説明

水素発生システム、燃料電池システム及び燃料電池車両

【課題】アンモニアの濃度が低い水素ガスを発生する水素発生システムを提供する。
【解決手段】アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の中から選択された金属元素と、窒素と、水素とを含む金属アミドと、アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の中から選択された金属の水素化物とからなる水素貯蔵部材21と、この水素貯蔵部材21を収容するタンク20とからなる水素発生装置19を含む水素発生システムHGSにおいて、タンク20の水素放出口(出口)20aに臨む水素貯蔵部材21の最外層21aが金属の水素化物からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水素発生システム、燃料電池システム及び燃料電池車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池車両に搭載するための固体高分子型燃料電池の開発競争が活発に繰り広げられている。このような燃料電池車両の実用化のために、軽量で水素吸蔵密度が高く、繰返し耐性の高い水素水素貯蔵材料を用いた効率的な水素吸蔵法の開発が望まれている。
【0003】
そこで、金属アミドと金属水素化物を混合した材料が水素貯蔵材料として注目を集めている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−95869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金属アミドの分解により副生成物としてアンモニアが発生し、発生したガスに含まれる可能性がある。固体高分子型燃料電池において、アンモニアは被毒物質として作用するため、アンモニアの発生は固体高分子型燃料電池の劣化を引き起こす。このため水素を製造するにあたり、水素中に含まれるアンモニアの濃度を低減する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る水素発生システムは、アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の中から選択された金属元素と、窒素と、水素とを含む金属アミドと、アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の中から選択された金属の水素化物とからなる水素貯蔵部材と、この水素貯蔵部材を収容するタンクとからなる水素発生装置を含む水素発生システムにおいて、容器の出口に臨む水素貯蔵部材の最外層が金属の水素化物からなることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る燃料電池システムは、本発明に係る水素発生システムを用いたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る燃料電池車両は、本発明に係る燃料電池システムを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アンモニアの濃度が低い水素ガスを発生する水素発生システムを提供することができる。
【0009】
本発明によれば、長時間運転可能な燃料電池システムを提供することができる。
【0010】
本発明によれば、長時間運転可能な燃料電池車両を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施の形態に係る水素発生システム、燃料電池システム及び燃料電池車両を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態に係る水素発生システム及び燃料電池システムの説明を行う。図1は本発明の好適実施例に係る水素発生システムHGS(H2 Generation System)を備える車両の燃料電池システムFCS(Fuel Cell System)の系統図、図2は水素発生装置を構成する容器の要部拡大図、図3は金属アミドと金属水素化物の組み合わせを示す表、図4は水素貯蔵部材の別の実施の形態を示す模式図である。
【0013】
燃料電池システムFCSは、車両に搭載された燃料電池スタック1と、この燃料電池スタック1にユーティリティ(加湿燃料、加湿酸化剤、冷媒)を供給し、内部の各単セルへ分配するユーティリティ供給系USS(Utility Supply System)と、この燃料電池スタック1にユーティリティ(加湿燃料、加湿酸化剤、冷媒)を供給し、内部の各単セルへ分配するユーティリティ供給系USS(Utility Supply System)と、各単セルに残存するユーティリティを反応生成物とともに収集し、燃料電池スタック1から排出するユーティリティ排出系UDS(Utility Discharge System)と、これら燃料電池スタック1、ユーティリティ供給系USS、及びユーティリティ排出系UDSを、車両制御装置VC(Vehicular Controller)と連繋して統御する燃料電池制御装置FCC(Fuel Cell Controller)とを備える。
【0014】
ユーティリティ供給系USSは、燃料電池スタック1の燃料導入口1aへ加湿燃料(より詳細には、加湿された水素ガス)を供給する燃料供給系2と、燃料電池スタック1の酸化剤導入口1bへ加湿酸化剤(より詳細には、必要に応じ加湿された空気)を供給する酸化剤供給系3と、燃料電池スタック1の冷媒導入口1cへ冷媒(より詳細には、純水)を供給する冷媒供給系4とを有する。
【0015】
燃料供給系2は、水素発生システムHGSと、この水素発生システムHGSに吸入側で接続された水素ポンプHP(Hydrogen Pump)と、この水素ポンプHPの下流側に介設された減圧弁2a、流調弁2b、及び加湿器(不図示)とを含む。
【0016】
酸化剤供給系3は、車外の空気を吸入・圧縮する空気圧縮機AC(Air Compressor)と、この空気圧縮機ACの下流側に介設された不図示の減圧弁、流調弁、及び加湿器とを含む。
【0017】
冷媒供給系4は、温度制御可能な冷媒貯留槽(不図示)と、この冷媒貯留槽に吸入側で接続された冷媒ポンプCP(Coolant Pump)と、この冷媒ポンプCPの下流側に介設された不図示の減圧弁及び流調弁とを含む。
【0018】
ユーティリティ排出系UDSは、燃料電池スタック1の燃料、酸化剤及び冷媒排出口にそれぞれ接続された燃料、酸化剤及び冷媒排出ラインを含み、その内、冷媒排出ラインは冷媒貯留槽に接続され、冷媒供給系4と協働して冷媒循環系を構成する。
【0019】
燃料電池制御装置FCCは、水素発生システムHGS及び車両の動作状態に応じた制御信号C1〜C5を出力して、水素ポンプHP、減圧弁2a、及び流調弁2bを含む燃料供給系2と、空気圧縮機ACを含む酸化剤供給系3と、冷媒ポンプCPを含む冷媒供給系4とを適宜制御する。
【0020】
水素発生システムHGSは、水素供給源としての水素発生装置19と、この水素発生装置19と水素ポンプHPとの間に介設され、水素を適宜捕集・放出して水素供給量を安定化する蓄圧器としての水素リザーバ27と、燃料電池制御装置FCCと連繋して水素発生システムHGSを統御する水素発生制御装置HGC (Hydrogen Generation Controller)とを備える。
【0021】
水素発生装置19は、円筒状のタンク20と、このタンク20を、その分離可能な槽頂部(図中右端部)20a及び槽底部(図中左端部)20b間の側壁部20cの全周から、加熱する抵抗加熱式若しくは誘導加熱式の電気ヒータ22a、22bと、上記槽頂部20aに連通する水素放出口(出口)20dと水素リザーバ27の連結管路28との間に介設された調圧弁23a及び流調弁23bとを備え、タンク20には、水素を吸蔵(つまり、結合貯留)若しくは解離生成する水素貯蔵部材21が内蔵されている。なお、水素リザーバ27の連結管路28は、その下流側、即ち、水素リザーバ27と水素ポンプHPとの間にも、調圧弁29a及び流調弁29bが介設されている。
【0022】
タンク20の素材は、高温と、水素の吸蔵放出に耐え得る強度と、耐塩基性等の化学的安定性を有する素材の中から選び出すことが好ましい。耐塩基性、耐温度、耐圧のスペックを満たす材料であり、かつ低コストで入手できる材料としては、ステンレス、炭素系材料及びアルミニウムがあげられ、このような材料から容器は成形されていることが好ましい。
【0023】
水素貯蔵部材21は、タンク20の水素放出口20dに臨む金属水素化物からなる最外層21aと、金属アミドと金属水素化物とからなる複数の内層21b〜21hとからなる。金属アミドは、アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の中から選択された金属元素と、窒素と、水素とを含む。金属水素化物は、アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の中から選択された金属の水素化物である。
【0024】
水素貯蔵部材21の重量をその成形素片の平均密度で除した値、つまり、水素貯蔵部材21の実体積(以下、V21で表す。)は、タンク20の容積(以下、V20で表す。)より小さく(即ち、V21/V20<1)、その間の差(V20−V21)に相当する容積V(=V20−21)、或いは、更に保持枠又は保持網を備える場合、その体積(以下、Vで表す。)も引いた値に相当する容積V(=V20−V21−V)の水素ガス雰囲気が、水素発生装置19の作動時のタンク20内壁と水素貯蔵部材21を構成する各成形素片の界面との間に充満する。
【0025】
この水素ガス雰囲気は、その温度(以下、Tで表す。)が、水素貯蔵部材21自身の伝熱効果(或いは、保持枠又は保持網により増大した伝熱効果)により、ほぼ均一に調温される。また、水素ガス雰囲気の圧力Pが、成形素片の界面近傍での平均ガス圧に相当する値に、水素ガスの拡散律速を越える有意な時間内に、ほぼ均一に調圧され、従って、水素ガスの濃度Cも、同様に有意な時間内に、ほぼ均一化する。
【0026】
タンク20の槽底部20bには、センサ保持プラグ20eが嵌着され、これにより温度センサS1、圧力センサS2、及び水素濃度センサS3が保持される。温度センサS1は、熱電対24により構成され、水素貯蔵部材21の中心部に挿入され、かつ水素貯蔵部材21に接触若しくは埋設された感温部24aで、水素貯蔵部材21の平均温度(又はそれを代表する温度)Tを検出する。圧力センサS2は、ガス圧力計25からなり、水素ガス雰囲気の圧力Pを検出する。水素濃度センサS3は、常温以上で作動可能な水素濃度計26からなり、水素ガスの濃度Cを検出する。
【0027】
水素発生制御装置HGCは、温度センサS1と、圧力センサS2及び水素濃度センサS3により検出された、水素貯蔵材料30の温度T[℃]と、水素ガス雰囲気の圧力P[Pa]及び水素ガス濃度C[mol/L]とをサンプリングし、必要に応じ補正して、燃料電池制御装置FCCからのコマンドに応じて処理し、制御信号C6〜C8を出力して、電気ヒータ22a、22bと、水素リザーバ27の上流側の調圧弁23a及び流調弁23bとを制御することにより、水素発生装置19の水素発生量(以下、H[L/分]又はHgn[標準状態換算NL/分]で表す。)を制御すると共に、制御信号C9〜C10を出力して、水素リザーバ27の下流側の調圧弁29a及び流調弁29bとを制御することにより、水素発生システムHGSの水素供給量(以下、H[L/分]又はHsn[標準状態換算NL/分]で表す。)を制御する。
【0028】
制御信号C6により電気ヒータ22a、22bの発熱量を制御し、それにより水素貯蔵部材21の温度Tが上がると、その界面及び内部から水素が解離・拡散して、タンク20内へ放出され、逆に、水素貯蔵部材21の温度Tが下がると、タンク20内の水素が、水素貯蔵部材21の界面から内部へ拡散・吸蔵され、結合される。こうした水素の結合・解離反応は、数段の平衡式に従って進み、その律速条件に対応した平衡係数(以下、Kで表す。)に依存する量の水素が吸蔵若しくは放出される。
【0029】
水素貯蔵部材21の場合、平衡係数Kが、水素貯蔵部材21の温度Tと、水素ガス雰囲気の圧力P及び水素ガス濃度Cとの時間変化に依存した線形乃至は非線形の特性を有する。つまり、時間をtで表すと、次の式(1)が成立する。
【0030】
K=K(T,P,C)=K{T(t),P(t),C(t)} ・・・式(1)
従って、「制御信号C6により電気ヒータ22a、22bの発熱量を経時変化させて水素貯蔵部材21の温度Tを時間的に変化させる制御」T{C6(t)}と、「制御信号C7によりタンク20内の水素ガス雰囲気の圧力Pを時間的に変化させる制御」P{C7(t)}と、「制御信号C8によりタンク20から水素ガス雰囲気を取出す量を経時変化させてタンク20内の水素ガス濃度Cを時間的に変化させる制御」C{C8(t)}とを適宜組合せることにより、平衡係数Kの所望の特性領域を活用でき、これにより、水素発生装置19の水素発生量Hを、所望な変域(以下、Hgdで表す。)内に安定に維持することが可能となる。つまり、Hgdの最小値をmin(Hgd)、最大値をmax(Hgd)で表すと、次の式(2)が成立する。
【0031】
min(Hgd)≦Hg(t)≦max(Hgd) ・・・式(2)
但し、Hg(t)=Hg[T{C6(t)},P{C7(t)},C{C8(t)}]
この点、タンク20内の水素ガス雰囲気の物理的状態(Ta,P,C)は、nを水素ガスのモル数、Rを気体定数とすると、n/V=Cなので、次の式(3)を満たす。
【0032】
P=CRTa ・・・式(3)
つまり、Ta=Ta[T{C6(t)}]=Ta(t)とおいて、
P{C7(t)}=RC{C8(t)}Ta(t) ・・・式(4)
C{C8(t)}=P{C7(t)}/RTa(t) ・・・式(5)
Ta(t)=P{C7(t)}/RC{C8(t)} ・・・式(6)
しかも、更に、「制御信号C9により水素リザーバ27内の水素ガスの圧力(以下、Pで表す。)を時間的に変化させる制御」Pr{C9(t)}と、「制御信号C10により水素リザーバ27内の水素ガス濃度(以下、Cで表す。)を時間的に変化させる制御」Cr{C10(t)}とを適宜組合せることにより、水素発生システムHGSの水素供給量Hを、燃料供給系2の動作状態に応じた所望な変域(以下、Hsdで表す。)内に安定に維持することが可能となる。つまり、Hsdの最小値をmin(Hsd)、最大値をmax(Hsd)で表すと、次の式(7)が成立する。
【0033】
min(Hsd)≦H(t)≦max(Hsd) ・・・式(7)
但し、H(t)=H[Hg(t),Pr{C9(t)},Cr{C10(t)}]
この点、水素リザーバ27内の水素ガスの物理的状態は、Vをリザーバ27の容積、Tを水素ガスの平均温度、nを水素ガスのモル数、Rを気体定数とすると、n/V=Cなので、次の式(8)を満たす。
【0034】
P=CRT ・・・式(8)
つまり、T=T[Ta{T{C6(t)}}]=T(t)とおいて、
Pr{C9(t)}=RC{C10(t)}T(t) ・・・式(9)
Cr{C10(t)}=Pr{C9(t)}/RT(t) ・・・式(10)
T(t)=Pr{C9(t)}/RCr{C10(t)} ・・・式(11)
また、制御信号C7〜C8により調圧弁23a及び流調弁23bを所定の開度又は全開状態に維持すれば、タンク21内の水素ガス雰囲気の体積VをV+Vに拡張したのと同じ効果が得られ、次の制御が可能になる。
【0035】
P={V/(V+Vr)}CRT・・・式(12)
タンク20をヒータ22a、22bによって加熱すると、金属アミドからアンモニアが発生する。金属アミドとして例えばLiNHを用いた場合には、次に示す式(13)によってアンモニアが発生する。
【0036】
LiNH→LiNH+NH ・・・式(13)
この水素発生装置19では、水素貯蔵部材21のタンク20の水素放出口20aに臨む最外層21aが金属水素化物からなるため、発生したアンモニアと金属水素化物とが反応し、水素が発生する。金属水素化物としてLiHを用いた場合における反応を、式(14)に示す。
【0037】
NH+3LiH→LiN+2H ・・・式(14)
このように、本実施の形態に係る水素発生システムHGSでは、金属アミドの分解により発生したアンモニアが金属水素化物の層を通過することにより、アンモニアが分解されて水素が発生する。このため、発生した水素ガス中に含まれるアンモニアの濃度は低い。
【0038】
水素ガス中に含まれるアンモニアの濃度を低減させる効果を得るためには、最外層21aは、100[wt%]の金属水素化物からなることが好ましい。タンク20内で発生したアンモニアが水素放出口20aの手前である金属水素化物からなる最外層21aと反応することにより、アンモニアが除去される。アンモニアが金属水素化物によって分解する際に、金属水素化物は金属アミドへと反応すると同時に水素が発生する。水素放出口20aの手前で生成した金属アミドは、その周辺に存在する金属水素化物との固−固相反応により水素を発生しながら金属イミド又は金属窒化物へと変化する。このように、反応の過程により最外層21はある程度の金属アミドを含むが、発生するアンモニアはわずかであるため問題とならず、タンク20内で発生したアンモニアガスをほぼ完全に除去することができる。
【0039】
最外層21aの内側に、金属アミドと金属水素化物との分散系を有することが好ましい。つまり、内層21b〜21hは、金属アミドと金属水素化物とを物理混合した層であることが好ましい。水素発生速度(つまり、水素発生量H)を向上させる手法として、金属アミドと金属水素化物を高分散になるように混合することがあげられる。金属アミドと金属水素化物とを物理混合することにより、金属アミドと金属水素化物の各粒子が高分散に分散され、金属アミドから発生したアンモニアが金属水素化物に接触するまでの時間を短縮することができる。このように、金属アミドと金属水素化物との分散系を有することにより、水素発生反応が速やかに進行する。また、水素貯蔵部材21の最外層21aが金属水素化物からなることにより、アンモニアの発生を抑制することができるため、金属アミドと金属水素化物との分散系を有することは、高い水素発生速度とアンモニアガスの低減の両立を行う上で効果の高い充填方法の一つである。
【0040】
また、最外層21aの内側に、金属アミドの層と金属水素化物の層を有していてもよい。この場合、内層21b〜21hのうち、内層21b、21d、21f及び21hは金属アミドの層であり、内層21c、21e及び21gは金属水素化物の層となるように、金属アミドの層21b、21d、21f、21hと金属水素化物の層21c、21e、21gとを交互に配置する。内層をこのように配置した場合には、金属アミドの層21b、21d、21f、21hより発生したアンモニアが効率よく金属水素化物の層21c、21e、21gと接触することにより、発生ガス中に含まれるアンモニアの濃度を低減する。更に、水素貯蔵部材21の最外層21aが金属水素化物からなることにより、タンク20内で発生したアンモニアガスをほぼ完全に除去することができる。
【0041】
金属アミドの層21b、21d、21f、21h及び金属水素化物の層21c、21e、21gは、タンク20の半径方向に延在することが好ましい。図2に水素貯蔵部材21の要部を模式的に示す。L21a〜L21eは水素貯蔵部材21の各層21a〜21eに対応する仮想的な粒子である。各粒子L21b〜L21eから発生したガスF2〜F4は、粒子L21b〜L21dの後端部を包絡する包絡線E11〜E23と直交する。そして、最終的には、発生したガスは金属水素化物からなる粒子L21aと接触し、水素ガスF1として容器から放出される。このように、ガスの流れ方向(つまりタンク20において略軸方向)に対して、金属アミドの層と金属水素化物の層が直交するように配置されることにより、高い水素発生速度とアンモニアガスの低減の両立を可能とする。
【0042】
金属アミドと金属水素化物との混合物からなる水素貯蔵部材21の水素放出反応は、式(15)に示す反応式にて行われる。
【0043】
A(NH+2X/YBH→ANX/3+2X/YBNY/3+2XH・・・式(15)
金属アミドと金属水素化物は化学量論比に合致するモル比で充填する必要があり、金属アミドを構成する金属イオンはAX+であり、金属水素化物を構成する金属種はBY+であり、A≠Bである。
【0044】
金属アミドと金属水素化物を構成している金属イオンが同一の場合は、金属アミドを構成する金属イオンはAX+であり、金属水素化物を構成する金属イオンはAX+であって、次の式(16)を満たす。
【0045】
A(NH+2AH→3ANX/3+2XH・・・式(16)
水素貯蔵部材21は、さらにTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、W、Re、Ru、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge及びSnの中から選択される元素を含むことが好ましい。これらの元素のうち、金属元素を添加することにより、低温における水素発生速度が速くなる。金属元素は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属カーバイドの状態で用いることが好ましい。また、炭素系材料や無機物の酸化物を添加することにより、水素貯蔵部材21の耐久性が向上する。耐久性を向上させるために添加する材料は、材料自体の水素貯蔵能が高い物質を添加したほうが好ましく、そのような材料として例えば炭素系材料があげられる。
【0046】
元素を添加する場合には、水素貯蔵部材21に対する重量比が5[wt%]以下であることが好ましい。金属アミドと金属水素化物の混合物の水素貯蔵能に比べて、添加物である元素自体の水素貯蔵能は低い。このため、いずれの元素であっても5[wt%]より多く添加することによる水素発生速度の向上や耐久性向上の効果は確認されない。
【0047】
金属アミドは、Li、Na、K、Mg及びCaの中から選択される元素を含むことが好ましい。金属アミドはこれらの金属元素のイオンを含むことにより、水素を放出することが可能となる。中でも特にLiイオン、Mgイオンが主成分である場合には最も水素貯蔵能が高く、水素発生速度が大きい。
【0048】
金属水素化物は、Li、Na、K、Mg及びCaの中から選択される元素を含むことが好ましい。金属水素化物は、これらの金属イオンを含むことにより、水素を放出することが可能となる。中でも特にLi、Mgイオンが主成分である場合には最も水素貯蔵能が高く、水素発生速度が大きい。Na、Caイオンを微量に添加した場合には、水素発生速度が向上する。
【0049】
金属アミドの層は、厚さが1.7[μm]以下であることが好ましい。金属アミドがLiNHであり、金属水素化物がLiHの場合には、層の厚みが1.7[μm]である場合にアンモニア濃度を低減させながら高い水素発生速度を得ることができる。金属アミドの層が厚い場合には、発生したアンモニアが金属水素化物と接触するまでに時間を要するため水素発生速度が低下する。一方、厚みが0.2[μm]以下の場合は、LiHの層が薄く、発生したアンモニアをLiHにて捕集しきれない。
【0050】
金属アミドと金属水素化物の混合比は材料ごとに化学量論比から最適となる値がある。また、各材料の密度はそれぞれ固有値となっていることから、金属アミドの層の厚みの最適値に対して、金属水素化物の厚みの最適値が決まる。種々の材料系におけるそれぞれの層の厚みの最適値を図3に示す。例1〜例9は、水素貯蔵部材として考えられる組み合わせである。各例は、金属元素Aを含む金属アミドと、金属元素Bを含む水素化物を出発物質としている。例えば、例1より金属元素AとしてLiを含む金属アミドLiNHと、金属元素BとしてLiを含む水素化物LiHを出発物質とした場合には、金属アミド層を1とした場合に、水素化物層1を1又は2の割合で混合した場合に、水素を放出する反応が効率良く進む。
【0051】
金属水素化物は、粒子径が0.01〜20[μm]であることが好ましい。20[μm]以上の場合には、表面積が小さいため金属アミドから発生したアンモニアと接触する割合が低い。金属アミドの粒子径も同様に0.01〜20[μm]程度であることが好ましい。
【0052】
タンク20の容積V20に対する水素貯蔵部材21の実体積V21の割合が0.5より大きいことが好ましい。高圧ガス貯蔵と比較して、水素貯蔵部材21を充填した方が高い水素貯蔵密度を得ることができるため、容器中材料が充填していない部分の体積(V20−V21)は少ない方がよい。このような例として、例えば図4に示すように、水素貯蔵部材31はタンク30の水素放出口30aの近傍まで充填されていることが好ましい。また、水素放出口30aの近傍(タンク30の水素放出口30aに臨む水素貯蔵部材31の最外層31a)は、金属水素化物の層であることが好ましい。ここで、水素放出口30aの近傍とは、水素放出口30aから容器30の底面との間で最も大きく離れているところをXとし、水素放出口30a近傍を水素放出口30aから距離Y以内にある区域であり、かつY≦0.01Xを満たす区域と定義する。最外層31aの内側の内層31bは、金属アミドと金属水素化物との分散系か、又は金属アミドの層と金属水素化物の層が交互に積層されていることが好ましい。
【0053】
以上示したように、本発明の実施の形態では、タンクの出口に臨む水素貯蔵部材の最外層が金属水素化物からなることにより、発生した水素ガス中に含まれるアンモニアの濃度が低減した水素発生装置を提供することができる。また、本実施の形態では、発生した水素ガス中に含まれるアンモニアの濃度が低減するため、長時間運転可能な燃料電池システムを提供することができる。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態に係る燃料電池システムを搭載する燃料電池車両40を示しており、図1に示すタンク20を後部に設置搭載した図である。このとき、エンジンルームやトランクルーム内部、あるいはシート下のフロア部等の車室内部の他に、ルーフ上部等の車室外にタンク20を設置することも可能である。
【0055】
本発明の実施の形態の係る燃料電池車両では、長時間運転可能な燃料電池システムを搭載しているため、長期に渡り使用することが可能となる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例1〜実施例10及び比較例1により本発明について更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0057】
加熱可能な反応セルに水素貯蔵部材を構成する水素貯蔵材料を充填し、発生したガスを標準状態で流量計により測定した。使用した反応セルは、500[℃]まで昇温することのできる温調システムと圧力計のついた弁を有し、反応セルの内容積は20[cm]程度である。反応セルへの水素貯蔵材料の充填は、手動で容器へ材料をふりかける方法で行った。図6に水素貯蔵材料の組成、水素貯蔵部材の最外層のLiHとLiNHの存在比、内層の製法(充填方法)、LiNHの厚み、水素発生速度及び水素ガス中のアンモニア濃度を示す。なお、LiNHの厚みは平均の厚みである。また、LiHの厚みは、LiNHの厚みの1/2とした。また、最外層はガス放出口から5[mm]以内の位置とした。
【0058】
実施例1
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように調製し、物理混合した。最外層はLiH:LiNH=50:50とした。水素発生速度は100[ml/分]、アンモニア濃度は21[ppm]だった。
【0059】
実施例2
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように調製し、物理混合した。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は100[ml/分]、アンモニア濃度は3[ppm]だった。
【0060】
実施例3
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように、LiHの層とLiNHの層を交互に積層した。LiNHの層厚は0.1[μm]とした。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は120[ml/分]、アンモニア濃度は5[ppm]だった。
【0061】
実施例4
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように、LiHの層とLiNHの層を交互に積層した。LiNHの層厚は0.2[μm]とした。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は120[ml/分]、アンモニア濃度は0[ppm]だった。
【0062】
実施例5
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように、LiHの層とLiNHの層を交互に積層した。LiNHの層厚は0.6[μm]とした。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は110[ml/分]、アンモニア濃度は0[ppm]だった。
【0063】
実施例6
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように、LiHの層とLiNHの層を交互に積層した。LiNHの層厚は1.1[μm]とした。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は100[ml/分]、アンモニア濃度は0[ppm]だった。
【0064】
実施例7
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように、LiHの層とLiNHの層を交互に積層した。LiNHの層厚は1.7[μm]とした。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は60[ml/分]、アンモニア濃度は1[ppm]だった。
【0065】
実施例8
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように、LiHの層とLiNHの層を交互に積層した。LiNHの層厚は11[μm]とした。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は50[ml/分]、アンモニア濃度は1[ppm]だった。
【0066】
実施例9
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように、LiHの層とLiNHの層を交互に積層した。LiNHの層厚は22[μm]とした。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は40[ml/分]、アンモニア濃度は1[ppm]だった。
【0067】
実施例10
水素貯蔵材料として、3[wt%]となるようにカーボンナノチューブが添加されたLiHと、3[wt%]となるようにカーボンナノチューブが添加されたLiNHを、モル比で1:2の割合になるように、LiHの層とLiNHの層を交互に積層した。LiNHの層厚は1[μm]とした。最外層はLiH100[%]とした。水素発生速度は102[ml/分]、アンモニア濃度は0[ppm]だった。
【0068】
比較例1
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように調製し、物理混合した。最外層はLiNH100[%]とした。水素発生速度は100[ml/分]、アンモニア濃度は35[ppm]だった。
【0069】
水素貯蔵材料としてLiHとLiNHをモル比で1:2の割合になるように調製し、物理混合した比較例1、実施例1及び実施例2では、最外層の組成が発生した水素中のアンモニア濃度に関係していることが示された。つまり、最外層がLiNHのみからなる比較例1では一番アンモニア濃度が高く、最外層がLiH:LiNH=50:50とした実施例1では比較例1よりアンモニア濃度が低く、最外層がLiH100[%]とした実施例2では実施例1よりもアンモニア濃度が低かった。このように、最外層を金属水素化物を含む層とすることにより、発生した水素ガス中のアンモニア濃度を低減することが可能となることがわかった。
【0070】
次に、実施例3〜実施例9について、図7を参照しながら説明する。図7は、LiNH層の厚みと水素発生速度及びアンモニア濃度の関係を表したものである。図7においてC20はLiNH層の厚みと水素発生速度との関係を表す曲線であり、C30はLiNH層の厚みとアンモニア濃度との関係を表す曲線である。曲線C20は、図からもわかるように曲線部C21と、曲線部C22と、曲線部C23とからなる。曲線C30は、図からもわかるように曲線部C31と、曲線部C32とからなる。図において、点P21は実施例3の水素発生速度を表し、点P22は実施例4の水素発生速度を表し、点P23は実施例5の水素発生速度を表し、点P24は実施例6の水素発生速度を表し、点P25は実施例7の水素発生速度を表し、点P26は実施例8の水素発生速度を表し、点P27は実施例9の水素発生速度を表す。また、図において、点P31は実施例3のアンモニア濃度を表し、点P32は実施例4のアンモニア濃度を表し、点P33は実施例5のアンモニア濃度を表し、点P34は実施例6のアンモニア濃度を表し、点P35は実施例7のアンモニア濃度を表し、点P36は実施例8のアンモニア濃度を表し、点P37は実施例9のアンモニア濃度を表す。
【0071】
実施例3〜実施例9及び図7より、LiNH層の厚みが0.1〜0.2[μm]の範囲では水素発生速度が高く、厚みが0.6[μm]より厚くなるにつれて水素発生速度が減少した。そして、厚みが1[μm]を超えると、水素発生速度は急激に減少した。一方、LiNH層の厚みが0.1[μm]のときには水素ガス中にアンモニア濃度が高かったが、0.2[μm]より厚い場合には水素ガス中にはほとんどアンモニアが含まれなかった。これは、厚みが0.2[μm]以下の場合は、LiHの層が薄く、発生したアンモニアをLiHで捕集しきれていないためと考えられた。層の厚みが1.7[μm]を超える場合には、発生したアンモニアがLiHの層で捕集しきれないという現象が発生するため、アンモニア濃度が上がった。図7より、LiNH層の厚みがzで示す範囲(0.2〜1.7[μm])にあるときに高い水素発生速度と、低いアンモニア濃度の両立がはかれる。また、LiNH層の厚みが0.2〜1.1[μm]の場合には、水素貯蔵材料を物理混合により調製した実施例2よりも良好な結果が得られた。
【0072】
実施例10の結果より、LiNH粒子とLiH粒子が水素放出中に凝集することを抑制するカーボンナノチューブを添加する事により、水素放出速度が向上することが確認された。この場合に添加する材料としては,カーボンナノチューブ以外にも炭素系材料であれば効果を有する。
【0073】
実施例1〜実施例10及び比較例1の結果より、本発明の実施の形態に係る水素発生システムでは、発生した水素ガス中に含まれるアンモニア濃度が減少することがわかった。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記実施の形態の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態に係る燃料電池システムFCの模式的系統図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る水素発生システムを構成するタンクの要部拡大図である。
【図3】金属アミドと金属水素化物の組み合わせを示す表である。
【図4】水素貯蔵部材の別の実施の形態を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る燃料電池車両の側面図である。
【図6】実施例1〜実施例10及び比較例1における実験結果を示す表である。
【図7】LiNH層の厚みと水素発生速度及びアンモニア濃度の関係を表したグラフである。
【符号の説明】
【0076】
HGS 水素発生システム
19 水素発生装置
20 タンク
20a 水素放出口(出口)
21 水素貯蔵部材
21a 最外層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の中から選択された金属元素と、窒素と、水素とを含む金属アミドと、アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の中から選択された金属の水素化物とからなる水素貯蔵部材と、前記水素貯蔵部材を収容するタンクとからなる水素発生装置を含む水素発生システムにおいて、
前記タンクの出口に臨む前記水素貯蔵部材の最外層が前記金属の水素化物からなることを特徴とする水素発生システム。
【請求項2】
前記最外層は、100[wt%]の前記金属の水素化物からなることを特徴とする請求項1に記載の水素発生システム。
【請求項3】
前記最外層の内側に、前記金属アミドと前記金属の水素化物との分散系を有することを特徴とする請求項2に記載の水素発生システム。
【請求項4】
前記最外層の内側に、前記金属アミドの層と前記金属の水素化物の層を有することを特徴とする請求項2に記載の水素発生システム。
【請求項5】
前記金属アミドの層及び前記金属の水素化物の層は、前記タンクの半径方向に延在することを特徴とする請求項4に記載の水素発生システム。
【請求項6】
前記金属アミドを構成する金属イオンはAX+であり、前記金属の水素化物を構成する金属種はBY+であり、A≠Bであって、次の式(I)に示す反応式により水素を発生させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の水素発生システム。
A(NH+2X/YBH→ANX/3+2X/YBNY/3+2XH ・・・(I)
【請求項7】
前記金属アミドを構成する金属イオンはAX+であり、前記金属の水素化物を構成する金属イオンはAX+であって、次の式(II)を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の水素発生システム。
A(NH+2AH→3ANX/3+2XH・・・(II)
【請求項8】
前記水素貯蔵部材は、さらにTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、W、Re、Ru、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge及びSnの中から選択される元素を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の水素発生システム。
【請求項9】
前記元素は、前記水素貯蔵部材に対する重量比が5[wt%]以下であることを特徴とする請求項8に記載の水素発生システム。
【請求項10】
前記金属アミドは、Li、Na、K、Mg及びCaの中から選択される元素を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の水素発生システム。
【請求項11】
前記金属の水素化物は、Li、Na、K、Mg及びCaの中から選択される元素を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の水素発生システム。
【請求項12】
前記金属アミドの層は、厚さが1.7[μm]以下であることを特徴とする請求項4乃至請求項11のいずれか一項に記載の水素発生システム。
【請求項13】
前記金属の水素化物は、粒子径が0.01〜20[μm]であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の水素発生システム。
【請求項14】
前記容器は、ステンレス、炭素系材料及びアルミニウムの中から選ばれるいずれかからなることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の水素発生システム。
【請求項15】
前記容器の容積に対する前記水素貯蔵部材の体積の割合が0.5より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の水素発生システム。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれか一項に係る水素発生システムを用いたことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項17】
請求項16に係る燃料電池システムを用いることを特徴とする燃料電池車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−207682(P2007−207682A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27547(P2006−27547)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】