説明

水素検知装置及び燃料電池システム

【課題】 水素検知装置停止中に、水素検知器素子に吸着した水分等の雑ガスを脱離させ水素検知時の誤検知を防止する。
【解決手段】 コントロールユニット20は、水素センサ17の停止時に、水素センサ17近傍の温度Tを温度センサ18、湿度Hを湿度センサ19で検出する。次いでコントロールユニット20は、温度Tまたは湿度Hと、水素センサ17の停止時間に基づいて、水素供給の要否、及び水素供給時間を決定する。次いで、コントロールユニット20は、窒素パージ弁11を水素供給時間だけ開いて、水素センサ17へ水素を供給し、水素センサ17に吸着した雑ガスを水素燃焼の熱により脱離させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素検知装置及びこれを備えた燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば固体高分子形燃料電池は、水素イオンを通す固体高分子電解質膜を、燃料極と空気極ではさみ形成されたセルを複数積層し構成されたスタックを備えており、燃料極には水素を空気極には酸化剤として空気が供給され、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが固体高分子電解質膜を透過して空気極まで移動して、空気極で酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。
【0003】
このような固体高分子型燃料電池等の燃料電池において、従来、例えば特許文献1に開示されているように、カソード側の排出系に除湿器を設け、カソードオフガス中の水分を除去することにより、カソード排気管に設けた水素検知装置の結露を防止した燃料電池システムが知られている。
【特許文献1】特開2004−71251号公報(第5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記固体高分子形燃料電池においては、固体高分子電解質膜のイオン導電性を保つために、反応ガスは加湿された状態で供給され、また燃料電池の発電時には電気化学反応による反応生成水が生成されるため、燃料電池から排出されるオフガスは高湿潤状態となる。
【0005】
しかしながら上記従来技術の例である、カソード側の排出系に除湿器を設け、水素検知装置の結露を防止した燃料電池システムにおいては、システムの停止時に高湿潤環境下に水素検知器がさらされるため、水素検知素子に水分等の雑ガスが吸着し、再起動時に水素が供給されると水素燃焼による素子の温度上昇により吸着した雑ガスが急激に離脱し、検知素子と補償素子との熱バランスが一時的に崩れ、水素検知装置の出力がオーバーシュートし、誤検知してしまうといった問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、本発明は、接触燃焼式の水素検知素子を備えた水素検知装置であって、前記水素検知素子に水素を検知させる前に、前記水素検知素子に水素を供給し、前記水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを水素燃焼により脱離させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る水素検知装置によれば、水素検知を行う前に、水素検知器素子に吸着した水分を含む雑ガスを水素の燃焼により水素検知素子から脱離させることができ、これらの雑ガスによる水素検知器素子の熱アンバランスが原因となる出力オーバーシュートを防止し、水素検知の誤りを無くすことができるという効果がある。
【0008】
また本発明に係る燃料電池システムによれば、水素検知器内部の素子に吸着した水分を含む雑ガスを素子から脱離させるための水素として、燃料電池のアノードから排出される水素を利用するので、従来無駄に排出された水素を有効に利用することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明に係る水素検知装置及び燃料電池システムの実施例を図面を参照して説明する。以下の各実施例は、燃料電池システムのカソードオフガス中の水素を検知する水素検知装置に適用した実施例である。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明に係る水素検知装置及び燃料電池システムの実施例1を示すシステム構成図である。図1において、燃料電池システム1は、固体高分子型燃料電池である燃料電池2を備えている。燃料電池2は、固体高分子電解質膜3を燃料極4と空気極5で挟み込んで形成されたセルを複数積層させて構成した燃料電池スタックであるが図1では模式的に単セルのみを示している。燃料電池2の燃料として、高圧水素タンク等を用いた水素供給手段6から水素圧力調整弁7で圧力制御された水素が燃料極4に供給される。酸化剤としては、コンプレッサ13で圧縮された空気が空気供給路14を介して空気極5へ供給される。
【0011】
燃料極3において触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜3を通過して空気極5まで移動し、酸素と電気化学反応を起こして発電して、生成水を形成する。燃料極4で未反応の水素はオフガスとして水素循環路9へ排出され、水素循環ポンプ10により水素供給路8へ再び戻され再利用される。水素循環路9中に蓄積した窒素は、窒素パージ弁11及びパージガス排出路12を通り、空気排出路15へ排出される。
【0012】
反応済みの空気はオフガスとして空気排出路15より大気中へ排出される。また空気排出路15には空気流量制御弁16が設置されており、燃料電池の要求負荷に応じて空気流量を制御することができる。
【0013】
空気排出路15には、空気排出路中の水素濃度を検出する水素センサ17,水素センサ17近傍の温度を検出する温度センサ18,及び水素センサ17近傍の湿度を検出する湿度センサ19が設けられ、それぞれのセンサの検出信号は、コントロールユニット20に接続されている。
【0014】
水素センサ17は、周知の接触燃焼式の水素検知素子を備えた水素センサである。この水素検知素子は、被検出ガスである水素が白金等の触媒に接触した際に燃焼する熱を利用するものである。検出素子の表面に白金等の触媒を設け、水素燃焼による発熱で温度上昇した検出素子と雰囲気温度下の温度補償素子との間に電気抵抗の差が生じる。この抵抗差をブリッジ回路等で電圧として検出している。
【0015】
コントロールユニット20は、燃料供給手段7,水素循環ポンプ10,窒素パージ弁11,コンプレッサ13及び空気流量制御弁16を制御して、燃料電池2に水素及び空気を供給して発電させる制御を行う。またコントロールユニット20は、温度センサ18及び湿度センサ19の検出値の基づいて、水素センサ17に水素を供給して、水素センサ17の検出素子に吸着した雑ガスの脱離制御を行う。
【0016】
水素センサ17は、高湿潤なカソードオフガスが流れる空気排出路15内に設置されているので、車両停止時には水素センサ17は高湿度環境下にさらされ、水素センサ17の素子に水分を含む雑ガスが吸着する。
【0017】
図2は水素検知器を一定期間停止させた後に、水素検知器を再起動させた状態で一定濃度の水素を初めて供給した場合の水素検知器出力の一例を示した図である。停止期間中に水素検知素子に水分を含む雑ガスが吸着し、起動後初めて水素が供給されると、水素検知素子にて水素燃焼が起こり、素子に付着していた水分を含む雑ガスが急激に脱離し出力がオーバーシュートを発生させる。このオーバーシュート期間が水素検知器素子に吸着した水分を含む雑ガスを脱離させるのに必要な水素燃焼時間、言い換えれば必要水素供給時間を示している。
【0018】
このとき車両停止直後の水素センサ17近傍の温度T、または湿度H、および車両停止時間tと、図3に示した基準水素濃度にて予め求められた、水素センサ素子に吸着した水分を含む雑ガスを脱離させるのに必要な水素供給時間マップから決定される時間だけ、窒素パージ弁11を開とし水素を水素センサ17に供給することで、水素センサ17の素子に吸着した水分を含む雑ガスを脱離させ、出力誤検知を防止することができる。
【0019】
また供給できる水素濃度が異なる場合には、図3に示した必要水素供給時間マップから決定された必要水素供給時間に対し、図4に示した供給可能水素濃度における必要水素供給時間補正係数マップから決定したで補正係数をかけることにより、供給可能水素濃度による適正な必要水素供給時間を決定することができる。なお、図3に示した必要水素供給時間は水素センサ出力をマスキングしても構わない。
【0020】
次に、図5のフローチャートにより、実施例1における水素検知装置の制御方法を説明する。まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、水素センサ停止時の水素センサ17近傍の温度または湿度を温度センサ18,湿度センサ19からコントロールユニット20へ読み込む。次いでS12で、水素センサの停止時間を読み込む。次いでS14で、図3に示した必要水素供給マップを参照して、水素センサ17へ水素供給をする必要があるか否かを判定する。S14で水素供給が必要と判定すれば、S16へ進む。水素供給が不要であれば、処理を終了する。
【0021】
図3の必要水素供給マップは、燃料電池の発電停止時の水素センサ近傍の温度、または相対湿度と、停止後の経過時間とから、必要水素供給時間を求めるマップであり、実験的に各種温度、湿度と停止後の経過時間から、水素検知素子を再起動したときに出力波形にオーバーシュートが現れる時間を測定して求めたもので、予めコントロールユニットに記憶させておく。温度または相対湿度と、停止時間との組み合わせが、図3において必要水素供給時間0[sec]として示した曲線より下方であれば、水素センサ17へ水素を供給する必要がないと判断する。この曲線より上方であれば、水素供給の必要があると判断する。
【0022】
図5のS16では、必要水素供給時間の決定を行う。この決定にも図3を使用する。実際には、水素供給の要否と、基準水素濃度における必要水素供給時間は、1回の図3のマップ参照により行うことができるので、S14とS16とは同時に処理したことになる。
【0023】
次いで、図3のマップから求めた基準水素濃度における必要水素供給時間を、実際に供給可能な水素濃度における供給時間に補正するために、図4のマップを参照して、補正係数を求める。そして、この補正係数を乗じることにより、基準水素濃度における必要水素供給時間を補正して、最終的な必要水素供給時間を決定する。次いでS18で窒素パージ弁11を開き、S20で必要水素供給時間経過後に、窒素パージ弁11を閉じて終了する。
【0024】
以上説明した本実施例によれば、水素検知素子に水素を供給し、水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを水素燃焼により脱離させるようにしたので、水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスが、供給された水素の燃焼により素子から脱離する際に一時的に引き起こす水素検知素子の熱アンバランスを除去することができ、出力オーバーシュートによる水素誤検知を無くすことができる。
【0025】
また本実施例によれば、水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを水素検知素子から燃焼により脱離させるために必要な水素の必要供給時間は、水素検知装置停止時に水素検知素子近傍にて検知した湿度、または温度、および停止時間から決定するようにしたので、水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを十分かつ、水素を無駄に供給することなく素子から脱離させ、出力オーバーシュートによる水素誤検知を無くすことができる。
【0026】
また本実施例によれば、水素検知装置停止時に、水素検知素子近傍にて検知した湿度、または温度、および停止時間から決定された基準濃度の必要水素供給時間に対し、供給可能水素濃度により供給時間を変更するようにしたので、供給可能水素濃度が異なる場合においても十分かつ、水素を無駄に供給することなく素子に吸着した水分を含む雑ガスを脱離させ、出力オーバーシュートによる水素誤検知を無くすことができる。
【0027】
さらに本実施例によれば、燃料電池起動時にアノードから排出された水素により水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを脱離させるようにしたので、従来無駄に排出されていた水素を有効利用することができる。
【実施例2】
【0028】
図6は本発明に係る水素検知装置の実施例2を示すシステム構成図である。実施例2の水素検知装置が実施例1のものと相違する点は以下の通りである。実施例2では、水素センサ17は空気排出路15に設置されており、窒素パージ弁11の下流に設置されていない。その他の構成は、図1に示した実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。尚、本実施例における水素センサ17は、外部指令により起動・停止を制御できる水素センサである。また、水素センサ17は、水素検知素子及びこの温度補償素子を加熱するヒータを内蔵してもよい。ヒータを内蔵した場合には、コントロールユニット20の指令でヒータのオン/オフ制御が可能であるものとする。
【0029】
この水素検知装置では、水素センサ17は高湿潤なカソードオフガスが流れる空気排出路15内に設置されているので、車両停止時には水素センサ17は高湿度環境下にさらされ、水素センサ17の素子に水分を含む雑ガスが吸着する。このような雑ガスによる水素センサ出力オーバーシュートによる誤検知を回避するために、水素検知を行う前に、水素センサ17に水素を供給して、水素センサ素子に吸着した水分を含む雑ガスを水素燃焼により脱離させる。
【0030】
このとき、温度センサ18または湿度センサ19で検出した車両停止直後の水素センサ17近傍の温度Tまたは湿度H、および車両停止時間tと、図3に示した基準水素濃度にて予め求められた、水素センサ素子に吸着した水分を含む雑ガスを脱離させるのに必要な水素供給時間マップと、図4に示した供給可能水素濃度における必要水素供給時間補正係数マップにおいて、空気排出路15中を流れるカソードオフガス中に含まれる水素濃度から決定した必要水素供給時間だけ水素センサ17を起動させることにより、停止中に水素センサ素子に吸着した水分を含む雑ガスを水素燃焼により脱離させることができる。
【0031】
またカソードオフガス中の水素濃度を常時モニタする必要が無い、固体高分子電解質膜3の膜破れ検知などに水素検知装置を用いる場合には、車両停止直後の水素センサ17近傍の温度Tまたは湿度H、および停止時間から決定された水素供給時間だけ、車両起動時に水素センサ17を起動させ、その後は水素センサ17近傍の温度T1、または湿度H1、および運転時間から水素センサ17の素子に水分を含む雑ガスが吸着し、その脱離により水素センサ17の出力誤検知が発生する恐れの無い時間間隔だけ水素センサ17を停止させることにより、高湿潤ガス環境下における水素センサの検知精度の向上、および劣化速度を低下させ、長寿命化をはかることができる。
【0032】
また固体高分子電解質膜3の膜破れ検知を車両の停止シーケンスで行う場合には、上記のように水素センサ17の運転行うことにより、水素センサ17の素子には水分を含む雑ガスの吸着がない状態になっており、水素検知時に出力オーバーシュートを発生することがなく、水素検知速度の向上による停止シーケンスの短時間化を図ることができる。
【0033】
次に、図7のフローチャートにより、実施例2における水素検知装置の制御方法を説明する。まずS30において、水素センサ停止時の水素センサ17近傍の温度または湿度を温度センサ18,湿度センサ19からコントロールユニット20へ読み込む。次いでS32で、水素センサの停止時間を読み込む。次いでS14で、図3に示した必要水素供給マップを参照して、水素センサ17へ水素供給をする必要があるか否かを判定する。S34で水素供給が必要と判定すれば、S36へ進む。水素供給が不要であればS30へ戻る。
【0034】
S36では、必要水素供給時間の決定を行う。この決定にも図3を使用する。実際には、水素供給の要否と、基準水素濃度における必要水素供給時間は、1回の図3のマップ参照により行うことができるので、S34とS36とは同時に処理したことになる。
【0035】
次いで、図3のマップから求めた基準水素濃度における必要水素供給時間を、実際に供給可能な水素濃度における供給時間に補正するために、図4のマップを参照して、補正係数を求める。そして、この補正係数を乗じることにより、基準水素濃度における必要水素供給時間を補正して、最終的な必要水素供給時間を決定する。次いでS38で水素センサ17を起動する。水素センサ17がヒータを内蔵するものであれば、S38で同時にヒータをオンする。次いでS40で、必要水素供給時間経過後に、水素センサ17を停止してS30へ戻る。水素センサ17がヒータを内蔵するものであれば、S40において、ヒータをオフする。この制御をループさせることにより、水素センサ素子に水分を含む雑ガスが吸着した場合においても、出力オーバーシュートによる水素誤検知の影響を極力小さくし、また水素検知の必要時に検知時間を短縮することができる。
【0036】
本実施例によれば、水素検知装置停止時に、水素検知素子近傍の温度または湿度、および停止時間から決定された必要水素供給時間だけ水素検知装置を起動させ、その後は温度または湿度から決定された時間間隔だけ水素検知装置を停止させるようにしたので、水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを十分かつ、水素を無駄に供給することなく素子から脱離させ、出力オーバーシュートによる水素誤検知を無くすことができ、また連続的に水素検知を行わないため水素検知装置の寿命を長くすることができる。
【0037】
また本実施例によれば、水素検知素子とその温度補償素子とを加熱できるヒータを備えたので、水素検知装置の停止中に水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを脱離させる際に、ヒータにより水素検知素子を加熱するようにしたので、供給水素濃度が低くても短時間に雑ガスを水素検知素子から脱離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る水素検知装置の実施例1を適用した燃料電池システムの構成図である。
【図2】接触燃焼式の水素検知素子の出力例である。
【図3】実施例1における水素供給時間マップの例である。
【図4】実施例1における供給水素濃度と水素供給時間補正係数を示す図である。
【図5】実施例1の制御フローチャートである。
【図6】本発明に係る水素検知装置の実施例2を適用した燃料電池システムの構成図である。
【図7】実施例2の制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1:燃料電池システム
2:燃料電池
3:固体高分子電解質膜
4:燃料極
5:空気極
6:水素供給手段
7:水素圧力調整弁
8:水素供給路
9:水素循環路
10:水素循環ポンプ
11:窒素パージ弁
12:パージ通路
13:コンプレッサ
14:空気供給路
15:空気排出路
16:空気流量調整弁
17:水素センサ
18:温度センサ
19:湿度センサ
20:コントロールユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触燃焼式の水素検知素子を備えた水素検知装置であって、
前記水素検知素子に水素を検知させる前に、前記水素検知素子に水素を供給し、前記水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを水素燃焼により脱離させることを特徴とする水素検知装置。
【請求項2】
前記水素検知素子に水素を供給する水素供給時間の長さは、水素検知装置停止時の前記水素検知素子近傍の湿度または温度、および停止時間に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の水素検知装置。
【請求項3】
前記水素検知素子を間歇的に起動させて水素を検知し、起動と起動との間の休止時間の長さは、前記水素検知素子近傍の湿度または温度に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の水素検知装置。
【請求項4】
前記水素検知素子近傍にて検知した湿度または温度、および水素検知素子の休止時間の長さに基づいて決定された基準水素濃度における水素供給時間の長さに対して、供給可能な水素濃度により水素供給時間の長さを変更することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の水素検知装置。
【請求項5】
前記水素検知素子の検出信号を温度補償する温度補償素子と、
前記水素検知素子及び前記温度補償素子を加熱するヒータと、を備え、
前記水素検知素子に水素を供給する際に、前記ヒータにより前記水素検知素子及び前記温度補償素子を加熱することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の水素検知装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の水素検知装置を備えた燃料電池システムであって、
前記水素検知素子に吸着した水分を含む雑ガスを水素燃焼により脱離させる水素が、燃料電池起動時にアノードから排出された水素であることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の水素検知装置を備えた燃料電池システムであって、
燃料電池のカソードから反応済みの空気を排出する空気排出路と、
燃料電池のアノード排気をアノードへ循環させる水素循環路と、
該水素循環路から分岐して水素循環路内に蓄積した不純物を排出する不純物排出路と、 該不純物排出路と前記水素循環路との間を開閉するパージ弁と、
該パージ弁の下流を前記空気排出路に接続するパージ通路と、
を備え、
前記パージ弁を開いて前記水素検知装置へ水素を供給することを特徴とする燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−24627(P2007−24627A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205725(P2005−205725)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】