説明

水中油型乳化組成物及びその製造方法

【課題】特別な装置を用いることなく、また、厳密な温度管理も必要とせず、容易に製造することができ、且つ使用性及び経時安定性に優れた、疎水性無機粉末を油相中に分散した水中油型乳化組成物を提供する。
【解決手段】(A)油分と水との両方に溶解可能な両親媒性物質と、(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤と、(C)油分と、(D)水と、(E)疎水性無機粉末とを含み、該(E)疎水性無機粉末が内相である油相中に分散していることを特徴とする水中油型乳化組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化組成物及びその製造方法に関し、特に疎水性無機粉末を油相中に分散した水中油型乳化組成物の製造方法の簡易化、及び製剤の使用性、経時安定性の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紫外線防御化粧料、メークアップ化粧料などの分野で、無機粉末を油相中に分散した水中油型(O/W型)の乳化組成物が用いられている。このような無機粉末を油相分散した水中油型(O/W型)乳化組成物を調製する方法として、界面活性剤を含む油分に予めディスパーやペイントシェーカーを用いて、表面を疎水化処理した金属酸化物を主成分とする疎水性の無機粉末を分散させた後、水性成分と乳化する方法が行われている。しかし、この方法では、疎水性の無機粉末を十分均一に分散することができなかった。
【0003】
更に、疎水性の無機粉末を均一に油相分散した水中油型(O/W型)乳化組成物を調製する方法として、界面活性剤を含む油分に疎水性無機粉末を加え、連続式ミル(OBミル、ダイノウミル等)、バッチ式ミル(リングミル等)、ジェット式ミル(ジーナス等)で均一に高分散化させた後、水性成分と乳化する方法も行われている。しかし、このような方法の場合、多くの手間がかかり、また、機械的な強いせん断力のために被覆した疎水化処理剤が脱落して無機粉末が凝集する等、製剤の不安定化の原因となってしまう場合があった。
【0004】
このような欠点を避けるため、近年、界面活性剤を含む油相と水相を界面活性剤の相転移温度以上で攪拌することにより、予め油中水型(W/O型)のエマルションを形成させ、無機微小粉末を加えた後に相転移温度以下に冷却して無機粉末を油相または水相中に高分散させた水中油型(O/W型)エマルションに相転移させる方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、工程での厳密な温度管理が必要であること、相転移温度付近で処方が高粘度になるために無機粉末の分散が必ずしもうまくいかないこと、使用する界面活性剤のHLB(9.5〜11.5)が高くべたつきやすいこと等の問題点があった。
【0005】
【特許文献1】特許第2999132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて行われたものであり、その目的は、特別な装置を用いることなく、また、厳密な温度管理も必要とせず、容易に製造することができ、且つ使用性及び経時安定性に優れた、疎水性無機粉末を油相中に分散した水中油型乳化組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来技術の課題に鑑み、本発明者らが鋭意検討を行なった結果、油分と水との両方に溶解可能な両親媒性物質とポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤とを用いて調製した油中水型(W/O型)乳化物中に疎水性無機粉末を添加・分散し、得られた疎水性無機粉末分散−油中水型(W/O型)乳化物中に水性処方を添加して、水中油型(O/W型)の乳化系に転相させることによって、疎水性無機粉末を内油相中に分散した水中油型乳化組成物を、室温付近の一定温度で特別な攪拌装置を用いることなく、容易に製造することができることを見出し、さらに得られた水中油型乳化組成物が、使用感触及び経時安定性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明にかかる水中油型乳化組成物は、(A)油分と水との両方に溶解可能な両親媒性物質と、(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤と、(C)油分と、(D)水と、(E)疎水性無機粉末とを含み、該(E)疎水性無機粉末が内相である油相中に分散していることを特徴とするものである。
【0009】
また、前記水中油型乳化組成物において、前記(A)両親媒性物質が、ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体アルキルエーテル又はその誘導体であることが好適である。また、前記水中油型乳化組成物において、油相の粒子径が100〜1000nmであることが好適である。また、前記水中油型乳化組成物において、前記(E)疎水性無機粉末の粒子径が5〜100nmであることが好適である。
【0010】
また、前記水中油型乳化組成物において、前記(E)疎水性無機粉末が、疎水化処理を施した酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及びそれらの混合物からなる群から選ばれたものであることが好適である。また、前記水中油型乳化組成物において、前記(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の親水−疎水性バランス(HLB)が6〜9であることが好適である。また、前記水中油型乳化組成物において、さらにエタノールを1〜15質量%含有することが好適である。
【0011】
また、本発明にかかる皮膚外用剤は、前記水中油型乳化組成物からなることを特徴とするものである。また、前記皮膚外用剤において、さらにUV−A及び/又はUV−Bの紫外線吸収剤を含有することが好適である。
【0012】
また、本発明にかかる水中油型乳化組成物の製造方法は、(A)油分と水との両方に溶解可能な両親媒性物質と、(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤と、(C)油分と、(D)水とを混合することによって、油中水型(W/O型)の乳化組成物を調製する工程と、前記工程と同時あるいは前記工程の後に、組成物中に(E)疎水性無機粉末を添加・分散する工程と、前記工程により得られた疎水性無機粉末分散−油中水型(W/O型)乳化組成物中に、(D)水を含む水性処方を添加して、水中油型(O/W型)の乳化系に転相させる工程とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、疎水性無機粉末を内油相中に分散した水中油型乳化組成物を、室温付近の一定の温度で、特別な攪拌装置を用いることなく容易に製造することができる。また、得られた水中油型乳化組成物は、使用感触に優れ、さらに乳化粒子が微小であるにもかかわらず経時安定性に優れており、皮膚外用剤として好適に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の構成について詳述する。
なお、本発明にかかる水中油型乳化組成物は、(A)油分と水との両方に溶解可能な両親媒性物質と、(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤と、(C)油分と、(D)水と、(E)疎水性無機粉末とを含み、該(E)疎水性無機粉末が内相である油相中に分散していることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に用いられる(A)両親媒性物質とは、油分と水との両方に溶解するものであり、具体的には、トリ(2−エチルヘキサン酸)グリセリルと、水との両方に30質量%以上溶解する化合物を意味するものである。このような(A)両親媒性物質としては、例えば、ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体ジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体ジエチルエーテル、ペンタエリトリット・ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体ジメチルエーテル、グリセロール・ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体ジメチルエーテル等のポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体アルキルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、グリセロール・ポリエチレングリコールエチルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル、エタノール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール等の1価又は2価のアルコールが挙げられる。(A)両親媒性物質としては、これらのうち、ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体アルキルエーテルを特に好適に用いることができる。
【0016】
本発明に用いられる(A)両親媒性物質の配合量は、特に限定されるものではないが、製造初期段階で油中水型(W/O型)乳化組成物を生成する際に、乳化物全量に対して5〜30質量%となるように調整することが好ましい。5質量%未満の場合は油中水型(W/O型)乳化物に無機粉末を高分散しにくく、30質量%を超えると微細乳化された油中水型(W/O型)乳化物が得られにくくなる。また、(A)両親媒性物質の最終的な配合量は、水中油型乳化組成物全量に対して1〜30質量%であることが好適である。
【0017】
また、本発明に用いられる(B)ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤は、親水部としてポリオキシエチレン基を有する非イオン性界面活性剤であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。(B)ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤は、HLBが6〜15であることが好ましく、また、皮膚外用剤としての使用性上、HLBが6〜9であることが特に好ましい。HLBが6未満であると、水中油型(O/W型)の乳化系にならず、また、15を越えると、製造初期段階で油中水型(W/O型)の乳化系にならなくなる。なお、(B)ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤の2種以上を混合して用い、そのHLBの加重平均値を6〜15となるように調整して用いても構わない。
【0018】
本発明に用いられる(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、製造初期段階で油中水型(W/O型)乳化組成物を生成する際に、(C)油分1部に対して0.02〜2部となるように調整することが好ましい。0.02部未満の場合には、界面活性剤量が少ないため、油中水型(W/O型)乳化物が得られない場合があり、2部を超える場合には、界面活性剤量が多すぎるため、製剤の安全性上好ましくない。また、(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の配合量は、水中油型乳化組成物全量に対して0.1〜5質量%であることが好適である。
【0019】
本発明に用いられる(C)油分は、特に限定されるものではなく、例えば、シリコーン油、炭化水素油、エステル油等を適宜用いることができるが、特にシリコーン油又は炭化水素油であることが好ましい。また、(C)油分としては、これらの2種以上を混合しても用いても良い。なお、本発明に用いられる(C)油分の配合量は、特に限定されるものではないが、製造初期段階で油中水型(W/O型)乳化組成物を生成する際に、乳化物全量に対して10〜80質量%となるように調整することが好ましい。10質量%未満であると油中水型(W/O型)乳化物が得られにくい。また、(C)油分の配合量は、水中油型乳化組成物全量に対して5〜50質量%であることが好適である。
【0020】
本発明に用いられる(D)水の最終的な配合量は、油中水型(W/O型)乳化組成物に用いられる(D)水の配合量と、後に添加する水性成分中に含まれる水の配合量との和になる。(D)水の配合量は、特に限定されるものではないが、製造初期段階に油中水型(W/O型)乳化物を生成する際に、乳化物全量に対して1〜40質量%となるように調整することが好ましい。また、水中油型の乳化系に転相後、すなわち、(D)水の最終的な配合量は、水中油型乳化組成物全量に対して40〜95質量%であることが好ましい。
【0021】
本発明に用いられる(E)疎水性無機粉末は、特に限定されるものではないが、例えば、疎水化処理を施した酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及びそれらの混合物を好適に用いることができる。また、疎水化処理剤としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類、デキストリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、金属石鹸、アルキルリン酸エーテル、フッ素化合物、またはスクワラン、パラフィン等の炭化水素類等が挙げられ、これら疎水化処置剤を用いて、溶媒を使用する湿式法、気相法、メカノケミカル法等により無機粉末表面を疎水化処理したものを使用することができる。なお、(E)疎水性無機粉末は内相である油相中に分散するため、その平均粒子径が油相である乳化粒子よりも小さい必要がある。特に、(E)疎水性無機粉末を紫外線散乱剤として使用する場合には、平均粒子径が5〜100nmのものが好ましい。なお、(E)疎水性無機粉末としては、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
また、本発明に用いられる(E)疎水性無機粉末の配合量は、特に限定されるものではないが、油中水型(W/O型)乳化物中に添加・分散する際に、(C)油分1部に対して0.5部以下となるように調整することが好ましい。0.5部を超えると油中水型(W/O型)乳化物中に(E)疎水性無機粉末が均一に高分散できなくなる。本発明にかかる水中油型乳化組成物における最終的な(E)疎水性無機粉末の配合量は、水中油型乳化組成物全量に対して、0.5〜10質量%が好ましい。0.5質量%未満では充分な紫外線防御効果が得られず、10質量%を超えると安定性の問題が生じやすい。
【0023】
本発明にかかる水中油型乳化組成物は、上記(A)〜(D)を混合して調製した油中水型(W/O型)乳化組成物中に、(E)疎水性無機粉末を添加・分散し、さらに(D)水を含む水性処方を添加して、水中油型(O/W型)に転相させることによって得られるものである。
【0024】
本発明において、初期段階で製造する油中水型(W/O型)乳化組成物は、乳化粒子が1000nm以下に微細乳化されていることが好ましい。油中水型(W/O型)乳化物の乳化粒子径が1000nmを超えていると、水中油型(O/W型)への転相後において微細な乳化物が得られず、さらに乳化安定性にも劣る場合がある。また、(E)疎水性無機粉末の添加・分散は、上記(A)〜(D)成分による油中水型(W/O型)乳化組成物の製造後であっても、あるいは上記(A)〜(D)成分の混合と同時であっても構わない。
【0025】
また、本発明においては、以上のようにして得られた油中水型(W/O型)の微細乳化組成物に水性処方を添加して、水中油型(O/W型)に転相される。本発明に用いられる水性処方とは、水あるいは水性溶媒を主な媒体としてなる処方であれば、特に限定されるものではなく、水あるいは水性溶媒の他、通常、化粧品、医薬品等に用いられる成分を安定性に影響が出ない範囲の配合量で配合していても構わない。なお、この水性成分中に、エタノールを配合しておくことが好ましい。エタノールを配合することで、得られる水中油型乳化組成物の経時安定性が改善される。エタノールの配合量は、組成物全量に対して1〜15質量%であることが好ましい。また、この水性成分中に、キサンタンガム等の水溶性高分子を配合しておくことで、乳化物の経時安定性がさらに改善することも可能である。
【0026】
以上のようにして得られる本発明の水中油型(O/W型)乳化組成物は、(E)疎水性無機粉末が内相である油相中に分散しているものであり、連続ミルのような特別な装置を用いることなく、一定温度で混合、攪拌するだけで容易に製造することができる。なお、乳化物製造の際の温度条件は、10〜70℃の範囲が好適であるが、(A)〜(E)成分の種類や配合量を適宜調整することで、室温付近の一定温度で製造することが可能である。また、本発明の水中油型(O/W型)乳化組成物の乳化粒子径は、100〜1000nmであり、乳化粒子径が非常に小さいにも関わらず、乳化物の安定性に非常優れている。
【0027】
本発明にかかる水中油型乳化組成物は、例えば、皮膚、頭髪等の身体に適用し得る皮膚外用剤として好適に用いることができる。
なお、本発明にかかる水中油型乳化組成物を皮膚外用剤として用いる場合、さらにUV−A及び/又はUV−Bの紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、アボベンゾン、パラメトキシケイ皮酸オクチル、エチルヘキシルトリアゾン、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキサロキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメンチル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、シノキサート、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、テトラヒドロキシベンゾフェノン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン、トリメトキシケイヒ酸メチルビス(トリメチルシロキシ)などが挙げられる。
【0028】
また、本発明にかかる水中油型乳化組成物を皮膚外用剤として用いる場合、上記必須成分の他に、通常、化粧品、医薬品等に用いられる成分を安定性に影響が出ない範囲の配合量で配合することができ、配合可能な成分としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0029】
アボガド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、スクワレン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル、モノオレイン酸グリセリルなどの油分。カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール。カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などの高級脂肪酸。
【0030】
ポリエチレングリコール及びそのアルキルエーテル、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサンなどの保湿剤。メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤。エタノール、1,3−ブチレングリコールなどの有機溶剤。ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤。安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤。グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸と塩酸塩。アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸。
【0031】
ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体などのビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテートなどのビタミンC類、α―トコフェロール、β―トコフェロール、γ―トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネートなどのビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類。ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ―オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラセンタエキスなどの各種薬剤。
【0032】
ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、タイム、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス。ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイドなどのカチオン界面活性剤。エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤。
また、その他、香料、スクラブ剤なども、安定性を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【実施例1】
【0033】
以下、本発明にかかる水中油型組成物の実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1−1
(A)ポリプロピレングリコール(7モル)・ポリエチレングリコール(14モル)共重合体ジメチルエーテル1.98質量%と、(B)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(信越化学(株)製,シリコーンKF−6017)1.39質量%と(B)イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリル(日本エマルジョン(株)製,GWIS−120)0.59質量%と、(C)ジメチルポリシロキサン6mPa・s(信越化学(株)製,シリコーンKF−96A−6)2.64質量%、(C)メチルフェニルポリシロキサン(信越化学(株)製シリコーンKF−56)9.5質量%、(C)イソノナン酸イソノニル1.0質量%、パラメトキシケイ皮酸オクチル7.5質量%、オクトクリレン2.0質量%と(D)水3.0質量%とを混合し、室温下ホモゲナイザーで攪拌したところ、油中水型(W/O型)微細エマルションが得られた。これに(E)疎水化処理超微粒子酸化亜鉛(オクチルトリエトキシシラン、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド処理酸化亜鉛)5.0質量%を攪拌しながら、ゆっくり添加したところ、W/O型粉末分散スラリーが得られた。更に、室温下ホモゲナイザーで攪拌しながら、50質量%含水エタノール20質量%を加えたところ、酸化亜鉛が油相に分散された水中油型(O/W型)エマルションに相転移した。これに水性成分を全体が100質量%となる残量分加えて、(E)疎水化処理酸化亜鉛が油相に分散した粒子径400nmの水中油型(O/W型)組成物を得た。
【0034】
実施例1−2
(A)ポリプロピレングリコール(2モル)・ポリエチレングリコール(9モル)共重合体ジメチルエーテル3.1質量%と、(B)ポリオキシエチレン(7モル)オレイルエーテル7.1質量%と、(C)流動パラフィン6.8質量%、(C)トリイソステアリン酸グリセリル5.3質量%、(C)コハク酸ジオクチル4.0質量%、パラメトキシケイ皮酸オクチル5.0質量%、アボベンゾン1.0質量%と、(D)水3.0質量%とを混合し、室温下ホモゲナイザーで攪拌したところ油中水型(W/O型)微細エマルションが得られた。これに(E)疎水化処理超微粒子酸化チタン(ステアリン酸アルミ処理酸化チタン)7.0質量%を攪拌しながら、ゆっくり添加したところ、W/O型粉末分散スラリーが得られた。更に、室温下ホモゲナイザーで攪拌しながら30質量%含水エタノール20質量%を加えたところ、酸化チタンが油相に分散された水中油型(O/W型)エマルションに相転移した。これに水性成分を全体が100質量%となる残量分加えて、(E)疎水化処理酸化チタンが油相に分散した粒子径800nmの水中油型(O/W型)組成物を得た。
【0035】
実施例1−3
(A)1,3−ブチレングリコール5.0質量%と、(B)ポリオキシエチレン(7モル)オレイルエーテル7.1質量%と、(C)流動パラフィン6.8質量%、(C)トリイソステアリン酸グリセリル5.3質量%、(C)コハク酸ジオクチル4.0質量%、パラメトキシケイ皮酸オクチル5.0質量%、アボベンゾン1.0質量%と、(D)水3.0質量%とを混合し、70℃でホモゲナイザーで攪拌したところ、油中水型(W/O型)微細エマルションが得られた。これに(E)疎水化処理超微粒子酸化チタン(ステアリン酸アルミ処理酸化チタン)7.0質量%を攪拌しながら、ゆっくり添加したところ、W/O型粉末分散スラリーが得られた。更に、室温下ホモゲナイザーで攪拌しながら10質量%含水エタノール40質量%を加えたところ、酸化チタンが油相に分散された水中油型(O/W型)エマルションに相転移した。これに水性成分を全体が100質量%となる残量分加えて、(E)疎水化処理酸化チタンが油相に分散した粒子径1000nmの水中油型(O/W型)組成物を得た。
【0036】
比較例1−1
(B)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(信越化学(株)製,シリコーンKF−6017)1.39質量%と、(C)ジメチルポリシロキサン6mPa・s(信越化学(株)製,シリコーンKF−96A−6)2.64質量%、(C)メチルフェニルポリシロキサン(信越化学(株)製,シリコーンKF−56)9.5質量%、(C)イソノナン酸イソノニル1.0質量%と、(E)疎水化処理超微粒子酸化亜鉛(オクチルトリエトキシシラン、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド処理酸化亜鉛)5.0質量%を混合し、OBミルにて5回(5パス)疎水性無機粉末の粉砕を行なった。これに残りの油相成分であるパラメトキシケイ皮酸オクチル7.5質量%、オクトクリレン2.0質量%と、(B)イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリル(日本エマルジョン(株)製,GWIS−120)0.59質量%を加え、酸化亜鉛の分散スラリーを得た。これを65℃に加熱して、(A)ポリプロピレングリコール(7モル)・ポリエチレングリコール(14モル)共重合体ジメチルエーテル1.98質量%、及びエタノール10.0質量%を含む実施例1−1と同じ水性成分を混合し、ホモゲナイザーで攪拌したところ、(E)疎水化処理酸化亜鉛が油相に分散した粒子径1000nmの水中油型(O/W型)組成物を得た。
なお、本比較例1−1の組成は実施例1−1と同一である。
【0037】
比較例1−2
(B)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(信越化学(株)製,シリコーンKF−6017)1.39質量%、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリル0.59質量%と、(C)ジメチルポリシロキサン6mPa・s(信越化学(株)製,シリコーンKF−96A−6)2.64質量%、(C)メチルフェニルポリシロキサン(信越化学(株)製,シリコーンKF−56)9.5質量%、(C)イソノナン酸イソノニル1.0質量%、パラメトキシケイ皮酸オクチル7.5質量%、オクトクリレン2.0質量%と、(E)疎水化処理超微粒子酸化亜鉛(オクチルトリエトキシシラン、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド処理酸化亜鉛)5.0質量%を混合し、ディスパーにて油相に分散させた。これを65℃に加熱して、(A)ポリプロピレングリコール(7モル)・ポリエチレングリコール(14モル)共重合体ジメチルエーテル1.98質量%、及びエタノール10.0質量%を含む実施例1−1と同じ水性成分を混合し、ホモゲナイザーで攪拌したところ(E)疎水化処理酸化亜鉛が油相に分散した粒子径2000nmの水中油型(O/W型)組成物を得た。
なお、本比較例1−2の処方は実施例1−1と同一である。
【0038】
比較例1−3
(B)ポリオキシエチレン(7モル)オレイルエーテル7.1質量%と、(C)流動パラフィン6.8質量%、(C)トリイソステアリン酸グリセリル5.3質量%、(C)コハク酸ジオクチル4.0質量%、パラメトキシケイ皮酸オクチル5.0質量%、アボベンゾン1.0質量%と、(D)水40.0質量%とを80℃に加熱してホモゲナイザーで攪拌したところ、油中水型(W/O型)微細エマルションが得られた。これに(E)疎水化処理超微粒子酸化チタン(ステアリン酸アルミ処理酸化チタン)7.0質量%を攪拌しながら、ゆっくり添加し、W/O型粉末分散スラリーが得られた。これを室温まで冷却して水中油型(O/W型)へと転相させた後、(A)ポリプロピレングリコール(2モル)・ポリエチレングリコール(9モル)共重合体ジメチルエーテル3.1質量%、及びエタノール6.0質量%を含む実施例1−2と同じ水性成分を加えて、(E)疎水化処理酸化チタンが油相に分散した粒子径800nmの水中油型(O/W型)組成物を得た。
なお、本比較例3の処方は実施例1−2と同一であり、特許文献1に記載の製法に従ったものである。
【0039】
UV防御能、使用性、安全性及び安定性
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1〜1−3で得られた水中油型乳化組成物について、UV防御能、使用性、安全性及び安定性の各項目の評価を行なった。なお、評価基準は以下のとおりである。各実施例及び比較例の組成と評価結果とを併せて下記表1に示す。
「評価(1):UV防御能」
各実施例及び比較例の水中油型乳化組成物について、in vitroの紫外線防御効果(Sun Protection Factor,以下、SPFと略す)測定試験により実証した。in vitroのSPF測定法としては、DiffeyとRobsonらの方法(下記文献1)を改良した小川らの方法(下記文献2)を用いた。すなわち,トランスポアTMテープ(3M社製)(5cm×5cm)に製造例1〜3及び比較例1〜3をそれぞれ2.0mg/cmの割合で塗布し、15分乾燥させた。これに同様のサイズのトランスポアTMテープを張り合わせ,各測定試料とした。これらの測定試料にそれぞれ10mmの距離で150ワットキセノンランプ(Solar Ultraviolet Simulator Model 600(Solar Light社製)で紫外線を照射した。塗布されたそれぞれの処方の透過紫外線光をスペクトロラジオメーターUSR−20B型(USIO Electric社製)で測定し、ヒト皮膚の遅延紅斑反応に及ぼす作用波長の相対的な効果係数(下記文献3〜5参照)を乗じてSPF値を算出した。
【0040】
文献1)Diffey,B.L.and Robson,J.:A new substrate to measure sunscreen protection factors throughout the ultraviolet spectrum,J.Soc.Cosmet.Chem.,40,127−133(1989)
文献2)小川克基,小田切晴美,熊谷重則:UVAの光増強作用を取り入れた新しいin vitro SPF測定法の開発,粧技誌,29(4),336−352(1996)
文献3)Mckinlay,A.F.and Diffey,B.L:A reference action spectrum for ultraviolet induced erythema in human skin,CIE Journal,6,17−22(1987)
文献4)Parrish,J.A.,Jaenicke,K.F.and Anderson,R.R.:Erythema and melanogenesis action spectra of normal human skin,photochem.Photobiol.,36,187−192(1982)
文献5)Nakayama,Y.,Mirikawa,F.,Fukuda,M.Hamano,M.M.R.,Rods,K.and Pathak,M.A.:in “Sunlight and Man”ed.T.B.Fitzpatrik,(Tokyo;University of Tokyo Press),591−611(1972)
【0041】
使用性
「評価(2):肌のなめらかさ」
使用中及び使用後の肌のなめらかさを専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が使用中及び使用後肌がなめらかであると認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が使用中及び使用後肌がなめらかであると認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が使用中及び使用後肌がなめらかであると認めた。
×…専門パネラー3名未満が使用中及び使用後肌がなめらかであると認めた。
【0042】
「評価(3):肌へのべたつきのなさ」
使用中及び使用後の肌へのべたつきのなさを専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
×…専門パネラー3名未満が使用中及び使用後肌へのべたつきがないと認めた。
【0043】
「評価(4):保湿効果感」
使用120分後の保湿効果感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が、保湿効果感があると認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が、保湿効果感があると認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が、保湿効果感があると認めた。
×…専門パネラー3名未満が、保湿効果感があると認めた。
【0044】
「評価(5):皮膚刺激試験」
10名のパネルの上腕内側部に24時間の閉塞パッチを行ない、その後以下の基準により平均値を算出した。
0…全く異常が認められない。
1…わずかに赤みが認められる。
2…赤みが認められる。
3…赤みと丘疹が認められる。
「皮膚刺激試験」の評価基準は以下の通りである。
◎…パネル10名の平均値:0以上0.1未満
○…パネル10名の平均値:0.1以上0.15未満
△…パネル10名の平均値:0.15以上0.2未満
×…パネル10名の平均値:0.2以上
【0045】
「評価(6):経時安定性」
得られた乳化組成物50gを容器に詰め、室温及び50℃で1ヶ月間放置し、下記評価基準により、経時安定性について評価した。
◎:安定性が非常に良好
○:安定性が良好
△:室温保存のみ安定
×:不安定
【0046】
【表1】

【0047】
上記表1において実施例1−1〜1−3として示されているように、(A)〜(E)成分からなる疎水性無機粉末分散−油中水型(W/O型)乳化物中に水性処方を添加して、水中油型(O/W型)の乳化系に転相させることによって、疎水性無機粉末を内油相中に分散した水中油型の微細乳化組成物を、室温付近の一定温度で各種成分を混合攪拌するだけで、容易に製造することができた。また、これにより得られた実施例1−1〜1−3の水中油型乳化組成物は、いずれも高いSPF値を示しており、さらに各種の使用感や安全性、安定性についても、全ての点で非常に優れた評価が得られた。
【0048】
これに対して、従来の製造方法により調製した比較例1−1〜1−2においては、同一の処方である実施例1−1と比較した場合に、UV防御能の点で若干劣っており、使用感や安全性、安定性の全ての評価において満足のいくものは得られなかった。また、転相温度(PIT)乳化法によって調製した比較例1−3においても、同一の処方である実施例1−2と比較してUV防御能の点で若干劣り、また、なめらかさの評価が十分でなかった。
【実施例2】
【0049】
以下、その他の実施例を挙げて本発明について更に説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例2−1:収斂化粧水
配合量(質量%)
(1)エタノール 20
(2)ジプロピレングリコール 1
(3)ポリオキシエチレン(9モル)ポリオキシプロピレン(2モル)
デシルテトラデシルエーテル 2
(4)無水ケイ酸 1
(5)パルミチン酸デキストリン処理微粒子酸化亜鉛 1
(6)スクアラン 2
(7)サリチル酸 0.1
(8)クエン酸ナトリウム 0.2
(9)パラフェノールスルホン酸亜鉛 0.2
(10)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(11)塩酸ピリドキシン 0.1
(12)L−メントール 0.05
(13)EDTA3ナトリウム 0.05
(14)セルロース粉末 1
(15)ベントナイト 0.8
(16)精製水 残 余
本製造法により収斂化粧水を製造した。このようにして得られた収斂化粧水は、非常に小さな粒子径であるにもかかわらず、広い温度範囲で長期間安定であった。また、使用に伴って、さっぱり感、浸透感を有していた。
【0050】
実施例2−2 プロテクター乳液
配合量(質量%)
(1)エタノール 10
(2)ポリオキシエチレン(14モル)ポリオキシプロピレン(7モル)
ジメチルエーテル 1.98
(3)1,3−ブチレングリコール 5
(4)ダイナマイトグリセリン 2
(5)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1.39
(6)イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリル 0.59
(7)ジメチルポリシロキサン6mPa・s 2.64
(8)メチルフェニルポリシロキサン 9.5
(9)イソノナン酸イソノニル 1
(10)パラメトキシケイ皮酸オクチル 7.5
(11)オクトクリレン 2
(12)2,4−ビス[[4−(2−エチルヘキサロキシ)−2−ヒドロキシ]
−フェニル−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン 1
(13)ステアリン酸アルミナ処理酸化チタン 5
(14)クエン酸 0.01
(15)クエン酸ナトリウム 0.09
(16)EDTA3ナトリウム・2水和物 0.01
(17)キサンタンガム 0.3
(18)精製水 残 余
本製造法によりプロテクター乳液を製造した。このようにして得られたプロテクター乳液は、非常に小さな粒子径であるにもかかわらず、広い温度範囲で長期間安定であった。また、使用に伴って、さっぱり感、浸透感を有していた。
【0051】
実施例2−3 プロテクター乳液
配合量(質量%)
(1)エタノール 10
(2)ポリオキシエチレン(14モル)ポリオキシプロピレン(7モル)
ジメチルエーテル 1.98
(3)1,3−ブチレングリコール 5
(4)ダイナマイトグリセリン 2
(5)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1.39
(6)イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)グリセリル 0.59
(7)ジメチルポリシロキサン6mPa・s 15.64
(8)トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ) 5
(9)アボベンゾン 2
(10)パルミチン酸デキストリン処理低温焼成酸化亜鉛 10
(11)クエン酸 0.01
(12)クエン酸ナトリウム 0.09
(13)EDTA3ナトリウム・2水和物 0.01
(14)キサンタンガム 0.3
(15)精製水 残 余
本製造法によりプロテクター乳液を製造した。このようにして得られたプロテクター乳液は、非常に小さな粒子径であるにもかかわらず、広い温度範囲で長期間安定であった。また、使用に伴って、さっぱり感、浸透感を有していた。
【0052】
実施例2−4 乳液
配合量(質量%)
(1)ジメチルポリシロキサン 2
(2)ベヘニルアルコール 1
(3)バチルアルコール 0.5
(4)グリセリン 5
(5)1,3−ブチレングリコール 7
(6)エリスリトール 2
(7)ポリオキシエチレン(9モル)ポリオキシプロピレン(2モル)
ジメチルエーテル 3
(8)硬化油 3
(9)スクワラン 6
(10)テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2
(11)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1
(12)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
(13)水酸化カリウム 適 量
(14)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
(15)フェノキシエタノール 適 量
(16)カルボキシビニルポリマー 0.1
(17)精製水 残余
本製造法により乳液を製造した。このようにして得られた乳液は、非常に小さな粒子径であるにもかかわらず、広い温度範囲で長期間安定であった。また、使用に伴って、さっぱり感、浸透感を有していた。
【0053】
実施例2−5 クリーム
配合量(質量%)
(1)流動パラフィン 8
(2)ワセリン 3
(3)ジメチルポリシロキサン 2
(4)ステアリルアルコール 3
(5)ベヘニルアルコール 2
(6)ペンタエリトリット・ポリプロピレングリコール(4モル)
・ポリエチレングリコール(18モル)共重合体テトラメチルエーテル 5
(7)グリセリン 5
(8)トレハロース 1
(9)ステアリン酸処理酸化鉄 0.5
(10)テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4
(11)モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2
(12)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
(13)親油型モノステアリン酸グリセリン 2
(14)クエン酸 0.05
(15)クエン酸ナトリウム 0.05
(16)水酸化カリウム 0.02
(17)油溶性甘草エキス 0.1
(18)酢酸トコフェロール 0.1
(19)パラオキシ安息香酸エステル 適 量
(20)フェノキシエタノール 適 量
(21)ジブチルヒドロキシトルエン 適 量
(22)エデト酸3ナトリウム 0.05
(23)4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.01
(24)パラメトキシ桂皮酸オクチル 0.1
(25)β−カロチン 0.01
(26)ポリビニルアルコール 0.5
(27)ヒドロキシエチルセルロース 0.5
(28)カルボキシビニルポリマー 0.05
(29)精製水 残 余
(30)香料 適 量
本製造法によりクリームを製造した。このようにして得られたクリームは、非常に小さな粒子径であるにもかかわらず、広い温度範囲で長期間安定であった。また、使用に伴って、さっぱり感、浸透感を有していた。
【0054】
実施例2−6 ファンデーション
配合量(質量%)
(1)マイクロクリスタリンワックス 1
(2)ジメチルポリシロキサン 15
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 2
(4)1,3−ブチレングリコール 6
(5)グリセリン・ポリプロピレングリコール(3モル)
・ポリエチレングリコール(7モル)共重合体トリメチルエーテル 2
(6)キャンデリラロウ 3
(7)イソステアリン酸 1
(8)エチレングリコール脂肪酸エステル 0.1
(9)ラノリン脂肪酸オクチルドデシル 0.5
(10)2−アルキル−N−カルボキシメチル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 4
(11)ステアリン酸アルミ処理酸化チタン 7.5
(12)硫酸バリウム 5
(13)タルク 3
(14)無水ケイ酸 4
(15)架橋型シリコーン末(トレフィルE−506) 0.1
(16)メタリン酸ナトリウム 0.1
(17)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
(18)酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
(19)ハマメリス抽出液 0.1
(20)シャクヤクエキス 0.1
(21)コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.1
(22)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
(23)パラオキシ安息香酸エステル 適 量
(24)ベンガラ 適 量
(25)黄酸化鉄 適 量
(26)黒酸化鉄 適 量
(27)キサンタンガム 0.2
(28)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
(29)メリロートエキス 2
(30)精製水 残 余
本製造法によりファンデーションを製造した。このようにして得られたファンデーションは、非常に小さな粒子径であるにもかかわらず、広い温度範囲で長期間安定であった。また、使用に伴って、さっぱり感、浸透感を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)油分と水との両方に溶解可能な両親媒性物質と、
(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤と、
(C)油分と、
(D)水と、
(E)疎水性無機粉末と
を含み、
該(E)疎水性無機粉末が内相である油相中に分散していることを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の水中油型乳化組成物において、前記(A)両親媒性物質が、ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体アルキルエーテル又はその誘導体であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物において、油相の粒子径が100〜1000nmであることを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型乳化組成物において、前記(E)疎水性無機粉末の粒子径が5〜100nmであることを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の水中油型乳化組成物において、前記(E)疎水性無機粉末が、疎水化処理を施した酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及びそれらの混合物からなる群から選ばれたものであることを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の水中油型乳化組成物において、前記(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の親水−疎水性バランス(HLB)が6〜9であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の水中油型乳化組成物において、さらにエタノールを1〜15質量%含有することを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の水中油型乳化組成物からなることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項9】
請求項8に記載の皮膚外用剤において、さらにUV−A及び/又はUV−Bの紫外線吸収剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項10】
(A)油分と水との両方に溶解可能な両親媒性物質と、
(B)ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤と、
(C)油分と、
(D)水と
を混合することによって、油中水型(W/O型)の乳化組成物を調製する工程と、
前記工程と同時あるいは前記工程の後に、組成物の油相中に
(E)疎水性無機粉末
を添加・分散する工程と、
前記工程により得られた疎水性無機粉末分散−油中水型(W/O型)乳化組成物中に、(D)水を含む水性処方を添加して、水中油型(O/W型)の乳化系に転相させる工程と
を備えることを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法。

【公開番号】特開2009−102236(P2009−102236A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273497(P2007−273497)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】