説明

治療用組成物およびその使用

本発明は、アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩と一緒に、および、場合により、シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるそれらの塩と一緒に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を投与することによりウイルス感染を治療するのに有用な方法、組成物、およびキットを包含する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(本化合物)を包含する一連の4−オキソキノリンは、抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)剤として同定されている。米国特許出願公開番号2005/0239819(特許文献1)として公開された2003年11月20日出願の米国特許出願第10/492,833号を参照されたい。具体的に、本化合物は、HIVのインテグラーゼタンパク質に対して阻害活性を有していると記載されている。同文献。HIVは、レトロウイルスファミリーに属し、後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因因子である。したがって、体内でHIVのウイルス量、ウイルスゲノム、または複製を低減する薬剤は、AIDSの治療または予防に有効であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0239819号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
治療費と望ましくない副作用の可能性は共に、薬物の必要投与量が増加するために増加することがある。したがって、低減投与量の本化合物を使用して許容できる抗ウイルス効果を達成するのに有用である方法および組成物が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
ヒトにおける本化合物への全身的暴露は、本化合物が、リトナビルの共投与の有無に関わらず、アタザナビル(ATV)と一緒に投与された場合に改善することが判明した。アタザナビルと一緒に投与される本化合物の300mgの投与量は、リトナビルと共投与した時の本化合物の300mg投与量に等しい全身的暴露を有することが分かった。さらに、リトナビルでブーストしたアタザナビルと一緒に投与される本化合物の85mgの投与量は、本化合物単独の150mg投与量に等しい全身的暴露を有することが分かった。
【0005】
したがって、一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてウイルス感染を治療する方法であって、1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩、および2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む方法を提供する。本発明の一実施形態において、この方法は、シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することをさらに含む。
【0006】
本発明は、1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩、2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、および3)薬学的に許容できる担体または希釈剤を含む医薬組成物も提供する。
【0007】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてウイルス感染を治療するための医薬品を製造するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む使用を提供する。
【0008】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてウイルス感染を治療するための医薬品を製造するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の使用であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩および、シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む使用を提供する。
【0009】
一実施形態において、本発明は、ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の薬物動態を改善するのに有用な医薬品を調製するための、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
【0010】
一実施形態において、本発明は、(1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩、(2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、(3)1つまたは複数の容器、および(4)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を投与することに関する処方情報を含むキットを提供する。
【0011】
一実施形態において、本発明は、(1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩を含む単位剤形、(2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、(3)1つまたは複数の容器、および(4)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を投与することに関する処方情報を含むキットを提供する。
【0012】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための医薬品を製造するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容できる塩の使用であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む使用を提供する。
【0013】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための医薬品を製造するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の使用であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む使用を提供する。
【0014】
一実施形態において、本発明は、ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩の投与量を約40〜60%低減するのに有用なヒト用の医薬品を調製するための、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
【0015】
一実施形態において、本発明は、ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩の投与量を約40〜60%低減するのに有用なヒト用の医薬品を調製するための、シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せの、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
【0016】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてウイルス感染を予防的または治療的に処置するための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩およびUGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
【0017】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてウイルス感染を予防的または治療的に処置するための化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む化合物を提供する。
【0018】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてウイルス感染を予防的または治療的に処置するための化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む化合物を提供する。
【0019】
一実施形態において、本発明は、ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩の薬物動態を改善するための、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0020】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に本化合物または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む化合物を提供する。
【0021】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む化合物を提供する。
【0022】
一実施形態において、本発明は、ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩の投与量を約40〜60%低減するための、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0023】
一実施形態において、本発明は、ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩の投与量を約40〜60%低減するための、シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せの、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0024】
一実施形態において、本発明は、ヒトにおいてウイルス感染を予防的または治療的に処置するための、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩およびUGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0025】
一実施形態において、本発明は、組合せの、(a)化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩および(b)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む1つまたは複数の抗ウイルス剤を提供する。
【0026】
一実施形態において、本発明は、(b)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せで使用される、(a)化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を含む1つまたは複数の抗ウイルス剤を提供する。
【0027】
一実施形態において、本発明は、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せで使用される、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0028】
一実施形態において、本発明は、組合せの、(a)化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩、(b)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、および(c)シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む1つまたは複数の抗ウイルス剤を提供する。
【0029】
一実施形態において、本発明は、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せで使用される、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を含む1つまたは複数の抗ウイルス剤を提供する。
【0030】
一実施形態において、本発明は、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せで使用される、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0031】
一実施形態において、本発明は、ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の薬物動態を改善するのに有用な医薬品を調製するための、リトナビル、または薬学的に許容できるその塩との組合せの、アタザナビル、または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用する「共投与する」(co−administer)という用語は、例えば、臨床的治療レジメンの一部として、互いに24時間以内の2つ以上の薬剤の投与を指す。他の実施形態において、「共投与する」は、互いに2時間以内の投与を指す。他の実施形態において、「共投与する」は、互いに30分以内の投与を指す。他の実施形態において、「共投与する」は、互いに15分以内の投与を指す。他の実施形態において、「共投与する」は、単一製剤の一部または同じかまたは異なる経路により投与される複数の製剤のどちらかとして同時の投与を指す。
【0033】
「単位剤形」という用語は、ヒト患者のための単一用量として適しているカプセル、錠剤、または溶液などの物理的に分離した単位を指し、各単位は、少なくとも1つの薬学的に許容できる希釈剤もしくは担体、またはそれらの組合せと併せて、治療効果を生ずるように計算された所定量の1つまたは複数の活性成分を含有する。
【0034】
望ましい場合、本化合物の有効1日投与量は、場合により、単位剤形で、1日を通して適切な間隔で別々に投与される2、3、4、5、6またはそれ以上の部分投与量として投与されることがある。
【0035】
血流中の本化合物の濃度は、血漿濃度(例えば、ng/mL)として測定することができる。血漿濃度を決定するための薬物動態パラメーターは、最高実測血漿濃度(Cmax)、投与間隔の最後における実測血漿濃度または「トラフ」濃度(CtauまたはCmin)、時間0から最終定量化可能時点までの血漿濃度時間曲線下面積(AUC)(AUC0〜last)、時間0から無限までのAUC(AUC0〜inf)、投与間隔にわたるAUC(AUCtau)、投与後の最高実測血漿濃度の時間(tmax)、および血漿における本化合物の半減期(t1/2)を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本発明の方法に従って食物と一緒に本化合物を投与することも、本化合物の吸収を増加させることがある。本化合物の吸収は、本化合物の投与後に時間と共に血流中で達成される濃度により測定することができる。食物と一緒に本化合物を投与することによる吸収の増加も、本化合物が食物なしに投与された場合の値と比較すると、本化合物のCmaxおよび/またはAUCの増加により証明することができる。典型的には、プロテアーゼ阻害剤が食物と一緒に投与される。
【0037】
本発明は、疾患、障害、および状態を治療または予防するための方法も提供する。疾患、障害、および状態の例は、レトロウイルス感染、またはレトロウイルス感染に関係している疾患、障害、および状態を包含するが、これらに限定されるものではない。レトロウイルスは、RNAウイルスであり、一般的に、アルファレトロウイルス、ベータレトロウイルス、デルタレトロウイルス、イプシロンレトロウイルス、ガンマレトロウイルス、レンチウイルス、およびスプマウイルスファミリーに分類される。レトロウイルスの例は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT−リンパ球向性ウイルス(HTLV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、およびトリ白血病ウイルスを包含するが、これらに限定されるものではない。一般に、レトロウイルスゲノムの3つの遺伝子、すなわちウイルスのコアタンパク質および構造タンパク質をコードするgag(群特異抗原)遺伝子、逆転写酵素、プロテアーゼ、およびインテグラーゼを包含するウイルスの酵素をコードするpol(ポリメラーゼ)遺伝子、ならびにレトロウイルス表面タンパク質をコードするenv(エンベロープ)遺伝子が、成熟ウイルスのタンパク質をコードする。
【0038】
レトロウイルスは、RNAとpol産物の複合体を、とりわけ、宿主細胞中に放出することにより、宿主細胞に付着して侵入する。次いで、逆転写酵素は、ウイルスRNAから二本鎖DNAを産生する。二本鎖DNAは、宿主細胞の核内に取り込まれ、ウイルスインテグラーゼにより宿主ゲノムに組み入れられる。組み入れられたDNA由来の新生ウイルスは、組み入れられたウイルスDNAが宿主細胞ポリメラーゼによりmRNAに変換され、ウイルス形成に必要なタンパク質がウイルスプロテアーゼの作用により産生される場合に形成される。ウイルス粒子は、発芽を起こし、宿主細胞から放出されて成熟ウイルスを形成する。
【0039】
活性剤は、いかなる従来の方法でもヒトに投与することができる。活性剤を原料のままの化合物として投与することは可能であるが、医薬組成物として投与されることが好ましい。「本化合物を含む医薬組成物」は、1つまたは複数の薬学的に許容できる担体または希釈剤および、場合により、他の治療剤および/または成分と一緒に、本化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物を指す。塩、担体、または希釈剤は、他の成分と適合し、そのレシピエントに対して有害でないという意味において許容できるものでなければならない。経口投与のための担体または希釈剤の例は、コーンスターチ、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、微結晶性セルロース、ステアリン酸、ポビドン、クロスポビドン、二塩基性リン酸カルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910)、およびラウリル硫酸ナトリウムを包含する。
【0040】
医薬組成物は、薬学の技術分野においてよく知られているものなどの任意の適当な方法、例えば、Gennaroら、Remington’s Pharmaceutical Sciences (第18版、Mack Publishing Co., 1990年)、特にPart 8: Pharmaceutical Preparations and their Manufactureに記載されているものなどの方法により調製することができる。そのような方法は、本化合物を、担体または希釈剤、場合により、1つまたは複数の副成分と結び付けるステップを包含する。そのよう副成分は、充填剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、甘味料、保存剤(例えば、抗菌性保存剤)、懸濁化剤、粘稠剤、乳化剤、および/または湿潤剤などの当技術分野における従来のものを包含する。
【0041】
医薬組成物は、ある期間にわたって、薬剤(例えば、本化合物)の制御された徐放、または持続放出を提供することができる。薬剤(例えば、本化合物)の制御された徐放、または持続放出は、従来の製剤についてよりも長期間にわたってヒトの血流中に薬剤を維持することができる。医薬組成物は、被覆錠剤、ペレット剤、液剤、散剤、およびカプセル剤、ならびに生理液に溶けない媒質中か、または治療用化合物の放出が、機械的、化学的、または酵素的活性による医薬組成物の崩壊の後に起きる本化合物の分散剤を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0042】
本発明の医薬組成物は、例えば、丸剤、カプセル剤、液剤、散剤、または錠剤の形態であってよく、各々は、所定量の本化合物を含有する。本発明のある実施形態において、医薬組成物は、本化合物および本明細書の実施例で利用されかつ記載されている錠剤の成分を含む錠剤の形態である。
【0043】
経口投与の場合、細かい散剤または顆粒剤は、希釈剤、分散剤、および/または界面活性剤を含有することができ、例えば、水の中もしくはシロップの中に、乾燥状態でカプセル剤の中もしくはサシェ剤の中に、または懸濁化剤が包含されていることがある非水溶液または懸濁液の中に、または結合剤および滑沢剤が包含されていることがある錠剤の中に存在することができる。
【0044】
溶液または懸濁液の形態で投与される場合、製剤は、本化合物および精製水を含有することができる。溶液または懸濁液における任意選択の成分は、適当な甘味料、矯味剤、保存剤(例えば、抗菌性保存剤)、緩衝剤、溶媒、およびそれらの混合物を包含する。製剤の成分は、2つ以上の機能を果たすことができる。例えば、適当な緩衝剤は、矯味剤ならびに甘味料としても作用することができる。
【0045】
適当な甘味料は、例えば、サッカリンナトリウム、スクロース、およびマンニトールを包含する。2つ以上の甘味料の混合物を使用することができる。甘味料またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.001重量%〜約70重量%の量で存在する。適当な矯味剤は、医薬組成物中に存在してチェリー味、綿菓子味、または他の適当な味を提供し、医薬組成物をヒトが摂取しやすくすることができる。矯味剤またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.0001重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0046】
適当な保存剤は、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムを包含する。2つ以上の保存剤の混合物を使用することができる。保存剤またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.0001重量%〜約2重量%の量で存在する。
【0047】
適当な緩衝剤は、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、ならびに様々な他の酸および塩を包含する。2つ以上の緩衝剤の混合物を使用することができる。緩衝剤またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.001重量%〜約4重量%の量で存在する。
【0048】
溶液または懸濁液に適している溶媒は、例えば、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、および水を包含する。2つ以上の溶媒の混合物を使用することができる。溶媒または溶媒系は、典型的には、全組成物の約1重量%〜約90重量%の量で存在する。
【0049】
医薬組成物は、アジュバントと共投与することができる。例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルなどの非イオン性界面活性剤を、医薬組成物と一緒に投与するかまたは医薬組成物に組み込んで腸壁の透過性を人為的に増加させることができる。酵素阻害剤も、医薬組成物と一緒に投与するかまたは医薬組成物に組み込むことができる。
【0050】
本化合物
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の85±10mgの投与量が投与される。
【0051】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の85±5mgの投与量が投与される。
【0052】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の85±2mgの投与量が投与される。
【0053】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の150±25mgの投与量が投与される。
【0054】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の150±10mgの投与量が投与される。
【0055】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の175±25mgの投与量が投与される。
【0056】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の175±10mgの投与量が投与される。
【0057】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の170±25mgの投与量が投与される。
【0058】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の170±10mgの投与量が投与される。
【0059】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の300±50mgの投与量が投与される。
【0060】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の300±20mgの投与量が投与される。
【0061】
本発明の一実施形態において、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の300±10mgの投与量が投与される。
【0062】
UGT経路またはUGT代謝を阻害する化合物
ウリジン5’−ジホスホ−グルクロノシルトランスフェラーゼ(UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ、UGT)をベースとする、抱合反応(グルクロン酸化)を介する第2相代謝は、多くの薬物を包含する内因的および外因的に投与された分子にとっての多くの重要な一次または二次代謝経路のうちの1つを代表している。グルクロン酸化反応は、身体によるその排出を容易にする代謝された薬物の水溶性を高める。UGT経路を介する薬物−薬物相互作用は、あまり一般的でなく、典型的には、シトクロムP450をベースとする相互作用よりも小さい規模であるが、この経路の阻害は、この代謝経路の影響を受けやすい分子の薬物動態の臨床的に意味のある変化をもたらすことがある。この経路の阻害は、効力および/または有害事象を増す可能性がある薬物への全身的暴露の増加をもたらすことがある。この経路の低減は、関心のある薬物の有効性を損なうことがある低めの暴露をもたらす可能性がある。
【0063】
多くの化合物は、ヒトにおいてUGT活性を阻害することが明らかにされている。これらは、天然産物(フラボノイド)、脂肪酸、ステロイド、ベンゾジアゼピン、および非ステロイド性抗炎症薬を包含する。例えば、Grancharov, K.ら、Pharmacology and Therapeutics、2001年、89巻、171〜186頁;Kiang, T.K.L.ら、Pharmacology and Therapeutics、2005年、106巻、97〜132頁;Williams, J.A.ら、Drug Metabolism and Disposition、2004年、32巻、1201〜1208頁;および国際特許出願公開番号WO/2003/055494を参照されたい。
【0064】
UGT活性をブロックし、本発明の方法において有用である1つの具体的薬剤は、米国特許第5,849,911号および第6,087,783号で議論されているアタザナビル(1−[4−(ピリジン−2−イル)−フェニル]−4(S)−2,5−ビス−[N−(N−メトキシカルボニル−(L)−tert−ロイシル)アミノ]−6−フェニル−2−アザヘキサン、または薬学的に許容できるその塩)である。市販のReyataz(硫酸アタザナビル)(2,5,6,10,13−ペンタアザテトラデカン二酸、3−12−ビス(1,1−ジメチルエチル)−8−ヒドロキシ−4,11−ジオキソ−9−(フェニルメチル)−6−((−4−(2−ピリジニル)フェニル)メチル)、ジメチルエステル、(3S,8S、9S、12S)、硫酸塩(1:1)(塩)を以下の実施例で使用した。
【0065】
本発明に従って使用することができるアタザナビルの具体的投与量は、アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩400±150mgである。本発明に従って使用することができるアタザナビルの具体的投与量は、アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩400±100mgである。本発明に従って使用することができるアタザナビルの具体的投与量は、アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩300±100mgである。本発明に従って使用することができるアタザナビルの具体的投与量は、アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩300±10mgである。
【0066】
UGT経路またはUGT代謝を阻害するある種の化合物は、シトクロムP−450も阻害することができる。したがって、「UGT経路またはUGT代謝を阻害する化合物」という用語は、そのような化合物を包含する。
【0067】
シトクロムP−450を阻害する化合物
本明細書で使用する「シトクロムP−450を阻害する化合物」は、シトクロムP450による化合物1の代謝、特に、シトクロムP450 3Aによる化合物1の代謝を減少させる化合物を包含する。したがって、この用語は、シトクロムP450の阻害剤、ならびにシトクロムP450の基質およびシトクロムP450による化合物1の代謝を減少させる他の化合物を包含する。多くのそのような化合物が知られており、例えば、http://medicine.inpui.edu/flockhart/table.htm;および国際特許出願公開番号WO2008/010921を参照されたい。
【0068】
代表的な化合物は、シメチジン、フルオロキノロン、フルボキサミン、チクロピジン、チオテパ、チクロピジン、ゲムフィブロジル、モンテルカスト、フルオキセチン、フルボキサミン、ケトコナゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、チクロピジン、アミオダロン、フルコナゾール、イソニアジド、アミオダロン、ブプロプリオン(buproprion)、クロルフェニラミン、シメチジン、クロミプラミン、デュロキセチン、フルオキセチン、ハロペリドール、メサドン、ミベフラジル、パロキセチン、キニジン、リトナビル、ジスルフィラム、インディナビル、ネルフィナビル、アミオダロン、シメチジン、クラリスロマイシン、ジルチアゼム、エリスロマイシン、フルボキサミン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミベフラジル、ネファゾドン、トロレアンドマイシン、およびベラパミルを包含する。
【0069】
本発明の方法において有用であるシトクロムP−450阻害剤の具体的なサブセットは、ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、インディナビル、ネルフィナビル、サキナビル、ネファザドン(nefazadone)、エリスロマイシンおよびリトナビル、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩を包含する。
【0070】
本発明の方法において有用であるシトクロムP−450阻害剤の別の具体的なサブセットは、HIVプロテアーゼ阻害剤であるインディナビル、ネルフィナビル、サキナビル、およびリトナビルを包含する。
【0071】
シトクロムP−450活性をブロックし、本発明の方法において有用である1つの具体的薬剤は、リトナビル、または薬学的に許容できるその塩である。本発明に従って使用することができるリトナビルの具体的投与量は、リトナビルまたは薬学的に許容できるその塩100±50mgである。本発明に従って使用することができるリトナビルの具体的投与量は、リトナビルまたは薬学的に許容できるその塩100±25mgである。本発明に従って使用することができるリトナビルの具体的投与量は、リトナビルまたは薬学的に許容できるその塩100±10mgである。
【0072】
シトクロムP−450活性をブロックし、本発明の方法において有用である他の具体的薬剤は、国際特許出願公開番号WO2008/010921に報告されている。本発明の1つの具体的実施形態において、シトクロムP−450を阻害する化合物は、下式の化合物:
【0073】
【化1】

【0074】
または薬学的に許容できるその塩である。
【0075】
本発明の具体的実施形態
一実施形態において、本発明は、リトナビルと一緒に投与された場合の本化合物の150mg投与量に等しい全身的暴露を達成するために、アタザナビルおよびリトナビルと一緒に本化合物約85mg(例えば、±10mg、5mg、または2mg)を投与することを含む。
【0076】
一実施形態において、本発明は、アタザナビル、または薬学的に許容できるその塩、および、場合により、リトナビル、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物約175mg(例えば、±25mgまたは10mg)を投与することを含む。
【0077】
一実施形態において、本発明は、アタザナビル、または薬学的に許容できるその塩、および、場合により、リトナビル、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、本化合物約170mg(例えば、±25mgまたは10mg)を投与することを含む。
【0078】
一実施形態において、本発明は、アタザナビル、または薬学的に許容できるその塩、および、場合により、リトナビル、または薬学的に許容できるその塩約300mg(例えば、±150mg、100mg、50mg、または10mg)を投与することを含む。
【0079】
一実施形態において、本発明は、(1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩85mg±10mg、(2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物(例えば、アタザナビル)、または薬学的に許容できるその塩、(3)1つまたは複数の容器、および(4)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を投与することに関する処方情報を含むキットを提供する。
【0080】
一実施形態において、本発明は、(1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩170mg±25mgを含む単位剤形、(2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物(例えば、アタザナビル)、または薬学的に許容できるその塩、(3)1つまたは複数の容器、および(4)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を投与することに関する処方情報を含むキットを提供する。
【0081】
一実施形態において、本発明は、(1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩175mg±25mgを含む単位剤形、(2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物(例えば、アタザナビル)、または薬学的に許容できるその塩、(3)1つまたは複数の容器、および(4)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を投与することに関する処方情報を含むキットを提供する。
【0082】
次に、以下の非限定的な実施例により本発明を例示する。
【実施例】
【0083】
(実施例1)
アタザナビル/rと本化合物の間の薬物動態学的相互作用
アタザナビル/r(ATV/r)と本化合物の共投与の効果を決定した。この試験は、共投与された本化合物およびATV/rの安全性および定常状態薬物動態を評価した。
【0084】
方法
健常被験者は、6系列のうちの1つに従うように無作為化され、各々14日にわたって本化合物QD単独、ATV/r単独(300/100mgQD)および本化合物+ATV/rQDを服用した。本化合物投与量は、試験1における200mgならびに試験2における150mg(基準)および85mgとした。幾何平均比(GMR)(共投与:単独)に関する90%信頼区間(CI)についてのPK変動境界の欠如は、他の薬物による30%低い暴露に対して投与量調整が推奨されないため、本化合物については70〜143%およびATVについては70〜125%とした。
【0085】
結果
試験1では33/61および試験2では19/30の被験者が各試験を終了し、中止は、大部分が、知られているATV有害事象のためであった。薬物動態学的結果は以下の通りであった。
【0086】
【表1−1】

【0087】
本化合物暴露は、おそらくCYP3Aの阻害の他にUGT1A1/3代謝の阻害を介して、ATV/rとの共投与で上昇した。
【0088】
本化合物の低減投与量は、試験1からのアタザナビルについて実測された薬物−薬物相互作用データを組み込んだWinNonlin(Pharsight Corporation、Moutain View、CA、USA)におけるコンパートメントモデル化を使用して様々な投与量をモデル化することによって選択された。薬物動態学的(生物学的)同等性比較(Pharsight Corporation、Moutain View、CA、USA)を使用してアタザナビルを服用した患者および服用していない患者において等しい化合物暴露を達成することに考慮した。(低いかまたは高い)暴露における極端な外れ値の個体数を最小限に抑えることにも考慮した。続いて、このモデル化は、低減投与量がアタザナビル/rと共投与された場合の本化合物について、この投与量低減が等しいCmaxおよびAUCをもたらすことを確立する臨床試験において立証された。この相互作用はトラフ(Ctau)濃度に対するより顕著な効果として現れるという事実によって、この低い投与量は、本化合物に対する不必要な高い全身的暴露を制限しつつ高いトラフ濃度を提供し続ける。したがって、アタザナビル/rと併せた本化合物の85mgおよび150mg投与量は、アタザナビルなしにリトナビルでブーストした投与量150mgおよび300mgと類似した全身的暴露(AUC)を提供すると予想される。ATV暴露は、本化合物200mgではやや低めであり、低減85mg投与量では影響を受けなかった。したがって、本化合物の投与量における40〜60%の低減を、等しい暴露を維持しながらアタザナビルと一緒に投与することができる。
【0089】
結論
本化合物の低減投与量(例えば、85±10mg)をアタザナビルおよびリトナビルと一緒に投与し、本化合物がリトナビルのみと一緒に投与される場合のより高い投与量に匹敵する全身的暴露を達成することができる。アタザナビルは、本化合物のUGT1A1/3代謝経路をブロックすることにより本化合物の薬物動態学的暴露を改善すると考えられる。
【0090】
類似の試験を行い、本化合物の薬物動態に対する5つのプロテアーゼ阻害剤の効果を決定した。これらの試験は、様々な投与量のリトナビル(100mgQD〜200mgBID)を用いた。テストされた5つのプロテアーゼ阻害剤のうち、3つが、本化合物の薬物動態に対する効果を有してないことが分かった。5つのうちの2つ(アタザナビルを包含する)のみが、本化合物に対する改善された薬物動態学的効果を有することが分かった。
【0091】
(実施例2)
アタザナビルと本化合物の間の薬物動態学的相互作用
アタザナビル(ATV)と本化合物の共投与の効果を決定した。この試験は、共投与された本化合物およびATVの安全性および定常状態の薬物動態を評価した。
【0092】
背景
主にCYP3Aおよびグルクロン酸化を介して代謝されるHIVインテグラーゼ阻害剤であるエルビテグラビル(EVG)は、低投与量の強力な作用機序に基づいたCYP3A阻害剤リトナビルと共投与された場合に、実質的により高い全身的レベル(ブースティング)を示す(EVG/r)。この試験は、EVGの血漿暴露をブーストするために、UGT仲介性代謝をも阻害する別の強いがあまり強力ではないCYP3A阻害剤であるアタザナビル(ATV)の能力を検討した。
【0093】
方法
健常被験者は、各々10日にわたって無作為化クロスオーバー様式でEVG/r300/100mgまたはEVG/ATV300/400mgを服用し、最終投与は、CYP3Aプローブ基質であるミダゾラム(経口シロップ;5mg)と共投与し、薬物動態学的(PK)サンプリングを行った。エルビテグラビル暴露(ATV対RTVと一緒に投与された)を、PKパラメーターAUCtau、Cmax、およびCtauについて、1)等しいブースティングを確立するための80〜125%または2)第2相試験で実測され第3相試験で計画されたものに比べて劣っていないEVG暴露を確立するための60〜167%の90%信頼区間(CI)限界を使用して評価した。ATV、ミダゾラム、およびリトナビルの薬物動態も、記述統計学のために決定した。
【0094】
結果
18名の組み入れた被験者のうちの15名が試験を終了し、発疹(EVG/ATVを服用した)およびクレアチニンホスホキナーゼの上昇(EVG/rを服用した)による各1名の2名の被験者が有害事象(AE)のために中止した。グレード4のAEも重症のAEも観察されなかった。PK解析対象集団(analysis set)(1名の外れ値のためn=14)について、EVGのCmax、AUCtau、Ctauについての幾何平均比(90%CI)(EVG/ATV対EVG/r)は、108(99、119)、107(95.6、119)、89.9(71.4、113)であり、EVG T1/2中央値は、5.2時間対6.3時間であった。ミダゾラムのCmax、AUC0〜last、およびAUCinfついての対応する値は、98.8(89.6、109)、91.8(83.3、101)、および89.5(80.7、99.3)であり、EVGと共投与された場合のATV400およびRTV100mgの類似したCYP3A効果を示唆した。ATVによるUGT1A1の阻害と合致して、EVGのUGT1A1/3仲介性グルクロニド代謝物であるGS−9200の平均AUCtauは、EVG/rに対してEVG/ATV投与で37%低かった。平均(%CV)アタザナビルAUCtauおよびCtauは、それぞれ16300(29.5%)ng・hr/mlおよび74.5(45.7%)ng/mlであり、履歴データよりも低かった。
【0095】
結論
1日1回のアタザナビルは、リトナビルによるものに類似するCYP3A仲介性代謝の阻害を介してEVGをブーストする可能性を有している。
【0096】
(実施例3)
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の製剤の代表例
【0097】
【表1】

【0098】
まず、本化合物をジェットミルで微粉化した。微粉化した化合物を、ポリエチレン(PE)袋中でマンニトール、クロスポビドン、およびコロイド状二酸化ケイ素と混ぜ、次いで、500μmの篩に3回通した。別に、ヒプロメロース2910を、撹拌することにより精製水に溶かし、ラウリル硫酸ナトリウムを加え、溶かした。マンニトール/クロスポビドン/コロイド状二酸化ケイ素/本化合物混合物を、流動床造粒機に入れ、ヒプロメロース/ラウリル硫酸ナトリウム溶液を使用して造粒した。造粒後、湿った顆粒を、同じ造粒機中で乾燥した。乾燥した顆粒を、500μmの篩に通した。
【0099】
次いで、篩にかけた顆粒を、ブレンダー中でクロスカルメロースナトリウムと混ぜ、ステアリン酸マグネシウムをブレンダーに加え、混ぜた。顆粒を、回転打錠機を使用して錠剤に圧縮した。
【0100】
【表2】

【0101】
まず、本化合物をジェットミルで微粉化した。微粉化した化合物を、流動床造粒機中でラクトース1水和物、微結晶性セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムと混ぜた。別に、ヒドロキシプロピルセルロースを、撹拌することにより精製水に溶かし、ラウリル硫酸ナトリウムを加え、溶かした。ラクトース1水和物/微結晶性セルロース/クロスカルメロースナトリウム/本化合物混合物を、ヒドロキシプロピルセルロース/ラウリル硫酸ナトリウム溶液を使用して流動床造粒機中で造粒した。造粒後、湿った顆粒を、同じ造粒機中で乾燥した。乾燥した顆粒を、500μmの篩に通した。
【0102】
次いで、篩にかけた顆粒を、ブレンダー中で微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムと混ぜ、ステアリン酸マグネシウムをブレンダーに加え、混ぜた。顆粒を、回転打錠機を使用して錠剤に圧縮した。
【0103】
(実施例4)
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(本化合物)の製剤の代表例
【0104】
【表3】

【0105】
本明細書で引用されている、刊行物、特許出願、および特許を包含するすべての参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0106】
本発明(以下の特許請求の範囲を包含する)について記載するという文脈における「a」、「an」および「the」ならびに類似の指示対象の使用は、本明細書で別途指摘されていないかまたは文脈により明確に否定されていない限り、単数と複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「包含する(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、別途言及されていない限り、オープンエンドな用語(すなわち、「包含するが、限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で別途指摘されていない限り、単に、その範囲内にある各々の個別の値を個々に参照する簡単な方法としての役割を果たすことが意図されており、各々の個別の値は、あたかもそれが本明細書で個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれるものとする。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書で別途指摘されていないかまたは文脈により明確に否定されていない限り、任意の適当な順序で行うことができる。本明細書において提供される任意のおよびすべての実施例、または例示的言語(例えば、「などの(such as)」)の使用は、単に、本発明をより良く明らかにすることが意図されており、別途特許請求の範囲に記載されていない限り、本発明の範囲に対する制限を提示するものではない。本明細書におけるどの言語も、任意の特許請求の範囲に記載されていない要素を本発明の実施に不可欠であると指摘していると解釈されるべきではない。
【0107】
本明細書内の実施形態は、本発明の実施形態の例示を提供するものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。当業者は、多くの他の実施形態が、特許請求の範囲に記載されている本発明により包含されること、ならびに本明細書および実施例が、例示に過ぎないと見なされることが意図され、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により指摘されることを認識している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおいてウイルス感染を予防的または治療的に処置するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩およびUGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項2】
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩85±10mgが前記ヒトに投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩150±25mgが前記ヒトに投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩300±50mgが前記ヒトに投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩、およびUGT経路もしくはUGT代謝を阻害する前記化合物、または薬学的に許容できるその塩が共投与される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩、およびUGT経路もしくはUGT代謝を阻害する前記化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む単一剤形が投与される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を前記ヒトに投与することをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩、およびシトクロムP−450を阻害する前記化合物、または薬学的に許容できるその塩が共投与される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩、およびシトクロムP−450を阻害する前記化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む単一剤形が投与される、請求項7に記載の使用。
【請求項10】
UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する前記化合物、または薬学的に許容できるその塩、およびシトクロムP−450を阻害する前記化合物、または薬学的に許容できるその塩が共投与される、請求項7に記載の使用。
【請求項11】
UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する前記化合物、または薬学的に許容できるその塩、およびシトクロムP−450を阻害する前記化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む単一剤形が投与される、請求項7に記載の使用。
【請求項12】
UGT経路またはUGT代謝を阻害する前記化合物が、フラボノイド、脂肪酸、ステロイド、ベンゾジアゼピン、非ステロイド性抗炎症薬、もしくはアタザナビル、または薬学的に許容できるそれらの塩である、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
UGT経路またはUGT代謝を阻害する前記化合物が、アタザナビルまたは薬学的に許容できるそれらの塩である、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩300±150mgが投与される、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、インディナビル、ネルフィナビル、サキナビル、ネファザドン、エリスロマイシンおよびリトナビル、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩から選択される、請求項7から14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、下式の化合物:
【化2】


または薬学的に許容できるその塩である、請求項7から14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、リトナビル、または薬学的に許容できるその塩である、請求項7から14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
リトナビルまたは薬学的に許容できるその塩100±50mgが前記ヒトに投与される、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記ウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)である、請求項1から18のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩;UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩;および薬学的に許容できる担体または希釈剤を含む組成物。
【請求項21】
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩85±10mgを含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩175±25mgを含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
UGT経路またはUGT代謝を阻害する前記化合物が、フラボノイド、脂肪酸、ステロイド、ベンゾジアゼピン、非ステロイド性抗炎症薬、もしくはアタザナビル、または薬学的に許容できるそれらの塩である、請求項20から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
UGT経路またはUGT代謝を阻害する前記化合物が、アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩である、請求項20から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩300±150mgを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩をさらに含む、請求項20から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、インディナビル、ネルフィナビル、サキナビル、ネファザドン、エリスロマイシンおよびリトナビル、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩から選択される、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、リトナビル、または薬学的に許容できるその塩である、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
リトナビルまたは薬学的に許容できるその塩100±50mgを含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、下式の化合物:
【化3】


または薬学的に許容できるその塩である、請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
(1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩、(2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、(3)1つまたは複数の容器、および(4)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する該化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を投与することに関する処方情報を含むキット。
【請求項32】
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩85±10mgを含む、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩175±25mgを含む、請求項31に記載のキット。
【請求項34】
UGT経路またはUGT代謝を阻害する前記化合物が、フラボノイド、脂肪酸、ステロイド、ベンゾジアゼピン、非ステロイド性抗炎症薬、もしくはアタザナビル、または薬学的に許容できるそれらの塩である、請求項31に記載のキット。
【請求項35】
UGT経路またはUGT代謝を阻害する前記化合物が、アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩である、請求項31に記載のキット。
【請求項36】
アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩400±150mgを含む、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩をさらに含む、請求項31から36のいずれか一項に記載のキット。
【請求項38】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、インディナビル、ネルフィナビル、サキナビル、ネファザドン、エリスロマイシンおよびリトナビル、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩から選択される、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、リトナビル、または薬学的に許容できるその塩である、請求項37に記載のキット。
【請求項40】
リトナビルまたは薬学的に許容できるその塩100±50mgを含む、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
シトクロムP−450を阻害する前記化合物が、下式の化合物:
【化4】


または薬学的に許容できるその塩である、請求項37に記載のキット。
【請求項42】
ヒトにおいてウイルス感染を治療するための医薬品を製造するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の使用であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、該化合物または薬学的に許容できるその塩を該ヒトに投与することを含む使用。
【請求項43】
ヒトにおいてウイルス感染を治療するための医薬品を製造するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の使用であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、該化合物または薬学的に許容できるその塩を該ヒトに投与することを含む使用。
【請求項44】
ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩の薬物動態を改善するのに有用な医薬品を調製するための、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項45】
ヒトにおいてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための医薬品を製造するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の使用であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、該化合物または薬学的に許容できるその塩を該ヒトに投与することを含む使用。
【請求項46】
ヒトにおいてレトロウイルスインテグラーゼの活性を阻害するための医薬品を製造するための、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩の使用であって、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩と一緒に、該化合物または薬学的に許容できるその塩を該ヒトに投与することを含む使用。
【請求項47】
ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩の投与量を約40〜60%低減するのに有用な該ヒト用の医薬品を調製するための、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項48】
ヒトへの投与後に、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、または薬学的に許容できるその塩の投与量を約40〜60%低減するのに有用な該ヒト用の医薬品を調製するための、シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せの、UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項49】
UGT経路またはUGT代謝を阻害する前記化合物が、アタザナビルまたは薬学的に許容できるその塩である、請求項42から49のいずれか一項に記載の使用。
【請求項50】
1)6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩、および2)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩をヒトに投与することを含む該ヒトにおいてウイルス感染を治療する方法。
【請求項51】
組合せで、(a)化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩および(b)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む1つまたは複数の抗ウイルス剤。
【請求項52】
(b)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せで使用される、(a)化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を含む1つまたは複数の抗ウイルス剤。
【請求項53】
UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せで使用される、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩。
【請求項54】
組合せで、(a)化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩;(b)UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩;および(c)シトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む1つまたは複数の抗ウイルス剤。
【請求項55】
UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せで使用される、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩を含む1つまたは複数の抗ウイルス剤。
【請求項56】
UGT経路もしくはUGT代謝を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩、およびシトクロムP−450を阻害する化合物、または薬学的に許容できるその塩との組合せで使用される、化合物6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(2S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸または薬学的に許容できるその塩。

【公表番号】特表2010−532372(P2010−532372A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515112(P2010−515112)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/068339
【国際公開番号】WO2009/006199
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】