説明

機械式リフト測定システム

リフト作業中に荷の位置を判断するためのリフト測定システムを提供する。該システムは計測器を備えた表示部と該計測器に対して動く可動インジケータを備えている。リンク装置は荷及び計測器と連通しており、荷の動きは前記計測器に対応する前記インジケータの動きに変換され荷の位置を表示する。複数の表示部及びリンク装置は種々の荷の支持域に設置することができ、対応するインジケータの相対的位置は荷の傾きに関する情報を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械式リフトシステムに関し、特に機械式リフト作業中及び作業後に荷の傾きを測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリフトシステムは、シリンダと高い流体圧力でもって荷の底面を支持する可動ピストンとを有する複数の油圧アクチュエータを備えている。例えば、荷が大型若しくは重量のあるもの、又は重さの配分が不均等であるものの場合、ユーザは荷が支持体から滑り落ちる危険を避けるために細心の注意を払わなければならない。このような場合には、実際の荷の傾きを測定するシステムを使用することが望ましい。それにより、作業員は測定した傾きと所望の荷の傾き(例えば水平面に対する位置)を比較することができる。荷が水平でないと判断された場合は、測定した傾きと所望の荷の傾きが実質的に等しくなるまで所定の油圧アクチュエータを選択的に調整する。
【0003】
従来の装置は、荷上の所定の位置に設置され、中央処理装置に電子フィードバックを送る複数のセンサを備えたコンピュータシステムを使用して荷の傾きを測定する。前記処理装置は各センサの相対的位置をモニタし、荷が適正な位置に置かれているかを判断する。別な方法としては、センサをアクチュエータ上に直接載置してピストンの移動量を測定することもできる。測定された荷の傾きは電子通信システムを通して伝達され、ユーザの表示部に出力される。それによりユーザは特定のシリンダを選択して、該シリンダを上昇又は下降させて、所望の荷の傾きにする。コンピュータシステムのうちには、ユーザが入力した所望の傾きに対応することができ、所望の傾きにするために必要なシリンダの位置を常にモニタして自動的に調整するものもある。
【0004】
上記のシステムは非常に優れた性能を有し作業を楽にする一方、導入するには、特に1つの荷から次の荷にコンピュータシステムを移設する際に、費用がかかり複雑である。
【0005】
したがって、機械式リフトの作業に容易に組み入れることができる、簡素化された費用効果の高い荷の傾きを測定するための方法及び装置が必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、リフト作業中の荷の位置を判断するためのリフト測定システムを提供する。リフト作業は固定シリンダと、荷の支持域で該シリンダに対して伸縮自在に荷を上昇又は下降させるピストンでもって行う。前記リフト測定システムは計測器と該計測器に対して移動可能であるインジケータを収容する表示部を有している。リンク装置の一端が前記荷の支持域に動作可能な状態で連結し、前記リンク装置の他端は前記表示部に接続している。前記リンク装置は前記荷の支持域において、荷の動きに対応して前記測定器に対してインジケータを移動させる。
【0007】
本発明の目的は請求項により定められるものであって、本発明の上記及びその他の実施形態は、発明の範囲を限定するものではない。以下、本発明の一部を構成する添付の図面を参照して説明する。図面は本発明を限定するものではなく、本発明の好ましい実施の形態を図示するものである。実施形態も本発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲を請求項により限定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1及び2を参照すると、荷の支持システム8は、底面11の四隅に対応する4つの荷の支持域(すなわち四分円A−D)で荷12の底面11を支持する機械式リフト機構13を備えている。更に、支持システム8は、リフト機構13を使用して位置を制御する荷12の傾きを測定するための機械式リフト測定システム10を備えている。特に、荷12は各支持域で複数の油圧アクチュエータ14により支持され持ち上げられており、各アクチュエータは対応するシリンダ16と可動ピストン18を備えている。各ピストン18には底面11と接触する上部支持面20を備えている。
【0009】
アクチュエータ14は1つのバルブ、オリフィス又はスイッチを使用して、又は別の方法による好ましい実施の形態としては、それぞれ個別の専用バルブ、オリフィス又はスイッチを使用して、同時に制御する。図1に示した通り、4つの油圧アクチュエータ14が荷12を支持しているが、本発明では荷12を支持するために使用されるアクチュエータ14はいくつでもよい。
【0010】
荷12を上昇させる場合、ユーザがスイッチ(図示せず)を作動してポンプ(図示せず)を始動させ、油圧油をタンク(図示せず)から供給ライン21を通して、シリンダ16を作動させて制御する制御バルブ(図示せず)に供給する。ピストン18の底面(図示せず)で油圧が作用し、ピストン18が対応するシリンダ16に対して上昇する。逆に荷12を下降させる場合、油圧油はシリンダ16から戻りライン22を経て制御バルブを通ってタンクに流れ込み、ピストン18は重力で縮まる。
【0011】
図示されている通り、底面11は平坦で長方形であり、荷12が所望の傾きの場合には水平面方向に延びる。しかしながら、図1のリフト機構13は説明のための簡素化された構成であり、本発明はその原理を用いて家屋やその他の建築物、橋梁及びその他のあらゆる大きさと形状の構造物などを所望の傾きにするための多くの種々のリフト作業に適応できる。「所望の傾き」という用語は、図示した例は水平であるが、リフト作業中の荷の安定性を得るためのあらゆる傾きを含む。
【0012】
例えば、不規則な形状の底面11を持つ荷は、ピストン18の上部面20が同じ水平面に位置している場合、所望の傾きにならない。むしろ所望の傾きは底面11の輪郭や荷12の重量配分などの要因に左右される。更に、好ましい実施の形態によれば、四分円A−Dは長方形の底面11の四隅に対応しているが、荷12がピストン18により支持されて安定している限り、アクチュエータ14はどの荷の支持域にも設置することができる。リフト測定システム10は、荷12の底面11全体の所定の個所でのピストン18の位置を調べる効果的な方法及び装置を提供するものであり、荷の安定性を向上するための必要な調整を行う。
【0013】
好ましい実施の形態によると、機械式リフト測定システム10は複数のリンク装置24を有し、該リンク装置24はそれぞれ所定の荷の支持域と表示部26の間に接続されている。各表示部26は作業員が読むことのできるインジケータ27を備え、対応する荷の支持域におけるピストン18の位置を判定する。
【0014】
図1及び2に示した通り、リンク装置24は取付板30を介して底面11に固定されるケーブル・アセンブリ28を備え、前記取付板30の上面は、例えば粘着剤、ねじ、くぎなど公知の固定技術を適宜使用して所望の荷の支持域で底面11に接続されている。ブラケット34が適宜の固定技術を用いて対応するシリンダ16の外面に固定されており、シリンダ外面より外側に張り出している。ブラケット34は取付板30と縦方向に一直線をなし、縦方向に伸長する円筒孔36を備えている。したがって、ピストン18が作業中伸縮しても、ブラケット34は固定された状態のままである。
【0015】
また図3を参照すると、ケーブル・アセンブリ28は、基端部又は荷側の端部で取付板30と接続する柔軟な管状金属ケーブル部材38を備えている。該ケーブル部材38は前記孔36を通って末端部又は表示部側端部で表示部26内部のインジケータ27に接続する。管状の柔軟なプラスチック又はゴム被覆の金属巻線外部スリーブ又はケーブル被覆40がブラケット34と表示部26の間に接続され、ブラケット34と表示部26の間に伸長しているケーブル38の一部を囲繞している。スリーブ40は軸方向に圧縮及び伸縮不可能であり、スチール・ケーブル38も圧縮及び伸縮不可能で、スチール・ケーブル38が曲がらないようにスリーブ40で支持している。孔36にはスリーブ40端部のネジが螺合するネジを設けてもよく、又はスリーブ40の端部とブラケット34の間を圧入若しくはその他の適切な方法で接続し、スリーブ40の端部とブラケット34の間の相対的な軸方向の動きを防止する。あるいは、スリーブ40の基端部をシリンダ16の適宜の位置に固定して、内蔵ケーブル38が荷12に応じて移動するようにしてもよい。
【0016】
作業中、ケーブル38は荷12の動きに対応してスリーブ40に対して相対的に移動する。ケーブル・アセンブリ28には一般に航空機制御に使用される種類のもの、すなわち自転車のブレーキや変速レバーのケーブルに従来から使用されているケーブル/スリーブ式の頑丈な種類のものを使用する。
【0017】
図1及び4を参照すると、表示部26は対応するリンク装置24から、少なくとも一部は対応するケーブル・アセンブリ28の長さによって決まる距離だけ離れて位置している。表示部26は作業を容易にするために表示領域25内で互いに近接して位置することが好ましく、特定のケーブル及び表示部が連係しているシリンダを制御するバルブに近接して設置することが好ましい。
【0018】
各表示部26は好ましくはプレクシグラス(Plexiglass)で形成された透明の目盛り付シリンダ42を備え、該シリンダ42は一体構造の上端壁46により上端部を閉じた透明な外周壁44を有している。シリンダ42はシリンダ42に圧入又は螺合することのできる円筒プラグ50により下端部を閉じている。外周壁44、上端壁46及びプラグ50により、インジケータ27を収納する内部測定室53が形成されている。フランジ54はプラグ50の下端部48から半径方向に延びており、プラグ50がシリンダ42に完全に挿入された際の係止部となる。円筒孔56がプラグを貫通して垂直に延びており、該貫通孔の直径はケーブル部材38の直径よりわずかに大きい。
【0019】
スリーブ40の末端部はプラグ50の下端部48に接続され孔56と一致している。スリーブ40はネジのついたフェルール43を介してプラグ50と接続するのが好ましく、該フェルール43はスリーブ40の端部に圧着している(スリーブ40も同じようにしてブラケット34に取付ける)。別の方法としては、スリーブ40をプラグ50(又はブラケット34)に圧入又はその他の適切な接続方法により接続することもでき、あるいはスリーブの位置をインジケータ27に対して定める適宜の構造体に装着してもよい。
【0020】
ケーブル部材38は末端部でスリーブ40から孔56を通って上方に延びており、シリンダ42内を水平方向に延びる円筒のディスク状をしたインジケータ27の下面60に接続している。ディスク状のインジケータ27は外周壁44の内径よりわずかに小さい直径を有し、外周壁44は前記ディスクがシリンダ42内で上昇したり下降したりするようディスクを案内する。コイルバネ62がシリンダ42内でプラグ50の上面から上方に延びており、ケーブル部材38を囲繞している。バネ62の上端はインジケータ27の下面に接続してインジケータ27を上方に偏らせる鉛直力Fを付与し、ケーブル38が表示部26の内部で曲がるのを防ぎ、さらに、好ましくはケーブル38の端から端までテンションを維持するので、荷が下がった場合でも前記ケーブルが板30とブラケット34の間で曲がることはない。したがって、ケーブル部材38が作業中曲がらない程度に充分な強度を備えていればバネ62を用いないこともできる。
【0021】
操作の際に、荷12を矢印Aの方向に上昇させた場合、ケーブル部材38の基端部は外側のスリーブ40の基端部に対して延びる。したがって、ケーブル部材38のインジケータ側端部又は末端部はスリーブ40の末端部に対して矢印Cの方向に下降する。したがってインジケータ27はシリンダ42に対して、対応する荷の支持域が上昇した距離と同じ距離だけ下降する。逆に、荷12を矢印Bの方向に沿って下降させた場合には、ケーブル部材38の末端部が矢印Dの方向に沿って上昇し、それによりシリンダ42に対してインジケータ27は上昇する。インジケータ27の上方への移動は、荷12の四分円Aが下降した距離に対応する。バネ力Fもインジケータ27を上方に偏らせ、ケーブル部材38にたるみがでないようにする。
【0022】
測定目盛り63が外周壁44に形成又は印刷され、インジケータ27の下面、上面又は印をつけた所定の個所と重なるようになっている。したがって、目盛り63は、出力が対応する荷の支持域でのピストン18の位置により定まる計測器64を形成する。
【0023】
したがって、各表示部26でもってユーザが各荷の支持域における実際の荷の位置を簡単に測定できる表示が行われる。すなわち、各荷の支持域の位置は、荷12の実際の傾きを表示する。荷の実際の傾きが所望の荷の傾きと等しくない場合には、必要に応じて選択したピストン18を上昇又は下降させて所望の荷の傾きにする。例えば図示されているように、第1表示部26のインジケータ27が他の表示部26のインジケータ27より高い場合、ユーザは所望の水平方向にするために第1インジケータ27に対応する荷の四分円を上昇させるべきと判断をする。逆に、第1表示部のインジケータ27が残りの表示部26のインジケータ27より低い場合、ユーザは所望の傾きにするために第1インジケータに対応する荷の四分円を下降させるべきと判断をする。
【0024】
好ましい実施の形態では、特定の表示部26のインジケータ27の位置を、他の表示部26のインジケータ27と比較して検出し、荷12の傾きを判断するのに対し、測定目盛り63でもって特定の四分円における実際の荷12の垂直位置を測定することもできる。この測定によれば、ユーザは荷を好ましい高さにするためにアクチュエータ14を上昇又は下降させるべきかを判断することができる。
【0025】
図5を参照すると、本発明の別の実施の形態では、インジケータ27を荷12と同じ方向に動かすことができ、荷12を矢印A又はBの方向に上昇又は下降させると、それに対応してインジケータはそれぞれ矢印C又はDの方向にシリンダ53内で上昇又は下降する。図示されているとおり、スリーブ40は上記した方法でプラグ50に接続されている。しかしながら、プラグ50でシリンダの上端部を閉じ、端壁46でシリンダの下端部を閉じている。この実施形態では、ケーブル部材38が曲がるのを防ぐバネ62は必要ないが、ケーブル部材38が曲がったり、縮んだり、あるいは変形してインジケータ27の位置に影響を及ぼしてしまうのを防ぐことが望ましい。
【0026】
リフト作業が完了すると、リフト測定システム10は下面11から取付板30を外すことにより簡単に荷12から取り外すことができ、又、作業員は荷12の傾きを判断することのできる所定の個所の荷の下面に、取付板30を取付けることにより簡単に別の荷にリフト測定システムを取付けることができる。所望により、測定システム10は各ブラケット34を対応するアクチュエータ14から取り外すことによりリフト機構13から取り外すことも可能である。測定システム10は演算装置や電子通信装置又はその他の高価な電子部品を使用していないので、容易に取付けできることが利点である。
【0027】
別の実施の形態によれば、測定システム10を取付板30を荷12の下面11に直接固定するという要件を用いないことにより簡略化することもできる。すなわち、取付板30を下面11に圧着させる。したがって、リンク装置24及びリンク装置24の関連部品は荷12に「作動可能な状態で連結されて」おり、すなわちリンク装置を所望の荷の支持域で荷12に直接設置又は作動可能な状態で接合させることもできる。
【0028】
特に、バネ62はインジケータ27を下方に偏らせて、ケーブル部材38が荷12の方向に移動して下面11に対して取付板30を押圧する。この実施形態は取付板30を荷12に容易に取付け又は取り外しできないような状況の場合に望ましい。もちろん、ケーブル部材38は、特にスリーブ40より突出してスリーブ40で支持されていない端部は、バネ62の力で曲がらないよう充分に固くなければならない。
【0029】
図6に示す別の方法では、ブラケット34と取付板30の間に延長してケーブル部材38を囲む追加のバネ41を設ける。バネ41はバネ62の有無に関わらず備えることができ、矢印F2の方向に取付板を下面11に対して押し上げるだけの鉛直力を付与する。バネ41とバネ62とを共に用いる場合には、取付板30と下面11の接合を保つためにバネ力F2は上方へのバネ力Fより大きくなり、同時にバネ62はケーブル部材38が室53内で曲がるのを防ぐことができる。
【0030】
ケーブル・アセンブリ28をアクチュエータ14に取付け、各アクチュエータのシリンダ16に対するピストン18の位置、すなわちインジケータ27の位置が対応する各表示部26毎に同じにすることもできる。この方法によると、例えば、リフト操作開始の際に、全ての表示部26を同じ値で始めることができる。更に、スリーブ40の位置はブラケット34及び/又は表示部26に対応して調節可能であることが好ましく、例えば、フェルール43(又はブラケット34の端部の相当する部分)を回すことにより位置を変え、それにより表示部26に対応するインジケータ27の位置を細かく調整することもできる。
【0031】
更にリンク装置24は、好ましい実施の形態においては、荷12と表示部26の間に接続されたケーブル・アセンブリ28を備えているが、本発明は荷の変位を作業員が気づくことのできるような方法で表示部に伝達するリンク装置に限られるものではない。例えば、図7を参照すると、リンク装置24にはケーブル・アセンブリ28の代わりに油圧式動作伝達システムを設けることもできる。
【0032】
上記の油圧式システムは、第1の荷の端部ピストン70と第2の表示部端部ピストン76との間を油圧油などの流体68で満たしたホース66又はその他の導管を備えている。第1のピストン70は導管66の基端部又は荷側の端部から延び、下面11を接合する取付面30で終わっている。ピストン70は荷12に直接固定することができ、上記のバネ41から得られるようなバネ力でもって荷に接合する。ピストン70は下端部にピストン・ヘッド74を有し、該ピストン・ヘッド74は導管66内部で油圧油68に対するシールを形成し、又は導管66と流体が連通するシリンダの壁との間でスライド・シールを形成する。第2のピストン76は導管66の末端部又は表示部側の端部から、すなわち導管66と連通しているシリンダから延び、インジケータ27で終わっている。ピストン76はインジケータ27に直接接続するか、又は、図5に示したバネ62と同様のバネの下方向への力でインジケータ27と圧接する。ピストン76は下端部にピストン・ヘッド78を有し、該ピストン・ヘッド78が油圧油68に対して導管66内部に、すなわち導管66と連通しているシリンダ内部にシールを形成する。
【0033】
操作の際に、荷12が下降すると、第1ピストン・ヘッド74が第2ピストン・ヘッド78に対して油圧油68を押圧し、計測器64に対して矢印Dの方向にインジケータ27が上昇する。逆に、荷12が上昇すると、第1ピストン・ヘッド74が油圧油68を吸引し、導管66内に真空領域を形成するので、第2ピストン76及びインジケータ27が計測器64に対して矢印Cの方向に下降する。また、インジケータ27が荷12と連係して上昇又は下降するように表示部26を図5に示す方向に形成することもできる。
【0034】
上記のとおり、本発明は持ち上げる荷の動きを、例えば、ケーブル被覆や油圧ホースなどの導管内のケーブル又は油圧油など媒体の動きを表示部内のインジケータに伝達し、荷の動きの表示を離れたリフト作業員に知らせる。ケーブル・システムは単純であり、コスト面、保守面、重量、管理の容易性及び調整機能などに利点があるが、油圧式などその他のシステムも実施可能である。
【0035】
本発明は現時点で最も実用的で好ましいと思われる実施の形態に関して説明した。しかしながら、本発明は例示の目的で示されたものであり、開示した実施の形態に限定されるものではない。したがって、本発明は添付の請求項に記載された本発明の精神と範囲において含まれる全ての変形や別の方法を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面について説明するが、全体を通して同じ参照番号は同じ要素に対応している。
【図1】本発明の好ましい実施の形態により構成される機械式リフト測定システムにより傾きが測定される荷を支持する機械式リフト機構を含む支持システムの概略斜視図である。
【図2】図1に示す支持システムの分解部分斜視図である。
【図3】図1の3−3線によるケーブル・アセンブリの横断面図である。
【図4】図1に示した表示部の側断面図である。
【図5】別の実施の形態による表示部の側断面図である。
【図6】本発明の別の実施の形態によるリフト測定システムの、図2と同様の分解部分斜視図である。
【図7】本発明の別の実施の形態による油圧式リンク装置を備えたリフト測定システムの側断面図である。
【符号の説明】
【0037】
8 荷の支持システム
11 底面
12 荷
13 機械式リフト機構
14 油圧アクチュエータ
16 シリンダ
18 可動ピストン
20 上部支持面
21 供給ライン
22 戻りライン
24 リンク装置
26 表示部
27 インジケータ
28 ケーブル・アセンブリ
30 取付板
34 ブラケット
36 円筒孔
38 管状金属ケーブル部材
40 巻付金属外部スリーブ/ケーブル鞘
41 バネ
42 目盛り付シリンダ
43 フェルール
44 外周壁
46 上端壁
48 下端部
50 円筒プラグ
56 円筒孔
60 下面
62 コイルバネ
63 測定目盛り
64 計測器
66 ホース/導管
68 流体/油圧油
70 第1の積荷端部ピストン
72 取付面
74 ピストン・ヘッド
76 第2の表示部端部ピストン
78 ピストン・ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定シリンダと、荷の支持域において前記シリンダに対して伸縮自在のピストンを備え、前記シリンダの動きに応じて荷を上昇及び下降するリフト作業中に荷の位置を判断するリフト測定システムにおいて、
計測器と該計測器に対して移動するインジケータを含む表示部と、
一端が荷の支持域に作動可能な状態で連結され、他端が前記表示部に接続しているリンク装置とを備え、
前記リンク装置が荷の支持域での荷の動きをインジケータに伝達し、計測器に対応してインジケータを動かすことを特徴とするリフト測定システム。
【請求項2】
前記リンク装置は、基端部が荷に接合され末端部がインジケータに接合されているケーブル・アセンブリを備えていることを特徴とする請求項1記載のリフト測定システム。
【請求項3】
前記ケーブル・アセンブリが更に荷と前記インジケータの間に接続されるケーブル部材を備えていることを特徴とする請求項2記載のリフト測定システム。
【請求項4】
前記ケーブル部材が固定スリーブにより囲繞されていることを特徴とする請求項3記載のリフト測定システム。
【請求項5】
前記スリーブの一端がシリンダに接続され他端が表示部に接続されていることを特徴とする請求項4記載のリフト測定システム。
【請求項6】
前記スリーブがシリンダに取付けられたブラケットを介してシリンダと接続していることを特徴とする請求項5記載のリフト測定システム。
【請求項7】
前記リンク装置は更に油圧油を収容した導管を備えていることを特徴とする請求項3記載のリフト測定システム。
【請求項8】
前記リンク装置は前記インジケータの上端に取付けられていることを特徴とする請求項1記載のリフト測定システム。
【請求項9】
前記リンク装置は前記インジケータの下端に取付けられていることを特徴とする請求項1記載のリフト測定システム。
【請求項10】
前記表示部は更に閉端がバネの一端に接続しているシリンダを備え、前記バネが前記インジケータの他端に接続していることを特徴とする請求項1記載のリフト測定システム。
【請求項11】
前記リンク装置が前記荷の支持域において荷に固定されていることを特徴とする請求項1記載のリフト測定システム。
【請求項12】
前記リンク装置が更に前記スリーブと取付板の間に伸長するバネの力によって前記荷の支持域で荷に接合する取付板を備えることを特徴とする請求項1記載のリフト測定システム。
【請求項13】
対応する複数の荷の支持域に結合された複数のリンク装置を更に備え、各リンク装置のそれぞれは対応する計測器に結合していることを特徴とする請求項1記載のリフト測定システム。
【請求項14】
複数の表示部が荷の傾きを表示することを特徴とする請求項13記載のリフト測定システム。
【請求項15】
荷のリフト作業を行い荷の傾きを判断するための荷の支持システムにおいて、
シリンダと、該シリンダに対して伸縮自在なピストンを備え、対応する第1及び第2の荷の支持域で荷を支持する第1及び第2リフトシステムと、
各表示部が計測器を備え、該表示部は前記計測器に対して移動可能であるインジケータを内包し、対応する前記第1及び第2リフトシステムに結合する第1及び第2表示部と、
各リンク装置が導管を通した媒体の動きにより対応する荷の支持の動作を伝達し前記計測器に対して対応するインジケータを動かす、前記第1及び第2支持帯と第1及び第2の計測器との間にそれぞれ接続された第1及び第2リンク装置とを備え、
前記各インジケータは対応する計測器に応じて表示され、荷の傾きを判断することを特徴とする荷の支持システム。
【請求項16】
各計測器が実際の荷の位置を表示することを特徴とする請求項15記載の支持システム。
【請求項17】
各リンク装置が、対応する荷の支持域に結合する基端部と、対応するインジケータに接続する末端部を有するケーブル・アセンブリを備えたことを特徴とする請求項15記載の支持システム。
【請求項18】
各リンク装置が油圧油を収容した導管を備えたことを特徴とする請求項15記載の支持システム。
【請求項19】
各表示部が更に閉端がバネの一端に接続しているシリンダを備え、前記バネが前記インジケータの他端に接続していることを特徴とする請求項15記載の支持システム。
【請求項20】
前記リンク装置が更にバネの力によって前記荷の支持域で荷に接合する取付板を備えたことを特徴とする請求項15記載の支持システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−523313(P2006−523313A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509389(P2006−509389)
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/009436
【国際公開番号】WO2004/088134
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(501372330)アクチュアント コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】