説明

欠陥検出装置、欠陥検出方法及びコンピュータプログラム

【課題】シェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる欠陥検出装置を提供する。
【解決手段】サイズ設定手段31Aが、サイズ設定受付手段51にて受け付けた欠陥のサイズを設定し、縮小率設定手段32が、設定された欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する。画像縮小手段33が、設定された画像縮小率で元の多値画像を縮小した縮小画像を生成し、フィルタ処理手段34が、縮小画像に対して縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施し、画像拡大手段35が、フィルタ処理が施された縮小画像を、画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成し、差分演算手段36が、元の多値画像と拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体表面を撮像して取得した、シェーディングを含む多値画像から、前記物体表面のゴミ、傷、汚れ等の欠陥を検出する欠陥検出装置、該欠陥検出装置で用いる欠陥検出方法、及び該欠陥検出方法における処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、ディジタルカメラで撮像により取得した、シェーディングと、ゴミ、傷、汚れ等の欠陥が形成する特異点とを含む元画像に対して、1ライン毎に最小2乗法を適用してn次近似を行い、全ライン分を統合して平坦化データとしてシェーディング画像データを生成し、元画像データとシェーディング画像データとの差分演算を行って、差分が所定値よりも大きい特異点を示す場合に、該特異点を上記欠陥による特異点であると判定する検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−050356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来例では、周期的でない複雑なシェーディングが生じる場合、ユーザは、欠陥を検出するためのn次近似曲線の次数nを適切に設定するのが困難であり、次数nを大きく設定してシェーディング画像を生成した場合であっても、元画像にシェーディング画像が一致しない。そして、一致しない部分に近似誤差が生じ、該近似誤差による差分と、欠陥部分による差分とを区別することができない、という問題がある。この問題を解決するためには、次数nをさらに大きく設定する必要があるが、次数nをさらに大きく設定した場合、n次近似の処理時間が長くなるとともに、欠陥部分まで追従したn次近似曲線が生成され、欠陥を検出することができず、検出動作が不安定になる、という問題がある。
【0004】
また、周期的なシェーディングが生じる場合、低次数のn次近似曲線で元画像にシェーディング画像を一致させることができる。しかし、元画像の縦方向と横方向とでシェーディングの発生状態が変化した場合、低次数のn次近似曲線で正常に動作していたものが、突然誤動作してしまう、という問題がある。この誤動作を解消するためには、縦方向及び横方向のシェーディングの発生状態に応じて、n次近似曲線の次数nを最適に設定する必要がある。しかし、例えばフィルム上の欠陥検査の場合、シェーディングの発生状態が変動しやすく、検出動作が不安定になる、という問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、シェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる欠陥検出装置、該欠陥検出装置で用いる欠陥検出方法、及び該欠陥検出方法における処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、第1発明に係る欠陥検出装置は、撮像手段で撮像された多値画像から、撮像されている物体表面の欠陥を検出する欠陥検出装置において、検出対象の欠陥のサイズの設定を受け付けるサイズ設定受付手段と、該サイズ設定受付手段にて受け付けた欠陥のサイズを設定するサイズ設定手段と、該サイズ設定手段により設定された欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する縮小率設定手段と、前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成する画像縮小手段と、前記縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、該フィルタ処理手段によりフィルタ処理が施された縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成する画像拡大手段と、前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する差分演算手段とを含む構成を有する。
【0007】
斯かる構成により、撮像手段で撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小手段及び画像拡大手段により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、拡大画像に含まれるシェーディング画像を略一致させ、欠陥を除去するためのフィルタ処理手段により、ユーザが設定したサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。
【0008】
第2発明に係る欠陥検出装置は、撮像手段で撮像された多値画像から、撮像されている物体表面の欠陥を検出する欠陥検出装置において、前記多値画像を表示する元画像表示手段と、該元画像表示手段に表示されている多値画像から、検出対象の欠陥又は検出対象外の欠陥に相当する画像の選択を受け付ける欠陥画像選択受付手段と、該欠陥画像選択受付手段にて受け付けた画像に相当する欠陥のサイズを設定するサイズ設定手段と、該サイズ設定手段により設定された欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する縮小率設定手段と、前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成する画像縮小手段と、前記縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、該フィルタ処理手段によりフィルタ処理が施された縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成する画像拡大手段と、前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する差分演算手段とを含む構成を有する。
【0009】
斯かる構成により、ユーザは、元画像表示手段に表示されている多値画像から検出対象又は検出対象外の欠陥画像を選択するだけで、サイズ設定手段により欠陥のサイズが設定され、また撮像手段で撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小手段及び画像拡大手段により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、拡大画像に含まれるシェーディング画像を略一致させ、欠陥を除去するためのフィルタ処理手段により、設定されたサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。
【0010】
第3発明に係る欠陥検出装置は、第1又は第2発明において、前記差分演算手段により生成された差分画像に対してノイズの低減度の設定を受け付けるノイズ低減度設定受付手段と、受け付けた前記ノイズの低減度を差分画像に対して減算又は加算して、ノイズ低減処理画像を生成するノイズ低減処理手段とを含むことが好ましい。
【0011】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望の低減度で差分画像からノイズを低減することができ、欠陥検出の精度を向上させるとともに、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0012】
第4発明に係る欠陥検出装置は、第3発明において、前記ノイズ低減度設定手段で設定を受け付けた前記ノイズの低減度に対して前記拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算する補正手段を含むことが好ましい。
【0013】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望の低減度に基づく低減度補正を行うことができ、欠陥検出の精度をさらに向上させるとともに、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0014】
第5発明に係る欠陥検出装置は、第1又は第2発明において、前記差分画像に対してゲインの設定を受け付けるゲイン設定受付手段と、受け付けた前記ゲインを前記差分画像に乗算して、強調処理画像を生成する強調処理手段とを含むことが好ましい。
【0015】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望のゲインで差分画像を強調処理することができ、欠陥検出の精度をさらに向上させるとともに、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0016】
第6発明に係る欠陥検出装置は、第5発明において、前記ゲイン設定受付手段で設定を受け付けた前記ゲインに対して前記拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算する補正手段を含むことが好ましい。
【0017】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望のゲインに基づくゲイン補正を行うことができ、欠陥検出の精度をさらに向上させるとともに、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0018】
第7発明に係る欠陥検出装置は、第3発明において、前記ノイズ低減処理画像に対してゲインの設定を受け付けるゲイン設定受付手段と、受け付けた前記ゲインを前記ノイズ低減処理画像に乗算して、強調処理画像を生成する強調処理手段とを含むことが好ましい。
【0019】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望の低減度で差分画像からノイズを低減することができ、またユーザが設定した所望のゲインでノイズ低減処理画像を強調することができ、欠陥検出の精度をさらに向上させるとともに、差分画像の視認性をさらに向上させることができる。
【0020】
第8発明に係る欠陥検出装置は、第7発明において、設定を受け付けた前記ノイズの低減度に対して前記拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算し、設定を受け付けた前記ゲインに対して前記拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算する補正手段を含むことが好ましい。
【0021】
斯かる構成により、拡大画像の輝度値に基づいて、ノイズの低減度及びゲインを動的に補正することで、撮像時の照明が変動している場合であっても、差分画像の欠陥画像について信号の輝度値及びノイズの輝度値を一定に保つことができ、欠陥検出の精度をさらに向上させることができる。
【0022】
第9発明に係る欠陥検出装置は、第1又は第2発明において、前記差分演算手段は、正の差分画像及び負の差分画像を生成するようにしてあり、前記正の差分画像及び前記負の差分画像のうち少なくとも一方の差分画像の選択を受け付ける差分画像選択受付手段と、受け付けた差分画像を選択する差分画像選択手段とを含むことが好ましい。
【0023】
斯かる構成により、ユーザは、生成された拡大画像(シェーディング画像)の輝度値に対して、輝度値が高い明欠陥画像を示す正の差分画像、及び輝度値が低い暗欠陥画像を示す負の差分画像のうち少なくとも一方の差分画像を自由に選択することができる。
【0024】
第10発明に係る欠陥検出装置は、第9発明において、前記差分画像選択手段により選択された差分画像を表示する差分画像表示手段を含むことが好ましい。
【0025】
斯かる構成により、ユーザは、設定したサイズ以下の欠陥が検出されているか否かを、表示されている差分画像から容易に確認することができる。
【0026】
第11発明に係る欠陥検出装置は、第1又は第2発明において、前記フィルタ処理手段は、前記縮小率設定手段で設定された画像縮小率が大きいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく設定するようにしてあることが好ましい。
【0027】
斯かる構成により、画像縮小率に応じてフィルタサイズ又はフィルタ通過回数を演算により最適に設定することができる。
【0028】
第12発明に係る欠陥検出装置は、第1又は第2発明において、前記フィルタ処理手段は、前記縮小率設定手段で設定された画像縮小率が小さいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を小さく設定するようにしてあることが好ましい。
【0029】
斯かる構成により、画像縮小率に応じてフィルタサイズ又はフィルタ通過回数を演算により最適に設定することができる。
【0030】
第13発明に係る欠陥検出装置は、第1又は第2発明において、前記フィルタ処理手段は、前記サイズ設定手段により設定された欠陥のサイズが大きいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく設定するようにしてあることが好ましい。
【0031】
斯かる構成により、欠陥のサイズに応じてフィルタサイズ又はフィルタ通過回数を演算により最適に設定することができる。
【0032】
第14発明に係る欠陥検出装置は、第1又は第2発明において、前記フィルタ処理手段は、前記サイズ設定手段により設定された欠陥のサイズが小さいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を小さく設定するようにしてあることが好ましい。
【0033】
斯かる構成により、欠陥のサイズに応じてフィルタサイズ又はフィルタ通過回数を演算により最適に設定することができる。
【0034】
第15発明に係る欠陥検出装置は、第1又は第2発明において、前記フィルタ処理手段での前記フィルタサイズは、前記サイズ設定手段で設定された前記欠陥のサイズに応じて決定するようにしてあることが好ましい。
【0035】
斯かる構成により、欠陥のサイズに応じてフィルタサイズを最適に設定することができる。
【0036】
第16発明に係る欠陥検出方法は、撮像手段で撮像された多値画像から、撮像されている物体表面の欠陥を検出する欠陥検出装置で用いる欠陥検出方法において、前記欠陥検出装置は、検出対象の欠陥のサイズの設定を受け付け、受け付けた欠陥のサイズを設定し、設定した欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定し、前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成し、該縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施し、該フィルタ処理を施した縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成し、前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する構成を有する。
【0037】
斯かる構成により、撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小処理及び画像拡大処理により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、拡大画像に含まれるシェーディング画像を略一致させ、欠陥を除去するためのフィルタ処理により、ユーザが設定したサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。
【0038】
第17発明に係る欠陥検出方法は、撮像手段で撮像された多値画像から、撮像されている物体表面の欠陥を検出する欠陥検出装置で用いる欠陥検出方法において、前記欠陥検出装置は、前記多値画像を表示し、表示されている多値画像から、検出対象の欠陥又は検出対象外の欠陥に相当する画像の選択を受け付け、受け付けた画像に相当する欠陥のサイズを設定し、設定した欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定し、前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成し、該縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施し、該フィルタ処理を施した縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成し、前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する構成を有する。
【0039】
斯かる構成により、ユーザは表示されている多値画像から検出対象又は検出対象外の欠陥画像を選択するだけで欠陥のサイズが設定され、また撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小処理及び画像拡大処理により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、生成された拡大画像に含まれるシェーディング画像を略一致させ、欠陥を除去するためのフィルタ処理により、設定されたサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。
【0040】
第18発明に係る欠陥検出方法は、第16又は第17発明において、生成された差分画像に対してノイズの低減度の設定を受け付け、受け付けた前記ノイズの低減度を差分画像に対して減算又は加算して、ノイズ低減処理画像を生成することが好ましい。
【0041】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望の低減度で、差分画像からノイズを低減することができ、欠陥検出の精度を向上させるとともに、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0042】
第19発明に係る欠陥検出方法は、第18発明において、設定を受け付けた前記ノイズの低減度に対して前記拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算することが好ましい。
【0043】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望の低減度に基づく低減度補正を行うことができ、欠陥検出の精度をさらに向上させるとともに、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0044】
第20発明に係る欠陥検出方法は、第16又は第17発明において、前記差分画像に対してゲインの設定を受け付け、受け付けた前記ゲインを前記差分画像に乗算して、強調処理画像を生成することが好ましい。
【0045】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望のゲインで差分画像を強調処理することができ、欠陥検出の精度をさらに向上させるとともに、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0046】
第21発明に係る欠陥検出方法は、第20発明において、設定を受け付けた前記ゲインに対して前記拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算することを特徴とする。
【0047】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望のゲインに基づくゲイン補正を行うことができ、欠陥検出の精度をさらに向上させるとともに、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0048】
第22発明に係る欠陥検出方法は、第18発明において、前記ノイズ低減処理画像に対してゲインの設定を受け付け、受け付けた前記ゲインを前記ノイズ低減処理画像に乗算して、強調処理画像を生成することが好ましい。
【0049】
斯かる構成により、ユーザが設定した所望の低減度で、差分画像からノイズを低減することができ、またユーザが設定した所望のゲインで、ノイズ低減処理画像を強調することができ、欠陥検出の精度をさらに向上させるとともに、差分画像の視認性をさらに向上させることができる。
【0050】
第23発明に係る欠陥検出方法は、第22発明において、設定を受け付けた前記ノイズの低減度に対して前記拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算し、設定を受け付けた前記ゲインに対して前記拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算することが好ましい。
【0051】
斯かる構成により、拡大画像の輝度値に基づいて、ノイズの低減度及びゲインを動的に補正することで、撮像時の照明が変動している場合であっても、差分画像の欠陥画像について信号の輝度値及びノイズの輝度値を一定に保つことができ、欠陥検出の精度をさらに向上させることができる。
【0052】
第24発明に係る欠陥検出方法は、第16又は第17発明において、前記差分演算により生成された差分画像は正の差分画像及び負の差分画像からなり、前記正の差分画像及び前記負の差分画像のうち少なくとも一方の差分画像の選択を受け付け、受け付けた差分画像を選択することが好ましい。
【0053】
斯かる構成により、ユーザは、生成された拡大画像(シェーディング画像)の輝度値に対して、輝度値が高い明欠陥画像を示す正の差分画像、及び輝度値が低い暗欠陥画像を示す負の差分画像のうち少なくとも一方の差分画像を自由に選択することができる。
【0054】
第25発明に係る欠陥検出方法は、第24発明において、選択された差分画像を表示することが好ましい。
【0055】
斯かる構成により、ユーザは、設定したサイズ以下の欠陥が検出されているか否かを、表示されている差分画像から容易に確認することができる。
【0056】
第26発明に係る欠陥検出方法は、第16又は第17発明において、設定された画像縮小率が大きいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく設定することが好ましい。
【0057】
斯かる構成により、画像縮小率に応じてフィルタサイズ又はフィルタ通過回数を演算により最適に設定することができる。
【0058】
第27発明に係る欠陥検出方法は、第16又は第17発明において、設定された画像縮小率が小さいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を小さく設定することが好ましい。
【0059】
斯かる構成により、画像縮小率に応じてフィルタサイズ又はフィルタ通過回数を演算により最適に設定することができる。
【0060】
第28発明に係る欠陥検出方法は、第16又は第17発明において、設定された欠陥のサイズが大きいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく設定することが好ましい。
【0061】
斯かる構成により、欠陥のサイズに応じてフィルタサイズ又はフィルタ通過回数を演算により最適に設定することができる。
【0062】
第29発明に係る欠陥検出方法は、第16又は第17発明において、設定された欠陥のサイズが小さいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を小さく設定することが好ましい。
【0063】
斯かる構成により、欠陥のサイズに応じてフィルタサイズ又はフィルタ通過回数を演算により最適に設定することができる。
【0064】
第30発明に係る欠陥検出方法は、第16又は第17発明において、前記フィルタサイズは、設定された前記欠陥のサイズに応じて決定することが好ましい。
【0065】
斯かる構成により、欠陥のサイズに応じてフィルタサイズを最適に設定することができる。
【0066】
第31発明に係るコンピュータプログラムは、物体表面を撮像して多値画像を取得する処理と、検出対象の欠陥のサイズの設定を受け付ける処理と、受け付けた欠陥のサイズを設定する処理と、設定した欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する処理と、前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成する処理と、該縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施す処理と、該フィルタ処理を施した縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成する処理と、前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する処理とをコンピュータに実行させる構成を有する。
【0067】
斯かる構成により、撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小処理及び画像拡大処理により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、拡大画像に含まれるシェーディング画像を略一致させ、欠陥を除去するためのフィルタ処理により、ユーザが設定したサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。
【0068】
第32発明に係るコンピュータプログラムは、物体表面を撮像して多値画像を取得する処理と、前記多値画像を表示する処理と、表示されている多値画像から、検出対象の欠陥又は検出対象外の欠陥に相当する画像の選択を受け付ける処理と、受け付けた画像に相当する欠陥のサイズを設定する処理と、設定した欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する処理と、前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成する処理と、該縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施す処理と、該フィルタ処理を施した縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成する処理と、前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する処理とをコンピュータに実行させる構成を有する。
【0069】
斯かる構成により、ユーザは表示されている多値画像から検出対象又は検出対象外の欠陥画像を選択するだけで欠陥のサイズが設定され、また撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小処理及び画像拡大処理により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、拡大画像に含まれるシェーディング画像を一致させ、欠陥を除去するためのフィルタ処理により、設定されたサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。
【発明の効果】
【0070】
本発明によれば、シェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる欠陥検出装置、該欠陥検出装置で用いる欠陥検出方法、及び該欠陥検出方法における処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各実施の形態の説明で参照する図面を通じて、同一又は同様の構成又は機能を有する要素については、同一又は同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0072】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る欠陥検出装置の一構成例を示すブロック図である。図1において、本実施の形態1に係る欠陥検出装置1Aは、撮像手段2と、画像処理部3Aと、記憶手段4と、入力受付/画像表示部5Aとから構成される。
【0073】
撮像手段2は、例えばディジタルカメラとして機能し、検出対象物として例えばフィルム表面を撮像し多値画像を取得して画像処理部3Aに出力する。
【0074】
画像処理部3Aは、サイズ設定手段31Aと、縮小率設定手段32と、画像縮小手段33と、フィルタ処理手段34と、画像拡大手段35と、差分演算手段36と、ノイズ低減処理手段37と、強調処理手段38と、差分画像選択手段39とを含む。また、画像処理部3Aは、CPU、ROM、RAM、外部I/F等を含んで構成され、サイズ設定手段31A、縮小率設定手段32、画像縮小手段33、フィルタ処理手段34、画像拡大手段35、差分演算手段36、ノイズ低減処理手段37、強調処理手段38、及び差分画像選択手段39の処理動作を制御する。
【0075】
記憶手段4は、画像メモリとして機能し、撮像手段2により撮像された元の多値画像、及び画像処理部3Aにおいて各種処理を行った後の画像を随時記憶する。
【0076】
入力受付/画像表示部5Aは、コンピュータ用のモニタ、マウス、キーボード等で構成される。入力受付部は、例えばダイアログボックスとしてモニタの表示画面上に設けられ、サイズ設定受付手段51と、ノイズ低減度設定受付手段52と、ゲイン設定受付手段53と、差分画像選択受付手段54と、表示画像選択受付手段58とを含む。画像表示部は、モニタの表示画面上の入力受付部に隣接して設けられ、元画像表示手段55と、拡大画像表示手段56と、差分画像表示手段57とを含む。ユーザは、表示画像選択受付手段58にて元の多値画像、拡大画像、及び差分画像のいずれかを選択して、モニタの画面上に表示させることができる。
【0077】
次に、画像処理部3Aの各構成について説明する。
【0078】
サイズ設定手段31Aは、入力受付/画像表示部5Aのサイズ設定受付手段51にて、ユーザから受け付けた欠陥のサイズを縮小率設定手段32に対して設定する。ここで、「欠陥のサイズ」とは、欠陥が略円形状である場合、円の直径に相当する画素数を指し、欠陥が略矩形状である場合、矩形の短辺の長さに相当する画素数を指す。
【0079】
縮小率設定手段32は、サイズ設定手段31Aにより設定された欠陥のサイズに応じて、撮像手段2により取得された元の多値画像に対する画像縮小率を画像縮小手段33に対して設定する。縮小率設定手段32は、欠陥のサイズが大きい(小さい)ほど、画像縮小率を大きく(小さく)設定するように、例えば、欠陥のサイズを引数とする画像縮小率の参照テーブルの形態で構成されている。
【0080】
なお、必ずしも参照テーブルである必要はなく、予め定められた規定の計算式に基づいて算出するようにしても良い。
【0081】
さらに、ここで述べている画像縮小率とは、例えば1/2倍から1/50倍までのものであり、その中で画像縮小率が大きいとは、例えば1/2倍より1/50倍が画像縮小率が大きいという定義であり、逆に画像縮小率が小さいとは、1/50倍より1/2倍が画像縮小率が小さいということを意味する。
【0082】
画像縮小手段33は、例えば面積平均法という手法を用いる処理を行い、縮小率設定手段32により設定された画像縮小率で元の多値画像を縮小して縮小画像を生成する。ここで、面積平均法は、例えば4画素×4画素の元の多値画像を1/2に縮小して、2画素×2画素の縮小画像を生成する場合、元の多値画像を2画素×2画素の4ブロックに分割し、各ブロックを構成する4画素の輝度値の平均値を算出し、各ブロックの平均値を1画素値として2画素×2画素の縮小画像を生成する手法である。
【0083】
フィルタ処理手段34は、例えばメディアンフィルタに代表される二次元フィルタとして機能し、画像縮小手段33により生成された縮小画像に対して縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施す。フィルタ処理手段34は、欠陥のサイズ(又は画像縮小率)が大きい(小さい)ほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく(小さく)設定するように、欠陥のサイズ(又は画像縮小率)を引数とするフィルタサイズ(又はフィルタ通過回数)の参照テーブルを含んで構成され、縮小画像から、ユーザにより設定されたサイズ以下の欠陥画像を除去する。
【0084】
なお、必ずしも参照テーブルである必要はなく、予め定められた規定の計算式に基づいて算出するようにしても良い。
【0085】
ここで、「フィルタサイズ」とは、M画素×M画素の二次元フィルタの一辺を構成する画素数Mを指す。また、メディアンフィルタは、注目画素の画素値を、フィルタサイズ範囲内の全画素の画素値のうちの中間値で置き換えて出力する二次元フィルタである。
【0086】
画像拡大手段35は、例えばバイリニア補間法という手法を用いる処理を行い、フィルタ処理手段34によりフィルタ処理が施された縮小画像を、画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大して拡大画像を生成する。該拡大画像は、元の多値画像に含まれるシェーディングに対応する。ここで、バイリニア補間法は、線形補間を二次元に拡大した補間法で、一画素の周囲4画素から補間対象画素までの距離に応じて重み付け平均された補間値を補間対象画素の画素値とする手法である。
【0087】
差分演算手段36は、元の多値画像と、画像拡大手段35により生成された拡大画像との差分演算を行い差分画像を生成する。該差分画像は、画像拡大手段35により生成された拡大画像(シェーディング画像)の輝度値に対して、輝度値が高い明欠陥画像を示す正の差分画像、及び輝度値が低い暗欠陥画像を示す負の差分画像からなる。
【0088】
ノイズ低減処理手段37は、入力受付/画像表示部5Aのノイズ低減度設定受付手段52にてユーザから受け付けたノイズの低減度(階調数)を、差分演算手段36により生成された差分画像に対して減算又は加算して、ノイズ低減処理画像を生成する。これにより、欠陥検出の精度を向上させ、差分画像の視認性を向上させることができる。
【0089】
強調処理手段38は、入力受付/画像表示部5Aのゲイン設定受付手段53にてユーザから受け付けたゲイン(倍率)を、ノイズ低減処理手段37により生成されたノイズ低減処理画像に乗算して、強調処理画像を生成する。これにより、欠陥検出の精度をさらに向上させ、差分画像の視認性をさらに向上させることができる。
【0090】
差分画像選択手段39は、入力受付/画像表示部5Aの差分画像選択受付手段54にてユーザから受け付けた差分画像の選択に応じて、ノイズ低減処理手段37及び強調処理手段38によりノイズ低減処理及び強調処理が施された正の差分画像及び負の差分画像のうち少なくとも一方の差分画像を選択する。
【0091】
図2は、本実施の形態1に係る欠陥検出装置1Aで用いる本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程を示すフローチャートである。本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程は、画像処理部3Aの内部に格納された本発明に係るコンピュータプログラムに従って実行される。
【0092】
図2において、まず、画像処理部3Aが、撮像により物体表面の多値画像を取得する(ステップS201)。次に、画像処理部3Aが、ユーザによる欠陥のサイズ(画素数)の設定入力が有るか否かを判断し(ステップS202)、欠陥のサイズの設定入力が有った場合(ステップS202:YES)、欠陥のサイズを設定する(ステップS203)。
【0093】
次に、画像処理部3Aが、設定された欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定し(ステップS204)、取得した多値画像を、設定された画像縮小率で縮小して、縮小画像を生成する(ステップS205)。次に、画像処理部3Aが、画像縮小率(又は欠陥のサイズ)に応じたフィルタサイズ(又はフィルタ通過回数)で、縮小画像に対してフィルタ処理を施す(ステップS206)。
【0094】
この画像縮小とフィルタ処理の中で、対象とする欠陥を除去する必要がある。そうすることで、(欠陥が除去された)縮小画像を元の多値画像サイズへ拡大した画像と、元の多値画像との差分をとった時に、最終的に欠陥を抽出することができる。
【0095】
除去できる欠陥のサイズと、画像縮小率、メディアンフィルタサイズとの間には、式(1)の関係がある。即ち、縮小率を1/R、メディアンフィルタサイズをMとした場合には、式(1)により除去できる欠陥のサイズを求めることができる。
【0096】
RoundDown(M/2)×R ・・・ (1)
【0097】
メディアンフィルタは、注目画素をフィルタサイズ範囲内の全画素の濃度値のうちの中間値で置き換える処理であるため、少なくともフィルタサイズMの半分以下の幅、つまりRoundDown(M/2)よりも小さい幅の欠陥は、中間値に置き換えられて除去されることになる。さらに、メディアンフィルタは縮小画像上で行っているため、その除去される幅を、元画像上の幅に変換することで実際に除去できる欠陥のサイズを計算することができる。元画像上での幅を計算するには、縮小画像上での幅に縮小率の逆数を乗算すれば良いため、上記のような式で計算することができる。例えば、縮小率を1/4、フィルタサイズを5とした場合、除去できる欠陥のサイズは8画素以下となる。
【0098】
以上の、除去できる欠陥のサイズと、画像縮小率、メディアンフィルタサイズとの関係を踏まえ、以下では最終的にユーザが抽出したい欠陥サイズから、適切な画像縮小率やフィルタサイズを算出する方法を記載する。
【0099】
なお、画像縮小率を大きくすればする程、高速に処理することができる反面、画像を大きく歪めることになるためシェーディング画像生成の精度が下がる傾向にある。また、フィルタサイズを大きくすればする程、画像縮小率をそれほど大きくしなくても(画像をそれ程歪めることなく)、縮小画像上で欠陥を除去することができシェーディング画像の精度を維持することができる反面、処理時間が多くかかる傾向にある。これらは、使用される環境に応じて適切なものを選択する必要がある。以下では3つのケースについて記載する。
【0100】
(ア)フィルタサイズを固定する場合
処理速度を優先させる場合に用いる方法であり、フィルタサイズを小さめに固定し、縮小率の方を変動させることで様々な欠陥サイズに対応させる。
【0101】
例えば、メディアンフィルタサイズを5に固定した場合には、ユーザが抽出したい欠陥サイズSから、下記の計算式により画像縮小率1/Rを決定すると、対象とする欠陥を縮小画像から除去することがきる。まず、5×5のメディアンフィルタによって除去できる欠陥の幅Hは、式(2)で求めることができる。
【0102】
H=RoundDown(5/2)=2 ・・・(2)
【0103】
つまり、縮小画像上での幅が2画素以下の欠陥を、5×5のメディアンフィルタにより除去することができる。よって、欠陥サイズSの縮小画像上での幅が、2画素以下のサイズになるように画像縮小を行えばよい。そのために、式(3)により縮小率1/Rを計算する。なお式(3)は、縮小率の逆数を求める式となっている。
【0104】
R=RoundUp(S/H)=RoundUp(S/2) ・・・(3)
【0105】
例えば、欠陥のサイズSとして15画素が設定された場合、除去するために必要な画像縮小率1/Rは1/8となる。
【0106】
(イ)画像縮小率を固定する場合
シェーディング画像生成の精度を優先させる場合に用いる方法であり、画像縮小率を処理速度への影響がない程度に固定しておき、フィルタサイズの方を変動させることで様々な欠陥サイズに対応させる。
【0107】
例えば、画像縮小率を1/4に固定した場合には、ユーザが抽出したい欠陥サイズSから、下記の計算式によりフィルタサイズMを決定すると、対象とする欠陥を縮小画像から除去することができる。
【0108】
まず、画像縮小により、欠陥サイズSは縮小画像上で式(4)で求まるサイズH以下の大きさに変換される。
【0109】
H=RoundUp(S/R)=RoundUp(S/4) ・・・(4)
【0110】
求められたサイズHの欠陥は、式(5)に示すように、サイズHの倍以上のフィルタサイズMのメディアンフィルタによって除去することが可能である。
【0111】
M=H×2+1 ・・・(5)
【0112】
例えば、欠陥のサイズSとして15画素が設定された場合、縮小画像上でのサイズHは4画素以下となり、除去するために必要なフィルタサイズは9となる。
【0113】
(ウ)フィルタサイズと画像縮小率を変動させる場合
処理速度と精度とを両立させる場合に取る手法であり、ユーザが抽出したい欠陥サイズSの増加に応じてフィルタサイズMと画像縮小率1/Rを少しずつ増加させていくことで、様々な欠陥サイズに対応させる。
【0114】
フィルタサイズMと画像縮小率1/Rは、欠陥サイズSから式(6)により計算を行う。なお、式(6)では、画像縮小率は縮小率の逆数を求めるようになっている。
【0115】
M=Max(RoundUp((Sqrt(S)−3)/2),0)×2+3
R=RoundUp(S/RoundDown(M/2))
・・・ (6)
【0116】
式(6)で、Max(x,y)は、xとyのうち大きい方の値を求める演算を意味し、Sqrt(x)は、xの平方根を求める演算を意味し、RoundUp(x)は、xの小数点を切り上げる演算を意味し、RoundDown(x)は、xの小数点を切り捨てる演算を意味する。例えば、ユーザによって欠陥のサイズSとして10画素が設定された場合、フィルタサイズMは5画素、画像縮小率1/Rは1/5となる。
【0117】
以上のような方法により、ユーザは画像縮小率や、フィルタサイズのことは意識せずに、画像に写っている、抽出したい欠陥の大きさを入力するだけで、欠陥を除去した適切な縮小画像を生成させることが可能となる。なお、これらの計算は、欠陥のサイズSを引数とした参照テーブルの形態で持っていても良いし、計算式により毎回算出する形でも良い。
【0118】
次に、画像処理部3Aが、フィルタ処理が施された縮小画像を、画像縮小率1/Rの逆数に相当する画像拡大率Rで拡大し、拡大画像(シェーディング画像)を生成する(ステップS207)。次に、画像処理部3Aが、元の多値画像と拡大画像との差分演算を行い、差分画像として正の差分画像(明欠陥画像)及び負の差分画像(暗欠陥画像)を生成する(ステップS208)。
【0119】
図3(a)は、元の多値画像の表示画面の一例を示す図、図3(b)は、図3(a)のA−A'線に沿った明欠陥画像Fw、暗欠陥画像Fb、及びシェーディング画像Shadの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図である。図3(a)及び図3(b)に示すように、元の多値画像には、光学系を用いた撮像により発生するシェーディング画像Shadが含まれている。
【0120】
図4(a)は、元の多値画像を画像縮小率1/4で縮小し、メディアンフィルタ処理を施し、画像拡大率4で拡大して生成された拡大画像の表示画面の一例を示す図、図4(b)は、図4(a)のB−B'線に沿った拡大画像の主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図である。図4(a)及び図4(b)に示すように、拡大画像は、図3(a)及び図3(b)のシェーディング画像Shadの形状と一致している。
【0121】
図5(a)は、元の多値画像と拡大画像との差分演算を行って生成された正の差分画像(明欠陥画像)Dw及び負の差分画像(暗欠陥画像)Dbの表示画面の一例を示す図、図5(b)は、図5(a)のC−C'線に沿った正の差分画像(明欠陥画像)Dw及び負の差分画像(暗欠陥画像)Dbの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、元の多値画像に含まれるシェーディング画像が除去され、明欠陥画像Dw及び暗欠陥画像Dbのみが検出されている。なお、図5(a)、図5(b)では、差分画像における正負の境目である±0の値を、中間輝度値として表現している。
【0122】
再び図2を参照して、画像処理部3Aが、ユーザによる、生成された正の差分画像及び負の差分画像に対するノイズの低減度(階調数)及びゲイン(倍率)の設定入力が有るか否かを判断し(ステップS209)、ノイズの低減度(階調数)及びゲイン(倍率)の設定入力が無い場合(ステップS209:NO)、デフォルトとしてノイズの低減度をゼロに、ゲインを1に設定する(ステップS210)。一方、ノイズの低減度(階調数)及びゲイン(倍率)の設定入力が有る場合(ステップS209:YES)、ユーザにより指定されたノイズの低減度及びゲインを設定する(ステップS211)。
【0123】
次に、画像処理部3Aが、生成された正の差分画像及び負の差分画像に対して、設定されたノイズの低減度及びゲインでノイズ低減処理及び強調処理を行う(ステップS212)。ここで、ノイズの低減度をN、ゲインをG、生成された差分画像の差分値をD(i,j)(i,jは画像上の座標位置を示す)、ノイズ低減処理及び強調処理を行った後の差分値をD'(i,j)とした場合、該差分値D'(i,j)は、式(7)で与えられる。
【0124】
D'(i,j)=Max(D(i,j)−N, 0)×G (D(i,j)が正の場合)
D'(i,j)=Min(D(i,j)+N, 0)×G (D(i,j)が負の場合)
・・・ (7)
【0125】
なお式(7)で、Min(x,y)は、xとyのうち小さい方の値を求める演算を意味する。
【0126】
また、正の差分画像と負の差分画像とで異なるノイズの低減度及びゲインを設定することもできる。これにより、欠陥に対する許容値が異なる場合、一方をより強調させたい場合等、ユーザが自由に調整を行うことができる。ここで、正の差分画像に対するノイズの低減度をNw、ゲインをGwとし、負の差分画像に対するノイズの低減度をNb、ゲインをGbとすると、ノイズ低減処理及び強調処理を行った後の差分値をD'(i,j)は、式(8)で与えられる。
【0127】
D'(i,j)=Max(D(i,j)−Nw, 0)×Gw (D(i,j)が正の場合)
D'(i,j)=Min(D(i,j)+Nb, 0)×Gb (D(i,j)が負の場合)
・・・ (8)
【0128】
図6(a)は、ノイズの低減度NをゼロにゲインGを5に設定した場合の、強調処理後の正の差分画像D'w及び負の差分画像D'bの表示画面の一例を示す図、図6(b)は、図6(a)のD−D'線に沿った強調処理後の正の差分画像D'w及び負の差分画像D'bの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図である。図7(a)は、ノイズの低減度Nを10にゲインGを5に設定した場合の、ノイズ低減処理及び強調処理後の正の差分画像D'w及び負の差分画像D'bの表示画面の一例を示す図、図7(b)は、図7(a)のE−E'線に沿ったノイズ低減処理及び強調処理後の正の差分画像D'w及び負の差分画像D'bの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図である。
【0129】
次に、画像処理部3Aが、ユーザによる、正の差分画像及び負の差分画像のうちの少なくとも一方の差分画像の選択入力が有るか否かを判断し(ステップS213)、差分画像の選択入力が無い場合(ステップS213:NO)、デフォルトとして正の差分画像及び負の差分画像を選択し(ステップS214)、処理を終了する。一方、正の差分画像及び負の差分画像のうちの少なくとも一方の差分画像の選択入力が有る場合(ステップS213:YES)、ユーザにより指定された差分画像を選択し(ステップS215)、処理を終了する。
【0130】
差分画像の選択処理は、画像データを8ビットデータ、選択処理の結果をZ(i,j)とした場合、式(9)で表わされるクリッピング演算により行われる。
【0131】
Z(i,j)=Clip(D'(i,j),0,255) (正の差分画像を選択する場合)
Z(i,j)=Clip(D'(i,j)+255,0,255) (負の差分画像を選択する場合)
Z(i,j)=Clip(D'(i,j)+128,0,255) (正、負両方の差分画像を選択する場合)
・・・ (9)
【0132】
なお式(9)で、Clip(n,x,y)は、n<xである場合、xを選択し、n>yである場合、yを選択し、x≦n≦yである場合、nを選択する演算を意味する。
【0133】
図8(a)は、正の差分画像D'wと負の差分画像D'bを選択した場合の表示画面の一例を示す図、図8(b)は、図8(a)のF−F'線に沿った正の差分画像D'wと負の差分画像D'bの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図である。図9(a)は、正の差分画像D'wを選択した場合の表示画面の一例を示す図、図9(b)は、図9(a)のG−G'線に沿った正の差分画像D'wの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図である。図10(a)は、負の差分画像D'bを選択した場合の表示画面の一例を示す図、図10(b)は、図10(a)のH−H'線に沿った負の差分画像D'bの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図である。
【0134】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、撮像手段2で撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小手段33及び画像拡大手段35により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、拡大画像に含まれるシェーディング画像を略一致させ、フィルタ処理手段34により、ユーザが設定したサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。さらに、差分画像の選択処理39により、ユーザが所望する片方の色(明暗)の欠陥のみを抽出することもできる。
【0135】
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2に係る欠陥検出装置の一構成例を示すブロック図、図12は、本実施の形態2に係る欠陥検出装置で用いる本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程を示すフローチャートである。本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程は、画像処理部3Bの内部に格納された本発明に係るコンピュータプログラムに従って実行される。図11において、本実施の形態2に係る欠陥検出装置1Bは、撮像手段2と、画像処理部3Bと、記憶手段4と、入力受付/画像表示部5Aとから構成される。
【0136】
なお、本実施の形態2は、実施の形態1の画像処理部3Aに、補正手段40を追加して画像処理部3Bとした点で、実施の形態1と相違する。また、図12において、本実施の形態2に係る欠陥検出方法は、実施の形態1で参照した図2の処理工程に、ノイズの低減度及びゲインの補正処理工程(ステップS1201)を追加した点で、実施の形態1と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0137】
図11において、補正手段40は、ノイズ低減度設定受付手段52にて設定を受け付けたノイズの低減度Nに対して拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算し、ゲイン設定受付手段53にて設定を受け付けたゲインGに対して拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算して、補正低減度N'及び補正ゲインG'を出力する。ノイズ低減処理手段37は、補正低減度N'で差分画像からノイズを低減してノイズ低減処理画像を生成し、強調処理手段38は、ノイズ低減処理画像に補正ゲインを乗算して強調処理画像を生成する。
【0138】
ここで、カメラによって撮像した画像上において、信号対ノイズ比が一定であると想定し、照明によるシェーディング等の影響により一画面内においてコントラストの違いが生じている場合や、照明の明るさが変化した場合であっても、信号とノイズの出方が一定になるように、低減度補正値及びゲイン補正値が決定される。画像データを8ビットデータ、拡大画像の輝度値をL(i,j)とした場合、低減度補正値はL(i,j)/128、ゲイン補正値は128/L(i,j)となり、補正低減度N'及び補正ゲインG'は、式(10)で与えられる。
【0139】
N'=N×L(i,j)/128
G'=G×128/L(i,j) ・・・ (10)
【0140】
図12において、画像処理部3Bが、拡大画像の輝度値に基づいて、ノイズの低減度及びゲインを動的に補正する(ステップS1201)。ノイズ低減度については、拡大画像の注目画素位置における輝度値が高ければ、その注目位置におけるノイズの出方も大きくなると想定してノイズ低減度を大きくし、輝度値が低ければ、その注目位置におけるノイズの出方も小さくなると想定してノイズ低減度を小さくする。一方、ゲインについては、拡大画像の注目画素位置における輝度値が高ければ、その注目位置における信号の出方も大きくなると想定してゲインを小さくし、輝度値が低ければ、その注目位置における信号の出方も小さくなると想定してゲインを大きくする。これにより、照明によるシェーディング等の影響により一画面内においてコントラストの違いが生じている場合や、撮像時の照明が変動している場合であっても、差分画像の欠陥画像について信号の輝度値及びノイズの輝度値を一定に保つことができ、欠陥検出の精度をさらに向上させることができる。
【0141】
図13は、照明による拡大画像(シェーディング画像)の輝度分布を示す曲線Lと、補正低減度及び補正ゲインを用いてノイズ低減処理及び強調処理を行った差分画像の輝度分布との関係を示す図である。図13(a)は、照明によるシェーディング等の影響により、一画面内においてコントラストの違いが生じているため、本来(シェーディングの影響がない場合には)同じ輝度値を持つ欠陥部分F1とF2とが、異なる輝度変化で撮像されている画像の輝度分布の様子を表した図である。
【0142】
もし、このような画像に対して一様なノイズ低減度、及び一様なゲインを適用して処理を行った場合には、輝度値の高い部分では信号(欠陥の輝度値)もノイズも大きく、輝度値の低い部分では信号(欠陥の輝度値)もノイズも小さい画像であるため、本来(シェーディングの影響がない場合には)同じ輝度値を持つ欠陥が、コントラストの違いを維持したまま、異なる輝度値を持つ欠陥として検出されてしまう。さらに、欠陥F2の周辺の方が、欠陥F1の周辺よりもノイズ成分の大きい差分画像が生成されてしまう。図13(b)は、一様なノイズ低減度と一様なゲインを用いて処理した場合の差分画像を示している。図13(b)に示すように、欠陥F2の周辺に相当するD2の方が、欠陥F1の周辺に相当するD1よりもノイズ成分が大きい結果となっている。
【0143】
一方、拡大画像(シェーディング画像)の輝度分布に従ってノイズ低減度、ゲインを補正しながら処理した場合には、欠陥部分F1の周辺ではノイズ低減度はより小さく、ゲインはより大きく補正され、欠陥部分F2の周辺ではノイズ低減度はより大きく、ゲインはより小さく補正されて処理が行われるため、最終的に欠陥部分F1の周辺と欠陥部分F2の周辺とで、信号(欠陥の輝度値)とノイズの出方を同程度にすることができる。図13(c)は、動的に補正したノイズ低減度とゲインを用いて処理した場合の、差分画像を示している。図13(c)に示すように、欠陥F2の周辺に相当するD'2と、欠陥F1に相当するD'1とは、信号(欠陥の輝度値)とノイズ成分が同程度となっている。
【0144】
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3に係る欠陥検出装置の一構成例を示すブロック図、図15は、本実施の形態3に係る欠陥検出装置で用いる本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程を示すフローチャートである。本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程は、画像処理部3Cの内部に格納された本発明に係るコンピュータプログラムに従って実行される。図14において、本実施の形態3に係る欠陥検出装置1Cは、撮像手段2と、画像処理部3Cと、記憶手段4と、入力受付/画像表示部5Bとから構成される。
【0145】
なお、本実施の形態3が実施の形態1と異なるのは、画像処理部3Cのサイズ設定手段31Bの機能と、入力受付/画像表示部5Bに、サイズ設定受付手段51に代えて欠陥画像選択受付手段59を設けた点にある。また、図15において、本実施の形態3に係る欠陥検出方法は、実施の形態1で参照した図2の処理工程において、多値画像の表示処理工程(ステップS1501)を追加し、欠陥のサイズの設定入力の有り無しの判断処理工程(ステップS202)及び欠陥のサイズ設定処理工程(ステップS203)に代えて、それぞれ、欠陥画像の選択入力の有り無しの判断処理工程(ステップS1502)及び欠陥画像のサイズ設定処理工程(ステップS1503)を設けた点で、実施の形態1と相違する。以下、主に相違点について説明する。
【0146】
図14において、欠陥画像選択受付手段59は、元画像表示手段55に表示されている多値画像から、検出対象の欠陥又は検出対象外の欠陥に相当する画像の選択を受け付ける。サイズ設定手段31Bは、欠陥画像選択受付手段59にて受け付けた画像に相当する欠陥のサイズを設定する。
【0147】
図15において、まず、画像処理部3Cが、撮像により物体表面の多値画像を取得する(ステップS201)。次に、画像処理部3Cが、取得した多値画像を表示し(ステップS1501)、ユーザによる欠陥画像の選択入力が有るか否かを判断し(ステップS1502)、欠陥画像の選択入力が有る場合(ステップ1502:YES)、ユーザにより選択された欠陥画像のサイズを設定する(ステップS1503)。
【0148】
具体的には、検出したい欠陥が存在する位置を画像上でユーザがポイントし、ポイントされた位置を中心とした規定の範囲内の画像を、2値化によりラベリング処理する。得られたラベリング結果から、欠陥のサイズを特定する。この2値化に用いる閾値は、ユーザが設定してもよいし、自動的に決定しても良い。自動的に閾値を決定する方法としては、下記の文献に記載されているような判別分析法を用いた「大津の方法」などが上げられる(高木幹雄、下田陽久、「画像解析ハンドブック」、東京大学出版会、1991年、p.503参照)。あるいは、ユーザにマウス入力等で欠陥部分を囲んでもらい、囲んだ図形情報から欠陥サイズを特定しても良い。
【0149】
以上説明したように、本実施の形態3によれば、ユーザは表示されている多値画像から検出対象又は検出対象外の欠陥画像を選択するだけで欠陥画像のサイズが設定され、また撮像手段2で撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小手段33及び画像拡大手段35により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、拡大画像に含まれるシェーディング画像を略一致させ、フィルタ処理手段34により、ユーザが設定したサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。
【0150】
(実施の形態4)
図16は、本発明の実施の形態4に係る欠陥検出装置の一構成例を示すブロック図、図17は、本実施の形態4に係る欠陥検出装置で用いる本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程を示すフローチャートである。本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程は、画像処理部3Dの内部に格納された本発明に係るコンピュータプログラムに従って実行される。図16において、本実施の形態4に係る欠陥検出装置1Dは、撮像手段2と、画像処理部3Dと、記憶手段4と、入力受付/画像表示部5Bとから構成される。
【0151】
なお、本実施の形態4は、実施の形態3の画像処理部3Cに、実施の形態2の補正手段40を追加して画像処理部3Dとした点で、実施の形態3と相違する。また、図17において、本実施の形態4に係る欠陥検出方法は、実施の形態3で参照した図15の処理工程に、実施の形態2のノイズの低減度及びゲインの補正処理工程(ステップS1201)を追加した点で、実施の形態3と相違する。これらの相違点は実施の形態2ですでに説明しており、詳細な説明は省略する。
【0152】
以上説明したように、本実施の形態4によれば、ユーザは表示されている多値画像から検出対象又は検出対象外の欠陥画像を選択するだけで欠陥画像のサイズが設定され、また撮像手段2で撮像により取得した多値画像に含まれるシェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、画像縮小手段33及び画像拡大手段35により、元の多値画像に含まれるシェーディング画像に、拡大画像に含まれるシェーディング画像を略一致させ、フィルタ処理手段34により、ユーザが設定したサイズ以下の欠陥画像を縮小画像から除去することで、元の多値画像と拡大画像との差分画像から、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができる。
【0153】
また、拡大画像の輝度値に基づいて、ノイズの低減度及びゲインを動的に補正することで、撮像時の照明が変動している場合であっても、差分画像の欠陥画像について信号の輝度値及びノイズの輝度値を一定に保つことができ、欠陥検出の精度をさらに向上させることができる。
【0154】
なお、本発明の各実施の形態において、フィルタ処理手段34としてメディアンフィルタを用いる構成について説明したが、本発明は斯かる構成に限定されず、縮小画像から欠陥画像を除去することができる構成であれば、例えば膨張フィルタ及び収縮フィルタを用いてもよい。
【0155】
なお、本発明の各実施の形態において、欠陥のサイズ(又は画像縮小率)に応じてフィルタ処理手段34のフィルタサイズを可変設定する構成について説明したが、本発明は斯かる構成に限定されず、フィルタサイズを固定し、フィルタ通過回数を可変設定することもできる。これにより、フィルタ通過回数を大きく設定すれば、比較的小さなフィルタサイズで、大きいフィルタサイズのフィルタと同じ欠陥画像の除去効果が得られ、処理コストを抑えることができる。例えば、膨張フィルタ及び収縮フィルタでは、フィルタサイズ3(3画素×3画素)のフィルタの通過回数を5に設定した場合、フィルタサイズ11(11画素×11画素)のフィルタと同じ効果が得られる。
【0156】
また、差分演算手段により演算された結果は、必ずしも正の差分画像、負の差分画像という形で別々に保持する必要はなく、1つの差分画像として保持して良い(例えば、正負の境目である±0の値を、データの中間値として表現して保持するなど)。さらに、画像拡大手段、差分演算手段、ノイズ低減処理手段、強調処理手段、差分画像選択手段の一連の処理は、必ずしも各手段の中で画像全体への処理を終えてから次の手段へ移る必要はなく、画素単位に全手段を行っていっても良い。即ち、画像の左上の画素から順に、画像拡大手段(拡大後の注目画素における輝度値を計算する)、差分演算手段、ノイズ低減処理手段、強調処理手段、差分画像選択手段の一連の処理を順次行っていき、最終的な結果画像を算出しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明にかかる欠陥検出装置は、シェーディングの発生状態の変化及び変動に依存せず、ユーザが所望するサイズ以下の欠陥を高精度で検出することができるという利点を有し、欠陥の検査装置の前段に配設される欠陥検出装置として様々な用途に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の実施の形態1に係る欠陥検出装置の一構成例を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る欠陥検出方法の各処理工程を示すフローチャート
【図3】元の多値画像の表示画面の一例を示す図(a)、及び図3(a)のA−A'線に沿った明欠陥画像Fw、暗欠陥画像Fb、及びシェーディング画像Shadの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図(b)
【図4】元の多値画像を画像縮小率1/4で縮小し、メディアンフィルタ処理を施し、画像拡大率4で拡大して生成された拡大画像の表示画面の一例を示す図(a)、及び図4(a)のB−B'線に沿った拡大画像の主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図(b)
【図5】元の多値画像と拡大画像との差分演算を行って生成された正の差分画像(明欠陥画像)Dw及び負の差分画像(暗欠陥画像)Dbの表示画面の一例を示す図(a)、及び図5(a)のC−C'線に沿った正の差分画像(明欠陥画像)Dw及び負の差分画像(暗欠陥画像)Dbの1ライン分の輝度分布を示す図(b)
【図6】ノイズの低減度NをゼロにゲインGを5に設定した場合の、強調処理後の正の差分画像D'w及び負の差分画像D'bの表示画面の一例を示す図(a)、及び図6(a)のD−D'線に沿った強調処理後の正の差分画像D'w及び負の差分画像D'bの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図(b)
【図7】ノイズの低減度Nを10にゲインGを5に設定した場合の、ノイズ低減処理及び強調処理後の正の差分画像D'w及び負の差分画像D'bの表示画面の一例を示す図(a)、及び図7(a)のE−E'線に沿ったノイズ低減処理及び強調処理後の正の差分画像D'w及び負の差分画像D'bの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図(b)
【図8】正の差分画像D'wと負の差分画像D'bを選択した場合の表示画面の一例を示す図(a)、及び図8(a)のF−F'線に沿った正の差分画像D'wと負の差分画像D'bの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図(b)
【図9】正の差分画像D'wを選択した場合の表示画面の一例を示す図(a)、及び図9(a)のG−G'線に沿った正の差分画像D'wの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図(b)
【図10】負の差分画像D'bを選択した場合の表示画面の一例を示す図(a)、及び図10(a)のH−H'線に沿った負の差分画像D'bの主走査方向1ライン分の輝度分布を示す図(b)
【図11】本発明の実施の形態2に係る欠陥検出装置の一構成例を示すブロック図
【図12】本実施の形態2に係る欠陥検出装置で用いる本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程を示すフローチャート
【図13】照明による拡大画像(シェーディング画像)の輝度分布を示す曲線Lと、補正低減度及び補正ゲインを用いてノイズ低減処理及び強調処理を行った差分画像の輝度分布との関係を示す図
【図14】本発明の実施の形態3に係る欠陥検出装置の一構成例を示すブロック図
【図15】本実施の形態3に係る欠陥検出装置で用いる本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程を示すフローチャート
【図16】本発明の実施の形態4に係る欠陥検出装置の一構成例を示すブロック図
【図17】本実施の形態4に係る欠陥検出装置で用いる本発明に係る欠陥検出方法の各処理工程を示すフローチャート
【符号の説明】
【0159】
1A、1B、1C、1D 欠陥検出装置
2 撮像手段
3A、3B、3C、3D 画像処理部
4 記憶手段
5A、5B 入力受付/画像表示部
31A、31B サイズ設定手段
32 縮小率設定手段
33 画像縮小手段
34 フィルタ処理手段
35 画像拡大手段
36 差分演算手段
37 ノイズ低減処理手段
38 強調処理手段
39 差分画像選択手段
40 補正手段
51 サイズ設定受付手段
52 ノイズ低減度設定受付手段
53 ゲイン設定受付手段
54 差分画像選択受付手段
55 元画像表示手段
56 拡大画像表示手段
57 差分画像表示手段
58 表示画像選択受付手段
59 欠陥画像選択受付手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段で撮像された多値画像から、撮像されている物体表面の欠陥を検出する欠陥検出装置において、
検出対象の欠陥のサイズの設定を受け付けるサイズ設定受付手段と、
該サイズ設定受付手段にて受け付けた欠陥のサイズを設定するサイズ設定手段と、
該サイズ設定手段により設定された欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する縮小率設定手段と、
前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成する画像縮小手段と、
前記縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、
該フィルタ処理手段によりフィルタ処理が施された縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成する画像拡大手段と、
前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する差分演算手段と
を備えることを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項2】
撮像手段で撮像された多値画像から、撮像されている物体表面の欠陥を検出する欠陥検出装置において、
前記多値画像を表示する画像表示手段と、
該画像表示手段に表示されている多値画像から、検出対象の欠陥又は検出対象外の欠陥に相当する画像の選択を受け付ける欠陥画像選択受付手段と、
該欠陥画像選択受付手段にて受け付けた画像に相当する欠陥のサイズを設定するサイズ設定手段と、
該サイズ設定手段により設定された欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する縮小率設定手段と、
前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成する画像縮小手段と、
前記縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、
該フィルタ処理手段によりフィルタ処理が施された縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成する画像拡大手段と、
前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する差分演算手段と
を備えることを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項3】
前記差分演算手段により生成された差分画像に対してノイズの低減度の設定を受け付けるノイズ低減度設定受付手段と、
受け付けた前記ノイズの低減度を差分画像に対して減算又は加算して、ノイズ低減処理画像を生成するノイズ低減処理手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥検出装置。
【請求項4】
前記ノイズ低減度設定受付手段で設定を受け付けた前記ノイズの低減度に対して前記拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算する補正手段を備えることを特徴とする請求項3記載の欠陥検出装置。
【請求項5】
前記差分画像に対してゲインの設定を受け付けるゲイン設定受付手段と、
受け付けた前記ゲインを前記差分画像に乗算して、強調処理画像を生成する強調処理手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥検出装置。
【請求項6】
前記ゲイン設定受付手段で設定を受け付けた前記ゲインに対して前記拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算する補正手段を備えることを特徴とする請求項5記載の欠陥検出装置。
【請求項7】
前記ノイズ低減処理画像に対してゲインの設定を受け付けるゲイン設定受付手段と、
受け付けた前記ゲインを前記ノイズ低減処理画像に乗算して、強調処理画像を生成する強調処理手段と
を備えることを特徴とする請求項3記載の欠陥検出装置。
【請求項8】
前記ノイズ低減度設定受付手段で設定を受け付けた前記ノイズの低減度に対して前記拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算し、前記ゲイン設定受付手段で設定を受け付けた前記ゲインに対して前記拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算する補正手段を備えることを特徴とする請求項7記載の欠陥検出装置。
【請求項9】
前記差分演算手段は、正の差分画像及び負の差分画像を生成するようにしてあり、
前記正の差分画像及び前記負の差分画像のうち少なくとも一方の差分画像の選択を受け付ける差分画像選択受付手段と、
受け付けた差分画像を選択する差分画像選択手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥検出装置。
【請求項10】
前記差分画像選択手段により選択された差分画像を表示する差分画像表示手段を備えることを特徴とする請求項9記載の欠陥検出装置。
【請求項11】
前記フィルタ処理手段は、前記縮小率設定手段で設定された画像縮小率が大きいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく設定するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥検出装置。
【請求項12】
前記フィルタ処理手段は、前記縮小率設定手段で設定された画像縮小率が小さいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を小さく設定するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥検出装置。
【請求項13】
前記フィルタ処理手段は、前記サイズ設定手段により設定された欠陥のサイズが大きいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく設定するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥検出装置。
【請求項14】
前記フィルタ処理手段は、前記サイズ設定手段により設定された欠陥のサイズが小さいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を小さく設定するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥検出装置。
【請求項15】
前記フィルタ処理手段での前記フィルタサイズは、前記サイズ設定手段で設定された前記欠陥のサイズに応じて決定するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の欠陥検出装置。
【請求項16】
撮像手段で撮像された多値画像から、撮像されている物体表面の欠陥を検出する欠陥検出装置で用いる欠陥検出方法において、
前記欠陥検出装置は、
検出対象の欠陥のサイズの設定を受け付け、
受け付けた欠陥のサイズを設定し、
設定した欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定し、
前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成し、
該縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施し、
該フィルタ処理を施した縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成し、
前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成することを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項17】
撮像手段で撮像された多値画像から、撮像されている物体表面の欠陥を検出する欠陥検出装置で用いる欠陥検出方法において、
前記欠陥検出装置は、
前記多値画像を表示し、
表示されている多値画像から、検出対象の欠陥又は検出対象外の欠陥に相当する画像の選択を受け付け、
受け付けた画像に相当する欠陥のサイズを設定し、
設定した欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定し、
前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成し、
該縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施し、
該フィルタ処理を施した縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成し、
前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成することを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項18】
生成された差分画像に対してノイズの低減度の設定を受け付け、
受け付けた前記ノイズの低減度を差分画像に対して減算又は加算して、ノイズ低減処理画像を生成することを特徴とする請求項16又は17記載の欠陥検出方法。
【請求項19】
設定を受け付けた前記ノイズの低減度に対して前記拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算することを特徴とする請求項18記載の欠陥検出方法。
【請求項20】
前記差分画像に対してゲインの設定を受け付け、
受け付けた前記ゲインを前記差分画像に乗算して、強調処理画像を生成することを特徴とする請求項16又は17記載の欠陥検出方法。
【請求項21】
設定を受け付けた前記ゲインに対して前記拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算することを特徴とする請求項20記載の欠陥検出方法。
【請求項22】
前記ノイズ低減処理画像に対してゲインの設定を受け付け、
受け付けた前記ゲインを前記ノイズ低減処理画像に乗算して、強調処理画像を生成することを特徴とする請求項18記載の欠陥検出方法。
【請求項23】
設定を受け付けた前記ノイズの低減度に対して前記拡大画像の輝度値に比例する低減度補正値を画素単位で乗算し、
設定を受け付けた前記ゲインに対して前記拡大画像の輝度値に反比例するゲイン補正値を画素単位で乗算することを特徴とする請求項22記載の欠陥検出方法。
【請求項24】
前記差分演算により生成された差分画像は正の差分画像及び負の差分画像からなり、
前記正の差分画像及び前記負の差分画像のうち少なくとも一方の差分画像の選択を受け付け、
受け付けた差分画像を選択することを特徴とする請求項16又は17記載の欠陥検出方法。
【請求項25】
選択された差分画像を表示することを特徴とする請求項24記載の欠陥検出方法。
【請求項26】
設定された画像縮小率が大きいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく設定することを特徴とする請求項16又は17記載の欠陥検出方法。
【請求項27】
設定された画像縮小率が小さいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を小さく設定することを特徴とする請求項16又は17記載の欠陥検出方法。
【請求項28】
設定された欠陥のサイズが大きいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を大きく設定することを特徴とする請求項16又は17記載の欠陥検出方法。
【請求項29】
設定された欠陥のサイズが小さいほど、フィルタサイズ又はフィルタ通過回数を小さく設定することを特徴とする請求項16又は17記載の欠陥検出方法。
【請求項30】
前記フィルタサイズは、設定された前記欠陥のサイズに応じて決定するようにしてあることを特徴とする請求項16又は17記載の欠陥検出方法。
【請求項31】
物体表面を撮像して多値画像を取得する処理と、
検出対象の欠陥のサイズの設定を受け付ける処理と、
受け付けた欠陥のサイズを設定する処理と、
設定した欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する処理と、
前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成する処理と、
該縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施す処理と、
該フィルタ処理を施した縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成する処理と、
前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項32】
物体表面を撮像して多値画像を取得する処理と、
前記多値画像を表示する処理と、
表示されている多値画像から、検出対象の欠陥又は検出対象外の欠陥に相当する画像の選択を受け付ける処理と、
受け付けた画像に相当する欠陥のサイズを設定する処理と、
設定した欠陥のサイズに応じて画像縮小率を設定する処理と、
前記多値画像を前記画像縮小率で縮小した縮小画像を生成する処理と、
該縮小画像に対して前記縮小画像における欠陥を除去するためのフィルタ処理を施す処理と、
該フィルタ処理を施した縮小画像を、前記画像縮小率の逆数に相当する画像拡大率で拡大した拡大画像を生成する処理と、
前記多値画像と前記拡大画像との差分演算を行った差分画像を生成する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−199126(P2009−199126A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37098(P2008−37098)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】