説明

水処理用フィルター

【課題】水道水中の残留塩素の分解をはじめとして、水道水源となる地下水や伏流水などに含まれる懸濁物質及び溶存性有機物の除去を目的とした水の浄化において、長期間にわたり高い浄水性能を維持するとともに、懸濁物質による目詰まりを解消し、十分な通水量を確保するための効率的な逆洗が可能である水処理用フィルターを提供する。
【解決手段】水処理用フィルターであって、乾式法により得られるとともに成型密度0.10〜0.45g/cmである活性炭繊維層により円筒状の活性炭部2が構成され、活性炭部2の外層に膜厚み0.1〜5.0mmであるろ過膜部3が配置されて、両者が一体化されている。粒子径10〜0.05μmの微粒子に対する捕捉効率が90%以上である。活性炭部2の内側からろ過膜部3へ処理水あるいはエアを逆流させることにより、ろ過膜部3に付着した被捕捉物質を除去することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水処理用フィルターに関し、特に、水道水中の残留塩素の分解をはじめ、水道水源となる地下水や伏流水などに含まれる懸濁物質及び溶存性有機物の除去を目的とした産業用水の浄化において、活性炭繊維による高い吸着性能とろ過膜による懸濁物質捕捉性能との複合により、長期間にわたり高い浄水性能を維持するとともに、懸濁物質による目詰まりを解消し、十分な通水量を確保するための効率的な逆洗が可能である水処理用フィルターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、食品関係やエレクトロニクス等の分野での産業用水浄化装置や、家庭用浄水器において、溶存性有機物の除去や残留塩素の分解などに、活性炭カートリッジフィルターが多用されている。
【0003】
最近では、これらカートリッジフィルターは、活性炭を高密度で充填させることにより溶存性有機物に対する吸着性能を高めていることに加えて、赤錆や細菌などのミクロサイズの懸濁物質を除去するための構造を有していることが一般的となっている。
【0004】
その構造としては、活性炭ろ過層に中空糸ろ過膜を束ねた層を設けるなど、ろ過膜を複合させたものや、活性炭を焼結させたブロックカーボンなどが知られている。しかし、これらの構造のカートリッジフィルターにおいては、高濁度の水に対して、すぐに目詰まりを起こし、十分な通水量を確保できない。また、中空糸ろ過膜を複合させた浄水器では、その脱塩素水道水が滞留する部位に微生物が増殖することが確認されている。
【0005】
中空糸ろ過膜等の分離膜を活性炭と組み合わせた浄水器において、上記の問題を解決するために、洗浄水を逆方向に流して活性炭と中空糸膜を逆洗する技術が、特許文献1において提案されている。
【0006】
しかしながら、分離膜を活性炭と組み合わせた浄水器においては、通常、分離膜の前段に活性炭層があることから、逆洗を行う場合には、分離膜にて除去された微細な懸濁物質が活性炭層内に流れ込むことによって逆汚染が引き起こされるなど、活性炭層が障害となって、効率的な逆洗を行えない。また、前段の活性炭層における懸濁物質の捕捉に関し、比較的大きな粒子は活性炭層表面で捕捉されるが、細かな粒子は活性炭層のより内側で捕捉されるデプスろ過であるため、層内に捕捉された微粒子は洗浄によっても層外に押し出されにくく、逆洗の効果をあまり期待できない。
【0007】
逆洗効果を高めるために、前段の活性炭層を薄くしたり低密度にすることが考えられるが、その方法では、カートリッジフィルターに本来求められる吸着性能の低下に繋がり、全く有効ではない。
【0008】
また、これらの問題を解決するため、特許文献2においては、逆洗に要する時間や逆洗水量を低減して稼働率を上げるための洗浄方法が検討されている。これは、中空糸ろ過膜に脈動を与えて、圧密化した活性炭を上下動させるだけでなく塊を崩して対流撹拌させるようにしたものである。このため、逆洗と非逆洗のサイクルを繰り返すことにより洗浄効果を倍加させることができる。しかし、この場合に、活性炭層は、成形されていない粒状あるいは粉末状とする必要がある。そのため、活性炭は、相互接触等によって一部が破砕され、粉化し、後段の処理工程への流出の懸念がある。また、分離膜としての中空糸ろ過膜からの逆汚染を防止する必要があるうえに、逆洗に比較的長い時間を要する。しかも、逆洗と非逆洗のサイクルを効率的に複数回繰り返すために、複数以上の浄水器を備える必要があり、このため装置は複雑でかつ大きなものとなる。
【0009】
特許文献3においては、内側の炭素系フィルターと外側の交換可能なプリーツ状フィルターとを組み合わせて、外側フィルターは粒子により詰まりを生じたときに取り外されて清浄化もしくは交換することができるようにしたフィルタアセンブリが提案されている。
【0010】
しかしながら、この場合も、長期的に使用するためには、外側のフィルターの交換が必要となり、連続的な水処理が困難であるほか、先に述べたように外側のフィルターを通過した微細な粒子が内側の炭素系フィルターに捕捉され目詰まりが発生する。また、特許文献3では、溶存性有機物に対する吸着性能を高めるため、炭素系フィルターを加圧成型ブロックとしているが、このような高密度化フィルターの場合は微細な粒子による目詰まりがさらに加速されるので、活性炭とろ過膜との一体化の効果は低減する。
【0011】
また、特許文献3に記載の技術と逆洗浄操作とを単純に組み合わせたのみでは、逆洗時に内側の炭素系フィルター層を通ったエアや洗浄水が均一にプリーツ状フィルターへ伝わるようにすることが考慮されておらず、したがってこれらは自然とエアみちや水みちを通り、プリーツ状フィルターの洗浄効果が上がらない。しかも、逆洗時にプリーツ状フィルターが膨らみ、破断するなど問題が生じやすい。
【特許文献1】特許第3627253号公報
【特許文献2】特開平10−192668号公報
【特許文献3】特表2005−524525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、水道水中の残留塩素の分解をはじめとして、水道水源となる地下水や伏流水などに含まれる懸濁物質及び溶存性有機物の除去を目的とした水の浄化において、長期間にわたり高い浄水性能を維持するとともに、懸濁物質による目詰まりを解消し、十分な通水量を確保するための効率的な逆洗が可能である水処理用フィルターを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、次の構成を有するものである。
第一の本発明は、乾式法により得られるとともに成型密度0.10〜0.45g/cmである活性炭繊維層により円筒状の活性炭部が構成され、前記活性炭部の外層に膜厚み0.1〜5.0mmであるろ過膜部が配置されて、両者が一体化されており、粒子径10〜0.05μmの微粒子に対する捕捉効率が90%以上であり、かつ、前記活性炭部の内側からろ過膜部へ処理水あるいはエアを逆流させることにより、ろ過膜部に付着した被捕捉物質を除去することが可能であることを特徴とする水処理用フィルターを要旨とするものである。
【0014】
第二の本発明は、第一の本発明において、活性炭部が、40〜95質量%の活性炭繊維と60〜5質量%のバインダー繊維とを開繊混合してなるカードウェブを積層して熱処理する乾式法と、40〜95質量%の活性炭繊維と60〜5質量%のバインダー繊維とをエアレイ処理して得られるエアレイウェブを積層して熱処理する乾式法と、40〜95質量%の活性炭繊維と60〜5質量%のバインダー繊維とを含むカードウェブおよびエアレイウェブを結合してなる複合不織布を積層して熱処理する乾式法とのいずれかにより円筒状に成型されたものであることを要旨とするものである。
【0015】
第三の本発明は、第一または第二の本発明において、ろ過膜部が、単層あるいは2〜20層の積層された合成繊維ろ布を備え、前記単層あるいは積層された合成繊維ろ布は、JIS−L1096に準拠した破裂試験を行ったときの破裂強力が25kPa以上であることを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0016】
これまで、水処理用フィルターを長期にわたって使用するときには、フィルター層内の目詰まりなどについて、原水の水質が大きく影響したが、本発明によれば、水道水のほか、水道水源となる地下水や伏流水などに含まれる懸濁物質、溶存性有機物の除去および残留塩素の分解を目的とする産業用水処理において、活性炭繊維による高い吸着性能とろ過膜による懸濁物質捕捉性能との複合化を達成でき、かつ効率的な逆洗が可能な水処理用フィルターを得ることができ、これによって、長期間にわたり高い浄水性能を維持することができるとともに、懸濁物質による目詰まりを解消して、十分な通水量を確保することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2は本発明の実施の形態の水処理フィルターの一部切欠正面図および斜視図である。この水処理フィルターは、図示のように、最内層に円筒状で通水性を有する支持体1が配置され、その外側に円筒状の活性炭部2が配置され、さらに最外層にろ過膜部3が形成されている。被処理水は、ろ過膜部3を通過したうえで活性炭部2を通過し、それによってフィルター処理が行われる。
【0018】
図3は、図1および図2に示される水処理フィルターを組み込んだ水処理装置の例を示す図である。
【0019】
図1および図2に示す水処理フィルターの活性炭部2は、乾式法による活性炭繊維層から得られるものである。活性炭部2を構成する活性炭繊維は、ピッチ系、アクリル系、フェノール系等、特に限定されないが、活性炭繊維の製造のし易さの点からピッチ系が好ましい。また、活性炭繊維の直径は、10〜25μmであることが好ましく、13〜18μmがより好ましい。直径が10μm未満の場合は、活性炭繊維の強度が小さくなり、25μmを超える場合は、活性炭繊維の伸度が小さくなるからである。活性炭繊維の長さは、3mm〜200mmが好ましく、5mm〜100mmがより好ましい。長さが3mm未満の場合は、乾式法における成型性が良好でなく、さらに逆洗の繰り返しによりに脆くなって活性炭屑が発生しやすく、発生した活性炭屑が処理水側に流れ出す場合がある。反対に200mmを超える場合は、乾式法における成型性が良好でなく、さらに通水時に被処理水と活性炭繊維との接触効率が低下し、活性炭部2におけるフィルター処理の対象である溶存性有機物あるいは残留塩素の分解性能の低下に繋がる。
【0020】
活性炭繊維は、通常の方法で不融、賦活処理して微細孔を形成したものであって、比表面積がBET法による測定値で500m/g以上のものが好ましく、1400m/g以上のものが特に好ましい。これは、BET比表面積が大きいものであるほど、溶存性有機物や残留塩素の除去性能が著しく向上し、通水速度を速くしても性能低下が認められないためである。比表面積が500m/g未満であると、微細孔が小さくなり過ぎて、溶存性有機物あるいは残留塩素の除去性能が低くなり、処理水中へのリークが早期に起こる。
【0021】
活性炭部2が活性炭繊維を主体として乾式法で得られることが必要である理由は、湿式抄造法(抄紙法)や湿式成型法では、目付が大きく、成型密度が高くなるため、高い浄水性能を維持できるが、ろ過膜部を透過した微細な粒子が活性炭層内に捕捉されてしまい、このため逆洗により被捕捉物質を活性炭層外へ追い出すことが困難となり、洗浄効果を最大限に発揮することができないためである。活性炭部が粒状活性炭や粉末活性炭で構成されれば、その傾向はさらに大きくなる。また、湿式法による活性炭は、製造工程において水中での叩解および分散時に活性炭が非常に微細となり、フィルターとして長期間の通水に供した場合に、経時劣化することによって、さらに微細化した活性炭屑が処理水中に除々に流れ出すことによって、フィルターの形状保持性に問題が生じる。そのため、湿式抄造法においては、抄紙後に再熱プレス加工を実施したり、湿式成型法ではバインダー量を増加させたり、活性炭部の強度をアップさせたりすることが行われるが、その場合は、目詰まりの懸念がより一層強くなる。これに対し、本発明の乾式法による活性炭部2では、活性炭繊維やバインダー繊維が比較的長い繊維の状態で活性炭部2を構成でき、このため活性炭部2が十分な強度を保つことができるとともに、ろ過膜部3を透過した微細な粒子は活性炭部2に捕捉され難くしたがって処理水側に出て行くため、長期間の通水による目詰まりが発生しにくい。さらに比表面積が大きく、吸着容量の大きな活性炭繊維の場合は、活性炭部2を高い成型密度で構成しなくとも高い浄水性能を維持することが可能である。そのため、懸濁物質による目詰まりが発生しにくく、かつ逆洗時の洗浄水やエアが活性炭部2を抜けてろ過膜部3へ伝わりやすい活性炭部2を成型することが可能であり、効果的な逆洗が可能となる。
【0022】
乾式法としては、活性炭繊維とバインダー繊維を開繊混合してなるカードウェブの複数枚を積層して熱処理する方法や、活性炭繊維とバインダー繊維を混合し、エアレイ処理を行い、エアレイウェブを熱処理する方法や、カードウェブおよびエアレイウェブを結合して複合不織布としたうえで熱処理する方法などが挙げられる。こうして得られた活性炭繊維シートを鉄芯等にスパイラル状に巻き付けた後、熱処理を施して円筒状の活性炭部を成型することができる。
【0023】
活性炭部の成型密度は、0.10〜0.45g/cmであることが必要であり、0.15〜0.40g/cmであることが好ましい。このような密度で成型するためには、活性炭繊維シートの巻き取りにより円筒状に形成する際に、その活性炭繊維シートに応じて巻き取り張力を1〜7kg/幅で制御することが好ましい。1kg/幅未満の、巻き取り張力がほとんど掛からない状態では、成型密度が非常に低く、このため、軟らかく、強度も低い成型体となりやすい。巻き取り張力が7kg/幅を超えると、活性炭繊維シートが伸び、このため幅が狭くなったり切れたりする。また、成型密度が0.10g/cm未満であると、浄水性能のレベルは非常に低いものとなる。反対に成型密度が0.45g/cm以上であると、活性炭部2において繊維間が密となり、粒状活性炭や他の成型方法によるものと同様に活性炭部2において懸濁物質による目詰まりが発生しやすくなり、逆洗時においてもエアや洗浄水を均一にろ過膜部へ伝えることができず、自然とエアみちや水みちを通り、洗浄効果が低下する。
【0024】
活性炭部2を構成する活性炭繊維シートの活性炭繊維混率は、40〜95質量%であることが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましい。活性炭繊維の混率が40質量%より低いと、溶存性有機物の吸着性能あるいは残留塩素の分解性能が低く、95質量%より高いと、活性炭部2を円筒状に形成する目的で活性炭繊維どうしを接着するためのバインダーの配合割合が少なくなり活性炭繊維の脱落が発生しやすい。
【0025】
ここで用いられるバインダー繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、エチレンビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレン等いかなるものでも良いが、活性炭部2の成型性を向上させるために、熱融着可能な、低融点ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル繊維等の合成繊維が好ましい。あるいは低融点のポリエステルやポリオレフィンなどからなる海島構造や芯鞘構造の複合繊維等であっても良い。バインダー繊維の配合割合は、60〜5質量%であることが好ましく、25〜10質量%であることがより好ましい。
【0026】
すなわち、活性炭部2は、40〜95質量%の活性炭繊維と60〜5質量%のバインダー繊維とを含むものであることが好ましく、75〜90質量%の活性炭繊維と25〜10質量%のバインダー繊維とを含むものであることがより好ましい。
【0027】
活性炭部2を構成する活性炭繊維シートは、厚みが0.1〜5.0mm、シート目付が20〜300g/mであることが好ましい。シートが薄すぎると、長期間の通水において、処理時の水流や逆洗時の水流やエア流等による衝撃により形状を保持できなくなる。反対にシートが厚すぎる場合は、容器に収容可能なカートリッジの形に成形することから成形時に低密度となってしまい、活性炭部2における活性炭繊維の総含有量が少なくなって、有機物吸着量や残留塩素除去性能が低下する。また、目付が20g/m未満または300g/mを超えると、円筒状の活性炭部の成型性が不良となる。目付が大き過ぎると、成型密度が高くなるため、前述の通り、逆洗による洗浄効果の低下に繋がる。
【0028】
本発明の水処理用フィルターは、上述のように、その最内層に多孔質性の支持体1を設けてもよい。この支持体1は水処理用フィルターに強度を与えるものである。材質としては、有機材料、無機材料等、特に限定はされないが、軽量化しやすい点から、有機繊維が好ましい。多孔質性の支持体1の素材は、特に限定されるものではないが、加工性のよい熱融着性を有する繊維の織物あるいは不織布であることが好ましく、目付けが10〜100g/mのものが好ましい。逆洗時のエアレーション操作による気泡や水流が活性炭部2に激しく衝突したりするので、支持体1は、そのような衝撃にも十分に耐える強度を備えていることが望ましい。また、この多孔質性の支持体1が、逆洗時のエアや水流を微細化し、ろ過膜部3へバランスよく伝えることにより、逆洗効率を高めるという効果を与えることができる。
【0029】
ろ過膜部3は、合成繊維ろ布にて構成することが好適である。この合成繊維ろ布は、セルロース繊維、セルローストリアセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維からなる織編物や不織布であることが好適で、10μm〜0.05μmの範囲内の粒子に対する捕捉性を有していることが必要である。その厚みは、薄すぎるとろ過膜としての強度を保ちにくくなり、また、極端に厚いと透水量が低下しがちになるため、0.05mm〜1mmの範囲にあるのが好ましい。より好ましいのは、0.1〜0.5mmの範囲である。
【0030】
さらにろ過膜部3は、合成繊維ろ布を活性炭部2の外周にスパイラル状に巻き付けることにより、二重、三重と積層させることができる。また、このように積層した合成繊維ろ布どうしの間に、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エチレンビニルアルコールなどのホットメルト接着剤あるいは一定の強度を有する熱融着性繊維の織物あるいは不織布を挟んでも良い。積層後のろ過膜部3の厚みは0.1〜5.0mmであることが必要であり、0.15〜2.0mmであることが好ましい。0.1mmより薄ければ、ろ過膜としての強度を保ちにくくなり、逆洗時のエアレーション操作による気泡や水流がろ過膜部3に激しく衝突する際の衝撃に十分に耐えることができない。5.0mmより厚ければ、微粒子がろ過膜部内で捕捉されるため、逆洗時にろ過膜部より捕捉された微粒子が追い出されにくくなり、逆洗の効果が低下する。
【0031】
逆洗の効果を高めるためには、可能な限りろ過膜部3の表層で微粒子を捕捉させることが望ましく、積層数は少ないほど望ましい。ただし、微粒子の捕捉効率を高め、かつろ過膜部の強度を高めるために、合成繊維ろ布を複数積層させる方法も有効であり、その場合、後述の実施例から明らかなように積層数は20層以下であることが望ましい。また、ろ過膜部3は、逆洗時のエアレーション操作による気泡や水流の衝撃に対する耐久性を有している必要があり、JIS−L1096に準拠して破裂試験を行ったときに、破裂強力が25kPa以上であることが望ましい。25kPa未満であれば、逆洗における衝撃に対する耐久性が不足し、ろ布の破断が起こりやすくなる。
【0032】
ろ過膜部3は、粒子径10〜0.05μmの微粒子の捕捉効率が90%以上であることが必要である。この捕捉効率が90%に満たないときは、ろ過膜部3を抜ける微粒子が多くなり、活性炭部2が目詰まりすることによって、長期間にわたり十分な通水量を確保することが不可能となる。本発明の水処理用フィルターにおいて、長期間にわたり十分な通水量を確保するとともに高い微粒子除去性能を維持するために、上記の粒径範囲の微粒子をろ過膜部3の表層で捕捉させることが望ましく、微粒子の捕捉効率が99.9%以上であることがより望ましい。
【0033】
ここで言う捕捉効率とは、超純水に平均粒径5μmの精製カオリンを10ppmの濃度になるように分散させてなる原水を用い、この原水を撹拌しながら温度25℃でろ過膜部3を透過させ、原水と透過水とについて一定の粒径範囲(例えば、1〜5μm)でそれぞれ求めた粒子の個数より、次式によって求めたものである。
【0034】
捕捉効率=[(原水中の特定粒径範囲の微粒子個数−透過水中の特定粒径範囲の微粒子個数)/原水中の特定粒径範囲の微粒子個数]×100
【0035】
逆洗時のエアレーション操作による気泡や水流を効率よく均一にろ過膜部3の内面に伝えるために、活性炭部2とろ過膜部3との間にスペーサーを挟んでも良い。スペーサーとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂製の網目シートが望ましく、水処理用フィルターの加工性に影響するため、その厚みは0.1mm〜1mmであることが好ましい。
【0036】
本発明の水処理用フィルターにおいては、活性炭部2の外周へろ過膜部3を巻きつけて一体化した後は、水処理用フィルター端面からのリークが無いように、エンドキャップ4などを接着することによって十分にシール性を確保する必要がある。エンドキャップ4には、例えばステンレス、ゴム、樹脂などの、長期の通水に耐え得るもの、耐薬品性や耐熱性を有するものが、特に望ましい。エンドキャップ4の接着には、ウレタン樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、イソシアネート系樹脂接着剤などの、長期の通水の際の耐久性を有し、かつ樹脂単独でフィルターの端面のシール性が高いものが望ましい。
【実施例】
【0037】
活性炭部2の製法例について説明する。
I.カードウェブ法:
活性炭繊維(BET比表面積1725m/g:ユニチカ社製、品名;アドール A−15)およびユニチカ社製バインダー繊維「品名;メルティ4080」を後述の割合で供給して開繊と混合によりウエブを形成し、その後にニードルパンチ処理および熱処理を施して、目付け50〜300g/mの活性炭繊維シートを得た。次いで、所定のサイズの鉄芯等に、ユニチカ社製メルティ4080不織布をスパイラル状に巻き付け、最内層とした後、その外周に前記活性炭繊維シートを同様にスパイラル状に巻き付け、熱処理を施した。これにより、不織布によって支持体1を形成するとともに、所定の外径の円筒状の活性炭部2を成形した。
【0038】
II.エアレイウェブ法:
上記と同様の活性炭繊維(A−15)とユニチカ社製メルティ4080とを後述の割合で混綿させた混綿体を、送綿循環ダクトに供給したうえで、回転する筒状スクリーンから、その混綿繊維を排出させた。排出された繊維を、サクション装置を有しかつ一定速度(例えば100m/分)で運転するネットコンベアで捕集しながら、エアレイウェブを得た。次いで、このエアレイウェブに熱プレスローラーにより熱処理を施して、目付が50〜300g/mの活性炭繊維シートを得た。次いで、ユニチカ社製メルティ4080不織布を最内層に配し、前記活性炭繊維シートとともに鉄芯等にスパイラル状に巻き付けた後、熱処理を施して円筒状に成型し、活性炭部2とした。
【0039】
III.湿式成型法:
上記と同様の活性炭繊維(A−15)と、フィブリル化した合成繊維バインダー(東洋紡績社製アクリルバインダー「ビィパル」)とを、水槽中に後述の割合で供給し、混合、分散させた。次に、その浴槽中に円筒状の成型用金型を浸漬し、ユニチカ社製メルティ4080不織布による支持体を通して吸引することにより所定形状に成型した。その後、乾燥、固化させて活性炭部とした。
【0040】
ろ過膜部3について具体的に説明する。
ろ過膜部3は、前述の通り成型された活性炭部2の外周に配置されて一体化されるものであるが、表1に示した構成繊維を用いたエアレイ不織布によって構成した。表1において、PPはポリプロピレンを表わし、PETはポリエチレンテレフタレートを表わし、PEはポリエチレンを表わす。ろ過膜A〜EおよびGは、その不織布のみを積層させた物であり、ろ過膜Fは、熱融着PP繊維エアレイ不織布とPET/PE芯鞘繊維エアレイ不織布とを2層複合して、表1に示す厚みまで積層させたものである。表1には、ろ過膜A〜Gの破裂強力とろ過膜A〜Gのみの粒子捕捉効率なども合わせて示す。
【0041】
【表1】

【0042】
次に、表2を参照して、本発明の実施例および比較例について詳細に説明する。
【0043】
(実施例1)
活性炭繊維(A−15)とバインダー繊維(メルティ4080)とを、質量比が(活性炭繊維)/(バインダー繊維)=85/15の割合となるように供給して、開繊と混合によるカードウェブ法により、目付80g/m、厚み0.75mmの活性炭繊維シートを作製した。この活性炭繊維シートを、ユニチカ社製メルティ4080不織布からなる最内層の支持体1にスパイラル状に巻き付け、熱処理を施して外径約114mmの円筒状に成型し、成型密度0.20g/cmの活性炭部2を得た。さらにその最外層部に、表1に示すろ過膜Aを、表1に示すようにスパイラル状に5層に巻き付けて積層させることにより、ろ過膜部3を形成した。その後、樹脂ネットでろ過膜を固定したのち、熱硬化型のエポキシ樹脂を用いてフィルター端面にステンレス製プレートをエンドキャップ4として接着し、フィルター端面を完全にシールした。これにより、活性炭部2とろ過膜部3とを一体化させて、実施例1の水処理用フィルターを得た。
【0044】
【表2】

【0045】
(実施例2)
活性炭繊維(A−15)とバインダー繊維(メルティ4080)とを、質量比が(活性炭繊維)/(バインダー繊維)=85/15の割合となるようにして、エアレイウェブ法により、目付90g/m、厚み0.50mmの活性炭繊維シートを作製した。このシートを用い、実施例1と同様にして外径約114mmの円筒状に成型し、成型密度0.24g/cmの活性炭部2を得た。さらに、最外層部に、表1に示すろ過膜Bを、表1に示すようにスパイラル状に2層に巻き付けて積層させることにより、ろ過膜部3を形成した。そして、それ以外は実施例1と同様にして、実施例2の水処理用フィルターを得た。
【0046】
(実施例3、4)
最外層部に、表1に示すろ過膜C(実施例3)およびろ過膜D(実施例4)を、それぞれ表1に示すようにスパイラル状に2層(実施例3)および12層(実施例4)に巻き付けて積層させることにより、ろ過膜部3を形成した。そして、それ以外は実施例2と同様にして、実施例3および実施例4の水処理用フィルターを得た。
【0047】
(実施例5)
最外層部に、表1に示すろ過膜Eを、表1に示すようにスパイラル状に20層に巻き付けて積層させることにより、ろ過膜部3を形成した。そして、それ以外は実施例1と同様にして、実施例5の水処理用フィルターを得た。
【0048】
(実施例6)
実施例2と同様にして活性炭繊維とバインダー繊維とにより得られたシートを、再度、プレス圧10kgf/cm、130℃で熱プレスし、それによって得られた活性炭繊維シートを用いて外径約114.5mmの円筒状に成型し、成型密度0.45g/cmの活性炭部2を得た。さらに、最外層部に、表1に示すろ過膜Aを、表1に示すようにスパイラル状に5層に巻き付けて積層させることにより、ろ過部3を形成した。そして、それ以外は実施例2と同様にして、実施例6の水処理用フィルターを得た。
【0049】
(比較例1、2)
最外層部に、表1に示すろ過膜Fを、表1に示すようにスパイラル状に35層に巻き付け積層させることにより、ろ過膜部3を形成した。そして、それ以外は実施例2と同様にして、比較例1の水処理用フィルターを得た。
【0050】
また、表1に示すろ過膜Gを、表1に示すようにスパイラル状に3層に巻き付けて積層させることにより、ろ過膜部3を形成した。そして、それ以外は実施例1と同様にして、比較例2の水処理用フィルターを得た。
【0051】
(比較例3)
実施例1と同様にして活性炭繊維シートを作製し、得られた活性炭繊維シートを外径約114.5mmの円筒状に成型して、成型密度0.095g/cmの活性炭部2を得た。さらに実施例1と同様にろ過膜Aを巻きつけて、比較例3の水処理用フィルターを得た。
【0052】
(比較例4)
活性炭繊維(A−15)と東洋紡績社製アクリルバインダー「ビィパル」とを、水槽中に、質量比で、(活性炭繊維)/(アクリルバインダー)=95/5となるように供給し、混合、分散させた。次に、その浴槽中に円筒状の成型用金型を沈め、減圧吸引させて、外径約114.5mmの円筒状で成型密度0.25g/cmの活性炭部2を得た。その後、実施例1と同様にしてろ過部3を形成することで、比較例3の水処理用フィルターを得た。
【0053】
上記のようにして得られた実施例1〜6、比較例1〜4の水処理用フィルターについて、ろ過膜部3の破裂強力と、ろ過膜部3の粒子捕捉効率と、フィルターの粒子捕捉効率と、逆洗時の性能と、フィルターの遊離塩素除去性能とを測定した。
【0054】
ろ過膜部3の破裂強力は、JIS−L1096に準拠して測定した。すなわち、フィルターの表面のろ過膜部3から、約15cm×15cmの試験片を5片採取し、ミューレン形破裂試験機を用い、試験片の表面を上にして、しわ及びたるみを生じないように均一な張力を加えてクランプでつかみ、圧力を加えて、試験機のゴム膜が試験片を突き破る強さ(A:kPa)およびゴム膜だけの破断時の強さ(B:kPa)をはかり、A−Bによって各試験片の破裂強さ(kPa)を求め、5片の試験片の破裂強さの平均値を、ろ過膜部の破裂強力とした。その測定結果を表1に示す。
【0055】
ろ過膜部3および水処理用フィルターによる微粒子の捕捉効率は、次のようにして求めた。すなわち、純水中にJIS−K8785に規定の標準カオリン(メジアン径:5.1μm、90%積算径:8.6μm)を添加し、入口濃度10mg/L(濁度10度)に調整した試験水を、供試ろ過膜に通過させ、透過水をサンプリングし、試験水と透過水について、ベックマンコールター社製コールターカウンターTA−IIおよび日立製作所社製走査型電子顕微鏡S4000を用いて、一定の粒径範囲(例えば、1から5μm)でそれぞれ求めた粒子の個数より、前述の式によって算出した。
【0056】
このようにして求めた、ろ過膜部3による微粒子の捕捉効率を、表1に示す。また、水処理用フィルターによる微粒子の捕捉効率を、表3に示す。なお、表1に示されたろ過膜部3についての微粒子の捕捉効率は、詳しくは次のようにして求めた。すなわち、外径34.7mm、内径30mmの円筒形状のポリプロピレン製の支持体(タキロン社製「トリカル P96」に所定の厚みかつ積層枚数でろ過膜のみを積層させたろ過フィルターを作成し、このろ過フィルターに上述の試験水を通水させることにより求めた。
【0057】
【表3】

【0058】
図3に示す水処理装置を用いて、同図(a)に示すように、原水タンクT2で調整した試験水を通水ポンプPにより原水側バルブV2に通して、ハウジングH1中の水処理用フィルターF(実施例1〜6、比較例1〜4)の外層側から内層側へ通水する試験を実施した。試験水は、純水中に前記の標準カオリンを入口濃度10mg/L(濁度10度)になるように調整したものを用い、4L/min.で通水した。図3において、V1は透過水バルブ、T1は処理水タンク、PI1は原水側圧力計、PI2は透過水側圧力計、V3は逆洗バルブ、Bはブロワである。
【0059】
通水開始後は、1時間通水後に、図3(b)に示す通り、透過水バルブV1を「閉」とし、逆洗バルブV3と原水側バルブV2とを「開」として、ブロワBによって、逆洗圧力0.15MPa、フラッシング空気量20NL/min.で1分間、フィルターFの内層側から外層側へ向けて逆洗浄を実施した。なお、これに代えて、タンクT1の内部の処理水を用いて逆洗することも可能である。
【0060】
以後、上述の通りの「通水→逆洗浄」を繰り返し、フィルター差圧ΔP(=原水側圧力計PI1の指示値―透過水側圧力計PI2の指示値)の変化を確認する試験を行った。この試験に際しては、JIS−S3201に準拠して、フィルター差圧ΔPが0.1MPaとなったときを目詰まり発生の目安とした。試験の結果を図4に示す。
【0061】
また、浄水性能の維持の状態を示す最も重要な指標である遊離塩素の分解試験により、各実施例・比較例の水処理用フィルターの性能を測定した。すなわち、水道水から微粒子を除去した後、次亜塩素ナトリウムを添加し、入口遊離塩素濃度を1.0ppmに調整した試験水を、空塔速度(SV)が100h-1となるようにフィルターに通水した。遊離塩素濃度は、JIS−K0101のDPD比色法に準拠した方法で測定した。塩素分解性能は、次のように評価した。すなわち、通水時間が経過してフィルターの性能が低下するに従い透過水側に遊離塩素のリークが認められ、透過水側の遊離塩素濃度が徐々に上昇するが、透過水においてDPD比色法で発色が認められる遊離塩素濃度0.05ppmに到達した時を活性炭寿命として、その時点までの積算通水量を求め、この積算通水量の大小によって塩素分解性能を評価した。その結果を表3に示す。
【0062】
表3に示すように、最外層に所定のろ過膜部3を一体化した実施例1〜6の水処理用フィルターの粒子捕捉効率は高い値を示した。比較例1、3、4の水処理用フィルターも同様であった。しかし、粒子の捕捉効率が90%に満たないろ過膜Gを一体化させた比較例2では、粒子捕捉効率は低い値しか示さなかった。これにより、粒子捕捉効率の低いろ過膜部3を用いた場合は、期待する性能を発揮できないことが確認された。
【0063】
また、図4より、実施例1、3、4の水処理用フィルターは1ヶ月間の通水期間においても差圧の上昇は小さかったが、本発明の水処理用フィルターの中でも、実施例5に関しては、合成繊維ろ布の積層数が20層と非常に多かったことにより、逆洗浄の効果が低下し、差圧の上昇が起きたものと考えられた。実施例6は、活性炭部2の成型密度が本発明の上限値であったため、表3に示すように遊離塩素除去性能は格段に優れていた。ただし、図4に示すように差圧の上昇が見られた。
【0064】
ろ過膜部3の厚みが5mm以上であった比較例1の水処理用フィルターは、逆洗浄の効果が低くなり、このため差圧が上昇して十分な水量の確保が困難となった。活性炭部に湿式成型フィルターを用いた比較例4の水処理用フィルターは、差圧の上昇が大きく、逆洗浄の衝撃により活性炭部の一部の微粒子が透過水に流れ出た(黒水発生)。実施例2の水処理用フィルターは、表3に示すように粒子捕捉効率および遊離塩除去性能は満足できるものであった。ただし、表1に示すように破裂強力が低かったため、図4に示すように、ろ過膜部3の破断により通水継続が困難となった。
【0065】
比較例2の水処理用フィルターは、ろ過膜部の粒子捕捉効率が低かったため、微粒子がろ過膜部を通過したうえで活性炭部によって多量に捕捉され、このため逆洗浄を行っても所期の効果が得られず、図4に示すように短時間のうちに大きく差圧が上昇した。
【0066】
表2に示すように活性炭成型密度が低い比較例3は、図4に示すように差圧上昇はなく安定して通水されたが、表3に示すように、他の水処理用フィルターと比較して遊離塩素分解性能が極端に低かった。
【0067】
上記のように遊離塩素分解試験は微粒子を除去した後の水を用いたものであったが、微粒子を含んだ原水を処理する実際の水処理においては、比較例1、2、4の水処理用フィルターは、図4に示すように目詰まり等が生じて、活性炭性能を十分に発揮できず、長期間にわたる高い浄水性能を維持することが困難となるものであった。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態の水処理用フィルターの一部切欠正面図である。
【図2】同水処理用フィルターの斜視図である。
【図3】同水処理用フィルターを用いた水処理および逆洗の様子を示す図である。
【図4】同水処理用フィルターを用いた水処理時の差圧変動の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 支持体
2 活性炭部
3 ろ過膜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式法により得られるとともに成型密度0.10〜0.45g/cmである活性炭繊維層により円筒状の活性炭部が構成され、前記活性炭部の外層に膜厚み0.1〜5.0mmであるろ過膜部が配置されて、両者が一体化されており、粒子径10〜0.05μmの微粒子に対する捕捉効率が90%以上であり、かつ、前記活性炭部の内側からろ過膜部へ処理水あるいはエアを逆流させることにより、ろ過膜部に付着した被捕捉物質を除去することが可能であることを特徴とする水処理用フィルター。
【請求項2】
活性炭部が、40〜95質量%の活性炭繊維と60〜5質量%のバインダー繊維とを開繊混合してなるカードウェブを積層して熱処理する乾式法と、40〜95質量%の活性炭繊維と60〜5質量%のバインダー繊維とをエアレイ処理して得られるエアレイウェブを積層して熱処理する乾式法と、40〜95質量%の活性炭繊維と60〜5質量%のバインダー繊維とを含むカードウェブおよびエアレイウェブを結合してなる複合不織布を積層して熱処理する乾式法とのいずれかにより円筒状に成型されたものであることを特徴とする請求項1記載の水処理用フィルター。
【請求項3】
ろ過膜部が、単層あるいは2〜20層の積層された合成繊維ろ布を備え、前記単層あるいは積層された合成繊維ろ布は、JIS−L1096に準拠した破裂試験を行ったときの破裂強力が25kPa以上であることを特徴とする請求項1または2記載の水処理用フィルター。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−296484(P2007−296484A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−127210(P2006−127210)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】