説明

毛髪・頭皮洗浄剤、経皮吸収促進剤及び経皮吸収促進方法

【課題】 優れた泡立ち、洗浄力及び殺菌力を有すると共に、その後に使用する育毛剤中の育毛有効成分の経皮吸収を促進する毛髪・頭皮洗浄剤、及び育毛有効成分の経皮吸収促進方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 (A)アニオン界面活性剤、(B)経皮吸収促進物質、及び(C)殺菌成分を含有する毛髪・頭皮洗浄剤、経皮吸収促進剤及び育毛剤有効成分を含む育毛剤使用前に、前記毛髪・頭皮洗浄剤組成物で頭皮を洗浄することを特徴とする育毛剤有効成分の経皮吸収促進方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた泡立ち、洗浄力及び殺菌力を有すると共に、その後に使用する育毛有効成分の経皮吸収を促進する毛髪・頭皮洗浄剤、経皮吸収促進剤及び育毛有効成分の経皮吸収促進方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脱毛や薄毛等頭髪に悩む人々は年々増加しており、現代のストレス社会においては脱毛症の若年化が進んでおり、より高い育毛効果が期待されている。例えば、皮膚の老化防止効果及び頭皮に外用することによる細胞の賦活化を目的としたものとして、6−ベンジルアミノプリン(6−ベンジルアデニン)及びその誘導体を用いた育毛剤(特許文献1:特開平05−320028号公報参照)、皮膚化粧料(特許文献2:特開平07−233037号公報参照)が提案されている。また、生体の細胞組織に対する賦活化作用による老化防止を目的として、コレウス・フォルスコリィの抽出物を用いた養育毛剤(特許文献3:特開平08−176005号公報、特許文献4:特開平09−157138号公報参照)が提案されている。
【0003】
このように、育毛剤分野においては、より効果の高い新規育毛有効成分の開発が行われているが、新規育毛有効成分の開発には多大な開発費と長期の開発期間が必要となり、先に紹介した育毛有効成分の効果をさらに上回る有効成分の探索は困難であった。以上のことから、簡便に既存の育毛有効成分の効果を向上できる技術が望まれていた。なお、本発明に関連する先行技術文献としては下記が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開平05−320028号公報
【特許文献2】特開平07−233037号公報
【特許文献3】特開平08−176005号公報
【特許文献4】特開平09−157138号公報
【特許文献5】特開2003−327510号公報
【特許文献6】特開2002−284627号公報
【特許文献7】特開平09−110652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、優れた泡立ち、洗浄力及び殺菌力を有すると共に、その後に使用する育毛剤中の育毛有効成分の経皮吸収を促進する毛髪・頭皮洗浄剤、経皮吸収促進剤及び育毛有効成分の経皮吸収促進方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、既存の育毛有効成分の効率を上げることに着目し、低コストかつ消費者が煩雑に感じない方法で、育毛剤中に配合される公知の育毛有効成分の経皮吸収を促進することにより、新規の有効成分を開発することなく育毛効果を向上させられるのではないかと考えた。その結果、(A)アニオン界面活性剤を含有する毛髪・頭皮洗浄剤に、特定の(B)経皮吸収促進物質を配合することにより、その後に使用する育毛剤中の育毛有効成分の経皮吸収が促進することを見出した。さらに、(C)殺菌成分を配合することにより、脱毛の一因である頭皮のかゆみやフケ、炎症を引き起こす微生物の繁殖を抑え、育毛有効成分の効果をさらに高めることを知見し、本発明を完成するに至った。このように、毛髪・頭皮洗浄剤のみで育毛有効成分の経皮吸収を促進することができ、優れた泡立ち及び洗浄力と共に、簡便に育毛有効成分の効果を向上できる。
【0007】
従って、本発明は、(A)アニオン界面活性剤、(B)経皮吸収促進物質、及び(C)殺菌成分を含有する毛髪・頭皮洗浄剤及び経皮吸収促進剤、ならびに育毛剤有効成分を含む育毛剤使用前に、前記毛髪・頭皮洗浄剤組成物で頭皮を洗浄することを特徴とする育毛剤有効成分の経皮吸収促進方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れた泡立ち、洗浄力及び殺菌力を有すると共に、その後に使用する育毛剤に含まれる育毛有効成分の経皮吸収を促進する毛髪・頭皮洗浄剤、経皮吸収促進剤、及び育毛有効成分の経皮吸収促進方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の(A)成分はアニオン界面活性剤であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。アニオン界面活性剤は、頭皮の余分な皮脂を取り除き、さらに(B)経皮吸収促進物質の働きを助ける。また、(A)アニオン界面活性剤の起泡力や洗浄剤により、育毛有効成分を含む育毛剤のプレケア剤として、洗髪後にひと手間かけることなく、育毛剤の効果を向上させることが可能になる。
【0010】
(A)アニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩等が挙げられる。この中でもポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩中のアルキル基としては、例えばオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基が好ましい。またアルキレン部分は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等が挙げられ、特にポリオキシエチレンが好ましい。また、好ましいポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩中の総平均付加モル数の範囲は2〜4である。これらの対イオンとしては、例えば、ナトリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0011】
(A)アニオン界面活性剤は、毛髪・頭皮洗浄剤中好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%配合される。5質量%未満では、余分な皮脂の除去効果が低くなり、起泡力が不充分となる場合があり、50質量%を超えると毛髪・頭皮洗浄剤の粘度が増加して容器から取り出し難くなったり、毛髪・頭皮洗浄剤の安定性が悪化する場合がある。
【0012】
本発明の(B)成分は経皮吸収促進物質であり、育毛有効成分の経皮吸収性を向上させる成分であれば特に限定されない。(B)経皮吸収促進物質としては、毛髪・頭皮洗浄剤としての機能を損なわずに経皮吸収性を挙げる成分として、常温で液体のポリアルキレングリコール、カチオン界面活性剤、アミンオキシド等が挙げられ、それぞれ1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0013】
常温で液体のポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられ、ポリエチレングリコールが好ましい。また、常温で液体の状態を取るポリエチレングリコールとは、その軟化点が25℃以下のものを示し、具体的には重量平均分子量が200で(−65〜−50℃)、重量平均分子量が300で(−15〜−10℃)、重量平均分子量400(−6〜8℃)、重量平均分子量600(17〜22℃)である。
【0014】
軟化点とは、低温で低い無定形質の塑性流動速度と応力の比が、温度の上昇とともにある比較的狭い温度範囲を過ぎると顕著な流動性を持ったやわらかい状態になる温度である。実質的には粘性率が1010〜1011Pa・sになる温度で、1〜10s程度の時間のうちに流動が認められる状態である。すなわち、低温で無定形質である粘性率の高いポリエチレングリコールを徐々に加温し、やわらかくなる温度であり、軟化点が25℃以下であれば、常温で液体であると定義する。加熱する温度上昇速度にもよるが、ぺースト状が急激に軟化する温度であるので、軟化点では全体が液体になっておらず、液体と無定形質が分散されたような状態の場合があるが、常温で液体のアルキレングリコールは、いったん液体になったものが25℃において液体状態を保っていることを示している。
【0015】
軟化点の測定方法は軟化状態になる温度を測定できれば特に規定されないが、たとえば軟化点測定用ユニットを備えた熱測定装置(メトラートレド社製、FP900サーモシステム)等を用い、炉の温度を上昇させたときにペースト状サンプルから油滴が滴下する温度を光学的に測定できる方法が好ましい。
【0016】
使用するポリエチレングリコールに特に制限は無いが、より具体的にはポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600が使用でき、その中でもポリエチレングリコール300が好ましい。重量平均分子量が200より小さいと、皮膚に刺激があり、600を超えると経皮吸収性が低下する場合がある。
【0017】
なお、ポリエチレングリコールの重量平均分子量の測定は、化粧品原料基準のポリエチレングリコール200等の平均分子量試験を使用することにより測定できる。すなわち、無水フタル酸42gをとり、新たに蒸留したピリジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した共せんビンに加え、強く振り混ぜて溶かした後、16時間以上放置する。この液25mLを正確に量り、約200mLの耐圧共せんびんにいれ、これにポリエチレングリコール約0.8gを精密に量って加え、密せんし、98℃±2℃に加熱した水浴中に入れる。98℃±2℃で30分間保った後、水浴からびんをとりだし、室温になるまで空気中に放置する。次に0.5N水酸化ナトリウム液50mLを正確に加え、この液につき、0.5N水酸化ナトリウム液で滴定する。このときの指示薬はフェノールフタレイン・ピリジン溶液(1→100)を5滴用いる。ただし、滴定の終点は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときとする。同様の方法で空試験をする。下記式より重量平均分子量を算出する。
【0018】
【数1】

a:空試験における0.5N水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
b:試料の試験における0.5N水酸化ナトリウム液の消費量(mL)
【0019】
カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミン、下記一般式(1)で表されるその4級アンモニウム塩が挙げられる。
【化1】


(式中、R1は炭素数8〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R3は炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基、R4は炭素数1〜6のアルキル基、又は水素原子を示す。X-はCl-、Br-、I-、CH3OSO3-、又はC25OSO3-を示す。)
対イオンとしては4級アンモニウム塩の場合には、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メチル硫酸イオン等が挙げられる。また脂肪族アミンとしては塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0020】
この中でも、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等が好ましく、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等の塩化アルキルトリメチルアンモニウムがより好ましい。
【0021】
アミンオキシドとしては、下記一般式(2)で表されるアミンオキシドが挙げられる。
【化2】

[式中、R5は炭素数8〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は下記構造式(3)
【化3】

(式中、R8は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、qは1〜3の整数を示す。)
で表される一価置換基を示す。pは0又は5以下の整数を示す。]
【0022】
この中でも、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシ油ジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシアミンオキシド、ポリオキシエチレンラウリルジメチルアミンオキシド(p=3:酸化エチレンの平均付加モル数3モル)等が好ましい。
【0023】
(B)経皮吸収促進物質としては、常温で液体のポリアルキレングリコール、カチオン界面活性剤及びアミンオキシドを、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。(B)経皮吸収促進物質としては、(B1)常温で液体のポリアルキレングリコールと、(B2)上記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤又は上記一般式(2)で表されるアミンオキシドのどちらか一方、又は両方とを併用することにより、毛髪・頭皮洗浄剤としての高い性能を得るとともに、育毛有効成分の経皮吸収が向上する。好ましい組み合わせとしては、常温で液体のポリアルキレングリコールと上記一般式(2)で表されるアミンオキシドとの組み合わせである。
【0024】
常温で液体のポリアルキレングリコールを配合する場合、好ましくは毛髪・頭皮洗浄剤中0.1〜30質量%、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは2〜10質量%配合される。常温で液体のポリアルキレングリコールの量が少なすぎると、育毛有効成分の十分な経皮吸収促進効果が得られない場合があり、多すぎると毛髪・頭皮洗浄剤の安定性が悪くなる場合がある。
【0025】
カチオン界面活性剤及び/又はアミンオキシドを配合する場合、好ましくは毛髪・頭皮洗浄剤中好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.3〜2質量%である。0.05質量%より少ないと、育毛有効成分の十分な経皮吸収促進効果が得られない場合があり、10質量%を超えるとべたつき等の感触の低下が起こる場合がある。なお、配合量はカチオン界面活性剤とアミンオキシドとを併用した場合は、その合計量である。
【0026】
本発明の(C)成分は殺菌成分である。殺菌成分を用いることにより、頭皮の雑菌の繁殖をおさえ、炎症やフケを抑制することにより頭皮を清潔に保ち、より育毛有効成分の効果を高めることができる。殺菌成分は、頭皮の雑菌を殺菌又は活動を抑制することができれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0027】
(C)殺菌成分としては、下記一般式(4)で表される芳香族カルボン酸及び/又はその塩が、殺菌力が良好であり、皮膚への刺激が少ない点で好適に使用される。
【化4】

(式中、R9、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基、水酸基又は水素原子を示し、Aはカルボキシル基又はその塩を示す。)
【0028】
この中でも、安息香酸塩が好ましく、さらに好ましくは安息香酸ナトリウムである。安息香酸塩は安息香酸塩として添加しても、安息香酸を添加し組成中でアルカリ剤を別に添加し、安息香酸塩として用いてもよい。一方、Aのカルボキシル基がエステルとなった殺菌剤(たとえばパラオキシ安息香酸エステル)等は、皮膚への刺激が強い点で好ましくなく、カチオン性の殺菌剤は(A)アニオン界面活性剤と複合体を形成し殺菌力を発揮しにくい場合がある。
【0029】
(C)殺菌成分は、安全性上問題のない範囲で使用できるが、毛髪・頭皮洗浄剤中好ましくは0.1〜1質量%配合される。0.1質量%未満では育毛有効成分の十分な経皮吸収促進効果が得られない場合があり、1質量%を超えると皮膚への刺激等を生じる場合がある。
【0030】
本発明の毛髪・頭皮洗浄剤には、上記成分以外に(D)カチオン性高分子化合物、(E)シリコーン化合物、上記以外の(F)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を配合することが好ましい。
【0031】
(D)カチオン性高分子化合物を配合することにより、すすぎ時の引っ掛かりを軽減して抜け毛を減らすことができる。上記組成の毛髪・頭皮洗浄剤に、溶存状態で存在するカチオン性高分子化合物としては、例えば塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドの共重合体、カチオン化セルロース、4級化グアーガム誘導体等が好適なものとして挙げられる。これらの中でも、より好適なものとしては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドの共重合体等が挙げられる。(D)カチオン性高分子化合物の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、通常、3万〜100万程度が好適である。
【0032】
(D)カチオン性高分子化合物として、より具体的には、例えば米国Calgon(カルゴン)社から入手可能であるMerquat(登録商標)(マーコート)100、Merquat2200、Merquat550、MerquatS、ライオン(株)から入手可能であるカチオン化セルロース(レオガード(登録商標)GP、レオガードKGP、レオガードMGP)、ローディア社から入手可能であるカチオン化グァーガム(ジャガー(登録商標)C−13S、ジャガーC−14S、ジャガーC−17S、ジャガーC−210、ジャガーC−1620)等が挙げられる。これらカチオン性高分子化合物は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0033】
(D)カチオン性高分子化合物の配合量は、特に限定されず、通常、毛髪・頭皮洗浄剤中0.1〜1.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜0.8質量%である。0.1質量%未満では、良好なすすぎ性、泡質、泡量が得られない場合があり、1.0質量%を超えると乾燥後の仕上がり感が低下する場合がある。
【0034】
(E)シリコーン化合物を配合することにより、乾燥後の毛髪のなめらかさを付与してくしどおりを良くし、抜け毛を防ぐことができる。シリコーン化合物としては、その種類が特に制限されるものではなく、通常、毛髪・頭皮洗浄剤に使用されているものを用いることが可能である。例えば、ジメチルポリシロキサン(高重合ジメチルポリシロキサン、シリコーンゴムを含む)、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、べタイン変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらの中でも、乾燥後の髪の感触がより良好である点から、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンが好ましい。
【0035】
また、前記シリコーン化合物としては、オイルだけでなく、前記シリコーン化合物を界面活性剤により乳化し、エマルション化したものも使用することができる。なお、このようなエマルションは、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、種々使用することができる。さらに、ジメチルポリシロキサンは、25℃における動粘度が100万mm2/s以上の高分子量シリコーン化合物と、25℃における動粘度が1万mm2/s以下の低粘度シリコーン化合物との混合物が好ましい。前記高分子量シリコーン化合物と、前記低粘度シリコーン化合物との配合質量比(高分子量シリコーン化合物/低粘度シリコーン化合物)は、1/99〜60/40の範囲が好ましく、5/95〜40/60の範囲がより好ましい。
【0036】
(E)シリコーン化合物の配合量は、毛髪・頭皮洗浄剤中0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。0.01質量%未満ではすすぎ時や乾燥後の髪の感触を向上させる効果が不充分であり、10質量%を超えると乾燥後の髪にべたつきを生じ、髪の感触が悪化したりする可能性がある。
【0037】
上記以外の(F)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を配合することにより、頭皮に対する刺激作用を緩和化して頭皮の荒れを起こし難くする働きを有し、かつ泡立ちを増強し、毛髪洗浄剤としての性能を向上させることができる。(F)非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤としては、下記一般式(5)〜(11)で表されるものが挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【化5】

(式中、R12は炭素数8〜32のアルキル基又はアルケニル基、平均重合度mは3〜20を示す。)
【化6】

(式中、R12は上記と同じ、R13及びR14はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基、平均重合度nは1〜20、平均重合度lは0〜20を示す。)
【化7】

(式中、R12は上記と同じ、R15及びR16はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はフェニル基、Bは水酸基又は水素原子を示す。)
【化8】

(式中、R12、R15及びR16は上記と同じ。)
【化9】

(式中、R12、R15及びR16は上記と同じ。)
【化10】

(式中、R12は上記と同じ。平均重合度rは1〜20を示す。)
【化11】


(式中、R13は上記と同じ。R17は炭素数3〜18のアルキレン基又はアルケニレン基、R18は炭素数3〜12のアルキル基又はアルケニル基を示す。平均重合度s、t及びuはそれぞれ0〜40であり、かつsとtとuとの合計が5〜100である。)
【0038】
(F)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の配合量は、毛髪・頭皮洗浄剤中0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜7質量%である。0.1質量%未満では、これらを配合する前記効果が十分得られない場合があり、10質量%を超えると毛髪・頭皮洗浄剤の粘度が著しく増加又は減少したり、溶液安定性が悪化したりする可能性がある。
【0039】
本発明の毛髪・頭皮洗浄剤の25℃でのpHは3.0〜6.0の範囲である。この範囲にあることにより、使用感及び溶液安定性に優れる。pH調整剤として、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、塩酸等の酸やトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、水酸化カリウム等のアルカリが任意に配合することができる。これらのうち、特に好ましいものは酸ではグリコール酸、クエン酸であり、アルカリではトリエタノールアミンである。
【0040】
本発明の毛髪・頭皮洗浄剤には、前記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、水をはじめ通常の毛髪・頭皮洗浄剤に用いられる成分を配合することができ、例えば可溶化剤として、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、(B)成分以外のポリエチレングリコール等の多価アルコール類等、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、クエン酸、EDTA等のキレート剤、ジイソステアリン酸エチレングリコールや魚鱗、雲母片等の乳白化剤、色素、防腐・防黴剤等を、必要に応じて適量配合することができる。
【0041】
本発明の毛髪・頭皮洗浄剤は、香料又香料組成物を含んでいてもよく、使用される香料、香料組成物は、特開2003−300811号公報の段落[0021]〜[0035]に記載した香料成分、さらに段落[0050]に記載した香料用溶剤等が挙げられる。前記香料用溶剤の使用量は、香料組成物中に0.1〜99質量%配合できるが、好ましくは1〜50質量%である。また、香料安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられ、好ましい安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。これら安定化剤は、香料組成物中に0.0001〜10質量%配合できるが、好ましくは、0.001〜5質量%である。
なお、本発明に用いられる香料組成物とは、前記の香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物である。前記香料組成物は、毛髪・頭皮洗浄剤全量に対して、好ましくは0.005〜40質量%、より好ましくは0.01〜10質量%配合される。
【0042】
本発明の毛髪・頭皮洗浄剤は、通常の方法に従って、各成分を混合撹拌することにより製造される。この際、(A)成分は予め精製水やエタノール等に希釈された濃度20〜70質量%のアニオン界面活性剤水溶液を使用すると、容易に製造できる。また、(B)成分、(C)成分及びそのほかの成分は、水溶性のものはそのまま添加しても水溶液にして添加してもよいし、油溶性のものは香料等に溶解又は分散してもよい。
【0043】
本発明の毛髪・頭皮洗浄剤は、優れた泡立ち、洗浄力及び殺菌力を有すると共に、その後に使用する育毛剤に含まれる育毛有効成分の経皮吸収を促進することから、育毛剤有効成分を含む育毛剤使用前に適用される前記育毛剤有効成分の経皮吸収促進用毛髪・頭皮洗浄剤、育毛剤有効成分を含む育毛剤投与前に毛髪・頭皮に適用され、前記育毛剤有効成分の経皮吸収を促進する経皮吸収促進剤であって、上記(A)、(B)及び(C)成分の混合物からなる経皮吸収促進剤として好適である。また、育毛有効成分を含む育毛剤使用前に、この毛髪・頭皮洗浄剤で頭皮を適用(洗浄)することにより、育毛剤有効成分の経皮吸収促進することができ、育毛剤有効成分を含む育毛剤のプレケア剤として用いることが好ましい。毛髪・頭皮洗浄剤で頭皮を適用(洗浄)後、育毛有効成分を含む育毛剤使用のタイミングとしては特に限定されないが、タオルドライ後〜3時間ぐらいまでが好ましい。タオルドライの前では、育毛剤が毛髪中に含まれる水分により希釈され、育毛効果が低下する可能性があり、洗髪後3時間以上では頭皮の余分な皮脂が多くなり経皮吸収効果が低下する可能性がある。
【0044】
育毛有効成分としては、β−グリチルレチン酸、セファランチン、センブリエキス、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、ビオチン、アラントイン、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、トランス−3,4’−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン、アデノシン、ミノキシジル、ペンタデカン酸グリセリド、6−ベンジルアミノプリン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、D−パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、感光素301、カンフル、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、モノニトログアヤコール、γ−アミノ酪酸、アロエ抽出物、イチョウ抽出物、オウゴン抽出物、オーキシン、オトギリソウ抽出物、海藻抽出物、カンタリスチンキ、クララエキス、ウシヘマチン、ショウキョウチンキ、デュークエキス、トウキンセンカ抽出物、冬虫夏草抽出物、ヒドロコルチゾン、及びプラセンタ抽出物等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの有効成分は、本願発明の毛髪・頭皮洗浄剤とを組み合わせて使用することにより、経皮吸収が促進され、育毛効果の向上が期待できる。
【0045】
これらの有効成分の作用としては、抗炎症作用、抹消血管拡張及び/又は血流促進作用、細胞賦活作用、皮脂分泌抑制作用、毛母細胞への栄養補給作用が挙げられる。抗炎症作用を持つものとしてはβ−グリチルレチン酸、塩酸ピリドキシン、ヒドロコルチゾンが挙げられる。抹消血管拡張及び/又は血流促進作用を持つものとしては、セファランチン、ヨウ化ニンニクエキス、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、塩化カプロニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、カンフル、ミノキシジル、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、モノニトログアヤコール、γ−アミノ酪酸が挙げられる。細胞賦活作用を持つものとしては、ヒノキチオール、ビオチン、アラントイン、トランス−3,4’−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン、アデノシン、6−ベンジルアミノプリン、感光素301が挙げられる。毛母細胞への栄養補給作用のあるものとして、ペンタデカン酸グリセリド、ニコチン酸アミド、ニコチン酸が挙げられる。皮脂分泌抑制作用を持つものとしては、エストラジオール、エチニルエストラジオールが挙げられる。また、育毛効果が報告されている有効成分として、植物抽出物である、センブリエキス、アロエ抽出物、イチョウ抽出物、オウゴン抽出物、オーキシン、オトギリソウ抽出物、海藻抽出物、カンタリスチンキ、クララエキス、ショウキョウチンキ、デュークエキス、トウキンセンカ抽出物、冬虫夏草抽出物、動物由来抽出物である、ウシヘマチン、プラセンタ抽出物、ビタミン類である、D−パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテルが挙げられる。
【0046】
この中でも、経皮吸収により育毛効果の向上が高まる好ましい有効成分としては、抹消血管拡張及び/又は血流促進作用、細胞賦活作用、皮脂分泌抑制作用、毛母細胞への栄養補給作用をもつ有効成分及びビタミン類であり、さらに好ましくは、抹消血管拡張及び/又は血流促進作用、細胞賦活作用、毛母細胞への栄養補給作用をもつ有効成分を持つもので、特に、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、塩化カプロニウム、ミノキシジル、アデノシン、6−ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリド、D−パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコールが好ましい。
【0047】
育毛剤には、育毛有効成分以外に育毛剤に通常含まれる成分が配合されていてもよい。育毛有効成分を含む育毛剤は、市販又は公知の育毛剤であってもよく、使用する育毛剤の剤系に特に限定はないが、液剤、トニック剤、スプレー剤、シャワー剤、クリーム状、ムース状、液剤を含浸したシート状等が挙げられる。
【実施例】
【0048】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、各例中の%はいずれも質量%であり、各成分の純分換算値(AI)である。
【0049】
[調製例]
ポリオキシエチレンアルキル(C12,13)エーテル硫酸ナトリウム(2EO)調製
4Lのオートクレーブ中にラウリルアルコール400g及びAl/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒0.4gを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながらエチレンオキサイド54gを導入し、反応物を得た。次に、このようにして得たアルコールエトキシレート274gを撹拌装置付きの500mLフラスコにとり、窒素置換後液体の無水硫酸(サルファン)81gを反応温度40℃を保ちながらゆっくり滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレン(C12,13)エーテル硫酸ナトリウム(2EO)を得た。
【0050】
[実施例1〜16、比較例1〜5]
1〜3に示す組成の毛髪・頭皮洗浄剤を常法に基づいて調製し、下記方法で経皮吸収促進率及び生菌抑制を測定し、泡立ちの良さ・汚れ落ちの良さを評価した。結果を表中に併記する。
【0051】
[経皮吸収促進率]
あらかじめ毛刈りしたモルモット(HARTLEY系、雌)の背部剥離皮膚(5cm×5cm)を、フランツ型拡散セル(拡散有効膜面積約4cm2)に、角質層側がドナー相側(上)、真皮側がレセプター相側(下)になるようにはさみ固定した。
続いて、洗髪時を想定して以下の手順で処理を行った。まず、頭皮・毛髪洗浄剤を40℃の水道水で15倍(質量)に希釈した溶液1mLを、フランツ型拡散セルのドナー相に添加し、スポイトで泡立てながら1分間作用させた。その後、40℃の水道水で2L/分の割合で1分間すすぎ、その後、フランツ型拡散セルのドナー相側の角質層皮膚表面にドライヤーを1分間あてた。一方、対照は、頭皮・毛髪洗浄剤を含まない40℃の水道水1mLを、フランツ型拡散セルのドナー相に添加して1分間スポイトで撹拌した。その後、40℃の水道水を2L/分の割合で1分間すすぎ、フランツ型拡散セルのドナー相側の角質層皮膚表面にドライヤーを1分間あてた。
【0052】
レセプター相に生理的食塩水を満たし、撹拌しながら恒温層で32℃に保温した。1時間放置した後、ドナー相(角質層)上に育毛剤(販売名称:毛髪力(登録商標)Da、ライオン(株)製)を50μL添加した。添加24時間後にレセプター相の生理食塩水をサンプリングし、HPLCにより育毛有効成分6−ベンジルアミノプリンを定量してレセプター相中の6−ベンジルアミノプリンの量を測定した。対照の水のみで処理した場合の透過量を100%としたときの相対値(%)を表1に示す。
【0053】
HPLC条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230〜280nm)
カラム:Inertsil ODS−2(φ4.6×150mm,ジーエルサイエンス社製)
カラム温度:40℃
移動相:メタノール/水
【0054】
[生菌抑制]
各々の生菌数の測定を以下の方法で行った。
男性パネラー3名の側頭部の毛を左右それぞれ約1.5cm×1.5cm角で刈毛した後、頭髪を頭皮・毛髪洗浄剤を40℃の水道水で15倍(質量)に希釈した溶液0.5mLで洗髪した。ドライヤーで頭髪を乾燥し、30分間安静にした。その後、刈毛部に直径10mm×高さ約20mmのガラス管を押し当て、刈毛部に接触するガラス管内周に囲まれた頭皮円状部分から、0.1質量%Tween80(モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン)含有生理食塩水に浸した滅菌綿棒を用い、菌を採取した。採取後の綿棒を、0.1質量%Tween80含有生理食塩水2mLを注入した試験管内に投入し、ボルテックスミキサー(東京理化器械(株)製、IMS−1000型)を用いて1分間撹拌を行い、菌分散液を調製した。菌分散液を希釈して得られた各菌希釈液100μLをSCDLP寒天培地に摂取し、37℃で24hr培養後のコロニー数を計測し、以下の式から生菌数を算出した。
生菌数(cfu/cm2)=コロニー数×希釈倍率×20/0.5/0.5/π
さらに、洗髪から6時間経過後に、同様の方法で頭皮の細菌を採取して生菌数を測定した。
【0055】
男性パネラー3名の洗髪から30分後及び6時間後における生菌数の対数値の平均値から、下記式に基づいて生菌抑制を評価した。
(6時間後の生菌数の対数値の平均値)−(30分後の生菌数の対数値の平均値)
評価は上記式で得られた数値が、1を超える場合×、0.5より大きく1以下の場合○、0.5以下の場合◎とした。
【0056】
[泡立ちの良さ・汚れ落ちの良さ]
普段育毛剤を使用している30代〜50代の男性10名について実使用評価を行った。評価項目は、該当品を用いて1日に1度洗髪したときの、泡立ちの良さ、汚れ落ちの良さについて評価し、表中には下記評価基準で示した。
〈評価基準〉
◎:良好と答えた者が10名中9名以上
○:良好と答えた者が10名中6〜8名
△:良好と答えた者が10名中3〜5名
×:良好と答えた者が10名中3名未満
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
実施例及び比較例で用いた成分を下記表に示す。
【表4】


実施例の香料は下記のものを使用した。
香料A:特願2004−294848号 表5〜19に記載の香料A
香料B:特願2004−294848号 表5〜19に記載の香料B
香料C:特願2004−294848号 表5〜19に記載の香料C
香料D:特願2004−294848号 表5〜19に記載の香料D

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アニオン界面活性剤、(B)経皮吸収促進物質、及び(C)殺菌成分を含有する毛髪・頭皮洗浄剤。
【請求項2】
(A)成分がポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩であり、(B)成分が常温で液体のポリアルキレングリコールと、下記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤及び/又は下記一般式(2)で表されるアミンオキシドとからなり、(C)成分が下記一般式(4)で表される芳香族カルボン酸及び/又はその塩である請求項1記載の毛髪・頭皮洗浄剤。
【化1】


(式中、R1は炭素数8〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R3は炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基、R4は炭素数1〜6のアルキル基、又は水素原子を示す。X-はCl-、Br-、I-、CH3OSO3-、又はC25OSO3-を示す。)
【化2】

[式中、R5は炭素数8〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は下記構造式(3)
【化3】

(式中、R8は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、qは1〜3の整数を示す。)
で表される一価置換基を示す。pは0又は5以下の整数を示す。]
【化4】

(式中、R9、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基、水酸基又は水素原子を示し、Aはカルボキシル基又はその塩を示す。)
【請求項3】
育毛剤有効成分を含む育毛剤使用前に適用され、前記育毛剤有効成分の経皮吸収促進用である請求項1又は2記載の毛髪・頭皮洗浄剤組成物。
【請求項4】
育毛剤有効成分を含む育毛剤使用前に、請求項1記載の毛髪・頭皮洗浄剤組成物で頭皮を洗浄することを特徴とする育毛剤有効成分の経皮吸収促進方法。
【請求項5】
育毛剤有効成分が、β−グリチルレチン酸、セファランチン、センブリエキス、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、ビオチン、アラントイン、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、トランス−3,4’−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン、アデノシン、ミノキシジル、ペンタデカン酸グリセリド、6−ベンジルアミノプリン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、D−パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、感光素301、カンフル、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、モノニトログアヤコール、γ−アミノ酪酸、アロエ抽出物、イチョウ抽出物、オウゴン抽出物、オーキシン、オトギリソウ抽出物、海藻抽出物、カンタリスチンキ、クララエキス、ウシヘマチン、ショウキョウチンキ、デュークエキス、トウキンセンカ抽出物、冬虫夏草抽出物、ヒドロコルチゾン、及びプラセンタ抽出物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分である請求項4記載の経皮吸収促進方法。
【請求項6】
育毛剤有効成分を含む育毛剤投与前に毛髪・頭皮に適用され、前記育毛剤有効成分の経皮吸収を促進する経皮吸収促進剤であって、下記(A)、(B1)、(B2)及び(C)の混合物からなる経皮吸収促進剤。
(A)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩
(B1)常温で液体のポリアルキレングリコール
(B2)下記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤及び/又は下記一般式(2)で表されるアミンオキシド
(C)下記一般式(4)で表される芳香族カルボン酸及び/又はその塩
【化5】


(式中、R1は炭素数8〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R3は炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基、R4は炭素数1〜6のアルキル基、又は水素原子を示す。X-はCl-、Br-、I-、CH3OSO3-、又はC25OSO3-を示す。)
【化6】

[式中、R5は炭素数8〜32の飽和又は不飽和の一価炭化水素基、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は下記構造式(3)
【化7】

(式中、R8は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、qは1〜3の整数を示す。)
で表される一価置換基を示す。pは0又は5以下の整数を示す。]
【化8】

(式中、R9、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基、水酸基又は水素原子を示し、Aはカルボキシル基又はその塩を示す。)

【公開番号】特開2007−31376(P2007−31376A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218872(P2005−218872)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】