説明

気体検知装置

【課題】外部からのエネルギ供給を受けることなく、水素漏洩の際に迅速に検知し、流路を閉鎖することができる水素バルブを提供する。
【解決手段】本発明の水素バルブは、水素を燃焼発熱を促進する白金触媒と、その発熱により形状回復する形状記憶合金と、形状記憶合金の形状記憶回復力により動作する係止体と、弁を閉鎖する方向に付勢されたバイアスばねと、前記係止体により弁の動作を制限する被係止部材とが連係された弁体とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素バルブに際し、漏洩が発生した際に即時漏洩を遮断することができる自動遮断水素バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境への影響より、あらゆる分野において燃料電池技術が着目されている。特に燃料電池で用いられる水素の取り扱いについては、その危険性から様々な検知手段が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−185595
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の水素検知手段は別途エネルギ供給な場合が多く、さらにバルブに用いる際には水素検知手段へ供給するエネルギ、バルブを駆動するために供給するエネルギとが必要となり、システム全体が大型化したり、複雑化するおそれがあった。本発明の目的は、外部からのエネルギ供給を受けることなく、水素漏洩の際に迅速に検知し、流路を閉鎖することができる水素バルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の水素バルブは、水素を燃焼発熱を促進する白金触媒と、その発熱により形状回復する形状記憶合金と、形状記憶合金の形状記憶回復力により動作する係止体と、弁を閉鎖する方向に付勢されたバイアスばねと、前記係止体により弁の動作を制限する被係止部材とが連係された弁体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、外部からのエネルギ供給を受けることなく、水素漏洩の際に迅速に検知し、流路を閉鎖することができる水素バルブを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を図を用いて説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明の水素バルブの外観を示す図である。
101はフレームアレスタである。フレームアレスタは金網状のSUSで形成されている。
通常の吸気口であれば、水素雰囲気中においてバルブ内部で触媒燃焼が発生すると吸気口を通して火炎逸走が起こり、爆発事故が起こるおそれがある。SUSなど熱伝導性の高い素材でネットを形成されたフレームアレスタであればフレームアレスタにて火炎逸走が防止されるため必須となる。
【0009】
図2は、本発明の水素バルブの流路解放状態を示す図である。
201は形状記憶合金線、202は形状記憶合金線を保護する保護チューブ、203は白金を含む触媒、204は係止体、205は弁口、206は弁口を開閉する弁体、207は弁体に連係された被係止体、208は弁体を弁口を閉鎖するように付勢するバイアスばねである。
【0010】
本実施例の水素バルブの通常状態は、バイアスばね208により弁体206が弁口205を閉鎖する方向に付勢されているが、係止体204が被係止体207をロックし、弁口205が解放状態とされている。よって通常状態では水素が流入口から弁口を経由し流出口へと流れ出る。
【0011】
図3は、本発明の水素バルブの流路閉鎖状態を示す図である。
水素漏洩が発生した場合、触媒203の周辺において水素が触媒燃焼を起こし発熱する。ここで発生した熱が形状記憶合金線201を加熱する。加熱された形状記憶合金線201は、形状回復力を発生し、係止体204を被係止体207から解放するよう動作する。被係止体207がロックから解放されると、バイアスばね208の弾性エネルギにより、弁体206が弁口205を閉鎖するように動作する。
【0012】
このように、弾性エネルギを閉鎖方向に動作するように使用し、形状記憶合金の形状回復力を弾性エネルギを解放するトリガ手段として用いることにより、強力な弁閉鎖圧と安定した動作を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明の水素バルブは、水素の漏洩を検知すると、別途外部の制御手段やエネルギ供給手段を用いることなく単独でバルブの遮断を行うことができ、燃料電池などへの利用が非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の水素バルブの外観を示す図である。
【図2】本発明の水素バルブの弁解放状態を示す内部図である。
【図3】本発明の水素バルブの弁閉鎖状態を示す内部図である。
【符号の説明】
【0015】
101 フレームアレスタ
201 形状記憶合金線
203 白金触媒
204 係止体
205 弁口
206 弁体
207 被係止体
208 バイアスばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白金触媒と、その発熱により形状回復する形状記憶合金と、形状記憶合金の形状記憶回復力により動作する係止体と、弁を閉鎖する方向に付勢されたバイアスばねと、前記係止体により弁の動作を制限する被係止部材とが連係された弁体とを内部に収容し、周囲の気体の流出入が可能なフレームアレスタを有する水素バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−190669(P2008−190669A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27403(P2007−27403)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(390031521)トキコーポレーション株式会社 (30)
【Fターム(参考)】