説明

水性導電性組成物

水性導電性組成物は酸−安定化水性ポリマーエマルションおよび金属フレークまたは金属粒子を含有する。該水性導電性組成物の用途には、例えば、情報処理機能を有する能動包装、センサー、およびRFIDアンテナにおける電気回路のための印刷可能なインクとしての使用が包含される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、情報処理機能を有する能動包装(intelligent and active packaging)、センサー、およびRFIDアンテナにおける電気回路としての使用のための印刷可能なインクとして支持体上に塗布され得る水性導電性組成物(waterborne conductive compositions)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、導電性インクとして使用される導電性ポリマー厚膜用水性配合物は、特定の支持体上、特に軟質支持体上に印刷されて硬化されたとき、最適特性よりも劣るレオロジー、密着性および柔軟性を示すのが典型的である。印刷可能な導電性インクとして使用される水性ポリマー組成物は、例えば、次の特許文献に開示されている。ポリアクリル酸のような熱可塑性ポリマー、水不溶性ポリマーの水性分散液、グリコール化合物、導電性充填剤、および水を含有する水性導電性ポリマー組成物について記載する特許文献1および特許文献2;スチレンのような別のポリマーと共重合された水溶性アクリル系ポリマー、導電性充填剤、水溶性湿潤剤、水、および当該組成物を増量させるための水溶性エラストマーを含有する水性ポリマー組成物について記載する特許文献3;被覆銀フレーク30〜80重量%、実質的に完全に水溶性のポリマーバインダー、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよび水を含有する被覆組成物について記載する特許文献4;被覆銀フレーク30〜80重量%、実質的に完全に水溶性のバインダー、他の添加剤、および水から実質的になる水性被覆組成物について記載する特許文献5。しかしながら、これらの組成物は、今日の導電性インクの用途で必要とされる全ての要求性能を満たしていない。
【0003】
金属粉体、例えば不定形または球形銀粉体は従来から製造されているが、このような粉体は、配合された後、印刷されて加熱乾燥されると、比較的低い電気導電率をもたらす。また従来のフレーク状銀粉体は、固形分として85%よりも多量に配合されると、過度な粘性のために、たいていはスクリーン印刷特性が悪くなり、このため、乾燥後の印刷パターンにおいて多孔性と欠陥がもたらされる。実際に有用な粘性の改善は、フレーク状銀粉体の実質的部分を非フレーク状粉体によって置き換えるときに達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,286,415号明細書(出願人;アドバンスト・プロダクツ株式会社)
【特許文献2】米国特許第5,389,403号明細書(出願人;アドバンスト・プロダクツ株式会社)
【特許文献3】米国特許第6,866,799号明細書(出願人;アヌブ株式会社)
【特許文献4】米国特許第5,492,653号明細書(出願人;ヘラエウス株式会社)
【特許文献5】米国特許第5,658,499号明細書(出願人;ヘラエウス株式会社)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、導電性物質(例えば、金属フレーク)を高濃度で含有し、良好な印刷特性をもたらす粘性を有すると共に、優れた電気導電率を維持する水性導電性被覆組成物が依然として要請されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(i)金属フレークまたは金属粒子、(ii)アクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマーを溶解させるために有効な溶媒和量のアルカリ含有水中のアルカリ−可溶性のアクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマー、(iii)水に分散された水不溶性ポリマー、および(iv)任意のフィルム融合助剤(film coalescing agent)(または湿潤剤)および/または可塑剤を含有する水性導電性組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】30μmアプリケーターによって塗布された様々な顔料対バインダー(P/B)比率を有する被膜における抵抗値のグラフである。
【図2】10μmバーコーターによって塗布された様々なP/B比率を有する被膜における抵抗値のグラフである。
【図3】水性導電性組成物の配合成分と特性を示す表である。
【図4】図3に示す組成物における抵抗値を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明での使用に適した金属フレークまたは金属粒子は、導電性を示す金属フレークまたは金属粒子である。「フレーク」という用語は、走査型電子顕微鏡で測定したときの支配的な形状が薄片状である物質を意味する。適切な金属フレークおよび金属粒子には貴金属のものが含まれ、1つの具体例として、銀フレークまたは銀粒子が挙げられる。別の具体例において、導電性物質は、質量基準平均粒径(mean mass diameter)(D50)が3μmであって、90%粒径(D90)が8.8μmである二元粒径型銀フレーク(bimodal silver flake)である。「質量基準平均粒径」(D50)は、フレーク等の50質量%が当該値より小さい粒径を有し、一方で50質量%がより大きな粒径を有するという粒径である。値D90は、フレーク等の90質量%が当該値より小さい粒径を有するという粒径である。金属の粒子は、二元粒径型フレークを補充するために添加されてもよい。
【0009】
1つの具体例において、金属は、オレイン酸で被覆された銀(Ag)、または銀被覆銅(silver-coated copper)である。別の具体例において、オレイン酸は、フレークの少なくとも3分の2の表面に約0.05〜5重量%の範囲内で単分子層として被覆される。
【0010】
本発明の水性導電性組成物の粘性は、金属フレークの添加量によって直接的に変化する。金属フレークの添加量は、金属顔料(metal pigment)(例えば、金属のフレークおよび粒子)のバインダーに対する比率として表すことができる。顔料/バインダー比率は、酸安定化水性ポリマーエマルション中のポリマーの量に対する金属フレークの量を与える。例えば、銀2000gおよび水性ポリマーエマルション500g(40%固形分を含む)を含む水性導電性組成物は、顔料/バインダー比率が10である。
【0011】
銀充填剤/バインダー比率の影響を測定するために、銀充填剤/バインダー比率が5〜10の範囲内の水性導電性組成物を製造した。水性導電性組成物を30μmアプリケーターおよび10μmバーコーターを用いてポリエステル上に塗布し、電気抵抗値を測定した。これらの抵抗値を図1および図2に示す。両方の塗布法において、銀充填剤/バインダー比率(すなわち、金属充填剤と組成物のその他の固形分との比率)が約8〜約10、好ましくは約9のとき、最良(すなわち、最小)の電気抵抗が得られることが判明した。
【0012】
適した金属フレークおよび金属粒子は市販品として入手可能である。好ましい金属フレークおよび金属粒子は、配合工程中において高分散性を示すものであり、これによって水性導電性組成物中の固形分量を高くすることができる。
【0013】
印刷可能なインクの様々な改質を行うために、他の金属粉体および/またはフレークを少量で本発明の水性導電性組成物に添加してよい。例えば、剥離性(release properties)、物理的強度、外観および他の特性を改質するために、ニッケル粉体を添加してよい。
【0014】
本発明で有用なアルカリ−可溶性(メタ)アクリル酸コポリマー(alkali-soluble (meth)acrylic acid copolymers)の適切な例として、アクリル酸またはメタクリル酸(好ましくはアクリル酸)と、1種または2種以上の疎水性のエチレン性不飽和コモノマー、例えば、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート等(好ましくはスチレン)とのコポリマーが挙げられる。アルカリ溶解性に必要なカルボン酸含量は、酸の選択およびコモノマーの疎水性に依存する。コモノマーとしてスチレンを使用する場合、約30重量%アクリル酸または約60重量%メタクリル酸が必要とされる。アルカリ−可溶性成分の分子量はバインダーの粘性に影響を与え、他の全ての条件が同じであれば、分子量が高いほど、明らかに粘性は高くなる。好ましい重量平均分子量(Mw)の範囲は、ポリスチレン標準を用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したとき、約1,000〜10,000ダルトン(daltons)であり、より好ましくは1,500〜6,000である。しかしながら、より高分子量のアルカリ−可溶性コポリマーが、印刷工程時の粘度制約(viscosity constraints)に応じて有用であることは、当該分野の当業者にとって明らかである。
【0015】
界面活性剤を含有しない不溶性エマルションポリマーを安定化させるために使用されるアルカリ−可溶性コポリマーの一般的な濃度(level)は、総乾燥ポリマー(溶解性成分+不溶性成分)に基づいて約10〜20重量%である。追加的に界面活性剤による安定化を行うときは、より低濃度で使用されてよい。不溶性ポリマー成分の重合後に添加するときは、より高濃度で使用されてよい。導電性インク中に存在するアルカリ−可溶性コポリマーの量は、乾量基準で、0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。
【0016】
(メタ)アクリル酸コポリマーは、溶液中で該酸を中和して安定化するのに適した量の塩基の存在によって、水中に溶解する。塩基は中和を達成するものであれば、いかなるものも許容できるが、好ましい塩基は、その揮発性に起因して、水酸化アンモニウムである。当該分野の当業者であれば、揮発特性を有し、かつアクリル酸コポリマーを中和するのに適した類似の塩基性(アルカリ)物質を適宜選定できる。
【0017】
水不溶性ポリマー分散液の適切な例として、スチレン系、ポリウレタン系、アクリル系、ポリエステル系およびビニル樹脂系ポリマーの水分散液が挙げられる。スチレンと、1種または2種以上のエチレン性不飽和モノマーとのコモノマーが有用である。エチレン性不飽和モノマーとしては、特に制限されるものではないが、アクリル酸およびメタクリル酸のエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換アミド、例えばt−ブチルアクリルアミドおよびN−ビニルピロリドン、ニトリル、例えばアクリロニトリル、カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、等が挙げられる。特に有用なものは、スチレンと、C−C18、好ましくはC−Cのアルキルアクリレートまたはメタクリレートとのコポリマーである。そのようなスチレン−(メタ)アクリル系コポリマーはさらに、カルボン酸モノマー、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を含有していてもよい。好ましい水不溶性ポリマー分散液の具体例として、スチレンと2−エチルヘキシルアクリレートとのコポリマーが挙げられる。ビニル樹脂としては、ビニルモノマー、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルバーサテート(vinyl versatate)、ビニルクロライド等と、1種または2種以上のモノマー、例えばエチレン、アルキルアクリレートまたはメタクリレート、カルボン酸または他のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0018】
水不溶性ポリマー分散液は、アルカリ−可溶性コポリマーによって安定化されてもよく、また、従来のアニオン性および/またはノニオン性界面活性剤によって安定化されてもよく、さらに、これらの併用によって安定化されてもよい。
【0019】
アルカリ−可溶性成分の不溶性ポリマー成分に対する比率は、存在するカルボン酸の総含量によって決定される。好ましい濃度は、総乾燥ポリマーに基づいて、約1〜10重量%、より好ましくは3〜6重量%である。導電性インク中に存在する水不溶性ポリマー分散液の量は、乾量基準で、1〜15重量%、好ましくは2〜10%、より好ましくは4〜8%の範囲内である。
【0020】
可塑剤の適切な例として、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびメリット酸のようなポリカルボン酸のエステルが挙げられる。リン酸エステル、例えばトリオクチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリトリルホスフェートおよびトリキシリルホスフェート、ならびにポリエステル可塑剤、例えばポリプロピレンラウレート、エポキシ化大豆油等のような大豆油誘導可塑剤および塩素化パラフィンを使用してもよい。特に適切な可塑剤として、ジカルボン酸のC2−14アルキルエステルが挙げられ、これらの具体例として、例えば、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ−イソ−オクチルフタレート、ジノニルフタレート、C7−9ジアルキルフタレートの混合物、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジブチルアジペート、ジヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ジ−イソ−オクチルアジペート、ジブチルセバケートおよびジオクチルセバケートが挙げられる。高沸点グリコール化合物、例えばジプロピレングリコールジベンゾエートも適切である。
【0021】
適切なフィルム融合助剤または湿潤剤として、低沸点グリコール化合物、例えばエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。この化合物は、より高分子量の化合物以上に高い揮発性を有するという利点がある。グリコール融合助剤の適切な例として、例えば、1,3−ブチレングリコール;プロピレングリコールおよびエチレングリコールが挙げられる。これらの薬剤は単独で、または互いに組み合わせて用いてよい。
【0022】
融合助剤および可塑剤の濃度はポリマー成分のガラス転移温度によって決定される。当業者であれば、必要により、乾燥によって粘着性被膜がもたらされるほどの濃度ではなく、乾燥によって柔軟性のある連続フィルムを作製するのに十分な濃度を選択できる。
【0023】
以下においては、水中のアルカリ−可溶性アクリル酸コポリマー、水不溶性ポリマー分散液、所望によるグリコール化合物、および所望による可塑剤の組み合わせ(金属充填剤は含まない)を、金属充填剤のためのバインダーと呼ぶ。
【0024】
金属フレークおよび/または金属粒子を分散させる1つの方法は、モアハウス・コールズ(MorehouseCowles)またはチャールズ・ロス・アンド・サン・カンパニー(Charles Ross and Son Company)から入手可能な型の高速分散ミキサーを使用する方法である。一般に、金属フレークおよび/または金属粒子の添加量はバインダー重量の2〜4倍(またはそれ以上)である。混合は、初期はゆっくり行い、導電性物質のフレークがバインダーに十分に混和した後は、混合物中へ空気が混入しないように注意しながら、分散液をより高速で短時間混合する。1つの具体例において、分散液の温度は、混合の間、30〜35℃を超えないようにする。必要であれば、最終生成物を、適切なサイズのシルクメッシュフィルター(silk mesh filter)を用いてろ過してよい。この混合法によって、視覚的に均質な混合物が液中に得られる。
【0025】
アルカリ−可溶性ポリマーは導電性充填剤の初期の浸潤および混和を促進し、粒子またはフレークの均一分散液をもたらす。さらに、該ポリマーは、貯蔵中における充填剤の強い固化(hard packing)の防止に貢献し、沈降した粒子を撹拌または振とうによって容易に再分散可能にする。
【0026】
さらなる具体例において、本発明には、水性導電性組成物を導電性被覆インクとして支持体上に1本または2本以上の細線として塗布することによって少なくとも1つの導電性トレース(conductive trace)を支持体上に形成させるか、または該組成物を当該支持体表面の少なくとも一部を覆うフィルムとして塗布する態様が含まれる。
【0027】
印刷可能な電気導体の粘性および印刷特性は、添加剤の適切な使用を通して印刷機によって印刷前に調整されると共に、印刷中は一定に保持されるべきである。このことは、アンモニア水および所望による最小量の特別に選択された消泡剤を添加することによって達成できる。印刷方法および印刷作業時間に応じて、稀アンモニア水および0.01〜0.2体積%の消泡剤を添加してもよい。このような添加は印刷の直前に行われるべきであり、また、配合物は十分に混合されるべきである。添加剤のあとからの添加量および添加頻度は、インク特性、印刷機の構造、導電性組成物の露出表面、周囲温度、湿度、印刷速度およびその他の因子に依存する。循環速度の遅いインク循環ポンプに接続された密閉インク再循環系(closed ink recirculation system)は、印刷された電子導体の物性を一定に維持するための最適な装置である。
【0028】
一般的に言えば、本発明は、印刷可能な電気導体として使用するための水性導電性組成物を提供するものであり、このような導電性組成物は、様々な支持体上に電気導電性トレースを印刷するために、現在市販されている印刷機(printing presses)を用いて利用できる。好ましい実施態様において、導電性は、本願明細書に記載されたバインダー中に適切に混合される金属銀または銀被覆銅の微小フレーク(fine flake)の使用によって達成され、これによって得られる組成物は印刷機で使用できる。
【0029】
使用中の印刷可能な電気導体の導電性は、支持体上に沈着した組成物中の金属フレークおよび/または金属粒子の間での位置、配置、および物理的接触(physical connections)を含む多くの因子に依存する。導電性および安定性は、フィルムの乾燥工程、加熱/硬化媒体の適用または操作、および外部処理工程、例えば酸洗浄処理、加圧処理、および高エネルギー光処理によって影響される。
【0030】
厚いポリマー粒子表面−湿潤層を形成することなく、金属粒子の間で適正な配向(orientation)および密着した位置調整を達成することが好ましい。このことは、原料の選択およびビヒクルの適正な調製法によって達成される。粒子表面処理のような技術の使用によって金属表面を処理することも有効である。
【0031】
印刷加工中に適正な粒子の沈着を達成するためには、金属粒子の上部表面上にバインダー層を形成させることが好ましい。バインダー層は粒子の支持体材料への密着も促進し、乾燥工程後において粒子間の団結(consolidation)を高める。
【0032】
印刷可能な電気導体は、金属分散液中における液体の割合が低いため、印刷後、迅速に乾燥する傾向がある。水性導電性組成物のpHは一般的には7.5〜10.5、別の実施態様では8〜10、さらに別の実施態様では8.5〜9.5の範囲内に調整される。これらの範囲内の1つの実施態様において、pHは初期に7.5〜8.5であるが、アンモニア水が蒸発すると、これらの値は低下する。この工程中、ポリマー系は水溶性状態から水不溶性状態に変化する。乾燥工程は、周囲温度またはわずかに高い温度の空気による強制対流によって促進できる。この工程は最終生成物の導電特性に影響を与える。本発明の組成物は、印刷され導電性トレースを形成するとき、迅速に乾燥するので、印刷されたトレースは迅速に縮んで金属のフレークまたは粒子の間で圧縮力を作り出すものと仮定される。この圧縮力は接触を増大させ、その結果として他の組成物以上に、より大きな導電性をもたらす。
【実施例】
【0033】
実施例1.アルカリ−可溶性ポリマーの水中での調製(コロイドAおよびB)
【0034】
連鎖移動剤(1−ドデカンチオール)3gを正確に量り、撹拌器、冷却器および添加用漏斗を備えた三つ口丸底フラスコに移した。これに、106.7gの2−プロパノール、94.0gのスチレン、40.3gのアクリル酸および4.5gのアゾビス(イソブチロニトリル)開始剤(AIBN)の溶液を添加した。混合して均一にした後、フラスコを、82±2℃に維持した水浴に浸漬し、内容物を120rpmで撹拌した。還流温度に達した後、2時間して、23.4gの2−プロパノールを30分間かけてゆっくりかつ均一に添加した。還流をさらに2.5時間維持した。その後、フラスコ内容物を50℃に冷却し、24gの水酸化アンモニウムを添加した。完全に混合した後、250rpmで撹拌しながら、400gの脱イオン(DI)水を添加した。その後、アンモニアをさらに添加して、pHを8.5〜9.0の範囲に調整した。その後、フラスコの内容物を撹拌しながら70℃に加熱し、固形分が24〜26重量%になるまで減圧下で2−プロパノールを除去した。最終pHは8.0〜9.0であった。分子量MwをGPCによって測定したところ、5,070ダルトンであった。
【0035】
同様にして、4.5gのAIBNを用い、26.7gの2−プロパノールをゆっくり添加して、第2の低分子量アルカリ−可溶性ポリマー(コロイドB)を調製した。分子量MwをGPCによって測定したところ、2,390ダルトンであった。
【0036】
実施例2.コロイド状の安定化アクリル系エマルションポリマーの調製(エマルションAおよびB)
【0037】
安定剤として実施例1のアルカリ−可溶性ポリマー溶液を用い、米国特許第5,455,299号の技術に従って、エマルションポリマーを調製した。
【0038】
コロイド溶液A 230.8gおよび116.0gの脱イオン水を、撹拌器、冷却器および2つの添加用漏斗を備えた三つ口丸底フラスコに、量り入れた。液面下に窒素ガスを導入することにより、フラスコ内の酸素をパージした。その後、フラスコを、80℃に維持された水浴中で加熱し、内容物を70rpmで撹拌した。内容物の温度が70℃に達したとき、4.2gのスチレンおよび1.8gの2−エチルヘキシルアクリレートの混合物を添加し、77℃で、0.03gの過硫酸アンモニウム(APS)および5.19gのDI水からなる開始剤溶液を添加した。15分間の温度平衡の後、撹拌器の撹拌速度を180rpmまで上げ、0.25gのAPSおよび40.39gのDI水からなる開始剤溶液の、均一でゆっくりな添加を開始した。開始剤は230分間にわたって添加した。同時に、80.13gのスチレンおよび34.34gの2−エチルヘキシルアクリレートの混合物の、均一でゆっくりな添加を開始し、210分間で完了させた。反応温度を重合中、80±2℃に維持した。モノマー添加の後、2.88gのDI水を当該モノマー添加用漏斗から添加し、内容物を80℃でさらに1.5時間維持した。その後、温度を40℃未満に冷却し、pHをアンモニアで9.1に調整した。
【0039】
コロイドBを用いた同様の方法により、第2のエマルション(B)を得た。
【0040】
エマルションポリマーの特性を以下の表に示す;
【表1】

【0041】
実施例3.バインダーの調製(バインダーAおよびB)
【0042】
実施例2の方法に従って調製されたエマルションA 1000gを、撹拌器および添加用漏斗を備えた二つ口フラスコに、量り入れた。内容物を水浴中で40℃に加熱し、撹拌速度を100rpmに設定した。沸点が比較的高い可塑剤であるジプロピレングリコールジベンゾエート59.1gを10分間にわたってゆっくり添加した。さらに15分間の撹拌の後、45.5gの、沸点が比較的低い可塑剤/凝集溶媒(coalescing solvent)であるエチレングリコールモノブチルエーテルを30分間かけてゆっくり添加し、撹拌をさらに15分間継続した。30℃まで冷却し、pHをアンモニアで9.0に調整した。
【0043】
エマルションBを用いた同様の方法により、第2のバインダー(バインダーB)を調製した。
【0044】
バインダーの特性を以下の表に示す;
【表2】

【0045】
実施例4.導電性インクの調製(インクAおよびB)
【0046】
バインダーA 167.6gをプラスチック製混合容器に量り入れた。ロス社製の高速分散ミキサーを、ブレードの位置が容器の底のちょうど上になるまで、液体中に沈め、混合速度を500rpmに設定した。オレイン酸で被覆された銀フレーク500gをバインダーとゆっくり混合させた。この操作中、ブレードの高さを上下させることによって、銀を完全に濡れさせた。その後、混合速度を1200rpmに増大させ、導電性インクを1時間混合した。冷却浴を使って温度を30℃未満に維持した。混合が完了した後、no.3ザーンカップ(Zahn cup)を用いて粘度を測定したところ、265秒であった。これは、フレキソ印刷(flexographic printing)を満足させるには高すぎるものと考えられた。その後、サンプルを2.8%アンモニア水で、粘度が45秒および総固形分含量が約81%になるまで希釈した。乾量基準に基づくと、得られたインク、インクAは89.7%の銀を含むため、銀のバインダーに対する比率は8.7:1であった。
【0047】
168.6gのバインダーBを用い、乾量基準に基づいて計算された銀のバインダーに対する比率を同じ値にしたこと以外、上記方法に従って、第2の導電性インク(インクB)を調製した。この場合、アンモニア希釈前の粘度は80秒であった。サンプルを2.8%アンモニア水で、粘度が33秒および総固形分が約82%になるまで希釈した。
【0048】
乾量基準に基づく計算によると、これらのインクは以下の組成を有していた;
成分 重量%
アルカリ−可溶性スチレンアクリル系樹脂 1.19
不溶性スチレンアクリレートポリマー 6.74
エチレングリコールモノブチルエーテル 1.34
ベンゾエート可塑剤 1.03
銀フレーク 89.7
【0049】
実施例5.固形分の含有量が比較的高い導電性インク(インクC)の調製
【0050】
固形分含量39重量%およびブルックフィールド粘度(Brookfield viscosity)235mPa.sを有すること以外、バインダーBと実質的に同じ組成のバインダー(バインダーC)からインクを調製した。147gのバインダーCを用い、乾量基準に基づいて計算された銀のバインダーに対する比率を同じ値にしたこと以外、実施例4の方法に従って、このバインダーを導電性インクに配合した。13.6mlの2.8%アンモニア水を添加し、総固形分含量が84.4重量%およびno.3ザーンカップ粘度が32秒のインクを得た。比較的高い固形分含量は、より迅速な乾燥を促進するので好ましい。
【0051】
実施例6.導電性インクCの性能
【0052】
該インクCの性能は以下の通りであった;
銀の分散性 良好
印刷品質(フレキソ印刷機) 良好
導電率(周囲温度で乾燥)
6分間 50mΩ/sq/mil
1時間 43mΩ/sq/mil
2時間 43mΩ/sq/mil
上記で1milは25μmである。
【0053】
導電率(高温)
1分間/70℃ 41mΩ/sq/mil
1分間/120℃ 32mΩ/sq/mil
1分間/150℃ 20mΩ/sq/mil
上記で1milは25μmである。
【0054】
柔軟性
初期導電率 32mΩ/sq/mil
(8mΩ/sq)
2mm径のマンドレルで曲げた後の導電率 32mΩ/sq/mil
(8mΩ/sq)
2kg荷重下において180°に二重折曲げした後の導電率
38mΩ/sq/mil
(9mΩ/sq)
上記で1milは25μmである。
【0055】
湿気
初期導電率 16mΩ/sq/mil
24時間後導電率
(85℃/85%RH) 4mΩ/sq/mil
上記で1milは25μmである。
【0056】
再分散性
インクを、17ヶ月間貯蔵後、ペイントシェーカー(paint shaker)で5分間振とうしたところ、再分散させることができた。インクは良好に分散され、良好な外観を呈し、その導電率は維持された。
【0057】
実施例7.(比較例)アルカリ−可溶性成分を含有しない水性導電性組成物の性能
【0058】
以下に示す成分の85%水分散液を、上記の高速分散ミキサーを用いて調製したところ、以下の性能を示した。
【0059】
成分 重量(100部あたり)
不溶性スチレンアクリレートポリマー 7.93
(インペリアル・ケミカル・インダストリーズ(ICI)社製)
エチレングリコールモノブチルエーテル 1.34
ベンゾエート可塑剤 1.03
銀フレーク 89.7
【0060】
銀の分散性 不良
【0061】
印刷品質(フレキソ印刷機) 不良
【0062】
導電率
(周囲温度で乾燥2時間) 60mΩ/sq/mil
上記で1milは25μmである。
【0063】
再分散性
2ヶ月間貯蔵後、ペイントシェーカーで5分間振とうしたところ、組成物の品質は不良であり、該組成物の性状はペースト状で、ザラザラして、非常に粘稠であった。
【0064】
実施例8.(比較例)100%アルカリ−可溶性樹脂を含有する水性導電性組成物の性能
【0065】
以下に示す成分の85%水溶液を、上記の高速分散ミキサーを用いて調製したところ、以下の特性を示した。
【0066】
成分 重量(100部あたり)
アルカリ−可溶性スチレン樹脂 7.93
エチレングリコールモノブチルエーテル 1.34
ベンゾエート可塑剤 1.03
銀フレーク 89.70
【0067】
銀の分散性 良好
【0068】
導電率(周囲温度で乾燥)
15分間 37mΩ/sq/mil
1時間 24mΩ/sq/mil
2時間 23mΩ/sq/mil
上記で1milは25μmである。
【0069】
導電率(高温)
1分間/150℃ 64mΩ/sq/mil;
品質不良の乾燥フィルム
上記で1milは25μmである。
【0070】
柔軟性
初期導電率 20mΩ/sq/mil
マンドレルで曲げた後の導電率 20mΩ/sq/mil
2kg荷重下において180°に二重折曲げした後の導電率
∞mΩ/sq/mil
(トレース破損)
上記で1milは25μmである。
【0071】
実施例9 水不溶性ビニルエマルションを含有する組成物
アルカリ−可溶性スチレン/アクリル酸コポリマーおよびスチレンアクリレートエマルション(不溶性)の混合物9.80g、ポリ塩化ビニルエマルション(ビニブラン(Viniblan)270、ニッシン・カガク・コウギョウ社製)10.00g、アラビアゴム0.20g、および銀フレーク56gからエマルションを調製した。得られた組成物の性能についてテストし、結果を実施例10の表中に組成物Iとして示した。
【0072】
実施例10.本発明による組成物および比較組成物の性能特性
【0073】
幾つかの導電性水性組成物を調製し、該組成物の周囲温度および高温下における湿潤条件下での抵抗発現についてテストし、本発明による組成物の印刷適性および柔軟性を比較組成物の場合と比較した。全ての組成物は、以下に示す成分を室温でブレンドすることによって調製した。即ち、エマルションを適切な容器に充填し、撹拌しながら、全ての添加剤、水、およびアンモニア水を添加し、その後、撹拌しながら、銀フレークを添加し、撹拌を10分間継続した。最終組成物を、メリネクス O PET(Melinex O PET)支持体上に、ドローダウン塗布(draw down application)またはグラビア印刷塗布(rotogravure printing application)によって被覆した。
【0074】
ドローダウン塗布は、50mm×10mmの長方形体(5スクエア(squares))を被覆する25μmワイヤーバーを用いて行った。抵抗を、周囲温度にて5,15,30,60および120分後に測定して記録した。第2の被膜の抵抗を、周囲温度で5分後、70℃で1分後、120℃で1分後、および150℃で1分後に測定して記録した。抵抗は、式(R測定値×厚み(μm単位))/(25μm×スクエア数)を用いて、オーム/スクエア/25μmで算出した。
【0075】
グラビア印刷塗布は、54ライン/cmの彫刻シリンダーおよび220mm×53mmの長方形体(4.15スクエア)を備えたザウアーエッシッヒのカラープルーファー(Saueressig color proofer)90/200を用いて行った。抵抗は、4.15スクエアのトラック(track)を用いたこと以外、ドローダウン塗布と同様にして測定し、算出した。
【0076】
乾燥した導電性被膜の柔軟性をテストするために、グラビア印刷により125μm厚のPET支持体に被膜を印刷し、その後、被膜を150℃で1分間乾燥した。100mm×2mm寸法のトラックを支持体から切り出し、抵抗をオームで測定した後、当該トラックを2mmのマンドレルの周りで曲げ、抵抗を再度測定した。別の柔軟性のテストでは、被膜を内側に折り曲げることによってトラックに折り目をつけ(180°曲げ)、折り目線を2kg重量で広げて平らにした。その後、トラックを、被膜を外側にして、逆に折り目をつけ(180°曲げ)、折り目を再度、2kg重量で広げて平らにした。抵抗を測定して記録した。
【0077】
85℃および85%相対湿度(RH)の条件下に24時間付した後の抵抗を測定した。PETの50mm×10mmトラック上にドローダウン被膜を作製し、該被膜を150℃で1分間乾燥した。上記の温度・湿度条件から取り出した後、1時間して抵抗を測定した。
【0078】
導電性水性組成物の配合処方を図3に重量部で示す。これらの組成物の抵抗値を図4に示す。この場合、前述のように、該抵抗値は被膜の厚みに関して正規化する。
【0079】
図3に示した組成物のほかに、ICI社製のスチレンアクリレートエマルション14.98部、ポリ(アクリル酸)2.38部、エチレングリコールモノブチルエーテル1.34部、ジプロピレングリコールジベンゾエート1.29部、および10%アンモニア水1.50部を含有する2種の組成物を調製した(実施例7)。ポリ(アクリル酸)の添加によって、組成物は増粘し、加工できなくなった。
【0080】
検討および結果:
実施例AおよびIは本発明の例であり、これらの実施例による組成物はアルカリ−可溶性スチレン/アクリル酸コポリマー、および不溶性スチレン/アクリレートコポリマーを含有する。実施例Iによる組成物はさらにビニルエマルションおよび可塑剤を含有する。これらの組成物は、湿潤条件下での周囲温度および高温において、非常に良好な導電率、および非常に良好な印刷適性を示した。柔軟性に関しては、実施例Aによる組成物の場合は良好で、実施例Iによる組成物の場合は非常に良好であった。
【0081】
実施例Bによる組成物は、アルカリ−可溶性成分を含有せず、不良な印刷適性を示し(印刷による導電率の低下)、不良な柔軟性を示した(折り目による導電率の有意な損失)。
【0082】
実施例Cによる組成物は、不溶性成分を含有せず、不良な印刷適性を示し(印刷による導電率の低下)、柔軟性を有さなかった(マンドレルの周りで曲げると破損した)。
【0083】
実施例Dによる組成物は、不溶性成分および可溶性の酸性成分の両者を含有する。しかしながら、該酸性成分は、不溶性エマルションを安定化するために添加されないで、後で不溶性成分に添加された。このインクは、印刷できなかった。
【0084】
実施例Eによる組成物は、アンモニアで中性化された酸含有ポリマーを含有し、良好な導電率および印刷適性を示したが、柔軟性テストで破損した。
【0085】
実施例Fによる組成物は、柔軟性を増大させるための可塑剤を含有する以外、実施例Eによる組成物と同様の組成を有する。この組成物は不良な印刷適性を示し(印刷による導電率の低下)、柔軟性テストで破損した。
【0086】
実施例Gによる組成物は、不溶性ポリマーエマルションおよび可溶性の酸含有ポリマーを、可塑剤の代わりのエラストマーとともに含有する。この組成物は不良な印刷適性を示した(印刷による導電率の低下)。
【0087】
実施例Hによる組成物は、エラストマーの代わりに可塑剤を含有する以外は、実施例Gによる組成物と同じ組成を有する。この組成物は不良な印刷適性を示した(印刷による導電率の低下)。
【0088】
実施例AおよびIによる組成物は、本発明の導電性水性組成物を含有し、導電率の発現、印刷適性、および柔軟性について、総合的に最良の性能を示した。
【0089】
組成物JおよびKは、スチレン/アクリル酸コポリマー(アルカリ−可溶性)およびスチレンアクリレートエマルション(不溶性)に対して、ポリ塩化ビニルエマルションを添加することによって調製した。両方の組成物を硬化させたところ、該硬化物は周囲温度および熱硬化後において良好な導電率を示した。組成物Kは、印刷時、柔軟性テスト後、および温度/湿潤条件に付した後において、より良好な導電率を示した。
【0090】
以上の通り、本発明を、本発明の特定の実施態様に基づいて説明したが、本願明細書に開示した本発明の概念から逸脱しない限り、これらの実施態様に関する多くの変更、改変および変動が可能であることは明らかである。従って、本発明は、特許請求の範囲に記載の技術的思想および広義の範囲の中に入る、このような変更、改変および変動の全ての態様を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)金属フレークまたは金属粒子;
(ii)アクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマーを溶解させるために有効な溶媒和量のアルカリ含有水中のアルカリ−可溶性のアクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマー;
(iii)水に分散された水不溶性ポリマー;および
(iv)任意の融合助剤および/または可塑剤
を含有する水性導電性組成物。
【請求項2】
アルカリ−可溶性アクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマーがスチレン−アクリル酸コポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
水に分散された水不溶性ポリマーが、ポリウレタン、アクリル系ポリマー、ポリエステル、およびビニル系ポリマーからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
水に分散された水不溶性ポリマーがポリ塩化ビニルである請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
金属フレークまたは金属粒子が銀、銅、ニッケル、銀被覆物質(silver coated materials)、銅被覆物質(copper coated materials)、ニッケル被覆物質(nickel coated materials)およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
金属フレークまたは金属粒子がオレイン酸で被覆された二元粒径型フレークである請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
二元粒径型金属フレークが銀であって、その質量基準平均粒径(D50)が3μmである請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
二元粒径型金属フレークが銀であって、その90%粒径(D90)が8.8μmである請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
組成物中の金属フレークまたは金属粒子以外の固形分に対する金属フレークまたは金属粒子の比率が約8〜約10の範囲内である請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
融合助剤が存在し、該融合助剤が、エチレングリコールモノブチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、およびエチレングリコールからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
可塑剤が存在し、該可塑剤が、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ−イソ−オクチルフタレート、ジノニルフタレート、C7−9ジアルキルフタレートの混合物、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジブチルアジペート、ジヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ジ−イソ−オクチルアジペート、ジブチルセバケートおよびジオクチルセバケートからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
水不溶性ポリマーが水に分散され、該ポリマーが、スチレンモノマーおよび2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを含むコポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
軟質支持体上へ、請求項1に記載の組成物を印刷して乾燥させることにより形成される導電性被膜。
【請求項14】
請求項13に記載の導電性被膜を含むRFIDアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−513682(P2010−513682A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542991(P2009−542991)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/083445
【国際公開番号】WO2008/127397
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】