説明

汚れ又は滲出物の皮膚への接着を減らすためのローション付き拭き取り用品

汚れ及び排泄物の皮膚への付着防止を助ける水性媒体中に混和される場合がある固着防止剤。基材は固着防止剤を皮膚に送達するのを助けるために利用される場合がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
基材と基材に接触しているローションとを含むローション付き拭き取り用品であって、固着防止剤を含むローションは、改善された身体のクレンジング性能を提供するために使用される場合がある。ローションは、汚れ又は滲出物の皮膚への付着を減らすのに役立つ場合がある。
【背景技術】
【0002】
皮膚の清浄は、必ずしも容易には解決されない身体上の衛生問題である。乾燥ティッシュ製品は、排便後、排尿後、及び月経中に最も一般的に使用されるクレンジング製品である。乾燥ティッシュ製品は、また食べ物及びごみのような汚れを皮膚から除去するために一般的に使用されている。一般的に使用されているもののような乾燥ティッシュ製品は、「トイレットペーパー」、「トイレットティッシュ」、又は「ペーパータオル」と一般に称される。乾燥ティッシュ製品の使用に加えて、汚れた後の顔及び身体、並びに排泄物を排泄した後の肛門、生殖器部、会陰、及び肛門周囲部のクレンジングのために、ウェットタオルのような湿った基材を使用することは益々頻繁になってきている。いわゆる「ウェットタオル」は、一般に、水又は油系ローションを染み込ませた繊維構造体である。
【0003】
本書の目的上、肛門、会陰、会陰部、及び外陰部は、すべて、肛門と外生殖器との間の、周囲の、及びこれらを包含する身体の骨盤部を示す用語である。
【0004】
会陰部及び外陰部は両方共、微細な折り目/皺(溝)及び毛嚢の存在が著しく、これらの両方共がこれらの領域をクレンジングするのにより困難な身体構造部分にしている。排便の間、糞便物質は肛門を通って排泄され、並びに毛髪の基部周辺、及び皮膚表面の溝の中のような届きにくい場所に蓄積する傾向がある。月経の間、経血は生理用ナプキンの使用後に、皮膚及び毛髪上に蓄積される場合がある。糞便又は月経物質が空気に曝される、又はティッシュペーパー、おむつ、若しくは生理用ナプキンのような吸収性用具に接触することにより脱水されるのにしたがって、それは皮膚及び毛髪に、よりしっかりと付着する。残留する脱水された滲出物のその後の除去は更により困難である場合があり、及び不十分なクレンジングを結果として生じる場合がある。十分にクレンジングしない場合に発生する不都合の中には、炎症、発赤、落屑、感染、不快臭、又は他の種類の身体的不快若しくは健康に関連した問題がある。
【0005】
病態(例えば、痔、裂傷、陰窩炎など)に苦しむ人々は、上に記載された欠点の影響を更により受けやすい。排便、月経、及び排尿後の良好なクレンジングの利益は、乳児、幼児、小児、及び成人にとって、共通の衛生的懸念から、非常に関係のあるものである。クレンジングは、残留物の除去という観点からは効率的でなければならず、及びクレンジングによって刺激が生じないという観点からは穏やかでなくてはならない。ウェットタオルは、そうした基本的な要求に対して答えをもたらす。
【0006】
乾燥ティッシュ製品と比較して、ウェットタオルはいくつかの利益を有し、それには:
−ワイプ使用中の、より良好な潤滑を可能にし、それによってクレンジング作業のざらつきを減らすこと;
−残留物を水和し、したがって皮膚又は毛髪からのそれらの除去を高めること;
−皮膚組織を水和すること;及び
−クレンジング作業後に皮膚上に残留できる鎮静又は保護ローションを皮膚に送達できることが挙げられる。
【0007】
ウェットタオルの製造業者は:
−皮膚を刺激及び表皮剥離から保護する一方で汚れの除去を高めること、
−皮膚上の脂っぽい感じを回避する一方で長続きする快適な清潔感、といった本来なら対立する概念の間に適正な均衡を送達する拭き取り用品を開発しようと試みてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
効果的に清浄化するだけでなく、また汚れ若しくは滲出物の皮膚への付着を同時に減らす又は防ぐウェットタオルへの要求がなお存在する。こうしたワイプはクレンジングを大いに促進する。こうしたワイプによるクレンジングの促進は、その後の損傷からの汚れ又は滲出物の皮膚上への付着の減少により反映されている場合がある。結果として、次の清浄のときに皮膚上の汚れ若しくは滲出物の量が減少している場合があり、汚れ若しくは滲出物の皮膚からのより容易な除去は、より少ない擦過による損傷、汚れ若しくは滲出物の皮膚上の染み付けの減少、及び/又はウェットタオルのような基材上若しくは吸収性物品内への汚れ若しくは滲出物の獲得/保持の改善を結果として生じる場合がある。最終的な結果は、満足できる清潔な状態を実現するために個人が必要とする時間及び努力が少なくなる場合があることである。
【0009】
ワイプを使用する個人が意識しないような方式で、即ち別個のワイプの使用のように習慣を変える必要なく又は皮膚表面上に望ましくない脂っぽい層を残すことなく、汚れ若しくは滲出物の皮膚への付着を実質的に減らす又は防ぐウェットタオルへの更なる要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
基材と、基材と接触しているローションとを含むローション付き拭き取り用品であって、ローションは固着防止剤を含み、ローションは、固着防止スクリーニング法(Anti-Stick Screening Method)により測定されるとき、約10重量%未満の残留汚れ又は滲出物を残すことについて有効である場合がある。固着防止剤は、ローション組成物の約50重量%以下の濃度で存在してもよい。固着防止剤は、水溶性であってもよい。
【0011】
固着防止剤は、非高分子固着防止剤、高分子固着防止剤、シリコーンコポリオール、単官能性へテロ原子オキシドエーテル、多官能性へテロ原子オキシドエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0012】
ローションは、皮膚軟化剤及び界面活性剤を更に含んでもよい。
【0013】
商品は、ローション付き拭き取り用品を収納する容器を含んでもよい。
【0014】
汚れ又は滲出物の皮膚への付着を防ぐ方法は、ローション付き拭き取り用品を皮膚に接触させる工程を含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
汚れ及び排泄物が皮膚から除去される容易さは、汚れ又は滲出物と皮膚表面との間の付着相互作用の強度に関連する場合がある。汚れ又は滲出物の皮膚への付着の減少は、汚れ又は滲出物のより容易な除去を可能にする場合がある。汚れ又は滲出物の皮膚への付着の強度を減らす場合がある、多様な物質(以下固着防止剤と称する)が確認されている。固着防止剤を含むローションと接触する基材は、汚れ又は滲出物の皮膚への付着の強度を減らす場合がある。基材とローションとのこうした組み合わせは、ローション付き拭き取り用品であってもよい。
【0016】
本明細書において定義されるとき、「重量/重量」又は「w/w」は、参照されている構成成分の重量対参照中の全材料の重量を指す。そのため、基材中における「w/w」の使用は、個々の基材構成成分の重量対全基材の重量を指す。ローションにおける「w/w」の使用は、個々のローション構成成分の重量対ローションの全重量を指す。水溶解度における「w/w」の使用は、物質の重量対物質がその中に溶解される全水の重量を指す。残留人工便(artificial bowel movement)(ABM)ついての「w/w」の使用は、皮膚上に残留する人工便の重量対皮膚に適用された人工便の総重量を指す。
【0017】
基材
ローションは、汚れ又は滲出物のクレンジング及び除去に使用するために基材に接触しているか又は付随していてもよい。「基材」は、一般に不織布材料であって、身体部分をクレンジングするのに使用される1つの材料を記載する一般用語である。特に、多くの現在使用可能な基材は、排便後の肛門周囲部のクレンジングを対象にしている場合がある。他の基材は、顔又は他の身体部分のクレンジングのために使用可能である場合がある。
【0018】
基材は、不織布材料であってもよい。「不織布」は、本明細書では、連続繊維の組立体、共押出繊維、非連続繊維、及びこれらの組み合わせから、織る又は編むことなく、スパンボンディング、カーディング、メルトブローイング、エアレイイング、湿式レイイング、コフォーム、又はこうした目的のために当該技術分野において公知の他のこうしたプロセスにより作製される繊維構造体を指す。不織布構造体は、こうした繊維組立体の1つ以上の層を含んでもよく、各層は、連続繊維、共押出繊維、非連続繊維、及びこれらの組み合わせを包含してもよい。
【0019】
基材の繊維は、いずれかの天然のセルロース材料、及び/又は完全な合成材料であってもよい。天然繊維の例には、広葉樹源、針葉樹源、又は他の非木材植物からの繊維のようなセルロース天然繊維を挙げてもよい。天然繊維は、セルロース、デンプン、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。好適なセルロース天然繊維の非限定例には、木材パルプ、典型的な北方針葉樹クラフト(northern softwood Kraft)、典型的な南方針葉樹クラフト(southern softwood Kraft)、典型的なCTMP、典型的な脱インキ、コーンパルプ、アカシア、ユーカリ、アスペン、リードパルプ、カバノキ、カエデ、ラジエータパイン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。植物からの天然繊維のその他の供給源には、アルバーディン(albardine)、エスパルト、麦、稲、コーン、サトウキビ、パピルス、黄麻、アシ、サビア(sabia)、ラフィア、竹、シダル(sidal)、ケナフ、アバカ、サンヘンプ、レーヨン(ビスコースとしても既知である)、リオセル、綿、大麻、亜麻、ラミー、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。更にその他の天然繊維としては、ダウン、羽毛、絹、綿、及びこれらの組み合わせのようなその他の天然非植物源からの繊維を挙げてもよい。天然繊維は、望ましい特徴を提供するために、機械的若しくは化学的に処理されるかないしは別の方法で変性されてもよく、又は自然においてそれらが見出され得る形態にほぼ類似した形態であってもよい。本明細書に記載される開発に関しては、天然繊維の機械的及び/又は化学的操作によって、天然繊維と考えられる範疇からこれらが除外されることはない。
【0020】
合成繊維は、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシアルカノエート、多糖類、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるもののようないずれかの材料であり得るが、これらに限定されない。更に、合成繊維は、単一構成成分(即ち、単一合成材料又は混合物が繊維全体を構成する)、2構成成分(即ち、繊維は領域に分けられ、領域は2つ以上の異なる合成材料又はその混合物を包含し、並びに共押出繊維及びコア・シース繊維を包含する場合がある)、及びこれらの組み合わせであることができる。2成分繊維を使用することもまた可能である。これらの2成分繊維は、構造体の構成成分繊維として使用されることができ、及び/又はそれらは、繊維構造体中に存在する他の繊維の結合剤として作用するために存在してもよい。合成繊維のいずれか又はすべては、繊維のいずれかの望ましい性質を変えるために、製造の前、間、又は後に処理されてもよい。
【0021】
特定の実施形態では、望ましい特徴を提供するために繊維の特別な組み合わせを有することは望ましい場合がある。例えば、特定の長さ、幅、粗度、又は他の特徴の繊維を、特定の層の中に組み合わせて又は互いに分離して有することは望ましい場合がある。繊維は、実質上いずれのサイズであってもよく、及び約1mm〜約60mmの平均長を有してもよい。平均繊維長は、真っ直ぐに伸ばした場合の個々の繊維の長さを指す。繊維は、約5マイクロメートルを超える平均繊維幅を有してもよい。繊維は、約5マイクロメートル〜約50マイクロメートルの平均繊維幅を有してもよい。繊維は、約5mg/100mを超える粗度を有してもよい。繊維は、約5mg/100m〜約75mg/100mの粗度を有してもよい。
【0022】
更に、繊維が特定の組成に関する特徴を有することは望ましい場合がある。例えば、ローションが、クレンジング中に最終的に皮膚に付与されることを目的とする親水性(即ち、水溶性)成分を含む場合には、繊維が疎水性材料を含むことによって親水性成分が繊維に付着する傾向を減らし、それによってそれらの皮膚への可用性を減らすことは望ましい場合がある。理論に束縛されるものではないが、ローション成分は、保管中にはローションと繊維との間を、及びクレンジング中にはローションと繊維と皮膚との間を分割する場合があると考えられている。ローションが、クレンジング中に皮膚に付与されることになる親水性成分を含む場合には、基材中での疎水性繊維の使用は、分割すること及び皮膚への親水性成分のその後の送達を助ける。
【0023】
疎水性繊維は、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるもののようないずれかの材料であり得るが、これらに限定されない。更に、疎水性繊維は、単一構成成分(即ち、単一合成材料又は混合物が繊維全体を構成する)、2構成成分(即ち、繊維は領域に分けられ、領域は2つ以上の異なる合成材料又はその混合物を包含し、並びに共押出繊維及びコア・シース繊維を包含する場合がある)、及びこれらの組み合わせであることができる。
【0024】
繊維は、円形の断面、ドッグボーン形、三角形のもの(即ち三角形の断面)、三葉形、リボン、又は短繊維として典型的に生成される他の形状であってもよい。同様に、繊維は、2成分繊維のようなコンジュゲート繊維であることができる。繊維はけん縮加工されていてもよく、潤滑剤のような仕上げ剤が適用されていてもよい。
【0025】
基材材料はまた、その柔軟性及び質感を改善するために処理されてもよい。基材は、これらに限定されないが、物理的処理、例えば湿式成形(hydro-molding)、湿式エンボス加工(hydro-embossing)、リングローリング(米国特許第5,143,679号(ウィーバー(Weber)ら、1992年9月1日発行)に記載されるように);構造的伸長(米国特許第5,518,801号(チャッペル(Chappell)ら、1996年5月21日発行)に記載されるように);圧密化(米国特許第5,914,084号(ベンソン(Benson)ら、1999年6月22日発行);第6,114,263号(ベンソン(Benson)ら、2000年9月5日発行);第6,129,801号(ベンソン(Benson)ら、2000年10月10日発行)、及び第6,383,431号(ドブリン(Dobrin)ら、2002年5月7日発行)に記載されるように);ストレッチ開口(stretch aperturing)(米国特許第5,628,097号(ベンソン(Benson)ら、1997年5月13日発行);第5,658,639号(クーロ(Curro)ら、1997年8月19日発行)、及び第5,916,661号(ベンソン(Benson)ら、1999年6月29日発行)に記載されるように);差別伸長(differential elongation)(米国公報番号(US Publication No.)2003/0028165A1(クーロ(Curro)ら、2003年2月6日公開)に記載されるように);及び他の固体状態形成技術(米国公報番号(US Publication No.)2004/0131820A1(ターナー(Turner)ら、2004年7月8日公開)、及び米国公報番号(US Publication No.)2004/0265534A1(クーロ(Curro)ら、2004年12月30日公開)に記載されるように)、ゾーン活性化など;化学的処理、例えばこれらに限定されないが、基材の一部若しくは全部を疎水性、及び/又は親水性にすることなど;熱処理、例えばこれらに限定されないが、熱エンボス加工、加熱による繊維の柔軟化、熱接着など;並びにこれらの組み合わせのような様々な処理を受けてもよい。
【0026】
理論に束縛されるものではないが、テクスチャード加工された基材は更に、クレンジング中に皮膚から滲出物を掴むないしは別の方法で持ち上げる能力を高めることにより、排泄物を容易に除去できるようにする場合があると考えられている。これらに限定されないが、連続湿式成形要素、中空成形要素、固体成形要素、円形、正方形、矩形、長円形、楕円形、ゆがんだ円、渦巻き、渦巻き図形、クロスハッチ、ペブル、整列円(lined circles)、連結したゆがんだ円、半円、波線、泡線(bubble lines)、パズル、葉、縁取りされた葉、プレート、接続円、変化する曲線、ドット、ハニカムなど、及びこれらの組み合わせのような多数のテクスチャ要素のいずれの1つも、クレンジング中に皮膚から滲出物を掴むないしは別の方法で持ち上げる能力を高めるのに有用である場合がある。テクスチャ要素は、中空の要素であってもよい。テクスチャ要素は、互いに接続していてもよい。テクスチャ要素は、互いに重なり合っていてもよい。
【0027】
基材は、約15、30、40、又は45g/m〜約65、75、85、95、又は100g/mの坪量を有してもよい。好適な基材は、フィンランド、タンペレ(Tampere)のスオミネン(Suominen)からフィブレラ(FIBRELLA)(商標)3160として入手可能であるような、58g/mの坪量を有する、ビスコース繊維とポリプロピレン繊維の40/60ブレンドを含むカード不織布であってもよい。フィブレラ(FIBRELLA)(商標)3160は、60重量%の1.5デニールのポリプロピレン繊維と40重量%の1.5デニールのビスコース繊維を含む、58g/mの不織布ウェブである。別の好適な材料は、フィブレラ(FIBRELLA)(商標)3100であってもよく、これは50重量%の1.5デニールのポリプロピレン繊維と50重量%の1.5デニールのビスコース繊維を含む、62g/mの不織布ウェブである。これら市販の繊維ウェブの両方において、平均繊維長は約38mmである。基材として使用するための別の好適な材料は、ドイツ、シュヴァルツェンバッハ/サーレ(Schwarzenbach/Salle)のサンドラー社(Sandler AG)から入手可能であるようなサワテックス(SAWATEX)(商標)2642であってもよい。基材として使用するための更に別の好適な材料は、約50g/m〜約60g/mの坪量を有してもよく、及びビスコース繊維とポリプロピレン繊維の20/80ブレンドを有してもよい。基材はまた、パルプとビスコース繊維の60/40ブレンドであってもよい。
【0028】
1つの実施形態では、基材の表面は本質的に平らであってもよい。別の実施形態では、基材の表面は隆起した及び/又は下降した部分を任意に含有してもよい。これらは、ロゴ、しるし、商標、幾何パターン、基材が清浄する目的の表面の画像(即ち、幼児の身体、顔など)の形態であることができる。それらは、基材の表面上にランダムに配列されていても、又はいずれかの形態の繰返しパターンであってもよい。
【0029】
別の実施形態では、基材は生分解性であってもよい。例えば、基材は、ポリエステルアミド、又は高湿潤強度セルロースのような生分解性材料から作製され得る。
【0030】
ローション
「ローション」は、本明細書で使用するとき、水のような担持体を含む組成物を指す。ローションは固着防止剤を更に含む。追加的任意成分は、ローション組成物を形成するために、本明細書に記載されるように、所望のようにローションに加えられてもよい。ローションは皮膚の表面上に被膜を形成する場合があり、及び残留する汚れ又は滲出物の忌避性の増加を固着防止剤の低濃度において提供する場合がある。
【0031】
固着防止剤
本明細書で使用するとき、用語「固着防止剤」は、汚れ若しくは滲出物の身体表面への付着を減らす又は防ぐのに役立つ場合があり、それによってその後の清浄を促進する水溶性物質を指す。「汚れ」は、本明細書では、ごみ及び食ベ物のような身体外部の供給源からの物質を指す。「滲出物」は、本明細書では、尿、経血、糞便、及び粘液のような身体内部の供給源からの物質を指す。
【0032】
理論に束縛されるものではないが、固着防止剤は、汚れ又は滲出物と皮膚表面との間の付着力を減らす場合があり、その結果付着力が汚れ又は滲出物内の凝集力より小さくなる場合があり、それによって例えば拭うことにより生成される剪断力の適用により汚れ又は滲出物が皮膚表面から分離できるようになると考えられている。この機構によって、本明細書に記載されるすべての固着防止剤が機能する手段を説明することは目的としていない。皮膚への付着を減らす他の可能性のある機構は当業者には明白である。
【0033】
汚れ又は滲出物の皮膚への付着を減らすための非水溶性物質の使用は、当該技術分野において既知である。シリコーン、鉱油、ペトロラタム、植物由来の油、及び他の疎水性皮膚軟化剤のような物質がウェットタオルにおいてエマルションの形態において公知である。こうしたエマルションの例は、米国特許第6,083,854号(ボグダンスキー(Bogdanski)ら、2000年7月4日発行);第5,648,083号(ブリーツナー(Blieszner)ら、1997年7月15日発行)、及び第6,440,437号(クシシク(Krzysik)ら、2002年8月27日発行)の中に見出される場合がある。
【0034】
上記のもののような非水溶性物質は、ある程度の固着防止性能を送達する場合がある一方で:
−それらは、しばしば望ましくない脂っぽい又はぬるぬるする感じを皮膚上に残すこと、及び
−それらは典型的にはぬるぬるしており、クレンジング用具と汚れ又は滲出物との相互作用を減らし、染み付け及び貧弱な清浄を結果として生じることが挙げられる幾つかの重大な欠点に悩まされている。
【0035】
水溶性固着防止剤はこれらの欠点の多くを克服している。本発明の目的上、固着防止剤は、25℃で水中に約0.01重量%、0.1重量%、0.5重量%、又は1.0重量%以上が溶解する場合には、水溶性であると見なされる。水溶性固着防止剤は次の利点を有する場合がある:
−それらは典型的には、皮膚上に脂っぽい感じを残さない、並びに
−それらは典型的には、非水溶性固着防止剤ほどぬるぬるせず、並びにより良好な清浄及びより少ない染み付けを結果として生じる場合がある。
【0036】
ローション中約10重量%以下の濃度の固着防止剤のような、低濃度レベルの固着防止剤を利用する一方で、汚れ又は滲出物の良好な忌避性を送達する場合があるローションと接触してもよい基材への更なる要求が存在する。こうしたローション付き基材は、利益を送達するために必要とされる固着防止剤の量が低下しているために、及び固着防止剤の水溶解度のために固着防止剤をローション中に混和することが容易であるために、費用効率が高い場合がある。更に、固着防止剤は、汚れ又は滲出物の忌避性のようなクレンジングの利益を結果として生じる場合があり、及び脂っぽい又はぬるぬるする被膜のような皮膚上での感覚的欠点を結果として生じない場合がある。消費者は、日常的なクレンジングに使用されながら固着防止の利益を送達できる基材を好む場合があり、即ち消費者は、クレンジングプロセスへの追加工程、例えば、清浄するための1つの基材の使用と、清浄は貧弱であるが固着防止の利益を提供する追加の基材の使用を好まない場合がある。清浄が貧弱であり、及び別個のワイプとして使用されることが必要である疎水性の固着防止剤を含有するワイプの例が、US2005/0244480A1に記載されている。
【0037】
付着相互作用が表面処理又は他の要因により影響されるか否かを決定するために、2つの物質間の付着の強度は多様な方法により分析されてもよい。処理が2つの物質間の付着を減らすか(例えば、凝集力未満の付着力に減らすことにより)を決定するための付着試験の例には、ASTM D2919、ASTM D3528、及びその中で参照される又は記載される関連方法が挙げられる。こうした方法は付着の強度を、剪断力の適用を通じて試験してもよい。
【0038】
汚れ又は滲出物の皮膚表面への付着を評価するための方法が、本明細書において詳述されている。低濃度で使用される(例えば、ローション中で)幾つかの固着防止剤は、皮膚上への固着防止利益を提供する場合があるが、この固着防止利益の規模は、人工表面上では大きく減じられることが発見されている。理論に束縛されるものではないが、皮膚の湿潤性、表面エネルギー、及び界面化学のような要因は、特定の水溶性固着防止剤を含有する有効な固着防止被膜の形成にとって重要な意味を持つと考えられている。
【0039】
汚れ又は滲出物の皮膚への付着を評価するための試験は、試験方法の節に詳細に記載されている。簡単には、固着防止スクリーニング法(Anti-Stick Screening Method)は、固着防止剤又は固着防止剤を含むローションの定義量により皮膚表面を処理する。人工糊様便(「ABM」)の定義量が適用される。ABMは、正方形の紙片により被覆され、及び定義された力により定義時間量の間、押し付けられる。紙は次に鉗子を用いてゆっくりと剥がされる。紙は、ABMの適用前に風袋を秤量され、及び皮膚からの除去後に再秤量される。皮膚上の残留ABMの百分率が、皮膚上に残留する人工便(ABM)の重量対皮膚に最初に適用された人工便の重量として計算される。ABMは、実際の幼児のBMと同様に、凝集できず、ABMの一部は皮膚表面上に残留し及びABMの一部は紙片上に残留するという結果を生じる。固着防止剤又は固着防止剤を含むローションの効率がよくなればなるほど、皮膚表面上の残留ABMは少なくなる。人工ABMは、固着防止スクリーニング法(Anti-Stick Screening Method)の中で利用されるが、人工ABMは、汚れ又は滲出物に物理的性質において相関する場合がある。残留人工ABMの百分率は、そのため、残留汚れ又は滲出物の百分率と同等の測定値として利用されてもよい。
【0040】
使用のために有益である固着防止剤は、固着防止スクリーニング法(Anti-Stick Screening Method)により評価されるとき、約10%、8%、7%、5%、4%、3%、又は2%の残留汚れ又は滲出物を皮膚表面上に残す場合がある。単独によるか又はローション内によるかにかかわらず、固着防止剤によって処理されていないが、それにもかかわらず上記の方法を受けた皮膚は、陰性対照としての役割を果してもよい。典型的には、皮膚の未処理は、皮膚表面上に残留する約30〜35%の残留汚れ又は滲出物を結果として生じる。
【0041】
水性系及びエマルション系の両方のローションを含む従来の基材は、上記の方法において、約15〜30%の残留汚れ又は滲出物の範囲の固着防止性能を送達する場合がある。このレベルの性能では、消費者に知覚できる固着防止の利益を送達するのには不十分であることが発見されている。
【0042】
本発明のローションは、少なくとも約0.05重量%の固着防止剤を含んでもよい。ローションは、固着防止剤の約50重量%以下を含んでもよい。ローションは、ローション組成物の約0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、4重量%、又は5重量%〜約8重量%、10重量%、20重量%、25重量%、又は50重量%の濃度の固着防止剤を含んでもよい。固着防止剤を含むローションは、本明細書に記載されるように、固着防止スクリーニング法(Anti-Stick Screening Method)により測定されるとき、約10%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残すことについて有効である場合がある。こうしたローションは、約2%、3%、4%、5%、7%、8%、又は10%未満の皮膚上に残留する残留汚れ又は滲出物を残す場合がある。固着防止剤は、ローション中に、約1重量%の濃度で存在してもよく、ローションは約10%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。別の実施形態では、固着防止剤は、ローション中に、約2重量%の濃度で存在してもよく、及び約5%又は10%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。固着防止剤を含むローションは、本明細書に記載されるように、基材と接触してローション付き拭き取り用品を形成してもよい。ローション付き拭き取り用品はまた、約10%、8%、7%、5%、4%、3%、又は2%の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残すことについて有効である場合がある。
【0043】
水溶性固着防止剤には:
−非高分子固着防止剤、例えばグリセロール及び関連するポリオール、例えばソルビトール、マルチトール、キシリトール、ペンタエリスリトール(pentaerythitol)、スクロース、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトデキストリン、マルトペントース(maltopentose)、マルトヘキソース(maltohexose)、及びイソマルツロース、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなど。
−ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含むブロックコポリマーが挙げられる、これらの混合物などを含む高分子固着防止剤。
−ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、又はこれらの混合物などを含むシリコーンコポリオール。
−ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、又はこれらの混合物の単官能性へテロ原子オキシドエーテル、並びにそれらの相同物及び誘導体。
−ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、又はこれらの混合物の多官能性へテロ原子オキシドエステル、並びにそれらの相同物及び誘導体。
【0044】
並びに上記の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
非高分子固着防止剤:
上に記載されたもののような非高分子固着防止剤は、固着防止の利益を提供する場合がある。非高分子固着防止剤は、高分子固着防止剤に比べて、組成物中で相対的に高濃度において必要とされる場合がある。1つの実施形態では、約50重量%の濃度でグリセロールを含むローションは、約10%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。
【0046】
高分子固着防止剤:
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含むブロックコポリマーが挙げられる、これらの混合物を含む高分子固着防止剤は、固着防止剤として有用であることが見出されている。高分子固着防止剤の市販例には、ミシガン州ミッドランド(Midland)のダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)から入手可能であるようなカルボワックス(Carbowax)(商標)及びポリオックス(Polyox)(商標)シリーズ、並びにニュージャージー州フローハム・パーク(Florham Park)のバスフ社(BASF Corporation)から入手可能であるようなプルロニック(Pluronic)(商標)、プルロニック(Pluronic)(商標)R、テトロニック(Tetronic)(商標)、及びテトロニック(Tetronic)(商標)R界面活性剤シリーズが挙げられる。1つの実施形態では、約20重量%又は25重量%〜約50重量%の濃度でカルボワックス(Carbowax)400を含むローションは、約5%、3%、又は2%の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。
【0047】
シリコーンコポリオール:
シリコーンポリエーテルとしても公知の水溶性シリコーンコポリオールはまた、固着防止の利益を送達することが見出されている。水溶性シリコーンコポリオールの市販例には、コネティカット州ウィルトン(Wilton)のGEシリコーンズ(GE Silicones)から入手可能であるようなシルエット(Silwet)(商標)及びシルソフト(Silsoft)(商標)シリーズの構成物、ドイツのエッセン(Essen)のゴールドシュミット社(Goldschmidt GmbH)から入手可能であるようなアビル(ABIL)(商標)B及びアビル(ABIL)(商標)ケア(Care)シリーズの構成物、並びにドイツのブルグハウゼン(Burghausen)のワッカー・ケミー社(Wacker Chemie GmbH)から入手可能であるようなベルシル(Belsil)(商標)シリーズの構成物が挙げられる。図1は、シリコーンコポリオールが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
xは約5〜約50の数であり、
yは約3〜約10の数であり、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせであり、並びに
Dは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリグリセロール、又は図2に例示されるようにこれらの組み合わせである。
【0048】
Dの特定の実施形態では、
eは約10〜約30の数であり、
pは約0〜約10の数であり、及び
gは約0であり
x/yは約10未満であり、及び約8以下であってもよく、
e+pは約30未満であり、及び約20以下であってもよく、
e/pは約1より大きく、及び約4以上であってもよく、並びに
x+yは約60未満であり、及び約40未満であってもよいことは理解されている。
【0049】
シリコーンコポリオールの合成は、ポリマーブロックの各々において異なる鎖長の混合物を結果として生じる場合があり、及びそのため異なる鎖長の平均を結果として生じる場合がある。1つの実施形態では、これらの異なる鎖長の平均は、x=9.5、y=3.5、e=11.5、p=2.5であり、及びRは水素原子である。別の実施形態では、これらの異なる鎖長の平均は、x=14、y=4、e=17、p=1であり、及びRは水素原子である。更に別の実施形態では、これらの異なる鎖長の平均は、x=48、y=6、e=15、p=5であり、及びRは水素原子である。x及びyは、鎖長の平均であってもよいことは理解される必要がある。
【0050】
1つの実施形態では、ペンシルベニア州ブリストル(Bristol)のローディア社(Rhodia Inc.)から入手可能である、DV7425のようなシリコーンポリエーテルを約4重量%又は5重量%〜約8重量%又は9重量%の濃度で含むローションは、約10%、7%、5%、3%、又は2%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。
【0051】
単官能性へテロ原子オキシドエーテル並びにそれらの相同物及び誘導体:
単官能性へテロ原子オキシドエトキシル化エーテルもまた固着防止の利益を送達することが見出されている。図3は、単官能性へテロ原子オキシドエトキシル化エーテルが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
Aは、ホスホネート、スルホネート、カーボネートからなる群から選択されるへテロ原子オキシドであり、
Mは、水素、いずれかの無機カチオン(例えば、Na、NH4)、有機カチオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせであり、
kは約2〜約5の数であり、
mは約2〜約5の数であり、
nは約2〜約3の数であり、
xは約0〜約25の数であり、並びに
yは約0〜約25の数である。
【0052】
図4は、単官能性ホスホネートエトキシル化エーテルが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
Mは、水素、いずれかの無機カチオン(例えば、Na、NH4)、有機カチオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせであり、
kは約2〜約5の数であり、
mは約2〜約5の数であり、
nは約2〜約3の数であり、
xは約0〜約25の数であり、並びに
yは約0〜約25の数である。
【0053】
1つの実施形態では、ペンシルベニア州ブリストル(Bristol)のローディア社(Rhodia Inc.)から入手可能である、DV7436のような、1−ホスホネートエトキシレートを約4重量%又は5重量%〜約7重量%又は8重量%の濃度で含むローションは、約5%、4%、又は3%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。
【0054】
図5は、単官能性カルボナートエトキシル化エーテルが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
Mは、水素、いずれかの無機カチオン(例えば、Na、NH4)、有機カチオン、又はこれらの組み合わせであり、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせであり、
kは約2〜約5の数であり、
mは約2〜約5の数であり、
nは約2〜約3の数であり、
xは約0〜約25の数であり、並びに
yは約0〜約25の数である。
【0055】
図6は、単官能性スルホナートエトキシル化エーテルが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
Mは、水素、いずれかの無機カチオン(例えば、Na、NH4)、有機カチオン、又はこれらの組み合わせであり、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせであり、
kは約2〜約5の数であり、
mは約2〜約5の数であり、
nは約2〜約3の数であり、
xは約0〜約25の数であり、並びに
yは約0〜約25の数である。
【0056】
多官能性へテロ原子オキシドエステル並びにそれらの相同物及び誘導体:
図7は、多官能性へテロ原子オキシドエステルが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
Aは、ホスホネート、ホスフェート、ホスファイト、スルホネート、サルファイト、サルフェート、ボレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるへテロ原子オキシドであり、
Dは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリグリセロール、又はこれらの組み合わせであり、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせ、又はPO−Mであり、
Mは、水素、いずれかの無機カチオン(例えば、Na、NH4)、有機カチオン、又はこれらの組み合わせであり、並びに
多官能性へテロ原子オキシドエステルは、n=約1〜約5を有する分子の混合物であり、この混合物の数平均は約1.05〜約1.97である。
【0057】
図8は、多官能性ホスフェートエステルが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
Dは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリグリセロール、又はこれらの組み合わせであり、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせ、又はPO−Mであり、
Mは、水素、いずれかの無機カチオン(例えば、Na、NH4)、有機カチオン、又はこれらの組み合わせであり、並びに
多官能性ホスフェートエステルは、n=約1〜約5を有する分子の混合物であり、この混合物の数平均は約1.05〜約1.97である。
【0058】
1つの実施形態では、ペンシルベニア州ブリストル(Bristol)のローディア社(Rhodia Inc.)から入手可能である、それぞれDV7656又はDV7658のような、PEG400ホスフェートエステル又はPEG600ホスフェートエステルを約1重量%又は2重量%〜約4重量%の濃度で含むローションは、約10%、7%、5%、4%、又は3%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。別の実施形態では、ペンシルベニア州ブリストル(Bristol)のローディア社(Rhodia Inc.)から入手可能である、DV8094のようなPPG425ホスフェートエステルを約1重量%又は2重量%〜約4重量%の濃度で含むローションは、約8%、5%、4%、又は3%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。更に別の実施形態では、ペンシルベニア州ブリストル(Bristol)のローディア社(Rhodia Inc.)から入手可能である、DV8097のようなPPG425/PEG400ホスフェートエステルを約1重量%又は2重量%〜約4重量%の濃度で含むローションは、約10%、8%、6%、4%、又は3%未満の残留汚れ又は滲出物を皮膚上に残す場合がある。
【0059】
図9は、多官能性サルフェートエステルが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
Dは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリグリセロール、又はこれらの組み合わせであり、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせ、又はSO−Mであり、
Mは、水素、いずれかの無機カチオン(例えば、Na、NH4)、有機カチオン、又はこれらの組み合わせであり、並びに
多官能性サルフェートエステルは、n=約1〜約5を有する分子の混合物であり、この混合物の数平均は約1.05〜約1.97である。
【0060】
図10は、多官能性スルホネートエステルが一致する場合がある一般構造体の図であり、式中:
Dは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリグリセロール、又はこれらの組み合わせであり、
Rは、水素、ヒドロカルビル(脂肪族及び芳香族を包含する)、1〜22個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカル、アセチル基、及びこれらの組み合わせ、又はSO−Mであり、
Mは、水素、いずれかの無機カチオン(例えば、Na、NH4)、有機カチオン、又はこれらの組み合わせであり、並びに
多官能性スルホネートエステルは、n=約1〜約5を有する分子の混合物であり、この混合物の数平均は約1.05〜約1.97である。
【0061】
任意のローション成分
追加的成分が、ローション組成物を作り出すために、所望のようにローションに加えられてもよい。組成物は一般に、次の成分:皮膚軟化剤、界面活性剤、レオロジー変性剤、防腐剤、若しくは防腐系として協働する防腐剤化合物の組み合わせ、又は他の補助剤成分のいずれかを含んでもよい。幾つかの成分化合物は、複数の機能を有し得ること、及びすべての化合物が組成物中に必ずしも存在するわけではないことに注意する必要がある。組成物はまた、水性系の溶液であっても又はエマルションであってもよい。組成物のpHは、約pH3、4、又は5〜約pH7、7.5、又は8であってもよい。
【0062】
使用されてもよいローション及びローション組成物の例は、実施例1〜32として実施例の節の中に見出される場合がある。
【0063】
皮膚軟化剤
皮膚軟化剤は、(1)潤滑を高め、しいては皮膚の表皮剥離を減らすことにより皮膚上での基材の滑りを改善する、(2)残留物(例えば、糞便残留物又は乾燥した尿残留物又は経血)を水和し、したがってそれらの皮膚からの除去を高める、(3)皮膚を水和し、したがってその乾燥及び刺激を減らす一方で、拭う動作下でその柔軟性を改善する、及び(4)皮膚軟化剤が皮膚上に付着され及びその表面に薄い保護層として残留するとき、皮膚をその後の刺激(例えば、吸収性物品の摩擦により生じる)から保護する場合がある。
【0064】
皮膚軟化剤には、シリコーンオイル、官能化シリコーンオイル、炭化水素油、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールエーテル、脂肪酸、一塩基及び/又は二塩基及び/又は三塩基及び/又は多塩基カルボン酸と一価及び多価アルコールとのエステル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、脂肪族アルコールのポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンエーテルの混合物、並びにこれらの混合物を挙げてもよい。皮膚軟化剤は、飽和又は不飽和のいずれであってもよく、脂肪族の性質を有してもよく、及び直鎖若しくは分枝鎖であってもよく、又は脂環式環若しくは芳香環を含有してもよい。
【0065】
皮膚軟化剤の有用な混合物は、アビルケア(ABIL CARE)(商標)85(バージニア州ホープウェル(Hopewell)のデグッサ・ケア・スペシャルティーズ(Degussa Care Specialties)から入手可能)として既知の、ビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPG−16/16ジメチコンとの組み合わせによるカプリル酸カプリン酸トリグリセリドである。
【0066】
皮膚軟化剤は存在するとき、約0.5重量%、1重量%、又は4重量%〜約0.001重量%、0.01重量%、又は0.02重量%で本発明において使用されてもよい。理論に束縛されるものではないが、低濃度の皮膚軟化剤は、これにより消費者にとって好ましくない場合がある皮膚軟化剤の脂っぽい又は油性の層を皮膚上に形成する傾向を減らす場合があるため、望ましいと考えられている。
【0067】
界面活性剤
界面活性剤は、個々の界面活性剤又は界面活性剤の混合物であることができる。界面活性剤は、高分子界面活性剤であっても又は非高分子界面活性剤であってもよい。界面活性剤は、乳化剤として採用されてもよい。界面活性剤は存在するとき、組成物中に存在する場合がある皮膚軟化剤及びいずれかの他の非水溶性油を乳化するのに有効な量、例えば、約0.5重量%、1重量%、又は4重量%〜約0.001重量%、0.01重量%、又は0.02重量%(組成物の重量に対する界面活性剤の重量に基づいて)の範囲の量で採用されてもよい。
【0068】
組成物は、1つ以上の界面活性剤を包含してもよい。界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせは穏やかなものであってもよく、これは界面活性剤が十分なクレンジング又は洗浄の利益を提供するが、皮膚を過度に乾燥する、ないしは別の方法で阻害若しくは損傷しないことを意味する。
【0069】
多種多様な界面活性剤が本明細書において有用であり、並びにアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0070】
多種多様なアニオン性界面活性剤が本明細書において有用である。アニオン性界面活性剤の非限定例には、サルコシネート、サルフェート、スルホネート、イセチオネート、タウレート、ホスフェート、ラクチレート、グルタメート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。イセチオネートの中では、アルコキシイセチオネートが有用であり、サルフェートの中では、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートが有用である。本明細書において有用な他のアニオン性物質は、典型的には約8〜約24個の炭素原子を有する脂肪酸の石鹸(即ち、アルカリ金属又はアミン塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はトリエタノールアミン塩)である。
【0071】
本明細書において有用な非イオン性界面活性剤には、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、アルコキシル化脂肪族アルコールエーテル、スクロースエステル、アミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
本明細書の組成物中に使用するために好適な両性界面活性剤又は双極性界面活性剤には、ヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジングでの使用が既知のものが挙げられる。本発明の組成物に使用するために好適な両性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、並びに脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載される界面活性剤が挙げられ、その中で脂肪族ラジカルは、直鎖又は分枝鎖であることができ、及び脂肪族置換基の内の1つは、約8〜約18個の炭素原子を含有し、及び1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのようなアニオン性の水可溶化基を含有する。有用な両性界面活性剤には、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物からなる群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
本明細書で使用するために好適な双極性界面活性剤には、脂肪族第四級アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載される界面活性剤が挙げられ、その中で脂肪族ラジカルは、直鎖又は分枝鎖であることができ、及び脂肪族置換基の内の1つは、約8〜約18個の炭素原子を含有し、及び1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。有用な双極性イオンの洗浄性界面活性剤は、ベタイン、アンホアセテート、及びスルホベタイン、例えばココアミドプロピルベタイン、ラウリルアンホ酢酸ナトリウム(sodiumlaurylamphoacetate)、及びココアミドプロピルヒドロキシスルタインである。
【0074】
レオロジー変性剤
レオロジー変性剤は、ローション組成物の粘度を増加する化合物である。これらの物質はまた、不溶性の及び部分的に可溶性の構成成分の沈降(分離)を防ぐように、組成物に「構造」を提供する場合がある。
【0075】
不溶性の及び部分的に可溶性の構成成分の懸濁を安定化するのに加えてレオロジー変性剤はまた、(1)基材上のローション組成物を安定化するのに役立つ、(2)ローション組成物の皮膚への移動を高める、及び(3)皮膚上のローション組成物の層の均一性を高める場合がある。
【0076】
レオロジー変性剤はまた、ローション組成物に適用される剪断力の関数としてローション組成物の粘度が変化する場合があるように、ローション組成物のレオロジー特性に影響する場合がある。ローション組成物の表面(例えば、皮膚)への適用は、典型的には「拭う」又は「擦る」動作を包含する。この動作は、ローション組成物が経験する剪断力及び圧力を増加する場合がある。ずり減粘レオロジー特性の場合(即ち、剪断力の増加がローション組成物の粘度を低下する場合)には、ローションの粘度は、「拭う」又は「擦る」ことの増加した剪断力に伴って低下する場合があり、それによって皮膚へのより良好な移動並びにより良好な潤滑効果を可能にする。
【0077】
更にレオロジー変性剤は、基材の積み重ね内でローション組成物の均質な分配を保つのに役立つ場合がある。流体形態にあるいずれの組成物も、長期の保管中にワイプの積み重ねの下部に移っていく傾向を有する場合がある。この効果は、積み重ねの底部より少ないローション組成物を有する基材の積み重ねの上部を作り出す場合がある。
【0078】
レオロジー変性剤の例には、それらの両方共がオハイオ州クリーブランド(Cleveland)のノベオン(Noveon)から入手可能であるウルトレツ(Ultrez)(商標)−10、カルボマー、及びペムレン(Pemulen)(商標)TR−2、アクリレートクロスポリマー、並びにカリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)のCPケルコ(CP Kelco)から入手可能であるケルトロール(Keltrol)(商標)、キサンタンガム、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
レオロジー変性剤は存在するとき、約0.01%、0.015%、又は0.02%〜約1%、2%、又は3%の重量%(w/w)で使用されてもよい。
【0080】
防腐剤
微生物の成長を制御することは、ワイプを形成する際に基材に適用することを目的とするローション組成物のような水系製品では有益である場合がある。ローション組成物は、防腐剤、若しくは防腐系として協働する防腐剤の組み合わせを含んでもよい。防腐剤及び防腐系は、ただ1つのもの又は防腐剤化合物の組み合わせを示すために、本文においては互換可能に使用される。防腐剤は、微生物の成長を減らし、したがって基材のパッケージ(開放若しくは未開放)についてより長い保管寿命を可能にする、並びに拭う処理の間に皮膚に移動されるときに微生物の成長が減少する環境を作り出す、化学的若しくは天然の化合物又は化合物の組み合わせであると理解されてもよい。
【0081】
防腐剤の抗菌力スペクトラムは、細菌、カビ、及び酵母を包含してもよい。こうした微生物の各々は、防腐剤によって殺されてもよい。考慮されるべき別の作用機構は、積極的な死滅を伴わずに微生物の成長速度を低下することであってもよい。しかし、両作用とも微生物の集団の劇的な減少を結果として生じる。
【0082】
防腐剤として有用な物質には:メチロール化合物、ヨードプロピニル化合物、単環芳香族アルコール、パラベン化合物、キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
1つの実施形態では、防腐系は、メチロール化合物又はその等価物、ヨードプロピニル化合物、及びこれらの混合物を含んでもよい。メチロール化合物は、有効な防腐剤活性を有する水溶液中にあるとき、低濃度のホルムアルデヒドを放出する場合がある。代表的なメチロール化合物には、ジアゾリジニル尿素(ニュージャージー州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)から入手可能であるようなゲルモール(GERMALL)(登録商標)II)、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、イミド尿素(ニュージャージー州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)から入手可能であるようなゲルモール(GERMALL)(登録商標)115)、1,1−メチレンビス[3−[3−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素]、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(DMDMH)、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム(ニュージャージー州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)から入手可能であるようなサットサイド(SUTTOCIDE)(登録商標)A)、及び無水グリシンジメチロール(GADM)が挙げられるが、これらに限定されない。メチロール化合物は、約0.025重量%〜約0.50重量%の濃度で使用されることができる。別の実施形態では、濃度は約0.075重量%であってもよい。ヨードプロピニル化合物は、抗カビ活性を提供する場合がある。代表的な物質は、英国リーズ(Leeds)のクラリアントUK社(Clariant UK, Ltd.)からニパサイド(NIPACIDE)(商標)IPBCとして入手可能であるようなヨードプロピニルブチルカルバメートであってもよい。別の代表的な物質は、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートであってもよい。ヨードプロピニル化合物は、約0.001重量%〜約0.05重量%の濃度で有効に使用されることができる。濃度は約0.009重量%であってもよい。この種類の防腐系は、メチロール化合物のブレンドを、約0.075重量%の濃度で及びヨードプロピニル化合物を約0.009重量%の濃度で含んでもよい。
【0084】
別の実施形態では、防腐系は単環芳香族アルコール(例えば、ベンジルアルコール)を含んでもよい。この種類の物質は、有効な抗菌活性を有する場合がある。ベンジルアルコールは、ニュージャージー州テターボロ(Teterboro)のシムライズ社(Symrise,Inc.)から入手可能である。
【0085】
別の実施形態では、防腐剤は、少なくとも1つのパラベン抗菌剤を含んでもよい。防腐剤は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるパラベン抗菌剤であってもよい。パラベン抗菌剤の総濃度は、約0.3重量%、0.5重量%、又は1重量%未満であってもよい。パラベン抗菌剤の最小量は、組成物の所望の防腐を得るために十分ないずれかの量、例えば約0.001%超過であってもよい。
【0086】
別の実施形態では、ローション組成物のpHを低下するために(例えば、約5未満のpH)十分な量で使用される酸性化合物は、防腐剤として、又は他の防腐剤成分のための相乗剤として有用である場合がある。
【0087】
別の実施形態では、エチレンジアミン四酢酸及びその塩のようなキレート化剤はまた、防腐系において他の防腐剤成分のための相乗剤として使用される場合がある。
【0088】
補助剤成分
ローション組成物は、任意に他の補助剤成分を包含してもよい。可能な補助剤成分は、これらに限定されないが、香料及び芳香剤、テクスチャライザー、着色剤、鎮痛剤(soothing agents)、並びに医学的活性成分、例えば治癒活性物質及び皮膚保護剤のような広範な追加成分から選択されてもよい。
【0089】
商品
1つの実施形態では、商品が提供されてもよい。商品は、本明細書に記載されるような容器及び本明細書で記載されるような少なくとも1つの基材を含んでもよい。
【0090】
有用な容器には、PETタブ(PET tubs)、フローラップパウチ、個別パック入りのクレンジングミット用の切込みの入った袋、及び不織布物品に好適であるような当業者に公知の他の包装を挙げてもよいが、これらに限定されない。更に、容器はまた、個々のクレンジング基材の取出しを容易にするように製造されてもよい。
【0091】
容器は、いずれかの好適な材料又は材料類から作製されてもよく、及びいずれかの好適な方式で製造されることができる。例えば、容器は、ポリスチレン、ポリプロピレン、PET、POET、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、又は同様なものから作製することができる。容器はまた、上記の材料の混合物から作製されてもよい。容器は、例えば真空成形プロセス若しくは射出成形プロセス、又はいずれかの好適なプロセスにより製造されてもよい。
【0092】
容器並びに容器の追加の任意構成要素(容器本体、ふた、容器の機構(これらに限定されないが、ふたの取付部、ヒンジ、ジッパー、固定手段など)が挙げられるが、これらに限定されない)に関する追加情報は、米国意匠特許第451,279号;同第437,686号;同第443,508号;同第443,451号;同第421,901号;同第421,902号;同第416,794号;同第414,637号;同第445,329号;米国特許第3,982,659号;同第3,967,756号;同第3,986,479号;同第3,994,417号;同第6,269,970号;同第5,785,179号;同第5,366,104号;同第5,322,178号;同第5,050,737号;同第4,971,220号;同第6,296,144号;同第6,315,114号;同第4,840,270号;同第4,471,881号;同第5,647,506号;同第6,401,968号;同第6,269,969号;同第6,412,634号;同第5,791,465号;同第6,092,690号;米国特許出願公開番号第2002/0064323(チン(Chin)、2002年5月30日公開);並びにPCT国際公開特許WO00/27268(2000年5月18日公開及びプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡);PCT国際公開特許WO02/14172(2002年2月21日公開及びプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡);並びにPCT国際公開特許WO99/55213(1999年11月4日公開、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)に見出すことができる。
【0093】
固着防止スクリーニング法(Anti-Stick Screening Method)
本方法は、処理後の皮膚表面上に残された、残留人工糊様便(「ABM」)の百分率を定量することにより、汚れ又は滲出物の皮膚への付着を評価するために使用されてもよい。ABMは、実際の幼児のBMと同様に、凝集できず、ABMの一部は皮膚表面上に残留し及びABMの一部は除去されるという結果を生じる。固着防止剤又は固着防止剤を含むローションの効率がよくなればなるほど、皮膚表面上の残留ABMの百分率は低下する。
【0094】
少なくとも8人の健康な成人が、単一のスクリーニング検査に参加する。官能試験員の各々が、4日間の洗い流し期間を完了するが、その間に彼らは彼らの前腕を洗浄するために、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のプロクター・アンド・ギャンャンブル社(The Procter and Gamble Company)により流通されるようなオーレイ(Olay)(登録商標)無香保湿石鹸を使用する。官能試験員は、軟膏、クリーム、又はローションのようないずれかの局所用製品を彼らの前腕上にこの洗い流し期間の間及びまたスクリーニング検査の日に使用することをやめなければならない。試験の日に、官能試験員の腕は、それらに切り傷、擦り傷、及び発疹がないことを確実にするために検査される。いずれかの皮膚異常が存在する場合には、その官能試験員は参加できない。
【0095】
テンプレート及び先細のマーカーが使用されて、掌側の前腕上に10個までの3cm×3cmの部位が、即ち1官能試験員につき10部位までが印付けられる。これらの部位の1つを除くすべてが、固着防止剤又は固着防止剤を含むローションにより処理される。残りの部位は、固着防止処理を受けず、即ち陰性対照としての役割を果す。未処理の部位を包含する、様々な処理の場所は、各官能試験員上の部位の中でランダム化されてもよい。試験は、左腕上の肘に最も近い部位において始まり、及び各部位についての試験が完了したら、左腕上の手首に最も近い部位まで、次に右腕上の肘に最も近い部位まで、及び最後に右腕上の手首に最も近い部位まで進行する。各部位についての試験は、およそ4分間を必要とし、1官能試験員につきおよそ40分の合計時間を必要とする。
【0096】
処理される各部位について、固着防止剤又は固着防止剤を含むローションの1μL/cm又は9μL/固着防止剤又は固着防止剤を含むローションの部位が、標準又は容積流量ピペットを使用して、部位の中央に適用される。付着剤又はローションは次に、ペンシルベニア州ウェストチェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から入手可能であるようなカタログ番号56613−413の粉末のついていない指サックを使用して、指サックを剤又はローションの液滴上部に置き、及び10〜15秒の合計経過時間の間、数回の左右及び上下動作を使用して皮膚表面全体にわたって指サックを軽く擦ることにより、部位全体にわたって(その境界はテンプレートを使用して作製される印により画定される)広げられる。斜角から部位を調べるとき、試験を行う人は、部位の区域全体にわたって均一な被膜が形成されていることを確実にする必要がある。被膜は、その後の工程に進む前に、空気に曝されたまま、触られずにおよそ1分間放置される。
【0097】
室温のABMを充填され及び気泡がない1mLの注射器、例えばペンシルベニア州ウェストチェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から入手可能であるようなカタログ番号BD−309628は、風袋秤量4桁化学天秤(tared four-place analytical balance)上に設置される。重量が記録される。ABMを有する注射器が、前腕上の試験部位の中央の上方に、皮膚表面に適度に接近して保持され、並びにプランジャを押すことにより及び注射器上で少しずつ移行していくのを見守ることにより、ABMのおよそ0.2mLが皮膚上に分与される。ABMは適度に均一である緻密な盛り上がりを試験部位の中央に形成する必要がある。注射器は、化学天秤上で再秤量され、及び重量が記録される。前腕に送達されたABMの量は、第1から第2の重量を引くことにより計算される。
【0098】
ペンシルベニア州ウェストチェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から入手可能であるようなカタログ番号12578−201、4cm×4cmの秤量紙片が4桁化学天秤上で風袋を秤量され、前腕の試験部位上のABMの盛り上がりの上方に中心を定め、及び鉗子を使用してABM上に静かに降ろされる。秤量紙は指先で触ってはならないが、これは油をその表面上に移す場合があるためである。次に、およそ3.44kPa(0.5psi)の下向きの力を発揮する、500gのボトル形状のおもり、例えば、ペンシルベニア州ウェストチェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から入手可能であるようなカタログ番号12766−518が秤量紙の上方に、秤量紙の下のABMの盛り上がりがおもりの下のおよそ中心にくるように設置される。おもりは30秒の間、官能試験員により、前腕上で静かに適所に保持されるか又は平衡を保たれてもよい。30秒間が経過した後、2本の指が秤量紙の両側にそれを適所に保持するために静かに置かれ、及び500gのおもりがゆっくりと持ち上げられる。1つの鉗子を使用して、秤量紙が試験部位からゆっくりと及び静かに剥がされる。鉗子が秤量紙の下側右隅に設置され、及び秤量紙は秤量紙の上側左隅方向に向かって、上向きにゆっくりと剥がされる。秤量紙を除去するのには、およそ1〜2秒かける必要がある。一旦除去されたら、秤量紙は、それが風袋を秤量された化学天秤上に戻され、及び除去されたABMの量を決定するために重量が記録される。
【0099】
上記の工程は、1官能試験員につき全部位が試験されるまで繰り返され、即ち、固着防止剤又は固着防止剤を含むローションの適用、ABMの適用、秤量紙の適用、おもりの適用、及び秤量紙の除去からなる工程が繰り返される。未処理の対照について、剤又はローションの適用は省かれ、及びABMは皮膚部位に直接適用される。
【0100】
様々な重量測定値を収集する及び腕上に残された残留ABMの百分率(%)を計算するための集計表の例は次のようである:
【表1】

【0101】
この中で:
−サブ(Sub)は、被験者番号を指し、これは最小限には101〜108、及び理想的には101〜110であり、即ち上記の計画は、全官能試験員を扱うために8〜10回反復される。
−部位(Site)は、腕の場所を指し、肘近くの左腕(部位(Site)1)から始まり及び手首近くの右腕(部位(Site)10)まで進行する。
−処理(Trtmnt)は適用された処理の記号、典型的にはA〜Jの文字を指す。
−注射器(Syringe)は、ABMを含有する注射器の初期重量を指す。
−後の注射器(Syringe After)は、一旦およそ0.2mLのABMが処理部位上に分与された後のABMを含有する注射器の最終重量を指す。
−適用されたABM(ABM Applied)は、方程式、注射器(Syringe)−後の注射器(Syringe After)=適用されたABM(ABM Applied)から得られる計算値である。
−除去されたABM(ABM Removed)は、秤量紙が処理部位から剥がされた後、風袋を秤量された秤量紙上に獲得されたABMの重量を指す。
−腕上ABM%(% ABM Arm)は、方程式、((適用されたABM(ABM Applied)−除去されたABM(ABM Removed))/適用されたABM(ABM Applied))×100から得られる計算値である。これは、処理後の表面上の残留ABMの百分率(%)の大きさである。
【0102】
全官能試験員、例えば101〜110人についての各処理、例えばA〜Jについての平均値及び平均値の標準誤差(「SEM」)が計算され及びグラフ化される。図11は、固着防止処理の後に前腕上に残された人工便残留物の百分率の実施例の図である。図11では、灰色のバーは、各処理の平均を表す。エラーバーは、各処理のSEMを表す。本実施例のグラフは、簡単にするために6処理のみを示す。
【0103】
方法が正しく実行されるとき、未処理対照はおよそ30%〜35%の残留ABMをもたらす場合がある。
【0104】
本方法はまた、市販の拭き取り用品から圧搾されたローション組成物を評価するために使用されてもよい。圧搾されたローション組成物は、期限切れでない市販製品のワイプの積み重ね全体を、積み重ねの上に約552kPa(80psi)の下向きの力を発揮することができる予め清浄された圧搾機の中に挿入することにより調製される。理想的には、圧搾機の下部プレートは、圧搾されたローションがその中に収集される場合がある溝、及び圧縮されたローションがそれを通って清潔な保管容器の中に流入する場合がある穴を含有する。好適な保管容器の例は、ペンシルベニア州ウェストチェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から入手可能であるようなカタログ番号83008−666である。全圧搾ローションが使用前に室温で保管される。
【0105】
検査前日に、各固着防止剤又はローション組成物の10mLが、ペンシルベニア州ウェストチェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から入手可能であるようなカタログ番号66022−060のようなガラス製シンチレーションバイアル瓶の中に移動される。各バイアル瓶は、処理記号、例えばA〜Jにより標識される。検査日に、固着防止剤又はローション組成物が、標準又は容積流量ピペットによりシンチレーションバイアル瓶から取り出され、及び方法の中で記載されたように、それぞれの処理部位に適用される。シンチレーションバイアル瓶において様々な処理を有することにより、検査のためのランダム化のスキームに適応するために、官能試験員の間でバイアル瓶を再配置することは非常に容易である。
【0106】
再現可能な結果を確実にするために、固着防止スクリーニング方法(Anti-Stick Screening Method)は、21℃±2℃の室温で、及び30〜50%の相対湿度で実行されることが必要である。
【0107】
人工糊様便(Artificial Pasty Bowel Movement)(ABM)の調製
次の機器が必要とされる:
−±0.001gの精度の化学天秤
−成分を均質になるまで攪拌することができるホモジナイザー、例えばドイツ、シュタウフェン(Staufen)のイカ・ウェルケ社(Ika-Werke GmbH and Co. KG)から入手可能であるような、イカ・ラボルテクニーク(Ika Labortechnik)(商標)T25ベーシック(T25 basic)又は等価物。
−ホモジナイザーと共に使用されるべきホモジナイザープローブ、例えばドイツ、シュタウフェン(Staufen)のイカ・ウェルケ社(Ika-Werke GmbH and Co. KG)から入手可能であるようなカタログ番号S25N 25F。
【0108】
次の試薬が必要とされる:
−フェクローン(Feclone)(商標)粉末(Powder)#4、ペンシルベニア州バリー・フォージ(Valley Forge)のシリクローン・スタジオ(SiliClone Studio)からカタログ番号フェクローン(Feclone)BFPS−4として入手可能。
−フェクローン(Feclone)(商標)粉末(Powder)#6、ペンシルベニア州バリー・フォージ(Valley Forge)のシリクローン・スタジオ(SiliClone Studio)からカタログ番号BFPS−6として入手可能。
−フェクローン(Feclone)(商標)粉末(Powder)#7、ペンシルベニア州バリー・フォージ(Valley Forge)のシリクローン・スタジオ(SiliClone Studio)からカタログ番号BFPS−7として入手可能。
−カーボポール(商標)981、オハイオ州クリーブランド(Cleveland)のBFグッドリッチ(BF Goodrich)から入手可能。
−脱イオン水
【0109】
上記の試薬の次の量が必要とされる:
【表2】

【0110】
ABMを調製するための手順は次の工程からなる:
A.カーボポール(Carbopol)(商標)溶液の調製
1.78.78g±0.01gの脱イオン水を250mLのビーカーの中に秤量する。
2.0.900g±0.001gのカーボポール(Carbopol)(商標)を秤量紙上に秤量する。
3.ビーカーを磁性攪拌器上に載せ、及び速度を400rpmに設定する。
4.カーボポール(Carbopol)(商標)粉末を水に、約5分間の長さにわたってゆっくりと添加する。カーボポール(Carbopol)(商標)を添加する間、攪拌速度を600rpmまでゆっくりと上げる。
5.一旦カーボポール(Carbopol)(商標)粉末が水に添加されたら、ビーカーを覆い、及び600rpmで15分間混合を続ける。カーボポール(Carbopol)(商標)粉末は完全に分散されなければならず、即ちいずれの粒塊もなく透明なゲルでなければならない。
6.ホットプレートを150℃で作動する。カーボポール(Carbopol)(商標)溶液をホットプレート上に設置し、及び溶液が81℃〜83℃に加熱されるまで、600rpmで混合を続ける。
B.ABM混合物の調製
1.フェクローン(Feclone)粉末#4、#6、及び#7の各々の6.600g±0.01gをビーカーの中に秤量し、及びよく混合する。
2.ホモジナイザープローブを有するT25ベーシック又は等価のホモジナイザーを使用して、カーボポール(Carbopol)(商標)溶液を8000rpmで約30秒間、工程3に進む前に攪拌する。
3.攪拌されているカーボポール(Carbopol)(商標)溶液に、1回に総量の約4分の1のフェクローン(Feclone)(商標)粉末混合物をゆっくりと添加する。フェクローン(Feclone)(商標)粉末混合物が、添加中にホモジナイザープローブを通り抜けること、即ち形成している糊様組成物の中に完全に混和することを確実にする。必要であれば、スパチュラを使用して、フェクローン(Feclone)(商標)粉末混合物の組成物中への混和を促進する。
4.フェクローン(Feclone)(商標)粉末混合物のすべてが添加された後、スパチュラを使用して糊様組成物をホモジナイザープローブの方に押しながら、ホモジナイザーを用いて8000rpmで更に5分間混合を続ける。組成物は完全に混合され及び均質に見える必要がある。
【0111】
完成されたABMは、ペンシルベニア州ウェストチェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から入手可能であるようなカタログ番号14233−954のような容器の中に設置されてもよく、及び30日間まで冷蔵庫の中で保管されてもよい。30日後には、新しいサンプルが更なる実験ために調製される必要がある。容器は、ABMからの乾燥を避けるために、しっかりと封止されなければならない。
【0112】
固着防止スクリーニング方法(Anti-Stick Screening Method)においてABMを使用する前に、ABMは冷蔵庫から取り出され及び調整されて室温まで戻されなければならない。これを達成する簡単なやり方は、10mLの注射器、例えばペンシルベニア州ウェストチェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から入手可能であるようなカタログ番号BD301604を冷たいABMで充填し、次いで注射器をカウンター台の上で室温に平衡化させることである。平衡化は典型的には、約15分間かかる。10mLの注射器は次に、固着防止スクリーニング方法(Anti-Stick Screening Method)に記載される1mLの注射器を充填するために使用されることができる。
【実施例】
【0113】
実施例1〜32のローション組成物は、先に記載されたように、基材、例えばフィンランド、タンペレ(Tampere)のスオミネン(Suominen)から入手可能であるようなフィブレラ(Fibrella)3160、40%ビスコース繊維及び60%ポリプロピレン繊維のブレンドを含む58g/mの不織布、又は使用に好適であると考えられるいずれかの他の基材と接触される。
【0114】
実施例において、「Q.S」は本明細書では「適量」を指し、及び全体の組成物を100%にするために十分な、組成物に添加される水の百分率である。
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

19007ペンシルベニア州ブリストル(Bristol)ジョージ・パターソン通り(George Patterson Blvd.)350のローディア社(Rhodia, Inc.)により供給される
Δドイツのノルダーシュテット(Norderstedt)のシュルケ・アンド・マイヤー社(Schuelke and Mayr GmbH)から入手可能である。
【0115】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0116】
本発明の「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において、本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0117】
本発明の特別な実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】シリコーンコポリオールが一致する場合がある一般構造体の例。
【図2】ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、及びポリグリセロールの組み合わせが一致する場合がある一般構造体の例。
【図3】単官能性へテロ原子オキシドエトキシル化エーテルが一致する場合がある一般構造体の例。
【図4】単官能性ホスホネートエトキシル化エーテルが一致する場合がある一般構造体の例。
【図5】単官能性カルボナートエトキシル化エーテルが一致する場合がある一般構造体の例。
【図6】単官能性スルホナートエトキシル化エーテルが一致する場合がある一般構造体の例。
【図7】多官能性へテロ原子オキシドエステルが一致する場合がある一般構造体の例。
【図8】多官能性ホスフェートエステルが一致する場合がある一般構造体の例。
【図9】多官能性サルフェートエステルが一致する場合がある一般構造体の例。
【図10】多官能性スルホナートエステルが一致する場合がある一般構造体の例。
【図11】固着防止スクリーニング法(Anti-Stick Screening Method)により示されるような固着防止処理後に前腕上に残される人工便残留物の百分率の例。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローション付き拭き取り用品であって、前記ローション付き拭き取り用品が、
a.基材と;
b.前記基材と接触しており、固着防止剤を含むローションと、を含み、
前記ローションが、固着防止スクリーニング法(Anti-Stick Screening Method)により測定されるとき、残留汚れ又は滲出物が約10%未満に留まる点で有効であることを特徴とする、ローション付き拭き取り用品。
【請求項2】
前記ローションが、前記固着防止剤の約50重量%以下を含む、請求項1に記載の拭き取り用品。
【請求項3】
前記固着防止剤が水溶性である、請求項1または2に記載の拭き取り用品。
【請求項4】
前記固着防止剤が、非高分子固着防止剤、高分子固着防止剤、シリコーンコポリオール、単官能性へテロ原子オキシドエーテル、多官能性へテロ原子オキシドエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の拭き取り用品。
【請求項5】
前記非高分子固着防止剤が、グリセロール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ペンタエリスリトール(pentaerythitol)、スクロース、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトデキストリン、マルトペントース(maltopentose)、マルトヘキソース(maltohexose)、イソマルツロース、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の拭き取り用品。
【請求項6】
前記高分子固着防止剤が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含むブロックコポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の拭き取り用品。
【請求項7】
前記シリコーンコポリオールが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む、請求項4に記載の拭き取り用品。
【請求項8】
前記単官能性へテロ原子オキシドエーテルが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む、請求項4に記載の拭き取り用品。
【請求項9】
前記単官能性へテロ原子オキシドエーテルが、ホスホネート、スルホナート、カルボナート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるへテロ原子オキシドを含む、請求項4に記載の拭き取り用品。
【請求項10】
前記多官能性へテロ原子オキシドエステルが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む、請求項4に記載の拭き取り用品。
【請求項11】
前記多官能性へテロ原子オキシドエステルが、ホスホネート、ホスフェート、スルホネート、サルファイト、サルフェート、ボレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるへテロ原子オキシドを含む、請求項4に記載の拭き取り用品。
【請求項12】
前記へテロ原子オキシドがホスフェートである、請求項11に記載の拭き取り用品。
【請求項13】
前記基材が疎水性繊維を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の拭き取り用品。
【請求項14】
前記基材がテクスチャード加工されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の拭き取り用品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−539465(P2009−539465A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513838(P2009−513838)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052191
【国際公開番号】WO2007/144814
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】