気密密閉非平面太陽電池
透湿度が10-4g/m2・日以下の非平面太陽電池を提供する。非平面太陽電池ユニットは、非平面基板と、該基板上に配置された背面電極と、該背面電極上に配置された半導体接合層と、該半導体接合上に配置された透明導電層とを含む。透明非平面管状ケースが、非平面太陽電池上に配置される。第1のシーラントキャップが、非平面管状ケースの第1の端部に気密シールされる。第2のシーラントキャップが、非平面管状ケースの第2の端部に気密シールされる。いくつかの場合において、太陽電池ユニットは、太陽電池のモノリシック集積体である。いくつかの場合において、太陽電池ユニットは、1つの太陽電池である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年5月19日に出願の米国特許出願第11/437,927号の優先権を主張するものである。
(1.発明の分野)
本発明は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための気密密閉太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.発明の背景)
太陽電池は、典型的には、集光表面積が4〜6cm2以上の個別の物理的実体として作製される。このため、それらの集光面が単一の大きな集光面の近似を与えるように、電池を支持面又はパネル上に平坦アレイで搭載することは発電分野にとって標準的技法である。また、各電池自体は、少量しか発電しないが、直列及び/又は並列マトリックスのアレイの電池を相互接続することによって、必要な電圧及び/又は電量が達成される。
従来技術の太陽電池構造を図1に示す。異なる層の厚さの範囲が大きいため、それらは概略的に描かれている。さらに、図1は、「厚膜」太陽電池及び「薄膜」太陽電池の両方の特徴を表すように極めて概略的である。吸収体層の厚膜は、十分な量の光を吸収することが求められるため、概して、間接的なバンドギャップ材料を使用して、光を吸収する太陽電池は、典型的には「厚膜」太陽電池として構成される。十分な量の光を吸収するのに間接的なバンドギャップ材料の薄層のみが必要とされるため、直接的なバンドギャップ材料を使用して光を吸収する太陽電池は、典型的には「薄膜」として構成される。
【0003】
図1の上部の矢印は、電池上の直接的な太陽照明源を示す。層102は、基板である。ガラス又は金属は、共通の基板である。薄膜太陽電池において、基板102は、ポリマー系裏打、金属又はガラスであり得る。いくつかの場合において、基板102を被覆する封入層(不図示)が存在する。層104は、太陽電池に対するバック電気接点である。
層106は、半導体吸収体層である。バック電気接点104は、吸収体層106とオーム接触する。すべてではないが多くの場合において、吸収体層106は、p型半導体である。吸収体層106は、光を吸収するのに十分に厚い。層108は、半導体吸収体層106と一緒になって、p-n接合の形成を完成する半導体接合パートナーである。p-n接合は、太陽電池において見られる一般的なタイプの接合である。p-n接合系太陽電池において、半導体吸収体層106がp型ドープ材料である場合は、接合パートナー108は、n型ドープ材料である。逆に、半導体吸収体層106がn型ドープ材料である場合は、接合パートナー108はp型ドープ材料である。一般に、接合パートナー108は、吸収体層106よりはるかに薄い。例えば、いくつかの例において、接合パートナー108は、約0.05ミクロンの厚さを有する。接合パートナー108は、太陽放射線に対して極めて透明である。接合パートナー108は、また、光を吸収体層106まで透過させるため、窓層としても知られる。
【0004】
典型的な厚膜太陽電池において、吸収体層106及び窓層108は、同一の半導体材料から製造され得るが、それらの2つの層にそれらの異なるp型及びn型特性を与えるために異なるキャリア種類(ドーパント)及び/又はキャリア濃度を有する。銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)が吸収体層106である薄膜電池において、CdSを使用して、接合パートナー108を形成すると、効率性の高い電池が得られた。接合パートナー108に使用できる他の材料としては、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、及びドープZnOが挙げられるが、それらに限定されない。
【0005】
層110は、対向電極であり、それで機能電池が完成する。接合パートナー108は、一般には抵抗が大きすぎてこの機能を発揮できないため、接合から電流を遠ざけるのに対向電極110が使用される。そのように、対向電極110は、高度に導電性であり、光に対して透明性であるべきである。対向電極110は、実際、個別的な層を形成するよりむしろ、層108に印刷された金属の櫛状構造体であり得る。対向電極110は、典型的には、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)、インジウム-錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)又はインジウム-亜鉛酸化物などの透明な導電性酸化物(TCO)である。しかし、TCO層が存在している場合でさえも、TCOは、大きすぎる抵抗を有するために、より大きい太陽電池ではこの機能を効率的に発揮できないので、典型的には、従来の太陽電池では電流を除去するために母線ネットワーク114が必要である。ネットワーク114は、電荷キャリアが金属接点に到達するためにTCO層内で移動しなければならない距離を短くすることによって、抵抗損失を低減する。格子線とも呼ばれる金属母線を例えば銀、鋼又はアルミニウムなどの任意の適度に導電性を有する金属で製造することができる。ネットワーク114の設計において、より高い導電性を有するが、より多くの光を遮断するより太い格子線と、より低い導電性を有するが、より少ない光を遮断する細い格子線との間に設計トレードオフが存在する。金属バーは、TCO層110に光線を通すように櫛状構造で構成されるのが好ましい。母線ネットワーク層114とTCO層110が組み合わさると、単一の金属ユニットとして作用し、第1のオーム接点と機能的に連結して、集電回路を形成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているSverdrupらの米国特許第6,548,751号には、銀の母線ネットワークとインジウム-錫酸化物層の組合せが単一の透明ITO/Ag層として機能する。
【0006】
層112は、大量の余剰光を電池に送ることができる反射防止膜である。電池の使用目的に応じて、図1に示されるように、それを上部導体に直接堆積することができる。代替的又は追加的に、作製された反射防止膜112を、上部電極110を覆う個別のカバーガラスに堆積することができる。理想的には、反射防止膜は、光電吸収が生じるスペクトル領域で電池の反射をゼロの極めて近くまで低減すると同時に、他のスペクトル領域で反射を強化して、過熱を低減する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているAguileraらの米国特許第6,107,564号には、当該技術分野で知られている代表的な反射防止膜が記載されている。
太陽電池は、典型的には、小さな電圧しか生成しない。例えば、シリコン系太陽電池は、約0.6ボルト(V)の電圧を生成する。したがって、太陽電池は、より大きい電圧を達成するために、直列又は並列で相互接続される。直列接続される場合は、個々の電池の電圧が合算されるが、電流は変化しない。したがって、直列配置された太陽電池は、類似の太陽電池の並列配置と比較して、当該電池を流れる電流の量を減少させることによって、効率を向上させる。図1に示されるように、直列の太陽電池の配列は、相互接続点116を使用して達成される。概して、相互接続点116は、1つの太陽電池の第1の電極を隣接する太陽電池の対向電極と電気接続させる。
【0007】
多くの太陽電池接合部は、水分に敏感である。経時的に、水分は、太陽電池に浸透し、太陽電池接合部を腐食させる。当該水分が太陽電池に入り込むのを防止するために、太陽電池は、典型的には、ガラスパネルに封入される。したがって、図1を参照すると、ガラスパネルは、上部電極110と反射防止膜112の間に追加されてもよいし、反射防止膜の上に追加されてもよい。しばしば、ガラスパネルは、シリコーン又はEVAの層を使用して、太陽電池上にシールされる。したがって、ガラスパネル及び基板102の間は、太陽電池を水分から保護するように働く。当該設計の弱点は、太陽電池の縁である。太陽電池の縁の例は、図1に示される太陽電池の側面160である。当該技術分他において、水分が太陽電池接合部を腐食させるのを防止するために、これらの縁に有機ポリマーが塗布された。しかし、当該有機ポリマーは、耐水性を有するが、不透水性でないため、経時的に、水が太陽電池に浸透して、太陽電池の腐食を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、当該技術分野において必要なのは、太陽電池の縁に対する真の防水シールである。
本明細書における参考文献の説明及び引用は、当該参考文献が本出願に対する先行技術であると認めるものと見なされるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(3.要旨)
一態様は、非平面太陽電池を含む太陽電池ユニットを提供する。非平面太陽電池は、第1の端部及び第2の端部を有し、例えば、円周方向に配置された管状又は剛性中実棒状の基板、基板上に円周方向に配置された背面電極、背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含む。透明管状ケースは、非平面太陽電池に円周方向に配置される。第1のシーラントキャップは、非平面太陽電池の第1の端部に気密シールされる。
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、非平面太陽電池の第2の端部に気密シールされることによって、前記太陽電池ユニットに防水性を付与する第2のシーラントキャップをさらに含む。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、金属、金属合金又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、透明管状ケースの内面又は外面に気密シールされる。いくつかの実施態様において、透明管状ケースはホウ珪酸ガラスで構成され、第1のシーラントキャップはコバールで構成される。いくつかの実施態様において、透明管状ケースはソーダ石灰ガラスで構成され、第1のシーラントキャップは低膨張ステンレス鋼合金で構成される。
【0010】
いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、それらの合金、又はそれらの任意の組合せで構成され得る。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、又はインジウム-酸化亜鉛で構成される。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、Pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス又はフリントガラスで構成される。
いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、シール材の連続帯によって太陽電池ユニットにシールされる。シール材の連続帯は、例えば、第1のシーラントキャップの内縁、第1のシーラントキャップの外縁、透明管状ケースの外縁、又は透明管状ケースの内縁に存在し得る。いくつかの実施態様において、シール材の連続帯は、ガラスフリット、ゾル-ゲル、又はセラミックセメントから形成される。
いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、前記背面電極と電気接続され、第1のシーラントキャップは、背面電極のための電極として働く。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、透明導電層と電気接続され、第1のシーラントキャップは、前記透明導電層のための電極として働く。
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、非平面太陽電池の第2の端部に気密シールされることによって、太陽電池ユニットに防水性を付与する第2のシーラントキャップをさらに含む。第1のシーラントキャップ及び第2のシーラントキャップは、それぞれ導電性金属で構成される。当該実施態様において、第1のシーラントキャップは、背面電極と電気接続され、第1のシーラントキャップは、背面電極のための電極として働く。さらに、当該実施態様において、第2のシーラントキャップは、透明導電層と電気接続され、第2のシーラントキャップは、透明導電層のための電極として働く。
【図面の簡単な説明】
【0011】
(4.図面の簡単な説明)
【図1】従来技術による相互接続された太陽電池を示す図である。
【図2A】一実施態様による管状ケース付き光起電要素を示す図である。
【図2B】一実施態様による透明管状ケース入長形太陽電池の断面図である。
【図3A−K】一実施態様によるモノリシック集積太陽電池ユニットを形成するための処理工程を示す図である。
【図3L】一実施態様による太陽電池ユニットへの随意の充填剤層の円周方向の配置を示す図である。
【図3M】一実施態様による太陽電池ユニットへの透明管状ケースの円周方向の配置を示す図である。
【図3N−O】一実施態様による太陽電池ユニットの透明管状ケースの外縁に防水シールを形成するシーラントキャップを示す図である。
【図3P−Q】一実施態様による太陽電池ユニットの透明管状ケースの内縁に防水シールを形成するシーラントキャップを示す図である。
【図3R−S】一実施態様による太陽電池ユニットの透明管状ケースの内縁の部分及び外縁の部分に防水シールを形成するシーラントキャップを示す図である。
【図3T−U】一実施態様による太陽電池ユニットの基板の外縁及び透明管状ケースの内縁に防水シールを形成するシーラントキャップを示す図である。
【図4A−D】代表的な半導体接合を示す図である。
【図5A−B】一実施態様による電極としてのシーラントキャップの使用を示す図である。
【図6】一実施態様によるシーラントキャップの代替形状を示す図である。 同様の参照番号は、図面のいくつかの図の全体を通じて対応する部分を指す。寸法は、一定の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(5.詳細な説明)
太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池組立品、より詳細には改良型防水性太陽電池を本明細書に開示する。本発明の太陽電池は、長形非平面形状を有する。
(5.1基本構造)
図2Aの代表的な斜視図及び図2Bの断面図に示される、個々に円周方向に被覆された非平面太陽電池300を開示する。太陽電池ユニット300において、長形非平面太陽電池402は、透明管状ケース310によって円周方向に被覆される。太陽電池ユニット300は、透明非平面ケース310で被覆された太陽電池402を含む。いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池402又は他の回路との電気接続を形成するために、長形太陽電池402の一端のみが透明非平面ケース310によって露出される。いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池402又は他の回路との電気接続を形成するために、長形太陽電池402の両端が透明非平面ケース310によって露出される。
【0013】
本明細書に用いられているように、非平面物体は、該物体の全部又は一部が剛性円筒形であり、中実棒状であり、及び/又は図2に示される円形以外のいくつかの形状のいずれか1つによって輪郭が定められる断面を特徴とする物体である。断面輪郭形状は、例えば、円形、卵形、或いは1つ以上の滑らかな曲面、若しくは滑らかな曲面の任意の接合を特徴とする任意の形状のいずれか1つであり得る。断面輪郭形状は、nが3又は5以上であるn角形であり得る。断面輪郭形状は、また、三角形、五角形、六角形を含み、又は任意の数の線形分割面を有する事実上の線形でもあり得る。或いは、断面は、線形面、弓形面、又は曲面の任意の組合せによって輪郭が定められ得る。本明細書に記載されるように、単に説明を容易にする目的で、非平面の実施態様を表すために全面が円形の断面を示す。いくつかの実施態様において、非平面物体は、円筒形又はほぼ円筒形である。いくつかの実施態様において、非平面物体は、物体が全体としてほぼ円筒形であれば、不規則な断面を特徴とする。当該円筒形は、中実(例えば棒)又は中空(例えば管)であり得る。
太陽電池ユニット300を封入実施態様又は円周方向被覆実施態様の文脈で説明するが、長形太陽電池を支持及び保護し、長形太陽電池間の電気接続を可能にする任意の透明非平面ケースを使用することができる。
【0014】
基板403。基板403は、太陽電池402のための基板として働く。いくつかの実施態様において、基板403は、プラスチック、金属、金属合金又はガラスで構成される。基板403は、非平面である。いくつかの実施態様において、基板403は、図2Bに示されるような中空コアを有する。いくつかの実施態様において、基板403は、中実コアを有する。いくつかの実施態様において、基板403は、円筒形又はほぼ円筒形であり、それは、基板403の長軸に対して直角に捉えた断面が円形以外の輪郭構造を定めることを意味する。該用語が本明細書に用いられているように、当該概略形状の物体も円筒形と見なされる。
いくつかの実施態様において、基板403は、例えば、プラスチック、ガラス、金属又は金属合金で構成された中実円筒形である。いくつかの実施態様において、基板403は、太陽電池が発電するために一般に使用する波長において光学的に透明である。いくつかの実施態様において、基板403は、光学的に透明でない。
【0015】
いくつかの実施態様において、基板403の全部又は一部は、剛性円筒形であり、中実棒状であり、及び/又は図2に示される円形以外のいくつかの形状のいずれか1つによって輪郭が定められる断面を特徴とする。断面輪郭形状は、例えば、円形、卵形、或いは1つ以上の滑らかな曲面、若しくは滑らかな曲面の任意の接合を特徴とする任意の形状のいずれか1つであり得る。断面輪郭形状は、nが3又は5以上であるn角形であり得る。断面輪郭形状は、また、三角形、長方形、五角形、六角形を含み、又は任意の数の線形分割面を有する事実上の線形であり得る。或いは、断面は、線形面、弓形面、又は曲面の任意の組合せによって輪郭が定められ得る。本明細書に記載されるように、単に表現を容易にする目的で、非平面の基板403を表すために全面が円形の断面を示す。いくつかの実施態様において、基板403は、円筒形又はほぼ円筒形である。いくつかの実施態様において、基板403は、基板が全体としてほぼ円筒形であれば、不規則な断面を特徴とする。当該円筒形は、中実(例えば棒)又は中空(例えば管)であり得る。
【0016】
いくつかの実施態様において、基板403の第1の部分は、第1の断面形状を特徴とし、基板403の第2の部分は、第2の断面形状を特徴とし、該第1の断面形状と該第2の断面形状は、同一又は異なる。いくつかの実施態様において、基板403の長さの少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、又は全部が第1の断面形状を特徴とし、かつ該基板の残りが、第1の断面形状以外の1つ以上の断面形状を特徴とする。いくつかの実施態様において、第1の断面形状は、平面であり(例えば、弓形の側面がない)、第2の断面形状は、少なくとも1つの弓形側面を有する。
【0017】
いくつかの実施態様において、基板403は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス(例えば、Pyrex、Duran、Simax等)、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、溶融シリカ、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、Pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス又はフリントガラスで構成される。
【0018】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Boedeker Plastics,Inc(Texas(テキサス)州Shiner)から入手可能なCelazole(登録商標))などの材料で構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、ポリイミド(例えば、DuPont(商標)Vespel(登録商標)、又はDupont(商標)Kapton(登録商標)(Delaware(デラウェア)州Wilmington))で構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、それぞれBoedeker Plastics,Inc.から入手可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon(登録商標)PAI、Solvay Advanced Polymers(Georgia(ジョージア)州Alpharetta))で構成される。
【0019】
いくつかの実施態様において、基板403は、ガラス系フェノールで構成される。フェノール積層体は、合成熱硬化性樹脂が含浸された紙、カンバス、リネン又はガラス布の層に熱及び圧力を加えることによって製造される。熱及び圧力を層に加えると、化学反応(重合)により、個別の層が、再び軟化できない「固定」形状の単一積層材料に変換される。したがって、これらの材料は、「熱硬化物」と呼ばれる。いくつかの実施態様において、基板403は、G-3、G-5、G-7、G-9、G-10又はG-11のNEMAグレードを有するフェノール積層体である。代表的なフェノール積層体は、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能である。
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリスチレンで構成される。ポリスチレンの例としては、汎用ポリスチレン、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜174頁に詳述されている高耐衝撃性ポリスチレンが挙げられる。さらに他の実施態様において、基板403は、架橋ポリスチレンで構成される。架橋ポリスチレンの一例は、Rexolite(登録商標)(San Diego Plastics,Inc.(California(カリフォルニア)州National City)から入手可能)である。Rexoliteは、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋することによって製造される熱硬化性の、特に硬い半透明プラスチックである。
【0020】
さらに他の実施態様において、基板403は、ポリカーボネートで構成される。当該ポリカーボネートは、材料の引張強度、剛性、圧縮強度並びに熱膨張率を調節するために、異なる量(例えば、10%、20%、30%又は40%の)のガラス繊維を有することができる。代表的なポリカーボネートは、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能であるZelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wである。
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリエチレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又は超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)で構成される。HDPEの化学特性は、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜173頁に記載されている。いくつかの実施態様において、基板403は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシグラス)、ナイロン6,6、酪酸酢酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。これらの材料の化学特性は、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6-172頁から6-175頁に記載されている。
【0021】
基板102を形成するのに使用できるさらなる代表的な材料は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」、McGraw-Hill;Reinhold Plastics Applications Series、Reinhold Roffの「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres,Plastics and Rubbers)」、Butterworth;Lee及びNevilleの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」、McGraw-Hill;Bilmetyerの「ポリマー科学のテキスト(Textbook of Polymer Science)」、Interscience;Schmidt及びMarliesの「高ポリマーの理論と実施の原理(Principles of high polymer theory and practice)」、McGraw-Hill;Beadle編、「プラスチック(Plastics)」、Morgan-Grampiand,Ltd.、第2巻、1970;Tobolsky及びMark編、「ポリマー科学と材料(Polymer Science and Materials)」、Wiley、1971;Glanvilleの「プラスチック技術者のデータブック(The Plastics's Engineer's Data Book)」、Industrial Press、1971;Mohr(編集及び監修)、Oleesky、Shook及びMeyersの「強化プラスチックコンポジットの技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」、Van Nostrand Reinhold、1973に見いだされる。
【0022】
いくつかの実施態様において、基板403の断面は円であり、かつ3mmから100mm、4mmから75mm、5mmから50mm、10mmから40mm、又は14mmから17mmの外径を有する。いくつかの実施態様において、基板403の断面は円であり、かつ1mmから1000mmの外径を有する。
いくつかの実施態様において、基板403は、中空の内部を有する管である。当該実施態様において、基板403の断面は、中空の内部を定める内側半径及び外側半径を特徴とする。内側半径と外側半径の差は、基板403の厚さである。いくつかの実施態様において、基板102の厚さは、0.1mmから20mm、0.3mmから10mm、0.5mmから5mm、又は1mmから2mmである。いくつかの実施態様において、内側半径は、1mmから100mm、3mmから50mm、又は5mmから10mmである。
いくつかの実施態様において、基板403は、5mmから10000mm、50mmから5000mm、100mmから3000mm、又は500mmから1500mmの(図2Bによって定められる平面に対して垂直な)長さである。一実施態様において、基板403は、15mmの外径及び1.2mmの厚さ並びに1040mmの長さを有する中空管である。基板403が図2に中実として示されているが、多くの実施態様において、基板403は、中空コアを有し、ガラス管によって形成された構造などの硬質環状構造を採用することが理解されるであろう。
いくつかの実施態様において、基板403は硬質である。ヤング率を含むが、それに限定されないいくつかの異なる計量を用いて材料の硬さを測定することができる。固体力学において、ヤング率(E)(ヤング率、弾性係数、弾性率又は引張弾性率としても知られる)は、所定の材料の剛性の測度である。それは、小さな歪については、歪による応力の変化率の比と定義される。これを、材料のサンプルに対して実施される引張試験を通じて作製される応力-歪曲線の傾きから求めることができる。様々な材料のヤング率を以下の表に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板102)は、それが20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、50GPa以上、60GPa以上又は70GPa以上のヤング率を有する材料で構成される場合に硬質であると考えられる。本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板403)は、該材料のヤング率がある範囲の歪に対して一定である場合に硬質である。当該材料は、線形材料と呼ばれ、フックの法則に従うと言われる。したがって、いくつかの実施態様において、基板403は、フックの法則に従う線形材料から構成される。線形材料の例としては、鋼、炭素繊維及びガラスが挙げられるが、それらに限定されない。ゴム及び土(非常に小さい歪みは除く)は、非線形材料である。
背面電極104。背面電極104は、基板403上に円周方向に配置される。背面電極104は、組立品における1つの電極として機能する。概して、背面電極104は、太陽電池ユニット300によって生成される光起電電流を無視できる抵抗損失で維持できるように任意の材料から構成される。
【0025】
いくつかの実施態様において、背面電極104は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金(例えばコバール)又はそれらの任意の組合せなどの任意の導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、背面電極104は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックなどの任意の導電性材料で構成される。導電性プラスチックは、混合技術を介して、後にプラスチックに導電特性を付与する導電性充填剤を含むプラスチックである。いくつかの実施態様において、背面電極104を形成するために導電性プラスチックが使用され、該導電性プラスチックは、プラスチックマトリックスを介して十分な導電性電流担持経路を形成する充填剤を含有し、太陽電池ユニット300によって生成される光起電電流を無視できる抵抗損失で支持する。導電性プラスチックのプラスチックマトリックスは、典型的には絶縁性であるが、生成される複合体は、充填剤の導電特性を示す。
【0026】
半導体接合410。半導体接合410は、背面電極104の周囲に形成される。半導体接合410は、例えば、直接的なバンドギャップ吸収体(例えば結晶シリコン)又は間接的なバンドギャップ吸収体(例えば非晶質シリコン)である吸収体層を有する、任意の光起電ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合である。当該接合は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第1章、並びにLugue及びHegedus、2003、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、John Wiley & Sons、Ltd.、West Sussex、Englandに記載されている。本発明による代表的なタイプの半導体接合410の詳細を以下のセクション5.2に開示する。加えて、接合410は、好ましくは十分により小さいバンドギャップを有する多数の接合を介して光が接合410のコアに入るマルチ接合であり得る。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)吸収体層を含む。
【0027】
随意の真性層415。任意に、半導体接合410を円周方向に被覆する薄い真性層(i-層)415が存在する。酸化亜鉛、金属酸化物、又は極めて絶縁性の強い任意の透明材料を含むが、それらに限定されない任意の非ドープ透明酸化物を使用して、i-層415を形成することができる。いくつかの実施態様において、i-層415は、極めて純度の高い酸化亜鉛である。
透明導電層110。透明導電層110を、半導体接合層410上に円周方向に配置することによって回路を完成させる。上記のように、いくつかの実施態様において、薄いi-層415は、半導体接合410上に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明導電層110は、i-層415上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)、インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せで構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、pドープ又はnドープされている。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、カーボンナノチューブで構成される。カーボンナノチューブは、例えば、Eikos(Massachusetts(マサチューセッツ)州Franklin)から商業的に入手可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,925号に記載されている。例えば、接合410の外側半導体層がpドープされた実施態様において、透明導電層110をpドープすることができる。同様に、接合410の外側半導体層がnドープされた実施態様において、透明導電層110をnドープすることができる。概して、透明導電層110は、好ましくは、非常に低い抵抗、好適な光透過特性(例えば90%を超える)、並びに半導体接合410及び/又は随意のi-層415の基部層に損傷を与えない析出温度を有する材料で構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体などの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物、ドープ亜鉛酸化物(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)又はそれらの組合せを含む第1の層と、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体を含む第2の層とを含む、2つ以上の層を含む。透明導電層を形成するのに使用できるさらなる好適な材料が、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPichlerの米国特許公報第2004/0187917A1号に開示されている。
【0028】
随意の電極帯420。本発明によるいくつかの実施態様において、電流の流れを容易にするために、対向電極帯又はリード420が透明導電層110上に配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、図2Aに示されるように、円筒状太陽電池の長軸(円筒軸)に沿って長さ方向に延びる導電性材料の細い帯である。いくつかの実施態様において、随意の電極帯は、透明導電層110の表面に間隔をあけて配置される。例えば、図2Bにおいて、電極帯420は、互いに平行に延び、太陽電池の円筒軸に沿って90度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、透明導電層110の表面に5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、90度又は180度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層110の表面に単一電極帯420が存在する。いくつかの実施態様において、透明導電層110の表面に電極帯420が存在しない。いくつかの実施態様において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15以上又は30以上の電極帯が透明導電層110上に存在し、いずれも太陽電池の長(円筒)軸に沿って互いに平行又はほとんど平行に延びている。いくつかの実施態様において、電極帯420は、例えば図2Bに示されるように、透明導電層110の周に沿って等間隔で配置される。代替的な実施態様において、電極帯420は、透明導電層110の周に沿って等間隔で配置されない。いくつかの実施態様において、電極帯420は、太陽電池の一面にのみ存在する。図2Bの要素403、104、410、415(随意)及び110は、図2Aの太陽電池402を集合的に含む。いくつかの実施態様において、電極帯420は、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤又は導電性プラスチックで構成される。
【0029】
いくつかの実施態様において、太陽電池の長(円筒)軸に沿って延びる電極帯が存在し、これらの電極帯は、格子線によって互いに接続される。これらの格子線は、電極帯より厚い、薄い、又は同じ幅であり得る。これらの格子線を電極帯と同一又は異なる導電材料で構成することができる。
いくつかの実施態様において、電極帯420は、インクジェット印刷を用いて、透明導電層110に堆積される。当該電極帯に使用できる導電性インクの例としては、銀充填又はニッケル充填導電性インクが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、エポキシ並びに異方性導電性接着剤を使用して、電極帯420を構成することができる。典型的な実施態様において、電極帯420を形成するために当該インク又はエポキシを熱硬化させる。
随意の充填剤層330。本発明のいくつかの実施態様において、図3Bに示されるように、透明導電層110を、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンなどのシール材の充填剤層330で被覆して、空気の侵入を防ぐとともに、随意に透明非平面ケース310への補完的取付けを提供する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、Q型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン又はM型シリコンである。しかし、いくつかの実施態様において、1つ以上の電極帯420が存在していても随意の充填剤層330を必要としない。いくつかの実施態様において、充填剤層330に酸化カルシウム又は酸化バリウムなどの乾燥剤を浸透させる。
【0030】
いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330は、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている「ラミネート層を有する光起電装置及びその製造方法(Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という題名の2007年3月13日出願の米国仮特許出願第60/906,901号に開示されたもののいずれかなどのラミネート層である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、1×106cP未満の粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える又は1000×10-6/℃を超える熱膨張率を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、エポリジメチルシロキサンポリマー(epolydimethylsiloxane)を含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含み、該透明シリコン油は、該誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分の初期粘度の半分以下の初期粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える熱膨張率を有し、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコン油と誘電ゲルの混合物から形成される。いくつかの実施態様において、シリコン油は、ポリジメチルシロキサンポリマー液であり、誘電ゲルは、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーの混合物である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、X重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー、及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100である。いくつかの実施態様において、ポリジメチルシロキサンポリマー液は、化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される範囲の整数である。いくつかの実施態様において、第1のシリコーンエラストマーは、少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、3〜7重量パーセントの珪酸塩とを含む。いくつかの実施態様において、第2のシリコーンエラストマーは、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、(ii)10〜30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサンと、(iii)3〜7重量パーセントのトリメチル化シリカとを含む。いくつかの実施態様において、Xは、30〜90であり、Yは、2〜20であり、Zは、2〜20である。
【0031】
いくつかの実施態様において、充填剤層330は、(A)平均で1分子当たり少なくとも2つの珪素結合アルケニル基を含有し、25℃で0.2から10Pa・sの粘度を有する100重量部の第1のポリジオルガノシロキサンと、(B)平均で1分子当たり少なくとも2つの珪素結合アルケニル基を含有し、25℃における粘度が第1のポリジオルガノシロキサンの25℃における粘度の少なくとも4倍である第2のポリジオルガノシロキサンと、(C)平均の式がR7Si(SiOR82H)3であり、R7が1から18個の炭素原子を有するアルキル基又はアリールであり、R8が1から4個の炭素原子を有するアルキル基であり、構成要素(A)及び(B)の組合せにおけるアルケニル基1つ当たり0.1から1.5個の珪素結合水素原子を提供するのに十分な量のオルガノ水素シロキサンと、(D)参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,169,155号に開示された、組成物を硬化させるのに十分な量のヒドロシリル化触媒とを含むシリコーンゲル組成物を含む。
【0032】
透明非平面ケース310。透明非平面ケース310は、透明導電層110及び/又は随意の充填剤層330上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、非平面ケース310は、プラスチック又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、透明非平面ケース310に封入される。透明非平面ケース310は、長形太陽電池402の最外層に取り付けられる。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、隣接する長形太陽電池402が、太陽電池の端部を除いて互いに電気接触を形成しないように、透明非平面ケース310の内側に存在する。例えば、熱収縮、射出成形又は真空装填などの方法を用いて、酸素及び水を系から排除するとともに、基部の太陽電池402への補完的取付けを提供するように、透明非平面ケース310を構成することができる。
【0033】
いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フルオロポリマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレンの重合により誘導されるETFE(登録商標):TEFLON(登録商標)モノマー)、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)又はそれらの任意の組合せ若しくは変形物で構成される。
いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、複数の透明管状ケース層を含む。いくつかの実施態様において、各透明管状ケースは、異なる材料で構成される。例えば、いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、第1の透明管状ケース層及び第2の透明管状ケース層を含む。太陽電池の正確な構成に応じて、第1の透明管状ケース層は、透明導電層110、随意の充填剤層330又は耐水層上に配置される。第2の透明管状ケース層は、第1の透明管状ケース層上に配置される。
【0034】
いくつかの実施態様において、各透明管状ケース層は、異なる特性を有する。一例において、外側透明管状ケース層は、優れたUV遮蔽特性を有し、内部透明管状ケース層は、良好な防水特性を有する。さらに、複数の透明管状ケース層を使用して、コストを削減し、且つ/又は透明非平面ケース310の全体特性を向上させることができる。例えば、所望の物理特性を有する高価な材料で1つの透明管状ケース層を構成することができる。1つ以上のさらなる透明管状ケース層を使用することによって、高価な透明管状ケース層の厚さを減少させることにより、材料コストの節約を達成することができる。別の例において、1つの透明管状ケース層は、優れた光学特性(例えば屈折率等)を有することができるが、非常に重くなる。1つ以上の追加的な透明管状ケース層を使用することによって、重い透明管状ケース層の厚さを減少させることにより、透明非平面ケース310の全重量を減少させることができる。
【0035】
随意の耐水層。いくつかの実施態様において、防水のために、1つ以上の耐水層を太陽電池402に塗布する。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330を堆積し、太陽電池402を透明非平面ケース310に入れる前に、この耐水層を透明導電層110に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池402を透明非平面ケース310に入れる前に、当該耐水層を随意の充填剤層330に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、当該耐水層を透明非平面ケース310自体に円周方向に塗布する。水分子を太陽電池402から封止するために耐水層が設けられる実施態様において、耐水層の光学特性は、太陽電池402による入射太陽放射線の吸収を妨げるものではない。いくつかの実施態様において、この耐水層は、透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3(x及びyは整数である)で構成される。いくつかの実施態様において、耐水層は、Q型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン又はM型シリコンで構成される。
【0036】
随意の反射防止膜。いくつかの実施態様において、太陽電池の効率性を最大にするために、随意の反射防止膜も透明非平面ケース310上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、耐水層及び反射防止膜の両方が透明非平面ケース310上に配置される。いくつかの実施態様において、単一の層が、耐水層及び反射防止膜の二重の目的を果たす。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素(SiO)又は亜硝酸酸化珪素で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在する。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、かつ各層は、同一の材料で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、異なる材料で構成される。
【0037】
いくつかの実施態様において、多層太陽電池402の層のいくつかは、円筒磁電管スパッタリング技術を用いて構成される。いくつかの実施態様において、多層太陽電池402の層のいくつかは、長形の管又は帯に対する従来のスパッタリング法又は反応スパッタリング法を用いて構成される。長形の管又は帯に対するスパッタリングコーティング法は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているHoshiら、1983、「円筒磁電管スパッタリングによるワイヤ及び小管の内壁に対する薄膜コーティング技術(Thin Film Coating Techniques on Wires and Inner Walls of Small Tubes via Cylindrical Magnetron Sputtering)」、Electrical Engineering in Japan 103:73-80;Lincoln及びBlickensderfer、1980、「長形管及び帯のコーティングのための従来のスパッタリング装置の適用(Adapting Conventional Sputtering Equipment for Coating Long Tubes and Strips)」、J.Vac.Sci.Technol.17:1252-1253;Harding、1977、「管のコーティングのためのdc反応スパッタリングシステムの改善(Improvements in a dc Reactive Sputtering System for Coating Tubes)」、J.Vac.Sci.Technol.14:1313-1315;Pearce、1970、「マイクロ波管部品コーティングのための厚膜真空蒸着システム(A Thick Film Vacuum Deposition System for Microwave Tube Component Coating)」、Conference Records of 1970 Conference on Electron Device Techniques 208-211;及びHardingら、1979、「磁電スパッタリングシステムによってガラス管に塗布された選択的表面の特性の生成(Production of Properties of Selective Surfaces Coated onto Glass Tubes by a Magnetron Sputtering System)」、Proceedings of the International Solar Energy Society 1912-1916に記載されている。
【0038】
随意の蛍光材料。いくつかの実施態様において、蛍光材料(例えば、発光材料、リン光材料)を太陽電池300の層の表面に塗布する。いくつかの実施態様において、蛍光材料を透明非平面ケース310の内面及び/又は外面に塗布する。いくつかの実施態様において、蛍光材料を透明導電性酸化物110の外面に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、随意の充填剤層300を含み、蛍光材料が随意の充填剤層に塗布される。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、耐水層を含み、蛍光材料が耐水層に塗布される。いくつかの実施態様において、太陽電池300の2つ以上の表面が随意の蛍光材料で被覆される。いくつかの実施態様において、蛍光材料は、本発明のいくつかの半導体接合410が光を電気に変換するのに使用しない青色光及び/又は紫外光を吸収し、蛍光材料は、本発明のいくつかの太陽電池300における発電に有用な可視光及び/又は赤外光を放射する。
【0039】
蛍光、発光又はリン光材料は、青色又はUV領域の光を吸収し、可視光を放射することができる。リン光材料又はリン光体は、好適なホスト材料及び活性体材料を通常含む。ホスト材料は、典型的には、亜鉛、カドミウム、マンガン、アルミニウム、珪素又は様々な希土類金属の酸化物、硫化物、セレン化物、ハロゲン化物又は珪酸塩である。放射時間を長くするために活性剤を添加する。
いくつかの実施態様において、リン光材料を本発明のシステム及び方法に組み込んで、太陽電池300による光吸収を向上させる。いくつかの実施態様において、随意の透明非平面ケース310を作製するのに使用される材料にリン光材料を直接添加する。いくつかの実施態様において、上記のように、太陽電池300の様々な外層又は内層を被覆する透明塗料としての使用のためにリン光材料を結着剤と混合する。
代表的なリン光体としては、銅活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu)及び銀活性化硫化亜鉛(ZnS:Ag)が挙げられるが、それらに限定されない。他の代表的なリン光材料としては、硫化亜鉛及び硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユーロピウムによって活性化されたアルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム及びアルミニウムによって活性化されたストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr、Al)、ビスマスを有する硫化ストロンチウムを有する硫化カルシウム((Ca、Sr)S:Bi)、銅及びマグネシウム活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu、Mg)又はそれらの任意の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0040】
リン光体材料を作製するための方法は、当該技術分野で知られている。例えばZnS:Cu又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているButlerらの米国特許第2,807,587号;Morrisonらの同第3,031,415号;Morrisonらの同第3,031,416号;Strockらの同第3,152,995号;Payneらの同第3,154,712号;Lagosらの同第3,222,214号;Possらの同第3,657,142号;Reillyらの同第4,859,361号及びKaramらの同第5,269,966号に記載されている。ZnS:Ag又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているParkらの米国特許第6,200,497号、Iharaらの同第6,025,675号;Takaharaらの同第4,804,882号及びMatsudaらの同第4,512,912号に記載されている。一般に、波長が小さくなるに従ってリン光体の残存率が高くなる。いくつかの実施態様において、CdSe又は類似のリン光材料の量子点を使用して、同じ効果を得ることができる。それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているDabbousiら、1995、「CdSe量子点/ポリマー複合体の電気発光(Electroluminescence from CdSe quantum-dot/polymer composites)」、Applied Physics Letters 66(11):1316-1318;Dabbousiら、1997「(CdSe)ZnSコア-シェル量子点:一連のサイズの高発光ナノ結晶の合成及び特性決定((CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots:Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites)」、J.Phys.Chem.B、101:9463-9475;Ebensteinら、2002、「相関原子間力及び単一粒子蛍光顕微鏡法によって調査されたCdSe:ZnSナノ結晶の蛍光量子収率(Fluorescence quantum yield of CdSe:ZnS nanocrystals investigated by correlated atomic-force and single-particle fluorescence microscopy)」、Applied Physics Letters 80:4033-4035;及びPengら、2000、「CdSeナノ粒子の形状制御(Shape control of CdSe nanocrystals)」、Nature 404:59-61を参照されたい。
【0041】
いくつかの実施態様において、増白剤を本発明の随意の蛍光層に使用する。増白剤(光学増白剤、蛍光増白剤又は蛍光白色剤としても知られる)は、電磁スペクトルの紫外及び紫色領域の光を吸収し、青色領域の光を再放射する染料である。当該化合物としては、スチルベン(例えば、トランス-1,2-ジフェニルエチレン又は(E)-1,2-ジフェニルエチレン)が挙げられる。本発明の随意の蛍光層に使用できる別の代表的な増白剤は、やはりスペクトルのUV部のエネルギーを吸収するウンベリフェロン(7-ヒドロキシクマリン)である。次いで、このエネルギーが可視スペクトルの青色部において再放射される。Dean、1963、Naturally Occurring Oxygen Ring Compounds,Butterworths、London;Joule及びMills、2000、Heterocyclic Chemistry、第4版、Blackwell Science、英国Oxford;及びBarton、1999、Comprehensive Natural Products Chemistry 2:677、Nakanishi及びMeth-Cohn編集、Elsevier、英国Oxford、1999に増白剤に関するさらなる情報が記載されている。
【0042】
円周方向に配置する。本明細書に開示されている装置において、太陽電池を形成するために、材料の層を非平面基板403上に連続的に円周方向に配置する。本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、各当該材料層が必ず基部層上に配置されることを示唆することを意図しない。実際、本発明は、当該層を成形し、或いは基部層上に形成する方法を教示する。さらに、基板403の説明とともに上述したように、基板及び基部層は、いくつかの異なる非平面形のいずれかを有することができる。しかしながら、円周方向に配置するという用語は、上部層と基部層の間に環状空間が存在しないように、上部層を基部層上に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層上の周囲の少なくとも50パーセントに配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層の長さの少なくとも半分に沿って配置することを意味する。
【0043】
円周方向にシールする。本発明において、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造が、必ずしも基部層又は構造上に配置されることを示唆するものではない。実際、本発明には、当該層又は構造(例えば透明非平面ケース310)を成形し、或いは基部層又は構造上に形成する方法が教示されている。しかしながら、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造体と基部層又は構造体との間に環状空間が存在しないように、上部層又は構造体を基部層又は構造体上に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向にシールするという用語は、上部層を下部層上の全周囲に配置することを意味する。典型的な実施態様において、層又は構造は、それを基部層又は構造の全周囲に配置し、且つ基部層又は構造の全長に沿って配置する場合に基部層又は構造をシールする。しかし、本発明は、円周方向にシールする層又は構造が基部層又は構造の全長に沿って延びない実施態様を想定している。
【0044】
シーラントキャップ612。本発明の利点は、端部460がシーラントキャップ(図2Aに示されていない)でシールされていることである。本発明によるシーラントキャップの例は、例えば、図3Nから3Uに開示されている。図3N〜3Uにおける各例は、太陽電池ユニット300の斜視図を示す。各斜視図の下には、太陽電池ユニット300の対応する断面図がある。典型的な実施態様において、図3Nから3Uに示された太陽電池ユニット300は、導電性基板403を有さない。別法では、基板403が導電性である実施態様において、基板は、個別の太陽電池700の背面電極104が互いに電気的に絶縁されるように、絶縁層で円周方向に覆われる。本出願は、図3に示されるモノリシック集積の実施態様に限定されない。実際、二重管太陽電池は、モノリシック集積であるか否かにかかわらず、本発明のシーラントキャップでシールされ得る。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/378,847号に記載されている太陽電池のいずれかをシーラント612でシールすることができる。
【0045】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300の第1の端部の第1のシーラントキャップ、及び太陽電池ユニット300の第2の端部の第2のシーラントキャップが存在することによって、太陽電池ユニット300を水からシールする。例えば、図3N及び3Oを参照すると、シーラントキャップ612は、太陽電池ユニット300の端部460をシールする。図3N及び3Oに示される実施態様において、シーラントキャップ612を透明非平面ケース310の外面上にシールする。しかし、シーラントキャップ612の他の構成も可能である。例えば、図3P及び3Qを参照すると、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の内面上にシールされる。シーラントキャップ612の混合実施態様も可能である。例えば、図3R及び3Sを参照すると、キャップ612の第1の部分は、透明非平面ケース310の内面上にシールされ、キャップ612の第2の部分は、透明非平面ケース310の外面上にシールされる。図3R及び3Sにおいて、第1の部分は、キャップ612の円周の約半分である。しかし、他の実施態様において、この第1の部分は、キャップ612の円周の半分以外の何らかの値である。いくつかの実施態様において、第1の部分は、キャップ612の円周の4分の1であり、第2の部分は、キャップ612の円周の4分の3である。いくつかの実施態様において、第1の部分は、キャップ612の円周の1パーセント以上、10パーセント以上、20パーセント以上又は30パーセント以上であり、第2の部分は、キャップ612の残りを占める。いくつかの実施態様において、キャップ612は、それぞれが透明非平面ケース310の内面上にシールされた複数の第1の部分と、それぞれが透明非平面ケース310の外面上にシールされた複数のキャップ612の第2の部分とを含む。図3T及び3Uに示される実施態様において、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の内面及び基板403の外面上にシールされる。図3T及び3Uにおいて、基板403は、中空である。しかし、他の実施態様において、基板403は中実であり、中空コアがない。
【0046】
シーラントキャップ612のさらに他の構成も可能である。例えば、いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の外面、及び基板403の外面に接着される。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の外面、及び基板403の内面に接着される。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の内面、及び基板403の内面に接着される。
有利には、いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612を構成するのに典型的に使用される金属は、ガラスの熱膨張率に対応するように選択される。例えば、いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ソーダ石灰ガラス(CTEが約9ppm/C)で構成され、シーラントキャップは、410のような低膨張ステンレス鋼合金(CTEが約10ppm/C)で構成される。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ホウ珪酸ガラス(CTEが約3.5ppm/C)で構成され、シーラントキャップ612は、コバール(CTEが約5ppm/C)で構成される。コバールは、鉄-ニッケル-コバルト合金である。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金(例えばコバール)、又はそれらの組合せなどの任意の導電材料で構成される。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、インジウム-酸化亜鉛などの任意の耐水性導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス(例えば、Pyrex、Duran、Simax等)、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、Pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス又はフリントガラスで構成される。
【0047】
シーラントキャップ612が金属で構成される実施態様において、シーラントキャップが透明導電層110及び背面電極104の双方と電気接続を形成しないように注意する。これをいくつかの方法で遂行することができる。図3N及び3Oに示される実施態様において、充填剤層560は、端部460とシーラントキャップ612の間に配置される。充填剤層560は、シーラントキャップ612を透明導電層110及び背面電極104から電気的に絶縁する。いくつかの実施態様において、充填剤層560は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層560は、Q型シリコーン、シリセキノキサン、D型シリコン及びM型シリコンである。いくつかの実施態様において、充填剤層560は、EVA、シリコーンゴム又は中実ゴムを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層に酸化カルシウム又は酸化バリウムなどの乾燥剤を浸透させる。いくつかの実施態様において、充填剤層560を使用するのに加えて、シーラントキャップ612を透明導電層110及び背面電極104に接触しないように成形する。シーラントキャップ612の1つの当該形状を図6に示す。図6に見られるように、シーラントキャップ612を、透明導電層110及び背面電極104に電気接触しないように、太陽電池ユニット300に対して屈曲させる。図6は、シーラントキャップ612が太陽電池ユニット300とシールを成すのであれば、任意のタイプの形状を採用できることを単に示すものである。
【0048】
有利には、シーラントキャップ612は、透明導電層110又は背面電極104に対する電気リードとして働くことができる。したがって、いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300の第1の端部は、透明導電層110と電気接続を成す第1のシーラントキャップ612でシールされ、太陽電池ユニット300の第2の端部は、背面電極104と電気接続を成す第2のシーラントキャップ612でシールされる。より典型的には、太陽電池ユニット300の第1の端部は、透明導電層110と電気的に導通する背面電極104と電気接続を成す第1のシーラントキャップ612でシールされ、太陽電池ユニット300の第2の端部は、透明導電層110と電気的に絶縁された背面電極104と電気接続を成す第2のシーラントキャップ612でシールされる。例えば、図5Bを参照すると、いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップ612Aは、透明導電層110と電気的に導通する背面電極104と電気接続を成し、第2のシーラントキャップ612Bは、透明導電層110と電気的に絶縁された背面電極104と電気接続を成す。これらの実施態様において、第1のシーラントキャップ612は、透明導電層110のための電極として働き、第2のシーラントキャップ612は、背面電極104のための電極として働く。図3N及び3Oを参照すると、例えば、シーラントキャップ612が金属で構成される実施態様において、シーラントキャップ612と透明導電層110及び背面電極104の両方との電気接触が成されない。したがって、シーラントキャップ612が金属で構成される実施態様において、シーラントキャップ612は、透明導電層110及び背面電極104の少なくとも一方と電気的に絶縁される。
【0049】
図5Aを参照すると、一例において、シーラントキャップ612Aは、(図5Aに示されるように)背面電極104と電気接触を形成するようにシーラントキャップ612A内に配置された電気接触子540を含む。次いで、透明導電層110は、電極540の接点で背面電極104と電気的に導通するため、リード542は、(図5Aに示されるように)透明導電層110のための電気リードとして働く。図5Bを参照すると、シール材614及び/又は616を使用して、シーラントキャップ612Aを太陽電池ユニット300上にシールする。結果として、電気接触子540は、背面電極104と電気接続を成す。好ましい実施態様において、太陽電池内への空気の封入を防止するために、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット上にシールする前に、空間560をエチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンなどの非導電性充填剤で埋める。いくつかの実施態様において、電気接触子540をシーラントキャップ612というよりむしろ、背面電極104上に取り付ける。いくつかの実施態様において、電気接触子540は、単に背面電極104の延長である。
いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、ガラスで構成される。当該実施態様において、透明導電層110又は背面電極104のためのリードがシーラントキャップ612を通っている(不図示)。当該実施態様において、シーラントキャップ612は、側端部460に直に圧接することができる。したがって、当該実施態様において、充填剤層560は随意である。
【0050】
いくつかの実施態様において、ブチルゴム(例えばポリイソブチレン)を使用して、シーラントキャップ612を太陽電池上にシールする。当該実施態様において、充填剤層560はブチルゴムであり、ブチルゴムがシーラントキャップ612をシールする機能を果たすため、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300上にシールするのにガラスフリット又はセラミックを必要としない。いくつかの実施態様において、このブチルゴムにCaO又はBaOなどの活性乾燥剤を充填する。ブチルラバーでシールされる当該実施態様において、太陽電池ユニットは、10-4g/m2・日未満の透湿度を有する。充填剤層560にブチルゴムを使用するいくつかの実施態様において、シーラントキャップ612を必要としない。当該実施態様において、太陽電池ユニット300の端部をブチルゴムでシールする。シーラントキャップ612を用いずにブチルゴムを使用する実施態様において、図5Aのリード540及び542などのリードを使用して、太陽電池ユニット300を他の太陽電池ユニット300又は他の回路と電気接続することができる。
【0051】
いくつかの実施態様において、ガラス対ガラスシール、金属対金属シール、セラミック対金属シール、又はガラス対金属シールを用いて、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300上にシールする。様々な代表的な実施態様に使用される2つの典型的なタイプのガラス対金属気密シール、即ちマッチドシール及びミスマッチド(圧縮)シールが存在する。マッチドガラス対金属気密シールは、同様の熱膨張特性を有する金属合金及び基板403/透明非平面ケース310で構成される。ミスマッチド又は圧縮ガラス対金属気密シールは、ガラス太陽電池より熱膨張率が高い鋼又はステンレス鋼シーラントキャップ612を特徴とする。冷却されると、シーラントキャップ612は、ガラスの周囲に接触して、化学的及び機械的に強化された気密シールを形成する。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-4g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-5g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-6g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-7g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-8g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。
【0052】
いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-4g/m2・日以下の透湿度(WVTR)を有する。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-5g/m2・日以下の透湿度(WVTR)を有する。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-5g/m2・日以下のWVTRを有する。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-6g/m2・日以下の透湿度(WVTR)を有する。いくつかの実施態様において、キャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-7g/m2・日以下のWVTRを有する。いくつかの実施態様において、キャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、WVTRが10-8g/m2・日以下である。ガラス、又はより一般にはセラミック材料を使用して、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間のシールを達成することができる。好ましい実施態様において、このガラス又はセラミック材料は、200℃から450℃の溶融温度を有する。いくつかの実施態様において、このガラス又はセラミック材料は、300℃から450℃の溶融温度を有する。いくつかの実施態様において、このガラス又はセラミック材料は、350℃から450℃の溶融温度を有する。気密シールを形成するのに使用できる広範なガラス及びセラミック材料が存在する。例としては、アルミナ、ジルコニア、シリカ、珪酸アルミニウム、マグネシア及び他の金属酸化物系材料を含む酸化物セラミック、二酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムジルコニアに基づくセラミック、並びに二酸化珪素に基づくガラスが挙げられるが、それらに限定されない。
図3Nを参照すると、いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612の内縁の周囲にシール材614の連続帯を配置することによって、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300上にシールする。さらに図3Nを参照すると、いくつかの実施態様において、シール材616の連続帯を透明非平面ケース310の外縁に配置する。典型的には、(シーラントキャップ612の内縁の周囲の)シール材614又は(透明非平面ケース310の外縁の周囲の)シール材616を使用するが、その両方を使用しない。
【0053】
いくつかの実施態様において、シール材614及び/又はシール材616は、ガラスフリットである。異なるタイプのガラスに異なる温度で使用できる異なるタイプのフリットが存在する。本発明は、フリット又はガラスのタイプに無関係である。好ましい実施態様において、ガラスフリットは、200℃から450℃の溶融温度を有する。ソルダガラスとも呼ばれる当該材料は、Ferro Corporation(Ohio(オハイオ)州Cleveland)、Schott Glass(New York(ニューヨーク)州Elmsford)及びAsahi Glass(日本、東京)を含む多くの供給源から入手可能である。有利には、溶融温度が低いソルダガラスを使用すると、シール形成時に太陽電池の活性成分が極端な温度に曝されることが制限される。好ましい実施態様において、ガラスフリットは、用途の正確な形状に合わせて(シール材616の場合は透明非平面ケース310の外縁に嵌合し、或いはシール材614の場合はシーラントキャップ612の内縁内に嵌合するように)構成された加圧又は焼成予備成形物である。いくつかの実施態様において、ソルダガラスを有機バインダ材料に懸濁するか、又は乾燥粉末として塗布する。シール材614及び/又は616がガラスフリットである実施態様において、連続ガラスフリットが軟化するのを可能にする値まで温度を上昇させる。高熱面に直に接触させる等の方法によって、金属部の誘導加熱によって、炎若しくは熱風との接触との接触によって、又はレーザの光の吸収によって熱を加えることができる。ガラスフリットが軟化すると、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300上に押しつける。軟化したガラスフリットは、接合される部品との結合を形成することで、気密シールを形成する。
【0054】
いくつかの実施態様において、シール材614及び/又はシール材616は、ゾル-ゲル材料である。知られているように、ゾル-ゲル材料は、交互に2つの状態に変化し、一方の状態は、液体中の固体粒子のコロイド懸濁物であり、他方の状態は、溶媒が充填された中実外殻が存在する二相材料である。例えば、大気圧との接触を介して溶媒を除去すると、低密度ガラスと同様の軟度を有するキセロゲル材料が得られる。やはり知られているように、大量の珪酸カリウム(カシル)(例えば120グラム)を比較的少量のホルムアミド(例えば7〜8グラム)と混合することによって、ゾル-ゲル材料を処方することができる。或いは、より少量のカシル(例えば12グラム)をさらに少量の炭酸プロピレン(例えば2〜3グラム)と混合することができる。ゾル-ゲル材料を形成する別の方法は、TEOS-H2Oとメタノールを混合すること、及び混合物を加水分解させることを含む。シール材614及び/又はシール材616がゾル-ゲルである実施態様において、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300に押しつけ、ゾル-ゲルを硬化させる。いくつかの実施態様において、ゾル-ゲルを大気温度及び大気圧で硬化させる。或いは、例えば熱を加えること、又は赤外線熱源を使用することなどの他の方法によって硬化処理を加速させることができる。ゾル-ゲルがポリカーボネート-カシル混合物である場合は、ゾル-ゲル材料は、室温で約5から10分間のうちに硬化する。ゾル-ゲルについては、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadou、2002、「微小成形の基礎、小形化の科学(Fundamentals of Microfabrication、The Science of Miniaturization)」、第2版、CRC Press、New York、156〜157頁に論述されている。
【0055】
いくつかの実施態様において、シール材614及び/又はシール材616は、セラミックセメント材料である。当該材料は、Aremco(New York(ニューヨーク)州Valley Cottage)及びSaueresen(Pennsylvania(ペンシルバニア)州Pittsburgh)などの供給源から容易に入手可能である。当該材料は、比較的安価であり、ガラス又は金属との強い結合を与える。しかし、それらの性質により、これらのセメントは、気密防水シールを与えない多孔質セラミックを形成する。しかし、当該材料を防水することができる。セラミックの孔径より小さいソルダガラスの懸濁物を揮発性の液体中に構成することができる。次いで、この液体を毛管作用によってセラミックの孔に吸い込ませることができる。続く加熱によって、ソルダガラスを溶融させることで、セラミック材料を濡らすことによって、セラミック材料をシールし、気密シールを形成する。Aremcoは、この用途の製品(ArmcoSeal 617)を販売する。しかし、AremcoSeal 617ガラスには、高温で処理しなければならないという欠点がある。したがって、好ましい実施態様において、DieMatが提供する(DM2700Pシーリングガラスペースト)のようなバインダに懸濁した低融点ソルダガラスを代わりに使用する。これらの技術を用いて多孔質セラミック及びゾル-ゲルの両方を防水できる。
【0056】
図3N及び3Oによる一実施態様において、DM2700P(DieMat、Massachusetts(マサチューセッツ)州Byfield)を透明非平面ケース310の外周に塗布して、シール材616を形成し、ペーストを乾燥させる。次いで、ステンレス鋼で構成されたシーラントキャップ612をホットプレートで約420℃まで加熱する。次に、まだホットプレート上に置きながら、太陽電池の塗布端部を高温キャップに手で挿入する。シーリングガラスペーストを溶融させ、シーラントキャップ612の表面を濡らす。太陽電池をホットプレートから取り除き、冷却させる。
図3N及び3Oによる別の実施態様において、シール材614を形成するために、DM2700Pコーティングをシーラントキャップ612の内周に塗布する。ペーストを乾燥させる。次に、ステンレス鋼キャップを、シーリングガラスが溶融するまでホットプレートで約420℃まで加熱する。キャップをまだホットプレート上に置きながら太陽電池の一端をステンレス鋼キャップに手で挿入する。シーリングガラスペーストが溶融し、透明非平面ケース310の表面の外面を濡らす。次いで、その組立品をホットプレートから取り除き、冷却させる。
【0057】
図3Pを参照すると、シール材618及び/又は620を使用して、シーラントキャップ612を太陽電池300にシールする。シール材618及び/又は620は、上記のシール材614及び/又は616を構成するのに使用できる組成物のいずれかで構成される。図3Rを参照すると、シール材622及び/又は624を使用して、シーラントキャップ612を太陽電池300にシールする。シール材622及び/又は624は、上記のシール材614及び/又は616を構成するのに使用できる組成物のいずれかで構成される。図3Tを参照すると、シール材626及び/又は630をシール材628及び/又はシール材632とともに使用して、シーラントキャップ612を太陽電池300にシールする。シール材626及び/又は628及び/又は630及び/又は632は、上記のシール材614及び/又は616を構成するのに使用できる組成物のいずれかで構成される。
【0058】
(5.1.1基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図3A〜3Kは、カスケーディング技術を用いて太陽電池ユニット300を製造するための代表的な処理工程を示す。モノリシック集積太陽電池、及び本出願に使用できる他の形のモノリシック集積太陽電池は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の米国特許出願第11/378,835号に開示されている。図3A〜3Kの各例は、様々な製造段階における太陽電池ユニット300の斜視図を示す。各斜視図の下には、対応する太陽電池ユニット300の1つの半球体の対応する断面図が存在する。典型的な実施態様において、図3に示される太陽電池ユニット300は、導電性基板403を有さない。別法では、基板403が導電性である実施態様において、基板は、個々の太陽電池700の背面電極104が互いに電気的に絶縁されるように絶縁体層で円周方向に覆われる。
【0059】
図3Kを参照すると、太陽電池ユニット300は、複数の光起電電池700に共通の基板403を含む。基板403は、第1の端部及び第2の端部を有する。複数の光起電電池700は、図3Kに示されるように基板403上に直線状に配置される。複数の光起電電池700は、第1及び第2の光起電電池700を含む。複数の光起電電池700における各光起電電池700は、共通の基板403上に円周方向に配置された背面電極104、及び背面電極104上に円周方向に配置された半導体接合406を含む。図3Kの場合は、半導体接合406は、吸収体106及び窓層108を含む。複数の光起電電池700における各光起電電池700は、半導体接合406上に円周方向に配置された透明導電層110をさらに含む。図3Kの場合は、第1の光起電電池700の透明導電層110は、バイア280により複数の光起電電池における第2の光起電電池の背面電極と直列電気接続する。いくつかの実施態様において、各バイア280は、太陽電池の全周にわたって伸びる。いくつかの実施態様において、各バイア280は、太陽電池の全周にわたって伸びない。実際、いくつかの実施態様において、各バイアは、太陽電池の周の小さい割合にわたって伸びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各太陽電池700は、太陽電池700の透明導電層110を、隣接する太陽電池700の背面電極104と電気的に直列接続させる1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のバイア280を有することができる。
【0060】
次に、代表的な太陽電池ユニット300を製造するための代表的な方法を図3Aから3Kとともに説明する。この説明の中で、太陽電池ユニット300の各部品の代表的な材料について説明する。しかし、太陽電池ユニット300の各部品の好適な材料のより包括的な説明は、上記セクション5.1に示されている。図3Aを参照すると、該方法は、基板403から開始する。次に、図3Bにおいて、背面電極104を基板403に配置する。2006年3月18日出願の米国特許出願第11/378,835号に開示された技術のいずれかを含む様々な技術によって背面電極104を堆積することができる。いくつかの実施態様において、背面電極104をスパッタリングによって基板403上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、背面電極104を電子ビーム蒸着によって基板403上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、基板403は、導電性材料で構成される。そのような実施態様において、電気メッキを用いて、背面電極104を基板403上に円周方向に配置することが可能である。いくつかの実施態様において、基板403は、導電性でないが、鋼箔又はチタン箔などの金属箔で覆われる。当該実施態様において、電気メッキ技術を用いて、背面電極104を金属箔上に電気メッキすることが可能である。さらに他の実施態様において、背面電極104を高温浸漬によって基板403上に円周方向に配置する。
【0061】
図3Cを参照すると、溝292を形成するために、背面電極104をパターン化する。溝292は、背面電極104の全周にわたって伸びることによって、背面電極104を個別の部分に分割する。各部分は、対応する太陽電池700の背面電極104として働く。溝292の底部は、下部の基板403を露出させる。いくつかの実施態様において、背面電極104に吸収される波長を有するレーザビームを使用して溝292を刻む。レーザスクライビングは、従来の機械掘削法と比較して多くの利点を提供する。レーザを使用して薄膜を処理する場合に、レーザスクライビング、エッチング及びアブレーションという用語は、区別なく用いられる。金属材料のレーザ切断を2つの主たる方法、即ち蒸発切断及びメルトブロー切断に分けることができる。蒸発切断では、材料を蒸発温度まで急速に加熱し、蒸発として自然に除去する。メルトブロー法は、材料を溶融温度まで加熱するとともに、ガス流が溶融物を表面から吹き飛ばす。いくつかの実施態様において、不活性ガス(例えばAr)を使用する。他の実施態様において、反応ガスを使用することで、溶融物との発熱反応を通じて材料の加熱を強化する。レーザスクライビング技術によって処理される薄膜材料としては、半導体(例えば、テルル化カドミウム、銅インジウムガリウムジセレニド及びシリコン)、透明導電性酸化物(例えば、フッ素ドープ酸化錫及びアルミニウムドープ酸化亜鉛)並びに金属(例えば、モリブデン及び金)が挙げられる。当該レーザシステムは、いずれも商業的に入手可能であり、パルス持続時間及び波長に基づいて選択される。レーザスクライビングに使用できるいくつかの代表的なレーザシステムとしては、QスイッチNd:YAGレーザシステム、Nd:YAGレーザシステム、銅蒸気レーザシステム、XeClエキシマレーザシステム、KrFエキシマレーザシステム及びダイオード-レーザ-ポンプNd:YAGシステムが挙げられるが、それらに限定されない。本発明に使用できる詳細なレーザスクライビングシステム及び方法については、Compaanら、1998、「薄膜PVモジュールのためのレーザスクライビングの最適化(Optimization of laser scribing for thin film PV module)」、National Renewable Energy Laboratory最終技術進捗報告1995年4月〜1997年10月;Querciaら、1995、「CuInSe2サブモジュールの作製のためのCuInSe2/Mo/SLS構造レーザパターン化(Laser patterning of CuInSe2/Mo/SLS structures for the fabrication of CuInSe2 sub modules)」、Semiconductor Processing and Characterization with Lasers:Application in Photovoltaics,First International Symposium,Issue 173/174,Number com P:53〜58;及びCompaan、2000、「レーザスクライビングによるモノリシック薄膜アレイの形成(Laser scribing creates monolithic thin film arrays)」、Laser Focus World 36:147〜148、150及び152を参照されたい。いくつかの実施態様において、機械的手段を用いて溝292を刻む。例えば、レーザ刃又は他の鋭利な器具で背面電極104を掻くことによって、溝292を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフィックエッチング法を用いて溝292を形成する。
【0062】
図3D〜3Fは、半導体接合406が単一の吸収体層106及び単一の窓層108を含む場合を示す。しかし、本発明は、それに限定されない。例えば、接合層406は、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合であり得る。図3Dを参照すると、吸収体層106は、背面電極104上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、熱蒸着によって背面電極104上に円周方向に配置される。例えば、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBeck及びBrittの「最終技術報告(Final Technical Report)」、2006年1月、NREL/SR-520-39119;及びDelahoy及びChen、2005年8月、「高度CIGS光起電技術(Advanced CIGS Photovoltaic Technology)」、サブコントラクトレポート;Kapurら、2005年1月サブコントラクトレポート、NREL/SR-520-37284、「非真空薄膜CIGS太陽電池の実験室規模から大規模製造への移行(Lab to Large Scale Transition for Non-Vacuum Thin Film CIGS Solar Cells)」;Simpsonら、2005年10月、サブコントラクトレポート、「軟質CIGS PVモジュール製造のための軌道指向及び障害許容性高度プロセス制御(Trajectory-Oriented and Fault-Tolerant-Based Intelligent Process Control for Flexible CIGS PV Module Manufacturing)」、NREL/SR-520-38681;及びRamanathanら、31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition、Lake Buena Vista、Florida、1月3〜7日、2005に開示されている技術を用いて堆積されるCIGSである。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、原子源からの蒸発によって、背面電極104上に円周方向に配置される。例えば、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、原子源からの蒸発によってモリブデン背面電極104上に成長されるCIGSである。1つの当該蒸発法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanthanら、2003、「効率19.2%のZnO/CdS/CuInGaSe2薄膜太陽電池の特性(Properties of 19.2% Efficiency ZnO/CdS/CuInGaSe2 Thin-film Solar Cells)」、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 11、225に記載されている3段階プロセス、或いは該3段階プロセスの変形である。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、一段階蒸発プロセス又は二段階蒸発プロセスを用いて背面電極104上に円周方向に堆積される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、スパッタリングによって背面電極104上に円周方向に堆積される。典型的には、当該スパッタリングには高温基板403が必要である。
【0063】
いくつかの実施態様において、吸収体層106は、電気メッキを用いて吸収体層106の構成要素金属又は金属合金の個々の層として背面電極104上に円周方向に堆積される。例えば、吸収体層106が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である場合を考慮されたい。CIGSの個々の構成要素層(例えば、銅層、インジウム-ガリウム層、セレニウム)を層毎に背面電極104上に電気メッキすることができる。いくつかの実施態様において、吸収体層の個々の層は、スパッタリングを用いて背面電極104上に円周方向に堆積される。吸収体層106の個々の層がスパッタリング若しくは電気メッキ又はそれらの組合せのいずれによって円周方向に堆積されるかに関係なく、典型的な実施態様(例えば、活性層106がCIGSである場合)において、構成要素層が円周方向に堆積されると、それらの層は、互いに反応して吸収体層106を形成するように高速熱処理工程で迅速に加熱される。いくつかの実施態様において、セレニウムは、電気メッキ又はスパッタリングによって送達されない。当該実施態様において、セレニウムは、元素セレニウムガスの形で低圧加熱工程を通じて、或いは低圧加熱工程を通じてセレン化水素の形で吸収体層106に送達される。いくつかの実施態様において、銅-インジウム-ガリウム酸化物は、背面電極104上に円周方向に堆積され、次いで銅-インジウム-ガリウムジセレニドに変換される。いくつかの実施態様において、真空プロセスを用いて、吸収体層106を堆積する。いくつかの実施態様において、非真空プロセスを用いて、吸収体層106を堆積する。いくつかの実施態様において、室温プロセスを用いて、吸収体層106を堆積する。さらに他の実施態様において、高温プロセスを用いて、吸収体層106を堆積する。これらのプロセスは例にすぎず、吸収体層106を堆積するのに用いることができる広範な他のプロセスが存在することを当業者なら理解するであろう。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、化学蒸着を用いて堆積される。
【0064】
図3E及び3Fを参照すると、窓層108は、吸収体層106上に円周方向に堆積される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、薬浴蒸着法を用いて、吸収体層108上に円周方向に堆積される。例えば、窓層108が硫化カドミウムなどの緩衝層である場合は、反応すると、溶液から析出する硫化カドミウムを形成する溶液中にカドミウム及び硫化物をそれぞれ個別に提供することができる。窓層として働くことができる他の構成要素としては、硫化インジウム、酸化亜鉛、酸化亜鉛ヒドロキシ硫化物又は他のタイプの緩衝層が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、窓層108は、n型緩衝層である。いくつかの実施態様において、窓層108は、吸収体層106上にスパッタリングされる。いくつかの実施態様において、窓層108は、吸収体層106上に蒸着される。いくつかの実施態様において、窓層108は、化学蒸着を用いて吸収体層106上に円周方向に配置される。
【0065】
図3G及び3Hを参照すると、溝294を形成するために、半導体接合406(例えば、層106及び108)をパターン化する。いくつかの実施態様において、溝294は、半導体接合406の全周にわたって伸びることによって、半導体接合406を個別の部分に分割する。いくつかの実施態様において、溝294は、半導体接合406の全周にわたって伸びない。実際、いくつかの実施態様において、各溝は、半導体接合406の周の小さい割合にわたって伸びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各太陽電池700は、所定の溝294の代わりに半導体接合406の周に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、半導体接合406に吸収される波長を有するレーザビームを使用して溝294を刻む。いくつかの実施態様において、機械的手段を用いて溝294を刻む。例えば、レーザ刃又は他の鋭利な器具で半導体接合406を掻くことによって、溝294を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフィックエッチング法を用いて溝294を形成する。
【0066】
図3Iを参照すると、透明導電層110を半導体接合406上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、透明導電層110をスパッタリングによって背面電極104上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、スパッタリングは、反応性スパッタリングである。例えば、いくつかの実施態様において、酸素ガスの存在下で亜鉛ターゲットを使用して、酸化亜鉛を含む透明導電層110を生成する。別の反応性スパッタリングの例において、酸素の存在下でインジウム錫ターゲットを使用して、インジウム錫酸化物を含む透明導電層110を生成する。別の反応性スパッタリングの例において、酸素の存在下で錫ターゲットを使用して、酸化錫を含む透明導電層110を生成する。概して、任意の高バンドギャップ導電性透明材料を透明導電層110として使用することができる。本明細書に用いられているように、「透明」という用語は、約300ナノメートルから約1500ナノメートルの波長範囲で透明であると考えられる材料を指す。しかし、この全波長範囲にわたって透明でない構成要素も、特に当該材料の非常に薄い層を使用できるように高い導電性などの他の特性を有するのであれば、透明導電層110として働くことができる。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、導電性であり、反応的に、又はセラミックターゲットを使用してスパッタリングにより堆積することができる任意の透明導電性酸化物である。
いくつかの実施態様において、直流(DC)ダイオードスパッタリング、高周波(RF)ダイオードスパッタリング、トリオードスパッタリング、DCマグネトロンスパッタリング又はRFマグネトロンスパッタリングを用いて透明導電層110を堆積する。いくつかの実施態様において、原子層堆積を用いて透明導電層110を堆積する。いくつかの実施態様において、化学蒸着用いて透明導電層110を堆積する。
【0067】
図3Jを参照すると、溝296を形成するために、透明導電層110をパターン化する。溝296は、透明導電層110の全周にわたって伸びることによって、透明導電層110を個別の部分に分割する。溝296の底部は、下部の半導体接合406を露出させる。いくつかの実施態様において、溝298によって露出された背面電極104を電極又は他の電子回路に接続するために、溝298を太陽電池ユニット300の端部においてパターン化する。いくつかの実施態様において、透明導電層110に吸収される波長を有するレーザビームを使用して溝296を刻む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝296を刻む。例えば、レーザ刃又は他の鋭利な器具で背面電極104を掻くことによって、溝296を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフィックエッチング法を用いて溝296を形成する。
図3Kを参照すると、従来の堆積技術を用いて、随意の反射防止膜112を透明導電層110上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300を透明非平面ケース310に収容する。太陽電池ユニット300などの長形太陽電池をどのようにして透明管状ケースに収容できるかについては、2006年3月18日出願の米国特許同時継続出願第11/378,847号に記載されている。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300の外層と透明非平面ケース310との間に空気のポケットを存在させないために、随意の充填剤層330を使用する。
【0068】
いくつかの実施態様において、電極帯420は、インクジェット印刷を用いて、透明導電層110に堆積される。当該電極帯に使用できる導電性インクの例としては、銀充填又はニッケル充填導電性インクが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、エポキシ並びに異方性導電性接着剤を使用して、電極帯420を構成することができる。典型的な実施態様において、電極帯420を形成するために当該インク又はエポキシを熱硬化させる。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300に当該電極帯が存在しない。実際、本発明のモノリシック集積設計を用いる主たる利点は、太陽電池ユニット300の長さにわたる電圧が独立した太陽電池700により増加することである。したがって、電流が減少することによって、個々の太陽電池700の電流必要量が減少する。結果として、多くの実施態様において、電極帯420が必要なくなる。
【0069】
いくつかの実施態様において、溝292、294及び296は、図3に示されるように同心でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板403の管(長)軸に沿って螺旋状に下降する。図3のモノリシック集積手法は、面積及び処理工程数を最小限にするという利点を有する。
図3Lを参照すると、随意の充填剤層330を透明導電層110又は反射防止層112に円周方向に配置する。図3Mを参照すると、実施態様に応じて、透明非平面ケース310を、随意の充填剤層330(該層が存在する場合)又は反射防止層112(該層が存在し、随意の充填剤層330が存在しない場合)又は透明導電層110(随意の充填剤層330及び反射防止層112が存在しない場合)上に円周方向に嵌合させる。
【0070】
(5.1.2透明非平面ケース)
透明非平面ケース310は、図2A及び図2Bに示されるように、太陽電池ユニット300をシールして、太陽電池に対する支持及び保護を提供する。透明非平面ケース310の大きさ及び寸法は、太陽電池組立品ユニット300における個々の太陽電池700の大きさ及び寸法によって決定づけられる。透明非平面ケース310をガラス、プラスチック又は任意の他の好適な材料で構成することができる。透明非平面ケース310を構成するのに使用できる材料の例としては、ガラス(例えばソーダ石灰ガラス)、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル、ポリカーボネート、フルオロポリマー(例えばTefzel又はTeflon)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、Tedlar又はいくつかの他の好適な透明材料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0071】
ガラス製管状透明ケース。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ガラス製である。本発明は広範な透明非平面ケース310用ガラスを想定しており、そのいくつかは、このセクションに記載され、他は、当業者に知られている。一般的なガラスは、石英に見られるのと同じ化学化合物である約70%の非晶質二酸化珪素(SiO2)及びその多結晶形の砂を含む。一般的なガラスを本発明のいくつかの実施態様に使用して、透明非平面ケース310を製造する。しかし、一般的なガラスは、脆性であり、割れて尖った破片になる。したがって、いくつかの実施態様において、他の化合物の添加又は熱処理により一般的なガラスの特性を改質し、或いは全面的に改変する。
純粋なシリカ(SiO2)は、約2000℃の融点を有し、特殊な用途のガラス(例えば、溶融石英)に製造され得る。通常、処理を簡単にするために他の2つの物質を一般的なガラスに添加する。1つは、融点を約1000℃に下げるソーダ(炭酸ナトリウムNa2CO3)又は同等のカリウム化合物であるカリである。しかし、ソーダは、ガラスを水溶性にし、それは望ましくないため、石灰(酸化カルシウム、CaO)が、不溶性を回復するために添加される第3の成分となる。得られたガラスは、シリカ約70%を含有し、ソーダ石灰ガラスと呼ばれる。ソーダ石灰ガラスを本発明のいくつかの実施態様に使用して、透明非平面ケース310を製造する。
【0072】
最も一般的なガラスは、ソーダ石灰の他に、その特性を改変するための他の成分が添加される。鉛ガラス又はフリントガラスなどの鉛ガラスは、屈折率が高いために顕著により強い「光沢」を生じさせるためより「輝度」が高く、一方で、Pyrexのようにホウ素を添加して、熱及び電気特性を改変することができる。バリウムを添加することによっても屈折率が高くなる。酸化トリウムは、ガラスに高屈折率及び低散乱性を付与し、高品質レンズの製造に以前使用されたが、その放射活性により、近代ガラスでは酸化ランタンに取って代わられている。映写機用吸熱フィルタなどの、赤外線エネルギーを吸収するガラスに大量の鉄が使用され、UV波長(生物損傷性イオン化放射線)を吸収するガラスに酸化セリウム(IV)を使用することができる。本発明のいくつかの実施態様において、これらの添加剤のいずれかの1種以上を使用して、透明非平面ケース310を製造する。
【0073】
一般的なガラス材料の例としては、アルミノ珪酸、ホウ珪酸(例えば、Pyrex、Duran、Simax)、ダイクロイック、ゲルマニウム/半導体、ガラスセラミック、珪酸/溶融シリカ、ソーダ石灰、石英、カルコゲニド/硫化物、セリーテドガラス及びフッ化ガラスが挙げられるが、それらに限定されない。透明非平面ケース310をこれらの材料のいずれでも製造することができる。
いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ソーダ石灰ガラスで製造される。ソーダ石灰ガラスは、ホウ珪酸及び石英より軟質であり、スクライブ切断をより容易且つ迅速にする。ソーダ石灰ガラスは、非常に低コストで、大量生産が容易である。しかし、ソーダ石灰ガラスは、耐熱衝撃性が劣る。したがって、ソーダ石灰ガラスは、加熱が非常に均一且つ緩やかな熱的環境において透明非平面ケース310に使用されるのが最も好ましい。その結果、太陽電池700をソーダ石灰ガラスから製造された透明非平面ケース310に収容する場合は、温度が急激に変動しない環境で当該電池を使用するのが最も好ましい。
【0074】
いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ホウ珪酸ガラスなどのガラス材料で製造される。ホウ珪酸ガラスの商品名としては、Pyrex(登録商標)(Corning)、Duran(登録商標)(Schott Glass)及びSimax(登録商標)(Kavalier)が挙げられるが、それらに限定されない。たいていのガラスのように、ホウ珪酸ガラスの主な成分は、ホウ素及び様々な他の要素が添加されたSiO2である。ホウ珪酸ガラスは、石英などの材料より高温加工が容易であるため、製造コストがより小さくなる。ホウ珪酸ガラスの材料コストも溶融石英よりはるかに小さい。溶融石英を除くたいていのガラスと比較して、ホウ珪酸ガラスは、膨張係数が小さく、ソーダ石灰ガラスの3分の1である。これにより、ホウ珪酸ガラスは、熱環境において有用であり、熱衝撃による破壊の危険性がない。ソーダ石灰ガラスのように、フロート法を用いて、1mm未満から30mm以上の様々な厚さの比較的低コストの光学特性シート状ホウ珪酸ガラスを製造することができる。石英と比較して、ホウ珪酸ガラスは、容易に成形可能である。加えて、ホウ珪酸ガラスは、成形及び火炎加工の際の失透が最小限である。これは、成形及びスランピングの際に高品質面を維持できることを意味する。ホウ珪酸ガラスは、連続使用に対して500℃まで熱安定性を有する。ホウ珪酸ガラスは、また、家庭用ソーダ石灰ガラスより非フッ素化化学物質に対する抵抗が強く、ソーダ石灰ガラスより機械強度が強く硬質である。ホウ珪酸ガラスは、通常は、ソーダ石灰ガラスより2から3倍高価である。
ソーダ石灰及びホウ珪酸ガラスは、ガラス材料を使用して、透明非平面ケース310を製造する際の検討対象の様々な態様を説明するための例として示されているにすぎない。先述の説明は、本発明の範囲を限定するものではない。実際、透明非平面ケース310を例えばアルミノ珪酸、ホウ珪酸(例えば、Pyrex(登録商標)、Duran(登録商標)、Simax(登録商標))、ダイクロイック、ゲルマニウム/半導体、ガラスセラミック、珪酸/溶融シリカ、ソーダ石灰、石英、カルコゲニド/硫化物、セリーテドガラス及び/又はフッ化ガラスなどのガラスで製造することができる。
【0075】
プラスチック製透明管状ケース。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、透明プラスチック製である。プラスチックは、ガラスのより安価な代替である。しかし、プラスチック材料は、概して、加熱下で不安定であり、より好ましくない光学特性を有し、水分子が透明非平面ケース310を透過するのを防止しない。最後の要因は、修正されなければ、太陽電池700に損傷を与え、それらの寿命を酷く縮める。よって、いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310がプラスチックで製造される場合は、太陽電池402への水の浸入を防止するために、上記の耐水層を使用する。
エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレン:TEFLON(登録商標)モノマーの重合により誘導されるETFE(登録商標))、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル及びViton(登録商標)を含むが、それらに限定されない広範な材料を使用して、透明非平面ケース310を製造することができる。
【0076】
太陽放射線の入力を最大限にするために、好ましくは、太陽電池700の外側の任意の層(例えば、随意の充填剤層330又は透明非平面ケース310)が太陽電池の入射放射線の特性に悪影響を与えるべきではない。太陽電池402の効率性を最適化する上で考慮すべき多くの要因がある。太陽電池の製造に関するいくつかの要因を以下に記載する。
透明性。太陽電池吸収層(例えば半導体接合410)への入力を最大限にするために、太陽電池402の外側の任意の層による入射放射線の吸収を回避又は最小にすべきである。この透明性要件は、太陽電池700の下部半導体接合410の吸収特性の関数として変化する。概して、透明非平面ケース310及び随意の充填剤層330は、半導体接合410によって吸収される波長に対して可能な限り透明であることが好ましい。例えば、半導体接合410がCIGSに基づく場合は、透明非平面ケース310及び随意の充填剤層330を製造するのに使用される材料は、500nmから1200nmの波長範囲の光に対して透明であることが好ましい。
【0077】
紫外線安定性。太陽電池700の外側の層を構成するために使用される任意の材料は、化学的安定性で、特にUV光に露光された際に安定していることが好ましい。より具体的には、当該材料は、UV露光に際して透明性が低くなるべきではない。通常のガラスは、UVA(400及び300nmの波長)を部分的に遮断し、UVC及びUVB(300nm未満の波長)を全面的に遮断する。ガラスのUV遮断効果は、通常は、ガラスにおける添加剤、例えば炭酸ナトリウムに起因する。いくつかの実施態様において、ガラスで製造された透明非平面ケース310における添加剤は、ケース310に全面的なUV保護性を付与することができる。当該実施態様において、透明非平面ケース310は、UV波長に対する完全な保護を提供するため、下部の随意の充填剤層330のUV安定性要件が軽減される。例えば、透明非平面ケース310がUV保護ガラスで製造される場合は、EVA、PVA、TPU(ウレタン)、シリコーン、ポリカーボネート及びアクリルを適用して、充填剤層330を形成することができる。或いは、いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310がプラスチック材料で製造される場合は、UV安定性要件を付与することが好ましい。
【0078】
材料及び/又は随意の充填剤層330の黄色化により太陽電池402への放射線入力が遮断され、それらの効率性が低下するため、透明非平面ケース310としてUV放射線に敏感なプラスチック材料は使用されないことが好ましい。加えて、UV露光による透明非平面ケース310のひび割れが、太陽電池402に恒久的に損傷を与える。例えば、ETFE及びTHVのようなフルオロポリマー(Dyneon)は、UV安定性を有し、且つ極めて透明である一方、PETは、透明であるが、十分なUV安定性を有さない。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びフッ化ビニリデンの単量体をベースとしたフルオロポリマーで製造される。加えて、最も一般的な合成材料の1つであるポリ塩化ビニリデン(「PVC」又は「ビニル」)もUV露光に敏感である。PVCにUV安定性を付与する方法が開発されたが、UV安定化PVCでも典型的には十分な耐久性を有さない(例えば、比較的短時間使用するうちにPVC製品の黄色化及びひび割れが生じる)。ウレタンは、より好適であるが、ポリマー骨格の厳密な化学的性質に左右される。ウレタン材料は、ポリマー骨格が反応性の弱い化学基(例えば脂肪族又は芳香族)で形成されている場合に安定する。一方、ポリマー骨格がより反応性の強い基(例えば二重結合)で形成されている場合は、二重結合のUV触媒分解の結果として材料の黄色化が生じる。同様に、EVAが黄色化するため、連続的にUV光に露光するとPVBも黄色化する。他の選択肢は、ポリカーボネート(10年以内のOD露光ではUVに対して安定化させることができる)又はアクリル(本質的にUV安定性を有する)である。
【0079】
反射特性。太陽放射線の入力を最大限にするために、透明非平面ケース310の外面における反射を最小限に抑える必要がある。反射防止膜を個別の層として、又は耐水性被膜と組み合わせて、透明非平面ケース310の外側に塗布することができる。いくつかの実施態様において、この反射防止膜は、MgF2で構成される。いくつかの実施態様において、この反射防止膜は、硝酸珪素又は硝酸チタンで構成される。他の実施態様において、この反射防止膜は1つ以上の一酸化珪素(SiO)層で構成される。例えば、光沢性の珪素が鏡として作用でき、その上で輝く光の30パーセントを超える量を反射する。単層のSiOは、表面反射率を約10パーセントまで低下させ、第2のSiO層は、反射率を4パーセント未満まで低下させる。他の有機反射防止材料、特に、半導体デバイスの下部層の表面からの反射を防止し、且つウェハ及び感光膜上の下部層の様々な光学特性による定常波及び反射ノッチングを除去する材料が、米国特許第6,803,172号に開示されている。さらなる反射防止膜材料及び方法が、米国特許第6,689,535号;同第6,673,713号、同第6,635,583号;同第6,784,094号及び同第6,713,234号に開示されている。
或いは、透明非平面ケース310の外面を粗面化して、反射放射線を低減することができる。そうでなければ電池から屈折し得る光線を取り込む錐体及びピラミッドのパターンを化学エッチングで形成する。反射光は、電池に再誘導され、そこで吸収される別の機会を有する。エッチング、又はエッチング技術とコーティング技術の組合せにより反射防止層を形成するための材料及び方法が、米国特許第6,039,888号;同第6,004,722号;及び同第6,221,776号に開示されている。
【0080】
屈折特性。いくつかの実施態様において、充填剤層330の屈折率は、光が太陽電池402の方にも屈曲されるように、透明非平面ケース310の屈折率より大きい。この状況において、透明非平面ケース310上のあらゆる光線が、2つの反射プロセス後に太陽電池402の方に屈曲することになる。しかし、実際には、随意の充填剤層330は、太陽電池402の透明非平面ケース310への装填を上記のように達成できるように、流体様材料(但し、ときには非常に粘度の高い流体用材料)で構成される。実際、効率的な太陽放射線の吸収は、透明非平面ケース310の屈折率に近い屈折率を有する充填剤材料を選択することによって達成される。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310を形成する材料は、屈折率が1.5付近の透明材料(ガラス若しくはプラスチック又は他の好適な材料)を含む。例えば、溶融シリカガラスは、1.46の屈折率を有する。ホウ珪酸ガラス材料は、1.45から1.55の屈折率を有する(例えば、Pyrex(登録商標)ガラスは、1.47の屈折率を有する)。様々な量の鉛添加剤を含むフリントガラス材料は、1.5から1.9の屈折率を有する。一般的なプラスチック材料は、1.46から1.55の屈折率を有する。
【0081】
充填剤層330を形成するための好適な光学特性を有する代表的な材料は、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ及びアクリル材料をさらに含む。シリコーン系接着剤及びシール材は、高度な柔軟性を有するため、他のエポキシ又はアクリル樹脂の強度を欠く。透明非平面ケース310、随意の充填剤層330、随意の反射防止層、耐水層又はそれらの任意の組合せは、太陽電池の効率を最大限にし、それを維持し、物理的支持を提供し、太陽電池700の寿命を延ばすパッケージを形成する。
いくつかの実施態様において、ガラス、プラスチック、エポキシ又はアクリル樹脂を使用して、透明非平面ケース310を形成することができる。いくつかの実施態様において、随意の反射防止層及び/又は耐水性被膜は、透明非平面ケース310上に円周方向に配置される。いくつかの当該実施態様において、充填剤層330は、シリコーンゲルなどのより軟質でより柔軟性の随意の好適な材料によって形成される。例えば、いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコーン系接着剤又はシール材などのシリコーンゲルによって形成される。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、GE RTV 615シリコーンによって形成される。RTV615シリコーンは、SS4120を重合用プライマーとして必要とする光学的に透明な二液流動性シリコーン製品である。(RTV615-1P及びSS4120は、いずれもGeneral Electric(Connecticut(コネチカット)州Fairfield)から入手可能である。シリコーン系接着剤又はシール材は、強靱シリコーンエラストマー技術をベースとする。
【0082】
有利には、シリコーン接着剤は、高度な柔軟性及び非常に高い温度抵抗性(600°F(約316℃))を有する。シリコーン系接着剤及びシール材は、非常に高度な柔軟性を有する。シリコーン系接着剤及びシール材は、いくつかの技術(又は硬化システム)で利用可能である。これらの技術は、感圧、放射線硬化、水分硬化、熱硬化及び室温加硫(RTV)を含む。いくつかの実施態様において、シリコーン系シール材は、二成分添加若しくは濃縮硬化システム又は単一成分(RTV)形態を使用する。RTV形態は、空気中の水分との反応を介して容易に硬化し、硬化中に酸煙又は他の副産物の蒸気を発生させる。
感圧シリコーン接着剤は、非常にわずかな圧力でたいていの表面に接着し、それらの粘着性を保持する。この種の材料は、強固且つ恒久的な接着性を有し、指圧又は手圧より大きな圧力を必要とせずに接着する。いくつかの実施態様において、放射線を使用して、シリコーン系接着剤を硬化させる。いくつかの実施態様において、紫外光、可視光又は電子放射線を使用して、シール材の硬化を開始し、これは、加熱又は過度の発熱を用いることなく恒久的な接着を可能にする。UV系硬化は、1つの基板がUVに対して透明であることを必要とするが、電子ビームは、UV光に対して不透明な材料を透過することができる。水分又は水硬化機構に基づく特定のシリコーン接着剤及びシアノアクリレートは、太陽電池の適正な機能に影響を与えることなく太陽電池に適性に添加されるさらなる試薬を必要とし得る。熱硬化性シリコーン接着剤及びシリコーンシール材は、熱又は熱及び圧力を用いて硬化される架橋ポリマー樹脂である。硬化された熱硬化性樹脂は、加熱されても溶融/流動しないが、軟化し得る。加硫は、熱及び/又は圧力を加硫化剤と併用することを必要とする熱硬化反応で、ゴム様材料における強度、安定性及び弾力性を著しく向上させる。RTVシリコーンゴムは、室温で加硫する材料である。加硫化剤は、架橋性化合物又は触媒である。本発明によるいくつかの実施態様において、硫黄を従来の加硫化剤として添加する。
【0083】
いくつかの実施態様において、例えば、随意の充填剤層330が存在しない場合は、エポキシ又はアクリル材料を太陽電池700に直接塗布して、透明非平面ケース310を直接形成することができる。当該実施態様において、合理的な使用時間にわたって効率的な動作を保証するために、非ガラス透明非平面ケース310に耐水特性及び/又は反射防止特性も備わるように注意する。
電気絶縁性。透明非平面ケース310及び随意の充填剤層330の重要な特性は、これらの層が完全な電気絶縁を提供すべきであることである。導電性材料を使用せずに、透明非平面ケース310又は随意の充填層330を形成する。
【0084】
寸法要件。いくつかの実施態様における太陽電池402の外側の層の各々の合計幅(例えば、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330の組合せ)は、以下の式で表される。
【数1】
上式において、図3Bを参照すると、
riは、半導体接合410が薄膜接合であると仮定すると、太陽電池402の半径であり、
roは、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330の最外層の半径であり、
ηouter ringは、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330の最外層の屈折率である。上記のように、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330を製造するのに使用される材料の多くの屈折率は、約1.5である。したがって、典型的な実施態様において、roの値は、1.5*ri未満で許容可能である。この条件は、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330の組合せについての許容可能な厚さに制限をおくものである。
【0085】
(5.2代表的な半導体接合)
図4Aを参照すると、一実施態様において、半導体接合410は、背面電極104上に配置された吸収体層502と、吸収体層502上に配置された接合パートナー層504との間のヘテロ接合である。吸収体層502及び接合パートナー層504は、接合パートナー層504が吸収体層502より大きなバンドギャップを有するように異なるバンドギャップ及び電子親和性を有する異なる半導体からなる。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、pドープされ、接合パートナー層504は、nドープされる。当該実施態様において、透明導電層110は、n+ドープされる。代替的な実施態様において、吸収体層502は、nドープされ、接合パートナー層504は、pドープされる。当該実施態様において、透明導電層110は、p+ドープされる。いくつかの実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPandeyの「半導体電析のハンドブック(Handbook of Semiconductor Electrodeposition)」、Marcel Dekker Inc.、1996、Appendix 5にリストされている半導体を使用して、半導体接合410を形成する。
【0086】
(5.2.1銅インジウムジセレニド及び他のI-III-VI型材料に基づく薄膜半導体接合)
図4Aをさらに参照すると、いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅インジウムジセレニド(CuInSe2;CISとしても知られる)などのI-III-VI2族の化合物である。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、当該化合物が存在することが知られていれば、p型又はn型のCdGeAs2、ZnSnAs2、CuInTe2、AgInTe2、CuInSe2、CuGaTe2、ZnGeAs2、CdSnP2、AgInSe2、AgGaTe2、CuInS2、CdSiAs2、ZnSnP2、CdGeP2、ZnSnAs2、CuGaSe2、AgGaSe2、AgInS2、ZnGeP2、ZnSiAs2、ZnSiP2、CdSiP2又はCuGaS2からなる群から選択されるI-III-VI2族の三元化合物である。
いくつかの実施態様において、接合パートナー層504は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。一実施態様において、吸収体層502は、p型CISであり、接合パートナー層504は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第6章に記載されている。
【0087】
いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である。当該層は、Cu(InGa)Se2としても知られる。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)であり、接合パートナー層504は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、p型CIGSであり、接合パートナー層504は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」の第13章、2003、Luque及びHegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、Englandの第12章、に記載されている。いくつかの実施態様において、CIGSは、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBeck及びBrittの「最終技術報告(Final Technical Report)」、2006年1月、NREL/SR-520-39119;及びDelahoy及びChen、2005年8月、「高度CIGS光起電技術(Advanced CIGS Photovoltaic Technology)」、サブコントラクトレポート;Kapurら、2005年1月サブコントラクトレポート、NREL/SR-520-37284、「非真空薄膜CIGS太陽電池の実験室規模から大規模製造への移行(Lab to Large Scale Transition for Non-Vacuum Thin Film CIGS Solar Cells)」、Simpsonら、2005年10月、サブコントラクトレポート、「軟質CIGS PVモジュール製造のための軌道指向及び障害許容性高度プロセス制御(Trajectory-Oriented and Fault-Tolerant-Based Intelligent Process Control for Flexible CIGS PV Module Manufacturing)」、NREL/SR-520-38681;及びRamanathanら、31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition、Lake Buena Vista、Florida、1月3〜7日、2005に開示されている技術を用いて堆積される。
【0088】
いくつかの実施態様において、CIGS吸収体層502は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanthanら、2003、「効率19.2%のZnO/CdS/CuInGaSe2薄膜太陽電池の特性(Properties of 19.2% Efficiency ZnO/CdS/CuInGaSe2 Thin-film Solar Cells)」、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 11、225に記載されている3段階プロセスに従って、原子源からの蒸発によりモリブデン背面電極104上に成長させる。いくつかの実施態様において、接合パートナー層504は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanathanら、Conference Paper、「NRELにおけるCIGS薄膜太陽電池の研究:FY04の結果及び実績(CIGS Thin-Film Solar Research at NREL:FY04 Results and Accomplishments)」、NREL/CP-520-37020、2005年1月に記載されているZnS(O、OH)緩衝層である。
いくつかの実施態様において、吸収体層502は、厚さが0.5μmから2.0μmである。いくつかの実施態様において、吸収体層502におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.7から0.95である。いくつかの実施態様において、吸収体層502におけるGa/(In+Ga)の組成比は、0.2から0.4である。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<110>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<112>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、無作為に配向する。
【0089】
(5.2.2非晶質シリコン又は多結晶シリコンをベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、図4Bを参照すると、半導体接合410は、非晶質シリコンを含む。いくつかの実施態様において、これは、n/n型ヘテロ結合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、SnO2(Sb)を含み、層512は、非ドープ非晶質シリコンを含み、層510は、n+ドープ非晶質シリコンを含む。
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、p-i-n型接合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、p+ドープ非晶質シリコンであり、層512は、非ドープ非晶質シリコンであり、層510は、n+ドープ非晶質シリコンである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第3章に記載されている。
【0090】
本発明のいくつかの実施態様において、半導体接合410は、薄膜多結晶をベースとする。図4Bを参照すると、当該実施態様による一実施例において、層510は、pドープ多結晶シリコンであり、層512は、空欠多結晶シリコンであり、層514は、nドープ多結晶シリコンである。当該半導体接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGreenの「シリコン太陽電池-進歩した原理及び実施(Silicon Solar Cells:Advanced Principles & Practice)」、Centre for Photovoltaic Devices and Systems、University of New South Wales、Sydney、1995;及びBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、57〜66頁に記載されている。
本発明のいくつかの実施態様において、非晶質Si:H太陽電池においてp型微結晶Si:H及び微結晶Si:C:Hをベースとした半導体接合410が使用される。当該半導体接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、66〜67頁及び本明細書に引用された参考文献に記載されている。
【0091】
本発明のいくつかの実施態様において、半導体接合410は、直列接合である。直列接合は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているKimら、1989、「航空宇宙用途の軽量(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(Lightweight(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Aerospace and Electronic Systems Magazine、IEEE 4:23〜32;Deng、2005、「SiGe系三重極直列及び単一接合太陽電池(Optimization of a-SiGe based triple,tandem and single-junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、2005 Conference Record of the Thirty-first IEEE 3〜7、2005年1月、1365〜1370頁;Aryaら、2000、「非晶質シリコン系直列接合薄膜技術(Amorphous silicon based tandem junction thin-film technology:a manufacturing perspective)」、Photovoltaic Specialists Conference、2000.Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE 15〜22、2000年9月、1433〜1436頁;Hart、1988、「GaAs/Ge太陽電池の高高度電流-電圧測定(High altitude current-voltage measurement of GaAs/Ge solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、764〜765頁、第1巻;Kim、1988、「高効率GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High efficiency GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、457〜461頁、第1巻;Mitchell、1988、「単一及び直列接合CuInSe2電池及びモジュール技術(Single and tandem junction CuInSe2 cell and module technology)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988年、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、1384〜1389頁、第2巻;及びKim、1989、「航空宇宙用途の高比出力(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High specific power(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Energy Conversion Engineering Conference、1989、IECEC-89、Proceedings of the 24th Intersociety 6〜11、1989年8月、779〜784頁、第2巻に記載されている。
【0092】
(5.2.3ガリウム砒素及び他のIII-V型材料をベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、ガリウム砒素(GaAs)、又はInP、AlSb及びCdTeなどの他のIII-V型材料をベースとする。GaAsは、1.43eVのバンドギャップを有する直接バンドギャップ材料であり、約2ミクロンの厚さでAM1放射線の97%を吸収することができる。本発明の半導体接合410として機能できる好適なIII-V型接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
また、いくつかの実施態様において、半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGee及びVirshup、1988、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、754頁に記載されているGaAs/Si機械的積層多接合、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているStanberyら、19th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、280頁及びKimら、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、1487頁に記載されているGaAs薄膜上部電池及びZnCdS/CuInSe2薄膜下部電池からなるGaAs/CuInSe2 MSMJ四端末デバイスなどのハイブリッド多接合太陽電池である。他のハイブリッド多接合太陽電池は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、131〜132頁に記載されている。
【0093】
(5.2.4テルル化カドミウム及び他のII-VI型材料をベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、n型又はp型の形で調製できるII-VI型化合物をベースとする。よって、いくつかの実施態様において、図4Cを参照すると、半導体接合410は、層520及び540が、以下の表に示される任意の組合せ又はそれらの合金であるp-nヘテロ接合である。
【表2】
II-VI化合物をベースとする半導体接合410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0094】
(5.2.5結晶シリコンをベースとした半導体接合)
薄膜半導体膜から構成される半導体接合410が好ましいが、本発明は、それに限定されない。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、結晶シリコンをベースとする。例えば、図2Bを参照すると、いくつかの実施態様において、半導体接合410は、p型結晶シリコンの層及びn型結晶シリコンの層を含む。結晶シリコン半導体接合410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第2章に記載されている。
【0095】
(5.3アルベド実施態様)
本発明の太陽電池設計は、周面全体を介して集光できるため有利である。よって、本発明のいくつかの実施態様において、これらの太陽電池は、太陽電池の周囲の表面がある量のアルベドを有する反射環境に配置される。アルベドは、表面又は本体の反射率の測度である。それは、反射した電磁放射線(EM放射線)のそれに入射した量に対する比である。この比は、通常は、0%から100%までの百分率で表される。いくつかの実施態様において、本発明の太陽電池の近傍の表面は、当該表面を反射性白色に塗装することによって、それらが高いアルベドを有するように調製される。いくつかの実施態様において、高いアルベドを有する他の材料を使用することができる。例えば、当該太陽電池の周囲のいくつかの材料のアルベドは、ほぼ90%又はそれ以上である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBoer、1977、Solar Energy 19、525を参照されたい。しかし、任意の量のアルベド(例えば5%以上、10%以上、20%以上)を有する表面が、本発明の範囲内である。一実施態様において、本発明の太陽電池組立品は、砂利の反射特性を向上させるために砂利が白色に塗装された砂利面上に列をなして配置される。概して、任意のランベルト又は拡散反射面を用いて、高アルベド面を提供することができる。
【0096】
(5.4二重層コア実施態様)
本発明の太陽電池700の導電性コア104が均一な導電性材料で構成される本発明の実施態様を開示した。本発明は、これらの実施態様に限定されない。いくつかの実施態様において、導電性コア104は、実際、内部コア及び外部導電性コアを有する。当該実施態様において、内部コアは、基板403と称することができ、外部コアは、背面電極104と称することができる。当該実施態様において、外部導電性コアは、基板403上に円周方向に配置される。当該実施態様において、基板403は、典型的には非導電性であるのに対して、外部コアは導電性である。基板403は、本発明の他の実施態様と一致する長形を有する。例えば、一実施態様において、基板403は、ワイヤの形態のガラス繊維製である。いくつかの実施態様において、基板403は、導電性の非金属材料である。しかし、外部コアが電極として機能できるため、本発明は、基板403が導電性である実施態様に限定されない。いくつかの実施態様において、基板403は管(例えば、プラスチック又はガラス管)である。
【0097】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Celazole(登録商標)、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能(Texas(テキサス)州Shiner))などの材料で構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、ポリミド(例えば、DuPont(商標)Vespel(登録商標)又はDuPont(商標)Kapton(登録商標)(Delaware(デラウェア)州Wilmington))で構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、それぞれBoedeker Plastics,Incから入手可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon(登録商標)PAI、Solvay Advanced Polymers(Georgia(ジョージア)州Alpharetta))で構成される。
いくつかの実施態様において、基板403は、ガラス系フェノールで構成される。フェノール積層体は、合成熱硬化性樹脂が含浸された紙、カンバス、リネン又はガラス布の層に熱又は圧力を加えることによって構成される。熱及び圧力を層に加えると、化学反応(重合)により、個別の層が、再び軟化できない「固定」形状の単一積層材料に変換される。したがって、これらの材料は、「熱硬化物」と呼ばれる。様々な樹脂タイプ及び布材料を使用して、一連の機械的、熱的及び電気的特性を有する熱硬化性積層体を製造することができる。いくつかの実施態様において、基板403は、G-3、G-5、G-7、G-9、G-10又はG-11のNEMAグレードを有するフェノール積層体である。代表的なフェノール積層体は、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能である。
【0098】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリスチレンで構成される。ポリスチレンの例としては、汎用ポリスチレン、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜174頁に詳述されている高耐衝撃性ポリスチレンが挙げられる。さらに他の実施態様において、基板403は、架橋ポリスチレンで構成される。架橋ポリスチレンの一例は、Rexolite(登録商標)(C-Lec Plastics,Inc.)である。Rexoliteは、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋することによって製造される熱硬化性の、特に硬い半透明プラスチックである。
【0099】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリエステルワイヤ(例えば、Mylar(登録商標)ワイヤ)である。Mylar(登録商標)は、DuPont Teijin Films(Delaware(デラウェア)州Wilmington)から入手可能である。さらに他の実施態様において、基板403は、ポリエステル、ビニルエステル、エポキシド、及びガラス繊維と組み合わせた改質エポキシ樹素(Roechling Engineering Plastic Pte Ltd.、シンガポール)を使用することによって製造されるDurastone(登録商標)製である。
さらに他の実施態様において、基板403は、ポリカーボネートで構成される。当該ポリカーボネートは、材料の引張強度、剛性、圧縮強度並びに熱膨張率を調節するために、異なる量(例えば、10%、20%、30%又は40%の)ガラス繊維を有することができる。代表的なポリカーボネートは、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能であるZelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wである。
【0100】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリエチレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又は超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)で構成される。HDPEの化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜173頁に記載されている。いくつかの実施態様において、基板403は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシグラス)、ナイロン6,6、酪酸酢酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。これらの材料の化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6-172頁から6-175頁に記載されている。
【0101】
基板403を形成するのに使用できるさらなる代表的な材料は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」、McGraw-Hill;Reinhold Plastics Applications Series、Reinhold Roffの「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres,Plastics and Rubbers)」、Butterworth;Lee及びNevilleの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」、McGraw-Hill;Bilmetyerの「ポリマー科学のテキスト(Textbook of Polymer Science)」、Interscience;Schmidt及びMarliesの「高ポリマーの原理、理論、実施(Principles of high polymer theory and practice)」、McGraw-Hill;Beadle編、「プラスチック(Plastics)」、Morgan-Grampiand,Ltd.、第2巻、1970;Tobolsky and Mark編、「ポリマー科学と材料(Polymer Science and Materials)」、Wiley、1971;Glanvilleの「プラスチック技術者のデータブック(The Plastic's Engineer's Data Book)」、Industrial Press、1971;Mohr(編集及び監修)、Oleesky、Shook及びMeyersの「強化プラスチックコンポジットの技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」、Van Nostrand Reinhold、1973に見いだされる。
【0102】
概して、外側コアは、太陽電池によって生成される光起電流を無視し得る抵抗損失で支持することができる任意の材料から構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、アルミニウム、モリブデン、鋼、ニッケル、銀、金又はそれらの合金などの任意の導電性金属で構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、金属‐、グラファイト‐、カーボンブラック‐若しくは超導電性カーボンブラック‐充填酸化物、エポキシ、ガラス又はプラスチックで構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、導電性プラスチックで構成される。いくつかの実施態様において、この導電性プラスチックは、本質的に導電性で、充填剤を一切必要としない。いくつかの実施態様では、内側コアは導電性材料から構成され、外側コアはモリブデンから構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、ガラス棒などの非導電性材料から構成され、外側コアは、モリブデンから構成される。
【0103】
(5.5代表的な寸法)
本発明は、広範な寸法に含まれる任意の寸法を有する太陽電池組立品を包括する。例えば、本発明は、1cmから50000cmの長さl、及び1cmから50000cmの直径wを有する太陽電池組立品を包括する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、10cmから1000cmの長さl、及び10cmから1000cmの直径wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、40cmから500cmの長さl、及び40cmから500cmの直径wを有する。
【0104】
(5.6さらなる太陽電池の実施態様)
成分番号の参照のために図3Bを用いると、いくつかの実施態様において、本明細書ではCIGSと称する銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(Cu(InGa)Se2)を使用して、接合110の吸収体層を構成する。当該実施態様において、モリブデンで背面電極104を構成することができる。いくつかの実施態様において、背面電極104は、ポリイミドの内側コア、及びCIGSの堆積前にポリイミドコアにスパッタリングされるモリブデンの薄膜である外側コアを含む。光を吸収するCIGS膜をモリブデンの上面に蒸着する。次いで、半導体接合410を完成するために、硫化カドミウム(CdS)をCIGS上に堆積する。所望により、次いで、薄い真性層(i層)415を半導体接合410上に堆積する。酸化亜鉛、金属酸化物、又は高度に絶縁性の任意の透明材料を含むが、それらに限定されない材料を使用してi層415を形成することができる。次に、透明導電層110をi層(存在する場合)又は半導体接合410(i層が存在しない場合)の上に配置する。透明導電層110をアルミニウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、インジウム-亜鉛酸化物又はインジウム-錫酸化物で構成することができる。
【0105】
ITN Energy Systems,Inc.、Global Solar Energy,Inc.及びエネルギー変換研究所(IEC)は、CIGS層の堆積のためのロールツーロール共蒸発法を使用してポリイミド基板上にCIGS太陽電池を製造するための技術を共同開発した。この方法では、(ウェブと称する)モリブデン被覆ポリイミド膜を巻出し、1つ以上の堆積ゾーン内に連続的に移動させる。堆積ゾーンにおいて、ウェブを450℃までの温度に加熱し、セレニウム蒸気の存在下でその上に銅、インジウム及びガリウムを蒸着する。ウェブは、堆積ゾーンを通過した後、冷却され、引き取りスプールに巻き取られる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2003、Jensenら、「ポリイミド基板上のCIGS太陽電池の製造時のバック接点ひび割れ(Back Contact Cracking During Fabrication of CIGS Solar Cells on Polyimide Substrates)」、NCPV and Solar Program Review Meeting 2003、NREL/CD-520-33586、877〜881頁を参照されたい。同様に、参照により本明細書に組み込まれているBirkmireら、2005、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 13、141〜148には、ポリイミド/Moウェブ構造、具体的にはPI/Mo/Cu(InGa)Se2/CdS/ZnO/ITO/Ni-Alが開示されている。鋼箔上の同様の構造の堆積についても調査された。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているSimpsonら、2004、「鋼箔上の軟質CIGS PVの製造法の進歩(Manufacturing Process Advancements for Flexible CIGS PV on Stainless Foil)」、DOE Solar Energy Technologies Program Review Meeting、PV Manufacturing Research and Development,P032を参照されたい。
【0106】
本発明のいくつかの実施態様において、吸収体材料をGlobal Solar Energy(Arizona(アリゾナ)州Tucson)によって開発されたもののようなポリイミド/モリブデンウェブ又は金属箔(例えば、Simpsonらに開示された箔)上に堆積する。いくつかの実施態様において、いくつかの実施態様において、吸収体材料は、本明細書に開示された吸収体のいずれかである。特定の実施態様において、吸収体は、Cu(InGa)Se2である。いくつかの実施態様において、長形コアは、非ドーププラスチックなどの非導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、長形コアは、導電性金属、金属充填エポキシ、ガラス若しくは樹脂、又は導電性プラスチック(例えば、導電性充填剤を含有するプラスチック)などの導電性材料で構成される。次に、窓層を吸収体層に堆積することによって半導体接合410を完成する。吸収体層がCu(InGa)Se2である場合は、CdSを使用することができる。最後に、随意のi層415及び透明導電層110を添加して、太陽電池を完成させる。次に、箔をワイヤ状又は管状長形コアに巻き付ける、及び/又は接着する。当該製造法の利点は、吸収体層、窓層、i層又は透明導電層110の堆積温度に耐えることができない材料を太陽電池の内側コアとして使用できることである。この製造法を用いて、導電性コア402が内側及び外側導電性コアを含む、本発明に開示されている太陽電池402のいずれかを製造することができる。内側コアは、本明細書に開示されている任意の導電性又は非導電性材料であるのに対して、外側導電性コアは、箔を内側コアに巻き付ける前に、吸収体層、窓層及び透明導電層がその上に堆積されたウェブ又は箔である。いくつかの実施態様において、適切な接着剤を使用してウェブ又は箔を内側コアに接着する。
【0107】
本発明の一態様は、吸収体層を金属ウェブ又は導電性箔に堆積することを含む太陽電池の製造方法を提供する。次に、窓層を吸収体層に堆積する。次に、透明導電層を窓層に堆積する。次いで、金属ウェブ又は導電性箔を長形コアに巻き付けることによって、長形太陽電池402を形成する。いくつかの実施態様において、吸収体層は銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(Cu(InGa)Se2)であり、窓層は硫化カドミウムである。いくつかの実施態様において、金属ウェブは、ポリイミド/モリブデンウェブである。いくつかの実施態様において、導電性箔は、鋼箔又はアルミニウム箔である。いくつかの実施態様において、長形コアは、導電性金属、金属充填エポキシ、金属充填ガラス、金属充填樹脂又は導電性プラスチックで構成される。
【0108】
いくつかの実施態様において、金属ウェブ又は箔を長形コアに巻き付けるというよりむしろ、透明導電性酸化物導電膜を管状又は硬質中実棒状コア上に堆積する。当該実施態様において、管状又は硬質中実棒状コアは、例えば、プラスチック棒、ガラス棒、ガラス管又はプラスチック管であり得る。当該実施態様は、半導体接合の内面又はバック接点と電気的に接続する何らかの形の導体を必要とする。いくつかの実施態様において、当該導体を設けるために、管状又は硬質中実棒状長形コアにおけるディボットに導電性金属を充填する。透明導電層又は導電性バック接点膜を管状又は硬質中実棒状長形コアに堆積する前に、導体をディボットに挿入することができる。いくつかの実施態様において、当該導体を、長形太陽電池402の側面に沿って長さ方向に延びる金属源から形成する。この金属を、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、金属プレス、導電性インク、又は金属ワイヤを接着するのに使用される接着剤、或いは他の金属堆積手段によって堆積することができる。
【0109】
次に、より具体的な実施態様を説明する。いくつかの実施態様において、長形コアは、ガラス管の外表面に長さ方向に延びるディボットを有するガラス管であり、製造方法は、ローリング工程の前にディボットに導体を堆積することを含む。いくつかの実施態様において、ガラス管は、ガラス管の表面において長さ方向に延びる第2のディボットを有する。当該実施態様において、第1のディボット及び第2のディボットは、ほぼ又は正確にガラス管の円周方向反対側にある。よって、当該実施態様において、該方法は、ローリング前に、或いはローリングが用いられない実施態様では内側透明導電層又は導電膜、接合及び外側透明導電層を長形コア上に堆積する前に、第2のディボットに導体を堆積することをさらに含む。
【0110】
いくつかの実施態様において、長形コアは、ガラス棒の表面に長さ方向に延びる第1のディボットを有するガラス棒であり、該方法は、ローリングの前に第1のディボットに導体を堆積することを含む。いくつかの実施態様において、ガラス棒は、ガラス棒の表面において長さ方向に延びる第2のディボットを有し、該第1のディボット及び該第2のディボットは、ほぼ又は正確にガラス棒の円周方向反対側にある。よって、当該実施態様において、該方法は、ローリング前に、或いはローリングが用いられない実施態様では内側透明導電層又は導電膜、接合及び外側透明導電層を長形コア上に堆積する前に、第2のディボットに導体を堆積することをさらに含む。導体の好適な材料は、アルミニウム、モリブデン、チタン、鋼、ニッケル、銀、金又はそれらの合金を含むが、それらに限定されない、本明細書に導体として記載されている材料のいずれかである。
【0111】
本発明の別の態様は、複数の太陽電池ユニット300を含む太陽電池組立品であって、該複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットは、上記実施態様のいずれかに示される太陽電池ユニットの構造を有する。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットを共平面列に配置して、太陽電池組立品を形成する。いくつかの実施態様において、太陽光を複数の太陽電池ユニットに反射するように配置されたアルベド面が存在する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/315,523号における自己洗浄アルベド面のいずれかを使用することができる。いくつかの実施態様において、アルベド面は、40%、50%、60%、70%又は80%を超えるアルベドを有する。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット300及び第2の太陽電池ユニット300を電気的に直列配置する。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット300及び第2の太陽電池ユニット300を電気的に並列配置する。
【0112】
本発明の一態様は、複数の太陽電池ユニット300を含む太陽電池組立品であって、該複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットは、上記実施態様のいずれかに示される太陽電池ユニットの構造のいずれかを有する。本発明のこの態様は、複数の内部反射器をさらに含む。例えば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/248,789号に記載されている任意の内部反射器又は内部反射器の組合せを使用することができる。複数の太陽電池ユニット及び複数の内部反射器は共平面列に配置され、該複数の太陽電池ユニットにおける内部反射器が該複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットに圧接することによって、太陽電池組立品を形成する。
【0113】
他に指定する場合を除いて、「%」という用語は、以降、ガラスの全量に対する「重量%」を指す。「Xは0からY%の量である」という表現は、Xが存在しないか、又は0%より大きく、Y%を超えないことを意味する。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、好ましくは、40から70%、より好ましくは45から70%、さらにより好ましくは50から65%のSiO2で構成される。いくつかの実施態様において、SiO2の含有量が70%を超えなければ、材料が容易に溶解するため大量生産に好適である。一方、基板403及び/又は透明非平面ケース310におけるSiO2の含有量が40%未満であると、得られるガラスが優れた化学耐久性を維持する。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、B2O3を含むガラスで構成される。B2O3は、ガラスの溶融性を向上させ、ガラスのシール温度を下げ、ガラスの化学耐久性を向上させる構成要素である。いくつかの実施態様におけるB2O3の含有量は、5から20%、より好ましくは8から15%、さらにより好ましくは10から15%である。B2O3の含有量が20%を超えなければ、溶融ガラスからのB2O3の蒸発を抑制することができるため、均質なガラスを得ることが可能になる。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、Al2O3を含むガラスで構成される。Al2O3は、ガラスの化学耐久性を向上させるための構成要素である。本発明のいくつかの実施態様におけるAl2O3の含有量は、好ましくは0から15%、より好ましくは0.5から10%である。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、MgO、CaO、SrO、BaO及び/又はZnOを含むガラスで構成される。これらの構成要素は、ガラスの化学耐久性を向上させる効果を有する。基板403及び/又は透明非平面ケース310におけるMgO、CaO、SrO、BaO及び/又はZnOの合計含有量は、好ましくは0から45%、より好ましくは0から25%、さらにより好ましくは1から25%、さらにより好ましくは1から20%、最も好ましくは5から20%である。これらの構成要素の合計含有量が45%を超えないと、高い均質性を有するガラスを得ることが可能になる。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、ガラスの耐候性及び電気絶縁性を向上させるように混合されたアルカリ金属の酸化物であるLi2O、Na2O又はK2Oの少なくとも2種を含むガラスで構成される。アルカリ金属のこれらの酸化物の合計含有量は、本発明のいくつかの実施態様における基板403及び/又は透明非平面ケース310において好ましくは5から25%、より好ましくは10から25%、さらにより好ましくは14から20%である。これらのアルカリ金属の酸化物の合計量が25%を超えなければ、得られるガラスは、化学耐久性を維持する。一方、これらのアルカリ金属の酸化物の合計含有量が5%を下回らなければ、低シール温度を達成することができる。Li2O、Na2O又はK2Oの含有量は、本発明によるいくつかの基板403及び/又は透明非平面ケース310においてそれぞれ好ましくは0から10%、0から10%及び0から15%、より好ましくはそれぞれ0.5から9%、0から9%及び1から10%である。各Li2O及びNa2Oの含有量が、独立に10%を超えず、K2Oの含有量が15%を超えなければ、アルカリの混合効果が有効になるため、優れた耐候性及び高い電気絶縁性が維持される。Li2Oは、ガラスのシール温度を下げる一番高い効果を有する。したがって、Li2Oの含有量は、0.5%を下回らず、好ましくは3%を下回らない。先述の構成要素に加えて、ZrO2、TiO2、P2O5、Fe2O3、SO3、Sb2O3、F及びClなどの構成要素を基板403及び/又は透明非平面ケース310のガラス構成要素に添加して、ガラスの耐候性、溶融性及び精製を向上させることができる。
【0114】
(6.引用参考文献)
本明細書に引用されているすべての参考文献は、個々の文献又は特許若しくは特許出願が、あらゆる目的でその全体が参照により組み込まれていることが具体的且つ個別に示されるのと同じ範囲で、その全体が参照により、あらゆる目的で本明細書に組み込まれている。
当業者に理解されるように、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく多くの改造及び変更を加えることができる。本明細書に記載されている具体的な実施態様は、例示のみを目的とし、本発明は、添付の請求項に権利が与えられた全範囲の同等物とともに、添付の請求項の用語によってのみ制限される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年5月19日に出願の米国特許出願第11/437,927号の優先権を主張するものである。
(1.発明の分野)
本発明は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための気密密閉太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.発明の背景)
太陽電池は、典型的には、集光表面積が4〜6cm2以上の個別の物理的実体として作製される。このため、それらの集光面が単一の大きな集光面の近似を与えるように、電池を支持面又はパネル上に平坦アレイで搭載することは発電分野にとって標準的技法である。また、各電池自体は、少量しか発電しないが、直列及び/又は並列マトリックスのアレイの電池を相互接続することによって、必要な電圧及び/又は電量が達成される。
従来技術の太陽電池構造を図1に示す。異なる層の厚さの範囲が大きいため、それらは概略的に描かれている。さらに、図1は、「厚膜」太陽電池及び「薄膜」太陽電池の両方の特徴を表すように極めて概略的である。吸収体層の厚膜は、十分な量の光を吸収することが求められるため、概して、間接的なバンドギャップ材料を使用して、光を吸収する太陽電池は、典型的には「厚膜」太陽電池として構成される。十分な量の光を吸収するのに間接的なバンドギャップ材料の薄層のみが必要とされるため、直接的なバンドギャップ材料を使用して光を吸収する太陽電池は、典型的には「薄膜」として構成される。
【0003】
図1の上部の矢印は、電池上の直接的な太陽照明源を示す。層102は、基板である。ガラス又は金属は、共通の基板である。薄膜太陽電池において、基板102は、ポリマー系裏打、金属又はガラスであり得る。いくつかの場合において、基板102を被覆する封入層(不図示)が存在する。層104は、太陽電池に対するバック電気接点である。
層106は、半導体吸収体層である。バック電気接点104は、吸収体層106とオーム接触する。すべてではないが多くの場合において、吸収体層106は、p型半導体である。吸収体層106は、光を吸収するのに十分に厚い。層108は、半導体吸収体層106と一緒になって、p-n接合の形成を完成する半導体接合パートナーである。p-n接合は、太陽電池において見られる一般的なタイプの接合である。p-n接合系太陽電池において、半導体吸収体層106がp型ドープ材料である場合は、接合パートナー108は、n型ドープ材料である。逆に、半導体吸収体層106がn型ドープ材料である場合は、接合パートナー108はp型ドープ材料である。一般に、接合パートナー108は、吸収体層106よりはるかに薄い。例えば、いくつかの例において、接合パートナー108は、約0.05ミクロンの厚さを有する。接合パートナー108は、太陽放射線に対して極めて透明である。接合パートナー108は、また、光を吸収体層106まで透過させるため、窓層としても知られる。
【0004】
典型的な厚膜太陽電池において、吸収体層106及び窓層108は、同一の半導体材料から製造され得るが、それらの2つの層にそれらの異なるp型及びn型特性を与えるために異なるキャリア種類(ドーパント)及び/又はキャリア濃度を有する。銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)が吸収体層106である薄膜電池において、CdSを使用して、接合パートナー108を形成すると、効率性の高い電池が得られた。接合パートナー108に使用できる他の材料としては、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、及びドープZnOが挙げられるが、それらに限定されない。
【0005】
層110は、対向電極であり、それで機能電池が完成する。接合パートナー108は、一般には抵抗が大きすぎてこの機能を発揮できないため、接合から電流を遠ざけるのに対向電極110が使用される。そのように、対向電極110は、高度に導電性であり、光に対して透明性であるべきである。対向電極110は、実際、個別的な層を形成するよりむしろ、層108に印刷された金属の櫛状構造体であり得る。対向電極110は、典型的には、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)、インジウム-錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)又はインジウム-亜鉛酸化物などの透明な導電性酸化物(TCO)である。しかし、TCO層が存在している場合でさえも、TCOは、大きすぎる抵抗を有するために、より大きい太陽電池ではこの機能を効率的に発揮できないので、典型的には、従来の太陽電池では電流を除去するために母線ネットワーク114が必要である。ネットワーク114は、電荷キャリアが金属接点に到達するためにTCO層内で移動しなければならない距離を短くすることによって、抵抗損失を低減する。格子線とも呼ばれる金属母線を例えば銀、鋼又はアルミニウムなどの任意の適度に導電性を有する金属で製造することができる。ネットワーク114の設計において、より高い導電性を有するが、より多くの光を遮断するより太い格子線と、より低い導電性を有するが、より少ない光を遮断する細い格子線との間に設計トレードオフが存在する。金属バーは、TCO層110に光線を通すように櫛状構造で構成されるのが好ましい。母線ネットワーク層114とTCO層110が組み合わさると、単一の金属ユニットとして作用し、第1のオーム接点と機能的に連結して、集電回路を形成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているSverdrupらの米国特許第6,548,751号には、銀の母線ネットワークとインジウム-錫酸化物層の組合せが単一の透明ITO/Ag層として機能する。
【0006】
層112は、大量の余剰光を電池に送ることができる反射防止膜である。電池の使用目的に応じて、図1に示されるように、それを上部導体に直接堆積することができる。代替的又は追加的に、作製された反射防止膜112を、上部電極110を覆う個別のカバーガラスに堆積することができる。理想的には、反射防止膜は、光電吸収が生じるスペクトル領域で電池の反射をゼロの極めて近くまで低減すると同時に、他のスペクトル領域で反射を強化して、過熱を低減する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているAguileraらの米国特許第6,107,564号には、当該技術分野で知られている代表的な反射防止膜が記載されている。
太陽電池は、典型的には、小さな電圧しか生成しない。例えば、シリコン系太陽電池は、約0.6ボルト(V)の電圧を生成する。したがって、太陽電池は、より大きい電圧を達成するために、直列又は並列で相互接続される。直列接続される場合は、個々の電池の電圧が合算されるが、電流は変化しない。したがって、直列配置された太陽電池は、類似の太陽電池の並列配置と比較して、当該電池を流れる電流の量を減少させることによって、効率を向上させる。図1に示されるように、直列の太陽電池の配列は、相互接続点116を使用して達成される。概して、相互接続点116は、1つの太陽電池の第1の電極を隣接する太陽電池の対向電極と電気接続させる。
【0007】
多くの太陽電池接合部は、水分に敏感である。経時的に、水分は、太陽電池に浸透し、太陽電池接合部を腐食させる。当該水分が太陽電池に入り込むのを防止するために、太陽電池は、典型的には、ガラスパネルに封入される。したがって、図1を参照すると、ガラスパネルは、上部電極110と反射防止膜112の間に追加されてもよいし、反射防止膜の上に追加されてもよい。しばしば、ガラスパネルは、シリコーン又はEVAの層を使用して、太陽電池上にシールされる。したがって、ガラスパネル及び基板102の間は、太陽電池を水分から保護するように働く。当該設計の弱点は、太陽電池の縁である。太陽電池の縁の例は、図1に示される太陽電池の側面160である。当該技術分他において、水分が太陽電池接合部を腐食させるのを防止するために、これらの縁に有機ポリマーが塗布された。しかし、当該有機ポリマーは、耐水性を有するが、不透水性でないため、経時的に、水が太陽電池に浸透して、太陽電池の腐食を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、当該技術分野において必要なのは、太陽電池の縁に対する真の防水シールである。
本明細書における参考文献の説明及び引用は、当該参考文献が本出願に対する先行技術であると認めるものと見なされるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(3.要旨)
一態様は、非平面太陽電池を含む太陽電池ユニットを提供する。非平面太陽電池は、第1の端部及び第2の端部を有し、例えば、円周方向に配置された管状又は剛性中実棒状の基板、基板上に円周方向に配置された背面電極、背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含む。透明管状ケースは、非平面太陽電池に円周方向に配置される。第1のシーラントキャップは、非平面太陽電池の第1の端部に気密シールされる。
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、非平面太陽電池の第2の端部に気密シールされることによって、前記太陽電池ユニットに防水性を付与する第2のシーラントキャップをさらに含む。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、金属、金属合金又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、透明管状ケースの内面又は外面に気密シールされる。いくつかの実施態様において、透明管状ケースはホウ珪酸ガラスで構成され、第1のシーラントキャップはコバールで構成される。いくつかの実施態様において、透明管状ケースはソーダ石灰ガラスで構成され、第1のシーラントキャップは低膨張ステンレス鋼合金で構成される。
【0010】
いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、それらの合金、又はそれらの任意の組合せで構成され得る。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、又はインジウム-酸化亜鉛で構成される。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、Pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス又はフリントガラスで構成される。
いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、シール材の連続帯によって太陽電池ユニットにシールされる。シール材の連続帯は、例えば、第1のシーラントキャップの内縁、第1のシーラントキャップの外縁、透明管状ケースの外縁、又は透明管状ケースの内縁に存在し得る。いくつかの実施態様において、シール材の連続帯は、ガラスフリット、ゾル-ゲル、又はセラミックセメントから形成される。
いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、前記背面電極と電気接続され、第1のシーラントキャップは、背面電極のための電極として働く。いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップは、透明導電層と電気接続され、第1のシーラントキャップは、前記透明導電層のための電極として働く。
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、非平面太陽電池の第2の端部に気密シールされることによって、太陽電池ユニットに防水性を付与する第2のシーラントキャップをさらに含む。第1のシーラントキャップ及び第2のシーラントキャップは、それぞれ導電性金属で構成される。当該実施態様において、第1のシーラントキャップは、背面電極と電気接続され、第1のシーラントキャップは、背面電極のための電極として働く。さらに、当該実施態様において、第2のシーラントキャップは、透明導電層と電気接続され、第2のシーラントキャップは、透明導電層のための電極として働く。
【図面の簡単な説明】
【0011】
(4.図面の簡単な説明)
【図1】従来技術による相互接続された太陽電池を示す図である。
【図2A】一実施態様による管状ケース付き光起電要素を示す図である。
【図2B】一実施態様による透明管状ケース入長形太陽電池の断面図である。
【図3A−K】一実施態様によるモノリシック集積太陽電池ユニットを形成するための処理工程を示す図である。
【図3L】一実施態様による太陽電池ユニットへの随意の充填剤層の円周方向の配置を示す図である。
【図3M】一実施態様による太陽電池ユニットへの透明管状ケースの円周方向の配置を示す図である。
【図3N−O】一実施態様による太陽電池ユニットの透明管状ケースの外縁に防水シールを形成するシーラントキャップを示す図である。
【図3P−Q】一実施態様による太陽電池ユニットの透明管状ケースの内縁に防水シールを形成するシーラントキャップを示す図である。
【図3R−S】一実施態様による太陽電池ユニットの透明管状ケースの内縁の部分及び外縁の部分に防水シールを形成するシーラントキャップを示す図である。
【図3T−U】一実施態様による太陽電池ユニットの基板の外縁及び透明管状ケースの内縁に防水シールを形成するシーラントキャップを示す図である。
【図4A−D】代表的な半導体接合を示す図である。
【図5A−B】一実施態様による電極としてのシーラントキャップの使用を示す図である。
【図6】一実施態様によるシーラントキャップの代替形状を示す図である。 同様の参照番号は、図面のいくつかの図の全体を通じて対応する部分を指す。寸法は、一定の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(5.詳細な説明)
太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池組立品、より詳細には改良型防水性太陽電池を本明細書に開示する。本発明の太陽電池は、長形非平面形状を有する。
(5.1基本構造)
図2Aの代表的な斜視図及び図2Bの断面図に示される、個々に円周方向に被覆された非平面太陽電池300を開示する。太陽電池ユニット300において、長形非平面太陽電池402は、透明管状ケース310によって円周方向に被覆される。太陽電池ユニット300は、透明非平面ケース310で被覆された太陽電池402を含む。いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池402又は他の回路との電気接続を形成するために、長形太陽電池402の一端のみが透明非平面ケース310によって露出される。いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池402又は他の回路との電気接続を形成するために、長形太陽電池402の両端が透明非平面ケース310によって露出される。
【0013】
本明細書に用いられているように、非平面物体は、該物体の全部又は一部が剛性円筒形であり、中実棒状であり、及び/又は図2に示される円形以外のいくつかの形状のいずれか1つによって輪郭が定められる断面を特徴とする物体である。断面輪郭形状は、例えば、円形、卵形、或いは1つ以上の滑らかな曲面、若しくは滑らかな曲面の任意の接合を特徴とする任意の形状のいずれか1つであり得る。断面輪郭形状は、nが3又は5以上であるn角形であり得る。断面輪郭形状は、また、三角形、五角形、六角形を含み、又は任意の数の線形分割面を有する事実上の線形でもあり得る。或いは、断面は、線形面、弓形面、又は曲面の任意の組合せによって輪郭が定められ得る。本明細書に記載されるように、単に説明を容易にする目的で、非平面の実施態様を表すために全面が円形の断面を示す。いくつかの実施態様において、非平面物体は、円筒形又はほぼ円筒形である。いくつかの実施態様において、非平面物体は、物体が全体としてほぼ円筒形であれば、不規則な断面を特徴とする。当該円筒形は、中実(例えば棒)又は中空(例えば管)であり得る。
太陽電池ユニット300を封入実施態様又は円周方向被覆実施態様の文脈で説明するが、長形太陽電池を支持及び保護し、長形太陽電池間の電気接続を可能にする任意の透明非平面ケースを使用することができる。
【0014】
基板403。基板403は、太陽電池402のための基板として働く。いくつかの実施態様において、基板403は、プラスチック、金属、金属合金又はガラスで構成される。基板403は、非平面である。いくつかの実施態様において、基板403は、図2Bに示されるような中空コアを有する。いくつかの実施態様において、基板403は、中実コアを有する。いくつかの実施態様において、基板403は、円筒形又はほぼ円筒形であり、それは、基板403の長軸に対して直角に捉えた断面が円形以外の輪郭構造を定めることを意味する。該用語が本明細書に用いられているように、当該概略形状の物体も円筒形と見なされる。
いくつかの実施態様において、基板403は、例えば、プラスチック、ガラス、金属又は金属合金で構成された中実円筒形である。いくつかの実施態様において、基板403は、太陽電池が発電するために一般に使用する波長において光学的に透明である。いくつかの実施態様において、基板403は、光学的に透明でない。
【0015】
いくつかの実施態様において、基板403の全部又は一部は、剛性円筒形であり、中実棒状であり、及び/又は図2に示される円形以外のいくつかの形状のいずれか1つによって輪郭が定められる断面を特徴とする。断面輪郭形状は、例えば、円形、卵形、或いは1つ以上の滑らかな曲面、若しくは滑らかな曲面の任意の接合を特徴とする任意の形状のいずれか1つであり得る。断面輪郭形状は、nが3又は5以上であるn角形であり得る。断面輪郭形状は、また、三角形、長方形、五角形、六角形を含み、又は任意の数の線形分割面を有する事実上の線形であり得る。或いは、断面は、線形面、弓形面、又は曲面の任意の組合せによって輪郭が定められ得る。本明細書に記載されるように、単に表現を容易にする目的で、非平面の基板403を表すために全面が円形の断面を示す。いくつかの実施態様において、基板403は、円筒形又はほぼ円筒形である。いくつかの実施態様において、基板403は、基板が全体としてほぼ円筒形であれば、不規則な断面を特徴とする。当該円筒形は、中実(例えば棒)又は中空(例えば管)であり得る。
【0016】
いくつかの実施態様において、基板403の第1の部分は、第1の断面形状を特徴とし、基板403の第2の部分は、第2の断面形状を特徴とし、該第1の断面形状と該第2の断面形状は、同一又は異なる。いくつかの実施態様において、基板403の長さの少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、又は全部が第1の断面形状を特徴とし、かつ該基板の残りが、第1の断面形状以外の1つ以上の断面形状を特徴とする。いくつかの実施態様において、第1の断面形状は、平面であり(例えば、弓形の側面がない)、第2の断面形状は、少なくとも1つの弓形側面を有する。
【0017】
いくつかの実施態様において、基板403は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス(例えば、Pyrex、Duran、Simax等)、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、溶融シリカ、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、Pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス又はフリントガラスで構成される。
【0018】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Boedeker Plastics,Inc(Texas(テキサス)州Shiner)から入手可能なCelazole(登録商標))などの材料で構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、ポリイミド(例えば、DuPont(商標)Vespel(登録商標)、又はDupont(商標)Kapton(登録商標)(Delaware(デラウェア)州Wilmington))で構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、それぞれBoedeker Plastics,Inc.から入手可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon(登録商標)PAI、Solvay Advanced Polymers(Georgia(ジョージア)州Alpharetta))で構成される。
【0019】
いくつかの実施態様において、基板403は、ガラス系フェノールで構成される。フェノール積層体は、合成熱硬化性樹脂が含浸された紙、カンバス、リネン又はガラス布の層に熱及び圧力を加えることによって製造される。熱及び圧力を層に加えると、化学反応(重合)により、個別の層が、再び軟化できない「固定」形状の単一積層材料に変換される。したがって、これらの材料は、「熱硬化物」と呼ばれる。いくつかの実施態様において、基板403は、G-3、G-5、G-7、G-9、G-10又はG-11のNEMAグレードを有するフェノール積層体である。代表的なフェノール積層体は、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能である。
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリスチレンで構成される。ポリスチレンの例としては、汎用ポリスチレン、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜174頁に詳述されている高耐衝撃性ポリスチレンが挙げられる。さらに他の実施態様において、基板403は、架橋ポリスチレンで構成される。架橋ポリスチレンの一例は、Rexolite(登録商標)(San Diego Plastics,Inc.(California(カリフォルニア)州National City)から入手可能)である。Rexoliteは、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋することによって製造される熱硬化性の、特に硬い半透明プラスチックである。
【0020】
さらに他の実施態様において、基板403は、ポリカーボネートで構成される。当該ポリカーボネートは、材料の引張強度、剛性、圧縮強度並びに熱膨張率を調節するために、異なる量(例えば、10%、20%、30%又は40%の)のガラス繊維を有することができる。代表的なポリカーボネートは、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能であるZelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wである。
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリエチレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又は超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)で構成される。HDPEの化学特性は、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜173頁に記載されている。いくつかの実施態様において、基板403は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシグラス)、ナイロン6,6、酪酸酢酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。これらの材料の化学特性は、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6-172頁から6-175頁に記載されている。
【0021】
基板102を形成するのに使用できるさらなる代表的な材料は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」、McGraw-Hill;Reinhold Plastics Applications Series、Reinhold Roffの「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres,Plastics and Rubbers)」、Butterworth;Lee及びNevilleの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」、McGraw-Hill;Bilmetyerの「ポリマー科学のテキスト(Textbook of Polymer Science)」、Interscience;Schmidt及びMarliesの「高ポリマーの理論と実施の原理(Principles of high polymer theory and practice)」、McGraw-Hill;Beadle編、「プラスチック(Plastics)」、Morgan-Grampiand,Ltd.、第2巻、1970;Tobolsky及びMark編、「ポリマー科学と材料(Polymer Science and Materials)」、Wiley、1971;Glanvilleの「プラスチック技術者のデータブック(The Plastics's Engineer's Data Book)」、Industrial Press、1971;Mohr(編集及び監修)、Oleesky、Shook及びMeyersの「強化プラスチックコンポジットの技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」、Van Nostrand Reinhold、1973に見いだされる。
【0022】
いくつかの実施態様において、基板403の断面は円であり、かつ3mmから100mm、4mmから75mm、5mmから50mm、10mmから40mm、又は14mmから17mmの外径を有する。いくつかの実施態様において、基板403の断面は円であり、かつ1mmから1000mmの外径を有する。
いくつかの実施態様において、基板403は、中空の内部を有する管である。当該実施態様において、基板403の断面は、中空の内部を定める内側半径及び外側半径を特徴とする。内側半径と外側半径の差は、基板403の厚さである。いくつかの実施態様において、基板102の厚さは、0.1mmから20mm、0.3mmから10mm、0.5mmから5mm、又は1mmから2mmである。いくつかの実施態様において、内側半径は、1mmから100mm、3mmから50mm、又は5mmから10mmである。
いくつかの実施態様において、基板403は、5mmから10000mm、50mmから5000mm、100mmから3000mm、又は500mmから1500mmの(図2Bによって定められる平面に対して垂直な)長さである。一実施態様において、基板403は、15mmの外径及び1.2mmの厚さ並びに1040mmの長さを有する中空管である。基板403が図2に中実として示されているが、多くの実施態様において、基板403は、中空コアを有し、ガラス管によって形成された構造などの硬質環状構造を採用することが理解されるであろう。
いくつかの実施態様において、基板403は硬質である。ヤング率を含むが、それに限定されないいくつかの異なる計量を用いて材料の硬さを測定することができる。固体力学において、ヤング率(E)(ヤング率、弾性係数、弾性率又は引張弾性率としても知られる)は、所定の材料の剛性の測度である。それは、小さな歪については、歪による応力の変化率の比と定義される。これを、材料のサンプルに対して実施される引張試験を通じて作製される応力-歪曲線の傾きから求めることができる。様々な材料のヤング率を以下の表に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板102)は、それが20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、50GPa以上、60GPa以上又は70GPa以上のヤング率を有する材料で構成される場合に硬質であると考えられる。本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板403)は、該材料のヤング率がある範囲の歪に対して一定である場合に硬質である。当該材料は、線形材料と呼ばれ、フックの法則に従うと言われる。したがって、いくつかの実施態様において、基板403は、フックの法則に従う線形材料から構成される。線形材料の例としては、鋼、炭素繊維及びガラスが挙げられるが、それらに限定されない。ゴム及び土(非常に小さい歪みは除く)は、非線形材料である。
背面電極104。背面電極104は、基板403上に円周方向に配置される。背面電極104は、組立品における1つの電極として機能する。概して、背面電極104は、太陽電池ユニット300によって生成される光起電電流を無視できる抵抗損失で維持できるように任意の材料から構成される。
【0025】
いくつかの実施態様において、背面電極104は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金(例えばコバール)又はそれらの任意の組合せなどの任意の導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、背面電極104は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックなどの任意の導電性材料で構成される。導電性プラスチックは、混合技術を介して、後にプラスチックに導電特性を付与する導電性充填剤を含むプラスチックである。いくつかの実施態様において、背面電極104を形成するために導電性プラスチックが使用され、該導電性プラスチックは、プラスチックマトリックスを介して十分な導電性電流担持経路を形成する充填剤を含有し、太陽電池ユニット300によって生成される光起電電流を無視できる抵抗損失で支持する。導電性プラスチックのプラスチックマトリックスは、典型的には絶縁性であるが、生成される複合体は、充填剤の導電特性を示す。
【0026】
半導体接合410。半導体接合410は、背面電極104の周囲に形成される。半導体接合410は、例えば、直接的なバンドギャップ吸収体(例えば結晶シリコン)又は間接的なバンドギャップ吸収体(例えば非晶質シリコン)である吸収体層を有する、任意の光起電ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合である。当該接合は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第1章、並びにLugue及びHegedus、2003、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、John Wiley & Sons、Ltd.、West Sussex、Englandに記載されている。本発明による代表的なタイプの半導体接合410の詳細を以下のセクション5.2に開示する。加えて、接合410は、好ましくは十分により小さいバンドギャップを有する多数の接合を介して光が接合410のコアに入るマルチ接合であり得る。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)吸収体層を含む。
【0027】
随意の真性層415。任意に、半導体接合410を円周方向に被覆する薄い真性層(i-層)415が存在する。酸化亜鉛、金属酸化物、又は極めて絶縁性の強い任意の透明材料を含むが、それらに限定されない任意の非ドープ透明酸化物を使用して、i-層415を形成することができる。いくつかの実施態様において、i-層415は、極めて純度の高い酸化亜鉛である。
透明導電層110。透明導電層110を、半導体接合層410上に円周方向に配置することによって回路を完成させる。上記のように、いくつかの実施態様において、薄いi-層415は、半導体接合410上に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明導電層110は、i-層415上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)、インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せで構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、pドープ又はnドープされている。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、カーボンナノチューブで構成される。カーボンナノチューブは、例えば、Eikos(Massachusetts(マサチューセッツ)州Franklin)から商業的に入手可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,925号に記載されている。例えば、接合410の外側半導体層がpドープされた実施態様において、透明導電層110をpドープすることができる。同様に、接合410の外側半導体層がnドープされた実施態様において、透明導電層110をnドープすることができる。概して、透明導電層110は、好ましくは、非常に低い抵抗、好適な光透過特性(例えば90%を超える)、並びに半導体接合410及び/又は随意のi-層415の基部層に損傷を与えない析出温度を有する材料で構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体などの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物、ドープ亜鉛酸化物(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)又はそれらの組合せを含む第1の層と、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体を含む第2の層とを含む、2つ以上の層を含む。透明導電層を形成するのに使用できるさらなる好適な材料が、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPichlerの米国特許公報第2004/0187917A1号に開示されている。
【0028】
随意の電極帯420。本発明によるいくつかの実施態様において、電流の流れを容易にするために、対向電極帯又はリード420が透明導電層110上に配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、図2Aに示されるように、円筒状太陽電池の長軸(円筒軸)に沿って長さ方向に延びる導電性材料の細い帯である。いくつかの実施態様において、随意の電極帯は、透明導電層110の表面に間隔をあけて配置される。例えば、図2Bにおいて、電極帯420は、互いに平行に延び、太陽電池の円筒軸に沿って90度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、透明導電層110の表面に5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、90度又は180度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層110の表面に単一電極帯420が存在する。いくつかの実施態様において、透明導電層110の表面に電極帯420が存在しない。いくつかの実施態様において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15以上又は30以上の電極帯が透明導電層110上に存在し、いずれも太陽電池の長(円筒)軸に沿って互いに平行又はほとんど平行に延びている。いくつかの実施態様において、電極帯420は、例えば図2Bに示されるように、透明導電層110の周に沿って等間隔で配置される。代替的な実施態様において、電極帯420は、透明導電層110の周に沿って等間隔で配置されない。いくつかの実施態様において、電極帯420は、太陽電池の一面にのみ存在する。図2Bの要素403、104、410、415(随意)及び110は、図2Aの太陽電池402を集合的に含む。いくつかの実施態様において、電極帯420は、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤又は導電性プラスチックで構成される。
【0029】
いくつかの実施態様において、太陽電池の長(円筒)軸に沿って延びる電極帯が存在し、これらの電極帯は、格子線によって互いに接続される。これらの格子線は、電極帯より厚い、薄い、又は同じ幅であり得る。これらの格子線を電極帯と同一又は異なる導電材料で構成することができる。
いくつかの実施態様において、電極帯420は、インクジェット印刷を用いて、透明導電層110に堆積される。当該電極帯に使用できる導電性インクの例としては、銀充填又はニッケル充填導電性インクが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、エポキシ並びに異方性導電性接着剤を使用して、電極帯420を構成することができる。典型的な実施態様において、電極帯420を形成するために当該インク又はエポキシを熱硬化させる。
随意の充填剤層330。本発明のいくつかの実施態様において、図3Bに示されるように、透明導電層110を、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンなどのシール材の充填剤層330で被覆して、空気の侵入を防ぐとともに、随意に透明非平面ケース310への補完的取付けを提供する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、Q型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン又はM型シリコンである。しかし、いくつかの実施態様において、1つ以上の電極帯420が存在していても随意の充填剤層330を必要としない。いくつかの実施態様において、充填剤層330に酸化カルシウム又は酸化バリウムなどの乾燥剤を浸透させる。
【0030】
いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330は、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている「ラミネート層を有する光起電装置及びその製造方法(Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という題名の2007年3月13日出願の米国仮特許出願第60/906,901号に開示されたもののいずれかなどのラミネート層である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、1×106cP未満の粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える又は1000×10-6/℃を超える熱膨張率を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、エポリジメチルシロキサンポリマー(epolydimethylsiloxane)を含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含み、該透明シリコン油は、該誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分の初期粘度の半分以下の初期粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える熱膨張率を有し、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコン油と誘電ゲルの混合物から形成される。いくつかの実施態様において、シリコン油は、ポリジメチルシロキサンポリマー液であり、誘電ゲルは、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーの混合物である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、X重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー、及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100である。いくつかの実施態様において、ポリジメチルシロキサンポリマー液は、化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される範囲の整数である。いくつかの実施態様において、第1のシリコーンエラストマーは、少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、3〜7重量パーセントの珪酸塩とを含む。いくつかの実施態様において、第2のシリコーンエラストマーは、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、(ii)10〜30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサンと、(iii)3〜7重量パーセントのトリメチル化シリカとを含む。いくつかの実施態様において、Xは、30〜90であり、Yは、2〜20であり、Zは、2〜20である。
【0031】
いくつかの実施態様において、充填剤層330は、(A)平均で1分子当たり少なくとも2つの珪素結合アルケニル基を含有し、25℃で0.2から10Pa・sの粘度を有する100重量部の第1のポリジオルガノシロキサンと、(B)平均で1分子当たり少なくとも2つの珪素結合アルケニル基を含有し、25℃における粘度が第1のポリジオルガノシロキサンの25℃における粘度の少なくとも4倍である第2のポリジオルガノシロキサンと、(C)平均の式がR7Si(SiOR82H)3であり、R7が1から18個の炭素原子を有するアルキル基又はアリールであり、R8が1から4個の炭素原子を有するアルキル基であり、構成要素(A)及び(B)の組合せにおけるアルケニル基1つ当たり0.1から1.5個の珪素結合水素原子を提供するのに十分な量のオルガノ水素シロキサンと、(D)参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,169,155号に開示された、組成物を硬化させるのに十分な量のヒドロシリル化触媒とを含むシリコーンゲル組成物を含む。
【0032】
透明非平面ケース310。透明非平面ケース310は、透明導電層110及び/又は随意の充填剤層330上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、非平面ケース310は、プラスチック又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、透明非平面ケース310に封入される。透明非平面ケース310は、長形太陽電池402の最外層に取り付けられる。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、隣接する長形太陽電池402が、太陽電池の端部を除いて互いに電気接触を形成しないように、透明非平面ケース310の内側に存在する。例えば、熱収縮、射出成形又は真空装填などの方法を用いて、酸素及び水を系から排除するとともに、基部の太陽電池402への補完的取付けを提供するように、透明非平面ケース310を構成することができる。
【0033】
いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フルオロポリマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレンの重合により誘導されるETFE(登録商標):TEFLON(登録商標)モノマー)、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)又はそれらの任意の組合せ若しくは変形物で構成される。
いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、複数の透明管状ケース層を含む。いくつかの実施態様において、各透明管状ケースは、異なる材料で構成される。例えば、いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、第1の透明管状ケース層及び第2の透明管状ケース層を含む。太陽電池の正確な構成に応じて、第1の透明管状ケース層は、透明導電層110、随意の充填剤層330又は耐水層上に配置される。第2の透明管状ケース層は、第1の透明管状ケース層上に配置される。
【0034】
いくつかの実施態様において、各透明管状ケース層は、異なる特性を有する。一例において、外側透明管状ケース層は、優れたUV遮蔽特性を有し、内部透明管状ケース層は、良好な防水特性を有する。さらに、複数の透明管状ケース層を使用して、コストを削減し、且つ/又は透明非平面ケース310の全体特性を向上させることができる。例えば、所望の物理特性を有する高価な材料で1つの透明管状ケース層を構成することができる。1つ以上のさらなる透明管状ケース層を使用することによって、高価な透明管状ケース層の厚さを減少させることにより、材料コストの節約を達成することができる。別の例において、1つの透明管状ケース層は、優れた光学特性(例えば屈折率等)を有することができるが、非常に重くなる。1つ以上の追加的な透明管状ケース層を使用することによって、重い透明管状ケース層の厚さを減少させることにより、透明非平面ケース310の全重量を減少させることができる。
【0035】
随意の耐水層。いくつかの実施態様において、防水のために、1つ以上の耐水層を太陽電池402に塗布する。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330を堆積し、太陽電池402を透明非平面ケース310に入れる前に、この耐水層を透明導電層110に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池402を透明非平面ケース310に入れる前に、当該耐水層を随意の充填剤層330に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、当該耐水層を透明非平面ケース310自体に円周方向に塗布する。水分子を太陽電池402から封止するために耐水層が設けられる実施態様において、耐水層の光学特性は、太陽電池402による入射太陽放射線の吸収を妨げるものではない。いくつかの実施態様において、この耐水層は、透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3(x及びyは整数である)で構成される。いくつかの実施態様において、耐水層は、Q型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン又はM型シリコンで構成される。
【0036】
随意の反射防止膜。いくつかの実施態様において、太陽電池の効率性を最大にするために、随意の反射防止膜も透明非平面ケース310上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、耐水層及び反射防止膜の両方が透明非平面ケース310上に配置される。いくつかの実施態様において、単一の層が、耐水層及び反射防止膜の二重の目的を果たす。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素(SiO)又は亜硝酸酸化珪素で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在する。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、かつ各層は、同一の材料で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、異なる材料で構成される。
【0037】
いくつかの実施態様において、多層太陽電池402の層のいくつかは、円筒磁電管スパッタリング技術を用いて構成される。いくつかの実施態様において、多層太陽電池402の層のいくつかは、長形の管又は帯に対する従来のスパッタリング法又は反応スパッタリング法を用いて構成される。長形の管又は帯に対するスパッタリングコーティング法は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているHoshiら、1983、「円筒磁電管スパッタリングによるワイヤ及び小管の内壁に対する薄膜コーティング技術(Thin Film Coating Techniques on Wires and Inner Walls of Small Tubes via Cylindrical Magnetron Sputtering)」、Electrical Engineering in Japan 103:73-80;Lincoln及びBlickensderfer、1980、「長形管及び帯のコーティングのための従来のスパッタリング装置の適用(Adapting Conventional Sputtering Equipment for Coating Long Tubes and Strips)」、J.Vac.Sci.Technol.17:1252-1253;Harding、1977、「管のコーティングのためのdc反応スパッタリングシステムの改善(Improvements in a dc Reactive Sputtering System for Coating Tubes)」、J.Vac.Sci.Technol.14:1313-1315;Pearce、1970、「マイクロ波管部品コーティングのための厚膜真空蒸着システム(A Thick Film Vacuum Deposition System for Microwave Tube Component Coating)」、Conference Records of 1970 Conference on Electron Device Techniques 208-211;及びHardingら、1979、「磁電スパッタリングシステムによってガラス管に塗布された選択的表面の特性の生成(Production of Properties of Selective Surfaces Coated onto Glass Tubes by a Magnetron Sputtering System)」、Proceedings of the International Solar Energy Society 1912-1916に記載されている。
【0038】
随意の蛍光材料。いくつかの実施態様において、蛍光材料(例えば、発光材料、リン光材料)を太陽電池300の層の表面に塗布する。いくつかの実施態様において、蛍光材料を透明非平面ケース310の内面及び/又は外面に塗布する。いくつかの実施態様において、蛍光材料を透明導電性酸化物110の外面に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、随意の充填剤層300を含み、蛍光材料が随意の充填剤層に塗布される。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、耐水層を含み、蛍光材料が耐水層に塗布される。いくつかの実施態様において、太陽電池300の2つ以上の表面が随意の蛍光材料で被覆される。いくつかの実施態様において、蛍光材料は、本発明のいくつかの半導体接合410が光を電気に変換するのに使用しない青色光及び/又は紫外光を吸収し、蛍光材料は、本発明のいくつかの太陽電池300における発電に有用な可視光及び/又は赤外光を放射する。
【0039】
蛍光、発光又はリン光材料は、青色又はUV領域の光を吸収し、可視光を放射することができる。リン光材料又はリン光体は、好適なホスト材料及び活性体材料を通常含む。ホスト材料は、典型的には、亜鉛、カドミウム、マンガン、アルミニウム、珪素又は様々な希土類金属の酸化物、硫化物、セレン化物、ハロゲン化物又は珪酸塩である。放射時間を長くするために活性剤を添加する。
いくつかの実施態様において、リン光材料を本発明のシステム及び方法に組み込んで、太陽電池300による光吸収を向上させる。いくつかの実施態様において、随意の透明非平面ケース310を作製するのに使用される材料にリン光材料を直接添加する。いくつかの実施態様において、上記のように、太陽電池300の様々な外層又は内層を被覆する透明塗料としての使用のためにリン光材料を結着剤と混合する。
代表的なリン光体としては、銅活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu)及び銀活性化硫化亜鉛(ZnS:Ag)が挙げられるが、それらに限定されない。他の代表的なリン光材料としては、硫化亜鉛及び硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユーロピウムによって活性化されたアルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム及びアルミニウムによって活性化されたストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr、Al)、ビスマスを有する硫化ストロンチウムを有する硫化カルシウム((Ca、Sr)S:Bi)、銅及びマグネシウム活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu、Mg)又はそれらの任意の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0040】
リン光体材料を作製するための方法は、当該技術分野で知られている。例えばZnS:Cu又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているButlerらの米国特許第2,807,587号;Morrisonらの同第3,031,415号;Morrisonらの同第3,031,416号;Strockらの同第3,152,995号;Payneらの同第3,154,712号;Lagosらの同第3,222,214号;Possらの同第3,657,142号;Reillyらの同第4,859,361号及びKaramらの同第5,269,966号に記載されている。ZnS:Ag又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているParkらの米国特許第6,200,497号、Iharaらの同第6,025,675号;Takaharaらの同第4,804,882号及びMatsudaらの同第4,512,912号に記載されている。一般に、波長が小さくなるに従ってリン光体の残存率が高くなる。いくつかの実施態様において、CdSe又は類似のリン光材料の量子点を使用して、同じ効果を得ることができる。それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているDabbousiら、1995、「CdSe量子点/ポリマー複合体の電気発光(Electroluminescence from CdSe quantum-dot/polymer composites)」、Applied Physics Letters 66(11):1316-1318;Dabbousiら、1997「(CdSe)ZnSコア-シェル量子点:一連のサイズの高発光ナノ結晶の合成及び特性決定((CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots:Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites)」、J.Phys.Chem.B、101:9463-9475;Ebensteinら、2002、「相関原子間力及び単一粒子蛍光顕微鏡法によって調査されたCdSe:ZnSナノ結晶の蛍光量子収率(Fluorescence quantum yield of CdSe:ZnS nanocrystals investigated by correlated atomic-force and single-particle fluorescence microscopy)」、Applied Physics Letters 80:4033-4035;及びPengら、2000、「CdSeナノ粒子の形状制御(Shape control of CdSe nanocrystals)」、Nature 404:59-61を参照されたい。
【0041】
いくつかの実施態様において、増白剤を本発明の随意の蛍光層に使用する。増白剤(光学増白剤、蛍光増白剤又は蛍光白色剤としても知られる)は、電磁スペクトルの紫外及び紫色領域の光を吸収し、青色領域の光を再放射する染料である。当該化合物としては、スチルベン(例えば、トランス-1,2-ジフェニルエチレン又は(E)-1,2-ジフェニルエチレン)が挙げられる。本発明の随意の蛍光層に使用できる別の代表的な増白剤は、やはりスペクトルのUV部のエネルギーを吸収するウンベリフェロン(7-ヒドロキシクマリン)である。次いで、このエネルギーが可視スペクトルの青色部において再放射される。Dean、1963、Naturally Occurring Oxygen Ring Compounds,Butterworths、London;Joule及びMills、2000、Heterocyclic Chemistry、第4版、Blackwell Science、英国Oxford;及びBarton、1999、Comprehensive Natural Products Chemistry 2:677、Nakanishi及びMeth-Cohn編集、Elsevier、英国Oxford、1999に増白剤に関するさらなる情報が記載されている。
【0042】
円周方向に配置する。本明細書に開示されている装置において、太陽電池を形成するために、材料の層を非平面基板403上に連続的に円周方向に配置する。本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、各当該材料層が必ず基部層上に配置されることを示唆することを意図しない。実際、本発明は、当該層を成形し、或いは基部層上に形成する方法を教示する。さらに、基板403の説明とともに上述したように、基板及び基部層は、いくつかの異なる非平面形のいずれかを有することができる。しかしながら、円周方向に配置するという用語は、上部層と基部層の間に環状空間が存在しないように、上部層を基部層上に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層上の周囲の少なくとも50パーセントに配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層の長さの少なくとも半分に沿って配置することを意味する。
【0043】
円周方向にシールする。本発明において、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造が、必ずしも基部層又は構造上に配置されることを示唆するものではない。実際、本発明には、当該層又は構造(例えば透明非平面ケース310)を成形し、或いは基部層又は構造上に形成する方法が教示されている。しかしながら、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造体と基部層又は構造体との間に環状空間が存在しないように、上部層又は構造体を基部層又は構造体上に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向にシールするという用語は、上部層を下部層上の全周囲に配置することを意味する。典型的な実施態様において、層又は構造は、それを基部層又は構造の全周囲に配置し、且つ基部層又は構造の全長に沿って配置する場合に基部層又は構造をシールする。しかし、本発明は、円周方向にシールする層又は構造が基部層又は構造の全長に沿って延びない実施態様を想定している。
【0044】
シーラントキャップ612。本発明の利点は、端部460がシーラントキャップ(図2Aに示されていない)でシールされていることである。本発明によるシーラントキャップの例は、例えば、図3Nから3Uに開示されている。図3N〜3Uにおける各例は、太陽電池ユニット300の斜視図を示す。各斜視図の下には、太陽電池ユニット300の対応する断面図がある。典型的な実施態様において、図3Nから3Uに示された太陽電池ユニット300は、導電性基板403を有さない。別法では、基板403が導電性である実施態様において、基板は、個別の太陽電池700の背面電極104が互いに電気的に絶縁されるように、絶縁層で円周方向に覆われる。本出願は、図3に示されるモノリシック集積の実施態様に限定されない。実際、二重管太陽電池は、モノリシック集積であるか否かにかかわらず、本発明のシーラントキャップでシールされ得る。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/378,847号に記載されている太陽電池のいずれかをシーラント612でシールすることができる。
【0045】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300の第1の端部の第1のシーラントキャップ、及び太陽電池ユニット300の第2の端部の第2のシーラントキャップが存在することによって、太陽電池ユニット300を水からシールする。例えば、図3N及び3Oを参照すると、シーラントキャップ612は、太陽電池ユニット300の端部460をシールする。図3N及び3Oに示される実施態様において、シーラントキャップ612を透明非平面ケース310の外面上にシールする。しかし、シーラントキャップ612の他の構成も可能である。例えば、図3P及び3Qを参照すると、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の内面上にシールされる。シーラントキャップ612の混合実施態様も可能である。例えば、図3R及び3Sを参照すると、キャップ612の第1の部分は、透明非平面ケース310の内面上にシールされ、キャップ612の第2の部分は、透明非平面ケース310の外面上にシールされる。図3R及び3Sにおいて、第1の部分は、キャップ612の円周の約半分である。しかし、他の実施態様において、この第1の部分は、キャップ612の円周の半分以外の何らかの値である。いくつかの実施態様において、第1の部分は、キャップ612の円周の4分の1であり、第2の部分は、キャップ612の円周の4分の3である。いくつかの実施態様において、第1の部分は、キャップ612の円周の1パーセント以上、10パーセント以上、20パーセント以上又は30パーセント以上であり、第2の部分は、キャップ612の残りを占める。いくつかの実施態様において、キャップ612は、それぞれが透明非平面ケース310の内面上にシールされた複数の第1の部分と、それぞれが透明非平面ケース310の外面上にシールされた複数のキャップ612の第2の部分とを含む。図3T及び3Uに示される実施態様において、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の内面及び基板403の外面上にシールされる。図3T及び3Uにおいて、基板403は、中空である。しかし、他の実施態様において、基板403は中実であり、中空コアがない。
【0046】
シーラントキャップ612のさらに他の構成も可能である。例えば、いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の外面、及び基板403の外面に接着される。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の外面、及び基板403の内面に接着される。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、透明非平面ケース310の内面、及び基板403の内面に接着される。
有利には、いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612を構成するのに典型的に使用される金属は、ガラスの熱膨張率に対応するように選択される。例えば、いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ソーダ石灰ガラス(CTEが約9ppm/C)で構成され、シーラントキャップは、410のような低膨張ステンレス鋼合金(CTEが約10ppm/C)で構成される。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ホウ珪酸ガラス(CTEが約3.5ppm/C)で構成され、シーラントキャップ612は、コバール(CTEが約5ppm/C)で構成される。コバールは、鉄-ニッケル-コバルト合金である。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金(例えばコバール)、又はそれらの組合せなどの任意の導電材料で構成される。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、インジウム-酸化亜鉛などの任意の耐水性導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス(例えば、Pyrex、Duran、Simax等)、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、Pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス又はフリントガラスで構成される。
【0047】
シーラントキャップ612が金属で構成される実施態様において、シーラントキャップが透明導電層110及び背面電極104の双方と電気接続を形成しないように注意する。これをいくつかの方法で遂行することができる。図3N及び3Oに示される実施態様において、充填剤層560は、端部460とシーラントキャップ612の間に配置される。充填剤層560は、シーラントキャップ612を透明導電層110及び背面電極104から電気的に絶縁する。いくつかの実施態様において、充填剤層560は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層560は、Q型シリコーン、シリセキノキサン、D型シリコン及びM型シリコンである。いくつかの実施態様において、充填剤層560は、EVA、シリコーンゴム又は中実ゴムを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層に酸化カルシウム又は酸化バリウムなどの乾燥剤を浸透させる。いくつかの実施態様において、充填剤層560を使用するのに加えて、シーラントキャップ612を透明導電層110及び背面電極104に接触しないように成形する。シーラントキャップ612の1つの当該形状を図6に示す。図6に見られるように、シーラントキャップ612を、透明導電層110及び背面電極104に電気接触しないように、太陽電池ユニット300に対して屈曲させる。図6は、シーラントキャップ612が太陽電池ユニット300とシールを成すのであれば、任意のタイプの形状を採用できることを単に示すものである。
【0048】
有利には、シーラントキャップ612は、透明導電層110又は背面電極104に対する電気リードとして働くことができる。したがって、いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300の第1の端部は、透明導電層110と電気接続を成す第1のシーラントキャップ612でシールされ、太陽電池ユニット300の第2の端部は、背面電極104と電気接続を成す第2のシーラントキャップ612でシールされる。より典型的には、太陽電池ユニット300の第1の端部は、透明導電層110と電気的に導通する背面電極104と電気接続を成す第1のシーラントキャップ612でシールされ、太陽電池ユニット300の第2の端部は、透明導電層110と電気的に絶縁された背面電極104と電気接続を成す第2のシーラントキャップ612でシールされる。例えば、図5Bを参照すると、いくつかの実施態様において、第1のシーラントキャップ612Aは、透明導電層110と電気的に導通する背面電極104と電気接続を成し、第2のシーラントキャップ612Bは、透明導電層110と電気的に絶縁された背面電極104と電気接続を成す。これらの実施態様において、第1のシーラントキャップ612は、透明導電層110のための電極として働き、第2のシーラントキャップ612は、背面電極104のための電極として働く。図3N及び3Oを参照すると、例えば、シーラントキャップ612が金属で構成される実施態様において、シーラントキャップ612と透明導電層110及び背面電極104の両方との電気接触が成されない。したがって、シーラントキャップ612が金属で構成される実施態様において、シーラントキャップ612は、透明導電層110及び背面電極104の少なくとも一方と電気的に絶縁される。
【0049】
図5Aを参照すると、一例において、シーラントキャップ612Aは、(図5Aに示されるように)背面電極104と電気接触を形成するようにシーラントキャップ612A内に配置された電気接触子540を含む。次いで、透明導電層110は、電極540の接点で背面電極104と電気的に導通するため、リード542は、(図5Aに示されるように)透明導電層110のための電気リードとして働く。図5Bを参照すると、シール材614及び/又は616を使用して、シーラントキャップ612Aを太陽電池ユニット300上にシールする。結果として、電気接触子540は、背面電極104と電気接続を成す。好ましい実施態様において、太陽電池内への空気の封入を防止するために、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット上にシールする前に、空間560をエチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンなどの非導電性充填剤で埋める。いくつかの実施態様において、電気接触子540をシーラントキャップ612というよりむしろ、背面電極104上に取り付ける。いくつかの実施態様において、電気接触子540は、単に背面電極104の延長である。
いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612は、ガラスで構成される。当該実施態様において、透明導電層110又は背面電極104のためのリードがシーラントキャップ612を通っている(不図示)。当該実施態様において、シーラントキャップ612は、側端部460に直に圧接することができる。したがって、当該実施態様において、充填剤層560は随意である。
【0050】
いくつかの実施態様において、ブチルゴム(例えばポリイソブチレン)を使用して、シーラントキャップ612を太陽電池上にシールする。当該実施態様において、充填剤層560はブチルゴムであり、ブチルゴムがシーラントキャップ612をシールする機能を果たすため、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300上にシールするのにガラスフリット又はセラミックを必要としない。いくつかの実施態様において、このブチルゴムにCaO又はBaOなどの活性乾燥剤を充填する。ブチルラバーでシールされる当該実施態様において、太陽電池ユニットは、10-4g/m2・日未満の透湿度を有する。充填剤層560にブチルゴムを使用するいくつかの実施態様において、シーラントキャップ612を必要としない。当該実施態様において、太陽電池ユニット300の端部をブチルゴムでシールする。シーラントキャップ612を用いずにブチルゴムを使用する実施態様において、図5Aのリード540及び542などのリードを使用して、太陽電池ユニット300を他の太陽電池ユニット300又は他の回路と電気接続することができる。
【0051】
いくつかの実施態様において、ガラス対ガラスシール、金属対金属シール、セラミック対金属シール、又はガラス対金属シールを用いて、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300上にシールする。様々な代表的な実施態様に使用される2つの典型的なタイプのガラス対金属気密シール、即ちマッチドシール及びミスマッチド(圧縮)シールが存在する。マッチドガラス対金属気密シールは、同様の熱膨張特性を有する金属合金及び基板403/透明非平面ケース310で構成される。ミスマッチド又は圧縮ガラス対金属気密シールは、ガラス太陽電池より熱膨張率が高い鋼又はステンレス鋼シーラントキャップ612を特徴とする。冷却されると、シーラントキャップ612は、ガラスの周囲に接触して、化学的及び機械的に強化された気密シールを形成する。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-4g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-5g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-6g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-7g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。いくつかの実施態様において、気密シールは、10-8g/m2・日又はそれより良好な透湿度を有する任意のシールである。
【0052】
いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-4g/m2・日以下の透湿度(WVTR)を有する。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-5g/m2・日以下の透湿度(WVTR)を有する。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-5g/m2・日以下のWVTRを有する。いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-6g/m2・日以下の透湿度(WVTR)を有する。いくつかの実施態様において、キャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、10-7g/m2・日以下のWVTRを有する。いくつかの実施態様において、キャップ612と太陽電池ユニット300の間に形成されたシールは、WVTRが10-8g/m2・日以下である。ガラス、又はより一般にはセラミック材料を使用して、シーラントキャップ612と太陽電池ユニット300の間のシールを達成することができる。好ましい実施態様において、このガラス又はセラミック材料は、200℃から450℃の溶融温度を有する。いくつかの実施態様において、このガラス又はセラミック材料は、300℃から450℃の溶融温度を有する。いくつかの実施態様において、このガラス又はセラミック材料は、350℃から450℃の溶融温度を有する。気密シールを形成するのに使用できる広範なガラス及びセラミック材料が存在する。例としては、アルミナ、ジルコニア、シリカ、珪酸アルミニウム、マグネシア及び他の金属酸化物系材料を含む酸化物セラミック、二酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムジルコニアに基づくセラミック、並びに二酸化珪素に基づくガラスが挙げられるが、それらに限定されない。
図3Nを参照すると、いくつかの実施態様において、シーラントキャップ612の内縁の周囲にシール材614の連続帯を配置することによって、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300上にシールする。さらに図3Nを参照すると、いくつかの実施態様において、シール材616の連続帯を透明非平面ケース310の外縁に配置する。典型的には、(シーラントキャップ612の内縁の周囲の)シール材614又は(透明非平面ケース310の外縁の周囲の)シール材616を使用するが、その両方を使用しない。
【0053】
いくつかの実施態様において、シール材614及び/又はシール材616は、ガラスフリットである。異なるタイプのガラスに異なる温度で使用できる異なるタイプのフリットが存在する。本発明は、フリット又はガラスのタイプに無関係である。好ましい実施態様において、ガラスフリットは、200℃から450℃の溶融温度を有する。ソルダガラスとも呼ばれる当該材料は、Ferro Corporation(Ohio(オハイオ)州Cleveland)、Schott Glass(New York(ニューヨーク)州Elmsford)及びAsahi Glass(日本、東京)を含む多くの供給源から入手可能である。有利には、溶融温度が低いソルダガラスを使用すると、シール形成時に太陽電池の活性成分が極端な温度に曝されることが制限される。好ましい実施態様において、ガラスフリットは、用途の正確な形状に合わせて(シール材616の場合は透明非平面ケース310の外縁に嵌合し、或いはシール材614の場合はシーラントキャップ612の内縁内に嵌合するように)構成された加圧又は焼成予備成形物である。いくつかの実施態様において、ソルダガラスを有機バインダ材料に懸濁するか、又は乾燥粉末として塗布する。シール材614及び/又は616がガラスフリットである実施態様において、連続ガラスフリットが軟化するのを可能にする値まで温度を上昇させる。高熱面に直に接触させる等の方法によって、金属部の誘導加熱によって、炎若しくは熱風との接触との接触によって、又はレーザの光の吸収によって熱を加えることができる。ガラスフリットが軟化すると、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300上に押しつける。軟化したガラスフリットは、接合される部品との結合を形成することで、気密シールを形成する。
【0054】
いくつかの実施態様において、シール材614及び/又はシール材616は、ゾル-ゲル材料である。知られているように、ゾル-ゲル材料は、交互に2つの状態に変化し、一方の状態は、液体中の固体粒子のコロイド懸濁物であり、他方の状態は、溶媒が充填された中実外殻が存在する二相材料である。例えば、大気圧との接触を介して溶媒を除去すると、低密度ガラスと同様の軟度を有するキセロゲル材料が得られる。やはり知られているように、大量の珪酸カリウム(カシル)(例えば120グラム)を比較的少量のホルムアミド(例えば7〜8グラム)と混合することによって、ゾル-ゲル材料を処方することができる。或いは、より少量のカシル(例えば12グラム)をさらに少量の炭酸プロピレン(例えば2〜3グラム)と混合することができる。ゾル-ゲル材料を形成する別の方法は、TEOS-H2Oとメタノールを混合すること、及び混合物を加水分解させることを含む。シール材614及び/又はシール材616がゾル-ゲルである実施態様において、シーラントキャップ612を太陽電池ユニット300に押しつけ、ゾル-ゲルを硬化させる。いくつかの実施態様において、ゾル-ゲルを大気温度及び大気圧で硬化させる。或いは、例えば熱を加えること、又は赤外線熱源を使用することなどの他の方法によって硬化処理を加速させることができる。ゾル-ゲルがポリカーボネート-カシル混合物である場合は、ゾル-ゲル材料は、室温で約5から10分間のうちに硬化する。ゾル-ゲルについては、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadou、2002、「微小成形の基礎、小形化の科学(Fundamentals of Microfabrication、The Science of Miniaturization)」、第2版、CRC Press、New York、156〜157頁に論述されている。
【0055】
いくつかの実施態様において、シール材614及び/又はシール材616は、セラミックセメント材料である。当該材料は、Aremco(New York(ニューヨーク)州Valley Cottage)及びSaueresen(Pennsylvania(ペンシルバニア)州Pittsburgh)などの供給源から容易に入手可能である。当該材料は、比較的安価であり、ガラス又は金属との強い結合を与える。しかし、それらの性質により、これらのセメントは、気密防水シールを与えない多孔質セラミックを形成する。しかし、当該材料を防水することができる。セラミックの孔径より小さいソルダガラスの懸濁物を揮発性の液体中に構成することができる。次いで、この液体を毛管作用によってセラミックの孔に吸い込ませることができる。続く加熱によって、ソルダガラスを溶融させることで、セラミック材料を濡らすことによって、セラミック材料をシールし、気密シールを形成する。Aremcoは、この用途の製品(ArmcoSeal 617)を販売する。しかし、AremcoSeal 617ガラスには、高温で処理しなければならないという欠点がある。したがって、好ましい実施態様において、DieMatが提供する(DM2700Pシーリングガラスペースト)のようなバインダに懸濁した低融点ソルダガラスを代わりに使用する。これらの技術を用いて多孔質セラミック及びゾル-ゲルの両方を防水できる。
【0056】
図3N及び3Oによる一実施態様において、DM2700P(DieMat、Massachusetts(マサチューセッツ)州Byfield)を透明非平面ケース310の外周に塗布して、シール材616を形成し、ペーストを乾燥させる。次いで、ステンレス鋼で構成されたシーラントキャップ612をホットプレートで約420℃まで加熱する。次に、まだホットプレート上に置きながら、太陽電池の塗布端部を高温キャップに手で挿入する。シーリングガラスペーストを溶融させ、シーラントキャップ612の表面を濡らす。太陽電池をホットプレートから取り除き、冷却させる。
図3N及び3Oによる別の実施態様において、シール材614を形成するために、DM2700Pコーティングをシーラントキャップ612の内周に塗布する。ペーストを乾燥させる。次に、ステンレス鋼キャップを、シーリングガラスが溶融するまでホットプレートで約420℃まで加熱する。キャップをまだホットプレート上に置きながら太陽電池の一端をステンレス鋼キャップに手で挿入する。シーリングガラスペーストが溶融し、透明非平面ケース310の表面の外面を濡らす。次いで、その組立品をホットプレートから取り除き、冷却させる。
【0057】
図3Pを参照すると、シール材618及び/又は620を使用して、シーラントキャップ612を太陽電池300にシールする。シール材618及び/又は620は、上記のシール材614及び/又は616を構成するのに使用できる組成物のいずれかで構成される。図3Rを参照すると、シール材622及び/又は624を使用して、シーラントキャップ612を太陽電池300にシールする。シール材622及び/又は624は、上記のシール材614及び/又は616を構成するのに使用できる組成物のいずれかで構成される。図3Tを参照すると、シール材626及び/又は630をシール材628及び/又はシール材632とともに使用して、シーラントキャップ612を太陽電池300にシールする。シール材626及び/又は628及び/又は630及び/又は632は、上記のシール材614及び/又は616を構成するのに使用できる組成物のいずれかで構成される。
【0058】
(5.1.1基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図3A〜3Kは、カスケーディング技術を用いて太陽電池ユニット300を製造するための代表的な処理工程を示す。モノリシック集積太陽電池、及び本出願に使用できる他の形のモノリシック集積太陽電池は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の米国特許出願第11/378,835号に開示されている。図3A〜3Kの各例は、様々な製造段階における太陽電池ユニット300の斜視図を示す。各斜視図の下には、対応する太陽電池ユニット300の1つの半球体の対応する断面図が存在する。典型的な実施態様において、図3に示される太陽電池ユニット300は、導電性基板403を有さない。別法では、基板403が導電性である実施態様において、基板は、個々の太陽電池700の背面電極104が互いに電気的に絶縁されるように絶縁体層で円周方向に覆われる。
【0059】
図3Kを参照すると、太陽電池ユニット300は、複数の光起電電池700に共通の基板403を含む。基板403は、第1の端部及び第2の端部を有する。複数の光起電電池700は、図3Kに示されるように基板403上に直線状に配置される。複数の光起電電池700は、第1及び第2の光起電電池700を含む。複数の光起電電池700における各光起電電池700は、共通の基板403上に円周方向に配置された背面電極104、及び背面電極104上に円周方向に配置された半導体接合406を含む。図3Kの場合は、半導体接合406は、吸収体106及び窓層108を含む。複数の光起電電池700における各光起電電池700は、半導体接合406上に円周方向に配置された透明導電層110をさらに含む。図3Kの場合は、第1の光起電電池700の透明導電層110は、バイア280により複数の光起電電池における第2の光起電電池の背面電極と直列電気接続する。いくつかの実施態様において、各バイア280は、太陽電池の全周にわたって伸びる。いくつかの実施態様において、各バイア280は、太陽電池の全周にわたって伸びない。実際、いくつかの実施態様において、各バイアは、太陽電池の周の小さい割合にわたって伸びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各太陽電池700は、太陽電池700の透明導電層110を、隣接する太陽電池700の背面電極104と電気的に直列接続させる1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のバイア280を有することができる。
【0060】
次に、代表的な太陽電池ユニット300を製造するための代表的な方法を図3Aから3Kとともに説明する。この説明の中で、太陽電池ユニット300の各部品の代表的な材料について説明する。しかし、太陽電池ユニット300の各部品の好適な材料のより包括的な説明は、上記セクション5.1に示されている。図3Aを参照すると、該方法は、基板403から開始する。次に、図3Bにおいて、背面電極104を基板403に配置する。2006年3月18日出願の米国特許出願第11/378,835号に開示された技術のいずれかを含む様々な技術によって背面電極104を堆積することができる。いくつかの実施態様において、背面電極104をスパッタリングによって基板403上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、背面電極104を電子ビーム蒸着によって基板403上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、基板403は、導電性材料で構成される。そのような実施態様において、電気メッキを用いて、背面電極104を基板403上に円周方向に配置することが可能である。いくつかの実施態様において、基板403は、導電性でないが、鋼箔又はチタン箔などの金属箔で覆われる。当該実施態様において、電気メッキ技術を用いて、背面電極104を金属箔上に電気メッキすることが可能である。さらに他の実施態様において、背面電極104を高温浸漬によって基板403上に円周方向に配置する。
【0061】
図3Cを参照すると、溝292を形成するために、背面電極104をパターン化する。溝292は、背面電極104の全周にわたって伸びることによって、背面電極104を個別の部分に分割する。各部分は、対応する太陽電池700の背面電極104として働く。溝292の底部は、下部の基板403を露出させる。いくつかの実施態様において、背面電極104に吸収される波長を有するレーザビームを使用して溝292を刻む。レーザスクライビングは、従来の機械掘削法と比較して多くの利点を提供する。レーザを使用して薄膜を処理する場合に、レーザスクライビング、エッチング及びアブレーションという用語は、区別なく用いられる。金属材料のレーザ切断を2つの主たる方法、即ち蒸発切断及びメルトブロー切断に分けることができる。蒸発切断では、材料を蒸発温度まで急速に加熱し、蒸発として自然に除去する。メルトブロー法は、材料を溶融温度まで加熱するとともに、ガス流が溶融物を表面から吹き飛ばす。いくつかの実施態様において、不活性ガス(例えばAr)を使用する。他の実施態様において、反応ガスを使用することで、溶融物との発熱反応を通じて材料の加熱を強化する。レーザスクライビング技術によって処理される薄膜材料としては、半導体(例えば、テルル化カドミウム、銅インジウムガリウムジセレニド及びシリコン)、透明導電性酸化物(例えば、フッ素ドープ酸化錫及びアルミニウムドープ酸化亜鉛)並びに金属(例えば、モリブデン及び金)が挙げられる。当該レーザシステムは、いずれも商業的に入手可能であり、パルス持続時間及び波長に基づいて選択される。レーザスクライビングに使用できるいくつかの代表的なレーザシステムとしては、QスイッチNd:YAGレーザシステム、Nd:YAGレーザシステム、銅蒸気レーザシステム、XeClエキシマレーザシステム、KrFエキシマレーザシステム及びダイオード-レーザ-ポンプNd:YAGシステムが挙げられるが、それらに限定されない。本発明に使用できる詳細なレーザスクライビングシステム及び方法については、Compaanら、1998、「薄膜PVモジュールのためのレーザスクライビングの最適化(Optimization of laser scribing for thin film PV module)」、National Renewable Energy Laboratory最終技術進捗報告1995年4月〜1997年10月;Querciaら、1995、「CuInSe2サブモジュールの作製のためのCuInSe2/Mo/SLS構造レーザパターン化(Laser patterning of CuInSe2/Mo/SLS structures for the fabrication of CuInSe2 sub modules)」、Semiconductor Processing and Characterization with Lasers:Application in Photovoltaics,First International Symposium,Issue 173/174,Number com P:53〜58;及びCompaan、2000、「レーザスクライビングによるモノリシック薄膜アレイの形成(Laser scribing creates monolithic thin film arrays)」、Laser Focus World 36:147〜148、150及び152を参照されたい。いくつかの実施態様において、機械的手段を用いて溝292を刻む。例えば、レーザ刃又は他の鋭利な器具で背面電極104を掻くことによって、溝292を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフィックエッチング法を用いて溝292を形成する。
【0062】
図3D〜3Fは、半導体接合406が単一の吸収体層106及び単一の窓層108を含む場合を示す。しかし、本発明は、それに限定されない。例えば、接合層406は、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合であり得る。図3Dを参照すると、吸収体層106は、背面電極104上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、熱蒸着によって背面電極104上に円周方向に配置される。例えば、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBeck及びBrittの「最終技術報告(Final Technical Report)」、2006年1月、NREL/SR-520-39119;及びDelahoy及びChen、2005年8月、「高度CIGS光起電技術(Advanced CIGS Photovoltaic Technology)」、サブコントラクトレポート;Kapurら、2005年1月サブコントラクトレポート、NREL/SR-520-37284、「非真空薄膜CIGS太陽電池の実験室規模から大規模製造への移行(Lab to Large Scale Transition for Non-Vacuum Thin Film CIGS Solar Cells)」;Simpsonら、2005年10月、サブコントラクトレポート、「軟質CIGS PVモジュール製造のための軌道指向及び障害許容性高度プロセス制御(Trajectory-Oriented and Fault-Tolerant-Based Intelligent Process Control for Flexible CIGS PV Module Manufacturing)」、NREL/SR-520-38681;及びRamanathanら、31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition、Lake Buena Vista、Florida、1月3〜7日、2005に開示されている技術を用いて堆積されるCIGSである。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、原子源からの蒸発によって、背面電極104上に円周方向に配置される。例えば、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、原子源からの蒸発によってモリブデン背面電極104上に成長されるCIGSである。1つの当該蒸発法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanthanら、2003、「効率19.2%のZnO/CdS/CuInGaSe2薄膜太陽電池の特性(Properties of 19.2% Efficiency ZnO/CdS/CuInGaSe2 Thin-film Solar Cells)」、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 11、225に記載されている3段階プロセス、或いは該3段階プロセスの変形である。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、一段階蒸発プロセス又は二段階蒸発プロセスを用いて背面電極104上に円周方向に堆積される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、スパッタリングによって背面電極104上に円周方向に堆積される。典型的には、当該スパッタリングには高温基板403が必要である。
【0063】
いくつかの実施態様において、吸収体層106は、電気メッキを用いて吸収体層106の構成要素金属又は金属合金の個々の層として背面電極104上に円周方向に堆積される。例えば、吸収体層106が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である場合を考慮されたい。CIGSの個々の構成要素層(例えば、銅層、インジウム-ガリウム層、セレニウム)を層毎に背面電極104上に電気メッキすることができる。いくつかの実施態様において、吸収体層の個々の層は、スパッタリングを用いて背面電極104上に円周方向に堆積される。吸収体層106の個々の層がスパッタリング若しくは電気メッキ又はそれらの組合せのいずれによって円周方向に堆積されるかに関係なく、典型的な実施態様(例えば、活性層106がCIGSである場合)において、構成要素層が円周方向に堆積されると、それらの層は、互いに反応して吸収体層106を形成するように高速熱処理工程で迅速に加熱される。いくつかの実施態様において、セレニウムは、電気メッキ又はスパッタリングによって送達されない。当該実施態様において、セレニウムは、元素セレニウムガスの形で低圧加熱工程を通じて、或いは低圧加熱工程を通じてセレン化水素の形で吸収体層106に送達される。いくつかの実施態様において、銅-インジウム-ガリウム酸化物は、背面電極104上に円周方向に堆積され、次いで銅-インジウム-ガリウムジセレニドに変換される。いくつかの実施態様において、真空プロセスを用いて、吸収体層106を堆積する。いくつかの実施態様において、非真空プロセスを用いて、吸収体層106を堆積する。いくつかの実施態様において、室温プロセスを用いて、吸収体層106を堆積する。さらに他の実施態様において、高温プロセスを用いて、吸収体層106を堆積する。これらのプロセスは例にすぎず、吸収体層106を堆積するのに用いることができる広範な他のプロセスが存在することを当業者なら理解するであろう。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、化学蒸着を用いて堆積される。
【0064】
図3E及び3Fを参照すると、窓層108は、吸収体層106上に円周方向に堆積される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、薬浴蒸着法を用いて、吸収体層108上に円周方向に堆積される。例えば、窓層108が硫化カドミウムなどの緩衝層である場合は、反応すると、溶液から析出する硫化カドミウムを形成する溶液中にカドミウム及び硫化物をそれぞれ個別に提供することができる。窓層として働くことができる他の構成要素としては、硫化インジウム、酸化亜鉛、酸化亜鉛ヒドロキシ硫化物又は他のタイプの緩衝層が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、窓層108は、n型緩衝層である。いくつかの実施態様において、窓層108は、吸収体層106上にスパッタリングされる。いくつかの実施態様において、窓層108は、吸収体層106上に蒸着される。いくつかの実施態様において、窓層108は、化学蒸着を用いて吸収体層106上に円周方向に配置される。
【0065】
図3G及び3Hを参照すると、溝294を形成するために、半導体接合406(例えば、層106及び108)をパターン化する。いくつかの実施態様において、溝294は、半導体接合406の全周にわたって伸びることによって、半導体接合406を個別の部分に分割する。いくつかの実施態様において、溝294は、半導体接合406の全周にわたって伸びない。実際、いくつかの実施態様において、各溝は、半導体接合406の周の小さい割合にわたって伸びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各太陽電池700は、所定の溝294の代わりに半導体接合406の周に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、半導体接合406に吸収される波長を有するレーザビームを使用して溝294を刻む。いくつかの実施態様において、機械的手段を用いて溝294を刻む。例えば、レーザ刃又は他の鋭利な器具で半導体接合406を掻くことによって、溝294を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフィックエッチング法を用いて溝294を形成する。
【0066】
図3Iを参照すると、透明導電層110を半導体接合406上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、透明導電層110をスパッタリングによって背面電極104上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、スパッタリングは、反応性スパッタリングである。例えば、いくつかの実施態様において、酸素ガスの存在下で亜鉛ターゲットを使用して、酸化亜鉛を含む透明導電層110を生成する。別の反応性スパッタリングの例において、酸素の存在下でインジウム錫ターゲットを使用して、インジウム錫酸化物を含む透明導電層110を生成する。別の反応性スパッタリングの例において、酸素の存在下で錫ターゲットを使用して、酸化錫を含む透明導電層110を生成する。概して、任意の高バンドギャップ導電性透明材料を透明導電層110として使用することができる。本明細書に用いられているように、「透明」という用語は、約300ナノメートルから約1500ナノメートルの波長範囲で透明であると考えられる材料を指す。しかし、この全波長範囲にわたって透明でない構成要素も、特に当該材料の非常に薄い層を使用できるように高い導電性などの他の特性を有するのであれば、透明導電層110として働くことができる。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、導電性であり、反応的に、又はセラミックターゲットを使用してスパッタリングにより堆積することができる任意の透明導電性酸化物である。
いくつかの実施態様において、直流(DC)ダイオードスパッタリング、高周波(RF)ダイオードスパッタリング、トリオードスパッタリング、DCマグネトロンスパッタリング又はRFマグネトロンスパッタリングを用いて透明導電層110を堆積する。いくつかの実施態様において、原子層堆積を用いて透明導電層110を堆積する。いくつかの実施態様において、化学蒸着用いて透明導電層110を堆積する。
【0067】
図3Jを参照すると、溝296を形成するために、透明導電層110をパターン化する。溝296は、透明導電層110の全周にわたって伸びることによって、透明導電層110を個別の部分に分割する。溝296の底部は、下部の半導体接合406を露出させる。いくつかの実施態様において、溝298によって露出された背面電極104を電極又は他の電子回路に接続するために、溝298を太陽電池ユニット300の端部においてパターン化する。いくつかの実施態様において、透明導電層110に吸収される波長を有するレーザビームを使用して溝296を刻む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝296を刻む。例えば、レーザ刃又は他の鋭利な器具で背面電極104を掻くことによって、溝296を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフィックエッチング法を用いて溝296を形成する。
図3Kを参照すると、従来の堆積技術を用いて、随意の反射防止膜112を透明導電層110上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300を透明非平面ケース310に収容する。太陽電池ユニット300などの長形太陽電池をどのようにして透明管状ケースに収容できるかについては、2006年3月18日出願の米国特許同時継続出願第11/378,847号に記載されている。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300の外層と透明非平面ケース310との間に空気のポケットを存在させないために、随意の充填剤層330を使用する。
【0068】
いくつかの実施態様において、電極帯420は、インクジェット印刷を用いて、透明導電層110に堆積される。当該電極帯に使用できる導電性インクの例としては、銀充填又はニッケル充填導電性インクが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、エポキシ並びに異方性導電性接着剤を使用して、電極帯420を構成することができる。典型的な実施態様において、電極帯420を形成するために当該インク又はエポキシを熱硬化させる。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300に当該電極帯が存在しない。実際、本発明のモノリシック集積設計を用いる主たる利点は、太陽電池ユニット300の長さにわたる電圧が独立した太陽電池700により増加することである。したがって、電流が減少することによって、個々の太陽電池700の電流必要量が減少する。結果として、多くの実施態様において、電極帯420が必要なくなる。
【0069】
いくつかの実施態様において、溝292、294及び296は、図3に示されるように同心でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板403の管(長)軸に沿って螺旋状に下降する。図3のモノリシック集積手法は、面積及び処理工程数を最小限にするという利点を有する。
図3Lを参照すると、随意の充填剤層330を透明導電層110又は反射防止層112に円周方向に配置する。図3Mを参照すると、実施態様に応じて、透明非平面ケース310を、随意の充填剤層330(該層が存在する場合)又は反射防止層112(該層が存在し、随意の充填剤層330が存在しない場合)又は透明導電層110(随意の充填剤層330及び反射防止層112が存在しない場合)上に円周方向に嵌合させる。
【0070】
(5.1.2透明非平面ケース)
透明非平面ケース310は、図2A及び図2Bに示されるように、太陽電池ユニット300をシールして、太陽電池に対する支持及び保護を提供する。透明非平面ケース310の大きさ及び寸法は、太陽電池組立品ユニット300における個々の太陽電池700の大きさ及び寸法によって決定づけられる。透明非平面ケース310をガラス、プラスチック又は任意の他の好適な材料で構成することができる。透明非平面ケース310を構成するのに使用できる材料の例としては、ガラス(例えばソーダ石灰ガラス)、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル、ポリカーボネート、フルオロポリマー(例えばTefzel又はTeflon)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、Tedlar又はいくつかの他の好適な透明材料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0071】
ガラス製管状透明ケース。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ガラス製である。本発明は広範な透明非平面ケース310用ガラスを想定しており、そのいくつかは、このセクションに記載され、他は、当業者に知られている。一般的なガラスは、石英に見られるのと同じ化学化合物である約70%の非晶質二酸化珪素(SiO2)及びその多結晶形の砂を含む。一般的なガラスを本発明のいくつかの実施態様に使用して、透明非平面ケース310を製造する。しかし、一般的なガラスは、脆性であり、割れて尖った破片になる。したがって、いくつかの実施態様において、他の化合物の添加又は熱処理により一般的なガラスの特性を改質し、或いは全面的に改変する。
純粋なシリカ(SiO2)は、約2000℃の融点を有し、特殊な用途のガラス(例えば、溶融石英)に製造され得る。通常、処理を簡単にするために他の2つの物質を一般的なガラスに添加する。1つは、融点を約1000℃に下げるソーダ(炭酸ナトリウムNa2CO3)又は同等のカリウム化合物であるカリである。しかし、ソーダは、ガラスを水溶性にし、それは望ましくないため、石灰(酸化カルシウム、CaO)が、不溶性を回復するために添加される第3の成分となる。得られたガラスは、シリカ約70%を含有し、ソーダ石灰ガラスと呼ばれる。ソーダ石灰ガラスを本発明のいくつかの実施態様に使用して、透明非平面ケース310を製造する。
【0072】
最も一般的なガラスは、ソーダ石灰の他に、その特性を改変するための他の成分が添加される。鉛ガラス又はフリントガラスなどの鉛ガラスは、屈折率が高いために顕著により強い「光沢」を生じさせるためより「輝度」が高く、一方で、Pyrexのようにホウ素を添加して、熱及び電気特性を改変することができる。バリウムを添加することによっても屈折率が高くなる。酸化トリウムは、ガラスに高屈折率及び低散乱性を付与し、高品質レンズの製造に以前使用されたが、その放射活性により、近代ガラスでは酸化ランタンに取って代わられている。映写機用吸熱フィルタなどの、赤外線エネルギーを吸収するガラスに大量の鉄が使用され、UV波長(生物損傷性イオン化放射線)を吸収するガラスに酸化セリウム(IV)を使用することができる。本発明のいくつかの実施態様において、これらの添加剤のいずれかの1種以上を使用して、透明非平面ケース310を製造する。
【0073】
一般的なガラス材料の例としては、アルミノ珪酸、ホウ珪酸(例えば、Pyrex、Duran、Simax)、ダイクロイック、ゲルマニウム/半導体、ガラスセラミック、珪酸/溶融シリカ、ソーダ石灰、石英、カルコゲニド/硫化物、セリーテドガラス及びフッ化ガラスが挙げられるが、それらに限定されない。透明非平面ケース310をこれらの材料のいずれでも製造することができる。
いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ソーダ石灰ガラスで製造される。ソーダ石灰ガラスは、ホウ珪酸及び石英より軟質であり、スクライブ切断をより容易且つ迅速にする。ソーダ石灰ガラスは、非常に低コストで、大量生産が容易である。しかし、ソーダ石灰ガラスは、耐熱衝撃性が劣る。したがって、ソーダ石灰ガラスは、加熱が非常に均一且つ緩やかな熱的環境において透明非平面ケース310に使用されるのが最も好ましい。その結果、太陽電池700をソーダ石灰ガラスから製造された透明非平面ケース310に収容する場合は、温度が急激に変動しない環境で当該電池を使用するのが最も好ましい。
【0074】
いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、ホウ珪酸ガラスなどのガラス材料で製造される。ホウ珪酸ガラスの商品名としては、Pyrex(登録商標)(Corning)、Duran(登録商標)(Schott Glass)及びSimax(登録商標)(Kavalier)が挙げられるが、それらに限定されない。たいていのガラスのように、ホウ珪酸ガラスの主な成分は、ホウ素及び様々な他の要素が添加されたSiO2である。ホウ珪酸ガラスは、石英などの材料より高温加工が容易であるため、製造コストがより小さくなる。ホウ珪酸ガラスの材料コストも溶融石英よりはるかに小さい。溶融石英を除くたいていのガラスと比較して、ホウ珪酸ガラスは、膨張係数が小さく、ソーダ石灰ガラスの3分の1である。これにより、ホウ珪酸ガラスは、熱環境において有用であり、熱衝撃による破壊の危険性がない。ソーダ石灰ガラスのように、フロート法を用いて、1mm未満から30mm以上の様々な厚さの比較的低コストの光学特性シート状ホウ珪酸ガラスを製造することができる。石英と比較して、ホウ珪酸ガラスは、容易に成形可能である。加えて、ホウ珪酸ガラスは、成形及び火炎加工の際の失透が最小限である。これは、成形及びスランピングの際に高品質面を維持できることを意味する。ホウ珪酸ガラスは、連続使用に対して500℃まで熱安定性を有する。ホウ珪酸ガラスは、また、家庭用ソーダ石灰ガラスより非フッ素化化学物質に対する抵抗が強く、ソーダ石灰ガラスより機械強度が強く硬質である。ホウ珪酸ガラスは、通常は、ソーダ石灰ガラスより2から3倍高価である。
ソーダ石灰及びホウ珪酸ガラスは、ガラス材料を使用して、透明非平面ケース310を製造する際の検討対象の様々な態様を説明するための例として示されているにすぎない。先述の説明は、本発明の範囲を限定するものではない。実際、透明非平面ケース310を例えばアルミノ珪酸、ホウ珪酸(例えば、Pyrex(登録商標)、Duran(登録商標)、Simax(登録商標))、ダイクロイック、ゲルマニウム/半導体、ガラスセラミック、珪酸/溶融シリカ、ソーダ石灰、石英、カルコゲニド/硫化物、セリーテドガラス及び/又はフッ化ガラスなどのガラスで製造することができる。
【0075】
プラスチック製透明管状ケース。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、透明プラスチック製である。プラスチックは、ガラスのより安価な代替である。しかし、プラスチック材料は、概して、加熱下で不安定であり、より好ましくない光学特性を有し、水分子が透明非平面ケース310を透過するのを防止しない。最後の要因は、修正されなければ、太陽電池700に損傷を与え、それらの寿命を酷く縮める。よって、いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310がプラスチックで製造される場合は、太陽電池402への水の浸入を防止するために、上記の耐水層を使用する。
エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレン:TEFLON(登録商標)モノマーの重合により誘導されるETFE(登録商標))、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル及びViton(登録商標)を含むが、それらに限定されない広範な材料を使用して、透明非平面ケース310を製造することができる。
【0076】
太陽放射線の入力を最大限にするために、好ましくは、太陽電池700の外側の任意の層(例えば、随意の充填剤層330又は透明非平面ケース310)が太陽電池の入射放射線の特性に悪影響を与えるべきではない。太陽電池402の効率性を最適化する上で考慮すべき多くの要因がある。太陽電池の製造に関するいくつかの要因を以下に記載する。
透明性。太陽電池吸収層(例えば半導体接合410)への入力を最大限にするために、太陽電池402の外側の任意の層による入射放射線の吸収を回避又は最小にすべきである。この透明性要件は、太陽電池700の下部半導体接合410の吸収特性の関数として変化する。概して、透明非平面ケース310及び随意の充填剤層330は、半導体接合410によって吸収される波長に対して可能な限り透明であることが好ましい。例えば、半導体接合410がCIGSに基づく場合は、透明非平面ケース310及び随意の充填剤層330を製造するのに使用される材料は、500nmから1200nmの波長範囲の光に対して透明であることが好ましい。
【0077】
紫外線安定性。太陽電池700の外側の層を構成するために使用される任意の材料は、化学的安定性で、特にUV光に露光された際に安定していることが好ましい。より具体的には、当該材料は、UV露光に際して透明性が低くなるべきではない。通常のガラスは、UVA(400及び300nmの波長)を部分的に遮断し、UVC及びUVB(300nm未満の波長)を全面的に遮断する。ガラスのUV遮断効果は、通常は、ガラスにおける添加剤、例えば炭酸ナトリウムに起因する。いくつかの実施態様において、ガラスで製造された透明非平面ケース310における添加剤は、ケース310に全面的なUV保護性を付与することができる。当該実施態様において、透明非平面ケース310は、UV波長に対する完全な保護を提供するため、下部の随意の充填剤層330のUV安定性要件が軽減される。例えば、透明非平面ケース310がUV保護ガラスで製造される場合は、EVA、PVA、TPU(ウレタン)、シリコーン、ポリカーボネート及びアクリルを適用して、充填剤層330を形成することができる。或いは、いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310がプラスチック材料で製造される場合は、UV安定性要件を付与することが好ましい。
【0078】
材料及び/又は随意の充填剤層330の黄色化により太陽電池402への放射線入力が遮断され、それらの効率性が低下するため、透明非平面ケース310としてUV放射線に敏感なプラスチック材料は使用されないことが好ましい。加えて、UV露光による透明非平面ケース310のひび割れが、太陽電池402に恒久的に損傷を与える。例えば、ETFE及びTHVのようなフルオロポリマー(Dyneon)は、UV安定性を有し、且つ極めて透明である一方、PETは、透明であるが、十分なUV安定性を有さない。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びフッ化ビニリデンの単量体をベースとしたフルオロポリマーで製造される。加えて、最も一般的な合成材料の1つであるポリ塩化ビニリデン(「PVC」又は「ビニル」)もUV露光に敏感である。PVCにUV安定性を付与する方法が開発されたが、UV安定化PVCでも典型的には十分な耐久性を有さない(例えば、比較的短時間使用するうちにPVC製品の黄色化及びひび割れが生じる)。ウレタンは、より好適であるが、ポリマー骨格の厳密な化学的性質に左右される。ウレタン材料は、ポリマー骨格が反応性の弱い化学基(例えば脂肪族又は芳香族)で形成されている場合に安定する。一方、ポリマー骨格がより反応性の強い基(例えば二重結合)で形成されている場合は、二重結合のUV触媒分解の結果として材料の黄色化が生じる。同様に、EVAが黄色化するため、連続的にUV光に露光するとPVBも黄色化する。他の選択肢は、ポリカーボネート(10年以内のOD露光ではUVに対して安定化させることができる)又はアクリル(本質的にUV安定性を有する)である。
【0079】
反射特性。太陽放射線の入力を最大限にするために、透明非平面ケース310の外面における反射を最小限に抑える必要がある。反射防止膜を個別の層として、又は耐水性被膜と組み合わせて、透明非平面ケース310の外側に塗布することができる。いくつかの実施態様において、この反射防止膜は、MgF2で構成される。いくつかの実施態様において、この反射防止膜は、硝酸珪素又は硝酸チタンで構成される。他の実施態様において、この反射防止膜は1つ以上の一酸化珪素(SiO)層で構成される。例えば、光沢性の珪素が鏡として作用でき、その上で輝く光の30パーセントを超える量を反射する。単層のSiOは、表面反射率を約10パーセントまで低下させ、第2のSiO層は、反射率を4パーセント未満まで低下させる。他の有機反射防止材料、特に、半導体デバイスの下部層の表面からの反射を防止し、且つウェハ及び感光膜上の下部層の様々な光学特性による定常波及び反射ノッチングを除去する材料が、米国特許第6,803,172号に開示されている。さらなる反射防止膜材料及び方法が、米国特許第6,689,535号;同第6,673,713号、同第6,635,583号;同第6,784,094号及び同第6,713,234号に開示されている。
或いは、透明非平面ケース310の外面を粗面化して、反射放射線を低減することができる。そうでなければ電池から屈折し得る光線を取り込む錐体及びピラミッドのパターンを化学エッチングで形成する。反射光は、電池に再誘導され、そこで吸収される別の機会を有する。エッチング、又はエッチング技術とコーティング技術の組合せにより反射防止層を形成するための材料及び方法が、米国特許第6,039,888号;同第6,004,722号;及び同第6,221,776号に開示されている。
【0080】
屈折特性。いくつかの実施態様において、充填剤層330の屈折率は、光が太陽電池402の方にも屈曲されるように、透明非平面ケース310の屈折率より大きい。この状況において、透明非平面ケース310上のあらゆる光線が、2つの反射プロセス後に太陽電池402の方に屈曲することになる。しかし、実際には、随意の充填剤層330は、太陽電池402の透明非平面ケース310への装填を上記のように達成できるように、流体様材料(但し、ときには非常に粘度の高い流体用材料)で構成される。実際、効率的な太陽放射線の吸収は、透明非平面ケース310の屈折率に近い屈折率を有する充填剤材料を選択することによって達成される。いくつかの実施態様において、透明非平面ケース310を形成する材料は、屈折率が1.5付近の透明材料(ガラス若しくはプラスチック又は他の好適な材料)を含む。例えば、溶融シリカガラスは、1.46の屈折率を有する。ホウ珪酸ガラス材料は、1.45から1.55の屈折率を有する(例えば、Pyrex(登録商標)ガラスは、1.47の屈折率を有する)。様々な量の鉛添加剤を含むフリントガラス材料は、1.5から1.9の屈折率を有する。一般的なプラスチック材料は、1.46から1.55の屈折率を有する。
【0081】
充填剤層330を形成するための好適な光学特性を有する代表的な材料は、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ及びアクリル材料をさらに含む。シリコーン系接着剤及びシール材は、高度な柔軟性を有するため、他のエポキシ又はアクリル樹脂の強度を欠く。透明非平面ケース310、随意の充填剤層330、随意の反射防止層、耐水層又はそれらの任意の組合せは、太陽電池の効率を最大限にし、それを維持し、物理的支持を提供し、太陽電池700の寿命を延ばすパッケージを形成する。
いくつかの実施態様において、ガラス、プラスチック、エポキシ又はアクリル樹脂を使用して、透明非平面ケース310を形成することができる。いくつかの実施態様において、随意の反射防止層及び/又は耐水性被膜は、透明非平面ケース310上に円周方向に配置される。いくつかの当該実施態様において、充填剤層330は、シリコーンゲルなどのより軟質でより柔軟性の随意の好適な材料によって形成される。例えば、いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコーン系接着剤又はシール材などのシリコーンゲルによって形成される。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、GE RTV 615シリコーンによって形成される。RTV615シリコーンは、SS4120を重合用プライマーとして必要とする光学的に透明な二液流動性シリコーン製品である。(RTV615-1P及びSS4120は、いずれもGeneral Electric(Connecticut(コネチカット)州Fairfield)から入手可能である。シリコーン系接着剤又はシール材は、強靱シリコーンエラストマー技術をベースとする。
【0082】
有利には、シリコーン接着剤は、高度な柔軟性及び非常に高い温度抵抗性(600°F(約316℃))を有する。シリコーン系接着剤及びシール材は、非常に高度な柔軟性を有する。シリコーン系接着剤及びシール材は、いくつかの技術(又は硬化システム)で利用可能である。これらの技術は、感圧、放射線硬化、水分硬化、熱硬化及び室温加硫(RTV)を含む。いくつかの実施態様において、シリコーン系シール材は、二成分添加若しくは濃縮硬化システム又は単一成分(RTV)形態を使用する。RTV形態は、空気中の水分との反応を介して容易に硬化し、硬化中に酸煙又は他の副産物の蒸気を発生させる。
感圧シリコーン接着剤は、非常にわずかな圧力でたいていの表面に接着し、それらの粘着性を保持する。この種の材料は、強固且つ恒久的な接着性を有し、指圧又は手圧より大きな圧力を必要とせずに接着する。いくつかの実施態様において、放射線を使用して、シリコーン系接着剤を硬化させる。いくつかの実施態様において、紫外光、可視光又は電子放射線を使用して、シール材の硬化を開始し、これは、加熱又は過度の発熱を用いることなく恒久的な接着を可能にする。UV系硬化は、1つの基板がUVに対して透明であることを必要とするが、電子ビームは、UV光に対して不透明な材料を透過することができる。水分又は水硬化機構に基づく特定のシリコーン接着剤及びシアノアクリレートは、太陽電池の適正な機能に影響を与えることなく太陽電池に適性に添加されるさらなる試薬を必要とし得る。熱硬化性シリコーン接着剤及びシリコーンシール材は、熱又は熱及び圧力を用いて硬化される架橋ポリマー樹脂である。硬化された熱硬化性樹脂は、加熱されても溶融/流動しないが、軟化し得る。加硫は、熱及び/又は圧力を加硫化剤と併用することを必要とする熱硬化反応で、ゴム様材料における強度、安定性及び弾力性を著しく向上させる。RTVシリコーンゴムは、室温で加硫する材料である。加硫化剤は、架橋性化合物又は触媒である。本発明によるいくつかの実施態様において、硫黄を従来の加硫化剤として添加する。
【0083】
いくつかの実施態様において、例えば、随意の充填剤層330が存在しない場合は、エポキシ又はアクリル材料を太陽電池700に直接塗布して、透明非平面ケース310を直接形成することができる。当該実施態様において、合理的な使用時間にわたって効率的な動作を保証するために、非ガラス透明非平面ケース310に耐水特性及び/又は反射防止特性も備わるように注意する。
電気絶縁性。透明非平面ケース310及び随意の充填剤層330の重要な特性は、これらの層が完全な電気絶縁を提供すべきであることである。導電性材料を使用せずに、透明非平面ケース310又は随意の充填層330を形成する。
【0084】
寸法要件。いくつかの実施態様における太陽電池402の外側の層の各々の合計幅(例えば、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330の組合せ)は、以下の式で表される。
【数1】
上式において、図3Bを参照すると、
riは、半導体接合410が薄膜接合であると仮定すると、太陽電池402の半径であり、
roは、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330の最外層の半径であり、
ηouter ringは、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330の最外層の屈折率である。上記のように、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330を製造するのに使用される材料の多くの屈折率は、約1.5である。したがって、典型的な実施態様において、roの値は、1.5*ri未満で許容可能である。この条件は、透明非平面ケース310及び/又は随意の充填剤層330の組合せについての許容可能な厚さに制限をおくものである。
【0085】
(5.2代表的な半導体接合)
図4Aを参照すると、一実施態様において、半導体接合410は、背面電極104上に配置された吸収体層502と、吸収体層502上に配置された接合パートナー層504との間のヘテロ接合である。吸収体層502及び接合パートナー層504は、接合パートナー層504が吸収体層502より大きなバンドギャップを有するように異なるバンドギャップ及び電子親和性を有する異なる半導体からなる。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、pドープされ、接合パートナー層504は、nドープされる。当該実施態様において、透明導電層110は、n+ドープされる。代替的な実施態様において、吸収体層502は、nドープされ、接合パートナー層504は、pドープされる。当該実施態様において、透明導電層110は、p+ドープされる。いくつかの実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPandeyの「半導体電析のハンドブック(Handbook of Semiconductor Electrodeposition)」、Marcel Dekker Inc.、1996、Appendix 5にリストされている半導体を使用して、半導体接合410を形成する。
【0086】
(5.2.1銅インジウムジセレニド及び他のI-III-VI型材料に基づく薄膜半導体接合)
図4Aをさらに参照すると、いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅インジウムジセレニド(CuInSe2;CISとしても知られる)などのI-III-VI2族の化合物である。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、当該化合物が存在することが知られていれば、p型又はn型のCdGeAs2、ZnSnAs2、CuInTe2、AgInTe2、CuInSe2、CuGaTe2、ZnGeAs2、CdSnP2、AgInSe2、AgGaTe2、CuInS2、CdSiAs2、ZnSnP2、CdGeP2、ZnSnAs2、CuGaSe2、AgGaSe2、AgInS2、ZnGeP2、ZnSiAs2、ZnSiP2、CdSiP2又はCuGaS2からなる群から選択されるI-III-VI2族の三元化合物である。
いくつかの実施態様において、接合パートナー層504は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。一実施態様において、吸収体層502は、p型CISであり、接合パートナー層504は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第6章に記載されている。
【0087】
いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である。当該層は、Cu(InGa)Se2としても知られる。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)であり、接合パートナー層504は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、p型CIGSであり、接合パートナー層504は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」の第13章、2003、Luque及びHegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、Englandの第12章、に記載されている。いくつかの実施態様において、CIGSは、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBeck及びBrittの「最終技術報告(Final Technical Report)」、2006年1月、NREL/SR-520-39119;及びDelahoy及びChen、2005年8月、「高度CIGS光起電技術(Advanced CIGS Photovoltaic Technology)」、サブコントラクトレポート;Kapurら、2005年1月サブコントラクトレポート、NREL/SR-520-37284、「非真空薄膜CIGS太陽電池の実験室規模から大規模製造への移行(Lab to Large Scale Transition for Non-Vacuum Thin Film CIGS Solar Cells)」、Simpsonら、2005年10月、サブコントラクトレポート、「軟質CIGS PVモジュール製造のための軌道指向及び障害許容性高度プロセス制御(Trajectory-Oriented and Fault-Tolerant-Based Intelligent Process Control for Flexible CIGS PV Module Manufacturing)」、NREL/SR-520-38681;及びRamanathanら、31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition、Lake Buena Vista、Florida、1月3〜7日、2005に開示されている技術を用いて堆積される。
【0088】
いくつかの実施態様において、CIGS吸収体層502は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanthanら、2003、「効率19.2%のZnO/CdS/CuInGaSe2薄膜太陽電池の特性(Properties of 19.2% Efficiency ZnO/CdS/CuInGaSe2 Thin-film Solar Cells)」、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 11、225に記載されている3段階プロセスに従って、原子源からの蒸発によりモリブデン背面電極104上に成長させる。いくつかの実施態様において、接合パートナー層504は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanathanら、Conference Paper、「NRELにおけるCIGS薄膜太陽電池の研究:FY04の結果及び実績(CIGS Thin-Film Solar Research at NREL:FY04 Results and Accomplishments)」、NREL/CP-520-37020、2005年1月に記載されているZnS(O、OH)緩衝層である。
いくつかの実施態様において、吸収体層502は、厚さが0.5μmから2.0μmである。いくつかの実施態様において、吸収体層502におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.7から0.95である。いくつかの実施態様において、吸収体層502におけるGa/(In+Ga)の組成比は、0.2から0.4である。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<110>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<112>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、無作為に配向する。
【0089】
(5.2.2非晶質シリコン又は多結晶シリコンをベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、図4Bを参照すると、半導体接合410は、非晶質シリコンを含む。いくつかの実施態様において、これは、n/n型ヘテロ結合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、SnO2(Sb)を含み、層512は、非ドープ非晶質シリコンを含み、層510は、n+ドープ非晶質シリコンを含む。
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、p-i-n型接合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、p+ドープ非晶質シリコンであり、層512は、非ドープ非晶質シリコンであり、層510は、n+ドープ非晶質シリコンである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第3章に記載されている。
【0090】
本発明のいくつかの実施態様において、半導体接合410は、薄膜多結晶をベースとする。図4Bを参照すると、当該実施態様による一実施例において、層510は、pドープ多結晶シリコンであり、層512は、空欠多結晶シリコンであり、層514は、nドープ多結晶シリコンである。当該半導体接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGreenの「シリコン太陽電池-進歩した原理及び実施(Silicon Solar Cells:Advanced Principles & Practice)」、Centre for Photovoltaic Devices and Systems、University of New South Wales、Sydney、1995;及びBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、57〜66頁に記載されている。
本発明のいくつかの実施態様において、非晶質Si:H太陽電池においてp型微結晶Si:H及び微結晶Si:C:Hをベースとした半導体接合410が使用される。当該半導体接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、66〜67頁及び本明細書に引用された参考文献に記載されている。
【0091】
本発明のいくつかの実施態様において、半導体接合410は、直列接合である。直列接合は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているKimら、1989、「航空宇宙用途の軽量(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(Lightweight(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Aerospace and Electronic Systems Magazine、IEEE 4:23〜32;Deng、2005、「SiGe系三重極直列及び単一接合太陽電池(Optimization of a-SiGe based triple,tandem and single-junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、2005 Conference Record of the Thirty-first IEEE 3〜7、2005年1月、1365〜1370頁;Aryaら、2000、「非晶質シリコン系直列接合薄膜技術(Amorphous silicon based tandem junction thin-film technology:a manufacturing perspective)」、Photovoltaic Specialists Conference、2000.Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE 15〜22、2000年9月、1433〜1436頁;Hart、1988、「GaAs/Ge太陽電池の高高度電流-電圧測定(High altitude current-voltage measurement of GaAs/Ge solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、764〜765頁、第1巻;Kim、1988、「高効率GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High efficiency GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、457〜461頁、第1巻;Mitchell、1988、「単一及び直列接合CuInSe2電池及びモジュール技術(Single and tandem junction CuInSe2 cell and module technology)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988年、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、1384〜1389頁、第2巻;及びKim、1989、「航空宇宙用途の高比出力(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High specific power(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Energy Conversion Engineering Conference、1989、IECEC-89、Proceedings of the 24th Intersociety 6〜11、1989年8月、779〜784頁、第2巻に記載されている。
【0092】
(5.2.3ガリウム砒素及び他のIII-V型材料をベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、ガリウム砒素(GaAs)、又はInP、AlSb及びCdTeなどの他のIII-V型材料をベースとする。GaAsは、1.43eVのバンドギャップを有する直接バンドギャップ材料であり、約2ミクロンの厚さでAM1放射線の97%を吸収することができる。本発明の半導体接合410として機能できる好適なIII-V型接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
また、いくつかの実施態様において、半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGee及びVirshup、1988、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、754頁に記載されているGaAs/Si機械的積層多接合、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているStanberyら、19th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、280頁及びKimら、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、1487頁に記載されているGaAs薄膜上部電池及びZnCdS/CuInSe2薄膜下部電池からなるGaAs/CuInSe2 MSMJ四端末デバイスなどのハイブリッド多接合太陽電池である。他のハイブリッド多接合太陽電池は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、131〜132頁に記載されている。
【0093】
(5.2.4テルル化カドミウム及び他のII-VI型材料をベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、n型又はp型の形で調製できるII-VI型化合物をベースとする。よって、いくつかの実施態様において、図4Cを参照すると、半導体接合410は、層520及び540が、以下の表に示される任意の組合せ又はそれらの合金であるp-nヘテロ接合である。
【表2】
II-VI化合物をベースとする半導体接合410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0094】
(5.2.5結晶シリコンをベースとした半導体接合)
薄膜半導体膜から構成される半導体接合410が好ましいが、本発明は、それに限定されない。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、結晶シリコンをベースとする。例えば、図2Bを参照すると、いくつかの実施態様において、半導体接合410は、p型結晶シリコンの層及びn型結晶シリコンの層を含む。結晶シリコン半導体接合410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第2章に記載されている。
【0095】
(5.3アルベド実施態様)
本発明の太陽電池設計は、周面全体を介して集光できるため有利である。よって、本発明のいくつかの実施態様において、これらの太陽電池は、太陽電池の周囲の表面がある量のアルベドを有する反射環境に配置される。アルベドは、表面又は本体の反射率の測度である。それは、反射した電磁放射線(EM放射線)のそれに入射した量に対する比である。この比は、通常は、0%から100%までの百分率で表される。いくつかの実施態様において、本発明の太陽電池の近傍の表面は、当該表面を反射性白色に塗装することによって、それらが高いアルベドを有するように調製される。いくつかの実施態様において、高いアルベドを有する他の材料を使用することができる。例えば、当該太陽電池の周囲のいくつかの材料のアルベドは、ほぼ90%又はそれ以上である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBoer、1977、Solar Energy 19、525を参照されたい。しかし、任意の量のアルベド(例えば5%以上、10%以上、20%以上)を有する表面が、本発明の範囲内である。一実施態様において、本発明の太陽電池組立品は、砂利の反射特性を向上させるために砂利が白色に塗装された砂利面上に列をなして配置される。概して、任意のランベルト又は拡散反射面を用いて、高アルベド面を提供することができる。
【0096】
(5.4二重層コア実施態様)
本発明の太陽電池700の導電性コア104が均一な導電性材料で構成される本発明の実施態様を開示した。本発明は、これらの実施態様に限定されない。いくつかの実施態様において、導電性コア104は、実際、内部コア及び外部導電性コアを有する。当該実施態様において、内部コアは、基板403と称することができ、外部コアは、背面電極104と称することができる。当該実施態様において、外部導電性コアは、基板403上に円周方向に配置される。当該実施態様において、基板403は、典型的には非導電性であるのに対して、外部コアは導電性である。基板403は、本発明の他の実施態様と一致する長形を有する。例えば、一実施態様において、基板403は、ワイヤの形態のガラス繊維製である。いくつかの実施態様において、基板403は、導電性の非金属材料である。しかし、外部コアが電極として機能できるため、本発明は、基板403が導電性である実施態様に限定されない。いくつかの実施態様において、基板403は管(例えば、プラスチック又はガラス管)である。
【0097】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Celazole(登録商標)、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能(Texas(テキサス)州Shiner))などの材料で構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、ポリミド(例えば、DuPont(商標)Vespel(登録商標)又はDuPont(商標)Kapton(登録商標)(Delaware(デラウェア)州Wilmington))で構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、それぞれBoedeker Plastics,Incから入手可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon(登録商標)PAI、Solvay Advanced Polymers(Georgia(ジョージア)州Alpharetta))で構成される。
いくつかの実施態様において、基板403は、ガラス系フェノールで構成される。フェノール積層体は、合成熱硬化性樹脂が含浸された紙、カンバス、リネン又はガラス布の層に熱又は圧力を加えることによって構成される。熱及び圧力を層に加えると、化学反応(重合)により、個別の層が、再び軟化できない「固定」形状の単一積層材料に変換される。したがって、これらの材料は、「熱硬化物」と呼ばれる。様々な樹脂タイプ及び布材料を使用して、一連の機械的、熱的及び電気的特性を有する熱硬化性積層体を製造することができる。いくつかの実施態様において、基板403は、G-3、G-5、G-7、G-9、G-10又はG-11のNEMAグレードを有するフェノール積層体である。代表的なフェノール積層体は、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能である。
【0098】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリスチレンで構成される。ポリスチレンの例としては、汎用ポリスチレン、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜174頁に詳述されている高耐衝撃性ポリスチレンが挙げられる。さらに他の実施態様において、基板403は、架橋ポリスチレンで構成される。架橋ポリスチレンの一例は、Rexolite(登録商標)(C-Lec Plastics,Inc.)である。Rexoliteは、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋することによって製造される熱硬化性の、特に硬い半透明プラスチックである。
【0099】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリエステルワイヤ(例えば、Mylar(登録商標)ワイヤ)である。Mylar(登録商標)は、DuPont Teijin Films(Delaware(デラウェア)州Wilmington)から入手可能である。さらに他の実施態様において、基板403は、ポリエステル、ビニルエステル、エポキシド、及びガラス繊維と組み合わせた改質エポキシ樹素(Roechling Engineering Plastic Pte Ltd.、シンガポール)を使用することによって製造されるDurastone(登録商標)製である。
さらに他の実施態様において、基板403は、ポリカーボネートで構成される。当該ポリカーボネートは、材料の引張強度、剛性、圧縮強度並びに熱膨張率を調節するために、異なる量(例えば、10%、20%、30%又は40%の)ガラス繊維を有することができる。代表的なポリカーボネートは、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能であるZelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wである。
【0100】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリエチレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又は超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)で構成される。HDPEの化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜173頁に記載されている。いくつかの実施態様において、基板403は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシグラス)、ナイロン6,6、酪酸酢酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。これらの材料の化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6-172頁から6-175頁に記載されている。
【0101】
基板403を形成するのに使用できるさらなる代表的な材料は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」、McGraw-Hill;Reinhold Plastics Applications Series、Reinhold Roffの「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres,Plastics and Rubbers)」、Butterworth;Lee及びNevilleの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」、McGraw-Hill;Bilmetyerの「ポリマー科学のテキスト(Textbook of Polymer Science)」、Interscience;Schmidt及びMarliesの「高ポリマーの原理、理論、実施(Principles of high polymer theory and practice)」、McGraw-Hill;Beadle編、「プラスチック(Plastics)」、Morgan-Grampiand,Ltd.、第2巻、1970;Tobolsky and Mark編、「ポリマー科学と材料(Polymer Science and Materials)」、Wiley、1971;Glanvilleの「プラスチック技術者のデータブック(The Plastic's Engineer's Data Book)」、Industrial Press、1971;Mohr(編集及び監修)、Oleesky、Shook及びMeyersの「強化プラスチックコンポジットの技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」、Van Nostrand Reinhold、1973に見いだされる。
【0102】
概して、外側コアは、太陽電池によって生成される光起電流を無視し得る抵抗損失で支持することができる任意の材料から構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、アルミニウム、モリブデン、鋼、ニッケル、銀、金又はそれらの合金などの任意の導電性金属で構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、金属‐、グラファイト‐、カーボンブラック‐若しくは超導電性カーボンブラック‐充填酸化物、エポキシ、ガラス又はプラスチックで構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、導電性プラスチックで構成される。いくつかの実施態様において、この導電性プラスチックは、本質的に導電性で、充填剤を一切必要としない。いくつかの実施態様では、内側コアは導電性材料から構成され、外側コアはモリブデンから構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、ガラス棒などの非導電性材料から構成され、外側コアは、モリブデンから構成される。
【0103】
(5.5代表的な寸法)
本発明は、広範な寸法に含まれる任意の寸法を有する太陽電池組立品を包括する。例えば、本発明は、1cmから50000cmの長さl、及び1cmから50000cmの直径wを有する太陽電池組立品を包括する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、10cmから1000cmの長さl、及び10cmから1000cmの直径wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、40cmから500cmの長さl、及び40cmから500cmの直径wを有する。
【0104】
(5.6さらなる太陽電池の実施態様)
成分番号の参照のために図3Bを用いると、いくつかの実施態様において、本明細書ではCIGSと称する銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(Cu(InGa)Se2)を使用して、接合110の吸収体層を構成する。当該実施態様において、モリブデンで背面電極104を構成することができる。いくつかの実施態様において、背面電極104は、ポリイミドの内側コア、及びCIGSの堆積前にポリイミドコアにスパッタリングされるモリブデンの薄膜である外側コアを含む。光を吸収するCIGS膜をモリブデンの上面に蒸着する。次いで、半導体接合410を完成するために、硫化カドミウム(CdS)をCIGS上に堆積する。所望により、次いで、薄い真性層(i層)415を半導体接合410上に堆積する。酸化亜鉛、金属酸化物、又は高度に絶縁性の任意の透明材料を含むが、それらに限定されない材料を使用してi層415を形成することができる。次に、透明導電層110をi層(存在する場合)又は半導体接合410(i層が存在しない場合)の上に配置する。透明導電層110をアルミニウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、インジウム-亜鉛酸化物又はインジウム-錫酸化物で構成することができる。
【0105】
ITN Energy Systems,Inc.、Global Solar Energy,Inc.及びエネルギー変換研究所(IEC)は、CIGS層の堆積のためのロールツーロール共蒸発法を使用してポリイミド基板上にCIGS太陽電池を製造するための技術を共同開発した。この方法では、(ウェブと称する)モリブデン被覆ポリイミド膜を巻出し、1つ以上の堆積ゾーン内に連続的に移動させる。堆積ゾーンにおいて、ウェブを450℃までの温度に加熱し、セレニウム蒸気の存在下でその上に銅、インジウム及びガリウムを蒸着する。ウェブは、堆積ゾーンを通過した後、冷却され、引き取りスプールに巻き取られる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2003、Jensenら、「ポリイミド基板上のCIGS太陽電池の製造時のバック接点ひび割れ(Back Contact Cracking During Fabrication of CIGS Solar Cells on Polyimide Substrates)」、NCPV and Solar Program Review Meeting 2003、NREL/CD-520-33586、877〜881頁を参照されたい。同様に、参照により本明細書に組み込まれているBirkmireら、2005、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 13、141〜148には、ポリイミド/Moウェブ構造、具体的にはPI/Mo/Cu(InGa)Se2/CdS/ZnO/ITO/Ni-Alが開示されている。鋼箔上の同様の構造の堆積についても調査された。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているSimpsonら、2004、「鋼箔上の軟質CIGS PVの製造法の進歩(Manufacturing Process Advancements for Flexible CIGS PV on Stainless Foil)」、DOE Solar Energy Technologies Program Review Meeting、PV Manufacturing Research and Development,P032を参照されたい。
【0106】
本発明のいくつかの実施態様において、吸収体材料をGlobal Solar Energy(Arizona(アリゾナ)州Tucson)によって開発されたもののようなポリイミド/モリブデンウェブ又は金属箔(例えば、Simpsonらに開示された箔)上に堆積する。いくつかの実施態様において、いくつかの実施態様において、吸収体材料は、本明細書に開示された吸収体のいずれかである。特定の実施態様において、吸収体は、Cu(InGa)Se2である。いくつかの実施態様において、長形コアは、非ドーププラスチックなどの非導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、長形コアは、導電性金属、金属充填エポキシ、ガラス若しくは樹脂、又は導電性プラスチック(例えば、導電性充填剤を含有するプラスチック)などの導電性材料で構成される。次に、窓層を吸収体層に堆積することによって半導体接合410を完成する。吸収体層がCu(InGa)Se2である場合は、CdSを使用することができる。最後に、随意のi層415及び透明導電層110を添加して、太陽電池を完成させる。次に、箔をワイヤ状又は管状長形コアに巻き付ける、及び/又は接着する。当該製造法の利点は、吸収体層、窓層、i層又は透明導電層110の堆積温度に耐えることができない材料を太陽電池の内側コアとして使用できることである。この製造法を用いて、導電性コア402が内側及び外側導電性コアを含む、本発明に開示されている太陽電池402のいずれかを製造することができる。内側コアは、本明細書に開示されている任意の導電性又は非導電性材料であるのに対して、外側導電性コアは、箔を内側コアに巻き付ける前に、吸収体層、窓層及び透明導電層がその上に堆積されたウェブ又は箔である。いくつかの実施態様において、適切な接着剤を使用してウェブ又は箔を内側コアに接着する。
【0107】
本発明の一態様は、吸収体層を金属ウェブ又は導電性箔に堆積することを含む太陽電池の製造方法を提供する。次に、窓層を吸収体層に堆積する。次に、透明導電層を窓層に堆積する。次いで、金属ウェブ又は導電性箔を長形コアに巻き付けることによって、長形太陽電池402を形成する。いくつかの実施態様において、吸収体層は銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(Cu(InGa)Se2)であり、窓層は硫化カドミウムである。いくつかの実施態様において、金属ウェブは、ポリイミド/モリブデンウェブである。いくつかの実施態様において、導電性箔は、鋼箔又はアルミニウム箔である。いくつかの実施態様において、長形コアは、導電性金属、金属充填エポキシ、金属充填ガラス、金属充填樹脂又は導電性プラスチックで構成される。
【0108】
いくつかの実施態様において、金属ウェブ又は箔を長形コアに巻き付けるというよりむしろ、透明導電性酸化物導電膜を管状又は硬質中実棒状コア上に堆積する。当該実施態様において、管状又は硬質中実棒状コアは、例えば、プラスチック棒、ガラス棒、ガラス管又はプラスチック管であり得る。当該実施態様は、半導体接合の内面又はバック接点と電気的に接続する何らかの形の導体を必要とする。いくつかの実施態様において、当該導体を設けるために、管状又は硬質中実棒状長形コアにおけるディボットに導電性金属を充填する。透明導電層又は導電性バック接点膜を管状又は硬質中実棒状長形コアに堆積する前に、導体をディボットに挿入することができる。いくつかの実施態様において、当該導体を、長形太陽電池402の側面に沿って長さ方向に延びる金属源から形成する。この金属を、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、金属プレス、導電性インク、又は金属ワイヤを接着するのに使用される接着剤、或いは他の金属堆積手段によって堆積することができる。
【0109】
次に、より具体的な実施態様を説明する。いくつかの実施態様において、長形コアは、ガラス管の外表面に長さ方向に延びるディボットを有するガラス管であり、製造方法は、ローリング工程の前にディボットに導体を堆積することを含む。いくつかの実施態様において、ガラス管は、ガラス管の表面において長さ方向に延びる第2のディボットを有する。当該実施態様において、第1のディボット及び第2のディボットは、ほぼ又は正確にガラス管の円周方向反対側にある。よって、当該実施態様において、該方法は、ローリング前に、或いはローリングが用いられない実施態様では内側透明導電層又は導電膜、接合及び外側透明導電層を長形コア上に堆積する前に、第2のディボットに導体を堆積することをさらに含む。
【0110】
いくつかの実施態様において、長形コアは、ガラス棒の表面に長さ方向に延びる第1のディボットを有するガラス棒であり、該方法は、ローリングの前に第1のディボットに導体を堆積することを含む。いくつかの実施態様において、ガラス棒は、ガラス棒の表面において長さ方向に延びる第2のディボットを有し、該第1のディボット及び該第2のディボットは、ほぼ又は正確にガラス棒の円周方向反対側にある。よって、当該実施態様において、該方法は、ローリング前に、或いはローリングが用いられない実施態様では内側透明導電層又は導電膜、接合及び外側透明導電層を長形コア上に堆積する前に、第2のディボットに導体を堆積することをさらに含む。導体の好適な材料は、アルミニウム、モリブデン、チタン、鋼、ニッケル、銀、金又はそれらの合金を含むが、それらに限定されない、本明細書に導体として記載されている材料のいずれかである。
【0111】
本発明の別の態様は、複数の太陽電池ユニット300を含む太陽電池組立品であって、該複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットは、上記実施態様のいずれかに示される太陽電池ユニットの構造を有する。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットを共平面列に配置して、太陽電池組立品を形成する。いくつかの実施態様において、太陽光を複数の太陽電池ユニットに反射するように配置されたアルベド面が存在する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/315,523号における自己洗浄アルベド面のいずれかを使用することができる。いくつかの実施態様において、アルベド面は、40%、50%、60%、70%又は80%を超えるアルベドを有する。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット300及び第2の太陽電池ユニット300を電気的に直列配置する。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット300及び第2の太陽電池ユニット300を電気的に並列配置する。
【0112】
本発明の一態様は、複数の太陽電池ユニット300を含む太陽電池組立品であって、該複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットは、上記実施態様のいずれかに示される太陽電池ユニットの構造のいずれかを有する。本発明のこの態様は、複数の内部反射器をさらに含む。例えば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/248,789号に記載されている任意の内部反射器又は内部反射器の組合せを使用することができる。複数の太陽電池ユニット及び複数の内部反射器は共平面列に配置され、該複数の太陽電池ユニットにおける内部反射器が該複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットに圧接することによって、太陽電池組立品を形成する。
【0113】
他に指定する場合を除いて、「%」という用語は、以降、ガラスの全量に対する「重量%」を指す。「Xは0からY%の量である」という表現は、Xが存在しないか、又は0%より大きく、Y%を超えないことを意味する。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、好ましくは、40から70%、より好ましくは45から70%、さらにより好ましくは50から65%のSiO2で構成される。いくつかの実施態様において、SiO2の含有量が70%を超えなければ、材料が容易に溶解するため大量生産に好適である。一方、基板403及び/又は透明非平面ケース310におけるSiO2の含有量が40%未満であると、得られるガラスが優れた化学耐久性を維持する。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、B2O3を含むガラスで構成される。B2O3は、ガラスの溶融性を向上させ、ガラスのシール温度を下げ、ガラスの化学耐久性を向上させる構成要素である。いくつかの実施態様におけるB2O3の含有量は、5から20%、より好ましくは8から15%、さらにより好ましくは10から15%である。B2O3の含有量が20%を超えなければ、溶融ガラスからのB2O3の蒸発を抑制することができるため、均質なガラスを得ることが可能になる。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、Al2O3を含むガラスで構成される。Al2O3は、ガラスの化学耐久性を向上させるための構成要素である。本発明のいくつかの実施態様におけるAl2O3の含有量は、好ましくは0から15%、より好ましくは0.5から10%である。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、MgO、CaO、SrO、BaO及び/又はZnOを含むガラスで構成される。これらの構成要素は、ガラスの化学耐久性を向上させる効果を有する。基板403及び/又は透明非平面ケース310におけるMgO、CaO、SrO、BaO及び/又はZnOの合計含有量は、好ましくは0から45%、より好ましくは0から25%、さらにより好ましくは1から25%、さらにより好ましくは1から20%、最も好ましくは5から20%である。これらの構成要素の合計含有量が45%を超えないと、高い均質性を有するガラスを得ることが可能になる。いくつかの実施態様において、基板403及び/又は透明非平面ケース310は、ガラスの耐候性及び電気絶縁性を向上させるように混合されたアルカリ金属の酸化物であるLi2O、Na2O又はK2Oの少なくとも2種を含むガラスで構成される。アルカリ金属のこれらの酸化物の合計含有量は、本発明のいくつかの実施態様における基板403及び/又は透明非平面ケース310において好ましくは5から25%、より好ましくは10から25%、さらにより好ましくは14から20%である。これらのアルカリ金属の酸化物の合計量が25%を超えなければ、得られるガラスは、化学耐久性を維持する。一方、これらのアルカリ金属の酸化物の合計含有量が5%を下回らなければ、低シール温度を達成することができる。Li2O、Na2O又はK2Oの含有量は、本発明によるいくつかの基板403及び/又は透明非平面ケース310においてそれぞれ好ましくは0から10%、0から10%及び0から15%、より好ましくはそれぞれ0.5から9%、0から9%及び1から10%である。各Li2O及びNa2Oの含有量が、独立に10%を超えず、K2Oの含有量が15%を超えなければ、アルカリの混合効果が有効になるため、優れた耐候性及び高い電気絶縁性が維持される。Li2Oは、ガラスのシール温度を下げる一番高い効果を有する。したがって、Li2Oの含有量は、0.5%を下回らず、好ましくは3%を下回らない。先述の構成要素に加えて、ZrO2、TiO2、P2O5、Fe2O3、SO3、Sb2O3、F及びClなどの構成要素を基板403及び/又は透明非平面ケース310のガラス構成要素に添加して、ガラスの耐候性、溶融性及び精製を向上させることができる。
【0114】
(6.引用参考文献)
本明細書に引用されているすべての参考文献は、個々の文献又は特許若しくは特許出願が、あらゆる目的でその全体が参照により組み込まれていることが具体的且つ個別に示されるのと同じ範囲で、その全体が参照により、あらゆる目的で本明細書に組み込まれている。
当業者に理解されるように、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく多くの改造及び変更を加えることができる。本明細書に記載されている具体的な実施態様は、例示のみを目的とし、本発明は、添付の請求項に権利が与えられた全範囲の同等物とともに、添付の請求項の用語によってのみ制限される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)非平面基板;
前記非平面基板上に配置された背面電極;
前記背面電極上に配置された半導体接合層;及び
前記半導体接合上に配置された透明導電層;を含む非平面太陽電池と、
(B)前記非平面太陽電池上に円周方向に配置され、第1の端部及び第2の端部を有する透明非平面ケースと、
(C)前記透明非平面ケースの前記第1の端部に気密シールされた第1のシーラントキャップと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項2】
前記透明非平面ケースの前記第2の端部に気密シールされた第2のシーラントキャップをさらに含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項3】
前記第1のシーラントキャップが金属、金属合金又はガラスで構成される、請求項1又は2記載の太陽電池ユニット。
【請求項4】
前記第1のシーラントキャップが前記透明非平面ケースの内面又は外面に気密シールされる、請求項1〜3のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項5】
前記透明非平面ケースがホウ珪酸ガラスで構成され、前記第1のシーラントキャップがコバールで構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項6】
前記透明非平面ケースがソーダ石灰ガラスで構成され、前記第1のシーラントキャップが低膨張ステンレス鋼合金で構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項7】
前記第1のシーラントキャップが、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せで構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項8】
前記第1のシーラントキャップが、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、又はインジウム-亜鉛酸化物で構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項9】
前記第1のシーラントキャップが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス、又はフリントガラスで構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項10】
前記第1のシーラントキャップが、前記透明非平面ケースの内面又は外面に気密シールされ、前記気密シールが、シール材の連続帯によって形成される、請求項1〜9のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項11】
前記シール材の連続帯が、前記第1のシーラントキャップの内縁上、前記第1のシーラントキャップの外縁上、前記透明非平面ケースの外縁上、又は前記透明非平面ケースの内縁上に存在する、請求項10記載の太陽電池ユニット。
【請求項12】
前記シール材の連続帯が、ガラスフリット、ゾル-ゲル、又はセラミックセメントから形成される、請求項10記載の太陽電池ユニット。
【請求項13】
前記第1のシーラントキャップが前記背面電極と電気接続され、前記第1のシーラントキャップが前記背面電極のための電極として働く、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項14】
前記第1のシーラントキャップが前記透明導電層と電気接続され、前記第1のシーラントキャップが前記透明導電層のための電極として働く、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項15】
前記太陽電池ユニットが、前記透明管状ケースの前記第2の端部に気密シールされた第2のシーラントキャップをさらに含み、前記第1のシーラントキャップ及び前記第2のシーラントキャップが、それぞれ導電性金属で構成され、
前記第1のシーラントキャップが、前記透明導電層と電気的に導通した前記背面電極の一部と電気接続され、前記第1のシーラントキャップが、前記透明導電層のための電極として働き、かつ、
前記第2のシーラントキャップが、前記透明導電層と電気的に絶縁された前記背面電極の一部と電気接続され、前記第2のシーラントキャップが、前記背面電極のための電極として働く、請求項1又は請求項2〜14のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項16】
前記基板がプラスチック、ガラス、金属又は金属合金を含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項17】
前記基板が、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項18】
前記透明非平面ケースがガラスで構成される、請求項1〜17のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項19】
前記透明非平面ケースが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項1〜17のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項20】
前記基板が管状であり、流体が前記基板を流れる、請求項1〜19のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項21】
前記流体が、空気、水、空気、窒素又はヘリウムである、請求項20記載の太陽電池ユニット。
【請求項22】
前記基板が中実コアを有する、請求項1〜19のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項23】
前記背面電極が、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せで構成される、請求項1〜22のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項24】
前記背面電極が、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックで構成される、請求項1〜22のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項25】
前記半導体接合が、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む、請求項1〜24のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項26】
前記透明導電層が、カーボンナノチューブ、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1〜25のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項27】
前記半導体接合が、吸収体層及び接合パートナー層を含み、前記接合パートナー層が、前記吸収体層上に円周方向に配置されている、請求項1〜24のいずれか一項又は請求項26記載の太陽電池ユニット。
【請求項28】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、前記接合パートナー層が、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである、請求項27記載の太陽電池ユニット。
【請求項29】
前記吸収体層がCIGSを含む、請求項27記載の太陽電池ユニット。
【請求項30】
前記非平面太陽電池が、前記半導体接合上に円周方向に配置された真性層をさらに含み、前記透明導電層が前記真性層上に配置される、請求項1〜29のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項31】
前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層をさらに含み、前記透明管状ケースが前記充填剤層上に円周方向に配置されることによって、前記非平面太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜30のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項32】
前記充填剤層が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル酸、フルオロポリマー又はウレタンを含む、請求項31記載の太陽電池ユニット。
【請求項33】
前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層をさらに含み、前記透明管状ケースが、前記耐水層上に円周方向に配置されることによって、前記非平面太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜32のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項34】
前記耐水層が、透明なシリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx、又はAl2O3を含み、x及びyが整数である、請求項33記載の太陽電池ユニット。
【請求項35】
前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層と、
前記耐水層上に円周方向に配置された充填剤層とをさらに含み、前記透明管状ケースが前記充填剤層上に円周方向に配置されることによって、前記非平面太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜30のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項36】
前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
前記耐水層上に円周方向に配置された耐水層とをさらに含み、前記透明管状ケースが前記耐水層上に円周方向に配置されることによって、前記非平面太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜30のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項37】
前記透明管状ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む、請求項1〜36のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項38】
前記反射防止膜が、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む、請求項37記載の太陽電池ユニット。
【請求項39】
前記非平面太陽電池が円筒状であって且つ円筒軸を有し、前記太陽電池が少なくとも1つの電極帯をさらに含み、前記少なくとも1つの電極帯における各電極帯が前記太陽電池の前記円筒軸に沿って前記透明導電層上に積層される、請求項1〜38のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項40】
前記少なくとも1つの電極帯が、前記太陽電池の前記円筒軸に沿って互いに平行又はほぼ平行に延びるように前記透明導電層上に間隔をおいて配置された複数の電極帯を含む、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項41】
前記複数の電極帯における電極帯が、前記透明導電層の表面に均等な間隔をおいて配置される、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項42】
前記複数の電極帯における電極帯が、前記透明導電層の表面に不均等な間隔をおいて配置される、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項43】
前記少なくとも1つの電極帯が、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤又は導電性プラスチックを含む、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項44】
前記非平面太陽電池の長さが2センチメートルから300センチメートルである、請求項1〜43のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項45】
前記太陽電池ユニットの透湿度が10-4g/m2・日以下である、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項46】
前記太陽電池ユニットの透湿度が10-5g/m2・日以下である、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項47】
前記太陽電池ユニットの透湿度が10-6g/m2・日以下である、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項48】
前記太陽電池ユニットの透湿度が10-7g/m2・日以下である、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項49】
複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品であって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが、前記太陽電池組立品を形成するように共平面列で配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項50】
太陽光線を前記複数の太陽電池ユニットに反射させるように配置されたアルベド面をさらに含む、請求項49記載の太陽電池組立品。
【請求項51】
前記アルベド表面が80%を超えるアルベドを有する、請求項50記載の太陽電池組立品。
【請求項52】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に直列配置される、請求項49〜51のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項53】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に並列配置される、請求項49〜51のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項54】
各太陽電池ユニットが、請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有する複数の太陽電池ユニットと、
複数の内部反射器とを含む太陽電池組立品であって、
前記複数の太陽電池ユニット及び前記複数の内部反射器は、前記複数の太陽電池ユニットにおける内部反射器が、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットに圧接することによって、前記太陽電池組立品を形成する共平面列に配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項55】
前記基板が、(i)管状又は(ii)硬質中実のいずれかである、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項56】
前記基板が、円形、又はnが3若しくはは5以上であるn角形によって輪郭が定められた断面を特徴とする、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項57】
前記基板が20GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項、請求項55又は56記載の太陽電池ユニット。
【請求項58】
前記基板が50GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項、請求項55又は56記載の太陽電池ユニット。
【請求項59】
前記基板が70GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項、請求項55又は56記載の太陽電池ユニット。
【請求項60】
(A)非平面基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(C)前記充填剤層上に円周方向に配置され、第1の端部を有する透明管状ケースと、
(D)前記透明管状ケースの前記第1の端部に気密シールされた第1のシーラントキャップと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項61】
前記基板が中実コアを有する、請求項60記載の太陽電池ユニット。
【請求項62】
前記半導体接合が吸収体層及び接合パートナー層を含み、
前記接合パートナー層が前記吸収体層上に配置され、且つ、
前記吸収体層が前記背面電極上に配置される、請求項60又は61記載の太陽電池ユニット。
【請求項63】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、且つ前記接合パートナー層が、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである、請求項60、61又は62記載の太陽電池ユニット。
【請求項64】
前記吸収体層がCIGSを含む、請求項60、61又は62記載の太陽電池ユニット。
【請求項65】
前記透明管状ケースが、第1の透明管状ケース層及び第2の透明管状ケース層を含む複数の透明管状ケース層を含み、前記第1の透明管状ケース層が前記充填剤層上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明管状ケース層が前記第1の透明管状ケース層上に円周方向に配置される、請求項60〜64のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項66】
前記基板が、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状のいずれかである、請求項60〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項67】
(A)基板;
前記基板上に配置された背面電極;
前記背面電極上に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に配置された耐水層と、
(C)前記耐水層上に配置された充填剤層と、
(D)前記充填剤層上に配置され、第1の端部を有する透明管状ケースと、
(E)前記透明管状ケースの前記第1の端部に気密シールされた第1のシーラントキャップと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項68】
前記基板が管である、請求項67記載の太陽電池ユニット。
【請求項69】
前記基板が円筒形であり、
【数1】
である、請求項67又は68記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、円筒形太陽電池の半径であり、
roは、透明管状ケースの半径であり、
ηouter ringは、透明管状ケースの屈折率である)。
【請求項70】
前記透明非平面ケースが、第1の透明非平面ケース層及び第2の透明非平面ケース層を含む複数の透明非平面ケース層を含み、前記第1の透明非平面ケース層が前記充填剤層上に円周方向に配置され、前記第2の透明非平面ケース層が前記第1の透明非平面ケース層上に円周方向に配置される、請求項67、68又は69記載の太陽電池ユニット。
【請求項71】
(A)管状又は硬質中実棒状である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(C)前記充填剤層上に円周方向に配置された耐水層と、
(D)前記耐水層上に円周方向に配置され、第1の端部を有する透明管状ケースと、
(E)前記透明管状ケースの前記第1の端部に気密シールされた第1のシーラントキャップと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項72】
前記透明非平面ケースが、第1の透明非平面ケース層及び第2の透明非平面ケース層を含む複数の透明非平面ケース層を含み、前記第1の透明非平面ケース層が前記半導体接合上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明非平面ケース層が前記第1の透明非平面ケース層上に円周方向に配置される、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項73】
前記透明導電層が蛍光材料で被覆された、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項74】
前記透明非平面ケースの内腔面又は外面が蛍光材料で被覆された、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項75】
前記非平面太陽電池ユニットが、モノリシック集積された複数の太陽電池を含む、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項76】
前記第1のシーラントキャップが、ブチルゴムを使用して、前記透明管状ケースの前記第1の端部に気密シールされる、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項77】
前記ブチルゴムに活性乾燥剤が充填される、請求項76記載の太陽電池ユニット。
【請求項78】
前記活性乾燥剤が酸化カルシウム又は酸化バリウムである、請求項77記載の太陽電池ユニット。
【請求項79】
非平面太陽電池をシールする方法であって、
透明管状ケースの外周に連続シール材帯を形成するために、前記透明管状ケースの端部付近において前記非平面太陽電池の前記透明管状ケースの外周を被覆すること;
シーラントキャップを加熱すること;
前記シーラントキャップを、それが高温である間に、前記透明管状ケースの端部上に挿入すること;
前記連続シール材帯を溶融させ、前記シーラントキャップの内面を濡らすこと;
前記シーラントキャップを冷却させることによって、前記シーラントキャップと前記透明管状ケースの間に気密シールを形成すること
を含む、前記方法。
【請求項80】
前記シーラントキャップを200℃から450℃まで加熱する、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記シール材帯が、200℃から450℃の溶融温度を有するガラス又はセラミックを含む、請求項79記載の方法。
【請求項1】
(A)非平面基板;
前記非平面基板上に配置された背面電極;
前記背面電極上に配置された半導体接合層;及び
前記半導体接合上に配置された透明導電層;を含む非平面太陽電池と、
(B)前記非平面太陽電池上に円周方向に配置され、第1の端部及び第2の端部を有する透明非平面ケースと、
(C)前記透明非平面ケースの前記第1の端部に気密シールされた第1のシーラントキャップと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項2】
前記透明非平面ケースの前記第2の端部に気密シールされた第2のシーラントキャップをさらに含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項3】
前記第1のシーラントキャップが金属、金属合金又はガラスで構成される、請求項1又は2記載の太陽電池ユニット。
【請求項4】
前記第1のシーラントキャップが前記透明非平面ケースの内面又は外面に気密シールされる、請求項1〜3のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項5】
前記透明非平面ケースがホウ珪酸ガラスで構成され、前記第1のシーラントキャップがコバールで構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項6】
前記透明非平面ケースがソーダ石灰ガラスで構成され、前記第1のシーラントキャップが低膨張ステンレス鋼合金で構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項7】
前記第1のシーラントキャップが、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せで構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項8】
前記第1のシーラントキャップが、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、又はインジウム-亜鉛酸化物で構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項9】
前記第1のシーラントキャップが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス、又はフリントガラスで構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項10】
前記第1のシーラントキャップが、前記透明非平面ケースの内面又は外面に気密シールされ、前記気密シールが、シール材の連続帯によって形成される、請求項1〜9のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項11】
前記シール材の連続帯が、前記第1のシーラントキャップの内縁上、前記第1のシーラントキャップの外縁上、前記透明非平面ケースの外縁上、又は前記透明非平面ケースの内縁上に存在する、請求項10記載の太陽電池ユニット。
【請求項12】
前記シール材の連続帯が、ガラスフリット、ゾル-ゲル、又はセラミックセメントから形成される、請求項10記載の太陽電池ユニット。
【請求項13】
前記第1のシーラントキャップが前記背面電極と電気接続され、前記第1のシーラントキャップが前記背面電極のための電極として働く、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項14】
前記第1のシーラントキャップが前記透明導電層と電気接続され、前記第1のシーラントキャップが前記透明導電層のための電極として働く、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項15】
前記太陽電池ユニットが、前記透明管状ケースの前記第2の端部に気密シールされた第2のシーラントキャップをさらに含み、前記第1のシーラントキャップ及び前記第2のシーラントキャップが、それぞれ導電性金属で構成され、
前記第1のシーラントキャップが、前記透明導電層と電気的に導通した前記背面電極の一部と電気接続され、前記第1のシーラントキャップが、前記透明導電層のための電極として働き、かつ、
前記第2のシーラントキャップが、前記透明導電層と電気的に絶縁された前記背面電極の一部と電気接続され、前記第2のシーラントキャップが、前記背面電極のための電極として働く、請求項1又は請求項2〜14のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項16】
前記基板がプラスチック、ガラス、金属又は金属合金を含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項17】
前記基板が、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項18】
前記透明非平面ケースがガラスで構成される、請求項1〜17のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項19】
前記透明非平面ケースが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項1〜17のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項20】
前記基板が管状であり、流体が前記基板を流れる、請求項1〜19のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項21】
前記流体が、空気、水、空気、窒素又はヘリウムである、請求項20記載の太陽電池ユニット。
【請求項22】
前記基板が中実コアを有する、請求項1〜19のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項23】
前記背面電極が、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せで構成される、請求項1〜22のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項24】
前記背面電極が、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックで構成される、請求項1〜22のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項25】
前記半導体接合が、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む、請求項1〜24のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項26】
前記透明導電層が、カーボンナノチューブ、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1〜25のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項27】
前記半導体接合が、吸収体層及び接合パートナー層を含み、前記接合パートナー層が、前記吸収体層上に円周方向に配置されている、請求項1〜24のいずれか一項又は請求項26記載の太陽電池ユニット。
【請求項28】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、前記接合パートナー層が、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである、請求項27記載の太陽電池ユニット。
【請求項29】
前記吸収体層がCIGSを含む、請求項27記載の太陽電池ユニット。
【請求項30】
前記非平面太陽電池が、前記半導体接合上に円周方向に配置された真性層をさらに含み、前記透明導電層が前記真性層上に配置される、請求項1〜29のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項31】
前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層をさらに含み、前記透明管状ケースが前記充填剤層上に円周方向に配置されることによって、前記非平面太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜30のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項32】
前記充填剤層が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル酸、フルオロポリマー又はウレタンを含む、請求項31記載の太陽電池ユニット。
【請求項33】
前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層をさらに含み、前記透明管状ケースが、前記耐水層上に円周方向に配置されることによって、前記非平面太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜32のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項34】
前記耐水層が、透明なシリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx、又はAl2O3を含み、x及びyが整数である、請求項33記載の太陽電池ユニット。
【請求項35】
前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層と、
前記耐水層上に円周方向に配置された充填剤層とをさらに含み、前記透明管状ケースが前記充填剤層上に円周方向に配置されることによって、前記非平面太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜30のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項36】
前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
前記耐水層上に円周方向に配置された耐水層とをさらに含み、前記透明管状ケースが前記耐水層上に円周方向に配置されることによって、前記非平面太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜30のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項37】
前記透明管状ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む、請求項1〜36のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項38】
前記反射防止膜が、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む、請求項37記載の太陽電池ユニット。
【請求項39】
前記非平面太陽電池が円筒状であって且つ円筒軸を有し、前記太陽電池が少なくとも1つの電極帯をさらに含み、前記少なくとも1つの電極帯における各電極帯が前記太陽電池の前記円筒軸に沿って前記透明導電層上に積層される、請求項1〜38のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項40】
前記少なくとも1つの電極帯が、前記太陽電池の前記円筒軸に沿って互いに平行又はほぼ平行に延びるように前記透明導電層上に間隔をおいて配置された複数の電極帯を含む、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項41】
前記複数の電極帯における電極帯が、前記透明導電層の表面に均等な間隔をおいて配置される、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項42】
前記複数の電極帯における電極帯が、前記透明導電層の表面に不均等な間隔をおいて配置される、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項43】
前記少なくとも1つの電極帯が、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤又は導電性プラスチックを含む、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項44】
前記非平面太陽電池の長さが2センチメートルから300センチメートルである、請求項1〜43のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項45】
前記太陽電池ユニットの透湿度が10-4g/m2・日以下である、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項46】
前記太陽電池ユニットの透湿度が10-5g/m2・日以下である、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項47】
前記太陽電池ユニットの透湿度が10-6g/m2・日以下である、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項48】
前記太陽電池ユニットの透湿度が10-7g/m2・日以下である、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項49】
複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品であって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが、前記太陽電池組立品を形成するように共平面列で配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項50】
太陽光線を前記複数の太陽電池ユニットに反射させるように配置されたアルベド面をさらに含む、請求項49記載の太陽電池組立品。
【請求項51】
前記アルベド表面が80%を超えるアルベドを有する、請求項50記載の太陽電池組立品。
【請求項52】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に直列配置される、請求項49〜51のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項53】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に並列配置される、請求項49〜51のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項54】
各太陽電池ユニットが、請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有する複数の太陽電池ユニットと、
複数の内部反射器とを含む太陽電池組立品であって、
前記複数の太陽電池ユニット及び前記複数の内部反射器は、前記複数の太陽電池ユニットにおける内部反射器が、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットに圧接することによって、前記太陽電池組立品を形成する共平面列に配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項55】
前記基板が、(i)管状又は(ii)硬質中実のいずれかである、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項56】
前記基板が、円形、又はnが3若しくはは5以上であるn角形によって輪郭が定められた断面を特徴とする、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項57】
前記基板が20GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項、請求項55又は56記載の太陽電池ユニット。
【請求項58】
前記基板が50GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項、請求項55又は56記載の太陽電池ユニット。
【請求項59】
前記基板が70GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項、請求項55又は56記載の太陽電池ユニット。
【請求項60】
(A)非平面基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(C)前記充填剤層上に円周方向に配置され、第1の端部を有する透明管状ケースと、
(D)前記透明管状ケースの前記第1の端部に気密シールされた第1のシーラントキャップと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項61】
前記基板が中実コアを有する、請求項60記載の太陽電池ユニット。
【請求項62】
前記半導体接合が吸収体層及び接合パートナー層を含み、
前記接合パートナー層が前記吸収体層上に配置され、且つ、
前記吸収体層が前記背面電極上に配置される、請求項60又は61記載の太陽電池ユニット。
【請求項63】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、且つ前記接合パートナー層が、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである、請求項60、61又は62記載の太陽電池ユニット。
【請求項64】
前記吸収体層がCIGSを含む、請求項60、61又は62記載の太陽電池ユニット。
【請求項65】
前記透明管状ケースが、第1の透明管状ケース層及び第2の透明管状ケース層を含む複数の透明管状ケース層を含み、前記第1の透明管状ケース層が前記充填剤層上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明管状ケース層が前記第1の透明管状ケース層上に円周方向に配置される、請求項60〜64のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項66】
前記基板が、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状のいずれかである、請求項60〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項67】
(A)基板;
前記基板上に配置された背面電極;
前記背面電極上に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に配置された耐水層と、
(C)前記耐水層上に配置された充填剤層と、
(D)前記充填剤層上に配置され、第1の端部を有する透明管状ケースと、
(E)前記透明管状ケースの前記第1の端部に気密シールされた第1のシーラントキャップと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項68】
前記基板が管である、請求項67記載の太陽電池ユニット。
【請求項69】
前記基板が円筒形であり、
【数1】
である、請求項67又は68記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、円筒形太陽電池の半径であり、
roは、透明管状ケースの半径であり、
ηouter ringは、透明管状ケースの屈折率である)。
【請求項70】
前記透明非平面ケースが、第1の透明非平面ケース層及び第2の透明非平面ケース層を含む複数の透明非平面ケース層を含み、前記第1の透明非平面ケース層が前記充填剤層上に円周方向に配置され、前記第2の透明非平面ケース層が前記第1の透明非平面ケース層上に円周方向に配置される、請求項67、68又は69記載の太陽電池ユニット。
【請求項71】
(A)管状又は硬質中実棒状である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(C)前記充填剤層上に円周方向に配置された耐水層と、
(D)前記耐水層上に円周方向に配置され、第1の端部を有する透明管状ケースと、
(E)前記透明管状ケースの前記第1の端部に気密シールされた第1のシーラントキャップと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項72】
前記透明非平面ケースが、第1の透明非平面ケース層及び第2の透明非平面ケース層を含む複数の透明非平面ケース層を含み、前記第1の透明非平面ケース層が前記半導体接合上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明非平面ケース層が前記第1の透明非平面ケース層上に円周方向に配置される、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項73】
前記透明導電層が蛍光材料で被覆された、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項74】
前記透明非平面ケースの内腔面又は外面が蛍光材料で被覆された、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項75】
前記非平面太陽電池ユニットが、モノリシック集積された複数の太陽電池を含む、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項76】
前記第1のシーラントキャップが、ブチルゴムを使用して、前記透明管状ケースの前記第1の端部に気密シールされる、請求項1〜48又は55〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項77】
前記ブチルゴムに活性乾燥剤が充填される、請求項76記載の太陽電池ユニット。
【請求項78】
前記活性乾燥剤が酸化カルシウム又は酸化バリウムである、請求項77記載の太陽電池ユニット。
【請求項79】
非平面太陽電池をシールする方法であって、
透明管状ケースの外周に連続シール材帯を形成するために、前記透明管状ケースの端部付近において前記非平面太陽電池の前記透明管状ケースの外周を被覆すること;
シーラントキャップを加熱すること;
前記シーラントキャップを、それが高温である間に、前記透明管状ケースの端部上に挿入すること;
前記連続シール材帯を溶融させ、前記シーラントキャップの内面を濡らすこと;
前記シーラントキャップを冷却させることによって、前記シーラントキャップと前記透明管状ケースの間に気密シールを形成すること
を含む、前記方法。
【請求項80】
前記シーラントキャップを200℃から450℃まで加熱する、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記シール材帯が、200℃から450℃の溶融温度を有するガラス又はセラミックを含む、請求項79記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図3K】
【図3L】
【図3M】
【図3N】
【図3O】
【図3P】
【図3Q】
【図3R】
【図3S】
【図3T】
【図3U】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図3K】
【図3L】
【図3M】
【図3N】
【図3O】
【図3P】
【図3Q】
【図3R】
【図3S】
【図3T】
【図3U】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【公表番号】特表2009−537985(P2009−537985A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511090(P2009−511090)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/011920
【国際公開番号】WO2008/054542
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(508280302)ソルインドラ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/011920
【国際公開番号】WO2008/054542
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(508280302)ソルインドラ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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