説明

殺虫化合物

式(I)(式中、A1、A2、A3、A4、R1、R2、R3、及びR4は、請求項1に規定されるものであり;またはそれらの塩若しくはN−オキシドである)の化合物。さらに、本発明は、式(I)の化合物を調製するためのプロセス及び中間体、それらを含む殺昆虫用、殺ダニ用、殺線虫用、または殺軟体類用の組成物、並びに、昆虫、ダニ、線虫、または軟体類の害虫を駆除及び抑制するためにそれらを用いる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のN−ヒドロキシまたはN−オキシベンズアミジンイソオキサゾール、それらを調製するためのプロセス及び中間体、それらを含む殺昆虫用、殺ダニ用、殺線虫用、または殺軟体類用の組成物、並びに昆虫、ダニ、線虫、または軟体類の害虫を駆除及び抑制するためにそれらを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫特性を有するいくつかのイソオキサゾリン誘導体が開示されており、例えば欧州特許出願公開EP1,731,512号、米国特許出願公開US2007/066617号、日本国特許出願公開第2007/008914号、同第2007/016017号、国際公開WO2007/026965号、日本国特許出願公開第2007/106756号、国際公開WO2007/070606号、同WO2007/074789号、及び同WO2007/075459号に開示されている。
【0003】
抗原虫特性を有するいくつかのベンズアミジンイソオキサゾールが開示されており、例えば欧州特許出願公開1,719,767号、及びJ.Med.Chem.2007,50(10),2468−2485に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このたび、驚くべきことに、いくつかのN−ヒドロキシまたはN−オキシベンズアミジンイソオキサゾールが殺虫特性を有することが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それゆえに本発明は、式(I)
【化1】

(式中、
1、A2、A3、及びA4は、独立して互いにC−H、C−R5、または窒素であり;
1は、−(D)m−(E)n−(D)p−R6であり;
各Dは、独立して、C1−C6アルキレンであり;
Eは、−O−、−(CO)−、または−(CO)NH−であり;
m、n及びpは独立して0または1であり、ただしnが0のときpは1ではなく、nが1のときmは0ではなく;
2は、水素、C1−C8アルキル、C1−C8アルキルカルボニル−、またはC1−C8アルコキシカルボニル−であり;
3はC1−C8ハロアルキルであり;
4は、アリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールであり、またはR4は、ヘテロシクリル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたヘテロシクリルであり;
各R5は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、またはC1−C8アルコキシカルボニル−であり;並びに
6は水素、または
6は、C1−C8アルキル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC1−C8アルキルであり、または
6は、C2−C8アルケニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC2−C8アルケニルであり、または
6は、C2−C8アルキニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC2−C8アルキニルであり、または
6は、C3−C8シクロアルキルまたはC3−C8ハロシクロアルキルであり、または
6は、アリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールであり、または
6は、ヘテロシクリル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたヘテロシクリルであり;またはそれらの塩若しくはN−オキシドである)
の化合物を提供する。
【0006】
式(I)の化合物は、異なる幾何異性体若しくは光学異性体または互変異性型で存在することができる。本発明は、そのような異性体及び互変異性体及びあらゆる割合のそれらの混合物の全て、並びに重水素化合物のような同位体形態を対象とする。
【0007】
単独の、あるいはより大きな基(例えば、アルコキシ、アルキルカルボニル−、アルコキシカルボニル−)の一部としての、各アルキル部分は、直鎖状または分枝鎖状であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、またはtert−ブチルである。アルキル基は好ましくはC1−C6アルキル基、さらに好ましくはC1−C4、最も好ましくはC1−C3アルキル基である。
【0008】
(単独の、あるいはより大きな基の一部としての)アルケニル及びアルキニル部分は、直鎖状または分枝鎖状であることができ、アルケニル部分は、必要に応じて、(E)または(Z)の構成からなることができる。ビニル、アリル、及びプロパルギルが例として挙げられる。アルケニル及びアルキニル基は、好ましくは、C2−C6アルケニルまたはアルキニル基、さらに好ましくはC2−C4、最も好ましくはC2−C3アルケニルまたはアルキニル基である。
【0009】
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素である。
【0010】
(単独の、あるいはハロアルコキシ等のより大きな基の一部としての)ハロアルキル基は、1以上の同じかまたは異なるハロゲン原子で置換されたアルキル基であり、例えばトリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2,2−ジフルオロエチルである。
【0011】
シクロアルキル基は、単環式または二環式の形態であることができ、所望により1以上のメチル基で置換され得る。シクロアルキル基は好ましくは3〜8個の炭素原子、さらに好ましくは3〜6個の炭素原子を含む。単環式シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0012】
ハロシクロアルキル基は、1以上の同じかまたは異なるハロゲン原子で置換されたシクロアルキル基であり、所望により1以上のメチル基で置換され得る。単環式ハロシクロアルキル基の例として、2,2−ジクロロ−シクロプロピル、2,2−ジクロロ−1−メチル−シクロプロピル、及び2−クロロ−4−フルオロシクロヘキシルが挙げられる。
【0013】
本明細書において、「アリール」なる用語は、単環式、二環式、または三環式であることができる環系を意味する。そのような環の例として、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、インデニル、またはフェナンントレニルが挙げられる。好ましいアリール基はフェニルである。
【0014】
「ヘテロアリール」なる用語は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、単環または二以上の縮合環からなる芳香環系を意味する。好ましくは、単環は、窒素、酸素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子を最大3つ含み、二環系は、最大4つ含む。そのような基の例として、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリルが挙げられる。好ましいヘテロアリール基はピリジンである。二環基の例として、ベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリニル、シンノリニル、及びキノキサリニルが挙げられる。
【0015】
「ヘテロシクリル」なる用語は、ヘテロアリール、さらに次式:
【化2】

のような、それらの不飽和または部分的不飽和類似体を含むように定義される。
【0016】
1、A2、A3、A4、D、E、m、n、p、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の好ましい値は、下記に示すように任意の組み合わせである。
【0017】
好ましくは、A1、A2、A3、及びA4のうち、最大3つが窒素である。
好ましくは、A1はC−HまたはC−R5であり、最も好ましくは、A1はC−R5である。
好ましくは、A2はC−HまたはC−R5であり、最も好ましくは、A2はC−Hである。
好ましくは、A3はC−HまたはC−R5であり、最も好ましくは、A3はC−Hである。
好ましくは、A4はC−HまたはC−R5であり、最も好ましくは、A4はC−Hである。
好ましくは、R1は、R6−、R6−C1−C6アルキル−、R6−オキシ−C1−C6アルキル−、R6−カルボニル−C1−C6アルキル−、R6−アミノカルボニル−C1−C6アルキル−、またはR6−C1−C8アルコキシ−C1−C6アルキル−である。
【0018】
好ましい化合物の一群において、R1はR6−であり、さらに好ましくは、R1は、アリル−、n−ブチル−、ブタ−2−イン−1−イル−、6−クロロ−n−ヘキシル−、3−シアノ−n−プロピル−、(E)−3−(エトキシカルボニル)−プロパ−2−エン−1−イル−、エチル−、水素、メチル−、2−メチル−プロパ−2−エン−1−イル−、プロパルギル−、またはn−プロピル−であり、最も好ましくは、R1は、アリル−、n−ブチル−、ブタ−2−イン−1−イル−、6−クロロ−n−ヘキシル−、3−シアノ−n−プロピル−、エチル−、水素、メチル−、2−メチル−プロパ−2−エン−1−イル−、プロパルギル−、またはn−プロピル−である。
【0019】
好ましい化合物の他の群において、R1はR6−C1−C6アルキル−、さらに好ましくは、R1は、(6−クロロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−8−イル)−メチル−、(6−クロロ−ピリジ−3−イル)−メチル−、(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル)−メチル−、シクロヘキシル−メチル−、3,5−ジクロロ−ベンジル−、(5,6−ジクロロ−ピリジ−3−イル)−メチル−、2,6−ジフルオロ−ベンジル−、(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル)−メチル−、(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチル−、2,4−ジメチル−ベンジル−、(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−メチル−、(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−メチル−、(5−エトキシ−カルボニル−フラン−2−イル)−メチル−、3−メトキシ−ベンジル−、3−フェニル−n−プロピル−、(テトラヒドロピラン−2−イル)−メチル−、または2−(2,5,5−トリメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−エチ−1−イル−、最も好ましくは、R1は、(6−クロロ−ピリジ−3−イル)−メチル−、3,5−ジクロロ−ベンジル−、(5,6−ジクロロ−ピリジ−3−イル)−メチル−、2,6−ジフルオロ−ベンジル−、(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル)−メチル−、(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチル−、2,4−ジメチル−ベンジル−、(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−メチル−、(2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−メチル−、3−メトキシ−ベンジル−、3−フェニル−n−プロピル−、または2−(2,5,5−トリメチル[1,3]ジオキサン−2−イル)−エチ−1−イル−である。
【0020】
好ましい化合物のさらなる群において、R1はR6−オキシ−C1−C6アルキル−、さらに好ましくは、R1は2−フェノキシ−エチ−1−イル−である。
【0021】
好ましい化合物の他の群において、R1はR6−カルボニル−C1−C6アルキル−、さらに好ましくは、R1は(4−メトキシ−ベンゾイル)−メチル−、または1−メチルカルボニル−エチ−1−イル−、最も好ましくは、R1は1−メチルカルボニル−エチ−1−イル−である。
【0022】
好ましい化合物のさらなる群において、R1はR6−アミノカルボニル−C1−C6アルキル−、さらに好ましくは、R1は1−(N−フェニルアミノカルボニル)−エチ−1−イル−である。
【0023】
好ましい化合物の他の群において、R1はR6−C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル−、さらに好ましくは、R1は2−ベンジルオキシ−エチ−1−イル−である。
【0024】
好ましくは、各Dは独立して−CH2−、−CH2−CH2−、−CH(Me)−、または−CH2−CH2−CH2−、さらに好ましくは、各Dは独立して、−CH2−、−CH2−CH2−、または−CH(Me)−、最も好ましくは、各Dは−CH2−である。
【0025】
好ましくは、Eは−O−または−(CO)−であり、最も好ましくは、Eは−O−である。
【0026】
好ましくは、R2は、水素、メチル、エチル、メチルカルボニル−、またはメトキシカルボニル−であり、さらに好ましくは、R2は水素、メチル、またはエチルであり、さらに好ましくは、R2は水素またはメチルであり、最も好ましくは、R2は水素である。
【0027】
好ましくは、R3はクロロジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、最も好ましくは、R3はトリフルオロメチルである。
【0028】
好ましい化合物の一群において、R4はアリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールであり、さらに好ましくは、R4はフェニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたフェニルであり、さらに好ましくは、R4は、ブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、若しくはメトキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたフェニルであり、さらに好ましくは、R4は、ブロモ、クロロ、またはフルオロから独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたフェニルであり、さらにより好ましいR4は、3,5−ジブロモ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、及び3,4,5−トリクロロ−フェニルであり、最も好ましくは、R4は3,5−ジクロロ−フェニルである。
【0029】
化合物の他の好ましい群において、R4は、ヘテロシクリル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたヘテロシクリルであり、さらに好ましくは、R4は、ヘテロアリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたヘテロアリールであり、さらに好ましくは、R4は、ピリジル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたピリジルであり、さらに好ましくは、R4は、ブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、若しくはメトキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたピリジルであり、最も好ましくは、R4は、ブロモ、クロロ、またはフルオロから独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたピリジルである。
【0030】
好ましくは、各R5は、独立して、ブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、またはメトキシカルボニル−であり、さらに好ましくは、各R5は、独立して、ブロモ、クロロ、フルオロ、ニトロ、またはメチルであり、最も好ましくは、各R5は、独立して、クロロ、フルオロ、またはメチルである。
【0031】
好ましい化合物の一群において、R6は水素である。
【0032】
化合物の他の好ましい群において、R6は、C1−C8アルキル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC1−C8アルキルであり、さらに好ましくは、R6は、C1−C8アルキル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、若しくはC1−C8ハロアルコキシから独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC1−C8アルキルであり、さらに好ましくは、R6は、C1−C8アルキル、またはハロゲン若しくはシアノから独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC1−C8アルキルであり、さらに好ましくは、R6はC1−C8アルキルであり、最も好ましくは、R6は、メチル−、エチル−、n−プロピル−、n−ブチル−、またはn−ヘキシル−である。R6の好ましい群のさらなる例には、3−シアノ−n−プロピル−及び6−クロロ−n−ヘキシル−が挙げられる。
【0033】
好ましい化合物のさらなる群において、R6は、C2−C8アルケニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC2−C8アルケニルであり、さらに好ましくは、R6は、C2−C8アルケニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、若しくはC1−C8ハロアルコキシから独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC2−C8アルケニルであり、さらに好ましくは、R6はC2−C8アルケニルであり、最も好ましくは、R6は、アリル−または2−メチル−プロパ−2−エン−1−イル−である。
【0034】
好ましい化合物の他の群において、R6は、C2−C8アルキニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC2−C8アルキニルであり、さらに好ましくは、R6は、C2−C8アルキニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、若しくはC1−C8ハロアルコキシから独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC2−C8アルキニルであり、さらに好ましくは、R6はC2−C8アルキニルであり、最も好ましくは、R6は、プロパルギル−またはブタ−2−イン−1−イルである。
【0035】
好ましい化合物のさらなる群において、R6は、C3−C8シクロアルキルまたはC3−C8ハロシクロアルキルであり、さらに好ましくは、R6はC3−C8シクロアルキルであり、最も好ましくは、R6はシクロヘキシルである。
【0036】
好ましい化合物の他の群において、R6は、アリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールであり、さらに好ましくは、R6は、アリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、若しくはC1−C8ハロアルコキシから独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールであり、さらに好ましくは、R6は、アリール、またはハロゲン、C1−C8アルキル、若しくはC1−C8アルコキシから独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールであり、最も好ましくは、R6は、3,5−ジクロロ−フェニル−、2,6−ジフルオロ−フェニル−、2,4−ジメチル−フェニル−、3−メトキシ−フェニル−、4−メトキシ−フェニル−、またはフェニル−である。
【0037】
好ましい化合物のさらなる群において、R6は、ヘテロシクリル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたヘテロシクリルであり、さらに好ましくは、R6は、ヘテロアリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたヘテロアリールであり、さらに好ましくは、R6は、ピリジル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたピリジルであり、最も好ましいR6は、6−クロロ−ピリジ−3−イル−または5,6−ジクロロ−ピリジ−3−イル−である。R6の好ましい群のさらなる例として、6−クロロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−8−イル−、2−クロロ−4−トリフルオロメチル−チアゾール−5−イル−、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル−、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル−、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル−、2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル−、5−エトキシカルボニル−フラン−2−イル−、テトラヒドロピラン−2−イル−、及び2,5,5−トリメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル−が挙げられる。
【0038】
好ましい実施態様は、式(Ia)
(式中、R1及びR2は、式(I)の化合物に関して規定されるものと同様であり、A1,A2、A3、及びA4はC−Hであり、R3はトリフルオロメチルであり、R4は3,5−ジクロロ−フェニルである)
の化合物である。
【0039】
好ましい実施態様は、式(Ib)
(式中、R1及びR2は、式(I)の化合物に関して規定されるものと同様であり、A1はC−Meであり、A2、A3、及びA4はC−Hであり、R3はトリフルオロメチルであり、R4は3,5−ジクロロ−フェニルである)
の化合物である。
【0040】
好ましい実施態様は、式(Ic)
(式中、R1及びR2は、式(I)の化合物に関して規定されるものと同様であり、A1はC−Clであり、A2、A3、及びA4はC−Hであり、R3はトリフルオロメチルであり、R4は3,5−ジクロロ−フェニルである)
の化合物である。
【0041】
以下の第1表〜第3表に記載の化合物は、本発明の化合物を表す。
【0042】
第1表
第1表は、式(Ia)(式中、R2は水素であり、R1は、下表に列記した物質である)の34の化合物を示す。
【化3】

【表1】

【表2】

【0043】
第2表
第2表は、式(Ib)(式中、R2は水素であり、R1は、第1表に列記した物質である)の34の化合物を示す。
【化4】

【0044】
第3表
第3表は、式(Ic)(式中、R2は水素であり、R1は、第1表に列記した物質である)の34の化合物を示す。
【化5】

【0045】
本発明の化合物は、例えばスキーム1に示すような様々な方法によって生成され得る。
【0046】
【化6】

【0047】
1)式(I)の化合物は、式(I’)の化合物、すなわちR1が水素である式(I)の化合物と、式R1−XA(式中R1は、式(I)の化合物に関して規定されるものと同様であり、XAは脱離基であり、例えば、臭化物、塩化物、またはヨウ化物等のハロゲン化物である)のアルキル化剤とが反応して生成され得る。そのような反応は、例えば炭酸セシウム等の無機炭酸塩等のような塩基の存在下において行われ、所望により例えばN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒のような溶媒の存在下において行われる。反応は、0℃〜100℃、好ましくは15℃〜30℃の温度にて、特に室温にて行われる。式R1−XAの化合物は、商業的に入手可能または当業者に公知の方法によって生成することができる。
【0048】
2)式(I’)の化合物、すなわちR1が水素である式(I)の化合物は、式(II)のニトリルと、式R2HN−OH(式中、R2は式(I)の化合物について規定されたものと同じ)のヒドロキシルアミンとの反応から生成され得る。ヒドロキシルアミンヒドロクロライドが、式(I’’)の化合物、すなわちR1及びR2の両方が水素である式(I)の化合物を便利に提供するために用いられ得る。そのような反応は、例えばトリエチルアミン等の有機塩基のような塩基の存在下にて行われ、所望により例えばエタノール等の極性溶媒のような溶媒の存在下にて行われる。反応は、0℃〜150℃、好ましくは15℃〜100℃の温度にて、特に85℃にて行われる。式R2HN−OHの化合物は商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の方法によって生成することができる。
【0049】
3)式(II)の化合物は、例えばシアン化亜鉛(II)のような無機シアン化物塩等のシアン化物ドナーと、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のようなパラジウム触媒等の触媒との存在下における、XBが例えばブロモのようなハロゲン等の脱離基である式(III)の化合物のカップリング反応により生成され得る。そのような反応は、例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような極性溶媒等の好適な溶媒中で行われる。反応は、50℃〜200℃、好ましくは100℃〜150℃の温度にて、特に115℃にて行われる。
【0050】
4)XBが例えばブロモのようなハロゲン等の脱離基である式(III)の化合物は、XBが例えばブロモのようなハロゲン等の脱離基である式(IV)のオキシムと、式(V)のビニル化合物との2段階の反応によって生成され得る。第1段階において、式(IV)のオキシムを、例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような極性溶媒等の好適な溶媒の存在下において、例えばN−クロロサクシンイミド(「NCS」)のようなサクシンイミド等のハロゲン化剤と反応させる。第1段階は、0℃〜100℃、好ましくは15℃〜30℃の温度にて、特に室温にて行われる。
【0051】
【化7】

【0052】
第2段階において、式(IV’)のクロロヒドロキシイミン中間体を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような極性溶媒等の好適な溶媒の存在下において、例えばトリエチルアミンのような有機塩基等の塩基の存在下において、式(VI)のビニル化合物と反応させる。これらの2段階を別々に行うことが可能であり、所望によりクロロヒドロキシイミン中間体を分離することが可能であり、またはさらに便利には、中間体の分離無しに、これらの2段階を1つの反応容器中で連続的に行うことが可能である。第2段階は、0℃〜100℃、好ましくは15℃〜30℃の温度にて、特に室温にて行われる。式(VI)のビニル化合物は商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の方法によって生成することができる。
【0053】
5)XBが例えばブロモのようなハロゲン等の脱離基である式(IV)の化合物は、XBが例えばブロモのようなハロゲン等の脱離基である式(VI)のアルデヒドと、例えばヒドロキシルアミンヒドロクロライドのようなヒドロキシルアミンとの反応によって、生成され得る。そのような反応は、例えばトリエチルアミン若しくは酢酸ナトリウムのような有機塩基、または炭酸水素ナトリウムのような無機塩基等の塩基の存在下において行われ、所望により例えばメタノール若しくはエタノールのようなアルコール、若しくは水、若しくはそれらの混合物等の溶媒の存在下において行われる。反応は、0℃〜100℃、好ましくは15℃〜30℃の温度にて、特に室温にて行われる。式(VI)のアルデヒドは商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の方法によって生成することができる。
【0054】
式(I)の化合物は、鱗翅類(Lepidoptera)、双翅類(Diptera)、半翅類(Hemiptera)、総翅類(Thysanoptera)、直翅類(Orthoptera)、網翅類(Dictyoptera)、鞘翅類(Coleoptera)、微翅類(Siphonaptera)、膜翅類(Hymenoptera)、及び等翅類(Isoptera)のような有害昆虫、ならびに他の有害無脊椎動物、例えばダニ類、線虫類、及び軟体類の害虫の感染を駆除及び抑制するのに使用することができる。昆虫類、ダニ類、線虫類、及び軟体類は、以下に、まとめて害虫と呼ぶ。本発明の化合物の使用により駆除及び抑制される害虫には、農業(この用語は、食物や繊維用の作物の生育を含む)、園芸、及び畜産、ペット、林業、及び植物起源物質(例えば、フルーツ、穀物、及び木材)の貯蔵に関連する害虫、人工物の損傷並びに人及び動物の疾患の伝搬に関連する害虫、並びに不快な害虫(例えば蝿)が挙げられる。
【0055】
式(I)の化合物により抑制され得る害虫の種の例には以下のものが挙げられる:ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)(アブラムシ)、アフィス・ゴシッピイ(Aphis gossypii)(アブラムシ)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)(アブラムシ)、リグス(Lygus)属の種(メクラカメムシ)、ディスデルクス(Dysdercus)属の種(メクラカメムシ)、ニラパルバータ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)(プラントホッパー)、ネホテチックス・インクチセプス(Nephotettixc incticeps)(ヨコバイ)、ネザラ(Nezara)属の種(カメムシ)、ユーシスツス(Euschistus)属の種(カメムシ)、レプトコリサ(Leptocorisa)属の種(カメムシ)、フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis)(アザミウマ)、スリプス(Thrips)属の種(アザミウマ)、レプチノタルサ・デセムリネアータ(Leptinotarsa decemlineata)(コロラドハムシ)、アントノムス・グアンディス(Anthonomus grandis)(メキシコワタミゾウムシ)、アオニディエラ(Aonidiella)属の種(カイガラムシ)、トリアレウロデス(Trialeurodes)属の種(コナジラミ)、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)(コナジラミ)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)(アワノメイガ)、スポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis)(ヨトウガの毛虫)、ヘリオティス・ビレセンス(Heliothis virescens)(ニセアメリカタバコガ)、ヘリコベルパ・アルミゲラ(Helicoverpa armigera)(オオタバコガの幼虫)、ヘリコベルパ・ゼア(Helicoverpa zea)(オオタバコガの幼虫)、シレプタ・デロガータ(Sylepta derogata)(ワタノメイガ)、ピエリス・ブラッシカエ(Pieris brassicae)(モンシロチョウ)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(コナガ)、アグロチス(Agrotis)属の種(ヨトウムシ)、チロ・サプレサリス(Chilo suppressalis)(ニカメイガ)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)(イナゴ)、コルチオセテス・テルミニフェラ(Chortiocetes terminifera)(イナゴ)、ディアブロチカ(Diabrotica)属の種(ウリハムシ)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)(リンゴハダニ)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)(ミカンハダニ)、テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ)、テトラニクス・クナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)(ニセナミハダニ)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)(ミカンサビダニ)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)(チャノホコリダニ)、ブレビパルプス(Brevipalpus)属の種(ブドウヒメハダニ)、ブーフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus)(ウシマダニ)、デルマセントー・バリアビリス(Dermacentor variabilis)(アメリカイヌカクマダニ)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)、リリオミザ(Liriomyza)属の種(葉潜り虫)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)(イエバエ)、アエデス・エジプチ(Aedes aegypti)(蚊)、アノフェレス(Anopheles)属の種(蚊)、クレックス(Culex)属の種(蚊)、ルシリア(Lucillia)属の種(クロバエ)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)(ゴキブリ)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)(ゴキブリ)、ブラッタ・オリエンタリス(ゴキブリ)、ムカシシロアリ科(Mastotermitidae)のシロアリ(例えば、マストテルメス(Mastotermes)属の種)、レイビシロアリ科(Kalotermitidae)(例えばネオテルメス(Neotermes)属の種)、ミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae)(例えば、コプトテルメス・ホルモサヌス(Coptotermes formosanus)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、アール・スペラツ(R. speratu)、アール・ビルギニクス(R. virginicus)、アール・ヘスペルス(R. hesperus)、及びアール・サントネンシス(R. santonensis))、及びシロアリ科(Termitidae)(例えば、グロビテルメス・スルフレウス(Globitermes sulfureus))、ソレノプシス・ゲミナータ(Solenopsis geminata)(アカカミアリ)、モノモリウム・ファラオニス(ファラオアント)、ダマリニア(Damalinia)属の種、及びリノグナツス(Linognathus)属の種(刺すシラミ及び吸うシラミ)、メロイドジネ(Meloidogyne)属の種(根瘤線虫)、グロボデラ(Globodera)属の種、及びシストセンチュウ(Heterodera)属の種(シスト線虫)、プラチレンクス(Pratylenchus)属の種(根腐れ線虫)、ロドホルス(Rhodopholus)属の種(バナナ穿孔線虫)、チレンクルス(Tylenchulus)属の種(ミカン線虫)、ヘモンクス・コントルツス(Haemonchus contortus)(バーバーポールワーム)、シノラブディス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)(酢線虫)、毛様線虫(Trichostrongylus)属の種(消化管線虫)、及びノハラナメクジ(Deroceras reticulatum)(ナメクジ)。
【0056】
従って本発明は、殺昆虫的、殺ダニ的、殺線虫的、若しくは殺軟体類的に有効量の式(I)の化合物、または式(I)の化合物を含有する組成物を、害虫、害虫の存在場所、好ましくは植物、または害虫に攻撃され易い植物に適用することを含む、昆虫、ダニ、線虫、または軟体類を駆除及び抑制する方法を提供する。式(I)の化合物は、好ましくは、昆虫、ダニ、または線虫に対して使用される。
【0057】
本明細書において、「植物」なる用語は、苗木、低木、及び木を含む。
【0058】
作物はまた、従来の品種改良または遺伝子操作により、除草剤または除草剤類(例えば、ALS−、GS−、EPSPS−、PRO−、及びHPPD−阻害剤)に対して耐性にされた作物を含むものと理解される。従来の品種改良法によりイミダゾリノン(例えばイマザモックス)に対して耐性にされている作物の例として、Clearfield(登録商標)サマーレイプ(summer rape)(カノーラ)が挙げられる。遺伝子操作により除草剤に対して耐性にされている作物の例には、例えば商品名RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホセート耐性及びグルホシネート耐性トウモロコシ変種が挙げられる。
【0059】
作物はまた、遺伝子工学的方法によって害虫に抵抗性にされたもの、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガに強い)、Bt綿(メキシコワタノミゾウムシに強い)、及びさらにBtジャガイモ(コロラドハムシに強い)も含むと解すべきである。Btトウモロコシの例として、NK(登録商標)のBt176トウモロコシハイブリッド(シンジェンタ・シーズ)が挙げられる。殺虫剤抵抗性をコード化し、1以上の毒素を発現する1以上の遺伝子を含む遺伝子導入植物の例として、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿)、Bollgard(登録商標)(綿)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)、及びProtexcta(登録商標)が挙げられる。
【0060】
植物作物またはその種子材料は、両方とも除草剤に抵抗性であることができ、同時に、昆虫摂食行動に抵抗性である(「積み重ねられた」遺伝子組み換えの事象)。例えば、種子は、殺虫性Cry3タンパク質を発現する能力を有し、一方で同時にグリホセートに耐性であることができる。
【0061】
また、作物は、従来の品種改良法または遺伝子操作法によって得られ、いわゆる生産高特性(たとえば、改善された保存安定性、より高い栄養価及び改善された風味)を有するものを含むと解すべきである。
【0062】
害虫、害虫の存在場所、または害虫による攻撃にさらされ易い植物に、殺昆虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、または殺軟体類剤として式(I)の化合物を使用するために、式(I)の化合物は、通常、式(I)の化合物に加えて、適切な不活性希釈剤または担体、及び所望により界面活性剤(SFA)を含む組成物に製剤される。SFAは、界面張力を低下させ、他の特性(たとえば分散、乳化、及び湿潤)の変化をもたらすことにより、界面(例えば液体/固体、液体/空気、または液体/液体の界面)の特性を改質することができる化学薬品である。組成物(固体及び液体製剤の両方)はいずれも、重量基準で、0.0001〜95%、より好ましくは1〜85%、たとえば5〜60%の式(I)の化合物を含むことが好ましい。本組成物は、概して、式(I)の化合物が1ヘクタール当たり0.1g〜10kg、好ましくは1ヘクタール当たり1g〜6kg、より好ましくは1ヘクタール当たり1g〜1kgの割合で適用されるように、害虫の抑制に使用される。
【0063】
種子粉衣に使用する場合、式(I)の化合物は、種子1キログラム当たり、0.0001g〜10g(例えば0.001gまたは0.05g)、好ましくは0.005g〜10g、より好ましくは0.005g〜4gの割合で使用される。
【0064】
別の態様では、本発明は、殺昆虫的、殺ダニ的、殺線虫的、または殺軟体類的に有効な量の式(I)の化合物及び適切な担体またはその希釈剤を含む、殺昆虫、殺ダニ、殺線虫、殺軟体類用の組成物を提供する。組成物は、殺昆虫、殺ダニ、殺線虫、または殺軟体類用の組成物が好ましい。
【0065】
組成物は、粉剤(dustable powders)(DP)、可溶性粉末(soluble powders)(SP)、水溶性顆粒(water soluble granules)(SG)、水分散性顆粒(water dispersible granules)(WG)、湿潤性粉末(wettable powders)(WP)、顆粒(granules)(GR)(徐放性または即放性)、可溶性濃縮物(soluble concentrates)(SL)、油混和性液体(oil miscible liquids)(OL)、超低体積液体(ultra low volume liquids)(UL)、乳化性濃縮物(emulsifiable concentrates)(EC)、分散性濃縮物(dispersible concentrates)(DC)、乳剤(emulsions)(水中油性(EW)及び油中水性(EO)の両方)、マイクロエマルジョン(ME)、懸濁濃縮物(suspension concentrates)(SC)、エアゾール剤、曇り/煙製剤、カプセル懸濁液(CS)及び種子処理製剤を含む多くの剤形から選択することができる。いずれの場合でも、剤形の選択は、意図される具体的な目的、並びに式(I)の化合物の物理的、化学的及び生物学的特性に依存する。
【0066】
粉剤(DP)は、式(I)の化合物を、1以上の固体希釈剤(例えば、天然の粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、多孔質珪藻土(キーゼルクール)、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウム、硫黄、ライム、小麦粉、タルク、及び他の有機と無機固体担体)と混合し、そして混合物を機械的に摩砕して微粉化することにより調製され得る。
【0067】
可溶性粉末(SP)は、式(I)の化合物を、1以上の水溶性無機塩(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、または硫酸マグネシウム)または1以上の水溶性有機固体(例えば多糖)、及び所望により、分散性/可溶性を改良するために、1以上の湿潤剤、1以上の分散剤、または該物質の混合物、と混合することにより調製される。次いで、混合物は摩砕して微粉にされる。同様の組成物を顆粒化して、水溶性顆粒(SG)を生成することもできる。
【0068】
湿潤性粉末(WP)は、式(I)の化合物を、1以上の固体希釈剤または担体、1以上の湿潤剤、及び好ましくは1以上の分散剤、並びに所望により液体中の分散を促進するために1以上の懸濁化剤と混合することにより調製される。次いで、混合液は摩砕して微粉にされる。同様の組成物を顆粒化して、水分散性顆粒(WG)を生成することもできる。
【0069】
顆粒(GR)は、式(I)の化合物及び1以上の粉末化固体希釈剤若しくは担体との混合物を顆粒化することにより、または式(I)の化合物(若しくはその溶液、適当な物質中)を多孔性顆粒物質(例えば、軽石、アタパルジャイト粘度、フラー土、多孔質珪藻土、珪藻土、若しくは摩砕したトウモロコシの穂軸)中に吸収することにより、若しくは式(I)の化合物(若しくはその溶液、適当な物質中)をハードコア材料(例えば、砂、ケイ酸塩、ミネラル炭酸塩、硫酸塩、若しくはリン酸塩)上に吸着させ、必要であれば乾燥することによる、あらかじめ作成したブランク顆粒から、調製され得る。吸収または吸着を助けるのに一般的に使用される物質には、溶媒(例えば、脂肪族及び芳香族石油溶媒、アルコール、エーテル、ケトン、及びエステル)、及び固着剤(例えば、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖、及び植物油)がある。1以上の他の添加剤を顆粒中に含んでもよい(例えば、乳化剤、湿潤剤、または分散剤)。
【0070】
分散性濃縮物(DC)は、式(I)の化合物を、水または有機溶媒(例えばケトン、アルコール、またはグリコールエーテル)に溶解することにより調製され得る。これらの溶液は、界面活性剤(例えば、水希釈を改善するか、または噴霧タンク中での結晶化を防ぐため)を含んでもよい。
【0071】
乳化性濃縮物(EC)または水中油エマルジョン(EW)は、式(I)の化合物を有機溶媒(任意に1以上の湿潤剤、1以上の乳化剤、または該物質の混合物を含有する)に溶解することにより調製される。ECで使用するのに適当な有機溶媒には、芳香族炭化水素(例えば、アルキルベンゼンまたはアルキルナフタレン、例えばSOLVESSO100、SOLVESSO150、及びSOLVESSO200;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(例えばシクロヘキサノンまたはメチルシクロヘキサノン)、及びアルコール(例えばベンジルアルコール、フルフリルアルコール、またはブタノール)、N−アルキルピロリドン(例えばN−メチルピロリドンまたはN−オクチルピロリドン)、脂肪酸のジメチルアミド(例えばC8〜C10脂肪酸ジメチルアミド)、及び塩素化炭化水素が挙げられる。EC製品は水に加えると自然に乳化して、適切な器具で噴霧適用することを可能にする充分な安定性を有するエマルジョンを生成する。EWの調製は、式(I)の化合物を液体として(室温で液体でなくても、妥当な温度、典型的には70℃以下で溶融される)または溶液で(適切な溶媒に溶解して)得て、次いで、生成した液体または溶液を1以上のSFAを含有する水に高剪断力条件下で乳化して、エマルジョンを産生することを含む。EWで使用するのに適切な溶媒には、植物油、塩素化炭化水素(例えばクロロベンゼン)、芳香族溶媒(例えば、アルキルベンゼンまたはアルキルナフタレン)、及び水への溶解度が低い他の適切な有機溶媒が挙げられる。
【0072】
マイクロエマルジョン(ME)は、水と、1以上のSFAを含む1以上の溶媒のブレンドとを混合して、自然に熱力学的に安定な等方性液体製剤を生成することにより調製され得る。式(I)の化合物は、最初に、水または溶媒/SFAブレンド中に存在する。MEで使用するのに適切な溶媒には、ECまたはEWで使用するための上記したものが挙げられる。MEは水中油でも油中水系でもよく(どちらの系が存在するかは伝導度測定により決定することができる)、水溶性殺虫剤と脂溶性殺虫剤を同じ製剤中で混合するのに好適であることができる。MEは水に希釈するのに適しており、マイクロエマルジョンとして留まるかまたは従来の水中油エマルジョンを生成する。
【0073】
懸濁濃縮物(SC)は、式(I)の化合物の微粉砕された不溶性固体粒子の水性または非水性懸濁物を含んでもよい。SCは、式(I)の固体化合物を、任意に1以上の分散剤を含む適切な媒体中でボールミル粉砕またはビーズミル粉砕することによって調製され、化合物の微粒子懸濁物を生成することができる。1以上の湿潤剤が組成物中に含まれてよく、粒子が沈殿する速度を低下させるために懸濁化剤が含まれてよい。あるいは式(I)の化合物は乾式粉砕され、前記した物質を含む水に添加されて、所望の最終生成物を生成することができる。
【0074】
エアゾル剤は式(I)の化合物及び好適な噴射剤(例えばn−ブタン)を含む。式(I)の化合物はまた、好適な媒体(例えば水または水混和性液体、例えばn−プロパノール)に溶解または分散されて、非加圧手動式噴霧ポンプで使用するための組成物を提供することもできる。
【0075】
式(I)の化合物は、乾燥状態で花火混合物(pyrotechnic mixture)と混合されて、閉鎖空間中で式(I)の化合物を含有する煙を発生するために適した組成物を生成することができる。
【0076】
カプセル懸濁剤(CS)はEW製剤の調製と同様の方法で調製され得るが、各油小滴が高分子シェルに封入され、且つ式(I)の化合物及び所望によりそのための担体または希釈剤を含有する、油小滴の水性分散物を得るための追加の重合工程を伴う方法で調整され得る。高分子シェルは、界面重縮合反応またはコアセルベーション法により生成され得る。組成物は、式(I)の化合物の制御された放出を提供し、種子処理に使用され得る。式(I)の化合物はまた生分解性ポリマーマトリックス中で調製され、化合物の除放及び制御された放出を提供してもよい。
【0077】
組成物は、(例えば、表面の湿潤性、保持、若しくは分布;処理された表面の雨に対する耐性;または式(I)の化合物の摂取若しくは移動度、を改良することにより)組成物の生物学的性能を改良するための1以上の添加剤を含んでよい。かかる添加剤には、界面活性剤、油ベースの噴霧添加剤、例えばいくつかのミネラル油または天然の植物油(例えば大豆油及び菜種油)、及びこれらと他の生体増強補助剤(式(I)の化合物の作用を補助または修飾する成分)の混合物が含まれる。
【0078】
式(I)の化合物はまた、種子処理剤として、例えば乾燥種子処理剤(DS)用粉末、水溶性粉末(SS)、若しくはスラリー処理(WS)のための水分散性粉末を含む粉末組成物として、または流動性濃縮物(FS)、溶液懸濁物(LS)若しくはカプセル懸濁物(CS)を含む液体組成物として、使用するために調製されてもよい。DS、SS、WS、FS、及びLS組成物の調製は、それぞれ上記したDP、SP、WP、SC、及びDC組成物の調製に非常によく似ている。種子を処理するための組成物には、種子への組成物の接着を助ける物質(例えばミネラル油または膜形成バリア)が含まれてもよい。
【0079】
湿潤剤、分散剤、及び乳化剤は、陽イオン性、陰イオン性、両性、または非イオン性の表面SFAでもよい。
【0080】
陽イオン性型の好適なSFAには、四級アンモニウム化合物(例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリン、及びアミン塩が挙げられる。
【0081】
好適な陰イオン性SFAには、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン、並びにジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、硫酸エーテル、アルコール硫酸エーテル(例えばラウレス−3−硫酸ナトリウム)、カルボン酸エーテル(例えばラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1以上の脂肪アルコールとリン酸(主にモノエステル)または五酸化リン(主にジエステル)との反応からの生成物、例えばラウリルアルコールと四リン酸との反応;さらにこれらの生成物はエトキシ化されてよい)、スルホスクシナメート、スルホン化パラフィンまたはオレフィン、タウレート、及びリグノスルホネートが挙げられる。
【0082】
両性型の好適なSFAとしては、ベタイン、プロピオネート、及びグリシネートが挙げられる。
【0083】
非イオン性型の適当なSFAとしては、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、またはこれらの混合物)と、脂肪アルコール(例えばオレイルアルコールまたはセチルアルコール)との、またはアルキルフェノール(例えばオクチルフェノール、ノニルフェノール、またはオクチルクレゾール)との縮合生成物;長鎖脂肪酸またはヘキシトール無水物から得られる部分エステル;該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシドとプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純エステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);及びレシチンが挙げられる。
【0084】
好適な懸濁剤には、親水性コロイド(例えば、多糖、ポリビニルピロリドン、またはカルボキシメチルセルロースナトリウム)、及び膨潤粘土(例えばベントナイトまたはアタパルジャイト)がある。
【0085】
式(I)の化合物は、殺虫性化合物を適用する任意の公知手段により適用される。例えばこれは、製剤化されるかまたは製剤にされないで、害虫に、害虫の存在場所(例えば、害虫の生息地、または害虫による感染を受けやすい成長する植物)に、または植物の任意の部分(葉、茎、枝、または根を含む)に、蒔く前の種に、若しくは植物が生育しているか若しくは植えられる他の媒体(例えば、根の周りの土壌、一般に土壌、田んぼの水、または水耕栽培系)に、直接、適用されるか、または噴霧されるか、振りかけられるか、浸漬により適用されるか、クリーム剤若しくはペースト剤として適用されるか、蒸気として適用されるか、若しくは土壌若しくは水性環境への組成物(例えば、顆粒組成物または水溶性バッグに充填された組成物)の分布若しくは取り込みにより、適用され得る。
【0086】
式(I)の化合物はまた、植物中に注入されてもよく、または導電型噴霧法若しくは他の低容量法を使用して植物上に噴霧されてもよく、または大地若しくは地域の灌漑システム(land or aerial irrigation systems)により適用されてもよい。
【0087】
水性調製物(水溶液または分散液)として使用される組成物は、概して高率の活性成分を含有する濃縮物の形態で供給され、濃縮物は使用前に水に添加される。これらの濃縮物(DC、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WG、及びCSを含む)はしばしば長期間の保存に耐えることが必要であり、かかる保存後、水に添加されて従来の噴霧器具により適用することを可能にする充分な時間均一に維持される水性調製物を生成できなければならない。かかる水性調製物は、これらが使用される目的に応じて、種々の量の式(I)の化合物(例えば0.0001〜10質量%)を含むことができる。
【0088】
式(I)の化合物は、農薬(例えば、窒素−、カリウム−、またはリン−含有農薬)との混合物で使用してもよい。好適な製剤タイプには、顆粒の農薬がある。混合物は好ましくは最大25質量%の式(I)の化合物を含有する。
【0089】
すなわち本発明はまた、農薬及び式(I)の化合物を含む農薬組成物も提供する。
【0090】
本発明の組成物は、生物活性を有する他の化合物、例えば殺真菌活性を有するか、または植物成長制御活性、除草活性、殺昆虫活性、殺線虫活性、若しくは殺ダニ活性を有する微量養素もしくは化合物を含有してもよい。
【0091】
式(I)の化合物は、組成物の唯一の活性成分であるか、または1以上の追加の活性成分(例えば、殺虫剤、殺真菌剤、共力剤、除草剤、または植物成長制御剤)と適宜混合してもよい。追加の活性成分は:広い活性スペクトルまたは所在地での増強された持続性を提供し得るか;式(I)の化合物の活性に相乗効果を与えるかまたは活性を補完し得るか(例えば、作用速度を上昇させるかまたは撥水性を克服することにより);または個々の成分に対する抵抗性の出現を克服するかもしくは防止することを助ける。具体的な追加の活性成分は、組成物の目的の用途に依存する。好適な殺虫剤の例には以下がある:
【0092】
a)ピレスロイド、例えばペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、デルタメトリン、シハロトリン(特にラムダ−シハロトリン)、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、フィッシュセーフ(fish safe)ピレスロイド(例えばエトフェンプロックス)、天然のピレトリン、テトラメトリン、s−ビオアレトリン、フェンフルトリン、プラレトリン、または5−ベンジル−3−フリルメチル−(E)−(1R,3S)−2,2−ジメチル−3−(2−オキソチオラン−3−イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレート;
【0093】
b)有機リン酸エステル、例えばプロフェノホス、スルプロホス、アセフェート、メチルパラチオン、アジンホス−メチル、デメトン−s−メチル、ヘプテノホス、チオメトン、フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス、ヂメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テルブホス、フェンスルホチオン、ホノホス、ホレート、ホキシム、ピリミホス−メチル、ピリミホス−エチル、フェニトリチオン、ホスチアゼート、またはジアジノン;
【0094】
c)カルバメート(アリールカルバメートを含む)、例えばピリミカルブ、トリアザメート、クロエトカルブ、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アルジカルブ、チオフロックス、カルボスルファン、ベンジオカルブ、フェノブカルブ、プロポクサー、メトミル、またはオキサミル;
【0095】
d)ベンゾイル尿素、例えばジフルベンズロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、フルフェノキスロン、またはクロルフルアズロン;
e)有機スズ化合物、例えばシヘキサチン、フェンブタチンオキシド、またはアゾシクロチン;
f)ピラゾール、例えばテブフェンピラド及びフェンピロキシメート;
g)マクロライド、例えばアベルメクチンまたはミルベマイシン、例えばアバメクチン、安息香酸エマメクチン、イベルメクチン、ミルベマイシン、スピノサド、またはアザジラクチン;
【0096】
h)ホルモンまたはフェロモン;
i)有機塩素系化合物、例えばエンドスルファン、六塩化ベンゼン、DDT、クロロダン、またはジエルドリン;
j)アミジン、例えばクロロジメホルムまたはアミトラズ;
k)燻蒸剤、例えばクロロピクリン、ジクロロプロパン、臭化メチル、またはメタム;
l)ネオニコチノイド化合物、例えばイミダクロプリド、チアクロプリド、アセトアミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、またはチアメトキサム;
m)ジアシルヒドラジン、例えばテブフェノジド、クロマフェノジド、またはメトキシフェノジド;
【0097】
n)ジフェニルエーテル、例えばジオフェノランまたはピリプロキシフェン;
o)インドキサカルブ;
p)クロフェナピル;
q)ピメトロジン;
r)スピロテトラマート、スピロジクロフェンまたはスピロメシフェン;または
s)フルベンジアミドまたはリナキシピル。
【0098】
上記の主要な化学種の殺虫剤以外に、特定の標的を有する他の殺虫剤が、組成物の目的する用途により、組成物に適宜使用され得る。例えば特定の作物用の選択的殺虫剤、例えばイネで使用されるカミキリムシ幼虫特異的殺虫剤(例えばカルタップ)またはバッタ特異的殺虫剤(例えばブプロフェジン)が使用され得る。あるいは特定の昆虫種/段階に特異的な殺虫剤または殺ダニ剤も組成物に含めてもよい(例えば、殺ダニ卵−幼虫駆除剤、例えばクロフェンテジン、フルベンズイミン、ヘキシチアゾックス、またはテトラジホン;殺ダニ剤性運動抑制剤、例えばジコホルまたはプロパルギット;殺ダニ剤、例えばブロモプロピレートまたはクロロベンジレート;または成長調節物質、例えばヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロロフルアズロン、またはジフルベンズロン)。
【0099】
本発明の組成物に含まれ得る殺真菌性化合物の例として、(E)−N−メチル−2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−メトキシ−イミノアセトアミド(SSF−129)、4−ブロモ−2−シアノ−N,N−ジメチル−6−トリフルオロメチルベンズイミダゾール−1−スルホンアミド、α−[N−(3−クロロ−2,6−キシリル)−2−メトキシアセトアミド]−γ−ブチロラクトン、4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−p−トリルイミダゾール−1−スルホンアミド(IKF−916、シアミダゾスルファミド)、3,5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンズアミド(RH−7281、ゾキサミド)、N−アリル−4,5−ジメチル−2−トリメチルシリルチオフェン−3−カルボキサミド(MON65500)、N−(1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル)−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド(AC382042)、N−(2−メトキシ−5−ピリジル)−シクロプロパンカルボキサミド、アシベンゾラル(CGA245704)、アラニカルブ、アルジモルフ、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビロキサゾル、ビテルタノール、ブラスチシジンS、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプタホル、カプタン、カルベンダジム、カルベンダジムクロルヒドレート、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、CGA41396、CGA41397、キノメチオネート、クロロタロニル、クロロゾリネート、クロジラコン、銅含有化合物(例えばオキシ塩化銅、銅オキシキノレート、硫酸銅、銅タレート(tallate)、及びボルドー液)、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ−2−ピリジルジスルフィド、1,1’−ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコート、ジフルメトリム、チオリン酸O,O−ジ−イソ−プロピル−S−ベンジル、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモル、ジニコナゾール、ジノキャップ、ジチアノン、塩化ドデシルジメチルアンモニウム、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エチリモル、エチル−(Z)−N−ベンジル−N−([メチル(メチル−チオエチリデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)−β−アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン(RPA407213)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド(KBR2738)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルジナム、フルジオキソニル、フルメトベル、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアホル、ホルペット、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソオキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、三酢酸イミノクタジン、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(SZX0722)、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メココナゾール、メチラム、メチラム−亜鉛、メトミノストロビン、ミクロブタニル、ネオアソジン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタル−イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、フェナジンオキシド、ホセチル−Al、リン酸、フタリド、ピコキシストロビン(ZA1963)、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラツ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、ピラゾホス、ピレフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、ピロールニトリン、四級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、シプコナゾール(F−155)、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオフェネート−メチル、チラム、チミベンコナゾール、トルクロホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(CGA279202)、トリホリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、バパム、ビンクロゾリン、ジネブ、及びジラムが挙げられる。
【0100】
式(I)の化合物は、種子由来の、土壌由来の、または葉の真菌疾患から植物を防御するために、土壌、ピート(peat)、または他の発根媒体と混合されてもよい。
【0101】
組成物で使用するのに適した相乗剤の例には、ピペロニルブトキシド、セサメックス、サフロキサン、及びドデシルイミダゾールがある。
【0102】
組成物に含有させるための好適な除草剤及び植物成長調節物質は、目的とする標的及び必要な作用に依存する。
【0103】
含有され得るイネ選択的除草剤の例はプロパニルである。綿花で使用される植物成長制御剤の例はPIX(商標)である。
【0104】
いくつかの混合物は、有意に異なる物理的、化学的、または生物学的性質を有する活性成分を含み、従ってこれらは、同じ従来の製剤タイプに容易にすることができない。このような状況において、他の製剤タイプが製造され得る。例えば1つの活性成分が水不溶性固体で他が水不溶性液体である場合でも、固体活性成分を懸濁物として分散させる(SCと同様の調製法を使用して)が、液体活性成分はエマルジョンとして分散させる(EWと同様の調製法を使用して)ことにより、同じ連続的水性相に各活性成分を分散することができる。生成する組成物はサスポエマルジョン(SE)製剤である。
【0105】
以下の例は本発明を例示するが、決してこれを限定するものではない。
【0106】
調製例
実施例I1:4−ブロモ−3−メチル−ベンズアルデヒドの調製
【化8】

【0107】
4−ブロモ−3−メチル−ベンゾニトリル(500mg)のジクロロメタン溶液を、0℃にて、水素化ジイソブチルアルミニウム(「DIBAL−H」)のヘキサン(1M)(2.6ml)溶液に添加した。反応混合物を0℃にて2時間、攪拌した。反応混合物を、氷(10g)及び臭化水素酸(6M)(10ml)の混合物に注いだ。混合物を室温まで温め、次いで、ジクロロメタンで2回抽出した。混合した有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、無色の油として、4−ブロモ−3−メチル−ベンズアルデヒド(0.419g)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):9.95(s,1H)、7.72(m,2H)、7.55(d,1H)、2.50(s,3H)ppm。
【0108】
実施例I2:4−ブロモ−3−メチル−ベンズアルデヒドオキシムの調製
【化9】

【0109】
4−ブロモ−3−メチル−ベンズアルデヒド(4.3g)(実施例I1)のエタノール(50ml)溶液に、室温にて、ヒドロキシルアミンヒドロクロライド(1.75g)、酢酸ナトリウム(2.07g)、及び水(15ml)を添加した。反応混合物を室温にて3時間、攪拌した。反応混合物を、濃縮して、残渣を、酢酸エチルと水酸化ナトリウム水溶液(2M)との間で分配した。相を分離して、有機相を塩水(brine)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、シルカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチル 4:1)で精製して、白色の固体として、4−ブロモ−3−メチル−ベンズアルデヒドオキシム(3.65g)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):8.05(s,1H)、7.50(m,2H)、7.25(d,1H)、2.40(s,3H)ppm。
【0110】
実施例I3:3−(4−ブロモ−3−メチル−フェニル)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソオキサゾールの調製
【化10】

【0111】
4−ブロモ−3−メチル−ベンズアルデヒドオキシム(1.3g)(実施例I2)及びN−クロロ−サクシンイミド(「NCS」)(1.8g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(15ml)に溶解させた。反応混合物を、室温にて90分間、攪拌した。1,3−ジクロロ−5−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−ベンゼン(1.3g)(WO2005/085216によって調整した)及びトリエチルアミン(1.9ml)のN,N−ジメチルホルムアミド(15ml)溶液を上記反応混合物に添加し、室温にて18時間、攪拌した。反応混合物を、水及び酢酸エチルで希釈し、相を分離した。有機相を、水で2回洗浄し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。混合された有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、シルカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/ジクロロメタン 4:1)で精製して、3−(4−ブロモ−3−メチル−フェニル)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソオキサゾール(1.57g)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):7.40(m,6H)、4.05(d,1H)、3.65(d,1H)、2.40(s,3H)ppm.
【0112】
実施例I4:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソオキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾニトリルの調製
【化11】

【0113】
3−(4−ブロモ−3−メチル−フェニル)−5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソオキサゾール(3.0g)(実施例I4)のN,N−ジメチルホルムアミド(80ml)溶液に、シアン化亜鉛(II)(0.47g)を、室温にて添加した。アルゴンの雰囲気下で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.46g)を添加した。混合物を、27時間、115℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却して、トルエンで希釈し、水酸化アンモニウム水溶液(1M)で洗浄し、次いで塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、シルカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチル 4:1)で精製して、白色の固体として、4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソオキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾニトリル(2.26g)を得た。1H−NMR(CDCl3,400MHz):7.65(t,2H)、7.57(d,1H)、7.5(s,1H)、7.42(m,2H)、4.08(d,1H)、3.7(d,1H)、2.58(s,3H)ppm。
【0114】
実施例P1:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソオキサゾール−3−イル]−N−ヒドロキシ−2−メチル−べンズアミジン(表Aの化合物番号.A1)の調製
【化12】

【0115】
ヒドロキシアミンヒドロクロライド(0.27g)を、4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソオキサゾール−3−イル]−2−メチル−ベンゾニトリル(1.1g)(実施例I4)及びトリエチルアミン(0.65ml)のエタノール(30ml)溶液に添加した。反応混合物を、20時間、85℃に加熱した。反応混合物を、さらにヒドロキシルアミンヒドロクロライド(0.078g)を添加する前に、室温に冷却した。反応混合物を、再び、3時間、85℃に加熱した。反応混合物を、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、シルカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1)で精製して、白色の固体として、表Aの化合物番号.A1(0.84g)を得た。
【0116】
実施例P2:4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキオサゾール−3−イル]−2−メチル−N−プロパ−2−イニルオキシ−べンズアミジン(表Aの化合物番号.A1)の調製
【化13】

【0117】
炭酸セシウム(0.122g)を、4−[5−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソオキサゾール−3−イル]−N−ヒドロキシ−2−メチル−べンズアミジン(0.1g)(実施例P1)のN,N−ジメチルホルムアミド(8ml)溶液に添加した。臭化プロパルギル(トルエン中に80%w/v)(0.028ml)を添加した。反応混合物を室温にて20時間、攪拌した。反応混合物を、水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。混合した有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、分取HPLCによって精製して、黄色の油として、表Aの化合物番号.A2(0.054g)を得た。
【0118】
次の化合物を、同じ手順を用いて調製した:
【0119】
表Aの化合物番号.A5−A9、A13、A16−A17、A19−A26、及びA28を、同じ反応条件を使用してアルキル化剤として対応するブロモ化合物を用いて作成した。
【0120】
表Aの化合物番号.A10−A12、A14−A15、及びA29−A34を、同じ反応条件を使用してアルキル化剤として対応するクロロ化合物を用いて作成した。
【0121】
表Aの化合物番号.A3−A4、A18、及びA27を、同じ反応条件を使用してアルキル化剤として対応するヨード化合物を用いて作成した。
【0122】
次の方法(方法A及び方法B)を、HPLC−MS分析に用いた:
【0123】
次のHPLC勾配条件(溶媒A:0.05%のギ酸の水溶液、及び溶媒B:0.04%のギ酸のアセトニトリル/メタノール溶液)を用いた方法A(Agilent 1100LC)
【0124】
【表3】

カラムの種類:Phenomenex Gemini C18;カラム長さ30mm;カラムの内径3mm;粒子サイズ3マイクロメートル;温度60℃。
【0125】
以下のHPLC勾配条件(溶媒A:0.1%のギ酸の水溶液、及び溶媒B:0.1%のギ酸のアセトニトリル溶液)を用いた方法B(Water Alliance 1100シリーズ)
【0126】
【表4】

カラムの種類:Waters Atlantis dc18;カラム長さ20mm;カラムの内径3mm;粒子サイズ3マイクロメートル;温度40℃。
【0127】
各化合物について得られた特性値は、表Aに列記したように、保持時間(分で記録した「RT」)、及び分子イオン、概して陽イオンMH+である。使用したHPLC−MS法を、括弧で示した。
【0128】
表A:式(Ib)の化合物:
【化14】

【0129】
【表5】

【0130】
【表6】

【0131】
【表7】

【0132】
生物学的例
本例は、式(I)の化合物の殺虫性/殺昆虫性を例示する。
試験は以下のように行った:
【0133】
スポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis)(エジプトヤガ幼虫):
綿の葉のディスクを24ウェルマイクロタイタープレート中の寒天上に置き、200ppmの添加率で試験溶液を噴霧した。乾燥後、葉ディスクを5つのL1幼虫で感染させた。処理の3日後(DAT)、試料を、死滅率、摂食行動、及び成長調節についてチェックした。
【0134】
以下の化合物はスポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis)の少なくとも80%の抑制を与えた:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A16、A21、A23、A25、A27、A29、A31、A34。
【0135】
ヘリオティス・ビレセンス(Heliothis virescens)(ニセアメリカタバコガ):
卵(0〜24時間齢)を24ウェルマイクロタイタープレート中の人工食上に置き、ピペット操作により200ppm(ウェル中の濃度18ppm)の添加率で試験溶液で処理した。4日間のインキュベーション期間後、試料を卵の死滅率、幼虫の死滅率、及び成長調節についてチェックした。
【0136】
以下の化合物はヘリオティス・ビレセンス(Heliothis virescens)の少なくとも80%の抑制を与えた:A1、A2、A3、A8、A9、A11、A16、A21、A31、A34。
【0137】
プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(コナガ):
人工食を有する24ウェルマイクロタイタープレート(MTP)を、ピペット操作により200ppm(ウェル中の濃度18ppm)の添加率で試験溶液で処理した。乾燥後、MTPをL2幼虫で感染させた(7〜12/ウェル)。6日間のインキュベーション期間後、試料を、幼虫の死滅率、及び成長調節についてチェックした。
【0138】
以下の化合物はプルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)の少なくとも80%の抑制を与えた:A1、A2、A3、A4、A6、A6、A7、A7、A8、A9、A11、A12、A15、A16、A17、A18、A20、A21、A22、A23、A25、A29、A31、A34。
【0139】
ディアブロチカ・バルテアータ(Diabrotica balteata)(コーンルートワーム):
人工食を有する24ウェルマイクロタイタープレート(MTP)を、ピペット操作により200ppm(ウェル中の濃度18ppm)の添加率で試験溶液で処理した。乾燥後、MTPをL2幼虫で感染させた(6〜10/ウェル)。5日間のインキュベーション期間後、試料を、幼虫の死滅率、及び成長調節についてチェックした。
【0140】
以下の化合物はディアブロチカ・バルテアータ(Diabrotica balteata)の少なくとも80%の抑制を与えた:A1、A2、A3、A4、A6、A7、A8、A9、A11、A15、A16、A17、A21、A23、A25、A27、A30、A34。
【0141】
スリプス・タバシ(Thrips tabaci)(オニオン・スリップス):
ヒマワリ葉ディスクを、24ウェル・マイクロタイタープレート内の寒天上に置き、200ppmの添加率で試験溶液を噴霧した。乾燥後、葉ディスクに、入り混じった齢数のアブラムシ個体群を感染させた。7日間のインキュベーション期間の後に、試料を、死滅率に関してチェックした。
【0142】
以下の化合物はスリプス・タバシ(Thrips tabaci)の少なくとも80%の抑制を与えた:A1、A2、A3、A4、A8、A25。
【0143】
テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ):
24ウェル・マイクロタイタープレート内の寒天上に豆葉ディスクに、200ppmの添加率で試験溶液を噴霧した。乾燥後、葉ディスクに、入り混じった齢数のダニ個体群を感染させた。8日後に、ディスクを、卵の死滅率、幼虫の死滅率、及び成虫の死滅率についてチェックした。
【0144】
以下の化合物はテトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)の少なくとも80%の抑制を与えた:A2、A8。
【0145】
表Aの化合物番号.A13、A14、A19、A24、A26、A28、A32、及びA33について、同じ手順を用いて試験を行い、その試験条件下にて試験生物に対してほとんど被害を示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
1、A2、A3、及びA4は、独立して互いにC−H、C−R5、または窒素であり;
1は−(D)m−(E)n−(D)p−R6であり;
各Dは独立してC1−C6アルキレンであり;
Eは、−O−、−(CO)−、または−(CO)NH−であり;
m、n、及びpは独立して0または1であり、ただしnが0のときpは1ではなく、nが1のときmは0ではなく;
2は、水素、C1−C8アルキル、C1−C8アルキルカルボニル−、またはC1−C8アルコキシカルボニル−であり;
3はC1−C8ハロアルキルであり;
4は、アリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールであり、またはR4は、ヘテロシクリル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたヘテロシクリルであり;
各R5は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、またはC1−C8アルコキシカルボニル−であり;並びに
6は水素、または
6は、C1−C8アルキル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC1−C8アルキルであり、または
6は、C2−C8アルケニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC2−C8アルケニルであり、または
6は、C2−C8アルキニル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたC2−C8アルキニルであり、または
6は、C3−C8シクロアルキルまたはC3−C8ハロシクロアルキルであり、または
6は、アリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールであり、または
6は、ヘテロシクリル、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、若しくはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたヘテロシクリルであり; またはそれらの塩若しくはN−オキシドである)
の化合物。
【請求項2】
1が、C−HまたはC−R5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2が、C−HまたはC−R5である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
3が、C−HまたはC−R5である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
4が、C−HまたはC−R5である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
1が、R6−、R6−C1−C6アルキル−、R6−オキシ−C1−C6アルキル−、R6−カルボニル−C1−C6アルキル−、R6−アミノカルボニル−C1−C6アルキル−、またはR6−C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル−である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
各Dが、独立して、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH(Me)−、または−CH2−CH2−CH2−である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Eが、−O−または−(CO)−である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
2が、水素、メチル、エチル、メチルカルボニル−、またはメトキシカルボニル−である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
3がクロロジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
4が、アリール、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8ハロアルコキシ、またはC1−C8アルコキシカルボニル−から独立して選択される1〜3つの置換基によって置換されたアリールである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
各R5が、独立して、ブロモ、クロロ、フルオロ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、またはメトキシカルボニル−である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
昆虫、ダニ、線虫、または軟体類を駆除及び抑制する方法であって、害虫に、害虫の存在場所に、または害虫による攻撃にさらされ易い植物に、殺昆虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的に、または殺軟体類的に有効な量の、請求項1〜12のいずれか一項に規定される式(I)の化合物を適用すること含む方法。
【請求項14】
殺昆虫的に、殺ダニ的に、殺線虫的に、または殺軟体類的に有効な量の、請求項1〜12のいずれか一項に規定される式(I)の化合物を含む殺昆虫用、殺ダニ用、殺線虫用、または殺軟体類用の組成物。

【公表番号】特表2011−500614(P2011−500614A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529280(P2010−529280)
【出願日】平成20年10月13日(2008.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008644
【国際公開番号】WO2009/049846
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】