水晶振動子
【課題】 封止材のキャビティ内への流入を抑制するとともに、第1板と第2板との接合強度を高める水晶振動子を提供する。
【解決手段】 水晶振動子(100)は、第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板(40)と、第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板(10)と、第1板の第2面と第2板の第3面との間に環状に配置され第1板と第2板とを接合する環状の接合材(LG)と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状に沿って接合材が入り込んだ第1溝部(402)と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状の内側に第1溝部(402)に並んで形成される第2溝部(403)と、を備える。
【解決手段】 水晶振動子(100)は、第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板(40)と、第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板(10)と、第1板の第2面と第2板の第3面との間に環状に配置され第1板と第2板とを接合する環状の接合材(LG)と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状に沿って接合材が入り込んだ第1溝部(402)と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状の内側に第1溝部(402)に並んで形成される第2溝部(403)と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面実装型の水晶振動子に関する。特に、封止材によって第1板と第2板とを封止する水晶振動子に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装用の水晶振動子は、ガラス又はセラミック等の絶縁性ベース板に水晶振動片が収納される。その絶縁性ベース板は、リッド板で封止される。そのリッド板を封止する製造方法が、いろいろ提案されている。
【0003】
特許文献1に開示される水晶振動子の製造方法は、以下の通りである。セラミックパッケージは、金属製のシールリングを有している。そのシールリング上に金属性のリッド板が載置され、リッド板はロウ付けして封止される。シールリングには、十分な量のロウ材を保持して接合強度を高めるため、凹み溝が形成されている。
特許文献2に開示される水晶振動子の製造方法は、以下の通りである。ベース板の接合面に、低融点ガラスである封止材が印刷され、リッド板の接合面にも印刷される。そしてベース板とリッド板とが重ね合わされ、加熱及び押圧することにより、ベース板とリッド板とが低融点ガラスで封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−148436号公報
【特許文献2】特開2004−297372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、水晶振動子の小型化に伴い、ベース板又はリッド板の接合面の幅が狭くなるとともに封止材の幅も狭くなっている。このため、水晶振動子の外側からキャビティ内へ気体又は水蒸気がリークもしくはキャビティ内から水晶振動子の外へ気体がリークしやすくなるとともに、接合強度が弱くなっている。一方、接合強度を増すために、封止材の量を増やしして、ベース板とリッド板とを接合すると、余分な封止材がキャビティ内に流入する問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、封止材のキャビティ内への流入を抑制するとともに、接合強度を高め耐衝撃性を向上させた水晶振動子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点の水晶振動子は、第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板と、第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板と、第1板の第2面と第2板の第3面との間に環状に配置され第1板と第2板とを接合する環状の接合材と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状に沿って接合材が入り込んだ第1溝部と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状の内側に第1溝部に並んで形成される第2溝部と、を備える。
【0008】
第2の観点の水晶振動子は、第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板と、第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板と、第1板の第2面と第2板の第3面との間に環状に配置され、第1板と第2板とを接合する環状の接合材と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状に沿って接合材が入り込んだ第1溝部と、第1板又は第2板の少なくとも一方の角部に少なくとも一対のキャスタレーションが形成され、第1溝部からキャスタレーションにつながる第3溝部と、を備える。
【0009】
第3の観点の水晶振動子において、第1板は、第1面に外部電極を有するベース板であり、第2板は励振電極が形成された励振部とこの励振部を取り囲む枠部とを有する圧電振動片であり、ベース板と枠部とが接合材で接合される。
第4の観点の水晶振動子において、励振部は、励振電極が形成されたメサ領域と該メサ領域の周辺でメサ領域よりも厚さが薄い周辺領域とを有し、第1溝部の深さはメサ領域と周辺領域との差に等しい。
【0010】
第5の観点の水晶振動子において、第1板は第1面に外部電極を有するベース板であり、第2板は励振電極が形成された励振部を覆うリッド板であり、ベース板とリッド板とが接合材で接合される。
第6の観点の水晶振動子において、第1面と第2面とを結ぶ側面に形成されたキャスタレーションと、キャスタレーションに形成された側面電極と、を備え、外部電極と側面電極とが電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水晶振動子によれば、封止材のキャビティ内への流入を抑制するとともに、第1板と第2板との接合強度を高める。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は、第1実施形態の第1水晶振動子100の分解斜視図である。 (b)は、第1水晶振動子100のA−A’断面図である。
【図2】第1実施形態の第1水晶振動子100の製造を示したフローチャートである。
【図3】第1ウエハ(ベースウエハ)W40の平面図である。
【図4】第2ウエハ(リッドウエハ)W10の平面図である。
【図5】第1ウエハW10と第2ウエハW40とを接合するステップS108を示した詳細説明図である。
【図6】(a)は、変形例1である第1水晶振動子100Aの断面図である。 (b)は、変形例2である第1水晶振動子100Bの断面図である。
【図7】(a)は、第2実施形態の第2水晶振動子110の分解斜視図である。 (b)は、第2水晶振動子110のB−B’断面図である。
【図8】第2実施形態の第2水晶振動子110の製造を示したフローチャートである。
【図9】(a)は、第3実施形態の第3水晶振動子120の分解斜視図である。 (b)は、第3水晶振動子120のC−C’断面図である。
【図10】図9(b)のEL部の拡大図である。
【図11】(a)は、第4実施形態の第4水晶振動子130の分解斜視図である。 (b)は、第4水晶振動子130のD−D’断面図である。
【図12】水晶ウエハW32の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
<第1水晶振動子100の全体構成>
第1水晶振動子の全体構成について図1〜図5を使って説明する。
第1水晶振動子100は、図1に示されたように、リッド板凹部17を有する第1リッド板10と、ベース板凹部47を有する第1ベース板40と、第1ベース板40に載置される第1水晶振動片20とを備える。第1水晶振動子100は、第1リッド板10と、第1ベース板40とは互いに接合されてパッケージ80(図1(b)参照)が形成される。パッケージ80内にはキャビティCT(図1(b)参照)が形成され、キャビティCTには第1水晶振動片20が載置される。
【0014】
第1実施形態では、水晶振動片としてATカットの第1水晶振動片20が使われている。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、第1実施形態ではATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をy’軸及びz’軸として用いる。すなわち、第1実施形態において第1水晶振動子100の長手方向をx軸方向、第1水晶振動子100の高さ方向をy’軸方向、x及びy’軸方向に垂直な方向をz’として説明する。以下、第2実施形態〜第4実施形態において同様である。
【0015】
第1水晶振動片20は、ATカットされた水晶片201により構成され、一対の励振電極202a、202bが、その水晶片201の中央付近の両主面に対向して配置される。また、励振電極202aには水晶片201の底面(−y’側)の−x側まで伸びた引出電極203aが接続され、励振電極202bには水晶片201の底面(−y’側)の−x側まで伸びた引出電極203bが接続される。また、励振電極202及び引出電極203は、例えば下地としてのクロム層が用いられ、クロム層の上面に金層が用いられる。
【0016】
第1ベース板40は、水晶又はホウ酸塩ガラス等からなる。第1ベース板40は、+y’側の面にベース板凹部47を有し、その周囲に形成された第1接合面M2を有している。ベース板凹部47は、底面の−x側に接続電極408a、408bを備える。
【0017】
第1ベース板40の四隅には、円形貫通孔BH1(図4を参照)をダイシングした際のキャスタレーション406a、406b,406c、406dが形成されている。側面電極407a、407bが、ベース板キャスタレーション406a、406cにそれぞれ形成される。また、側面電極407aと電気的に接続された接続電極408aが第1ベース板40の第1接合面M2の−x側に形成されている。同様に、側面電極407bと電気的に接続された接続電極408bが、第1ベース板40の第1接合面M2の−x側に形成されている。
【0018】
第1ベース板40の第1接合面M2には、ベース第1溝部402及びベース第2溝部403がベース板凹部47を枠状に囲むように形成されている。ベース第1溝部402及びベース第2溝部403は並んで形成される。さらに、第1ベース板40は、実装面M1に側面電極407a、407bにそれぞれ電気的に接続された一対の実装端子405a、405b(図1(b)を参照)を有している。
【0019】
第1リッド板10は、水晶又はホウ酸塩ガラス等からなる。第1リッド板10は、−y’側の面にリッド板凹部17を有し、その周囲に形成された第2接合面M3を有している。リッド板凹部17とベース板凹部47とは、第1水晶振動片20を収納するキャビティCTを形成する。第1水晶振動片20は、第1ベース板40の接続電極408a、408bに載置され導電性接着剤60を介して実装端子405a、405bに電気的に接続される。キャビティCTは、不活性ガスで満たされたり又は真空状態に密封されたりする。
【0020】
低融点ガラスの封止材LGが、第1ベース板40の第1接合面M2と第1リッド板10の第2接合面M3との間に、配置される。この封止材LGは、第1ベース板40と第1リッド板10とを接合する。
【0021】
低融点ガラスの封止材LGは、350℃〜400℃で溶融する鉛フリーのバナジウム系ガラスを含む。バナジウム系ガラスは、非導電性接着剤で、バインダーと溶剤とが加えられペースト状であり、溶融された後固化されることで他の部材と接着する。バナジウム系ガラスの融点は水晶材又はガラスなどで形成された第1リッド板10及び第1ベース板40の融点より低く、また、このバナジウム系ガラスは、接着時の気密性と耐水性・耐湿性などの信頼性が高い。
【0022】
図1(b)は、図1(a)のA−A’断面図である。第1リッド板10の第2接合面M3と第1ベース板40の第1接合面M2とが封止材LGを介して互いに接合されている。また、外側のベース第1溝部402に封止材LGが入り込んでいる。ベース第1溝部402に封止材LGが入り込むことで、封止面積を増やし、封止材LGによるベース板40とリッド板10との接合強度を高めている。キャビティ側(内側)のベース第2溝部403にも少量の封止材LGが入り込んでいる。第1リッド板10と第1ベース板40とが接合されることによりパッケージ80が形成される。第1リッド板10と第1ベース板40とが接合される前は、封止材LGは幅wd2であり、封止材LGは、Y’軸方向に、ベース第2溝部403と重なり合っていない。
【0023】
第1水晶振動片20が、キャビティCTには載置されている。第1水晶振動片20の引出電極203a,203bは、導電性接着剤60を介して接続電極408a,408bと電気的に接続されている。また、接続電極408a,408bは、第1ベース板40のベース第1溝部402及びベース第2溝部403を通り、実装端子405a、405bと電気的に接続されている。つまり、第1水晶振動片20の励振電極202a,202bと実装端子405a、405bとは、電気的に接続されており、2つの実装端子405a、405bの間に電圧が印加されると、第1水晶振動片20は振動する。
【0024】
<第1水晶振動子100の製造方法>
図2は、第1水晶振動子100の製造方法が示されたフローチャートである。
ステップS101では、水晶ウエハに複数の水晶振動片20の外形が形成される。
ステップS102では、水晶ウエハに形成されている各水晶振動片20に、励振電極202、引出電極203が形成される。
ステップS103では、水晶ウエハから個々の水晶振動片20が切り離される。
【0025】
ステップS104では、第1ウエハW40が用意される。第1ウエハW40には、複数の第1ベース板40が形成されている。第1ウエハW40は、例えば水晶又はガラス等により形成される。図3を参照して第1ウエハW40について説明する。
【0026】
図3は、第1ウエハW40の平面図である。第1ウエハW40には複数の第1ベース板40が形成されている。第1ベース板40の+y’軸側の面には凹部47が形成されている。また、凹部47には接続電極408a,408bが形成されている。凹部47の周りの第2接合面M2には、凹部47を囲むようにベース第1溝部402及びベース第2溝部403が形成されている。また、各第1ベース板40の四隅には円形貫通孔BH1が形成されている。
【0027】
また、図3には示されていないが、第1ウエハW40の−y’軸側の面には実装端子405が形成されている(図1(b)を参照)。図3では、隣接する第1ベース板40の境界線が二点鎖線で示されている。この二点鎖線は、図2のステップ109で第1ウエハが切断されるスクライブラインSLである。
【0028】
ステップS105では、第2ウエハW10が用意される。複数の第1リッド板10が、第2ウエハW10に形成されている。第2ウエハW10は、例えば水晶又はガラス等により形成される。図4を参照して第2ウエハW10について説明する。
【0029】
図4は、第2ウエハW10を−y’軸側から+y’軸方向に見た、平面図である。第2ウエハW10には複数の第1リッド板10が形成されている。図4では、隣接する第1リッド板10の境界線が二点鎖線で示されている。この二点鎖線は、図2のステップ109で第2ウエハが切断されるスクライブラインSLである。各第1リッド板10の−y’軸側の面には凹部17が形成されており、凹部17の周りには第2接合面M3が形成されている。
【0030】
ステップS106では、封止材LGが、第2接合面M3に塗布される。しかし、凹部17を除く第2接合面M3の全面に封止材LGが塗布されるわけではない。図4に示されるように、z’軸方向には、凹部17から所定距離離れた位置からスクライブラインSLまで、幅wd1で封止材LGが塗布されている。x軸方向には、凹部17から所定距離離れた位置からスクライブラインSLまで、幅wd2で封止材LGが塗布されている。これは、第1ウエハW40と第2ウエハW10とを重ね合わせた際に、封止材LGが、ベース第1溝部402に重なり、ベース第2溝部403に重ならないようにするためである。なお、幅wd1と幅wd2とは同じ幅であってもよい。
【0031】
ステップS107では、第1水晶振動片20が第1ウエハW40に載置される。
ステップS108では、第2ウエハW10と第1ウエハW40とが接合される。ステップS108の詳細は、図5を参照して後述する。
【0032】
ステップS109では、第1ウエハW40及び第2ウエハW10がスクライブラインSLに沿って切断される。この切断により、第1水晶振動子100が個々に分割される。
【0033】
図5は、図2のステップS108の第2ウエハW10と第1ウエハW40とが接合される過程を説明するためのフローチャートである。また、図5の各ステップの右横に、各ステップを説明するための図5(a)〜図5(c)が示されている。これら図5(a)から図5(c)は、図3のE−E断面の概略断面図が示されている。図5(a)から図5(c)には、隣り合う第1ベース板40の境界線が二点鎖線で示されており、この二点鎖線はスクライブラインSLを示している。
【0034】
ステップS181において、第1ウエハW40に第1水晶振動片20が載置された第1ウエハ(ステップS107)が用意される。図5(a)に示されるように、第1水晶振動片20が、第1ウエハW40に形成された第1ベース板40の凹部47に、載置される。その際に、第1水晶振動片20の引出電極203が、導電性接着剤60を介して接続電極408に接続される。
【0035】
ステップS182では、封止材LGが形成された第2ウエハW10が、第2ウエハW10に位置決めされる。図5(b)には、第2ウエハW10と第1ウエハW40とが接合される前の状態が示されている。第2ウエハW10と第1ウエハW40とは互いのスクライブラインSLがy’軸方向に重なる。つまり、第1接合面M2と第2接合面M3とが重なるように位置決めされる。封止材LGは、第2接合面M3のx軸方向に、幅wd2で形成されている。
【0036】
図5(b)に示されるように、第2ウエハW10に形成された封止材LGは、スクライブラインSLから幅wd2である。この幅wd2は、第1ベース板40の第1接合面M2に形成されたベース第1溝部402と重なるが、ベース第2溝部403とは重なり合わない。つまり、幅wd2は、一番幅が広くても、スクライブラインSLから第1接合面M2のベース第2溝部403の直前までの幅になる。
【0037】
ステップS183では、第2ウエハW10と第1ウエハW40とが加熱下で、y’軸方向に押圧される。図5(c)は、第2ウエハW10と第1ウエハW40とが接合した状態を示している。封止材LGは、第2ウエハW10と第1ウエハW40とに挟まれてベース第1溝部402に入り込む。そしてさらに封止材LGは、+z’軸方向及び−z’軸方向に広がる。広がった封止材LGのうち、キャビティCT側に広がった封止材LGは、第2溝部403に入る。ベース第1溝部402は、封止材LGが第1ベース板40の第1接合面M2で接する面積を広げ、第1リッド板10と第1ベース板40との接合強度を高める。またベース第1溝部402が、封止材LGのキャビティCT内への流入を抑制できる。
【0038】
図6(a)は、第1水晶振動子100の変形例1である水晶振動子100Aの断面図であり、(b)は、第1水晶振動子100の変形例2である水晶振動子100Bの断面図である。
【0039】
図6(a)に示されるように、水晶振動子100Aは、第1リッド板10(図1を参照)と異なるリッド板10Aを有している。リッド板10Aは、その第2接合面M3に枠状のリッド溝部15を有している。リッド板10Aと第1ベース板40とが接合される前は、リッド板10Aの第2接合面M3に、封止材LGが幅wd2で印刷されている。リッド溝部15の位置は、封止材LGの幅wd2内である。
【0040】
リッド溝部15及びベース第1溝部402は、封止材LGによるベース板40とリッド板10Aとの接合強度を高めている。そして、ベース板40とリッド板10Aとの接合の際に、押圧されて封止材LGが薄くなり且つ広がると、広がった封止材LGの一部がベース第2溝部403に入り込む。このため、ベース第2溝部403は、広がった封止材がキャビティCT内への流入することを抑制する。
【0041】
図6(b)に示されるように、水晶振動子100Bは、第1リッド板10(図1を参照)と異なるリッド板10Bを有している。リッド板10Bは、その第2接合面M3にリッド凸枠部16を有している。リッド板10Bと第1ベース板40とが接合される前は、リッド板10Bの第2接合面M3に、封止材LGが幅wd2で印刷されている。リッド凸枠部16の位置は、封止材LGの幅wd2内である。つまり、封止材LGは、リッド凸枠部16に食い込むように印刷される。
【0042】
リッド凸枠部16及びベース第1溝部402は、封止面積を増やすことで、封止材LGによるリッド板10Bとベース板40との接合強度を高めている。そして、ベース板40とリッド板10Bとの接合の際に、押圧されて封止材LGが薄くなり広がると、広がった封止材LGの一部がベース第2溝部403に入り込む。このため、ベース第2溝部403は、広がった封止材がキャビティCT内への流入することを抑制する。
【0043】
(第2実施形態)
<第2水晶振動子110の全体構成>
第2実施形態の第2水晶振動子110は、図7に示されたように、第1水晶フレーム30と、第2ベース板41と第2リッド板11とを有する。図7(a)は、第2水晶振動子110の分解斜視図であり、(b)は、第2水晶振動子110のB−B’断面図である。
【0044】
第2水晶振動子110と第1水晶振動子100とは、第1水晶振動子100の第1水晶振動片20に代わり第1水晶フレーム30が搭載されている点で異なっている。また、第2ベース板41に枠状凸部412及び溝部413が形成され、第2リッド板11に第1、第2溝部が形成されている点で異なっている。第2実施形態では、第1水晶振動子100と同じ構成部分は第1水晶振動子100と同じ番号を付している。同じ構成についてはその説明を割愛する。
【0045】
第2ベース板41と第2リッド板11とは、水晶材料又はガラスからなる。また第1水晶フレーム30と第2ベース板41とは封止材LGで接合され、第1水晶フレーム30と第2リッド板11とは封止材LGで接合される。
【0046】
第1水晶フレーム30は、水晶接合面M4と水晶接合面M5とを有している。第1水晶フレーム30は、水晶片301を囲む外枠300を有している。水晶片301と外枠300との間には、上下を貫通するL字型の間隙部308aと間隙部308bとが形成される。間隙部308aと間隙部308bとが形成されていない部分は、水晶片301と外枠300との連結部309となる。
【0047】
第1水晶フレーム30は、ATカットの水晶片301により構成され、その水晶片301の中央付近の両主面に、一対の励振電極304a,304bが対向して配置されている。また、励振電極304aにはATカットの水晶片301底面(−y’)の−x端側まで伸びた引出電極303a及び接続電極パッド305aが接続される。また励振電極304bには、ATカットの水晶片301底面(−y’)の+x端側にまで伸びた引出電極303b及び接続電極パッド305bが接続されている。第1水晶フレーム30の接続電極パッド305a、305bは、第2ベース板41の接続電極408a、408bに接合される。
【0048】
また、励振電極304a、304bと導電された引出電極305a、305bが、外枠300の両面にそれぞれ形成されている。さらに、水晶キャスタレーション306a、306bが、第1水晶フレーム30の四隅に形成されている。また、引出電極305a、305bにそれぞれ接続された水晶側面電極307a、307bが、一対の水晶キャスタレーション306a、306bに形成されている。水晶キャスタレーション306a、306bは、円形貫通孔をダイシングされた際に形成される。
【0049】
第2リッド板11は、−y’側の面にリッド板凹部17を有し、その周囲に形成された第2接合面M3を有している。第2接合面M3には、リッド凹部17に沿って枠状のリッド第2溝部113が形成され、その外側にリッド第1溝部112が形成される。第2リッド板11の四隅には、キャスタレーション116a、116bが形成されている。
【0050】
第2ベース板41は、+y’側の面にベース凹部47を有し、その周囲に形成された接合面M2を有している。ベース凹部47は、接合面M2の+y’側に接続電極418a、418bを備える。
【0051】
第2ベース板41の四隅には、円形貫通孔BH1をダイシングした際のキャスタレーション416a、416bが形成されている。側面電極417a、417bが、キャスタレーション416a、416bにそれぞれ形成される。また、側面電極417aと電気的に接続された接続電極418aが第2ベース板41の接合面M2の−x側に形成されている。同様に、側面電極417bと電気的に接続された接続電極418bが、第2ベース板41の接合面M2の+x側に形成されている。
【0052】
第2ベース板41の接合面M2には、ベース凹部47を枠状に囲むようにベース第2溝部413及びその外側のベース凸枠部412が形成されている。さらに、第2ベース板41は、実装面M1に側面電極417a、417bにそれぞれ電気的に接続された一対の実装端子415a、415bを有している。
【0053】
図7(b)は、図7(a)のB−B’断面図である。第2リッド板11の第2接合面M3と第1水晶フレーム30の接合面M5とが封止材LGを介して互いに接合され、第1水晶フレーム30の接合面M4と第2ベース板41の接合面M2とが封止材LGを介して互いに接合される。第2リッド板11、第1水晶フレーム30及び第2ベース板41が接合される前は、封止材LGが幅wd2で印刷されている。すなわち、封止材LGは、リッド第2溝部113及びベース第2溝部413に印刷されていない。第2リッド板11、第1水晶フレーム30及び第2ベース板41が接合される際に、押圧されて封止材LGが薄くなり且つ広がると、広がった封止材LGの一部がリッド第2溝部113又はベース第2溝部413に入り込む。
【0054】
<第2水晶振動子110の製造方法>
図8は、第2水晶振動子110の製造方法を示したフローチャートである。
【0055】
ステップS151及びS152は、図2のステップS101及びS102と実質的に同じである。第2水晶振動子110では、水晶ウエハから個々の水晶振動片を切り取らないため、図2のステップS103に相当するステップはない。その代わりに、ステップS151で形成される第1水晶フレーム30は、水晶接合面M4と水晶接合面M5とを有している。また第1水晶フレーム30の四隅に水晶ウエハ30Wを貫通するように円形貫通孔BH1が形成される。ここで、円形貫通孔BH1の4分の1がキャスタレーション306a又は306b(図7(a)を参照)になる。
【0056】
ステップS153及びS155は、図2のステップS104及びS105と実質的に同じである。但し、図7で示されたように、ステップS155で形成される第2リッド板11は、リッド第1溝部112及びリッド第2溝部113を有している。
【0057】
ステップS154では、封止材LGが、第1接合面M2に環状に塗布される。封止材LGは、スクライブラインSLからベース第2溝部413の手前までの幅で塗布される。
ステップS156では、封止材LGが、第2接合面M3に枠状に塗布される。封止材LGは、スクライブラインSLからリッド第2溝部113の手前までの幅で塗布される。
【0058】
ステップS157では、水晶ウエハの水晶接合面M4と第1ウエハの第1接合面M2とが接合される。
ステップS158では、水晶ウエハの水晶接合面M5と第2ウエハの第2接合面M3とが接合される。ステップS157及びステップS158において、封止材LGが押圧されて、薄く広がる現象は、図5で示されたフローチャートと同じである。
【0059】
(第3実施形態)
<第3水晶振動子120の全体構成>
第3水晶振動子120の全体構成について、図9、図10を参照しながら説明する。
図9(a)は、第3水晶振動子120の第3リッド12側から見た分割した状態の斜視図であり、図9(b)は、第3水晶振動子120のC−C’断面図である。図10は、図9(b)の丸で囲ったEL部の拡大図である。
【0060】
第3水晶振動子120と第2水晶振動子110との違いは、第2水晶振動子110の第1水晶フレーム30に代えて、第3水晶振動子120は第2水晶フレーム31を装着している点である。また違いは、第3リッド12がリッド第1溝部及びリッド第2溝部がない代わりに、第2水晶フレーム31が、第1溝部及び第2溝部を有している点である。更に、違いは、第3ベース42にベース第3溝部を有している点である。第2実施形態と同じ構成要件には同じ符号を付し説明を省略し相違点について説明する。
【0061】
図9(a)に示されたように、第3水晶振動子120は、リッド凹部17を有する第3リッド板12と、ベース凹部47を有する第3ベース板42と、第3ベース板42に載置されるATカットの第2水晶フレーム31とを備える。第3ベース板42と第3リッド板12とは、水晶材料又はガラスからなる。
【0062】
第2水晶フレーム31は、ATカットされた矩形の水晶片311により構成され、その水晶片311と水晶片311を囲む外枠310とで構成されている。また、水晶片311と外枠310との間には、上下を貫通する間隙部318aと間隙部318bと連結部319とが形成される。
【0063】
第2水晶フレーム31は、水晶片311の周辺部よりもy’軸方向に厚い振動部(メサ領域)350と、振動部350の両主面に配置された矩形の一対の励振電極314a、314bとを備えたメサ型の水晶振動片である。また、励振電極314aには引出電極315aが接続され、励振電極314bには引出電極315bが接続されている。
【0064】
第2水晶フレーム31は、外枠310の接合面M5に外枠形状に沿ってフレーム第2溝部313を有し、フレーム第2溝部313の外側にフレーム第1溝部312を有している。第2水晶フレーム31の四隅には、円形貫通孔をダイシングした際のキャスタレーション316a、316bが形成されている。側面電極317a、317bが、キャスタレーション316a、316bにそれぞれ形成される。
【0065】
第3リッド板12は、−y’側の第2接合面M3にリッド凹部17を有し、第3リッド板12の四隅には、キャスタレーション126a、126bが形成されている。キャスタレーション126a、126bは円形貫通孔をダイシングされた際に形成される。
【0066】
第3ベース板42は、+y’側の面にベース凹部47を有し、その周囲に形成された接合面M2を有している。第3ベース板42の四隅には、キャスタレーション426a、426bが形成されている。側面電極427a、427bが、キャスタレーション426a、426bにそれぞれ形成される。
【0067】
第3ベース板42の接合面M2には、ベース凹部47を枠状に囲むようにベース第2溝部423及びベース第1溝部422が形成されている。さらに、第3溝部424が、ベース第2溝部423からキャスタレーション426a、426bに、ベース第1溝部422を介して繋がっている。また、第3ベース板42は、実装面M1に側面電極417a、417bにそれぞれ電気的に接続された一対の実装端子415a、415bを有している。
【0068】
第3水晶振動子120は、図8で示された第2水晶振動子110の製造方法と同様に3枚のウエハを重ねあわせて製造される。図8のステップS157において、第1ウエハと水晶ウエハが加熱下で、y’軸方向に押圧される。封止材LGは、第1ウエハと水晶ウエハとに挟まれてベース第1溝部422に入り込み、接合面M2に広がる。広がった封止材LGのうち、キャビティCT側に広がった封止材LGは、第2溝部423に入る。第1溝部422及び第2溝部423に、第3溝部424がつながっている。そのため余分な封止材LGが印刷されていたとしても、余分な封止材LGは、第3溝部424を介してキャスタレーション426に流れ出る。第3溝部424は、余分な封止材LGのキャビティCT内への流入を抑制できる。
【0069】
また第3実施形態では、ウエハ間の導通を確実にするために、図8のステップS158とステップS159との間に、以下の工程が加えられる。
【0070】
図9(b)に示されたように、第3リッド板12と第2水晶フレーム31と第3ベース板42とは、封止材LGで接合される。その後、実装端子425を除いた実装面M1及びリッドの天井面をマスクして、ウエハに対してスッパタリング又は真空蒸着する。すると、円形貫通孔BH1にスパッタによる側面接続電極421が形成され、ベース側面電極427と第2水晶フレーム31の側面電極317とが導通し、引出電極315と実装端子425とが電気的に接合される。
【0071】
<フレーム第1溝部及び第2溝部の製造>
図10は、図9(b)の丸で囲ったEL部、つまり第2水晶フレーム31の一部の拡大図である。水晶片311はメサ型であるため、上面(+y’側)の、水晶片311の周辺部と振動部350とは、厚さh2の段差がある。厚さh2の段差は、ウェットエッチングによって形成される。外枠310にはフレーム第1溝部312とフレーム第2溝部313とがウェットエッチングによって形成される。フレーム第1溝部312とフレーム第2溝部313の深さh1が、厚さh2と同じであると、振動部350より低い水晶片311の周辺部を形成する際に、フレーム第1溝部312とフレーム第2溝部313とを形成することができる。
【0072】
(第4実施形態)
<第4水晶振動子130の全体構成>
第4水晶振動子130の全体構成について、図11及び図12を参照しながら説明する。
図11(a)は、第4水晶振動子130の分解斜視図である。図11(b)は、第4水晶振動子130のD−D’断面図である。図12は、第4水晶振動子130の水晶ウエハW32の平面図である。
【0073】
第4水晶振動子130と第3水晶振動子120との違いは、第2水晶フレーム31に代えて、第4水晶振動子130は第3水晶フレーム32を第4ベース板43に搭載している点である。また、キャスタレーションの位置及び形状が異なる。第3実施形態と同じ構成要件には同じ符号を付し説明を省略し相違点について説明する。
【0074】
図11に示されたように、第4水晶振動子130はリッド凹部17を有する第4リッド板13と、ベース凹部47を有する第4ベース板43と、第4ベース板43に載置される第3水晶フレーム32とを備える。
【0075】
第3水晶フレーム32は、水晶接合面M4と水晶接合面M5とを有している。第3水晶フレーム32は水晶振動部321を囲む外枠320を有している。水晶振動部321と外枠320との間には、上下を貫通するL字型の間隙部328が形成され、間隙部308が形成されていない部分が水晶振動部321と外枠320との連結部324となっている。
【0076】
励振電極322a、322bは、水晶振動部321の中央付近の両主面に対向して配置されている。励振電極322aは水晶振動部321の表面(+y’側)の−x側まで伸びた引出電極323aが接続され、励振電極322bは水晶振動部321の底面(−y’側)の+x側まで伸びた引出電極323bが接続されている。
【0077】
第3水晶フレーム32の外枠320は、水晶接合面M5に間隙部308に沿ってフレーム第2溝部333が形成され、フレーム第2溝部333の外側にフレーム第1溝部332が形成されている。第3水晶フレーム32は、x軸方向の両側にz’軸方向に伸びたキャスタレーション326a、326bが形成されている。キャスタレーション326a、326bは、角丸長方形の貫通孔BH2(図12を参照)をダイシングした際に形成されている。側面電極327a、327bが、キャスタレーション326a、326bにそれぞれ形成される。
【0078】
第4ベース板43は、表面(+y’側の面)にベース凹部47の周囲に形成された接合面M2を有している。第4ベース板43は、x軸方向の両側にz’軸方向に伸びたキャスタレーション436a、436bが形成されている。側面電極437a、437bがキャスタレーション436a、436bにそれぞれ形成されている。第4ベース板43は、実装面M1に側面電極437a、437bとそれぞれ電気的に接続された一対の実装端子435、435a、435bを有している。
【0079】
第4リッド板13は、−y’側の第2接合面M3にリッド凹部17を有し、第4リッド板13には、x軸方向の両側にz’軸方向に伸びたキャスタレーション136a、136bが形成されている。キャスタレーション136a、136bは角丸長方形の貫通孔を2分の1にダイシングされた際に形成される。
【0080】
第4リッド板13と第3水晶フレーム32と第4ベース板43とは、封止材LGで接合したあとに、実装端子435を除いたベース側及びリッド側をマスクしてスッパタする。すると、角丸長方形の貫通孔BH2にスパッタによる側面接続電極431が形成され、ベース側面電極437と第3水晶フレーム32の側面電極327とが導通し、引出電極323と実装端子435とが電気的に接合される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0082】
第1実施形態から第4実施形態において、リッド板部と水晶フレームとベース板部とは非導電性接着剤である低融点ガラスLGにより接合されているが、低融点ガラスの代わりにポリイミド樹脂を用いられてもよい。また、第1実施形態から第4実施形態においてさらに水晶振動片は水晶材料のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは圧電セラミックを含む圧電材料に基本的に適用できる。また圧電振動片を発振させるIC等の発振回路を有する圧電発振器であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10(10A,10B),11,12,13 … リッド
15 … リッド溝部、 16 … リッド凸枠部
17,47 … 凹部
20,302 … 水晶振動片
30,31,32 … 水晶フレーム
40,41,42,43 … ベース板
60 … 導電性接着剤
100、110、120,130 … 水晶振動子
100A,100B … 変形例
112 … リッド第1溝部、113 … リッド第2溝部
116a,116b、126a,126b … キャスタレーション
136a,136b,306a,306b … キャスタレーション
316a,316b,326a,326b … キャスタレーション
406a,406b,416a,416b … キャスタレーション
426a,426b、436a,436b … キャスタレーション
201,301,311 … 水晶片
202a、202b,304a,304b … 励振電極
203a、203b,303a,303b … 引出電極
300,310,320 … 枠部
305a,305b,325a,325b … 接続電極パッド
307a,307b,317a,317b … 側面電極
327a,327b,407a,407b … 側面電極
417a,417b,427a,427b … 側面電極
308a,308b,318a,318b、328 … 間隙部
309,319,324 … 連結部
312、332 … フレーム第1溝部
313、333 … フレーム第2溝部
314a,314b,322a,322b … 励振電極
315a,315b,323a,323b … 引出電極
321、350 … 水晶振動部
402、422,432 … ベース第1溝部
403、413,423,433 … ベース第2溝部
405,405a,405b,415,415a,415b … 実装端子
425、425a、425b,435,435a,435b … 実装端子
408a,408b … 接続電極、 412 … 枠状凸部
418a,418b,438a,438b … 接続電極
421,431 … 側面接続電極
424 … ベース第3溝部
BH1 … 円形貫通孔,BH2 … 角丸長方形の貫通孔
CT … キャビティ
LG … 封止材
SL … スクライブライン
M1 … 実装面、 M2,M3,M4,M5 … 接合面
W10 … 第1ウエハ、 W40 … 第2ウエハ、
W32 … 水晶フレームウエハ
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面実装型の水晶振動子に関する。特に、封止材によって第1板と第2板とを封止する水晶振動子に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装用の水晶振動子は、ガラス又はセラミック等の絶縁性ベース板に水晶振動片が収納される。その絶縁性ベース板は、リッド板で封止される。そのリッド板を封止する製造方法が、いろいろ提案されている。
【0003】
特許文献1に開示される水晶振動子の製造方法は、以下の通りである。セラミックパッケージは、金属製のシールリングを有している。そのシールリング上に金属性のリッド板が載置され、リッド板はロウ付けして封止される。シールリングには、十分な量のロウ材を保持して接合強度を高めるため、凹み溝が形成されている。
特許文献2に開示される水晶振動子の製造方法は、以下の通りである。ベース板の接合面に、低融点ガラスである封止材が印刷され、リッド板の接合面にも印刷される。そしてベース板とリッド板とが重ね合わされ、加熱及び押圧することにより、ベース板とリッド板とが低融点ガラスで封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−148436号公報
【特許文献2】特開2004−297372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、水晶振動子の小型化に伴い、ベース板又はリッド板の接合面の幅が狭くなるとともに封止材の幅も狭くなっている。このため、水晶振動子の外側からキャビティ内へ気体又は水蒸気がリークもしくはキャビティ内から水晶振動子の外へ気体がリークしやすくなるとともに、接合強度が弱くなっている。一方、接合強度を増すために、封止材の量を増やしして、ベース板とリッド板とを接合すると、余分な封止材がキャビティ内に流入する問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、封止材のキャビティ内への流入を抑制するとともに、接合強度を高め耐衝撃性を向上させた水晶振動子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点の水晶振動子は、第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板と、第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板と、第1板の第2面と第2板の第3面との間に環状に配置され第1板と第2板とを接合する環状の接合材と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状に沿って接合材が入り込んだ第1溝部と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状の内側に第1溝部に並んで形成される第2溝部と、を備える。
【0008】
第2の観点の水晶振動子は、第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板と、第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板と、第1板の第2面と第2板の第3面との間に環状に配置され、第1板と第2板とを接合する環状の接合材と、第2面又は第3面の少なくとも一方に、接合材の環状に沿って接合材が入り込んだ第1溝部と、第1板又は第2板の少なくとも一方の角部に少なくとも一対のキャスタレーションが形成され、第1溝部からキャスタレーションにつながる第3溝部と、を備える。
【0009】
第3の観点の水晶振動子において、第1板は、第1面に外部電極を有するベース板であり、第2板は励振電極が形成された励振部とこの励振部を取り囲む枠部とを有する圧電振動片であり、ベース板と枠部とが接合材で接合される。
第4の観点の水晶振動子において、励振部は、励振電極が形成されたメサ領域と該メサ領域の周辺でメサ領域よりも厚さが薄い周辺領域とを有し、第1溝部の深さはメサ領域と周辺領域との差に等しい。
【0010】
第5の観点の水晶振動子において、第1板は第1面に外部電極を有するベース板であり、第2板は励振電極が形成された励振部を覆うリッド板であり、ベース板とリッド板とが接合材で接合される。
第6の観点の水晶振動子において、第1面と第2面とを結ぶ側面に形成されたキャスタレーションと、キャスタレーションに形成された側面電極と、を備え、外部電極と側面電極とが電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水晶振動子によれば、封止材のキャビティ内への流入を抑制するとともに、第1板と第2板との接合強度を高める。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は、第1実施形態の第1水晶振動子100の分解斜視図である。 (b)は、第1水晶振動子100のA−A’断面図である。
【図2】第1実施形態の第1水晶振動子100の製造を示したフローチャートである。
【図3】第1ウエハ(ベースウエハ)W40の平面図である。
【図4】第2ウエハ(リッドウエハ)W10の平面図である。
【図5】第1ウエハW10と第2ウエハW40とを接合するステップS108を示した詳細説明図である。
【図6】(a)は、変形例1である第1水晶振動子100Aの断面図である。 (b)は、変形例2である第1水晶振動子100Bの断面図である。
【図7】(a)は、第2実施形態の第2水晶振動子110の分解斜視図である。 (b)は、第2水晶振動子110のB−B’断面図である。
【図8】第2実施形態の第2水晶振動子110の製造を示したフローチャートである。
【図9】(a)は、第3実施形態の第3水晶振動子120の分解斜視図である。 (b)は、第3水晶振動子120のC−C’断面図である。
【図10】図9(b)のEL部の拡大図である。
【図11】(a)は、第4実施形態の第4水晶振動子130の分解斜視図である。 (b)は、第4水晶振動子130のD−D’断面図である。
【図12】水晶ウエハW32の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
<第1水晶振動子100の全体構成>
第1水晶振動子の全体構成について図1〜図5を使って説明する。
第1水晶振動子100は、図1に示されたように、リッド板凹部17を有する第1リッド板10と、ベース板凹部47を有する第1ベース板40と、第1ベース板40に載置される第1水晶振動片20とを備える。第1水晶振動子100は、第1リッド板10と、第1ベース板40とは互いに接合されてパッケージ80(図1(b)参照)が形成される。パッケージ80内にはキャビティCT(図1(b)参照)が形成され、キャビティCTには第1水晶振動片20が載置される。
【0014】
第1実施形態では、水晶振動片としてATカットの第1水晶振動片20が使われている。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、第1実施形態ではATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をy’軸及びz’軸として用いる。すなわち、第1実施形態において第1水晶振動子100の長手方向をx軸方向、第1水晶振動子100の高さ方向をy’軸方向、x及びy’軸方向に垂直な方向をz’として説明する。以下、第2実施形態〜第4実施形態において同様である。
【0015】
第1水晶振動片20は、ATカットされた水晶片201により構成され、一対の励振電極202a、202bが、その水晶片201の中央付近の両主面に対向して配置される。また、励振電極202aには水晶片201の底面(−y’側)の−x側まで伸びた引出電極203aが接続され、励振電極202bには水晶片201の底面(−y’側)の−x側まで伸びた引出電極203bが接続される。また、励振電極202及び引出電極203は、例えば下地としてのクロム層が用いられ、クロム層の上面に金層が用いられる。
【0016】
第1ベース板40は、水晶又はホウ酸塩ガラス等からなる。第1ベース板40は、+y’側の面にベース板凹部47を有し、その周囲に形成された第1接合面M2を有している。ベース板凹部47は、底面の−x側に接続電極408a、408bを備える。
【0017】
第1ベース板40の四隅には、円形貫通孔BH1(図4を参照)をダイシングした際のキャスタレーション406a、406b,406c、406dが形成されている。側面電極407a、407bが、ベース板キャスタレーション406a、406cにそれぞれ形成される。また、側面電極407aと電気的に接続された接続電極408aが第1ベース板40の第1接合面M2の−x側に形成されている。同様に、側面電極407bと電気的に接続された接続電極408bが、第1ベース板40の第1接合面M2の−x側に形成されている。
【0018】
第1ベース板40の第1接合面M2には、ベース第1溝部402及びベース第2溝部403がベース板凹部47を枠状に囲むように形成されている。ベース第1溝部402及びベース第2溝部403は並んで形成される。さらに、第1ベース板40は、実装面M1に側面電極407a、407bにそれぞれ電気的に接続された一対の実装端子405a、405b(図1(b)を参照)を有している。
【0019】
第1リッド板10は、水晶又はホウ酸塩ガラス等からなる。第1リッド板10は、−y’側の面にリッド板凹部17を有し、その周囲に形成された第2接合面M3を有している。リッド板凹部17とベース板凹部47とは、第1水晶振動片20を収納するキャビティCTを形成する。第1水晶振動片20は、第1ベース板40の接続電極408a、408bに載置され導電性接着剤60を介して実装端子405a、405bに電気的に接続される。キャビティCTは、不活性ガスで満たされたり又は真空状態に密封されたりする。
【0020】
低融点ガラスの封止材LGが、第1ベース板40の第1接合面M2と第1リッド板10の第2接合面M3との間に、配置される。この封止材LGは、第1ベース板40と第1リッド板10とを接合する。
【0021】
低融点ガラスの封止材LGは、350℃〜400℃で溶融する鉛フリーのバナジウム系ガラスを含む。バナジウム系ガラスは、非導電性接着剤で、バインダーと溶剤とが加えられペースト状であり、溶融された後固化されることで他の部材と接着する。バナジウム系ガラスの融点は水晶材又はガラスなどで形成された第1リッド板10及び第1ベース板40の融点より低く、また、このバナジウム系ガラスは、接着時の気密性と耐水性・耐湿性などの信頼性が高い。
【0022】
図1(b)は、図1(a)のA−A’断面図である。第1リッド板10の第2接合面M3と第1ベース板40の第1接合面M2とが封止材LGを介して互いに接合されている。また、外側のベース第1溝部402に封止材LGが入り込んでいる。ベース第1溝部402に封止材LGが入り込むことで、封止面積を増やし、封止材LGによるベース板40とリッド板10との接合強度を高めている。キャビティ側(内側)のベース第2溝部403にも少量の封止材LGが入り込んでいる。第1リッド板10と第1ベース板40とが接合されることによりパッケージ80が形成される。第1リッド板10と第1ベース板40とが接合される前は、封止材LGは幅wd2であり、封止材LGは、Y’軸方向に、ベース第2溝部403と重なり合っていない。
【0023】
第1水晶振動片20が、キャビティCTには載置されている。第1水晶振動片20の引出電極203a,203bは、導電性接着剤60を介して接続電極408a,408bと電気的に接続されている。また、接続電極408a,408bは、第1ベース板40のベース第1溝部402及びベース第2溝部403を通り、実装端子405a、405bと電気的に接続されている。つまり、第1水晶振動片20の励振電極202a,202bと実装端子405a、405bとは、電気的に接続されており、2つの実装端子405a、405bの間に電圧が印加されると、第1水晶振動片20は振動する。
【0024】
<第1水晶振動子100の製造方法>
図2は、第1水晶振動子100の製造方法が示されたフローチャートである。
ステップS101では、水晶ウエハに複数の水晶振動片20の外形が形成される。
ステップS102では、水晶ウエハに形成されている各水晶振動片20に、励振電極202、引出電極203が形成される。
ステップS103では、水晶ウエハから個々の水晶振動片20が切り離される。
【0025】
ステップS104では、第1ウエハW40が用意される。第1ウエハW40には、複数の第1ベース板40が形成されている。第1ウエハW40は、例えば水晶又はガラス等により形成される。図3を参照して第1ウエハW40について説明する。
【0026】
図3は、第1ウエハW40の平面図である。第1ウエハW40には複数の第1ベース板40が形成されている。第1ベース板40の+y’軸側の面には凹部47が形成されている。また、凹部47には接続電極408a,408bが形成されている。凹部47の周りの第2接合面M2には、凹部47を囲むようにベース第1溝部402及びベース第2溝部403が形成されている。また、各第1ベース板40の四隅には円形貫通孔BH1が形成されている。
【0027】
また、図3には示されていないが、第1ウエハW40の−y’軸側の面には実装端子405が形成されている(図1(b)を参照)。図3では、隣接する第1ベース板40の境界線が二点鎖線で示されている。この二点鎖線は、図2のステップ109で第1ウエハが切断されるスクライブラインSLである。
【0028】
ステップS105では、第2ウエハW10が用意される。複数の第1リッド板10が、第2ウエハW10に形成されている。第2ウエハW10は、例えば水晶又はガラス等により形成される。図4を参照して第2ウエハW10について説明する。
【0029】
図4は、第2ウエハW10を−y’軸側から+y’軸方向に見た、平面図である。第2ウエハW10には複数の第1リッド板10が形成されている。図4では、隣接する第1リッド板10の境界線が二点鎖線で示されている。この二点鎖線は、図2のステップ109で第2ウエハが切断されるスクライブラインSLである。各第1リッド板10の−y’軸側の面には凹部17が形成されており、凹部17の周りには第2接合面M3が形成されている。
【0030】
ステップS106では、封止材LGが、第2接合面M3に塗布される。しかし、凹部17を除く第2接合面M3の全面に封止材LGが塗布されるわけではない。図4に示されるように、z’軸方向には、凹部17から所定距離離れた位置からスクライブラインSLまで、幅wd1で封止材LGが塗布されている。x軸方向には、凹部17から所定距離離れた位置からスクライブラインSLまで、幅wd2で封止材LGが塗布されている。これは、第1ウエハW40と第2ウエハW10とを重ね合わせた際に、封止材LGが、ベース第1溝部402に重なり、ベース第2溝部403に重ならないようにするためである。なお、幅wd1と幅wd2とは同じ幅であってもよい。
【0031】
ステップS107では、第1水晶振動片20が第1ウエハW40に載置される。
ステップS108では、第2ウエハW10と第1ウエハW40とが接合される。ステップS108の詳細は、図5を参照して後述する。
【0032】
ステップS109では、第1ウエハW40及び第2ウエハW10がスクライブラインSLに沿って切断される。この切断により、第1水晶振動子100が個々に分割される。
【0033】
図5は、図2のステップS108の第2ウエハW10と第1ウエハW40とが接合される過程を説明するためのフローチャートである。また、図5の各ステップの右横に、各ステップを説明するための図5(a)〜図5(c)が示されている。これら図5(a)から図5(c)は、図3のE−E断面の概略断面図が示されている。図5(a)から図5(c)には、隣り合う第1ベース板40の境界線が二点鎖線で示されており、この二点鎖線はスクライブラインSLを示している。
【0034】
ステップS181において、第1ウエハW40に第1水晶振動片20が載置された第1ウエハ(ステップS107)が用意される。図5(a)に示されるように、第1水晶振動片20が、第1ウエハW40に形成された第1ベース板40の凹部47に、載置される。その際に、第1水晶振動片20の引出電極203が、導電性接着剤60を介して接続電極408に接続される。
【0035】
ステップS182では、封止材LGが形成された第2ウエハW10が、第2ウエハW10に位置決めされる。図5(b)には、第2ウエハW10と第1ウエハW40とが接合される前の状態が示されている。第2ウエハW10と第1ウエハW40とは互いのスクライブラインSLがy’軸方向に重なる。つまり、第1接合面M2と第2接合面M3とが重なるように位置決めされる。封止材LGは、第2接合面M3のx軸方向に、幅wd2で形成されている。
【0036】
図5(b)に示されるように、第2ウエハW10に形成された封止材LGは、スクライブラインSLから幅wd2である。この幅wd2は、第1ベース板40の第1接合面M2に形成されたベース第1溝部402と重なるが、ベース第2溝部403とは重なり合わない。つまり、幅wd2は、一番幅が広くても、スクライブラインSLから第1接合面M2のベース第2溝部403の直前までの幅になる。
【0037】
ステップS183では、第2ウエハW10と第1ウエハW40とが加熱下で、y’軸方向に押圧される。図5(c)は、第2ウエハW10と第1ウエハW40とが接合した状態を示している。封止材LGは、第2ウエハW10と第1ウエハW40とに挟まれてベース第1溝部402に入り込む。そしてさらに封止材LGは、+z’軸方向及び−z’軸方向に広がる。広がった封止材LGのうち、キャビティCT側に広がった封止材LGは、第2溝部403に入る。ベース第1溝部402は、封止材LGが第1ベース板40の第1接合面M2で接する面積を広げ、第1リッド板10と第1ベース板40との接合強度を高める。またベース第1溝部402が、封止材LGのキャビティCT内への流入を抑制できる。
【0038】
図6(a)は、第1水晶振動子100の変形例1である水晶振動子100Aの断面図であり、(b)は、第1水晶振動子100の変形例2である水晶振動子100Bの断面図である。
【0039】
図6(a)に示されるように、水晶振動子100Aは、第1リッド板10(図1を参照)と異なるリッド板10Aを有している。リッド板10Aは、その第2接合面M3に枠状のリッド溝部15を有している。リッド板10Aと第1ベース板40とが接合される前は、リッド板10Aの第2接合面M3に、封止材LGが幅wd2で印刷されている。リッド溝部15の位置は、封止材LGの幅wd2内である。
【0040】
リッド溝部15及びベース第1溝部402は、封止材LGによるベース板40とリッド板10Aとの接合強度を高めている。そして、ベース板40とリッド板10Aとの接合の際に、押圧されて封止材LGが薄くなり且つ広がると、広がった封止材LGの一部がベース第2溝部403に入り込む。このため、ベース第2溝部403は、広がった封止材がキャビティCT内への流入することを抑制する。
【0041】
図6(b)に示されるように、水晶振動子100Bは、第1リッド板10(図1を参照)と異なるリッド板10Bを有している。リッド板10Bは、その第2接合面M3にリッド凸枠部16を有している。リッド板10Bと第1ベース板40とが接合される前は、リッド板10Bの第2接合面M3に、封止材LGが幅wd2で印刷されている。リッド凸枠部16の位置は、封止材LGの幅wd2内である。つまり、封止材LGは、リッド凸枠部16に食い込むように印刷される。
【0042】
リッド凸枠部16及びベース第1溝部402は、封止面積を増やすことで、封止材LGによるリッド板10Bとベース板40との接合強度を高めている。そして、ベース板40とリッド板10Bとの接合の際に、押圧されて封止材LGが薄くなり広がると、広がった封止材LGの一部がベース第2溝部403に入り込む。このため、ベース第2溝部403は、広がった封止材がキャビティCT内への流入することを抑制する。
【0043】
(第2実施形態)
<第2水晶振動子110の全体構成>
第2実施形態の第2水晶振動子110は、図7に示されたように、第1水晶フレーム30と、第2ベース板41と第2リッド板11とを有する。図7(a)は、第2水晶振動子110の分解斜視図であり、(b)は、第2水晶振動子110のB−B’断面図である。
【0044】
第2水晶振動子110と第1水晶振動子100とは、第1水晶振動子100の第1水晶振動片20に代わり第1水晶フレーム30が搭載されている点で異なっている。また、第2ベース板41に枠状凸部412及び溝部413が形成され、第2リッド板11に第1、第2溝部が形成されている点で異なっている。第2実施形態では、第1水晶振動子100と同じ構成部分は第1水晶振動子100と同じ番号を付している。同じ構成についてはその説明を割愛する。
【0045】
第2ベース板41と第2リッド板11とは、水晶材料又はガラスからなる。また第1水晶フレーム30と第2ベース板41とは封止材LGで接合され、第1水晶フレーム30と第2リッド板11とは封止材LGで接合される。
【0046】
第1水晶フレーム30は、水晶接合面M4と水晶接合面M5とを有している。第1水晶フレーム30は、水晶片301を囲む外枠300を有している。水晶片301と外枠300との間には、上下を貫通するL字型の間隙部308aと間隙部308bとが形成される。間隙部308aと間隙部308bとが形成されていない部分は、水晶片301と外枠300との連結部309となる。
【0047】
第1水晶フレーム30は、ATカットの水晶片301により構成され、その水晶片301の中央付近の両主面に、一対の励振電極304a,304bが対向して配置されている。また、励振電極304aにはATカットの水晶片301底面(−y’)の−x端側まで伸びた引出電極303a及び接続電極パッド305aが接続される。また励振電極304bには、ATカットの水晶片301底面(−y’)の+x端側にまで伸びた引出電極303b及び接続電極パッド305bが接続されている。第1水晶フレーム30の接続電極パッド305a、305bは、第2ベース板41の接続電極408a、408bに接合される。
【0048】
また、励振電極304a、304bと導電された引出電極305a、305bが、外枠300の両面にそれぞれ形成されている。さらに、水晶キャスタレーション306a、306bが、第1水晶フレーム30の四隅に形成されている。また、引出電極305a、305bにそれぞれ接続された水晶側面電極307a、307bが、一対の水晶キャスタレーション306a、306bに形成されている。水晶キャスタレーション306a、306bは、円形貫通孔をダイシングされた際に形成される。
【0049】
第2リッド板11は、−y’側の面にリッド板凹部17を有し、その周囲に形成された第2接合面M3を有している。第2接合面M3には、リッド凹部17に沿って枠状のリッド第2溝部113が形成され、その外側にリッド第1溝部112が形成される。第2リッド板11の四隅には、キャスタレーション116a、116bが形成されている。
【0050】
第2ベース板41は、+y’側の面にベース凹部47を有し、その周囲に形成された接合面M2を有している。ベース凹部47は、接合面M2の+y’側に接続電極418a、418bを備える。
【0051】
第2ベース板41の四隅には、円形貫通孔BH1をダイシングした際のキャスタレーション416a、416bが形成されている。側面電極417a、417bが、キャスタレーション416a、416bにそれぞれ形成される。また、側面電極417aと電気的に接続された接続電極418aが第2ベース板41の接合面M2の−x側に形成されている。同様に、側面電極417bと電気的に接続された接続電極418bが、第2ベース板41の接合面M2の+x側に形成されている。
【0052】
第2ベース板41の接合面M2には、ベース凹部47を枠状に囲むようにベース第2溝部413及びその外側のベース凸枠部412が形成されている。さらに、第2ベース板41は、実装面M1に側面電極417a、417bにそれぞれ電気的に接続された一対の実装端子415a、415bを有している。
【0053】
図7(b)は、図7(a)のB−B’断面図である。第2リッド板11の第2接合面M3と第1水晶フレーム30の接合面M5とが封止材LGを介して互いに接合され、第1水晶フレーム30の接合面M4と第2ベース板41の接合面M2とが封止材LGを介して互いに接合される。第2リッド板11、第1水晶フレーム30及び第2ベース板41が接合される前は、封止材LGが幅wd2で印刷されている。すなわち、封止材LGは、リッド第2溝部113及びベース第2溝部413に印刷されていない。第2リッド板11、第1水晶フレーム30及び第2ベース板41が接合される際に、押圧されて封止材LGが薄くなり且つ広がると、広がった封止材LGの一部がリッド第2溝部113又はベース第2溝部413に入り込む。
【0054】
<第2水晶振動子110の製造方法>
図8は、第2水晶振動子110の製造方法を示したフローチャートである。
【0055】
ステップS151及びS152は、図2のステップS101及びS102と実質的に同じである。第2水晶振動子110では、水晶ウエハから個々の水晶振動片を切り取らないため、図2のステップS103に相当するステップはない。その代わりに、ステップS151で形成される第1水晶フレーム30は、水晶接合面M4と水晶接合面M5とを有している。また第1水晶フレーム30の四隅に水晶ウエハ30Wを貫通するように円形貫通孔BH1が形成される。ここで、円形貫通孔BH1の4分の1がキャスタレーション306a又は306b(図7(a)を参照)になる。
【0056】
ステップS153及びS155は、図2のステップS104及びS105と実質的に同じである。但し、図7で示されたように、ステップS155で形成される第2リッド板11は、リッド第1溝部112及びリッド第2溝部113を有している。
【0057】
ステップS154では、封止材LGが、第1接合面M2に環状に塗布される。封止材LGは、スクライブラインSLからベース第2溝部413の手前までの幅で塗布される。
ステップS156では、封止材LGが、第2接合面M3に枠状に塗布される。封止材LGは、スクライブラインSLからリッド第2溝部113の手前までの幅で塗布される。
【0058】
ステップS157では、水晶ウエハの水晶接合面M4と第1ウエハの第1接合面M2とが接合される。
ステップS158では、水晶ウエハの水晶接合面M5と第2ウエハの第2接合面M3とが接合される。ステップS157及びステップS158において、封止材LGが押圧されて、薄く広がる現象は、図5で示されたフローチャートと同じである。
【0059】
(第3実施形態)
<第3水晶振動子120の全体構成>
第3水晶振動子120の全体構成について、図9、図10を参照しながら説明する。
図9(a)は、第3水晶振動子120の第3リッド12側から見た分割した状態の斜視図であり、図9(b)は、第3水晶振動子120のC−C’断面図である。図10は、図9(b)の丸で囲ったEL部の拡大図である。
【0060】
第3水晶振動子120と第2水晶振動子110との違いは、第2水晶振動子110の第1水晶フレーム30に代えて、第3水晶振動子120は第2水晶フレーム31を装着している点である。また違いは、第3リッド12がリッド第1溝部及びリッド第2溝部がない代わりに、第2水晶フレーム31が、第1溝部及び第2溝部を有している点である。更に、違いは、第3ベース42にベース第3溝部を有している点である。第2実施形態と同じ構成要件には同じ符号を付し説明を省略し相違点について説明する。
【0061】
図9(a)に示されたように、第3水晶振動子120は、リッド凹部17を有する第3リッド板12と、ベース凹部47を有する第3ベース板42と、第3ベース板42に載置されるATカットの第2水晶フレーム31とを備える。第3ベース板42と第3リッド板12とは、水晶材料又はガラスからなる。
【0062】
第2水晶フレーム31は、ATカットされた矩形の水晶片311により構成され、その水晶片311と水晶片311を囲む外枠310とで構成されている。また、水晶片311と外枠310との間には、上下を貫通する間隙部318aと間隙部318bと連結部319とが形成される。
【0063】
第2水晶フレーム31は、水晶片311の周辺部よりもy’軸方向に厚い振動部(メサ領域)350と、振動部350の両主面に配置された矩形の一対の励振電極314a、314bとを備えたメサ型の水晶振動片である。また、励振電極314aには引出電極315aが接続され、励振電極314bには引出電極315bが接続されている。
【0064】
第2水晶フレーム31は、外枠310の接合面M5に外枠形状に沿ってフレーム第2溝部313を有し、フレーム第2溝部313の外側にフレーム第1溝部312を有している。第2水晶フレーム31の四隅には、円形貫通孔をダイシングした際のキャスタレーション316a、316bが形成されている。側面電極317a、317bが、キャスタレーション316a、316bにそれぞれ形成される。
【0065】
第3リッド板12は、−y’側の第2接合面M3にリッド凹部17を有し、第3リッド板12の四隅には、キャスタレーション126a、126bが形成されている。キャスタレーション126a、126bは円形貫通孔をダイシングされた際に形成される。
【0066】
第3ベース板42は、+y’側の面にベース凹部47を有し、その周囲に形成された接合面M2を有している。第3ベース板42の四隅には、キャスタレーション426a、426bが形成されている。側面電極427a、427bが、キャスタレーション426a、426bにそれぞれ形成される。
【0067】
第3ベース板42の接合面M2には、ベース凹部47を枠状に囲むようにベース第2溝部423及びベース第1溝部422が形成されている。さらに、第3溝部424が、ベース第2溝部423からキャスタレーション426a、426bに、ベース第1溝部422を介して繋がっている。また、第3ベース板42は、実装面M1に側面電極417a、417bにそれぞれ電気的に接続された一対の実装端子415a、415bを有している。
【0068】
第3水晶振動子120は、図8で示された第2水晶振動子110の製造方法と同様に3枚のウエハを重ねあわせて製造される。図8のステップS157において、第1ウエハと水晶ウエハが加熱下で、y’軸方向に押圧される。封止材LGは、第1ウエハと水晶ウエハとに挟まれてベース第1溝部422に入り込み、接合面M2に広がる。広がった封止材LGのうち、キャビティCT側に広がった封止材LGは、第2溝部423に入る。第1溝部422及び第2溝部423に、第3溝部424がつながっている。そのため余分な封止材LGが印刷されていたとしても、余分な封止材LGは、第3溝部424を介してキャスタレーション426に流れ出る。第3溝部424は、余分な封止材LGのキャビティCT内への流入を抑制できる。
【0069】
また第3実施形態では、ウエハ間の導通を確実にするために、図8のステップS158とステップS159との間に、以下の工程が加えられる。
【0070】
図9(b)に示されたように、第3リッド板12と第2水晶フレーム31と第3ベース板42とは、封止材LGで接合される。その後、実装端子425を除いた実装面M1及びリッドの天井面をマスクして、ウエハに対してスッパタリング又は真空蒸着する。すると、円形貫通孔BH1にスパッタによる側面接続電極421が形成され、ベース側面電極427と第2水晶フレーム31の側面電極317とが導通し、引出電極315と実装端子425とが電気的に接合される。
【0071】
<フレーム第1溝部及び第2溝部の製造>
図10は、図9(b)の丸で囲ったEL部、つまり第2水晶フレーム31の一部の拡大図である。水晶片311はメサ型であるため、上面(+y’側)の、水晶片311の周辺部と振動部350とは、厚さh2の段差がある。厚さh2の段差は、ウェットエッチングによって形成される。外枠310にはフレーム第1溝部312とフレーム第2溝部313とがウェットエッチングによって形成される。フレーム第1溝部312とフレーム第2溝部313の深さh1が、厚さh2と同じであると、振動部350より低い水晶片311の周辺部を形成する際に、フレーム第1溝部312とフレーム第2溝部313とを形成することができる。
【0072】
(第4実施形態)
<第4水晶振動子130の全体構成>
第4水晶振動子130の全体構成について、図11及び図12を参照しながら説明する。
図11(a)は、第4水晶振動子130の分解斜視図である。図11(b)は、第4水晶振動子130のD−D’断面図である。図12は、第4水晶振動子130の水晶ウエハW32の平面図である。
【0073】
第4水晶振動子130と第3水晶振動子120との違いは、第2水晶フレーム31に代えて、第4水晶振動子130は第3水晶フレーム32を第4ベース板43に搭載している点である。また、キャスタレーションの位置及び形状が異なる。第3実施形態と同じ構成要件には同じ符号を付し説明を省略し相違点について説明する。
【0074】
図11に示されたように、第4水晶振動子130はリッド凹部17を有する第4リッド板13と、ベース凹部47を有する第4ベース板43と、第4ベース板43に載置される第3水晶フレーム32とを備える。
【0075】
第3水晶フレーム32は、水晶接合面M4と水晶接合面M5とを有している。第3水晶フレーム32は水晶振動部321を囲む外枠320を有している。水晶振動部321と外枠320との間には、上下を貫通するL字型の間隙部328が形成され、間隙部308が形成されていない部分が水晶振動部321と外枠320との連結部324となっている。
【0076】
励振電極322a、322bは、水晶振動部321の中央付近の両主面に対向して配置されている。励振電極322aは水晶振動部321の表面(+y’側)の−x側まで伸びた引出電極323aが接続され、励振電極322bは水晶振動部321の底面(−y’側)の+x側まで伸びた引出電極323bが接続されている。
【0077】
第3水晶フレーム32の外枠320は、水晶接合面M5に間隙部308に沿ってフレーム第2溝部333が形成され、フレーム第2溝部333の外側にフレーム第1溝部332が形成されている。第3水晶フレーム32は、x軸方向の両側にz’軸方向に伸びたキャスタレーション326a、326bが形成されている。キャスタレーション326a、326bは、角丸長方形の貫通孔BH2(図12を参照)をダイシングした際に形成されている。側面電極327a、327bが、キャスタレーション326a、326bにそれぞれ形成される。
【0078】
第4ベース板43は、表面(+y’側の面)にベース凹部47の周囲に形成された接合面M2を有している。第4ベース板43は、x軸方向の両側にz’軸方向に伸びたキャスタレーション436a、436bが形成されている。側面電極437a、437bがキャスタレーション436a、436bにそれぞれ形成されている。第4ベース板43は、実装面M1に側面電極437a、437bとそれぞれ電気的に接続された一対の実装端子435、435a、435bを有している。
【0079】
第4リッド板13は、−y’側の第2接合面M3にリッド凹部17を有し、第4リッド板13には、x軸方向の両側にz’軸方向に伸びたキャスタレーション136a、136bが形成されている。キャスタレーション136a、136bは角丸長方形の貫通孔を2分の1にダイシングされた際に形成される。
【0080】
第4リッド板13と第3水晶フレーム32と第4ベース板43とは、封止材LGで接合したあとに、実装端子435を除いたベース側及びリッド側をマスクしてスッパタする。すると、角丸長方形の貫通孔BH2にスパッタによる側面接続電極431が形成され、ベース側面電極437と第3水晶フレーム32の側面電極327とが導通し、引出電極323と実装端子435とが電気的に接合される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0082】
第1実施形態から第4実施形態において、リッド板部と水晶フレームとベース板部とは非導電性接着剤である低融点ガラスLGにより接合されているが、低融点ガラスの代わりにポリイミド樹脂を用いられてもよい。また、第1実施形態から第4実施形態においてさらに水晶振動片は水晶材料のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは圧電セラミックを含む圧電材料に基本的に適用できる。また圧電振動片を発振させるIC等の発振回路を有する圧電発振器であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10(10A,10B),11,12,13 … リッド
15 … リッド溝部、 16 … リッド凸枠部
17,47 … 凹部
20,302 … 水晶振動片
30,31,32 … 水晶フレーム
40,41,42,43 … ベース板
60 … 導電性接着剤
100、110、120,130 … 水晶振動子
100A,100B … 変形例
112 … リッド第1溝部、113 … リッド第2溝部
116a,116b、126a,126b … キャスタレーション
136a,136b,306a,306b … キャスタレーション
316a,316b,326a,326b … キャスタレーション
406a,406b,416a,416b … キャスタレーション
426a,426b、436a,436b … キャスタレーション
201,301,311 … 水晶片
202a、202b,304a,304b … 励振電極
203a、203b,303a,303b … 引出電極
300,310,320 … 枠部
305a,305b,325a,325b … 接続電極パッド
307a,307b,317a,317b … 側面電極
327a,327b,407a,407b … 側面電極
417a,417b,427a,427b … 側面電極
308a,308b,318a,318b、328 … 間隙部
309,319,324 … 連結部
312、332 … フレーム第1溝部
313、333 … フレーム第2溝部
314a,314b,322a,322b … 励振電極
315a,315b,323a,323b … 引出電極
321、350 … 水晶振動部
402、422,432 … ベース第1溝部
403、413,423,433 … ベース第2溝部
405,405a,405b,415,415a,415b … 実装端子
425、425a、425b,435,435a,435b … 実装端子
408a,408b … 接続電極、 412 … 枠状凸部
418a,418b,438a,438b … 接続電極
421,431 … 側面接続電極
424 … ベース第3溝部
BH1 … 円形貫通孔,BH2 … 角丸長方形の貫通孔
CT … キャビティ
LG … 封止材
SL … スクライブライン
M1 … 実装面、 M2,M3,M4,M5 … 接合面
W10 … 第1ウエハ、 W40 … 第2ウエハ、
W32 … 水晶フレームウエハ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板と、
第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板と、
前記第1板の前記第2面と前記第2板の前記第3面との間に環状に配置され、前記第1板と前記第2板とを接合する環状の接合材と、
前記第2面又は前記第3面の少なくとも一方に、前記接合材の環状に沿って前記接合材が入り込んだ第1溝部と、
前記第2面又は前記第3面の少なくとも一方に、前記接合材の環状の内側に前記第1溝部に並んで形成される第2溝部と、
を備える水晶振動子。
【請求項2】
第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板と、
第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板と、
前記第1板の前記第2面と前記第2板の前記第3面との間に環状に配置され、前記第1板と前記第2板とを接合する環状の接合材と、
前記第2面又は前記第3面の少なくとも一方に、前記接合材の環状に沿って前記接合材が入り込んだ第1溝部と、
前記第1板又は前記第2板の少なくとも一方の角部に少なくとも一対のキャスタレーションが形成され、前記第1溝部から前記キャスタレーションにつながる第3溝部と、
を備える水晶振動子。
【請求項3】
前記第1板は前記第1面に外部電極を有するベース板であり、
前記第2板は励振電極が形成された励振部とこの励振部を取り囲む枠部とを有する圧電振動片であり、
前記ベース板と前記枠部とが前記接合材で接合される請求項1又は請求項2に記載の水晶振動子。
【請求項4】
前記励振部は前記励振電極が形成されたメサ領域と該メサ領域の周辺で前記メサ領域よりも厚さが薄い周辺領域とを有し、
前記第1溝部の深さは前記メサ領域と前記周辺領域との差に等しい請求項3に記載の水晶振動子。
【請求項5】
前記第1板は前記第1面に外部電極を有するベース板であり、
前記第2板は励振電極が形成された励振部を覆うリッド板であり、
前記ベース板と前記リッド板とが前記接合材で接合される請求項1又は請求項2に記載の水晶振動子。
【請求項6】
前記第1面と前記第2面とを結ぶ側面に形成されたキャスタレーションと、
前記キャスタレーションに形成された側面電極と、を備え、
前記外部電極と前記側面電極とが電気的に接続されている請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の水晶振動子。
【請求項1】
第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板と、
第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板と、
前記第1板の前記第2面と前記第2板の前記第3面との間に環状に配置され、前記第1板と前記第2板とを接合する環状の接合材と、
前記第2面又は前記第3面の少なくとも一方に、前記接合材の環状に沿って前記接合材が入り込んだ第1溝部と、
前記第2面又は前記第3面の少なくとも一方に、前記接合材の環状の内側に前記第1溝部に並んで形成される第2溝部と、
を備える水晶振動子。
【請求項2】
第1面とその第1面の反対側の第2面とを有する第1板と、
第3面とその第3面の反対側の第4面とを有する第2板と、
前記第1板の前記第2面と前記第2板の前記第3面との間に環状に配置され、前記第1板と前記第2板とを接合する環状の接合材と、
前記第2面又は前記第3面の少なくとも一方に、前記接合材の環状に沿って前記接合材が入り込んだ第1溝部と、
前記第1板又は前記第2板の少なくとも一方の角部に少なくとも一対のキャスタレーションが形成され、前記第1溝部から前記キャスタレーションにつながる第3溝部と、
を備える水晶振動子。
【請求項3】
前記第1板は前記第1面に外部電極を有するベース板であり、
前記第2板は励振電極が形成された励振部とこの励振部を取り囲む枠部とを有する圧電振動片であり、
前記ベース板と前記枠部とが前記接合材で接合される請求項1又は請求項2に記載の水晶振動子。
【請求項4】
前記励振部は前記励振電極が形成されたメサ領域と該メサ領域の周辺で前記メサ領域よりも厚さが薄い周辺領域とを有し、
前記第1溝部の深さは前記メサ領域と前記周辺領域との差に等しい請求項3に記載の水晶振動子。
【請求項5】
前記第1板は前記第1面に外部電極を有するベース板であり、
前記第2板は励振電極が形成された励振部を覆うリッド板であり、
前記ベース板と前記リッド板とが前記接合材で接合される請求項1又は請求項2に記載の水晶振動子。
【請求項6】
前記第1面と前記第2面とを結ぶ側面に形成されたキャスタレーションと、
前記キャスタレーションに形成された側面電極と、を備え、
前記外部電極と前記側面電極とが電気的に接続されている請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の水晶振動子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−51512(P2013−51512A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187655(P2011−187655)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
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