説明

欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための装置及び方法

本発明は、支持体ウェブ(3)上に解離可能に少なくとも1列で連続して配置された所定量の構成部材(2)から、欠点を有する構成部材(2)を連続的に選出するための装置、並びに、構成部材(2)が少なくとも1列で連続的に配置された支持体ウェブ(3)から、欠点無しの支持体ウェブ(3)を連続的に生産するための装置(80)及び方法であって、前記支持体ウェブ(3)が、欠点を有する構成部材(2)及び欠点無しの構成部材(2)を有している形式のものに関する。欠点を有する構成部材(2)を連続的に選出するための装置(1)は、欠点を有する構成部材を検出するためのコントロール装置(10)、選出されるべき、欠点を有する構成部材(2)を引き取るための引取り装置(20)、全ての構成部材(2)を少なくとも部分的に支持体ウェブ(3)から解離し且つ支持体ウェブ(3)上の前の位置に関してずらして再付与する、少なくとも1つの解離装置(30,31,32)及びコントロール装置(10)により欠陥有りと検出された、少なくとも部分的に支持体ウェブ(3)から解離された構成部材(2)を、該構成部材が引取り装置(20)によって引き取られるように選出する、少なくとも1つの選出装置(40)を有している。例えばラベル製作(スマートラベル)に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの支持体ウェブに解離可能に少なくとも1列で連続して配置された所定量の構成部材から、欠陥を有する構成部材を連続的に選出するための装置、並びに少なくとも1列で連続して配置された構成部材を備えた支持体ウェブから、欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための装置及び方法であって、前記支持体ウェブが、欠陥を有する構成部材と欠陥無しの構成部材とを有している形式のものに関する。
【0002】
構成部材が連続的に複数列で配置された、エンドレスの支持体ウェブの製作に際しては、専ら正常に機能する若しくは欠陥無しの構成部材が支持体ウェブ上に位置しているという要求の生じる可能性がある。このことは例えば、支持体ウェブがエンドレスローラとして自動供給機に内蔵されており且つ構成部材が例えばパレット又はパッケージを特徴付ける電子情報担体である場合に当てはまる。
【0003】
一般に、前記のような欠陥無しの支持体ウェブの製作に際しては、前段階として欠陥無しの構成部材と欠陥を有する構成部材の両方が配置された支持体ウェブが存在している。欠陥率は、一般に構成部材の製作時の生産不良に基づき規定される。
【0004】
ヨーロッパ特許第1096423号明細書には、前記のような欠陥無しの支持体ウェブを生産するための方法及び装置が記載されている。
【0005】
そこに記載された第1バリエーションでは、欠陥無しの支持体ウェブが2つの支持体ウェブから生産され、これらの支持体ウェブに、それぞれ欠陥無しの構成部材と欠陥を有する構成部材とが配置されている。この場合、第1の支持体ウェブでは専ら欠陥を有する構成部材が、解離装置によって解離されてから除去される。第2の支持体ウェブからは専ら欠陥無しの構成部材が解離され、次いで、欠陥を有する構成部材の除去により生じる第1の支持体ウェブの空白に挿入される。この代替過程の後に、第1の支持体ウェブは欠陥無しの支持体ウェブを形成する。
【0006】
第2バリエーションでは、やはり欠陥無しの構成部材と欠陥を有する構成部材とが配置された第1の支持体ウェブが設けられている。更に、第2の空の支持体ウェブが設けられている。欠陥無しの支持体ウェブの生産のためには、第1の支持体ウェブからまず最初に全ての構成部材が解離される。解離されたこれらの構成部材に基づき、今や選出過程において専ら正常に機能する構成部材が第2の空の支持体ウェブに移され、これにより、この第2の支持体ウェブは欠陥無しの支持体ウェブとなる。
【0007】
但し、前記の両バリエーションでは選択的な解離過程若しくは移送過程に基づいて、確実な作動を保証するためには支持体ウェブ速度が低下されねばならない運転状態が生じる恐れがある。
【0008】
従って本発明の課題は、欠陥を有する構成部材を連続的に選出するための装置、並びに高い速度と同時に確実な運転を可能にする、欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための装置及び方法を提供することである。
【0009】
本発明はこの課題を、請求項1記載の、全ての構成部材を少なくとも部分的に支持体ウェブから解離させ且つ支持体ウェブ上の前の位置に関連してずらして再付与する、少なくとも1つの解離装置が設けられており、コントロール装置により欠陥有りと検出された、少なくとも部分的に支持体ウェブから解離された構成部材を、該構成部材が引取り装置により引き取られるように選出する、少なくとも1つの選出装置が設けられていることを特徴とする、欠点を有する構成部材を連続的に選出するための装置、請求項13記載の、欠陥を有する構成部材を連続的に選出するための装置が設けられており、欠陥を有する構成部材が選出された支持体ウェブの領域に、欠陥無しの構成部材を挿入する、少なくとも1つの供給装置が設けられていることを特徴とする、欠点無しの支持体ウェブを連続的に生産するための装置及び請求項17記載の、全ての構成部材を支持体ウェブから少なくとも部分的に解離させ、少なくとも部分的に解離された、欠陥を有する構成部材を取り除き、欠陥無しの構成部材を支持体ウェブにずらして再付与し、欠陥無しの構成部材に、除去された構成部材を代替させることを特徴とする、欠点無しの支持体ウェブを連続的に生産するための方法により解決する。
【0010】
構成部材が解離可能に支持体ウェブ上に配置されているということは、前記装置及び方法に共通している。つまり、構成部材は支持体ウェブから支障無く解離され、次いで再び付与され得る。支持体ウェブ材料としては、例えばシリコーンコーティングされた紙材料等が使用可能である。構成部材及び/又は支持体ウェブには接着剤層が被着されていてよく、この接着剤層は、支持体ウェブと構成部材との解離可能な結合を可能にする。
【0011】
欠陥を有する構成部材を連続的に選出するための装置は、欠陥を有する構成部材を検出するためのコントロール装置と、欠陥を有する、選出使用とする構成部材を引き取るための引取り装置とを有している。コントロール装置は構成部材状態を検出するために、種々様々な判断基準を利用することができる。構成部材が無接触式で読み取ることのできるメモリを備えた電子構成素子である場合は、例えばこの電子構成素子のシリアル番号の検査又は特別なメモリ内容の検査を、無線インタフェースを介して行うことができる。択一的又は付加的に、構成部材を電磁界等にもたらした場合の応答速度を利用することが可能である。カメラによる視覚的コントロールも、画像処理アルゴリズムに関連して、欠陥を有する構成部材を検出するために使用可能である。引取り装置は、欠陥を有する構成部材を引き取って、例えばリサイクル又は廃棄処理等で引き続き処理するために、当該構成部材を支持体ウェブから搬出する。本発明では、各構成部材を少なくとも部分的に支持体ウェブから解離し且つ前の位置に関してずらして支持体ウェブ上に再び付与する少なくとも1つの解離装置と、コントロール装置によって欠陥有りと検出された、少なくとも部分的に支持体ウェブから解離された構成部材を選出して、この構成部材を引取り装置に引き取らせる、少なくとも1つの選出装置とが設けられている。このようにして、全ての構成部材が支持体ウェブから慎重に解離されており、当該構成部材に欠陥が無い場合は位置をずらされて再び支持体ウェブに付与されるので、ウェブ速度の低下が必要になる恐れのある、構成部材の状態に関連した選択的な解離過程は不要である。つまり、解離過程はウェブのフルスピードで行うことができる。このことは、このような装置の処理量を高める。この場合、解離装置と選出装置とは互いに関連して、欠陥を有する、部分的に解離された構成部材が、選出のために引取り装置に向かって変向されるように所定の力で負荷され、これにより引取りが生ぜしめられるように働く。この場合、欠陥無しの構成部材は所定の力によっては負荷されず、これにより、当該構成部材の解離された領域は、ずらされた支持体ウェブ区分に再び付与される。
【0012】
有利な構成では、解離装置は第1の支持体ウェブ変向装置を有しており、この場合、支持体ウェブは第1の支持体ウェブ変向装置を介して案内され、この第1の支持体ウェブ変向装置は、支持体ウェブを搬送方向から解離方向に変向させることにより、搬送方向での構成部材の部分的な解離を生ぜしめる。有利には、解離装置は更に第2の支持体ウェブ変向装置を有しており、この場合、支持体ウェブは第1の支持体ウェブ変向装置と第2の支持体ウェブ変向装置とを介して案内されており、この第2の支持体ウェブ変向装置は、所属の変向区分において支持体ウェブを搬送方向に変向し、前記変向区分において、支持体ウェブから少なくとも部分的に解離された構成部材の、支持体ウェブへの再付与が行われる。第1及び第2の支持体ウェブ変向装置は、欠陥無しの構成部材の簡単な解離若しくは剥離及びこれに続く、支持体ウェブへのずらされた引取りを可能にする。有利には、解離装置は付加的に変向ローラを有しており、この場合、支持体ウェブは第1の支持体ウェブ変向装置、変向ローラ及び第2の支持体ウェブ変向装置を介して案内されている。このことは、簡単且つフレキシブルな搬送ウェブ制御を可能にし、しかも、支持体ウェブ変向装置に対して相対的な変向ローラの位置を介して、例えばずらし量等の種々様々なパラメータが調整可能である。有利には、第1の支持体ウェブ変向装置は、支持体ウェブの搬送平面内に第1の面を有しており、第2の支持体ウェブ変向装置は、支持体ウェブの搬送平面内に第2の面を有している。この場合、第1の面と第2の面との間にはギャップが形成されており、変向ローラの回転軸線は、搬送平面外に位置している。前記ギャップを制限する第1及び第2の面の縁部は、有利にはそれぞれ平行に延びている。この場合、変向ローラの回転軸線は、前記縁部に対して平行に、水平方向でギャップ中心部へ延びており且つ搬送平面に対して垂直方向で、当該変向ローラ直径よりも大きな値だけずらされて延びていてよい。
【0013】
別の有利な構成では、選出装置が払拭ローラを有しており、この払拭ローラによって、支持体ウェブから少なくとも部分的に解離された、欠陥を有する構成部材が、選出のために引取り装置の方向に変向される。払拭ローラは、例えば構成部材の支持体ウェブから解離された領域を押圧することができ、この場合、当該構成部材は前記力作用に基づき、引取り装置に向かって運動されるか、若しくは曲げられる。択一的又は付加的に、選出装置は圧縮空気装置を有しており、この圧縮空気装置によって、支持体ウェブから少なくとも部分的に解離された、欠陥を有する構成部材が、選出のために引取り装置の方向に吹きつけられる。
【0014】
更に別の有利な構成では、引取り装置が、欠陥を有する構成部材を引き取るための引取りローラを有している。有利には、この引取りローラは、その全周にわたって配分された複数の空気循環開口を有しており、これらの空気循環開口は、欠陥を有する引き取られた構成部材の付着又は解離を生ぜしめる、制御可能な負圧又は過圧の形成に役立つ。このような構成は、欠陥を有する構成部材の引取り及び搬出を支援する。それというのも、この構成部材は負圧によって引取りローラに引きつけられるからである。制御可能な負圧はローラの適当な位置において、例えば欠陥を有する構成部材の払拭時に遮断されるか、又は過圧に変換可能なので、構成部材の解離が簡単になる。有利には、引取りローラと作用結合している収集ローラが、欠陥を有する構成部材を収集するために設けられており、この場合、欠陥を有する構成部材は、引取りローラから収集ローラに移される。収集ローラは、欠陥を有する構成部材を複数の層で収集することができ、この場合、引取りローラは欠陥を有する構成部材が払拭されることにより、再び機能状態となる。
【0015】
更に別の有利な構成では、再付与された構成部材を支持体ウェブに圧着させる、圧着ローラが設けられている。欠陥無しの構成部材が、解離装置によってまず最初に支持体ウェブから解離され、次いでこの支持体ウェブにずらされて再付与される場合は、第1に構成部材の支持体ウェブとの付着が減少されている。但し、付着が減少された場合は、構成部材が後続の支持体ウェブ区分において、例えば支持体ウェブ変向領域において、不都合に解離するという危険が生じる。この作用を補償するためには、構成部材が圧着され、これにより、ほぼ本来の付着が再び生ぜしめられる。
【0016】
更に別の有利な構成では、構成部材が複数列で支持体ウェブ上に配置されており、各列にはそれぞれ1つの選出装置が対応配置されている。従って、当該の列は、コントロール装置、引取り装置及び解離装置を分け合っていてよい。但し、欠陥を有する若しくは欠陥無しの構成部材の順序は、各列間で異なっていてよいので、各列毎に専用の選出装置が設けられている。支持体ウェブ上の構成部材の複数列の配置形式は、並行処理を可能にする、即ち、可能な処理量が列数にほぼ比例して増大する。
【0017】
欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための本発明による装置は、上で説明した、欠陥を有する構成部材を連続的に選出するための本発明による装置と、欠陥を有する構成部材が選出された支持体ウェブの領域に、欠陥無しの構成部材を挿入する、少なくとも1つの供給装置とを有している。有利には、高い搬送速度を得るために、殊に搬送方向で相前後して間隔をあけて配置された複数の供給装置が使用される。選出装置と供給装置の組合わせは、高速での欠陥無しの支持体ウェブの生産を可能にする。それというのも、支持体ウェブ速度を低下させることなく、選出を行うことができるからである。
【0018】
更に別の有利な構成では、供給装置に、専ら欠陥無しの構成部材を有する別の支持体ウェブが対応配置されている。
【0019】
更に別の有利な構成では、構成部材はトランスポンダである。有利には、欠陥無しの支持体ウェブ上のトランスポンダをプログラミングするプログラミングユニットが設けられている。当該のトランスポンダは、有利にはトランスポンダラベルに使用される。
【0020】
欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための本発明による方法では、全ての構成部材を少なくとも部分的に支持体ウェブから解離し、欠陥を有する、少なくとも部分的に解離された構成部材は除去し、欠陥無しの構成部材は支持体ウェブ上にずらして再度付与し、これにより、欠陥無しの構成部材が、除去された構成部材を代替するようにしている。
【0021】
更に別の有利な構成では、支持体ウェブ速度は一定である。
【0022】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0023】
図1には、トランスポンダの形の欠陥を有する構成部材を、支持体ウェブ3上に解離可能に1列で連続して等間隔で配置された所定量の複数のトランスポンダ2から連続的に選出するための装置1が示されている。前記トランスポンダ2は、搬送方向xに関してセンタリングされて支持体ウェブ3上に配置されている。この支持体ウェブ3には、欠陥無しのトランスポンダ2及び欠陥を有するトランスポンダ2が配置されていてよい。
【0024】
これらのトランスポンダ2は、フラットで可撓性のシート構成部材として構成されており且つトランスポンダ機能を備えた各1つの集積回路(図示せず)を有しており、この集積回路はシート状のアンテナと結合されている。トランスポンダ2の支持体ウェブ3に面した側には接着剤層(図示せず)が設けられており、この接着剤層は、支持体ウェブ3におけるトランスポンダ2の複数回の着脱を可能にする。
【0025】
装置1は、欠陥を有するトランスポンダ2を検出するためのコントロール装置若しくは読取り装置10、選出しようとする欠陥を有するトランスポンダ2を引き取るための、引取りローラ20の形の引取り装置、第1の支持体ウェブ変向装置30と第2の支持体ウェブ変向装置31と、各トランスポンダ2を少なくとも部分的に支持体ウェブ3から解離させ且つ欠陥が無い場合は、前の位置に関してずらして支持体ウェブ3に再度付与する変向ローラ32とを備えた解離装置、コントロール装置10により欠陥有りとして検出された、少なくとも部分的に支持体ウェブ3から解離されたトランスポンダ2を、このトランスポンダ2が引取りローラ20により引き取られて搬出されるように、引取りローラ20の方向に変向させる払拭ローラ40の形の選出装置、コントロール装置10と引取りローラ20と払拭ローラ40に結合された制御ユニット50及び引取りローラ20と作用結合している、欠陥を有するトランスポンダを収容するための収集ローラ60を有している。
【0026】
次に、装置1の運転を説明する。図1に示した装置1の運転状態では、図示の全てのトランスポンダ2が欠陥無しである、つまり、トランスポンダ2の選出は行われていない。
【0027】
トランスポンダ2は、支持体ウェブ3上で連続的に一定の高速で、例えば1.5m/sで、搬送方向xで装置1に供給される。読取りユニット10がトランスポンダ2の状態をワイヤレスで読み取って、制御ユニット50に伝達する。図示の実施例では全てのトランスポンダが欠陥無しなので、選出は行われない、つまり、払拭ローラ40は制御されない。
【0028】
支持体ウェブ3は、第1の支持体ウェブ変向装置30、変向ローラ32及び第2の支持体ウェブ変向装置31の形の解離装置を介して案内されている。第1の支持体ウェブ変向装置30は、第1の扁平な面34を支持体ウェブ3の搬送方向xに有しており、第2の第2の支持体ウェブ変向装置31は、第2の扁平な面35を支持体ウェブ3の搬送方向xに有している。この場合、第1の面34と第2の面35との間にはギャップ33が形成されている。このギャップ33を制限する第1の面と第2の面とは、それぞれ平行に延びている。変向ローラ32の回転軸線は、前記縁部に対して平行に、ギャップ中心部に向かって水平方向で、且つ前記面34,35に対して当該変向ローラ32の直径のおよそ2倍の値だけ垂直方向で下方にずらされて延びている。
【0029】
図1に示したように、解離装置はその第1の支持体ウェブ変向装置30で以て、支持体ウェブ3を搬送方向xから解離方向aに変向させることにより、搬送方向xで見てギャップ33の開始部においてトランスポンダ2を部分的に解離させる。支持体ウェブ変向装置30の下方に傾斜した側面若しくは面36は、面34と相俟って鋭角を形成しており、この場合、支持体ウェブ延在部は、この領域でトランスポンダ2が支持体ウェブ3からひとりでに剥離し且つその曲げ剛性に基づき、搬送方向xでギャップ33を越えて第2の支持体ウェブ変向装置31に向かって運動するということを生ぜしめる。トランスポンダ2はギャップ33よりも長いので、このギャップ33により規定される部分に基づき、支持体ウェブ3から最大限に解離する。
【0030】
トランスポンダ2がギャップ33を越えて運動すると、このトランスポンダ2の前方領域は、支持体ウェブ3が搬送方向xに再変向される変向区分に設けられた第2の支持体ウェブ変向装置31に到達する。前記変向区分でトランスポンダ2が支持体ウェブ3に到達すると直ちに、ギャップ33の領域で支持体ウェブ3から解離されたトランスポンダの再付与が、該トランスポンダの支持体ウェブ3上の元の位置とはずらされて行われる。この再付与は、再付与されるトランスポンダを支持体ウェブ3に圧着し延いては付着性を解離前とほぼ同じ値に高める圧着ローラ(図示せず)により支援することができる。
【0031】
トランスポンダ2が欠陥無しの場合、このトランスポンダは支持体ウェブ3から部分的に解離しつつギャップ33を越えて運動し、再度支持体ウェブ3にずらされて付与される。この過程は、一定の高い支持体ウェブ速度で実施され得る。
【0032】
図2には、ギャップ33を越えて運動されるトランスポンダ2が選出される、つまり、支持体ウェブ3に再び付与はされない場合の2つの異なる時点が示されている。
【0033】
読取りユニット10は、トランスポンダ2の状態をワイヤレスで読み取り且つこの状態を制御ユニット50に伝達する。図示の実施例では、ギャップ33を越えて運動したトランスポンダは欠陥を有しているので、このトランスポンダは選出されねばならない、つまり、このトランスポンダは部分的な解離後に再び支持体ウェブ3に付与されてはならない。
【0034】
このためには、制御ユニット50が払拭ローラ40を制御し、これにより、この払拭ローラ40は、欠陥を有するトランスポンダ2がギャップ33を越えて運動する際に、トランスポンダ2の解離された領域を下方から押圧する。その結果、このトランスポンダ2は搬送方向xから変向され若しくは曲げられて、引取りローラ20に対して押圧される。
【0035】
この引取りローラ20は、その全周にわたって配分された複数の空気循環開口21を有しており、これらの空気循環開口21は、制御可能な負圧又は過圧を発生させるために役立つ。この場合、圧縮空気制御は制御ユニット50により供与される。図示の場合では、欠陥を有するトランスポンダ2を引取りローラ20の周面に付着させる負圧が形成される。図示のように、トランスポンダ2は支持体ウェブ3から連続的に解離され且つ引取りローラ20によって引き取られる。最終的に、トランスポンダ2は負圧に基づき引取りローラ20に完全に付着し、この引取りローラ20と作用結合している収集ローラ60に向かって搬出される。
【0036】
トランスポンダ2が、その下面に被着された接着剤層で以て収集ローラ60の周面領域に進入すると、接着力に基づいて、引取りローラ20からのトランスポンダ2の解離が収集ローラ60の方向で行われる。これを支援するように、前記開口21の領域に形成された負圧は非活性化されるか、又は過圧に変換され得る。
【0037】
収集ローラ60は、回転軸62に回転可能に支承された旋回アーム61に懸架されている。欠陥を有するトランスポンダは連続的に収集ローラ60に被着若しくは接着されるので、重なり合ったトランスポンダの複数の層が形成され得る。増大する層厚さは、旋回アーム61の回動に基づき自動的に補償される。層厚さが規定された寸法を超過した場合、収集ローラ60は新たな収集ローラ60に交換可能である。
【0038】
選出後の支持体ウェブ3には空白が生じ、この空白には次いで、欠陥無しのトランスポンダが挿入される。このことを図3に関して説明する。
【0039】
図3には、欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための装置80が、図1に示した連続的に選出するための装置1と一緒に示されている。装置80は、既に図1で示した装置1の他に供給装置70を有しており、この供給装置70は、欠陥を有するトランスポンダ2が選出された支持体ウェブ3の空白若しくは領域に、欠陥無しのトランスポンダ2を挿入する。
【0040】
供給装置70は蓄えローラ71を有しており、この蓄えローラ71には別の支持体ウェブ72が巻き付けられており、この別の支持体ウェブ72には専ら欠陥無しのトランスポンダ2が付与されている。前記支持体ウェブ72は、変向ローラ73及び変向装置74を介して案内されている。この変向装置74は、その形状に基づき所定の範囲75においてウェブ変向を生ぜしめ、これにより、そこに蓄えローラ71から供給されたトランスポンダ2が別の支持体ウェブ72から解離されて、支持体ウェブ3の、前に除去されたトランスポンダの空白へ正確に適合するように付与される。次いで、別の支持体ウェブ72は巻成装置76に巻き付けられる。供給装置70は連続的に作動するのではなく、正に、予め装置1により、1つのトランスポンダ2が支持体ウェブ3から取り除かれた場合に作動する。
【0041】
搬送方向xで見て供給装置70の後方には、欠陥無しのトランスポンダ2をプログラミングするためのプログラミング装置(図示せず)が設けられていてよい。この場合は例えば、生産者情報又は生産コードをトランスポンダメモリに書き込むことができる。
【0042】
図3に示した装置80の処理量を向上させるためには、トランスポンダ2は複数列で支持体ウェブ3に配置されていてよい。
【0043】
図4には、このために変更された装置80aを搬送方向xで見た図が示されている。この装置80aは、3列のトランスポンダ2を備えた支持体ウェブ3′を処理するために適している。基本的に、当該装置80aは装置80と同形式で構成されており且つ同様に働く。但し、装置80aは、それぞれ圧縮空気装置40a、40b、40cの形の3つの選出装置を有しており、これらの選出装置はそれぞれ、支持体ウェブ3′の各列に対応配置されている。更に、列毎に1つの収集ローラ60a、60b、60cが設けられている。
【0044】
前記圧縮空気装置40a、40b、40cは、それぞれ互いに独立して働く。それというのも、搬送方向xで見て同じ位置に関して、1つの列ではトランスポンダを取り除かねばならず、その他の列では取り除かなくてもよい場合が発生する可能性があるからである。1つのトランスポンダが選出若しくは除去されると、所属の圧縮空気装置40a、40b若しくは40cが圧縮空気流を生ぜしめ、この圧縮空気流が、除去しようとするトランスポンダを引取りローラ20の方向に変向させる。欠陥を有するトランスポンダ2の引取り及び搬出は、図3に示した装置80の場合と同様に行われる。
【0045】
次いで、欠陥を有するトランスポンダ2は、該トランスポンダの列に所属する収集ローラ60a、60b若しくは60cに被着される。
【0046】
図示の実施例は、高速であると同時に確実な、欠陥無しの支持体ウェブの生産を可能にし、これにより、可能な処理量が最適化される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】欠陥を有するトランスポンダを連続的に選出するための装置を、選出が不要な場合に関して示した図である。
【図2】図1に示した、欠陥を有するトランスポンダを連続的に選出するための装置を、欠陥を有するトランスポンダの選出が必要な場合に関して示した図である。
【図3】欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための装置を、図1に示した連続的に選出するための装置と一緒に示した図である。
【図4】トランスポンダが複数列で支持体ウェブ上に配置された、欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための装置を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの支持体ウェブ(3)上に解離可能に少なくとも1列で連続して配置された所定量の構成部材(2)から、欠陥を有する構成部材を連続的に選出するための装置(1)であって、欠陥を有する構成部材を検出するためのコントロール装置(10)及び選出しようとする、欠陥を有する構成部材(2)を引き取るための引取り装置(20)が設けられている形式のものにおいて、
‐全ての構成部材(2)を少なくとも部分的に支持体ウェブ(3)から解離させ且つ支持体ウェブ(3)上の前の位置に関連してずらして再付与する、少なくとも1つの解離装置(30,31,32)が設けられており、
‐コントロール装置(10)により欠陥有りと検出された、少なくとも部分的に支持体ウェブ(3)から解離された構成部材(2)を、該構成部材が引取り装置(20)により引き取られるように選出する、少なくとも1つの選出装置(40)が設けられていることを特徴とする、欠陥を有する構成部材を連続的に選出するための装置。
【請求項2】
解離装置が、第1の支持体ウェブ変向装置(30)を有しており、この第1の支持体ウェブ変向装置(30)を介して支持体ウェブ(3)が案内されており、第1の支持体ウェブ変向装置(30)が、支持体ウェブ(3)を搬送方向(x)から解離方向(a)に変向させることにより、搬送方向(x)での構成部材(2)の部分的な解離を生ぜしめる、請求項1記載の装置。
【請求項3】
解離装置が、第2の支持体ウェブ変向装置(31)を有しており、支持体ウェブ(3)が、第1の支持体ウェブ変向装置(30)と第2の支持体ウェブ変向装置(31)とを介して案内されており、第2の支持体ウェブ変向装置(31)が、所属の変向区分において支持体ウェブ(3)を搬送方向(x)に変向させ、前記変向区分において、支持体ウェブ(3)から少なくとも部分的に解離された構成部材(2)の、支持体ウェブ(3)への再付与が行われる、請求項2記載の装置。
【請求項4】
解離装置が変向ローラ(32)を有しており、支持体ウェブ(3)が、第1の支持体ウェブ変向装置(30)、変向ローラ(32)及び第2の支持体ウェブ変向装置(31)を介して案内されている、請求項3記載の装置。
【請求項5】
第1の支持体ウェブ変向装置(30)が、支持体ウェブ(3)の搬送平面内に第1の面(34)を有しており、第2の支持体ウェブ変向装置(31)が、支持体ウェブ(3)の搬送平面内に第2の面(35)を有しており、第1の面(34)と第2の面(35)との間にギャップ(33)が形成されており、変向ローラ(32)の回転軸線が、搬送平面外に位置している、請求項4記載の装置。
【請求項6】
選出装置が払拭ローラ(40)を有しており、この払拭ローラによって、少なくとも部分的に支持体ウェブ(3)から解離された、欠陥を有する構成部材(2)が、選出のために引取り装置(20)の方向に変向される、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
選出装置が圧縮空気装置(40a,40b,40c)を有しており、この圧縮空気装置によって、少なくとも部分的に支持体ウェブ(3)から解離された、欠陥を有する構成部材(2)が、選出のために引取り装置(20)に向かって吹き付けられる、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
引取り装置が、欠陥を有する構成部材(2)を引き取るための引取りローラ(20)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
引取りローラ(20)が、その全周にわたって配分された複数の空気循環開口(21)を有しており、これらの空気循環開口が、引き取られた欠陥を有する構成部材(2)の付着又は解離を生ぜしめる、制御可能な負圧又は過圧の形成に役立つ、請求項8記載の装置。
【請求項10】
欠陥を有する構成部材(2)を収集するために、引取りローラ(20)と作用結合している収集ローラ(60)が設けられており、欠陥を有する構成部材(2)が、引取りローラ(20)から収集ローラ(60)に移される、請求項8又は9記載の装置。
【請求項11】
再付与された構成部材を支持体ウェブに圧着させる圧着ローラが設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
構成部材が支持体ウェブ(3′)上に複数列で配置されており、各列に1つの選出装置(40a,40b,40c)が対応配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1列で連続的に構成部材(2)が配置された支持体ウェブ(3)から、欠陥無しの支持体ウェブ(3)を連続的に生産するための装置(80,80a)であって、前記支持体ウェブ(3)が、欠陥を有する構成部材及び欠陥無しの構成部材を有している形式のものにおいて、
‐請求項1から12までのいずれか1項記載の、欠陥を有する構成部材を連続的に選出するための装置(1)が設けられており、
‐欠陥を有する構成部材(2)が選出された支持体ウェブ(3)の領域に、欠陥無しの構成部材(2)を挿入する、少なくとも1つの供給装置(70)が設けられていることを特徴とする、欠陥無しの支持体ウェブを連続的に生産するための装置。
【請求項14】
供給装置に、専ら欠陥無しの構成部材(2)を有する別の支持体ウェブ(72)が対応配置されている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
構成部材がトランスポンダ(2)である、請求項1から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
欠陥無しの支持体ウェブ上のトランスポンダをプログラミングするプログラミングユニットが設けられている、請求項15記載の装置。
【請求項17】
構成部材(2)が少なくとも1列で連続的に配置された支持体ウェブ(3)から、欠陥無しの支持体ウェブ(3)を連続的に生産するための方法であって、前記支持体ウェブ(3)が、欠陥を有する構成部材及び欠陥無しの構成部材を有している形式のものにおいて、
‐全ての構成部材(2)を支持体ウェブ(3)から少なくとも部分的に解離させ、
‐少なくとも部分的に解離された、欠陥を有する構成部材(2)を取り除き、
‐欠陥無しの構成部材(2)を支持体ウェブ(3)にずらして再付与し、
‐欠陥無しの構成部材(2)に、除去された構成部材(2)を代替させることを特徴とする、欠陥無しの支持体ウェブ(3)を連続的に生産するための方法。
【請求項18】
支持体ウェブ速度が一定である、請求項17記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−506904(P2009−506904A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527325(P2008−527325)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007084
【国際公開番号】WO2007/022835
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(506266470)ビエロマティーク ロイツェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント カンパニー コマンディートゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】bielomatik Leuze GmbH + Co KG
【住所又は居所原語表記】Daimlerstrasse 6−10, D−72639 Neuffen, Germany
【Fターム(参考)】