能なように設計されている。しかしながら、その場合であっても、紙の搬送速度自体は低下させることは通常行わないで、画像形成を行う間隔を長くすることによって生産性の低下を実現させている。
【0115】
結果として記録媒体に対しては、転写開始を行う間隔が伸びるだけであるため、記録媒体搬送ユニットでの最大使用電力を引き下げることはできない。単に転写を開始する前にレジ取り状態等で記録媒体を待機させておく時間が長くなるのみである。従って、記録媒体給紙ユニット1206、記録媒体搬送ユニット1207、両面記録媒体搬送ユニット1208等の各種搬送関連ユニットや定着ユニット、現像器ユニット、記録媒体転写ユニット等の画像形成関連ユニットの動作が同時に行われた場合のピーク電力量は通常動作時と比べ変わらない。従って、時間平均としての消費電力量は低下するが、その電力を他の機能に振り分けるようなことは事実上不可能であった。図15に従来のダウンシーケンス動作時における電力使用状況を示す。
【0116】
それに対して本実施の形態では、ダウンシーケンスを実施する際に先ずメモリ903に記録された各ユニットの優先度テーブルを参照し、優先度の低いユニットの動作モードを検索する。例えば、図13に示す優先度テーブルの例で言えば、記録媒体給紙ユニット1206/記録媒体搬送ユニット1207/両面記録媒体搬送ユニット1208等の搬送関連ユニットの高速搬送動作等は優先度が比較的低く、より低速な搬送動作の方が優先度は高く設定されている。それは搬送動作そのものを停止してしまうならば画像形成の継続は不可能であるが、速度を低下させるだけであれば生産性は落ちるものの、画像形成動作そのものは継続可能であるという考え方による。
【0117】
その結果、制御部800は、記録媒体給紙ユニット1206/記録媒体搬送ユニット1207/両面記録媒体搬送ユニット1208に対して優先度のより高い搬送動作(即ち、より低速な搬送動作)への変更を各ユニットに要求する。
【0118】
記録媒体給紙ユニット1206/記録媒体搬送ユニット1207/両面記録媒体搬送ユニット1208は、制御部800からの低速な搬送動作への移行の指示を受けて、低速搬送動作への切り換えを開始する。その結果、開始時の生産性を維持することは事実上不可能となる。そして、低速搬送動作へ切り換えたことによる新たな使用電力量を制御部800に通知する。その際の使用電力量は、高速搬送を行っていた際の使用電力量よりも低いものとなる。
【0119】
制御部800は、記録媒体給紙ユニット1206/記録媒体搬送ユニット1207/両面記録媒体搬送ユニット1208からの新たな使用電力量の通知を受けて、電力供給ユニット1210を制御し、所望の電力供給量への切り換えを行う。その結果、トータルとしての使用電力量は軽減されるが、本実施の形態では、その分の軽減された電力量を定着器ユニット1209に振り分ける。即ち、定着器ユニット1209の動作をより加熱時の電力の多い動作モードへと切り換えを行うことにより、低下した定着器ユニット1209の初期定着温度への復帰が促進されることになる。
【0120】
もし、ダウンシーケンスの結果定着器の温調温度が初期状態に復帰してきた場合には、定着器ユニットの動作モードは動作初期の状態に戻るので、その際に定着器ユニット1209は、使用電力量を改めて制御部800に通知し、その結果、余剰が生じた電力量を改めて記録媒体給紙ユニット1206/記録媒体搬送ユニット1207/両面記録媒体搬送ユニット1208へと振り分けるべくこれらのユニットに対しても初期の動作モードに復帰するよう通知を行う。そうすると再度記録媒体給紙ユニット1206/記録媒体搬送ユニット1207/両面記録媒体搬送ユニット1208から必要な使用電力量の増加が要求され、その要求に応えて電力供給ユニット1210を制御し、所望の電力供給量への切り換えを行うことでダウンシーケンスからの復帰を行う。尚、通常状態からダウンシーケンスに移行し、その後、再び通常状況に復帰する際の電力使用状況の変化を図16に模式的に示す。
【0121】
更に、本実施の形態における電子写真画像形成システムにおいては、機器の動作モードに対する優先順位の決め方により、操作者の目的に応じたダウンシーケンス動作を実現することが可能である。
【0122】
先に説明した例では、定着器温度の低下に対して画像形成速度を下げることによって結果として画像形成動作の継続を可能としている。これは定着器の温度低下が発生しても定着不良が発生しないことを前提としているが、多少の定着性の悪化が見られるとしても、初期の生産性を維持したいと考える操作者にとってはできる限り高速で印刷を継続する方がよい場合もある。
【0123】
そのような要求に対し、本実施の形態では、メモリ903に記憶した優先度テーブルを変更することで容易に実現することが可能である。例えば、図13に示した優先順位テーブルデータを図17のように変更すれば良い。即ち、定着器ユニット1209の動作モードよりも記録媒体給紙ユニット1206/記録媒体搬送ユニット1207/両面記録媒体搬送ユニット1208の搬送動作モードについて優先度を高く設定しておけば良い。その結果として、比較的定着器の温度が低下した場合であっても、画像形成動作速度は低速になることはなくなる。そして、多少印刷物の品位が低下することを許容すれば、生産性を低下させることなく高速に画像形成動作を継続することが可能となる。
【0124】
又、先に説明した例では、定着器温度の低下に対して画像形成速度を下げ、更に定着器ユニット1209に供給する電力量を更に追加することによって定着温度の復帰を促進させていたが、操作者によっては生産性を犠牲にしても消費電力を削減する方が良いと考える場合もある。そのような場合には、図18のように、メモリ903に記憶した優先度テーブルにおける総供給可能電力量を予め低く設定しておくことで、先に説明した例と同じアルゴリズムによって使用電力量の削減を行うことができる。
【0125】
又、本実施の形態では、一部のサブユニットについて機能若しくは消費電力性能が向上しそのユニットの入れ替えを行った場合においても、大幅なアルゴリズムの変更を行わずに比較的容易にダウンシーケンスを実現することが可能である。
【0126】
具体的には、電源投入時において他のサブユニット同様に入れ替えを行った新規サブユニットから電力供給ユニット1210を含む制御部800に電源投入時に動作モード種別の詳細が通知されることとなり、後はメモリ903に作成された優先度テーブルの内容に応じて先の説明と同様の動作指示を新規サブユニットを含む複数サブユニットに対して行うようにすれば良い。
【0127】
例えば、仮に使用電力量に比べて定着性が向上した定着器ユニット1209の入れ替えを行ったとすると、通常状態において、最大使用電力量が一定であるならば、その分を他のサブユニットに追加供給することが可能となる。例えば、図13に示した優先度テーブルに従うならば、定着器ユニット1209よりは優先度の低い、記録媒体給紙ユニット1206/記録媒体搬送ユニット1207/両面記録媒体搬送ユニット1208等をより高速に動作させることが可能となる。
【0128】
又、ダウンシーケンス移行時においても、定着器ユニット1209は比較的低い電力供給量で従来と同等の動作を行うことができるため、ダウンシーケンスによる速度低下を比較的少なくすることが可能となる。ここで特筆すべきことは、通常動作時及びダウンシーケンス時の性能向上を判断アルゴリズムの大幅な変更をなく行うことができる点にある。尚、定着器ユニット1209の入れ替えを行った場合における通常状態からダウンシーケンスに移行し、その後、再び通常状況に復帰する際の電力使用状況の変化を図19に模式的に示す。
【0129】
<その他の実施の形態>
以上の実施の形態では、白黒印刷時おける定着器温度の低下を考慮したダウンシーケンスについて説明したが、白黒印刷中にカラー印刷が実行される場合においても同様のシーケンスが考えられる。但し、一般的にカラー印刷の方が定着器温度の低下に対する許容範囲のマージンが低いため、定着器の温度が或る程度復帰するまで画像形成動作自体を行えない。しかし、その場合も定着器ユニット1209以外のサブユニットに関する動作及び電力供給を一時停止してしまうことで、全電力量を定着器ユニット1209に供給することを可能とすることで復帰時間を最小にすることができる。その際における定着器ユニットへの電力供給の優先度は最大となる。
【0130】
又、以上の本実施の形態では、白黒印刷時おける定着器温度の低下を考慮したダウンシーケンスについて説明したが、画像形成の実行と平行して、リーダ制御ユニット1201による画像の読み込み動作が同時に行われる場合がある。特に、使用電力量の多い高速読み込み動作等を実行する場合には、画像形成動作との使用電力量の競合が発生する。そのような場合も先に説明した優先度テーブルの内容に応じた制限モードでの実行によって、効率の良いリーダ読み込み動作を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明を実現するための機器システムの構成を示す図である。
【図2】各機能ユニットへの電力供給を模式的に示す図である。
【図3】各機能ユニットの要求電力量に対して最大供給電力量を超える場合の電力供給量の調整を模式的に示す図である。
【図4】機能ユニットの動作が完了した場合の電力供給の停止を模式的に示す図である。
【図5】機能ユニットにおける機能動作の優先順位による使用電力量の調整を模式的に示す図である。
【図6】機能ユニットが不正な電力使用を行っていることによる故障診断を模式的に示す図である。
【図7】画像デジタル画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図8】画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図9】制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】外部インターフェースの構成を示すブロック図である。
【図11】レーザースキャナ部の構成を示すブロック図である。
【図12】電子写真画像形成システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図13】サブユニット単位での機能制限を行う上での優先順位テーブルデータの一実施の形態を示す図である。
【図14】画像形成中における各サブユニットでの電力使用状況を示す模式図である。
【図15】従来型のダウンシーケンス中における各サブユニットでの電力使用状況を示す模式図である。
【図16】本発明の実施の形態でのダウンシーケンス中における各サブユニットでの電力使用状況を示す模式図である。
【図17】高速印刷を優先する場合の優先順位テーブルデータの一例を示す図である。
【図18】消費電力の削減を優先する場合の優先順位テーブルデータの一例を示す図である。
【図19】定着器ユニットの入替えを行った場合におけるダウンシーケンス移行時の電力使用状況の変化を示す模式図である。
【符号の説明】
【0132】
101 機器制御ユニット
102 電源部
103 機能ユニットA
104 機能ユニットB
105 機能ユニットC
106 機能ユニットD
107 電力供給バスA
108 電力供給バスB
109 電力供給バスC
110 電力供給バスD
111 論理系通信バス
112 CPU
113 記録メモリ
114 論理制御部A
115 論理制御部B
116 論理制御部C
117 論理制御部D
701 CCD
702 クランプ&Amp.&S/H&A/D部
703 シェーディング部
704 つなぎ&MTF補正補正&原稿検知部
705 入力マスキング部
706 セレクタ
707 色空間圧縮&下地除去&LOG変換部
708 遅延
709 モアレ除去部
710 変倍処理部
711 UCR&マスキング&黒文字反映部
712 γ補正部
713 フィルタ部
714 外部I/F部
715 下地除去部
716 黒文字判定部
800 制御部
801 原稿台ガラス
802 原稿給紙装置(DF)
803,804 光源
805,806 反射傘
807〜809 ミラー
810 レンズ
811 CCDが実装された基板
812 プリンタ処理部
813 外部インターフェース(I/F)
814,815 キャリッジ
816 駆動モータ
817 プリンタ制御I/F
818 露光装置
819 黒現像装置
820 転写帯電気
821 一次帯電器
822 クリーナ装置
823 カラー現像ユニット
824 反射型センサ
825 感光体
826 転写ベルト
827〜829 ローラ
830 定着搬送ベルト
831 転写ローラ
832 クリーナブレード
833 定着ローラ
834 定着装置
835〜837 給紙ローラ対
838,839,854 ピックアップローラ
840,841 カセット
842 排紙トレー
843〜845 シートなし検センサ
847〜849 給紙センサ
850 転写ローラ脱着ユニット
851,852 定着前帯電器
853 手差し給紙部
855 レジローラ
856 レジセンサ
857 排紙フラッパ
858 排紙パス
859 裏面パス
860 反転ローラ
861 両面反転パス
862 両面パス搬送ローラ
863 両面パス
864 再給紙ローラ
865 再給紙センサ
866 給紙パス
868 クリーナブレード脱着ユニット
901 CPU
902 操作部
903 メモリ
1001 ファクシミリ装置
1002 LANインターフェース装置
1101 レーザー
1102 回転多面体
1103 駆動モータ
1113 集光レンズ
1114 結像レンズ
1115 ドラム
1116 BDセンサ
1201 リーダ制御ユニット
1202 デジタル画像処理ユニット
1203 レーザースキャナ制御ユニット
1204 現像器ユニット
1205 記録媒体転写ユニット
1206 記録媒体給紙ユニット
1207 記録媒体搬送ユニット
1208 両面記録媒体搬送ユニット
1209 定着ユニット
1210 電力供給ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を管理及び電力を供給するための電力供給ユニットと、該電力供給ユニットより電力を供給されることによって稼動する複数電力稼動ユニットとにより構成される機器システムにおいて、
前記電力稼動ユニットは、複数の稼動モードに応じて必要な電力量を該電力供給ユニットに要求し、該電力供給ユニットは、該複数電力稼動ユニットからの電力要求量と予め定められた優先度に基づき、該電力稼動ユニットが使用可能電力量を算出し、該使用可能電力量を該電力稼動ユニットに通知し供給することを特徴とする電力供給ユニット及び電力稼動ユニットを含むことを特徴とする機器システム。
【請求項2】
前記電力供給ユニットは、電力稼動ユニットの複数の稼動モード情報及び稼動モード動作に関する優先順位を記録するために記録メモリテーブルを有し、該記録メモリテーブルに記録された電力稼動ユニットに関する稼動モード情報と予め定められた優先度に基づき電力稼動ユニットに対する稼動モードを決定することを特徴とする請求項1記載の機器システム。
【請求項3】
前記電力稼動ユニットは、通知及び供給された使用可能電力量に応じて動作可能な稼動モードで稼動することを特徴とする請求項1又は2記載の機器システム。
【請求項4】
前記電力稼動ユニットにおける動作可能な稼動モードが当該電力稼動ユニットにおける性能低下を伴う制限モードであることを特徴とする請求項3記載の機器システム。
【請求項5】
個々の該電力稼動ユニットが供給される電力で動作可能な制限モードで動作することによって、個々の電力稼動ユニットにおける制限モード動作の組み合わせから最適な制限モードに動的に切り替わることを特徴とする請求項4記載の機器システム。
【請求項6】
前記電力稼動ユニットは、該電力供給ユニットにより供給された使用可能電力量に応じた動作を完了した後にその旨を該電力供給ユニットに通知し、自動的に動作を停止することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の機器システム。
【請求項7】
前記電力供給ユニットは、該電力稼動ユニットからの動作完了通知に応じて該電力稼動ユニットへの電力供給を停止し、その結果として余剰した電力量を予め要求された電力供給量に対して全体電力供給量による制限により供給することができなかった不足電力量を電力稼動ユニットへ補充供給し、その結果、該電力稼動ユニットは補充された電力量に応じた動作モードで改めて動作を行うことを特徴とする請求項6記載の機器システム。
【請求項8】
前記電力稼動ユニットは、更に優先順位の高い該電力稼動ユニットの電力要求が後発的に発生した場合には、より優先順位の低い電力稼動ユニットに対して電力使用量削減要求を発行し、それに応じて該電力稼動ユニットは削減要求に応じた電力量で動作可能な動作モードで改めて動作を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の機器システム。
【請求項9】
前記電力供給ユニットは、該記録メモリテーブルに記録された該複数電力稼動ユニットに電力を供給するための優先度付けを変更するための電力供給優先度変更手段を持ち、該電力優先度変更手段により優先度が変更された該記録メモリテーブルの記録内容に応じ該複数電力稼動ユニットを動作させることを特徴とする請求項2〜8の何れかに記載の機器システム。
【請求項10】
前記電力稼動ユニットの1つ若しくは複数を同様の機能を持つ同種の稼動ユニットに置き換えた場合であっても、該記録メモリテーブルに記録された該電力稼動ユニットに関する稼動モード情報を置き換えることで動作可能な新たな稼動モードを実現することを特徴とする請求項2〜9の何れかに記載の機器システム。
【請求項11】
電源を管理及び電力を供給するための電力供給ユニットと、該電力供給ユニットより電力を供給されることによって稼動する複数画像形成サブユニットとにより構成される画像形成機器システムにおいて、
前記電力供給ユニットは、該複数画像形成サブユニットからの電力要求量と予め定められた優先度に基づき、該画像形成サブユニットが使用可能電力量を算出し、該使用可能電力量を該画像形成サブユニットに通知し供給することを特徴とする該電力供給ユニット及び画像形成サブユニットを含む画像形成機器システム。
【請求項12】
前記画像形成サブユニットがレーザー制御ユニット、現像器ユニット、記録媒体転写ユニット、記録媒体給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニット、定着ユニットであることを特徴とする請求項11記載の画像形成機器システム。
【請求項13】
前記電力供給ユニットは、前記画像形成サブユニットの複数の稼動モード情報及び当該稼動モード動作に関する優先順位を記録するために記録メモリテーブルを有し、該記録メモリテーブルに記録された該電力稼動ユニットに関する稼動モード情報と予め定められた優先度に基づき該画像形成サブユニットに対する稼動モードを決定することを特徴とする請求項11又は12記載の写真画像形成機器システム。
【請求項14】
前記画像形成サブユニットは、通知及び供給された使用可能電力量に応じて、動作可能な稼動モードで稼動することを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項15】
前記画像形成サブユニットにおける動作可能な稼動モードが当該画像形成サブユニットにおける性能低下を伴う制限モードであることを特徴とする請求項14記載の画像形成機器システム。
【請求項16】
前記画像形成サブユニットである給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニットが有する複数の稼動モードが、複数の異なる記録媒体搬送速度による記録媒体搬送モードであることを特徴とする請求項13〜15の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項17】
前記画像形成サブユニットである定着ユニットが有する複数の稼動モードが、複数の異なる定着加熱温度による定着モードであることを特徴とする請求項12〜15の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項18】
前記画像形成サブユニットである現像器ユニットが有する複数の稼動モードが、カラー印刷動作若しくは白黒印刷モードであることを特徴とする請求項12〜15の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項19】
個々の該画像形成サブユニットが該電力供給ユニットにより供給される電力で動作可能な制限モードで動作することによって、その動作組み合わせから最適な制限モードに動的に切り替わることを特徴とする請求項15記載の画像形成機器システム。
【請求項20】
前記画像形成サブユニットは、電力供給ユニットにより供給された使用可能電力量に応じた動作を完了した後にその旨を該電力供給ユニットに通知し、自動的に動作を停止することを特徴とする請求項11〜19の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項21】
前記電力供給ユニットは、画像形成サブユニットからの動作完了通知に応じて該画像形成サブユニットへの電力供給を停止し、その結果として余剰した電力量を予め要求された電力供給量に対して全体電力供給量による制限により供給することができなかった不足電力量を該画像形成サブユニットへ補充供給し、その結果、該画像形成サブユニットは補充された電力量に応じた動作モードで改めて動作を行うことを特徴とする請求項20記載の画像形成機器システム。
【請求項22】
画像形成サブユニットは、更に優先順位の高い該画像形成サブユニットの電力要求が後発的に発生した場合には、より優先順位の低い該画像形成サブユニットに対して電力使用量削減要求を発行し、それに応じて該画像形成サブユニットは削減要求に応じた電力量で動作可能な動作モードで改めて動作を行うことを特徴とする請求項11〜21の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項23】
前記電力供給ユニットは、記録メモリテーブルに記録された複数画像形成サブユニットに電力を供給するための優先度付けを変更するための電力供給優先度変更手段を持ち、該電力優先度変更手段により優先度が変更された記録メモリテーブルの記録内容に応じて複数画像形成サブユニットを動作させることを特徴とする請求項13〜22の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項24】
前記画像形成サブユニットの1つ若しくは複数を同様の機能を持つ同種のサブユニットに置き換えた場合であっても、記録メモリテーブルに記録された該画像形成サブユニットに関する稼動モード情報を置き換えることで動作可能な新たな稼動モードを実現することを特徴とする請求項13〜23の何れかに記載の画像形成機器システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−178068(P2006−178068A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369488(P2004−369488)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】