説明

水中油型乳化組成物

【課題】べたつきがなく、安定性に優れ、かつ、コク感のある、汚れ落としを主要な、または、副次的な目的とする水中油型組成物を提供すること。
【解決手段】
脂肪酸石鹸が存在し、並びに、下記の成分(1)〜(4)を含有することを特徴とする水中油型乳化組成物を提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。
(1)平均分子量が2000〜25000のポリエチレングリコールを、組成物の0.3〜4.0質量%
(2)HLBが10〜17の非イオン性界面活性剤1種または2種以上を、組成物の0.1〜5.0質量%
(3)HLBが2〜10の非イオン性界面活性剤1種または2種以上を、組成物の0.1〜5.0質量%
(4)固形若しくは半固形油分を含む油相を、組成物の40〜70質量%

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用に用いることが可能な水中油型乳化組成物に関する発明であり、当該組成物は、特に、クレンジングクリームまたはマッサージクリームとして用いることが適している。
【背景技術】
【0002】
化粧料等の皮膚外用組成物として用いられる水中油型乳化組成物のうち、特に、脂肪酸石鹸を配合し、汚れ落としを行うことを、主要な、または、副次的な目的とする製品、例えば、マッサージクリームやマッサージクリームでは、製造時および使用直前まで水中油型の乳化系を保ち、使用時の手圧により乳化を破壊することで、内相の油分を溶出させ、クレンジング効果やマッサージ効果を発揮させることを主眼として開発が行われている。
【0003】
一方、これらの水中油型乳化組成物において、組成物のコクから得られるリッチ感は、製品としての価値を向上させる要素となる。従来は、このコクを付与することを目的として、内相の油分の全体に対する比率や半固形油分の比率を大きくする、等の手段で対応している。
【特許文献1】特開2004−168736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況から、本発明は、べたつきがなく、安定性に優れ、かつ、コク感のある、汚れ落としを主要な、または、副次的な目的とする水中油型組成物を提供することを目的とした発明である。
【0005】
本発明に関連する先行技術である特許文献1には、水含有量が50%以下、ポリヒドロキシ化合物が1〜60%、油分が1〜95%のクレンジング剤について開示されており、当該クレンジング剤は、ゲル化剤を含有せずに油分を安定にゲル化した、透明ないし半透明または乳濁状のクレンジング剤である。しかしながら、当該先行文献のクレンジング剤は、乳化型ではないため、コク感を得ることは困難である。さらに、当該先行文献には、本発明の必須成分であるポリエチレングリコールを用いていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、汚れ落としを主要な、または、副次的な目的とする水中油型組成物において、特定分子量範囲のポリエチレングリコールを配合し、さらに、他の条件を特定範囲とすることにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、脂肪酸石鹸、並びに、下記の成分(1)〜(4)を含有することを特徴とする、水中油型乳化組成物(以下、本乳化組成物ともいう)を提供する発明である。
【0008】
(1)平均分子量が2000〜25000のポリエチレングリコールを、組成物の0.3〜4.0質量%
(2)HLBが10〜17の非イオン性界面活性剤1種または2種以上を、組成物の0.1〜5.0質量%
(3)HLBが2〜10の非イオン性界面活性剤1種または2種以上を、組成物の0.1〜5.0質量%
(4)固形若しくは半固形油分を含む油分を、組成物の40〜70質量%
【発明の効果】
【0009】
本発明により、べたつきがなく、安定性に優れ、かつ、コク感のある、汚れ落としを主要な、または、副次的な目的とする水中油型組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[本乳化組成物の必須含有成分]
(1)脂肪酸石鹸
本乳化組成物においては、通常、皮膚外用に用いることができる脂肪酸石鹸であれば、特に、その種類を限定せずに1種または2種以上を含有させることが可能であり、通常は、当該脂肪酸石鹸の脂肪酸部分の炭素数は12〜22程度、好適には16〜20である。本乳化組成物の製造工程において、脂肪酸石鹸は、前記脂肪酸石鹸の脂肪酸部分の基となる脂肪酸とアルカリ剤(鹸化剤)を別個に添加して系内に共存させ、当該アルカリ剤による当該脂肪酸の鹸化により生成される。当該アルカリ剤としては、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、塩基性アミノ酸、ほう砂、アンモニア、タウリン塩、n−メチルタウリン塩等が挙げられる。
【0011】
このようにして、本乳化組成物に配合される脂肪酸石鹸としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ラウリン酸モノエタノールアミン、ミリスチン酸モノエタノールアミン、パルミチン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸モノエタノールアミン、等を挙げることができる。
【0012】
このようにして配合される脂肪酸石鹸の本乳化組成物における存在量は、本乳化組成物の具体的な形態、他の配合成分との関係に応じて適宜選択可能であり、特に限定されるものではないが、概ね、炭素数が12〜22の脂肪酸石鹸で、組成物の0.3〜3.0質量%、好適には炭素数が16〜20の脂肪酸石鹸で同0.5〜2.0質量%程度である。
【0013】
(2)ポリエチレングリコール
本乳化組成物には、平均分子量が2000〜25000のポリエチレングリコール(以下、特定高分子量ポリエチレングリコールともいう)を含有させることが必要である。当該平均分子量が2000未満であると、組成物にコク感を出すことが難しくなり、25000を超えると、乳化が困難となり、製剤が不安定化する傾向が認められる。
【0014】
特定高分子量ポリエチレングリコールは、1種または2種以上が本乳化組成物に組成物の0.3〜4.0質量%、好ましくは同0.5〜3.0質量%の範囲で配合される。当該配合量が組成物の0.3質量%未満であると組成物にコク感を出すことが難しくなり、同4.0質量%を超えると乳化安定性が低下する傾向が顕著になる。
【0015】
(3)親水性の非イオン性界面活性剤
本乳化組成物にはHLBが10〜17の非イオン性界面活性剤を1種または2種以上、組成物の0.1〜5.0質量%、好適には同0.5〜3.0質量%の範囲で配合される。この配合範囲を外れると、後述する親油性の非イオン性界面活性剤との配合バランスが崩れ、乳化安定性が低下する傾向が強くなる。
【0016】
当該親水性非イオン界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、POE(10〜40)グリセリルモノイソステアレート、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、POE(40〜60)ヒマシ油、POE(30〜100)硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG(40〜60)グリセリル、イソステアリン酸PEG(10〜60)グリセリル、トリオレイン酸PEG(40〜60)グリセリルイソステアリン酸PEG(40〜60)水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-60水添ヒマシ油、ラウリン酸PEG(40〜60)水添ヒマシ油、POE(7〜20)セチルエーテル、POE(10〜50)オレイルエーテル、等を挙げることができる。
【0017】
(4)親油性の非イオン性界面活性剤
本乳化組成物にはHLBが2〜10の非イオン性界面活性剤を1種または2種以上、組成物の0.1〜5.0質量%、好適には同0.5〜3.0質量%の範囲で配合される。この配合範囲を外れると、前述の親水性の非イオン性界面活性剤との配合バランスが崩れ、乳化安定性が低下する傾向が強くなる。
【0018】
当該親油性非イオン界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、POE(3)オレイルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、モノステアリン酸ジグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、POE(2)ノニルフェニルエーテル、パルミチン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ステアリン酸プロピレングリコール、PEG(5〜7)水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG(5〜20)グリセリル、イソステアリン酸PEG(3〜8)グリセリル、トリステアリン酸PEG(3〜15)グリセリル、トリオレイン酸PEG(5〜10)グリセリル、トリイソステアリン酸PEG(10−40)水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG(5〜30)水添ヒマシ油、POEソルビトールステアレート、POEソルビトールイソステアレート、POEソルビトールオレエート、等を挙げることができる。
【0019】
(5)油相
本乳化組成物には、油相を、組成物の40〜70質量%の範囲で配合する。ここで、油相とは、水中油型乳化組成物を製造する場合に、油相として添加する成分の総体のことを意味するものであり、具体的には、主として、油分(流動油分、半固形油分、固形油分)、界面活性剤(液状界面活性剤、半固形界面活性剤、固形界面活性剤)、および脂肪酸を意味するものである。そのほか、油溶性防腐剤、紫外線吸収剤、油溶性薬剤、酸化防止剤、香料を含むことができる。油相が組成物の40質量%未満であると安定性は満足であるものの、メーク落ちが悪く、またのびが重い傾向にあり、70質量%を超えると安定性が悪く、べたついた使用感触となる。
【0020】
本乳化組成物には、上記油相中には、固形若しくは半固形油分が含有されることが必要である。
【0021】
固形若しくは半固形油分とは、融点が常温(20〜25℃程度)以上の油分を意味するものであり、具体的には、例えば、キャンデリラロウ、ミツロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カポックロウ、サトウキビロウ、ホホバロウ、セラックロウ等のロウ類;セチルアルコール、ステアリルアルコール等の、常温で固体の高級アルコール類;カカオ油、硬化ヒマシ油、モクロウ、シアバター等の固体油分、等を例示することができる。
【0022】
本乳化組成物の油相における固形若しくは半固形油分の割合は、油相全体の5.0〜50質量%、好ましくは10〜35質量%である。固形若しくは半固形油分の割合が、油相全体の5.0質量%未満であるとクリームのコクが低下する傾向にあり、50質量%を超えると安定性が低下し、またべたついた使用感となる。
【0023】
上述したように、上記の固形若しくは半固形油分以外に、常温(上記)で液体である液状油分を、油相の構成油分として配合することも可能である。液状油分としては、特に限定されず、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アボガド油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、卵黄油、肝油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液状油脂;オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、トリ−2−エチルヘキサエン酸グリセリン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のイソオクタン酸エステル、ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、オレイン酸イソデシル等のオレイン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のリンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油;流動パラフィン、スクワラン等の液状炭化水素油;等を例示できる。
【0024】
さらに、シリコーン油として、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン、アミノ変性シリコーン油、ポリエーテル変性シリコーン油、カルボキシ変性シリコーン油、アルキル変性シリコーン油、アンモニウム塩変性シリコーン油、フッ素変性シリコーン油、トリメチルシロキシケイ酸等の3次元網状構造を形成し得るシリコーン樹脂、高重合ジメチルポリシロキサン、高重合メチルフェニルシロキサン、高重合メチルビニルポリシロキサン等の高重合メチルポリシロキサン、高重合アミノ変性メチルポリシロキサン等を用いることも可能である。また、シリコーン系界面活性剤として、ジメチコンポリオール等を配合することも可能である。
【0025】
(6)水
本乳化組成物は、水中油型の乳化組成物であり、水の配合は必須である。配合量は、水以外の成分の残量であるが、概ね10〜50質量%の範囲である。
【0026】
[本乳化組成物の一般的配合成分]
本乳化組成物には、上記の必須成分に加えて、化粧料等の皮膚外用組成物において用いられる一般的な成分を、本発明の効果を本質的に損なわない、質的または量的範囲内において配合することができる。当該一般的成分としては、例えば、上記以外の界面活性剤、粉末成分、抗菌剤、薬剤成分、清涼剤、増粘剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、色素等を例示することができる。
【0027】
[本乳化組成物の製造]
本乳化組成物は、常法の乳化組成物の製造方法、具体的には、水中乳化剤法、油中乳化剤法、交互添加法等によって製造することが可能である。
【0028】
上述したように、本乳化組成物は、水中油型乳化組成物であり、その限りでクリーム状、乳液状のいずれであってもよいが、汚れ落としを主要な、または、副次的な目的とする製品に適用するのが適している。最も好適な本発明の適用対象は、化粧落としのためのクレンジングクリーム、顔面等をマッサージするためのクリームである。メイク落しやマッサージの際に、手と肌の間のクッションとなって、摩擦等の刺激による肌の負担を減らすことができる。
【0029】
このような形態をとり得る本乳化組成物における、上記の必須成分以外の主要な任意成分としては、例えば、水相成分として、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、低分子量のポリエチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ピロリドンカルボン酸ソーダ、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の保湿剤の1種または2種以上を、水相全体の5.0〜50質量%、好ましくは10〜35質量%;ベントナイト、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、POP,POE系増粘剤等の増粘剤を、水相全体の0.2〜2.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%;メチルパラベン、ヒビテングリコレート、フェノキシエタノール等の水溶性防腐剤;その他、水溶性薬剤、生薬、殺菌剤、金属封鎖剤、染料、顔料粉末等を挙げることが可能であり、これらを本乳化組成物中に、必要に応じて配合することができる。
【実施例】
【0030】
以下、本発明を実施例により具体的に記載するが、本発明の範囲を限定するものではない。なお、ここにおける配合量は質量%である。
【0031】
[試験例]
1.試験品の処方
本発明の効果を検証するために、表1に示す水中油型クリームの処方を組み、「安定性」、「延ばし始めのコク」および「拭き取り後のべたつき」についての評価を、下記2.に示す基準に基づき行った。その結果も併せて表1に記載する。
【0032】
表1に示した各試験品の水中油型クリームは、油相部(油分、脂肪酸、非イオン界面活性剤、および香料)と水相部(油相部以外)を、それぞれ70℃にて完全溶解し、油相部を水相部に添加し、乳化器を用いて乳化を行い、その後、当該乳化物を、熱交換器にて終温35℃まで冷却した後に、器への充填を行い、製造した。
【0033】
2.評価基準
(1)安定性
各被験サンプルを、0℃、50℃および室温で、1ヶ月間放置し、当該サンプルの外観、状態、色、匂い等を検討して、下記の基準に基づき総合的に判断した。
○: 初期状態から変化しない。
△: 乳化粒子の合一がやや見られるが、安定性は問題ないと考えられる。
×: 安定性が非常に悪く、特に50℃で分離が見られる。
【0034】
(2)塗布・マッサージ時のコク
手のひらに2.5gとり顔にのばしたときの官能評価であり、基本処方との比較により評価した(表1における基本処方の評価の欄は、「−」と記載した)。
○: 非常にコク感を感じる
○△: 基本処方よりコク感を感じる
△: 基本処方と同等のコクを感じる。
×: コクが感じられず、延ばし始めが軽い。
【0035】
(3)拭き取り後のべたつき
適量を顔になじませたあと、ティッシュで拭き取り、そのあと残り感を評価した。
○: べたつきが残らず、ほどよくしっとりとした感触が残る。
△: 若干のべたつきが残る。
×: ティッシュで何度もこすりたくなるようなべたつきが残る。
【0036】
【表1】

【0037】
この結果により、比較例1および2のように、処方における油相の相対量を増量する、固形ないし半固形油分を増量する、といった手段を講じた場合は、拭き取り後のべたつきの問題や、安定性が悪化する等の問題が認められた。また、低分子量で、常温で液状のポリエチレングリコール1000(平均分子量950〜1050)を用いた場合、3.0%以下ではコク感が感じられず、5.0%以上では安定性が悪くなった(比較例3および4)。また、高分子量で、常温で固体のポリエチレングリコール4000(平均分子量3000〜3700)を用いた場合、3.0%配合することで十分なコク感が得られた(実施例1)。4.0%を超えると乳化が不安定となった(比較例5)。
【0038】
同様に、ポリエチレングリコール6000(平均分子量6000〜7500)、11000(平均分子量9300〜12500)、20000(平均分子量15500〜25000)を用いて検討し、上記のような結果が得られた(実施例2〜4)。
【0039】
以下、本発明の処方例を開示する。なお、下記の処方例において、脂肪酸とアルカリ剤は、鹸化により脂肪酸石鹸として最終製品中に存在する。
【0040】
[処方例1] クレンジングクリーム
配合成分 配合量(質量%)
(A)
ミネラルオイル 41.0
オレフィンオリゴマー 9.0
ワセリン 4.0
マイクロクリスタリンワックス 1.0
ベヘニン酸 1.0
ステアリルアルコール 2.0
スクワラン 0.5
ステアリン酸PEG(30) 1.2
PEG(10)水添ヒマシ油 0.9
ステアリン酸モノグリセリド 0.5
香料 適量
(B)
1,3-ブチレングリコール 5.5
水酸化カリウム 0.1
防腐剤 適量
キサンタンガム 0.04
ポリエチレングリコール4000 3.0
キレート剤 適量
イオン交換水 残余
<製造方法>
油相部Aおよび水相部Bを70℃にて完全溶解し、AをBに添加し乳化器にて乳化する。乳化物を熱交換器にて終温35℃まで冷却したのち充填を行う。
【0041】
[処方例2] クレンジングクリーム
配合成分 配合量(質量%)
(A)
オレフィンオリゴマー 35.0
ビーズワックス 3.0
ワセリン 10.0
トリエチルヘキサノイン 2.0
ステアリン酸 1.0
ステアリルアルコール 2.0
スクワラン 5.0
イソステアリン酸PEG(40)水添ヒマシ油 1.8
モノステアリン酸ジグリセリル 0.2
ステアリン酸PEG(5)グリセリル 0.7
香料 適量
(B)
プロピレングリコール 2.0
グリセリン 3.0
水酸化カリウム 0.1
防腐剤 適量
キサンタンガム 0.01
ポリエチレングリコール6000 2.5
キレート剤 適量
イオン交換水 残量
<製造方法>
処方例1に準ずる。
【0042】
[処方例3] クレンジングクリーム
配合成分 配合量(質量%)
(A)
ミネラルオイル 40.5
エチルヘキサン酸セチル 9.0
ワセリン 7.0
ジメチコンコポリオール 2.0
ステアリン酸 1.3
ステアリルアルコール 1.0
バチルアルコール 1.0
スクワラン 0.5
PEG(30)水添ヒマシ油 1.5
ステアリン酸PEG(5)グリセリル 1.1
香料 適量
(B)
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 3.0
水酸化ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
カルボマー 0.04
ポリエチレングリコール11000 1.5
キレート剤 適量
イオン交換水 残量
<製造方法>
処方例1に準ずる。
【0043】
[処方例4] クレンジングクリーム
配合成分 配合量(質量%)
(A)
ミネラルオイル 20.0
エチルヘキサン酸セチル 9.0
ワセリン 5.0
トリエチルヘキサノイン 2.0
ステアリン酸 1.0
ステアリルアルコール 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
スクワラン 20.0
POE(60)硬化ヒマシ油 1.2
ステアリン酸ソルビタン 1.2
香料 適量
(B)
ジプロピレングリコール 5.0
水酸化カリウム 0.1
防腐剤 適量
カルボマー 0.04
ポリエチレングリコール20000 1.0
キレート剤
イオン交換水 残量
<製造方法>
処方例1に準ずる。
【0044】
[処方例5] マッサージクリーム
配合成分 配合量(質量%)
(A)
スクワラン 25.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 5.0
硬化パーム油 5.0
マイクロクリスタリンワックス 3.0
ステアリルアルコール 1.5
ベヘニルアルコール 0.5
ステアリン酸 2.0
ステアリン酸モノグリセリド 1.3
ステアリン酸PEG(5)グリセリル 2.8
POE(20)ソルビタンモノステアレート 0.5
香料 適量
(B)
グリセリン 4.0
イソプロピレングリコール 2.0
ポリエチレングリコール400 3.0
ポリエチレングリコール20000 1.1
水酸化ナトリウム 0.03
水酸化カリウム 0.07
カルボマー 0.03
キレート剤 適量
防腐剤 適量
イオン交換水 残余
<製造方法>
処方例1に準ずる。
【0045】
[処方例6] マッサージクリーム
配合成分 配合量(質量%)
(A)
ミネラルオイル 28.0
ワセリン 5.0
固形パラフィン 4.0
セチルアルコール 1.5
ステアリルアルコール 1.5
ステアリン酸 0.8
パルミチン酸 1.2
自己乳化型ステアリン酸モノグリセリド 2.0
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 2.5
香料 適量
(B)
プロピレングリコール 5.0
ソルビット液 5.0
トリエタノールアミン 2.2
カルボマー 0.04
キサンタンガム 0.01
ポリエチレングリコール6000 1.7
防腐剤 適量
キレート剤 適量
イオン交換水 残余
<製造方法>
処方例1に準ずる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪酸石鹸が存在し、並びに、下記の成分(1)〜(4)を含有することを特徴とする、水中油型乳化組成物。
(1)平均分子量が2000〜25000のポリエチレングリコールを、組成物の0.3〜4.0質量%
(2)HLBが10〜17の非イオン性界面活性剤1種または2種以上を、組成物の0.1〜5.0質量%
(3)HLBが2〜10の非イオン性界面活性剤1種または2種以上を、組成物の0.1〜5.0質量%
(4)固形若しくは半固形油分を含む油相を、組成物の40〜70質量%
【請求項2】
前記水中油型乳化組成物において、固形若しくは半固形油分の含有量が、油相全体の5.0〜50質量%であることを特徴とする、請求項1記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
前記水中油型乳化組成物が、クレンジングクリームまたはマッサージクリームであることを特徴とする、請求項1または2記載の水中油型乳化組成物。

【公開番号】特開2008−247756(P2008−247756A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87806(P2007−87806)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】